2020年7月26日

肌色休暇一日目~幕開け 06

 カーテンを閉じると、個室内が薄暗くなりました。
 薄暗くなったことで、お部屋の照明が灯っていたことに初めて気づきました。
 間接照明なので光源が隠れて、妖しい薄暗さのなんだかセクシーなムード。

 あらためてお姉さまに覆いかぶさりご奉仕再開。
 乳首を舌で転がし、右手の指の腹を裂けめに沿って這わせます。

 お姉さまの弱点は4つ。
 キュッとくびれた両脇腹への刺激、会陰=アソコとお尻の穴のあいだ=蟻の戸渡りへの愛撫、そして乳首とラビアへの甘噛み。
 クリットと膣内への刺激を焦らしつつこれらの部位を愛撫することで、発情されているお姉さまならカンタンに昇り詰めてくださいます。

「あんっ、いいっ、いいわよっ、そこっ、もっとっ!」
「あぁ、んぅ、きっ、ぃもちいぃっ!いぃっ!…ぅくぅぅ!!!」
「はぁ…はぁ…あぁ、またっ、すぐっ、すぐっ、また、スゴいのくるうぅぅっ!!!」

 お姉さまがアクメに達されると、腰とお尻と太腿と腟内が同時にヒクヒクキュンと強ばるので、すぐわかります。
 ギュッと目をつむり眉を深く寄せて、半開きになったお口から漏れる切ないお声。
 駅に停車しているあいだはさすがに我慢されていたみたいですが、列車が動き出すと、堰を切ったように荒い息遣いがお部屋を満たします。

 お姉さまも私に絡めた両手で、私のからだをあれこれ愛撫してはくださるのですが、私はお姉さまが気持ち良くなってくださることだけに専念しています。
 だって、お姉さまがオーガズムを迎えられているときのお顔って、めったに拝見出来ない超貴重なもの。
 その神々しいまでにお美しいお顔は、私だけが拝見することの出来る私だけの宝物なのですから。

「そう、そこ、もっと、もっと…」
「いいっわ、いいのっ、もっと深くぅ…もっと強くぅぅっ!!」
「だめ、止めちゃダメ、そのままそのままぁ、いいっ!いいぃぃっっ、ぅくくくぅぅっ!!!」

 陶酔しきっていらっしゃる淫らなお声が私の官能をゾクゾク揺さぶります。
 それは肉体的な絶頂とは異なる精神的な、内側からの快楽。
 しとどに濡らしていらっしゃるお姉さまの膣内の感触が、私を至福の高揚感に導いてくださいます。

 不意に、どうしてもお姉さまのアソコを舐めて差し上げたい欲求が湧き上がってきました。
 でもどうしましょう…

 シックスナインの態勢を取るのが一番安直ですが、それだと舐めているあいだ、お姉さまのお顔が拝見出来ません。
 それに私のマゾマンコもお姉さまのお顔の前にいってしまい、お顔を無駄に汚してしまって失礼。
 両膝を立てていただき、座席の隅から顔を埋めるには、両端の肘掛けが邪魔になり、座席の長さ的に無理そう。

 結局私は、お姉さまのお背中に腕を差し入れて誘導し、座席のドア側のほうのお席に座っていただく姿勢になっていただきました。
 ぐったりなお姉さまは、されるがまま。

 私は座席から降り、テーブルの下に潜り込む形で絨毯の床に跪きます。
 お姉さまの足首にまだ丸まって絡みついていたスウェットパンツの残骸を抜き取り、お姉さまの両膝をガバっと押し広げます。

「ぁあんっ!」

 可愛らしく呻いたお姉さまのお背中が背もたれを滑り、つられて腰も座席を滑り、より私の眼前に突き出すようにお姉さまの秘唇が迫ってきます。
 最初は手を使わずに、顔だけを寄せてくちづけするみたいに自分の唇を重ねます。

「んふぅっ」

 愛液でねっとりとコーティングされた熱っぽい唇のスジに沿って、入念に唇を這わせます。
 ヘアーが途切れた少し下のところで、皮をかぶったまま腫れている可愛らしい突起は、あえて無視して。

「ああっ、なめて、かんで、もっと上、もっとうえぇ」

 はしたないお願いを私にくださるお姉さま。
 私はお姉さまの甘い蜜を存分に舐めつくしてから、舌で裂けめを抉じ開けます。
 開いた口で膣口を塞ぎ熱い吐息を送り込みます。

