2026年4月11日

我慢と免許と脅迫状 05

「ああ夢イキかー。それは盲点だった。でもスケベな直子ならさもありなんな充分考えられるイシューだったわね」

 予想外にお姉さまがご納得されたお顔になられています。
 てっきり叱られると思っていた私は戸惑いと共に自分でも予想外なご質問を口走ります。

「チーフは夢イキってご存知なのですか?」

「それは知っているわよ。寝ているあいだに夢の中でイッちゃうことでしょ。あたしの初めては中二だったか中三だっか、あれ?高一だったけかなぁ…」

 お姉さまが束の間遠い目をされて、私はその麗しいお顔にズキュン!
 そのお話、すごく知りたい。

「あ、でもそれを夢イキって呼ぶと知ったのはもっと後でネットで、睡眠中、イク、って検索してからだけどね」

 お茶目に笑われるお姉さま。

「そう言えば直子、さっき、夢イキしちゃったみたい、って曖昧なこと言っていたけれど、経験したの、まさか初めてなの?」

「あ、はい。起きたらシーツやパジャマが物凄く濡れていて、からだにもなんだか気持ち良さの余韻みたいなのが残っていて…」

「でも直子のことだからえっちな夢なんて年がら年中見ているでしょうに」

「それはそうなのですけれど、あんなにお布団やパジャマを汚してしまったことは今まで一度もなくて、最初はオネショしちゃったんじゃないかって焦っちゃったくらいでした」

「そっか。まあ直子の場合、現実でイキまくっているしすぐに我慢せずにオナニーもしちゃうから就寝中に夢の中でもイク暇なんてないんだね。つまりは直子がいかに今まで禁欲していなかったかっていうことだから、いかにも直子らしい初体験よね」

 ご愉快そうにおっしゃるお姉さま。
 この事態をあまり深刻に捉えられてもいないご様子なので、少し調子に乗って一番気になっている点をお尋ねしてしてみます。

「それで、あの…これってお約束を破ってしまったことになってしまうのでしょうか?」

 恐る恐る、懺悔をした信徒が審判を委ねるような敬虔な気持ちを込めたお伺い。
 お姉さまは目線を上げて少し考えるようなお顔をした後、あっさりおっしゃいます。

「仕方ないんじゃない、不可抗力だし。自分ではコントロール出来ない、言ってみれば性的欲求の暴発でしょ?防ぎようがないもの。寝るな、って命令するわけにもいかないし」

 相変わらずあっけらかんとされたお姉さま。
 でもワザとらしく笑顔をひっこめられて、こうつづけられました。

「でもこれに味をしめて夢イキを期待するようなことをするのは駄目よ。寝る前にえっちなことばかり考えて、そういう夢を見るように自分を誘導したりするのは」

「あ、はい、それはもちろん…」

「この禁欲期間は直子が今までいかに恥知らずな方向に傾いてきちゃっているかを確認して反省して軌道修正する機会なのだから、極力えっちなことは考えずに日々普通の生活を送ること」

 ごく生真面目ご口調でそうおっしゃってから再びパソコンのほうへ向き直られ、どうやらお仕事に戻られるようです。

「は、はいっ!がんばります」

 右手の薬指に嵌めた銀色に輝く百合の花モチーフを眺めながら、お姉さまのお背中に向けて改めて覚悟を決めて宣言して、私も先週やりかけだった見積書のための原価集計作業にとりかかります。
 
 ふたりしばらくお仕事に集中してフッと一段落、顔を上げてみるとお姉さまがいつの間にか椅子をこちらに回転され私を見ていることに気づきました。
 目が合うとお姉さまがニッと笑われます。

「ねえ、今までであたしが一番印象的だった夢イキの話。教えてあげよっか?」

 いたずらっぽいお顔になられたお姉さまが私を見つめながらおっしゃいます。

「あ、はい。すごく聞きたいです」

 お姉さまからの唐突なご提案に戸惑いつつも、その内容に興味津々な私。

「横浜で直子と出会って二週間くらい経った頃かな。ショップでのマケリサ上がってオフィス勤務に戻った頃」

 えっ!私が関係あるの!?
 少し遠い目をされたお姉さまのお顔をますますじっと見つめてしまいます。

「しばらくオフィスを留守にしていたから書類仕事がたまっちゃって、ひとりで残業してたんだ。部室に数日泊まり込んでね」
「それがやっと終わって一安心した日の夜。部室のベッドにひとりで寝たときのことだった」

 そこまでおっしゃったお姉さまが再び私を見つめ意味ありげに微笑まれます。
 私はなぜだかドキドキし始めています。

「気にかかっていたことが片付いてぐっすり眠ったはずなのだけれども、何度か夢を見てね。その夢の内容は全部はっきり覚えてる」

 お姉さまがまっすぐ私を見つめてくださいます。

「全部横浜で直子と出会ったときにしたことを反芻する夢。試着室で裸にさせてランジェリーを着せたり脱がせたり、恥ずかしい格好でわざと放置したり」
「でもひとつ実際と違うのは、試着室でもあなたはアンアン盛大によがり声を上げて他のお客さんの見世物になっていたこと。試着室のカーテンも開け放しちゃってね。ギャラリーもいっぱいいて…」

 からかうように笑われるお姉さま。

「あたしも気持ち良さで目が覚めそうになって、あれ?これって夢?現実?ってわからなくなっていたけれど、でも実際気持ちいいからつづき見たさにすぐ微睡んで」

 デスクの上にあった飲みさしのティーカップに一口唇をつけられたお姉さまが再び語り始められます。

「で、あたしがあまりの気持ちいいオーガズムで朝方目覚めちゃったときに見ていたのも、モールの防音スタジオであの日、直子が見せてくれたオナニーショーの再現」
「これも大まかにはあの日の記憶通りなのだけれど、ひとつ違うのは、あたしも下着姿になってショーに乱入しちゃっていたこと」

 少し照れたようなお顔になられるお姉さま。

「仰向けの大股開きで、おっぱいにいくつも洗濯バサミぶら下げてバターナイフで自分を虐めている直子にどうにも我慢できなくなって、ワンピース脱ぎ捨ててあなたの顔面にまたがったの」
「あなたが一生懸命ベロを伸ばしてご奉仕してくれて、ショーツ越しでもそれが凄く気持ちいいのよ。ああ、凄くイイ、イクイク、イッたーって深い余韻と共に目覚めたのが朝方の6過ぎ」
「実際は酷い有様よ。部室だから私物のビッグTシャツ一枚とショーツで寝ていたのだけれど、ショーツはお尻のほうまでぐっしょり、Tシャツもシーツも下半身部分中心にジットリ、全身汗ばんでヌルヌル。でも不思議に嫌な感じはほとんどしていなくて、快感の余韻と満足感が勝っていた」

