2013年6月8日

独り暮らしと私 13

 テニスウェアは上下とも、完全に乾いていました。
 洗濯したてなので、スコートのプリーツが少しヨレヨレシワシワなのは仕方ないこと。
 下着を着けるかどうか、ちょっと迷いましたが、午前中に決めた2着だけルールを思い出して、そのまま素肌に着ることにしました。

 かぶりのテニスウェアは、普通のポロシャツタイプですから、ノーブラが一目で露骨にわかっちゃうほどぴったりフィットではありません。
 でも、ブラをして着ているときよりバストの頂点が二か所、妙に尖って目立っていて、あれっ?って人目を惹く感じ。

 その恰好でリビングに戻りました。
 上半身は、久しぶりの布と素肌とが擦れる感覚に敏感に反応しつつも戸惑い気味、下半身は、衣服を着ているはずなのに妙にスースーして落ち着きません。
 ソファーなどの位置をずらし、大きな姿見の前に素振りをしても危なくないだけの広めなスペースを作りました。

 ラケットを握り、実際に試合に臨むように腰を落として前傾姿勢に構え、エアテニスを始めてみます。
 フォアハンド、バックハンド、ボレー、スマッシュ・・・
 ステップを踏み、からだを大きく動かすたびに、太ももの四分の一も隠していない短いスコートの裾がキワドクひるがえります。
 素振りをしながら、視線がどうしても鏡の中の自分の下半身を追ってしまいます。

 あっ見えた。
 いやん、恥ずかしい!
 抑えてくれるものがないおっぱいも、ウェアの下で派手にプルプル暴れています。
 やっぱりこれ、すっごくえろい。

 最近やっと、狙ったところへ打てるようになってきたサーブのフォーム。
 伸び上がりながらからだを後ろに反らして大きく振りかぶると、スコートの裾がフワッと舞って、隠すものが何も無いアソコに直に空気が当たるのがわかります。
 打ち終わった体勢を後ろから見ている人がいたら、突き出した裸のお尻が丸見えのはず。
 こんなの恥ずかし過ぎです。

 もしも本当にこんな格好で、大勢の人が見ている前で試合をやらされることになったら・・・
 テニスウェアの下でおっぱいを盛大に揺らし、アソコもお尻も丸見えでコートを右往左往する私。
 それをニヤニヤ視ている観客たち。
 まさに恥辱という言葉がふさわしい、晒し者状態。

 鏡の中で素振りをくりかえす自分の扇情的な姿を、お友達と行ったスポーツクラブのテニスコートの中に置いてみました。
 途端に、自分でも呆れる位スラスラと、いやらしい妄想が頭の中に溢れ出てきました。

 全裸家政婦の私は、ずっとお家にいるだけだと運動不足になってしまうので、週に一回、テニススクールに通うよう命じられます。
 サディストな主が決めたことですから、どんなにひどいところなんだろう、と怯えていたのですが、行ってみたらいたって普通のテニススクール。
 主の車で送り迎えされていたので、どこにあるかはわからないけれど、東京郊外っぽい駅のそばのお洒落なスポーツクラブ。
 屋内コートが2面ある大きな倉庫のような造りの練習場で、若い女性ばかり10人以上がレッスンを受けています。
 ご指導してくれるコーチ役のインストラクターも全員妙齢の女性。
 技量に合わせて、基本からしっかり教えてくれます。

 ようやくテニスらしく打ち合いが出来るようになって試合形式のレッスンが増えた頃、そのテニススクールが本性を現しました。
 
 ある日のレッスン。
 コートに出ると、レッスン生が私を含めて二人しかいません。
 コーチの女性、どことなくシーナさまに似た感じの人、が私たちに告げます。

「これまであなたたちの練習振りをずっと見てきたのだけれど、とくにあなたたちふたりは、勝負に対する真剣さが足りないわ」
「絶対に勝つんだ、っていう執念を感じられないの。それがないとこの先もっとうまくはなれない」
「だから少し荒っぽいけれど、あることをしてもらうことにしたわ」
 言い終えてニヤリと笑います。

 そして告げられたのが、アヤさんに教えてもらったのとほぼ同じルールでのストリップテニス。
 ただひとつ違っていたのは、7セットマッチで4セット先取なこと。
 つまり、3つ負けてノーブラノーパンになった後も、更にコートで試合をつづけなければならないのです。

「試合の途中で下着を脱がなくちゃいけないなんて、すごく恥ずかしいことよね?」
「でもそんな恥ずかしい思いをしなくてすむ方法がひとつだけあるわ。とても簡単なこと」
「勝てばいいのよ」

 これは絶対、私の偏見と言うか思い込みだとわかっているので、聞き流して欲しいのですが、テニスが強い人って、Sっぽい雰囲気の人が多いような気がします。
 別の言い方をすると、S度が強い人ほど、うまくて強い印象。
 打ち返せないような場所を狙って意地悪くボールを返し、相手が疲れたところで強烈なスマッシュ。
 テニスというスポーツ自体に、SMチックな要素が大いにある気がするのです。

 実際、テニス授業でコーチから右へ左へとボールを散らされるのを、必死になって追いかけていると、いたぶられている、という言葉が頭に浮かび、私のマゾっ気がチクチク刺激されてしまいます。
「ほらほら、追いつけるはずよー」
 なんて言いながら、もう一歩、という微妙なところにボールを返してくるコーチの嬉しそうなお顔には、私を虐めているときのシーナさまややよい先生と同じ、サディスティックな笑みが浮かんでいるように見えて仕方ありませんでした。
 パコーン、パコーンっていう音も、なんだかお尻をぶたれているみたいだし。
 
 マゾな私は心の中で、ああもうお許しください、これ以上虐めないで、と被虐心全開にしつつ、縋りつくようにボールを追いかけます。
 その翻弄されている感じは、けっこう私にとって気持ちのいいことで、そういう意味でテニスというスポーツが大好きになりました。

 真面目にテニスに取り組んでいる人にとっては、不純過ぎますよね。
 どうか忘れてください。

 私の対戦相手に指名された人は、確かにいつも無表情で、それゆえにやる気が無さそうにも見える、そう、私にアンスコのことを教えてくれた小宮さんみたいなタイプの人でした。
 ただ、彼女は外見上、無気力に見えるだけで、テニスの技量的には私よりぜんぜん上なのは今までのレッスンでわかっていました。
 私にはほとんど勝ち目が無い試合。
 やる前から絶望的な気持ちになっていると、さらに追い討ちをかける事態が待っていました。

 他のレッスン生やコーチたちがぞろぞろとコートの回りに集まってきたのです。
 みんな一様にニヤニヤ笑いを浮かべて私たちを見ています。
 見も知らぬ人たちに混じって主の顔も見えます。
 全部で30人くらい。
 完全な見世物状態です。

 この試合に負けたほうは・・・
 次のリベンジ試合まで、毎週のレッスンもノーブラノーパンで受けなくてはいけないこと。
 施設のトイレとシャワールームの清掃をひとりで、もちろんその格好でしなければいけないこと。
 このテニススクールの最下層レッスン生としての自覚を持ち、他のレッスン生すべての人たちに服従し、ご奉仕しなければいけないこと。
 を約束させられて、試合が始まりました。

 私のサーブで始まった試合は、予想通り一方的。
 あれよあれよという間に、第一セットを落とします。
 アンダースコートを脱いで自前のショーツ丸出し。
 これだけでもかなり恥ずかしいのに、こんなの序の口に過ぎません。

 第二セットもあっさり負け。
 ベースラインのところで、コソコソと腕を抜いてブラをはずそうとしていると、コーチから叱責の声が飛びます。
「なにをもたもたしているの!?時間が無いのだからさっさと脱ぎなさい!」
 別のコーチがふたり駆けてきて私は彼女たちにがっちり押さえつけられ、バンザイさせられて強引にウェアを脱がされます。
 ブラを剥ぎ取られてようやく開放。
 みんなの前でおっぱい丸出しで、再びウェアをかぶりました。

 第三セットはノーブラ状態。
 恥ずかしくてみじめで仕方ないのに、私の乳首はどんどん尖ってウェアを内側から突き破りそう。
 その刺激が股間をぬるませ、ウズウズモヤモヤしてしまい、いっそう足が動きません。
 1ゲームも取れずに敗れた私は、観念して自らショーツをずり下げました。

 ノーブラノーパンの第四セット。
 サーブがまともに入りません。
 スコートがひるがえり、私の股間が露になると、観客席にどよめきが広がりました。
「・・・毛がない?・・・パイパン?・・・・全剃り?・・・ヘンタイ?・・・」
 そんなささやきがザワザワと聞こえてきます。

 コートチェンジするたびに、観客たちはゾロゾロと私のサイドに集まってきます。
 写真を撮っている人もいます。
 ヒソヒソ声だったおしゃべりも、だんだん普通の声になってガヤガヤ、やがては大きな声で野次られ始めました。

「まじめにやんなさいよー」
「ほらー、もっとお尻振ってー」
「がんばってーパイパンちゃーん」
「お尻の穴まで丸見えよー」

 驚いて、呆れて、やがて侮蔑と嘲笑へと移行していく、冷ややかな同性たちの視線。
 私がミスすするたびに拍手と笑い声が上がります。

 第四セットの1ゲームを落としたところで、コーチに怒ったお顔で呼ばれ、審判台の近くに駆け寄りました。

「ちょっとあなた?ひょっとして嬉しがってない?」
「見なさい。コートがあなたのサイドだけ、ヘンなおツユでベトベトよ!」
「こんな格好で大恥かかされているのに、なんで下半身からダラダラよだれ垂らしてるのよ?」
「あなたって、視姦られて悦ぶヘンタイだったのね?」
「こんな試合、やっても意味無かったわね。それなら、もっとお望み通りにしてあげるわ」

 ウェアの前を胸元、おっぱいの上まで捲り上げられ、戻らないよう肩のところに洗濯バサミで止められてしまいました。
「ついでにここにもふたつ、あげましょう」
 尖りきった左右の乳首に、洗濯バサミが挟まれました。
「あら?こんなもので挟まれても痛いとも言わずがまん出来るのね?ずいぶん年季の入ったヘンタイぶりだこと」
「もういっそ、こっちもこうしちゃいましょう」
 スコートの裾をつままれてめくり上げられ、裾部分をウエストに挟み込まれてしまいました。
 前も、後ろも。
「さあ、さっさと負けて、こんなふざけた試合、とっとと終わらせちゃいなさい!」
 本気で怒っているらしいお声と共に、裸のお尻をパチーンとはたかれ、開放されました。

 私がコートに戻ると、盛大な拍手が起こります。
 わざわざウェアを捲り上げておっぱい丸出しにしている私。
 スコートの裾を前後ともウエストに挟み込んで、アソコもお尻も丸出しの私。
 もはやあまり役に立っていなかったウェアとは言え、せっかく一応隠されていた恥ずかしい箇所を、誇示するみたいに不自然な状態で露にしている私の姿は、まさしくヘンタイ露出狂そのもの。
 それだけでもかなり異様なのに、その両乳首には洗濯バサミまでぶら下げています。

「やだーっ、なにあれー!?」
「うわー!ヘンタイ丸出しって感じぃ」
「露出狂マゾってほんとにいるんだねー」
「わたし、あんな姿を見られるくらいなら、死んだほうがましだわー」

 自分の脳内でくりひろげられる破廉恥すぎるテニス試合を、鏡の前のエアテニスで忠実に再現しながら、私はどんどんコーフンしていきました。

「だめっ、いやっ、見ないでーっ」
「そんなひどいこと、言わないでっ!」
「こんなに股を広げたら・・・ああんっ」
「視られてる・・・恥ずかしい・・・おっぱいも、お尻も、オマンコも、視姦られちゃってるぅ・・・」
 からだを激しく動かしながら、ときどき声に出してつぶやきます。

 自分の肌や秘部には一切触れず、テニスの動きをしているだけなのに、からだがどんどん熱くなってムラムラウズウズが高まってきます。
 私のアソコから滴り落ちたはしたない液体が、フローリングに小さな水溜りをいくつも作っていました。

 第四セットに入り、自らウェアとスコートをめくり上げ、乳首に洗濯バサミを噛ませたとき、からだの疼きが一気にピークに達し、一刻も早く自分のからだを滅茶苦茶に弄り回したくて仕方なくなっていました。


独り暮らしと私 14


2013年6月2日

独り暮らしと私 12

 毎週の体育の授業は、お昼前の時間帯だったので、終わった後、着替えてから学食でランチをとります。
 そのときにたまたま相席になった同じ授業の人たちと、ポツポツ言葉を交わしているうちにいつしか親しくなって、体育の時間の仲良しグループみたいなものが出来ました。
 夏休み前までには、気軽におしゃべりするお友達が10人くらい出来、スポーツクラブに誘ってくれたのも、そのグループのお友達でした。

 私を含めて6人で、3時間ほどコートで汗をかき、その後は近くのファミレスでスイーツ&おしゃべりタイム。
 その席で、私にとってひどく刺激的で、興味深いお話を聞かされました。

「アヤさんて、テニスかなりうまいけど、高校のときからやってらしたの?」
 そう問いかけられた彼女は、水上綾乃さんといって、このグループのリーダー的存在な人でした。
 栗毛がかったベリーショートで、いかにもスポーツウーマンらしい、しなやかでスラッとしたからだつき。
 それでいて、よく冗談言って笑わせてくれる明るくて面倒見の良い姉御肌な性格なので、みんなから慕われていました。

 アヤさん以外の5人は、最近やっとテニスらしく打ち合いが出来る程度には上達していました。
 私も、アヤさんがお相手なら、いつまでもラリーをつづけることが出来るくらいにはなっていました。

「うまいって言われても、このグループの中でなら、っていう程度だけれどねー」
 そんな風に笑わせてくれてから、そのお話が始まりました。

「中学のときに、軟式はやっていたんだ」
「それで高校に入って、硬式をやってみようってテニス部に入ったんだけどさ」
「うちの高校、県内ではけっこうテニスで有名な学校でね。新入部員がすごい数なの」
 確かアヤさんは、東京と名古屋の中間くらいにある地方都市のご出身でした。
「うまい人はもう、最初からうまいんだ、これが。だから早々とあきらめてやめちゃった」
「それで、高校のときは、ずっと剣道部。うちの祖父が道場してたからそっちは子供の頃からやってて、なりゆきでね」

 うわーカッコイイ、とか、似合ってるーとかひとしきり大騒ぎ。
 おさまるのを待ってから、アヤさんがお芝居っぽく声をひそめてつづけました。

「それでね・・・」
「うちの高校のテニス部の妙な噂を聞いたことがあるんだ」
「何だと思う?」
 意味深そうにアヤさんが聞いてきます。

「八百長とか?」
「ドーピング?」
「部室に幽霊が出るとか」
 アヤさんは何も言わずに笑っています。
 みんな、うーん、って首をかしげて思案顔。

「聞きたい?」
 一斉にうんうんうなずく私たち。

「それがね、どうもこっそりと、ストリップテニス、っていうのをやっていたらしいの」
「えーっ!?」
「なにそれー?」
「テニスしながら、服脱いでいくわけ?」
「信じられなーい」
 と、またまた大騒ぎ。

「わたしも実際に見たわけじゃなくて、人から聞いた話なんだけれどね」
「教えてくれた人の話が妙に具体的で細かくて、ひょっとしたら本当なのかなー、とも思ったり」
「初めは、ノリのいい先輩たちが冗談ぽく始めたらしいのだけれど、それがだんだん上級生から下級生へのパワハラっぽく伝統化していったらしくて・・・」

 その後、アヤさんが説明してくれたお話を要約すると、こんな感じでした。

 ルールは、3ゲーム1セットの5セットマッチ。
 だから1セットで3ゲーム取れば、そのセットは勝ち。
 1セット負けるごとに、着ている服を一枚、脱がなくちゃならない。
 5セットマッチだから、3セット先に取ったほうが勝ち。
 つまり、そのマッチに負けた人は、三枚の着衣を脱いでいる状態になるわけです。

「だけど、いくらなんでも学校のグラウンドでもろに裸にしちゃうのはまずいでしょ?だから考えたらしいのね」
「普通なら、ウェアの下に三枚着ているじゃない?ブラとショーツ、それにアンスコ」
「それを負けるたびに一枚ずつ脱いでいくことにしたのね」
「だから正確に言えば、ノーブラノーパンテニスマッチ、ね」

「最初は誰でもアンスコを脱ぐわよね」
「2セット負けちゃうと、ノーブラかノーパン、どちらかで次のゲームに臨まなければならないわけ」
「ここは思案のしどころでさ。下ならその場でスルスルって脱げるけれど、でもその格好でゲームするのは・・・ねえ」
「上の場合だと、ウェアってたいていかぶりだから、脱がないでブラはずすのは大変よね。両腕袖から抜いて中でガサゴソ」
「たまたまかぶりのスポーツブラとかしていたら、もうしょうがない」
「そこにいる全員に囲まれた輪の中で、いったん上半身裸になってから、またウェアをかぶり直すことになるわけ」
「その頃、外国の女子選手がけっこうノーブラで試合してて話題にもなっていたから、やっぱりブラを先に取る子が多かったって」

 そのお話をアヤさんにしてくれたのは、中学の軟式テニス部時代のお友達で、アヤさんとは別の高校に進み、その高校の硬式テニス部に入って部の先輩から聞いた、ということなので、けっこう信憑性のあるお話と思う、とアヤさんは言っていました。
 アヤさんから一通りのご説明が終わると、次々に疑問点が投げかけられました。

「でもそんなこと部活の時間にしていたら、速攻で他の生徒や先生にみつかっちゃうんじゃない?」
「だからたぶん、夏休み中の練習のときとか合宿中とか、人の目が少ないときにやっていたんじゃないかな、って」
「うちの高校は、高い塀がめぐらされててグラウンド全体、外部からはぜんぜん見えなかったけれど、テニスコートは校舎の2階以上からなら丸見えだったから、一番警戒するのは学内の目のはず」

「それをやらされて、先生にチクった人とかいないのかな?」
「運動部の上下関係は、マジでやばいからねー。チクったりしたら後で何されるか、っていうのはあるよね」
「あと、そういうことやってたのは、大会とかには出れない、テニス一途ではない一部の人たちだと思うから、ノリのいい子だけ選んで、意外と楽しんでいたのかも」

「脱いじゃったらそこで終わりだったの?それからその格好で何かされるとかは?」
「負けた人たちは、その姿で玉拾いとか素振り、コートの後片付けとかをやらされたらしいわね。あと部室の掃除とか」
「ほら、ウェアのスコートって超短いじゃない。プリーツ入ってひらひらだしさ」
「だからちょっと動くとひるがえっちゃって、ワカメちゃんもオシリーナも全開、みたいな」
「それを、みんなでニヤニヤ見ていたらしいわよ」

「実際、いろんな人がいたみたい。絶対脱ぐもんかって勝負にマジになる人もいれば、対戦相手見て戦わずにギブして、その場で全部脱いじゃうあきらめのいい人」
「2敗目で下脱いでノーパンでコートを駆ける子もいたし、本当は強いはずなのにワザと負けて脱ぎたがる人とかもいたらしいよ」
「マゾっていうのかな?辱めを受けたがる人っているらしいじゃない」
「まあ、男子の目が無い女子校だからね。その手の恥じらいの概念が薄くなっちゃうのは確かだよね」

「ああ、やっぱり女子校だったのね、よかったぁー」
 グループの中で一番おっとりした性格なお友達が、心底良かったー、っていう感じでつぶやきました。
「なあに?ナナちゃん、男子も一緒だと思ってたの!?」
「男がいたら、そんなんじゃ終わらないよねー。て言うか、共学だったらありえないよー」
「ナナちゃんたら、聞きながらどんな想像してたのよー?」
 みんなに冷やかされて、ナナちゃんが真っ赤になっています。

 私も顔が赤くなっているはずです。
 ストリップテニス、という言葉が出たときから、お話を一言も聞き漏らすまいと真剣に聞いていました。

 その頃の私は、シーナさまからいただいたチョーカーを失くしてしまったショックから抜けきれてなく、ムラムラ感も相変わらず皆無でした。
 だけど、普段普通な会話ばかりしている学校のお友達から、この手のお話を聞かされるとは夢にも思っていなかった分、新鮮な驚きとともに痴的探究心がむくむく湧き上がりました。
 これは絶対、次のムラムラが来たときに役立つはず。
 そう思い、ワクワクドキドキしながら聞いていました。

 もしもこのお話を、私がムラムラ全盛期のときに聞かされていたら・・・
 お話にコーフンしすぎて、この場の全員に私のヘンタイ性癖を何らかの形でご披露してしまっていたかもしれません。

「ねえ?アヤさんも、ひょっとしたらそれがイヤでテニス部やめちゃったの?」
「ううん。最初に言ったみたいに、単純に見込みがなさそうだったから。夏休み前にはやめちゃってたわね」
「今でもそんなこと、やってるのかしら?」
「さあねー。在学中に校内でそんなウワサは一度も聞いたこと無かったし、テニス部つづけてた友達もいたけど、聞いたこと無かったな」
「たぶん、けっこう尾ひれが付いちゃって、都市伝説化してるとは思うけれど、テニス部の歴史の中で、そういうことをやってた時期があった、っていうのは本当なんじゃないかなー、って思うんだ。いろいろ具体的すぎるもの」

「なんか面白そうだから、うちらもやってみよっか?」
「えーーっ!?恥ずかしいよー」
「どこでやるのよ?」
「どっかペンションとか行ってさー」
「うちら大学生なんだから、男も呼んじゃう?」
「やだーっ、えっちーー」
「ただしイケメンに限るっ!」
「そう言えばプロのテニス選手で、つけ乳首してるってウワサになった人いなかったっけ?」
「あったあったー。いみねーって思った」
「そんなにちっこかったのかな?でもおっきくしたからってどーよ?って話よねー」
「いやいやいや、ツッコむところ、ソコじゃないから」
 私とナナちゃんを除いたみんなが、キャイキャイ盛り上がっています。

「ほらほら、アヤさんたちがお下品な話ばっかりするもんだから、ウブっ子なお姫がお困りよっ」
「ほんとだー。直子とナナちゃん、顔真っ赤ー」
 4人から盛大に冷やかされます。

 私の顔が赤いのは、照れているのではなく、ひそかにコーフンしているから。
 とくにさっき、アヤさんの口から、マゾ、という単語が発せられたとき、からだの奥がピクンと震えてしまいました。
 普通のお友達からそんな言葉を発せられると、なんだか自分が言葉責めされているように感じてしまいます。

 彼女たちからは、それまでに何度か合コンのお誘いもいただいていました。
 そのたびに私は、のらりくらりとお断りしていました。
 私、男の人、苦手だから・・・
 それがお断りの決まり文句で、私としては、いろいろな意味で本心なのですが、彼女たちはそれを、女子校育ちのお嬢様→恋愛経験が無い→男性が怖い→ウブ、と捉えているようで、いつもその線でいじられていました。
 男性がだめなら女性がいいの?って聞いてくれる人がいないことが、幸せなのか不幸なのか・・・

 その日、お家に帰ってから、早速ノーブラノーパンでテニスウェアを着てみました。
 リビングの鏡の前でラケットの素振りをしてみます。
 スイングするたびにウェアに乳首が擦れ、スコートの裾が大きくひるがえって、鏡の中で自分の無毛なアソコがチラチラと見え隠れしていました。
 うわーっ、本当にいやらしい姿・・・

 ムラムラ期の私なら即座に妄想がほとばしり、そのまま長時間オナニーへ突入していたことでしょう。
 でもその夜は、なんとなくそんな気になれず、アヤさんからお聞きしたお話を忘れないよう、パソコンに要点をメモしてから、シャワーを浴びて早々と眠ってしまいました。
 久しぶりに本気で運動して、からだが疲れきっていたこともあるのでしょうが、チョーカーがまだみつかっていない不安感からくるショック状態からも、まだまだ脱しきれていなかったのだと思います。