「んんっ、んふぅーんっ!」

 上目遣いでお姉さまを視ると、尖りきったふたつのニップル越しに、苦悶するようなお姉さまの悩ましいお顔。
 満を持してラビアを甘噛み、唇をすぼめて肉の芽に吸い付きます。
 もちろん舌で皮を剥くのも忘れずに。

 お姉さまの両腿の筋肉がビクビクンと痙攣し、私の顔を挟んできます。
 膣内から白濁した蜜がトロリと溢れ、舐め取ろうとした私の舌をギュンギュン締め付けてきます。

「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」

 お姉さまの荒い吐息だけがしばらく個室内を満たしていました。
 そろそろ落ち着かれたかな?それじゃあ今度は…

 私が次のご奉仕に移ろうとしたとき、次の停車駅接近を告げる車内アナウンスが個室内に響きました。
 ビクンと震えたお姉さまのおからだ。

「…あら、もうそんなとこまで来ちゃったんだ…」

 スウェットの前をアンニュイに掻き合わせ、汗で額に張り付いた髪を掻き上げたお姉さま。

「となるともうあと30分もしないうちに着いちゃう。そろそろ降りる準備をしなくちゃ、だわ」

 お姉さまが床で正座姿勢の私を避けるように立ち上がられ、私に脱がされたスウェットパンツをお手に取られました。

「ありがとうね、直子。すごく良かったわ。なんだかからだが軽くなった感じ」

 座席に敷いていたタオルをお手に取られ下半身を軽く拭きながら、おやさしくおっしゃってくださったお姉さま。
 スウェットパンツを両脚にくぐらせ、前開きのジッパーも首元までお上げになります。

「あたしはこれからまたおトイレに行って身だしなみ整えてくるから、直子もそのタオルでからだの汗、拭いておきなさい」

 私の席のお尻に敷いたバスタオルを指さされるお姉さま。

「あ、はい…それであのぅ、私はいつまで、裸でいるのでしょうか…」

 私が着てきたワンピースや下着はお姉さまに没収され、お姉さまのバッグの中にあるはずです。

「ああ、そうだったわね。いくら直子でも温泉地の駅をすっ裸で闊歩する勇気は無いわよね」

 スッキリされたというお姉さまに、いつものイジワルさも復活しています。

「安心して。直子のバカンスにぴったりな、直子らしいコーデを特別に用意してきたから。絶対気に入るはず」

 ご自分のバッグからうちのブランドのショップ袋を取り出されたお姉さま。
 テーブルの上に置かれたそれはずいぶん小さく、たとえばその中にワンピースが、どんな薄い生地だったとしても入っているようには見えません。

「直子はそれを着て、あたしが帰ってくるまで大人しくしてなさい」

 スウェットスーツをしっかり着込んだお姉さまがバッグを肩に提げ、つかつかと窓際に歩み寄りました。
 ザザザー。
 カーテンを開くと途端に個室がまばゆい光に満たされます。
 今更ながら裸で居ることが無性に恥ずかしくなってきます。

「それじゃあ、よろしくねー」

 おトイレへ向かわれたお姉さまをお見送りして、ひとり明るい個室で全裸の私。
 とにかく早く身繕いをしなくちゃ。
 バスタオルの乾いている部分で全身の汗や体液をまず拭いました。

 テーブルに手を伸ばしお姉さまが置いていかれたショップ袋を手に取ります。
 シールを剥がして右手をツッコミ、中身を取り出しました。
 出てきたのは…

 妙にクタッとした布地の白くて小さなTシャツ?
 デニム地のショートパンツだけれど布地部分がすごく少ない?

 Tシャツを広げてみると、襟元が真っ二つに切れていて、前開きのシャツ、と言うかショートガーディガンのよう。
 それなのにボタンは一つも付いていません。
 背中側の丈は凄く短く、肩甲骨もはみ出るくらい。
 それに比べて前側は、ふたつに割れた布地が先細りでお腹の辺までつづいています。

 ボトムのほうは、どう見てもローライズショートパンツ。
 とにかく股上が浅く、前ボタンの下にジッパーさえありません。
 ビキニパンツをデニム地で作った感じ。
 おまけにダメージ加工してあるので、ところどころメッシュになっています。

