2024年5月25日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 05

「そういうことなら、あたしたちもお弁当持ってきているからさ、みんなでランチタイムにしない?食事って大勢で食べたほうが美味しいし」

 明るく振る舞われるお姉さまのツルの一声で見知らぬ同士のお食事会があっさり決まり、庇の下のベンチ横にお姉さまご持参のシートを敷いて車座になって座り込み、ピクニックランチが始まりました。

「飲み物もたっぷりあるから、遠慮しないでどんどん飲んでね」

 お姉さまのお声にご反応されたのはポニーテイルの彼女。

「助かります。コンビニで飲み物も買ったんだけど歌うと喉乾くからじゃんじゃん飲んじゃって。菓子パンに飲み物無しはキツイなーって思ってたんです」

「あそこの水道、飲めるのかなー、なんて言ってたよね」

 すぐそばに、たぶん手洗いや校庭への水撒き用として腿くらいの高さに立っている、いかにも古そうな錆だらけの水道の蛇口を指さされて笑うのはメガネの彼女。
 笑顔になられると一層あどけなさが強調されます。

 幸いプラコップもたくさん入れておいてくださったので、まずはおのおのの好きな飲み物を入れてカンパーイ。
 私たちのお弁当は基本的に一昨日夜、名塚先生にお出ししたサンドイッチ類と具材は同じでしたが、クーラーボックスに入れていたぶんしっとりひんやりしていて、暑い陽射しの屋外で食べるといっそう美味しく感じられます。
 菓子パンふたつづつの女の子たちもご自分のを召し上がれた後、勧められるままにお手を出され、美味しい美味しいとパクつかれていました。

 そんなリラックスしたランチタイムの最中にお姉さまが巧みな話術で聞き出された情報。

 メガネの彼女が幼少期にこの近くに住んでおられ、うんと小さいときには、すでに廃校だったこの校庭でその頃のお友達と一緒に遊んでおられたそう。
 その当時は自由に出入りが出来て、別に管理されているようなご様子も無かったとのこと。
 ポニーテイルの彼女とメガネの彼女は小学校からのご学友で、メガネの彼女がここのご近所から別の町にお引越しされたのは小学校ご入学の前。
 中学では同じ学校に通ったものの三年間別々のクラスだったので徐々に疎遠になってしまったこと。

 高校ご入学で同じ部活に入られたことで再会され、急速に仲良しが復活されたこと。
 メガネの彼女がここのことをふと思い出され、ポニーテールの彼女を誘ったらすぐに乗ってこられて春以来、学校が休みの日に月2、3回はここに忍びこんでいるとのこと。
 ここに来るようになって自分たち以外の人に出会ったのは、お姉さまたちが初めてだということ、などでした。

 主にお話されているのはお姉さまとポニーテイルの彼女。
 私とメガネの彼女は相槌を打ったり、同意を求められてお返事したり程度ですが雰囲気は和気藹々としています。
 ただ、ときどき彼女たちおふたりの視線が私の首輪をチラ見してこられます。

 お姉さまとふたりだけにしては多すぎるなと思えたサンドイッチやフルーツもキレイに食べ尽くされました。
 恐るべし高校部活女子のご食欲。
 2リットル以上もあった飲み物も底が見えて、みなさまがまったりまどろむ頃。

「ごちそうさまでした。サンドイッチもメロンもすごく美味しかったです。ひょっとしてどこか有名なお店で買ってきたんですか?」

 お礼を言ってくださったのはポニーテイルの彼女。
 うんうんとメガネの彼女も頷かれています。

「ううん。あたしたちが泊まっている別荘の管理人さんの手作り。でもそんなに喜んでもらえたらあたしたちも嬉しいなあ。バッチリ伝えておくね」

 お姉さまが満面の笑みでおっしゃってから、ちょっとイタズラっぽいお顔に変わられます。

「ご馳走した代わり、って言ったらズルいけど、あなたたちの歌、もう一度聞きたいな。すっごく綺麗だったから今度は間近で」

 屈託ないお姉さまのリクエストに、えーっ!とハモられ、みるみる赤くなって照れ笑いを浮かべられるおふたり。

「あなたたち演劇部なんでしょ?だったらいずれお客さんの前で歌うことになるじゃない。場馴れしなきゃ。あたしたちが一番最初のお客さんになってあげる」

 励ますようにおやさしくおっしゃるお姉さまのお言葉に、おふたりで急遽コソコソなにやらご相談。
 まとまったみたいで、おふたりともその場に立ち上がられ、ポニーテイルの彼女がお一言。

「だったら、お礼の意味も込めて一番だけ、やります」

「おーけー」

 お姉さまが即答されパチパチパチと大きな拍手。
 もちろん私も一緒にパチパチパチ。

「んーーーー…」

 最初にソプラノのハミングで音程を取るようです。
 私の予想に反して高いほうのソプラノはメガネの彼女でした。
 そこにポニーテイルの彼女の、んーーー、という低めのハミングが綺麗にハモりました。

「ざーあいん、くなーばいん、るーすらいんしゅてぃん…」

 ハミングが途切れると唐突にお歌が始まります。
 主旋律はメガネの彼女、そのたぶん三度下をポニーテイルの彼女が綺麗にハモっていきます。
 近くで聞くとおふたりのお声それぞれに艶があり、ぴったりと寄り添って進んでいく感じ。
 知らずにまた遠くの青空に目線を走らせているうちにワンコーラスがあっさり終わってしまいました。

 パチパチパチ…
 お姉さまと私で渾身の大拍手。

「素晴らしー、バラスーシ。ねえねえあなたたちって絶対音感とか持っているの?」

 お姉さまがご興奮気味にお尋ねになります。

「あ、ふたりともそんなの無いと思いますけど…」

 照れたようにお顔を紅潮させられてお応えになるポニーティルの彼女。
 しばしの満ち足りた沈黙の後、メガネの彼女がポツンとおっしゃいました。

「お姉さんたちはモデルさんとかタレントさんだったりするんですか?」

「なんでそう思ったの?」

 お姉さまが否定も肯定もされず、逆にフレンドリーに聞き返されます。

「だっておふたりともお綺麗だし、こっちの人は首輪なんかしちゃって普通ぽくないし、そのバッグの中にビデオカメラが見えたから、後から撮影隊の人なんかも来て何かこう、そういうビデオの撮影でもするのかなー、なんて」

 メガネの彼女がときどき宙に目を泳がせられながら、考え考えお言葉を紡いでいます。

「綺麗って言われて嬉しいんだけれど、残念ながらあたしたちはタレントとかじゃもちろんなくて、近くの別荘に遊びに来ているただの観光客」
「でもここでこの子をモデルにしてビデオを撮ろうかなと思っているのは当たり。あたしが撮るんだけどね、ただのプライベートな趣味として」

 お姉さまがバッグからビデオカメラを取り出されながおっしゃいます。
 カメラのベルトを右手に嵌められてレンズを彼女たちに向けながら、唐突に大きなお声をお出しになりました。

「あー、失敗したーっ!さっきあなたたちが歌ってくれたのも撮っておけばよかった。いい旅の思い出になったのに…」

 照れ笑いを浮かべられる彼女たちを撮影しつつ、悔しそうなご表情を作られるお姉さま。

「ねえ、申し訳無いんだけど、もう一回だけ歌ってくれない?」

 本当に申し訳無さそうにビデオカメラを嵌めたままの右手と左手を合わせられ拝むような仕草。
 おふたり、しばしお顔を見合わされ戸惑ったようにされていましたが、すぐに、

「いいですよ。誰かに見られていたほうが緊張感があって練習になるし、わたしたち、人前に出てこその演劇部員ですから」

 ポニーテイルの彼女が笑いながらあっさりおーけーしてくださいました。

 もう少し明るいところで撮ろうと庇から出て青空の下、お姉さまのレンズがおふたりを真正面から狙われています。
 庇から出ると太陽燦々、校庭特有のお砂混じりな土の上に二対二で向き合います。
 さっきみたいにハミングからお歌へと入られ、美しすぎるハーモニーが青空へと消えていきます。
 さっきよりも一層お声に艶が増しているみたい、と思っているうちに一番が終わり、私たちは盛大な拍手。

「ありがとう。この夏の素敵な思い出がひとつ増えたわ」

 お姉さまはカメラを構えられたまま右腕の手首付近に左手を打ちつけて拍手されていました。
 あれだと拍手の音が大きく録音されてしまうし、手ブレもひどそう。

「あなたたちって、ハモりもピッタリ寄り添っているみたいで、歌っているときも頻繁に視線交わしててすっごく仲良さそうなんだけど、ひょっとして普段から百合なご関係なのかしら?ガールズラヴ的な意味の」

 お姉さまがカメラを下ろされ、イタズラっぽいお顔になられておふたりに尋ねられます。
 おふたりとも一瞬、虚を衝かれたようなお顔になられ、すぐにおふたりとも頬が赤く染まりました。

「ち、ちがいます!」
「そんな感じです」

 おふたりの声がほぼ同時に重なりました。
 大きなお声で、ちがいます!と言い放ったのはポニーテイルの彼女。
 普通のお声で、そんな感じです、とおっしゃったのはメガネの彼女。
 ポニーテイルの彼女のほうだけ、まだお顔が上気されています。

「あれー、意見が割れちゃったねー。でもまあ深く追求はしないであげましょう」

 お姉さまがご愉快そうにおふたりを眺められ、こうつづけられました。

「あたしたちはね、レズビアンなの。あたしとこの子はね、心もからだも深ーく愛し愛され合っているの」

 なんて嬉しいお言葉。
 でも彼女たちおふたりのお顔は、呆気に取られたような驚愕のご表情。

「あ、でも誤解の無いように言っておくと、この子はこう見えてちゃんと成人しているからね。今日のこの格好はすごく幼く見えるけれど、ここの、学校っていうシチュエーションに合わせて着せたコスプレだから。ちゃんと大人の女性同士として愛し合っているの」

 相変わらずの笑顔で明るくおっしゃるお姉さま。

「へー、そうなんですか…」

 ポニーテイルの彼女がお独り言のようにポツリと返されます。
 おふたりの私たちを見るまなざしが驚愕から好奇心の側へと徐々に移り変わられているような気がします。

 このとき私は、お姉さまがこのおふたりを巻き込まれて私を辱めるおつもりだな、と察しました。
 見知らぬ年下の女性たちの前で、という状況に、私の被虐心がムラムラ疼き始めています。

「それに加えてあたしたちはSMの関係でもあるの。あ、SMって知ってる?」

 お姉さまがお尋ねになると、メガネの彼女さまがおずおずとお応えくださいます。

「虐めたり虐められたりするえっちな関係のことですよね?…縄で縛ったり鞭でぶったりして…」

 何となく恥ずかしそうに言いづらそうにお応えくださるメガネの彼女さま。
 ポニーテイルの彼女さまのほうは、ポカンとお口をお開けになって、未だ信じられないというご表情。

「そう、正解。じゃあ、あたしとこの子、どっちがM、エムのほうがマゾっていう虐められる側なんだけど、どっちがMだと思う?」

 フレンドリーなお姉さまのお尋ねに、おふたりとも無言で私のほうを指さされました。

「だって首輪なんて着けちゃってるし」

 なんとなく上から目線を感じさせるメガネの彼女さまのつぶやき。

「正解。でもね、SMの関係には愛が必要なのよ。ただのいやがらせみたいに相手の嫌がることして虐めるのはただのイジメ。SMっていうのは相手のして欲しいことを愛情込めて察してあげて、お互いに気持ち良くなることが重要なのね」
「Mの人っていうのは、痛いのだったり恥ずかしいめに遭わせられるのが好きだったりするんだけど、それをよく理解してあげて、Mの人が自分でもコントロール出来ないどうしようもない願望を一番気持ち良く感じるような状況に追い込む感じで采配するのが、Sの人のほうの醍醐味であり快感でもあるのよ」
「そんな感じだからあたしたちは…」

 お姉さまの立板に水のご説明がふと途切れ、ビデオカメラを右手から外されたお姉さまがポニーテイルの彼女さまに近づかれて、そのカメラを手渡されます。

「あなた、センス有りそうだからこのカメラでこれからあたしたちがすることを撮影してくれない?使い方わからなくても録画ボタンはもう押してあるから、あなたの思った通りにレンズ向けるだけでいいから」

「あ、大丈夫です。わたし、よく舞台稽古も撮っているし、このカメラってママの、あ、いえ、母親が使っているのと同じメーカーみたいだから」

 突然、撮影役にご任命されたポニーテイルさまが照れ笑いされながらも、レンズをこちらに向けて液晶モニターを覗き込まれます。
 レンズが正しくこちらに向いていることをご確認され、お姉さまがやおら私を抱き寄せてくださいました。

「だからあたしたちは、こんなことも…」

 おっしゃってから私の顎に右手を添えられ、私の唇をご自分の唇で塞がれたお姉さま。
 お姉さまの長い舌が私の口腔に侵入してこられ、私の舌が捻じ伏せられます。
 同時にお姉さまの両腕に私の背中が締め付けられて、息も出来ないほど抱きすくめられます。

 数秒間の熱いくちづけが離れて、私の口からはよだれがダラダラ。
 セーラー服の白い布地を汚してしまいました。
 構わずにつづけられるお姉さま。

「それから、こんなことも出来るのよ」

 抱擁の状態から一転して、私から一歩退いたお姉さまの右手が一閃。
 パチンパチンと小気味良い音を響かせて私の左頬、右頬への往復ビンタ!
 一昨日に名塚先生からいただいた強烈ビンタほどではありませんでしたが、かなりの本気ビンタでした。

「キスもビンタも、この子がして欲しいと思っているからしてあげるの。そうよね、直子?」

 あっさり私の名前をバラしてしまわれるお姉さま。
 久々に名前を呼ばれて、なぜだかビクンと震えてしまう私。

「は、はい…」

 お姉さまに必要とされていることが嬉しくてニヤけてしまいそうな顔を無理矢理引き締めて、殊勝そうにうつむいて応える私。
 好奇心で目を爛々と輝かせているメガネの彼女さま。
 固唾を呑んで、思い詰めたようなご表情でビデオカメラの液晶モニタを覗かれているポニーテイルさま。

「あら、ちょっと引かれちゃったみたい。そんな深刻なことじゃないのよ。あたしたちはこれで愉しんでいるのだから」
「この子は甘いキスも、ほっぺたやお尻を思い切りぶたれるのも、どちらも大好きなのよ。もちろんやっているあたしもね」
「だからこの子には飴と鞭は通用しないの。飴も鞭も、辛いお仕置きだって全部がご褒美になっちゃうから」

 あくまでフレンドリーなお姉さまが、主にポニーテイルさまに向けて語りかけていらっしゃいます。

「そうだ、びっくりさせちゃったお詫びとして、あなたたちにこの子の裸、見せてあげようか?」

 今度はメガネの彼女さまに向けてニヤニヤ笑顔でご提案されるお姉さま。

「えーっ、そんなこと言って、次はわたしたちの裸も、なんて言われても嫌ですからねー」

 メガネの彼女さまがご冗談のように返されます。
 メガネの彼女さまはどんどんノッてこられたようなご様子。

「ううん、そんなこと絶対に言わないわ。なぜならこの子、あ、ちゃんと紹介していなかったわね。森下直子っていうんだけど、直子は誰かに自分の恥ずかしい姿を視られるのが大好きだから。今だって恥ずかしい格好になりたくてなりたくてウズウズしているはずよ」

「へー、露出願望もあるヘンタイさんなんだー」

 お姉さまがメガネの彼女さまのお顔を笑顔で見つめられ、うんうんと嬉しそうに頷かれています。
 お姉さまとメガネの彼女さま、すっかり意気投合されちゃったみたい。
 本名の姓までバラされて私の恥ずかしさも一段ヒートアップ。

「そうよね、直子?」

 お姉さまから同意を求められて思わず、は、はい、とお応えしてしまう私。

「だったらちゃんと自分でおふたりにお願いしなければ駄目じゃない。私の恥ずかしい姿をどうぞじっくり視てください、って」

 左頬に本気ビンタを頂きながら叱責される私。

「は、はい…よ、よろしければどうぞ、私の淫乱でだらしないからだを思う存分隅々までご覧になって、ヘンタイとさ、蔑んで笑ってください。お、お願いします…」

 いやらしくへりくだった言葉を自分で口に出しながら、マゾマンコの奥がキュンキュン疼いています。
 私、見知らぬ年下の高校一年生女子の方々の慰み者になってしまうんだ…

「淫乱てわかるよね、いやらしくてどスケベなこと。まったくこの直子は、命令しているあたしのほうが恥ずかしくなるくらいのど変態なんだから」

 苦笑いなお姉さまと、好奇のまなざしに嗜虐的な色が混ざりつつあるメガネの彼女さま。
 ポニーテイルさまはただただ食い入るように液晶モニタを覗かれています。

「それじゃあまず手始めに、自分でスカートを捲り上げて、ど淫乱な直子の下半身がどんな状態になっているのかを視ていただきなさい」

 私にご命令くださると同時におふたりにもご説明を加えられるお姉さま。

「この子のアソコってスゴイのよ。まあ視てもらえばわかると思うけど」

 お姉さまに促され、自分のプリーツスカートの裾を両手で掴み、ソロリソロリと持ち上げていく恥ずかしさ。
 やがて両手が自分のおへその上まで持ち上がると、どこから取り出されたのか木製洗濯バサミをおふたつ差し出されるお姉さま。

 これでスカートの裾をウエスト部分に留めて、捲り上げっ放しな状態にしなさい、という意味でしょう。
 ご命令通り洗濯バサミを取り付けた後、自然と私の両手が自分の後頭部にいってしまいます。

「うわっ、凄いちっちゃいパンツ…それに毛がない」

 すぐに素直なご感想をお口に出されたのはメガネの彼女さま。
 ポニーテイルさまも食い入るように液晶モニタを覗き込まれてから、お顔だけ上げられて実物と見比べていらっしゃいます。

 恥丘丸出しでかろうじて割れ始めからが隠されている私のマゾマンコ。
 もし後ろを向けばお尻の穴さえ丸出しです。
 必要最低限のお仕事しかしてくださらない水色のブーメランショーツさま。

「そうね。本当に破廉恥な下着だこと。その他に気がついた点はない?」

 お姉さまが本当に嬉しそうにメガネの彼女さまにお尋ねになられます。

「内腿の付け根のところだけパンツが大きく濡れて湿ってるみたい。ほら、布地の色がそこだけ濃くなってる」

 ズバリ的確なご指摘を突き付けてこられるメガネの彼女さま。
 好奇心丸出しなおふたりから浴びせられる熱視線に、私のだらしないマゾマンコはしとどに濡れそぼってしまっています。

「なんで濡れているのかはわかるわよね?こんなに恥ずかし過ぎることをやらされているのに、この子はそれが気持ち良くて愛液を膣奥から滴らせているの。本当にとんでもなく変態な見せる子ちゃんなのよね」

 五十嵐さまが角田さまに私を紹介されたときに付けられたニックネーム。
 お姉さまからのお言葉責めでますます広がる私の恥ずかしいシミ。
 お姉さまに呆れられ蔑まされ、性懲りも無く更にどんどん感じてしまう、私の円環の悪循環…


2024年5月18日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 04

 ここでお姉さまからハイソックスを穿くことを命じられました。
 ほとんど裸のからだを屈めてソックスを穿きます。

 ふくらはぎの三分の二くらいまで隠れる白いハイソックスを右、左と穿いていきます。
 下着というか水着というかインナーが布極小の超えっちな感じですから、白ソックスを穿くと妙にそこだけ学生度というか健全度が増して、ますます超えっちな感じになりました。

「セーラー服着るんなら靴下も三つ折りにしたほうが、より雰囲気が出るんじゃないかな?」

 お珍しく角田さまがご意見を述べられ、みなさま、それもそうだ、と即採用。
 五十嵐さまの手で足首のところまで三つ折りに折られ、女学生度がますます増して、えっちさに一層の磨きがかかります。

 卑猥なインナー姿から一転して、その上に着るのは清楚なセーラー服。
 かぶって着るものもあるようですが、そのセーラー服は前面の真ん中にファスナーが隠れていて、前開きで着る着脱が楽な仕様。

 私は中学、高校とブレザーだったので、制服としてのセーラー服を着たことはありません。
 記憶に残っているのは高校のとき、やよい先生、今はバーのママさまで当時はバレエ教室で私の担当講師だった百合草やよいママさま、としたえっちなロールプレイング遊びでコスプレしての学園調教ごっこでしたから、セーラー服イコールえっちなイメージのほうが大きい感じ。
 今回もこれからそうなりそうですけれど。

「あたし中学セーラーだったからさ。今でもまだ覚えているもんだね、三角タイ」

 膝上10センチくらいのプリーツスカートを穿いてから、スカーフはお姉さまが綺麗に結んでくださいました。
 お姉さまのセーラー服姿、ぜひ拝見したいです。

 すっかり身なりが整うとみなさま一斉に、あらかわいい、一気に幼くなったね、まあ二、三年前までは高校生だったんだし、等々ご感想の嵐。
 お姉さまが私の姿を満面の笑みで眺めながらおっしゃいます。

「ここまで可愛いと髪もいじって、もっと可憐にしてあげたくなるわね」

 椅子に座らされ、お姉さまの手が私の髪に触れてきます。

「うーん、三つ編みおさげにするにはちょっと長さが足りないかな。でもまあ上のほうから編み込んでカチューシャみたいにしたらもっと子供っぽくなってより可愛いかも」

 お姉さまが側頭部の髪の毛を弄り始め、ゴムやヘアピンを駆使されて、ものの数分で前髪ハラリの編み込みカチューシャ風が出来上がったようでした。

「確かに可愛いけどさ、一気にジェイシーまで若返ってかなりロリめでヤバくない?あんな水着を下に着せてるんだから、どうせセーラーもすぐにはだけさせちゃうんだろうし」

「見た目が幼くなった分ハンザイくささが増したよね。今だって首輪だけ違和感バリバリで、この子の不幸な結末しか見えない感じ」

 五十嵐さま中村さまの順で、半分からかうみたいに率直なご感想。
 寺田さまが笑いながら私の目前にクラシカルな装飾の施された手鏡をかざしてくださいました。

 鏡に映るのは、編み込んだ髪の毛で前頭葉の後ろめをカチューシャのように飾った軽い前髪な童顔の女子。
 首から下は可憐なセーラー服姿なのですが、首に巻かれたくすんだ赤い首輪がすべてをぶち壊していました。
 首輪をしていることでユーカイとかラチカンキン、ミセイネンインコウとかの単語がパッと頭に浮かび、ハンザイの匂いがプンプンします。

