2021年9月26日

肌色休暇二日目~いけにえの賛美 11

  目隠し越しでも、私の目の前にどなたかがいらっしゃるのが気配でわかります。
 おひとりではなくおふたりかお三かたか、もしかしてそれ以上かも。
 ふうわり嗅ぎ慣れないフローラル系パフュームの香りも漂ってきていますので、女性のかたたちだけだと思いたいのですが…

「あうっ!」

 無言のまま、いきなり右おっぱいを鷲掴みにされました。
 そのまま乱暴にわしわしと揉みしだかれ、更に乳首をギュッとつままれ痛いほど引っ張られます。

「あんっ、いたいぃ…」

 快感よりもやっぱり怯えと不安のほうが勝っています。
 郵便か宅配便の配達員のかたなのかしら…

「あんっ、や、やめてくださいっ!な、なんなんですか、あなたがたはっ!」

 あるじさまのお話では、お庭のM女に手を出すのはお約束違反なはず。
 憤りと恐怖で私には珍しく声を荒げてしまいました。

「おーおー、素っ裸の晒し者マゾ女が何かイキガッているなー。大人しくしてりゃあ悪いようにはしねーよ」

 聞き馴染みのないドスの効いた低めなお声。
 だけどなんだか女性がわざと低くお下品に作られたお声にも聞こえます。

「なかなかいい乳してるじゃねーか。おいっ、あんまり暴れるなっ!泥水が跳ねるだろが」

 左おっぱいも鷲掴まれ揉みしだかれ始めます。
 右おっぱいのより、包まれた感触が少し小さい?
 両方とも手のひらの感触がしなやかで、乳首をつまむ指も女性の指っぽい。

「あんっ、あーっ、あんっ、や、やめてくださいぃ…」

 自由に動かせる左腕で払いのけることも出来るのですが、左手に握り締めている肥後ずいきさまを見られるのが恥ずかしくて腕ごと背中側に隠しています。
 それをいいことに乱暴に嬲られまくる私の無防備おっぱい。

 性的刺激に身悶えしながらも、どんなかたの仕業なのか見てやろうと思い、目隠しを取ることに決めます。
 素顔写真を撮られてしまうかもしれませんが、ここで事件にしてしまえば悪用も出来ないはず。
 男性がひとりでも混ざって居たら、ありったけの大声であるじさまと寺田さまをお呼びしようと心に決めます。

 自由に出来る私の左手には使用済みの肥後ずいきさま。
 でもこのヌメヌメ濡れそぼった肥後ずいきさまを、泥濘んだ地べたに置きたくはありません。

 少し考えて、お座敷のときみたいにいったん口に咥えることにし、隠していた左手をそっと口元に持っていきます。
 肥後ずいきさまの側面に軽く噛み付いたとき、あっ、咥えたら叫べないな、と遅ればせながら思い至ります。

 素早く目隠しを取って状況を確認して、再び肥後ずいきさまを手にしてから叫べばいいんだ…
 そんなふうな段取りを頭の中で組み終えたとき、一足早くどなたかの手で目隠しがあっさり外されました。

「まったく、こんな泥水の上に中途半端に吊るされちゃって、何をされていたんだろうねえ、この淫乱マゾ娘は」

 背後から聞こえる呆れたようなお声は、聞き覚えありまくる麗しの声音。

「ふぁっ、ふぉっふぇーさまっ!」

 私の間の抜けた叫び声で、おっぱいに伸びていた手たちがスッと引いていきました。
 思わず叫んだ途端に咥えていた肥後ずいきさまがポロリと口中から転げ落ち、足元の泥濘んだ芝生へ。
 そこから斜面を尚もコロコロ転がり、小さめな泥水溜りで止まりました。
 あーん、ごめんなさい、肥後ずいきさま…

 それはさておき、私の背後におられたのは紛れもなく愛しのお姉さま。
 お姉さまが目隠しを外してくださったようです。
 行きの電車個室内で愛し合う前におトイレで着替えられた、黒地に白いストライプのスウェットスーツをお召しになられています。

 私の右おっぱいを揉みしだかれていたのは、立ち位置から言って中村さま。
 大広間で出会ったときと同じTシャツにジャージ姿で、カーキ色の薄めなブルゾンを羽織られています。

 そして、私の左おっぱいに取り付かれていたのは…

「あ、こちらはあたしも初対面の五十嵐ショーコさんね、通称イガちゃん。町のスーパーで買い物中にバッタリ会ったの。地元在住で中村さんのプー太郎仲間なんだって」

 お姉さまがご説明してくださいます。

「中村さんが、今日からしばらくうちに露出狂のうら若いマゾ娘が泊まっていくよ、って誘ったら、ナニソレ面白そー、ってノッちゃって、遊びに来てくださったの」
「イガちゃん、これが噂のマゾ娘、直子。あたしのプティスール兼マゾペット。可愛い子でしょ?でもね、ドン引きしちゃうくらいのド助平なんだ」

 私の紹介の仕方がヒドすぎる気もしますが、五十嵐さまに視線を合わせ無言でペコリと頭を下げました。

 五十嵐さまは赤とグレイのボーダー柄VネックTシャツにスリムジーンズ、麦わらのパナマハットをかぶられています。
 ショートカット細面でボーイッシュな感じのキツネ顔美人さん、バストは控えめでからだ全体がスリムな感じ。
 一瞬、美少年系の男性か、とも思ったのですが、手から腕の感じが明らかに女性でしたし、嗅ぎ慣れないパフュームも五十嵐さまから香っていました。

「イガちゃんは趣味の同人で漫画を描いてらっしゃるんだって。エロいのばっかりだそうだから、直子は絶対ネタになるはずよ」

 私の右手右足の拘束ベルトを外してくださりつつ、お姉さまがおっしゃいます。

「うん。来るなりいきなりこれだもんね。うちも何度かここにお邪魔しているけれど一番インパクトあった。どんなことされたのか、後で詳しく聞かせて欲しいな」

 少し低めだけれど耳触り良くてよく通る五十嵐さまのお声。
 そのお声をお聞きして、最初に男性風の作り声で脅かしてこられたのも五十嵐さまだな、と思いました。

「それにしても直子、酷い格好だねぇ」

 お姉さまがおふたりのほうへと戻られ、正面からしげしげと見つめてこられます。
 両手足首のベルトが外され、首輪とそこに繋がるリード、そして両足に泥まみれのハイソックスを履いただけの全裸で皆様の前に立たされた私。

 五十嵐さまが不意に数歩お下がりになられ、水溜りから肥後ずいきさまを拾い上げてくださり、持ち手のところの端っこをつまむようにお持ちになって、私のところへ持って来てくださいました。

「はいっ。これ、大事なものなんでしょ?」

 イタズラっぽく探るような笑顔で渡してくださる五十嵐さま。

「あ、ありがとうございます…」

 小さな声でお礼をお返しし、仕方なく再び左手に握ります。
 みなさまの前で、裸で肥後ずいきさまを大事そうに持っていることがなんだか凄く恥ずかしい…
 肥後ずいきさまは、粘液でヌメっている先端部分のほうがベットリ泥で汚れています。

 そんなふたりのやり取りを眺めてご愉快そうな笑顔のお姉さまが、私のからだを指差しつつ、つづけられます。

「下半身ヌルヌルにして裸のあちこちに泥まみれな犬の足跡付けちゃって、まるでお犬様にレイプされた直後みたいじゃない」
「それにずいぶんと長いあいだ、全裸で炎天下に放置されたんじゃない?恥ずかしい日焼け跡が周りの日焼け肌と同化し始めてる」

 ご指摘いただいて自分の乳首に目を落としてみると、確かに乳輪の周りを目立たせるように白く残っていた日焼け跡が淡くピンクに色づいていて、薄い小麦色との区別が曖昧になっています。
 この感じで旅行中晴天がつづいてくだされば、お尻上の恥ずかし過ぎる自己紹介も、東京に戻る頃には判読出来なくなっているかもしれません。

「まあ、なんにしても直子ちゃんは、このままじゃ屋内に入ることは出来ないわね」

 やれやれという感じで呆れたようにおっしゃる中村さま。
 そのお言葉になんとなくイジワルっぽいニュアンスを感じて不安になる私。
 まさかこの後ずっと、お庭にある大きめな犬小屋でジョセフィーヌさまと一緒に裸で寝起きしなさい、なんてことになったりして…

「あら?そんなに怯えた顔しないでよ直子ちゃん。別に一晩中このまま裸で閉め出す、っていう意味じゃないから」

 薄く笑いながらお庭の隅の一角、表玄関に近い建物の壁のほうを指さされた中村さま。

「あそこに庭から直で入れるシャワールームがあるから、そこで汚れをキレイに落として、それから室内に入ってね、っていうこと」
「最初はワタシが教えてあげるから、先生に庭で虐められたときは、次からは頃合いを見計らって自分の判断で汚れ落としてから屋内に入ってね」

 ということは、ここに滞在中はずっと、あるじさまからの屋外調教がつづく、ということでしょうか…
 思わずお姉さまのお顔を、助けを求めるみたいに見つめますが、お姉さまはニヤニヤ見つめ返してくださるだけ。