 その後、生理をはさんで、さも当然のようにムラムラが日に日にからだを満たし始め、今回の全裸生活スタートにつながったというわけです。
 
 あの夜ほとばしることのなかった妄想を、これから存分に味わっちゃおう。
 右手を伸ばして、テニスウェアをハンガーからはずしました。


独り暮らしと私 13


2013年6月1日

独り暮らしと私 11

 やっぱりTシャツとかかなあ?
 スープボウルを流しで洗いながら、何を着てびしょ濡れになるかを考えています。

 やわらかめな生地のぴっちりTシャツをノーブラで着て、それが濡れて肌にぴったりくっついた様子は、とてもえっちだと思います。
 乳房の丸みも、もちろん乳首も丸わかりになっちゃって恥ずかしさ満点。
 午前中のお買いものときにTシャツを選んじゃったことにして、汗で濡れ透けしちゃった妄想を楽しむのもいいかな。
 そう言えば、異国美人さまもTシャツノーブラだったっけ。
 濡れてはいなかったけれど。

 一方で、びしょ濡れっていうシチュエーションにこだわるなら、そういったもともと肉感的ボディコンシャスな衣類ではなく、もっと日常的な、ごく普通のお洋服姿でなったほうが理不尽さが増して、被虐感がいっぱい出るようにも思います。
 たとえば大人しめのワンピースとか、学校の制服とか、パンツスーツとか。
 服装がきっちりしていればしているほど、びしょ濡れ姿にありえない感が出て、哀れさが強調される、みたいな。
 そう思うのは、今まで私がびしょ濡れになったのが、制服を着ていたときが多かったからだけなのかもしれませんが。

 高校の時の制服はブラウスまで一式、クリーニングに出してからビニールのままクロゼットに保管してあります。
 あれを引っ張り出してくるって、ずいぶん大げさになっちゃうなー。

 あれこれ考えつつふと手元を見たら、無意識のうちにスポンジでキュッキュッと鎖を擦っていました。
 夏の昼下がりにキッチンで全裸で、自分の股に巻いて汚した鎖を洗っている女の子って、世界中で私だけだろうなー。
 ひとりで苦笑いしてしまいました。

 大学からの帰りに降られちゃったことにして、通学で着ているブラウスに下も普段着スカートでいいかな。
 リネンのブラウスだと、濡れちゃうと驚くくらい見事に透けちゃって、ぴったり肌に貼りついちゃうんだよね。
 今日お洗濯した中にも確かあったはず。
 せっかくそろそろ乾く頃なのにまた濡らしちゃうのもなんだかなー、って思うけれど、どうせ明日もお洗濯するんだし・・・
 そんな思考の流れで、これから着るお洋服は、今日洗ったお洗濯物の中から選ぶことにしました。

 洗い終えた鎖や手錠をベッドルームの所定の場所に戻した後、サンルームに寄りました。
 いくつかのお洗濯物に触れてみたら、2回目のお洗濯物まではだいたい乾いているようでした。

 サンルームいっぱいに吊り下がった、たくさんの衣類を見て回ります。
 下着の数がすごい。
 やっぱり下着まできっちり着けたほうがリアルさが増して、妄想しやすいかも。
 そんなの着けていたら風邪をひいてしまうわよ?なんて言われてやさしく脱がされて・・・とか。
 いろいろ考えながらサンルームの窓際まで来て、一番最初にお洗濯したものを干した一角で、とあるお洋服に視線が釘付けになりました。

 そうだった!
 これがあったんだ。
 そのお洋服を見た途端、私の頭の中に、これから私が受ける恥辱のイメージが滾々と湧き出てきました。

 そのお洋服は、テニスウェア。
 お盆の頃に、大学のお友達に誘われて数人で、都内のスポーツクラブの室内コートで遊んだときに着用したものでした。
 ということは私ったら、2週間位ずっと、お洗濯していなかったんだ。

 大学の体育の授業で、なんとなく選択したテニス。
 高校のとき、ほんのお遊び程度に数回、お友達にお借りしたラケットを振ったことはありましたが、まったくの初心者。
 ウェアがかわいい着てみたい、っていう理由だけで選んだようなものでした。
 大学での体育の授業は、出席さえしていればそれでいい、みたいな感じって、母ややよい先生に聞いていたので安易に選んじゃいました。
 あわよくば、ちょっとでもテニスが上手になったらいいなー、なんて思いながら。

 実際の授業では、そこそこ出来る人たちと初心者グループに自然に二分され、出来る人たちはコートで試合形式、初心者グループは講師の先生のご指導を受けて素振りから、みたいな形になって、それぞれそれなりにキャイキャイ楽しんでいました。

 ラケットやシューズ、ウェアなど一揃いは、ネットでざっと検索して目星をつけてから、ひとりで繁華街のスポーツショップに買いに行きました。
 初心者なのですけれど・・・って売り場のお姉さんに告げたら、その感じのいいお姉さんがとても親切にご相談にのってくださり、ネットで見ていいなと思ったもので揃えることが出来ました。

 ウェアは、胸元が大きめに開いたタンクトップタイプのものにもすっごく惹かれたのですが、私の性格上、それを着た途端にヘンなスイッチが入ってしまう予感もあり、オーソドックスなポロシャツタイプのものにしました。
 テニスのときはスカート、じゃなくてスコートって呼ぶのでしたね、の下に、見られることが前提の下着、アンダースコートっていうのを穿く、ということは知っていました。
 なので、スコートは思い切って、かなり丈が短めのにしちゃいました。
 プリーツがたくさん入ったヒラヒラでかわいいやつ。
 私の持っているスカート類の中では、だんとつの短さ。
 アンダースコートも、お尻にフリルがたくさん付いた、ちょっと派手過ぎかもだけれど超かわいいの、に決めました。
 上下とも全部真っ白。
 ネットで見て一目で気に入った、とあるカッコイイ日本の女子プロテニスプレイヤーのかたのお写真をお姉さんにお見せして、お姉さんのアドバイスも参考に選びました。

 初めてのテニス授業の日。
 スコート短すぎて悪目立ちしちゃったらどうしよう、って着替えるのがドキドキだったのですが、やっぱりみんなお年頃な女子大生。
 男性の目が無い安心感もあってか、胸の谷間を見せつけている人、私のよりも短そうなワンピスタイルのウェアの人、からだの線が丸わかりなピチピチデザインのウェアの人とか少なからずいて、ドキドキは杞憂に終わりました。
 もうちょっと大胆にしてもよかったかな、なんて思ったりもして。

 このテニス授業を受け始めてからしばらくの間、私はひとつ、恥ずかしすぎる勘違いをずっとしていました。

 テニスウェアに着替えるとき、スカートを穿いたままショーツを脱いで小さくたたんでからバッグの奥深くにしまい、代わりにアンダースコートを穿いた後にスカートをはずしてスコートを着けていました。
 だから体育の授業がある日はいつも、長めのスカートを穿いていくことにしていました。
 その頃、私のアソコは常時パイパン状態と言ってもいいくらい、まめにお手入れをしていたので、万が一でも着替えのとき、誰かに無毛地帯を目撃されないように、と考えての防衛策でした。

 女性しかいない更衣室だし、誰かに見て欲しい気持ちも無いことはなかったのですが、その事実を知ったとき、みんなが私にどんなレッテルを貼るか、が、すっごく不安でした。
 まだ入ったばっかりで、これからも通わなければならない学校ですから、一時の衝動で動いてヘマをして、とりかえしのつかないことになる可能性を考えると、極力、私の特異な性癖は隠して普通に過ごすべきだと考えていました。

 テニスを始めてひと月経った4度目の授業のとき。
 更衣室でいつものように着替えていると、背中をツンツンとつつかれました。
 ちょうどアンダースコートを膝くらいまで上げたときでした。
 ドキンと胸が波打って、うろたえ気味に振り向きました。
「それ、下着の上に穿くもの」
 知らない女性が私の顔を見ながら小さな声で言いました。

 正確に言えば、まったく知らないわけではなく、このテニスの授業や他の講義のいくつかでご一緒していた人でした。
 お顔は知っていたけれど、まだお話したことがなくお名前も知らない同学年の人。
 前髪だけ長めなショートカットで、お化粧っ気の無い小さなお顔。
 小柄でスレンダーなからだにいつもモノトーンのお洋服を着て、お教室の後ろのほうで文庫本を読んでいる印象。
 無気力そうで、つかみどころのない不思議ちゃんタイプの女性。
 そのアンニュイな独特の存在感で、ある意味目立っていた人でした。

「えっ?」
 私は、言われた言葉の意味がとっさにはわからず、屈んでアンダースコートに両手をかけたまま固まっていました。
「アンスコは下着を隠すためのもの。だから下着は脱がなくていい」
 私の顔を前髪越しにじっと見つめたまま、その人は無表情に、そう言いました。

「あっ!」
 言われている意味をやっと理解した私は、たちまち全身が熱くなってきました。
「あっ、あっ、そ、そうなのっ?}
 自分の顔がみるみる真っ赤に染まっていくのが見えなくてもわかります。
 膝のアンダースコートを上げるべきか下げるべきか、迷っています。
 恥ずかしい・・・
 なぜだか目元までウルウルしてきてしまいました。

「そ、そうなんだ、教えてくれてありがとう」
 いたたまれない恥ずかしさに、出来ることならすぐにこの場から逃げ去りたい、と思いながらも、なんとか小さな声でお礼が言えました。
 そんな私を、彼女はまだじーっと見つめてきます。
 その視線に吸い寄せられるように見つめ返すと、前髪の隙間から覗く彼女の瞳は大きくて、白くて小さなお顔立ちとも相俟って、まるでフランス人形みたい。

「でも、したくてしているなら、それでもいいと思う」
 彼女の唇の両端が微かに上がったような気がしました。
 微笑んだのかな?
 考えているうちに彼女はクルッと背中を向け、ラケット片手に更衣室を出て行きました。
 とりあえず私は、ちょっと迷ってから、そのままアンダースコートを穿きました。
 授業の間中、自分の下半身が気になって気になって、ずっとそわそわしっぱなしでした。

 見せるための下着、という言葉をそのまま受け取っていた私は、アンダースコートも下着の一種だと思い込んでいました。
 だから、テニスのときには通常の下着を脱いだ上でその下着を着ける、と解釈して穿き替えていました。
 でも実際はみんな、下着の上にアンスコを穿き、本物の下着が見えちゃうのをカバーしているわけです。
 ということは、下着を取ってアンスコを直穿きしている私は、隠すべき下着が無いわけですから、理論上はアンスコが下着ということになって、つまりは下着を盛大に露出しながらテニスの授業を受けている、っていうことになるのかな?
 でも見ている人は、それをアンスコだと思って見ているのだから、別にヘンなこととは受け取らないだろうし。
 だけど私にとってそれは下着姿なわけで・・・

 考えているうちに、何がなにやらわけが分からなくなってしまいました。
 でもとにかく私が、かなり恥ずかしいことを知らずにしていた、という思いだけは残りました。

 たぶん彼女は、私が下着を脱いでアンダースコートを穿く、という一連の動作をずっと見ていたのでしょう。
 ひょっとすると今回が初めてではなく、以前から見ていて、教えるタイミングを探していたのかもしれません。
 少なくとも彼女だけは、知らずとは言え、私が実質上の下着丸出しで大学のグラウンドを跳ね回っていたことを知っていたわけです。
 彼女に対する恥ずかしさに胸が張り裂けそうでした。
 同時に不思議な雰囲気の彼女に興味も抱きました。

 テニス授業の後、仲の良いお友達に彼女のことを尋ねてみました。
「ああ。あのオタクっぽい子?群れるのが好きじゃない、ってタイプだよね」
「腐女子なのかな?でも服のセンスとかいいんだよね。何気にいいもの着てるし。テニスもそこそここなしてる」
「無口だよね。しゃべってるの見たこと無いかも」
「語学で一緒になったとき、ちょっとしゃべったことがある。確か、小宮さん、じゃなかったかな?」
「なあに?何かあったの?」

「ううん別に、ちょっとね・・・」
 って、その場は適当にごまかし、午後の講義で小宮さんと一緒になったとき、最後方の席で文庫本を読んでいた彼女に、あらためて、さっきは教えてくれてありがとう、ってお礼を言いに行きました。
 なぜだかどうしてももう一度、ちゃんとお礼を言いたかったのです。

「うん」
 お顔を少し上げた彼女がポツンとそう言って、また唇の端を微かに上げてくれた後、再び文庫本の世界に戻っていって、それっきりでした。


独り暮らしと私 12


2013年5月25日

独り暮らしと私 10

「お願いです、もうがまん出来ません。イかせてくださいぃ」
 仰向けの私を見下ろしている異国美人さまに、ホイッパーをアソコに擦りつけて身悶えながら懇願しました。
「オゥ、ソウリィ。ゴホウビアゲルノ、 ワスレテタ」
 異国美人さまがゴーヤを手に取りました。
「オマエガホシイノハ、コレカ?」
「はいぃ」
「コレハ、ダイジナタベモノ。プッシーデツカッタアト、チャントタベロ」
「はいぃ」
「ホラ」
 私のお腹の上にゴーヤをポンと投げてきました。
「ハンドカフモ、トッテヤル。ビターメロントクリームデ、スキナダケシロ」

 上半身を起こし、右手の指で左手首の手錠のマジックテープを剥がします。
 バリバリバリッと派手な音をたてて、左手が自由になりました。
 右手のもはずし、すっかり緩んでしまった鎖ふんどしもはずしました。

 トレイの上に転がっているゴーヤを右手で掴みます。
 濃い緑色の無数のイボイボ突起が荒々しくつらなる葉巻型物体。
 ある意味グロテスクなそのルックス。
 全長25センチくらい。
 ラグビーボールのように真ん中が一番膨らんでいて、その部分の直径は7~8センチくらい。

 もちろん、これが丸々全部、私の中に入るとは思ってもいません。
 先っちょから入るだけ挿れてみて、そのザラザラを味わってみたいと思っただけでした。
 ダメだったとき用の代役として、皮ごとのバナナも1本用意してありました。

 いざ手に取って挿れてみようとなると、ゴツゴツした手触りやずっしりした重さ、その特異なルックスと相俟って、やっぱり尻込みしてしまいます。
 とにかく太すぎ。
 私の、裂けちゃったらどうしよう・・・
 けれども、イボイボに対する好奇心にはあがらえません。
 こんなものを挿れてみようと思う女・・・
 自分がつくづくはしたないヘンタイなのだと、今さらながら思い知ります。

「ナニシテル?ハヤクソレデオマンコシェイクシテ、オーガズムニナレ!」
 頭の中で異国美人さまのお声が聞こえ、私は決心しました。
 お尻を床についた形で両膝を左右に大きくM字に広げ、受け入れる準備。
 右手に持ったゴーヤの先を、左手の指で思い切り押し開いたピンク色の入口にそーっと近づけていきます。

「ああんっ!」
 入口の唇を揺らして、緑色の宇宙船がドッキングを開始。
「あああーーっ」
 突起がズリズリと乱暴に壁を擦りながら、ゆっくりと奥へ進んでいきます。
「いやーーんっ」
 私の蜜とクリームが入り混じった白濁色の液体が、入口からヌルヌル溢れ出てきました。
「あっ、あっ、あーんっ!」
 やだなにこれ、気持ちいい。
 無数のイボイボ突起が、荒々しく膣壁を擦り上げ、やわらかな粘膜がヒクヒク戸惑っています。
「あーーっ!」

 ゴーヤ全長の四分の一くらいが隠れたところで、私の入口はいっぱいいっぱい。
 私の中に先細りなゴーヤが5、6センチほど、入っている計算です。
 押し広げられた圧迫がちょっと痛い感じ。
 これ以上進むと、ゴーヤの直径がグングン太くなっていきます。

 その状態でとりあえず、右手に持ったゴーヤをゆっくりと前後に動かしてみます。
「あんっ、あんっ、あんっ」
 私の中でイボイボが前後に擦れ、ピンク色のヒダヒダが、この物体をもっと迎え入れようか追い出そうか、あわただしくさざめいています。
「んーーっ、ああーんっ」
 奥まった花ビラを擦られるのがすっごく気持ちいい。
 ゴーヤをいったん完全に外に出してから、再び挿入するのが一番いい感じぽいです。
 ゴーヤを持った腕のストロークが大きくなり、反復のピッチも上がりました。
「んっ、んっ、んーーっ」

 左手で持ったホイッパーをクリームまみれのおっぱいになすりつけ、左右の乳首をビンビン弾きます。
 ホイッパーのクリームを舐めては、また乳首へ。
 右腕はずっと、かなりのスピードで前後に動いています。
 出ては入りをくりかえすゴーヤの、三分の一くらいまでが隠れちゃうくらい、奥へ奥へと侵攻されていました。
 少しの痛さも快感に変換されています。
「あんっ、いやっ、だめっ、やんっ」
 背中がのけぞり、左右に激しく揺れてしまいます。
 ゴーヤが出て行くときに腰が跳ねて、イボイボがもろに、真っ赤に熟しきったクリトリスをその凸凹でザラザラッと踏みにじっていきました。
「あーーーぃーーーっ!」
 全身にゾゾゾーッと快感が走り抜けました。

 より刺激的な快楽の発見にすぐさま反応した右腕は、ストロークのフォームを水平ではなく斜め上気味、土手から擦りつけるように穴へ挿れ、裂唇上部から土手へと擦りつけるように出す、に変更しました。
 常時イボイボに蹂躙されるようになってしまった私の一番敏感な芽。
 効果はすぐにあらわれ、急速に昂ぶってきました。
「あーーっ、いいいいいいーーっ、いいいっ!!」

 ゴーヤ軍のキャタピラに踏まれ、擦られ、叩かれ、弾かれ、潰され、それでも精一杯背伸びして尖立することをやめない私のクリトリス。
 そんな勇敢だった戦いもそろそろ終焉のようです。
「あああだめーいい、いくいくいく、うううんんんぅ!!!」
 ビクンビクンと全身がのたうち、頭の中には真っ白な旗が翻っていました。

「ハァハァ・・・ああ、気持ち良かったぁ・・・」
 バスルームの床に仰向けに寝そべったまましばし休憩。
 ホイップクリームと私の体液でヌルヌルになったタイルでも、上気した全身には冷たい感触がそこそこ気持ちいい。

 寝そべったまま目だけ動かして周りを見ると、床や私のからだはもちろん、浴槽の側面にまでホイップクリームの白い飛沫が飛び散っていました。
 ずいぶん汚しちゃった。
 やっぱりバスルームにして正解だったな。
 よーし、このままお風呂掃除をしちゃおう。
 右手に握ったままのゴーヤから手を離し、上半身をゆっくりと起こします。

「あーーっ!」
 鏡に映った自分の首を見て、思わず大声が出ちゃいました。
 大切なチョーカーにまで、白いクリームがベットリついちゃってました。
 あわててはずそうとして、自分の両手もヌルヌルベチョベチョなことに気づき、そそくさと立ち上がって蛇口のところへ行き、まず両手をキレイに洗いました。
 
 はずしたチョーカーを濡れタオルに包んで丁寧にぬぐってから、もう一枚乾いたタオルで、細かい細工の隙間についたクリームを慎重に拭き取ります。
 濡れ染みが残っちゃうかなー?
 革って、濡らしちゃったら陰干しだったよね。
 早く干さなきゃ。
 チョーカーをひとまず脱衣所に避難させます。
 
 ぬるめのシャワーでからだのあちこちについたクリームをざっと洗い流し、バスタオルでからだを拭くのもそこそこ、ベッドルームのお勉強机の上に乾いたタオルを敷いてチョーカーを安置しました。
「ふーっ、これでよしっ。やれやれ・・・」

 細かい作業をあわただしくしたことでムラムラが落ち着いたのか、その後すぐ、真面目にお風呂掃除を始めました。
 ブラシで壁を磨き、スポンジで浴槽を磨き、デッキブラシで床を磨き、排水溝のゴミを取り除き・・・
 裸ですからどんなに水しぶきが跳んでもへっちゃら。
 ときどきシャワーで洗剤を流しつつ、しばらく夢中で働きました。

 だけどやがて、こんなことを考え始めてしまうのが私です。

 それにしてもさっきのゴーヤはスゴかったなー。
 あの感触は病みつきになっちゃいそう。
 今度は、もう少し細めのゴーヤを買って、もっと奥まで挿れてみたいな。
 あ、でも私、ゴーヤを使ったお料理って、チャンプルーくらいしか知らないや。
 今、お豆腐無いから作れないな。
 お掃除終わったらネットで、ゴーヤを使ったお料理、検索してみよう。

 えっちな遊びで野菜や果物を使ったら、無駄にせずに必ずお料理して食べること、っていうのは、やよい先生と交わしたお約束でした。
 食べ物を粗末にするのは良くない、っていうのは私も同じ意見なので、今までも必ずそうしていました。

 きゅうり、バナナ、茄子、ニンジン、長ネギ・・・
 あと何挿れたことあったっけ?
 ダイコンは太すぎて、ちょっと辛そうだな。
 あ、山芋がスゴイって何かで読んだっけ。
 皮剥いて挿れると、アソコが痒くなっちゃって、それがたまらないって。

 そんないやらしいことを考えながら、四つん這いで床を磨いていても、からだに発情の反応はありません。
 さすがの私のムラムラも、こうたてつづけだと疲れちゃったのかな?
 お風呂掃除が終わったら、ちょっと横になって休憩しよう。
 あともうちょっとだから、がんばろう。

 大きな鏡を濡れタオルと乾いたタオルで交互にピカピカに磨きます。
 鏡に私の全裸が等身大で映っています。
 それを見て、ふと思い当たりました。

 そっか。
 考えてみれば、バスルームに全裸でいるのは、いたって普通のこと。
 て言うか、日常生活で全裸になるもっともポピュラーな場所がバスルーム。
 だからここでは、裸でいても違和感を感じないから、さほど欲情を催さないのかもしれないな。
 浴場で欲情。
 あ、シャレになってる。

 バスルームでは、子供の頃から数え切れないほど、オナニーをしてきました。
 とくに中学、高校くらいの頃は、裸になることが当然な入浴タイムは、絶好のオナニータイムでした。
 
 バスルームでのオナニー。
 最初のうちは単純に、全裸のからだ中をまさぐるだけでしたが、やがてシャワーをアソコに当てたり、それに強弱をつけたり、浴槽の縁に跨って擦りつけたり、ブラシの柄を挿れてみたり・・・
 家族といる頃は、シャワーを全開にして派手な音をたてつつ、声を押し殺して、していました。
 独り暮らしになって声をひそめる必要はなくなったのに、その最中にシャワーを全開で流しっぱにする習慣だけ、しばらく残っていました。
 無意識のうちに身についてしまった習性って、不思議ですよね。
 バスルームでの裸を恥ずかしいと思わないのも、そんな習性のひとつかもしれません。

 バスルームで全裸はあたりまえ。
 だからそこでオナニーもあたりまえ。
 バスルーム以外、普通、裸にはならないはずの場所で、はしたなく裸になって気持ち良くなりたい・・・
 それが、実家にいた頃の私の一番の願望だったのかもしれません。

 お家に家族がいると、自分のお部屋でも、全裸になっての自慰行為は、とても勇気がいりました。
 万が一、その最中に両親が入ってきたら・・・
 だからお部屋では、たとえ真夜中でも、スカート穿いたままショーツだけずらして、とか、素肌にパジャマだけ着て、とか、思い切って全裸になっても、すぐさまお布団に潜り込めるように耳を澄ませてビクビクしながらがせいぜい。
 家族に不意に襲来されたとき、絶対言い逃れ出来る状態でコソコソ行なうのが常でした。

 たまに、私以外家族全員お出かけでお家に誰もいなくなり、いつ頃戻るかわかっているときがあればビッグチャンス到来。
 ここぞとばかりに、全裸になってお家中を、恥ずかしがりながら歩き回ったものでした。
 結局私って、ちっちゃな頃からお家で裸になりたくって仕方なかったんだな。
 我がことながら、なんだか苦笑いです。

 そこまで考えて、はたと気がつきました。
 裸でいるのが当然の場所なら、あえてそこでお洋服を着たら、どうだろう?