 ご記憶を反芻されるように目を瞑られたお姉さま。

「あれであたし、あ、あの子とは相性いいかも、って思ったんだ。それで次に会う約束の日が俄然愉しみになってきた。何をやらせようか、どこで脱がせようかって」

 笑いながらおっしゃるお姉さま。

「で、実際に会ったら、あたしの予想を遥かに上回るド淫乱なヘンタイさんだったのがあなただったってワケ」

 そこで私のほうを向かれたまま両目を閉じられ、真面目なお顔に変わられました。
 少しの沈黙の後、静かにお言葉をつづけられます。

「あたしも調子に乗っていたことは認める。あなたって自分のマゾ性に本当に素直で、あたしのどんな命令にも従順に従って、それがあたしも愉しくて」
「だけどここ最近、どんどんエスカレートしていっているあなたを見ていて、だんだん不安になってきた。このまま突っ走ったら直子は、ただ快楽だけを貪り尽くす恥知らずな総受け性欲モンスターに成り下がっちゃうんじゃないかって」

 憐れむようなお顔で私を見つめてくださるお姉さま。

「最近の直子って、ひどく辱められそうな命令を受けるほど目がトロンと潤んでうっとりした顔になっちゃうような傾向があるじゃない」
「それがドマゾ女のサガって言ってしまえばそれまでなんだけれど、人として女性として最低限の羞恥心て言うか、品格、エレガントさみたいなものは失わずに保っていてほしいのよ」

 そこまでおっしゃったお姉さまは突然立ち上がられ、デスクの上のバーキンを肩に提げられました。

「だから今回の禁欲命令は一度クールダウンして直子が自分を見つめ直す内省期間。そのあいだに自分のしてきたことを振り返ってみて直すべきところは直して、より品のあるエレガントなマゾ女を目指しなさい」
「あたしも、っていうかあたしたちもこの禁欲期間が明けたら直子への接し方を少し変えるつもりだから。で、まあとりあえず直子は免許の取得まであと少しなのだからがんばりなさい。じゃあまたね」

 最後のほうのお言葉はお部屋のドアを開けながら。
 投げキッスひとつを私にくださったお姉さまは、あわただしくも颯爽と次のご出張先へと旅立たれました。

 そんな会話をお姉さまとしたせいなのか、はたまた夢イキで一息ついたのか、それからの数日間はめったにムラムラの発作が起きることもない普通な日々の中で教習に集中することが出来ました。

 教習所での講習は第二段階の路上教習に移っていました。
 初めのうちは一般のお車も普通に走られる路上に出るなんて、と無駄にドキドキしていたのですが、二度三度とくり返せば日常となっていきます。
 これといったアクシデントもなく順調にハンコをいただけました。

 ときどきえっちな妄想が頭にチラつくこともあるのですが、こうして下着まできっちり身に付けた普通の服装で普通の生活を送りつづけていると、私がこれまでしでかしてきたあの手の行為がいかに世間一般の常識から逸脱したアブノーマルなことであったのかを思い知らされます。

 ある日の路上教習でこんなことがありました。

 その日はみきわめ間近でもあったため土曜日の午前中に二時限連続で予約を入れていました。
 担当教官さまは、それまでも何度かご一緒したことのある40代くらいのややふくよかな女性のかた。
 お言葉遣いが柔らかでお優しい感じのかたでした。

 路上に出てしばらく走った後、繁華街近くの交差点で信号待ちをしたときのこと。
 横断歩道手前の停止線一番前に停車したのですが、その目の前の横断歩道をキワドイ格好の女性おふたりが談笑されながらゆっくりと繁華街の方へ横断していきました。
 おそらく何かのアニメのコスプレだと思うので、近くで何かイベントがあるのかもしれません。
 
 おふたりとも背は低めの可愛らしい感じで、紫髪のお一人は上半身は星型のブラのみで下半身は濃い紫色のレギンス。
 銀髪のもうお一人は上半身こそ緑色で軍服ふうのしっかりした長袖上着を召されていましたが、丈はウエストまでしかなく下半身は下着なのか水着なのか、かなりローライズな黒のタンガショーツに緑のロングブーツ。

 おふたりで一本のクラシカルな日傘を相合傘にさされ、上には私物らしいお揃いのロングカーディガンを羽織られていました。
 紫髪のかたが星型のモチーフの付いたステッキ状のアイテムも持たれていましたので、魔法少女ものなのかな。

 10月にしては温かくよく晴れた繁華街の週末。
 カジュアルかつファッショナブルな服装で週末を楽しむ方々の中でも明らかに異質でした。
 行き交う人々の中でもとくに男性のかたが、さりげない好奇の視線を彼女たちに投げかけています。

「あーあ、あんなに素肌さらしておへそまで出しちゃって、裸同然じゃない。そんなにまでして注目を浴びたいものなのかしらねえ」

 突然、助手席の担当教官さまが普通のお声でつぶやかれました。
 ビクッとして担当教官さまのほうへ顔を向けた私と担当教官さまの視線がぶつかります。

「コスプレだか何だか知らないけれど、よくあんな恥ずかしい姿で表通りを堂々と歩けるものよね。まるで露出狂そのものじゃない」

 御冗談めかしたご口調で私に同意を求めるように笑いかけてこられる担当教官さま。
 露出狂という私の代名詞のような思いがけないお言葉にもう一度ビクンと反応したものの、そうですよね、という意味合いを込めて作り笑いでうなずく私。
 
 でも心の中では、ああいう恥ずかしい格好を人前に晒すことで快感を得てしまう種類の人間も稀にいるんですよ、とおずおず反論しています。
 そのお話はそれだけその場で終わったのですが、私にとっては、ああ、普通の人の感覚ってこういうものなんだな、ということをあらためて再確認させていただけるものでした。

 その日、家に戻ってから考えました。
 担当教官さまがこのあいだの夏のバカンス時の私、たとえばモールの駐車場の片隅にひとり放置され薄物一枚で自慰行為を強制されている私を目撃されていたら、どんなご感想を持たれるのだろう。
 
 露出狂、社会不適応者、性嗜好障害、色情狂、ヘンタイ…
 でもあのとき、もうどうなってもいいと思うほど、もの凄く気持ち良かったのもまた事実なのですけれど…

 みきわめも無事合格をいただき卒業検定を残すのみとなった頃、次の生理が訪れそうな予兆と一緒に、けっこう激しく、無性に屋外で恥ずかしいメに遭ってみたい、という欲求がこみ上げてきたときがありました。
 ようやくゴールが見えてきたので気が緩んだのでしょうか。

 イケナイとは思いつつも頭の中にはえっちな妄想、そのときはなぜだか一昨年の秋、シーナさまと伺った西池袋のセレクトショップでさんざん恥ずかしい見世物にされたときの切なすぎる逡巡を鮮明に思い出していました。

 悶々とした気持ちで教習所からオフィスへと戻り、パソコンを立ち上げて何気なく大手SNSを覗いたら、とある動画配信者の女性が白昼の街中で半裸になって撮影しコーゼンワイセツで書類送検されたというニュースが飛び込んできました。
 その途端に頭から雲散霧消する私の妄想。