「いいのよ。どうせ誰に見られるわけでもないし、これから行くところにもぴったりな雰囲気じゃない。ご期待通りにハンザイくさい映像をたっぷり撮ってくるわ」

 お姉さまが余裕の笑顔でご意見をまとめられます。

「ここまでしたら足元も茶色のローファーで、ってなるけれど、さすがにそんなのは無いわよねぇ」

 お姉さまが笑顔のままおっしゃると、すかさずお応えになる寺田さま。

「あ、でも焦げ茶色のサンダルならあるよ、クロックス。あれなら見た目もローファーぽくない?出かけるときまでに出しといてあげる」

 いつの間にかお席を外されて厨房に通じるドアの向こうに入られていた中村さまが、大きな箱を提げて戻られます。

「はい、これがランチのお弁当。サンドイッチとフルーツだからクーラーボックスに入れといた」
「目的地も私有地内で自販機とかコンビニは無いから紅茶と緑茶の大きめなペットボトルも入れといた。少し重たいかもしれないけど」

 お姉さまのお足元に大きめなクーラーボックスが置かれます。

「それじゃあ寺ちゃん、車借りるね。イギリス車、運転するの初めてだから楽しみ」

 お姉さまがおっしゃると寺田さまが苦笑い。

「いやいや、ミニはとっくに買収されてて今はドイツ製だから」

「あ、そうなの?イギリス車だから右ハンドルじゃないの?」

「いやいや、輸出仕様車。そんなこと言ったらエミリーのドイツ車だって右ハンドルじゃない」

 おふたりで私にはワケの分からない会話をされて大笑い。

 お姉さまはボートネックでルーズフィットなスカイブルーのチュニックに黒のスリムジーンズ姿で、何やら詰め込んだ小さめなトートバッグを肩から提げられ右手にクーラーボックスを持たれ、私はスマホとローター一式だけを入れたポシェットをセーラー姿に斜めがけにして正面玄関へ。
 みなさまがぞろぞろと玄関まで見送ってくださいます。

「直ちゃんのはそれね」

 寺田さまのお言葉で足元を見ると焦げ茶色のサンダルがご用意されていました。

「確かにローファーに見えないこともないわね」

 おっしゃりながらお姉さまも裸足に真っ白なスニーカーを履かれました。

「ゆっくりふたりで愉しんでくるといいよ」
「あっちで撮った動画も楽しみにしてるから」
「さっきメールがあって、こっちに着くのは三時くらいになりそうだって」

 みなさま口々のお見送りのお言葉を背中に受けつつ快晴なお外に出ます。
 正門ではなく建物の裏手にある駐車場のほうへ。
 あらためて考えると駐車場に入るのはここに来て初めてでした。

 お車10台は優に駐められそうな長方形に舗装された一画。
 でも白線とかは引かれておらず、それでも整然とお車が前向きに並んでいます。
 お姉さまのお車、昨日乗ってきた五十嵐さまのお車、昨日の朝ジョセフィーヌさまのお散歩のときに出くわした寺田さまが運転されて名塚先生が同乗されていたお車。
 少し離れたところには、白くて可愛らしい感じのお車とスポーティな感じの大きなオートバイも駐められています。

 お姉さまは、昨日寺田さまと名塚先生が乗られていたオレンジ色で可愛い感じのお車に近づかれ、リモコンをピッ。
 お車のヘッドライトが瞬いてから後部右のドアを開けられ、お荷物を積み込みました。

「ほら、直子は助手席に乗って」

 お姉さまに促され助手席へ。
 私がシートベルトしているあいだ、お姉さまが眼前の計器類とにらめっこされていましたが、やがてどこかのボタンを押すとピッと電子音がしてブルルンとエンジンがかかりました。
 同時に何やら賑やかな音楽が耳障りではないくらいの音量で車内に流れ始めます。

「ボン・ジョビね。名塚先生、彼らの大ファンなんだって、あのお年で。この車には彼らのアルバムが全部入ってて、ドライブ中はボン・ジョビしか流れない、って寺っちが笑っていたわ」

 ボン・ジョビさまがどんな人?バンド?かまったく知らない私にとってはお役に立たない情報をお姉さまが教えてくださり、お車が滑るように走り始めます。
 半分開けた車窓から晩夏の陽射しと山間の爽やかな風。
 どうやら昨日ショッピングモールへ向かった道順と同じルートを辿るようです。

 お車内ではえっちなイタズラとかはまったくされず、今朝話題になった、先週ここを訪れたピアノのお上手なM女さま、私のピアノの先生でもあった大貫ゆうこさまに関するご質問責めでした。

 私が中学校の頃、実家のお庭で母たちと水着パーティをしたときにベージュの紐ビキニを着られて恥ずかしそうにしていたかた、高三の頃、そのかたのご自宅にレッスンで伺ったら恥丘まで見えるウルトラローライズジーンズでお出迎えしてくださったかた、とご説明すると、あ、その話なら聞いたことあった気がする、とお姉さまがおっしゃってくださいました。

 高三以降、ゆうこ先生、この呼名が一番しっくりくるので、こう呼ばせていただきます、のご印象が私の中で希薄になってしまったのには理由がありました。

 ゆうこ先生の音楽関係のお仕事がお忙しくなってしまい、東京へお引越しされて少し経った頃、確か梅雨が明けるかどうかの頃だったと思います。
 休日のリビングでまったりしていた私に夕飯のお買い物から帰ってきた母が、少し興奮気味に声をかけてきました。

「ねえねえ直ちゃん、この写真の女の人、大貫先生じゃない?」

 見せられたのは写真週刊誌の見開きページ。
 そこには、当時人気のあった男性アイドルグループのおひとりと、目のところに黒く目隠し線の入った妙齢の女性がスーパーかコンビニかで仲睦まじくお買い物する隠し撮り写真と、どこかのマンション入口へ肩寄せ合って入っていく横顔の写真がありました。

 その記事には、スクープ!人気アイドル、忍び逢うお泊り愛、なんていう見出しで、そのマンションは写真の女性作曲家が住んでいるところであり、その女性はアイドルグループの次の新曲の作編曲を手掛けることになっている、なんてことが書いてありました。

 なんでも母はお昼頃、見るともなしに点けていたテレビのワイドショーでこの記事が紹介されて興味を持ち、お買い物のときにわざわざ書店さんに寄って写真週刊誌を買ってきたそうです。

 母はなんだか自分のことのようにウキウキして、ゲーノー界はすごいわよね、なんて言ってはしゃぎ気味でしたが、私は大ショックでした。
 私も、ゆうこ先生がそのアイドルに曲を書くらしいということは学校の芸能通のお友達から聞いていたし、写真に映る女性が着られている七分袖のチュニックは私にも見覚えのあるものでした。
 写真の女性はゆうこ先生に間違いありませんでした。

 母には気落ちを悟られないように気を遣いつつ夜、自分の部屋でひとりになってから落ち込みました。
 裏切られた気持ちでした。
 東京に行った途端に、そんな芸能人とチャラチャラされて、という妬みのような反感もあったと思います。

 でも考えてみればゆうこ先生は一度は男性とも結婚されているし、レズビアン一筋というよりはバイセクシャルなのでしょう。
 ご自分でも女性に対するときはM、男性に対してはSとおっしゃっていたし。

 それでもこの仕打ちは私にとっては裏切り行為であり、とてもがっかりしました。
 ゆうこ先生とした、めくるめく夢のようなSMごっこが全部汚されたような気持ちでした。
 そんな感じで、私にとってのゆうこ先生とのあれこれは完全に過ぎた思い出と化し、私の中でゆうこ先生の存在感がどんどん希薄となっていったのです。

 たまに名塚先生の作品を読み返したときにお顔とお名前を思い出す程度。
 その頃は、その作品をどなたが書かれたかなんてことはまったく気にしていなかったのですが。

 だから今日、ゆうこ先生と立花レイカさまとのご関係がつづいていて、レイカさまのマゾペットのようなこともまだされていると知れて、すっごく嬉しくなりました。
 音楽の世界でご活躍されているようなのに、ちゃんと昔からのえっちな性癖も持続されているのが私の知っていたゆうこ先生らしくて。
 
 名塚先生の作品を教えてくださったゆうこ先生の近況を、名塚先生の別荘で聞くという偶然に、不思議なご縁を感じると共に世間て案外狭いなとも感じます。
 百合草ママさまのお店にも行かれているようなので、いつか再会出来るといいな、と思っています。
 
 そんなようなことをお姉さまにご説明していたら、お車が見覚えのあるところに出ました。

 昨日ショッピングモールへ向かう途中にあった、延々つづいていた森林が突然途切れ、草ばかり生い茂る平地。
 しばらく進むと、昨日私が、お寺か神社かな、と思った木造二階建ての大きめな建物が見えます。
 その道向かいの草ぼうぼうな空き地にお車が駐められてエンジンを切ると、ボン・ジョビさまの威勢の良い音楽もプツンと切れました。

「あの建物のところへ行くのですか?」

 お姉さまにお尋ねします。

「そう。ずいぶん前に廃校になった小学校跡なんだって」

 お姉さまがバッグの中を覗き込みながらお応えくださいます。

「なんだか廃校後に土地の権利関係とかがややこしかったらしくて、長年色々揉めた後なぜだかうやむやになって、ここらへん一帯を買い取ったったときに、学校も一緒にタダで付いてきたらしいの」

 お姉さまが笑いながらご説明してくださいます。

「校舎とか建物内の管理は新たに契約した別の人がやっているらしくて、整備してドラマや映画のロケにときどき貸し出しているらしい。アダルトビデオの撮影とかにもね」
「名塚先生はなんたって土地の所有者のおひとりだから、その関係者の敷地への出入りはもちろん自由、っていう話だったわね」

 お荷物の整理が終わったらしくトートバッグを手に取られたお姉さまがお車のドアを開けられます。

「直子のポシェットもあたしのバッグに入れといてあげるから、直子は手ぶらで着いてきなさい」
「今ちょうど12時だから、ピクニックみたく校庭でランチしてから、ふたりでゆっくり愉しみましょう。小学校跡ならブランコとか低い鉄棒とかもあるでしょうし」

 意味深なことをおっしゃいつつ、クーラーボックスを持たれて草むらをのんびり歩かれるお姉さまと手ぶらの私。
 太陽はほぼ真上に来ていますが爽やかなそよ風も吹いているので、蒸し暑さはほとんど感じない、まさにピクニック日和。

 お車で走ってきた道路を越えて、草だらけの道なき道を建物の正門らしきほうへと近づいているとき、そよ風に乗って女性のコーラスらしき可憐な歌声が小さく聞こえてきました。

「…りーすらい、りーすらい、りーすらいぅをー、りーすらい、あぉふでるはーいでん…」

 このお歌は、確かシューベルトさまの野ばら…
 でもメロディが三拍子だからウェルナーさまのほうかな…

 正門が近づくにつれてハッキリ聞こえ来る心地よいメロディ。
 伴奏なしのアカペラで、私の知っている日本語の歌詞ではなく、どうやら原語、確かドイツ語のようです。
 声量はそんなにないけれど、透き通るようにきれいなソプラノ二声のハーモニー。
 歌っているのはどうやらおふたりの女性のようです。

「…りーすらい、りーすらい、りーすらいぅをー、りーすらい、あぉふでるはーいでん」

 馴染のあるメロディの余韻が青空に溶けて、しばらく無音がつづきました。
 そのあいだも正門方向へ歩を進めていると、んーー、という綺麗なハミングが聞こえてきて、すぐに同じお歌の歌い出しのハーモニー。
 どうやらもう一度聞かせていただけるみたい。

 お姉さまがバッグからビデオカメラを取り出され、ゆっくり歩きながら撮影を始められます。
 レンズを向けているのは正門の方向。
 このメロディが流れている景色を記録として残したいと思われたのでしょう。

 綺麗…
 晴れ渡った青空に吸い込まれていくような歌声が心地よく、思わずお空を見上げてしまいます。
 いつまでも聞いていたい感じ。
 お姉さまはと見ると、カメラは正門に向けたままお顔を心持ちお空に上げられて、歌声に耳を澄まされながら目を瞑っていらっしゃいました。

「なんか先客が居るみたいね」

 私のほうを向かれたお姉さまが嬉しそうにおっしゃいます。

「女の子ふたりみたいだし、これは面白いことになるかも」

 イタズラっぽく笑われるお姉さま。
 校門と思われる閉ざされた正門までやって来るあいだ中、ずっとそのお綺麗な歌声が聞こえています。
 お姉さまはお歌の区切りのよいところでカメラを下ろされ、再びバッグにしまわれました。

 正門には錆だらけだけれどご立派な鉄製で横開きの大きな門があり、ぴったり閉ざされています。
 関係者以外立入禁止、と太字で書かれた大きめのプレートが門の中央にドーン。

 そのまわりを敷地を囲んで低めで目の粗い金網が巡らされているのですが穴だらけで、優に人ひとりが通れるくらいの穴がいくつか空いていました。
 門のものものしさの割に人の出入りに対しては寛大みたい。
 その正門の前に、学生さんが好んで乗られそうなカラフルに洒落た自転車が二台停められていました。

 お姉さまは頑丈そうな正門脇にある人ひとりが通れるくらいの通用門ぽい鉄製のドアを律儀に鍵で開けられ、小学校跡の敷地内に入られます。

「ほら、一応ここの鍵も預かってきたからさ」

 照れたように笑われるお姉さま。
 つづいて私もそのドアをくぐります。

 敷地内、たぶん校庭だったと思われる部分は、どなたかがたまにお手入れをされているらしく雑草もまばら、ちゃんと地面が見える校庭然としています。
 校庭の片隅には幾つか高さの違う鉄棒や、三基のブランコ、ひとつは片方の鎖が切れていましたが、や、ぶら下がって遊ぶ雲梯みたいな器具も見えました。
 
 自分の目線を十メートルくらい先の校舎の入口であろう庇に覆われた一画に戻すと同時に、三番まで歌われたメロディの最後の一節が青い空に吸い込まれていきました。

「あ、ここって入っちゃいけなかったですよね、ごめんなさい、すぐに帰ります」

 庇のほうから知らない女性のよく通るお声がしました。
 あらためてそちらを見遣ると庇の下に置かれたベンチから慌てて立ち上がられ、こちらへ向かって大きくお辞儀をされるふたつの人影がわかりました。
 その人影たちがタッタッタとこちらに駆け出して来られます。

「管理の人ですよね?ここ、昔よく来てて遊んでて、ふと思い出して急に来たくなって、ごめんなさい。あ、金網に穴開けたのは誓ってわたしたちじゃありません。すぐに出ていきますんで…」

 学校指定らしい、半袖で下は膝までの短パンなえんじ色のお揃いジャージを身に着けた学生さんぽい女の子おふたり。
 おひとりは、私と同じくらいの背格好で活発そうなくっきりしたお顔立ちのひっつめ髪なポニーテイル。
 もうおひとりは、ポニーテイルの子より少し背が低く、耳出しのマッシュ気味なショートヘアに淡いグレーなボストン風セルフレームのメガネがよくお似合いな、お勉強出来そうなタイプ。
 
 おふたりともお顔のタイプは違いますが小顔でお目々パッチリ、まだあどけなさも残る美人さんたち。
 私たちに焦って喋っておられるのはポニーテイルさんのほう。

「いやいや、そんなに焦らなくていいから。あたしたちは管理人でもなんでもなくて、一応ここの持ち主の許可を得てここにピクニックしにきただけだから」

 あくまでフレンドリーに見知らぬおふたりをなだめられるお姉さま。

「それよりもあなたたちの歌声、すっごくキレイだったわよ。こう、青空に透き通って透明に溶け込んでいく感じで。あなたたちって合唱部か何か?」

 おふたりに安心感を抱かせつつ、なおかつ話題を拡げていく話術。
 お姉さまってば、こういうの本当にお上手で羨ましくなります。

 あっさり打ち解けられたおふたりからお姉さまが聞き出した情報によると、おふたりは近くの高校に通う一年生で演劇部所属、次の文化祭でご披露する劇で、おふたりがアカペラで歌われるシーンがあるとのことで練習されていたとのこと。
 
 今日は土曜日で学校はお休みだけれど、午後二時から部活の通し稽古があるので、早くからここに来て練習されていたそう。
 お昼も途中のコンビニでおのおの菓子パンを買われてここで済まされる予定で、その後自転車で学校へ向かわれるつもりだった、ということを安堵したお顔でスラスラとご説明くださいました。


2024年5月11日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 03

「ほら、直子の尻尾。洩れちゃったおツユや飛沫で毛並みがだいぶ汚れちゃったから、水洗いしておくといい。この天気なら日向に干せばすぐ乾くでしょ」

 自分の世界に入り込んで絶望していた私の前に、さも汚いもののように尻尾の先っちょを指先でつまんでぶら下げられた五十嵐さまがいらっしゃいました。
 私の鼻先に尻尾の濡れそぼって少し臭うプラグ部分がブラブラ揺れています。
 いつの間にかジョセフィーヌさまも私に寄り添うように私の背中側にお座りになられ、私の背中や脇腹を舐めてくださっています。

「ジョセのうんちも埋めといたから。ジョセがうちの服引っ張って、した場所を教えてくれたんだ。本当に賢い犬だよね」

 私も同感ですが、それについては何も応えられず五十嵐さまには心の中で感謝して、濡れたプラグ部分をかまわず手に握り、五十嵐さまから尻尾プラグを受け取ります。
 なんとか堪えていた私の目尻から涙が一粒二粒、溢れました。

「これからジョセと遊んであげるんでしょ?いつまでもくよくよしていないで切り替えなさい」
「けっこう飛沫が跳ねてたから直子のお尻も洗ったほうがいいし、一度東屋の水道のところに行こう」

 五十嵐さまに右腕を引っ張られ、のっそりと立ち上がります。
 芝生の上をおふたりと一頭に遅れがちになりながら、トボトボ歩いていきます。

「凄かった。この子が悲痛な声で絶叫したときには鳥肌立った」

 お珍しく角田さまが口火を切られて五十嵐さまに話しかけられています。

「うん。うちもある意味感動したよ。すべてをさらけ出してこそのマゾだし、直子もイイ線いってるよね」
「イッちゃってるマゾヒストって人権も放棄しちゃうらしいからね、自分で奴隷誓約書とか書いちゃって」

「あんな恥ずかし過ぎること出来るのはAVの女優だけだと思ってたから、現実に眼の前で生身の見知った女子が凄いことしてて、驚いた」

「マゾヒストってたぶんそれぞれに香ばしい被虐願望を持ってるんだろうけど、たいていは頭の中で人知れず妄想するだけで、実行まで出来る人ってそうはいないよね」

 褒められているのだか、からかわれているだけなのかわからないおふたりの会話を聞きながら、水道のお水でお尻を洗います。
 冷たいお水が気持ちいい。
 尻尾プラグも丁寧に水洗いして、東屋の軒先に洗濯バサミでぶら下げました。

「凄いもの見た動揺と緊張が解けたせいか、お腹空いちゃった」

 角田さまがお独り言のようにポツリとおっしゃいました。

「ああ、もう九時近いんだ。うちらは戻って朝食にしよっか」

 五十嵐さまがご自分のスマホで時刻を確認され、角田さまにお応えされます。
 それからタオルで身体を拭っている私のほうを振り向かれます。

「そういうことで、うちらは先にお屋敷戻って朝食いただくわ。直子はまだここでジョセとゆっくり遊んでっていいから」

 さっきまで角田さまがお持ちになられ、ずっと撮影されていたお姉さまのハンディビデオカメラを差し出しながら、五十嵐さまがおっしゃいました。

「あ、はい…」

 あっさりとした引き際に幾分戸惑いながらも、お姉さまのカメラを受け取ります。
 カメラを渡していただけたなら、ひょっとして今まで録画された映像も全部消せるかもと淡い期待を胸に秘めて。

「念の為に言っておくけど、さっきまで撮影したSDカードは抜いてここに持っているから。今入っているカードは64ギガの新品」

 五十嵐さまが左手のひら上にケースに入ったSDカードをヒラヒラお見せになりながら、とてもイジワルそうにおっしゃいました。
 私の思惑は一瞬で潰えました。

「それで直子のお姉さまはこうおっしゃったの。もしも直子より先に屋敷に戻るのだったらこう命令してくれる?ジョセと遊んだ一部始終をフィックスでいいから動画で記録して、あたしに提出しなさい。今日で最後だからね。三脚はバッグの中に入れておくから、って」

 五十嵐さまがあまり似ていないお姉さまの物真似も交えて、心底愉しそうにおっしゃいました。
 お姉さまがそこまでご指示されているということは、おふたりも最初から私がお浣腸されていることまで知っていたのかも知れません。
 もはやそんなことはどうでもいいことですが。

「それじゃあまた、後でね」

 五十嵐さまが笑いながらおっしゃり、角田さまも手を小さく振ってくださって、おふたりが手をつないで仲睦まじく広場を去って行かれます。
 ジョセフィーヌさまもおふたりのお背中をユラユラ揺れる尻尾で束の間見送っていらっしゃいましたが、見えなくなると同時に私に飛びついてきます。

 バッグの中を漁ると確かにビデオカメラ用の三脚が入っています。
 いつもフリスビーを行なう一画にバッグごと持って移動、ジョセフィーヌさまは私の足元にじゃれつきながら着いてこられます。
 
 幾分遠目から、立っていても寝そべっても画面の中心に私が映るように三脚のカメラを設置して録画開始。
 私の覚悟は決まっています。

「ジョセフィーヌさま」

 あらたまってジョセフィーヌさまのお名前をハッキリとした滑舌でお呼びします。
 お名前を正しく呼ばれて、その場にきちんとお座りをされ、尻尾をパタパタさせながら私を見上げるジョセフィーヌさま。
 私もその場にしゃがみ込み、ジョセフィーヌさまと同じ目線の高さになります。

「今日は私の都合で遊ぶのが遅れてしまい、申し訳ございませんでした」

 今度は芝生に両膝を着いて土下座の姿勢となり、ジョセフィーヌさまに深々と頭を下げます。
 ジョセフィーヌさまがどうされているのかは頭を下げているのでわかりませんが、裸の背中をペロペロ舐められている感触がします。