「じゃあワタシは直子ちゃんをシャワールームにお連れするから、悪いけれどイガちゃんとエミリーは買ってきた食材を車から厨房まで運んでおいてくれない?」

 中村さまが私の首輪から垂れたリードの先端に手を伸ばされながらおっしゃいます。
 が、不意にその手をスッと引っ込められて、

「あ、そうか。はい、これ車と玄関の鍵。イガちゃん、厨房の場所わかるよね?」

 キーホルダーが付いた鍵束をポーンと、五十嵐さまに向けて放り投げられる中村さま。

「勝手知ったる他人のお屋敷、ってね」

 嬉しそうにおっしゃりながらナイスキャッチされた五十嵐さま。
 お姉さまと肩を並べられ、お庭を隔てる目隠し樹木のほうへと歩き始められます。

「入ったら玄関の鍵は締めなくていいからね、ワタシもすぐ行くから」

 おふたりのお背中にそんなお声掛けをされた後、リードがグイッと引っ張られます。
 泥濘んだ芝生を二歩、三歩トトトっとつんのめる私。

「このリードもベッチョベチョね。これって、ジョセのよだれでしょう?」

 私の首輪に繋がったリードを引いて数歩先を歩かれる中村さま。
 泥に汚れたハイソックスのみの全裸でリードに引かれトボトボついていく私。

「は、はい…」

 中村さまとは着いたときにお顔を合わせただけで、そのときもほとんど会話が無かったので、人見知りモードを発症している私。
 裸でいることが凄く恥ずかしくて、言葉少なになってしまっています。

 建物の壁沿いと表玄関への目隠し樹木との境目の角に、ポツンとプレハブハウス的な小屋が建っています。
 外観はレンガ柄で正面も側面も大きなガラス窓、大きさは街で見かける標準的な交番くらい。
 
 正面の殆どを占める大きな素通しガラス二枚のスライドドアを開けると、内部はまさにバスルーム。
 床は全面タイル張りで、隅の方に薄いシャワーカーテンで仕切った脱衣スペースに収納チェスト。
 
 お部屋の正面奥は、これまた大きな素通しガラスのスライドドアで仕切られたユニットバス一式。
 ワンルームマンションにあるようなトイレと洗面が一緒になったタイプです。

「先生がゲストのM女を庭に連れ出すの好きなんだよね。でも外でプレイした後、屋内のバスルームまで連れていくと廊下とか壁とか汚しがちじゃない?」
「だから外にも建てたの。ここでならエネマプレイだって仕放題」
 
 中村さまが脱衣スペースのチェストからいろいろ出しながらご説明くださいます。

「どうせM女しか使わないから、って外から覗けるシースルー仕様にしたんだ。公然猥褻バスルーム。わざわざ湯気でも曇りにくい特殊なガラス使ってるんだ。風情のない露出M女専用露天風呂だね」

 確かに建物の入口もバスルームの入口も大きな素通しガラスのスライドドアですから、お庭から中の様子はまさに交番みたいに丸見えです。
 
「ソックスとリードは軽く水洗いしてからこの袋に入れて脱衣籠に入れておいて。後でまとめてワタシらが洗濯するから。そのずいきも洗って乾かせばまた使えるわ。で、これ、ボディソープね」
「今、5時5分過ぎか。シャンプーしている暇は無さそうね。じゃあ、これがバスタオルでこっちがカラダ洗う用タオル。これも使用後は一緒に袋に入れておいてくれればいいから」

 首輪からリードを外してくださり、私にいろいろ手渡してくださる中村さま。
 すべて渡し終え、あらためて私の全身、顔からおっぱい、下腹部、無毛な恥丘の裂け目まで舐めるようにご覧になった後、フッと視線を逸らされます。

「シャワーの使い方はわかるよね?これがスイッチで、お湯の温度はパネルに出るから適当に調節して。こっちは換気扇。終わったらこっちのスイッチ押せば全部落ちるから」

 バスルームに入られ、すべての段取りを整えてくださいます。

「ということで5時20分、遅くとも25分までには広間のホールに戻ってきてね。このバスルームからはご覧の通り館内には入れないから、いったん外に出て、すぐ脇にある木々を突っ切ると表玄関のほうに出るから、そこから玄関目指して。鍵は掛けていないから」

 必要なことだけをおっしゃると、そそくさとバスルーム小屋から出ていかれました。
 寺田さまに比べて打ち解けた感じとか、からかってくるような雰囲気もありませんでした。
 
 中村さまも人見知りの気がお有りなのかな、それとも私のあまりのマゾっぷりに呆れられて軽蔑されちゃったのかな、なんて考えつつハイソックスを脱ぎリードを外し、少し迷ってから首輪も外しました。

 シャワーを少しぬるいくらいの温度に設定して、まずはハイソックスとリードのお洗濯。
 バスボウルにお湯を溜めてそれぞれ浸すとみるみるお湯が泥色に濁っていきます。
 
 何度かくりかえすとあまりお湯は濁らなくなりましたが、白いハイソックスにはまだ薄茶色のシミが点々と。
 やっぱり洗剤を使わないと真っ白には戻らないみたい。
 
 その合間に、肥後ずいきさまの汚れをシャワーの水流で洗い流します。
 こちらはあっさりと泥は落ちましたが、濡らしているあいだはヌメヌメが増すばかり。
 リードのヌメヌメは感じられなくなったので、まあいいか、とお洗濯を切り上げ、次は自分のからだです。

 髪を上にまとめてから、肩から下に強めのシャワー。
 タオルにボディソープを染み込ませ、全裸の全身を撫ぜ回します。

「あんっ…」

 だいぶ落ち着いたとは言え、まだ肌の敏感状態が少し残っているみたい。
 そう言えば、あれほどしつこかったイラクサさまの皮膚一枚内側からの痛痒さは、それが嘘だったみたいにすっかり消えていました。
 消えてしまうと、それが名残惜しく感じてしまうのは、私が根っからのマゾ体質だからでしょうか。

 肥後ずいきさまが膣内に残されたムズムズする痒さはまだ少し感じていたので、シャワーを強めにして至近距離から直接マゾマンコに当てました。

「あんっ!」

 指で膣口を開き、水流が直接粘膜を洗い流すように当てていると、徐々に気持ち良くなってきます。
 このままちょっとオナニーしちゃおうか…という不埒な考えがよぎりますが、私には時間がありません。
 
 15分間から20分間で大広間に戻るようにとのご指示なのですが、見渡したところここに時計は無く、もちろん私も持っていないので体感で計って間に合わせるしかないんです。
 余計なことに時間を費やしていると、ご指示を破りかねません。

 左手で至近距離からマゾマンコに強いシャワーを当て、右手の指を膣口に潜らせて指先で愛液を掻き出すみたいに膣壁を引っ掻き、最後にクリトリスをギューッとつまんで、大急ぎでビクンと小さくイキました。
 それだけでもかなりスッキリ。

 だけど私の体感では、バスルームに入ってから確実に10分間は過ぎている感じ。
 大急ぎでシャワーを止めスイッチを切り、洗い物たちを持って脱衣所に戻ります。

 脱衣籠の中には白いバスタオルが一枚。
 当然のように着替え的なものは下着を含めて何一つ用意されていません。

 でもまあそれも想定内。
 バスタオルでからだの水滴を拭いつつ、ハイソックスなどをご指定通り所定の位置に収めます。
 それから髪を下ろして首輪をし直し、バスタオルを胸元からきつく巻き付けて出口へ。
 スライドドアの向こう側には、ピンク色のサンダルがお約束どおり用意されていました。

 スライドドアを開けてサンダルを履き、素肌にバスタオル一枚でお庭に降り立ちます。
 だいぶ陽が落ちましたがまだまだ明るい晩夏の夕方。

 あらためてバスルーム小屋を見遣ると、見事なまでに中のバスタブまで丸見え。
 シャワーを浴びていたときは湯気で少し曇っていたようにも見えたガラス戸も、すっかり曇り一つ無い素通し状態。
 確かにこれは公然猥褻バスルームです。

 ご指示通りに、すぐそばの目隠し樹木に入ります。
 ほんの数本の木々のあいだをくぐり抜けるとすぐに、着いたときに見渡せた立派なほうの庭園、ロックガーデンが目の前に広がりました。

 えっ、表玄関からこんなに近かったの!?
 私の感覚では、表玄関前の大庭園とあるじさまのお庭とはずいぶん離れているように思っていたのですが、目隠し樹木を挟んで隣り合わせ、と言ってもいい近距離でした。
 この感じだったら、私がお庭でアンアン喘いでいた声も、この辺りまで筒抜けだったのだろうな、と今更ながらの恥ずかしさがぶり返してしまいます。

 砂利道、敷石と歩いて、あの立派な正面玄関扉の前へ。
 重い外開き扉をグイッと開けると、何とも言えない洋食系の美味しそうな匂い。
 ホール入口の内扉も開け放されていて、その奥からお声がかかりました。

「あーきたきた、直子ちゃーん、早くこっちに上がってきて。お姉さまがお待ちかねだよー」

 五十嵐さまのよく通るお声。
 用意されていたスリッパに履き替えてホールに入ると、着いてすぐにみなさまとシャンパンで乾杯した、向かって右寄りのソファーコーナで五十嵐さまが右手を振っておられます。
 そのお隣には中村さまがビニールバッグのようなものの中を覗き込んでおられます。

 私が近づいていくと、不意にもっと右側壁際の扉が開き、寺田さま、つづいてお姉さまが出ていらっしゃいました。
 おふたりともヴィクトリア調と呼ぶのでしょうか、両肩のところとウエスト部分がヒラヒラフリルで飾られた格調高めな純白のエプロンを着けられています。
 いい匂いはそちらから漂っていますから、おそらく厨房でお夕飯のためのお料理をされていたのでしょう。

