2018年3月25日

三人のミストレス 22

「スレイブたちは部屋の真ん中まで行きなさい」
「仰せのままに、ミストレス」
 ミイコさまのご命令にジャクリーンさまがお芝居っぽくお答えになり、しずしずとバスルーム奥へと進まれます。

 ジャクリーンさまのお背中を数歩遅れて追う私。
 バスルームの床は排水の為なのでしょう、縁の四方に溝が走り、洗い場スペースは階段ニ段分くらい高くなっていました。

 歩きながら何気なく左側を見たとき、ドキッと心臓が跳ねました。
 そちら側の壁一面が全部、鏡になっていたからです。
 明るい照明の下で、前を行かれるジャクリーンさまと、後につづく私の全裸姿が鮮やかに映し出されていました。

「おーけー、その辺りで鏡のほうを向いて並んで立って、髪が濡れないように、自分で後ろ髪をまとめて上げていなさい」
「里美さんたちは飛沫で濡れないように入り口付近にいていいわ、これからスレイブたちに水浴びさせるから」
 背後からミイコさまのお声が聞こえてきます。

 そう言えば、さっき上がったステージも、後ろ側が全面鏡張りだったっけ。
 それでこのバスルームは、そのステージのちょうど真裏に位置しているはず。
 もしかしたらこの鏡って・・・
 不穏な予感が脳裏をよぎりました。

 お隣を見るとジャクリーンさまは、両手で後ろ髪を束ねて後頭部まで上げ、鏡に向かって背筋を伸ばしてスクッと立たれておられます。
 露になったうなじとほつれた後れ毛が凄く色っぽい。
 鏡には両腋の下全開な、結果的にマゾの服従ポーズとなったジャクリーンさまの等身大の裸身が鮮明に映っていました。

 ジャクリーンさまがこのバスルームの存在にまったく驚かれていないのは、このお店のイベントに何度もご出演されてご存知だったからでしょう。
 全面鏡にも、さも当然のようなお振る舞い。
 私たちが来る前にもショーをされていたようだし、ここは経験値のお高いジャクリーンさまの真似をしておけば間違いないだろうと思い、私もお隣で同じポーズを取ることにします。

「ひゃんっ!」
 不意に背中に刺激を感じました。
 鏡を見ると私たちの背後から笑顔のミイコさまが、シャワーホースで水流を当ててきていました。

 シャワーと言うより、お庭のお水撒きみたくほぼ一本線となった勢いの良い水流。
 ジャクリーンさまと私を交互に狙って、強い水流が背中を打ちつけてきます。
 少し湯気の立つほどよいぬるま湯なので、冷たさは感じません。
 ピシャピシャという奔放な水音がバスルームに響き、目前の鏡がみるみる曇っていきました。

「これからお客様にじっくり視て、弄ってもらう淫乱マンコは、とくに念入りに洗ってあげる。もっと脚をガバっと開いて、こっちにお尻を突き出しなさい!」
 らしくないミイコさまの大きなご命令声は、やかましい水音に負けないためでしょう。

「お心遣い、ありがとうございます、ミストレスっ!」
 ジャクリーンさまも負けじと大きなお声でお答えされ、両脚をグイッと左右に大きく開いて膝を折り、腰を落として前屈みになられました。
 何て言うか、取り組み前のお相撲さんみたいな、女性がするととても浅ましい感じのガニ股大開脚。

「ほら、直子もっ!」
「あ、は、はいっ!」
 ミイコさまの怒声に煽られ、あわてて私もジャクリーンさまのポーズを真似します。

「あふぅぅ・・・」
 お隣からジャクリーンさまの悩ましいお声。
 激しい水流がジャクリーンさまの開いた膣穴を直撃しているのでしょう。

「あぁんっ!」
 すぐに私も同じ声をあげることになりました。
 大きく割れた股間の粘膜に、勢い良く飛び込んでくる太くて乱暴な水流。
 おまけに予想に反して真水に戻った冷たい刺激。

 水流はお尻の穴とその下の穴をせわしなく上下して、イタズラに情欲を刺激してきます。
 私は小さくあふんあふん、喘ぎっ放し。
 一番敏感な部分に水流を当てたくてお尻を捩っていたら、唐突に水流がピタッと止まりました。

「上半身を起こして、こっちを向きなさい」
 ミイコさまのご命令に即座にご反応されるジャクリーンさま。
 私もジャクリーンさまと同じように、ガニ股のまま回れ右をしてミイコさまのほうに向き直ります。

 間髪入れずほとばしる水流が、今度は先に私のほうへと襲いかかってきました。
 水温は真水のまま、冷たい刺激がおっぱいに打ち付けられます。

 さーこママさまのお店を出るときは濡れタオルで全身を拭かれた程度でしたから、まだなんとなくベタベタしていた素肌の汗やよだれの残滓が、ビシャビシャという水音と一緒に洗い流されていきます。
 気持ちいい・・・
 水流に合わせて両手を素肌に滑らせたくて堪りませんが、マゾドレイの身ですから服従ポーズを崩すわけにはいきません。

 水流が徐々に下っておへそを穿たれ、お腹の辺りはとくに入念に。
 さらに両脚を流し、最後に少し長めに股間へと。
 剥き出し肉芽が水流の振動にもてあそばれ、身悶えしそうになったとき、スーッと水流はジャクリーンさまのほうへと逸れていきました。