 私の数あるヘンタイ性癖のひとつに、びしょ濡れ願望、というのがあります。
 
 中学の頃、不意のしのつく雨に打たれ、制服のブラウスがびしょ濡れになって、くっきり透けたブラジャー姿を町の見知らぬ人たちに視られて、アソコも濡らしてしまった私。
 自然気象がもたらした突発的な野外露出行為。
 そのとき体験した恥辱的刺激の虜になった私は、その後、雨の日にわざとずぶ濡れになることを何度かしていました。

 お洋服を着たまま全身びしょ濡れになってしまった理不尽な自分の姿の、何とも形容し難いみじめさと言うか不幸さと言うか負け犬ぽさと言うか、が、私の被虐心を強烈にくすぐりました。
 生地が肌に貼りつく感触、水分を吸った衣服の重さ、ぺちゃんこになった髪の毛、そして、普段隠されている部分まで透けて晒されてしまう羞恥。
 それらすべてが私の官能を激しく疼かせるのです。

 お洋服を着たままびしょ濡れ、という事態も、普通に暮らしていればありえないこと=非日常的行為のひとつと言えるでしょう。
 そういうのが大好物な私。

 最後に雨でずぶ濡れになったのは、いつだったっけ?
 そうだ、やよい先生との思い出の日、ユマさんと私の母校の前でだった。
 あのときは、薄っぺらいレインコート着てて、それもやよい先生に脱がされて、最後は全裸だったな。
 ユマさんの指で、当時通っていた学校の裏門の前でイかされちゃったっけ・・・

 あ、違う。
 一年ちょっと前。
 やよい先生が住んでいた町にある小さな山のカクレガ。
 あのときも全裸だったな。
 あの子、元気かな・・・

 いろいろ懐かしく思い出すうちに、ぜひとももう一度、あの感覚を味わいたくなりました。
 お風呂掃除もあとはお水であちこち流すだけ。
 バスルームで、全裸でずぶ濡れになっても、それは普通のこと。
 ここは、あえてお洋服を着て、濡れるのもかまわず、いいえ、積極的にずぶ濡れになって、スケスケエロエロになっちゃおう。
 そう決めて、そそくさとトレイにスープボウルとゴーヤや鎖などを載せ、ひとまずキッチンに戻りました。


独り暮らしと私 11


2013年5月19日

独り暮らしと私 09


 ここはまだ宇宙船の中。
 一回目の人体実験が終わって、宇宙人さんからお食事をふるまわれることになりました。
 ただし、たとえお食事タイムと言えども、その最中にも私に羞恥オーガズムオーラを出させたいと考える、ご自分の健康増進に貪欲な宇宙人さん。
 そのためにセッティングされた、恥辱のランチタイム。

 キッチンに戻った私は、午前中にスーパーで買ったゴーヤを1本のままよーく水洗いしてから水を切り、トレイに載せました。
 それから、余ったホイップクリームが入ったボウルと、皮を剥いていないバナナもよく洗って1本トレイに載せてベッドルームへ移動。
 シーナさまのオモチャ箱から選りすぐって別に保管している、お気に入りグッズ袋を漁り、重め太めな鎖と手錠を一つ、同じトレイに載せました。

 そのトレイをおっぱいの下くらいに両手で持って、しずしずとバスルームへ。
 トレイに載っているものたちを見ているだけで、下半身が期待で熱を帯びてきました。

 スープボウルの脇にトレイをそのまま置いて準備完了。
 鏡に映っているエンジ色の首輪の私を、もうひとりの私が淫らな瞳で見つめています。

「ショクジダヨ、スケベマゾオンナ!」

 宇宙船内の別のお部屋。
 湿気のある少しジメジメした大理石風タイル張りのお部屋に放り込まれた私の首には、いつの間にか首輪みたいなものが巻かれていました。
 宇宙人が私の意識をコントロールするための器具かもしれません。

 お部屋には、これもいつの間にか、あの異国美人さんが一緒でした。
 私の教育係として呼び寄せられたらしい彼女も、転送されてきたのでもちろんオールヌード。
 どこかのえっち漫画家さんが精魂込めて描き上げたような、見事なボンキュッボンのプロポーション。
 ほんのり日焼けした素肌のバストと下半身にだけ、細く紐状に残るかすかな日焼け跡がすっごく卑猥です。

「ナニジロジロミテル?ホントニスケベオンナダナ」
 お尻をバチンとぶたれます。
「ああんっ!」
 さっきとうって変わって、異国美人さんの言葉遣いがずいぶんぞんざいになっています。

「オマエハスケベマゾオンナダカラ、ランチモ、ドッグスタイルデ、レイダウンシテタベル。テヲツカウ、ダメネ」
 右手の人差し指をクイッと曲げて、そばに来るように、のジェスチャー。
 恐る恐る近づきます。
 手に持った鎖をジャラジャラ言わせて、邪悪な笑みを見せつける異国美人さん。

 私は鏡の前に立ち、股縄をする要領で鎖を下半身に巻きつけ始めました。
 お腹から背中のほうへとウエストに巻きつけから、背中側で鎖が交差するお尻のスジ上あたりで結び目を作って鎖の向きを変え、垂直に垂れ下がる鎖をそのまま両腿の間を通して前へ戻し、おへそのあたりを横に通る鎖に再度くぐらせました。
 鎖の余った部分がアソコの前に垂れ下がる形。
 鉄鎖ふんどしの出来上がりです。

 それから、まず左手首に赤いエナメル手錠の片方を嵌めました。
 その左手で股間に垂れ下がっている鎖の真ん中へんを持った後、両手をお腹の前で合わせ、手錠のもう片方を右手首に嵌めました。
 左右の手錠を繋いでいるチェーンは5センチくらい。
 そのチェーンに余った鎖の端のほうをでたらめにグルグル巻きつけます。
 これで、手錠と鎖が繋がった状態になりました。

 ただ、今嵌めたエナメル手錠は、手首に巻きつけてマジックテープで留める式のものなので、その気になれば自分でバリバリッと容易にはずすことが出来ちゃう代物。
 お手軽に拘束感を味わいたいとき、よく使っているものでした。

「ユー、ビッチスレイヴ、ハンズアップ!」
 ご命令通りに両手を挙げた全裸の私の腰に、異国美人さんが手馴れた手つきで太い鎖をふんどしみたいに巻きつけました。
「オマエハドッグダカラ、チェインデツナイデ、ニゲラレナイニスル」
 余った鎖の端を持ってクイッと引っ張る彼女。
「ああんっ!」
 私のおへそからアソコを通過してお尻に至る冷たい鎖が、陰の唇をこじ開けてグイグイ食い込んできます。
「ああん、いやんっ・・・」
「ハハッ。コレハ、オマエノシタノクチノゴチソウダ。ウレシイダロ?」
 鎖をクイクイしながら、上に挙げていた私の両腕を乱暴に掴んで下ろし、瞬く間に手錠をかけられました。

「サア、タベロ。シッダウン!イータァップ!」
 背中を押されて、よろめくようにスープボウルの前にひざまずきます。
 今まで見たことも無い不思議な食べ物。
「ゼンブノコザズタベタラ、コッチノクチニモ、モットイイモノヤル。ゴホウビダ」
 私の股間を這う鎖をクイクイ引っ張りつつ、彼女の視線がトレイの上のゴーヤを捉えていました。

 スープボウルの手前、バスルームの冷たいタイルの上に正座している私。
 その向こうには、私の姿を映す大きな鏡。
 両手は手錠で拘束され、その手錠から伸びた鎖が股間へとつづいています。
 腕を胸の前くらいまで上げると、たわんでいた鎖がピンと張って、股間の唇に食い込んできます。

「いただきます」
 小さく言ってから、スープボウルに顔を近づけようと、膝立ちで上体だけ前へ傾けていきます。
 前のめりの上半身を腹筋だけでは支えきれなくなってバランスが崩れ、まず拘束された両手がスープボウルのすぐ左隣に腕から着地しました。
 四つん這いでお尻だけ高く突き上げた、いやらしい格好。
 手錠と股間との距離が今までに無く開き、その間を繋ぐ鎖が張りつめて股間に食い込み、閉じていたワレメを強引に押し開きました。
「ああーーっ!」
 閉じ気味だった両膝が知らずに大きく開き、鎖がますます深くめり込んできます。

 幸い、溢れるほどの蜜が潤滑剤となり、鎖が擦れてもたいして痛くはなかったのですが、小さな唇もこじ開けられ、粘膜に直接当たっているのがわかりました。
 それどころか、熟しきって外へ飛び出していたつぶらな果実が、ちょっと動くたびに、鎖のデコボコにズリズリ翻弄されちゃっています。
「あんっあん、だめぇーん」
 こんなんじゃ、お食事どころじゃありません。
 両手を手前に引き寄せ、鎖の張力を緩めました。
 とりあえずはまず、食べるほうが優先です。

 こんもり盛られたホイップクリームを、舌を思い切り伸ばしてペロリとすくい上げました。
 はあんっ、おいしー。
 甘くって、フワフワやわらかくて。
 やっぱりちゃんと、お腹へってたみたい。
 最初は恐々だったのですが、やがてスープボウルに顔を突っ込むように、しばらく夢中でクリームだけベロベロ舐め上げました。

 クリームを舐め、スープボウルの縁を舐め、立っているバナナの側面を舐め、自分の口の周りを舐め。
 そうしているうちになんだかどんどん、狂おしい気持ちになってきました。
 四つん這いになって、手を使わずに食べるお食事。
 何て言ったらいいのか、野性的な感情?
 性的なコーフンにも似ているような、動物的な昂ぶり。

 上目遣いで鏡を見ると、床にひれ伏した自分の顔のあちこちに白いクリームがついています。
 ほっぺ、鼻のアタマ、あご、おでこ、髪の毛にも・・・
 顔が汚れるのもおかまいなしに、口だけでものを食べる自分の姿。
 お尻だけ高く突き出して、これって後ろから見たら絶対、広がったアソコも肛門も丸見えのはず。
 そんな自分のあさましく恥ずかしい姿に、もっと辱めて欲しい、むちゃくちゃにして欲しい、っていうマゾの性分がいっそう駆り立てられます。
 同時に、感情がどんどん野生的になってきて、ウガーッって、意味も無く吼えてみたい気分。
 夢中で舐めていたらいつの間にかピチャピチャピチャ、舌がミルクに届くようになっていました。

 ミルクを舌だけで飲むのって、すっごくまどろっこしいんです。
 一度で口の中に入る量はごくわずか。
 何度も何度も舌ですくい上げなくてはなりません。
 その行為に段々イライラしてきて、わざともっと大きな音が出るように舌を鳴らして舐めつづけます。
 そしてまた、このピチャピチャというお下品な音が、凶暴な感情をさらに煽ってくるのです。

 私はただのケモノ。
 食欲も性欲も、したいときにしたいようにしたいだけ。
 もはや理性は、遠い宇宙の彼方へ完全に消え去っていました。
 気持ちの昂ぶりがはっきりと、性欲にも繋がっていました。

 ミルクをピチャピチャ舐め上げながら、拘束された両手をジリジリと前へ滑らせて鎖の張力を復活させます。
 アソコに食い込んでくる鎖をより奥へと迎え入れるように、上下左右に腰を振り始めてしまいます。
 冷ややかな鎖に粘膜とつぶらな果実を蹂躙されながら、お皿をベロベロ舐め回し、立っているバナナをあんぐりと咥え込み、そのままムシャムシャと歯を立て、ゴックンと喉を鳴らして咀嚼します。
 一つ食べたらすかさず次の獲物へ。
 バナナが全部なくなったらスープボウルに顔を突っ込み、キスするみたいに尖らせた唇でふやけたシリアルもろとも、残りのミルクをチュルチュルと音をたててすすりこみます。

 シリアルの最後の一かけらまでキレイに舐め上げて、スープボウルが洗い立てみたく真っ白のツルツルになったとき、食欲は消え失せ、私のからだは、性欲だけの塊となっていました。
 高く突き上げた腰を絶え間なく上下に動かし、お尻の割れスジに沿って張りつめている鎖をヌルヌル滑らせます。
 上半身も床を擦り、へばりついたおっぱいがタイルを磨き、尖った乳首が刺激してもらおうとタイルの境目を探していました。
「ふーんっ、ぅふーんっ」
 ああーんもう・・・早くイっちゃいたい・・・
 身悶えしながら目を閉じて、異国美人さまのごほうびを待ちわびます。

「ユー、クレイジービッチ!オオサワギシテ、ホントニドッグミタイダナ。ハズカシイオンナダ」
 うすら笑いの異国美人さまに鎖をグイグイ引っ張られ、私はそれに合わせてワンちゃんみたいに、しっぽならぬお尻を激しく振っています。
「ホラ、ゴホウビダ。コレガホシイカ?」
 目の前でプラプラ、ゴーヤを振られます。
「コノビターメロン、オマエノシェイヴドプッシーデタベロ。オンザバック!」
 異国美人さまのしなやかな素足に腰の辺りを軽く蹴られ、私は仰向けになりました。

「デモ、コレハビターダカラ、スコシスイートニシテアゲルヨ」
 異国美人さまは、いったんゴーヤをトレイに戻し、代わりにクリームの入ったボウルを手にしました。
 ボウルに残ったホイップクリームをホイッパーですくい、仰向けの私のからだにポタポタ垂らし始める彼女。
 私のおっぱいがみるみる、白く染まっていきます。
 ホイッパーごとクリームを肌になすりつけられ、ホイッパーのワイヤーが固くなった乳首をピンピン弾きます。
「ああん、やめてくださいぃ、いたいですぅー・・・」

 バスルームのタイルに仰向けになった私は、手錠の両手でボウルをつかみ、自分のからだにトロトロとホイップクリームを垂らしました。
 おっぱい、おへそ、お腹、土手・・・
 ボウルが空になったらホイッパーで、肌にクリームをでたらめになすりつけます。

 バルーン状のワイヤーが私の肌をヌルヌル滑り、その無機質な感触にからだがビクンビクン反応してしまいます。
 おっぱいの頂上をシャカシャカすると、乳首が弾力のあるワイヤーにプルプル弾かれてどんどん尖ります。
 土手のクリームをホイッパーですくい取り、鎖をずらしてホイッパーの頂上部をアソコの入口に直に押し付けます。
 私の蜜とクリームが混ざり合ってヌルヌルベトベト。
 直径5センチくらいのホイッパーがツルっとアソコに入っちゃいそう。
 もちろん、萼から飛び出たつぶらな果実はワイヤーの餌食。
 横殴りに蹂躙するとすっごく気持ちいい。
「あんっ、あんっ、あんっ!」

 手錠で両手を拘束されているので、一度に一箇所しか責められないもどかしさ。
 異国美人さまにおねだりして、そろそろフィニッシュを迎えさせてもらおう。
 私の蜜とクリームとのブレンド味がついたホイッパーをペロペロ舐めながら、目をつぶりました。


独り暮らしと私 10


2013年5月12日

独り暮らしと私 08


 最初にキッチンの水切り棚の上にバターナイフとアイストングを発見。
 ベッドルーム兼お勉強部屋の机の上で50センチ定規とルレット、アイマスクを発見。
 バスルームの鏡横の棚に電動歯ブラシ2本発見。

 刑事さんが洗面所であきらめてくれて良かった。
 電動歯ブラシは、お揃いのデザインのブルーと赤で、もし彼女がこれをみつけたら、あらぬカレシ疑惑が確定しちゃうところでした。

 今までの発見場所を見ると、どうも私は、本来それがあるべき場所、に置いてごまかそうとしているようです。
 木は森に隠せ、というやつですね。
 それならって、サンルームに行ったらやっぱり、洗濯バサミ入れのバスケットの一番上に、私がお洗濯物には絶対使わない、おびただしい数の木製洗濯バサミがこんもりと山になって溢れ出ていました。

 そう言えば洗面所から戻るときにひとりがこれを見て、
「わー、木の洗濯バサミって、珍しいよね今時」
 って言われてドキンとしたことを思い出しました。
「うん。形が可愛いな、と思って通販で思わず買っちゃった」
 って、ごまかしました。

 本来あるべき場所が無いものたち=見られたら言い訳出来ない恥ずかしいオモチャたち、は、ウォークインクロゼットに吊るされたいろんなお洋服のポケットから続々と出てきました。
 リモコンローター3つ、クリットローター、コントローラー、ほぼ円錐形バイブレーター、鎖付きの手枷足枷・・・
 麻のロープと長い鎖はまとめて、台に乗らなければ届かないクロゼットの一番上の棚に突っ込まれていました。

 でもこの隠し場所は、今考えると危なかったかもしれません。
 女子同士は、ねえクロゼット見せて、みたいな展開になることもありますから。
 それで、ちょっと着てみていい?ってなったら・・・
 もっとも、このときのお友達はアニメやマンガのお話で趣味が合って意気投合したお友達で、ファッション関係のお話はほとんどしていませんでしたから、たぶん大丈夫って思ったのでしょう。

 そして、最後までみつからなかったのが、シーナさまからいただいたばっかりのチョーカーでした。

 これまでの隠し場所パターンから言って一番可能性ありそうなクロゼット内の、全部のお洋服の全部のポケットを探ってみてもありませんでした。
 まだ捜索していなかったバルコニーも隅から隅まで探し、アクセサリー入れの中身を全部ぶちまけ、家中の戸棚や収納をすべて開けて探し、納戸の奥深くに隠してある私とシーナさまのオモチャ箱の中身もそれぞれ総点検し、トイレもバスルームも、家具と壁の隙間も全部探ったけれどみつかりませんでした。
 チョーカーが入っていた立派なケースだけは、空のまま私の机の鍵がかかる抽斗に保管されていました。

 素敵なチョーカーが失くなってしまった事はもちろんショックでしたが、何よりもプレゼントしていただいたシーナさまに申し訳ない気持ちで一杯でした。
 お気を悪くされて、私とはもう遊んでくれなくなっちゃうかもしれない・・・
 そんなふうにウジウジ考えて、あんなに旺盛だったムラムラも嘘のように萎んでしまいました。

 不幸中の幸いは、シーナさまがしばらくお忙しくて、このマンションにいらっしゃらないこと。
 このお部屋中のどこかに絶対あるはずだから、シーナさまがお戻りになるまでに絶対みつけよう。
 みつからないうちにシーナさまに聞かれたら、全部正直にお話しよう。
 そう覚悟を決めて、ヒマがあればいろいろ探していたのですが、なぜだかこの洗濯バサミのバスケットだけは、探し直していなかったのでした。
 早々と木製洗濯バサミがみつかったことで、無意識のうちに捜索範囲から除外してしまったようでした。
 
 だけど、何故チョーカーだけ、洗濯バサミバスケットの奥深くに押し込んだのだろう?
 自分の行動なのに、その理由がまったく思いつきません。
 ま、いっか。

 そんないわくつきのチョーカーがみつかって、私は心の底からホッとしていました。
 これがみつかっただけでも、がんばってお洗濯した甲斐があったというもの。
 全裸家政婦生活することを決めて良かったー。
 ホッとしたせいなのか、なんだか少しお腹が空いてきた気がしました。

 私は、ムラムラの強いときはあまり空腹を感じない性質なのですが、今日は朝からいろいろやって体力もたくさん使ったし、このへんで栄養補給をしておいたほうがいい気もします。
 時計は、すでに午後の1時を回っていました。
 4回目の洗濯機さまのお仕事が終わっていたので、そのお洗濯物を干してから軽くランチをとることにしました。

 ほぼ1ヶ月ぶりに再会出来た、シーナさまにいただいたチョーカー。
 着けた途端に私のマゾ気質が目に見える形で顕われてしまうという、おそろしいアクセサリー。
 バスケットの底から取り出そうとチョーカーに触れたらもう、一刻も早くそれを首に嵌めたいという願望にあがらうことは出来ませんでした。
 そして嵌めた途端、私のからだがムズムズ疼き始めました。

 全裸にチョーカーだけ着けて4回目のお洗濯物を干しながら、ランチタイムもマゾっぽくするべきだな、って考えていました。
 首輪を着けたらからには、やっぱりワンちゃんスタイルということになるでしょう。
 そう、SMの写真でよく見る、四つん這いになって手は使わず、お口だけで食べ物を摂取しなくてはいけない、屈辱的なお食事作法。
 これも、やってみたかったけれどまだやったことがないこと、の一つでした。

 お献立は当然ドッグフード?
 でも、私はワンちゃんを飼っていないので、そんなものお家に置いてありません。
 ていうか、あれって人間が食べても大丈夫なのかな?
 そういうビデオで女優さんがお口に入れているの観たことあるけれど。
 見た目は美味しそうにはとても見えないな。

 ふと頭の中に、猫さんがうずくまってミルクをピチャピチャ舐めている絵が浮かびました。
 そうだ、ミルクがいいかな。
 ミルクにシリアルを浸して、あと、さっき買ってきたバナナを・・・
 なんとなくイメージが湧いてきました。
 メス犬じゃなくてメス猫になっちゃうけれど。

 猫さんて、マゾっていうイメージではないな。
 やっぱりワンちゃんのほうが、ご主人様には従順だからマゾっぽい。
 どうでもいいことを考えながらお洗濯物を干し終え、すぐにキッチンに向かいました。

 大きめのスープボウルを食器棚から出しました。
 この大きさならバナナ2本でも大丈夫そう。
 それから冷蔵庫を開けてホイップクリームの素を取り出し、別のボウルにあけてミルクを注ぎました。
 何本かのワイヤーがまあるくバルーン状になっているホイッパーでシャカシャカシャカ。
 シャカシャカすると、剥き出しのおっぱいがプルプル揺れちゃいます。

 ホイップクリームが出来たので、次はバナナを剥きます。
 2本剥いてそれぞれ真ん中で半分に切り、まあるいスープボウルの四隅に断面を下にして立てて置きました。
 こうしておけば咥えて食べやすいはず。
 スープボウルにミルクを半分くらいの深さまで注ぎ、お気に入りのあんまり甘くないチョコ味のシリアルをひとつかみ、バナナに囲まれた真ん中に投入。
 仕上げに、さっき作ったホイップクリームを絞り出す用のビニールに入れて、全体に満遍なくニュルニュルニュル。
 シリアルはすっかり隠れ、バナナも先っちょがちょっと見えるくらいになっちゃいました。
 あらら、それでもまだけっこうクリーム、余っちゃった。

 スープボウルにこんもり盛られたまっ白いクリームの山。
 これをお顔で迎えにいったら、顔中クリームだらけになるでしょう。
 コメディのテレビ番組でたまに見かける、パイ投げの犠牲者、みたいな自分の絵が頭に浮かびました。
 うん、マゾっぽい。

 さて、これをどこで食べましょう?
 絶対に床を汚しちゃうことはわかっています。
 どうせこの後お掃除もする予定だし、リビングでもいいかな。
 でも、せっかくだから何の気兼ねも無く、とことんはしたなくなってみたい気もしています。
 余ってしまったクリームを見て、思いついたこともあるし・・・

 となると、後片付けが一番ラクそうな場所、床にお水が流せるバスルームということになります。
 よーし、ランチの後はバスルームを先にお掃除することにしよう。
 まだ手をつけていないお洗濯物も少しだけ残っていましたが、洗濯バサミも干すスペースも足りなそうなので、明日にすればいいや。
 そうすれば明日も、洗濯機さまと遊べるし。

 今作ったバナナ&ショコラミルクのクリーム添えマゾナオコ風をトレイに載せ、しずしずとバスルームまで運びました。
 洗い場の大理石風な冷たいタイルの上に、スープボウルを直に置きました。
 もちろん、食べている姿が壁に嵌めこまれた等身大の鏡に映って、それが自分でよく見える位置にです。
 見慣れたバスルームに食べ物を置いただけで、なんだか非日常的な空間に変わったように感じられます。
 ここで四つん這いになって、ミルクをピチャピチャ舐めるのか・・・
 そう考えると、じわじわ感じてきてしまいます。

 メニューは猫さん用ですが、あくまでメス犬マゾペットにこだわるためにも、首輪に付ける引き綱、リードが欲しいところ。
 数週間前からシーナさまが置きっ放しにしている、シーナさまのオモチャ箱。
 中身は自由に使っていいとお許しをいただいているので、チョーカーをいただいた日の夜に、確か鎖が入っていたはず、と探しました。
 2メートルくらいの鎖が入ってはいたのですが、それはけっこう本格的な重め太めの鎖で、チョーカーに繋いだら華奢なチョーカーのほうが壊れちゃいそうな感じでした。
 チョーカーに繋ぐのはあきらめましたが、私は、その鎖のえっちな別の使い道をすでに編み出していました。

 バスルームからキッチンへといったん引き返す間に、屈辱のランチタイム妄想の方針が決まりました。


独り暮らしと私 09


2013年5月11日

独り暮らしと私 07


 チョーカーをケースからおずおずとはずします。
 意外に重い。
 金具の装飾がたくさん付いているから、そのせいでしょうか?
 腕時計より幾分重たい感じ。
 ビーズとパール周辺の細工模様がすごく細かくて刻んであって、確かに高級品ぽい。

