2024年7月7日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 08

「長時間血行を阻害しちゃうとからだに良くないからね。このご褒美もいったんリセット」

 お姉さまが弾け飛んだ洗濯バサミを拾い上げつつ、心底ご愉快そうにおっしゃいます。
 おふたりは唖然とされたお顔つきでニヤニヤ笑いのお姉さまと苦痛の余韻で歪む私の顔とを交互に見遣っています。

「あら直子、今の強烈な痛みでまたイッちゃったみたい。見て、オマンコから白く濁ったおツユがだらだら」

 確かに私の太腿をだらだらと滑り落ちる粘液に白濁した雫が混ざっています。
 もはや私は更なる辱めを受けたくてどうしようもない状態です。

「レクチャーするには直子の剥き出しマゾマンコをもっと至近距離で観察する必要があるわよね?」

 おふたりにご同意を求められ、うんうんと頷かれるメガネの彼女さま。
 ポニーテイルの彼女さまはレンズを私に向けてじっとモニターを覗かれています。

「じゃあ直子、今度はあの鉄棒の前に行きなさい」

 お姉さまが雲梯の右隣にある鉄棒を指さされました。
 はい、とお返事してしずしずとそちらへ向かう私。

 その鉄棒は三基並んでいて、それぞれの幅は一メートルちょっとくらい。
 支柱はそれぞれ共有のため全部で4本、向かって左側のほうから低い順に並びますが、小学校の鉄棒ですから私がちゃんと両足まで浮かせてぶら下がれるような高さのものはありません。
 三基の内一番低いのは私のおへそくらい、2番目がおっぱいの下くらい、一番高いのでも私の肩の位置の高さです。

「そうね、それじゃあその真中の鉄棒、それに掴まって」

 みなさまと対面したほうが良いかと考え、金網側に回って握り棒に両手を置きます。
 最近でも遊ぶ人がいるのかどなたかがお手入れされているのか、握り棒にサビなどは一切無くピカピカ銀色に光っています。
 
 両手で握るとひんやりした感触が気持ちいい。
 握り棒に掴まった姿勢で下乳が棒に触れるか触れないかくらいの高さです。

「まずは前転ね、前回り。超イージーモード。それこそ小学一年生でも出来る技よね」

 お姉さまがおふたりにご冗談ぽくおっしゃり、おふたりもクスクス笑っていらっしゃいます。
 私も何かもっと凄いこと、例えば片脚かけ上がり、とかをご命令されるかもとヒヤヒヤワクワクしていたのですが、なんだか拍子抜け。
 それでもご命令ですから、まず鉄棒を握った両腕を踏ん張ってからだ全体を引き上げました。

 からだを引き上げたときに気が付きます。
 そう言えば全裸で鉄棒をするなんて生まれて初めての経験。
 それも複数のギャラリーさまが見守っている人前で。

 前転ですから上半身を前に傾け始めたとき、わたしの理性という臆病なストッパーが働き始めます。
 なるべく脚を真っ直ぐ揃えて余計なものが見えないように…
 なるべく早く回転して恥ずかしい姿がすぐ終わるように…

 くるり。
 おっぱいがブルンと揺れ、地面とお空が一瞬逆転して元に戻りました。
 着地したとき、もう一度おっぱいが大きく暴れます。

 全裸とは言え、普通に鉄棒で前転しただけですからリアクションに戸惑われ、困惑気味なおふたり。
 対照的に何か考え込まれているようなお姉さまのお独り言。

「…そっか、あっち側だと反対向きになっちゃって…それじゃつまんないもんね…」

 すぐにお姉さまからご命令が下されます。

「直子、そっちじゃなくてこっち側にいらっしゃい。あたしたちにお尻を向ける位置に」

 理由もわからず粛々とお姉さまのご命令に従う私。
 握り棒をくぐり抜け、みなさまにお尻をお見せしつつ再び鉄棒に掴まりました。

「今度は逆上がり。これも直子ならラクショーだろうけれど」

 お姉さまがおやさしくおっしゃってくださり、そういうことならと今度は逆手で握り棒を握り直します。
 背中を向けたのでみなさまのご表情はわかりません。

 逆上がりの一般的なやりかたは助走っぽく地面を蹴って勢いで回るものですが、私は上体を引き上げて反動をつけて腕の力だけで回ることも可能でした。
 先程の前転があまりに普通だったので、少しくらいお見せしちゃうのもいいかな、という自虐の気持ちで地面を蹴るほうを選択します。
 両脚を大きめに開き、剥き出しのスジが少し開くのを意識しながら地面を蹴ります。

 くるり。
 おっぱいがブルンと揺れ、地面とお空が一瞬逆転して元に戻りました。
 着地したとき、もう一度おっぱいが大きく暴れますが、背中を向けているのでみなさまには見えていないでしょう。

 パチパチパチとお愛想程度の拍手が聞こえます。
 背中越しなのでよくはわかりませんが、なんだか空気がビミョーな感じ。

「おっけー。じゃあ今度はもう少しゆっくり、もう一度逆上がりして。直子なら助走無しで腕の力だけでも回れるはずよね?」

 お姉さまの嬉しそうなお声が背後から聞こえ、何やらガサガサする音も聞こえてきました。
 ギャラリーのみなさまがたのご様子がわからない私は、お姉さまのお言葉に従うのみです。

 握り棒を今度は順手で掴み、懸垂の要領で上体を引き上げてお腹を鉄棒に密着させてから、両脚を揃えて前後に揺らし反動をつけてくるりと回ります。

「上手い上手い、今度はそのままゆっくり前転」

 回り終えた後も懸垂状態で鉄棒を握って浮いている私に、お姉さまから今更なご指示。
 訝しみつつもゆっくりと上体を前に傾け始めたとき…

「ストップ!」

 突然お声がして、どなたかに背中を押さえつけられます。
 私のお尻が天を衝き、下腹部を境にして上半身は逆さ吊り、下半身は宙ぶらりん。
 ちょうど物干しに干したお布団のような状態で握り棒にぶら下がっている状態。
 おっぱいが下向きな私の顔のほうへと垂れ下がり、がんばれば腫れた乳首まで舌が届きそう。

「ほら、この格好、なかなかイイ感じに恥ずかしいでしょう?」

 お姉さまの弾んだお声が聞こえます。
 逆さ吊り状態ながらみなさまと対面はしているので、みなさまのご動向もわかります。

 至近距離まで近づいてこられるみなさま。
 見下ろしたその真正面に私のお尻側の両腿の付け根。
 両脚をピッタリ閉じてはいましたが、30センチにも満たない距離にお尻の穴、そのすぐ下に私のアソコがあるはずでした。

「いい?そのままの格好で動いちゃだめよ」

 お姉さまがバッグから取り出されたのでしょう、麻縄の束を片手に近づいてこられます。
 手慣れた手つきで短かめの麻縄を二重にされ、出来た輪っか部分を私の左足首に引っ掛けられてグイっとそのまま左側に引っ張ります。

「あんっ、いやんっ…」

 ピッタリ閉じていた両脚が強引に抉じ開けられ、左脚が40度くらい開いた状態となり、余った麻縄が鉄棒左側の支柱の高い位置に括り付けられました。
 左側のラビアがひっぱられ、少し口を開けたのがわかります。

 このままで終わるはずもなく当然右足も同じようにもう一本の麻縄で引っ張られ、右側の支柱に括り付けられます。
 かくして私の両腿は160度くらいに大きく開かされ固定されてしまいました。

 当然、お尻の穴際の皮膚もラビア周辺のお肉も左右水平方向に引っ張られ、ポッカリお口を開けています。
 最後に握り棒と私のお腹の皮膚とのあいだに真っ白なバスタオルを畳んで挟んでくださったお姉さま。

「鉄棒でお腹が擦れちゃうと可哀想だからね。長丁場になりそうだし」

 なんて、おやさし気なことをおっしゃりながら。
 私は二つ折りの宙吊り大股開き状態で、みなさまにお尻を向けたまま鉄棒に固定されてしまいました。
 両足が高い位置で縛り付けられているので下半身の身動きは一切取れず、唯一自由になる両手も必死に握り棒を掴むだけ。

「うわっ、なんだかSMって感じになりましたね」

 メガネの彼女さまらしき弾んだお声が上から聞こえます。
 逆さまになっている頭を首から曲げて見上げると、みなさま覗き込むように私の丸出しな恥ずかしい部分を間近から見下ろしておられます。
 私とみなさまの目が合ってしまいます。

「誰かのお尻の穴、こんなにドアップで見るの初めて。本当にお尻のほうにも全然毛が生えてないんだ。丸出し過ぎてすっごく生々しい」

 ご興奮気味なメガネの彼女さまのお声と一緒に、吐息が私の秘部に直接当たります。
 それだけお顔を近づけられているということでしょう。
 私のヌルヌルに濡れそぼって大きく口を開いたマゾマンコと肛門に。

「そっちの穴でも気持ち良くなれるんだけれど、あなたたちの年齢じゃ少し早いかな?」

 お姉さまの愉しそうなお声が聞こえます。

「まずきちんとオマンコでイクことをマスターしないとね。マスターベーションっていうくらいだし。ほら、そっちの彼女も撮影ご苦労さま。もう直子も動けないし、あとは三脚立ててフィクスで撮影するから、あなたも間近でじっくり観察するといいわ」

 軽口を叩かれながらポニーテイルの彼女さまからビデオカメラを受け取り、私を斜めから狙う感じの場所に三脚を立ててビデオカメラを固定されるお姉さま。
 そのあいだにポニーテイルの彼女さまも私に近づかれ、今度は肉眼で私の開けっぴろげな恥部を覗き込んでこられます。

「はい、お待たせー。これが直子自慢の剥き出しマゾマンコね。今日はよく晴れているから陽射しを浴びてスケベなおツユがキラキラきらめいているわね」
「閉じているときは柏餅みたいにふっくら地味なんだけれど、いざ開いちゃうとお豆ちゃんとか中身のビラビラとか意外と派手なのよ」

 カメラを設置し終えたお姉さまが、私の左尻たぶを軽くツンツンつつきながら愉しそうにおっしゃいます。
 お姉さまは左尻たぶ側に、おふたりは右尻たぶ側に別れ、私のその部分もちゃんとフィクスのビデオカメラに映るようにご配慮されたお立ち位置です。

「あなたたち、自分のオマンコだってこんな間近でまじまじと視たことないでしょう?滅多に無い機会なんだから思う存分視姦してやって」

 私のスマホでその部分を撮影されながら、お姉さまがおっしゃいます。
 数回シャッター音がした後スマホはバッグに仕舞われ、お姉さまがおふたりに語りかけられます。

「まず、手っ取り早く気持ち良くなれるのはこの部分、割れ始めに覗いているお豆、クリトリスね」

 ご説明のお声と一緒に、パンパンに腫れ上がった私の肉芽が当然のようにお姉さまの指でつままれます。

「あ、あんっ!」

 不意に訪れた物理的快感に思わず洩れる私の淫ら声。
 そんな声など意にも介されないご様子なお姉さまがお話をつづけられます。

「普段は皮の下に隠れていて、性的に興奮してくると充血して大きくなるのね。そのときに皮が完全に脱げちゃう人もいるし先っちょだけ少しって人もいるの。慣れないうちは直だと刺激が強過ぎて触っても痛いと感じるだけかもしれないけれど、やさしく皮の上から愛撫するだけでも充分気持ち良くなれるはずよ」
「直子の場合は、小学生の頃からひとりえっちで弄りまくっているから、こんなにやらしく肥大化しちゃって皮もすぐに脱げちゃうんだけれどね」

「あっ、あっ、あんっ、だめっ、あんっ、いやっ、あっそこっ、あっ、あーっ…」

 お話されているあいだ中、お姉さまの指が私の剥き出しクリットをもてあそんでいます。
 撫でられ、擦られ、潰され、引っ張られ、爪を立てられ…
 みるみる昂ぶる私の性感。
 逆さ吊りの頭には血が集まってきてボーッと気持ち良く何も考えられなくなっています。

「なんかアソコ全体がヒクヒク蠢いていない?」

「うん。愛液?も増えて溢れて腿から滴っちゃってるし」

 おふたりがヒソヒソと私のソコの状態を見たままに実況報告されているあいだもお姉さまのイタズラは止まりません。
 腫れた肉芽を根本から絞り込むように擦り潰してくる快感が溜まりに溜まってもう暴発寸前。

「あんっ、もうだめっ、もうだめですぅ、イッちゃいますぅ、お、お姉さま、みなさまぁ、イッても、イッてもよろしいでしょうかっ!…ああんっ、イキそうですっ、イッちゃいますっ、イカせてくだいぃっ、みなさまぁぁっ!!…」

「あれ?何かヘンタイマゾ女があたしたちにお願いしているみたいよね?イキたいんだって、どうする?聞いてあげる?」

 お姉さまがおふたりに向けて尋ねられているのでしょう、ご愉快そうにお芝居じみたお声が聞こえます。
 おふたりのリアクションは宙吊りな私の位置からはわかりません。

「ふたりともやさしいからイッてもいいってさ。ただし、ただイッてもつまんないから、こう言いつづけながらイキなさい」

 私のクリトリスを蹂躙するお姉さまの指がふと止まり、昇り詰め寸前の快感が寸止めで焦らされます。

「やらしいヘンタイマゾ女が浅ましくイキ果てる姿を、どうかじっくりご覧ください、ってね」

 お姉さまの蔑み切った冷たいお声が私のマゾマンコの辺りから聞こえます。
 中断された陵辱を一刻も早く再開して欲しくて、お姉さまのお声が終わるか終わらないかのうちに、私の懇願の声が重なります。

「やらしいヘンタイマゾ女が浅ましくイキ果てる姿を、どうかじっくりご覧くださいぃ…やらしいヘンタイマゾ女直子が、あ、浅ましくイキ果てる姿をどうかじっくりご覧ください…いやらしいヘンタイマゾ女直子が浅ましくイキ果てる姿を、どうかじっくり視てやってください…ああんっ、やらしいヘンタイマゾ女直子が浅ましくイキ果てる姿を、あっ、あっ、どうかじっくりご覧くださいっ…」

 懇願の呪文を三回ほどくりかえしたところでお姉さまの指が戻り、前にも増した活発さで再度、私のクリトリスがもてあそばれ始めます。
 停滞していた快感が一気に戻り、スピードアップした摩擦としごきの蹂躙で一気に快楽が駆け上がっていきます。

「ああんっ、い、いやらしいヘンタイマゾ女、な、直子が、あんっ、あさっ、浅ましくぅ、うっ、そう、そこっ、浅ましくっ、イキっ、イキっ、イキ果てるすがっ、ああんっ、姿をっ、いやんっ、イクぅ、イッちゃうっ…」

「あなたたち、気をつけたほうがいいわよ、潮吹くかもしれないから。直子のオマンコの正面に立っていると浴びせられちゃうかも」

 お姉さまがおふたりに笑いながらアドバイスされているようですが私には関係ありません。
 グングン昂ぶるクリットへの快感に全神経を全集中してオーガズムに達したい一心です。

「どうかっ、どうかっ、どうかじっくりぃぃいいっ、ご覧っ、ごらんっ、ごらんっ、視てっ、視て視てっ、ああっ、いいっ!いいっ!視てやって視てやってっ、ああっ、くださいぃぃぃ、いいっ!!いいのっ!!いっぃぃくぅぅぅっっ!!!」

 目眩く快感の大きなうねりが二つ折りの全身をつらぬきました。
 自分がどこで何をしているのか生きてるのかいないのか、それさえわからなくなるほどの深い陶酔感。
 逆さ吊りにされているせいか、ギュッと目を瞑った脳内をいつもより鮮明で強烈な無数の火花が埋め尽くしました。

 ハアハアという呼吸音が自分の耳にフェードインしてきて、少しうるさいな、と訝しんでいたら自分が発している荒い吐息でした。
 全身のアチコチがまだ勝手にヒクヒク蠢き、口からはよだれが垂れています。
 虚ろな目で眼前を見ると地面はさほど濡れてなく、潮はそんなに吹かなかったみたい。

 とにかく未だ快感の余韻に翻弄されている感じで、正常な思考が出来ません。
 それほど強烈なオーガズムでした。

「こんな感じでドスケベドマゾな直子でも、ものの数分で淫らにイキ果てちゃうくらい気持ちいいのがクリトリス、所謂クリイキね。見て、まだ膣の粘膜がヒクヒク蠢いて、何か誘っているみたいじゃない?」

 お姉さまが私のマゾマンコを指さして呆れたように笑われます。
 おふたりもクスクス笑いながら私のマゾマンコと逆さまになった私のイキ直後顔を交互に見比べておられます。

「こんな感じで今まで乳首イキ、クリイキと視てもらったんだけど、あと残るのは中イキ、ズバリ、オマンコの穴に何か異物を挿入して膣壁を摩擦しながらエクスタシーに至る方法ね」

 お姉さまがご説明しながら鉄棒の支柱に縛り付けた私の足首を、まず左足から解いて開放してくださっています。

「あたしたちはレズビアンだから異物って言ったけれど、男女の恋愛関係だったら挿入するのは男性器ってことになるわね。男性がオマンコ内に射精して精子が子宮に着床したら妊娠して赤ちゃん誕生っていう一連の流れ」

 お姉さまが右足も開放してくださり久々に着地が許され、逆さ吊りからも開放されます。
 頭に昇っていた血が戻るのと、まだ残っている強烈な快感の余韻で全身がクラクラしています。

「長時間逆立ち状態だと命が危ないって言うからね。逆にこれくらいの宙吊りなら血の巡りが良くなって美容と健康にもいいらしいわよ」

 鉄棒から外したバスタオルで汗みずくな私のからだを軽く拭ってくださりながら、お姉さまがイタズラっぽく微笑まれます。
 敏感になっている皮膚にバスタオルのザラザラが心地よく、ぐったりされるがままの私。

「それじゃあ次はいよいよ直子の淫らな中イキ姿をご披露するのだけれど、直子としてはやっぱり何か普通じゃない恥ずかしい格好になって、より直子らしい姿を視てもらいたいわよね?」

 選択肢を委ねているようにも聞こえますが、実質ご命令なお姉さまのお言葉責め。

「は、はい…」

 小さな声でお答えした私に呆れ顔なポニーテイルの彼女さま、ニヤニヤ笑いのメガネの彼女さま。
 おふたりともすっかり、この淫靡な見世物に馴染まれてしまったご様子。

「どうしよっかなー」

 お姉さまがグルっと辺りを見回され、私を辱める算段を模索されているのでしょう。

「あんまり時間もかけられないからそんなに凝らなくてもいいか。じゃあ直子、今度はそこに立ちなさい」

 お姉さまが指さされたのは、さっきの鉄棒のお隣、私のおへそくらいな高さの一番低い鉄棒でした。


2024年6月16日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 07

 お姉さまが指さされたのは遊具のある一画でした。
 ブランコが三基と高さの違う鉄棒が三台、大人には少し低すぎるような雲梯とジャングルジムにすべり台が連結したような遊具が見えます。
 確かにどれも私に恥ずかしい格好をさせるにはうってつけの遊具類のような気もします。

 先頭はお姉さまとメガネの彼女さまで何やらにこやかに談笑されながら進まれ、そのすぐ後ろをポニーテイルの彼女さまが振り向かれての横歩きで、そのまた後ろを歩く人物の姿を撮影されながらつづかれます。
 
 その被写体は私。
 スカートは捲り上げっ放し、セーラー服は両肩剥き出しの肩脱ぎで、秘部ギリギリの下腹部と紐ビキニからはみ出た両乳首を露わにし、妄想の後ろ手錠でトボトボ着いていく私。

 あちこち破れている金網の際はまばらな木立になっていて、その傍らに遊具類が並んでいます。
 金網の向こうは草伸び放題な荒れ地の先にさっきお車で走ってきた道路、その向こうはこれまた草の生い茂る空き地。
 普通なら人やお車がたまに行き交いそうですが、ここは私有地なので人っ子ひとりなく、しんと静まり返っています。
 雲梯の前に立たされて、その周りをお姉さまとおふたりが囲みます。

「じゃあまずはここでストリップね。インナーまで全部脱いで、そのやらしい裸体を隅々までじっくり視ていただきなさい」

 お姉さまがにこやかにご宣言。
 おふたりは驚かれたお顔を見合わせて見つめ合われた後、憐れむような蔑むような、好奇満開なワクワク顔に変わられていきます。

「セーラー、スカート、ブラ、ショーツの順ね。せいぜい色っぽくセクシーに脱ぎなさい。あと、靴下は脱がなくていいわ。裸靴下ってそこはかとなくエロいから」

 お姉さまがご愉快そうにおっしゃり、おふたりは完全にご期待のまなざし。
 私は妄想の後ろ手錠を解き、開ききったセーラー服の前立てに両手を伸ばします。
 
 せいぜい色っぽくとのご注文ですが、どうしていいのか何も思い浮かばない私はひとつひとつの動作をややゆっくりめにして、まずセーラー服を脱ぎました。
 脱いだ衣服はお姉さまが回収してくださいます。

 次にスカート。
 捲り上げっぱに留めていたふたつの洗濯バサミを外してからホックを外しジッパーも下げると、そのままストンとスカートが足元に落ちました。
 踏まないように気をつけて足下から回収し、洗濯バサミと一緒にお姉さまに手渡します。
 これで私は紐ビキニと極狭ローライズショーツのインナー姿。

 ブラのほうはもうすでに乳首までご披露済みですから、からだから取り去ってもさほど恥ずかしさは感じません。
 問題はショーツです。

 極狭でほとんど用をなしていないショーツでも、脱ぎ去ってしまえば私の無毛な秘部が白日の下、みなさまの眼前にさらけ出されてしまいます。
 それもさっき知り合ったばかりの名前も知らない年下の女子高校生おふたりの好奇のまなざしが待ち受ける中で。
 そして全裸となった私に、お姉さまが何をさせようと企まれているのか。
 まだ見ぬ恥辱に思いを馳せただけで、膣奥の粘膜がいっそう潤んでしまいます。

 ショーツの縁に指をかけ、ゆっくりとズリ下ろしていきました。
 ショーツの裏布地と私の秘部のあいだを粘質でか細い糸が何本も引いては途切れます。
 それだけでもう逃げ出したいほど恥ずかしいのですが、頭の中のSな自分が、急いじゃ駄目、ゆっくりじっくりお見せして充分に恥辱を味わいなさい、と囁きます。
 もちろんポニーテイルの彼女さまが構えられたレンズに、そんな痴態の一部始終が記録されているはずです。