 これを、これだけを着て駅に降りるの?
 背筋がゾクゾクッと疼いたのと同時に、電車が減速を始めました。

 あ、駅に着いてしまう。
 何でもいいからとにかく着なくちゃ。
 急いでまず、ショートパンツに足を通します。

 案の定でした。
 私の股の付け根周囲を、ほんの幅5センチ位に隠してくださるデニム地ビキニ。
 前ボタンを嵌めないと恥丘のほぼ全貌が露呈しています。
 普通にヘアのある方であれば絶対人前には出られない、パイパン専用ボトム。

 お尻の側はフルバックとはいかないまでも、お尻の割れスジ四分の三くらいは覆ってくださっているみたい。
 ただ、ご丁寧にダメージ加工されているゆえ、お尻のお肉ところどころがメッシュ状にシースルー。
 いくらずり上げても、お尻の上に刻印された日焼け跡のイタズラ書きを隠すことも出来ないみたい。

 そうこうしているちに列車の速度がグンと緩みました。
 そろそろ駅に着くみたい…
 思う間もなくホームに滑り込む電車。
 おまけに窓側が乗降ホームのよう。
 いやんっ…

 あわてて窓に背中を向け、大急ぎでTシャツのような布片に袖を通します。
 腕部分は普通のややルーズな半袖
 両袖を通した途端わかりました。
 
 これはあれです。
 前を布地で結ぶ式のシャツ。
 よくプールとかで水着のビキニトップの上からルーズに羽織っているショートガウンと言うかボレロと言うか。

 取り急ぎ胸前に垂れ下がっている2枚の布地をおっぱいの下辺りで結んでみます。 
 うわっ!露骨…
 クッタリした生地な上に伸縮性に富んだフィット感が完璧で、ふたつの乳房をその形通りにまあるく包んだ布の頂点に、これみよがしなふたつの突起が、これまた形通りに君臨していました。

 そうか、きつく結び過ぎるとこうなっちゃうんだ。
 それなら今度は…

 結び目を解き、今度はふうわりおっぱいを包むくらいの感じなルーズフィットで。
 露骨さは減少しました。
 
 そのときホームに停車していた列車が、ガタンと動き始めました。
 油断していた私は、トットットと少しつんのめります。
 
 その途端にやんわりおっぱいを包んでいたクッタリ布地の端から、暴れた左生おっぱいが見事にこんにちは。
 いやんっ!
 あわてて前を掻き合わせます。
 うーむ…

「お待たせっ!わっ!やだっ、直子っ、ずっぱまりじゃない!」

 私が途方に暮れているところに、テンション高くお姉さまがお戻りになられました。
 スウェットに着替える前にお召しになられていたニットとサブリナパンツにお戻りになり、メイクもバッチリ、もちろん下着もきちんと身に着けていらっしゃるはず。

「でも、トップスの着こなしがだらしないわね。とてもレディスアパレル勤務とは思えないわ」
「直子、こういうタイプ着るの初めて?任せて、あたしがバッチリ着こなさせてあげる」

 お姉さまの右手でスルスルと結び目が解かれ、それから両手の布がわたしのおっぱいを包み始めます。
 お姉さまの着付けは私が独り試したときよりも大胆でした。

 両肩先からおっぱいのふくらみを斜めに横切るように大きなVの字を作り、下乳少し下でまずひと結び。
 これで胸元は大胆にがら空きとなり、正面からも下乳が少し覗く仕様。
 それから私の胸元に手を入れ左右それぞれ、クッタリ布とおっぱい皮膚がシワひとつ出ないよう入念に調整されました。

「可愛くリボン結びにしてあげましょう」

 からかうようにおっしゃったお姉さまが、余分に垂れ下がっていた布片を器用にまとめ、確かに可愛いリボンの白い結び目が私の剥き出しなお腹を飾りました。

「お、お姉さま…私、本当にこの姿で、駅で降りて温泉旅館さんか、ホテルさんかは知らないですけれど、そこまで行くのですか?」

 うつむいた自分の視界に映る自分の姿に、思わず上ずった声で抗議してしまいます。
 おっぱいはそのものズバリの姿形で薄く柔らかい白い布に包まれただけ。
 おへそはおろか恥丘の大部分まで晒し、僅かに亀裂部分のみを覆うようなショートパンツに腰回りを覆った私の姿。