「あっ、ベルトみたく巻きつけるんじゃないんだ」
 ケースの台に隠れていて見えなかったのですが、着脱の方法はネックレスのように背中側の金属製の留め具でした。
 デザインがベルト風で長さ調節の穴まで空いていたので、てっきり首に巻きつける方式と思い込んでいました。
 留め具をはずして、肩にかかる髪を軽く払ってから、恐る恐るチョーカーを首にあてがいました。

「やってあげる」
 シーナさまが席を立ち、私の隣の席に移動してきました。
 二人並んで座る格好。
「背中を向けて」

 座ったまま上半身だけをひねって言われた通りにすると、窓の外に顔を向けることになります。
 窓の外はデパートのグルメフロア通路。
 まばらですが、お買い物やお食事を楽しむ人たちが行き来しています。
 ガラスにはうすーく、首に何かを巻かれている私の姿も映っています。
 私は、目を伏せては上目で通路をチラッと見て、をくりかえして落ち着きません。
 いまのところ私に目を留める人はいないみたいだけれど・・・
 マゾの首輪を嵌められている私の姿。
 心臓のドキドキが止まりません。

「出来た。サイズもあつらえたみたいにピッタリね。こっち向いて」
「はい・・・」
 ゆっくりとシーナさまのほうへ向き直りました。

 目が合うと、シーナさまが瞬間、息を呑んだように見えました。
 それからしばらく、ふたりして無言で見つめ合っていました。

 首輪をされる、ということを想像していたときに予想したほど、きつくも苦しくも無かったのですが、やっぱり首周りに形容し難い奇妙な圧迫感を感じていました。
 マフラーやショールを巻いたときには感じたことの無い、異物感と言うか拘束感と言うか・・・

「あ、あの・・・どう、どうですか?似合ってますか?」
 シーナさまがずっと何もおっしゃらないので、沈黙に耐え切れなくなって私のほうから聞いてしまいました。
「あ、うん。どう、って言うか・・・」
 シーナさまは、私から目をそらして宙を見るようにしてから目を閉じ、返す言葉を探しているようでした。
 なんだか少し動揺されているみたい。

「どう、って言う次元じゃないわ。あなた、似合い過ぎよっ」
 小さく吐き捨てるように言って、再び私を見つめてくるシーナさまのお顔は、なぜだか怒っているみたい。
 私を睨みつけるようにまっすぐに見ながら言葉をつづけます。
「さっき、わたしのほうに振り向いたときの、あのうっとりした顔は何?もう、マゾ丸出しじゃない」
「なんでこんなもの着けただけで、そんなにいやらしくなっちゃうの?呆れちゃう」
 決して乱暴な調子ではなく、突き放すような冷ややかな口調。
 数週間前に、このお声にたくさん虐められました。
 この口調のときのシーナさまは、完全にSになっています。

「直子、今、濡らしてるでしょ?」
 イジワルく私の顔を覗き込んできます。
「あっ、え、は、はい・・・」
 さっきチョーカーを自分で首にあてた途端にキュンときて、シーナさまにうなじをさわられている間、ジワジワ溢れ出ていました。

「やっぱりね。わたしはまだまだ直子のこと、甘く見ていたみたいね」
「さっきあなたが振り向いたとき、わたし、この後の仕事キャンセルしようかって、一瞬本気で考えたもの」
「このまま直子をどっかのホテルに連れ込んで、思いっきり虐めて虐めて虐め抜きたいって」
「それくらいすごいドマゾオーラが出てた」

 思いもよらないシーナさまのお言葉にびっくりすると同時に、それを言葉責めと捉えて疼きだすからだ。
 ああんっ、たぶん私、今もどんどん、マゾオーラを出しちゃってる。

「だから、それはもうはずしなさい」
「えっ?」

「えっ、てさあ?そんなもの着けてマゾ全開の直子を一人で街に放り出せるわけないじゃない?」
「本当はこの後、ここでパンツでも脱がせて、首輪にノーパンでさよならまたねマゾっ娘なおちゃん、なんて別れようかと思ってたけど、そんなこと出来っこないわよ、今の直子見たら」
「今、直子の頭の中、いやらしいことで一杯でしょう?」
「それしている間中、気になって気になって、妄想しつづけちゃうに決まってるわ」
「それ着けたまま、そんなマゾオーラを街中に振りまきながら帰ってごらんなさい、ここは池袋だし、家に着くまでに何人のバカな男からちょっかい出されることか」
「それで直子の身に何かあったら、わたし、ゆりさまに顔向け出来なくなっちゃうわよ」

 もう一度背中を向けて、チョーカーをはずしてもらいます。

 窓ガラス越しの視界右端に、おかあさまらしい女性に手を引かれた幼稚園児くらいのフリフリドレスを着た可愛いらしい女の子が現われました。
 私が気づいたときには、その子はもう私を見ていました。
 珍しいものを見る興味津々のまなざしで、歩きながらずっと私の喉元を凝視していました。
 私の目の前を通り過ぎたときは、バッチリ目が合ったので、私がうつむいて目をそらしました。
 左端のほうへ消え去るときも、お顔だけこっちに向けてまだ見ていました。
 視界から消え去る寸前、こちらを指差して女性に何か言ったようでした。

 シーナさまがチョーカーを元通りケースに収め、パチンと金具を留めました。
「そろそろ時間だからわたしは行くけれど、直子はもう少しここにいて気持ちを落ち着けなさい」
「えっちなことを考えちゃだめよ、いい?」
「ここを出たらトイレに行って、アソコをビデで丁寧に洗って、お化粧を念入りに直してから帰りなさい。わかった?」
「・・・はい」

「それと、そのチョーカーは、わたしかゆりさまが一緒じゃないときは、絶対着けて外出しないこと。着けていいのは当分直子の家の中でだけ。いい?これも命令だからね」
「今晩電話するから」
 そう言って立ち上がり、私の頭を軽く撫ぜるとパッと伝票を取って、スタスタ歩いて行ってしまいました。

 シーナさまに言われた通りの手順をちゃんと踏んで、デパートを後にしました。
 音の出ていない携帯音楽プレイヤーのイヤホーンを両耳に突っ込んで、うつむいて足早に繁華街の雑踏を抜けました。

 お家について、すぐにでももう一度チョーカーを着けてみたかったのですが、着けたら最後、歯止めが効かなくなってしまうのがわかっていたのでグッとがまん。
 学校の課題やお夕食を手早く済ませ、あとはもう寝るだけとなった夜の7時過ぎ、さっきの服装のままリビングの鏡の前で着けてみました。
 チョーカーの留め具を喉のところで留めて、それからグルッと後ろに回しても大丈夫なくらいの余裕が、チョーカーと首の間にありました。

 着けた途端に私から発せられるというドマゾオーラ。
 自分で見てもよくわからないけれど、鏡の中の私はなんとなく普段より従順そうに見えなくもない、かな?
 でもそれって、首輪を着けたから囚われの人っぽくなったていう、イメージからくる連想ですよね。

 いずれにせよ着けた途端に、さっきのティーラウンジのときと同じように、私のからだが疼き始めたのは事実でした。
 このリングに乳首を挟んだりラビアを挟む鎖が付けられる、って言ってたっけ・・・

 その夜私は、久しぶりに自分のからだを本格的にロープでギッチリ縛っての、緊縛自虐オナニーに長時間耽りました。

 夜の9時過ぎに携帯電話が震えて、着信を見るとシーナさまでした。
 手錠で繋がれた不自由な両手でなんとか出ました。
 出先かららしく、電話の向こうに街のざわめきが聞こえました。
 何をしてるのかと聞かれたので、正直に、チョーカーを着けて緊縛オナニーをしています、と答えました。
「わたし、今夜からしばらく、そっちに帰れそうにないのよね」
 シーナさまが電話の向こうで、本当に悔しそうにおっしゃいました。

 それから数日後。

 夏休み前最後の登校日。
 学校帰りに、ゼミで仲の良いお友達ふたりと連れ立って池袋で映画を観ました。

 観終わって、イタリアンのお店でおしゃべりしていたら成り行きで、おふたりがこれから私のお部屋に来る、ということになってしまいました。
「いいじゃなーい、ここから近いんだしー」
「うわー。なおっちの私生活って、チョー興味あるぅ。楽しみぃー」
 さあ大変。

 シーナさまからチョーカーをいただいた日以来毎晩、そのチョーカーを着けての自分虐めに精を出していました。
 昨夜も、妄想の中のシーナさまにリビングでたくさん虐められてイキ疲れたように眠り、今朝は、シャワーなどをしていたら時間が無くなって、昨夜の後片付けをちゃんと出来ずに登校してしまったのでした。

「今すっごく散らかってて恥ずかしいから、ざっと片付けるまで悪いけれどちょっと待っててね」
 4階の我が家のドアの鍵を開けながら早口でそう言って、返事も待たずに自分だけササッとドアの内側に滑り込み、ガチャンとドアを閉じてカシャンと鍵をかけました。
 さあ、急げー。

 リビングの床に転がっていたのは、ローター数個、洗濯バサミたくさん、ロープ、ルレット、チョーカー、アイストング、電動ハブラシ、長い定規、バスタオル、etc、etc・・・

 5分間くらい家中をドタバタしてから、やっと玄関の鍵をカシャンとはずすと、
「ケーサツだ!動かないで!家宅捜索します」
 まだ私がドアを開かないうちに向こうからグイッと開かれ、学生証を高くかざしたお友達がお芝居声で言って、はしゃぎながらおふたりが玄関になだれ込んできました。

「ひゅーひゅーひゅー!なおっちもスミにおけないねえ」
「なあに?ゆうべ男でも来てたの?通い夫?」
「別に隠さなくてもいいのにぃ。あたしたちの仲じゃない」
 ニヤニヤ笑いで盛大に冷やかされます。

「ううん。そんなんじゃなくて、本当にすごく散らかってたから・・・」
「まあまあまあ。わたくしに任せれば、一発で犯人の嘘を暴いてやりますよ」
「へー、ここがなおっちの部屋かー。広いねー。セレブじゃん」
「うわーテレビでけー」
 異様にテンションの高いおふたり。
 リビングのあちこちを、もの珍しそうに見て回っています。
 しまい忘れたものがないか・・・私は気が気ではありません。

「ところで奥さん、洗面所に案内していただけますか?」
 さっきから刑事さん気取りのひとりが、またお芝居声で聞いてきました。
 洗面所にお連れすると、
「ふーむ。歯ブラシはピンクのが一本だけ。おお、カミソリが!ああでもこれは女性用ですな」

 それからキッチンの食器棚の中と冷蔵庫の中とランドリールームを見られました。
「おっかしーなー。男が出入りしてれば、このうちのどっかに痕跡があるはずなのになー」
「だから、散らかってただけなんだってー」
「まあ、いいや。今日のところは、そういうことにしておきましょう」
 刑事さんがあきらめてくれたみたいです。

 その後、デパ地下で買ってきたお惣菜やスイーツをつまみながらDVDを見たりゲームをしたり、ガールズトーク花盛り。
 本当はいけないことなのですが、来る途中にコンビニで買ってきた甘いカクテルで異常に盛り上がってしまい、最後はいつの間にかリビングのソファーで各自眠りこけていました。

 翌朝早くにおふたりが帰り、私はカクテルのせいか頭が痛くて、自分のベッドで本格的に就寝。
 起きたら夕方近くになっていました。

 まだ少しズキズキする頭で昨夜の宴の残骸を片付けていたら、その宴が始まる前にも、私一人で急いでリビングのお片付けをしたことを唐突に思い出しました。
 ただ、何をどこにどう隠したのか、まったく思い出せません。
 思い出そうとすると頭がズキズキ痛みます。

 その日はそんな調子なのであきらめてゆっくり休み、翌日朝から、本格的な捜索に取りかかりました。


2013年5月5日

独り暮らしと私 06

「ハァハァ・・・ああ、気持ち良かったぁ・・・」
 ランドリールームの床に横座りになって、洗濯機にもたれたまましばし休憩。
 すっかり大人しくなった洗濯機のまっ白い外装が、火照ったからだの余韻を冷ますように、ひんやり肌を包んでくれます。

 ようやく息も落ち着いてきて、立ち上がろうと洗濯機の側面に手をついたらヌルリと滑りました。
 おっと危ない。
 よろけた体勢を立て直しながらあらためて洗濯機を見ると、アソコを押し付けていた角を中心に、その左右の側面がベットリ私の愛液まみれ。
 床には、見るからにトロリとした白濁液の水溜りまで出来ていました。
 うわー、恥ずかしー。

「すぐにお拭きしますのでお許しください、洗濯機さま」
 深々と礼をしてタオルを取りに走る私は、もうすっかり洗濯機さまの虜です。

 自分のからだも乾いたタオルでざっと拭いて、ンーッって一回大きく伸びをしたら、なんだかからだが軽やかで気分もスッキリ、労働意欲も湧いてきました。
 よーし、お洗濯をちゃっちゃと終わらせちゃおう。

 それからしばらく、真面目にお洗濯に取り組みました。
 2回目のお洗濯物を干す間に3回目を回し、3回目が終わったらすぐ4回目。

 ただ、真面目とは言っても全裸生活中の私ですから、えっちなことはチラチラ考えてしまいます。
 2回目のお洗濯物を干しながら、さっき洗濯機さまから責められていたときに浮かんだ宇宙人の妄想を思い出していたら、スーパーでの異国美人さんとの妄想とつなげられるストーリーが浮かびました。

 スーパーの女子トイレで、全裸のまま取り残され途方に暮れていた私を、突然、淡い不思議な光が包みます。
 フワッっとからだが浮く感覚がしたと思うと意識が途切れ、気がつけば宇宙船の中。
 そして、さっきの洗濯機型ロボットによる人体実験をさせられたのでした。

 宇宙人からテレパシーで教えてもらったところによると、彼らの星では、地球人を密かにさらってきて飼うのが流行していたのですが、虐待が絶えないため星の権力者から全面的に禁止されてしまい、仕方なく地球まで出張してきて、宇宙船内で楽しんでいるのだそうです。
 何故そんなことをするのかと言うと、地球人が性的に興奮してオーガズムやエクスタシーに達するときに発せられるオーラみたいなパワーが、彼ら宇宙人の健康にとても良いらしいのです。
 地球人が森林浴をするようなものだ、と言っていました。
 中でもマゾな女性の羞恥を多く含んだオーガズムを浴びるのが一番良いそうで、私はずいぶん気に入られてしまい、必ずまた近いうちにさらうから、と約束までされてしまいました。
 
 あの異国美人さんも宇宙人に気に入られちゃった一人で、今では宇宙人の手先になって、それっぽい女性を見つけると誘い込んで裸にしてから宇宙人に連絡する、というブローカーみたいなことをしているのだそう。
 ということは、異国美人さんも本性はマゾなんだ。
 全裸にするのは、服を着ていると宇宙船への転送を失敗しちゃう恐れがあるからで、虐めかたは、地球上のコンピューターネットワークから各国のアダルトビデオをハッキングしていろいろ研究している・・・

 そんなストーリーでした。

 今こうして文章にしたら、失笑しちゃうほど拙いご都合主義な設定ですが、そのときの私は、自分の考えたお話がうまくつながった、って悦に入って大満足でした。

 そうこうしているうちに3回目のお洗濯も終わり、六帖くらいあるサンルームが、竿とロープとハンガーに吊り下げられた色とりどりのお洗濯物でびっしりになってきました。
 こういうのを何て呼ぶのだっけ?・・・万国旗、じゃなくて・・・満艦飾?だったっけ?
 私が中学の頃、母と一緒に聞いたCDの中に、ランドリーゲートのなんとか、っていう曲があったな・・・あれはいい曲だったな・・・誰が歌っていたのだっけかな?

 お洗濯にまつわるとりとめのないことを考えながら、お洗濯物を干していきます。
 わりと深めな籐製バスケットの中にギッシリ詰まっていたプラスティック洗濯バサミも、残り少なくなってきました。
 バスケットに手を突っ込むと、もう底についちゃうくらい。
 あらら、足りるかな?
 そう思ってバスケットを覗き込んだら、まばらになった洗濯バサミの隙間から思いがけないものを発見しました。

「ああー!ここにあったんだー!」
 思わず大きな声を出しちゃうくらい、ずっとずっと探しつづけていたものでした。

 あれは7月の下旬。
 その日、学校が早く終わって午後3時頃には池袋に戻り、なんとなくプラプラとデパートのブランドショップをウインドウショッピングしていたら偶然、シーナさまとお逢いしたのでした。

 数週間前に初めてシーナさまと遊んで以来、その後も何度かお逢いしていました。
 ただ、シーナさまがいろいろとお忙しいため、まとまった時間が持てず、差し入れを持って私のお部屋にいらして普通にお食事とおしゃべりをするくらいのもので、えっちな遊びはあまりしていませんでした。
 おしゃべりの合間にリモコンローターで遊ばれたり、一緒にお風呂に入ったり、鞭の扱いかたを教えてもらったり、そんな程度。
 私のムラムラが大人しい時期だったこともありますが、何よりシーナさまとふたりでおしゃべりするのが楽しくて嬉しくて、充分満足していました。

「なんてステキな偶然!」
 明るいベージュのパンツスーツ姿のシーナさまが満面の笑顔で近づいてきました。
 聞けば、次のお仕事のお約束までの時間潰しでプラプラしていたそう。
 まだ1時間ちょっとは余裕があるとのことなので、上のティーラウンジでお茶することになりました。

 半端な時間帯だったのでティーラウンジはガラガラ、グルメフロアの通路に面した窓際の席に向かい合わせで座りました。
 その頃ふたりとも、同じケータイゲームにハマっていたから話題には事欠きません。
 あーだこーだと夢中でおしゃべり。
「それで、あそこで出てくる犬がさあ・・・」
 そこまで言って、シーナさまがハッとしたお顔をされました。

「いけないいけない。肝心なことを忘れちゃうところだった」
 シーナさまが意味ありげな笑顔を向けてきます。
「さっき、ステキな偶然、って言ったのは、あまりにタイミング良く直子が現われたからなのよ」
 シーナさまは、いつの間にか私を、直子、と呼び捨てにするようになっていました。
 私にはそれがなんだか、同年代のお友達同士、ぽく思えて、とても嬉しく感じていました。

「今日のわたしは、すごくいいものを持ってるの。もちろん、直子にとっていいもの、よ」
 フフフンッ、て、ちょっと得意気に笑います。
「直子、犬の首輪、欲しがってたわよね?」
 突然、話題がアダルティになりました。

 SMの定番、メス犬マゾペットの必需品とも言っていいワンちゃんの首輪。
 確かに、欲しいけれど買うのは恥ずかしい、みたいなことをシーナさまに言った覚えはあります。
 でも、平日午後のデパートの明るく健全なティーラウンジで口にするような話題ではありません。
 あわてて周りを見回してしまいましたが、相変わらずお店は閑散としていて、離れた席で中年のおじさまがひとり、ケータイを見つめているだけでした。

「え、えっと・・・」
 私が答えられずにいるのにはおかまいなく、シーナさまはご自分のバッグをガサゴソやっています。
 えっ?ここで出しちゃうつもりなの?
「ジャジャジャーン!」
 お口での効果音と共に、テーブルの上にネックレスケースみたいなビロード地の立派な箱が置かれました。
 ゴールドの金具をはずしてパッカンと開けると・・・

「見てわかるとは思うけれど、犬用の首輪じゃないわよ?ちゃんとしたブランド品の人間様用チョーカーだから」
「革もパールもいいものを使っているし、手造りで仕上げもしっかりしてる。その分お値段もそこそこするけれど」

「わあ、綺麗・・・」
 濃い赤色と言うより、むしろエンジ色と言うべき艶のあるなめし革にゴールドの金具。
 革全体にビーズとパールの細工飾りがいくつも付いていてキラキラ光っています。
 太さは、男性用の腕時計のベルトくらい?
 着けたら正面に来るであろうところに、直径3センチくらいのゴールドのリングがぶら下がっています。

「これのいいところはね、そのゴールドのリングに、チョーカーとおそろいのビーズやパールを使ったニップルチェーンやラビアチェーンをオプションで付けることか出来るの。ニップルチェーンってわかる?」
「え?えっと・・・」
 ニップルは乳首、チェーンは鎖・・・

「簡単に言えば、乳首にクリップで留めるチェーンアクセね。直子そういうの好きでしょう?欲しかったら都合してあげる。クリットチェーンなんていうのもあるわよ?」
 シーナさまのいたずらっ子な笑顔。

「まあ、チョーカーだけならアクセとして普段使いも出来るデザインだし、ゴシック系の服だとすっごく合うわね」
「そんなオプションまで作るくらいだから、メーカーはボンデージマニア向けのアクセとして作っているのは間違いないけれどもね」
「今度機会があったら、欧米でのパーティとかの画像や映像で、イブニングドレスにネックチョーカーを合わせている映画女優とかセレブのご婦人をよーく観察してごらんなさい」
「チョーカーからチェーンが垂れて、その先がドレスの中に隠れていたり、チョーカー以外胸元にアクセしていないのに背中にチェーンが見えたら、乳首かアソコにクリップ付けてるマゾッ子婦人だと思って間違いないわ」
「チェーンを短かめに調節すると、一足歩くたびに乳首が引っ張られたり、ラビアがパクパクしたり、たまらないらしいわよ?」
 シーナさまったら、この場に似つかわしくないアダルティワード、炸裂です。

「今日、撮影見本で貸し出していたのがちょうど返ってきたの」
「わたしも、貸し出したことさえすっかり忘れていたのだけれど、現物見たらパッと直子の顔が浮かんでさ」
「これは直子にあげよう、って決めてたの」
「そしたら、よりによってその日に出会っちゃうのだもの。直子、あなた超ラッキーよ」
 シーナさま、なんだか楽しそう。

「これを・・・くださるのですか?」
「そう。嬉しいでしょ?」
「でも、お高いのでしょ?」
「ああ、それは気にしないでいいの。お高いっていうのは上代、あ、お店で売るときの値段ね。わたしはサンプルとしてもらったようなものだから」
「それにこれ、意外に売れてて、もうけっこう儲けさせてもらっているし」
「そうそう、あの人も買ってくれたらしいのよ、オプションチェーン全部付きで・・・」
 シーナさまは、かなり有名な日本の若手美人女優さんの名前を挙げました。

 シーナさまのお仕事は、ご本人にちゃんと聞いたことはまだ無いのですが、これまでにしたいろいろな会話の断片を組み合わせると、輸入雑貨の仕入れと卸しを個人的にやっていらっしゃる、ということみたいです。
 その手のものにとてもお詳しいし、今日みたいに会話にもよく出てきます。
 海外へ買い付けにも頻繁に行ってらっしゃるみたい。
 だからシーナさまは、ご自分のお仕事のことを隠しているのではなく、ただ単に説明するのがめんどくさいだけなのかもしれません。
 でも、以前やよい先生にもはぐらかされた、やよい先生のお手伝い、がシーナさまのお仕事とどうつながるのか?という謎は、まだ残されたままでした。

「タダでもらうのがどうしても心苦しいって言うのなら、ここのお茶代で手を打つわ」
 シーナさまがケースごとチョーカーを私の前に滑らせました。
「さあ、早速着けてみて」
「えっ?ここでですか?」
「そうよ。ただのよくあるアクセサリーだもの、別に恥ずかしがることはないでしょう?」
「直子の今日の服なら、むしろピッタリよ。なんだか、これを着けるために選んできたような色だもの。そういうのも含めて今日の直子は超ラッキー」

 確かに私が今着ているお洋服、今日は曇り空で、そんなに暑くなかったので薄手のボートネックな半袖ニットを着ていました。
 その色は、目の前にあるチョーカーとほとんど同じようなエンジ色でした。
「で、でも・・・」
 私は再び、あたりを見回してしまいます。

 シーナさまはアクセサリーとおっしゃいますが、その形も、その色艶も、前にぶら下がるリング=リードを付けて引き回す、からしても、私にはどうしても、メス犬マゾペットの首輪、にしか思えませんでした。
 ここでこれを着けるということは、私はマゾです、と世間の皆様に宣言するのと同じ、って感じていました。
 これは、シーナさまお得意の羞恥プレイ?
 なんだかからだが火照ってきました。

「そ、それは・・・ご命令ですか?」
 上目遣いにシーナさまを見て、すがるみたいに聞きました。
「そう。命令よ。ここで着けられないのなら、あなたにこれはあげられないわ」
 数週間前のあの日みたいな冷たい口調になったシーナさまの瞳が、半分Sになりかかっていました。
「・・・わかりました」
 マゾな私は、シーナさまのご命令には絶対逆らえないのです。


独り暮らしと私 07



2013年5月3日

独り暮らしと私 05


「ハァハァ・・・ああ、気持ち良かったぁ・・・」
 浴室の壁にもたれたまましばし休憩。
 弱いシャワーの水滴が火照ったからだの余韻を鎮めるように、やさしく肌を撫ぜてくれます。

 バスタオルで丁寧にからだを拭いたら、全裸のままリビングへ。
 時計を見ると午前11時半を少し過ぎたところ。
 お腹もまだ空いていないしムラムラも少し落ち着いたので、ランチ前にハウスキーパーのお仕事を何か一つ済ませてしまおう。
 こんな晴天だし、まずはお洗濯かな。

 私にノーパンでジーンズを気づかせてくれたお洗濯物の山。
 あらためて見るとうんざりですが、ここでひるんだら先に進みません。
 よしっ、やっちゃおう!