 足下まで下ろしたショーツを膝を曲げて跨ぎ、回収したショーツの端を持ってお姉さまに手渡します。
 お姉さまはわさわざショーツを裏返しで広げられ、ベトベトに濡れそぼったクロッチにあたる部分をおふたりにお見せして笑っています。
 脱ぎ終えた私は両手を重ねて後頭部にあて、自然とマゾの服従ポーズになっていました。

 恥ずかしいショーツから私の裸身へと視線を動かされたおふたりとレンズ。
 頭の天辺から爪先まで、舐めるように視姦された後にメガネの彼女さまがポツリとつぶやかれます。

「本当にぜんぜん毛が生えていないんだ…」

「それについては直子から説明があるはずよ。直子、なぜあなたのオマンコには陰毛が一本も生えていないのかしら?答えなさい」

 お姉さまが女性器の品の無い俗称を初めてはっきりとお口に出され、おふたりがお姉さまのお顔を見つめて唖然とされています。

「は、はい…私がマゾだからです」

 マゾの服従ポーズで眼前のみなさまをまっすぐ見つめて宣言します。
 どうぞ存分に辱めてください、という願いを込めて。
 休めの幅に広げた両足のあいだからまた一筋、雫が滑り落ちていきました。

「どうしてマゾだとオマンコをパイパンにしなきゃいけないのかしら?」

 お姉さまがご愉快そうに四文字言葉を連発されます。

「マゾなので、はしたない性器を隅から隅までよーくご覧いただきたくて、邪魔な毛はすべて失くしてツルツルにしました」

「誰かさんがそういうのにピッタリなニックネームを付けていたわよね?」

「はい…お姉さまに、な、直子の剥き出しマゾマンコ…という呼び名を付けていただきました…」

 お応えした途端に膣奥がヒクヒク蠢き、恥ずかしいおツユが更に一筋、内腿を滑り落ちます。

「そういうことなのよ。あたしと出逢ったときにはすでにこの状態。あたしの前の飼い主がエステに連れて行ってマン毛を全部永久脱毛しちゃったらしいの。まだ直子が大学生だった頃によ。まあ、高二の頃から自分で剃り落としたりもしてパイパンマンコを愉しんでたっていうから、筋金入りの変態マゾ娘なのよ」

 笑顔なお姉さまの品の無いご説明にお顔を赤らめられるも、視線は私のその部分に釘付けのままリアクションに困られているおふたり。
 やがてポニーテイルの彼女さまが気を取り直されるように、お姉さまに向けてこんなご質問を投げかけられました。

「でもこの人、脚は細いけれど太腿やお腹に薄っすら筋肉が浮いている感じで、立っている姿もとてもキレイなんですけど、何かスポーツとかやってます?」

「あら、ユニークな着眼点ね。筋肉とかそういうことに詳しいタイプなの?」

 笑顔でご質問返しをされたお姉さまを眩しそうに見つめながら、ポニーテイルの彼女さまが幾分早口でおっしゃいます。

「いえ、ただ演劇やってると体幹トレーニングで講師の先生からそういうことをよく言われるので。この人の立ち姿は軸がブレてないでキレイだなと…」

 レンズは私に向けたまま、お顔だけお姉さまに向けて恥ずかしそうにご説明。
 私も面と向かってキレイと言われて少し恥ずかしいです。

「直子はね、中学生の頃からずっとクラシックバレエを習っていたんだって。そのときのバレエの先生が直子をこんなにしちゃった張本人なんだけどね。もちろんその先生も女性よ」

 お姉さまがご愉快そうに笑いながらおっしゃいます。

「直子の体幹がしっかりしているのはきっとそのおかげ。それにからだが凄くやわらかくて、両脚も180度以上広がるし、前屈だって手のひらまでべたーっ」

 そこで一度お言葉を切られたお姉さまが、イタズラっぽいお顔に変わられてつづけられます。

「だからどんな体位も自由自在。直子ならマンぐり返しで自分のオマンコ、舐められるんじゃないかしら」

 どうしてもお話を下ネタのほうに持っていきたがるお姉さま。
 私も以前、自分で試したことがありますが無理です、さすがに背骨がそんなには曲がりません。

「だったらY字バランスなんてラクショーですね」

 しばらくお話の成り行きを見守られ沈黙を保っておられたメガネの彼女さまが、ワクワクなお顔でお姉さまに尋ねられます。
 それから私のほうを見られ、意味ありげにお鼻にシワをお寄せになりました。
 きっと私がその姿勢になったときのことをご想像されているのでしょう。

「そんなの朝飯前。直子ならI字バランスだってラクショーよ。直子、せっかくだからこのかたたちに見ていただきなさい」

 お姉さまの思惑通りにメガネの彼女さまがノッてこられ、たちまち卑猥なショー、お姉さまがおっしゃるところの見世物の始まりとなってしまいます。
 は、はい、と一応お返事して服従ポーズを解いた私の心臓はドキドキ。
 
 こんな格好でY字バランスの姿勢になったら、普通に立っていたら見えないところまですべて丸見えとなってしまうのは明らか。
 でも、お姉さまからの恥辱を掻き立てるご命令が私の頭の芯を痺れさせ、恥ずかしくなりたい、という欲求がどうにも抑えられなくなってしまうのです。

「太腿の付け根がよーく視えるようにこっちに向けて、不安定だったら左手は雲梯に掴まってもいいから。あ、それと…」

 お姉さまがそこまでおっしゃってから、ご自身の右腕を私のほうへと伸ばしてこられます。

「これはあたしからのプレゼント。直子が好きなように使っていいわ」

 差し出されたのは先程スカートから外した木製洗濯バサミふたつ。
 ありがとうございます、とお礼を述べた後それを受け取り、躊躇なく尖り切ったそれぞれの乳首に噛ませました。

「あふんっ!」

「わ、乳首を挟んじゃうんだ、痛そう…」

 ポニーテイルの彼女さまが驚かれたようにつぶやかれます。
 メガネの彼女さまも一瞬驚かれたようなお顔になられましたが、すぐ見下したようなニヤニヤ笑いに。

「そりゃあ普通に痛いわよ。あたしも直子があんまり気持ち良さそうだからひとりのときにちょっと試したことあるけど、二秒と保たなかった」
「でも慣れればマゾにはその痛みが快感らしいのよね。だから直子にとってはこれもご褒美なの」

 笑いながらおっしゃるお姉さま。
 お姉さまもそんなことをされることがあるんだ、と私にとっては初耳でした。
 なんだか嬉しい。

 ご命令通り、これから上げる脚の付け根がみなさまのほうを向くように少し全身を斜めにして、右脚を伸ばしたままゆっくりとからだの右側面へと近づけていきます。
 左脚を軸にして右腕で右太腿を抱え込むように抱き、左手はソックスを穿いた右足の裏に添えています。
 両乳首を噛んだ木製洗濯バサミがプラプラ揺れ、両脚の距離が開くにつれて閉じていた両腿の付け根の陰唇が少しづつ開いていくのを感じています。

「いい眺めね。ほら、ここまで真っ直ぐだとY字っていうよりI字でしょ。そのままあたしがいいって言うまで、そのポーズをキープね」

 全裸でのY字バランスは、お家の鏡張りのお部屋でのひとり遊びでもよくやっていましたので、第三者からどんなふうに見えているのかはよく知っています。
 みなさまの眼前に私の180度に開き切った太腿の付け根が小さく口を開けて、淫靡に息吹いているはずです。

「うわ、スジが開いちゃって中身のピンク色まで見えちゃってる。毛がないと本当に生々しいですね」

 メガネの彼女さまが感嘆のお声をあげられます。

「あなたたちってイマドキの女子高生にしては珍しくケータイとかスマホを出してこないのね?こういうの見たら真っ先に取り出すのかと思ってたけれど」

 お姉さまが相変わらずの笑顔でご質問。

「あ、わたしたちの学校、休日の部活にケータイ類の持ち込み、NGなんです。普通の日でも家族との連絡以外は一切使用禁止。本当、訳わからないルールですよね?」

 ポニーテイルの彼女さまが少し憤られたように語気を荒くされ、メガネの彼女さまもうんうんと頷かれています。

「ふーん、ずいぶん時代錯誤的な規則よね。あなたたちも良い子だから、一応従っているんだ?」

 からかうようにおっしゃったお姉さまがイタズラっぽくつづけます。

「だったらさ、もし今あなたたちの手元にスマホとかがあれば、直子の写真、撮影してる?」

 お姉さまのお尋ねにおふたり、お口を揃えて、もちろんです、と綺麗なユニゾン。

「じゃああたしが代わりに写真を撮っといてあげる。どちらかのケータイ番号を教えてくれたら、後からショートメールで連絡とってその写真を送ることも出来るじゃん」

 お姉さまがご自分のバッグに手を入れながら愉しそうにおっしゃいます。

「あ、でもその写真はあなたたちふたりだけで共有してね。お友達に見せるくらいならいいけれど、他の人に写真送ったりネットで拡散は絶対NG。直子にもバレたくない身内はいるから」

 なぜだか嬉しそうに注意事項を告げられるお姉さま。
 取り出されたのは私のスマホでした。

「ほら、これが直子のスマホの待受。この旅行中は絶対にこの待受を変えてはいけなくて、レストランとかでも常にテーブルの上に表向きに置いておかなければいけないルールなの」

 おふたりに私のスマホの待受画面をお見せになるお姉さま。
 あの全裸M字大開脚の秘部を更に自分の両手で押し広げて、悩ましげにカメラレンズを見つめている写真。
 恥ずかし過ぎてずっとY字バランスな私の姿勢が少しグラつき、乳首の洗濯バサミがプルプル震えます。

「うわっ、凄い格好。自分でアソコを広げちゃってる」

 メガネの彼女さまが見た通りのことを率直にお声に出されます。

「やらしいでしょ?これは数日前にこっちに向かうときの急行列車の個室で撮ったの。それでこれが着信音声。これも撮影しながら同時に録ったのよ」

 お姉さまが私のスマホを何やら操作され、やがて大きな音で流れ出す私の恥ずかし過ぎる着信淫ら声。

 …これが直子のマゾマンコです…奥の奥まで、どうぞ、じっくり、視てください…これが直子のマゾマンコです…奥の奥まで、どうぞ、じっくり、視てください…これが直子のマゾマンコです……

 何度も何度もエンドレスに響く私の破廉恥な懇願が高い青空に吸い込まれていきます。
 さすがの私もあまりに恥ずかし過ぎる状況に動揺してしまい、真っ直ぐに上げた右脚がグラグラ揺れてしまいます。

「ほら、これから彼女たちのために写真撮影するのだから、ポーズを崩しちゃ駄目じゃない。でもまあ疲れるだろうし準備もあるから、今はいったん下ろしていいわ。あたしがスマホを構えたらすぐにまたI字バランスね」

 お優しいお姉さまからお許しが出て、いったんポーズを解きます。
 息が上がってハアハア荒い呼吸をしているのはポーズが辛かっただけではありません。
 恥ずかしい待受を視られ、恥ずかしい着信音を聞かれ、これから恥ずかしい写真を撮られてそれをおふたりに共有されるというご無体この上ない状況に興奮して、マゾ性が一気に発情しています。

 一度は鳴り止んだ恥ずかしい着信音ですが、お姉さまが少しのあいだスマホを弄っていると思ったらまた、さっきよりももっと大きな音量で鳴り始めました。

 …これが直子のマゾマンコです…奥の奥まで、どうぞ、じっくり、視てください…これが直子のマゾマンコです…奥の奥まで、どうぞ、じっくり、視てください…これが直子の……

 静まり返った晴天ののどかな校庭に私の淫ら声だけが鳴り響いています。
 どういう操作をされたのか、そのままスマホを私に向けてくるお姉さま。

「ほら、さっさとI字バランス。この声が直子の本心なのだから、流しっ放しにしたほうが恥ずかし過ぎてより興奮出来るでしょ?さっさと自慢のオマンコをみなさんに見せなさい」

 再び右腿を抱え込んでゆっくり脚を上げていく私。
 自分の大きな淫ら声が、自分の本心を吐露している恥辱音声が鳴り響く中で。
 その音声と同じ台詞をいつの間にか私も心の中で唱和しています。
 全身がカァーっと熱く滾り、膣奥が盛大に潤んできます。

「そう、顔はこっちに向けてそのまま動かないで」

 お姉さまがたてつづけにスマホのシャッター音をカシャカシャ鳴らしています。
 その音が聞こえるたびに私の心臓もドクンドクンと波打ちます。
 そんな風景をお姉さまごと、ポニーテイルの彼女さまのレンズが記録しています。

「その姿勢なら空いている左手でラビアを開くことも出来るわね。どうせなら直子の本心通り奥の奥まで視ていただきましょう。俗に言う、くぱぁ、っていうやつね」

 お姉さまからのご容赦ないご命令で、右足に添えていた左腕をおずおずと下ろし、その手を下腹に伸ばして股間部分へ。
 人差し指と中指で作ったチョキの形を、腫れた肉芽に触れないよう慎重に大陰唇左右に配置して、チョキの指間隔をグイッと広げます。

「んうっ…」

 たちまち濡れそぼる人差し指と中指に、思わず淫ら声が洩れてしまいます。
 粘液に満たされた膣粘膜の空気に当たる面積が確実により大きく広がった感覚がして、居ても立っても居られない羞恥心が更に膨れ上がります。
 今すぐにでも膣奥に指を何本も潜り込ませたくて堪りません。

「うん、いい感じ。そのままじっとしてて。うつむかないで顔は絶対カメラに向けていなさい。オマンコももっと開いて。うん、エロっぽくていい感じよ」

 お姉さまがシャッターを切りながらニヤニヤ顔で私を見つめてくださいます。
 メガネの彼女さまは覗き込むように私が自分で押し広げている秘部を凝視され、ポニーテイルの彼女さまのレンズもそこに釘付けです。

「じゃあ最後に、流れているこの着信音に合わせて、直子の偽り無い本心を実際に口に出してあたしたちにお願いしなさい。ちゃんと心を込めて、とくにこのおふたりにお願いしなくちゃ駄目よ。あたしがいいと言うまで何度でも」

 あまりに屈辱的でお情けご容赦ないご無体なご命令に、脳内はクラクラ真っ白となり、全身がグラリと揺れて秘部に添えていた指がズレてしまいます。
 瞬間、目力を強められ睨むように刺さるお姉さまのドエスなお顔にビクンと慄き、慌てて体勢を再度整え、マゾマンコに添えた指もより大きく開いてしまう私。

 …奥の奥まで、どうぞ、じっくり、視てください…これが直子のマゾマンコです…奥の奥まで…

 相変わらず晴天の校庭に鳴り響いている自分の淫声にタイミングを合わせ、恐る恐る自分の声を重ねていきます。

「これが直子のマゾマンコです…奥の奥まで、どうぞ、じっくり、視てください…これが直子のマゾマンコです…奥の奥まで、どうぞ、じっくり、視てください…これが直子のマゾマンコです…」

「そんなちっちゃな声じゃぜんぜんその気になれないわよ?直子は本当に視てもらいたいのでしょう?だったらもっと真剣に、マゾらしく憐れっぽくお願いしなきゃ」

 お姉さまにお鼻で笑われながら叱責され、私も覚悟を決めてマゾ性全開となり、おふたりに向けて声もより大きくして真剣に懇願させていただきます。

「これが直子のマゾマンコです…奥の奥まで、どうぞ、じっくり、視てください…これが直子のマゾマンコです…どうぞ奥の奥まで、どうぞ、じっくり、視てやってください…これが直子の剥き出しマゾマンコです…どうぞ奥の奥まで、ゆっくりじっくり、ご覧ください…これが直子のパイパン剥き出しマゾマンコです…どうぞ奥の奥まで、じっくりご覧になって蔑んでください…」
 
 言っているうちにどんどん興奮してきて、マゾマンコに添えた指はどんどん開き、軸足は震えて伸ばした脚も揺れて、それでも顔はおふたりに向けて媚びるように何度も懇願していました。
 
 いつの間にかガイドだった着信音声も途絶え、私の肉声だけが校庭に響いていました。
 憐れっぽくおもねるように懇願するドマゾ声の肉声。
 呼応するように膣奥がビクンヒクンと何度も震えています。

「これが直子の淫乱剥き出しマゾマンコです…どうぞ奥の奥まで隅の隅まで、じっくりご覧いただいて蔑んでください、虐めてください、辱めてください…これが直子の変態剥き出し濡れ濡れマゾマンコです…」

「おーけー、まあ、そんなもんでしょう。直子、ポーズ解いていいわよ。こんだけたくさん写真撮れば二枚か三枚くらいはイイ感じのがあると思うから、後で送ってあげる、もちろん無修正でね」

 お姉さまからやっとお許しをいただき、I字バランスで自らくぱぁ、のポーズを解きました。
 吐息はハアハアで全身も燃えるように上気、秘部に添えていた指は溢れ滴る愛液でフニャフニャにふやけていました。
 開いた陰部の真下に当たる地面にはこんもりと粘液の水溜りが広がっています。
 恥ずかし過ぎる願望を何度も口に出して言っているうちに、どうやら何度か小さくイッてしまったようでした。

「撮影会はこのぐらいにして、今度は実際に女の子がひとりでも凄く気持ち良くなれる、そのノウハウを直子のからだを使ってレクチャーしてあげるわね」

 お姉さまがおっしゃりながら私に近づいてこられ、おもむろに伸ばされた右腕が鞭のようにしなり、私の両乳首を噛ませた木製洗濯バサミが次々と勢い良く払い落とされました。

「んふぅんーーーっ!!!」

 耐え難い苦痛と苦甘い歓喜に満ちた私の淫らな呻き声が、のどかな田舎町の校庭に響き渡りました。


2024年6月1日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 06

「じゃあ次は上半身ね。スカーフを解いてセーラーのファスナーも下げて自分の両手で前を開いて、このかたたちに直子のやらしいおっぱいも視ていただきなさい」

 お姉さまも彼女たちの側に回られ、三対一で対峙する廃校の校庭。
 明る過ぎる陽射しの中で露出魔の人みたく自らセーラー服をはだけて広げて、極小水着のおっぱいを晒せというご命令。

「スカーフ解いたら襟から抜かないで垂らしっ放しにしておきなさい。そういうだらしない格好のほうが直子にはお似合いだから」

 スカーフを解こうと結び目に手をかけた私をからかうみたいに、お姉さまから追加の晒し者指令。
 ビクッとして止まっていた指を再び動かしてハラリと解けたスカーフ。
 解いたスカーフはそのままに、ご命令された手順通りにセーラー服のファスナーを下げてからおずおずと左右に開きました。

「うわっ、エロっ、すごっ…」

 開き切った途端にお声を上げられ絶句されたのはメガネの彼女さま。

「…あ、ブラも一応着けてたんだ…」

 レンズはこちらに向けたまま驚きのご表情でお独り言のようにつぶやかれたのはポニーテイルの彼女さま。

「えっ?それってどういう意味?」

 小さなお声もお聞き逃されないお姉さまのお問いかけに、ポニーテイルの彼女さまが慌て気味にお応えされます。

「えっ、あ、いえ、ただこっちの人、服着ているときも布越しに乳首の位置が丸わかりだったから、ノーブラなのかな、と思ってたっていうだけで…」

 なぜだかご恐縮気味なポニーテイルの彼女さまに、にっこりと笑顔を返されるお姉さま。

「ああ、そういうことね。こんなインナーじゃ着けていてもいなくても大して変わらないって言うか、むしろ着けているほうが却ってそこに注目して欲しいみたいでいやらしいと思わない?」
「あなたが服越しでも乳首の位置がわかったっていうのは、この子の乳首がずっといやらしく尖りっ放しっていうことだから、それこそ直子がこの状況に興奮しっ放しっていう何よりの証拠よね」

 お姉さまのご説明にうんうん頷かれるおふたり。

「それじゃおふたりに、直子のやらしく尖らせた勃起乳首をさらけ出して直に視ていただきなさい。その紐ビキニをちょっと横にズラせばすぐに飛び出すでしょ。セーラーは肩脱ぎにして閉じないようにするのよ」

「えっ?あ、は、はい…」

 お姉さまの畳み込むようにご容赦無いご命令に私の膣奥がヒクヒクっと潤みます。
 まずセーラーの襟ぐりから両袖までの布地を背中側にはだけ、両肩を剥き出しにしました。
 これでもうセーラー服は二度と閉じてはくださいません。

 それから小さくて薄い涙型の布片を突き破るように尖らせている自分から視て右胸先っちょの突起に目を遣ってから前を向きます。
 眼前には好奇につぶらな瞳を輝かせたおふたりの視線とカメラのレンズ。
 この数日間、お外で乳首を晒すことなど日常茶飯事だったのに、やっぱり見知らぬ第三者さまからの視線があると恥ずかしさの質が格段に違います。

 乳暈までをギリギリ隠した布地から上へと伸びる細い肩紐と素肌のあいだに人差し指を滑らせ、肩紐をクイッと外側に引っ張ります。
 乳首に布地が擦れる感触がして、それこそポロリという擬音が聞こえそうなほどに勢い良く右乳首が飛び出しました。

 吸い寄せられるように視線が集まるのがわかります。
 視られたことでますます血流が集まり、ますます硬く大きく背伸びしてしまう私の右乳首。
 手持ち無沙汰となった両腕を後ろ手に回そうか、と思ったとき、お姉さまからまたもや追い打ちのご命令。

「何をもったいぶっているの?さっさと左の乳首も出して両方しっかり視ていただきなさい。お客様を待たせるんじゃないのっ」

「は、はい…ごめんなさい…」

 左の肩紐も同様にズラすと左の乳首も勢い良く飛び出し、同様にますます尖ってしまいます。
 両乳首をみなさまにさらけ出してから、両腕を後ろ手に組みました。
 隠せないように手錠を掛けられているイメージが頭の中に広がっていました。