 気になって、公然わいせつ・逮捕、というワードで検索してみると、その多くは男性が街中で下半身を露出した、というものでしたが、そういう行為をすれば目撃されたどなたかしらにツーホーされてケーサツに捕えられハンザイになってしまう、ということが現実でした。
 もともとが臆病な私ですから、すっかり萎縮してしまっています。

 そんなこんなでしたが10月中旬、禁欲のご命令をいただいてから一ヶ月と十数日で試験場の本免学科試験も一発でクリアし、待望の自動車運転免許証を拝受することができました。
 そのあいだ、一度の自慰行為をすることもなく夢イキの一回だけで乗り切れたのは我ながら驚きでした。
 なんだ、私だって我慢しようと思えば我慢できるんじゃん、なんて自画自賛したり…

 運転免許取得の翌朝は、ちょうどお姉さまも出張からお戻りになられる日だったので、ワクワクしながら眠りに就きます。
 おっと、その前にもちろんお姉さまにメールでご報告。
 禁欲生活をつづけていたにも関わらず、お姉さまに逢えるという喜びだけで、えっちなムラムラも心の奥底に引っ込んだまま。

 その日の早朝も私の次にオフィスにご出勤されたのはほのかさまでした。
 朝のご挨拶につづいて運転免許を取得できたことをご報告すると、おめでとう、とご自分のことのように喜んでくださいます。
 
 次にご出社くださったリンコさまミサさまも同じようなご反応で、私としては少し肩透かし。
 禁欲期間が明けたら嵩にかかって恥ずかしいご命令を連発されてくるかな、と心のどこかで思っていましたから。
 オフィス内での凌辱でしたらコーゼンワイセツには該当しませんし…

 そんなちょっと釈然としない思いを抱きつつ、ノルマを達成した開放感を感じながら久々のオフィスワークに専念した午前11時半ば過ぎ、相変わらずノックの音もなく唐突に、お姉さまが社長室にお顔をお出しになられました。

「免許取れたらしいじゃん、おめでとう。これで直子もまた一歩、社会人に近づいたわね。免許証見せて」

 お姉さまの第一声。
 免許を取るということは社会人に近づくということなんだ…
 とミョーに感慨深い私。

「それで昨夜は思い切りオナニーしたの?今まで溜まっていた分を吐き出すみたいに」

 私が差し出した免許証を眺めつつ、からかうようにお姉さまが聞いてこられます。

「あ、いえ、なんだか達成感が凄くて、メールをお送りした後ぐっすり眠り込んでしまいました」

 照れながらも正直に打ち明ける私。

「あら、いい傾向じゃん。それだったらあと二日だけ我慢しなさい。あたしが直子のメイデンドライブにナビゲーターとして助手席で付き合ってあげる。この週末はゆっくり出来るから」

 お姉さまがニッコリおっしゃいます。

「メイデン?ドライブ?」

 引っかかったお言葉をそのままオウム返しする私。

「あら、案外教養無いのね。メイデンは初めてのっていう意味。メイデンボヤージュって聞いたことない?新しく作った船の初めての航海のこと。日本語訳は処女航海」
「アイアンメイデンっていう有名な拷問具があるでしょ?人型の鉄の人形の内側に何本も棘があって、そこに閉じ込められると身体中に突き刺さるっていう。あれも訳すと鉄の処女」

 屈託の無い笑顔で恐ろしいことをおっしゃるお姉さま。

「あれって一説によると、とある中世の貴族のご夫人が粗相してしまったメイドを刺し殺したら返り血を浴びた肌がツヤツヤしたから、処女の血を浴びると肌が綺麗になるって思い込んじゃって、処女をありったけ集めてその血を搾り取るために作らせた拷問具とも言われているわね」

 その手の蘊蓄にお詳しいお姉さま。

「まあ、それは関係ない話として、この週末は直子の運転でどこかへドライブしましょう。行き先は決めないで、行った先で泊まってもいいし、もちろん初めての運転で疲れたようなら直子の部屋に帰ってゆっくりしてもかまわないし」

 えっ、つまりは週末はずっとお姉さまとご一緒ていうこと!?
 お姉さまとの久しぶりのお泊りデート!
 それに、あと二日オナニーを我慢しなさいというご命令って、つまり…
 私のHPもMPも完全復活です。

 週末までの二日間もオフィスでのえっちなご命令はどなたからも無く無難に過ごし、もちろんオナニーも自重して、待望の土曜日を迎えました。


 

2026年1月3日

我慢と免許と脅迫状 04

 生理が来て最初の出社日な月曜日。
 ご指示通り普通の下着を着けて濃紺のビジネススーツに身を包み自宅を出ます。
 秋本番ということで、そろそろ外出ではコートがいるかな、という感じの気温。
 あ、チョーカーは習慣になってしまっていて気持ち的に外せなく、今日も細くて黒いのを着けています。

 一番乗りで出社してまずはオフィスのお掃除。
 上着を脱いでブラウス姿となり、エプロン着けて拭き掃除から。
 やっているあいだにほのかさま、つづいてリンコさまミサさまが出社され朝のご挨拶。
 ほのかさまはご自分のデスクへ、リンコさまミサさまは開発室へ、そして私は社長室へ。

 いつもならこのあたりでもう、私は何かしらの恥ずかしい格好にされているところ。
 たとえ生理中でもタンポンを挿れて、少なくとも上半身は露、ノーブラでなければブラジャーくらいは外されていたものでした。

 でもすんなり完全着衣のまま社長室に入れる違和感。
 ひとりになってパソコンの電源を入れてもなんだか落ち着かない感じ。

 それでも月曜日は伝票の整理やら社員のみなさまのスケジュールをSNSに書き込んだり先週の金銭出納の再確認したりと忙しさに紛れます。
 お弁当の時間もほのかさまとあたりさわりのない会話、リンコさまたちとも休憩時間に世間話、主にアニメや漫画の話題を交わし、退社時間の5時半前にはすることもなくボーッとしていました。

 生理のだるさもあり早めに就寝して翌火曜日はいよいよ自動車教習所入所の日。
 午前中はルーティーンをこなしつつ落ち着かない時間を過ごし、指定時間13時の40分前にオフィスを出ました。

 教習所はオフィスの入ったビルと広い通りを挟んだ真向かい。
 エレベーターや信号の待ち時間等を考慮しなければ徒歩で2分もかからないところにありますが、最初だから受付手続き等で30分前には着いていたほうがよいというほのかさまのアドバイスに従いました。
 ほのかさまは営業職ですが私がオフィス不在のあいだはオフィス勤務中心で商談を進め、私の最優先業務である電話番を代わってくださる手筈になっています。

 都心の教習所らしく教習コースは鉄筋らしきコンクリート2階建ての立体式。
 いつもの出勤路なので気にしていなかったのですが、あらためて見ると敷地に大きなビルが建てられそうなほどかなり広いです。
 受付事務所は、その教習コースを隔てたもう一本向こうの通りにあって、ドキドキしながら建物のエントランスをくぐります。

 私が教習を受けるのはオートマチック車限定免許という種類のもので、一番簡単に取得できる運転免許とのこと。
 入所式に出席したのは私の他にアラフォーくらいのご婦人が2名のみでした。
 この時期の平日は空いているみたい。