 真夏の陽射しが燦々と差し込むサンルームの床にバスタオルを敷き、裸のお尻でペタンと座ってお洗濯物を選別し始めました。
 色もの、手洗いするもの、ネットに入れる小さいもの、かさばるもの・・・
 ずいぶん溜めちゃったなあ。
 確実に3回は回さないとだめみたい。
 下手すると4回、5回。
 よしっ、こうなったらとことん、今使っているシーツも枕カバーも全部洗っちゃおう。

 まず一回目。
 洗濯機にお洗濯物を入れてタイマーをセット。
 乾燥までやってくれる洗濯機ですが、せっかくの真夏日なのでサンルームに干して、お日様の光でゆっくり乾かすことにします。
 スタートスイッチを押すと、洗濯機の中でウィーンと音がして何かガサゴソやった後、低くヴーンと唸り始めます。
 洗濯機の側面を手のひらでそっと撫ぜてみました。

 洗濯機さんが働いている間、バスルームで手洗いが必要なものを洗ったり漂白剤に漬けたり。
 全裸で作業しているから、水しぶきが跳んでもへっちゃら。
 これはこれで効率的です。
 しゃがんでゴシゴシすると、おっぱいがぷるぷる揺れています。
 ただ、漂白剤のときは、からだにしぶきが跳ねないように、かなり慎重にやりました。
 全裸にピンクのゴム手袋だけ、という姿は、鏡で見たらなんだかシュールで、フェティッシュなエロさを感じました。

 そろそろ終わり、という頃にタイミングよく1回目のお洗濯完了のチャイムが聞こえてきました。
 洗い立てのお洗濯物をカゴに移した後、次のお洗濯物を入れてタイマーをセット。
 スタートスイッチは入れずそのままにして、今終わったお洗濯物のカゴを持ってサンルームへ移動。

 我が家のサンルームは、リビングとドア一つ隔てた隣のお部屋、マンションの建物的には玄関に対して裏手にあります。
 リビングから出られるバルコニーとお外で地つづきになっていて、陽の当たる側面は全面ガラス張り。
 バルコニー部分に出窓のように突き出た温室みたいな構造です。
 
 バルコニーの向かいが広めな駐車場なので、陽射しを遮る建物が近くには無く陽当りは最高、熱気がこもって室内がけっこう暑くなるくらいなので、普段はブラインドで日光を遮っています。
 今はエアコンのおかげで適温なのでブラインドはたたみ、ガラスの向こうの視界は全開、まぶしいくらいの明るさで、晴れ渡った街並みが見渡せます。

 サンルームの窓ガラスはすべて、いわゆるマジックミラーになっていて、お外から見ても鏡になってルーム内は覗けません。
 だから私も安心して、こんなふうに全裸でウロウロ出来るのです。
 ただ、この仕様には盲点がありました。

 夜になって、サンルームに灯りを点けると逆転して、こちら側が鏡になります。
 そのことに気づいた当初は深く考えず、窓ガラスすべてが鏡の空間というもの珍しさに楽しくなって、わざわざレオタードに着替えてバレエの練習をしたりしていました。
 ある夜、やよい先生とお電話しているとき、なにかの拍子でそのことを言ったら、
「でも、直ちゃん、室内が鏡になってたら、外からは丸見えってことだよ?」
 と言われて、頭がパニック。
 だって・・・
 そう、お察しの通り、そこでオナニーとかも、もちろんしていたのです。

 翌日早速、マンションの裏手に回り、我が家のバルコニーがお外からどう見えるのか確認しました。
 道路からだと、真下ではもちろん、遠くに行ってもバルコニーのフェンスと奥行きの関係で、サンルーム内までは見えないようでした。
 いろいろ場所を移動してみたけれど大丈夫。
 ただ、付近の4階以上のお部屋からだと・・・
 幸い駐車場が間にあるので、4、50メートル周辺にはそういった建物はないのですが、遠くには、ここより高いマンションや高層ビルが立ち並んでいました。
 まあでも、そこからもし見えたとしても、ちっちゃな人影みたいなものだろう・・・
 そう自分に言い聞かせました。

 夜のバレエレッスンを始めてから、それはまずいと気がつくまで3週間位。
 梅雨に入る前の頃だったかな。
 その間にそこでオナニーは・・・5、6回はしたでしょう。

 鏡に映った自分を見ながらの行為でしたから当然、鏡のそばで鏡に向かって、つまり窓際でお外に向いた格好で行為に励んでいました。
 アソコを自分の指で広げたまま、いやらしい顔をして鏡のすぐそばまで寄っていくこともあったでしょう。
 
 もしもそのときバルコニー内に誰かいたら・・・
 その人は、夜の闇に煌々と浮かび上がるガラス張りの見世物小屋の特等席で、世にも淫靡な自虐オナニーショーを見物することが出来たことでしょう。
 ロープや卑猥なお道具を手に、濡れそぼった性器や洗濯バサミに噛まれた乳首、蕩けきった淫乱な表情をその人に見せつけるようにしながら、痴態の限りを尽くして身悶える私の自慰姿を。

 もちろんその日を境に、サンルームでの夜の遊びは一切やめて、夜は必ずブラインドを下ろすようにしました。

 そんなサンルームに洗い立ての洗濯物を干していきます。
 こうして見ると、私の下着って淡いブルーかピンクばっかりだな・・・
 なんて思いながら、洗濯バサミも本来の使い方で正しく使って、エアコンを除湿に切り替えたらお洗濯第一弾は完了です。
 バスルーム横のランドリールームに戻った私は、新しいタオルを水に濡らして絞り、洗濯機の外装にあてがいました。
 きれいにしとかなくちゃ、ね?

 実は、昨夜リストアップした、やってみたいこと一覧、の中に、この洗濯機を使った遊びも含まれていました。
 思いついてはいたけれど、まだやったことのない遊び。
 私のおへそくらいの高さな洗濯機の前にひざまづき、その真っ白な側面を濡れたタオルで愛おしく愛撫するように拭いていると、未知なる行為への期待に胸がどんどん高鳴ってきて、その証がみるみる乳首に顕われました。
 満遍なく拭き終えてから立ち上がり、すでにセットしておいた洗濯設定を再チェック、期待を込めてスタートボタンを押しました。

 ヴーンという低い音ともに洗濯機が運転を開始します。
 その音を確認した私は、長方形な洗濯機の側面の角、やわらかく曲線を描く丸みのある角に、立ったまま自分の剥き出しな下半身をギュッと押し付けました。
 両脚を少し開いて上体だけ少し後ろに反らし、左右の内腿で洗濯機の二つの側面を挟むような格好です。

 両内腿がひんやりした無機質な感触に包まれ、その内腿が交わる私の敏感な部分が洗濯機の丸みを帯びた角に直接当たりました。
 懸命に働いている洗濯機さんが奏でる緩やかな振動が、下半身全体を震わせて私の奥に伝わってきます。
 ああ、やっぱり思っていた通り・・・気持ちいい・・・

 丸みを帯びていると言っても角は角。
 強く押し付けていると角の出っ張った部分が、私の陰の唇を左右に強引にこじ開けてきます。
 無機質な何かがソコに食い込んで押し開かれた感触がして、中のもっと敏感な唇や一番敏感な突起にも振動が直に響いてきました。
「あーーんっ、いやーんっ」
 膝をゆっくり上下して、丸みに沿って唇を滑らせながら擦り付けます。
 唇からはたっぷりなヨダレが溢れているので、ヌルヌル滑らかに動きます。
 クリトリスが押しつぶされたまま上下するのがわかります。
「あんっ、いいっ、いいーっ」

 洗濯機さまったら、焦らすように突然振動を止めてウィーウィー言ってたかと思うと、また突然震え始めたりしてなかなかのテクニシャン。
 今回は、これをやることに決めていたので洗濯時間も長く設定してあります。
 ああん、いっぱい愉しませてぇ・・・
 腰を思い切り前に突き出して角に密着させ、膝の屈伸で激しく上下しながら、いつの間にか両手で左右のおっぱいを掴み、揉みしだいていました。
「あっ、あっ、あっ、あーんっ」

 普段からバターナイフでクリトリスを虐めたり、アイストングでおっぱいを掴んだり、金属的で無機質な感触にからだを弄られるのがお気に入りの無機質フェチな私にとって、この洗濯機さまとのプレイは見事にツボにはまりました。

 下半身に密着する硬くて冷たいメタリックな感触。
 加えて、ときどき聞こえてくるウイーンという機械音やピロピロ鳴る電子音。
 目をつぶると、SFチックな妄想に放り込まれました。

 突然、謎の宇宙人に誘拐され、彼らの宇宙船内に連れ込まれた私。
 ピコピコ光るフクザツそうな装置に囲まれたお部屋の中央に、真っ白で四角い、まるで地球の洗濯機のような形のロボット。
 丸裸にされた私は、そのロボットの前に立つように言われます。
 宇宙人の姿は目に見えないけれど、テレパシーみたいなので命令してくるんです。

 ロボットに近づいた途端、見えない力で私の下半身とロボットが密着し、もうどんなにあがいても離れなくなってしまいました。
 対地球人人体実験データー収集用洗濯機型ロボットから、ねちっこく蹂躙される私のからだ。
 地球人のからだのどの部分にどんな刺激を与えたらどんな反応をするか、という、いやらしい実験の被験体に選ばれてしまったのです。

「あっ、許してっ、そんなのだめだめっ、いやーーっ」
 声に出してそう言いながらも、からだはもっともっと、って腰をグイグイ押し付けてしまいます。
 下半身への振動と自分の手でのおっぱい乳首虐めを、ロボットからの無慈悲な陵辱に脳内変換して、盛大に抵抗しながら身悶えました。
「あーんっ、そこはだめっ!そんなに捻ったらいたい、いたいーっ!」

 かなり昂ぶってきてもうすぐ、っていうときにまた、洗濯機さまが小休止に入りました。
 ああんっ、もう!
 絶妙な焦らしのタイミングに焦れったさ爆発でちょっとキレ気味、前にも増して思い切り股間を押し付け闇雲に上下させます。
 その直後。
 突然、それまでとは比べものにならない激しい振動が始まりました。

 脱水に移ったのでしょう。

「んんーーっ、んんーーーっ!」
 凄まじい快感の波が押し寄せてきました。
 激しい振動に合わせてからだ中がプルプル震えてしまいます。
「いいいいーーっ、いいいいいーーーっ・・・」
「ああーーっいやーーいやーーいやーーーんっ!!!」
 性急な振動と同じリズムで全身が激しくビクンビクンビクン!
 振動が変わってほんの数秒で、呆気なくイっちゃいました。

 それでもまだ、えっち宇宙人開発の洗濯機型ロボットは許してくれません。
 押し付けたままの股間に休む暇も与えず、より激しい振動を絶え間なく送ってきます。
「あんっ、あんっ、あんっ、あんっ・・・」
 もはや腰がズルズルと崩れ落ち、がに股の中腰、頭が洗濯機さまと同じ高さまで落ちていました。
 両手を大きく左右に広げ、洗濯機さまの側面にしがみつくように抱きつく私。
 角が二つのおっぱいを左右に分け、洗濯機のそれぞれの側面にへばりついたおっぱいも、激しい振動に包まれます。
 私のからだ全体が洗濯機さまと一緒に振動していました。

 それは、もしも傍から見ていたら、あまりに異様で滑稽な光景だったことでしょう。
 素っ裸の女が不様ながに股で、まっ白い洗濯機にしがみついているんです。
 悦びの声をあげながら切なげに目を閉じて、洗濯機の白い外装に愛おしげに頬ずりまでしているんです。
 洗濯機に犯される女・・・

 私は、本当にこのままロープか鎖で洗濯機にグルグル巻きに縛り付けて欲しいと思っていました。
 ずっとずっとこの荒々しい振動を感じていたい。
「あんっ、あんっ、あんっ、あんっ・・・」
 喘ぎ声が止まらなくなっています。

 一度イって敏感になっているからだは貪欲に、性急に昂ぶりを蓄積していきました。
「あーん、いいっ、いいっ、もっとーもっとーっ!」
 下半身は性器を擦り付けるために上下に激しく動き、上半身は乳房を擦り付けるために左右に動くという不思議なダンス。
 洗濯機さまをお相手にそんな淫靡なダンスを器用に踊りながら、私のからだはどんどん新たな高みへと登りつめていきます。

「ああーーああーーいいいいぃぃぃ・・・」
 イったと思ったら更に高く、イったと思ったら更に高く・・・
「あぁあぁあぁーーーーっ!!!」
 もうこれ以上はイけない、それくらいの快感が全身をつらぬいたと同時に、
「ピロロロロロ~~~ン!」
 軽やかな上昇和音の電子音と共に洗濯機さまが脱水を終え、お洗濯完了のお歌を高らかに歌い上げた後、停止しました。

 それはまるで、洗濯機さまが私と一緒にイったかのような、絶妙なタイミングでした。


独り暮らしと私 06

2013年4月27日

独り暮らしと私 04


 重いものはトートバッグに入れて肩に提げ、レジ袋2つに入りきらなかったものを詰めて両手に提げて、スーパーを後にしました。
 お外は相変わらず、茹だるような暑さ。
 ただでさえ重たい荷物が、暑さのおかげで二割増し位ズッシリ感じます。

 暑さと重さを少しでも忘れるために、帰り道はひたすら異国美人さんのことを考えながら歩きました。

 彼女あのまま、ジッパー全開のまま、この通りを歩いて帰ったのかな?
 ラフな服装から考えてたぶん、スーパーのごくご近所に住んでらっしゃるのだろうけれど、それにしても大胆。
 彼女の姿に気がついた街行く男性は誰もが、ラッキー!と思っただろうな・・・

 外国人で、あれほどの美人さんがああいう恰好をしていると、いやらしい、って感じるよりも、セクシーでカッコイイ、っていう印象のほうが勝っちゃうのは何故なんだろう?
 やっぱり、自分の美貌に自信を待っているから、見られるのがあたりまえで、むしろ、さあ見なさい、って堂々としているからかなのだろうな。
 外国人の女性、とくに西洋顔の美人さんだと、ノーブラとかシースルーとかセクシーな服装やキワドイ仕草をしても、淫靡とか猥褻な感じにはならないで、何て言うか、オトナの健康的なお色気、みたいな枠に収まって、世間的に許されちゃう気がする。
 ヘンに恥ずかしがらずに、あっけらかんとしているからだろうな。
 私には絶対無理・・・

 そうだ。
 今回の全裸生活の主の設定、彼女にしてみようかな。
 カタコトの日本語で責められるのって、なんだか萌えそう・・・

 でも、外国人のSMって、すっごくハードそうなイメージがあるな。
 お尻を叩くにしても、大きな手で力いっぱいバッチーン、バッチーンて血が滲むまで、みたいな。
 縄じゃなくて鎖、革製の手枷と足枷、一本鞭、十字架磔、人体実験。
 お仕置き、っていうより、折檻、拷問っていう感じ。
 ちょっと怖いけどゾクゾクしちゃう・・・

 ジーンズでノーパンは当たりだったな。
 ワンピやチュニックを上に着れば、スカートのときほど心配しなくてもドキドキ感が味わえるし。
 そう言えば、今もジッパー全開だったんだ。
 いっそ思い切って、ゆうこ先生が穿いていたみたいな、土手まで見えちゃうえっちなローライズ、買っちゃおうかな・・・

 穿いたら、すっごく恥ずかしいだろうな。
 それ以前に買うのだって恥ずかしいな。
 だいたい売っているお店を見たことない気がする。
 きっとシーナさまならそういうお店、知っているのだろうけれど、シーナさまにお買物おつきあいしてもらったら100パーセント、お店の中で羞恥プレイが始まっちゃうだろうな・・・

 そんなふうに、無闇にえっちなことを必死に考えて気を紛らわし、暑さと重さを忘れようとしていたのですが、もはや限界でした。
 肩に提げたトートバッグが重みでワンピのショルダーごとずり落ち、肩がはだけそうになること数回。
 そのたびにバッグを提げ直し、レジ袋を持ち替えて、全身汗みずく。
 それに加えて、このあたりは坂道が多く、お家に帰るときは上り坂ばかりなんです。

 住宅街の路地に入ってからは、もはや何も考えられず、ひたすら涼しい我が家のことだけを想い、息をきらして懸命に歩きました。
 傍から見ていたらヨロヨロのヨレヨレだったでしょうけれど。
 マンションの入口がやっと見えたときの嬉しさといったら。

「あらあら直子ちゃん。こんな早くからお買物?」
 エントランスのロビーで一息ついていたら、奥から声がかかりました。
 このマンションの管理人の柏木のおばさまでした。

 おばさまのご一家は、このマンションの土地の元地主さんで、このあたり一帯に多くの土地を所有している資産家さんらしいです。
 このマンションも1階と2階のお部屋の権利をお持ちで、今は、お知り合いに賃貸されているそう。
 私の母の実家と柏木さんご一家が曽祖父の時代からずっと懇意にしていた関係で、このマンションが建ったとき母の実家が一フロア、娘、つまり母のために譲ってもらったのだそうです。

 柏木のおばさまは、母が住んでいた頃からここの管理人さんを務められていて、確か母より十いくつか上のお年。
 その年代のかたにしては背が高く細身でシュッとされているので、ぜんぜんお若く見えます。
 メタルフレームのメガネがよくお似合いな、学校の先生みたいな雰囲気のかた。
 一見、気難しそうなお顔をされていますが、お話してみると気取りがなくて細やかで、何かと私のことを気にかけてくださいます。
 資産家さんだから別に働かなくてもいいと思うのですが、いろいろお世話を焼くのがお好きなのだそうです。
 居住まいや言葉遣いに品があって、いろいろ気遣いしてくれるのにサッパリしていて、さすがにずっと東京に住んでいる人はカッコイイな、って、こっちに来て私が最初に思った人でした。

「あっ、おばさま。おはようございます」
 雑巾を片手に、手ぬぐいを姉さま被りにした柏木のおばさまが、奥から出てきました。
 どうやら、エントランスのお掃除をされていたよう。
「今日も暑いわねー」
 エプロン姿のおばさまが私のほうへ近づいてきます。
 私は、あわてて緩んでいた襟元をかき寄せ、だらけていた表情を引き締め、ソファーから立ち上がって笑みを作りました。

「あらー、すごい荷物ね。今日は特売か何か?」
 私がソファーに置いた荷物を見て、おばさまが目を丸くしています。
「あ、いえ、えっと、学校の夏休みの課題を一気に終わらせちゃおうと思って、今日からしばらく、お部屋に引きこもろうかな、って食料を・・・」
 おばさまに嘘をつくのは心苦しいですが、まさか本当のことなんて言えません。
「そう。学生さんもいろいろ大変なのね。がんばってね」
「あ、はい。ありがとうございます」

 おばさまの目が、私の服装をチェックするみたいに、上から下へと動きました。
「直子ちゃんは、こんなに暑くてもきちんとおズボン、穿いているのね。えらいわー」
「街に出ると今時は、若い女の子がおへそとか出して、裸みたいな格好で平気で歩いているじゃない?いくら暑いからって、おばさん、ああいうのは感心しないのよ」
「そこいくと直子ちゃんは、いつもきちんとしているから。素子さんがちゃんとご教育されたのね。おばさんも我がことのように嬉しいわ」
 実は、そのおズボンのジッパーをワザと全開にしているんです・・・なんて死んでも言えません。

「でも直子ちゃん、汗びっしょりじゃない?早くお部屋に戻ってお着替えしたほうがいいわよ。そんなまんまじゃ風邪ひいちゃうから」
「あ。はい。それでは失礼します」
 ペコリとお辞儀して、荷物を持ってエレベーターに向かいました。
「何か困ったことあったら、いつでも言ってちょうだいね」
 私の背中に、おばさまが声をかけてくれました。

 ああ緊張した。
 おばさまは、すっごくいい人なのだけれど、自分がやましいことをしているときに、あのまっすぐさは眩し過ぎるな。
 もしも私がお部屋でやっているようなこと、おばさまにバレたら、すっごい蔑みの目で見られちゃうのだろうな。
 当然、母にも即効で報告がいっちゃうだろうし。
 絶対バレないように気をつけなくちゃ・・・

 お外ほどではないけれど、エレベーターの中もエレベータホールや廊下もムンムンムシムシしていたので、4階の我が家の玄関ドアを開けて、涼しい空気がそよそよっと流れてきたときには、心底ホッとしました。
 エアコン点けっぱなしで行って、よかったー。

 そう言えば、シーナさまもあのおばさまの面接受けたのかな?
 居住者に新しく同居人が出来たときとかも、おばさまの簡単な面接を受けて、それにパスしないとここには出入り出来ないって聞いたけれど。
 まあ、シーナさまなら如才ないから、そのへんは上手にやったのだろうな。
 最上階のペントハウスでときどき、キワドイ水着やオールヌードでパーティやっているなんて、夢にも思っていないだろうなあ。
 シーナさまがときどき私のお部屋に来て、ふたりでえっちな遊びをしていることも・・・

 そんなことを考えながら、いつものようにお部屋に上がろうとして、ハッと思い出しました。
 いけないいけない。
 昨日から私は、ここで服を全部脱がなきゃいけないんだった。

 汗でよれよれのワンピースを裾からまくり上げ、頭から脱ぎました。
 服を脱がなきゃいけない、って今さっき考えた自分のマゾな言葉に反応したのか、乳首に血が集まってくるのがわかります。
 ジーンズの前ボタンをはずしただけで、両腿の付け根を起点に布地が左右にハラリと分かれました。
 そのまま下ろしていくと、ジーンズの股の所の布地と私のアソコの間を透明な糸が幾筋かツツーッと伸びていきました。
 うわー、こんなに濡らしちゃってる・・・

 一刻も早く冷たいシャワーを浴びながら自分のからだをまさぐりたいところですが、お買い物の中に冷凍食品とかもあるので、グッとがまん。
 バスタオルでからだを軽く拭いた後、手早くドタドタと、買ってきたものをキッチンの所定の場所にしまいました。

 それからバスルームへ一目散。
 髪は濡らさないように、首から下に冷たいシャワー全開。
 勢いある水滴が絶え間なく私の肌を打ちつけてきます。
 ああん、気持ちいい・・・
 お水の流れに沿っては逆らい、おっぱいからお腹へと自然に両手が上下します。
 固くなった乳首に手のひらがひっかかり、さっきの異国美人さんのおっぱいの感触がよみがえります。
 うーん、もうがまん出来ない・・・
 シャワーの勢いを緩め、人肌くらいの温度に調節して目をつぶり、妄想の世界へ突入です。

 私の手を自分のバストに導いた異国美人さんが、自分の手も私の胸に。
「オゥノゥ。アナタ、カップツイタフクデスネ。ツマラナイ」
「アナタノオッパイモ、サワリタイデス」
「で、でも、こんなところじゃ・・・」
 いくら人影が無いとはいえ、ここはスーパーのフルーツ売り場。

「ソレナラ、コッチデス」
 ふたりの買い物カゴはその場に置き去りに、腕をひっぱられて連れ込まれたのは狭い女子トイレ。
 タイル貼りの冷たい壁に背中を押し付けられたと思ったら、胸元のボタンを下まで手早くはずされ、両ショルダーを左右に払われて、ワンピが足元に落ちました。
「オゥ、ビューリィフォー!エッチナオッパイデスネー」
 間髪を入れず両手で鷲づかみされ、乱暴に揉みしだかれます。
「ああんっ、だめぇん・・・」
 私の淫らな声が彼女の柔らかい唇で塞がれます。