「おーおー、湯上がり直子は一段とエロっぽいねー」

 おふたりとほぼ同時にソファーコーナーに到着した私。
 寺田さまからそう冷やかされたと思ったら、スーッと伸びてきたお姉さまの右手で、さも当然のようにからだに巻き付けたバスタオルを引き剥がされます。

「あんっ、いやんっ!」

 みなさまの前に再び全裸姿を晒す私。
 私の左腕はバストを庇い、右手は股間なヴィーナスの誕生ポーズ。

「何が、いやんっ、よ。今更隠したって仕方ないでしょうに。右内腿の会陰近くに小さなホクロがあることだって、ここにいる全員がもう知っているわよ?」

 お姉さまのイジワルいお言葉にワッと沸いたみなさまのご愉快そうな笑い声が、天井の高いホール内に響き渡りました。


2021年9月20日

肌色休暇二日目~いけにえの賛美 10

 シュルルルルという音を立てて、一直線の強烈な水流が私の胸元を襲ってきます。
 右おっぱい、左おっぱいと小刻みに標的を変えながら左右のおっぱいを揺らしてくる激水流の陵辱。
 為す術もなくプルプル翻弄される私の乳房。

 水飛沫が派手におっぱいを揺らしているときは、確かにあの意地の悪い疼痛を忘れることが出来ましたが、水流が移動してしまうと元の木阿弥。
 皮膚の表面ではなく、ごく薄く一皮残したくらいの内部からジンジンシクシクと疼かせてくるイラクサの陵辱がまだしつこく残っています。

「あーーーーっ!!!」

 やがて水流は私のマゾマンコへ。
 粘膜と肉芽を執拗に嬲られ、何度か達してしまう私。
 それでも疼きの消えないイラクサさまの威力。

 あやつり人形はもはや、手足をジタバタさせる気力も失せて力無く頭を垂れ、ダランとうなだれるばかり。
 首輪から垂れ下がったリードの持ち手が、地面スレスレでプランプラン揺れています。

 水音の蹂躙が過ぎ去り、素肌に静寂が訪れます。
 素肌を水滴が滑り落ちていく微かな感触の内側で弱まったとは言え、まだ消え失せてくれないイラクサさまの痺れ。

「んふうぅっ…」

 水流の物理的刺激で幾度か達していたはずなのに、秘部三ヶ所をまだ疼かせてくる微熱が貪欲に新たな刺激を欲しています。
 うなだれていた顔を上げ、眼前に立たれているあるじさまと寺田さま、それにジョセフィーヌさまに向かって、媚びるように身をクネクネ捩らせてしまいます。

「どうした?満足出来たのだろう?寺田の放水に犯されてジタバタ踊り狂ってイキ果てていたじゃないか」

 あるじさまが乗馬鞭のベロで、私の相変わらずな勃起右乳首をペロンと撫ぜ下ろされます。

「はうんっ!」

 そんな軽い愛撫にさえビクンと反応してしまう今の私のからだ。

「それとも、まだ足りないのかい?」

 今度は左乳首をペロン、私は、あんっ!

「は、はい…イ、イラクサ、さまの痛痒さがまだ、まだ治まらないんです…どうか、どうかもっとソコを弄ってください、虐めてください…罰をお与えください…」

 静寂が深まるとともにジンジンシクシクと威力を盛り返されるイラクサさま。
 その焦燥から一刻も早く逃れたくて、恥も外聞もなく懇願します。

「やれやれ。とんだド助平なご令嬢がいたものだ。淫乱という概念は、おまえの為にあるのだろうな」

 おっしゃりながらあるじさまが寺田さまに目配せ。
 ススっと私に近寄ってこられた寺田さまが、吊り上げられていた私の左足首のベルトに繋いだ縄を解いてくださいました。

 久しぶりに地面を踏みしめる自由となった左足。
 体勢がずいぶん楽になりました。
 右足と両手はまだ拘束されたままなので、ここから逃げ出すことは出来ないのですが。

「おまえのような好色なドマゾ女はわたくしの手にも余る。そんなに虐められたいのなら、オナ子のもうひとりのあるじさまにお願いすればいい」

「ぁふぅぅーんっ」

 あるじさまの乗馬鞭が私の両脚のあいだに滑り込み、お尻のほうから前方へとベロで擦るように撫ぜていかれます。
 より的確に粘膜と肉芽に当たるようにと、自由な左脚を大きく開いてしまう私。

 ベロですくい取られた私の恥ずかしい愛液をジョセフィーヌさまの鼻先にあてがうあるじさま。
 クンクンお鼻を鳴らされ、ペロペロとベロを舐められ、ブンブンと尻尾を振られるジョセフィーヌさま。
 私の顔を嬉しそうに見つめ、今にも飛びかかってきそうな前傾姿勢なジョセフィーヌさまのお背中を、あるじさまがお優しく撫でつつなだめられています。

「ジョセフィーヌ、ステイ、まだだ。オナ子?」

「は、はい…」

「どうした?ジョセフィーヌにお願いすることはないのか?遊んで欲しくはないのか?」

「…はい、遊んでいただきたいです…」

「ふん、お前の場合は、もて遊んで、だろうがな。それならちゃんとお願いしなけりゃだめだろ?」

「はい、ジョ、ジョセフィーヌさま…ど、どうか、直子を、あ、いえ、オナ子を、も、もて遊ばれてくださいませ…」

 私が、ジョセフィーヌさま、とお名前をお呼びした途端にピクンと動かれたジョセフィーヌさまの両耳。
 それに気づいたのと、あるじさまが小さく、ジョセフィーヌ、オーケー、ゴー、とつぶやかれたのが同時でした。

 5メートルくらい離れた位置から私に向かって、一直線に駆け寄ってこられるジョセフィーヌさま。
 その勢いに気圧されて思わず内股になって腰を引いてしまう私。
 その引っ込めた両脚の付け根部分にジョセフィーヌさまがグイグイと、その毛むくじゃらなお顔を突っ込んでこられます。

「あっ、あんっ、あんっ!」

 私の股のあいだをくぐり抜けたジョセフィーヌさまがお尻をペロペロ舐めてくださいます。
 少し開いた内腿と内腿のあいだに舌を挿し込むようにされ、私の肛門から陰唇、恥丘にかけてのこそばゆい愛撫。

「んっ、あっ、あんっ、あーんっ…」

 ジョセフィーヌさまは忙しなく動き回られ、お尻と言わず腿と言わず、私の下半身の至るところを舐め回してくださいます。
 足元は先ほどからの放水で小さな水溜りが出来るくらい泥濘んでいますが、そんなことはお構いなしなジョセフィーヌさま。
 私の左足ハイソックスにも泥水が跳ねてグズグズ。

 寺田さまがお澄まし顔をされて正面から私に近づいてこられます。
 寺田さまのミラーサングラスに今の私の姿が映り込んでいます。
 自ら左脚を宙に高く上げ、股間に潜り込まれたジョセフィーヌさまの舌使いにクネクネ身を捩らせている私の姿が。

 寺田さまは左手に歯磨き粉みたいなチューブ状の容器を持たれ、そこからひねり出したペースト状の粘液質な何かを左手に受けられています。
 ほんのり香リ来るチーズのような匂い。
 ジョセフィーヌさまもその香りに気づかれたのか、私から離れて寺田さまへとまっしぐらに飛びつかれます。

 後ろ肢立ちのジョセフィーヌさまでも届かないくらい左腕を高く掲げられた寺田さまが、私のすぐ前まで来られました。
 やおらその左手を私のお腹に当てられ、そのペースト状のクリームを私の素肌になすり付けてこられます。
 寺田さまの左手のひらが上へと滑り、遂に私の右おっぱいを包み込んでくださいました。

「ああーんっ」

 つづいて横にずれて左おっぱいも。
 私の上半身はペースト状クリームでヌルヌル。
 チーズのような匂いもずいぶん強くなっています。

 すかさず私に飛びついてこられるジョセフィーヌさま。
 泥に汚れた前肢を私のお腹に当てられ後肢立ちになられ、その長い舌をベロンベロンと突き出しながら私のおっぱいを一生懸命舐めてくださいます。
 全身が性感帯となっている今の私にとって、その執拗な愛撫の気持ち良さと言ったら…

「あーっ、あんっ、あんっ!あーーーんっ!」

 私の素肌に舌を這わせてくださりながら、ハアハア荒い息を吐かれているジョセフィーヌさま。
 本当にジョセフィーヌさまからご奉仕、別の言い方をすれば征服されているみたい。
 ジョセフィーヌさまの一挙手一投足に翻弄される私のマゾ性とドマゾなからだ。

 後肢立ちはお疲れになるのでしょう、時折前肢を下ろされ私の周りをグルグルお回りになられます。
 ふくらはぎや腿をフワフワ撫で回す柔らかな体毛。
 
 それから私の脚やお尻を丁寧に舐めてくださり、やがて再び後肢立ちとなられ脇腹やおっぱいまで執拗に舐め回してくださる長い舌。
 それらの感触全てが私にとって至上の愛撫です。

 寺田さまも適宜、私の素肌にペーストを追加してくださり、そのたびに素早く追い掛けて舐め取ってくださるジョセフィーヌさまの長い舌。
 私の頭の中では、どこでどなたに教わったのか自然にネットで覚えたのか、バター犬、という単語がグルグル渦巻いていました。