「見てよこのえっちな勃起乳首、あなたたちに視られてまたひとまわり大きく硬く尖っちゃったみたい。視てもらえるのがよっぽど嬉しいのね」

 お姉さまがからかうようにおっしゃいます。
 スカート捲り上げっ放しで無毛な恥丘を晒し、セーラー服はだけっ放しで両乳首までお外の空気に触れさせている恥ずかし過ぎる私の姿を、顔から足元まで何度も舐めるようにご覧になっていたメガネの彼女さまが、横に立たれたお姉さまのほうへ、なぜだか不思議そうなお顔を向けられました。

「さっきから気になっていたんですけど、この人、直子さん?この人って満遍なく日焼けしてるんだけど、白い日焼け跡がどこにも無いんですよね。乳首の裾野まで綺麗に焼けてるし、下半身も……普通に日焼けしたら、水着跡とかが胸周りや腰周りに残ると思うんですけど…」

 メガネの彼女さまがお言葉を選ぶように慎重に考え考えご自分のご意見をお姉さまに伝えられました。
 それを聞かれていたお姉さまのお顔がなんとも嬉しそうにほころばれます。

「あなた、いいところに気がついたわね。その理由はね、別荘に着いてからここ数日間、直子は毎日ほとんどを全裸で過ごしているからなのよ。朝も昼も夜も、インドアでもアウトドアでも」
「全裸で早朝と夕方に近くの広場に犬とお散歩に行ったり、庭に全裸で目隠し放置されて色んな人からイタズラされたり、昨日の夜なんか庭でのバーベキューディナーでお尻に花火突っ込まれていたわ」
「あ、でも言っておくけどここらへん一帯は、この小学校跡地も含めて全部、別荘の所有者さんの私有地なのよ。だから直子も心置きなく全裸生活を愉しめてるってわけ」

「そんな感じで真っ裸の全身に毎日太陽光を浴びちゃっているから、直子のからだも満遍なく日焼けして、からだで唯一白い素肌が残っているのはいつもしているあの首輪裏の首周りだけ」
「だから今、首輪外すとそこだけまっ白な日焼け跡が鮮やかに残っているの。まるで天然の首輪でもしているみたいに」
「ここでならまあいいけれど、東京に戻って日常の社会生活に復帰したとき、どうするつもりなのかしらね」

 まるで他人事のようにご愉快そうに笑われるお姉さま。
 私の社会生活はお姉さまの会社でのお仕事なのですけれど。
 日焼けが引くまで人前に出るときはずっとチョーカーを着けて誤魔化すしか手は無いとは思いますが。

 お姉さまのお話にご興味深げにお耳を傾けられるおふたり。
 そのあいだ中もずっとポニーテイルの彼女さまが向けられるレンズが私の恥ずかしい出で立ちを撮りつづけていらっしゃいます。

「そうそう、昨日はね、この先にある有名なショッピングモールに別荘の管理人の人とかと一緒に数人で直子を連れ出したの」

 興が乗られたのか、愉しそうにお話をつづけられるお姉さま。

「さすがに街中で全裸ってわけにはいかないから薄物だけ着せてね。それでフードコートとか駐車場とか人がいっぱい集まっている場所でいろいろ恥ずかしい命令をしたの。お尻出せ、とか、おっぱい見せろ、とかね」
「この子って人目が多いほど興奮して乱れる性質だから面白かったわよ。フードコートの野外テーブルで下半身丸出しにさせたり、人がバンバン行き交っている通路なのにミニスカートのノーパンで穴の空いたポケットに突っ込んだ指でアソコを直にまさぐらせたり」
「人目があるのに性欲がどうにも抑えきれない、っていう直子の葛藤の表情がゾクゾクくるのよ。今日もここにあなたたちが居て視てくださって、とても感謝しているの。そうよね?直子?」

 唐突に振られて一瞬戸惑いましたが、お姉さまのお話で昨日の自分の行ないをあらためて客観視したら、今更ながらその破廉恥さにマゾ度が急激に上がっている今の私からは、自虐的な台詞がスラスラと口から出てしまいます。

「あ、はい。わ、私のはしたなくふしだらで、は、恥ずかしい裸を視てくださって、本当にありがとうございます…」

 言っているそばから、極狭ショーツの股のところに溜まってどうにか持ち堪えていた恥ずかしいおツユが遂に決壊し、左右の内腿を一筋二筋ツツツーっと滑り落ちていきました。
 滑り落ちる雫を目ざとく見つめられるおふたりの視線。

 驚かれたようなお顔から呆れられたような侮蔑気味のお顔に変わっていかれるのが、とくにメガネの彼女さまのご表情から読み取れます。
 この女になら何をしてもいいのかも、という空気がこの場に漂い始めているように感じています。

「へー、直子さんて本当にとんでもない変態さんなんですね。確かに直子さんのおっぱいって、下のほうがまあるくぼてっと重そうで、それなのに乳首は上向きで大きくて、全体がマシュマロみたいにやわらかそうで、思わず触りたくなっちゃいますもんね」

 すっかり積極的になられたメガネの彼女さまが、そうおっしゃってからニッと薄い笑顔をその童顔に浮かべられ、私とお姉さまを交互に見ています。
 その嗜虐を秘めた冷たい笑顔は完全にSなお顔で、Sの素質がお有りになるらしいメガネの彼女さまから私は完全に見下されたようでした。

「触ってみる?」

「いいんですか?」

 事も無げにおっしゃるお姉さまと嬉しそうなメガネの彼女さま。

「いいんですかも何も、あなたが触りたいって思うなら直子に拒む権利なんて一切無いのよ。あたしと一緒のときの直子は他に誰が何人居ても、その場で最下層の慰み者レズ便器にならなければいけない、そういうSMな間柄なんだから」
「そう言えば昨日も途中で寄った古本屋さんでご高齢の店主さんと連れのご婦人に生おっぱいをしつこく揉まれていたわよね。あれも気持ち良かったでしょう、直子?」

「あ、はい…」

「だったらこのかたたちにもお願いしなさい。直子がそのえっちなおっぱいをどうされたいのか」

「は、はい、どうか私のふしだらなおっぱいを強く乱暴に揉みしだいてもてあそんでください。乳首も捻ったり引っぱったり潰したり、ご自由に痛くしてください。私は痛いほど気持ち良くなるヘンタイですから」

 ずいぶん年下の方々から虐められると思うと、どうしようもなくからだが疼き、自分の素直な願望がすんなり口から出ていました。

「だってさ。そういうことだからご自由にどうぞ」
「あ、それから直子に、さん、なんていう敬称は一切不用だからね。年下だからって遠慮しないで呼び捨てにして。そのほうが直子も悦ぶし、さっきもいったようにこの場で直子は最下層のマゾドレイなのだから」

「そういうことなら触らせてもらおーっと」

 メガネの彼女さまが後ろ手妄想手錠な私の前に進み出て、私の左おっぱいめがけて右手を伸ばされます。
 私の顔を見てスッと細くなったまなざし、間髪を置かずその右手五本の指が私の左おっぱい肉全体にむんずとめりこみます。

「はぅんっ!」

 その強烈な刺激に思わず淫声をあげてしまう私。
 メガネの彼女さまの右手はそのまま乱暴に結んで開いてをくりかえされています。

「ちょっとヤバいって、この感触。やわらかくって超気持ちイイ。ねえ、直子ってバスト何カップ?」

 お姉さまからのお言いつけを即座に守られて呼び捨てになられるメガネの彼女さま。
 年下の高一女子さまから呼び捨てにされ、ゾクリともう一段性感が上がってしまう私。

「あーっ、あんっ、し、Cの、な、70です、んぅーぅっ!」

 左おっぱいを執拗に揉みしだかれながら息も絶え絶えにお答えします。
 カップもアンダーも低めに言ってしまったので、お姉さまが瞬間ギロリと私を睨みました。

「ほら、あなたも遠慮してないで触ってみない?」

 取り憑かれたように私の痴態を撮影されているポニーテイルの彼女さまにお姉さまがおやさしくお声をかけられます。
 一方で今の状況に夢中になられているメガネの彼女さまは、うわっ、凄く硬くて熱くなってる、とかおっしゃりながら、私の左乳首を引っ張ったり捻ったり。
 その不器用でご遠慮の無い荒々しい愛撫が私には新鮮で、グングン快感がせり上がって来ています。

「あ、いえ、わたしは…」

 ポニーテイルの彼女さまがお顔を真っ赤にされて少し後退られます。
 それでもレンズは私に向けてしっかり撮影は続行されて。

「ちぃちゃんも触らせてもらいなよ。すっごくやわらかくて、でも乳首だけはすっごく硬くて熱くてヘンな感じだから」
「それに近くで見るこの人の悶える顔と声がすっごくやらしくてえっちで面白いよ」

 ポニーテイルの彼女さまは、ちぃちゃん、て呼ばれているみたい。
 メガネの彼女さまからの援護射撃で後退られたぶんだけお戻りになり、カメラを構えられたまま今度はジリジリと私のほうへと近づいてこられるポニーテイルの彼女さま。

「こんな機会ってそうは無いから、演劇部なら何事も経験してみなきゃ」

 お姉さまの励ますようなお言葉が決定打となり、ポニーテイルの彼女さまが左手をおずおずと私の右おっぱいに伸ばされてきます。
 カメラも向けたままなので近づかれたぶん、私のおっぱいがドアップで録画されていることでしょう。

 ポニーテイルの彼女さまの左手が私のおっぱいに触るか触らないかのところでピタリと止まり、そのまま私の顔を思い詰めたようなお顔で見つめてきます。
 メガネの彼女さまが奔放に捻り潰される私の左乳首への甘美な痛みに顔を歪めながら、ポニーテイルの彼女さまを見つめ返します。

「あの、本当にこういうこと、好きでしているんですか?脅されてるとか何か弱味を握られて仕方なくとかではなくて…」

 小さなお声ですがご真剣なお顔できっぱりと尋ねられます。
 ポニーテイルの彼女さま、とても真面目でお優しく正義感の強いご性格のかたなのでしょう。
 今、眼の前でくり広げられている非常識な痴態が未だに信じられなくて、どうしても確かめずにいられなかったのでしょう。

「はい、全部私がして欲しいことなんです。それをお姉さまに頼んでしていただいているんです。だからどうぞご遠慮なさらずに直子をいろいろ辱めてください」

 私も真摯に正直にお答えしたのですが、ポニーテイルの彼女さまが生真面目過ぎるぶん、私の異常さ変態さがより鮮明に浮き彫りとなり、却って私の被虐感も増してしまいます。
 ポニーテイルの彼女さまは私のご返答に一応ご納得されたらしく、寸前で止められていた左手を私の右おっぱいに密着させてくださいました。

「わ、本当にやわらかい…」

 右手のカメラのレンズをご自身の左手下の私の右おっぱいに向け、思わず感嘆のお声をあげられたポニーテイルの彼女さま。

「でしょでしょ。揉んでると手のひらが溶け込んじゃいそうだよね」

 メガネの彼女さまのご感想に促されるように、ポニーテイルの彼女さまの左手がぎこちなく動き始めます。
 左おっぱいへの乳首をも含む乱暴な蹂躙と、右おっぱいへの遠慮がちにやわらかな愛撫。
 ふたつの異なった快感がおっぱいから全身へと駆け巡り、膣奥の粘膜にキュンキュン蓄積されていくのがわかります。

「…んんっ、んぅぅーっ、あんっ、あぁんっ、ぬぅぅーっ…」

 我慢しようとしているのにどうしようもなく漏れ出してしまう私の淫ら声。
 メガネの彼女さまが相変わらずお手を激しく動かしながら、冷たい瞳で私の顔を見つめています。

「だいぶ暖まってきたみたいだから、もうすぐね。あなたたち、悪いんだけれどちょっと重点的に乳首を虐めてやってくれない?強く引っ張ったり潰したり、指で小刻みに弾くだけでもいいから」

 お姉さまからのお願いに即座にご反応されたのはメガネの彼女さま。
 左乳首を指でギュッと摘まれ、引っ張ったと思うと乳首を摘んだままおっぱい全体が揺れるほど上下左右に揺さぶられたり。
 指と指のあいだに乳首を挟んだままおっぱいを揉みしだかれたり、急に爪を立てられて乳首の側面をカリカリひっかかれたり。

「んんぅん、あんっ、だめだめっ、それいいっ、ああぁぁーーんっ!」

 ポニーテイルの彼女さまは右乳首の側面に人差し指と中指を添えて、その指をテンポ良く交互に動かして乳首を弾きつづけています。
 まるでピアノのトリルのよう。
 絶えず転がされつづける私の右乳首はますます熱く硬く尖り、その心地良い快感におっぱい全体が包まれます。

「ああんっ、いいっ、あんあんっ、もう、もう、それ以上されたらっ、あんっ、イっちゃいそうっ…」

 はしたないのでお聞かせしたくないのにダダ漏れてしまう私の淫ら声。
 左右の乳首からの異なった快感が胸の奥でひとつに交わり、お腹を抜けて両腿の付け根付近を強烈に疼かせつづけます。
 弄られてもいない膣奥がジンジン痺れ、波のような気持ち良さが波紋のようにからだ全体へと広がります。

「あーんっ、だめだめだめーっ!んんぅぅぅ、いいぃぃぃーーーっ!!!」

 立ったままの下半身がビクンビクンと二度三度大げさに跳ねて、極狭ショーツから溢れ出た愛液がだらだらと内腿を滑り落ちています。
 私、見知らぬ女子高生おふたりに生おっぱいを弄られただけでイかされてしまいました。
 膝から崩れ落ちてしゃがみ込んでしまうような醜態は晒さずに済みましたが、凄まじい快感の余韻がからだ中を駆け巡っていました。

「これが俗に言う乳首イキね。おっぱいへの刺激だけでオーガズムに達しちゃう、上級ドマゾだけが出来ちゃう高度な変態ワザ」
「そう言えばここに来る前に寄った温泉宿でも営業中のフロントで、綺麗な若女将さんにおっぱいだけ弄られて、男女含めて数人の従業員さんの目の前で呆気なくイキ果てていたのよ、この直子っていう変態さんは」

 ご冗談めかしてご陽気におっしゃるお姉さまなのですが、私のおっぱいから手を離されたおふたりはただただ唖然。
 私から一歩二歩退いた場所で肩を寄せ合い、イッたばかりでまだハアハアしている私の顔を呆然と見つめるばかり。
 ポニーテイルの彼女さまは右手のビデオカメラの存在も忘れられてしまわれたようで、だらんと伸ばされた右手の先で土の地面を録画されているようでした。

「ひょっとしてあなたたち、女性が本気でイっちゃっている姿を見るの、初めてだった?」

 からかうようなお姉さまのお問いかけにも、おふたりはお顔を紅潮させて恥ずかしそうにうつむくばかり。

「あなたたちの年ならマスターベーション、ひとりえっちくらい経験済みでしょ?」

 いたずらっぽく微笑むお姉さまに、ますますお顔を赤らめられてうつむかれるおふたり。
 しばらく笑顔でお応えを待たれていたお姉さまでしたが、急にハッとしたお顔に変わられて慌てられたようにお言葉を足していかれました。
 
「ごめんなさいね、ノーコメントなのは無理もないわよね。今日たまたま会っただけの見知らぬ女から急に、オナニーしているのかなんて聞かれても余計なお世話で答える筋合いはさらさらないものね。これはあたしのデリカシーが欠けていたわ。本当にごめんなさい」

 深々と頭をお下げになるお姉さま。
 おふたりもまだ少し困惑されているようですが、火照ったお顔を上げてお姉さまを見ています。
 ポニーテイルの彼女さまが右手のビデオカメラの存在にあらためて気づかれたのか、慌てて私にレンズを向けてきました。

「だったら直子をさっさと素っ裸にひん剥いて、直子のからだで女の子が気持ち良くなれるノウハウをいろいろレクチャーしてあげる。でもまあ直子は特別に感じやすい変態だから、あまり参考にはならないかもしれないけれどね。でも絶対面白い見世物にはなるはずよ」

 お姉さまがフレンドリーにおっしゃると、おふたりにも笑顔が戻りました。
 チラッとご自分の腕時計を見られたお姉さま。

「もう一時前か。あなたたち二時から部活って言ってたわよね。時間は大丈夫?」

 お姉さまがお尋ねになるとお応えくださったのはメガネの彼女さま。

「あ、二時集合って言っても、いつも、とくに上級生とかはダラダラ遅刻して集まって雑談とかしているだけですから、三十分くらいは遅れても大丈夫です。ここから学校まではチャリで飛ばせば15分くらいですし」

 メガネの彼女さまのご説明をポニーテイルの彼女さまが補足されます。

「通し稽古は顧問の先生が来る三時過ぎからの予定になってたしね。それに、ここから学校まではほとんど下り坂だからチャリも飛ばせるんです。逆に来るときは上り坂で大変だったけど」

 ポニーテイルの彼女さまが明るく笑われると、メガネの彼女さまがまとめられます。

「だから二時頃にここを出れば楽勝です。わたしたちもその面白い見世物っていうのをぜひ見てみたいので、よろしくお願いします」

 今度はおふたりのほうがお姉さまに頭を下げられます。
 いつの間にか生真面目だったはずのポニーテイルの彼女さままで積極的になられているご様子。
 
「それじゃあ、あそこに直子を虐めるのにぴったりな面白そうな物があるから、あそこに移動しましょう」

 お姉さまが校庭の金網寄りの一画を指さされながら、ニヤッと笑われました。


2024年5月25日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 05

「そういうことなら、あたしたちもお弁当持ってきているからさ、みんなでランチタイムにしない?食事って大勢で食べたほうが美味しいし」

 明るく振る舞われるお姉さまのツルの一声で見知らぬ同士のお食事会があっさり決まり、庇の下のベンチ横にお姉さまご持参のシートを敷いて車座になって座り込み、ピクニックランチが始まりました。

「飲み物もたっぷりあるから、遠慮しないでどんどん飲んでね」

 お姉さまのお声にご反応されたのはポニーテイルの彼女。

「助かります。コンビニで飲み物も買ったんだけど歌うと喉乾くからじゃんじゃん飲んじゃって。菓子パンに飲み物無しはキツイなーって思ってたんです」

「あそこの水道、飲めるのかなー、なんて言ってたよね」

 すぐそばに、たぶん手洗いや校庭への水撒き用として腿くらいの高さに立っている、いかにも古そうな錆だらけの水道の蛇口を指さされて笑うのはメガネの彼女。
 笑顔になられると一層あどけなさが強調されます。

 幸いプラコップもたくさん入れておいてくださったので、まずはおのおのの好きな飲み物を入れてカンパーイ。
 私たちのお弁当は基本的に一昨日夜、名塚先生にお出ししたサンドイッチ類と具材は同じでしたが、クーラーボックスに入れていたぶんしっとりひんやりしていて、暑い陽射しの屋外で食べるといっそう美味しく感じられます。
 菓子パンふたつづつの女の子たちもご自分のを召し上がれた後、勧められるままにお手を出され、美味しい美味しいとパクつかれていました。

 そんなリラックスしたランチタイムの最中にお姉さまが巧みな話術で聞き出された情報。

 メガネの彼女が幼少期にこの近くに住んでおられ、うんと小さいときには、すでに廃校だったこの校庭でその頃のお友達と一緒に遊んでおられたそう。
 その当時は自由に出入りが出来て、別に管理されているようなご様子も無かったとのこと。
 ポニーテイルの彼女とメガネの彼女は小学校からのご学友で、メガネの彼女がここのご近所から別の町にお引越しされたのは小学校ご入学の前。
 中学では同じ学校に通ったものの三年間別々のクラスだったので徐々に疎遠になってしまったこと。

 高校ご入学で同じ部活に入られたことで再会され、急速に仲良しが復活されたこと。
 メガネの彼女がここのことをふと思い出され、ポニーテールの彼女を誘ったらすぐに乗ってこられて春以来、学校が休みの日に月2、3回はここに忍びこんでいるとのこと。
 ここに来るようになって自分たち以外の人に出会ったのは、お姉さまたちが初めてだということ、などでした。

 主にお話されているのはお姉さまとポニーテイルの彼女。
 私とメガネの彼女は相槌を打ったり、同意を求められてお返事したり程度ですが雰囲気は和気藹々としています。
 ただ、ときどき彼女たちおふたりの視線が私の首輪をチラ見してこられます。

 お姉さまとふたりだけにしては多すぎるなと思えたサンドイッチやフルーツもキレイに食べ尽くされました。
 恐るべし高校部活女子のご食欲。
 2リットル以上もあった飲み物も底が見えて、みなさまがまったりまどろむ頃。

「ごちそうさまでした。サンドイッチもメロンもすごく美味しかったです。ひょっとしてどこか有名なお店で買ってきたんですか?」

 お礼を言ってくださったのはポニーテイルの彼女。
 うんうんとメガネの彼女も頷かれています。

「ううん。あたしたちが泊まっている別荘の管理人さんの手作り。でもそんなに喜んでもらえたらあたしたちも嬉しいなあ。バッチリ伝えておくね」

 お姉さまが満面の笑みでおっしゃってから、ちょっとイタズラっぽいお顔に変わられます。

「ご馳走した代わり、って言ったらズルいけど、あなたたちの歌、もう一度聞きたいな。すっごく綺麗だったから今度は間近で」

 屈託ないお姉さまのリクエストに、えーっ!とハモられ、みるみる赤くなって照れ笑いを浮かべられるおふたり。

「あなたたち演劇部なんでしょ?だったらいずれお客さんの前で歌うことになるじゃない。場馴れしなきゃ。あたしたちが一番最初のお客さんになってあげる」

 励ますようにおやさしくおっしゃるお姉さまのお言葉に、おふたりで急遽コソコソなにやらご相談。
 まとまったみたいで、おふたりともその場に立ち上がられ、ポニーテイルの彼女がお一言。

「だったら、お礼の意味も込めて一番だけ、やります」

「おーけー」

 お姉さまが即答されパチパチパチと大きな拍手。
 もちろん私も一緒にパチパチパチ。

「んーーーー…」

 最初にソプラノのハミングで音程を取るようです。
 私の予想に反して高いほうのソプラノはメガネの彼女でした。
 そこにポニーテイルの彼女の、んーーー、という低めのハミングが綺麗にハモりました。

「ざーあいん、くなーばいん、るーすらいんしゅてぃん…」

 ハミングが途切れると唐突にお歌が始まります。
 主旋律はメガネの彼女、そのたぶん三度下をポニーテイルの彼女が綺麗にハモっていきます。
 近くで聞くとおふたりのお声それぞれに艶があり、ぴったりと寄り添って進んでいく感じ。
 知らずにまた遠くの青空に目線を走らせているうちにワンコーラスがあっさり終わってしまいました。