 彼女の左手が私のお腹を滑り、ジーンズのボタンをはずして中へ。
「ワオ!ヤッパリアナタモノーパンティデシタネー」
 彼女の唇が離れ、ニヤニヤ笑いで私を見つめてきます。

 一呼吸置いて、彼女の手がジッパーを下げつつ奥へ奥へともぐりこみ始めます。
「ソレニアナタ、ケガナイネー。オマンコツルツルデース」
 彼女の指先は、もはや私の裂け始めまでたどりついています。
「ああんっ」

「ワタシシッテマス。オマンコノケヲシェイヴドシテルオンナハ、ミンナスケベデス」
 手の甲で器用に私のジーンズを下へと降ろしつつ、私のアソコ周辺をお尻の穴のほうまで、ゴシゴシ擦るように愛撫してきます。
「ああん、だ、だめですぅ、こんなところでぇっ」
 
 まだ個室にも入っていない、ドアを開けてすぐの洗面所のところでいきなり始まったこの行為。
 私はワンピを足元に落とされ、ジーンズも膝まで下げられたほぼ全裸。
「だめぇ、だ、誰かが入ってきたら・・・」
 言葉とは裏腹。
 立ったまま背中を壁に押し付けられた形の私は、自発的に両手を頭の後ろで組んで両脚を軽く広げたマゾの服従ポーズ。
 彼女の乱暴な愛撫にクネクネ身悶えます。
「ダイボージ。ワタシウマイカラ、アナタ、スグニオーガズムデス。シンパイナイ」

 彼女の長い指が私の中にズブリと突き挿さりました。
「あーーんっ!!」
「オゥノゥ。オオキナコエハダメネ。ガマンシナサイ」
「アナタガコエダシテダレカキタラ、ソレ、アナタワルイデス」
 言いながら、彼女の指が私の中を勢いよくかき回してきます。
 チュプチュプビチャビチャと卑猥な音が女子トイレに響きます。

「ワタシ、アナタミタトキ、スグワカッタネ。エッチナオンナッテ」
「ユーアーノゥティーマゾヒスティックガール、アーンチュウ?」
「ワタシ、スケベマゾオンナ、イジメルノダイスキネ」
「イマダレカココニキテ、アナタ、ハダカミラレタラ、ソレ、アナタノセイ。アナタガスケベマゾオンナダカラ」

 彼女の手が私の乳首をひねり、膣壁をひっかき、お尻の穴を広げ、クリトリスを潰します。
「んぅーんっ、ふーんっ・・」
 必死に声を押し殺して、歯を食いしばって快感の波に耐える私。

 やがて彼女の右手が細かく激しく、私のヌルヌルな秘部を出入りし始めました。
3本の長い指が陰唇から膣の奥まで、出ては入り出ては入りをくりかえし、そのたびに彼女の手のひらが私の土手に当たり、ペチペチと拍手みたいな音が響きます。
 ペチペチペチ・・・
 チュプチュプチュプ・・・
「あっ、あっ、あっ・・・」
 そのリズミカルな音に合わせて、押し殺しきれない私の喘ぎ声がワンテンポ遅れで追いかけます。
 淫らなポリリズム。

「あっあっあっあっ・・・」
 拍手のテンポがどんどん上がって、私の声は追いつけなくなり、代わって上半身がイヤイヤするみたいに左右に揺れ始めました。
 私のおっぱいがゆらゆら揺れて、ニヤリとほくそ笑む異国美人さん。
 私のからだは、どんどん宙高く舞い上がり、あとはあきらめて快楽の渦に身を投げるだけ。
「あっあっ・・・あっーーっ・・あーーっ・・・」
「・・・あっ、あっ・・・あーーーーんっ!!!」

 気がついたときには、女子トイレの冷たい床にへたりこんでいて、異国美人さんの姿は消えていました。
 私のワンピとジーンズと共に。
 丸裸の私だけが置き去りでした。
 
「えーっ!?そんな・・・私ここから、どうやって帰ればいいの!?」


独り暮らしと私 05


2013年4月20日

独り暮らしと私 03


 自動ドアが開くとそこは別世界。
 エアコンのよく効いた冷え冷え空間に、汗がささーっとひいていきました。

 広い店内にもやっぱりお客さんはまばら。
 ほとんどが一人客のおばさまがた。
 こんなだったら胸パッド無しのワンピでも良かったかな、なんて出来もしないのに考えたり。
 お昼ごはん前くらいになったら、それなりに混むのだろうな。
 なんとなくホッとして、早速カゴを手に売り場を回り始めました。

 だいたい一週間分くらいあればいいかな。
 お米はたくさんあったから、あとはパスタとバゲット、マヨとお醤油。
 冷凍食品とかレトルトを適当にみつくろって、日持ちするお野菜と、あっ、フルーツも何か欲しいな・・・

 日頃来慣れているお店なので、どこに何があるかはわかっていて、順調にカゴが重くなっていきました。
 顔見知りの店員さんも今日はいないみたい。
 すっかりリラックスして、心はすでに、お部屋に戻ってからの全裸生活再開に飛んでいました。

 あとは乾燥パスタと何かくだものを買って終わり。
 そう思って立ち寄ったフルーツ売り場。
 真っ赤に熟れたマンゴーがひとつだけ、置いてありました。
 ちょっとお高いけれど、見るからに甘くて美味しそう。
 重いカゴを床に置き、マンゴーってなんとなくえっちなイメージがあるのは、やっぱり名前のせいなのかなー、なんてどうでもいいことを考えながら何の気なしにそのマンゴーに手を伸ばすと、同時に私の左側からもニュッと腕が。

「あっ!」
 驚いてあわてて手を引っ込めたら、その腕も同じように引っ込みました。
 ほんのり日焼けした、しなやかなきれいな腕。
「ごめんなさいっ」
「オゥ、ソゥリィー」

 聞きなれない言葉に、その腕の持ち主を見ると・・・
 ものすごい美人さんが、ニッコリと私に笑いかけていました。

 目鼻立ちがくっきりしたラテン系の端正で小さなお顔。
 それでいてどことなくアジアを感じさせるエキゾチックな憂い。
 艶やかな栗毛色の髪を無造作に束ねて後ろで結んで、化粧っ気も無いのに長い睫、濃いブラウンの大きな瞳。
 やや派手めなアヒル唇のコケティッシュな笑顔。
 雰囲気としては、映画女優のペネロペ・クルスさんをアジアっぽくした感じ?

「アナタ、コノメンゴー、ホシイデスカ?」
 少し首をかしげて私を見つめて聞いてきます。
「あ、えっと、いえいえ。私はいいですから、どうぞどうぞ、プリーズ」
 焦って言いながら異国美人さんのお顔から下を見て、またびっくり。

 真っ白なタンクトップから、ばいーんと突き出した豊かなバスト。
 その先端にクッキリ尖った二つの大きめなポッチ。
 ピチピチタンクトップで覆いきれずに覗いている形の良いおへそを挟むように、キュッとくびれたウエスト。
 色落ちしたデニム地のホットパンツからスラッと伸びる生脚。
 背は、私よりちょっと高いくらい。
 そして、全身から香る甘いパフューム。

 なんて言うか、雰囲気がすっごくゴージャス。
 素っぴんで、ありきたりなタンクトップにホットパンツ、足元はビーチサンダルでも、全体としてはゴージャスなんです。

「オゥ、アリガトーゴザマス。ワタシ、メンゴーダイスキダカラ。デモニッポンノハタカイネ」
 異国美人さんがもう一度微笑んで私から視線を切り、マンゴーに再度腕を伸ばします。
 私は、手振りでどうぞどうぞの仕草をしながらも視線は釘づけ。
 異国美人さんのゴージャスなお姿を、文字通り頭のテッペンから爪先まで、何度も見返してしまいます。

 はぁーっ・・・綺麗だなぁ・・・
 グラマラスでセクシーで、ワイルドだけど優雅。
 うらやましい。
 なんとなく視られることに慣れている感じ。
 近くの繁華街には、夜のお酒のお店がたくさんあるみたいだから、そういう所の人なのかもしれないな。
 どこの国の人だろう?
 日本語上手だな。
 あっ、ひょっとしたら、あのマンゴーが採れた国あたりかも。
 でもそれにしては肌が白いな・・・

 そんなことを脈絡無くあれこれ考えつつ、いつしか異国美人さんのバストトップから、視線が動けなくなっていました。
 憧れているくせに、臆病ゆえ出来ないノーブラ胸ポッチ。

「ワオッ!」
 異国美人さんの小さな悲鳴に、ハッと我に帰りました。
 私の不躾な視線に気づいたらしい彼女。
 マンゴーを片手に持ち、もう片方の手で軽くバストを隠すそぶりをして、私の正面に歩み寄ってきました。
「アナタ、オンナナノニ、エッチネー」
 私の目を覗き込むようにお顔を近づけて冗談ぽくそう言った後ニコッと笑い、じゃれるみたいに私の肩を軽くポンッて叩きました。
 ワンピの下で私のおっぱいがプルンと揺れました。

「あっ、ごっ、ごめんなさいっ!」
 私は、バツの悪さに全身がカーッと熱くなってしまいました。
「ダイボージ。アナタカワイイカラ、タクサンミテイイヨ」
 笑ったままの彼女が胸を張って、ノーブラポッチを私の眼前に突き出してきました。
 その姿勢のまま首を軽く左右に振り、まわりを見回す彼女。
 私もつられて見回すと、この売り場周辺には今、私たちふたりきり。

 私に視線を戻した彼女が、その大きな瞳でパチンとウインクしました。
「メンゴー、ワタシニクレタオレイネ。アナタカワイイカラ、サワルモオッケーネ」
 そう言うと同時に私の右手首を軽くつかんで、そのままギュッと自分の左胸に押し付けました。
「えっ!?」
「アハァァン~」
 異国美人さんが小さく洩らした悩ましいお声は、ちょっとわざとらしかったけれど超セクシーでした。

 私の右手のひら全体が、布地越しのやわらかなお肉に埋もれていました。
 自然と指が丸まり、彼女の左おっぱいをつかむような形になってしまいます。
 その手のひらの中央を突ついてくる、尖った固いしこり。
 そして、かすかな胸の鼓動。

「ワタシノオッパイ、ヤラカイデショ?」
 私の左耳に唇を近づけて、彼女がささやくように言いました。
 吐息が耳にかかり、ゾクゾクッと感じてしまいます。
「は、はい・・・」
 ドギマギしている私は、彼女のお顔をまともに見れず、うつむいて自分の右手を見ています。
 その右手が、無意識なのにやんわりニギニギ動いてしまいます。

 しばらく、たぶん10秒くらい、そのままの姿勢でいた後、異国美人さんの手が私の手首をゆっくりと離し、ムーンウォークみたいなステップで50センチくらい後ろに身を引きました。
 再び私の視界に、彼女のゴージャスな肢体全体が収まります。
 彼女のからだが離れても、そのままの形で宙をつかんでいる私の右手。
 ハッとして、あわててその手を下ろしました。

「オシマイネ。センキュウー。シーユー」
 もう一度パチンとウインクして艶然と微笑む異国美人さん。
 私をまっすぐに見つめてくる意味ありげなそのまなざし。
 でも、答えるべき言葉が見つからず固まってしまっている私。

 すると突然、クルッと踵を返した彼女が上半身だけを大きく屈め、お尻を私のほうに突き出してきました。
 えっ?何?
 ホットパンツの腰まわりの布が浮いてしまい、Tバックの日焼け跡が淡く残るお尻の割れ始めあたりまで、彼女の素肌が覗けています。

 状況に追いつけない私を知ってか知らずか、異国美人さんは、ずっと片手で持っていたマンゴーを足元に置いていたご自分のカゴにその姿勢で入れてから上体を起こし、モデルさんのようにシュッとした立ち姿でカゴを片手にぶら下げ、二度と振り向かずそのままレジのほうへゆっくり優雅に歩いていってしまいました。
 キュッ、キュッと左右に揺れる形のいいお尻を、私はその場で呆然と見つめていました。

 はぁー、びっくりした・・・
 我に返った途端、右手のひらに彼女のバストの感触がよみがえりました。
 再び全身がカーッとさっきより一層熱くなって、同時に彼女の最後のまなざしの意味がわかったような気がしました。

 誘っていたのか、からかわれたのか、どちらにしろ彼女は、私の本性を見透かしていたのでしょう・・・

 猛烈な気恥ずかしさが全身を駆け巡り、なぜだか、いてもたってもいられないくらいに発情していました。
 自分の中で処理しきれない事態に、ヘンなスイッチがパチンと入ってしまったようでした。

 何でもいいから無性に恥ずかしいことがしたくなっていました。
 出来ることならこの場で、ワンピースを脱いじゃってもいいくらい・・・
 
 とりあえずワンピの前ボタンをもう一つはずしました。
 私の視点で、おっぱいの膨らみ始めくらいまで肌が見えるようになりました。
 それから、一応周囲を見回して近くに誰もいないのを確認し、左手でワンピの裾を少しまくって右手を入れ、ジーンズの股間のジッパーを素早く一番下まで降ろしました。

 さっき異国美人さんが身を引いたとき、彼女のホットパンツのジッパーが閉じていないことに気がついたんです。
 股上が浅かったので、正面から見ていてもそれまで気がつかなかったのですが、身を引いたとき彼女の両脚が前後に大きくスライドして、フライ部分の布地が左右に割れたのがハッキリ見えました。
 
 日焼けしていない白い肌に、髪と同じ栗毛色の翳。
 丁寧にお手入れしているらしい、刈りこまれた細長い逆三角形。
 つまり彼女も私と同じ、ノーパンノーブラ。

 不注意なのか、ワザとなのか。
 いずれにしても、彼女と同じことがしたいと思ったのです。
 今の私に出来る精一杯の恥ずかしいことを。

 ワンピの裾で隠れてはいますが、男性で言うところのいわゆる社会の窓を全開にしたまま、異国美人さんにお譲りしたマンゴーがあった隣に積まれたバナナの束を一つ、カゴに入れました。
 その隣には深緑鮮やかなゴーヤの山。
 そのゴツゴツして乱暴そうな佇まいにゾクゾクきてしまい、手頃な太さのを一本、カゴに入れました。

 最後はパスタ売り場。
 このスーパーは、乾燥パスタの種類が豊富で、大きな棚二台にぎっしり、上から下までさまざまなメーカーのパスタが並べられていました。
 私がいつも買うメーカーのものは、棚の中段くらいにあります。

 でも今日はちょっと寄り道。
 一番下の段に置いてあるパスタと見比べるフリをして、その場にゆっくりとしゃがみ込みました。
 
 ジーンズ地がお尻を擦り生地が撓んで、役目を果たしていない股間のジッパーが左右に分かれるのが、見えなくても分かりました。
 下半身にスーッとした開放感。
 腿の上をせり上がったワンピの裾の奥で、左右に割れたジーンズ地の隙間から私の無毛な土手が、隔てる布地一つ無く外気に晒されているのがわかりました。
 ワンピの裾をつまんで、そっとめくって覗いてみます。
 ああんっ、なんてはしたない・・・

 パスタ棚を横に移動するように、立ってはしゃがみを3度くりかえしました。
 棚に向かう形でしゃがんでいるので、誰かにソコを見られてしまうことはありません。
 でも、背後を誰かが通る気配を感じるたびにドキンと心臓が波打ち、ゾクッと快感が走ります。

 ねえ?あなたが今通り過ぎた所にしゃがんでた女は、こんなところで自らジーンズのジッパーを開けて、自分のノーパンの下腹部を覗き込んで悦んでいるヘンタイ女なんですよ?
 そう教えてあげたい・・・

 ジーンズの内股部分の滲みは、濡れそぼるほどになっていました。

 いつまでもやっていたい気持ちもありましたが、誰かに不審がられて警備員さんとかを呼ばれたら大変です。
 そろそろお客さんも増えてきたし。
 つづきはお部屋に戻って、誰に気兼ね無く思う存分身悶えよう。
 そう決めて立ち上がり、深呼吸して気持ちを落ち着けてからレジに向かいました。


独り暮らしと私 04


2013年4月13日

独り暮らしと私 02


 そんな始まりかたで私の、無期限連続全裸生活、が始まりました。

 いいえ。
 正確に言えば、まだ始まっていなかったのでした。
 連続、の部分が早々と途切れる事態に直面してしまったのです。

 その翌朝、全裸で目覚め、洗顔後に軽い朝食を、と冷蔵庫を開けたとき、全裸ではどうしても出来ない、お洋服を着なければこなせないお仕事が残っていたことに気がつきました。

 食料の買い置きがほとんど無かったのです。
 お米だけはたくさんあったのですが、パンやパスタ、おかずになりそうな食材は、もって明日いっぱいくらいの量。
 調味料もいくつか切れかかっていました。
 全裸生活中ずっと白米のおにぎりだけ、っていうのは、さすがにつらいし。
 買い出しに行かなくちゃ・・・

 せっかく、服を一切着ない日常生活、って意気込んでいたのに早くもこの仕打ち。
 けっこうへこみました。
 かと言って、全裸でお買い物になんて行けるはずありません。

 それなら、露出願望マゾ女の最低条件、ノーパンノーブラで、とも思うのですが、行こうと思っているスーパーは、歩いて3~4分くらいのご近所さん、普段もよくお買い物に出かけるお店でした。
 万が一お知り合いとかウワサ好きなおばさまとかに、ノーブラのポッチ突起やスカートがいたずらな風で翻ってしまったところを目撃され、ご近所に変なウワサがたったらおしまいです。
 お引越しのときにわかったのですが、このマンションには母も学生時代に住んでいたので、管理人さんをはじめとして、母を今でも覚えている方々がご近所や商店街にけっこういらっしゃいました。
 いくら夏とは言え、自分が身元バレしているご近所で、あんまりはしたない服装は出来ません。
 さあ、どうしよう?

 昨日からの流れ的に、外出するにしてもやっぱり、なんとなくえっちでヘンタイな雰囲気はキープしておきたい。
 ここでいったんブラ着けてショーツも穿いて、ワンピースでも着て普通にお買い物、では、なんだか間が抜けている気がしました。
 でもそんなにすごいことは出来ないし。
 うーん・・・

 しばらく悩んだ末、普段身に着けている下着=ブラとショーツの数、つまり衣服類を2つだけ、身に着けていいことにしました。
 その代わり今夜は、外出とはいえ、主の留守中に衣服を着てしまった罰としての、キツイお仕置きが待っていることも決定しました。

 衣服類を2つだけ。
 たとえば下着を上下着けたらそこで終わり、ブラとショーツだけでお外に出て、お買い物してこなければなりません。
 想像しただけで恥ずかしさにからだが火照りますが、現実的に考えて出来るわけありません。

 ブラとワンピースだけ。
 ノーブラ突起は回避出来るけれど、下半身が不安。
 その日もお外はカンカン照りの猛暑で、風もあんまり無さそうだけれど、何かの拍子にスカートがめくれちゃう可能性も皆無ではありません。
 かと言って、あまり丈の長いワンピだと、見た目が暑苦しくて悪目立ちしちゃいそうです。
 うーん・・・

 悩みながらリビングを裸でウロウロしつつサンルームのほうへ目を向けて、ふと目に留まったのが溜まってしまったお洗濯物の山。
 そのお山のてっぺんに、ブルージーンズが裏返しでねじれて、だらしなく乗っかっていました。

 そっか。
 下はジーンズを穿こう。
 下着は着けず、素肌にジーンズ。
 これは、今までやったことがありませんでした。
 以前観た外国映画で綺麗な女優さんがやってて素敵だったし。

 早速クロゼットに行き、適当なジーンズを引っ張り出して穿いてみました。
 ジーンズのごわごわとした布地が内腿や土手をザラザラと撫ぜ、今までにない刺激が私の下半身を覆いました。
 いい感じ。

 たとえ小さく薄い布地のショーツでも、一枚あいだに無いだけで、こんなにも感触が違うものなのですね。
 少し内股気味に、左右の内腿を擦りつけるみたいに歩いてみると、ザラザラな感触が私のぷっくりした丘や唇、お尻の穴周辺を直に乱暴に、摩擦してきます。
 こんなの、歩いているだけで溢れてきちゃいそう。

 それでも、根っからのスケベでドMな私です。
 自分をもっと追い込むことにしました。

 そのとき穿いたのは、少しゆったりめのジーンズだったのですぐ脱いで、持っている中で一番ピチピチの、色が濃いめのスリムなブルージーンズに穿き替えました。
 お尻がキツキツ。
 これを買ったときより少しだけ太っちゃったみたい。
 ジーンズのザラつく布地が肌に貼り付いたみたいに、私の無毛な下半身のあらゆるところに満遍なく密着しました。
 ジーンズの上から両腿の付け根をそっと撫ぜただけで、直にさわられたみたいにビクンて感じてしまうほど。
 足を一歩踏み出すたびに、ジーンズ地とアソコの唇の敏感な皮膚がコソコソ擦れているのがわかります。
 すっごく刺激的。

 濃紺なので少しくらいおツユが沁み出してもわからないでしょう。
 試しに、ジーンズの上から自分の股間をしばらくサワサワ撫でさすりました。
 じれったいような感触にアソコがムズムズ疼いて、中でジンワリと蜜が滲み出てくるのがわかりました。
 腰を落としながら両膝を折って大きく開くと、ジーンズの内部で唇が少し割れ、布地に蜜が染み出すのもわかりました。
 その部分を手でさわると、ほんのり湿ってきています。
 でも、見た目でジーンズの色は変わっていません。
 これなら大丈夫。

 下が決まったので、上に関してはほとんど選択の余地がありませんでした。
 ノーブラポッチ突起がイヤなら、胸パッド付きのお洋服しか選べません。
 私が持っている胸パッド付きのお洋服は、レオタードや水着を除けば3着だけ。
 どれもやよい先生からいただいたものでした。
 その中で、こんな暑い日に着てもおかしくなさそうなのは1着だけ。
 私が高2の夏、やよい先生と生まれて初めて本格的な野外露出を体験したときに着た赤いワンピースでした。

 そのワンピースは、私の思い出の品として宝物みたいに大切に保管していました。
 その後ほとんど袖は通さず、あっ、ノースリーブですからもともと袖は無いのですが、それでもこちらに出てくるときにはもちろん、持ってきました。
 クロゼットのよく見える位置に、クリーニングから戻ったビニールに包まれたままの姿で吊るしておいて、たまには手に取って思い出に耽ることもありました。
 あのとき撮影した、私の恥ずかしい野外露出写真を見返したときとかに。

 今日こそ、このワンピースをもう一度着るときなのかもしれない。
 そんな気持ちになってきました。

 丁寧にビニールをはずし、赤いワンピースをそっと頭からかぶりました。
 素肌に布地が触れた瞬間、あのときの空気感、温度や湿度や小雨を含んだ風の匂いみたいな感覚が、一瞬のうちに鮮やかによみがえりました。

 そうそう、こんな肌触りだった。
 カップのひんやりとした感触がこんな風に乳首に当たって、ノースリーブの腋が妙に心細くて・・・
 やよい先生に胸元のボタンを大きく開けるように言われて、車の中でおっぱいを片方出して・・・
 そうそう、あのときはこれ1枚しか着ていない、見事なノーパンノーブラだったっけ・・・
 私が濡れやすいからって、タオルの上に生尻じか座りするように言われて・・・

 いけないいけない。
 床に座り込んだまましばしタイムスリップしてしまいました。

 立ち上がって鏡に映してみます。
 真っ赤なノースリワンピにスリムジーンズ。
 いたって普通な夏の服装です。
 ワンピのスカート部分が膝丈なので、ジーンズの腰の部分は膝上まで隠れています。
 これなら股間は見えないから、いくら湿っても気にする必要も無いし。
 よし、これでいきましょう。

 暑いので髪はアップにして後ろでまとめ、ゴムとヘアピンでおだんごにアレンジ。
 日焼け止めとファンデ、目元だけちょこっといじった手抜きメイク。
 前ボタンは一番上だけはずし、ウエストのリボンをきつめに絞ったら準備完了。
 念のために両腕を大きく上げてみて、ノースリーブの隙間からも余計なものが見えないことを鏡で確認しました。
 大きめなトートバッグにお財布を入れ肩に提げ、素足にサンダルをひっかけて玄関を出ました。