「あら、何か可笑しい?せっかくのバカンスだもの、ちょっと大胆に冒険していんじゃない?旅先で出会うひとたちなんて、どうせ行きずりなんだし」

「でもこれ、やりすぎじゃないですか?世間的にもいろいろマズイのでは…」

「あら、公序良俗に反するような部位はちゃんと布地で包んでいるのだから、文句は言わせないわ。れっきとしたファッションよ。今年の夏は暑いから、それレベルの服装なリゾート女子なんて、海やら街でもたくさん見かけたものよ」

「で、でも、私の背中のイタズラ書き、完全に読めちゃいますぅ…」

「ほら、旅の恥はなんとやら、って言うじゃない?もっとも直子にとっては恥辱のじょくのほう、はずかしめ、のほうでしょうけれど」

 何を訴えても暖簾に腕押しなお姉さま。
 テキパキとテーブルに散らばった空き瓶やゴミをレジ袋にまとめ、あらためて最初にお座りなったお席に腰掛けられました。
 私も促されるように対面の席に歩み寄ります。

「今は一応、ボトム穿いているのだから、タオルもいらないわね」

 お姉さまが差し出された右手にバスタオルを差し出してから、座席にちんまりと座り込む私。
 この座席、直だとこんなにフカフカ柔らかいんだ。

 窓を過ぎる風景は、もうすっかり山間の景色でした
 時折過ぎ去る白樺並木が、避暑地に向かっているんだなぁ、と思わせてくれます。
 避暑地と露天温泉が両立するのかはわかりませんが。

「そうそう、さっきおトイレから戻る途中、他の個室の様子をチラ見してみたんだけれどさ」

 お姉さまがお愉しそうに身を乗り出され、私に語りかけてきました。

「ものの見事に全室カップル。一番端の部屋までは行かなかったけれど、うちを除いた4部屋はみんな若い男女のつがい」
「凄かったわよ。片方の座席の隅で抱き合っちゃってずっとキスしていたり、完全に寝そべってからだ重ねていたり。通路側の窓のことなんてまるでおかまいなしみたい」

「大学はまだ夏休みだから、学生さんたちでしょうね。あの調子じゃ直子に説明できないような不埒な行為に及んだカップルもきっといるはずよ」
「ま、あたしたちだって他人の事とやかく言える立場じゃないけどさ」

 そこで一区切りつかれたおねえさま。
 わざとらしい事務的な声色でこうおっしゃいました。

「さて、このことから導き出される結論は何でしょう?はい、森下さん」

「えっ!?あの、えっと…」

「ブッブー。時間切れー。答えは、これから私たちが行く温泉地には若いカップルが多いだろう、ってことよ」

 勝ち誇ったように端正なお顔を反らされるお姉さま。

「まあ、全部が全部大学生カップルってわけではないだろうけれど、こんな平日の真昼間から暇なのは、リーサラや家族連れはまずありえない。百歩譲って老いらくのリビドーに狂った年の差不倫カップル、ってとこなんじゃないかな」
「となると直子?あなたのその格好には、同性から最大限の厳しい視線が注がれると思うわ」

「へっ?」

 間の抜けたお答えを返す私。

「あら、わからない?そんな格好で屋外を闊歩する、誰とでもヤリそうなふしだら淫乱女なんて、カレシ持ち女性共通のエネミーじゃない。防衛本能よ。今までの街中プレイじゃ浴びせられたことなかった憎悪100%の熱い視線に射抜かれるはず」

 嬉しそうに口角を上げられるお姉さま。
 でも、私はあんまりピンときていませんでした。
 だって私はずっと、同性に恥ずかしい姿を視られることに悦びを感じてきたのですから。

「まあ、あんまり目に余るようなのがいたら、あたしがキッチリフォローしてあげるから、直子は安心して恥辱の視線にまみれなさい」

 お姉さまのお優しいお声が私の耳朶を震わせ、スイっと離れると再び、ご自分のバッグ内をガサゴソ探し始められました。

「はい」

 嬉しい。
 これだからお姉さまのことが大好きなんです。


肌色休暇一日目~幕開け 07


2020年7月5日

肌色休暇一日目~幕開け 05

「あんっ、だめっ、あっ、またっ、またまたっ…」

 右手は股間、左手は右おっぱい。
 からだをまさぐる両手が止まりません。

 左斜め前に見えている大きな車窓からの風景は、やっと旅行らしくなっていました。
 建物が密集している一帯を抜けると、広々とした田んぼなのか畑なのかをくりかえし、晩夏の日差しに照らされたのどかな田園風景が文字通り目にも留まらぬ速さでビュンビュン置き去りにされていきます。