「まあこんなもんでいいでしょ。これでふたりともさっぱりしたんじゃない?汗臭かったもんね。心機一転がんばろう!って気になった?」
 ジャクリーンさまも私と同じように水流でなぶられた後、ミイコさまがシャワーを止め、からかうように尋ねてきました。
 浅ましいガニ股服従ポーズのまま、はい、とうなずくジャクリーンさまと私。

「オシッコしたいなら、今のうちにしといたほうがいいわよ。ショーが始まったら休憩は無し。放尿姿も見世物になっちゃうからね」
 亀甲縛りの乳首を尖らせたミイコさまがニヤニヤなお顔でおっしゃいました。
「するんなら鏡のほうを向いて、端の溝に向けて飛ばしなさい。床に水を流しておいてあげるから」

「はい。失礼ながらミストレス、お言葉に甘えて奴隷は放尿させていただきます」
 ジャクリーンさまが妙に色っぽいお声でお応えになり、再び鏡のほうへと向き直ります。
 私も少し尿意を感じていたのですが、里美さまやしほりさまも見守る中で、という状況ではやっぱり躊躇してしまいます。

「直子は?したくないの?」
 ミイコさまの冷たいお声でのご尋問。
「あ、いえ、少ししたいのですが・・・」
 視線を里美さまたちのほうへと泳がせる私。

「何?ここまできて今更羞じらっているの?会社の同僚に放尿姿を晒すのが嫌なの?」
 イジワルく尋ねてくるミイコさま。

「言っておくけれど、これからオシッコ姿よりもみじめで浅ましい姿を、同僚どころか見知らぬお客様全員にご披露する身なのよ?こんなところで躊躇っているようじゃ、先が思いやられるわ」
 呆れ返ったお声でミイコさまが天を仰がれました。

「やれやれ、わかった。これは連帯責任ね。ジャッキーのオシッコもお預け。直子が放尿を開始したら、ジャッキーも出していいわ」
 ミイコさまがお背中を向けられているジャクリーンさまのお尻に、ピシリと乗馬鞭を一発見舞われながらおっしゃいました。

「ヒィッ!」
 打擲と同時にジャクリーンさまのお背中がビクンと硬直しました。
 ジロリとうらめしそうに私を見遣るジャクリーンさま。

「ねえナオちゃん?ナオちゃんは忘れてしまっているようだけれど、わたしの言葉は全部、命令なのよ?」
 妙におやさしく、同情するみたいにご心配そうに私の顔を覗き込んでくるミイコさま。

「さっきステージで宣誓したでしょ?スレイブには一切の拒否権は無いの。逆らうのなら、素っ裸でお店の外に放り出して、わたしたちとは永遠にさようなら。それでもいいの?」
 薄い笑いを唇に浮かべながらも瞳だけは笑っていない、ミイコさまの残忍なお顔。

「ご、ごめんなさい・・・わかりました、わ、私もここで、オ、オシッコしま、あ、いえ、させていただきます・・・」
 ミイコさまの迫力に気圧され、冷たいお水を浴びせられて尿意が高まっていたこともあり、里美さまたちの前での放尿を承諾しました。

「いい子ね。ならさっさと鏡に向きなさい。前に飛ばせるなら、どんな格好でしてもいいから」
 ミイコさまの乗馬鞭の先が私の両おっぱいの谷間をつつきます。

「は、はい・・・」
 お返事を返しつつジャクリーンさまを見ると、 両手は後頭部で重ねたまま完全にしゃがみ込んでおられます。

 お相撲で言うところの蹲踞、バレエだとグランプリエ、すなわち和式のおトイレで用を足そうとしているときの姿勢。
 両腿をグイッと180度近く開いたジャクリーンさまの無毛の陰唇が割れ、中身の柘榴色までが真正面の鏡に鮮明に映り込んでいました。

 その格好で私を悩ましく見上げてくるジャクリーンさま。
 あなたもさっさとそこにしゃがんで、わたくしに早くオシッコさせてちょうだい・・・と訴えかけてくるかのよう。
 仕方なく私もジャクリーンさまと同じ格好にしゃがみ込みました。

「おーけー。直子が発射したらジャッキーも放尿していいわよ。まだこれはバトルじゃないから、飛距離とか量は測らないから、心いくまでオシッコ出し切るといいわ」
 ミイコさまが嘲るようにおっしゃいました。

 鏡に映っている光景が凄くヘンタイです。
 首輪だけの全裸で女性器を開ききってしゃがみ込むマゾドレイがふたり。
 その背後に、これまた全裸に亀甲縛りを施し、蝶ネクタイの襟と袖だけで裸身を飾ったミストレスが、乗馬鞭片手にニヤニヤ笑い。
 清楚なエプロン姿の里美さまとしほりさまもいつの間にかミイコさまのお隣におられ、鏡の中の私とジャクリーンさまに好奇に満ちたまなざしをぶつけてきています。

「直子さま、早くオシッコを・・・でないと奴隷はもう・・・」
「あ、はい・・・」
 ジャクリーンさまにまで急かされて、覚悟を決めて下腹部に力を入れます。
 爪先立ちな両足の指に、背後から音も無く床を流れてくる水の冷たさを感じたとき、尿道が開く感覚がありました。

 チョロリ・・・
 最初は真下の床に垂れ落ちる程度だったのですが、あれよと言う間に放物線を描くほど勢いが増していました。
 けっこう溜まっていたんだ・・・
 鏡の脇の溝へとピチャピチャ恥ずかしい水音をたてて飛び散る私のお小水。