 長い土下座の後、頭を上げてゆっくりとしゃがみの体勢に戻り、目線を合わせます。
 被虐的な気持ちが心の中に溢れ返っています。
 ジョセフィーヌさまが目の前でまたお座りの姿勢になられました。

「お詫びのしるしとして今日は、じっくり私と遊んでください。いいえ、直子のからだを心ゆくまでもてあそんでください。何でもご要望通りに従い、決して逆らったりはしませんので…」

 マゾ度全開でジョセフィーヌさまに懇願します。

 とにかく滅茶苦茶にされたい気分でした。

 ゆっくりと立ち上がり、傍らのバッグからご愛用のフリスビーを取り出します。
 ジョセフィーヌさまは尻尾をブンブン振られ、ワクワクが抑えきれないご様子。

「ジョセフィーヌさま、フェッチです」

 青いフリスビーを青空に溶け込むように投げ上げます。
 嬉々として追いかけ始められるジョセフィーヌさま。

 そのご様子を目で追いながら、おやつペーストを手に取る私。
 今日のペーストはいつものより容量が一回り大きいみたい。
 味はジョセフィーヌさまが大好きなチーズ風味です。

 右手にこんもりと盛ったペーストを最初からマゾマンコにべったりなすり付けます。
 熱を持ったマゾマンコからプーンとチーズの匂いが漂うほどに。
 ジョセフィーヌさまに存分に愉しんでいただくために。

 フリスビーを咥えられて戻られたジョセフィーヌさまからフリスビーを受け取り、代わりにマゾマンコを差し出します。
 すぐにジョセフィーヌさまの長い舌が私の無毛な恥丘の肌に伸びて、撫ぜられ、ねぶられ、潜り込まれます。
 長い舌でラビアが掻き分けられ、肉芽が転がされ、膣穴が犯されます。

「あっ、あっ、あぁーんっ、もっと、もっとぉーっ…」

 マゾの服従ポーズな上半身をのけ反らせてグイッと突き出したマゾマンコを蹂躙していただく私。
 さっきまでのお浣腸我慢という残酷な公開処刑で、私のどうしようもないマゾ性は限界近くまで燃え滾っていました。
 ジョセフィーヌさまの触手責めのように絶妙な舌の愛撫に呆気なく、一度目のオーガズムに包まれました。

 二投目のときは、おっぱいや首筋、脇腹にもペーストを塗りつけます。
 もちろんマゾマンコにもたっぷりと。

 フリスビーを受け取り、差し出されたマゾマンコに飛び付いてこられるジョセフィーヌさま。
 押し倒されるように芝生に仰向けに寝そべり、ジョセフィーヌさまを迎え入れる私。
 
 おっぱいを下乳から揺すられ、尖った乳首を転がされ、首筋や脇腹を執拗に愛撫され。
 仰向けな私のからだに覆いかぶさるようにのしかかられ、私の発情したあちこちの性感帯が丹念に舐め上げられます。
 
 そして最後には、仰向けのまま両膝を立てて拡げた私の股間にお鼻先を突っ込んでくださるジョセフィーヌさま。
 自分の乳房を激しく揉みしだきながら、ジョセフィーヌさまの舌技にあんあん喘いで二度目の絶頂を迎えます。

 ハアハア息を荒くして投げた三投目の後は、さっき醜態を晒したお尻を重点的に責めていただくつもりです。
 お尻の割れ筋に沿ってベッタリとペーストを塗りたくり、もちろんおっぱいやマゾマンコにも。

 お戻りになられたジョセフィーヌさまに対して顔面支点で両膝を大きく割り、四つん這いならぬ三つん這いとなって高く掲げたお尻を差し出します。
 ペーストは割れ筋部分に多く溜まっていますから、そこを舐めていれば当然、その下の二つの穴部分も。
 
 前肢を私の尻肉に掛けられたジョセフィーヌさまが、大きく開いてさらけ出された私の膣穴とアヌスを下から丹念に舐めてくださいます。
 舐められるたびに尻穴と膣穴がヒクヒク蠢いてしまいます。

「ああん、いいっ、そこっ、そこをもっと、もっといたぶってくださいぃ…」

 左頬を芝生に埋めた私は両腕を背中で組んで、拘束された哀れな性的生贄に成りきって、両腿を更に拡げてジョセフィーヌさまの蹂躙を受け入れます。
 ふしだらな直子をもっと汚してください、穢してください、貶してください、辱めてください…
 被虐度マックスで三度目のマゾイキを味わってからは、理性という名のタガが完全に外れていました。

 もうフリスビーそっちのけで、ひたすらペーストを寝そべったからだ中に塗りたくり、ジョセフィーヌさまの蹂躙を誘導します。
 おっぱいやマゾマンコにはたっぷり、顔にも首筋にもおへそにも太腿にも足先にも。
 ジョセフィーヌさまもハアハア息を荒げヨダレを垂らされて、私のからだにかまわず四肢をお乗せになり、あちこちのペーストを舐め取ってくださいます。

 ジョセフィーヌさまに組み伏せられたような形の私は、その重さや痛さに被虐を感じつつ、自分の指でも激しく自分を蹂躙しています。
 乳首を捻り上げ、クリトリスを擦り上げ、膣穴を指三本で奥深く責め上げ。
 
 あんあん喘いでハアハア悶えて、イク、イキます、イッちゃいます、イってもよろしいでしょうかと何度も叫びました。
 寄せては返すオーガズムの気持ち良さは、より大きく、より深いところまで私を連れて行ってくださり、遂にまばゆい奈落の底へと吸い込まれます。

 首輪を引っ張られる感触で、瞑っていた目を開きました。
 どうやら少しのあいだ意識が飛んじゃってたみたい。
 リードを引っ張っていらっしゃったのは、持ち手を咥えられたジョセフィーヌさまでした。

 心地良くぐったりしたからだに力を込めて、なんとか立ち上がります。
 今何時なんだろう?お姉さまから、10時には戻りなさい、とご指示されていたけれど…
 裸の私に時間を知る術はありません。

 ふと思いつき、録画を止めてビデオカメラの日付表示を確認します。
 9時40分過ぎ。
 今から戻ればお姉さまとのお約束は守れそうです。

 急いで戻る準備に取り掛かります。
 汚れたからだをザッと洗おうかと思いましたが、ジョセフィーヌさまの土色の肉球痕が散りばめられた自分のからだを見てやめました。
 そのほうが私らしいと思ったから。

 東屋の軒先に吊るしておいた尻尾はフワフワに乾いていて、私は躊躇なく自らの手でそれを自分の肛門に捻じ挿れました。
 ついでに使っていた洗濯ばさみも右乳首に。
 そのほうが私らしいと思ったから。

 三脚をたたんでバッグにしまい、空となったペーストチューブもゴミ袋に入れてバッグにしまい、少し斜めにズレていたネコミミカチューシャを正しく直してから、ジョセフィーヌさまが咥えられたリードに引かれて広場を後にします。
 
 右手には動画モードで自画撮りしつつのお姉さまのビデオカメラ、左肩にお散歩セットのバッグを提げ、次にジョセフィーヌさまに逢えるのはいつなのだろうと、少しセンチメンタルな気持ちになりながら。

「あらあら、からだ中にジョセの足跡付けちゃって、洗濯バサミまでぶら下げて、メス犬直ちゃんはずいぶんお愉しみだったみたいね」

 寺田さまが呆れたような笑みで私をからかいます。

「チーズの匂いプンプンさせて、またペースト全部使いきっちゃったんでしょう?」

 中村さまは完全に呆れ顔です。
 お屋敷に着いて、玄関口で出迎えてくださったのはお姉さまと寺田さま中村さまのお三かた。
 五十嵐さまと角田さまは朝食後、二度寝する、とおっしゃってお部屋に籠もられたそう。

「直子の野糞動画も見たわよ。叫んじゃって泣いちゃって、大騒ぎだったわね」

 お姉さまがニヤニヤ笑いでおっしゃいます。
 野糞っていうストレートに品の無いお言葉に、ああ、あれは客観的に見たらつまりそういう行為なんだと、あらためて赤面してしまいます。
 お姉さまのご感想を中村さまと寺田さまが引き継がれます。

「あんな恥ずかし過ぎることやらされているのに、顔は悲痛そうでも、なんだか嬉しそうにも見えるんだよね。この子って根っからのドエムなんだって思った」

「またイガちゃんの虐めかたが絶妙なのよね。直ちゃんの逃げ場をどんどん失くしていって、最後には泣かしちゃうっていう」

 一瞬、あのときの絶望感がよみがえりますが、お姉さまがたのご感想が思いの外いつも通りに明るいので、ずいぶんホッとしたものでした。
 変わらずに接していただけることが、まだ傷心気味の私には何より嬉しいことだったのです。
 
 ネコミミを外して、ビデオカメラとバッグとネコミミをお渡しし、尻尾とリードはもう一度よく洗っておきなさいとご指示を受けて、洗濯バサミは付けたまま、いつもの屋外バスルームに向かいました。

 全裸に首輪、濡れた髪をタオルで巻いてバスルームから戻ると、大広間の楕円テーブルの上にはメロンやパイナップルの乗ったフルーツサラダのお皿だけが置いてありました。
 お姉さまと寺田さま、中村さまが思い思いの席でスマホやタブレットを弄られていて、五十嵐さまと角田さまはまだお部屋なのかな。
 知らない洋楽の女声バラード曲が低く流れています。

「直子はお腹空いていると思うけれど、この後お出かけしてお昼にお弁当いただくつもりだから、今は軽くで我慢してね」

 お姉さまが私の頭のタオルを外され、私の髪をおやさしく拭ってくださいながらおっしゃいました。

「えっ?お出かけって、もう帰るのではないのですか?」

 私の髪を弄られているお姉さまを思わず振り返ってしまいます。
 食べているあいだにドライヤーかけてあげる、とお姉さまにフルーツサラダの前まで誘導され着席します。
 
「運転手が来るのは午後だもの。寺っちに敷地内に面白い場所があるって聞いたからさ」

 要領を得ないお姉さまのお応え。

「最後の日くらいスール水入らずで過ごさせてあげようと思ってね。それにピッタリの衣装も用意してあげたから…」

 寺田さまがご説明くださいますが、その後すぐにドライヤーのスイッチが入れられたのでうるさくて何も聞こえなくなりました。
 フルーツサラダはメロンもパインもマンゴーも甘くて瑞々しくてとても美味しかったです。

 フルーツも食べ終え、髪もすっかり乾いてお皿が片付けられると、入れ代わりに中村さまがビニール袋に入った衣装のようなものをお持ちくださいました。
 お姉さまが袋を次々に開けられ、中身をテーブルに並べていかれます。
 
 まず下着の上は、乳首しか隠れないくらいの薄い水色のティアドロップマイクロビキニ、下も幅2センチがほぼ一直線と言っていいくらいの同色のウルトラローライズショーツ。
 このふたつは下着ではなく水着なのかもしれません。

 衣装はごくオーソドックスな半袖セーラー服。
 白地に紺色のセーラーカラーやラインが入り、スカーフは鮮やかな赤。
 スカートは紺色のプリーツスカートで、超ミニというわけでもなく、穿いたら腿の半分くらいまでは隠れそう。
 それに白いハイソックス。

「このセーラーってコスプレ用のペラペラ生地のじゃなくて、ちゃんとした制服ぽいじゃん」

 お姉さまがどなたに尋ねるでもなくお独り言っぽくおっしゃると、中村さまがお応えになります。

「それは何年か前、名塚先生のファンて言うか崇拝者だった当時現役のジェーケーが置いてったのよ。学校卒業して淫行条例とかに触れなくなったら、それ着て名塚先生に調教してもらうんだとか言って。あれから姿現わさないけど」

「ふーん。そんな子もいるんだ。インナーとセーラーの落差がエロくていい感じね。直子、さっさと着てみなさい」

 お姉さまのご命令でまず下着から。
 本当に両方の乳首だけをギリギリ隠してくれる超紐ビキニと、穿いてもお尻の破れスジはおろか肛門さえ覆ってくださらない直線ブーメランな超ローライズショーツ。
 
 生地は薄手で肌触り良く、でも乳首の形にしっかり響いてはいますが、ストラップもしっかり縫製されている感じ。
 生地素材からするとやっぱり水着として作られているみたいです。
 実際にこんな水着を着て人前で泳ぐような人がいらっしゃるかは知りませんが。
 
 ただ、私は会社でこの手の衣装をさんざん着せられ慣れしていたので、とくにそれ以上の感想は浮かびませんでした。
 普通に恥ずかしいのは恥ずかしいですけれど。
 外野の方々は大騒ぎです。

「うわー、これって真っ裸より恥ずかしくない?視線を否応なくソコに誘導してる感じ」

「横乳、下乳も丸見えだし、土手もお尻のスジもさらけ出しちゃって、これ、陰毛生えてたら大げさにはみ出して恥ずかし過ぎて卒倒しちゃうんじゃない」

「これって水着でしょ?こんなんでプールやビーチに出たら公然猥褻待ったなしだし、プライベートビーチでも持ってなきゃ着れなそう。誰が作ってて誰が買うんだろ」

「セクシーって言うよりも卑猥って言葉のほうが絶対しっくりくるよね。まさに変態露出狂御用達って感じ」

 いつの間にか五十嵐さまと角田さまも大広間に下りて来られていて、みなさまワイワイ愉しそう。
 お姉さまだけが何もおっしゃらずにニコニコ私を見つめてくださっています。


2024年5月3日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 02

 ご命令通りに楕円テーブルに突っ伏してお尻を差し出します。
 えっ!?私、こんな朝早くからお浣腸されちゃうの?これからジョセフィーヌさまとお散歩に出かけようっていうのに?
 あまりにご無体な展開に心の中は大パニック状態です。

「かなちゃん、今何時?」

 シリンジに液体を吸い上げつつ、お姉さまが中村さまに尋ねられます。

「んーと7時52分。まだちょっち早いかもねー」

 中村さまが突き出した私のお尻を眺めつつ、ご自分のスマホを覗いて答えられます。

「そっか。ならあと3分くらい、直子のアヌスでもほぐしてあげようか」

 お姉さまがイタズラっぽくおっしゃり、シリンジをテーブルに置いたと思うと、私のお尻の穴に突然ズブリと生人差し指を挿し込んでこられました。

「ぁふぅんっ!」

 思わずのけぞる私。
 お姉さまはお構いなしに私のお尻の穴をぐりぐりマッサージしてこられます。
 想定外のご褒美にみるみる昂ぶる私。
 あんあん喘いでしまいます。

「まあ、こんなもんでしょ。かなちゃん、何時になった?」

「8時まで5分切ったね」

「おーけー」

 お姉さまがお返事を返すや否や、私のアヌスに今度はシリンジの先っちょを突き挿してこられます。

「んーーーっ!」

 生温い液体が勢い良く体内に入ってきて思わず唸り声を上げてしまう私。
 少しのインターバルの後、すかさずニ発目。

「どう?直子」

「えっ?ど、どうって言われましても…」

「ふーん、まだ余裕ありそうね。あと50、挿れておきましょうか」

 ニヤッと笑われたお姉さまがもう一度シリンジをボウルに突っ込まれ、そのシリンジを再び私のアヌスへ。

「ああんっ、んうぅーーー!」

 最後の50はけっこう効いたみたいで、お腹が少し苦しい感じ。

「で、これで蓋をしてあげる」

 お姉さまの手にフワフワな尻尾。
 先っちょに禍々しい形の突起が付いているのでアナルプラグでしょう。
 お姉さまの手で私のアヌスがグイっと拡げられ、ズブリとプラグが挿し込まれました。

「んーーっ!」

「これでよしっと。それでこうして、ジョセとお揃い、メス犬直子の出来上がりー」

 頭にもネコミミのカチューシャを着けられ、背中を軽くポンと叩かれました。

「尻尾はキツネで耳はネコだけどね」

 一部始終をご覧になっていた中村さまがポツリと交ぜ返されます。

「ほら、これが直子の肛門の臭い。クサイでしょ?舐めてキレイにして」

 さっきまで私のアヌスをほぐしていたお姉さまの生人差し指が私の鼻先に突き出されます。
 本能を呼び覚ますような何とも言えず獣臭く、それでいて懐かしい臭い。
 お姉さまの深爪気味な人差し指をパクリと咥え、夢中でしゃぶります。
 しょっぱ苦いけどなぜだか甘美なお姉さまの指。

「原則として広場に着いてからだけど、途中でどうしても我慢出来なくなったら道端でしちゃってもいいわよ。広場まで10分くらいはかかりそうだし」
「ただしどこでしたとしても、排泄物は跡形もなくちゃんと埋めてくること。ジョセのの後始末と同じ要領ね」

「で、今日のジョセのおやつはペーストだけにしたから。たぶんこれでジョセとはお別れだから、たっぷり愉しんでくるといいわ」
「でもジョセも昨夜美味しいものたくさんもらったから、今朝はまだあまりお腹空いていないかもね」

 お姉さまが注意事項をおっしゃっているあいだ、私はずっとお姉さまの指をしゃぶりつづけています。
 そっか、今日でこのお屋敷ともお別れなんだなと、ちょっぴりセンチメンタルになりながら。
 お姉さまが首輪にリードを繋いでくださり、お散歩用バッグが渡されます。

「あ、でも午前中には出かけたいから10時までには帰ってきなさい」

 首輪にリード、ネコミミにアナルプラグの尻尾を着けたサンダル全裸の私をみなさまが玄関まで見送ってくださいます。
 最後にお姉さまから投げかけられたお言葉に、午前中で帰っちゃうのか、とがっかり度が二割増し。

 お外に出ると今日も晴れ渡って清々しい青空。
 玄関前に待機していたらしいジョセフィーヌさまが、ワンッ、と小さなお声で一声吠えられた後、戸惑い気味ぽく不思議そうにジーっと私を見てこられます。
 私の頭と尻尾が気になるご様子。

 気を取り直すように一度全身をブルブルっと震わせたジョセフィーヌさまがいつものように私のリードの持ち手をパクっと咥えられ、ジョセフィーヌさまに先導されて歩き始めます。
 お腹は少しシクシクとはしていますが、まだ全然余裕みたい。
 ときどき鳥さんのお声がチチチと聞こえる晴天の山道を、いくぶん早足で進んでいきます。

 道半ば、5分くらい歩いたところでだんだんお腹が痛くなってきました。
 この頃になるとジョセフィーヌさまは私のリードの持ち手を離され、急に駆け出されたり引き返してみたり、道端の草花にお鼻先を突っ込まれてみたりと、お散歩を満喫されています。

 私のお腹はグルグルと鳴り、クゥーっという大きい音までが時折聞こえてきます。
 まだ我慢できる範囲ですし、何よりもこんな山道の途中で用を足すなんていう恥知らずなことは出来ません。
 まあ、お外を全裸で歩いているということだけで充分恥知らずなのですけれど。

 早く広場まで行って草むらに入りたい…
 その一心で歩くピッチを上げ、競歩のようなスピードで広場を目指します。
 急にスピードを上げた私に喜んで、グルグルと足元にまとわりつかれるジョセフィーヌさま。

 広場の入口が見える頃には決壊間近。
 寄せては返す便意のサイクルがかなり短くなって、アナルプラグをしていなければきっと洩らしていたでしょう。
 逆に考えるとプラグさえ外さなければ洩れることはないかもなので、気を紛らわすために今後の段取りを考えます。

 まずジョセフィーヌさまの排泄場所を確認して、そこから離れた適当な草むらに入って穴を掘ってからプラグを抜いて出す…
 頭の中がギリギリになっているのでアバウトな計画しか思いつきません。
 私の眉間には常時深いシワが刻まれていることでしょう。

 やっと広場の入口にたどり着くと、ジョセフィーヌさまがいきなり駆け出されます。
 ああ、草むらに行かれるんだな、ジョセファーヌさまも我慢されていたんだ、なんて思っていたら、全然方向違いの大きな木のほうへ。

 えーーーっ!?
 そこにはおふたり分の人影が。

「やっと来た」

「おめかししてもらったんだ。かわいいじゃん、メス犬直子」

 そこには角田さまと五十嵐さまの寄り添われるお姿が。
 おふたりともそれぞれビデオカメラを持たれています。
 あれ?角田さまが持たれているのはお姉さまのカメラ?