 入所式の後、運転適性検査というのをやって、その後一回目の学科講習。
 運転適性検査では、私はかなり普通という結果でした。

 第一段階という仮免を取得するまでの段階で学科を10時間、実技を12時間以上受けなくてはならないそうで、そのスケジュールは前もってチーフがお申込み時に組んでおいてくださっていました。
 基本的に平日の午前中2時間学科講習を受けて、午後に2時間実技講習を受けるというもの。
 月曜日は教習所がお休みですから私の場合、火曜日から金曜日まで連日の教習所通いとなります。

 運転教本や模擬試験問題集などの教科書類を受け取って終わったのが15時過ぎ。
 オフィスには戻ったもののさしあたってのお仕事は無く、ほのかさまに免許取得の心構えなどをレクチャーいただきつつ教本を眺めて退社までの時間を潰して、翌日から私の教習所通いが始まりました。

 最初のうちは順調でした。
 学科はオフィスでも暇さえあれば教本を開いてお勉強していたのですんなり理解することが出来ましたし、実技も安全確認やハンドル操作など初歩的なことなので、さほど苦労はしませんでした。

 あ、そう言えば入所式の日、少しヒールのある靴を履いてきてしまい、実技のときはスニーカーやローファーとか踵のない靴にしてくださいとご注意をうけましたけれど。
 教官の先生も男性女性問わずとてもお優しくご熱心な印象。

 雲行きが怪しくなったのは生理を終えて数日経った頃でした。
 それまで気張っていた緊張感がフッと解けた瞬間の油断とでも言うのでしょうか?
 強烈な性的恥辱欲求=私によくあるムラムラ期を迎えてしまったのです。

 オフィスもお休みで教習所も予約していない日曜日の午後。
 交通ルールの模擬問題集をやり終えて一息ついたとき無性に、今すぐ裸になりたい、裸になってからだ中をまさぐり虐めたいと思ってしまったのです。
 でもお姉さまを裏切ってはいけないと思い返し性的妄想を無理矢理振り払って、もう一度模擬問題集に取り組む私。

 でも入浴するために裸になればお湯の中で知らずしらずに手が股間や乳房にいきそうになるし、パジャマに着替えてベッドに横たわれば自然と腕が股間に伸びそうになってしまいます。
 そのたびにお姉さまが悲しげなお顔になるのを想像して我慢する私。

 私が必死に我慢しているのには、お姉さまのご命令に背いて悲しませたくない、という他にも理由がありました。
 それは生理前にお姉さまから渡されたバカンス三日目の私の恥ずかし過ぎる痴態をミサさまがラフにまとめてくださったというDVDです。

 そこにはショッピングモールの駐車場でのノーブラ歩行からフードコートでのお留守番遠隔ローター羞恥責め、五十嵐さまとのおトイレ内下半身丸出し放尿ショーから駐車場での公然自慰行為、そして大雨の中での全裸お使いまでがテンポよくまとめられていました。
 もちろん生理前の私はそれを観て赤面しながら何度も何度も、お姉さまおっしゃるところの溜めオナニーをしていたのですが、同時に心の奥底で形容し難い恐怖と言うか不穏なものを感じているのも事実でした。

 そこに映っていた映像はどれもハンザイスレスレ、いえ、まさにコーゼンワイセツそのものと言っても過言ではない代物。
 一見AVのように作り物っぽい感じもしているのですが、もちろんAVなどではなく実際に私が不特定多数の眼前で行なったドキュメントなのです。

 快楽に任せてこんなことをつづけていたら、いつかきっと取り返しのつかない事態で破滅してしまう…
 そんな不安と言うか予感と言うか、どす黒いシミのような感情が芽生えていました。

 入社してから、いえ、厳密に言えば六月のショー以来のお姉さまの会社での私の境遇が異常だったのは確かなことで、それをすっかり受け入れて居心地がいいと感じたのは私です。
 でも確かにお姉さまがおっしゃった通り、私もお姉さまを含む社員のみなさまもエスカレートし過ぎているのかも…

 翌月曜日に出社して業務も一段落しボーッとしてるとき、リンコさまからお声をかけられました。

「直子、なんだかお疲れ気味じゃん。ひょっとしてお休み中に我慢できずにオナニーしちゃった?」

「違いますっ!していませんっ!お約束はずっとちゃんと守っていますっ!」

 からかい気味のお言葉でしたが、私はいつになくムキになって否定しました。
 だって実際していませんし、お姉さまに誤解されるようなご報告をされたら困りますから。

 私のらしくもない語気に少しビビられたようなリンコさまでしたが、すぐにニコッと笑われつづけられました。

「ああ逆か。我慢しているからお疲れ気味なんだ。その調子でがんばりな」

 そうお優しくおっしゃって開発部屋に早々と戻られました。

 火曜日からはまた教習所通いの日々。
 学科講習は飽きるほど教本を読み返していましたから規定の10時間で難なくクリア。
 実技講習もS字とクランクで少しつまずきはしましたがなんとかハンコをいただき、来週の効果測定とみきわめという技能試験に受かれば仮免許まで進めることとなりました。

 そのあいだにも性的欲求は絶え間なく訪れていたのですが、そのたびに教本や交通ルールの模擬試験集に没頭し、ネットで教習所体験の参考動画を観まくりました。
 それでも気が紛れないと、クローゼットにしまい込んでいた電子ピアノを引っ張り出してきて、ヘッドフォンをかぶって数年ぶりにピアノの練習まで始めちゃいました。
 
 そんな時間をくりかえす中、あるとき私好みなとある妄想が浮上して私はそれに飛びつきました。

 これは愛するお姉さまからの、私がはしたな過ぎる女性にならないよう親心で課した放置プレイ、焦らし責めという愛ゆえの躾の鞭。
 お姉さまのご命令を遵守して、我慢して我慢して私の禁欲期間が明けた暁にはお姉さまが今までより一層お優しく迎え入れてくださり、ふたりでこの世のものとも思えないほどの快感に酔い痴れるという妄想。
 縛られるのも痛くされるのも見知らぬかたたちに恥ずかしい姿を見られるのもとても気持ち良いけれど、何よりも気持ち良いのは愛するお姉さまとの濃密な交わりなのですから。

 そんなふうな自己暗示で性的衝動を欺きつつ我慢を重ね、翌週の数々の試験もなんとか合格して仮免許をいただくことが出来ました。

 でも好事魔多し、いいことと悪いことは並行して起こります。
 来週から第二段階、路上教習へと進めるということで気が緩んだのでしょう。
 その週の土曜日就寝後、日曜の朝方に目覚めたとき、私にとってはたぶん生まれて初めて、夢イキ、という行為を経験してしまったのです。

 夢イキというのは俗語で、ネットで調べると、男性の夢精のようなものの女性版。
 つまり寝ながら夢の中でオーガズムを迎えるということです。

 その日は一日中家に閉じ籠もり家事とネットとピアノの練習に明け暮れ、就寝したのは23時頃。
 ちなみに就寝するときはブラは外し、素肌にシルクのパジャマ上下でショーツは穿いています。

 ぐっすり眠っていたはずですが、なんだか気持ちいいのとお布団の下腹部が濡れているような違和感で目覚めたのが明け方の5時過ぎでした。

 直前まで何かとてもえっちな夢を見ていたような気もするのですが、それよりもショックだったのはジットリ濡れそぼったシーツです。
 えっ!ひょっとしてこの年になってオネショしちゃった?それとも早々とまた生理が来ちゃった?