 お外は、まだ朝の10時過ぎだというのに、太陽がジリジリ音をたてているみたいに勢いよく照りつけてくる猛暑。
 35度以上はあるのではないでしょうか。
 アスファルトの照り返しで熱気が足元からムワッときて、あっという間に全身に汗が滲み出し、薄いワンピの生地が背中や胸元に貼り付きました。
 これは誤算。
 胸のカップの形が露骨にわかるくらい、胸元の生地が汗で変色してクタッとなってしまいました。
 ウエストのリボンを緩め、上半身がゆったりになるように再調整します。

 もしもTシャツかなにかを選んで、パッド無しのノーブラに挑戦していたら・・・
 汗でシャツが肌にくっついてボディコン状態、乳首はおろか乳房の形まで丸わかりの格好で歩かなければならなかったかもしれません。
 そう考えたら、途端に妄想が広がって下半身のモジモジが加速します。

 なるべく人通りの少ない住宅街の路地を、と思って歩き始めると、ほとんど人影はありません。
 こんな暑い日はやっぱり、誰だってお外に出たくないですよね。
 少し安堵した途端、スケベな心がむくむくっと起き上がってきました。

 さっきお部屋でやったみたいに、なるべく内股で、両方の内腿を擦りつけるように歩いてみます。
 両脚の付け根付近の裂地と皮膚が擦れ合い、外気とも相俟って熱くなっている秘部がモヤモヤウズウズ淫らに暴れます。
 いいっ・・・
 だけどやっぱり暑すぎです。
 
 エアコンの効いたスーパーの店内を思い描き、一刻も早く、と内股のまま歩調を上げてみました。
 上半身の動きも大きくなり、ブラの支えの無い左右のおっぱいが大げさにプルンプルン揺れてしまいます。
 そのたびに両乳首の先がワンピの中でカップを乱暴に擦り、ますます尖って変な気持ちがどんどん膨らんできます。
 あぁんっ、気持ちよくなっちゃう。
 自分が今、相当いやらしい顔になっているのがわかるので、伏し目がちに地面と自分の足元だけを見て歩きつづけます。
 
 そんな風にしてしばらく歩いていたら、交通量の多い大通りに出ました。
 目標のスーパーは、この通りをまっすぐ行ったところ。
 すれ違う人や同じ方向に歩く人も現れ始めたので理性を呼び戻し、なるべく胸が揺れないように歩調を緩め、努めてゆっくり普通に歩くよう心がけました。

 行き交う人たちは皆、暑さにげんなりしてうなだれてる感じ。
 すれ違うときに、覇気の無い視線をときどき感じます。
 誰も今私が、ノーパンノーブラで発情しているなんて思ってもいないのだろうな・・・
 気づかれたくないけど気づいて欲しい、視られたくないのに見せてみたいもどかしさ。
 そんなことを考えているうちにスーパーに到着しました。


独り暮らしと私 03



2013年4月6日

独り暮らしと私 01


 自宅で一人のときなら、どんな格好でいても、何をしても誰からも干渉されないという独り暮らしの開放感は、より大胆なことを試みる勇気を、臆病者な私にも与えてくれました。
 マンションの自分のお部屋内に限ってのことですが、今まで妄想しても実行出来なかった淫らな試みを、どんどん大胆に、はしたなく実行するようになっていきました。
 今まで両親と暮らしていて、自分の中にムラムラを感じたときでもすぐ行動に移せなかった妄想の数々。
 独り暮らしなら、思いついたときに誰に気兼ねも無く、すぐに実行出来るのです。

 お引越ししてきてから夏までの間に、やよい先生やシーナさまとたてつづけに刺激的なプレイを体験したこともあり、私の独り暮らし一年目の私生活は、今まで自分の中に貯め込んでいたいやらしい妄想の実行に、その大部分が費やされました。

 やよい先生やシーナさまがお仕事などで忙しく、しばらくご連絡のとれない時期がありました。
 独り暮らし最初の年、残暑きびしい夏の終わりのこと。
 ちょうど私に激しいムラムラ期が訪れていました。
 そのとき思い立ち、実行に移してみた行為が、後々まで私の私生活を支配することになりました。

 一日中裸のまま暮らしたら、どんな気持ちになるのだろう?
 お部屋の中では一切お洋服を着けず、日常生活をして、それを何日も続けたら・・・

 思い立ったのは、月も変わろうという頃なのに、その夏の最高気温を更新したというニュースがあった猛暑の日。
 からみつくような熱く湿った空気に汗びっしょりで外出から戻った、夜7時過ぎ。
 熱気がこもってサウナみたくなっている薄暗い玄関ホールでサンダルを脱ぎながら、一刻も早く冷たいシャワーを浴びたい、と考えていたときのことでした。

 学校は、長い夏休み期間中。
 さしあたっての外出予定も無く今が絶好のチャンスと思い、文字通り、すぐに実行に移しました。

 持っていた荷物を玄関の上り框に置いて、脱ぎかけたサンダルをわざわざもう一度履き直しました。
 このお部屋に入るには、靴を脱ぐより先に、まず全裸にならなければならない。
 玄関から先では、一切の衣服着用禁止。
 そういうルールが、そのとき決まったのです。

 玄関脇には、作り付けで幅1メートル以上、高さも天井手前までのとても大きな鏡が、壁の一面に嵌め込まれていました。
 もちろん、外出前に身だしなみをチェックするための鏡です。
 玄関ホールの灯りを点けると、薄暗かった玄関が昼間のように明るくなりました。
 私の姿を鮮明に映し出す、その大きな鏡の前で、自分のいやらしく潤んだ瞳に視られながら、身に着けている衣服を一枚ずつ脱いでいきました。

 そのとき着ていた薄手のブラウスは、汗で背中に貼り付いて、その下のブラの生地までしっとり湿っていました。
 背中に手をまわしブラのホックをはずすと、早くもその気になっている乳首がぷるんっ、勢いよく飛び出しました。
 スカートを足元に落とせば、鏡にはショーツ一枚だけの自分の姿。

 私は、これから先ずっとお洋服を着ることが許されないんだ・・・
 被虐な妄想に酔い痴れながら、腰の左右に両手をあて、からだを少し前に屈めた体勢から、一気にショーツをずり下げました。
 鏡には、サンダルの足首に丸まったショーツをひっかけただけの、全裸になった私が映っていました。
 汗ばんで火照っている裸身の中で下半身の一箇所だけ、ほんのうっすらと翳っている私の丘。
 中途半端に伸びた黒い恥毛と肌とのコントラストが妙に生々しくて、すごく卑猥だな、と思いました。

 脱ぎ散らかした下着も玄関にそのまま、リモコンでエアコンをかけ、お部屋の電気を一番明るくしつつ、バスルームに駆け込みました。
 これから始まる、一日中裸の生活。
 考えただけで全身が高揚してきていました。

 立ったまま冷たいシャワーを浴び、両手で全身をまさぐりました。
 気持ちいい・・・
 からだをべとつかせていた汗が、みるみる流されていきます。
 シャワーをぬるめにしてボディソープを手に取り、ヌルヌルの液体でからだのあちこちを撫ぜまわします。
 左手が尖った乳首をつまんで虐めはじめ、右手の指はいつしか私の胎内奥深くに潜り込んでいました。
「あんっ、あぁーんっ!」

 ひとしきり自分を慰めた後、バスタブにぬるめのお湯をはり、ゆっくり浸かりながら、これから始まる私の全裸生活の妄想をどんどん膨らませていきました。

 裸で日常生活をする、ということが今回のテーマ。
 マゾな私ですから妄想が結局、被虐的なものになっちゃうのは、仕方のないことです。
 あれこれいろいろ考えた結果、こういう設定になりました。

 私は、このお部屋の住込みハウスキーパー、つまり家政婦です。
 何か弱みを握られたのか、信頼していた人に裏切られたのか、とにかく私はここで働かなければならないことになってしまいました。
 そして、無理矢理ハンコを押させられた契約書には、勤務中の許可無き着衣を禁ずる、という一文があったのです。
 住込みでのお仕事ですから、24時間勤務中。
 したがって、このお部屋では常に裸でいなければならない。
 そんな一文をわざわざ契約書に入れるくらいですから、このお部屋の主はもちろん、人をいたぶって辱めるのが大好きなサディスト。

 このお部屋の主は、私を性的ななぐさみものとして扱います。
 契約書通り、通常の衣服などを身に着けることは、一切許されません。
 基本は常時全裸。
 または主の趣味の、ものすごくいやらしい服装。
 お部屋には、監視カメラがあるらしく、主が不在のときでも、お言いつけを破ったりしたら、きついお仕置きが待っています。

 普段は、主の食事を作ったり身の回りのお世話をし、主が気が向いたときや何か面白くないことがあったとき、私のからだをいたぶり、弄くりまわして虐めるのです。
 主は、とっても美しいけれど冷たい瞳を持った妙齢の女性。
 もちろん私の脳裏には、やよい先生とシーナさまのお顔が浮かんでいました。
 でも私は、その主のことは好きになれない、ということにしました。
 
 えっちなお話にはよくある、ごくありきたりな設定なのですが、ある現実的な理由によって、すごい名案だとそのときの私は思っていました。
 実はその頃、連日の猛暑にだらけ気味で、お部屋がかなり散らかり始めていたのです。
 いろいろと片づけなければならないものを横目で見ても、ま、いいか、って先延ばしにしていたのですが、家政婦という設定なら、お掃除やお洗濯など家事全般、ちゃんと働かざるを得ません。
 えっちな妄想を楽しみながらお部屋のお片づけも出来ちゃう、なんて打算的な思いと、裸でお料理やお掃除やお洗濯をしたらどんな気分になるだろう、という好奇心が入り混じっていました。

 バスルームにいるときから、私の全裸家政婦生活は始まりました。

 その日、主は出かけていて、明日の夜帰ってきます。
 陰毛をきれいに剃っておくことと、絶対にオナニーをしてはいけない、ということだけを言いつけられていました。
 お言いつけを守らないともちろん、ひどいお仕置きをされてしまいます。

 バスルームの鏡に自分の下半身を映し、チョロチョロっと生え揃い始めていた陰毛をカミソリで丁寧に剃り落としていると、これから始まる裸生活への期待がどんどんどんどんふくらみました。
 パイパンにしていると、ムラムラ度がもう一段階上がってくるのがわかります。
 それとも、ムラムラが高まっているから、剃ってしまいたくなるのかな?

 最後にもう一度ぬるめのシャワーを浴び、バスタオルで丁寧に拭いてすっきり。
 普段ならここで下着を下だけ着け、バスローブを羽織るのですが、今日からはこのまま。
 すっかりツルツルになった自分の土手に軽く手をあてて、見る人もいないのになぜだか隠すようにしながらバスルームを出ました。

 リビングはエアコンのおかげで心地よく涼しくなっていました。
 風邪をひくといけないのでエアコンを弱めに切り替え、ドライヤーとかスキンケアとかいつもの身づくろいも、リビングのソファーで全裸でやりました。

 何をしていても、自分が今全裸である、ということを必要以上に意識してしまいます。
 意識するたびに、性的な興奮が昂ぶってきます。

 サラダを作るためにキッチンでキュウリを切っていると、包丁のリズムに合わせて私の生おっぱいがプルンプルン跳ねています。
 食器棚のガラスや、シンクのステレンスに私の裸が映っています。
 高いところに置いたお皿を取ろうとして背伸びしたとき、張り切った乳房と無毛の土手が食器棚のガラスに映っているのを見て、いやらしいからだだな、と思いました。

 ダイニングでパスタにバゲットとサラダのお夕食。
 フォークで取り損ねたミニトマトが、ピンポイントで乳首を弾いて床に落ちたりします。
 落ちたミニトマトを拾おうと身を屈めると、サイドボードのガラスに私のお尻の穴が映っていたりします。

 イチゴジャムをべったり、おっぱいになすりつけてみたくなります。
 フォークで尖った乳首をつつきたくなります。
 半分余ったさっきのキュウリを、アソコに挿れてみたくなります。

 食べ終えた食器を片付けていると、テーブルの角が両太股の付け根を直撃します。
 お皿を洗っていると、水しぶきがおっぱいを濡らします。
 食器を拭いていると、ふきんの端が乳首をコソコソ愛撫してきます。

 もうやることなすこと全部、性欲に直結して、からだが疼いて疼いて仕方ありません。

 お片づけも終えてホッと一息。
 リビングのソファーにゴロンと横になると同時に、右手が自然に下に向かいました。
 オナニーは禁止されているはずでしたね。
 でもこれは、主への反抗。
 心の底では、オナニーしたことがばれて、主からきつくお仕置きされるのを期待しているのかもしれません。

 裸でいることを強く意識するほど、からだの隅々までがより敏感になり、ムラムラが高まってきます。
 エアコンが動かす空気、ソファーのレザー、自分の両手。
 すべてが私の素肌に直に触れてきます。
 乳首はずっと勃ちっぱなし。
 性器もすでにヌルヌルで、さわったとたんに溢れ出し、ソファーを汚しました。
 そこから指が止まらなくなり、早くも一回目。

 その後も、明日からどんなふうに自分を虐めようかとあれこれ考え始め、裸のまま机に向かい、パソコンに思いついたことをテキストで打ち込みました。
 あれもやりたい、これもやりたい。
 シーナさまに教わったあれにもう一回挑戦したい。
 やよい先生がしてくれたあれも・・・
 自分のからだのあちこちをまさぐりつつ妄想をめぐらし、何度もイって、イき疲れたようにベッドにもぐりこんだときは、もう夜中の2時をまわっていたと思います。


独り暮らしと私 02


2012年1月29日

ピアノにまつわるエトセトラ 27


「はぁあんっ!あ、空き瓶?って…」

 ゆうこ先生は、洗濯バサミがはずれた痛みに小さく喘いでから、上目遣いに私を見つめてきました。
 そのお顔が怪訝そうな表情から一転、何かを思いついたらしく、嬉しそうにパーッとほころびました。

「空き瓶って、ひょっとして…」

 期待に溢れたまなざしで私の目を覗き込まれました。

「そうです。今の先生の格好なら、その両脚の付け根のところにビール瓶とか置いたら、ずっぽり嵌っちゃいますよね?」

 両手を背中側で括られて膝立ちになっているゆうこ先生の大きく開いた両腿の付け根と毛布の間には、30センチくらいの空間が空いていました。
 そこのところにガラス瓶かなにかを置いて、ゆうこ先生が腰を沈めれば、瓶の飲み口がゆうこ先生のアソコの穴に挿さっちゃうはずです。
 それでゆうこ先生が腰を上下すれば、ゆうこ先生は両手を使えなくても独りでいっぱい愉しめるはず。

「そ、それだったらキッチンのシンクの下のもの入れに、ゆうこがいつも使っている瓶があるのです…」

 ゆうこ先生が嬉し恥ずかしなお顔で教えてくれました。

「なんだー、やっぱり先生はもう経験済みなんですね。いつも使ってるなんておっしゃるってことは、よくやってるんですか?」

「最近はあんまりしていなかったけど、あの瓶を見つけたときは、毎日のようにまたがっていました…」

「そうなんですか。私はえっちなビデオで見たんです。女優さんが自虐オナニーでやってるのを。すっごく気持ち良さそうで、でもその姿がなんだかヘンタイそのものって感じで浅ましくって、ゾクゾクしちゃいました」

「それじゃあ、じっくり見せてもらいますね?ゆうこ先生のヘンタイ瓶オナニー」

 ゆうこ先生の乳首周りを飾っていた洗濯バサミの最後の一つをおもむろにはずし、ゆうこ先生の小さな呻きを背中に聞きながらキッチンへ向かいました。

 告白通りにシンクの下の扉を開けるとすぐに、奇妙な形の空き瓶が目に入りました。
 深緑色のガラス瓶を手に取ってみるとずっしり重く、剥げかかった金ぴかの装飾文字はコニャックと書いてあるみたい。
 厚めのガラスでダルマ型の安定が良い瓶は、ブランデーとかのオシャレなお酒瓶によくある形ですが、数点、普通のお酒瓶と著しく違う点がありました。

 長さ10数センチくらいのボトルのネック部分が普通の瓶みたく垂直ではなくて、20度くらい斜めに曲がって付いていました。
 おまけにネック部分の直径は、飲み口部分が5センチに満たないくらいで普通よりやや太め、ゆるやか末広がりで、瓶の胴に繋がる部分はかなり太くなってました。
 更に、またがって腰を振ったときガタつかないようにでしょう、底部分に嵌めて覆うような鉄板なのか銅板なのか、重たい土台部分まで接着してありました。

「うわー、先生?こんなの挿れちゃうんですかー?」

 自分のアソコにこの傾斜した瓶の先を挿れることを想像しながら、思わず大きな声で聞いてしまいます。

「あ、はいーっ!その角度がゆうこのオマンコに、ピッタリなんですぅうー」

 ゆうこ先生も大きな声で嬉しそうに答えてきました。
 そのずっしり重い瓶の飲み口部分を丁寧に水洗いしてから軽く水気を切って両手に持ち、ゆうこ先生のところへ戻りました。

「直子さま?早くその瓶をしゃぶらせて…しゃぶらせてくださいませ」

 ゆうこ先生が待ちきれないみたいに身を捩じらせて、上半身ごと唇をこちらに突き出してきました。
 左右の乳首から曲線に垂れ下がった鎖がジャラジャラ鳴って、すっかり洗濯バサミの飾りがなくなり、赤い痣だらけの白くて大きなおっぱいがプルプル揺れました。

 ゆうこ先生の口元に瓶の飲み口を持っていくと、ゆうこ先生は長い舌で瓶の側面をベロベロいやらしく舐めた後、大きく口を開けてパックリ、瓶の飲み口部分をかなり深くまで咥え込みました。
 チュパチュパジュルジュル、しばらく隠微な音がお部屋に響きました。

 アイマスクもなくなって、ゆうこ先生のいやらしい表情は全部私に見えていました。
 うっとりしたように目をつぶって、眉間に少しシワを作って、頬を膨らませたりすぼませたりしながら一心不乱に瓶をしゃぶっていました。
 そんなゆうこ先生がたまらなく愛おしくて、同時になぜだか憎たらしくて、持っている瓶をかまわずグイグイゆうこ先生のお口に押し込みたい衝動を抑えるのに大変でした。

「ふはーーっ。ねえ、早くその瓶をゆうこのオマンコの下に置いてください、はやくぅーお願いですぅ、置いてくださいませぇ…」

 ゆうこ先生の膝元にしゃがみ込み、瓶を置こうとしてふっと迷いました。
 どの向きで置こうか?
 斜めに突き出ているボトルネックをどちらに向けたらいいのか…

「瓶の先をゆうこのお尻のほうに向けてくださいぃ」

 頭の上から声が降ってきました。

「その角度が一番気持ちいいんですう、はやくうぅ…」

 ゆうこ先生の悩ましいお声を聞きながら、言われた通りの向きにガラス瓶を置きました。

 立ち上がった私は、ゆうこ先生のからだ全体が見れる位置まで下がって真正面に立ちました。
 膝立ちになったゆうこ先生の無毛な両腿の付け根と瓶の先に、2センチくらいの隙間がありました。

「さあ先生、ご自分でその瓶を咥え込んで、思う存分愉しんでくださいな」

「ああーーっうれしいですぅ」

 ゆうこ先生は、ちょっと腰を後ろに引いて背中も後ろに反らし、後ろ方向に斜めを向いた瓶の先を正面から迎え入れるみたいに腰を浮かせて、オマンコを私のほうに突き出しました。
 真っ白な両腿の間に、濡れてテラテラ光る半開きのピンク色な膣口がハッキリ見えました。
 ゆうこ先生がゆっくりと腰を前方に落としてきます。

「ああんっ!」

 瓶の先がアソコに触れたのでしょう、ゆうこ先生が一声大きく啼きました。
 そのまま徐々に腰が沈んでいき、濃いグリーンのガラス瓶のボトルネックがゆうこ先生の密やかな唇の間に飲み込まれていきました。

 ヌプヌプっていう音さえ聞こえてきそうなほど。
 瓶のネック部分が見えなくなるにつれて、ゆうこ先生のアソコに溜まっていたのであろう粘着質っぽい薄く白濁した液が裂け目から溢れ出してきて、ゆうこ先生の腿や、末広がりになった瓶のガラスをヌメーッと滑り落ちていきました。

 瓶の先っちょがアソコに埋まってからのゆうこ先生は、目をギューッと閉じてお口を半開きにして、すっごく切なそうな表情になっていました。
 やがて、末広がりな瓶のネックがダルマ状の曲線を描く根元までスッポリ、ゆうこ先生の体内に隠れました。

「あぁぁーーーーーーーっ、んはーーーっ!」

 腰を沈めているあいだ中出ていたゆうこ先生の悦びの叫びは、瓶のネックが見えなくなっていくにつれて音程が上がっていきました。

「はああんっ!ひいいいーーーっ!!」

 瓶のネック部分をすっかりご自分のからだに埋め込んだゆうこ先生は、後ろに反らしていた腰を戻してまっすぐになりました。
 それからゆっくりと腰全体を上下し始めます。

 膝立ちのお尻が前後に揺れて、そのたびにゆうこ先生の唇から気持ち良さそうなため息が、フンフン聞こえ始めました。
 もちろん胸元の鎖も、上下に波打って重そうに揺れています。

「ああんっ!んふぅーぅぅ…」
「んーーっ、んんーっっ、くふうーんっ!」
「あ、あっ、あっ、はあーーーっ!!」

 ゆうこ先生の股間と瓶のまあるい肩の間の空間を瓶のネック部分のガラスが、絶え間無く見えたり隠れたりしています。
 ゆうこ先生の腰が激しく上下して、ジュブジュブっていう音まで聞こえてきます。
 ゆうこ先生に向いて傾いた瓶のネックをあんなに激しく上下したら、そのたびに斜めになった飲み口のまあるいガラスが、ゆうこ先生のお腹側の膣壁を激しく上下に擦っているはずです。

「あーー、あたるぅ、あたるのぉー」
「そこ、そこそこそこ、そこーっ!」
「あーいーあーいーあーいーーーっ」

 ゆうこ先生は一心不乱な感じで腰から上を激しく上下させていました。
 ガラス瓶はずっしりしていて安定が良いみたいで、ゆうこ先生の激しい上下運動にも微動だにせず、毛布の上に落ち着いていました。
 
 空だった瓶の中に少しずつ白っぽい液体が溜まっているみたい。
 それはもちろん、ゆうこ先生の…

 ゆうこ先生は、後ろ手がもどかしいのでしょう、わざと胸を激しく揺らして、乳首からぶら下がっている鎖を暴れさせて、おっぱいへの刺激を求めているようでした。
 鎖のジャラジャラ暴れる音と一緒に、ゆうこ先生の豊かなおっぱいがタプンタプンと跳ね上がっては戻り、パチンパチンと鎖をご自分の肌に打ちつける音も聞こえます。
 ゆうこ先生のからだ全体がピンク色に染まり、汗やよだれがしたたり、湯気さえ見えそうでした。

 私は、そんなゆうこ先生の淫らで浅ましいお姿を、その場に立ち尽くして、文字通り固唾を呑んで見つめていました。

 なんていやらしい姿。
 性衝動の塊と化した、サカりっぱなしの獣のようなお姿。

 でも、ゆうこ先生は、そんなになっても綺麗だと思いました。
 エロティックで、セクシーで、官能的で、エレガントで。

 視ているだけでどんどん私のからだも火照ってきていました。
 自分でも気づかないうちに、左手をバスローブの中に突っ込んで、人差し指と中指で自分のびしょ濡れな秘部をまさぐっていました。

「あーっ、あーっ、あーーーっ」
「いくいくいっちゃうぅぅぅぅぅ」

 どんどんエスカレートするゆうこ先生の喘ぎ声。

「あっ、あっ、あっ…」

 そのリズムに同調するように、私の唇からも声が漏れ始めました。
 私の左手の指は、とっくに自分のアソコにもぐりこんでクチュクチュ粘膜を弄っていました。

「ね、ねえ、な、直子さまぁ、鎖を、このくさりをひっぱってー、ひっぱっていじめてぇ」
「もうすぐだから、もうすぐいくから、だからいじめてぇ、いじめておもいっきりー」

 ゆうこ先生のおねだり声に、バスローブの上から胸をまさぐっていた私の右手が止まりました。


ピアノにまつわるエトセトラ 28

2012年1月21日

ピアノにまつわるエトセトラ 26

 パチパチパチパッチーン、カラカラカラカッターンッ!