「寺っちに、8時過ぎに広場に行けば面白いものが見られるってニヤニヤ笑いで言われたからさ。なーんだ、ジョセの散歩か」

 おふたりが朝からお散歩に出かけられたと聞かされたときに、これはジョセフィーヌさまのお散歩で何かちょっかい出されるかなとチラッとは思ったのですが、深く考えないようにしていました。
 まさか、こんなご無体な状況を待ち伏せされているなんて…

 おふたりがこちらに近づいてこられます。
 おふたりの足元にじゃれついていたジョセフィーヌさまが、こんなことしている場合じゃなかった、とでもおっしゃりたげにフイっと方向転換し、いつもの草むらに飛込まれました。

「でも本当に真っ裸で山の中ウロウロしているんだ。ライヴで間近で見るとそれはそれで衝撃だわ」

 五十嵐さまが私の間近までいらっしゃって値踏みするように私のからだをご覧になっています。
 角田さまは早くも私を被写体に撮影開始。

「尻尾まで着けてもらっちゃって、マジ、メス犬じゃん」

 五十嵐さまがおっしゃると、

「尻尾はキツネで耳はネコミミだけどね」

 と中村さまと同じツッコミを入れられる角田さま。

 そのとき、私のお腹がわりと大きく、キュルキュルキュルと鳴きました。
 そろそろ本当に限界でした。
 その音と私の辛そうな表情でピンとこられたのでしょう、五十嵐さまが心底嬉しそうなお顔になられ私に尋ねます。

「ひょっとして直子、浣腸されてる?」

「は、はい…」

 もう我慢が限界近いので泣きそうな声になっています。

「あ、それじゃあ尻尾もただの飾りじゃなくてアナルプラグなんだ。蓋して洩らさないように」

「は、はいぃ…」

 おふたりも私がお浣腸をされていることまでは知らなかったみたい。

「出る時にやられたとして、ここまで歩いて10分くらいかかるから、ずいぶん我慢しているんだねえ。どのくらい入れられたの?」

 お顔と口調がどんどんイジワルになられる五十嵐さま。

「に、250です…」

「あはは。お屋敷のお姉さまがたは本当にイジワルだねえ。あ、だからエミリーさんがうちらにビデオカメラ貸してくれたんだ。これで撮影してきてっていう意味で」

 五十嵐さまがおひとりでご納得され、もはや撮影を始められている角田さまに向けてグッジョブサイン。
 それからまた私に質問を浴びせてこられます。

「で、直子はどこでやるつもりなの?」

「えっ、あの、えっとはい、どこかそのへんの草むらの木陰に入って、人知れず穴を掘って…」

「それじゃあ駄目よ。木陰だと木とかが邪魔してよく見えないからキレイに撮影出来ないじゃん。そうねえ…」

 即座にご否定されてから辺りをグルっと見回す五十嵐さま。

「あそこはどう?あの芝生が途切れて土になってるとこ。あそこなら土も柔らかそうだから穴掘りも捗りそうじゃん」

 五十嵐さまが指差された場所はジョセフィーヌさまが飛び込まれた草むらとはまた別の、芝生と草むらの境目の一画でした。
 確かにその辺りは土色が濃く湿った感じで柔らかそうではあるのですが、私がそこにしゃがんだ場合、目隠しをしてくださる草木は一切なく、つまり全身丸見えとなります。

「えっ?あの、やっぱりどこか草が生い茂ったところで隠れてしたほうが…」

「駄目よ撮影するんだから。あそこならちょうど太陽の位置もいい具合だし、青空の下でいい絵が撮れると思うなー」

 私の懇願は五十嵐さまによって即却下。

「ボクはスカは苦手だけど、他人がやられて苦しんでるのを見るのは好き」

 角田さまがレンズを私に向けてやりとりを撮影されながら、唐突なお気持ち表明。

「あはは。ディレクションはうちに任せて、ユカはそのまま冷静に撮影だけしてればいいから」

 五十嵐さまが角田さまにおやさしくおっしゃり、つづけて私の背中を軽く押します。

「決まりね。ほら、いくよ」

「でも…」

「デモもストも無いの。聞き分けのないこと言うと、この場でそのプラグ引っこ抜いて、太腿汚して盛大にお洩らししているところを撮って直子のお姉さまに見せちゃうよ」

 ちょうど最大級の便意がなんとか引いたところで、次が来たらプラグさえ押し出しちゃいそうです。
 苦痛を堪えるために、んぅー、とか、むうーっ、とか知らずに絞り出してしまう唸り声も増えてきています。
 お腹はずっとシクシク痛み、グルグルという音もひどくなる一方なので仕方なくトボトボ従います。

 その場は広場入口のほぼ対面、背の高い木や草は生えてなくて見通しの良い、1メーター四方くらいの更地でした。
 バッグからシャベルを取り出し、出しちゃって楽になりたい一心でしゃがみ込み、はあはあ息を荒くしながら土を掘り始めます。

 確かに土は比較的柔らかいのですが、力が入れられずになかなか掘り進めません。
 下手に力んだら出ちゃいそうで…
 ティースプーンで一杯づつすくって飲むオレンジジュースのようなもどかしさ。

 自分が排泄するための穴を自分で掘っている屈辱感。
 その穴に排泄するところを知人たちに見られ撮影までされるという恥辱感。
 それらはマゾ的には悦ぶべきことなのですが、やっぱりみじめで切なくてウルウルしてきてしまいます。
 そのあいだにも情け容赦なく強烈な便意が襲ってきます。

「ああ、まどろっこしい。力むと出そうなんでしょ。貸しなさい、うちがやってあげるから」

 しばらく私の様子をご覧になっていた五十嵐さまも私と同じ感想をお持ちになられたようで、私からシャベルを取り上げると、いとも簡単に約20センチ四方、深さも20センチくらいある立派な穴を掘り上げてくださいました。

「…んむぅー、あぁ、ありがとうございますぅ…」

 穴を見て、やっと出せると気が緩んだのか、急に襲ってきた猛烈な便意に身悶えしつつ五十嵐さまにお礼を伝えます。

「こっちを向いて、ここにしゃがんで。プラグもうちが抜いて上げる。万が一穴に落っこどして可愛い尻尾が直子の汚物で汚れちゃったら嫌でしょ」

 広場の入口のほうを向いてしゃがむようにと五十嵐さまのご指示。
 穴を跨いで、排泄物がうまく穴に収まるであろう位置にしゃがみ込みます。
 私の左側には掘り上げた土がこんもりと盛られています。
 二メートルくらい離れた真正面から角田さまのレンズが狙っています。

「んぅぅ、と、撮らないでくださいぃ…」

 ダメ元で角田さまに訴えかけてみますが、正面のレンズは微動だにしません。
 それならと両手で顔を覆うと、

「顔を隠すのも駄目よ。ていうか直子の両手はそこじゃないでしょ?頭の後ろ、服従ポーズ」

 私の背後に回られ早くも尻尾の先を掴んでいらっしゃる五十嵐さまに厳しく叱責され、渋々両手を後頭部に回しました。
 そのまま見上げると、雲ひとつ無い抜けるような青空。
 哀しすぎる青空…

「カウントダウンで抜くからね。3、2、1、ゴーで。ユカ、しっかり撮ってよ」

 五十嵐さまの前説で私の公開処刑が始まります。
 全身が羞恥に震え、穴があったら、実際私のお尻の下に穴はあるのですが、入りたい心境です。

「いくよっ!さん、にい、いち…」

 ゴーのお声とともに私の肛門を塞いでいたプラグがスポンと抜け、同時に私の肛門から勢いの良い水流がシャーーッと穴底の土を削ります。

「あぁぁーーいぃーやぁーーっ!みないでぇぇぇーーーっ!!」

 思わず大声で叫んでいました。
 顔を覆いたいのに禁じられているので、その代わりギュッと目を瞑って羞恥に耐えていました。

 永遠に止まらないのではと思うくらい、腸内を満たしていた水分が勢い良く飛沫を上げていました。
 でも本当に恥ずかしいのはこの後からでした。

 鉄砲水のような水流が落ち着くとお腹がグルグル鳴り出し、猛烈な便意が襲ってきました。
 そして固形物がひり出る感覚と恥ずかしい排泄音や破裂音。
 それらが断続的につづき、私はイヤイヤするように首を振りながら、とうとうご命令に背いて自分の顔を覆ってしまいます。

 最後にプスゥーっと間抜けな溜息が私のお尻から出て、便意は落ち着いたようでした。
 私はしゃがみ込んだまま、目尻に涙を溜めてがっくりうなだれています。
 本当に今すぐこの場から、この世から消え去りたい心境でした。

 しばらくそうした後、しゃがみ混んだだまま穴の右斜め後ろぐらいに後ずさりしてお尻を地面に着きました。
 チラッと見えた穴の中には浅く水が溜まり、小さな茶色い固形物もちらほら浮かんでいるのが見えました。
 そのまま体育座りで頭を抱え、またうなだれます。

「派手にやらかした割にはあんまり臭くないじゃん。屋外だからかも知れないけど。じゃあ、埋めちゃうよ」

 お声がしてゆっくり顔を上げると五十嵐さまが別のビデオカメラを構えながら近づいてこられます。
 ジョセフィーヌさまも、もうとっくに排便も近辺パトロールも終わったのでしょう、五十嵐さまの後ろでブンブン尻尾を振っておられます。

 さすがに不憫に思われたのか、おやさしいお言葉をかけてくださる五十嵐さま。
 自らシャベルをお持ちになられ、掘り返した土で穴を埋めてくださっています。
 角田さまがそんな様子をもまだ撮影されています。

 そう、さっきの様子は一部始終、映像で残されているんです。
 私が叫んでしまったところも、排泄音も破裂音の音声も鮮明に記録されているはずです。
 
 そしてそれを、お姉さまがご覧になるのです。
 いいえ、お姉さまだけではなくお屋敷のみなさまや、たぶん会社のみなさまにもお見せになるでしょう。

 取り返しのつかない羞恥の記録を残してしまったことに、心の底から絶望しているのと同じくらい、残酷過ぎる現実がもたらす被虐の苦甘い快感が全身を駆け巡っているのも、また事実でした。


2024年4月28日

彼女がくれた片想い 13

 個室に鍵を掛けるのは卑怯だと思った。

 自宅PCの黒歴史フォルダに自撮りの破廉恥画像や動画がそこそこ溜まってきた頃。
 三限から五限途中にかけて個室やトイレ内で脱衣、撮影、自慰を、途中に休み時間中の声押し殺し自慰、をも含めて三セットたっぷり愉しんだ後、心地良い疲れで着衣しつつ唐突にそう思った。

 これだけ破廉恥な行為を個室内でしでかしているのに鍵一つで安全が守られているのはフェアじゃないと考えたのだ。
 何に対して、誰に対して卑怯なのかはわからないが、これだけ背徳的な愉しみを謳歌しているのならそれなりのリスクも背負うべきだと。
 自分を追い込む謎理論だが私には正論だと思えた。

 着衣を終え、あらためて個室の鍵をしげしげと見る。
 スライドバー式、いわゆる閂方式の鍵で、ドア部分に可動な凸、壁部分に凹があり、凸部分を凹部分にスライドさせることで閉めたドアに鍵がかかる。

 開いている時は青いプレート、閉じると赤いプレートがドア表面に提示され、使用中か空室かの判断がトイレ通路側から出来る。
 空室の時はドアの自重で個室の内側に開きっ放しとなる仕組みだ。

 すなわちドアを閉じて鍵を掛けないとドアは自然に開いてしまう。
 開かないようにする一番容易な方法はドアの前にバッグ等重しになる物を置いて押さえることだが、トイレの床に自分のバッグを直に置くのは衛生上嫌悪感がある。
 鍵のスライドバーをカタカタ弄りつつ色々考えたのだが、良いアイデアは浮かばなかった。

 結局、ごく浅く施錠することでよしとすることにした。
 スライドバー凸部分の先端を1、2ミリ程度凹部分に引っ掛けてかろうじて閉まる状態にし、強く押せば開いてしまうかも、というスリルを愉しむことにする。
 実際にこの感じにスライドバーを動かすとドア表面のプレートは青と赤が半々づつ表示される。

 次から鍵はこの仕様にしてトイレが混み合う休み時間をまたぐ時は、休み時間の10分間、後ろ手全裸でドアに向き合って立っていなければいけないことにする。
 トイレが満室の時の順番待ちは出入口付近でフォーク並びがルールだし、ドアが閉じていれば普通は使用中と思うので無いとは思うが、切羽詰まった人や列を無視したやんちゃな学生に開けられてしまう可能性も皆無ではない。
 そう考えただけでドキドキと性的に昂った。

 また、すべての空き時間で個室遊びを行なった中で、五限目、とくに金曜日の五限目がすこぶる安全だということもわかった。
 この時間帯にはこのトイレから遠く離れた端の二教室でしか講義が行なわれてなく、そちらの側にも昇降階段があり学生たちもそちらを主に使うのでトイレ前にはほとんど誰も近づかないみたいなのである。
 スリルを味わうという意味では物足りなさもあるが、安心して行為に没頭出来る貴重な時間でもある。

 とある金曜日の午後。
 三限目の講義が終わって本日の全講義終了となり、四限の途中まで空き教室で羞恥調教メインのラノベを読み耽った後、バッグを携えて誰もいない例のトイレに忍び込んだ。

 最近は膝丈位のスカートを着用することが多くなった。
 これは個室遊びの後、その余韻のままにノーパンでいたいが為である。
 性器を無毛にしたことで、その欲求はより激しいものとなっていた。

 ノーパンスカートのまま人前を歩き、ノーパンで帰宅することで、自分が本当にどうしようもない変態だということが実感出来る。
 テニス授業の後、あえて下着を穿かなかった彼女の気持ちがわかる気がした。
 この日は二限目にもトイレで全裸になっていたが、四限目以降にもう一度脱ぎたいがために穿き直していた。

 鍵をルール通りごく浅く掛けた後、ゆっくりと脱衣して全裸になる。
 後ろ手を組んで立ち尽くし羞恥と背徳感をしばらく愉しんでから自撮り。

 悩ましい顔を作ってみたり四つん這いになってお尻の方から狙ってみたり、何回も何回もシャッターを押す。
 最近はシャッター音を聞くだけで膣の粘膜が潤むようになっている。
 自慰行為に移りたいと思った時、四限目終了のチャイムが非情に響き渡る。

 お預けを食らった私はドアが開いても当たらないギリギリの位置にドアを向いて立ち尽くす。
 開いてしまうかもしれないという不安と期待を胸に抱いて。

 このときふと考えて後ろ手にしていた両腕を後頭部に持っていってみた。
 海外のSMサイトでよく見かける性奴隷が主人に対峙する時にやらされている捕まった犯罪者のようなあのポーズだ。
 こうすることで両腋の下までが全開となり、乳房も誇示するように突き出すこととなるので、秘部はすべて絶対に隠せないという屈辱感が倍増する。

 トイレ内が賑やかとなり、あちこちからドアを開閉するバタンという音が聞こえてくる。
 友人同士連れ立って来たのだろう、止まらないおしゃべりと弾けたような笑い声。
 やがて、お先にー、とどこかのドアが閉まったと思うとどこかのドアが開く音。

 ごくありふれた日常的な生活空間で私一人、何もかも剥き出しの全裸となり性奴隷のポーズで立ち尽くしている。
 目の前のドアが開いてしまうのは死ぬほど怖いのだが、何も起こらないのもつまらないというアンビバレントな感情。
 内腿の交わりが蕩けそうなほど潤んできて早く弄りたくてどうしようもなくなってくる。

 やがて時間とともに喧騒が徐々に鎮まりトイレ内にはおそらく二名の滞在者を残すのみ。
 もう少しすると五限開始のチャイムが鳴るだろうという頃、出入口ドアをバタンと乱暴に開閉する音がした。
 そのままコツコツと足早な靴音が響き、私の隣の個室に吸い込まれてゆく。

 隣の個室のドアがバッタンとやけに乱暴に閉ざされる音が響き、その振動が私の個室の壁も大げさに震わせた。
 と同時にこちらの個室でもカタッと小さな音がしてドアが静かに開き始める。

 あっ、と思わず大きな声が出て身体がビクンと戦慄き、何とも言えない目の眩むような快感が全身を駆け抜け、軽く絶頂に達していた。
 目の前にトイレの通路が見えているのを後頭部に両手を当てたまま為す術もなく呆然と眺めている私。

 やってしまった、もう終わりだ、という残酷な後悔が甘美な快感の余韻と一緒になって頭を埋め尽くす。
 二、三秒後ハッと我に返り、慌てて腕を伸ばし、大きな音を立ててドアを閉め直した。

 今度は鍵もしっかり掛けた途端、全身の血液が煮えたみたいにカーッと熱くなり、心臓がドッキンドッキン跳ね回る。
 おそらく隣の個室のドアが激しく閉まった振動でこちらのドアのスライドバーがズレて外れてしまったのだろう。

 誰もいなかったよね?視られてないよね?自己防衛の為の自問自答。
 幸い見える範囲に人影は無かったので誰かに視られてはいないようだが、他人がまだ複数居るトイレ内で自分の裸身を無防備に晒してしまったことは事実だった。

 鍵で守られた個室内でハアハア息を荒くしている間に五限目始業を告げるチャイムは鳴り終わっており、それに前後してバタンバタンと個室やトイレ出入口のドアが開閉する音もいくつか聞こえていた。

 再び静まり返ったトイレ。
 もう我慢出来なかった。

 鍵を外してそっと顔を覗かせると残り四つの個室はすべて扉が開いている。
 自撮り棒を装着したスマホを片手にトイレの通路に出る。

 自撮り棒を三脚状にしてスマホを動画モードに切り替え、自分が映るスマホ画面の前に立つ。
 両足を休めの姿勢位に開き、恥丘を画面に差し出すみたいに上体を軽く反らして無毛の股間に右手をあてがう。

 中指と薬指は濡れそぼった膣口に、親指はパンパンに腫れ上がり皮から半分顔を出した肉芽の上に。
 右手が活発に動き始める。

 すぐにクチュクチュジュブジュブと卑猥な水音がトイレ内に響き渡る。
 左手は腕ごと胸に押し付け、両乳房を乱暴に上下に揺さぶり嫐っている。
 上体を大きく仰け反らしてオーガズムに達するが、まだ全然足りていない。

 今度は後ろ向きになってお尻を映しながら膣中を責める。
 前屈してお腹の方から伸ばした右手が膣粘膜の奥深くまで潜り込む。
 垂れ下がった乳房の硬く尖立した乳首を左手で痛いほど捻り潰す。
 間断なく続くオーガズムラッシュ。

 …自分で課したルールでドアが開いちゃうなんて、バカな女ね…
 …もう外の様子も全然気にしてないんじゃない。イクことだけしか眼中にないって感じ…
 …視てもらえなく残念だったわね。いっそのことそのドア開けて廊下まで出ちゃってみれば…

 想像上の彼女から浴びせられる侮蔑の言葉に反発を感じながらも止まらない自涜。
 トイレ出入口のドアを横目で見ながら、廊下に出てみようか、とは考えていた。
 が、瞬時にさっき個室のドアが開いてしまった時の絶望感がよみがえる。
 私にはまだ、そんな勇気は無い…

 梅雨が本格的になりそうな気配漂う曇り空の日曜日。
 昨日から生理が来てしまった私は性的な遊びも出来ないので暇つぶしに繁華街でもぶらつこうと考えた。
 池袋に行って同人誌漁ったり新刊コミックをチェックしたり。

 昼過ぎに着いて一通り見て回った後、服も一応見てみようと思い駅改札やファッションビルに続く広い地下街に入った。
 時間は三時過ぎ、休日なので大勢の老若男女がそれぞれの目的で右往左往している。
 地下街のとあるカフェの前を通り過ぎようとした時、意外な人物を視界の端に捉えた。
 彼女だった。

 彼女はちょうどカフェから出てくるところで、ベージュのブレザーにチェックのスカートと大学でよく見た服装をしている。
 その横にはスラリとしたジーンズ姿の女性がいて、店の前で二人にこやかに談笑している。

 その女性はさっぱりめのウルフカットでシャープな顔立ち、ヨレたGジャンに薄化粧、全体的にラフな感じで、なんとなくオフの時の水商売ぽい雰囲気があった。
 年齢は明らかに彼女より上、二十代半ばから後半、いわゆるアラサーな感じだ。
 楽しそうにおしゃべりしている感じも彼女の笑顔が媚を含んで甘えているように見えた。

 カフェ入口前で立ち話していた二人にカフェ内から遅れて出てきたもう一人の女性が合流した。
 大きなバッグを肩に提げ、デニムのショートパンツ生足に膝下までのブーツ、身体に吸い付くようにピッタリしたボートネックの黒いTシャツが胸の隆起と身体の線を浮かび上がらせている。

 年齢は彼女と話している女性と同じくらいだろうか。
 小顔にショートボブで憂いを帯びたような顔立ちは誰もが振り返るような美形振りで、現にその場でも行き交う人が一度はチラ見していく。
 ひょっとしてモデルかタレント?いかにもカタギの女性ではないという感じだ。

 更にその女性は首にチョーカーを嵌めていた。
 真っ白で正面に大きめなリングが一つぶら下がった、まるで犬の首輪のようにも見えるチョーカー。
 それは私に、性奴隷、マゾヒスト、肉便器という単語群を容易に連想させた。

 彼女を真ん中にして三人がゆっくりと地下街を進んでいく。
 私の今日の服装はいつもよりかなりくだけたTシャツにジーンズというラフなものだし、アポロキャップもかぶっていた。
 思いがけずに彼女の私生活を垣間見るチャンスが訪れたので念のため伊達メガネもかけてバレないように尾行を開始した。

 人混みをすり抜けて進む三人の背中を見つめながら考える。
 あの三人はどういう関係なのだろう。
 友人と言うには彼女と年齢が離れている気もするし、でも雰囲気は何か親密そうだし。
 女性同士だからエンコーというわけでもないだろう。

 ひょっとするとどちらかが、あの日個室で彼女が口走った、やよい先生、なのかもしれない。
 ショートボブの女性はマゾっぽくもあるからウルフカットの方になるのか。
 そうだとするとこれからどこへ行くのか益々気になるところだ。

 地下街をずいぶん長く歩いた三人はやがて階段を上り地上へ出る。
 曇天模様の休日でもそれなりの数の人々が行き交う池袋。
 三人は線路沿いの道をゆっくりと進んでいく。

 この辺りは北池袋と呼ばれる一画で、確か裏に入ると風俗店やラブホテルが林立しているのではなかったっけ。
 ネットで仕入れた情報を思い出す。
 だとすると…下世話な好奇心がムクムクと騒ぎ始める。

 果たして彼女たちは路地を一つ曲がり、派手めというかいささか品に欠ける大きな建物の入口に吸い込まれていった。
 時刻はまだまだ明るい午後三時半前、どう見てもラブホとしか思えない建物に女性三人で消えていったのである。
 入る直前に、彼女が嬉しそうに上気した顔でショートボブの女性に何か語りかける様子が見えた。

 やっぱり、と思いながらスマホでそのホテルの名を検索するとSMルームもある正真正銘のラブホテルであった。
 いつぞやに見た彼女の白い背中を染めていた鞭の痕をまざまざと思い出す。
 同時に私の中で何かが確実に終わった。

 線路沿いの道を引き返しながら考える。
 おそらく彼女はあそこで色々、性的快楽を享受するのであろう。
 女性二人がかりでか、それともショートボブの女性も虐められる側なのかはわからないが。

 年上の女性たちから性的調教を受ける彼女、私がまだ知らない快楽をたくさん知っているのであろう彼女。
 彼女は学校のトイレ個室で自慰行為をするような変態性癖者であるだけではなくレズビアンでありマゾヒストでもあることは確実だった。
 
 あんな顔をして彼女は私の何倍もしたたかで何倍も変態だった。
 彼女には敵わないと思った。
 彼女への片想い的に惹かれる想いは、私に変態的な快楽だけを残して、呆気なく潰え去っていた。

 私は今、空き教室で裸になることを計画している。
 
 私がよく読書をしている空き教室はプロジェクターを使う講義が主な為、窓際には分厚い暗幕カーテンがかかっており、常時窓の三分の一が暗幕に覆われている。
 そのため使用していない教室のドアは開いておくルールでも中は適度に薄暗く、木曜、金曜の四、五時限目であれば滅多に人は来ない。

 ここですべて脱いで全裸になり、席に座って読書をしたり、あわよくば自慰行為をしたり廊下に出たりもしてみたい。
 鍵で守られていない普段講義で使用している教室で全裸になったら、どんな気持ちになるのだろう。

