包帯の戒めを解かれたのにも気づかないくらいの放心状態で、だらしなく両脚を広げたまま、私はしばらくベッドに仰向けのままでした。
気を失なっていたというわけではなく、ただただ頭の中が真っ白になっていました。
ときどき思い出したようにからだのあちこちで、自分の意志とは関係なく、ピクンピクンと筋肉が痙攣しているのがわかりました。
そのたびに、甘美な快感の余韻が下腹部をくすぐりました。
「あら、気がついたみたいね。どう?立てる?」
シーナさまのお声。
えっと、立つ、っていうのは、どうすればいいのだっけ?
からだを動かそうと力を入れるのですが、その意志をからだの該当部位に伝えることがうまくいかないみたい。
「ぐったりしているのはわかるけれど、いつまでもそこに寝ていられると、片付かないのよね」
シーナさまがイジワルクおっしゃいます。
「いいのよ、ゆっくり休んでいらっしゃい。お疲れでしょう?わたくしたちも片付けや着替えがあるから、お気になさらずに」
アンジェラさまのおやさしいお言葉。
「・・・ぁ、だ、大丈夫です。ありがとうございました」
掠れた声でお答えして、なんとか上半身を起こしました。
足元がおぼつかないからだをシーナさまと蘭子さまに支えていただいて、ゲスト用のドレッシングルームに戻りました。
すぐにバスルームに入り、ローションと私のいろいろなおシルでヌルヌルベタベタになった全身を、ぬるいシャワーで洗い流しました。
両膝の裏が包帯ロープに擦れたのか、少し赤くなっていました。
シャワーの流れに沿ってお肌をさすっていると、何だかお肌が以前よりスベスベしている気がしました。
マッサージしていただいて血行が良くなったせいでしょうか。
アソコ周辺は、まるで生まれたての赤ちゃんみたいにツルツルのスッベスベ。
からだ全体がふうわり軽くなったような気がして、意識もハッキリスッキリ、気持ちまで軽やかになっていました。
シーナさまと蘭子様は、シャワーを浴びる私を眺めながら、楽しそうに談笑されていました。
タオルで丁寧に水気を拭ってから、全裸のままバスルームを出ました。
首のチョーカーが全体にしっとり濡れちゃったことだけが、ちょっと気がかりでした。
「なんだかずいぶん晴れ晴れとした顔をしているわね、直子」
シーナさまが裸の私をマジマジと眺めながらニヤニヤ笑いでおっしゃいます。
「まあ、あれだけ何回も凄腕テクニシャンにイかせてもらったら、直子の底無しな性欲も、さすがに落ち着くわよねー。羨ましいこと!」
シーナさまってば、本当に羨ましそうなご様子に見えました。
「それじゃあ、わたしたちも着替えてくるから、直子も帰る支度をして、さっきのゲストルームに戻ってらっしゃい」
「直子のバッグは、ゲストルームに置いてあるからね」
そう言い残すとシーナさまは、テーブルの上にあった紙袋を掴んで、蘭子さまと一緒にドレッシングルームを出て行かれました。
お洋服を着ようと思い、ハンガーにきちんと掛けられた自分のスーツを見て、ふと思い出しました。
そう言えば、私の下着は?
思えば私は、あのゴージャスなお部屋でストリップをさせられたので、ここに来るときはすでに全裸でした。
脱いだ下着類は、小野寺さんがすべてまとめてどこかへお持ちなっちゃったのです。
ブラジャーと、あと、私のいやらしいおツユで汚れたショーツとパンティストッキング・・・
今更ながらに、赤面してしまいました。
ドレッシングルームをひととおり見回してみましたが、それらしいものはありません。
どこかにしまってあるのだろうか?
でも、まさかチェストとかを無断で開けて見るわけにもいかないし、第一、しまい込む必要なんてまったく無いはずです。
どうしよう?