 あわててベッドサイドの灯りを点け、掛け布団を跳ね除けて起き上がり確認してみると、シーツやパジャマ、ショーツを濡らしている液体は無色透明、でもちょっと粘り気も感じる…
 クリトリスと両乳首はショーツを脱いで見なくてもわかるくらい、ビンビンに腫れている自覚がありました。

 そこで思いついたのが寝ているあいだに無意識に胸や性器をまさぐってしまった、という疑念。
 でも起きたとき、からだ中は汗ばんでいたけれど両手は乾いて濡れていなかった…
 ここにきて真剣に眠気が覚めて起き上がりベッドを離れてお部屋の電気を点けました。

 濡れたパジャマとショーツのままベッドの枕元に腰掛け、就寝しているあいだのことを思い出してみます。
 まず目覚める直前までに見ていた夢は、どなたかに執拗に乳首を弄られている感覚だった気がします。
 その前のことを思い出そうとするのですが、何だかぼやっとしていてうまくいきません。

 何か凄く気持ちの良い感覚に何度も包まれたような…
 どこかの広場で群衆に囲まれる中、全裸の大の字で磔にされている夢も見たような…
 たくさんの手で乳房や女性器をいろいろもてあそばれる夢も見ていたような…
 イッているあいだ凄く美しいお顔の女性に顔を覗き込まれているような気がしたような…

 ほとんどはっきりとはしないのですが、昔トラウマとなった事態のような嫌な感じは微塵もなく、逆に何か満足感みたいなものがからだに残っている感覚までそこはかとなくありました。
 今までもえっちな夢を見ることは数え切れないほど度々あったのですが、ここまで盛大に濡れ散らかしてしまったことはありません。

 気になったのでネットで、女性、夢の中、イク、と検索したら、夢イキ、という言葉を知りました。

 それによると、事前に充分オナ禁すること、えっちなことを考えながら眠りにつくこと、深い眠りにつくこと、うつ伏せで寝ることなどで夢イキしやすくなると書いてありました。

 そう言えば私、いつもは横向きか仰向けで眠っていることが多いはずなのだけれど、今日目が覚めたときはうつ伏せだった気がします。
 その他の項目も今の私に該当することばかり。
 
 ちなみにうつ伏せで寝るとシーツやお布団が乳首やクリットに接触しやすくなるので、シーツや寝返りの際のお布団からの刺激を愛撫と誤認して性感が高まるそうです。
 だとすると私、夢を見ながら盛んにお布団の中で腰をクネクネしていたのかもしれません…

 そんな中、ひとつ不可解なのは夢の中に出てきたかたたちがすべて見知らぬ女性、思い出せる限り男性器のイメージはまったく残っていないので女性と思います、だったことでした。
 夢の中で私のからだをもてあそんでくださる方々は、みなさまお顔だけはボーッとぼやけて、綺麗な人だなとは思ったりもしたのですが、それがどなたなのかが誰ひとりわかりませんでした。
 麗しのお姉さまを筆頭に会社のかたやお知り合い、昔のお友達なども含めて私の知っているお顔はどなたもご登場されませんでした。
 こんなに毎日お姉さまのことを想っているのに…と、そこには大いに不満を感じました。

 人生初のとてもショッキングな出来事だったので、その朝は寝直す気にもなれずにそのまま早起きして汚したシーツやパジャマとショーツのお洗濯やお布団を干した後、大好きなアニメシリーズのDVD、性的刺激が皆無なタイトル、を一気観したりして、教習所のことも忘れてダラダラと過ごしました。
 そして夕方になり窓の外がだんだんと暗くなるにつれ、考えまいとしてずっとくすぶっていた不安がムクムクと広がり始めます。

 これってお姉さまのご命令を破っちゃったことになるのかな?
 えっちな夢見てイッちゃったことは事実っぽいし…
 でも夢の中でだし私自身の手はまったく関与していないから絶対オナニーではないし…
 でも私のからだが無意識でもえっちな反応をしちゃっているのは私の責任だし…

 あれやこれやと考え過ぎると結局悪いほうの結論に引っ張られてしまうものです。
 悩み疲れて悲観的な気持ちでいつしか眠りに就いたようなのですが、その割には悪夢も見ずにぐっすり眠ったようでした。
 もちろん連日の夢イキもありませんでした。

 明けて月曜日。
 なんだかいつになく清々しい気分とご命令を破ってしまった罪悪感とを半分づつ抱えたフクザツな気持ちで出社しました。
 いつも通りルーティンワークをこなしてフッと一息ついた、開発部以外みなさま外出中の11時過ぎころ、ノックもなしにドアが静かに開かれました。

「あ、お姉さま…」

 そこに立たれているのは、あの無慈悲なご命令を下されて以来、半月以上ぶりに拝見する愛しのお姉さまのご尊顔です。
 ダークグレイのシックなビジネススーツに白のシフォンブラウス、いつものバーキンを左肩に提げられた麗しきお姿。

「こら、ここではチーフでしょ」

 からかうような笑みでご叱責をくださった最愛のチーフがご自分のお席に優雅に腰掛けられます。

「昨夜までインドネシアだったのよ、縫製工場の視察。あ、これお土産、ジャワ島のココナッツやらカシューナッツのクッキー。みんなで食べるように掲示板に告知して」

 バーキンから大きな包みを取り出されたお姉さま。
 お姉さまのスケジュールはSNSに書き込む身として承知の上ですが、真っ先に私のところに来てくださったのが嬉しい。

「あとこれは直子だけに特別。銀細工のリング。あたしとお揃いであたしもプライベートのときは着けるから。右手の薬指にしよう」

 小さな濃紺のジュエルケースを照れたようなお顔で手渡されます。
 なんて嬉しいお土産!

 ケースをそっと開けてみると、そこには繊細な銀細工が施された百合の花モチーフのシルバーに輝く細い指輪。
 わっ!と一言歓声を上げてから早速ご指示通り右手の薬指に嵌めてみます。
 サイズもぴったり、すごく綺麗で品があって物凄く嬉しい!