 万が一人が来てしまった場合は暗幕の裏に隠れれば良い。
 その場合、窓が素通しガラスゆえ外からは丸見えとなってしまうが、梅雨時なので雨が降っていれば外にいる人は皆傘を差しているはずだし、三階を見上げたりもしないだろう。
 なので生理が終わリ次第、雨の降る木曜日か金曜日に決行するつもりだ。

 私が破滅する日は意外と近いのかもしれない…

*END

2024年4月21日

彼女がくれた片想い 12

 それにしても彼女に話しかけてしまったのはつくづく失敗だった。
 あれ以来彼女は、テニスの時は必ずショーツの上からアンダースコートを穿くようになり、木曜日も午前中で帰ってしまうことが続いている。

 更に、彼女が会釈をくれても目を逸らすといった塩対応を続けていた結果、最近では何かの拍子で視線が合っても彼女の方から気弱な笑みで先に目を逸らす、というギクシャクした関係に陥っていた。
 その上、彼女が私を一個人として認識してしまったという事実は変わらないので、うかつに彼女の姿を追うことも出来ず、監視まがいの行動が思うように出来なくなっていた。

 ただ、私も彼女の行動を注視するよりも心惹かれる悩ましい遊びをみつけていた。
 講義中のトイレで人知れず全裸になることに嵌ってしまったのだ。
 あの日初めて行なって以来、その背徳感と恥辱感、そしてみつかったら終わりだという薄氷を踏むようなスリルの虜になってしまっていた。

 講義と講義の間の空き時間は今までならどこかの空き教室に忍込み専ら読書に耽っていたのだが、今ではいそいそと誰もいないトイレに赴き、個室で全裸になるようになっていた。
 自慰行為までは出来なくても全裸になって佇むだけで得も言われぬ陶酔が感じられる。

 また、今までは三限や四限でその日の講義が終わったらそそくさと学校を後にしていたのだか、最近は五限目の時間まで学内に居残ってトイレに籠もることも普通になった。
 火曜日と水曜日は一限ないしは二限目からびっしり五限まで講義があるが、月曜日は四限以降、木曜日は三限と五限、金曜日も二限と四限以降がお愉しみタイムとなった。

 トイレ個室全裸デビュー翌日金曜日の二限目が空き時間となった私は講義開始のチャイムとともに三階のトイレに入った。
 五つ空いた個室のうち出入口から一番遠いいつもの個室に入り鍵を掛ける。
 すぐに想像上の彼女の命令によって衣服を脱いでいく。

 今日の服装は昨日と同じジーンズにモスグリーンのフリルブラウス。
 下着はオーソドックスな白のフルカップブラにフルバックのショーツにした。
 普通のありふれた下着の方が脱いで裸になった時との落差が大きくてより興奮出来ると思ったからだ。

 下着姿になってから一呼吸置き、おもむろにブラジャーとショーツを脱いでいく瞬間は、全身の細胞が総毛立つようにゾクゾクと感じてしまう。
 全裸になってしばし後ろ手を組んで佇んでからスマホを取り出して記念撮影。

 前回はスマホをバッグにしまい込んでしまったため時間配分がよくわからなかったので、今回からスマホを手元に置いておくことにした。
 うちの大学は90分授業、その時間内で終了チャイムが鳴る前に退散するための安全策だ。

 しゃがみ込んで右腕を伸ばし恥ずかしい自撮り開始。
 これから必ず自分の変態行為をセルフィーで撮影し、自分の黒歴史ライブラリーを貯めていこうと自虐的に決めていた。

 シャッター音が鳴るたびに股間の粘膜がヒクヒク疼いてくる。
 左手は当然のように陰毛の上、大きく割った両腿の中心部分をコソコソと愛撫している。

 私は今、恥ずかしい自慰行為を撮影されている…
 そう考えただけでもう我慢は効かず、中指と薬指が膣中深くに吸い込まれていく。

 二度三度と身体の奥から蕩けそうなほどの絶頂感を味わった後、小休止。
 弾む吐息が収まるのを待ってから今度は個室の外に出てみようと思い個室の鍵に手を伸ばす。

 その時、バタンとトイレ出入口のドアが開閉する音がした。
 伸ばした手をすぐに引っ込めて昨日のようにしゃがみ込むまではいかないが、やはり盛大にドキドキしている。
 すぐにどこかの個室が閉まるバタンという音も聞こえてきた。

 さっきすぐに外へ出ていたら危なかった。
 全裸の私と見知らぬ誰かが完全に鉢合わせしていたはずだ。
 収まらないドキドキで性的に翻弄されながら個室からの退出を待つ。

 ジャーという水洗の水音で退出間近と心躍った瞬間、また別の物音、トイレ出入口のドアが開閉するバタンという音が聞こえてきた。
 また別のトイレ利用者のようだ。
 個室のドアを閉じるような開くような音が立て続けに二回聞こえ、しばらくしてトイレの出入口ドアがバタンと閉まる音がした。

 昨日とは違ってどうにも落ち着かない。
 個室のドアの鍵をそっと外し、ドアも少しだけそっと開けて顔だけ覗かせ通路を見ると真ん中の個室のドアが閉じていた。
 それだけ確認して顔を引っ込め個室の鍵をそっと掛けた。
 スマホで確認すると時刻は11時42分。

 うちの学校の学食が11時から始まるので、それに合わせて早めに昼食を摂る学生や午後から講義の学生が空いているトイレを探してここを利用するのかもしれない。
 そんな風に考えた矢先にまたトイレ出入口のドアがバタンと開閉する音が聞こえてきた。
 もうあと30分くらいで二限終了のチャイムが鳴って昼休みとなるし、ここではもう落ち着けそうにないと判断した私は名残惜しいけれど着衣して早々と退散することにした。

 空いた学食で早めの昼食を摂り、少し長めの昼休みはいつものように読書で潰した。
 三限目の講義で彼女と一緒になった時、友人らに向けたいつも通りの彼女の笑顔を盗み見て、なぜだか少し気恥ずかしく感じた。

 四限目以降、暇となった私は三階の例のトイレより人の出入りが少なくて落ち着ける場所があるかもしれないと思い、他の階のトイレも見て回ることにした。
 四階建ての本校舎には各階のほぼ同じ位置にトイレがある。
 もちろんその他にも教職員用や来客用のトイレも点在していたが、それらに忍び込むほどの度胸は無かった。

 一階は正面玄関があり講義中、休み時間を問わず人の出入りが不規則でトイレにも時間を問わず頻繁に出入りがあるようだった。
 二階には各教授の研究室と呼ばれる小部屋が集まっており、ここも時間を問わず出入りがあり、また万が一変態遊びが学生以外に露見してしまった時のリスクが大き過ぎる。
 四階は比較的に閑散としてはいるのだが、講義の空き時間に利用できるピアノの練習室が五部屋と歓談出来る広いラウンジルームがあるため、トイレ利用者も時間を問わずのランダムとなる。

 結局、講義のための教室だけが集まった三階が講義中であれば一番落ち着いて利用出来るトイレであった。
 彼女がそこまで見極めて三階を利用したのであれば慧眼だなとあらためて彼女のことを見直してしまった。

 明けて月曜日は四限目から暇となるので私はいそいそと三階トイレに向かった。
 例によって全個室ガラ空きの一番端に入り込み鍵を掛ける。
 想像上の彼女の命令によって衣服を脱いでいく。
 その間中、私は前回や前々回よりもひどく興奮していた。

 実は前日、正確に言うと休日だった土曜日の夜に自宅のバスルームで全裸になり、自ら陰毛を剃り上げていた。
 土曜日の午前中にネットで安全な陰毛の剃毛について調べ、午後に繁華街の家電量販店等でシェーバー他を買い求め、夜間に決行したのだ。

 夕飯後の午後七時過ぎ、全裸になってバスルームに入った。
 まずはハサミで伸びすぎた陰毛を五分刈り程度に剪定する。
 下半身をシャワーのぬるま湯で洗浄し、よく拭き取った後、慎重にシェーバーを当てていく。

 みるみる赤裸々となる私の恥丘。
 肛門周りまで生え茂ったヘアーは、ネットに書いてあった、手鏡を床に置き、その上にしゃがみ込む、という恥ずかし過ぎる方法で行なった。
 バスルームのタイルの床に置かれた手鏡に映った陰毛で囲まれた性器と肛門をしげしげと覗き込み、ラビアをあちこち引っ張って赤面しつつシェイブした。
 終わる頃には滲み出た愛液で性器の周囲がヌルヌルになっていた。

 すっかり剃り終えると衝撃の事実が待っていた。
 私の小陰唇は左右対称ではなかったのだ。
 今までは毛に隠れっぱなしで気にすることはなかったが、赤裸々になると一目瞭然だった。

 自分から見て左側の小陰唇が右よりも全体的に2センチ位長めで、普通に真っすぐ立っても割れ筋から1センチ位、常時外にはみ出しているのだ。
 おそらく積年の自慰行為がもたらした結果なのだろうが、ワレメからラビアがはみ出ているという事実を目の当たりにして自分がやはりかなりふしだらな女だったのだと思い知らされた。

 性器を無毛にしたことで確実に性感は上がってしまい、日曜日は一日中部屋に籠もり頻繁に下半身に右手を滑らせてツルツルな感触を愉しみ、結局自慰行為に至ってオーガズムを貪るというくり返しだった。
 剥き出しになった性器はかなり恥ずかしく、それでいて淫靡にエロティックだ。

 そんな週末を過ごした翌月曜日、待ちに待った個室に籠った私であるから、その興奮ぶりもわかってもらえるだろう。
 ブラジャーを外す前から両乳首が尖りきっているのがわかる。
 ホックを外し緩んだ瞬間に、そんなに大きな乳房ではないが、布地を撥ね付けるようにプルンと弾むのがわかった。

 次はいよいよショーツだ。
 ウエストゴムに指を掛けただけで性器の奥が潤むのがわかった。
 思い切ってそのまま膝辺りまで一気にずり下げる。
 無毛の土手を個室内の空気が直に触れてくる。

 …あら?この間まであった毛が無くなってるじゃない?どうしたの?…

 想像上の彼女が目ざとく気づき、からかうように詰問してくる。

 …綺麗サッパリ剃り落としちゃって。自分で剃ったの?やっぱりソコをよーく視てもらいたいからなのかしら…
 …あら、普通に立っていてもビラビラがはみ出しちゃっているじゃない。オナニーのしすぎでラビアが伸びちゃったのね…
 …ふしだらなおまえにはよーくお似合いの変態ぶりだこと。ほら、もっと足を広げて中身まで見せなさい…

 ますます下品になった想像上の彼女の嘲りを浴びながら後ろ手全裸の私は屈辱に震える。
 悔しいのに、あがらいたいのに、気持ちの良い電流が全身を駆け巡る。

 スマホを手に取り自撮り棒を取り付ける。
 これも土曜日に家電量販店で買って用意しておいたものだ。
 これでしゃがみ込まなくても全身をカメラに収めることが出来る。

 想像上の彼女に命令されるまま恥ずかしいポージングで撮影が始まる。
 全身、大股開き、M字開脚、無毛な局部のドアップ、自らの指で開いた膣口と肛門のドアップ…
 シャッターが鳴るたびに性感がグングン高ぶり、遂には自慰行為に埋没してしまう。

 幾度かのオーガズムの余韻の後、個室の外に出てみようと考える。
 今日は幸運なことにこれまで一人も闖入者がいない。
 個室の鍵を外し顔を覗かせても他の個室の扉はすべて開いたままだ。

 自撮り棒の付いたスマホを持って個室を出てトイレの通路に立つ。
 出入口脇の洗面台上の鏡に裸の自分のおへそから上、乳房から上気した顔までが映っている。
 外廊下の様子に注意深く聞き耳を立てつつ自撮りしながら鏡に近づいていく。

 こんなところにまで全裸で出てしまう自分。
 洗面台に足を掛け、無毛の性器を鏡に映す。
 すぐ横に出入口のドアがあることに気づき、あわてて後ずさる。

 性器から愛液が零れて太腿伝いに床へと滑り落ちる。
 自分で剃り上げてツルツルに露出した剥き出しのふしだらな性器。
 そんな行動の一つ一つをつぶさに、客観的に見せてくれる鏡とセルフィーのカメラ。
 私って本物の変態だ…

 我慢しきれなくなり、その場で立ったまま性器を弄り始める。
 トイレ通路のほぼ真ん中。
 自撮り棒は三脚にもなるのでカメラは動画にして自分の股間に向け、私は鏡で自分の顔を視ながら声を殺して快感を貪る。

 …あれ、こんなところでもオナニー始めちゃうんだ。誰か来ちゃっても知らないよ…
 …クチュクチュクチュクチュ凄い音だこと。またラビアが伸びてもっとはみ出しちゃうんじゃない?…
 …ほら、もっとおっぱい揉んで、乳首つねって、クリトリスつまんでオマンコ掻き回しなさい…
 …おまえ本当はそんな浅ましい姿、誰かに視られたいんじゃないの?視られて破滅したいんじゃないの?…

 イッてもイっても湧き上がるオーガズムの渇望。
 足下に小さな水溜りが出来るほど愛液を垂れ流して身悶えていたとき…

 キーンコーンカーンコーン…

 突如チャイムが鳴り響いた。
 最初のキの音が聞こえたときにビクンとはしたが、それが何を意味する音なのかはわからなかった。

 が、次の瞬間、これは四限目終了を告げるチャイムの音だと瞬時に理解し、それからは早かった。
 目の前に置いた三脚代わりの自撮り棒をひったくるように片手に持ち一目散に端の個室に逃げ込んだ。
 個室の鍵を掛けるのとトイレ出入口のドアが開く音が聞こえたのがほぼ同時だった。

 心臓が飛び出てしまいそうなほどの危ういスリルと同じくらいに高ぶる性的興奮。
 他の個室に利用者が居るのはわかっているのに性器を弄ることが我慢出来ない変態の性。
 喉奥から迸る歓喜の喘ぎを必死に押し殺しつつ断続的なオーガズムに身を委ねる自分…

 そんな感じで、暇をみつけては禁断の個室遊戯に耽っていた私は回を重ねるごとに自分に課す要求も自虐的にどんどんエスカレートしていった。


2024年4月13日

彼女がくれた片想い 11

 今度の闖入者は割とがさつな性格の人物なようで、靴音もやけに大きくドアの開け閉めも乱暴で、私のいる個室の二つ隣、すなわち真ん中の個室に陣取ったことまで手に取るようにわかった。

 さすがに脱衣の衣擦れの音までは聞こえてこないが、しばらくしてから無遠慮にプゥーという間抜けな放屁の音が聞こえてきた。
 どうやらその人物は大きな方に取組んでいるようだ。

 そんな音を響かせるくらいだから端の個室のドアが閉じていたことにも気づいていないのだろう。
 途中で聞こえてきた、これまた無遠慮な咳払いの声もしゃがれ気味だったので本当に教授、准教授か講師の先生なのかもしれない。

 しばらくしてからザーッと水を流す音が聞こえ、つづけてカタカタとトイレットペーパーを引き出す音、もう一度水を流す音。
 しばしの沈黙の後、バタンと個室のドアを開ける音、カツカツと通路を歩く足音、ジャーッと手を洗う音、化粧や身だしなみを直しているのであろう長い沈黙を経てギーバタンと出入口のドアを開閉する音がつづいた。

 その間中ずっと私は想像上の彼女の命令通り個室のドアに向いたまま後ろ手の全裸で立ち尽くしていた。
 何かの間違いでドアが開いてしまってもそのままでいろ、という命令だ。
 現実の彼女も絶対、個室の外に裸で出ることもしていたのだろうなと、ふと思う。

 闖入者が去ってホッとすると共に私の心はなんだか落ち着いてきてしまった。
 慣れない興奮がつづいたせいもあり心地よい疲れが、今日はここまで、と告げていた。

 トイレットペーパーと持参のウェットティッシュで全身をよく拭ってから普通に着衣し個室を後にした。
 個室のタイル床のちょうど便座の前辺りを白濁液の混ざる水溜まりが汚していたが、それはそのままにしておいた。
 トイレ内の通路に出ると、洗面台でさっきの闖入者が噴霧したのであろうローズメインなパフュームの残り香が漂っていた。

 四限の途中、午後四時過ぎという半端な時間に帰宅するため電車に乗った。
 まばらな空席の一つに腰掛けて揺れに身を任せながら、さっきまで自分が行なっていた痴態の数々を頭の中で反芻していた。
 寝たふりをしてうつむいていたから周囲にはわからなかっただろうが、思い出すこと一々が赤面を呼ぶものだった。

 自分で一番驚いたのは自分の中に隠れていたマゾヒスト的な資質だった。
 どちらかと言えばM寄りかなとは自分でも思っていたのだが、高圧的な態度や理不尽な命令には反発を覚えるタイプだとも思っていたので。

 だが、想像上の彼女から無理な命令を受けて恥ずかしい状態に追い込められるほどに性的興奮をしている自分がいた。
 変態な姿が誰かに視られてしまうかもしれないというスリルに、より淫らに反応してしまう自分の身体があった。
 しかしながらこれらを屈辱的と感じている自分も常にいたわけで、これはマゾ性というよりも破滅願望的な傾向に近いのかもしれない。

 午後五時前に自宅のマンションに着き、倒れるようにそのまま小一時間仮眠した後、夕食を買い置きの冷凍食品で軽く済ませてからゆっくりお風呂に浸かった。
 シャワーを浴びながら自分の身体を撫ぜているとどうしても昼間の興奮を思い出してしまう。

 お風呂から上がると下着も着けず肌の手入れもそこそこに全裸のままベッドにダイブした。
 昼間の興奮を蘇らせたくて四つん這いになり自分の性感帯を執拗に愛撫した。
 大きな姿見の前で乳房を揉みしだいたり膣口を広げてみたり、思い切り恥ずかしいと思える自分の姿を模索した。
 やっぱり陰毛は邪魔だなと思った。

 そんな思い出し自慰の終盤で私は結局、想像上の彼女、の言いなりになっていた。
 なにしろ想像上の彼女には私の恥ずかしい写真という切り札があるので、言いなりになるしか道は無いのだ。

 想像上の彼女がえげつない命令を次々に下してくる。
 それは私が今までマンガやラノベ、アニメや映画やAVやネットで好んで摂取してきた潜在的欲求の塊なのかもしれない。

 …こんなところで素っ裸なのだから、視られる覚悟も出来ているのよね?オマンコを自分の指で広げなさい…
 …そのまま目を瞑って恥ずかしい全裸で五分間、そこに立っていなさい。誰か来た気配がしても絶対隠してはだめよ…
 …あら、ここはずいぶん人通りが多いのね。誰もがおまえの全裸を凝視していくわ。あの人なんか立ち止まってしゃがみ込んで、おまえのオマンコを食い入るように奥の奥まで下から覗き込んでいるわよ…

 想像上の彼女は容赦無く公衆の面前に裸の私を連れ出す。
 言いなりな自分はまるで彼女の性奴隷玩具だなと私は屈辱の中で思う。

 …ここでおまえが大好きな自慰行為をしなさい。イクときはみなさんに許しを乞うてからイクこと…
 …オチンチンを出してくる人がいたら悦んでしゃぶって気持ち良くさせて上げなさい…
 …セックスを望む人がいたらどんな人にも従順に応じなさい。たとえ避妊具無しの中出しだとしても…

 そんな自分の股間を熱くする破滅的な妄想で何度も何度もイキ果てた。
 そこはかとない満足感と絶望感の中、私はいつしか全裸のまま眠りに就いていた。

 想像上の彼女に大人しく従っている私だったが自分はレズビアンではないと思う。
 現実の彼女と肌を寄せ合って一緒に気持ち良くなりたいとかは全然思わないし、初めての性行為も高校の頃、同級生の異性だった。

 高校一年の夏休み後に告白されてつきあった同じクラス同い年の男子。
 顔がその頃そこそこ人気のあったややイケメンお笑い芸人に似ていたため女子にもそこそこ人気のあった男子ではあった。

 最初の頃こそよく気の利くやさしいカレシであったが、プラトニックで迎えた次の年のお正月後、何かの弾みでディープキスを許してからはただのヤリタイお化けに豹変した。
 ことあるごとに二人きりになりたがり、ことあるごとに私の身体を触りたがった。

 セックスに対しては好奇心も有り不安も有りのやじろべえ状態な自分だったが、執拗な懇願に、そんなに言うのならと好奇心が僅差で勝った結果だった。
 二年生進級目前の春休み前、彼の両親が親戚の不幸で一晩帰ってこないという彼の一軒家の彼の部屋でであった。
 自分の両親には仲の良い女子四人でのお泊り会と嘘をつき、その頃の友人にも口裏を合わせてもらっていた。

 初めて勃起した男性器を見たときは驚愕だった。
 こんなものが私のソコに本当に入るのかと思った。

 それ以前から自慰行為はしていた。
 中学二年の春頃から性器の周辺を弄ると時々凄く気持ちのいい電流が全身をつらぬくことを知っていた。
 ただ、あまりに気持ち良すぎるので逆にあまりシてはイケナイことだとも思っていた。

 それでも何度かシているうちに、これは陰毛に隠れた性器の割れ始め付近にある包皮をかぶった硬いしこりのせいだとも気づいていた。
 そのしこりは何でも無い時にはひっそりとしているのだが、生理と生理の間に訪れる自分では制御不能なムラムラ期間のときには少し大きく包皮を持ち上げ、触ると感電したようにビリビリと気持ち良い快感がつらぬくのである。
 そんな感じで私のそれまでの自慰行為はクリトリス一辺倒であった。

 その日は夕食の時間頃に彼の家に行き、彼の母親が彼の為だけに作り置きしてくれた夕食と買ってきた菓子パンを二人で分け合って食べ、九時半くらいまでゲームで遊んだ後、お風呂にも入らず唐突に彼が部屋の電気を暗くした。
 常夜灯の焦げ茶色い薄闇の中、彼が私の着衣を脱がせていくがブラジャーの外し方はわからなかったらしく私が自分で外した。
 彼も焦ったようにパンツ一つの裸になり、いきなり抱きついてくる。

 性急に唇を合わせてきて性急に私の胸を激しく揉んだ。
 彼の口内は夕食に食べたトンカツのせいかなんだか獣臭かった。
 その間に彼は自分のパンツを脱ぎ、私のショーツも脱がせた。