「直子が出たからジャッキーも出していいわよ。ほら、うつむかないで、自分の恥ずかしい放尿姿をちゃんと見つめていなさいっ!」
 ミイコさまのお言葉に顔を上げ、自分の放尿姿を鏡に確認すると同時に、面前の鏡がフッと消えました。

「えっ!?」
 思わず大きな声が出てしまいました。

 今まで鏡だった壁一面が大きな素通しガラスに。
 当然、そのガラスの向こう側にはステージがあり、明るくなったステージ前に詰めかけたお店のお客様がたのお姿が丸見え。

 私たちがしゃがんでいる床はステージよりも更に一段上にあるようで、座っているお客様の目線の高さに、ちょうど私たちの女性器があるみたい。
 みなさま満面の笑顔でこちらを指差し、ニヤニヤ笑われていました。

 そんな状況になっても私のオシッコは止まりませんでした。
 相変わらず開いた陰唇奥の尿道口から水流がガラス窓に向けて、ジョボジョボほとばしっています。
 ふと気になってジャクリーンさまは、と見ると、切なそうに眉根を寄せつつもなんとも嬉しそうなお顔で、私と同じようにお客様がたに向けてジョボジョボと水流を放たれています。

 私の放尿姿、お店のお客様たち全員の見世物に、すでになっていたんだ・・・
 このお部屋はこういう仕掛けで、それがわかっていてジャクリーンさままで、私にオシッコするようにけしかけていたんだ。
 その事実に逃げ出したいほどの恥ずかしさが背筋を駆け上ったとき、やっとオシッコが止まりました。

「どう?面白いでしょ?この壁一面はマジックミラーになっているの。それも電流を流すことで鏡が一瞬でガラスになるハイテク仕様」
 ミイコさまがご自慢そうに告げると、ガラスの向こうのお客様たちが一斉に拍手。

「あなたたちがここに入ったときから、フロアのお客様たちには全部丸見えだったのよ。この鏡、普通のマジックミラーの機能もあるからね。もちろん音声もマイクを通じて向こうに筒抜け」
 ご愉快そうな笑顔でご説明くださるミイコさま。
 さっきのガニ股水責めも、すべてフロアから丸見えだったんだ・・・

「ジャッキーは何度も出ているから知っていたでしょうけれど、直子の反応は面白かったわ。たぶんその初々しさにお客様がたも、この後のショーの期待がどんどん膨らんだと思う」
 ミイコさまのお言葉に呼応するように、ガラスの向こうで手を叩かれ盛り上がるお客様がた。

 ガラス越しの私の真正面には、お姉さまとシーナさま、やよいママさま、そしてこちらにレンズを向ける小野寺さまが陣取り、互いに何かおっしゃりながら私を指差して笑われています。
 ジャクリーンさまと私は、まさに性的な余興のための見世物なんだ・・・
 里美さまたちはおろか、ここにいるお客様がた全員に放尿姿を晒して、嘲笑われているんだ・・・

 これまでオナニーのために何度も妄想してきた、不特定多数の方々に痴態を視姦され、慰み者となるシチュエーション。
 それが今、紛れも無く現実となっていることに気づいて、からだの奥底から得も言われぬ被虐の快感が湧き上がってきていました。

「さあ、それではみなさん、お待たせいたしました。夏の百合草会スペシャルイベント、新旧マゾスレイブ、恥辱のバトルショーを始めたいと思いまーす」
 ミイコさまのお声の調子が変わり、ガラスの向こう側のお客様がたを意識した、司会進行役っぽいよそ行きなお声になられていました。

 まるで昔、家族で観たイルカさんの水上ショーでの司会のお姉さんみたい。
 ジャクリーンさまと私は、ショーで芸をご披露する調教されたイルカさんです。
 もはや逃げも隠れも出来ないと悟り、却って心が落ち着いてきました。

「第一ラウンドはオーソドックスにエネマ対決です。アナルを綺麗にしておいたほうがみなさんもこの後弄りやすいと思うので、この密室で先にちゃっちゃと済ませておきたいと思いまーす」
 そこまでおっしゃり、イタズラっぽくニッと微笑まれたミイコさま。

「みなさんが飲み食いされているそちらのフロアで、スレイブたちの汚いものをぶちまける訳にはいきませんからね」
 お道化た口調のミイコさまに、嬉しそうに笑われるお客様がた。
 何か野次みたいなものを叫ばれているかたもいらっしゃるみたいですが音声は一方通行のようで、こちらにはそのお声までは聞こえてきません。

「最初ですからルールはシンプルに、これからふたりにぬるま湯浣腸を施して、より長く我慢出来たほうが勝ち」
「ただしジャクリーンと直子ではマゾとしてのキャリアが違い過ぎますから、ハンデをつけます。ジャクリーンは500cc、直子は半分の250ccとします」
 私が見たこともない大きなガラスのお浣腸器を取り出しながら、おっしゃいました。

 えっ?最初からお浣腸姿をみなさまにお見せするの?
 せっかく落ち着いてきた心臓が一気にドキドキに戻ってしまいます。

「スレイブたちはその場で四つん這いになりなさい。お客様に顔を視てもらえるように」
 しほりさまが差し出したポリ容器からお浣腸器に液体を吸引しつつ、ミイコさまがご命令を下しました。