 そんな景色を気にしつつ私は、露天温泉へと向かう列車の個室でほぼ全裸でオナニーしているのです。
 首にはマゾのシルシの赤い首輪、素足に外出中の証であるベージュピンクのフラットシューズだけを身に着けて。

 高架を走っているときはいいのですが、通過する踏切の警報音が聞こえるほど接近したまま一般道路と平行して走るときのほうが長く、そんなときは窓の外を通る車や人影がはっきり見えてしまいます。
 さらに、通過するホームがこちらの窓側になるときもあり、ホームで電車を待っていらっしゃるたくさんの人影が至近距離で見えるときもありました。

 もちろん特急列車ですから凄いスピードで通過して、私のはしたない姿に気づいたとしても、気づいたときには遠く走り去っているのでしょうけれど…

 …これが直子のマゾマンコです…奥の奥まで、どうぞ、じっくり、視てください…
 先ほどお姉さまから教わったばかりのおねだり文を、心の中で何度も唱えてしまいます。
 非常識な、アブノーマルなことをしている、という後ろめたい気持ちが被虐へと昇華し、性懲りもなく幾度も昇り詰めてしまいます。

「直子?もうちょっと喘ぎ声は抑えて。電車の音も結構うるさいけれど、両隣にもお客さん、乗っているのだから」

 私のスマホに目を落とし、何やら作業に没頭しているふうなお姉さまからのご叱責。

「あんっ、はいぃ、ごめんなさいぃ、いぃっ…」

 両手での愛撫は止めず、それでも声は出来るだけ我慢しなくちゃ、と自戒する私。

「んんっ、またっ、あんっ、またきちゃうっ!またきちゃうぅっ…」

 それでも堪えきれない淫声と共に、5度め?6度め?何度めかのオーガズムを迎え入れようとしていたとき、不意にお姉さまがこちらへと伸ばされた右手に、私の右手首を掴まれました。

「出来たわよ。直子のお仕置き」

 エクスタシー寸前のマゾマンコから強引に右腕を引き剥がされ、目の前に私のスマホが突き出されます。
 可愛い女子高生アニメキャラが4人、南極のオーロラをバックに笑っている見慣れた私の待受け画面、ではありませんでした。

 受け取った私のスマホの待受け画面に、M字大開脚な私の姿が鮮明に映し出されています。
 つい今しがたこの座席でした、自分の両手で自分のマゾマンコを奥の奥まで剥き出しにした、はしたな過ぎる姿が。

 もちろん顔もちゃんと映っています。
 悩ましげに眉間を寄せ、おそらくマゾマンコのマゾマ辺りを口走っているのでしょう、半開きの濡れた唇が誘うように突き出されています。

 なんてイヤラシい顔…
 ただ、待受け画面ですからほんの数秒でスリープ状態の真っ暗けに戻ってくれるのが救い。

「あら、真っ暗になっちゃった?」

 ご愉快そうなお姉さまのお声。
 ご自分のスマホをお取りになり、数回タップ。

 たちまちお姉さまからの着信を告げる私のスマホ。
 自分の浅ましい姿が再び露わになり、マナーモードもいつの間にか解除され着信音は…

 …これが直子のマゾマンコです…奥の奥まで、どうぞ…

 あわてて着信ボタンを押し、自分の恥ずかし過ぎる音声を中断させる私。
 ホッとして電話を切り、念の為、と指紋認証でログインしてみると…

 ログイン後の画面は私が押し開いていた無毛性器の大アップ。
 ご丁寧にも画面を埋めていたアプリのアイコンのカメラだけを左上端に残し、残りのアイコンは次ページ以降に移動して、遮るもの無くピンク色丸出し。

 もっともこちらは顔も写っていないし、濡れそぼったピンク色がいびつな楕円を描いている抽象画みたいな絵面ですから、一瞥して何の画像かはわからないはず。
 画像上部で一際目立っている、ツヤツヤと腫れ上がった小豆粒のような肉芽が恥ずかし過ぎますが。

「この旅行中はずっとこれね。ロック画面もホーム画面も壁紙の変更は禁止」

 お姉さまの右手が私からスマホを取り上げ、テーブルの上に置きました。

「それで食事とかカフェとか、お店に入ったときは必ず、画面を表に向けてスマホをテーブルに置きなさい」
「マナーモードにするのも禁止。大丈夫、電話の着信音以外はバイブだけで、メール着信や通知の音は一切出ないように設定しといたから」
「電話のときは、さっきのセリフをフルセンテンス全部聞き終えるまで出ちゃダメ」