 それから身体を離した彼は前屈みになりコソコソと避妊ゴムを着けた。
 そのとき私は生まれて初めて勃起した男性器を見た。

 私に覆いかぶさった彼は闇雲に硬く充血した男性器を私の股間に押し付けてくる。
 粘膜を押してくる異物は痛いだけだった。
 少しの間そうしているうちに私の粘膜中に収まりの良さそうな窪みがみつかり、そこへ強引に異物を捩じ込んでくる。
 入口近辺がヒリヒリ痛くて不快なだけだった。

 自分の性器に熱くて硬い何かがめり込んで来る感じ。
 意外と深くまで挿さるものなんだな。
 不快な痛みに顔を歪めながら、そんなふうに思った。
 彼にはおそらく感じている顔に見えたことだろう。

 無我夢中な彼は目を瞑って私にしがみついたまま数秒間無闇に腰を押し付けてきたかと思ったら静かになった。
 果てたようだった。
 私から身体を離し仰向けになってハアハアと息を上げていた。
 性器からの出血はなかった。

 その三十分後くらいにもう一度望まれて従ったのだがやはり痛くて不快なだけだった。
 彼は満足げに眠りに落ち、私は釈然としない気持ちでなかなか寝付けなかった。
 セックスってこんな程度のものなのかと失望していた。

 高校二年へ進級のクラス替えで彼とは違うクラスとなったが、つきあいはまだ続いていた。
 仲の良かった女子たちとも散り散りとなってしまいクラスでは孤立気味だった。

 彼の両親が夜まで不在のときに度々彼の部屋に誘われたが、のらりくらりと断っていた。
 五月の連休の頃、ヤリタイだけお化けからの度重なる誘いにしょうがなく一度だけ乗ってあげたのだが、やっぱり痛いだけで、もうしたくないと喧嘩になった。
 それで完全に諦めがつき彼を避けるようになって、いつの間にか交際は自然消滅していた。

 その頃からクラスの同性数人による軽いイジメのようなものが始まった。
 イジメと言っても無視されたり悪口陰口のような可愛らしいものだったが。

 ある日には教室の黒板に私の名前と、マグロ女、という文字が大きく書かれていた。
 おそらく彼があることないこと言いふらして、それを書いた人物は彼を好いていたのだろう。
 男性の身勝手さと女性の陰湿さを身を以て体験した私は諦観して内に籠るようになり、教室の隅で読書ばかりしている陰気な女になっていった。

 ただ、そんなことがあったおかげで逆に性への興味は大いに刺激され、その手の文章や画像、映像、創作物を手当たり次第摂取していった。
 ノーマルだろうがSMだろうがBLだろうがGLだろうが、そういう類の情報を主にネットで夜な夜な収集した。
 誰もが気持ち良いと口を揃える性行為なのに何故自分だけは不快だったのか、その理由が知りたかった。

 ある日、いつものようにネットサーフィンをしていると、とあるお菓子の容器で自慰行為をすると気持ち良いという記事をみつけた。
 そのお菓子とはグミで、口の中でグニュグニュする感触が好きで私もたまに買っていたお菓子だったが、その容器をそういう目で見たことはなかった。
 確かに長さも太さも私が見た勃起した男性器とほぼ同じ、ただし容器のように緩い瓢箪型にウネウネはしていなかったが。

 その記事は懇切丁寧に書かれており、ビニールの包装紙は剥がすこと、避妊ゴムを被せた方がいいこと、潤滑ゼリーを併用すること等々が書かれていて、私は素直に従った。
 避妊ゴムは彼が私に預けていた分がたくさん残っていたし、潤滑ゼリーはネット通販で入手した。

 実際にそれで自慰を行なってみて驚いた。
 避妊ゴムを被せて潤滑ゼリーを垂らしたグミ容器は難なく私の膣内に収まり、それを動かすたびにグングンと性感が高まった。
 痛みも不快感もまったく感じずに、ただただ気持ち良かった。
 凸凹した表面が粘膜にピッタリ吸着したまま滑り、出し挿れをくり返すとこれまで経験したことないほどの恍惚とした快感が股間から全身へと広がっていった。

 一度達した後は少しの刺激で前にも増した快感を味わえる。
 より強烈な快感を求めて何度も何度も貪るうちに私は膣中イキも出来るようになっていた。

 残りの高校生活を内向きなまま自慰行為とそのネタ集めに費やした私には、結婚も子供を作ることも生涯出来ないだろうなと考えた。
 それならばせめて他人様のちっちゃくて無垢な子供の世話でもして静かに暮らしていこうと思い、この女子大を志望し合格した。

 そんな根深いコミュ障をこじらせている私が久々に興味を抱いた人物、それが彼女だった。


2024年4月7日

彼女がくれた片想い 10

 物音が聞こえたと同時にその場にしゃがみ込んだ。
 ここが誰でも自由に出入り出来る場所だったということをあらためて思い知らされる。
 個室なので中まで入ってこられる恐れはないのに裸を隠すように縮こまってしまう。

 無遠慮な足音がコツコツと響き、個室のドアを閉じたのであろうバタンという音がする。
 少なくとも隣の個室ではないようだが。

 再び静けさが訪れる。
 衣擦れの音も排尿の音も聞こえてこない。
 ここからだいぶ離れた個室、たぶん出入口から一番近い個室に陣取ったのであろう、ホッと安堵の息をついた。

 しゃがみ込んでいるので手の位置が性器に近い。
 闖入者が退出するまで大人しくしていなければとわかっているのだが、考える前にすでに右手が性器に触れていた。
 それくらい身体が物理的刺激に飢えていた。

 下腹部全体がねっとりと熱い。
 陰毛に隠れた割れ始めの包皮が皮を被ったまま、しこりのように腫れている。
 その下の穴の方に中指を滑らせるとヌルッと難なく侵入した。

 思わず、んふっ、と小さな淫声が洩れる。
 ほんの入口に第一関節くらいを挿れただけなのに肉襞がヌメヌメ蠢き奥へと誘い込むようにキュンキュン締め付けてくる。
 これ以上動かしては駄目、と自分に言い聞かせて真一文字に口をつぐむ。

 右手の掌が腫れた包皮に当たっている。
 私はクリトリスがかなり弱い。
 その部分を極力刺激しないように性器を掌で包み込む。
 凄く熱くなっている。

 眉根に深いシワを刻ませたまま一分、二分とそのときを待つ。
 やがてジャーッと水を流す音が聞こえ、しばしの沈黙のあとカタン、ギーッと扉が開く音が聞こえた。
 コツコツという足音、ザーッと手を洗うらしい音が聞こえて再びしばし沈黙。
 またコツコツと足音がしてカタン、バタンでやっとトイレから退出した物音。

 その音が聞こえた瞬間、中指が私の膣を奥深くまでつらぬいていた。
 掌も腫れた包皮に思い切り押し付ける。
 あっという間に深く激しく達していた。

 今まで味わったことのないオーガズムの波が何度も何度も打ち寄せてくる。
 全身がプルプル震え、いつの間にか薬指も加わった二本の指がヒクヒク痙攣している膣壁をこれでもかと甚振っていた。
 つぐんでいるはずの口なのに、んぐぅぅっ、という嗚咽が喉奥からほとばしる。
 やがて最大級のオーガズムで頭の中に火花が弾け飛ぶ。

 やっと本望を遂げた私はこの場から闖入者が去った安堵感もありハァハァと荒い呼吸音を発していた。
 下半身を中心に今だにヒクヒクとあちこちで痙攣する全身の余韻を愉しんでいる。
 これほどまでの絶頂快感は予想していなかった。

 自分の吐息以外は再び静まり返った個室内で私は思いあぐねていた。
 続行してもう一度天国を味わうか、ここで一区切りして四限目に向けて撤収するか。
 けっこう長くこの場にいるのでそろそろ三限目終了チャイムが鳴りそうだとも思うが、スマホはバッグにしまったので時計を確かめることは出来ない。
 私の中の良識はそんなふうに比較的冷静に状況を考えているのだが、身体は勝手に動いていた。

 いつの間にか自分の部屋でいつもしている格好、すなわちお尻を突き上げた四つん這いになって行為を続行しようとしていた。
 四つん這いと言ってもトイレの中なのでいくばくかの制御が効いていた。
 両膝は広げて床に突き、顔面は便座蓋上の脱衣した着衣の上。
 お腹側から股間に伸ばした右腕の中指と薬指がグチョグチョと膣中を捏ね繰り回していた。

 一度達して敏感になっている性器はすぐに過剰反応。
 キュンキュン疼く膣中、グングン昂る性感、クチュクチュ響く膣音。
 さっきよりも強烈に寄せては返すオーガズム波に頭の中は真空状態。
 意識まで飛んでしまうかもと思った瞬間、唐突にチャイムの音が響く。
 ビクンとした拍子に膣壁がギュッと指を締め付けた。

 便座の衣服に頬を埋めてハアハア言っていると講義が終わって廊下に出た学生たちで騒がしくなってきた。
 トイレの出入口ドアも各個室のドアもひっきりなしにどこかしら開け閉めされている。

 そんな中まだ私は起き上がれずにいた。
 便座蓋に突っ伏して個室のドアに両膝を割ったお尻を向けたまま。

 もしも今、切羽詰まった学生が満室な状態に血迷ってこの個室のドアに手を掛け、何かの間違いで鍵が外れて個室のドアが開いてしまったら…
 その人物は白濁液にまみれた陰唇がだらしなくパックリ開いた膣口と、その上の肛門までを真正面からドアップで視ることになるだろう。
 そう考えたらその目撃者として自然と彼女の顔が浮かんだ。
 もっと滅茶苦茶になってみたいと思った。

 休み時間中は我慢した。
 指は挿入せず、口をつぐんで足の付け根から陰唇付近をさするだけで我慢した。
 長い10分間。
 膣内に潜りたがる指をなんとかなだめ悶々とそのときを待つ。

 トイレ内の喧騒が徐々に落ち着き、やがて休み時間終了のチャイムが鳴る。
 耳を澄ましても聞こえるのは、しーん、という自分の耳の神経細胞が活動する音のみ。
 今日も四限目は自主休講となってしまうが、これで心置きなく行為が続行できると思う反面、ひとつの懸念が急浮上した。

 本当に今、このトイレには誰もいないのか…
 万が一、四限目に講義のない学生がまだ個室に籠っていたり、いないとは思うが自分や彼女のような人物が不埒な目的で個室に入っていても今の私にはわからない。
 誰かが残っていた場合、大きな物音や声を発することは当然ながら憚れる。

 懸念は不安へと変化し、どうしても確かめたくなっていた。
 確かめるのは簡単、個室が空いているときは内開きドアが開いている筈なので、そっと覗いて確認するだけだ。
 もし個室がひとつでも閉じていたら、そのときは慎重に行動して退出の物音を待てばいい。

 方針が決まり立ち上がることにした。
 顔を埋めていたジーンズがよだれで少し湿っていた。
 裸足で個室ドアの前に立つ。

 極力音を立てないようにドア鍵のスライドバーを外す。
 そのままそーっとドアを内側に引いて隙間から顔だけ覗かせ、トイレ出入り口の方へと素早く視線を走らせる。
 四つの個室はどれも内側に開いている。
 よしっ。

 安堵と一緒に顔を引っ込め、今度は音を気にせずドアを閉めて再び鍵を掛ける。
 四限目も諦めたことだし、ここでもう少し愉しんでいくことに決める。
 今度はどんな妄想にしようかと考えていたら、ある好奇心が湧き上がってきた。

 トイレ内に誰もいないということは今なら個室の外に出ても大丈夫ということ。
 個室内でこんなにドキドキするのだから、その個室からもっと広い空間に出たら、どんな気分になるのだろう。

 ただし、個室なら鍵を掛けられるがトイレ全体の出入口はオールオッケーの誰でもウェルカム状態。
 でもそれも、廊下の足音に注意深く耳を澄ませていれば大丈夫な気もする。
 危険を察知したら素早く個室に逃げ込めばいいのだから。

 少しの間、不安という理性と好奇心が逡巡していたが結局、猫をも殺す好奇心が天秤を傾かせた。
 再び個室ドアのスライドバーに手を掛ける。

 私は露出狂ではない。
 誰かに自分の裸を見せたいという願望はさらさら無いし、逆に人前では極力ひっそり同化して目立ちたくないタイプだ。
 それなら何故、個室の外に出るというような大胆な行動に惹かれてしまうのか。

 おそらく、視られてしまうかもしれない、というスリルが今まで味わったことの無い興奮を呼ぶからだ。
 自分の浅ましい姿を発見されてしまうかもしれないというリスク。
 もちろん絶対目撃されたくはないのだが、行動しなければスリルは味わえない。
 踏ん切りをつけるために、もう一度想像上の彼女にご登場いただいて命令を待つことにする。

 …ほら、さっさと表に出なさい。誰もいないんだから…

 思い切って個室ドアを開き、裸足で恐る恐る個室の外へ出る。
 この期に及んで今更だが、胸と股間は庇ってしまう。
 しんと静まり返った空間。

 …またおっぱいとオマンコを隠しているの?おまえの腕はそこでは無いでしょう?同じことを何度も言わせないでちょうだい…

 想像上の彼女に叱責された私は渋々両腕を下ろし、トイレ空間の真ん中あたりで後ろ手を組む。
 見慣れた学校の女子トイレの通路で素っ裸になっている自分。
 一時落ち着きを見せていた性感が前にも増してグングンと上がってきている。

 命令されて嫌々トイレ通路で全裸を晒している自分、の屈辱気分に浸りつつ、何気に出入口の方を向くと出入口ドア脇に並んだ洗面台の鏡に私の臍から上くらいの裸が映っていた。
 客観的に見せられる、ありえない場所で晒している自分の裸。
 自慰行為でオーガズムに達したばかりの締りのない顔で上気した裸体を晒している女。
 自分が今、いかに破廉恥な行為をしているのかを問答無用で突き付けられた。

 もはや躊躇いは無かった。
 一刻も早くこの場で性器を弄り倒し、すべてを忘れて性的快楽を貪りたくなっていた。
 後ろ手に組んだ両腕を解いて前に回し、鏡に向かって立ち尽くしたまま右手を性器に近づけていく。

 そのとき、トイレ外のどこかからカツカツと足音のような物音が微かに聞こえたような気がした。
 空耳かとも思ったが、その足音はトイレから見て左側に位置する階段の方から実態を持ったテンポで徐々に音量を上げ、どんどん近づいてくる気配。

 今は四限の講義中でずいぶん時間が経っているし足音も落ち着いていることから遅刻の学生とかではなさそうだ。
 だとすると間違いなくこのトイレが目的地であろう。
 案の定、そのハイヒールらしき靴音は高らかに響きながらこの場に近づいてくる。
 もしかすると非番の教授か講師なのかもしれない。

 慌てて個室に逃げ込んだ。
 個室ドアを乱暴に閉めてカタンと鍵を掛けた三秒後、バタンとトイレ出入口ドアが開く音が聞こえた。

 プルプル震える身体とハアハア押し殺した吐息。
 個室の外で全裸を晒したという背徳感と期せずして鏡によって視せられた自分の裸体のいやらしさ。
 ヒールの足音でなかったらみつかってしまっていただろうという危機一髪のスリルに、一切身体を触ってもいないのにビクンと小さく達していた。
 
 左太股にツツツーと白濁した愛液が滑り、頭の中で想像上の彼女が蔑みきった瞳でニヤニヤ笑っていた。


2024年3月30日

彼女がくれた片想い 09

 両手を背中に回しブラジャーのホックに触れる。
 今日の下着はブラは黒レースのハーフカップ、ショーツもブラと同じ黒レースのビキニタイプ。
 誰に見せるあてもないけれど下着にはけっこう凝るほうだ。

 ホックを外しバスト周りが緩んだ時、再び軽い電流が背筋を走った。
 ストラップを両肩から抜き、ブラジャーも小さくたたんで便座蓋の上に。
 剥き出しになった乳首が外の空気に直に触れるだけでゾクゾクッと感じてしまう。
 その乳首は左右とも今まで覚えもないほど硬く大きく尖立していた。

 トイレの個室内で乳房丸出し。
 言いようのない疚しさ、後ろめたさ。
 視ている者など誰もいないのに思わず両腕でバストを庇ってしまう恥ずかしさ。

 でもここでは終われない。
 ここまで来たら最後まで体験しないと、毒を喰らわば皿まで、の心境だ。
 胸を庇っていた両手を外し、ショーツのゴムに指を掛ける。

 目を瞑って一気に膝までずり下ろした。
 覆うものを失った下腹部が外気に晒される感覚に恐る恐る目を開けてみる。

 最初に視界に飛び込んで来たのは自分の手入れをしていない濃いめの陰毛。
 そして両膝辺りにだらしなく引っかかっている黒い布片。
 こんなところで肌を晒して陰毛を見せている自分がとんでもなく猥雑な存在に思えてきて、その恥辱感に三度めの電流が背筋をヒリヒリと震わせた。

 しばし呆然と佇んでから、ゆっくりと足首まで下ろしたショーツを引き抜いた。
 ショーツのクロッチ部分は当然のようにジットリ濡れていた。
 自慰行為のたびに自分は愛液の分泌が少ないのかも、と悩んでいた耳年増の自分にとっては珍しいことだった。
 これで一糸纏わぬ全裸、大学のトイレの個室の中で。

 気がつくと乳房と陰毛を隠そうとしている自分に苦笑いしてしまう。
 全身がカッカと火照っているのに鳥肌のような悪寒が泡立ち、性器の奥がジンジン痺れている。
 今まで生きてきたうちで最大の性的興奮状態だと思う。

 身体中が更なる刺激を欲しており、このまま自慰行為に移ることにあがらう術はなかった。
 おそらくちょっと性器を弄るだけで全身が蕩けるほどの濃厚なオーガズムに達してしまうことだろう。
 大きな喘ぎ声だけは発さないようにしなければと自分に言い聞かす。

 行為に取り掛かる前にもう一度大きく深呼吸。
 そのとき思いついた。
 記念写真を撮っておこうと。

 もっと自分を惨めに辱めてみたいという欲求があったのかもしれない。
 生まれて初めての浅まし過ぎる変態行為を、そんなことをやってしまう、やってしまいつつある自分への戒めとして記録に残しておきたいと思った。
 もちろんその画像は誰にも見せることなく帰宅したらスマホには残さず家のPCにすべて移しパスワードもかけて厳重に管理するつもりだ。

 バッグからスマホを取り出しインカメラにして右腕を伸ばす。
 ズームアウトが出来ないので立ったままだとバストアップしか映らない。

 少し考えて相撲の蹲踞の姿勢のようにしゃがみ込み、腕を思い切り伸ばすと顔から足までがかろうじて画面に収まる。
 でも下半身まで裸だということがよくわからない。

 試しに踵がお尻につくほど両膝を大きく開いて姿勢をより低くし、なおかつ上半身を縮こまるように丸めたら頭の天辺から爪先まで綺麗に縦長の画面に収まった。
 ただし、綺麗にというのはあくまで構図上の意味で、絵面的には頭を上から見えない力で押さえつけられた全裸の女が大股開きを強要されているといった趣だが。

 自分のヌード写真を自画撮りするのももちろん生まれて初めての経験だ。
 画面には上気しきっただらしない困惑顔で左右の乳房をそれぞれの腿に押し付けるような大股開きで身体を丸めた、見るからに助平そうな下卑た女が映っている。
 恥ずかしげもなく左右に広げた両膝の中心に黒々とした陰毛の茂み、その茂みの隙間にピンクの肉弁が濡れそぼって芽吹いているのまでが見えている。

 最初の一枚を撮った時、カシャッというシャッター音が異様に大きく響いたように感じた。
 大丈夫、今このトイレ内には私以外誰もいないと自分に言い聞かせる。

 カシャッ、カシャッとたてつづけにシャッターを押していると今度は他の誰かに撮影されているような気持ちになってきた。
 いやっ、視ないで、撮らないでっ、と心の中で懇願しつつ、尖った乳首を誇示したり性器を押し広げてみせたり、より扇情的なポーズを取っていた。
 シャッター音が私の心に第三者の存在を想像させている。

 異様な興奮の中で何枚も写真を撮ってからスマホの時計表示を見ると三限目が終わるまでまだ30分くらいあった。
 これなら自慰行為も心いくまで愉しめそうだ。
 スマホにロックを掛けてからバッグにしまう。
 そして、このあいだこの個室で何故、彼女が独り言を口走りながら独り芝居をしていたのかの理由がわかったような気がした。

 言い訳が欲しいのだろう。
 自分の意志で自分の快楽の為に、あえて他人の動向が気になるような場所で変態的な行為を行なっている自分をごまかす為に。
 誰かに強要され嫌々やらされているというエクスキューズを求めて、想像上のご主人様的命令者に従うのだ。
 こんな場所でひとり裸になって自慰行為に耽るのは紛れもなくアブノーマルな行為なのだが、自分がそれほどの非常識な変態性癖者だとは認めたくない葛藤の表れなのかもしれない。

 そういう流れで私も妄想の脅迫者にご登場願うことにした。

 …まあ、なんてはしたない恰好だこと。こんな所で下着まで脱いで丸裸になっているなんて…

 お嬢様風味な口調なのは、さっきまで読んでいた小説に引っ張られたのであろう。
 脅迫者の顔として真っ先に浮かんだのはもちろん彼女である。

 …あなたが悪いのよ。こんな所でこんな破廉恥なことしているのに、ちゃんと鍵を掛けていないのだもの…

 どうやら私は今、この現場を彼女に似た誰かに踏み込まれたようだ。
 便座の前に立ち竦んだ私は右腕でバストを、左手で股間を隠し、想像上の彼女と対峙している。

 …証拠写真も撮ったし、もうあなたはわたくしに逆らえないわね。通っている学校のトイレで真っ裸になっている写真なんてバラ撒かれたくないでしょう?…

 想像上の彼女が愉しげにほくそ笑む。
 羞恥と屈辱を感じながら想像上の彼女を私は睨みつける。

 …誰が隠していいって言ったのかしら?おまえはそのいやらしい身体を隅々まで誰かに見せたくて、こんな所で裸になったのでしょう?両手は後ろに回しなさい…

 あなたからおまえ呼びとなり主従関係が決定した。
 口調にも高圧的なニュアンスが交じり始めたので、あまりお育ちの良ろしいお嬢様ではないようだ。

 庇っていた両手を外して背中に回し、後ろ手を組む。
 乳房も陰毛も剥き出しの全裸。
 両乳首は痛いほど尖り、性器も子宮の奥から疼いている。

 このときふと、自分の性器を覆っているモジャモジャとした陰毛がとても邪魔なもののように感じた。
 少なくともこんな状況に陥ったこの手の女にこんな陰毛はそぐわない気がする。