 パチパチパチ…
 お姉さまと私で渾身の大拍手。

「素晴らしー、バラスーシ。ねえねえあなたたちって絶対音感とか持っているの?」

 お姉さまがご興奮気味にお尋ねになります。

「あ、ふたりともそんなの無いと思いますけど…」

 照れたようにお顔を紅潮させられてお応えになるポニーティルの彼女。
 しばしの満ち足りた沈黙の後、メガネの彼女がポツンとおっしゃいました。

「お姉さんたちはモデルさんとかタレントさんだったりするんですか?」

「なんでそう思ったの?」

 お姉さまが否定も肯定もされず、逆にフレンドリーに聞き返されます。

「だっておふたりともお綺麗だし、こっちの人は首輪なんかしちゃって普通ぽくないし、そのバッグの中にビデオカメラが見えたから、後から撮影隊の人なんかも来て何かこう、そういうビデオの撮影でもするのかなー、なんて」

 メガネの彼女がときどき宙に目を泳がせられながら、考え考えお言葉を紡いでいます。

「綺麗って言われて嬉しいんだけれど、残念ながらあたしたちはタレントとかじゃもちろんなくて、近くの別荘に遊びに来ているただの観光客」
「でもここでこの子をモデルにしてビデオを撮ろうかなと思っているのは当たり。あたしが撮るんだけどね、ただのプライベートな趣味として」

 お姉さまがバッグからビデオカメラを取り出されながおっしゃいます。
 カメラのベルトを右手に嵌められてレンズを彼女たちに向けながら、唐突に大きなお声をお出しになりました。

「あー、失敗したーっ!さっきあなたたちが歌ってくれたのも撮っておけばよかった。いい旅の思い出になったのに…」

 照れ笑いを浮かべられる彼女たちを撮影しつつ、悔しそうなご表情を作られるお姉さま。

「ねえ、申し訳無いんだけど、もう一回だけ歌ってくれない?」

 本当に申し訳無さそうにビデオカメラを嵌めたままの右手と左手を合わせられ拝むような仕草。
 おふたり、しばしお顔を見合わされ戸惑ったようにされていましたが、すぐに、

「いいですよ。誰かに見られていたほうが緊張感があって練習になるし、わたしたち、人前に出てこその演劇部員ですから」

 ポニーテイルの彼女が笑いながらあっさりおーけーしてくださいました。

 もう少し明るいところで撮ろうと庇から出て青空の下、お姉さまのレンズがおふたりを真正面から狙われています。
 庇から出ると太陽燦々、校庭特有のお砂混じりな土の上に二対二で向き合います。
 さっきみたいにハミングからお歌へと入られ、美しすぎるハーモニーが青空へと消えていきます。
 さっきよりも一層お声に艶が増しているみたい、と思っているうちに一番が終わり、私たちは盛大な拍手。

「ありがとう。この夏の素敵な思い出がひとつ増えたわ」

 お姉さまはカメラを構えられたまま右腕の手首付近に左手を打ちつけて拍手されていました。
 あれだと拍手の音が大きく録音されてしまうし、手ブレもひどそう。

「あなたたちって、ハモりもピッタリ寄り添っているみたいで、歌っているときも頻繁に視線交わしててすっごく仲良さそうなんだけど、ひょっとして普段から百合なご関係なのかしら?ガールズラヴ的な意味の」

 お姉さまがカメラを下ろされ、イタズラっぽいお顔になられておふたりに尋ねられます。
 おふたりとも一瞬、虚を衝かれたようなお顔になられ、すぐにおふたりとも頬が赤く染まりました。

「ち、ちがいます!」
「そんな感じです」

 おふたりの声がほぼ同時に重なりました。
 大きなお声で、ちがいます!と言い放ったのはポニーテイルの彼女。
 普通のお声で、そんな感じです、とおっしゃったのはメガネの彼女。
 ポニーテイルの彼女のほうだけ、まだお顔が上気されています。

「あれー、意見が割れちゃったねー。でもまあ深く追求はしないであげましょう」

 お姉さまがご愉快そうにおふたりを眺められ、こうつづけられました。

「あたしたちはね、レズビアンなの。あたしとこの子はね、心もからだも深ーく愛し愛され合っているの」

 なんて嬉しいお言葉。
 でも彼女たちおふたりのお顔は、呆気に取られたような驚愕のご表情。

「あ、でも誤解の無いように言っておくと、この子はこう見えてちゃんと成人しているからね。今日のこの格好はすごく幼く見えるけれど、ここの、学校っていうシチュエーションに合わせて着せたコスプレだから。ちゃんと大人の女性同士として愛し合っているの」

 相変わらずの笑顔で明るくおっしゃるお姉さま。

「へー、そうなんですか…」

 ポニーテイルの彼女がお独り言のようにポツリと返されます。
 おふたりの私たちを見るまなざしが驚愕から好奇心の側へと徐々に移り変わられているような気がします。

 このとき私は、お姉さまがこのおふたりを巻き込まれて私を辱めるおつもりだな、と察しました。
 見知らぬ年下の女性たちの前で、という状況に、私の被虐心がムラムラ疼き始めています。

「それに加えてあたしたちはSMの関係でもあるの。あ、SMって知ってる?」

 お姉さまがお尋ねになると、メガネの彼女さまがおずおずとお応えくださいます。

「虐めたり虐められたりするえっちな関係のことですよね?…縄で縛ったり鞭でぶったりして…」

 何となく恥ずかしそうに言いづらそうにお応えくださるメガネの彼女さま。
 ポニーテイルの彼女さまのほうは、ポカンとお口をお開けになって、未だ信じられないというご表情。

「そう、正解。じゃあ、あたしとこの子、どっちがM、エムのほうがマゾっていう虐められる側なんだけど、どっちがMだと思う?」

 フレンドリーなお姉さまのお尋ねに、おふたりとも無言で私のほうを指さされました。

「だって首輪なんて着けちゃってるし」

 なんとなく上から目線を感じさせるメガネの彼女さまのつぶやき。

「正解。でもね、SMの関係には愛が必要なのよ。ただのいやがらせみたいに相手の嫌がることして虐めるのはただのイジメ。SMっていうのは相手のして欲しいことを愛情込めて察してあげて、お互いに気持ち良くなることが重要なのね」
「Mの人っていうのは、痛いのだったり恥ずかしいめに遭わせられるのが好きだったりするんだけど、それをよく理解してあげて、Mの人が自分でもコントロール出来ないどうしようもない願望を一番気持ち良く感じるような状況に追い込む感じで采配するのが、Sの人のほうの醍醐味であり快感でもあるのよ」
「そんな感じだからあたしたちは…」

 お姉さまの立板に水のご説明がふと途切れ、ビデオカメラを右手から外されたお姉さまがポニーテイルの彼女さまに近づかれて、そのカメラを手渡されます。

「あなた、センス有りそうだからこのカメラでこれからあたしたちがすることを撮影してくれない?使い方わからなくても録画ボタンはもう押してあるから、あなたの思った通りにレンズ向けるだけでいいから」

「あ、大丈夫です。わたし、よく舞台稽古も撮っているし、このカメラってママの、あ、いえ、母親が使っているのと同じメーカーみたいだから」

 突然、撮影役にご任命されたポニーテイルさまが照れ笑いされながらも、レンズをこちらに向けて液晶モニターを覗き込まれます。
 レンズが正しくこちらに向いていることをご確認され、お姉さまがやおら私を抱き寄せてくださいました。

「だからあたしたちは、こんなことも…」

 おっしゃってから私の顎に右手を添えられ、私の唇をご自分の唇で塞がれたお姉さま。
 お姉さまの長い舌が私の口腔に侵入してこられ、私の舌が捻じ伏せられます。
 同時にお姉さまの両腕に私の背中が締め付けられて、息も出来ないほど抱きすくめられます。

 数秒間の熱いくちづけが離れて、私の口からはよだれがダラダラ。
 セーラー服の白い布地を汚してしまいました。
 構わずにつづけられるお姉さま。

「それから、こんなことも出来るのよ」

 抱擁の状態から一転して、私から一歩退いたお姉さまの右手が一閃。
 パチンパチンと小気味良い音を響かせて私の左頬、右頬への往復ビンタ!
 一昨日に名塚先生からいただいた強烈ビンタほどではありませんでしたが、かなりの本気ビンタでした。

「キスもビンタも、この子がして欲しいと思っているからしてあげるの。そうよね、直子?」

 あっさり私の名前をバラしてしまわれるお姉さま。
 久々に名前を呼ばれて、なぜだかビクンと震えてしまう私。

「は、はい…」

 お姉さまに必要とされていることが嬉しくてニヤけてしまいそうな顔を無理矢理引き締めて、殊勝そうにうつむいて応える私。
 好奇心で目を爛々と輝かせているメガネの彼女さま。
 固唾を呑んで、思い詰めたようなご表情でビデオカメラの液晶モニタを覗かれているポニーテイルさま。

「あら、ちょっと引かれちゃったみたい。そんな深刻なことじゃないのよ。あたしたちはこれで愉しんでいるのだから」
「この子は甘いキスも、ほっぺたやお尻を思い切りぶたれるのも、どちらも大好きなのよ。もちろんやっているあたしもね」
「だからこの子には飴と鞭は通用しないの。飴も鞭も、辛いお仕置きだって全部がご褒美になっちゃうから」

 あくまでフレンドリーなお姉さまが、主にポニーテイルさまに向けて語りかけていらっしゃいます。

「そうだ、びっくりさせちゃったお詫びとして、あなたたちにこの子の裸、見せてあげようか?」

 今度はメガネの彼女さまに向けてニヤニヤ笑顔でご提案されるお姉さま。

「えーっ、そんなこと言って、次はわたしたちの裸も、なんて言われても嫌ですからねー」

 メガネの彼女さまがご冗談のように返されます。
 メガネの彼女さまはどんどんノッてこられたようなご様子。

「ううん、そんなこと絶対に言わないわ。なぜならこの子、あ、ちゃんと紹介していなかったわね。森下直子っていうんだけど、直子は誰かに自分の恥ずかしい姿を視られるのが大好きだから。今だって恥ずかしい格好になりたくてなりたくてウズウズしているはずよ」

「へー、露出願望もあるヘンタイさんなんだー」

 お姉さまがメガネの彼女さまのお顔を笑顔で見つめられ、うんうんと嬉しそうに頷かれています。
 お姉さまとメガネの彼女さま、すっかり意気投合されちゃったみたい。
 本名の姓までバラされて私の恥ずかしさも一段ヒートアップ。

「そうよね、直子?」

 お姉さまから同意を求められて思わず、は、はい、とお応えしてしまう私。

「だったらちゃんと自分でおふたりにお願いしなければ駄目じゃない。私の恥ずかしい姿をどうぞじっくり視てください、って」

 左頬に本気ビンタを頂きながら叱責される私。

「は、はい…よ、よろしければどうぞ、私の淫乱でだらしないからだを思う存分隅々までご覧になって、ヘンタイとさ、蔑んで笑ってください。お、お願いします…」

 いやらしくへりくだった言葉を自分で口に出しながら、マゾマンコの奥がキュンキュン疼いています。
 私、見知らぬ年下の高校一年生女子の方々の慰み者になってしまうんだ…

「淫乱てわかるよね、いやらしくてどスケベなこと。まったくこの直子は、命令しているあたしのほうが恥ずかしくなるくらいのど変態なんだから」

 苦笑いなお姉さまと、好奇のまなざしに嗜虐的な色が混ざりつつあるメガネの彼女さま。
 ポニーテイルさまはただただ食い入るように液晶モニタを覗かれています。

「それじゃあまず手始めに、自分でスカートを捲り上げて、ど淫乱な直子の下半身がどんな状態になっているのかを視ていただきなさい」

 私にご命令くださると同時におふたりにもご説明を加えられるお姉さま。

「この子のアソコってスゴイのよ。まあ視てもらえばわかると思うけど」

 お姉さまに促され、自分のプリーツスカートの裾を両手で掴み、ソロリソロリと持ち上げていく恥ずかしさ。
 やがて両手が自分のおへその上まで持ち上がると、どこから取り出されたのか木製洗濯バサミをおふたつ差し出されるお姉さま。

 これでスカートの裾をウエスト部分に留めて、捲り上げっ放しな状態にしなさい、という意味でしょう。
 ご命令通り洗濯バサミを取り付けた後、自然と私の両手が自分の後頭部にいってしまいます。

「うわっ、凄いちっちゃいパンツ…それに毛がない」

 すぐに素直なご感想をお口に出されたのはメガネの彼女さま。
 ポニーテイルさまも食い入るように液晶モニタを覗き込まれてから、お顔だけ上げられて実物と見比べていらっしゃいます。

 恥丘丸出しでかろうじて割れ始めからが隠されている私のマゾマンコ。
 もし後ろを向けばお尻の穴さえ丸出しです。
 必要最低限のお仕事しかしてくださらない水色のブーメランショーツさま。

「そうね。本当に破廉恥な下着だこと。その他に気がついた点はない?」

 お姉さまが本当に嬉しそうにメガネの彼女さまにお尋ねになられます。

「内腿の付け根のところだけパンツが大きく濡れて湿ってるみたい。ほら、布地の色がそこだけ濃くなってる」

 ズバリ的確なご指摘を突き付けてこられるメガネの彼女さま。
 好奇心丸出しなおふたりから浴びせられる熱視線に、私のだらしないマゾマンコはしとどに濡れそぼってしまっています。

「なんで濡れているのかはわかるわよね?こんなに恥ずかし過ぎることをやらされているのに、この子はそれが気持ち良くて愛液を膣奥から滴らせているの。本当にとんでもなく変態な見せる子ちゃんなのよね」

 五十嵐さまが角田さまに私を紹介されたときに付けられたニックネーム。
 お姉さまからのお言葉責めでますます広がる私の恥ずかしいシミ。
 お姉さまに呆れられ蔑まされ、性懲りも無く更にどんどん感じてしまう、私の円環の悪循環…


2024年5月18日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 04

 ここでお姉さまからハイソックスを穿くことを命じられました。
 ほとんど裸のからだを屈めてソックスを穿きます。

 ふくらはぎの三分の二くらいまで隠れる白いハイソックスを右、左と穿いていきます。
 下着というか水着というかインナーが布極小の超えっちな感じですから、白ソックスを穿くと妙にそこだけ学生度というか健全度が増して、ますます超えっちな感じになりました。

「セーラー服着るんなら靴下も三つ折りにしたほうが、より雰囲気が出るんじゃないかな?」

 お珍しく角田さまがご意見を述べられ、みなさま、それもそうだ、と即採用。
 五十嵐さまの手で足首のところまで三つ折りに折られ、女学生度がますます増して、えっちさに一層の磨きがかかります。

 卑猥なインナー姿から一転して、その上に着るのは清楚なセーラー服。
 かぶって着るものもあるようですが、そのセーラー服は前面の真ん中にファスナーが隠れていて、前開きで着る着脱が楽な仕様。

 私は中学、高校とブレザーだったので、制服としてのセーラー服を着たことはありません。
 記憶に残っているのは高校のとき、やよい先生、今はバーのママさまで当時はバレエ教室で私の担当講師だった百合草やよいママさま、としたえっちなロールプレイング遊びでコスプレしての学園調教ごっこでしたから、セーラー服イコールえっちなイメージのほうが大きい感じ。
 今回もこれからそうなりそうですけれど。

「あたし中学セーラーだったからさ。今でもまだ覚えているもんだね、三角タイ」

 膝上10センチくらいのプリーツスカートを穿いてから、スカーフはお姉さまが綺麗に結んでくださいました。
 お姉さまのセーラー服姿、ぜひ拝見したいです。

 すっかり身なりが整うとみなさま一斉に、あらかわいい、一気に幼くなったね、まあ二、三年前までは高校生だったんだし、等々ご感想の嵐。
 お姉さまが私の姿を満面の笑みで眺めながらおっしゃいます。

「ここまで可愛いと髪もいじって、もっと可憐にしてあげたくなるわね」

 椅子に座らされ、お姉さまの手が私の髪に触れてきます。

「うーん、三つ編みおさげにするにはちょっと長さが足りないかな。でもまあ上のほうから編み込んでカチューシャみたいにしたらもっと子供っぽくなってより可愛いかも」

 お姉さまが側頭部の髪の毛を弄り始め、ゴムやヘアピンを駆使されて、ものの数分で前髪ハラリの編み込みカチューシャ風が出来上がったようでした。

「確かに可愛いけどさ、一気にジェイシーまで若返ってかなりロリめでヤバくない?あんな水着を下に着せてるんだから、どうせセーラーもすぐにはだけさせちゃうんだろうし」

「見た目が幼くなった分ハンザイくささが増したよね。今だって首輪だけ違和感バリバリで、この子の不幸な結末しか見えない感じ」

 五十嵐さま中村さまの順で、半分からかうみたいに率直なご感想。
 寺田さまが笑いながら私の目前にクラシカルな装飾の施された手鏡をかざしてくださいました。

 鏡に映るのは、編み込んだ髪の毛で前頭葉の後ろめをカチューシャのように飾った軽い前髪な童顔の女子。
 首から下は可憐なセーラー服姿なのですが、首に巻かれたくすんだ赤い首輪がすべてをぶち壊していました。
 首輪をしていることでユーカイとかラチカンキン、ミセイネンインコウとかの単語がパッと頭に浮かび、ハンザイの匂いがプンプンします。

「いいのよ。どうせ誰に見られるわけでもないし、これから行くところにもぴったりな雰囲気じゃない。ご期待通りにハンザイくさい映像をたっぷり撮ってくるわ」

 お姉さまが余裕の笑顔でご意見をまとめられます。

「ここまでしたら足元も茶色のローファーで、ってなるけれど、さすがにそんなのは無いわよねぇ」

 お姉さまが笑顔のままおっしゃると、すかさずお応えになる寺田さま。

「あ、でも焦げ茶色のサンダルならあるよ、クロックス。あれなら見た目もローファーぽくない?出かけるときまでに出しといてあげる」

 いつの間にかお席を外されて厨房に通じるドアの向こうに入られていた中村さまが、大きな箱を提げて戻られます。

「はい、これがランチのお弁当。サンドイッチとフルーツだからクーラーボックスに入れといた」
「目的地も私有地内で自販機とかコンビニは無いから紅茶と緑茶の大きめなペットボトルも入れといた。少し重たいかもしれないけど」

 お姉さまのお足元に大きめなクーラーボックスが置かれます。

「それじゃあ寺ちゃん、車借りるね。イギリス車、運転するの初めてだから楽しみ」

 お姉さまがおっしゃると寺田さまが苦笑い。

「いやいや、ミニはとっくに買収されてて今はドイツ製だから」

「あ、そうなの?イギリス車だから右ハンドルじゃないの?」

「いやいや、輸出仕様車。そんなこと言ったらエミリーのドイツ車だって右ハンドルじゃない」

 おふたりで私にはワケの分からない会話をされて大笑い。

 お姉さまはボートネックでルーズフィットなスカイブルーのチュニックに黒のスリムジーンズ姿で、何やら詰め込んだ小さめなトートバッグを肩から提げられ右手にクーラーボックスを持たれ、私はスマホとローター一式だけを入れたポシェットをセーラー姿に斜めがけにして正面玄関へ。
 みなさまがぞろぞろと玄関まで見送ってくださいます。

「直ちゃんのはそれね」

 寺田さまのお言葉で足元を見ると焦げ茶色のサンダルがご用意されていました。

「確かにローファーに見えないこともないわね」

 おっしゃりながらお姉さまも裸足に真っ白なスニーカーを履かれました。

「ゆっくりふたりで愉しんでくるといいよ」
「あっちで撮った動画も楽しみにしてるから」
「さっきメールがあって、こっちに着くのは三時くらいになりそうだって」

 みなさま口々のお見送りのお言葉を背中に受けつつ快晴なお外に出ます。
 正門ではなく建物の裏手にある駐車場のほうへ。
 あらためて考えると駐車場に入るのはここに来て初めてでした。

 お車10台は優に駐められそうな長方形に舗装された一画。
 でも白線とかは引かれておらず、それでも整然とお車が前向きに並んでいます。
 お姉さまのお車、昨日乗ってきた五十嵐さまのお車、昨日の朝ジョセフィーヌさまのお散歩のときに出くわした寺田さまが運転されて名塚先生が同乗されていたお車。
 少し離れたところには、白くて可愛らしい感じのお車とスポーティな感じの大きなオートバイも駐められています。

 お姉さまは、昨日寺田さまと名塚先生が乗られていたオレンジ色で可愛い感じのお車に近づかれ、リモコンをピッ。
 お車のヘッドライトが瞬いてから後部右のドアを開けられ、お荷物を積み込みました。

「ほら、直子は助手席に乗って」

 お姉さまに促され助手席へ。
 私がシートベルトしているあいだ、お姉さまが眼前の計器類とにらめっこされていましたが、やがてどこかのボタンを押すとピッと電子音がしてブルルンとエンジンがかかりました。
 同時に何やら賑やかな音楽が耳障りではないくらいの音量で車内に流れ始めます。

「ボン・ジョビね。名塚先生、彼らの大ファンなんだって、あのお年で。この車には彼らのアルバムが全部入ってて、ドライブ中はボン・ジョビしか流れない、って寺っちが笑っていたわ」

 ボン・ジョビさまがどんな人?バンド?かまったく知らない私にとってはお役に立たない情報をお姉さまが教えてくださり、お車が滑るように走り始めます。
 半分開けた車窓から晩夏の陽射しと山間の爽やかな風。
 どうやら昨日ショッピングモールへ向かった道順と同じルートを辿るようです。

 お車内ではえっちなイタズラとかはまったくされず、今朝話題になった、先週ここを訪れたピアノのお上手なM女さま、私のピアノの先生でもあった大貫ゆうこさまに関するご質問責めでした。

 私が中学校の頃、実家のお庭で母たちと水着パーティをしたときにベージュの紐ビキニを着られて恥ずかしそうにしていたかた、高三の頃、そのかたのご自宅にレッスンで伺ったら恥丘まで見えるウルトラローライズジーンズでお出迎えしてくださったかた、とご説明すると、あ、その話なら聞いたことあった気がする、とお姉さまがおっしゃってくださいました。