「お客様だって、おまえたちが噴射するものなんて見たくもないでしょうからね。苦痛に悶え苦しむ憐れなマゾ顔をお見せして、お客様に愉しんでいただきなさい」
 ミイコさまは、ご自身もマゾでいらっしゃるので、マゾが悦ぶ虐め方をよくご存知なのでしょう。
 冷たいご命令口調に、私のマゾ性もぐんぐんヒートアップ。
 同時に泣きたいほどの絶望感も全身を駆け巡っています。

 お隣を見るとすでにジャクリーンさまは、濡れたタイルの床に両手を突いてひざまずき、おねだりするような蕩け顔。
 私もおずおずと四つん這いになります。

 私、またお浣腸されてしまうんだ・・・
 今日はすでに、さーこママさまのお店に向かう前に、オフィスの女子トイレでお姉さまから果実型容器のお浣腸薬をいただいていました。
 そしてその排泄の瞬間を、里美さまに間近で視られていました。
 私が今までに排泄姿をご披露したのは、今夜ここにお集まりの歴代ミストレスの方々と里美さまだけ。

 うまくご説明出来ないのですが、私の中では、性的にあられもない姿をお見せするのと、排泄姿を観察されるのとでは、恥ずかしさの質がかなり異なっていました。
 たとえばイク姿を視られるのと、お浣腸で我慢しきれず洩らしてしまう姿を視られるのとでは、圧倒的に後者のほうが居心地の悪い、負のベクトル寄りな羞恥を強く感じてしまうのです。
 
 種類は違っても羞恥が強い分、マゾ性ゆえの被虐感や恥辱感も強まり、結果、性的興奮もより高まることではあるのですが、してしまった後の屈辱感と後悔が大きいことが、人前でのお浣腸プレイを私が勧んでしたがらない理由でした。

 今回は里美さまどころではなく、今夜初めてお会いしたやよいママさまのお店の常連さまたち全員に、私の排泄の瞬間を観察されてしまいます。
 それも同性好きな女性ばかり、その数、およそ30名以上に。

 人間失格とか公衆肉便器とか変態露出奴隷とか、マゾ性を滾らせる恥ずかしい単語が、頭の中をグルグル回っています。
 ガラス越しに注がれる私への視線すべてが、私を貶み、嘲笑い、軽蔑しきっているように感じられてしまいます。
 そして、性質の悪いことにそう感じることで、私は性的にグングン昂ぶっていました。

「里美さんは浣腸器、扱ったことあるのよね?」
 四つん這いの頭の上で、ミイコさまのお声がしました。

「あ、はい。するのもされるのも経験済みです。直子にはまだしたことないけれど」
 弾んだお声でご返事された里美さま。
 そっか、ああ見えて里美さま、お浣腸をした、はわかるけれど、されたこともあるんだ・・・

「じゃあ里美さんはジャクリーンをお願いね。同時に注入しないと不公平になっちゃうから」
 里美さまに大きなお浣腸器を手渡し、ご自分はあらためて一回り小さいお浣腸器に液体を満たすミイコさま。

「はい、それではエネマ対決を始めます。今からスレイブたちのアナルにぬるま湯を注入して、どちらがより長く噴射を我慢出来るか、というバトルです」
 私のお尻の穴にガラスのひんやりとした感触が当たりました。
 顔を横に向けるとジャクリーンさまの、とても嬉しげに悩ましいお顔。

「ワンツースリーで浣腸液を同時に注入し、浣腸器が離れたところからカウントスタートです」
「スレイブたちは絶対うつむかないこと。常に顔をみなさんにお見せして、出ちゃうときは、ちゃんと直前に宣言しないと、即失格だからね」

 語気鋭いミイコさまのお言葉の後、肛門に固いものがズブリと押し挿り、つづいて生温かい液体がお腹を満たし始めました。


三人のミストレス 23

2018年3月4日

三人のミストレス 21

 ドアの向こう側からミイコさまにリードを引かれジャクリーンさまと私も、そのお部屋に素足を踏み入れました。
 長方形の狭めな空間は、広いお部屋の端っこを無理やり壁で仕切った、みたいな感じ。

 床はタイル貼りで、長方形スペースの短いほうの辺の突き当りに細長いロッカーと棚がいくつか設えてあるだけ。
 私たちが入ってきたドアの2メートルくらい先にもう一枚扉があり、雰囲気としては、手狭な更衣室、という趣でした。
 つづいて里美さまとしほりさまがお入りになると、お部屋内はもはやちょっと息苦しい感じです。

「狭いからジャクリーンとナオちゃんは、そっちのドアの前で待機していて」
 もっと奥のお部屋へつづくのであろう扉を指さされるミイコさま。
 そのあいだにもロッカーから脱衣カゴみたいなものやお風呂桶みたいなものを次々にテキパキとお出しになっています。

「里美さんとしほりさんは、とりあえずふたりをシンプルな裸にしちゃって。首輪と手足のベルトだけ残して、あとは全部外すの。リードも手錠もいったん外しちゃっていいわ」
「了解でーす」
 ミイコさまのリクエストに里美さまが弾んだお声でお応えになりました。

「じゃあしほりんは直子をお願いね。わたしはこちらのマダムを担当するわ」
 里美さまがジャクリーンさまの背後に立たれ、しほりさまは私の目の前へ。

「あ、いえ、あの、お嬢様、えーと里美さまでしたね?恐れ入ります、どうか奴隷のことをマダムなどと、分不相応な呼称でお呼びにならないでくださいませ。ドミナに叱られてしまいます」
 ジャクリーンさまが媚びるように、里美さまに懇願されています。