「あんっ、あんっ、そこっ、あーーっ、もっと、そう、そこ、もっとぉ…」

 あられもなく淫声をほとばしらせる私。

「あんっ、あーーっ、あんっ…えっ!?…」

 そのときフッと視界を奪われました。
 目の前が真っ暗。
 どうやらまた目隠しをされてしまったみたい。

 そんなことにはお構い無しなジョセフィーヌさまからの舌責めはつづいています。
 私の太股、内腿、お尻、女性器、脇腹、おへそ、下乳、乳頭、胸元まで、唾液ダラダラな滑らかな舌で執拗に愛撫されています。

 いつの間にか私の両手を幹から吊るしていた縄の結び目が緩められていたようで、自分でしゃがみ込める程の長さになっていました。
 と言っても相変わらず、両手は手錠の形に拘束されたままですが。

 いつしか私は、ジョセフィーヌさまがより舐めやすいようにと、中腰ガニ股に大きく股を広げ、ジョセフィーヌさまを迎え入れていました。
 おそらく傍から見れば凄く浅ましくもみっともない格好。
 
 そんな私にお応えくださるかのように、鎖骨から顔面までベロベロ舐めてくださるジョセフィーヌさま。
 舐められるたびに、そんな格好で全身をプルプル震わせている私。

「あんっ!そこっ!あーんっ、そうっ、そうっ、そこをもっと、あっ、だめっ、もっとぉーっ!」

 もはやジョセフィーヌさまは私のかけがえのないパートナーさまのおひとりです。

「ふん、踊りにキレが戻ってきたじゃないか。ペットはペット同士、心ゆくまでそうして戯れるがいい」

 真正面からあるじさまのお声。

「さて、私は仕事に戻るとするか。寺田?あとは貴方がよしなにするがいい。任せたぞ」

「承知いたしました、先生」

 寺田さまのキリッとシャープなお声でのご返事。
 そのあいだも私はアンアン喘ぎっ放し。

「そうだ、オナ子にひとつだけ教えておいてやろう」

 少し遠ざかられた感じなあるじさまのお声。

「おまえはさっきから安心しきったようにアンアン喘ぎ声を上げているがな、この屋敷にも郵便や宅配便は届くぞ?」

 そんなお言葉が聞こえ、あわててムッと口をつぐむ私。

「来るとしたら今頃の時間帯だ。郵便屋や宅配便の配達員のあいだで噂になっているらしいな、この屋敷の裏庭には時々素っ裸の若い女が無防備に吊るされている、って」
「そのせいで奴等のあいだでは、この屋敷への配達が争奪戦となっているという話だ。ポストは表玄関だが、裏庭と言っても表側から目隠しとなっている木々のあいだから覗き込めば、ここら一帯丸見えだからな」

 そのあいだもジョセフィーヌさまからの陵辱は止まりません。
 必死に口をつぐんで、あるじさまのお声に耳をそばたてる私。

「何年前だったか、そんな配達員のひとりが、そのとき吊るされていた全裸のM女に不埒な悪戯をしようとしたのだな。幸い未遂で終わったが、そのときこんな取り決めをした」
「ここが私有地である限り、庭で女がどんな格好をしていようとも手を出すのは紛れもなく犯罪だ。ただし、わたくしどもとて、余り褒められた行為をしているわけではない」

「だから妥協案としてこう決めたのだ。ここで面白い見世物を見つけても手を出すのは問答無用でアウト。こちらからそれなりの法的手段に訴えてその行為の落とし前はつけてもらう」
「その代わり、運良くその場に居合わせたなら、見物したり撮影するのはセーフ。その後その写真や動画がどう使われようが、それはそのM女の運の無さだ、ってな」

「だから今、オナ子に目隠しをしてやったのさ。運良く誰かに撮影されたとしも、素顔までは晒されないように、という親心でな」

 それっきりあるじさまのお声は聞こえてきません。
 おそらくお言葉の通り、お仕事に戻られたのでしょう。
 
 気がつけばジョセフィーヌさまからの愛撫もあっさりと消えていました。
 おそらく最愛のあるじさまに着いて行かれたのでしょう。

「直っちってば、凄いね。あんなにノリノリな先生、先週のM女に匹敵するわ」

 突然左耳に息を吹き込むような掠れた寺田さまのお声。
 その熱い吐息にビクンとからだを震わせる私。

「そんなに貪欲な若いドマゾ娘、そうそうはいないわよ?アタシまでゾクゾク濡れてきちゃったもの。直っち、ううん、畏敬の念を込めて直子って呼び捨てにさせてもらうわ」
「直子、まだまだ満足し切れていないのでしょう?まだまだ乳首とクリット、ぴんこ勃ちだし」

 からかうようにハスキーにおっしゃった後、私の左耳たぶを軽く噛むようにしゃぶってくださる寺田さま。

「はうんっ!は、はい…ジョセフィーヌさまにも何度かイカせていただいたのですが、や、やっぱり直子のマゾマンコに強烈な陵辱が欲しいのです…」

 このかたなら私をキチンとイカせてくださるかもしれない、という一縷の望みを込めて、寺田さまに懇願してしまいます。

「いいよ。アタシもそろそろみんなの夕食の準備に取り掛からなければならないし、直子もこのままでは可哀想だものね」

 お優しいお言葉をくださった寺田さまのおからだが離れる気配がし、すぐに吊るされている両手から左手だけがベルトごと、解放されました。
 
 自由になった左手に手探りで握らされた、ちょうど良い握り心地な感触。
 それは紛れもなく、私がお座敷からお庭に出るまでずっと口に咥えさせられていた、あの肥後ずいきの太めな胴体。

「ほら、それを自分でオマンコに突っ込んで、心ゆくまで自分で自分を慰めなさい。アタシはそろそろ戻らなくてはならないけれど、直子はいつまででもここで愉しんでいていいから」

 それきり寺田さまのお声も聞こえなくなりました。
 いつの間にか目隠しの向こう側に感じる晩夏の陽射しも、幾分薄暗くなっているような気がします。

 私の左手には肥後ずいき。
 気がつけば、あんなにしつこかったイラクサさまの蹂躙もずいぶん薄らいでいました。
 
 それでもまだまだ新たな性的刺激を欲している私のからだ。
 この期に及んで肥後ずいきさまをマゾマンコに突き立てない、という選択肢はありえませんでした。

 ジュブっ!

「あーーーーっ!!」

 左手で握った肥後ずいきさまを手探りでマゾマンコに突き立てました。
 久々に膣口全域を満たしてくださる異物の感触。
 すぐに私のマン汁が繊維質に溶け合い、粘膜を熱くさせてくださる肥後ずいきさま。

「あんっ、あんっ、あんっ、あーんっ…」

 先ほどのあるじさまからのご忠告もどこへやら、制御の効かない淫声を撒き散らす私。
 私の左手はピストン運動を延々とくりかえし、イラクサさまとはまた違ったむず痒さをマゾマンコに与えてくださる肥後ずいきさま。

 右手が拘束されているので、おっぱいを弄れないのがもどかしい…
 それに、ここにジョセフィーヌさまからのおっぱいへの愛撫があれば…
 無い物ねだりなことを思いつつもジュブジュブと卑猥な音を立てつづける私のマゾマンコ。

「あーーっ!あーーーーーっ!!…あーーーーーーーっ!!」

 まっしぐらに昇り詰めている最中に、ふっと自動車のエンジン音のような音が聞こえた気がしました。
 えっ!?と思うのですが、私の左手はもう止まりません。
 同時によみがえる先ほどのあるじさまからのご忠告。

 えっ?この音って郵便屋さま?それとも宅配便さま?
 心の片隅ではそう思うのですが、一方で大丈夫大丈夫イッちゃえイッちゃえ、と楽観的な私。
 あるじさまを信じるなら写真を撮られるくらいだし、素顔がわからないように目隠しも施してくださったし…

 そうしているあいだにエンジン音はどんどん近づいて来て、ついに表玄関に停まったみたい。
 エンジン音が消え、バタンバタンとドアを開く音。
 その音と一緒に私はイキ果てていました。

 泥濘んだ泥水の中にお尻ごと突っ込みへたり込んでいる私。
 頭の中が真っ白になってハアハア息を荒げている使い物にならない耳朶をくすぐってくる微かな足音。

 それもおひとりだけではないみたい。
 だんだんとその聴力を取り戻した私の耳に聞こえ来るその足音は、どう聞いても複数。
 その足音たちが石畳を踏まれ砂利道を踏まれ、やがて木々の葉っぱがザワザワとさんざめきながら、草と土を踏まれる音に変わります。

 もちろん今なら、左手左足は拘束されていませんから、左手から肥後ずいきさまを手放しさえすれば、自分で右手右足の戒めを解き、目隠しをも取り去って、その場から一目散に逃げ出すことも出来るでしょう。
 だけどなぜだか、そうする気持ちにはなれませんでした。

 右手右足拘束で目隠しもそのままに、その場にほぼ全裸姿で怯えている私。
 その足音たちは明らかに、私のほうへと近づいて来られています。

 不意に目隠し越しにもわかる眩い光が真正面から浴びせられます。
 立てつづけに閃光が数回。
 眼前が眩むたびにゾクゾクっと戦慄する私の全身。
 
 近づいて来られたどなたかから、私の恥ずかし過ぎる写真を数枚撮られてしまったのは確かなようでした。


2021年9月12日

肌色休暇二日目~いけにえの賛美 09

 「あーーっ!いやぁーーーっ!」

 不意に左足首が引っ張られ、どんどん空中に上がっていきました。
 右足は木の根元に固定されていますから左脚はみるみる右脚から離れ、そのぶん股間がどんどん開いていきます。
 それに気づいたとき、思わず悲鳴を上げていました。