 ツルツルにしたら、どんな気分になるのだろう…
 いっそのこと私も彼女のように剃り落としてしまおうか…

 …それでおまえは、こんな所で裸になって何がしたかったのかしら?正直に答えなさい…

 想像上の彼女が蔑みきった目で覗き込むように私を見てくる。

「…自慰…自慰行為…」

 実際にその場でつぶやくように声に出していた。
 自分で始めた妄想上の焦らしプレイなのだが、もう我慢しきれなくなっていた。
 今すぐ乳房や性器を滅茶苦茶に弄りたくなっている。

 …自慰?ああ、オナニーのことね。こんな所で真っ裸で発情しているおまえにピッタリな情けない醜態ね。いいわ。ヤりなさい。わたくしがちゃんとおまえのいやらしい姿を視といてあげる。おまえが浅ましくイキ果てる恥ずかしい姿をじっくりと視せてもらいましょうか…

 嘲笑と共に許しを貰いいよいよという時、トイレの出入口ドアが無遠慮に開けられたような物音がした。


2024年3月23日

彼女がくれた片想い 08

 彼女に話しかけたのは失敗だった。
 あれ以来彼女は私を見かけると曖昧な笑顔で会釈してくるようになったのだ。
 それまでモブ扱いだった私が彼女の中で顔と、おそらく名前まで知る一個人として認識されてしまった。

 普通にコミュ力のある者ならば、それをきっかけに会話して友達とは言えずとも知り合いくらいにはなり、すぐには無理だろうが成り行き次第でもっと核心を突いた話、たとえば体育の後ノーパンになるのは何故か?とか、講義中のトイレに籠って何をしているのか?とか聞き出すことも出来ただろう。

 その答えによっては淫靡な秘密を共有する性的友好関係になったり、逆に悪用して私が脅迫者になる世界線もあったかもしれない。
 しかしながらコミュ障をこじらせている私にはそういった普通の対応が出来ず、会釈をくれる彼女からわざと目を逸らすような塩対応をくり返していた。

 それでも彼女が気になる私はその週の木曜日、二限目の終わった教室を出る彼女の背中を追っていた。
 今日は彼女、どうするのだろう?
 午前中で帰宅するのか、それとも学食で昼食を摂った後、例のトイレに籠もるのか。
 今日の彼女の服装はガーリーな花柄で長めのワンピースなので、もはやすでにノーパンでトイレの線が濃厚かと勝手にワクワクしていた。

 大部分の学生が一階の学食ホールへ向かうのであろうかまびすしい集団の中、彼女の背中を見失わないよう数メートルの間隔を保ち階段を降りる。
 やがて一階の長い廊下へ。
 途中にある正面玄関前の広めなスペースにはけっこうな人溜まりが出来ている。
 後の講義がなくて下校する者や校外で昼食を摂る者などが集っているのであろう。

 数メートル先を歩いていた彼女もその一群の方へと方向を変えた。
 一緒にいた数名の友人たちが見送るように対峙してにこやかに何事か言いつつ手を振り合っている。
 どうやら今日の彼女は学食で昼食は摂らずに学外へ出るらしい。

 そんな様子をゆっくり歩きながら横目で眺めて尾行決定と思っていたら、彼女が近くを通る私に気がついたらしく小さな笑顔で会釈を送ってきた。
 彼女の仕草に彼女の友人たちも振り返り、私の方を見ている。

 私はそれに気づかないフリをした。
 そんなフリをした以上立ち止まる事も出来ず、そのまま学食方向へ歩き去るを得ない。
 どんどん広がる彼女との距離。
 やれやれ、今日も尾行は出来ないかと落胆した。

 学食ホールのいつものぼっち飯指定席で美味しいドライカレーをもそもそ頬張りながら、サボりがちだった今日の四限目の講義にも出なくちゃいけないし、と自分を納得させる。
 食後にお茶を一杯飲んでから席を立ち、読書をするために三階のいつもの空き教室へと向かった。

 まだ休み時間中なので三階と言えどもかなりざわついていた。
 早々と次の講義の教室へと入る者、廊下で立ち話に花を咲かせるグループ、トイレへの入口ドアも引っ切り無しに開け閉めされている。
 そんな中、私はいつもの空き教室ドア際席にひっそりと身を沈め、文庫本を開いた。

 ネットで手に入れて昨日から読み始めた羞恥責めをテーマにした官能小説的ラノベ。
 彼女の一連の行動に触発され、それっぽい単語を検索して買ってみた聞いたこともない著者の作品だ。

 知性も品性も感じられない直接的な描写の羅列にいささかげんなりもしたが、読み進めるうちに、そのあからさまに下劣な嗜虐描写の数々に性的な高揚感も感じていた。
 責める側も責められる側も女性の百合と言うかレズビアンメインの小説で、ヒロインが理不尽な辱めを受け羞恥に染まる描写に彼女の姿を何度も重ねていた。

 読書に没頭しているとチャイムが鳴り三限の講義開始。
 さっきまでの喧騒が嘘のように辺りが静まり返る。
 
 文庫本の章立てもちょうど一段落したところで、うつむいていた顔を上げ何気に送った視線の先にトイレ入口のドア。
 そのときふと思った。
 ああいうところで全裸になったらどういう気持ちになるのだろうと。
 小説の中でもヒロインが街のアパレルショップのカーテン一枚の試着室で全裸になることを命じられる場面があったからかもしれない。

 少し迷ったが意を決して文庫本をバッグにしまい、バッグを提げてトイレの入口ドアの前に立った。
 ドアをそっと開くと五つある個室のドアはすべて開いており、しんと静まり返っている。
 彼女が使っていた入口から一番遠い五つ目の個室のドアへ吸い込まれるように入り込みカタンと鍵を掛けた。

 本当にやる気なの?と私の中の良識が呆れたように問い質すが、未知への好奇心が呼ぶ得体のしれない性的高まりがその声をかき消した。
 蓋の閉じた便座の上にバッグを置いて一度大きく深呼吸。

 今日の私の服装は濃いグレイの長袖無地ブラウスに黒のスリムジーンズ、そして真っ白なスニーカー。
 彼女を尾行することも考えてあまり目立たないようなコーデにしていた。
 六月に入り少し蒸し始めているので、このくらいの服装がちょうど良い。

 まずはブラウスのボタンを外していく。
 トイレの個室でまず上半身を脱ごうとしているという事実がなんだかヘンな感じだ。
 ブラウスから両腕を抜いたら軽くたたんで便座の蓋の上に置く。

 次にジーンズを脱ぐためにスニーカーを脱いだ。
 靴下が汚れるのも嫌なので靴下も脱いだ。
 裸足でトイレのタイル張りの床に立つ。

 ジーンズのボタンを外しジッパーを下げ、少し屈みながら足元までずり下げる。
 左右の膝をそれぞれ曲げてジーンズを足首から抜き去り、こちらも軽くたたんで便座蓋の上に置いた。

 これで私はブラジャーとショーツだけの下着姿。
 そう思った途端にゾワッとした電流が背筋を駆け抜けた。
 ありえない場所でありえない格好になっている自分。

 誰もが自由に出入り出来る女子大のトイレ。
 個室内はプライベートな場所だけれど、着替えを除けば下着姿になる必然性なんてまったく無い。
 日常的な場所での非日常的行為。
 誰かに命じられたり脅されたりもしていない、勧んで自ら行なうインモラルな秘め事。

 つまり背徳感。

 その浅ましい行為に凄まじいほどの性的興奮を覚えている私。
 この段階でこうだったら下着まで脱ぎ去ったら自分はどうなってしまうのだろう…
 怯む気持ちが一瞬頭をかすめたが、すでにショーツに少量の愛液を滲ませている私に、ここでとどまる選択肢はなかった。


2024年3月17日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 01

 翌朝、尿意を感じて起きると枕元のデジタルはまだ朝の6時40分。
 おトイレに行こうと起き上がると、お隣でご就寝したはずのお姉さまのスペースはもぬけの殻。

 あれ?お姉さまもおトイレなのかな?
 寝惚け頭で訝しみつつおトイレ前まで行っても鍵はかかっていません。

 ここでようやく不安を感じ始め、小用を足しながら、なぜお姉さまがいないのか、について考えます。
 どんどん不安が膨らんできて、済ませるや否やおふんどしも締め直さずそのままにおトイレを飛び出しました。

 まずは広い寝室をグルっと見回します。
 するとすぐに発見。
 リビングへ通じるドア脇のソファーに置かれたレポート用紙大の置き手紙。
 急いで駆け寄り目を通しました。

 My Dear NAOKO
 昨夜の片付けの手伝いをしてきます。
 シャワーを済ませて7時40分迄にホールに来ること。
 もちろん全裸で。首輪も忘れずに。

 昨夜の片付け、ということは私もお手伝いしに行ったほうがよいのでしょうか…
 でも、シャワーを済ませて、と書かれてもいるので、シャワーを浴びるのはおーけーみたい。
 それならば出来るだけ手早く済ませてからお手伝いに加わるのが得策と判断しました。

 あらためて洗面所に入り、まずは歯磨きと洗顔。
 それからもう一度おトイレに入って大きいほうを排泄。
 髪を濡らさないようにシャワーキャップを着けて浴室へ。
 全身に気持ち良い水圧を感じていると、昨夜のことが思い出されます。

 結局あの後、お尻花火をもう二回、やらされました。
 花火が六本あって二本づつですから計三回というわけです。

 二回目からはお尻をいやらしく揺らすことも命じられ、私は花火を挿したお尻を精一杯突き上げて上下左右にグラインドさせました。
 もちろんそうしながらも内側から伸ばした右手で肉芽を苛めることはやめず、たてつづけにイッていました。
 みなさま、わあキレイ、なんてはしゃぎつつキャハハと大笑いされていました。

 お尻花火の後、五十嵐さまはそのままテーブルに私を寝かせてのローソクプレイをやらせたがったのですが、中村さまの強いご反対のため却下。
 なんでも以前、あるM女さまにローソクプレイをシた後、そのM女さまが肌に付いた蝋をよく落とさずにシャワーを浴びたため排水溝を詰まらせて、修理に来られた業者のかたへのご説明で、とても恥ずかしい思いをされたそうで、後片付けが面倒臭いから、とにべ無くお断りされていました。

 結局、他に良い案もないので、そこでオナニーショーでもしていなさい、ということになり、もっと明るく照らし出されるようにとスポットライトが私の近くに配置し直されました。
 空になったなで肩のワインボトルが手渡されたのは、それをマゾマンコに突っ込めという意味でしょう。

 そして、見物の方々を飽きさせないように自分が今何をシているのかいやらしい言葉でご説明しつつ喘ぎ声も大きく張り上げて身悶えながらイキなさい、という五十嵐さまからのご命令。

 クリットイキで充分火の点いていた私のからだは、より深い膣中イキの快楽を貪欲に切望していたので、表向きは恥じ入りながらもそのご提案をワクワクで受け入れました。
 テーブルに仰向けに寝転んで両膝を立て、その中心に容赦無く空きワインボトルを呑み口のほうから突き立てます。
 ボトルを掴んだ右手はすぐに抜き挿しを始め、左手は大きく膨らんだ右乳首を捻り潰します。

 …あん、奥まで深く突き挿さっています…ひんやりしていて気持ちいいですぅ…直子はワインボトルさまに犯されて悦ぶヘンタイ女なんですぅ…
 …あぁん、奥まで届いてるぅ、イッちゃうぅん、みなさまぁイッてもよろしいですかぁ、ああん、イクぅ、イッちゃうぅぅ…

 ご命令通り自分の浅ましい行為を自分の口で説明しながらクネクネ身を捩らせてアンアン喘ぎます。
 目の前にはわざわざ椅子を移動されてこられた寺田さまと中村さま、私のマゾマンコ側には五十嵐さまと角田さまがそれぞれご親密に身を寄せ合われ、クスクスニヤニヤと薄笑いを浮かべて私の痴態を凝視されています。
 愛しのお姉さまだけはなぜだかお背中を見せて、大きなテーブルのほうを向かれて何かされていました。

 それでも、私の恥じ入るべき姿が好奇の目で視られている、という状況に私の被虐はヒートアップ、ボトルを乱暴に出し挿れしつつグングン昂ぶっていきました。

 …あぁん、またイキますぅぅ、イッちゃいますぅぅぅ…みなさまぁぁぁ、イッてもよろしいで、ぁんっ!よろしいでしょうかぁぁ!!あぁんイクっ!!キちゃうぅぅぅ!!!…

 失神寸前の深く激しい絶頂感の中、意識を手放してはいけないとハァハァ荒い吐息とともにギュッと瞑っていた両目をなんとか開きます。
 始めはボンヤリとしていた視界が徐々につまびらかになってくると、すぐには信じられない光景がそこにありました。

 寺田さまと中村さまが椅子から立ち上がられ、ひしと抱き合いながら熱い口づけを交わしておられます。
 おふたりとも浴衣の前がはだけ気味で、元からサイズ違いの浴衣をお召しな寺田さまに至ってはすっかり帯は解け両襟が割れ、たわわな果実がおふたつともお外に飛び出ていました。

 更に中村さまがその寺田さまの豊満な右おっぱいを左手でむんずと鷲掴みされ、更に更にわしわし揉みしだきもされています。
 恍惚のご表情でお顔を歪められる寺田さま。
 密やかに洩れるふたつの淫声。
 中村さまも寺田さまの左手で下半身を責められているようです。

 何か視てはいけないものを視てしまった気がして視線を逸らすと、そちらには五十嵐さまと角田さま。
 こちらのおふたりも浴衣を盛大にはだけられてくんずほぐれつの真っ最中。
 
 露わとなった五十嵐さまの控えめな胸部に角田さまの長い舌が執拗に這い回っています。
 夜目の中で影を作るほどいきり勃っている五十嵐さまの乳首。
 こちらも恍惚のご表情で弓なりにのけぞられる五十嵐さま。
 断続的に音量の変わる悩ましい吐息。

 思いもよらぬ方々の痴態を唐突に見せつけられて最初は戸惑っていた私でしたが、これは私の浅ましいオナニー姿に誘発されて発情なさっているのでは、と思いついた途端になんだか嬉しくなってきました。
 緩慢になっていた私の右手の動きに活気がよみがえります。

 私が淫らになればなるほど寺田さまや五十嵐さまたちにも気持ち良くなっていただける…
 そう考えただけで得も言われぬ淫靡な高揚感に支配され、自分を虐める両手に拍車がかかり無我夢中の境地に。

 いつの間にか手放してしまっていた意識が戻り、そっと両眼を開けるとそこにはどなたもいらっしゃいませんでした。
 ライト類はまだ灯っているものの聞こえるのは晩夏に気の早い控え目な虫の音、そして仰向けな目の前に広がる満点の星空。
 えっ!?放置されちゃった?と思った瞬間…

「あっ、起きたんだ?意外に早かったね。それじゃあ部屋に戻りましょう」

 聞こえてきたのは愛しのお姉さまのお声。
 お優しげなお顔で互いの唇が触れ合わんばかりに覗き込まれました。

 スポットライトやカンテラを全部消すと本当に怖いくらい真っ暗となり、お空の月や星たちが一層きらびやかに瞬きます。
 お姉さまに手を引かれ裏口からお部屋に戻ると、時刻はまだ夜の10時前。

 ほろ酔いのお姉さまは上機嫌で、それからふたりでお風呂に入り、お互いのからだを洗いっこしてから裸のまんまベッドに倒れ込んで抱き合い、パジャマ代わりのロングTシャツを着てからもしばらくイチャイチャしていたのですが、いつの間にか眠りに就いていました。
 もちろんそのあいだ中、お互いのからだをまさぐり合い貪り合い、お姉さまを何度もイカせて差し上げたのは言うまでもありません。

 気持ち良いシャワーを浴びながら昨夜のあれこれを反芻してバスルームを出ると、時刻はもう7時15分に。
 急がなきゃ、と大急ぎで首輪を嵌め、軽くファンデと髪を梳かしてから全裸のままお部屋を飛び出します。

 大広間に降りるといつもの楕円形テーブル席に中村さまがポツンとおひとり座って、スマホをいじっておられました。
 たっぷりした白いワイシャツをルーズに羽織られた色っぽいお姿。
 頭上のシャンデリアが煌々と輝き、ヨハンシュトラウスさまのワルツ曲が低く流れています。
 これは、美しく青きドナウ、だったかな…

「あ、直子、おはよー。今日はどうしたの?ずいぶん早いじゃない」

 私に気づいてくださった中村さまがお声をかけてくださいました。

「あ、おはようございます。あの、昨夜のお片付けがあるとお姉さまから知らされて、早めに出てきたのですが…」

 中村さまのお声を聞いた途端、昨夜の終わり際の光景を思い出してしまい、なぜだかドギマギしてしまう私。

「ああ、もうとっくに終わったよ。食べ残しや生ゴミを昨夜エミリーがまとめておいてくれたから、テーブル類やカンテラを片付けるだけだったしね」

 中村さまのお声につられるように、厨房へ通じるドアを開けて寺田さまとお姉さまもお姿をお見せになります。
 中村さまは真っ赤なタンクトップにジーンズ、お姉さまは黒のスウェット上下といういでたちです。

「あたしもここでバーベキュー参加するのもう三度目だからね。終わり間際にしっちゃかめっちゃかになるのは知ってたから。去年うちの会社で来たときは、うちの社員一同だけドン引きしていたし」

 お姉さまが呆れたようにおっしゃると、寺田さまが後を引き継がれます。

「ああ、あのときは大人数だったから広場でやったのよね。昨夜みたいにライト照らしてM女ふたりに調教ショーやらせて。百合草ママのお店のお客さんたちもいたから、いたるところでアオカン三昧だったっけ」

 毎年ここでそんな愉しそうなことをされているんだ、と羨ましく思っていると、寺田さまがつづけます。

「でも、去年も昨晩もエミリーが生ゴミを片付けておいてくれて助かったよ。一晩放置しちゃうと野生動物やカラスが食い散らかしたり虫が湧いたりして大変だったろうから」

 お姉さまは私がオナニーショーをやっているとき、どうやらおひとりでせっせと宴会の後片付けに精を出されていたみたいです。
 さすがお姉さま。

「ジョセの散歩までまだ時間あるから、直子もしばらくまったりするといいわ。今、お茶淹れてあげるから。二日酔い気味でしょ?」

 寺田さまがおやさしくお声がけくださいます。
 不思議なことにそんなに二日酔いでもないのだけれど…
 寺田さまが厨房へと引っ込まれ、つづいてお姉さまも。
 中村さまも再びスマホに没頭されたので、手持ち無沙汰の私は座らずにフラフラと大広間の散策へ。

 それにしても立派な大広間。
 思えばここへ来てからこの大広間をじっくり観察するのは初めてなような。
 そう言えば今日は東京へ帰る日だっけ、と思い出し少し感傷的な気分になりつつ、白黒市松模様のフロアをゆっくり歩いて、壁の絵画や見事な彫刻に目を遣ります。

 五十嵐さまと角田さまはどうされたのかな、ひょっとしてまだ眠ってらっしゃるのかな?なんて考えていたら、広間に設えてあるグランドピアノの前にたどり着いていました。
 
 鍵盤の蓋は開きっぱなしで譜面台の上にも数枚の楽譜が置きっぱなし。
 その、ところどころに手書き文字でメモが書かれたスコアシートのコピーには、確かな見覚えがありました。

「あれ?この譜面…」

 私が思わず独り言を洩らしたところへ、寺田さまが湯呑に淹れた熱いお茶をわざわざ私のもとまで持ってきてくださいました。

「はい、煎茶のいいやつ淹れてあげたから。いくらかスッキリするはずよ」

 寺田さまから手渡され、フーフーしながら一口啜ります。
 いい香りとやわらかな口当たりで美味しい。
 エアコンが適度に効いていますから熱いお茶でも美味しくいただけます。

「五十嵐さまと角田さまはまだご就寝されているのですか?」

「彼女たちは片付け手伝ってから、ちょっとその辺ひと回りしてくるって散歩に出かけたの。昨夜ずいぶん燃え上がったみたいだから、まだふたりだけで余韻に浸りたいんじゃないの」

 からかうようにイタズラっぽくおっしゃって、私の顔を覗き込むような仕草をされる寺田さま。
 なぜだかドギマギしてしまう私。
 
「あの、それでこの楽譜なんですけれど、どなたの…」

 お茶を半分くらいまで飲んで一息ついてから気を取り直し、目前に現われた不可思議な疑問について寺田さまにお聞きしてみようと思いました。

「ああ、それは先週来ていたM女さんのものね。忘れてっちゃったんだ。東京に戻ったら返してあげなきゃ」

 あっけらかんとおっしゃった寺田さまがつづけられます。

「アタシらはM女さんとだけ認識してて本名は知らないんだけど、音楽の世界ではそこそこ知られたお名前の人らしいわよ。今どきの若い人向け音楽の裏方さんなんだって。アタシはそういうのぜんぜん疎いのだけれど」
「マダムレイって呼ばれてる三十路半ばくらいのマダムのツレのM女さんで、たぶん百合草ママのお店のお客さんじゃないかな」

「実際、そのピアノで何曲か弾いてくださったの。全裸に乳首クリップと錘ぶら下げて、ボールギャグ噛まされてヨダレぽたぽた垂らしながら」
「えっちだったわよー。豊満なバストがゆらゆら揺れて、そのたびにクリップも痛そうに揺れて」
「演奏の善し悪しってよくわからないけど、確かに凄くお上手だったし、なにより凄く色っぽかった」

「どんな曲を弾かれたのですか?」

「うーん、アタシ、クラシックそんなに詳しくないから、知ってた曲は、亡き王女のためのパヴァーヌ、だっけ?ラヴェルの綺麗なやつ。実際凄く綺麗だった。弾いてるのはおっぱいユラユラ、ヨダレだらだらなM女のクセにね」
「あと印象に残っているのは、なんだか軽やかな曲で、あっ、そう、テレビのお料理番組で聞いたようなメロディの曲」

 その曲の楽譜が目の前のピアノの譜面台に乗っています。
 ストラヴィンスキーさまのペトリューシュカ。

「こんな感じの曲ですか?」

 ピアノに向かい、立ったまま鍵盤に指を置きます。
 あんな難曲、もちろん弾きこなすことは出来ませんが、両手でざっと冒頭のテーマのメロディをなぞるくらいのことは出来ます。
 たぶんそのM女さまであろうかたに、途中まではレッスンしていただいた曲ですから。