 高三以降、ゆうこ先生、この呼名が一番しっくりくるので、こう呼ばせていただきます、のご印象が私の中で希薄になってしまったのには理由がありました。

 ゆうこ先生の音楽関係のお仕事がお忙しくなってしまい、東京へお引越しされて少し経った頃、確か梅雨が明けるかどうかの頃だったと思います。
 休日のリビングでまったりしていた私に夕飯のお買い物から帰ってきた母が、少し興奮気味に声をかけてきました。

「ねえねえ直ちゃん、この写真の女の人、大貫先生じゃない?」

 見せられたのは写真週刊誌の見開きページ。
 そこには、当時人気のあった男性アイドルグループのおひとりと、目のところに黒く目隠し線の入った妙齢の女性がスーパーかコンビニかで仲睦まじくお買い物する隠し撮り写真と、どこかのマンション入口へ肩寄せ合って入っていく横顔の写真がありました。

 その記事には、スクープ!人気アイドル、忍び逢うお泊り愛、なんていう見出しで、そのマンションは写真の女性作曲家が住んでいるところであり、その女性はアイドルグループの次の新曲の作編曲を手掛けることになっている、なんてことが書いてありました。

 なんでも母はお昼頃、見るともなしに点けていたテレビのワイドショーでこの記事が紹介されて興味を持ち、お買い物のときにわざわざ書店さんに寄って写真週刊誌を買ってきたそうです。

 母はなんだか自分のことのようにウキウキして、ゲーノー界はすごいわよね、なんて言ってはしゃぎ気味でしたが、私は大ショックでした。
 私も、ゆうこ先生がそのアイドルに曲を書くらしいということは学校の芸能通のお友達から聞いていたし、写真に映る女性が着られている七分袖のチュニックは私にも見覚えのあるものでした。
 写真の女性はゆうこ先生に間違いありませんでした。

 母には気落ちを悟られないように気を遣いつつ夜、自分の部屋でひとりになってから落ち込みました。
 裏切られた気持ちでした。
 東京に行った途端に、そんな芸能人とチャラチャラされて、という妬みのような反感もあったと思います。

 でも考えてみればゆうこ先生は一度は男性とも結婚されているし、レズビアン一筋というよりはバイセクシャルなのでしょう。
 ご自分でも女性に対するときはM、男性に対してはSとおっしゃっていたし。

 それでもこの仕打ちは私にとっては裏切り行為であり、とてもがっかりしました。
 ゆうこ先生とした、めくるめく夢のようなSMごっこが全部汚されたような気持ちでした。
 そんな感じで、私にとってのゆうこ先生とのあれこれは完全に過ぎた思い出と化し、私の中でゆうこ先生の存在感がどんどん希薄となっていったのです。

 たまに名塚先生の作品を読み返したときにお顔とお名前を思い出す程度。
 その頃は、その作品をどなたが書かれたかなんてことはまったく気にしていなかったのですが。

 だから今日、ゆうこ先生と立花レイカさまとのご関係がつづいていて、レイカさまのマゾペットのようなこともまだされていると知れて、すっごく嬉しくなりました。
 音楽の世界でご活躍されているようなのに、ちゃんと昔からのえっちな性癖も持続されているのが私の知っていたゆうこ先生らしくて。
 
 名塚先生の作品を教えてくださったゆうこ先生の近況を、名塚先生の別荘で聞くという偶然に、不思議なご縁を感じると共に世間て案外狭いなとも感じます。
 百合草ママさまのお店にも行かれているようなので、いつか再会出来るといいな、と思っています。
 
 そんなようなことをお姉さまにご説明していたら、お車が見覚えのあるところに出ました。

 昨日ショッピングモールへ向かう途中にあった、延々つづいていた森林が突然途切れ、草ばかり生い茂る平地。
 しばらく進むと、昨日私が、お寺か神社かな、と思った木造二階建ての大きめな建物が見えます。
 その道向かいの草ぼうぼうな空き地にお車が駐められてエンジンを切ると、ボン・ジョビさまの威勢の良い音楽もプツンと切れました。

「あの建物のところへ行くのですか?」

 お姉さまにお尋ねします。

「そう。ずいぶん前に廃校になった小学校跡なんだって」

 お姉さまがバッグの中を覗き込みながらお応えくださいます。

「なんだか廃校後に土地の権利関係とかがややこしかったらしくて、長年色々揉めた後なぜだかうやむやになって、ここらへん一帯を買い取ったったときに、学校も一緒にタダで付いてきたらしいの」

 お姉さまが笑いながらご説明してくださいます。

「校舎とか建物内の管理は新たに契約した別の人がやっているらしくて、整備してドラマや映画のロケにときどき貸し出しているらしい。アダルトビデオの撮影とかにもね」
「名塚先生はなんたって土地の所有者のおひとりだから、その関係者の敷地への出入りはもちろん自由、っていう話だったわね」

 お荷物の整理が終わったらしくトートバッグを手に取られたお姉さまがお車のドアを開けられます。

「直子のポシェットもあたしのバッグに入れといてあげるから、直子は手ぶらで着いてきなさい」
「今ちょうど12時だから、ピクニックみたく校庭でランチしてから、ふたりでゆっくり愉しみましょう。小学校跡ならブランコとか低い鉄棒とかもあるでしょうし」

 意味深なことをおっしゃいつつ、クーラーボックスを持たれて草むらをのんびり歩かれるお姉さまと手ぶらの私。
 太陽はほぼ真上に来ていますが爽やかなそよ風も吹いているので、蒸し暑さはほとんど感じない、まさにピクニック日和。

 お車で走ってきた道路を越えて、草だらけの道なき道を建物の正門らしきほうへと近づいているとき、そよ風に乗って女性のコーラスらしき可憐な歌声が小さく聞こえてきました。

「…りーすらい、りーすらい、りーすらいぅをー、りーすらい、あぉふでるはーいでん…」

 このお歌は、確かシューベルトさまの野ばら…
 でもメロディが三拍子だからウェルナーさまのほうかな…

 正門が近づくにつれてハッキリ聞こえ来る心地よいメロディ。
 伴奏なしのアカペラで、私の知っている日本語の歌詞ではなく、どうやら原語、確かドイツ語のようです。
 声量はそんなにないけれど、透き通るようにきれいなソプラノ二声のハーモニー。
 歌っているのはどうやらおふたりの女性のようです。

「…りーすらい、りーすらい、りーすらいぅをー、りーすらい、あぉふでるはーいでん」

 馴染のあるメロディの余韻が青空に溶けて、しばらく無音がつづきました。
 そのあいだも正門方向へ歩を進めていると、んーー、という綺麗なハミングが聞こえてきて、すぐに同じお歌の歌い出しのハーモニー。
 どうやらもう一度聞かせていただけるみたい。

 お姉さまがバッグからビデオカメラを取り出され、ゆっくり歩きながら撮影を始められます。
 レンズを向けているのは正門の方向。
 このメロディが流れている景色を記録として残したいと思われたのでしょう。

 綺麗…
 晴れ渡った青空に吸い込まれていくような歌声が心地よく、思わずお空を見上げてしまいます。
 いつまでも聞いていたい感じ。
 お姉さまはと見ると、カメラは正門に向けたままお顔を心持ちお空に上げられて、歌声に耳を澄まされながら目を瞑っていらっしゃいました。

「なんか先客が居るみたいね」

 私のほうを向かれたお姉さまが嬉しそうにおっしゃいます。

「女の子ふたりみたいだし、これは面白いことになるかも」

 イタズラっぽく笑われるお姉さま。
 校門と思われる閉ざされた正門までやって来るあいだ中、ずっとそのお綺麗な歌声が聞こえています。
 お姉さまはお歌の区切りのよいところでカメラを下ろされ、再びバッグにしまわれました。

 正門には錆だらけだけれどご立派な鉄製で横開きの大きな門があり、ぴったり閉ざされています。
 関係者以外立入禁止、と太字で書かれた大きめのプレートが門の中央にドーン。

 そのまわりを敷地を囲んで低めで目の粗い金網が巡らされているのですが穴だらけで、優に人ひとりが通れるくらいの穴がいくつか空いていました。
 門のものものしさの割に人の出入りに対しては寛大みたい。
 その正門の前に、学生さんが好んで乗られそうなカラフルに洒落た自転車が二台停められていました。

 お姉さまは頑丈そうな正門脇にある人ひとりが通れるくらいの通用門ぽい鉄製のドアを律儀に鍵で開けられ、小学校跡の敷地内に入られます。

「ほら、一応ここの鍵も預かってきたからさ」

 照れたように笑われるお姉さま。
 つづいて私もそのドアをくぐります。

 敷地内、たぶん校庭だったと思われる部分は、どなたかがたまにお手入れをされているらしく雑草もまばら、ちゃんと地面が見える校庭然としています。
 校庭の片隅には幾つか高さの違う鉄棒や、三基のブランコ、ひとつは片方の鎖が切れていましたが、や、ぶら下がって遊ぶ雲梯みたいな器具も見えました。
 
 自分の目線を十メートルくらい先の校舎の入口であろう庇に覆われた一画に戻すと同時に、三番まで歌われたメロディの最後の一節が青い空に吸い込まれていきました。

「あ、ここって入っちゃいけなかったですよね、ごめんなさい、すぐに帰ります」

 庇のほうから知らない女性のよく通るお声がしました。
 あらためてそちらを見遣ると庇の下に置かれたベンチから慌てて立ち上がられ、こちらへ向かって大きくお辞儀をされるふたつの人影がわかりました。
 その人影たちがタッタッタとこちらに駆け出して来られます。

「管理の人ですよね?ここ、昔よく来てて遊んでて、ふと思い出して急に来たくなって、ごめんなさい。あ、金網に穴開けたのは誓ってわたしたちじゃありません。すぐに出ていきますんで…」

 学校指定らしい、半袖で下は膝までの短パンなえんじ色のお揃いジャージを身に着けた学生さんぽい女の子おふたり。
 おひとりは、私と同じくらいの背格好で活発そうなくっきりしたお顔立ちのひっつめ髪なポニーテイル。
 もうおひとりは、ポニーテイルの子より少し背が低く、耳出しのマッシュ気味なショートヘアに淡いグレーなボストン風セルフレームのメガネがよくお似合いな、お勉強出来そうなタイプ。
 
 おふたりともお顔のタイプは違いますが小顔でお目々パッチリ、まだあどけなさも残る美人さんたち。
 私たちに焦って喋っておられるのはポニーテイルさんのほう。

「いやいや、そんなに焦らなくていいから。あたしたちは管理人でもなんでもなくて、一応ここの持ち主の許可を得てここにピクニックしにきただけだから」

 あくまでフレンドリーに見知らぬおふたりをなだめられるお姉さま。

「それよりもあなたたちの歌声、すっごくキレイだったわよ。こう、青空に透き通って透明に溶け込んでいく感じで。あなたたちって合唱部か何か?」

 おふたりに安心感を抱かせつつ、なおかつ話題を拡げていく話術。
 お姉さまってば、こういうの本当にお上手で羨ましくなります。

 あっさり打ち解けられたおふたりからお姉さまが聞き出した情報によると、おふたりは近くの高校に通う一年生で演劇部所属、次の文化祭でご披露する劇で、おふたりがアカペラで歌われるシーンがあるとのことで練習されていたとのこと。
 
 今日は土曜日で学校はお休みだけれど、午後二時から部活の通し稽古があるので、早くからここに来て練習されていたそう。
 お昼も途中のコンビニでおのおの菓子パンを買われてここで済まされる予定で、その後自転車で学校へ向かわれるつもりだった、ということを安堵したお顔でスラスラとご説明くださいました。


2024年5月11日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 03

「ほら、直子の尻尾。洩れちゃったおツユや飛沫で毛並みがだいぶ汚れちゃったから、水洗いしておくといい。この天気なら日向に干せばすぐ乾くでしょ」

 自分の世界に入り込んで絶望していた私の前に、さも汚いもののように尻尾の先っちょを指先でつまんでぶら下げられた五十嵐さまがいらっしゃいました。
 私の鼻先に尻尾の濡れそぼって少し臭うプラグ部分がブラブラ揺れています。
 いつの間にかジョセフィーヌさまも私に寄り添うように私の背中側にお座りになられ、私の背中や脇腹を舐めてくださっています。

「ジョセのうんちも埋めといたから。ジョセがうちの服引っ張って、した場所を教えてくれたんだ。本当に賢い犬だよね」

 私も同感ですが、それについては何も応えられず五十嵐さまには心の中で感謝して、濡れたプラグ部分をかまわず手に握り、五十嵐さまから尻尾プラグを受け取ります。
 なんとか堪えていた私の目尻から涙が一粒二粒、溢れました。

「これからジョセと遊んであげるんでしょ?いつまでもくよくよしていないで切り替えなさい」
「けっこう飛沫が跳ねてたから直子のお尻も洗ったほうがいいし、一度東屋の水道のところに行こう」

 五十嵐さまに右腕を引っ張られ、のっそりと立ち上がります。
 芝生の上をおふたりと一頭に遅れがちになりながら、トボトボ歩いていきます。

「凄かった。この子が悲痛な声で絶叫したときには鳥肌立った」

 お珍しく角田さまが口火を切られて五十嵐さまに話しかけられています。

「うん。うちもある意味感動したよ。すべてをさらけ出してこそのマゾだし、直子もイイ線いってるよね」
「イッちゃってるマゾヒストって人権も放棄しちゃうらしいからね、自分で奴隷誓約書とか書いちゃって」

「あんな恥ずかし過ぎること出来るのはAVの女優だけだと思ってたから、現実に眼の前で生身の見知った女子が凄いことしてて、驚いた」

「マゾヒストってたぶんそれぞれに香ばしい被虐願望を持ってるんだろうけど、たいていは頭の中で人知れず妄想するだけで、実行まで出来る人ってそうはいないよね」

 褒められているのだか、からかわれているだけなのかわからないおふたりの会話を聞きながら、水道のお水でお尻を洗います。
 冷たいお水が気持ちいい。
 尻尾プラグも丁寧に水洗いして、東屋の軒先に洗濯バサミでぶら下げました。

「凄いもの見た動揺と緊張が解けたせいか、お腹空いちゃった」

 角田さまがお独り言のようにポツリとおっしゃいました。

「ああ、もう九時近いんだ。うちらは戻って朝食にしよっか」

 五十嵐さまがご自分のスマホで時刻を確認され、角田さまにお応えされます。
 それからタオルで身体を拭っている私のほうを振り向かれます。

「そういうことで、うちらは先にお屋敷戻って朝食いただくわ。直子はまだここでジョセとゆっくり遊んでっていいから」

 さっきまで角田さまがお持ちになられ、ずっと撮影されていたお姉さまのハンディビデオカメラを差し出しながら、五十嵐さまがおっしゃいました。

「あ、はい…」

 あっさりとした引き際に幾分戸惑いながらも、お姉さまのカメラを受け取ります。
 カメラを渡していただけたなら、ひょっとして今まで録画された映像も全部消せるかもと淡い期待を胸に秘めて。

「念の為に言っておくけど、さっきまで撮影したSDカードは抜いてここに持っているから。今入っているカードは64ギガの新品」

 五十嵐さまが左手のひら上にケースに入ったSDカードをヒラヒラお見せになりながら、とてもイジワルそうにおっしゃいました。
 私の思惑は一瞬で潰えました。

「それで直子のお姉さまはこうおっしゃったの。もしも直子より先に屋敷に戻るのだったらこう命令してくれる?ジョセと遊んだ一部始終をフィックスでいいから動画で記録して、あたしに提出しなさい。今日で最後だからね。三脚はバッグの中に入れておくから、って」

 五十嵐さまがあまり似ていないお姉さまの物真似も交えて、心底愉しそうにおっしゃいました。
 お姉さまがそこまでご指示されているということは、おふたりも最初から私がお浣腸されていることまで知っていたのかも知れません。
 もはやそんなことはどうでもいいことですが。

「それじゃあまた、後でね」

 五十嵐さまが笑いながらおっしゃり、角田さまも手を小さく振ってくださって、おふたりが手をつないで仲睦まじく広場を去って行かれます。
 ジョセフィーヌさまもおふたりのお背中をユラユラ揺れる尻尾で束の間見送っていらっしゃいましたが、見えなくなると同時に私に飛びついてきます。

 バッグの中を漁ると確かにビデオカメラ用の三脚が入っています。
 いつもフリスビーを行なう一画にバッグごと持って移動、ジョセフィーヌさまは私の足元にじゃれつきながら着いてこられます。
 
 幾分遠目から、立っていても寝そべっても画面の中心に私が映るように三脚のカメラを設置して録画開始。
 私の覚悟は決まっています。

「ジョセフィーヌさま」

 あらたまってジョセフィーヌさまのお名前をハッキリとした滑舌でお呼びします。
 お名前を正しく呼ばれて、その場にきちんとお座りをされ、尻尾をパタパタさせながら私を見上げるジョセフィーヌさま。
 私もその場にしゃがみ込み、ジョセフィーヌさまと同じ目線の高さになります。

「今日は私の都合で遊ぶのが遅れてしまい、申し訳ございませんでした」

 今度は芝生に両膝を着いて土下座の姿勢となり、ジョセフィーヌさまに深々と頭を下げます。
 ジョセフィーヌさまがどうされているのかは頭を下げているのでわかりませんが、裸の背中をペロペロ舐められている感触がします。

 長い土下座の後、頭を上げてゆっくりとしゃがみの体勢に戻り、目線を合わせます。
 被虐的な気持ちが心の中に溢れ返っています。
 ジョセフィーヌさまが目の前でまたお座りの姿勢になられました。

「お詫びのしるしとして今日は、じっくり私と遊んでください。いいえ、直子のからだを心ゆくまでもてあそんでください。何でもご要望通りに従い、決して逆らったりはしませんので…」

 マゾ度全開でジョセフィーヌさまに懇願します。

 とにかく滅茶苦茶にされたい気分でした。

 ゆっくりと立ち上がり、傍らのバッグからご愛用のフリスビーを取り出します。
 ジョセフィーヌさまは尻尾をブンブン振られ、ワクワクが抑えきれないご様子。

「ジョセフィーヌさま、フェッチです」

 青いフリスビーを青空に溶け込むように投げ上げます。
 嬉々として追いかけ始められるジョセフィーヌさま。

 そのご様子を目で追いながら、おやつペーストを手に取る私。
 今日のペーストはいつものより容量が一回り大きいみたい。
 味はジョセフィーヌさまが大好きなチーズ風味です。

 右手にこんもりと盛ったペーストを最初からマゾマンコにべったりなすり付けます。
 熱を持ったマゾマンコからプーンとチーズの匂いが漂うほどに。
 ジョセフィーヌさまに存分に愉しんでいただくために。

 フリスビーを咥えられて戻られたジョセフィーヌさまからフリスビーを受け取り、代わりにマゾマンコを差し出します。
 すぐにジョセフィーヌさまの長い舌が私の無毛な恥丘の肌に伸びて、撫ぜられ、ねぶられ、潜り込まれます。
 長い舌でラビアが掻き分けられ、肉芽が転がされ、膣穴が犯されます。

「あっ、あっ、あぁーんっ、もっと、もっとぉーっ…」

 マゾの服従ポーズな上半身をのけ反らせてグイッと突き出したマゾマンコを蹂躙していただく私。
 さっきまでのお浣腸我慢という残酷な公開処刑で、私のどうしようもないマゾ性は限界近くまで燃え滾っていました。
 ジョセフィーヌさまの触手責めのように絶妙な舌の愛撫に呆気なく、一度目のオーガズムに包まれました。

 二投目のときは、おっぱいや首筋、脇腹にもペーストを塗りつけます。
 もちろんマゾマンコにもたっぷりと。

 フリスビーを受け取り、差し出されたマゾマンコに飛び付いてこられるジョセフィーヌさま。
 押し倒されるように芝生に仰向けに寝そべり、ジョセフィーヌさまを迎え入れる私。
 
 おっぱいを下乳から揺すられ、尖った乳首を転がされ、首筋や脇腹を執拗に愛撫され。
 仰向けな私のからだに覆いかぶさるようにのしかかられ、私の発情したあちこちの性感帯が丹念に舐め上げられます。
 
 そして最後には、仰向けのまま両膝を立てて拡げた私の股間にお鼻先を突っ込んでくださるジョセフィーヌさま。
 自分の乳房を激しく揉みしだきながら、ジョセフィーヌさまの舌技にあんあん喘いで二度目の絶頂を迎えます。

 ハアハア息を荒くして投げた三投目の後は、さっき醜態を晒したお尻を重点的に責めていただくつもりです。
 お尻の割れ筋に沿ってベッタリとペーストを塗りたくり、もちろんおっぱいやマゾマンコにも。

 お戻りになられたジョセフィーヌさまに対して顔面支点で両膝を大きく割り、四つん這いならぬ三つん這いとなって高く掲げたお尻を差し出します。
 ペーストは割れ筋部分に多く溜まっていますから、そこを舐めていれば当然、その下の二つの穴部分も。
 
 前肢を私の尻肉に掛けられたジョセフィーヌさまが、大きく開いてさらけ出された私の膣穴とアヌスを下から丹念に舐めてくださいます。
 舐められるたびに尻穴と膣穴がヒクヒク蠢いてしまいます。

「ああん、いいっ、そこっ、そこをもっと、もっといたぶってくださいぃ…」

 左頬を芝生に埋めた私は両腕を背中で組んで、拘束された哀れな性的生贄に成りきって、両腿を更に拡げてジョセフィーヌさまの蹂躙を受け入れます。
 ふしだらな直子をもっと汚してください、穢してください、貶してください、辱めてください…
 被虐度マックスで三度目のマゾイキを味わってからは、理性という名のタガが完全に外れていました。

 もうフリスビーそっちのけで、ひたすらペーストを寝そべったからだ中に塗りたくり、ジョセフィーヌさまの蹂躙を誘導します。
 おっぱいやマゾマンコにはたっぷり、顔にも首筋にもおへそにも太腿にも足先にも。
 ジョセフィーヌさまもハアハア息を荒げヨダレを垂らされて、私のからだにかまわず四肢をお乗せになり、あちこちのペーストを舐め取ってくださいます。