恥ずかしいけれど、小野寺さんに聞いてみようか・・・
施術ルームの扉をそっと開けてみましたが、電気がすべて消されて真っ暗、誰もいらっしゃらないようでした。
となると、おそらくあのゴージャスなお部屋に戻られたのでしょう。
うーん・・・ま、いっか。
とりあえず下着は着けずに身なりを整えて、あのお部屋に戻ろう。
身も心もスッキリして楽観的になっていた私は、どうせあとは車でお家へ帰るだけなのだから、ノーブラノーパンもさほど大した問題ではないような気分になっていました。
素肌にブラウスを着て、裸の腰にそのままスカートを履きました。
生地が薄いブラウスですが、大人しくなった乳首ならぜんぜん目立ちません。
いつもなら、こんな格好をすればすぐそれなりにムラムラくるのですが、さすがに今はそんな気持ちも湧いてきません。
メイクを軽く整えてからジャケットを羽織り、裸足にスリッパでスタスタとゴージャスなお部屋に戻りました。
ゲストルームでは、再びお洒落な私服に着替えられたみなさまが、おのおのソファーや椅子に腰掛けてお紅茶を召し上がっていらっしゃいました。
「失礼します」
私が入っていくと一斉の拍手。
どなたもにこやかで、最初の頃より私に対する親密さが増している感じがしました。
シーナさまとアンジェラさまから、私のからだや最後のマッサージのときのことをいろいろからかわれ、他のみなさまも、もはや遠慮一切無しで楽しげに笑っていらっしゃいました。
私も、自分を話題にされるのはやっぱり恥ずかしかったけれど、でもそれ以上に楽しい時間がおだやかに過ぎていきました。
下着のことは自分でも忘れたまま、小一時間ほどみなさまとお茶を飲みながらおしゃべりをしました。
「ワックス脱毛すると、次に生えてくるヘアーはいっそう細くなっているの。ナオコのだったら、たぶん2~3週間はそのままで、その後だんだんチョロチョロって出てくるはずよ」
「だから、次に施術出来るようになるのはたぶん12月ね。今日くらいの濃さになったらまた、必ず来なさい」
アンジェラさまが私の手を取って、ニコニコ笑いながらのご命令口調でおっしゃいました。
「ナオコのヘアーなら、あと数回通えば、ほとんど生えてこなくなるはずよ」
「だから必ずいらっしゃい、ね?」
アンジェラさまに固くお約束させられて、サロンを後にしました。
そんな恥辱まみれないわくつきのパイパンな土手を、シーナさまがスルスル撫ぜてきます。
デパートのおトイレの狭い個室の中。
私は必死に口をつぐんで、えっちな声をがまんします。
「あの日の帰り、直子は平気でノーパンノーブラで車に乗っていたわよね?」
「あの頃から、裸でコートなんて破廉恥なアソビを計画していたのじゃないの?」
シーナさまが私の土手を軽くさすりながら聞いてきます。
「あ、はぃ・・・」
「やっぱりねー。あれだけイかせてもらってまだ10日ちょっとでしょ?本当、ヘンタイ性欲のかたまりなのね、直子って」
「夏休みは全裸生活、エステサロンでみんなの前で死ぬほどイって、懲りもせずに今度は裸コート。呆れた女子大生がいたものだこと」
結局あの日、私が身に着けていた下着類はすべて小野寺さんがお洗濯してくれて、施術後にはキレイにたたまれた状態でドレッシングルームのテーブルの上に置いてあったのだそうです。
シーナさまが私のシャワー中にそれを隠し、お部屋からの去り際に手にした紙袋の中身がそれだったのでした。
車の中でシーナさまに渡されて、あんなに辱めを受けたのに性懲りも無くまだノーブラノーパンでいたいのね、なんてさんざん虐められました。
「今日は自分の意志でそんな格好しているのだから、それなりの覚悟は出来ているのよね?」
シーナさまがタンポンの紐を引っ張って、一気に引き抜きました。
「うぐっ!」
「わたしと一緒なんだもの、もうこんなものいらないわ。スケベ汁だらだら垂らしながら街中をお散歩しましょ?」
私から抜き取ったタンポンをポイッと汚物入れに投げ捨てました。
シーナさまの瞳が、どんどんエス色に染まってきていました。
「まずはどこへ行こうかしら?コートのボタンはずしたまま繁華街を歩いてみる?その後、公園にでも行ってオナニーとかしてみよっか?」
「あのう、シーナさま?私、誰にでも視られたい、っていうわけでは・・・」