「銀は黒ずみやすいから小まめにお手入れしてね。お手入れ用のセーム革もケースに入っているから」

 お姉さまが笑顔でおっしゃりながらご自分の右手も見せてくださいます。
 確かに同じデザインの指輪が薬指に燦然と光り輝いています。
 私の歓喜モードがマックスを振り切っています。

「直子だからチョーカーっていうのも考えたのだけれど、時期が時期だしねって思って自粛した」

 相変わらずからかうような笑顔なお姉さまがつづけます。

「で、免許のほうはどんな感じ?」

「あ、はい。先週やっと仮免許までいけまして、今週から路上教習が始まります」

 ここまでは本当のことなので淀むこと無くお答えすることができます。

「へー。あれから二週間?三週間?ちょっとでしょ、直子にしては上出来じゃん。正直言ってあたし、もっとモタつくかと思ってた」

 本当に意外というお顔をされながら嬉しそうにおっしゃってくださるお姉さま。

「順調じゃない。そんな感じならあと数週間で、直子の運転でどこかへドライブが出来そうね」

 嬉しいことをおっしゃってくださるお姉さまですが、その後に必ずされるであろうご質問がわかっているので私は萎れ始めています。

「で、あっちのほうはどうなの?」

 いたずらっぽくお問いかけくださるお姉さま。
 それから椅子をクルッと回転させてデスクに向き合わられたお姉さまは、ご自分のパソコンを立ち上げるようです。

 来てしまいました。
 伏し目がちになり、声のトーンも抑え気味になってしまう私。

「あ、はい。あれから自分では一度もえっちなことはしていません…社員のみなさまも毎日普通に接してくださっています…」

「へー、頑張って我慢しているんだ、すごいじゃん。直子はやれば出来る子だと思ってた」

 背中越しの相変わらず明るいお声。
 ご自分のデスクのパソコンを操作されながらの会話なので、私の異変には気づかれていないご様子。

「…でも…」

 やっぱりお姉さまに嘘はつけません。
 自白することに決めました。

「でも?」

 お姉さまが私のほうに向き直られ、覗き込むように見つめてきます。
 私も申し訳ない気持ちで顔を上げ、すがる想いで視線を合わせました。

「…ごめんなさい…昨日…お休みの日の明け方に私、夢イキしちゃったみたいなんです…」

 お姉さまのふたつの瞳が驚いたように一瞬大きく見開かれ、すぐにスッと細くなられました。


2025年12月31日

我慢と免許と脅迫状 03

 そんな社内的には慌ただしい、でも私個人的にはあまりかまってもらえず刺激少なめな日々が過ぎ去り月も変わって10月2週目のある日の午後、チーフから応接室に呼び出されました。

 10月第一週で展示会等のつづいた社内的修羅場もつつがなく無事成功裏に終わり、その週末に社内の身内的お疲れさま会が部室=オフィスのすぐ近くに在る社員用宿泊部屋で行なわれました。
 
 出席者は管理職を含めた社員七名に里美さま。
 久々に社員全員出席の慰労会、ケータリングや持ち寄った食べ物とお酒類で開催されたいわゆる打ち上げです。

 と言っても部室は普通のマンションの一室ですから大騒ぎをするわけにもいきませんし、みなさまそれまでのハードスケジュールでお疲れ気味でしたので最初のうちは小ぢんまりとした静かめな飲み会でした。
 もちろん私はパーティ開始早々に当然のように丸裸にさせられ、おっぱいとお尻、それにマゾマンコまで丸出しな逆バニーの衣装を着せられ、みなさまにお給仕をする立場でした。

 ケータリングのお料理が凄く美味しくて始めのうちはお食事メインな談笑会だったのですが、食欲が落ち着いてアルコールが進むにつれて場がどんどんお下品方面へと緩み、私にイタズラを仕掛けてくる手が増えてきました。
 お箸やアイストングで乳首やクリットをつままれるのは序の口、余興に逆バニーでアニソンを踊らさせられたり机の角オナニーやワインの空き瓶オナニーを強要されたり。
 
 中でも一番刺激的だったのはラビアスプレッダーという悪魔的なオモチャでした。

 それは鮮やかなピンク色の弾力あるワイヤー入りシリコンチューブをアルファベットのWの形みたいに立体的に折曲げた形状で、手のひらに乗るくらいのサイズ。
 チューブ全体が細かい蛇腹状でなんだか淫靡。
 Wの真ん中の山の部分は尖ってはなく逆Uの字のような曲線を描き、その部分だけが両端に比べて反り返るように飛び出していました。

 そのオモチャを持ち込まれたのは里美さま。
 なんでも海外のその手のサイトで発見して取り寄せてみたそうです。

「でも直子がモニター第一号ってわけではないの。取り寄せてすぐに麗子のパイパンマンコで試してみて、今ではバイト中の標準装備になっているから」

 アルコールで少しピンク色に染められた頬を緩められ、悪戯っぽくおっしゃる里美さま。
 麗子さまというのは里美さまのショップでアルバイトされている女子大生の倉島麗子さまのことで、別荘の最終日にご一緒した、私に憧れているというM女志願なかた。
 そうか、あのときおっしゃられていた通り倉島さまも剃毛されてパイパンにされちゃったんだ。

「そこの椅子に座りなさい」

 そのオモチャを片手にワザとらしい冷たいお声でご命令くださった里美さま。
 指さされたのはダイニング用に設えられた肘掛け付きの小洒落た木製の椅子でした。

「両脚は大きく広げて両膝の裏を左右の肘掛けにそれぞれ乗せなさい。M字開脚でオマンコをわたしに差し出すみたいに」

 そのときの私は逆バニー衣装もすでに剥ぎ取られ、いつもの赤い首輪とスリッパだけの全裸状態。
 おまけに両方の乳首には大きめな事務用の目玉クリップが噛み付いてぶら下がっていました。
 ご命令された里美さまの背後に他のみなさまも、グラス片手のニヤニヤ笑いで集まられてきます。

 指定された椅子に深く腰掛け両脚を大きく割って、左右の肘掛けにそれぞれの膝裏を乗せます。
 幾分仰け反るようにカパーッと開いた内腿の付け根部分が、見下ろすみなさまの眼前にさらけ出されます。
 もはや私の裸身に慣れ過ぎているみなさまの前とは言え、かなり恥ずかしい体勢です。

 里美さまが私のマゾマンコ至近距離にしゃがみ込まれ、そのオモチャを私のソコにあてがいます。
 W型のシリコンチューブで逆Uの字を描く部分の幅は4センチ位、そのワイヤー入りチューブが私の膣穴を抉じ開けてきます。

「んーっ!」

 感触は意外とソフトなU字型のシリコンチューブが蛇腹のザラザラを伴って私の膣穴を左右に開きつつ粘膜の奥深くまで侵入してこられます。
 それまで机の角オナニーやワインの空き瓶オナニーで膣は充分濡れそぼっていますから、すんなり受け入れてしまう私の淫乱マゾマンコ。
 ピンクのシリコンチューブがズッポリと収まった膣穴は左右に大きく開いたまま固定されてしまいました。
 溢れ出た愛液がポタポタ床を汚します。

 それだけでは終わりません。
 大きく口を開けたままの膣穴の左右にはみ出ているW字両脇のワイヤー入りチューブ。
 里美さまはまず、私から見て右側のチューブを私の大陰唇右側内側に嵌め込んできました。