「なかなかいい声で啼くじゃないか。いいよ、もっと泣き喚いてわたくしを愉しませることだ」

 ニヤニヤ笑いなあるじさまの横で、すっかりリラックスされて横座りなジョセフィーヌさま。
 私の左脚はどんどん上げられ、今や中途半端なY字バランスと言うか、バレエでいうと不格好なア・ラ・スゴンドと言うか。
 寺田さまが脚立を移動され、私の両手を吊っている太い幹の先端の方に、左足首を吊った縄を縛り付けておられます。

 股のあいだを緩い風が吹き抜けていくのを感じます。
 その風の感触で私の膣口を塞ぐ陰唇が少し開いてしまっているのがわかります。
 左隣の木陰にいらっしゃるあるじさまとジョセフィーヌさまからは、その一番恥ずかしい部分が丸見えなことでしょう。

「いい格好になったじゃないか。そう言えばバレリーナはよくそんなポーズをしたりするな」
「縄で手足を吊られて、まるであやつり人形だな。そう言えばあやつり人形を題材にしたバレエの演目もあったが、あれは何と言ったか…」

 ニクタラシイご口調で私に近づいてこられたあるじさま。
 もちろんジョセフィーヌさまも尻尾をフリフリ、ぴったりとあるじさまに寄り添っておられます。
 そこへ寺田さまが緑色の細くて長いホースをどこからか引っ張ってこられました。

「これからオナ子に存分にいやらしく踊ってもらうわけだが、その前におまえの薄汚れたからだを清めてやろう」
「よだれやマン汁でベトベトなからだでは、せっかくのいけにえの舞も美しくないからな。寺田っ!」

 あるじさまの号令で私の真正面3メートルくらい手前の位置に立たれた寺田さまが、お持ちになっているホースの噴出口を私に向けてきました。
 その金属製でSF映画の光線銃みたいなフォルムのノズルから緩い水流が、フワーッと私めがけて飛び出してきます。

 最初はシャワーのような放射状の飛沫が私の首から下部分に満遍なく当てられ、汗やよだれを洗い流してくださいます。
 水流は冷たいのですが、暑いしからだは火照っているしで、気持ち良いのほうが勝っています。

 そのうち水流が直線的になってきて、肌に当たる水圧も強くなってきました。
 寺田さまが握られているホースお手元のノズルのレバーで調節出来るみたい。

 今や一直線の水流となり当たると少し痛いくらいの水圧となった水飛沫が、私のおへそ上から右おっぱいの下乳へと移動してきていました。
 下乳をプルプル揺らすほどの水圧、その甘美な刺激。
 木に麻縄で繋がれた手足をクネクネ動かし、淫らに顔を歪める私。

 肌を窪ますほどの一直線な水流は、ターゲットを私の右乳首に絞ったみたい。
 おそらく噛み付いている木製洗濯バサミを弾き飛ばそうとされているのでしょう。

「あーっ!」

 乳首の根本を襲う水圧に乳首が翻弄されプルプル揺れています。
 乳首から洗濯バサミの先端まで、愛撫するように数センチ幅で動く水流に私の性感がぐんぐん上がっています。
 洗濯バサミの上から強烈な振動のマッサージ器を当てられているみたい。

 洗濯バサミの噛み口部分がジリジリと乳首の皮膚を移動しているのがわかります。
 疼痛、鈍痛、激痛を細かくくりかえしながら、じわじわと噛み口が乳首の先端へと移動していくのがわかります。

「んーー、くぅーーっ!!」

 最後に飛び切りの激痛をくださり、木製洗濯バサミが勢い良く弾け飛びました。
 私の右足首が縛り付けられている大木の根元に転がり落ちた洗濯バサミ。
 すかさず左乳首へとターゲットを移行される寺田さま。

「んあーっ、いやーっ!!」

 数分かけてとうとう左乳首にも激痛をくださった木製洗濯バサミと寺田さまの水圧責め。
 左乳首の洗濯バサミが弾け飛んだと同時に水流もピタッと止まりました。
 激痛の余韻でハアハア息を荒くしている私。

「まあまあのダンスだったな。もう少し派手なほうがわたくしの好みだが」
「おまえのマンコと肛門はずいぶん派手に悦んでいたぞ、襞がヒクヒクピクピク、よだれをダラダラ流して。わたくしの位置から丸見えだった」

 私の正面に移動されてきたあるじさまが、からかうようにおっしゃいます。
 ジョセフィーヌさまはと言えば、寺田さまが持たれたホースからチョロチョロ漏れるお水を飲ませていただいてご満悦。

「それにもっと声を出していい。ここは山の中だ、誰に気兼ねする必要もない。やめて欲しいのか、もっとして欲しいのか、飼い主に対して感情を顕にするのも家畜の務めだ」
「まあ、服従が基本であることは変わらないのだがな。それはそれとして、とっとと清めの仕上げだ。寺田っ」

 寺田さまはいつの間にか、私から見て左側の木陰に移動されていました。
 ノズルを低く構えられ、その噴出口が向けられているのは…

「あーーーーっ!」

 片足を吊るされ大きく広げられた私の両脚、その中心部分に向けて始めから強烈な水圧の水流が突き刺さってきました。
 膣口を抉じ開けて流れ込む荒々しい水流。
 しばらくそこを嬲ってから弄ぶように少し上へと移動し、今度は腫れたクリトリスを弾いてきます。

「あんっ、あんっ、あーーーっ!」

 ぐんぐん昂ぶる私の欲情。
 水流は肉芽と膣口と肛門を満遍なく行き来し、私を高みへといざなってくださいます。

「あーっ、いいっ、ぃいーっ、もっと、もっとぉーっ!!」

 あるじさまのご忠告のせいではなく、自然におねだりが声として出てしまいます。
 吊られている縄とは関係無く、水流が当たりやすいようにと自ら左脚をより高く上げてその部分を誇示している私。

「そうっ!そこっ!そこをもっと、もっとーっ!!」

 一際はしたないおねだり声が合図だったかのように、水流がピタッと止まってしまいました。
 まさに寸前、あと数秒で全身に火花が弾けそうだったのに…
 クリトリスが痛いくらいズキズキ充血しているのが自分でわかりました。

「勘違いしてもらっては困るな。さっき座敷で教えただろう?この野外舞踏会はオナ子が気持ち良くなるためにやっているわけではないって」
「おまえが淫欲に翻弄され、焦らしに焦らされて悶え踊る様を見物して嘲嗤おうという趣向だと。わたくしを愉しませるためだけの余興ってことだっ」

 おそらく私はとても不満そうな顔をお見せしてしまっていたのでしょう、蔑み切った冷たい瞳のあるじさまが語気荒く吐き捨てるようにおっしゃいます。
 その視線から逃げるように自分の足元に目を逸らすと、濡れそぼった地面に着いた私のからだをただ一本で支えている右脚の白いハイソックスがべっとりと、ぬかるんだ泥で茶色く汚れていました。

 あるじさまにスススっと近づかれた寺田さまがピンク色の何かを手渡されます。
 右手で受け取られたあるじさまは、それをもう片方の手に嵌められ、つづいて右手にも。
 よく見ると寺田さまもすでに両手に嵌められていて、ガーデニングとかで使う厚手のゴム手袋みたい。

 寺田さまはその後スタスタと、お庭の端の植込みのほうへと向かわれ、ジョセフィーヌさまが嬉しそうに後を着いていかれます。
 あるじさまは私の正面にお立ちになられ、イジワルいニヤニヤ笑い。

「さて、ここからが本番だ。オナ子は、今まで経験したことの無いような快楽にのたうち悶え踊り狂うことになるだろう」
「ドマゾなおまえなら、ローソクプレイは大好きなんだろう?」

「あ、えっと、はい…」

 あるじさまからの唐突なご質問に、咄嗟のことで誤魔化すような気の利いた言葉も浮かばず、真っ正直にお答えします。
 と言っても、火を扱う遊びですから独りでは危なくて出来ませんし、これまでのパートナーの方々も、後片付けが超面倒なこともあり、これまで数回しか経験したことは無いのですが。

「それの数倍、数十倍の苦痛、すなわちマゾにとっては快感、快楽が味わえる、わたくしの庭ならではの責めだ。先週も生まれて初めて味わったマゾ女が泣いて悦んでいたな」

 そんな会話をしているうちに寺田さまが戻ってこられます。
 ゴム手袋を嵌められた右手に数本の雑草をお握りになって。
 そのひらひら揺れる葉っぱの形を見た瞬間、あっ、と気づきます。

「あっ!」

 思わず声にまで出てしまいました。

「おや?おまえ、この草が何だか知っているのか?」

 あるじさまが怪訝そうにお尋ねになります。

「あ、あの、いえ、知っているというわけではなくて…」

 その青ジソに似た形の葉っぱを目の前に見せられたことで、これから私がどんな目に遭うのかがわかってしまいました。
 それは確かに私が生まれて初めて味わう苦痛であり、それゆえの恐怖でした。

「ここに着く前に立ち寄った広場でお昼をいただいたときに、草むらに生えていたそれに足を刺されました。それでお姉さまから、その草がイラクサというお名前だとお聞きしました…」