「奴隷のことはご自由に、牝ブタとでも、淫乱エロババアでも公衆肉便器でも、お好きなように、どうか蔑んでくださいませ」
 後ろ手錠を外されると同時に、自然に両手が頭の後ろへと上がるのは、シーナさまのジャクリーンさまへの、厳しい躾の賜物なのでしょう。

「わかったわ、牝ブタおばさん。本当によく躾けられていること」
 私と同じご感想をお持ちになったらしい里美さまが、すごく嬉しそうにニヤリと、嗜虐感たっぷりの笑顔になりました。
 里美さまは、手際よくジャクリーンさまのリードと後ろ手錠を外してあげた他には何もされず、そのままマゾの服従ポーズで立ち尽くすジャクリーンさまの肢体を上から下まで、ニヤニヤしげしげと見つめられています。

 しほりさまは、私のボディハーネスのベルトを丁寧に外してくださっています。
 あらかたのベルトが緩められ、あとはもうからだから取り去るだけとなったときやっと、後ろ手錠とリードが外されました。
 もちろんジャクリーンさまを見習って、すかさず私もマゾの服従ポーズになりました。

「それと、エプロン使うなら、このロッカーに入っているから、ご自由にどうぞ。これからたくさん水使うことになるから、あなたたちのお洋服も濡れちゃうかもしれないわよ」
 ロッカー傍のミイコさまからお声がかかりました。

 お声につられてそちらを視た途端にギョッ!
 同じくそちらに視線を走らせた里美さまとしほりさまも瞬間、肩をヒクっと震わせていらっしゃいました。

 ミイコさまは、いつの間にかメイド衣装をすべてお脱ぎになり、私やジャクリーンさまと同じように裸になっていらっしゃいました。
 いいえ、正確にはまるっきりの全裸ではなく、お出迎えくださったときに私が気づいた通り、ミイコさまの裸体には麻縄が這っていました。
 後ろ向きの背骨のラインやウェストを、生成りの麻縄が素肌に吸い付くみたいにピッタリと、ミイコさまの色白な素肌を飾っていました。

「これからスレイブたちにはシャワーを浴びせるからね。そのドアの向こうは浴室スペースになっているの。ジャッキーは知っているでしょうけれど」
 ジャッキーと呼ばれたのはジャクリーンさまのことでしょう。
 私たちの戸惑いなど意に介さないご様子で、朗らかにおっしゃったミイコさま。
 形の良いお尻をこちらに突き出してロッカー内をゴソゴソされながらつづけます。

「ボンデージっぽいので良ければ着替えの衣装もあるけれど、なんだったらあなたたちも、いっそ裸になっちゃう?」
「あ、でもあなたたち、うちの店、初めてだもんね。ショーが進んだらお客さんたちも大半が下着姿かトップレス、ボトムレスになっていたりするのだけれど、初めての人が初っ端から裸は恥ずかしいか」

「このエプロン、撥水性いいから着けているだけでだいぶ違うよ。服濡らしたままエアコンあたると風邪ひくかもでしょ?」
 そこまでおっしゃって、ミイコさまがこちらをお向きになられました。

 生成りの麻縄による端正な亀甲柄で飾られた、ミイコさまのお美しい裸身。
 首元からおっぱい、ウエスト、下半身まで、規則正しい六角形の縄模様が素肌を這っています。
 もちろん、おっぱいも女性器も丸出しで。

 お久しぶりに拝見したミイコさまのヌードは、相変わらずのお美しさ。
 小ぶりながらもツンと天を衝く美乳の桃色乳首が、ミイコさまもまた興奮されていることを示しています。
 股の裂け目に食い込むコブ付きの縄目のすぐ上に、綺麗に刈り揃えたポストイットみたいな長方形の陰毛が申し訳程度に残っています。
 ミイコさまに作っていただいた自縛ビデオで何度も拝見した、恥丘の向かって右斜上にポツンとある小さなホクロを含めて、懐かしくもお美しいまま変わらない裸体が、目前数メートル先にありました。

 更にミイコさまは、ご自分の裸身に艶めかしいアレンジを施していらっしゃいました。
 俗に言うバニーガールさんがよく着けていらっしゃる、蝶ネクタイ付きの付け襟と手首のカフス状の付け袖。
 フォーマルなYシャツの襟と袖口の部分だけの装飾アイテム。
 それらをご自分の裸身に付け加えていらっしゃいました。

 つまり、バニーガールさんからウサ耳とボディスーツ、網タイツを剥ぎ取り、その代わり裸体に麻縄の亀甲縛りを施したお姿。
 縄で絞られた窮屈そうなおっぱい、股のワレメに食い込む麻縄、そんな被虐性とは正反対のフォーマルな雰囲気を醸し出す白いカラーの付け襟タイとカフス。
 そのアンバランスなコーディネートが、絵画にして美術館にでも飾りたくなるような、妙に品のあるアートっぽさと強烈なエロティシズムを同時に放っていました。

 真っ白な襟に黒くて可愛らしい蝶ネクタイと真っ白な袖口を亀甲縛りヌードに付けただけで、ミイコさまのヌードはとてもエレガントに見えました。
 ワンちゃんの首輪と拘束用ベルトを手足首に巻かれた私とジャクリーンさまが並んだら、たとえ中身は同じマゾ女だとしてもミイコさまのほうが格段にチャーミングに見えることでしょう。