 ジョセフィーヌさまに組み伏せられたような形の私は、その重さや痛さに被虐を感じつつ、自分の指でも激しく自分を蹂躙しています。
 乳首を捻り上げ、クリトリスを擦り上げ、膣穴を指三本で奥深く責め上げ。
 
 あんあん喘いでハアハア悶えて、イク、イキます、イッちゃいます、イってもよろしいでしょうかと何度も叫びました。
 寄せては返すオーガズムの気持ち良さは、より大きく、より深いところまで私を連れて行ってくださり、遂にまばゆい奈落の底へと吸い込まれます。

 首輪を引っ張られる感触で、瞑っていた目を開きました。
 どうやら少しのあいだ意識が飛んじゃってたみたい。
 リードを引っ張っていらっしゃったのは、持ち手を咥えられたジョセフィーヌさまでした。

 心地良くぐったりしたからだに力を込めて、なんとか立ち上がります。
 今何時なんだろう?お姉さまから、10時には戻りなさい、とご指示されていたけれど…
 裸の私に時間を知る術はありません。

 ふと思いつき、録画を止めてビデオカメラの日付表示を確認します。
 9時40分過ぎ。
 今から戻ればお姉さまとのお約束は守れそうです。

 急いで戻る準備に取り掛かります。
 汚れたからだをザッと洗おうかと思いましたが、ジョセフィーヌさまの土色の肉球痕が散りばめられた自分のからだを見てやめました。
 そのほうが私らしいと思ったから。

 東屋の軒先に吊るしておいた尻尾はフワフワに乾いていて、私は躊躇なく自らの手でそれを自分の肛門に捻じ挿れました。
 ついでに使っていた洗濯ばさみも右乳首に。
 そのほうが私らしいと思ったから。

 三脚をたたんでバッグにしまい、空となったペーストチューブもゴミ袋に入れてバッグにしまい、少し斜めにズレていたネコミミカチューシャを正しく直してから、ジョセフィーヌさまが咥えられたリードに引かれて広場を後にします。
 
 右手には動画モードで自画撮りしつつのお姉さまのビデオカメラ、左肩にお散歩セットのバッグを提げ、次にジョセフィーヌさまに逢えるのはいつなのだろうと、少しセンチメンタルな気持ちになりながら。

「あらあら、からだ中にジョセの足跡付けちゃって、洗濯バサミまでぶら下げて、メス犬直ちゃんはずいぶんお愉しみだったみたいね」

 寺田さまが呆れたような笑みで私をからかいます。

「チーズの匂いプンプンさせて、またペースト全部使いきっちゃったんでしょう?」

 中村さまは完全に呆れ顔です。
 お屋敷に着いて、玄関口で出迎えてくださったのはお姉さまと寺田さま中村さまのお三かた。
 五十嵐さまと角田さまは朝食後、二度寝する、とおっしゃってお部屋に籠もられたそう。

「直子の野糞動画も見たわよ。叫んじゃって泣いちゃって、大騒ぎだったわね」

 お姉さまがニヤニヤ笑いでおっしゃいます。
 野糞っていうストレートに品の無いお言葉に、ああ、あれは客観的に見たらつまりそういう行為なんだと、あらためて赤面してしまいます。
 お姉さまのご感想を中村さまと寺田さまが引き継がれます。

「あんな恥ずかし過ぎることやらされているのに、顔は悲痛そうでも、なんだか嬉しそうにも見えるんだよね。この子って根っからのドエムなんだって思った」

「またイガちゃんの虐めかたが絶妙なのよね。直ちゃんの逃げ場をどんどん失くしていって、最後には泣かしちゃうっていう」

 一瞬、あのときの絶望感がよみがえりますが、お姉さまがたのご感想が思いの外いつも通りに明るいので、ずいぶんホッとしたものでした。
 変わらずに接していただけることが、まだ傷心気味の私には何より嬉しいことだったのです。
 
 ネコミミを外して、ビデオカメラとバッグとネコミミをお渡しし、尻尾とリードはもう一度よく洗っておきなさいとご指示を受けて、洗濯バサミは付けたまま、いつもの屋外バスルームに向かいました。

 全裸に首輪、濡れた髪をタオルで巻いてバスルームから戻ると、大広間の楕円テーブルの上にはメロンやパイナップルの乗ったフルーツサラダのお皿だけが置いてありました。
 お姉さまと寺田さま、中村さまが思い思いの席でスマホやタブレットを弄られていて、五十嵐さまと角田さまはまだお部屋なのかな。
 知らない洋楽の女声バラード曲が低く流れています。

「直子はお腹空いていると思うけれど、この後お出かけしてお昼にお弁当いただくつもりだから、今は軽くで我慢してね」

 お姉さまが私の頭のタオルを外され、私の髪をおやさしく拭ってくださいながらおっしゃいました。

「えっ?お出かけって、もう帰るのではないのですか?」

 私の髪を弄られているお姉さまを思わず振り返ってしまいます。
 食べているあいだにドライヤーかけてあげる、とお姉さまにフルーツサラダの前まで誘導され着席します。
 
「運転手が来るのは午後だもの。寺っちに敷地内に面白い場所があるって聞いたからさ」

 要領を得ないお姉さまのお応え。

「最後の日くらいスール水入らずで過ごさせてあげようと思ってね。それにピッタリの衣装も用意してあげたから…」

 寺田さまがご説明くださいますが、その後すぐにドライヤーのスイッチが入れられたのでうるさくて何も聞こえなくなりました。
 フルーツサラダはメロンもパインもマンゴーも甘くて瑞々しくてとても美味しかったです。

 フルーツも食べ終え、髪もすっかり乾いてお皿が片付けられると、入れ代わりに中村さまがビニール袋に入った衣装のようなものをお持ちくださいました。
 お姉さまが袋を次々に開けられ、中身をテーブルに並べていかれます。
 
 まず下着の上は、乳首しか隠れないくらいの薄い水色のティアドロップマイクロビキニ、下も幅2センチがほぼ一直線と言っていいくらいの同色のウルトラローライズショーツ。
 このふたつは下着ではなく水着なのかもしれません。

 衣装はごくオーソドックスな半袖セーラー服。
 白地に紺色のセーラーカラーやラインが入り、スカーフは鮮やかな赤。
 スカートは紺色のプリーツスカートで、超ミニというわけでもなく、穿いたら腿の半分くらいまでは隠れそう。
 それに白いハイソックス。

「このセーラーってコスプレ用のペラペラ生地のじゃなくて、ちゃんとした制服ぽいじゃん」

 お姉さまがどなたに尋ねるでもなくお独り言っぽくおっしゃると、中村さまがお応えになります。

「それは何年か前、名塚先生のファンて言うか崇拝者だった当時現役のジェーケーが置いてったのよ。学校卒業して淫行条例とかに触れなくなったら、それ着て名塚先生に調教してもらうんだとか言って。あれから姿現わさないけど」

「ふーん。そんな子もいるんだ。インナーとセーラーの落差がエロくていい感じね。直子、さっさと着てみなさい」

 お姉さまのご命令でまず下着から。
 本当に両方の乳首だけをギリギリ隠してくれる超紐ビキニと、穿いてもお尻の破れスジはおろか肛門さえ覆ってくださらない直線ブーメランな超ローライズショーツ。
 
 生地は薄手で肌触り良く、でも乳首の形にしっかり響いてはいますが、ストラップもしっかり縫製されている感じ。
 生地素材からするとやっぱり水着として作られているみたいです。
 実際にこんな水着を着て人前で泳ぐような人がいらっしゃるかは知りませんが。
 
 ただ、私は会社でこの手の衣装をさんざん着せられ慣れしていたので、とくにそれ以上の感想は浮かびませんでした。
 普通に恥ずかしいのは恥ずかしいですけれど。
 外野の方々は大騒ぎです。

「うわー、これって真っ裸より恥ずかしくない?視線を否応なくソコに誘導してる感じ」

「横乳、下乳も丸見えだし、土手もお尻のスジもさらけ出しちゃって、これ、陰毛生えてたら大げさにはみ出して恥ずかし過ぎて卒倒しちゃうんじゃない」

「これって水着でしょ?こんなんでプールやビーチに出たら公然猥褻待ったなしだし、プライベートビーチでも持ってなきゃ着れなそう。誰が作ってて誰が買うんだろ」

「セクシーって言うよりも卑猥って言葉のほうが絶対しっくりくるよね。まさに変態露出狂御用達って感じ」

 いつの間にか五十嵐さまと角田さまも大広間に下りて来られていて、みなさまワイワイ愉しそう。
 お姉さまだけが何もおっしゃらずにニコニコ私を見つめてくださっています。


2024年5月3日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 02

 ご命令通りに楕円テーブルに突っ伏してお尻を差し出します。
 えっ!?私、こんな朝早くからお浣腸されちゃうの?これからジョセフィーヌさまとお散歩に出かけようっていうのに?
 あまりにご無体な展開に心の中は大パニック状態です。

「かなちゃん、今何時?」

 シリンジに液体を吸い上げつつ、お姉さまが中村さまに尋ねられます。

「んーと7時52分。まだちょっち早いかもねー」

 中村さまが突き出した私のお尻を眺めつつ、ご自分のスマホを覗いて答えられます。

「そっか。ならあと3分くらい、直子のアヌスでもほぐしてあげようか」

 お姉さまがイタズラっぽくおっしゃり、シリンジをテーブルに置いたと思うと、私のお尻の穴に突然ズブリと生人差し指を挿し込んでこられました。

「ぁふぅんっ!」

 思わずのけぞる私。
 お姉さまはお構いなしに私のお尻の穴をぐりぐりマッサージしてこられます。
 想定外のご褒美にみるみる昂ぶる私。
 あんあん喘いでしまいます。

「まあ、こんなもんでしょ。かなちゃん、何時になった?」

「8時まで5分切ったね」

「おーけー」

 お姉さまがお返事を返すや否や、私のアヌスに今度はシリンジの先っちょを突き挿してこられます。

「んーーーっ!」

 生温い液体が勢い良く体内に入ってきて思わず唸り声を上げてしまう私。
 少しのインターバルの後、すかさずニ発目。

「どう?直子」

「えっ?ど、どうって言われましても…」

「ふーん、まだ余裕ありそうね。あと50、挿れておきましょうか」

 ニヤッと笑われたお姉さまがもう一度シリンジをボウルに突っ込まれ、そのシリンジを再び私のアヌスへ。

「ああんっ、んうぅーーー!」

 最後の50はけっこう効いたみたいで、お腹が少し苦しい感じ。

「で、これで蓋をしてあげる」

 お姉さまの手にフワフワな尻尾。
 先っちょに禍々しい形の突起が付いているのでアナルプラグでしょう。
 お姉さまの手で私のアヌスがグイっと拡げられ、ズブリとプラグが挿し込まれました。

「んーーっ!」

「これでよしっと。それでこうして、ジョセとお揃い、メス犬直子の出来上がりー」

 頭にもネコミミのカチューシャを着けられ、背中を軽くポンと叩かれました。

「尻尾はキツネで耳はネコだけどね」

 一部始終をご覧になっていた中村さまがポツリと交ぜ返されます。

「ほら、これが直子の肛門の臭い。クサイでしょ?舐めてキレイにして」

 さっきまで私のアヌスをほぐしていたお姉さまの生人差し指が私の鼻先に突き出されます。
 本能を呼び覚ますような何とも言えず獣臭く、それでいて懐かしい臭い。
 お姉さまの深爪気味な人差し指をパクリと咥え、夢中でしゃぶります。
 しょっぱ苦いけどなぜだか甘美なお姉さまの指。

「原則として広場に着いてからだけど、途中でどうしても我慢出来なくなったら道端でしちゃってもいいわよ。広場まで10分くらいはかかりそうだし」
「ただしどこでしたとしても、排泄物は跡形もなくちゃんと埋めてくること。ジョセのの後始末と同じ要領ね」

「で、今日のジョセのおやつはペーストだけにしたから。たぶんこれでジョセとはお別れだから、たっぷり愉しんでくるといいわ」
「でもジョセも昨夜美味しいものたくさんもらったから、今朝はまだあまりお腹空いていないかもね」

 お姉さまが注意事項をおっしゃっているあいだ、私はずっとお姉さまの指をしゃぶりつづけています。
 そっか、今日でこのお屋敷ともお別れなんだなと、ちょっぴりセンチメンタルになりながら。
 お姉さまが首輪にリードを繋いでくださり、お散歩用バッグが渡されます。

「あ、でも午前中には出かけたいから10時までには帰ってきなさい」

 首輪にリード、ネコミミにアナルプラグの尻尾を着けたサンダル全裸の私をみなさまが玄関まで見送ってくださいます。
 最後にお姉さまから投げかけられたお言葉に、午前中で帰っちゃうのか、とがっかり度が二割増し。

 お外に出ると今日も晴れ渡って清々しい青空。
 玄関前に待機していたらしいジョセフィーヌさまが、ワンッ、と小さなお声で一声吠えられた後、戸惑い気味ぽく不思議そうにジーっと私を見てこられます。
 私の頭と尻尾が気になるご様子。

 気を取り直すように一度全身をブルブルっと震わせたジョセフィーヌさまがいつものように私のリードの持ち手をパクっと咥えられ、ジョセフィーヌさまに先導されて歩き始めます。
 お腹は少しシクシクとはしていますが、まだ全然余裕みたい。
 ときどき鳥さんのお声がチチチと聞こえる晴天の山道を、いくぶん早足で進んでいきます。

 道半ば、5分くらい歩いたところでだんだんお腹が痛くなってきました。
 この頃になるとジョセフィーヌさまは私のリードの持ち手を離され、急に駆け出されたり引き返してみたり、道端の草花にお鼻先を突っ込まれてみたりと、お散歩を満喫されています。

 私のお腹はグルグルと鳴り、クゥーっという大きい音までが時折聞こえてきます。
 まだ我慢できる範囲ですし、何よりもこんな山道の途中で用を足すなんていう恥知らずなことは出来ません。
 まあ、お外を全裸で歩いているということだけで充分恥知らずなのですけれど。

 早く広場まで行って草むらに入りたい…
 その一心で歩くピッチを上げ、競歩のようなスピードで広場を目指します。
 急にスピードを上げた私に喜んで、グルグルと足元にまとわりつかれるジョセフィーヌさま。

 広場の入口が見える頃には決壊間近。
 寄せては返す便意のサイクルがかなり短くなって、アナルプラグをしていなければきっと洩らしていたでしょう。
 逆に考えるとプラグさえ外さなければ洩れることはないかもなので、気を紛らわすために今後の段取りを考えます。

 まずジョセフィーヌさまの排泄場所を確認して、そこから離れた適当な草むらに入って穴を掘ってからプラグを抜いて出す…
 頭の中がギリギリになっているのでアバウトな計画しか思いつきません。
 私の眉間には常時深いシワが刻まれていることでしょう。

 やっと広場の入口にたどり着くと、ジョセフィーヌさまがいきなり駆け出されます。
 ああ、草むらに行かれるんだな、ジョセファーヌさまも我慢されていたんだ、なんて思っていたら、全然方向違いの大きな木のほうへ。

 えーーーっ!?
 そこにはおふたり分の人影が。

「やっと来た」

「おめかししてもらったんだ。かわいいじゃん、メス犬直子」

 そこには角田さまと五十嵐さまの寄り添われるお姿が。
 おふたりともそれぞれビデオカメラを持たれています。
 あれ?角田さまが持たれているのはお姉さまのカメラ?

「寺っちに、8時過ぎに広場に行けば面白いものが見られるってニヤニヤ笑いで言われたからさ。なーんだ、ジョセの散歩か」

 おふたりが朝からお散歩に出かけられたと聞かされたときに、これはジョセフィーヌさまのお散歩で何かちょっかい出されるかなとチラッとは思ったのですが、深く考えないようにしていました。
 まさか、こんなご無体な状況を待ち伏せされているなんて…

 おふたりがこちらに近づいてこられます。
 おふたりの足元にじゃれついていたジョセフィーヌさまが、こんなことしている場合じゃなかった、とでもおっしゃりたげにフイっと方向転換し、いつもの草むらに飛込まれました。

「でも本当に真っ裸で山の中ウロウロしているんだ。ライヴで間近で見るとそれはそれで衝撃だわ」

 五十嵐さまが私の間近までいらっしゃって値踏みするように私のからだをご覧になっています。
 角田さまは早くも私を被写体に撮影開始。

「尻尾まで着けてもらっちゃって、マジ、メス犬じゃん」

 五十嵐さまがおっしゃると、

「尻尾はキツネで耳はネコミミだけどね」

 と中村さまと同じツッコミを入れられる角田さま。

 そのとき、私のお腹がわりと大きく、キュルキュルキュルと鳴きました。
 そろそろ本当に限界でした。
 その音と私の辛そうな表情でピンとこられたのでしょう、五十嵐さまが心底嬉しそうなお顔になられ私に尋ねます。

「ひょっとして直子、浣腸されてる?」

「は、はい…」

 もう我慢が限界近いので泣きそうな声になっています。

「あ、それじゃあ尻尾もただの飾りじゃなくてアナルプラグなんだ。蓋して洩らさないように」

「は、はいぃ…」

 おふたりも私がお浣腸をされていることまでは知らなかったみたい。

「出る時にやられたとして、ここまで歩いて10分くらいかかるから、ずいぶん我慢しているんだねえ。どのくらい入れられたの?」

 お顔と口調がどんどんイジワルになられる五十嵐さま。

「に、250です…」

「あはは。お屋敷のお姉さまがたは本当にイジワルだねえ。あ、だからエミリーさんがうちらにビデオカメラ貸してくれたんだ。これで撮影してきてっていう意味で」

 五十嵐さまがおひとりでご納得され、もはや撮影を始められている角田さまに向けてグッジョブサイン。
 それからまた私に質問を浴びせてこられます。

「で、直子はどこでやるつもりなの?」

「えっ、あの、えっとはい、どこかそのへんの草むらの木陰に入って、人知れず穴を掘って…」

「それじゃあ駄目よ。木陰だと木とかが邪魔してよく見えないからキレイに撮影出来ないじゃん。そうねえ…」

 即座にご否定されてから辺りをグルっと見回す五十嵐さま。

「あそこはどう?あの芝生が途切れて土になってるとこ。あそこなら土も柔らかそうだから穴掘りも捗りそうじゃん」

 五十嵐さまが指差された場所はジョセフィーヌさまが飛び込まれた草むらとはまた別の、芝生と草むらの境目の一画でした。
 確かにその辺りは土色が濃く湿った感じで柔らかそうではあるのですが、私がそこにしゃがんだ場合、目隠しをしてくださる草木は一切なく、つまり全身丸見えとなります。

「えっ?あの、やっぱりどこか草が生い茂ったところで隠れてしたほうが…」

「駄目よ撮影するんだから。あそこならちょうど太陽の位置もいい具合だし、青空の下でいい絵が撮れると思うなー」

 私の懇願は五十嵐さまによって即却下。

「ボクはスカは苦手だけど、他人がやられて苦しんでるのを見るのは好き」

 角田さまがレンズを私に向けてやりとりを撮影されながら、唐突なお気持ち表明。

「あはは。ディレクションはうちに任せて、ユカはそのまま冷静に撮影だけしてればいいから」

 五十嵐さまが角田さまにおやさしくおっしゃり、つづけて私の背中を軽く押します。

「決まりね。ほら、いくよ」

「でも…」

「デモもストも無いの。聞き分けのないこと言うと、この場でそのプラグ引っこ抜いて、太腿汚して盛大にお洩らししているところを撮って直子のお姉さまに見せちゃうよ」

 ちょうど最大級の便意がなんとか引いたところで、次が来たらプラグさえ押し出しちゃいそうです。
 苦痛を堪えるために、んぅー、とか、むうーっ、とか知らずに絞り出してしまう唸り声も増えてきています。
 お腹はずっとシクシク痛み、グルグルという音もひどくなる一方なので仕方なくトボトボ従います。

 その場は広場入口のほぼ対面、背の高い木や草は生えてなくて見通しの良い、1メーター四方くらいの更地でした。
 バッグからシャベルを取り出し、出しちゃって楽になりたい一心でしゃがみ込み、はあはあ息を荒くしながら土を掘り始めます。

 確かに土は比較的柔らかいのですが、力が入れられずになかなか掘り進めません。
 下手に力んだら出ちゃいそうで…
 ティースプーンで一杯づつすくって飲むオレンジジュースのようなもどかしさ。

 自分が排泄するための穴を自分で掘っている屈辱感。
 その穴に排泄するところを知人たちに見られ撮影までされるという恥辱感。
 それらはマゾ的には悦ぶべきことなのですが、やっぱりみじめで切なくてウルウルしてきてしまいます。
 そのあいだにも情け容赦なく強烈な便意が襲ってきます。

「ああ、まどろっこしい。力むと出そうなんでしょ。貸しなさい、うちがやってあげるから」

 しばらく私の様子をご覧になっていた五十嵐さまも私と同じ感想をお持ちになられたようで、私からシャベルを取り上げると、いとも簡単に約20センチ四方、深さも20センチくらいある立派な穴を掘り上げてくださいました。

「…んむぅー、あぁ、ありがとうございますぅ…」

 穴を見て、やっと出せると気が緩んだのか、急に襲ってきた猛烈な便意に身悶えしつつ五十嵐さまにお礼を伝えます。

「こっちを向いて、ここにしゃがんで。プラグもうちが抜いて上げる。万が一穴に落っこどして可愛い尻尾が直子の汚物で汚れちゃったら嫌でしょ」

 広場の入口のほうを向いてしゃがむようにと五十嵐さまのご指示。
 穴を跨いで、排泄物がうまく穴に収まるであろう位置にしゃがみ込みます。
 私の左側には掘り上げた土がこんもりと盛られています。
 二メートルくらい離れた真正面から角田さまのレンズが狙っています。

「んぅぅ、と、撮らないでくださいぃ…」

 ダメ元で角田さまに訴えかけてみますが、正面のレンズは微動だにしません。
 それならと両手で顔を覆うと、

「顔を隠すのも駄目よ。ていうか直子の両手はそこじゃないでしょ?頭の後ろ、服従ポーズ」

 私の背後に回られ早くも尻尾の先を掴んでいらっしゃる五十嵐さまに厳しく叱責され、渋々両手を後頭部に回しました。
 そのまま見上げると、雲ひとつ無い抜けるような青空。
 哀しすぎる青空…