 そのジンジンシクシクといつまでもしつこくつづく、痛みと言うか痒みと言うか痺れと言うか…
 足のふくらはぎでそれでしたから、もしも他のもっと敏感な…

「ほう。おまえはもうこの草のいやらしさは知っているのか。それで、この草で責められたことは?」

「ありませんっ。さっき初めて刺されただけですし、考えただけでゾッとします」

 心の底からの本心でした。

「そうかい、それなら今日わたくしが教えて上げようかね。この草をオナ子の一番敏感な場所にたっぷり味あわせて上げよう。思う存分身悶え踊るがいい」

「ひいぃっ!」

 あるじさまがイラクサの束をズイッと、私の剥き出しのお腹スレスレに突き出してこられます。
 思わず大げさにお腹を引っ込める私。

「この辺りに生えているイラクサは、わたくしが数年前にイタリアから取り寄せたセイヨウイラクサの種子を鉢植えで育ててから始まったものなのさ。庭に移植したら知らぬ間に山のあちこちで増えてしまった」
「こちらではさほどでもないが、ヨーロッパのBDSMシーンではネトル、イラクサの英語名だな、ネトルボンデージと呼ばれて責めの一ジャンルになっている。バスタブにこの草を敷き詰めて両手両足拘束の素っ裸で放り込む、なんていう責め方もあるぞ」

 相変わらず私の肌に触れるか触れないかのスレスレで草を揺らしつつ、あるじさまがからかうようにイジワルく私の顔を覗き込んできます。
 あるじさまのお顔と草束の葉先を交互に見ながら、心底怯えている私。

「まずはその苦痛を、その浅ましく尖り切っているマゾ乳首に与えてやろう。おまえは人一倍敏感そうだから、どうなることやら」

 嗜虐色に染まり切ったあるじさまのお顔。
 私の恐怖も最高潮。

「そ、それだけはお許しくださいっ!他のことなら何でもしますからっ!そ、そんなことをされたら、私、どうなってしまうか…」

 目尻に涙まで浮かんでいるのが自分でわかりました。
 ふくらはぎで味あわされた第一印象がサイアクでしたから、未知の刺激に本気で怖じ気づいています。

「ふうん、これまでで一番怯えた顔をしているな。そういうおまえの顔をわたくしは、一番見たかったのさ」
「それに、どうなってしまうかわからないから面白いのだろう?わたくしの見るところ、おまえのマゾ性はまだまだ伸び代がありそうなのだし」

 ニヤッと笑われたあるじさま。
 スッと伸ばされたあるじさまの右手。
 私の右乳房をスッと何かが撫ぜ過ぎていった感触。
 その直後…

「あーーーーーーーーっ!!」

 自分でも信じられないほどの絶叫が自分の口からほとばしり出ていました。

 右乳首を撫ぜられた感触が去ったと同時にチクン、ズキンと乳房に絡みついた痛み。
 その痛みは最初の衝撃をキープしつつ、いつまでもしつこく同じ場所に居座っています。
 
 チクチクなのかシクシクなのかズキズキなのか、自分でも表現できない不快感溢れる痛み。
 それがいつまでもそこに居座ってヒクヒク乳首を疼かせてきます。

「あーーーーーーーーっ!!」

 その疼きに気を取られているあいだに、左乳首にも同様の苦痛。
 もちろんあるじさまが左乳房も撫ぜられたからでしょう。

 両方のおっぱい、それも乳首を中心とした乳暈全体が喩えようのない刺激に蹂躙されていました。
 山芋ともワサビとも、スースーする塗り薬とも熱いローソクの蝋とも違う、形容出来ない刺激。

 今すぐ患部に他の物理的刺激が欲しい…
 撫で擦るだけでも揉みしだくだけでも、なんなら掻き毟られてもかまわない…
 そんな居ても立っても居られない、どうしようもなく耐え難い、狂おしいほどの痛痒痛さ。

「あっ、あんっ、あーっ、あん、あんっ、ふぅーんっ…」

 あやつり人形状態でクネクネ身を捩らせて、文字通り身悶え踊り狂う私。
 それほど強烈な両乳房への持続的な刺激。

「ほお、いい感じに踊っているじゃないか。オナ子、今、何をして欲しい?」

「は、はいっ、どうか、私のおっぱいを触ってください、揉みしだいて引っ掻いて、この痛痒さから逃れさせてくだいっ!」

 私の心の底からの叫びでした。
 例えあるじさまでなくても、そこにおられるのならどなたにでも、全集中で懇願していたと思います。

「ふふん、でもそれは出来ない相談だな。イラクサに刺された肌を掻きむしるのはご法度だ。患部が広がり、かぶれて爛れてしまうからな」

 お腹の底からご愉快そうな、それゆえに底意地の悪さがはっきり感じ取れる、あるじさまからのお言葉。

「だからオナ子は自分の両手を拘束されていることを感謝するがいい。もし自由だったら、あっという間に自分で掻き毟って、そのスベスベな白い肌が無残に赤く爛れていたことだろう」

 お芝居口調に磨きをかけられるあるじさま。
 ジョセフィーヌさまも立ち上がられ、お口から舌をペロンと出され、ハアハア呼吸を荒げつつ私を見つめています。

「さあ、仕上げだ。最後におまえのしどけなくおっ広げている股の中心でテラテラ光っているスケベ豆に、じっくりネトルを味あわせて最終楽章へ進むとしようか」

 そのお言葉が意味する残酷さは、もはや重々わかっていました。
 それこそが私が、もっとも恐れていた状況でした。

「あ、あるじさまっ、どうか、どうかそれだけはお許しくださいっ!そんなことをされてしまったら直子は、あ、いえ、マゾ子は…オナ子は、どうなってしまうかわかりません…」

 SMプレイというのは、ある意味未体験な刺激の連続ですから、今までに何度も怖じ気ついたことはありました。
 露出プレイから始まって縄での縛り、鞭打ち、洗濯バサミ、アナル責め、拘束責め、放置責め…

 それらのプレイなら大なり小なり、事前にSMの小説やビデオ、またはネットでの解説から、その内容を知っている、少なくともどんな感じになりそうかくらいを頭で理解出来ていると思えるプレイでした。
 でも、今現在行なわれているイラクサ責めは、まったく未知のプレイ、それも今行なわれている現在進行形で、その予想を超えた未知数な威力を充分味わっていました。
 これ以上、と要求されたときに感じる、それゆえの恐怖感。

「どんどん怯えの色が濃くなってきているな、それこそがマゾ調教の醍醐味だ。存分に怯えるがいい」

 再び私に近づいてこられたあるじさま。
 その眼鏡の奥の瞳は、嗜虐色一色に染まられています。

「そんなふうに哀れっぽく許しを乞われて、よしわかったと諦めるようなわたくしに見えるのかい?」
「そう、その通り。答えはノーだ」

「あーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」

 間髪を入れずにスルッと撫ぜられた股間。
 一番突き出ていたクリトリスが、いの一番に洗礼を受け、すぐに大陰唇や開いて覗いていた粘膜がつづきました。

「いやーーーーーーーっ!!!」

 撫ぜられた直後にビクビクンと一度イッた気がします。
 それでもしつこくマゾマンコ全体に痛痒さをもたらしてくるイラクサさま。
 相変わらず疼痛で疼かせてくる両乳首への痛痒さとも相俟って、喩えようのないエクスタシーが大きく小さく全身を何度も貫いていきます。

「おお、いいじゃないか。踊れ踊れ、全身を悶えくねらせて思う存分踊り狂うがいい」

 あるじさまのお言葉を待つまでもなく、私の全身は未知な意地の悪い痛痒さにのたうちまくっています。
 苦痛と快感が六分四分な、それまで味わったことの無い性感。
 ただし、徐々に五分五分へと移行していき、いずれは逆転してしまうような予感も感じています。

「さてオナ子、今、何を一番して欲しい?」

 イラクサの束を私の眼前で振りながら、イジワルく私の顔を覗き込んでこられるあるじさま。

「はいっ、オナ子のおっぱいとマゾマンコを弄って欲しいですっ。滅茶苦茶に掻き回して、この痛痒さから解放して欲しいんですぅ…」

 本当にこの得体の知れない痛痒さから解放されるなら、何でもするし出来ると思いました。
 その一方で更に、この刺激に新たな刺激が加わったなら、どうなってしまうのだろう、とも…

「よもやわたくしがおまえの要求通りにしてやるとは思っていないのだろう?おまえみたいなドマゾ女の浅ましい肌など、わたくしの手で触れたくもないしな」

 お芝居口調絶好調なあるじさまの怒気を含まれたお声。
 ご丁寧にもその後もう一度、右乳首、左乳首、クリトリスへとイラクサの葉で撫ぜてくださいます。

「あーーーーーーっ、だめーーーっ、いやーーーーーーぁっ!!!」

 更なる刺激が加算され、ビクンビクンと全身を跳ねらせてイッてしまう私。
 その様子をニヤニヤ笑いで眺められているあるじさまと寺田さま、ジョセフィーヌさまもハアハアとよだれを垂らされて私を見ています。

「でもまあ、オナ子が涙を流してまで悦んでいるのだから、わたくしも慈悲をやろう。寺田?水を浴びせてやりなさい、一番キツイやつをな」

 あるじさまのご指示で寺田さまが、再びホースを私に向けて構えられました。


2021年9月5日

肌色休暇二日目~いけにえの賛美 08

「は、はい…オナ子はマゾですから、あるじさまからのどんなご命令でも従います…」

 この本気のビンタをくださるサディスティックな女性から、もっと虐められてみたい…
 そんな刹那的に感じたマゾ性ゆえの欲望だけで、反射的にお答えしていました。

「その言葉をわたくしは、どんなにひどい仕打ちをされてもかまわない、っていう意味に取るけれど、いいんだね?」

 あるじさまが私に向かって突き出された乗馬鞭の先のベロが、私の左おっぱい先っちょの尖った乳首を、揺らすみたいにプルプル愛撫してくださっています。

「んんむぅ…は、はい…何をされてもかまいませんっ…私を、オナ子をもっともっと、ちょ、調教してくださいっ…」

 乳首を揺らすじれったい愛撫で全身がプルプル震え、それ以上のもっと強烈な刺激を全身が強烈に求めています。

「それなら、その忠誠をまずは態度で示してもらわないとな」

 あるじさまの乗馬鞭が私の乳首を離れ、ヒュンと一回、空を切ります。
 それから鞭の先で、あるじさまのお足元を指されます。

「そこにひざまずいて、わたくしの足を舐めなさい」

 あっ、と思い、同時に声まで出そうになりましたが、すんでのところで飲み込みました。
 SMの小説やビデオとかでよく聞くような台詞ですが、現実ではなかなか耳にすることのないご命令。
 そんなある意味照れ臭い台詞を、シラッとお口に出されるあるじさま。