 お姉さまのご説明の最中、テーブルの上のスマホがタイミング良くブルルッと震えました。
 画面が明るくなり浮かび上がる、私のM字大開脚フルヌード。

 お姉さまがスマホをお手に取り、私のほうに向けてくださいます。
 画像の私のおっぱい上に白く走る帯は、たまに遊んでいるネットゲームからの更新通知。

「こんなふうに通知が来たら、その都度ログインしてちゃんとロック画面から消しておくこと」
「常に直子の恥ずかしい写真がすべて見えるよう、キープしなさい」

 ご命令口調でピシャリとおっしゃるお姉さま。
 手渡されたスマホでログインし、再び自分の性器大アップ画像とご対面。
 そのままお姉さまに手渡し、お姉さまがテーブル上に戻すと数秒で画面が暗くなりました。

 これはつまり、たとえばどこかのお店でスマホをテーブルの上に置いたとして、いつなんどき画面が明るくなり画像が浮かび上がってしまうかわからない、ということを意味しています。
 私がこのスマホで遊ばせていただいているゲームは4つくらい。
 その他にSNSもいくつか登録していました。

 これらのサイトからの通知やメールがランダムに届くたびに、私の浅ましい画像が衆目に晒されるのです。
 置いてあるスマホを手に取れば、ちょっとでも傾けた瞬間に待受け画面が点灯します。
 テーブルに置くときも同じ。
 それから数秒間は確実に、お近くにいるかたならどなたでも、そのスマホ所有者本人のはしたな過ぎる素っ裸写真見放題状態。

 更にどなたかから電話がかかってきてしまったら…
 確かに、ゲリラ羞恥晒し者責め、と呼べる、残酷なお仕置きでした。

「さてと、それじゃあたしはちょっと、おトイレに行ってくるから」

 お姉さまがご自分のバッグをお手に取り、ゆっくりと立ち上がられました。

「直子はあたしが帰ってくるまで大人しくしていなさい。もうオナニーも禁止。一切からだをまさぐっちゃだめよ」

 お姉さまの目が、テーブルの上に佇む何本かのシードルの空き瓶に向けられました。
 つられて私も。
 200ミリリットルの小瓶、ちょうどいいサイズの太さと長さ。
 さっき何度目かのオーガズム寸前に、待った、をかけられたのを思い出し、ジワッと疼きが戻ってきます。

「そんな目を見たら、信用は出来ないわね。やっぱり立ってこちらにいらっしゃい」

 個室の入口ドアの前まで出られてから、私に手招きされるお姉さま。
 はい、と立ち上がり、テーブルを迂回してお姉さまの傍らへ。

「あたしに背中を向けなさい」
「両手をお尻に回しなさい」

 右手首を掴まれた、と思ったらカチャン、つづいて左手首にもカチャン。
 バッグから取り出されたのでしょう、重たいスチール製の手錠であっという間に後ろ手拘束されてしまいました。

「これでもうオイタは出来ないでしょう?あ、でも直子ならお尻の穴くらい弄れちゃうのかな」

 からかい気味のお姉さまの指が私の顎に添えられ、上を向かされます。

「これでも咥えて大人しくしていなさい。あ、窓の外にハダカ見せるのはぜんぜん自由だから」
「窓辺に立って流れる景色を楽しむのも特急列車旅の醍醐味じゃなくて?窓枠があの高さだから、立っていればマゾマンコまでギリギリ、誰かに視てもらえるかもよ?」

 ご冗談めかしたお姉さまのお言葉と一緒に、私の唇に何かが押し付けられます。

「むぐっ!」

 私の唇に押し込まれたのは、この手錠の鍵なのでしょう。
 ヒンヤリしたリングの感触と、ほんのり鉄の味。
 下唇に小さな鍵が揺れて触れるのがわかります。

 スライド式のドアを躊躇なく、スルスルッと開けられたお姉さま。
 通路の向こうにも景色が流れる大きな窓。
 お姉さまのおみ足が電車の進行方向と同じほうへと、振り向きもせずに踏み出されます。
 