「カウントダウンで抜くからね。3、2、1、ゴーで。ユカ、しっかり撮ってよ」

 五十嵐さまの前説で私の公開処刑が始まります。
 全身が羞恥に震え、穴があったら、実際私のお尻の下に穴はあるのですが、入りたい心境です。

「いくよっ!さん、にい、いち…」

 ゴーのお声とともに私の肛門を塞いでいたプラグがスポンと抜け、同時に私の肛門から勢いの良い水流がシャーーッと穴底の土を削ります。

「あぁぁーーいぃーやぁーーっ!みないでぇぇぇーーーっ!!」

 思わず大声で叫んでいました。
 顔を覆いたいのに禁じられているので、その代わりギュッと目を瞑って羞恥に耐えていました。

 永遠に止まらないのではと思うくらい、腸内を満たしていた水分が勢い良く飛沫を上げていました。
 でも本当に恥ずかしいのはこの後からでした。

 鉄砲水のような水流が落ち着くとお腹がグルグル鳴り出し、猛烈な便意が襲ってきました。
 そして固形物がひり出る感覚と恥ずかしい排泄音や破裂音。
 それらが断続的につづき、私はイヤイヤするように首を振りながら、とうとうご命令に背いて自分の顔を覆ってしまいます。

 最後にプスゥーっと間抜けな溜息が私のお尻から出て、便意は落ち着いたようでした。
 私はしゃがみ込んだまま、目尻に涙を溜めてがっくりうなだれています。
 本当に今すぐこの場から、この世から消え去りたい心境でした。

 しばらくそうした後、しゃがみ混んだだまま穴の右斜め後ろぐらいに後ずさりしてお尻を地面に着きました。
 チラッと見えた穴の中には浅く水が溜まり、小さな茶色い固形物もちらほら浮かんでいるのが見えました。
 そのまま体育座りで頭を抱え、またうなだれます。

「派手にやらかした割にはあんまり臭くないじゃん。屋外だからかも知れないけど。じゃあ、埋めちゃうよ」

 お声がしてゆっくり顔を上げると五十嵐さまが別のビデオカメラを構えながら近づいてこられます。
 ジョセフィーヌさまも、もうとっくに排便も近辺パトロールも終わったのでしょう、五十嵐さまの後ろでブンブン尻尾を振っておられます。

 さすがに不憫に思われたのか、おやさしいお言葉をかけてくださる五十嵐さま。
 自らシャベルをお持ちになられ、掘り返した土で穴を埋めてくださっています。
 角田さまがそんな様子をもまだ撮影されています。

 そう、さっきの様子は一部始終、映像で残されているんです。
 私が叫んでしまったところも、排泄音も破裂音の音声も鮮明に記録されているはずです。
 
 そしてそれを、お姉さまがご覧になるのです。
 いいえ、お姉さまだけではなくお屋敷のみなさまや、たぶん会社のみなさまにもお見せになるでしょう。

 取り返しのつかない羞恥の記録を残してしまったことに、心の底から絶望しているのと同じくらい、残酷過ぎる現実がもたらす被虐の苦甘い快感が全身を駆け巡っているのも、また事実でした。


2024年4月28日

彼女がくれた片想い 13

 個室に鍵を掛けるのは卑怯だと思った。

 自宅PCの黒歴史フォルダに自撮りの破廉恥画像や動画がそこそこ溜まってきた頃。
 三限から五限途中にかけて個室やトイレ内で脱衣、撮影、自慰を、途中に休み時間中の声押し殺し自慰、をも含めて三セットたっぷり愉しんだ後、心地良い疲れで着衣しつつ唐突にそう思った。

 これだけ破廉恥な行為を個室内でしでかしているのに鍵一つで安全が守られているのはフェアじゃないと考えたのだ。
 何に対して、誰に対して卑怯なのかはわからないが、これだけ背徳的な愉しみを謳歌しているのならそれなりのリスクも背負うべきだと。
 自分を追い込む謎理論だが私には正論だと思えた。

 着衣を終え、あらためて個室の鍵をしげしげと見る。
 スライドバー式、いわゆる閂方式の鍵で、ドア部分に可動な凸、壁部分に凹があり、凸部分を凹部分にスライドさせることで閉めたドアに鍵がかかる。

 開いている時は青いプレート、閉じると赤いプレートがドア表面に提示され、使用中か空室かの判断がトイレ通路側から出来る。
 空室の時はドアの自重で個室の内側に開きっ放しとなる仕組みだ。

 すなわちドアを閉じて鍵を掛けないとドアは自然に開いてしまう。
 開かないようにする一番容易な方法はドアの前にバッグ等重しになる物を置いて押さえることだが、トイレの床に自分のバッグを直に置くのは衛生上嫌悪感がある。
 鍵のスライドバーをカタカタ弄りつつ色々考えたのだが、良いアイデアは浮かばなかった。

 結局、ごく浅く施錠することでよしとすることにした。
 スライドバー凸部分の先端を1、2ミリ程度凹部分に引っ掛けてかろうじて閉まる状態にし、強く押せば開いてしまうかも、というスリルを愉しむことにする。
 実際にこの感じにスライドバーを動かすとドア表面のプレートは青と赤が半々づつ表示される。

 次から鍵はこの仕様にしてトイレが混み合う休み時間をまたぐ時は、休み時間の10分間、後ろ手全裸でドアに向き合って立っていなければいけないことにする。
 トイレが満室の時の順番待ちは出入口付近でフォーク並びがルールだし、ドアが閉じていれば普通は使用中と思うので無いとは思うが、切羽詰まった人や列を無視したやんちゃな学生に開けられてしまう可能性も皆無ではない。
 そう考えただけでドキドキと性的に昂った。

 また、すべての空き時間で個室遊びを行なった中で、五限目、とくに金曜日の五限目がすこぶる安全だということもわかった。
 この時間帯にはこのトイレから遠く離れた端の二教室でしか講義が行なわれてなく、そちらの側にも昇降階段があり学生たちもそちらを主に使うのでトイレ前にはほとんど誰も近づかないみたいなのである。
 スリルを味わうという意味では物足りなさもあるが、安心して行為に没頭出来る貴重な時間でもある。

 とある金曜日の午後。
 三限目の講義が終わって本日の全講義終了となり、四限の途中まで空き教室で羞恥調教メインのラノベを読み耽った後、バッグを携えて誰もいない例のトイレに忍び込んだ。

 最近は膝丈位のスカートを着用することが多くなった。
 これは個室遊びの後、その余韻のままにノーパンでいたいが為である。
 性器を無毛にしたことで、その欲求はより激しいものとなっていた。

 ノーパンスカートのまま人前を歩き、ノーパンで帰宅することで、自分が本当にどうしようもない変態だということが実感出来る。
 テニス授業の後、あえて下着を穿かなかった彼女の気持ちがわかる気がした。
 この日は二限目にもトイレで全裸になっていたが、四限目以降にもう一度脱ぎたいがために穿き直していた。

 鍵をルール通りごく浅く掛けた後、ゆっくりと脱衣して全裸になる。
 後ろ手を組んで立ち尽くし羞恥と背徳感をしばらく愉しんでから自撮り。

 悩ましい顔を作ってみたり四つん這いになってお尻の方から狙ってみたり、何回も何回もシャッターを押す。
 最近はシャッター音を聞くだけで膣の粘膜が潤むようになっている。
 自慰行為に移りたいと思った時、四限目終了のチャイムが非情に響き渡る。

 お預けを食らった私はドアが開いても当たらないギリギリの位置にドアを向いて立ち尽くす。
 開いてしまうかもしれないという不安と期待を胸に抱いて。

 このときふと考えて後ろ手にしていた両腕を後頭部に持っていってみた。
 海外のSMサイトでよく見かける性奴隷が主人に対峙する時にやらされている捕まった犯罪者のようなあのポーズだ。
 こうすることで両腋の下までが全開となり、乳房も誇示するように突き出すこととなるので、秘部はすべて絶対に隠せないという屈辱感が倍増する。

 トイレ内が賑やかとなり、あちこちからドアを開閉するバタンという音が聞こえてくる。
 友人同士連れ立って来たのだろう、止まらないおしゃべりと弾けたような笑い声。
 やがて、お先にー、とどこかのドアが閉まったと思うとどこかのドアが開く音。

 ごくありふれた日常的な生活空間で私一人、何もかも剥き出しの全裸となり性奴隷のポーズで立ち尽くしている。
 目の前のドアが開いてしまうのは死ぬほど怖いのだが、何も起こらないのもつまらないというアンビバレントな感情。
 内腿の交わりが蕩けそうなほど潤んできて早く弄りたくてどうしようもなくなってくる。

 やがて時間とともに喧騒が徐々に鎮まりトイレ内にはおそらく二名の滞在者を残すのみ。
 もう少しすると五限開始のチャイムが鳴るだろうという頃、出入口ドアをバタンと乱暴に開閉する音がした。
 そのままコツコツと足早な靴音が響き、私の隣の個室に吸い込まれてゆく。

 隣の個室のドアがバッタンとやけに乱暴に閉ざされる音が響き、その振動が私の個室の壁も大げさに震わせた。
 と同時にこちらの個室でもカタッと小さな音がしてドアが静かに開き始める。

 あっ、と思わず大きな声が出て身体がビクンと戦慄き、何とも言えない目の眩むような快感が全身を駆け抜け、軽く絶頂に達していた。
 目の前にトイレの通路が見えているのを後頭部に両手を当てたまま為す術もなく呆然と眺めている私。

 やってしまった、もう終わりだ、という残酷な後悔が甘美な快感の余韻と一緒になって頭を埋め尽くす。
 二、三秒後ハッと我に返り、慌てて腕を伸ばし、大きな音を立ててドアを閉め直した。

 今度は鍵もしっかり掛けた途端、全身の血液が煮えたみたいにカーッと熱くなり、心臓がドッキンドッキン跳ね回る。
 おそらく隣の個室のドアが激しく閉まった振動でこちらのドアのスライドバーがズレて外れてしまったのだろう。

 誰もいなかったよね?視られてないよね?自己防衛の為の自問自答。
 幸い見える範囲に人影は無かったので誰かに視られてはいないようだが、他人がまだ複数居るトイレ内で自分の裸身を無防備に晒してしまったことは事実だった。

 鍵で守られた個室内でハアハア息を荒くしている間に五限目始業を告げるチャイムは鳴り終わっており、それに前後してバタンバタンと個室やトイレ出入口のドアが開閉する音もいくつか聞こえていた。

 再び静まり返ったトイレ。
 もう我慢出来なかった。

 鍵を外してそっと顔を覗かせると残り四つの個室はすべて扉が開いている。
 自撮り棒を装着したスマホを片手にトイレの通路に出る。

 自撮り棒を三脚状にしてスマホを動画モードに切り替え、自分が映るスマホ画面の前に立つ。
 両足を休めの姿勢位に開き、恥丘を画面に差し出すみたいに上体を軽く反らして無毛の股間に右手をあてがう。

 中指と薬指は濡れそぼった膣口に、親指はパンパンに腫れ上がり皮から半分顔を出した肉芽の上に。
 右手が活発に動き始める。

 すぐにクチュクチュジュブジュブと卑猥な水音がトイレ内に響き渡る。
 左手は腕ごと胸に押し付け、両乳房を乱暴に上下に揺さぶり嫐っている。
 上体を大きく仰け反らしてオーガズムに達するが、まだ全然足りていない。

 今度は後ろ向きになってお尻を映しながら膣中を責める。
 前屈してお腹の方から伸ばした右手が膣粘膜の奥深くまで潜り込む。
 垂れ下がった乳房の硬く尖立した乳首を左手で痛いほど捻り潰す。
 間断なく続くオーガズムラッシュ。

 …自分で課したルールでドアが開いちゃうなんて、バカな女ね…
 …もう外の様子も全然気にしてないんじゃない。イクことだけしか眼中にないって感じ…
 …視てもらえなく残念だったわね。いっそのことそのドア開けて廊下まで出ちゃってみれば…

 想像上の彼女から浴びせられる侮蔑の言葉に反発を感じながらも止まらない自涜。
 トイレ出入口のドアを横目で見ながら、廊下に出てみようか、とは考えていた。
 が、瞬時にさっき個室のドアが開いてしまった時の絶望感がよみがえる。
 私にはまだ、そんな勇気は無い…

 梅雨が本格的になりそうな気配漂う曇り空の日曜日。
 昨日から生理が来てしまった私は性的な遊びも出来ないので暇つぶしに繁華街でもぶらつこうと考えた。
 池袋に行って同人誌漁ったり新刊コミックをチェックしたり。

 昼過ぎに着いて一通り見て回った後、服も一応見てみようと思い駅改札やファッションビルに続く広い地下街に入った。
 時間は三時過ぎ、休日なので大勢の老若男女がそれぞれの目的で右往左往している。
 地下街のとあるカフェの前を通り過ぎようとした時、意外な人物を視界の端に捉えた。
 彼女だった。

 彼女はちょうどカフェから出てくるところで、ベージュのブレザーにチェックのスカートと大学でよく見た服装をしている。
 その横にはスラリとしたジーンズ姿の女性がいて、店の前で二人にこやかに談笑している。

 その女性はさっぱりめのウルフカットでシャープな顔立ち、ヨレたGジャンに薄化粧、全体的にラフな感じで、なんとなくオフの時の水商売ぽい雰囲気があった。
 年齢は明らかに彼女より上、二十代半ばから後半、いわゆるアラサーな感じだ。
 楽しそうにおしゃべりしている感じも彼女の笑顔が媚を含んで甘えているように見えた。

 カフェ入口前で立ち話していた二人にカフェ内から遅れて出てきたもう一人の女性が合流した。
 大きなバッグを肩に提げ、デニムのショートパンツ生足に膝下までのブーツ、身体に吸い付くようにピッタリしたボートネックの黒いTシャツが胸の隆起と身体の線を浮かび上がらせている。

 年齢は彼女と話している女性と同じくらいだろうか。
 小顔にショートボブで憂いを帯びたような顔立ちは誰もが振り返るような美形振りで、現にその場でも行き交う人が一度はチラ見していく。
 ひょっとしてモデルかタレント?いかにもカタギの女性ではないという感じだ。

 更にその女性は首にチョーカーを嵌めていた。
 真っ白で正面に大きめなリングが一つぶら下がった、まるで犬の首輪のようにも見えるチョーカー。
 それは私に、性奴隷、マゾヒスト、肉便器という単語群を容易に連想させた。

 彼女を真ん中にして三人がゆっくりと地下街を進んでいく。
 私の今日の服装はいつもよりかなりくだけたTシャツにジーンズというラフなものだし、ベースボールキャップもかぶっていた。
 思いがけずに彼女の私生活を垣間見るチャンスが訪れたので念のため伊達メガネもかけてバレないように尾行を開始した。

 人混みをすり抜けて進む三人の背中を見つめながら考える。
 あの三人はどういう関係なのだろう。
 友人と言うには彼女と年齢が離れている気もするし、でも雰囲気は何か親密そうだし。
 女性同士だからエンコーというわけでもないだろう。

 ひょっとするとどちらかが、あの日個室で彼女が口走った、やよい先生、なのかもしれない。
 ショートボブの女性はマゾっぽくもあるからウルフカットの方になるのか。
 そうだとするとこれからどこへ行くのか益々気になるところだ。

 地下街をずいぶん長く歩いた三人はやがて階段を上り地上へ出る。
 曇天模様の休日でもそれなりの数の人々が行き交う池袋。
 三人は線路沿いの道をゆっくりと進んでいく。

 この辺りは北池袋と呼ばれる一画で、確か裏に入ると風俗店やラブホテルが林立しているのではなかったっけ。
 ネットで仕入れた情報を思い出す。
 だとすると…下世話な好奇心がムクムクと騒ぎ始める。

 果たして彼女たちは路地を一つ曲がり、派手めというかいささか品に欠ける大きな建物の入口に吸い込まれていった。
 時刻はまだまだ明るい午後三時半前、どう見てもラブホとしか思えない建物に女性三人で消えていったのである。
 入る直前に、彼女が嬉しそうに上気した顔でショートボブの女性に何か語りかける様子が見えた。

 やっぱり、と思いながらスマホでそのホテルの名を検索するとSMルームもある正真正銘のラブホテルであった。
 いつぞやに見た彼女の白い背中を染めていた鞭の痕をまざまざと思い出す。
 同時に私の中で何かが確実に終わった。

 線路沿いの道を引き返しながら考える。
 おそらく彼女はあそこで色々、性的快楽を享受するのであろう。
 女性二人がかりでか、それともショートボブの女性も虐められる側なのかはわからないが。

 年上の女性たちから性的調教を受ける彼女、私がまだ知らない快楽をたくさん知っているのであろう彼女。
 彼女は学校のトイレ個室で自慰行為をするような変態性癖者であるだけではなくレズビアンでありマゾヒストでもあることは確実だった。
 
 あんな顔をして彼女は私の何倍もしたたかで何倍も変態だった。
 彼女には敵わないと思った。
 彼女への片想い的に惹かれる想いは、私に変態的な快楽だけを残して、呆気なく潰え去っていた。

 私は今、空き教室で裸になることを計画している。
 
 私がよく読書をしている空き教室はプロジェクターを使う講義が主な為、窓際には分厚い暗幕カーテンがかかっており、常時窓の三分の一が暗幕に覆われている。
 そのため使用していない教室のドアは開いておくルールでも中は適度に薄暗く、木曜、金曜の四、五時限目であれば滅多に人は来ない。

 ここですべて脱いで全裸になり、席に座って読書をしたり、あわよくば自慰行為をしたり廊下に出たりもしてみたい。
 鍵で守られていない普段講義で使用している教室で全裸になったら、どんな気持ちになるのだろう。

 万が一人が来てしまった場合は暗幕の裏に隠れれば良い。
 その場合、窓が素通しガラスゆえ外からは丸見えとなってしまうが、梅雨時なので雨が降っていれば外にいる人は皆傘を差しているはずだし、三階を見上げたりもしないだろう。
 なので生理が終わリ次第、雨の降る木曜日か金曜日に決行するつもりだ。

 私が破滅する日は意外と近いのかもしれない…

*END

2024年4月21日

彼女がくれた片想い 12

 それにしても彼女に話しかけてしまったのはつくづく失敗だった。
 あれ以来彼女は、テニスの時は必ずショーツの上からアンダースコートを穿くようになり、木曜日も午前中で帰ってしまうことが続いている。

 更に、彼女が会釈をくれても目を逸らすといった塩対応を続けていた結果、最近では何かの拍子で視線が合っても彼女の方から気弱な笑みで先に目を逸らす、というギクシャクした関係に陥っていた。
 その上、彼女が私を一個人として認識してしまったという事実は変わらないので、うかつに彼女の姿を追うことも出来ず、監視まがいの行動が思うように出来なくなっていた。

 ただ、私も彼女の行動を注視するよりも心惹かれる悩ましい遊びをみつけていた。
 講義中のトイレで人知れず全裸になることに嵌ってしまったのだ。
 あの日初めて行なって以来、その背徳感と恥辱感、そしてみつかったら終わりだという薄氷を踏むようなスリルの虜になってしまっていた。

 講義と講義の間の空き時間は今までならどこかの空き教室に忍込み専ら読書に耽っていたのだが、今ではいそいそと誰もいないトイレに赴き、個室で全裸になるようになっていた。
 自慰行為までは出来なくても全裸になって佇むだけで得も言われぬ陶酔が感じられる。

 また、今までは三限や四限でその日の講義が終わったらそそくさと学校を後にしていたのだか、最近は五限目の時間まで学内に居残ってトイレに籠もることも普通になった。
 火曜日と水曜日は一限ないしは二限目からびっしり五限まで講義があるが、月曜日は四限以降、木曜日は三限と五限、金曜日も二限と四限以降がお愉しみタイムとなった。

 トイレ個室全裸デビュー翌日金曜日の二限目が空き時間となった私は講義開始のチャイムとともに三階のトイレに入った。
 五つ空いた個室のうち出入口から一番遠いいつもの個室に入り鍵を掛ける。
 すぐに想像上の彼女の命令によって衣服を脱いでいく。

 今日の服装は昨日と同じジーンズにモスグリーンのフリルブラウス。
 下着はオーソドックスな白のフルカップブラにフルバックのショーツにした。
 普通のありふれた下着の方が脱いで裸になった時との落差が大きくてより興奮出来ると思ったからだ。

 下着姿になってから一呼吸置き、おもむろにブラジャーとショーツを脱いでいく瞬間は、全身の細胞が総毛立つようにゾクゾクと感じてしまう。
 全裸になってしばし後ろ手を組んで佇んでからスマホを取り出して記念撮影。

 前回はスマホをバッグにしまい込んでしまったため時間配分がよくわからなかったので、今回からスマホを手元に置いておくことにした。
 うちの大学は90分授業、その時間内で終了チャイムが鳴る前に退散するための安全策だ。

 しゃがみ込んで右腕を伸ばし恥ずかしい自撮り開始。
 これから必ず自分の変態行為をセルフィーで撮影し、自分の黒歴史ライブラリーを貯めていこうと自虐的に決めていた。

 シャッター音が鳴るたびに股間の粘膜がヒクヒク疼いてくる。
 左手は当然のように陰毛の上、大きく割った両腿の中心部分をコソコソと愛撫している。

 私は今、恥ずかしい自慰行為を撮影されている…
 そう考えただけでもう我慢は効かず、中指と薬指が膣中深くに吸い込まれていく。

 二度三度と身体の奥から蕩けそうなほどの絶頂感を味わった後、小休止。
 弾む吐息が収まるのを待ってから今度は個室の外に出てみようと思い個室の鍵に手を伸ばす。

 その時、バタンとトイレ出入口のドアが開閉する音がした。
 伸ばした手をすぐに引っ込めて昨日のようにしゃがみ込むまではいかないが、やはり盛大にドキドキしている。
 すぐにどこかの個室が閉まるバタンという音も聞こえてきた。

 さっきすぐに外へ出ていたら危なかった。
 全裸の私と見知らぬ誰かが完全に鉢合わせしていたはずだ。
 収まらないドキドキで性的に翻弄されながら個室からの退出を待つ。