「はい…あるじさま…」

 ずっと憧れていたSMの小説やビデオの世界に自分が入り込んでしまっているみたいな気持ちになって、胸がドキドキ高鳴っています。
 私、今、このかたに調教されているんだ…

 数歩進んであるじさまが腰掛けられた椅子の前まで行き、その場で土下座するみたいに両膝を折って畳に乗せます。
 膝立ちで上半身を屈めると眼前に、あるじさまが突き出されているスウェットパンツを膝まで捲くりあげられた右生脚。
 いざ実際に現実で直面すると、これから自分がしようとしていることのみじめさ、浅ましさに躊躇が生まれてしまいます。

「どうした?早く舐めろ。おまえがさっきだらしなくダラダラ垂れ流した濁ったマン汁で汚されたわたくしの足だ。奴隷のおまえが舐め取るのが礼儀だろう?」
「両腕は背中だ。わたくしの足を手で持つことは許さない。手は一切使わず、顔だけ舌だけでキレイに舐め取れ」

 乗馬鞭のベロで私の背中を軽くペチペチ叩きつつ、伸ばした足の甲を私の顔に押し付けてこられるあるじさま。
 あるじさまの少し汗ばんだお御足の匂いと、私の生臭い愛液の匂い。
 思い切って舌を伸ばすと、少し苦しょっぱい舐め慣れた自分の恥ずかしい分泌液の味。

 あるじさまは私の顔面に足の裏を押し付けてきたり、爪先を私の口の中に無理やり押し込んだり。
 かと思うと私から逃げるように大きく足先をお上げになられ、私は舌だけ思い切り突き出した無様な形相で追い掛けなければいけなかったり。

 結局最後、あるじさまは畳の上にお御足を下ろされ、私はその甲を舐めるために文字通り這いつくばった後ろ手土下座の格好で舌を這わせます。
 そんな私の後頭部を容赦なく踏みつけてくるあるじさまの左足裏、右足の甲に押し付けられて無様にひしゃげる私の顔面。

 頭が踏みつけられ肩が低くなった反動で、どうしても腰は宙に突き出すように浮いてしまいます。
 わたしの真後ろには寺田さまが立たれています。
 寺田さまの位置からは、私のヒクヒク疼く肛門もダラダラ蜜を滴らせる膣口も、すべてが赤裸々に見えていることでしょう。

 全裸で畳に這いつくばり、今日出会ったばかりで自分の母親よりもおそらくお年上の素性も知らない女性の素足を舐めなければいけない、という状況。
 どうしてこんなことをさせられているのだろう、というみじめさと情けなさ、人としての品格とか尊厳とかのすべてを否定されたような、つまり屈辱感…

 お姉さまと愛し合うときも、腕や脚、おからだを舐めさせていただくことはありますが、そのときの気持ちの昂ぶりとは間逆な隷属感、無力感、服従感、被支配感…
 理不尽で侮辱的な扱いに憤りを感じていると同時に、このご無体過ぎる恥辱を嬉々として受け入れている自分がいるのも事実でした。

「おまえは舐めるのが下手だねぇ」

 呆れたようなお声が聞こえ、あるじさまがお御足の裏で私の顔面を避けるように遠ざけ、立ち上がられます。

「それはオナ子が完全に奴隷の心持ちになっていないからだな。奴隷はもはや人間ではない、家畜だ。耳障り良く言えばペットとも言うがな」
「家畜はあるじの役に立ち、悦ばせるためだけに存在すべき生き物。それがつまり奴隷だ」

 あるじさまが寺田さまに何か軽く目配せをされ、寺田さまがススっと優雅に襖の向こうへと消えていきました。

「オナ子に家畜の作法を教えてやろう、そのまま四つん這いでわたくしの後を着いて来なさい」

 リードがグイッと引っ張られ、あるじさまがゆっくりと歩き始められます。
 あるじさまとの距離が広がり、リードがピンと張り詰めて私は首輪ごと引っ張られます。

 土下座状態だった私は引っ張られたことで前につんのめり、自然と両手を畳に着けます。
 自然と腰も持ち上がり引っ張られるままの四足歩行。

 広いお座敷内に円を描くように、あるじさまのリードに引き摺られながら四つん這いで歩かされる私の姿は、お散歩中のワンちゃんそのもの。
 垂れ下がったおっぱい、剥き出しのお尻、何もかもさらけ出した全裸の四つん這い。
 手のひらと膝が畳の上を一歩進むたびに、みじめさが全身を駆け巡ります。

 最初に拘束されていた壁際板の間のソファーの前まで来て、あるじさまが立ち止まられます。
 あるじさまのお足元で四つん這いのままあるじさまを見上げる私。
 そこで寺田さまがあるじさまに、何かを乗せた小さめなステンレスのトレイを手渡されました。

「ほおら、これはおまえの好物だろう?」

 本当にワンちゃんに話しかけるみたいに、私の前にしゃがまれてトレイの中身をお見せくださるあるじさま。
 トレイの上には木製の洗濯バサミが数個と、見覚えのある20センチくらいの長さの凸凹した円柱状の張り型、肥後ずいきが乗っていました。

 今から約一ヶ月半くらい前の7月半ば過ぎ、やよい先生のお店で生まれて初めて味わわされた肥後ずいき…
 植物製ゆえに膣の中で自分の愛液と混じり合いヌルヌル溶け合うような恍惚の感覚…
 抜かれた後もジンジンむず痒く疼いてしまい、もっともっとと求めてしまうはしたない中毒性…

 その後にされた山芋責めの記憶とも相俟って、肥後ずいきの姿を認めた途端、その官能の反芻に背筋がゾクゾクっと震えてしまいました。

「おや、目の色が変わったね。どうやらこいつの味をすでに知っているようだ」

 相変わらずお芝居っ気たっぷりなあるじさまが肥後ずいきをお手に取られます。

「ほら、取ってこい」

 ポーンと肥後ずいきを放り投げられたあるじさま。
 肥後ずいきは広いお座敷の真ん中辺で着地した後コロコロ転がって、先ほどあるじさまが座られていた折り畳み椅子にぶつかって止まりました。

「手は使えないぞ、おまえは家畜なのだからな。口で咥えてわたくしのところまで持ってきなさい。よし、フェッチ!」

 リードを手放されたあるじさまが私のお尻を軽くパチンと叩きました。

「あんっ!」

 両手のひらと両膝を畳の上で交互に動かし、肥後ずいきの落ちている所まで四つ足歩き。
 私の首輪から垂れ下がった引き綱が畳の上をズルズル引き摺られています。
 畳に額を擦り付けるようにグッと顔を近づけて、肥後ずいきを口で拾い上げます。

 落とさないように軽く歯で噛むように咥えると、唾液に混じる青臭い植物の香りにほんの少し感じる甘味。
 そう、まさしくこんな味だった…
 
 やよい先生のお店でのめくるめく陵辱の夜を鮮やかに思い出しつつ、あるじさまのもとへと戻ります。
 あるじさまと寺田さま、おふたりとも同じような薄い笑みを浮かべられ、私を見下ろしています。

「ようし、初めてにしては上出来だ。シットハイ」

 肥後ずいきを咥えたまま四つん這いでおふたりを見上げている私に、あるじさまのお優しいお言葉。
 でも、最後に投げかけられたお言葉の意味がわからず???状態の私。

「おや、わからないのかい?シットハイっていうのは犬の躾用語さ。日本語で言うとチンチンだな」

 イジワルく口角を上げられるあるじさま。
 チンチンっていうのは確か、ワンちゃんが前肢を両方上げて上体を起こした姿勢のことだよね…
 
 つまり上体を起こしてよい、という許可をいただいたと判断し、その場に膝立ちになりました。
 ただチンチンのイメージに引き摺られたのか両手をなぜだかグーの形に握って、ぶりっ子の人がよくやっているネコさんがニャンとしているような両手招き猫のポーズになっていました。

「ようし、ドロップ」

 あるじさまが手を差し出されてこられたので、これは、肥後ずいきを渡せ、という意味だろうと判断し咥える力を緩めます。
 あるじさまが肥後ずいきの端を持たれ、私の口から取り去ってくださいました。

「メス犬オナ子はなかなかいい感じじゃないか。うまく出来たご褒美を上げなきゃな」

 ニヤッと笑われたあるじさま。
 チンチンポーズな私の右おっぱい、変わらずツンと勃ちっ放しな右乳首に木製洗濯バサミをパチンと噛ませてくださいます。

「はうんっ!」

 噛む力はさほど強くない木製洗濯バサミなのですが、久々の、待ち焦がれていたと言っても良い敏感部位への物理的な性的刺激に、自分でも驚くほどビクンと反応してしまいました。