「あぁんっ!」

 弾力のあるシリコンチューブが私のマゾマンコの右大陰唇と右小陰唇のあいだの皮膚にめり込み、秘部内側の皮膚を引き攣らせます。
 チューブの先端はクリトリスの右側少し上ぐらい。
 割れ始め付近の皮膚内側に丸みのあるシリコン先端部分が食い込んで、右側の皮膚全体がチューブによって外向きに引っ張られ半開状態。
 同じことを左側にも施され、私のマゾマンコは穴を含めて襞から粘膜からポッカリ全開おっぴろげ。

 ソコの皮膚が左右に広がって引っ張られているため、真ん中上部に位置する腫れたクリトリスがいつにも増して大きく目立っていて凄く恥ずかしい。
 その下の尿道口も左右に引っ張られていつもより穴の存在感が上がっている感じ。
 そんなふうに異物を嵌め込まれても痛みや苦痛は少なく、ただ空気の当たる範囲が襞や粘膜まで広がってスースー変な感じ。

「このオモチャのいいところはね、装着しちゃえば立とうが座ろうがクスコをかませたみたいにオマンコが開きっ放しになっちゃうところ。直子のオマンコはプックリ柏餅で肉厚だから装着もラクだったし」

 里美さまが立ち上がられながらからかうようにおっしゃいます。

「麗子はね、その状態で露わになったクリちゃんをプラスティック定規でペチペチされるのが気に入っちゃったみたい。直子もやられてみる?」

 ご質問と同時に私の返事も待たれず、どこに隠し持たれていたのか30センチのプラスティック定規を手にされた里美さま。

「ほら、こんな感じ。どう?気持ちいいでしょ?」

 お言葉と同時に里美さまのプラ定規が里美さまに差し出した私のマゾマンコにペチッと接触します。

「あんっ!!」

 膣穴粘膜も小陰唇の襞襞もオモチャによって丸出しとなった私のマゾマンコに幅3~4センチほどのプラスティックの板面が触れては去り触れては去り。
 それは叩いて痛みを与えるというより文字通りの擬音なペチペチと軽い打擲で、なんて言うか、もてあそばれている感じ。
 そしてその中でもっとも顕著に蹂躙されるのが物理的にももっとも飛び出している、フードを脱ぎ捨てて剥き出しな私の腫れ上がったクリトリスです。

 定規が肌を打つペチペチペチという音と私のアンアンアンという恥ずかしい淫声がリズミカルにお部屋に響き渡ります。
 軽い打擲とはいえ充血しきった肉の芽に絶え間なく刺激が与えられ、ますます固く熱く膨張してしまう私のクリトリス。

「ねえ、オマンコの穴がヒクヒク蠢いている」
「うん。このオモチャが挿さっているとオモチャも一緒に動いて一目瞭然だね。穴が呼吸しているみたいに膨らんだり萎んだり」
「よだれつーか愛液がすごい垂れてきてて、たぶんこのままあっさりイッちゃうんだろうね」

 見物していらっしゃるどなたかのご興味津々なお声がいくつか聞こえてきます。
 そして私はそんなどなたかの予想通り、ものの二分も経たないうちに頭の中が真っ白になってしまうほどの強烈なオーガズムを迎えていました。
 マゾマンコを執拗に叩かれる屈辱的な快感は、高三の頃ピアノを教わっていたゆうこ先生としたお仕置きごっこを久々にかつ鮮明に思い出させてくれました。

 ただ、そのオモチャは里美さまが仕入れたものであり倉島さまの標準装備となっている逸品ですから里美さまがその日に持って帰ってしまわれました。
 でも、すかさずリンコさまミサさまの開発部コンビが似たようなシリコンチューブ、こちらは一見、肌と同色なベージュの色合いで蛇腹の凸凹も激しめな私のマゾマンコに合わせた専用の特注品、を作り上げてくださり、その数日後から私もオフィスでの標準装備品となっていました。

「でも直子にそんなもの一日中装着したら愛液ダダ漏れでオフィス中ビショビショになっちゃうわよね」

 お姉さま、あ、いえ、チーフと早乙女部長さまが渋いお顔をされましたが、リンコさまが、

「その点は大丈夫です。うちらが責任を持ってその都度キレイに拭かせることを誓いますから。この夏に導入した床拭きロボットもありますし、あんまり汚すようならキツイお仕置きで躾します」

 と自信満々におっしゃったので押し切られたご様子。

 ここで冒頭のシーンに戻ります。
 10月2週目のある日の午後、応接室に呼ばれた私。

 そのときの格好は、下乳を支えるだけの黒のオープンバストブラの上に丈が長めな濃いベージュのブレザーという裸ブレザー状態。
 下半身はスッポンポンで、もちろんラビアスレッダー装着に黒のニーハイソックスという破廉恥な半裸姿。
 すべてリンコさまミサさまのコンビが仕立ててくださった見せたがりM女コーデです。

 秋も深まり気温も下がり気味ですが空調の効いたオフィスなので、こんな格好でも寒さは感じません。
 陽焼けも薄まって首輪の白い跡もほとんどわからなくなっていても変わらずチョーカーは着けつづけています。
 呼び出される直前までリンコさまたちから新作ディルドのモニター被験者としてさんざん弄られていましたから、からだは疼きっ放しな全身敏感肌。

 ドアが開きっぱなしな応接室に入ると壁面の黒く大きなディスプレイ下にチーフ、その横にほのかさま。
 対面のソファー中央にはブルーのバスタオルが敷かれ、おそらくそこに私が座らされるのでしょう。
 早乙女部長さま間宮部長さまはご出張でご不在です。

 チーフとほのかさまはチーフの目の前に置かれたラップトップパソコンの画面を真剣見つめられていて私には一瞥もくださらず、私は入口のそばで立ち尽くすばかり。
 そうしているあいだに入口ドアからリンコさまとミサさまも入ってこられ、ほのかさまの脇にご着席されました。
 お顔を上げられたチーフが私の姿を見て少し呆れたようなお顔をされ、黙ってソファーを指さされます。
 応接テーブルを挟んだみなさまの正面に、裸のお尻をバスタオルに乗せて座った私。

「あなた、そろそろ生理よね」

 私の顔をまじまじと見つめつつチーフがおっしゃいました。

「えっ?あ、はい、そろそろと思います」

 唐突なお問い掛けに一瞬意味がわかりませんでしたが、確かにその通りなので素直にお答えしました。
 前の生理がバカンスから戻って一週間後くらいでしたから、周期的に言ってそろそろ来るはずです。

「そう。それじゃあ次の生理が来て終わってからその次の生理が来て明けるまで、直子が性的な遊びをすることを一切禁じます。オフィスでもプラベートでもね」

「えっ!?」

 前のお問い掛けに輪をかけて唐突なご命令に絶句してしまいました。

「最近の直子って急激に羞恥心が薄れてきているのよね。あたしたちの甘やかしがエスカレートし過ぎたせいもあるけれど」

 チーフがいたって生真面目なご表情でおっしゃいます。

「これを観てみなさい」

 チーフが目の前のパソコンをいじるとみなさまの背後の大きなディスプレイがパッと明るくなります。

「ミサが取り急ぎでラフに編集してくれたの。完成時の予想はゆうに八時間超えの超大作になりそうだって」

 苦笑い気味なチーフがおっしゃり、みなさまはパソコンの画面を覗き込まれます。
 壁面ディスプレイに大きく映し出されたのは、青空が広がるよく晴れた屋外。
 画面の中央に白いブラウスと赤いスカートの女性が大きな建物の壁際に立っています。