「何わたしのこと、そんなにジロジロ視ているの?」
 両手にいろいろお荷物を持ったミイコさまが、照れ隠しみたいに少し怒っているような口調でおっしゃりながら近づいてこられます。

「わたしだって基本エム女だからね。裸を視られるのは好きなのよ。お店で裸になるのには慣れているし、わたしのからだ目当てのお客様だって少しはいるからね、サービスしなくちゃ」
 言い訳っぽくおっしゃりながら目前までいらしたミイコさまを、ジャクリーンさまが羨ましそうに見つめています。

「あ、そういうことならわたし、エプロンお借りします!」
「あ、わたしも」
 ミイコさまが床にお荷物を置いたガタッという音で、ハッと夢から醒められたように我に返った里美さまとしほりさまが、相次いでおっしゃいました。

「うん。じゃあこれ使って。あとスレイブたちの私物はこのカゴの中にね。あなたたちに渡したバッグとこの中が責め具類。このボトルが消毒液だから、体内に挿入する類の責め具は仕様前使用後によく消毒してね」
 ミイコさまのご注意に、はい、とお返事しつつも、魅入られたようにミイコさまのヌードに釘付けな里美さまとしほりさま。

「ミイコさんて本当、お綺麗なからだなんですね?プロポーションもバツグンだし、お顔もウィッグ映えしそうだし、着せ替え人形遊びとか、したくなっちゃう」
 しほりさまが珍しく、ご興奮気味なご様子でミイコさまを褒めちぎられます。

「あら、嬉しいこと言ってくれるのね。最近、やよいママともマンネリ気味だから、今度内緒でお手合わせ願っちゃおうかな」
 小悪魔的な笑顔で不穏なことをおっしゃるミイコさま。

「確かにミイコさんも魅力的だけれど、わたしはこっちの牝ブタおばさんの、ビミョーにラインが崩れたようなからだのほうが萌えちゃうな。お腹の脂肪の具合とかいやらしくて、縛り甲斐ありそうじゃない?」
 里美さまがジャクリーンさまの下腹部をしげしげと見つめつつ、すごくいやらしい感じでおっしゃいました。
 同じく裸なのに、どちらからも話題にされない私の裸って・・・

 そんな軽口を叩かれつつ、里美さまとしほりさまがそれぞれ、手渡された真っ白なエプロンを身に着けています。
 しほりさまは今日も真っ黒なゆったり目のTシャツにブラックスリムジーンズ。
 里美さまはカチッとしたYシャツ風ブラウスに濃茶の膝上タイトスカートというOLさん風いでたち。

 その上に真っ白で清楚な膝下丈ロングエプロンを纏われたおふたり。
 派手すぎないフリルがヴィクトリア朝ぽくて、この場がなんだか一段と格調高くなった感じ。
 5名いる女性のうち3名が裸ですけれど。

「ストッキング類はここで脱いで、裸足になっておいたほうがいいよ。床は間違いなく水浸しになるから」
 ミイコさまのアドバイスに、あわててエプロンごとスカートをたくし上げる里美さま。

「あれ?ジャッキーのブタの尻尾、まだ抜いていないの?ニップルクリップも」
 服従姿のジャクリーンさまを怪訝そうにご覧になりつつおっしゃったミイコさま。
 そのお言葉にご反応されたのも里美さまでした。

「あ、いっけない。ミイコさんの可憐なヌードに見惚れていて忘れちゃっていたわ」
 バツの悪そうな笑みを浮かべた里美さまが、お脱ぎになったパンストを器用に丸めつつ私を見ました。

「わたし、その役は直子にやらせようと思っていたんだ。手錠とリードだけ外して、しほりさんの直子の世話が終わるのを待っているうちに忘れちゃってた」
 テヘペロな笑顔で朗らかにおっしゃる里美さま。

 すでに私は、しほりさまからボディハーネスをすべて外していただき、ミイコさまおっしゃるところの、シンプルな裸、になっていました。
 すなわち首輪と、手枷、足枷用に巻かれた手足首用リング付きベルト以外、何も身に着けていない姿で、すべて剥き出しなマゾの服従ポーズ。

「それじゃああらためて命令するわ。直子、そちらのマゾおばさんの乳首クリップとアナルの栓、直子の手で外してやりなさい」
 里美さまから、わざとらしく重々しいお芝居口調でのご命令。

「は、はい・・・」
 ご命令を聞くや否や、私のほうに向き直り、その豊満なおっぱいを突き出してくるジャクリーンさま。
 私は服従ポーズを解き、おずおずとジャクリーンさまのおっぱいへと両手を伸ばします。

「お願いします、直子さま・・・」
 私の手がおっぱいに触れる前から、眉間にシワを寄せてギュッと目をつぶり、悩ましいお顔をお見せになられるジャクリーンさま。
 そう言えばジャクリーンさまは、いったいいつ頃から、かけはりに乳首を噛まれつづけていたのでしょう?