 それを全裸の後ろ手錠で見送る私。
 スライドドアがスルッと閉じると、真ん中に嵌め込まれた素通しガラスに薄っすらと、自分の裸身が映りました。

 ドアを離れて二歩、三歩と窓のほうに近づきます。
 ちょうどどこかの駅を通過するところ。
 数秒のあいだですが、ホームに佇む数名の人影が見えました。

 独り取り残されて今更のように、羞恥心と心細さがこみ上げてきました。
 窓の外は見通しの良い田園地帯となり、遠くの土手の上のような道を、この電車とほぼ同じ速度で走っていく車が何台か見えています。

 それを窓から眺めている私は、剥き出しのおっぱいを隠すことも出来ない後ろ手錠。
 それでも窓から離れず、何かの罰のようにお外に裸体を向けつづける私。
 先ほどのご冗談めかしたご提案も、私の耳にはご命令に聞こえてしまうのです。

 試しに後ろ手錠の指を自分のアヌスに伸ばしてみます。
 残念、あと数ミリで届きません。
 代わりにお尻の割れスジを未練がましくスリスリ撫ぜて我慢します。

 窓の外にチラッとでも人影を認めるたびに、心臓がドキンと跳ねてしまいます。
 恐怖なのか興奮なのか、性懲りもなくジンジンと火照ってしまう全身。
 自分が今置かれている状況の異常さを自分で良く理解しているゆえなのでしょう、思考がどんどん悲劇的なほうへと向かってしまいます。

 そう言えばお姉さまは大丈夫と断言されていたけれど、本当に検札の人とか車内販売のかたとか、鉄道会社のかたがこの個室を訪れることは無いのでしょうか…
 もし、万が一、お姉さまご不在のあいだにそんなことになってしまったら、私は、お姉さまは、このバカンスは、どうなってしまうのでしょう…

 浮かんでしまった怖い考えを振り払いたくて、イヤイヤをするみたいにドアのほうを振り向いたとき、ドアの窓ガラスを黒い影が埋めました。
 
 コンコンッ!
 軽くノックする音。
 ドキンッ!
 今までで一番激しく跳ね上がる心臓、固まってしまう私。
 返事を待たずにスルスルッと横開きに滑るドア。

「えっ!?」

 思わず声を出してしまった私の唇から手錠の鍵が滑り落ち、振り向いている顔の真下にあったテーブルの上に、コトンッと音を立てて着地しました。

 入ってこられたのは、私の悪い予感が的中して、制服を召された車掌さま…
 ではなく、あたりまえですがお姉さまでした。

 咥えていた鍵を取り落とすほど驚いてしまったのは、自分の怖い考えに囚われていたのも大きいのですが、それに加えて、戻られたお姉さまのお姿でした。

 上下とも真っ黒で、白くて細いサイドラインが二本通ったスリムフィットなスウェットスーツ。
 上は七分袖でジッパーの前開き、下はストンと真っ直ぐストレート。
 おトイレに行かれる前よりシャープさスポーティさが5割増しで、ナイスプロポーションな魅力も10割増し。

「どうされたのですか?お姉さま」

 思わずドアの前まで駆け寄ってしまいます。

「どう、ってほどのことじゃないんだけどさ……ニットやパンツにシワ寄っちゃうの、イヤだから……」

 最後のほうはゴニョゴニョっと濁されたお姉さま。

「そ、そんなことより背中向けなさい。手錠外してあげるからっ」
 
 劣勢を誤魔化されるみたいに一転したお強い口調で私におっしゃいました。
 テーブルの上から鍵を拾い上げられたお姉さまがご自分のバッグをゴソゴソされ、新しい白いバスタオルをお出しになります。
 
 それから、さっきまでお座りになられていた座席の真ん中を区切る肘掛けを背もたれ側にお上げになってベンチシート状にした後、座席全体を覆うようにバスタオルをお敷きになります。
 そしてやっと私の手錠を両手首とも外してテーブルに置き、私をご自分のほうへと向かせ両腕を私の剥き出しな背中に回されて、やおら唇を重ねてきました。