 この旅行中も名塚先生絡みで何度かそのお名前を思い出していました。
 中学生の頃にその大胆な水着姿に衝撃を受けた母とお知り合いの美しい女性。
 高校生のある時期には文字通り身も心もご一緒し、私に名塚先生の官能小説を教えくださったそのかたのお綺麗なお顔といやらしいおからだがまざまざと脳裏によみがえります。

 大貫ゆうこ先生。
 マダムレイさまというかたは、その当時からゆうこ先生のパートナーだった立花レイカさまのことでしょう。 
 
 まだつづいていたんだ…
 そしてゆうこ先生は今でもマゾヒストでレズビアンなんだ…
 なんだか凄く嬉しい気持ちに満たされます。

「そうそうそれそれ。タカタンタカタカタッタッターン!」

 嬉しそうな寺田さまのお声。
 私も今でも意外と指が覚えていて、つっかえずに八小節ほど音符が追えました。

「そのM女さまってたぶん、私が高校生の頃に個人レッスンしてくださっていたピアノの先生だと思います」

「あれー?あたしその話、たぶん聞かされていないよ?」

 私が告白すると同時にいつの間にか私の背後まで来られていたお姉さまが訝しげなお声をあげられました。

「あらあら、エミリーがなんだか不満そうね。青かった頃の直子の秘められた思い出なのかな?」

 寺田さまが愉しそうに混ぜ返されます。
 あれ?私、お姉さまにゆうこ先生とのことは告げていなかったかな?
 お姉さまのリアクションを見て私も動揺しています。
 そこに助け舟を出してくださったのは中村さま。

「まあまあ、その話は後でふたりでゆっくり追求してもらうとして、ジョセの散歩時間が迫っているから準備しなきゃ」

「あら、もうそんな時間?じゃあ直子、こっちに来なさい」

 少し怒ってるようなご様子を見せつつ、お姉さまが私を楕円テーブルのほうへと引っ張ります。
 ぞろぞろと後へつづかれる寺田さまと中村さま。

「直子、今朝のお通じはどうだった?大きいほう」

 楕円テーブルの前に対峙してのお姉さまからのご質問。

「どう?とおっしゃいますと…」

「だから出したのか?って聞いてるの」

「あ、はい。出ました…少しゆるめでしたけれど…けっこうたくさん…」

 ゆるめだったのはお酒のせいだと思います。

「ゆるめね。それだと200ってとこかしら」

 お姉さまが背後の中村さまを振り向かれます。
 その中村さまの右手には、いつの間にご用意されたのかガラス製のシリンジ、つまりお浣腸器。
 あの大きさだと100ミリリットルのやつ。

「このシリンジで二発ってとこね」

 お姉さまの手にシリンジが渡り、傍らのボウルから何やら液体を吸い込まれるお姉さま。
 満タンになったシリンジを私に見せてニヤリと笑われたお姉さまがおっしゃいました。

「直子、そのテーブルに上半身だけ突っ伏して、お尻をこちらに差し出しなさい」


2024年2月25日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 20

 サンダルを脱いでバスルームに入ると、少し薄暗いのでまず電気を点けました。
 予想以上の明るさに包まれるガラス張りの浴室。

 リードを外し、それから首輪も外して正真正銘の全裸になります。
 脱衣籠の中にはベージュのボディタオルと真っ白なバスタオルが用意されています。
 首輪に繋がっていたリードとボディタオルを手に浴室へ。

 ぬるま湯に調整してからシャワーのコックをひねり、まずは首から下に強い水滴を浴びます。
 気持ちいい…
 しばらくそうした後リードを手にし、リードに染み付いていた私の恥ずかしい粘液を丁寧に洗い流します。

 お道具を綺麗に洗って濡れないところに干した後、ボディソープでからだを本格的に洗い始めます。
 少し迷ったのですが、汗で髪がベタついていることもありシャンプーもしちゃうことにしました。

 それにしてもこのバスルーム。
 温かいお湯を出すと束の間、ガラスが全体に曇るのですが、すぐに透明な素通しガラスに戻っちゃうんです。
 どういう仕組みなのかはわかりませんが…

 けっこう暗くなったお外に明る過ぎるバスルーム、そして曇り一つ無いガラス張り…
 お外から私の全裸での一挙手一投足が文字通り赤裸々に視えていることでしょう。
 私のほうからもバーベキューのご準備をする皆さまのお姿がいくつかのカンテラに照らされて幻想的に視えていました。

 10分くらいかけて全身を念入りに洗い、最後に冷水を浴びてサッパリしてから脱衣所に戻ります。
 からだを丁寧に拭いつつ姿見で全身を確認すると、二日前にはクッキリ残っていた乳首周りや陰部の恥ずかしすぎる日焼け跡がだいぶ小麦色に同化していました。
 ただし、常時首輪を着けていた首周り部分だけは、逆により白くクッキリ目立つようになってしまっていました。

 まるで首輪していなくても白い首輪を嵌めているみたい…
 これだと東京に戻っても肌の日焼けが引くまで当分のあいだ、首輪やチョーカーを外せないな…
 街中を首輪姿で歩く自分を想像してゾクゾクっと感じてしまいます。

 髪を拭いながらお外に目を向けると、遠くカンテラの灯りの下で数名の人影がまだ行ったり来たりしているみたい。
 時間に余裕があると判断した私は、脱衣所に設えられたチェストの抽斗のひとつに手を伸ばします。
 そこにあることは知っているけれど、今朝は時間に追われて使えなかったドライヤーとヘアブラシ。

 手早く髪を整え、同じ抽斗に入っていたファンデーションと日焼け止めを軽く塗って首輪を着け、どうせすぐに剥ぎ取られてしまうだろうなと思いつつバスタオルをからだに巻きつけてバスルームの灯りを落とし、サンダルを履いて小屋を出ます。
 時計的なものを持っていないので正確なことはわかりませんが、そろそろ午後七時になろうとしているであろうお外はいい感じに黄昏れています。
 バスタオル一枚でちょうどいいくらいにそよ風の吹く心地よい夕暮れ。

 そんな中でお姉さまたちが準備されているバーベキューパーティの一帯だけが一際明るく輝いています。
 カンテラの灯りだけではなくて、スポットライトみたいなのもいくつか配置されているみたい。
 パソコンか何かも持ち込んでいるのでしょうか、ムーディなピアノトリオのジャズ演奏がうっすらたなびく中、薄暗い芝生を進んで近づいていくと、その全容が見えてきました。

 ほぼ中央にパンやオードブルを乗せた大きめなテーブルが置かれ、その脇にバーベキューコンロが2台。
 その周辺に食材を乗せた銀色の配膳カート数台、飲み物を冷やすクーラーボックスとアイスペールを乗せた小さめのテーブル。
 ディレクターズチェアーと呼ぶのでしょうか、背もたれとアームレストの付いた木製の椅子が六脚、その周りを囲んでいます。

 私が着いたときにはみなさま立ったまま中村さまが持たれた深緑色のボトルから、それぞれのプラスティックコップに何やら黄金色の飲み物を注がれておられる最中でした。
 バーベキューコンロからはもうすでにお肉が焼けるいい匂いが漂っています。

 それにみなさま揃って、色艶やかな浴衣をお召しになっています。
 お姉さまは温泉旅荘でいただいた紫寄りの青い浴衣、中村さまは黒地に赤い花柄のシックな浴衣、五十嵐さまは中村さまと色違いで黄色地にピンクの花柄の可愛らしい浴衣。
 そして角田さまはお姉さまが貸し出されたのでしょう、私がいただいたはずの水色の浴衣を召されていらっしゃいました。
 そんなみなさまにまとわりつくようにジョセフィーヌさまも、尻尾を興奮気味にブンブン振り回しながらウロウロしています。

「ああ来た来たー、ナイスタイミング。そろそろ始めようとしてたとこ」

 五十嵐さまが元気なお声で私にプラコップを渡してくださいました。
 すかさず中村さまがシュワシュワの液体を注いでくださいます。
 みなさまが中村さまの周りに集まられました。

「直子も来たことだし、まずカンパイしましょう。うちの秘蔵のシャンパン出してきちゃった」

 中村さまがプラコップを持った右手を高く掲げます。
 いつの間にか私の隣に来られていたお姉さま。

「ほら、いつまでこんなもの巻いて出し惜しみしているの?」

 おっしゃるなりコップを持っていないほうのお姉さまの左手が一閃。
 ハラリとバスタオルが剥ぎ取られました。

「それじゃあ今日はみんなお疲れー、明日も存分に愉しみましょう!カンパーイッ!!」

 同時に乾杯の音頭を取られる中村さま。
 いやん、と声をあげる暇も無く、艶やかな浴衣姿のみなさまの中ひとり、首輪ひとつの全裸で右手を弱々しく掲げる私。
 でも、いただいたシャンパンは凄く美味しくて、ゴクゴク飲み干してしまいました。
 すかさず五十嵐さまが冷えた赤ワインを注ぎ足してくださいます。

 バーベキューコンロを采配してくださるのは中村さまとお姉さま。
 片手に大きめのトング、もう一方の手にはお酒のコップを持たれて時々呑みながら、美味しく焼けた頃合いを見計らって私たちの紙皿に取り分けてくださいます。

 牛肉も焼き鳥も、海老もウインナーも、串に刺したお野菜類もエリンギも、みんな美味しい。
 とくに牛肉は良いお肉みたいでご用意されていたタレを付けて食べると、口の中で蕩けるように旨味が広がり、普段お肉はあまり食べない私でもパクパクいけちゃいます。
 お酒のコップが空くとすかさずどなたかが何かしらのお酒を注ぎ足してくださいます。
 ジョセフィーヌさまも生肉やお芋などのおこぼれを貰ってご満悦なご様子。

 辺りがだんだん暗くなって来て、それにともない、まばゆく輝くカンテラには羽虫さんたちが徐々に集まってきていますが、防虫効果があるらしく時々パチパチ音がして虫さんたちの亡骸が落下しています。
 
 宴の話題の中心は、この二日間で私がしでかした破廉恥な痴態のあれこれ。
 あのときこうだったよねと、どなたかがおっしゃると私に視線が集まり、何か質問やからかいがあって私がモゴモゴとお答えするというくりかえし。
 
 そのうちにお姉さまが会社での私のマゾペット振りをご披露し始めた頃、私の素足にまとわりつかれていていたジョセフィーヌさまが急にタッタッタッと表玄関のほうへ駆け出されました。

「でもさ、やっぱ第三者の目が無いと盛り上がんないし、直子もつまんないでしょう?」

 五十嵐さまからの唐突なご質問。
 だいぶお酒が進んでらっしゃるご様子で、呂律がちょっと怪しい感じ。
 ニヤニヤ笑いで私を睨めつけながらつづけられます。

「…らってもうほら、うちらの前じゃあもう、へーきでおっぱい丸出しーの、パイパンオマンコおっぴろげーじゃん」

「いえ、あの、そんなことは…」

 お話の脈絡がわからないので一応当たり障りのないお返事を、と口に出したとき…

「あー、おかえりー。もう先にやっちゃってるからさー、って、なにーその格好、超エロいぃー」

 急に満面の笑顔になられた五十嵐さまが私の背後に向けて明るいお声を掛け、途中から更にそのお声が嬉しそうに弾みました。
 私も急いで振り返ると…寺田さまでした。

 名塚先生の送り迎えでご帰還されたのでしょう。
 片手に大きめな紙袋を提げられ足元にはジョセフィーヌさまがまとわりつかれています。
 思わず息を呑む私。
 問題は、そのご格好でした。

 私が旅荘でいただいたふたつめの浴衣を召されています。
 裾が私の股の付け根までしかないハッピのような水色の浴衣。
 私が着て股の付け根スレスレでしたから身長のお高い寺田さまがお召しになると付け根を数センチ上回る着丈となってしまっています。

 そしてその付け根部分から扇情的に覗いている赤い布片はおふんどし。
 それも旅荘でのご宴会前にご用意くださったシルクのやつのようで、それが証拠に両おみ足のあいだに見える赤い前垂れ部分がずいぶん短かくて薄い。
 それを私よりも背が高くてナイスプロポーションの寺田さまが、おそらく素肌に直にお召しになられていて、大きく開いた胸元から形の良いバストが今にも零れ落ちそうですし、バストトップの位置も丸わかりで見事に尖立しています。

「締めにみんなでやろうと思って花火買ってきた。あと口さみしいとき用の乾き物」

 ご自分のずいぶんキワドイお姿に照れもせず、艶やかに笑われる寺田さま。
 テーブルに紙袋を置かれました。

「宴会は浴衣縛りってメール貰ってたからさ。あなたたちが広間に散らかしていた浴衣を見繕ってたらこれ発見して、なんかエロいなと思って着てみたんだけど、これ、うちのじゃないわよね?」

 ニコニコ顔の寺田さまのお問いかけにお応えされたのはお姉さま。

「ここに来る前に寄った温泉宿で直子がもらったのよ。直子が着るとただのスケベな露出狂だったけれど、寺ちゃんだとずいぶんとセクシーになるのね」

「ありがと。でもこんな浴衣プレゼントしてくれるなんて、さばけた温泉宿なのね。さてはそこでも直ちゃんに裸同然の格好させていろいろえげつないことさせたんでしょう?」

 みなさま一同がアハハとお笑いになられ、寺田さまは中村さまのお隣の椅子に落ち着かれました。
 いらっしゃることを見越して取っておいたのであろうお肉や食材をお姉さまが焼き始めます。
 そこで一転、笑顔を引っ込められた寺田さま。

「もう、今日のインタビュアー最悪でさ、若い女の記者だったんだけど全然勉強して無くて、先生のこと殆ど知らなくて先生もどんどんご機嫌ナナメになっちゃうし」

 とりあえずもう一度カンパイしてから、自然と寺田さまのお話を聞くモードに入りました。
 寺田さまは注がれるままに、急ピッチでお酒のコップを飲み干しています。
 私は寺田さまの色っぽいお姿にドキドキですし、寺田さまもときどきチラチラと全裸の私に視線をくださいます。

「先生もさすがに疲れたみたいで、今夜は早くに寝むって。お庭で宴会してますよって言ったんだけど、じゃあ二階の洋間の寝室で寝るからって」
「なんかムシャクシャするから、今夜は思い切り弾けちゃおうと思ってさ。こんな格好になってみた」
「そっちの彼女は…ああ、イガっちのツレアイのツノちゃんか。相変わらず可愛いね。今夜は楽しんでってね」

 出されたお料理をパクパク食べつつお酒をグイグイ飲み干される寺田さま。
 やがて再び話題が、今日の私のショッピングモールでの痴態に戻ります。
 今度は寺田さまから集中的にご質問され、私が顔を真っ赤に染めてお答えします。

「…恥ずかしかったです…三回くらいイキました…視られていたと思います…おっぱいを揉まれました…気持ち良かったです…」

 気がつくとお空はすっかり暗くなり、見上げると東京では信じられないほどの星々が夜空を埋めていました。
 私もいつになくたくさんお酒をいただいたせいか、星空に吸い込まれちゃいそうなくらいホワホワ気持ち良くなっています。
 
 お料理はあらかた食べ終わり、みなさまお酒のコップ片手に話題も途切れがちになった頃。
 五十嵐さまが突然また、私に絡んでこられました。

「だーかーら、直子には他人の、身内じゃない第三者の目がないとだめなんだって」

 お隣に座っている角田さまに訴えているような、対面にいる私やみなさまに聞こえるようにおっしゃっているのか。
 かなり酔われて大きなお声になっているので、みなさまのご興味が五十嵐さまに自然と向きました。

「今だって直子だけ素っ裸でいるのに直子は恥ずかしがってもいないし、うちらも全然気にしちゃないじゃない。まあ、うちらが慣れて飽きちゃったってのもあるけど」

 そう言えばこの宴会中、どなたも裸の私に物理的なちょっかいを出してくるかたはいらっしゃいませんでした。
 お言葉ではいろいろイジられましたけれど。

「それじゃあ直子はつまんないの。見慣れちゃったうちらに裸視られてもコーフンできないし、おっぱい乳首だって全然勃ってないじゃない」

 いいえ、五十嵐さまからお言葉責めされて、乳首に血液がだんだん集まってきているのは感じています。

「だからうちらはもっと直子を虐めてあげるべき、辱めてあげるべきなの。それがマゾ女の悲しい性なんだから」

 五十嵐さまが立ち上がられ、私の正面までフラフラといらっしゃいました。
 すっかりマゾモードに染まった私も立ち上がり、両手を後頭部に押し付けます。

「そうよね直子?虐められたいよね?恥ずかしい姿をみんなに視られたいよね?もっとみじめになりたいよね?」

 イジワルそうなまなざしで息がかかるほどお顔を近づけられて念押しされる五十嵐さま。
 事実、凄くアルコールの香る吐息が私の鼻孔をくすぐります。

「は、はい…虐められたいです…蔑まされたいです…マ、マゾですから…」

 五十嵐さまの今までで一番のエスっぷりに気圧される形でグングンとマゾ度が上がっていく私。
 すでに乳首はビンビン、膣内も激しく潤んでいます。

「だったらアレやって欲しいな。花火があるんだよね。うち、一度この目で視てみたかったんだ」

 五十嵐さまが不穏なことをおっしゃり、クーラーボックスが乗っているテーブルを指さされました。
 
「あのテーブルの上で四つん這いになりなさい」

 角田さまの手でクーラーボックス類が片付けられ、寺田さまたちが愉しげに花火を物色し始めます。
 
「…はい」

 降って湧いたような急展開に私のマゾ度は限界超え。
 おずおずとテーブルに向かいお尻からテーブルの上に。

 そのテーブルの大きさは学校にある一般的な教卓くらい。
 四つん這いになるのには少し狭すぎる感じのスペースで、両膝を胸側に寄せてからだを縮こまらせると無駄にお尻が持ち上がってしまいます。
 中村さまがご丁寧にスポットライトの位置を、そのテーブルを照らすように調整されています。

「ねえねえ、これなんかいいんじゃない?持ち手のところも全体も長いし六本もあるし」
「打ち上げ連発式のこれはちょっとヤバいかな。面白そうだけどお尻やけどしちゃったら可哀相だし」
「持ち手まで紙のこれは無理よね、やけど確実」

 みなさまの愉しそうなお声が聞こえてきます。
 私にはこれから何をやらされるのかわかっていました。
 なぜならネットの画像で何度が見たことがあるから。
 なんて惨めな辱めなんだろうと胸とアソコをキュンキュン疼かせていたことを思い出します。

「じゃあ誰が突っ込んで火を点けるかだけど、ここはやっぱりお姉さまでしょう」

 これは五十嵐さまのお声。

「えー、あたしは見物に回ったほうがいいなー。なんかあたしネトラレらしいし」

 お姉さまが笑いながら異議を申し立てて立候補されたのは寺田さま。

「んじゃあアタシやるー。直っちを今日のダメなインタビュアーだと思ってアヌスにぶっ刺してやるー」

「おーおー、寺っちってば、先生やワタシの前ではネコなのに、エム属性前にすると途端にタチに早変わりって、根っからのリバなんだねー」

 中村さまが混ぜ返すと角田さまも、

「中村さんとこもそうなんだー。うちのショーコもボクには根っからの受けのクセに、ちょっとエロくて従順そうなやつ見つけるとバリバリの攻めに転じちゃうんだ」

 へーそういうものなんだ、と感心する間もなく花火の束を持たれた寺田さまが私に近づかれます。
 私を囲むように他の方々も、もちろん手に手にスマホやビデオカメラを構えられて。

「刺さりにくそうだったら直子のマゾマンコに指突っ込んでオツユでアヌスを潤滑するといいわ。どうせもうグショグショに濡らしているでしょうから。あ、でももちろん無理やり突っ込むのもありだけれどね」

 お姉さまからのご愉快そうなアドバイス。
 それを聞いて私の粘液が膣口からテーブルへツツツーっと垂れ下がります。
 
 寺田さまが私の背後に立たれた、という気配を感じたと同時にバチーンと左尻たぶに強烈な一撃。

「はうんっ!」

「ほら、もっと両膝広げてお尻突き出さないと、火の粉が飛び散ってふくらはぎとか火傷しちゃうよ?」
「四つん這いっていうより土下座状態でお尻を差し出すイメージかな」
「手は突かないで肩と顔面で上半身を支えなさい。お尻だけ大きく突き上げて、顔は横向きにして常時みんなによく見えるようにね」
「両手は内側からマンコやおっぱいに伸ばしてもいいよ。花火が燃えているあいだにまさぐってイッちゃいなさい」

 ご命令をくださるたびにバチンバチンと強烈に私のお尻を叩かれる寺田さま。
 そのたびにあふんあふんと喘ぎ悶える私。

「あーあーマンコからこんなにヨダレ垂らしちゃって、本当にドスケベな女だこと。痛いのがそんなにイイのかしら」

 寺田さまの蔑むお声とともに膣内に指が二本、無造作にズブリと挿し込まれたと思ったら、すぐにその上の肛門をサワサワと撫ぜられました。
 とろりとした粘液が肛門を塞ぐ感覚。

「んふぅ…」

 それから何か細い棒で肛門の縁をつつくような刺激、そしてその棒が肛門の内部に侵入してくる異物感。

「ああんっ」

「うん、この角度ならお尻を火傷する心配もないでしょう。風向きが変わったらわからないけど」
「でも一本だとなんか寂しいわね。もう一本入れちゃおう」

 先に挿し込まれた棒に寄り添うようにもう一本の棒が体内に侵入してきました。
 再度、あふん、と喘ぐ私。

「覚悟を決めなさい」

 寺田さまのお芝居がかったお声にブルルンと全身が震えます。 
 少ししてから火薬の匂い、お尻のほうからシューパチパチと何かが弾ける音、小刻みに揺れる肛門内の棒の震動、やがて盛大な火薬の匂いと火花の散る破裂音、ときどきお尻のあちこちを一瞬襲う熱いという感覚、どなたかからのわぁ綺麗という感嘆のお声…

 顔を向けている先には、お姉さま、寺田さま、中村さま、五十嵐さま、角田さまがそれぞれにスマホやビデオカメラを私に向け、シャッターの音やフラッシュを私に浴びせていました。
 
 私は、今みなさまにご披露しているみじめで無様で恥ずかし過ぎる醜態が切なすぎて、マゾマンコの奥からグングン感じながら、股間に伸ばした右手でクリトリスを押し潰していました。