 ジャクリーンさまがテーブルの下にうずくまられていたときからチェーンはぶら下がっていたようです。
 その後、銀盆をぶら下げられ空いたグラスの重さ責めに苛まれて、今まで。
 長時間噛まれているほど、外すときにより大きな激痛が走ることは、私も自分のからだで知っていました。

 恐る恐る、まず右手をジャクリーンさまの左おっぱいへと伸ばします。
 かけはりの金具にそっと手をかけ、スプリングの効いた持ち手をやんわりと絞りました。
 意外にバネは軽いんだ・・・
 柔らかいものに食い込んでいた先端がそのものから離れるムニッとした微かな感触が、かけはりのスチールを伝わって私の右手に感じられました。

「あうぅぅっ・・・」
 その感触と同時にジャクリーンさまの唇から悲痛な呻き声が零れ出ます。
 端正なお顔が大きく歪み、左肩がビクンと上がり、おっぱいがブルンと暴れました。

 かけはり自体は予想外に軽かったのですが、繋がったチェーンは見た目よりもかなり重量がありました。
 多分このチェーンだけでも、乳首に中身の詰まった缶ビールを一本ぶら下げているくらいの重力がかかっていたはずです。

 ジャクリーンさまは相変わらず目をつぶったまま唇を噛みしめ、次の右乳首への激痛に備えていらっしゃるご様子。
 そのご様子を見て思わず、私の手の中で落下を免れているこの重い鎖を、パッと手を放して落下させたら面白そう、というサディスティックな衝動が湧き上がります。

 ふと見るとジャクリーンさまの大きめな左乳首は、噛まれていた場所が同じように未だ凹んだまま。
 その生々しい責め痕に、私までどうしようもなくゾクゾクしてきて、とてもそんな可哀想なことは出来なくなり、衝動を頭から振り払いました。

 外したかけはりを左手に移し、ジャクリーンさまの左乳首のかけはりに右手を伸ばします。
「んぐむぅぅぅ・・・」
 右のときよりももっと痛々しい、喉奥からほとばしるような呻き声。
 凹んだ責め痕も右より深いみたい。

「あうぅっ・・・な、直子さま、いやらしい奴隷を苦痛から解放してくださり、ありがとうございますぅ・・・」
 眉間にシワを寄せたまま、縋るような涙目で御礼をおっしゃってくるジャクリーンさま。
 きっとまだ両乳首は疼痛でズキズキ疼いているはずです。
 今度は、ジャクリーンさまのふくよかなおっぱいを、いたわるようにやさしく愛撫してさしあげたくて仕方ありません。

「おーけー直子。その乳首クリップはこちらにちょうだい」
 里美さまがイジワルさ満点のお顔で右手を伸ばしてきました。
「あ、はい・・・」
 お渡してしまうと、今度は直子に付けてあげる、とおっしゃられそうで躊躇っていたら、横からミイコさまの右手がひったくるようにかけはりチェーンを攫っていきました。

「大丈夫よ。直子のかけはり初体験をエミリーに抜け駆けしてわたしたちがこっそり奪ったりしないから。直子がこれを体験するのはお客様の前でって、さっきみんなで決めたじゃない」
 里美さまを諌めるようにミイコさまが、かけはりチェーンをバッグにしまわれました。
 イタズラがみつかっちゃった子供さんみたく、テヘペロでごまかされる里美さま。
 
「残りはブタのシッポね。ほら、直子?さっさと抜いちゃって」
 ミイコさまが私と里美さまに向けておっしゃいました。
「そうですね。ほらマゾおばさん?直子にケツを突き出しなさい」
 里美さまもお気を取り直し、イジワル声でご命令。

「はい、ミストレス・・・」
 ジャクリーンさまが回れ右をされ、上半身を前傾してお尻を私に突き出してきました。

 間近で視るジャクリーンさまのお尻は、まさしく、卑猥、の一言でした。
 お尻の割れスジを横切る、細いブーメラン型に日焼けしていない白い尻肉。
 ちょうどその中心にある穴に挿し込まれた、ピンク色の渦巻きアナルプラグ。

 休め、の姿勢くらいに開かれた両脚のあいだからは、女性器まであられもなく見えていました。
 少し開いたピンク色の肉襞はヌラヌラと濡れそぼリ、溢れ出た婬汁が内腿から足先へと何本もスジを描いています。
 さっきの両乳首の激痛にマゾ性が反応した結果でしょう。

 何よりも淫猥に思えたのはジャクリーンさまの年季の入った女性器の形でした。
 私よりもずっと長い期間、弄られ、なぶられ、辱められてきたであろう女性器は、すっかりラビアが弛緩して、大げさにお外へはみ出していました。
 おそらくピッタリ両脚を閉じてまっすぐに立っていても目視出来るはず。
 熟し切った柘榴のような赤黒い肉襞が、いやらしく割れスジから垂れ下がっていました。

 裂け目の突端で、はちきれんばかりに腫れ上がっている肉芽も柘榴色。
 私よりもひとまわり以上大きくて、フードは切除しちゃったらしく根本まで剥き出し。
 そんなある意味グロテスクな見た目なのに、ラビアの隙間から覗けるヌメヌメな中身は艶かしくも鮮明なピンク色で、そのギャップが導き出す印象はまさしく、淫乱オマンコという言葉しか思い当たりません。

 突き出されたブタさんのシッポを指先で摘み、ギュッと力を込めます。
「んぬぅっ・・・」
 ジャクリーンさまの切なそうな溜息。

 指先にもっと力を込め、腕全体で引っ張ると、かなりの抵抗を感じます。
「むぅぅ、んむぅぅっ・・・」
 ジャクリーンさまの喘ぐお声もどんどん高まります。

 なお一層の力を込めて引っ張ると、目の前でジャクリーンさまの肛門がブワッと拡がりました。
 菊の花弁のようだった紋様がまあるくお口を空けます。
 そこからお顔を覗かせたのは、直径3センチ以上はありそうなピンク色の球体。