「あふぅっ!」

 立ったまま私をギューッと抱きしめてくださるお姉さま。
 私の口内に舌を侵入させてこられ、貪るように求めてくださいます。

「だって、あんなもの見せられたら、あたしだってヤリたくなっちゃうのは仕方ないでしょ?直子がインラン過ぎるのがイケナイのよっ」

 不意に唇が離れ、お姉さまがいつになくな早口でまくしたてられます。

「あんな気持ち良さそうな声、聞かされつづけたら誰だってヘンになっちゃうのっ。あたしが下になるから、直子はあたしを、それ以上ないってくらい気持ち良くしなさい。旅行の経費はカラダで払ってもらう、って言っておいたはずよね?」
「あたしが下になるのは、直子を下にしたらタオル敷いていても座席をビチャビチャにしちゃいそうだから。いい?直子が愉しむのではなくて、あたしを悦ばせるのよ?」

 らしくない上ずったようなお声でそこまでおっしゃると、私を抱きしめたまま誘い込むように座席に仰向けに横たわられました。
 
 素肌に当たっている生地の感触でわかります。
 お姉さまは今、ノーブラです。
 素肌に直にスウェットを着ておられます。
 スウェット生地越しにふたつの硬い突起部分が私の素肌を少し凹ませてきます。

 お姉さまの思いもよらぬ発情ぶりに、私もさっきまでの心細さはどこへやら、ヤル気満マンマン完全復活。
 抱き合っていた両腕を互いに離し、仰向けのお姉さまのお顔を見下ろすように上体を起こしました。
 
 お姉さまのスウェットのジッパーをみぞおちくらいまで下ろして右手を滑り込ませると、やっぱりお姉さまの生おっぱい。
 左手をスウェットパンツのゴムの下に滑らせるとすぐに、お手入れされたヘアーの手触り、そして両腿のあいだの生プッシー。
 裂け目に沿って指を這わすと、そこはもう充分な湿り気を帯びていました。

「下着も全部、おトイレで脱がれてきたのですか?」

 わかりきったことを敢えて聞いてしまう、いつになくイジワルな私。

「だって着たままシたら、汚してしまうでしょ…」

 羞じらうようにお答えになるお姉さまが、めちゃくちゃ可愛い。
 途中まで下ろしたお姉さまのシッパーを下まで完全に下ろしました。
 ハラリと割れた前立てから、お姉さまのカッコいい円錐バストが白日の下に。

 つづいて両手をお姉さまの腰に当て、ゴムに引っ掛けた指で一気に、スウェットパンツを膝くらいまでずり下ろしました。
 お姉さまの細長いデルタ型ヘアー、シュッとなめらかな恥丘、真正面からは何も見えない下付きな裂けめ。
 走る電車の中で、すべてが丸見えになっていました。

 今度は私からお姉さまの唇を奪うように覆いかぶさります。
 互いの舌を貪りつつもお姉さまの下半身に右手を伸ばし、お尻の穴近くにあるもうひとつの穴に、人差し指と中指をズブリ、挿し込みました。

「んっ、んふぅーんっ…」

 お姉さまが走る電車のおトイレの中でわざわざ着替えられて全裸となり、ノーパンノーブラのスウェットスーツ姿で、私とシたいがために、私の元へと戻ってきてくださった…
 その事実が私を異様に興奮させていました。
 おトイレの中でのお姉さまのお姿を想像すると、もう居ても立っても居られないほど。

「あっ、はんっ!そう、そこっ…」
 
 お姉さまの押し殺した吐息が、至近距離から私の耳朶をくすぐってきます。
 私は焦らすみたいに慎重に、二本の指でお姉さまの中をやさしく捏ね回し、唇は向かって右の勃起ニップル、左手は左の美乳房へ。

「んんぅーっ、あっ、あっ、ぁはぁあーーんっ!!」

 お姉さまの身悶えるお声が一際大きくなったとき、唐突に次の停車駅に接近している旨を告げる車内アナウンスが個室内に響きました。
 でもまあ、車内アナウンスというのは、いつでも唐突なのですが。
 
 一瞬ビクッと震えたお姉さまのおからだ。
 仰向けで私に組み敷かれている右腕を精一杯お伸ばしになり、窓の隅でだらしなくひと纏まりになっていたカーテンの端を掴まれ、力一杯右側へと薙ぎ払われました。

 いくらご発情されているとしても、駅のホームにたむろしている見ず知らずな不特定多数の方々にご自身の超魅力的な裸身をお視せになるお気持ちは、さらさらお持ちで無いご様子なお姉さま。
 
 私だって、どなたにも見せたくありません。
 おからだを愛撫する手をしばし休めて腕を伸ばし、車窓を覆ってくださるカーテンを一分の隙間もなく、キッチリと閉じて差し上げました。

肌色休暇一日目~幕開け 06