「オナ子、おまえ調教中だというのに発情しているな?おまえが咥えてきたずいきもよだれでベトベトだし、早くこいつをそのヌルヌルマンコに押し込んで欲しくて仕方がないのだろう?」

 右乳首の洗濯バサミを乗馬鞭のベロでプルプルもてあそびならの、あるじさまからのご質問。

「あの、いえ…そんな、あ、でも、あ、あるじさまが悦ばれるのなら、洗濯バサミでも、その肥後ずいきでも、オナ子は喜んで受け入れる覚悟は出来ています…」

 新しい性的刺激が欲しい一心で、あるじさまを媚びるように見つめつつの地味なおねだり。

「ふうん、そうかい。ほら、もう一回だ」

 一瞬蔑むように眼鏡の奥の瞳を細められたあるじさまが、ポンと無造作に肥後ずいきを放られました。
 今度の落下場所はずいぶん近く、四つん這いでも五、六歩で到達出来そう。

「ほら、取ってこい」

 あるじさまのご命令が終わるか終わらないうちに四つん這いに戻り、大急ぎで咥え、大急ぎで戻る私。
 あるじさまのお足元でご命令も無いうちにチンチンポーズで見上げます。

「ずいぶん躾の飲み込みが早いメス犬だね。ずいきは咥えたままでいいよ。今、調教の方針が変わったから」

 ニヤッと笑われたあるじさまが、チンチンポーズの私の左乳首にもご褒美をくださいました。
 
「んぐぅっ!」

 肥後ずいきを咥えたままなので、喉奥から絞り出される私の淫声。
 そんな私を冷ややかに見下ろしてこられるあるじさま。

「わたくしはね、天邪鬼なんだ。やめてください、許してくださいって涙ながらに懇願してくるような女なら、わたくしは有無を言わせずそのずいきをマンコにぶち込んでヒィヒィ泣き喚くまで責め立てるだろう」

 おっしゃりながらまた寺田さまに目配せされ、寺田さまが襖の向こう側へ。
 あるじさまは右手に持たれた乗馬鞭の柄で左の手のひらを軽く叩きながら、私を見下ろしたままつづけられます。

「だけどオナ子みたいなド助平女は、そうされるのはご褒美みたいなもんだ。今だってマンコ弄って欲しくて、イキたくって仕方無いのだろう?」
「おまえみたいな好きものマゾ女は、焦らして焦らして、アクメ寸前で放ったらかすのが一番苦痛なんだよな。だから、その線に路線変更だ」

 襖の陰からお戻りになられた寺田さまは、片手に大きめな白いトートバッグ、もう一方の手には白いパラソル、そして垂れ目型のミラーサングラスをかけられていました。
 お召しになっている白いレオタードと合わせて、本当のレースクイーンさんみたい。

「これからおまえの大好きな屋外に出て、大空の下でおまえをいたぶってやろう。イケるかイケないかはおまえの努力次第だが、せいぜい悶え苦しむがいい。立てっ!」

 リードをグイッと引っ張られ、チンチンポーズから人間ポーズへ。
 
「両手は後ろだ。ずいきを落とすなよ」

 私が両手を後ろに回すと同時に寺田さまに両手のベルトを短い鎖で繋がれ、後ろ手錠状態。
 あるじさまを先頭に、そこからお庭へ出られるのであろうガラス戸のところまで進みました。

 寺田さまがガラガラっとガラス戸を開け放されると、そこは昼下がりの陽射しが燦々と降り注ぐ芝生の瀟洒な庭園。
 出てすぐは板張りのウッドデッキになっていて、屋根の下に差し向かいでお茶を楽しめそうなテーブルと椅子。

 その向こうに青々とした芝生が広がり、中央付近に木陰を作る立派な高い木が並んで三本。
 その脇には家庭用のビニールプール、その向こうに大きめな犬小屋が見えます。
 ところどころにガーデン用のミストシャワーのスタンドが立っていて、涼し気な霧を撒き散らしています。
 
 洗濯物干し用らしきスタンドも数本立っていて、表玄関の前の庭園に比べるとグッと庶民的、とは言っても、裕福な豪邸の広々とした優雅なお庭、を庶民的と呼んでもいいとしたらですが。
 表玄関からは、木々が遮る形でこちらのお庭まではよく見えない形になっていました。

「オナ子は靴下を履いているから、サンダルは履かなくていい」

 中村さまがおっしゃっていた私用のピンク色のクロックスがウッドデッキに用意されていたのですが、あるじさまから使用を禁じられました。
 ウッドデッキの日陰を出て抜けるような青空の下へ、首輪と両手足のレザーベルトに白いハイソックス、そして両乳首の洗濯バサミ以外素っ裸の姿で降り立ちます。
 
 すかさず白いパラソルを広げ、あるじさまの脇をエスコートされるように歩かれる寺田さま。
 そのお姿はまさにレースクイーンそのもの。
 一歩下がってリードに引かれる形で私も、ソックスで芝生を踏みしめて中央の大きな木のほうへと導かれます。

 陽射しはいくらか陰ったもののまだ充分暑く、高地のせいで湿度が低くカラッとしていて全裸がちょうどいいくらい。
 時折そよぐ風が素肌に気持いい。

 ワンッ!
 元気のいいひと吠えと共に、表玄関のほうの木陰から先ほどのワンちゃんが飛び出してきました。

 相変わらず尻尾をブンブン振りながら、まずはあるじさまの足元にまとわりつくワンちゃん。
 次に寺田さまに数回飛びつかれ、その後私のもとへも。

 私の足元にまとわりつき、私が垂らした愛液がたっぷり滲み込んだハイソックスをクンクン嗅いでから、じゃれるように背後から飛びついてきて私の裸のお尻をペロペロ舐め始めます。
 
 んんっ!
 予期せぬ愛撫で咥えている肥後ずいきをあやうく落としそうに。

「おや?ジョセフィーヌはもうオナ子と対面済みかい?」

 あるじさまの少し驚かれたようなお声。

「そうですね。お昼過ぎに車が着いたときに玄関近くにたまたまいたみたいで、エミリーたちにじゃれついていましたね」

 肥後ずいきを咥えたままでお答えできない私の代わりに、寺田さまがご説明してくださいました。

「そうだったのかい。ジョセフィーヌは鼻が利くからな。発情したマゾ女の臭いは大好きで、とくに敏感だ」

 あるじさまが、ジョセフィーヌ、とお口に出された途端に私のもとを離れ、あるじさまに擦り寄られるワンちゃん。
 頭を撫ぜられお口をハアハア、尻尾をパタパタ揺らしているお姿が可愛らしい。

「それにジョセフィーヌは賢いから、今日の遊び相手が誰かも、もうわかっているようだ」

 あるじさまにワシワシ撫ぜられ、降参のお腹見せ状態になられているワンちゃん。
 そのあいだに私のリードは寺田さまに手渡され、私は中央の大木の根元まで連れて行かれます。
 あるじさまとワンちゃんは、すぐ左隣の大木の木陰に腰を下ろされています。

「オナ子はジョセフィーヌの振る舞いを見て、ペットのあるべき姿を学ぶことだ。ジョセフィーヌもおまえを気に入ったようだし、メス犬二匹で存分にじゃれあうがいい」

 あるじさまのお言葉のあいだに私の後ろ手錠はいったん解かれ、でも素早く今度は前手錠状態に。
 手錠の鎖に麻縄が繋がれ、投げ縄の要領でヒュンヒュンと頭上の太い幹に引っ掛けられた寺田さま。

 ああ、またこの格好だ…と来る途中の広場でのお姉さまによる磔放置を思い出したのも束の間、準備良く木に立てかけてあった脚立を広げてお登りになる寺田さま。
 手際よく私の手錠に繋がれた縄の端を、高い位置の幹に結び付けられています。

 縄に引っ張られた私の両手は、両肘が曲がってちょうど私の頭上くらい。
 さっきみたいな爪先立ち磔ではないんだ…とホッとしていると、寺田さまが脚立から下りてこられました。

 私の口から肥後ずいきを取り去ってくださる寺田さま。
 口内に溜まっていた唾液をゴクンと飲み干す私。
 
「そう言えばオナ子はまだジョセフィーヌにきちんと挨拶していなかったな。口枷も取れたことだしちゃんと挨拶しろ。ジョセフィーヌ、いや、ジョセフィーヌさま、だな。オナ子と遊んでください、ってな」

 あるじさまの横にちょこんとお座りになってあるじさまと私を交互に見遣るワンちゃん、いえジョセフィーヌさま。
 そのあいだに私の右足は、寺田さまの手によって足首ベルトに繋がる縄で木の根元に固定されていました。

「は、はい…ジョ、ジョセフィーヌさま…どうぞオナ子と、オナ子で遊んでくださいませ…」

 とうとうワンちゃんにまで、もて遊ばれるようになってしまったんだ…と思うと、自虐を欲するマゾ性がキュンキュン疼いてしまいます。
 ジョセフィーヌさまは、私がそのお名前をお呼びした瞬間、ピクンとお耳をそばたてられ、私の顔を見つめつつムクッと立ち上がられました。

「ジョセフィーヌ、ステイ。まだだ、もう少し我慢しなさい。この裸の女をもっとマゾメス犬らしくサカらせてから、じっくり遊ばせてあげるから」

 あるじさまからお背中をなだめるようにワシワシ撫ぜられ、再びあるじさまの傍らにちょこんと腰を下ろされるジョセフィーヌさま。
 そのあいだに私の左足首のベルトにも、寺田さまによって麻縄が繋がれていました。