 なおも引っ張ると、ますますアンアン呻かれるジャクリーンさま。
 結局、その奥にもうひとつ、手前のよりももうひと回り大きい球体が数珠繋ぎになったアナルストッパーをジャクリーンさまはお尻に埋め込まれていたのでした。

「直子?今そのおばさんの肛門から引っ張り出したシッポの、ボール状になっているところ、鼻を近づけてみなさい」
 里美さまがイジワルさ全開のニヤニヤ笑いでご命令をくださいます。
 そんなの、お鼻を近づけなくたってわかりきっているのに・・・

「あぅぅ、いやんっ!恥ずかしいですぅ、それだけはご勘弁をぉぉ・・・」
 ジャクリーンさまが、可愛らしく羞じらわれます。
「何マゾおばさんがブリっ子しているのよ?ほら、直子?早くっ!」
 吐き捨てるような里美さまの冷たいお声。

「は、はいっ・・・」
 シッポ部分を指先で摘んだまま、ピンク色の球体部分に恐る恐る鼻を近づけていきます。
 見た目こそ黄ばんではいないけれど、表面を覆うヌラヌラが発散してくる、プーンという擬音まで聞こえてきそうなアレな臭い。
 私が自分のを嗅ぐと、その途端に理性のタガが吹き飛んでしまう禁断の香り。
 自分のとは違うけれど、明らかに排泄物を連想させる、獣じみた背徳の臭い。

「直子?嗅いだ?どんな匂い?」
 嬉しそうに尋ねてくる里美さま。
「あ、はい・・・とても、く、クサイです・・・」
 自分の鼻先にアナルプラグをぶら下げたまま、その野生の香りにむせ返りつつお答えする私。

「だから、どんな臭いかって聞いているのっ?」
 容赦の無い里美さまのご追求。
「あ、はい・・・で、ですから、う、うんちの臭いが、し、しています・・・」
 なぜだかいたたまれないほどの恥ずかしさに包まれ、耳たぶまで熱くなって、やっとお返事出来ました。

 ヒャハハハハーという弾けたような笑い声の後、里美さまがまだ追い打ちを駆けてきました。
「聞いた?おばさん?おばさんのケツの穴に突っ込まれていたシッポ、直子がとってもクサイってさ。同じマゾドレイにディスられちゃったわよ?」
 再び、ヒャハハと、いささか品の無い爆笑。

「あぁうぅぅ、奴隷は、奴隷は恥ずかしい限りでございますぅぅっ・・・」
 ジャクリーンさまが切なげなお声で、なのにとても嬉しそうに身悶えされています。
 お声とは裏腹に、柘榴色のだらしないオマンコからは白濁液がダラダラ。
 私が見ても、このヘンタイもっと虐めてやりたい、と思ってしまうほどのドMっぷり。
 やっぱりキャリアの差なのでしょう、マゾペットとしての立ち居振る舞いは、ジャクリーンさまのほうが一枚も二枚も上手です。

「そのシッポは直子が洗いなさい。この後自分に突っ込まれるかもしれないのだから、そのつもりで丁寧に洗っておくことね」
 すっかりドS全開となられた里美さまの冷たいお声。

「あ、ミストレス、それはいけません。奴隷が汚したものは奴隷の責任で洗浄いたします。直子さまにそんな不浄なことをお願い出来ません」
 私を弁護をしてくださるおやさしいジャクリーンさま。

「奴隷は奴隷らしく口答えは慎みなさい。これは直子への躾なの。同じマゾドレイなのに相方のアナルをクサイなんて言い放つのは失礼じゃない。かぐわしくい香りがします、かなんか答えれば許してあげたのに」
 ニヤニヤ笑いで撥ねつける里美さま。

「へー、里美さんて見かけによらず、ずいぶんSっ気が強いのね。頼もしいわ。その調子でどんどんアイデアを出してくれると、今夜のショーも一層盛り上がると思うから、よろしくね。あ、もちろんしほりさんも負けずに、はっちゃけちゃっていいから」
 ミイコさまがその場をまとめるようにおっしゃいました。

「はい。わたし、ネコもタチもいけるリバですから。それにお芝居が好きなので、なりきるの得意なんです。だから今夜は冷酷なサディストになりきるつもりで来ているんです」
 先日の女子大生さまがたへの自縛レクチャーのときよりもノリノリな感じの里美さま。
 
 私も、里美さまって、こんなにお茶目な一面もお持ちなんだ、ってびっくりしていました。
 お酒のせいもあるのでしょうが、普段のお仕事のときの生真面目で頼れる知的な里美さまとは別人のよう。
 その視線がずっと追っているのは私よりもジャクリーンさまな気がして、里美さまが本気で虐めたいのはジャクリーンさまのほうなのかな、とふと思いました。

「では、奥の部屋に移動します」
 ミイコさまが扉を全開にされました。

 明るいシャンデリアに煌々と照らし出された大理石ぽいタイル張りなお部屋。
 奥に欧米映画で見かけるような真っ白な陶器で猫足の浴槽が見えました。
 壁も荘厳な大理石風で、金色の枠で縁取られ、シャワー類らしき銀色の金具類もみんなお洒落なフォルム。
 確かにそこは、とてもゴージャスで広々としたバスルームのようでした。


三人のミストレス 22