 ジャーという水洗の水音で退出間近と心躍った瞬間、また別の物音、トイレ出入口のドアが開閉するバタンという音が聞こえてきた。
 また別のトイレ利用者のようだ。
 個室のドアを閉じるような開くような音が立て続けに二回聞こえ、しばらくしてトイレの出入口ドアがバタンと閉まる音がした。

 昨日とは違ってどうにも落ち着かない。
 個室のドアの鍵をそっと外し、ドアも少しだけそっと開けて顔だけ覗かせ通路を見ると真ん中の個室のドアが閉じていた。
 それだけ確認して顔を引っ込め個室の鍵をそっと掛けた。
 スマホで確認すると時刻は11時42分。

 うちの学校の学食が11時から始まるので、それに合わせて早めに昼食を摂る学生や午後から講義の学生が空いているトイレを探してここを利用するのかもしれない。
 そんな風に考えた矢先にまたトイレ出入口のドアがバタンと開閉する音が聞こえてきた。
 もうあと30分くらいで二限終了のチャイムが鳴って昼休みとなるし、ここではもう落ち着けそうにないと判断した私は名残惜しいけれど着衣して早々と退散することにした。

 空いた学食で早めの昼食を摂り、少し長めの昼休みはいつものように読書で潰した。
 三限目の講義で彼女と一緒になった時、友人らに向けたいつも通りの彼女の笑顔を盗み見て、なぜだか少し気恥ずかしく感じた。

 四限目以降、暇となった私は三階の例のトイレより人の出入りが少なくて落ち着ける場所があるかもしれないと思い、他の階のトイレも見て回ることにした。
 四階建ての本校舎には各階のほぼ同じ位置にトイレがある。
 もちろんその他にも教職員用や来客用のトイレも点在していたが、それらに忍び込むほどの度胸は無かった。

 一階は正面玄関があり講義中、休み時間を問わず人の出入りが不規則でトイレにも時間を問わず頻繁に出入りがあるようだった。
 二階には各教授の研究室と呼ばれる小部屋が集まっており、ここも時間を問わず出入りがあり、また万が一変態遊びが学生以外に露見してしまった時のリスクが大き過ぎる。
 四階は比較的に閑散としてはいるのだが、講義の空き時間に利用できるピアノの練習室が五部屋と歓談出来る広いラウンジルームがあるため、トイレ利用者も時間を問わずのランダムとなる。

 結局、講義のための教室だけが集まった三階が講義中であれば一番落ち着いて利用出来るトイレであった。
 彼女がそこまで見極めて三階を利用したのであれば慧眼だなとあらためて彼女のことを見直してしまった。

 明けて月曜日は四限目から暇となるので私はいそいそと三階トイレに向かった。
 例によって全個室ガラ空きの一番端に入り込み鍵を掛ける。
 想像上の彼女の命令によって衣服を脱いでいく。
 その間中、私は前回や前々回よりもひどく興奮していた。

 実は前日、正確に言うと休日だった土曜日の夜に自宅のバスルームで全裸になり、自ら陰毛を剃り上げていた。
 土曜日の午前中にネットで安全な陰毛の剃毛について調べ、午後に繁華街の家電量販店等でシェーバー他を買い求め、夜間に決行したのだ。

 夕飯後の午後七時過ぎ、全裸になってバスルームに入った。
 まずはハサミで伸びすぎた陰毛を五分刈り程度に剪定する。
 下半身をシャワーのぬるま湯で洗浄し、よく拭き取った後、慎重にシェーバーを当てていく。

 みるみる赤裸々となる私の恥丘。
 肛門周りまで生え茂ったヘアーは、ネットに書いてあった、手鏡を床に置き、その上にしゃがみ込む、という恥ずかし過ぎる方法で行なった。
 バスルームのタイルの床に置かれた手鏡に映った陰毛で囲まれた性器と肛門をしげしげと覗き込み、ラビアをあちこち引っ張って赤面しつつシェイブした。
 終わる頃には滲み出た愛液で性器の周囲がヌルヌルになっていた。

 すっかり剃り終えると衝撃の事実が待っていた。
 私の小陰唇は左右対称ではなかったのだ。
 今までは毛に隠れっぱなしで気にすることはなかったが、赤裸々になると一目瞭然だった。

 自分から見て左側の小陰唇が右よりも全体的に2センチ位長めで、普通に真っすぐ立っても割れ筋から1センチ位、常時外にはみ出しているのだ。
 おそらく積年の自慰行為がもたらした結果なのだろうが、ワレメからラビアがはみ出ているという事実を目の当たりにして自分がやはりかなりふしだらな女だったのだと思い知らされた。

 性器を無毛にしたことで確実に性感は上がってしまい、日曜日は一日中部屋に籠もり頻繁に下半身に右手を滑らせてツルツルな感触を愉しみ、結局自慰行為に至ってオーガズムを貪るというくり返しだった。
 剥き出しになった性器はかなり恥ずかしく、それでいて淫靡にエロティックだ。

 そんな週末を過ごした翌月曜日、待ちに待った個室に籠った私であるから、その興奮ぶりもわかってもらえるだろう。
 ブラジャーを外す前から両乳首が尖りきっているのがわかる。
 ホックを外し緩んだ瞬間に、そんなに大きな乳房ではないが、布地を撥ね付けるようにプルンと弾むのがわかった。

 次はいよいよショーツだ。
 ウエストゴムに指を掛けただけで性器の奥が潤むのがわかった。
 思い切ってそのまま膝辺りまで一気にずり下げる。
 無毛の土手を個室内の空気が直に触れてくる。

 …あら?この間まであった毛が無くなってるじゃない?どうしたの?…

 想像上の彼女が目ざとく気づき、からかうように詰問してくる。

 …綺麗サッパリ剃り落としちゃって。自分で剃ったの?やっぱりソコをよーく視てもらいたいからなのかしら…
 …あら、普通に立っていてもビラビラがはみ出しちゃっているじゃない。オナニーのしすぎでラビアが伸びちゃったのね…
 …ふしだらなおまえにはよーくお似合いの変態ぶりだこと。ほら、もっと足を広げて中身まで見せなさい…

 ますます下品になった想像上の彼女の嘲りを浴びながら後ろ手全裸の私は屈辱に震える。
 悔しいのに、あがらいたいのに、気持ちの良い電流が全身を駆け巡る。

 スマホを手に取り自撮り棒を取り付ける。
 これも土曜日に家電量販店で買って用意しておいたものだ。
 これでしゃがみ込まなくても全身をカメラに収めることが出来る。

 想像上の彼女に命令されるまま恥ずかしいポージングで撮影が始まる。
 全身、大股開き、M字開脚、無毛な局部のドアップ、自らの指で開いた膣口と肛門のドアップ…
 シャッターが鳴るたびに性感がグングン高ぶり、遂には自慰行為に埋没してしまう。

 幾度かのオーガズムの余韻の後、個室の外に出てみようと考える。
 今日は幸運なことにこれまで一人も闖入者がいない。
 個室の鍵を外し顔を覗かせても他の個室の扉はすべて開いたままだ。

 自撮り棒の付いたスマホを持って個室を出てトイレの通路に立つ。
 出入口脇の洗面台上の鏡に裸の自分のおへそから上、乳房から上気した顔までが映っている。
 外廊下の様子に注意深く聞き耳を立てつつ自撮りしながら鏡に近づいていく。

 こんなところにまで全裸で出てしまう自分。
 洗面台に足を掛け、無毛の性器を鏡に映す。
 すぐ横に出入口のドアがあることに気づき、あわてて後ずさる。

 性器から愛液が零れて太腿伝いに床へと滑り落ちる。
 自分で剃り上げてツルツルに露出した剥き出しのふしだらな性器。
 そんな行動の一つ一つをつぶさに、客観的に見せてくれる鏡とセルフィーのカメラ。
 私って本物の変態だ…

 我慢しきれなくなり、その場で立ったまま性器を弄り始める。
 トイレ通路のほぼ真ん中。
 自撮り棒は三脚にもなるのでカメラは動画にして自分の股間に向け、私は鏡で自分の顔を視ながら声を殺して快感を貪る。

 …あれ、こんなところでもオナニー始めちゃうんだ。誰か来ちゃっても知らないよ…
 …クチュクチュクチュクチュ凄い音だこと。またラビアが伸びてもっとはみ出しちゃうんじゃない?…
 …ほら、もっとおっぱい揉んで、乳首つねって、クリトリスつまんでオマンコ掻き回しなさい…
 …おまえ本当はそんな浅ましい姿、誰かに視られたいんじゃないの?視られて破滅したいんじゃないの?…

 イッてもイっても湧き上がるオーガズムの渇望。
 足下に小さな水溜りが出来るほど愛液を垂れ流して身悶えていたとき…

 キーンコーンカーンコーン…

 突如チャイムが鳴り響いた。
 最初のキの音が聞こえたときにビクンとはしたが、それが何を意味する音なのかはわからなかった。

 が、次の瞬間、これは四限目終了を告げるチャイムの音だと瞬時に理解し、それからは早かった。
 目の前に置いた三脚代わりの自撮り棒をひったくるように片手に持ち一目散に端の個室に逃げ込んだ。
 個室の鍵を掛けるのとトイレ出入口のドアが開く音が聞こえたのがほぼ同時だった。

 心臓が飛び出てしまいそうなほどの危ういスリルと同じくらいに高ぶる性的興奮。
 他の個室に利用者が居るのはわかっているのに性器を弄ることが我慢出来ない変態の性。
 喉奥から迸る歓喜の喘ぎを必死に押し殺しつつ断続的なオーガズムに身を委ねる自分…

 そんな感じで、暇をみつけては禁断の個室遊戯に耽っていた私は回を重ねるごとに自分に課す要求も自虐的にどんどんエスカレートしていった。


2024年4月13日

彼女がくれた片想い 11

 今度の闖入者は割とがさつな性格の人物なようで、靴音もやけに大きくドアの開け閉めも乱暴で、私のいる個室の二つ隣、すなわち真ん中の個室に陣取ったことまで手に取るようにわかった。

 さすがに脱衣の衣擦れの音までは聞こえてこないが、しばらくしてから無遠慮にプゥーという間抜けな放屁の音が聞こえてきた。
 どうやらその人物は大きな方に取組んでいるようだ。

 そんな音を響かせるくらいだから端の個室のドアが閉じていたことにも気づいていないのだろう。
 途中で聞こえてきた、これまた無遠慮な咳払いの声もしゃがれ気味だったので本当に教授、准教授か講師の先生なのかもしれない。

 しばらくしてからザーッと水を流す音が聞こえ、つづけてカタカタとトイレットペーパーを引き出す音、もう一度水を流す音。
 しばしの沈黙の後、バタンと個室のドアを開ける音、カツカツと通路を歩く足音、ジャーッと手を洗う音、化粧や身だしなみを直しているのであろう長い沈黙を経てギーバタンと出入口のドアを開閉する音がつづいた。

 その間中ずっと私は想像上の彼女の命令通り個室のドアに向いたまま後ろ手の全裸で立ち尽くしていた。
 何かの間違いでドアが開いてしまってもそのままでいろ、という命令だ。
 現実の彼女も絶対、個室の外に裸で出ることもしていたのだろうなと、ふと思う。

 闖入者が去ってホッとすると共に私の心はなんだか落ち着いてきてしまった。
 慣れない興奮がつづいたせいもあり心地よい疲れが、今日はここまで、と告げていた。

 トイレットペーパーと持参のウェットティッシュで全身をよく拭ってから普通に着衣し個室を後にした。
 個室のタイル床のちょうど便座の前辺りを白濁液の混ざる水溜まりが汚していたが、それはそのままにしておいた。
 トイレ内の通路に出ると、洗面台でさっきの闖入者が噴霧したのであろうローズメインなパフュームの残り香が漂っていた。

 四限の途中、午後四時過ぎという半端な時間に帰宅するため電車に乗った。
 まばらな空席の一つに腰掛けて揺れに身を任せながら、さっきまで自分が行なっていた痴態の数々を頭の中で反芻していた。
 寝たふりをしてうつむいていたから周囲にはわからなかっただろうが、思い出すこと一々が赤面を呼ぶものだった。

 自分で一番驚いたのは自分の中に隠れていたマゾヒスト的な資質だった。
 どちらかと言えばM寄りかなとは自分でも思っていたのだが、高圧的な態度や理不尽な命令には反発を覚えるタイプだとも思っていたので。

 だが、想像上の彼女から無理な命令を受けて恥ずかしい状態に追い込められるほどに性的興奮をしている自分がいた。
 変態な姿が誰かに視られてしまうかもしれないというスリルに、より淫らに反応してしまう自分の身体があった。
 しかしながらこれらを屈辱的と感じている自分も常にいたわけで、これはマゾ性というよりも破滅願望的な傾向に近いのかもしれない。

 午後五時前に自宅のマンションに着き、倒れるようにそのまま小一時間仮眠した後、夕食を買い置きの冷凍食品で軽く済ませてからゆっくりお風呂に浸かった。
 シャワーを浴びながら自分の身体を撫ぜているとどうしても昼間の興奮を思い出してしまう。

 お風呂から上がると下着も着けず肌の手入れもそこそこに全裸のままベッドにダイブした。
 昼間の興奮を蘇らせたくて四つん這いになり自分の性感帯を執拗に愛撫した。
 大きな姿見の前で乳房を揉みしだいたり膣口を広げてみたり、思い切り恥ずかしいと思える自分の姿を模索した。
 やっぱり陰毛は邪魔だなと思った。

 そんな思い出し自慰の終盤で私は結局、想像上の彼女、の言いなりになっていた。
 なにしろ想像上の彼女には私の恥ずかしい写真という切り札があるので、言いなりになるしか道は無いのだ。

 想像上の彼女がえげつない命令を次々に下してくる。
 それは私が今までマンガやラノベ、アニメや映画やAVやネットで好んで摂取してきた潜在的欲求の塊なのかもしれない。

 …こんなところで素っ裸なのだから、視られる覚悟も出来ているのよね?オマンコを自分の指で広げなさい…
 …そのまま目を瞑って恥ずかしい全裸で五分間、そこに立っていなさい。誰か来た気配がしても絶対隠してはだめよ…
 …あら、ここはずいぶん人通りが多いのね。誰もがおまえの全裸を凝視していくわ。あの人なんか立ち止まってしゃがみ込んで、おまえのオマンコを食い入るように奥の奥まで下から覗き込んでいるわよ…

 想像上の彼女は容赦無く公衆の面前に裸の私を連れ出す。
 言いなりな自分はまるで彼女の性奴隷玩具だなと私は屈辱の中で思う。

 …ここでおまえが大好きな自慰行為をしなさい。イクときはみなさんに許しを乞うてからイクこと…
 …オチンチンを出してくる人がいたら悦んでしゃぶって気持ち良くさせて上げなさい…
 …セックスを望む人がいたらどんな人にも従順に応じなさい。たとえ避妊具無しの中出しだとしても…

 そんな自分の股間を熱くする破滅的な妄想で何度も何度もイキ果てた。
 そこはかとない満足感と絶望感の中、私はいつしか全裸のまま眠りに就いていた。

 想像上の彼女に大人しく従っている私だったが自分はレズビアンではないと思う。
 現実の彼女と肌を寄せ合って一緒に気持ち良くなりたいとかは全然思わないし、初めての性行為も高校の頃、同級生の異性だった。

 高校一年の夏休み後に告白されてつきあった同じクラス同い年の男子。
 顔がその頃そこそこ人気のあったややイケメンお笑い芸人に似ていたため女子にもそこそこ人気のあった男子ではあった。

 最初の頃こそよく気の利くやさしいカレシであったが、プラトニックで迎えた次の年のお正月後、何かの弾みでディープキスを許してからはただのヤリタイお化けに豹変した。
 ことあるごとに二人きりになりたがり、ことあるごとに私の身体を触りたがった。

 セックスに対しては好奇心も有り不安も有りのやじろべえ状態な自分だったが、執拗な懇願に、そんなに言うのならと好奇心が僅差で勝った結果だった。
 二年生進級目前の春休み前、彼の両親が親戚の不幸で一晩帰ってこないという彼の一軒家の彼の部屋でであった。
 自分の両親には仲の良い女子四人でのお泊り会と嘘をつき、その頃の友人にも口裏を合わせてもらっていた。

 初めて勃起した男性器を見たときは驚愕だった。
 こんなものが私のソコに本当に入るのかと思った。

 それ以前から自慰行為はしていた。
 中学二年の春頃から性器の周辺を弄ると時々凄く気持ちのいい電流が全身をつらぬくことを知っていた。
 ただ、あまりに気持ち良すぎるので逆にあまりシてはイケナイことだとも思っていた。

 それでも何度かシているうちに、これは陰毛に隠れた性器の割れ始め付近にある包皮をかぶった硬いしこりのせいだとも気づいていた。
 そのしこりは何でも無い時にはひっそりとしているのだが、生理と生理の間に訪れる自分では制御不能なムラムラ期間のときには少し大きく包皮を持ち上げ、触ると感電したようにビリビリと気持ち良い快感がつらぬくのである。
 そんな感じで私のそれまでの自慰行為はクリトリス一辺倒であった。

 その日は夕食の時間頃に彼の家に行き、彼の母親が彼の為だけに作り置きしてくれた夕食と買ってきた菓子パンを二人で分け合って食べ、九時半くらいまでゲームで遊んだ後、お風呂にも入らず唐突に彼が部屋の電気を暗くした。
 常夜灯の焦げ茶色い薄闇の中、彼が私の着衣を脱がせていくがブラジャーの外し方はわからなかったらしく私が自分で外した。
 彼も焦ったようにパンツ一つの裸になり、いきなり抱きついてくる。

 性急に唇を合わせてきて性急に私の胸を激しく揉んだ。
 彼の口内は夕食に食べたトンカツのせいかなんだか獣臭かった。
 その間に彼は自分のパンツを脱ぎ、私のショーツも脱がせた。

 それから身体を離した彼は前屈みになりコソコソと避妊ゴムを着けた。
 そのとき私は生まれて初めて勃起した男性器を見た。

 私に覆いかぶさった彼は闇雲に硬く充血した男性器を私の股間に押し付けてくる。
 粘膜を押してくる異物は痛いだけだった。
 少しの間そうしているうちに私の粘膜中に収まりの良さそうな窪みがみつかり、そこへ強引に異物を捩じ込んでくる。
 入口近辺がヒリヒリ痛くて不快なだけだった。

 自分の性器に熱くて硬い何かがめり込んで来る感じ。
 意外と深くまで挿さるものなんだな。
 不快な痛みに顔を歪めながら、そんなふうに思った。
 彼にはおそらく感じている顔に見えたことだろう。

 無我夢中な彼は目を瞑って私にしがみついたまま数秒間無闇に腰を押し付けてきたかと思ったら静かになった。
 果てたようだった。
 私から身体を離し仰向けになってハアハアと息を上げていた。
 性器からの出血はなかった。

 その三十分後くらいにもう一度望まれて従ったのだがやはり痛くて不快なだけだった。
 彼は満足げに眠りに落ち、私は釈然としない気持ちでなかなか寝付けなかった。
 セックスってこんな程度のものなのかと失望していた。

 高校二年へ進級のクラス替えで彼とは違うクラスとなったが、つきあいはまだ続いていた。
 仲の良かった女子たちとも散り散りとなってしまいクラスでは孤立気味だった。

 彼の両親が夜まで不在のときに度々彼の部屋に誘われたが、のらりくらりと断っていた。
 五月の連休の頃、ヤリタイだけお化けからの度重なる誘いにしょうがなく一度だけ乗ってあげたのだが、やっぱり痛いだけで、もうしたくないと喧嘩になった。
 それで完全に諦めがつき彼を避けるようになって、いつの間にか交際は自然消滅していた。

 その頃からクラスの同性数人による軽いイジメのようなものが始まった。
 イジメと言っても無視されたり悪口陰口のような可愛らしいものだったが。

 ある日には教室の黒板に私の名前と、マグロ女、という文字が大きく書かれていた。
 おそらく彼があることないこと言いふらして、それを書いた人物は彼を好いていたのだろう。
 男性の身勝手さと女性の陰湿さを身を以て体験した私は諦観して内に籠るようになり、教室の隅で読書ばかりしている陰気な女になっていった。

 ただ、そんなことがあったおかげで逆に性への興味は大いに刺激され、その手の文章や画像、映像、創作物を手当たり次第摂取していった。
 ノーマルだろうがSMだろうがBLだろうがGLだろうが、そういう類の情報を主にネットで夜な夜な収集した。
 誰もが気持ち良いと口を揃える性行為なのに何故自分だけは不快だったのか、その理由が知りたかった。

 ある日、いつものようにネットサーフィンをしていると、とあるお菓子の容器で自慰行為をすると気持ち良いという記事をみつけた。
 そのお菓子とはグミで、口の中でグニュグニュする感触が好きで私もたまに買っていたお菓子だったが、その容器をそういう目で見たことはなかった。
 確かに長さも太さも私が見た勃起した男性器とほぼ同じ、ただし容器のように緩い瓢箪型にウネウネはしていなかったが。

 その記事は懇切丁寧に書かれており、ビニールの包装紙は剥がすこと、避妊ゴムを被せた方がいいこと、潤滑ゼリーを併用すること等々が書かれていて、私は素直に従った。
 避妊ゴムは彼が私に預けていた分がたくさん残っていたし、潤滑ゼリーはネット通販で入手した。

 実際にそれで自慰を行なってみて驚いた。
 避妊ゴムを被せて潤滑ゼリーを垂らしたグミ容器は難なく私の膣内に収まり、それを動かすたびにグングンと性感が高まった。
 痛みも不快感もまったく感じずに、ただただ気持ち良かった。
 凸凹した表面が粘膜にピッタリ吸着したまま滑り、出し挿れをくり返すとこれまで経験したことないほどの恍惚とした快感が股間から全身へと広がっていった。

 一度達した後は少しの刺激で前にも増した快感を味わえる。
 より強烈な快感を求めて何度も何度も貪るうちに私は膣中イキも出来るようになっていた。

 残りの高校生活を内向きなまま自慰行為とそのネタ集めに費やした私には、結婚も子供を作ることも生涯出来ないだろうなと考えた。
 それならばせめて他人様のちっちゃくて無垢な子供の世話でもして静かに暮らしていこうと思い、この女子大を志望し合格した。

 そんな根深いコミュ障をこじらせている私が久々に興味を抱いた人物、それが彼女だった。