「わかっているわよ。男子禁制でしょ?それを破るとわたしがゆりさまから叱られちゃうもの。だから悩んでいるの!」
怒ったようなシーナさまのお声。
シーナさまが私の股間から手を離し、腕を組んで考え込みます。
「直子の計画は、ブティックでお買い物して逆ストリップ、だっけ?」
「はい・・・」
「ブティック街でのショッピングは比較的安全だけれど、なんだかマンネリだわね。確かこっちで最初に会ったときもやったわよね?」
おっぱいを縛られて、貝殻ローターをアソコに挿れたまま試着させられたっけ・・・
「あ、はい・・・」
あの初夏の日の恥ずかしさを思い出しながら私が答えると同時に、シーナさまのお顔がパッとほころびました。
「そうだった!あの子がいたわ!」
シーナさまのすっごく嬉しそうなお声。
「うふふ、直子、いいこと思いついちゃったー」
シーナさまは、ご自分のケータイを開けて何か確認されています。
「たぶん大丈夫と思うわ。この時間帯なら。わたしこれからちょっと電話してくるから、直子はコートをきちんと直して、メイク整えてから出てきて」
おっしゃりながら個室から出て行こうとされます。
今のシーナさまのご様子だと、あの日のブティックのノリのいいギャル店員さんに、もう一度会いに行くのかもしれません。
それはそれで、なんだか懐かしいかも・・・
でもそれなら、別に電話することもないような・・・
あっ、ご出勤されているかの確認なのかな?
そんなことを考えていたら、個室を出かけていたシーナさまが振り向きました。
「あっ、そうだ。直子、代わりのタンポン持ってる?」
「え?いいえ、生憎・・・」
「もう使えない子ね。ならわたしのあげるから、それ突っ込んでおきなさい。まだ新しいお店、汚しちゃったら可哀相だから」
「あのう、これから誰かとお会いするのですか?」
「そうよ。お会いって言うか、お見せって言うか」
くくっと笑うシーナさま。
「せっかく直子が一生懸命考えた晴れ姿ですもの、わたし一人で愉しむだけじゃもったいないわ。そう思わない?」
ご自分のバッグからタンポンを一つ出して私に握らせ、そそくさと個室から出て行きました。
お言いつけ通りに真新しいタンポンを挿入し、コートのボタンをきっちり留めてメイクを直し、女子トイレを出ると、シーナさまは廊下でまだ電話中でした。
新しいお店?
ていうことは、このデパートのブティックではないっていうことだよね。
だとすると、これからいったい、私はどこへ連れて行かれるのだろう?
こんなに恥ずかしすぎる私の姿を、誰にお視せになるつもりなのだろう?
エステサロンに連れて行かれたときと同じような、不安7期待3くらいのフクザツな思いが胸に渦巻いていました。
「おっけー。それじゃあ行きましょう」
シーナさまは、私の右手を取って一直線にエレベーターに向かいました。
手を引かれておたおたとついていく私。
エレベーターで地下まで降りると、私鉄とJRの地下連絡通路を進みます。
これでもう、あのギャル店員さんのお店ではないことが決まりました。
平日の昼間だというのにちょっとびっくりするくらい大勢の老若男女が地下通路を行き来していました。
裸コート姿でこんなに大勢の人の前に出るのは、もちろん初めてです。
すごい緊張感が全身に走ります。
普通にしていればバレるはずないのに、ヘンタイな行為をしているという負い目が背徳感を煽り、ゾクゾク感じてしまいます。
私ひとりでは、こんなに人がいるところに、この格好で出てくることなんて絶対出来そうもありません。
シーナさまはずっと無言で、私の手を引いたままスタスタと人混みを優雅にすり抜けていかれます。
私はシーナさまの左手を命綱のようにギューッと握って、一生懸命ついていきました。
途中の地下街で、有名なサンドイッチショップのサンドイッチをシーナさまがたくさん買って私に持たせ、さらに地下通路を進んでいきました。
ここまで来ちゃうと確かもう西口のはず。
こっちに来て半年以上経ちますが、西口に来るのは初めてでした。
地下通路が突き当たりになる頃、シーナさまがようやく地上への階段を上り始めました。
*
*コートを脱いで昼食を 23へ
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