 バカンス三日目にショッピングモールでいろいろやらされたときの私の姿でした。
 映像だけが映し出されて音声は流れてきません。

 画面の女性、つまり私なのですが、は左手にスマホを持ち、右手はスカートのポケットの中。
 何やら通話をしながらポケットに入れたほうのスカートがゆらゆら揺れています。
 薄手の白いブラウス胸元は大きくはだけた上に布地が汗で肌に貼り付いて肌色に透けつつ艶めかしい曲線を描いています。

 時折撮影カメラのズームで女性の顔がアップとなり、その表情が悩ましげに歪んでいるのがわかります。
 時折画面全体を遮るように人影が横切り、この場所がそれなりに人通りのある場所であることがわかります。

「ほらね。こんな公然監視の野外で半裸に近い格好になって、平気でイキ顔晒しちゃう女なんてまったくエレガントではないわよね?」

 チーフがいたずらっぽくおっしゃいます。

「こんな調子でこのまま突っ走っちゃうと直子は取り返しのつかないニンフォマニアな超変態M女になっちゃうと思うの。少しは我慢することも覚えないと」
「だからあたしたちも敢えて直子弄りをしばらく自粛することに決めたのよ。このままじゃ直子、ただのお下品なド淫乱誰でもレズ便器に成り果てそうだから」

 ディスプレイの画面にはブラウスがお腹の素肌まですっかりはだけ、赤いスカートの股間部分を激しく揺らしている私の姿…
 スマホに何事かを熱心につぶやきながら、蕩けそうな顔でイキ果てつつある場面が映し出されています。
 少し引いた画面では行き交う人や立ち止まって私を見ている他人さまのお姿もバッチリ映っています。
 なんていう赤っ恥、なんていう恥知らず…

「最初は禁欲させるために貞操帯を嵌めようっていうアイデアが出ていくつか取り寄せてみたりもしたのだけれど、いかにも性的プレイって感じで、これだと却って直子のマゾ心を刺激して発情しちゃうんじゃないかって意見もあって却下したの。あなたって乳首だけでもその気になれば充分イケちゃうでしょうし」

 公衆の面前での自分の恥ずかしすぎる痴態を大画面で観せられて盛大に赤面している私に、からかうようなお顔のチーフ、いえ、今は私を嬉しそうにいたぶるプライベート時のお姉さまの怪しい瞳になられておっしゃいます。

「だから直子の良識に任せることにしたの。とにかく直子は次の生理が来たらその次の生理を終えるまでのあいだ、自慰行為や性的な遊びは一切禁止。これはあたしからの命令。もし破ったらあたしはとても悲しむ」
「そのあいだ直子は普通のOLとしていやらしいことは一切何も考えずに、ビジネススーツをちゃんと着て普通の下着を身に着けてひたすら業務に、会社のために励みなさい」
「チョーカーの類は着けて来ても来なくてもいいわ。着けてきても他の社員がえっちな遊びを仕掛けてくることは一切ないけれど」

 完全にエス度満開になられたお顔のお姉さまが冷たく笑いながらおっしゃいます。
 リンコさまミサさまはニヤニヤなお顔、ほのかさまだけがご心配気なお顔を見せてくださっています。

「でも、そのあいだ直子も気を紛らわせていないと何かと不安でしょう。だから重ねてもう一つ、業務命令を下します」

 ニコッと笑われたお姉さま、つづけておっしゃいました。

「そのあいだに直子は運転免許を取りなさい。ちょうどオフィスのすぐそばに教習所があるし費用はすべて会社持ち。あたしの秘書として頑張るなら運転手くらい出来ないとね。ほのかもうちに来てから同じシステムで免許取ったのよ」

 いたずらっぽいお顔でおっしゃられたお姉さま。
 会社持ちで免許が取れるっていうのはすごく嬉しいご提案ではあるのだけれど、でも私に車の運転なんて出来るのかしら?
 いろんな事柄がいっぺんに攻め立ててきて思考が追いつかない私。

「教習所への入所手続きはこっちでやっておいたから直子は来週の火曜日から教習所に通うこと。まあ初日は生理の真っ只中では在ると思うけれど」

 またまたからかうようなお声でおっしゃってから、お姉さまがこうつづけられます。

「禁欲期間中、直子がプラーベートでこっそりオナニーとかしたとしてもあたしたちには知る術もないけれど、オフィスでリンコたちにじっくり観察してもらって逐一報告してもらう手筈にはなっているから」
「まあいずれにしても直子の良識を信じるしかないわね。あたしは、直子はあたしの命令を絶対に破らないって信じているから」

「直子にはいつまでも恥じらいを忘れてほしくないのよ。六月のショーのときくらいまでは恥ずかしい命令をされるたびに羞じらい炸裂みたいな初々しい感じだったけれど、最近は羞じらいよりもM女の悦びが勝っている感じで、何ていうか直子の品?品格みたいなのが大幅に下がってきちゃっている気がしているの」
「だからここらで無理矢理にでも禁欲期間を設けてみたら、直子の内面でもまた何か変わってくるかもしれないし、オフィスのみんなもエスカレートし過ぎて少しマンネリ気味だった直子弄りの愉しさをリフレッシュできると思ったのよ。だからこれは社員全員の総意」

 ディスプレイの画面は大雨の中、私が全裸でお外の自動販売機に飲み物を買いに行かされたところに変わっています。

「この映像はDVDに焼いたから直子にあげる。生理が来たらほぼ一ヶ月自慰行為禁止だから生理前のあいだに、自分の浅ましくて恥知らずな行為の数々を観て反省しつつ、溜めオナニーでもなんでもしておくといいわ」
「あ、禁欲期間は生理から生理のあいだか、車の運転免許が取れるまでね。次の生理が終わっても免許が取れていなかったら自動延長だから」

 そこまでおっしゃってお姉さまの右手がパソコンへと伸びます。
 何かのキーを押されたと思うと同時に壁のディスプレイの映像もプツっと消えました。

 それからの数日はリンコさまたちも、しばらく直子で遊べないからとオフィスで暇を見つけては恥ずかしい格好にされ、開発中のディルドやらバイブやらアナルビーズやらで前にも増して私を辱め放題の虐め放題イカセ放題。
 そんな私も家に帰ってから自分のDVDを流しつつお仕置き部屋で連日思い出し自虐オナニー三昧。

 でもそんな日々は束の間、その週の日曜日、予想通りあっさり生理が訪れてしまい、お姉さま直々のご命令な私の禁欲月間が始まってしまったのでした。