「いやあぁあぁーーーあーーあーっんんん!」

 洗濯バサミたちが派手に弾け跳び、フローリングの床に次々落下した音とともに、ゆうこ先生の悲痛な叫び声がお部屋に響き渡りました。

 ゆうこ先生の上半身が大きく後ろへのけぞって白い喉元が反り返り、首輪から乳首へとつながった鎖もピンと張りつめるまでに伸びきって、グイ-ンと伸びた乳首が重たそうな乳房もろとも肩先のほうへ痛々しいくらい引っ張られていました。

「んんんーーっはぁはぁ…いったぁいーーぃですぅぅぅ」

 のけぞったままのゆうこ先生が、からだをピクピク痙攣させています。

「でもドマゾな先生は、こういうのがお好みなんでしょう?」

「あぁぁ…はいぃ、はぃぃーーーっ!」

「左側にもまだたくさん、洗濯バサミが残っていますよ?」

「あぁ、はい、はいぃぃ」

「それは、どうしましょうか?そのまんまにしときます?」

「いえ、や、やってくださいぃ、してくださいぃ」

「え?何を?」

「さっきみたいにぃ、さっきみたいにぃ」

 ちっちゃい子が駄々をこねてるみたいなゆうこ先生のおねだり声。

「して欲しいのでしたら、さっさとからだを戻してください。そんなにのけぞっていたら私の手が届きませんもの」

「ううぅぅっ…」

 ゆうこ先生が唸りながら上半身を元に戻し、はあはあ息を荒くしつつアイマスクで遮られた視線を私のほうに向けてきました。
 半開きになった唇の端からはよだれが垂れ、額には深いシワが寄って、なんていやらしいお顔。

 視線を落としていくと、不自然に上向きに吊られている右おっぱいの脇から脇腹を経て腿の付け根あたりまで、うっすらと汗ばんだ白いお肌に桜の花びらを散らしたようなピンク色の痕が点々と出来ていました。

 それらはもちろん、洗濯バサミたちが噛みついていた痕でした。
痛々しくて、そして艶かしくて、私は思わず腕を伸ばし、ゆうこ先生の右脇腹あたりの痕をそっと撫ぜました。

「ああんっ!」

 ゆうこ先生のからだがピクンと震え、すぐに私の手にご自分の肌をなすりつけるように、からだをくねらせて身を寄せてきました。

「あらあら先生、そんなに気持ち良かったのですか?内腿のところ、お膝くらいまでべちょべちょのヌルヌルですよ?」
「これって本当にえっちなおツユだけなんですか?ひょっとしてオシッコも洩らしてません?」

 私の言葉を聞いたゆうこ先生は、膝立ちのお腹ごと下半身を突き出すように、再びからだを軽く反らしました。

「確かめてみてくださいぃ。直子さまのお手で、ゆうこのそこをさわって確かめてみてくださいぃ…」

「いいえ、ダメです。その手にはのりません。先生のビショビショオマンコにはまださわってあげません。さわらなくたって、痛いのだけでイけるのでしょう?だって先生はどうしようもないドマゾなのですから」

 ピンクの噛まれ痕を追って肌に手のひらを滑らせながら、私の右手があと数センチでゆうこ先生の秘部、というところでピタリと止めました。

「さあ、次はこっち側ですね。覚悟はいいですか?」

 ゆうこ先生の下腹部から離れた私の手は、今度は不意を突いて一気に薙ぎ払うことはせず、ゆうこ先生のからだの左半分を飾る洗濯バサミたちの柄に軽く触れて一つづつ揺らしながら、ゆうこ先生の恐怖と期待をいたぶり、もてあそびます。

「あぁ、早く、早くやっちゃってくださいぃ…直子さまぁ、早くぅう…」

 洗濯バサミが揺れるたびに、ゆうこ先生のからだもカタカタ小刻みに震えていました。
 唇をキュッと噛みしめて、いつ訪れるかわからない痛みにそなえています。
 私はゆっくりと腕を上下させて洗濯バサミたちをしばらく揺らしつづけます。

「あぁ…お願いです直子さま、早く、早く一気にやっちゃってくださいぃ」

「うふふ、そうやって震えている先生、すっごくカワイイですよ」

 そんなふうにエス的な焦らし言葉を投げかけていて、ふと思い当たりました。
 こういう科白、いつもオナニーのときに私、心の中で言ってるな、って。
 すると、そこで震えているゆうこ先生のからだが、いつもオナニーのときに鏡に映している自分のからだに思えてきました。

 そうか、私がいつもオナニーしてるときって、知らずにエス役も演じていて、それも込みで気持ち良くなっていたんだな…
 ゆうこ先生の痛々しい噛まれ痕を見てゾクゾクする気持ちって、そういうことなのか。
 私の心の中には虐められたいっていう欲求と同じくらい、虐めたいっていう欲求もあったんだ。
 確かに、こうやって誰かを支配出来るのも、とても気持ちいいものでした。

 視線を自分のからだに落としました。
 私が羽織っているバスローブはとっくにウエストの紐がほどけて前全開でした。
 自分の胸元に目をやると、私の乳首もゆうこ先生に負けず劣らず思いっきり背伸びして尖りきっていました。

 ああ、この硬くなった乳首もギューッとお仕置きしてあげないと…
 その欲求に衝き動かされるように私は、片手でゆうこ先生の洗濯バサミを揺らしつつ、そっと身を屈め、もう片方の手で床に落ちた洗濯バサミをひとつ、拾い上げました。

「ああ、直子さまぁ、早く、早くぅぅ。そんなに焦らされたらゆうこは、ゆうこはぁ…」

 私の考えなんて知る由もないゆうこ先生は、もういてもたってもいられない、といったご様子でからだをクネクネさせ始めました。

「本当にはしたない先生ですね?おねだりのいやらしいダンスですか?」

 言いながら私は、ゆうこ先生の洗濯バサミを揺らす腕もそっと引っ込めました。

「あれ?直子さま?どうしたの?もっともっとゆうこを虐めてくださいぃ」

 私が遠のく気配に気づいたのか、ゆうこ先生が不安げなお声になりました。
 私は、物音をたてないようにそーっとゆうこ先生から離れてしゃがみ込み、床に散らばった洗濯バサミを3つ、拾い上げていました。
 さっき拾ったのもいれて4つの洗濯バサミを、自分が着ているバスローブの袖のところの布地に挟んでぶら下げました。

「直子さま?本当にどうしちゃったのですか?」

 気配が消えてしまった私に、ゆうこ先生はからだを揺らすのをやめて、お顔だけキョロキョロ左右に振っています。
 私は再びそーっとゆうこ先生に近づきました。

さっきと同じ位置まで戻ったと同時に声をかけました。

「せんせっ?」

「あっ!直子さ…」

 ゆうこ先生の動きが一瞬固まり、お返事が終わるか終わらないかの瞬間、ゆうこ先生のからだ左半分にぶら下がった洗濯バサミたちを、右腕を振り下ろして再び一気に薙ぎ払いました。

 パチパチパチパッチーン、カラカラカラカッターンッ!

「うわあぁぁあぁーーーあーーあーっんんん!!」

 再び大げさにのけぞるゆうこ先生のからだ。
 ビクンビクンと何度も震えるゆうこ先生のからだ。

「ああぁぁぁぁーーーーーーーーーーーー…」

 のけぞったまま開きっぱなしとなったゆうこ先生の喉から、切なく長い悲鳴がほとばしりました。

 首輪に強引に引っ張られてひしゃげるおっぱい。
 ガクンガクンと上下に波打つ腰。

 股間の交わりからヌメヌメと溢れ出る白味を帯びたスケベ過ぎる液体。
 そんなゆうこ先生の狂態にゾクゾク感じながら、私は袖にはさんだ洗濯バサミを取って、自分の右乳首を素早く挟みました。

「ああんっ!」

 思わず大きな声が出てしまいましたが、まだのけぞったままアンアン悶えているゆうこ先生の耳には届かなかったはず。

 左乳首と左右脇腹にも一つづつ噛ませました。
 ゆうこ先生ご愛用の洗濯バサミは、私の普段使いのより強い噛まれ心地で挟むたびにジンジン感じて小さく喘いでしまいましたが、イったきりのゆうこ先生には、きっと聞こえなかったでしょう。

 挟み終えて素早くバスローブの前を合わせ、ウエストの紐もきっちり結びました。
 こうしておけば、ゆうこ先生がアイマスクをはずしても、まさか私が自分の乳首を洗濯バサミに噛ませているなんて気がつかないはずです。
 いえ、別に気づかれてもかまわないのですが…なんとなくエス役のあいだは知られたくないと思ったんです。

 からだを動かすと、乳首と脇腹にぶら下げた洗濯バサミがバスローブの裏地に擦れて揺れて、ムズムズチクチクと心地よい痛みを送ってきてくれて、どんどんどんどんからだが疼いてきていました。
 自分のからだに痛みが加わったことで、逆にゆうこ先生に対するサディスティックな気持ちが増大したみたいでした。

「ずいぶん気持ち良かったみたいですね?もう満足ですか?」

 膝立ちのままブリッジするみたいに上体だけ大きくのけぞらしてヒクヒク痙攣しているゆうこ先生のお顔のほうにゆっくりと移動して、見下ろしました。

「あーーんっ、イってしまいましたぁ。ゆうこ、さっきのお仕置きでとても気持ち良くイってしまいましたぁ。それに…それにやっぱりちょっと、オモラシもしちゃったみたいですぅ。ごめんなさい、ごめんなさい直子さま…」

「また無断でイったんですか?まったくもう、どうすればこのえっちなからだが鎮まるんでしょうね?」

 私は乱暴にゆうこ先生の肩を掴んで上半身を起き上がらせ、アイマスクを剥ぎ取りました。

「ほら先生、ご自分のからだを見てください」

 ゆうこ先生の目尻には、両目とも涙が溜まっていました。
 右目には、涙が滑り落ちた跡も。
 あの洗濯バサミ一気に払い落しは、やっぱり相当に痛かったのでしょう。
 でも、ゆうこ先生は、それでイっちゃったんです。

 ゆうこ先生の上半身には、いたるところに洗濯バサミに噛まれた赤い痕が散らばっていました。
 まだからだに残っている洗濯バサミは、左のおっぱいの乳首のまわりに3つ、右に4つ。
 そして、両乳首をはさんでいるクリップ。

 ゆうこ先生の涙を見てしまったせいでしょうか、あらためてゆうこ先生がたまらなく愛おしくなって、チュッと軽くくちづけしてから、頬の涙の跡に舌を這わせました。

「ああぁ、ありがとうございます、直子さま…」

 ゆうこ先生はうっとりと目を閉じて、されるがまま。
 それから、首輪のリングから鎖をはずして、また下へ垂れ下がるように直しました。

「せっかくのキレイなからだに無残な痕をたくさんつけちゃって、こんなことしなくちゃイけないんですか?ヘンタイ先生?」

 気を取り直してエスの気持ちに戻りながら、わざと乱暴に、投げつけるように言いました。
 しばらく自分のからだを見下ろしていたゆうこ先生は、おずおずという感じで顎をゆっくり上げて、潤んだ瞳で私を見つめてきました。

「はい…とても痛かったけれど、すごく気持ち良かったんです…でも、まだドマゾオマンコが疼いていて…」

「ふーん。そうですか。さっきから先生はオマンコ、オマンコってしつこいですね。そんなにそのグショグショな性器を弄ってもらいたいんですか?」

 言いながらゆうこ先生の右乳輪近くを噛んでいた洗濯バサミを不意にはずしました。

「あふんっ!」

 ゆうこ先生がビクンと震えて、おっぱいがプルンと跳ねました。
 洗濯バサミって肌から外すときも、かなりな痛みが走るんです。

「それなら私、先生に実演して見せてもらいたいプレイがあるんですけど。このお部屋に何か空き瓶、ありますか?」

 今度はゆうこ先生の左おっぱいの洗濯バサミを外しながら聞きました。

2012年1月14日

ピアノにまつわるエトセトラ 25

「えーっ!?あぁん、いやあぁんっ!」
 
 突然、視界を塞がれてしまったゆうこ先生が、不安げなお声をあげました。

「うふふ。先生?こうやって目隠しされちゃうと、なんだかすっごくドキドキしてきちゃうでしょう?次にどこに何をされるか、わからないですものね?」

 ゆうこ先生の耳元に口許を近づけてささやくように言いながら、左手でゆうこ先生の背中を背骨の線に沿ってスーッと撫ぜました。

「あーんっ!ぅふーんっ」

 このシチュエーションは、私がもっともされてみたいことのひとつでした。
 ひとりえっちでは絶対に叶わない、パートナーがいなければ出来ないプレイ。
 あの夏の日に、やよい先生の前で失禁するほど感じてしまった目隠しイヤリングプレイの強烈な快感を私はずっと忘れられずにいました。

「それにしても先生の肌、本当にキレイですねー。真っ白でスベスベ」

 ゆうこ先生の背中にまわした手のひらを腋の下のほうへコチョコチョとくすぐるように滑らせながら、やがて右のおっぱいの下まで移動させました。

「本当にキレイなおっぱい。乳首は上向きなのに下おっぱいの丸みがポッテリしていて…」

 おっぱいの下から持ち上げるみたいに手のひらで包み、やんわりとモミモミ。

「んふぅーっ」

 ゆうこ先生の淫らなお声。
 揉んでる私も、フワフワムニュムニュのやわらかい感触がすっごく気持ちいいー。
 揉んでお肉が歪むたびに、突き出ている乳首が別の生き物のようにうねうねと身をよじらせています。

「でも先生は、このキレイなからだを乱暴に扱って欲しいのですよね?たとえばこんなふうに」

 告げると同時に、左手では右おっぱいをやんわりと揉みしだきながら右手で左おっぱいの乳首をギューッとつまみ、キュッと強くひねり上げました。

「あっつぅ!いったぁいっいっ、うっう~~~んっ!」

 ひときわ大きなゆうこ先生の嬌声がお部屋に響いて、私の指から逃げるように、ゆうこ先生の上半身が弓なりに大きく後ろへ反りました。
 それに伴って腰が浮き上がり、両膝もいっそう大きく広がって、パックリとお口を開けた無防備なアソコを私に突き出してくるような姿勢になりました。

「だめですよ先生、そんなにオマンコを私のほうに突き出してきても、まだまだそこは虐めてあげませんよ?」
「まずは先生のお好きな洗濯バサミで、このキレイなからだを惨めに飾って差し上げますから」

 毛布の上に散らばっているステンレス製の洗濯バサミを拾い、ゆうこ先生の右脇腹の皮膚を無造作につまみました。

「はい、一個目」

「はあんっ!」

 ゆうこ先生の口許がへの字に歪み、色っぽ過ぎるため息が洩れました。

「すごい数の洗濯バサミですね?これ全部つけても大丈夫なのですか?」

「ああんっ!は、はいぃ、ゆうこは痛いのが気持ちいいんですぅ、たくさんつけてくださいませぃ」

 脇腹や腋の下、お腹、そしておっぱいを次々に挟んでいきました。
 ゆうこ先生は、洗濯バサミがひとつ、肌にぶら下がるたびに、あんあん、って切ない喘ぎ声をあげて身悶えていました。
 毛布の上の洗濯バサミがあらかたなくなったとき、ゆうこ先生の上半身は洗濯バサミだらけになっていました。

「うわー。すごい姿になっちゃいましたねー」

 全部で30個くらい?
 ゆうこ先生の上半身のいたるところで銀色の洗濯バサミがユラユラ揺れていました。
 左右のおっぱいは、わざと乳首だけは挟まず、乳首をまあるく囲むようにそれぞれ5つの洗濯バサミで飾りました。

「ほらー、こうすると気持ちいいのでしょう?」

 ゆうこ先生の肌にぶら下がっている洗濯バサミの柄の部分だけに触れるように両手のひらを上下して、たくさんの洗濯バサミを盛大に揺らして差し上げました。

「むううっ!んうふぅーんっ…」

 ゆうこ先生がクネクネからだをよじらせて身悶えます。
 アイマスクの上の狭い額に深いシワが寄って、お口が真一文字になって、すっごく淫らな、でも美しいお顔。

「でも、これだけではまだ不満足ですよね?だって一番いやらしいところが、まだ虐められていないのですもの」

 自分にも言い聞かせるように言いながら、ゆうこ先生の尖りきった右乳首を指先でピンッと強く弾きました。

「あっ!だめっ!」

 乳首を弾かれた途端に、ゆうこ先生が小声で呻き、からだがピクンと硬直しました。

「あー、先生、ダメですよー。また小さくイっちゃったんでしょう?ちゃんと私の許可を取ってくださいねー。もうイっちゃだめですよ?がまんしてください」

 そうご命令しつつ、今度は左乳首をピンッ。

「うふんっ!」

 ゆうこ先生のからだが再びピクンって硬直し、股間から内腿へヌメリと透明な液体が滑り落ちました。

「すっごく敏感になっちゃっていますねー、先生?」

「あーん、早く、早くここにも痛いのをくださいぃ」

「ここって、どこですか?」

「ゆうこのいやらしい乳首ですぅ。いやらしく勃起している乳首を早く虐めてくださいぃ」

 ゆうこ先生が胸を突き出しておねだりしてきました。

「やれやれ、本当にえっちでヘンタイな先生ですねえ。この鎖付きのやつがいいんですか?」

「はい。それで挟んで、ゆうこの乳首がちぎれちゃうくらい引っ張ってやってくださいぃ」

 細いけれどけっこう重たい鎖で繋がれた乳首クリップで、まず右の乳首を挟みました。

「あああーーっ!」

 ゆうこ先生がひときわ高く呻きました。
 クリップの挟む力はかなりきつめで、指でつまんだゆうこ先生の乳首は硬くて熱くて、私はゆうこ先生が感じているであろうその痛みを想像して、ゾクゾク感じてしまいます。

 左の乳首にも取り付けた後、左手で支えていた鎖の束を手放しました。
 重力に引っ張られ、二つの乳首を支点にして鎖が下向きの半円状に、重たそうに垂れ下がりました。
 鎖の重みで乳首もお辞儀をするように下向きに引っ張られます。

「ああんーーーぅぅぅっんんんんー」

 ゆうこ先生は、唇を一直線にして歯を食いしばって痛みに耐えているみたいでした。

「どうですか先生?かなり痛いんじゃないですか?」

「あああ、い、いたいですうぅ、けどぉ、ゆうこはこれが、大好きなんですぅ…」

「そうですか。それならもっともっとサービスしてあげましょう」

 私は、垂れ下がった鎖に手を添えて重力を消し、ゆうこ先生の乳首の位置まで鎖を戻してあげました。
 引っ張られていた乳首への張力も失われて元に戻り、ゆうこ先生のお顔も少し緩みました。

 間髪を入れず、鎖から手を離しました。
 ジャラッ。

「あああんんんんーーっううううっ」

 鎖が勢い良く落下して、再び乳首がグイッと引っ張られました。
 ゆうこ先生の眉間にも、再び深いシワが戻りました。

 鎖を持ち上げては離しを何度も何度もくりかえしました。
 そのたびにゆうこ先生の乳首は引っ張られては緩み、眉間のシワが現れては消え、ゆうこ先生のからだ全体がどんどんピンク色に汗ばんでいきました。
 そんなゆうこ先生の変化を見ながら、ゾクゾクコーフンして、どんどんサディスティックな気分になっていきました。

「先生の乳首も下に引っ張られるばっかりじゃ可哀想ですよね?引っ張られて垂れ下がってばかりじゃ、先生のかっこいいおっぱいの形も崩れちゃいそうだし」
「今度は上に持ち上げてあげましょう、バストアップ大作戦です」

 ふと思いついたアイデアを実行してみることにしました。
 垂れ下がっていた鎖を浮かせて胸の位置まで戻しました。

「先生、ちょっと前屈みになってうつむいてもらえますか?」

 ゆうこ先生が素直に従われ、言われた通りの姿になったので、私は鎖の中央部分を一つに束ねて、ゆうこ先生が着けているワンちゃんの赤い首輪の前部分に付いているリングにくぐらせました。
 乳首とリングを結ぶ鎖が少しだけたわんだ形になるように調節してから、余った鎖を束ねてリングに結び付けました。

「はい。先生、いいですよ。姿勢を直してください」

 ゆうこ先生がゆっくりと前傾姿勢を直していくにつれて、首輪のリングにつながれて左右に分かれた鎖がそれぞれピンと張っていき、クリップがつまんでいる乳首もそれぞれググーッと上に引っ張られてきました。

「あああーーーっ、いやーーっぁぁっっ!」

 叫ばれている内容とは裏腹な、ゆうこ先生のいやらしくも嬉しそうなお声。

 ゆうこ先生がすっかり上体を起こしたときには、鎖がこれ以上ないほどピーンと張りつめてクリップの先の乳首を引っ張り、おっぱい全体が上向きに吊り上げられた格好になっていました。

「ああん、直子さまのいじわるぅ~」

 まっすぐ前向きになると、けっこう痛いのでしょう、ゆうこ先生はお顔を上げようとしてはうつむきをくりかえして、うーうー身悶えています。
 そのたびに左右の乳首が、今度は上向きに伸びたり縮んだり。

「ほら、これなら先生がいやらしく身悶えるたびに、乳首がグングン引っ張られて、痛いの大好きマゾな先生にうってつけでしょう?」

 ゆうこ先生の腋の下をコチョコチョくすぐってみると、ゆうこ先生が身をよじって後ろ向きにのけぞり、鎖に繋がった乳首からおっぱい全体がありえないほどグイーッと上向きにひっぱられました。

「ああああー、乳首がぁ、乳首がちぎれちゃうぅぅぅぅ」

 ゆうこ先生は立て膝のまま上半身だけをクネクネよじって、私のくすぐりの魔の手から逃れようとしています。
 屈んだりのけぞったりするたびに、たわわなおっぱいが乳首を支点にタプタプユサユサと暴れまわっていました。

「ねえ先生、これだけ乳首が上に引っ張られてたら、お口を開けて舌を伸ばせば、ご自分の乳首、舐められるんじゃないですか?」

 私が冗談ぽく言うと、ゆうこ先生は早速お口を開けて舌を思いっきり突き出し、ご自分の乳首を舐めようとし始めました。
 でも、乳首を舐めようとうつむくと、おっぱいを吊り上げる張力も弱まってしまい乳首が上のほうに来なくて、うまく届かないようでした。
 それでもしばらくの間、ゆうこ先生はトライされていました。

 美しいお顔を歪ませて、大きくお口を開けてよだれが垂れるのもかまわず、舌をレロレロさせているゆうこ先生。
 その、なんと言うか、ヘンタイさん丸出しなドすけべで浅ましくも淫らなお姿を見ていたら、私の虐めたいメーターもグングン上がっていきました。

「くすぐるだけじゃ、刺激が足りないですか?だったらこんなのはどうでしょう?」

 サディスティックな気分に酔い痴れている私に、躊躇はありませんでした。
 ゆうこ先生の右脇腹にランダムに6個くらいぶら下がっている洗濯バサミの一番上の一つに、右手の人差し指を軽くあてがいます。
 そのまま右腕全体を一気に下へと振り下ろし、洗濯バサミの群れを勢い良く薙ぎ払いました。


ピアノにまつわるエトセトラ 26

2012年1月7日

ピアノにまつわるエトセトラ 24

バッチーン!

「ああーんっ!」

ビッターンッ!

「ううふーーんっ!」
「先生!そんなに嬉しがってばかりじゃダメじゃないですか?ちゃんと言われた通りに言ってください、先生の浅ましい本心を」

バッチーン!

「ああぁ、はいぃ、ゆ、ゆうこのオマンコ、視てくださいぃーーっ!」

パチーン!

「うううっ!ゆうこのいやらしいオマンコ、もっともっともっとよーく視てーっ!」

バッチーンッ!

「もっと、もっと強くぶってくださいっー!淫らなおツユがしたったってるわたしのオマンコ、奥まで覗いてくだいーっ!」

 毛布に押し付けたゆうこ先生の唇から放たれる、くぐもったいやらしい心の叫び。

 ゆうこ先生の真っ白なお尻がみるみるピンク色に染まっていきました。
 ぶたれるたびに、ゆうこ先生は身をよじらせて、それでもアソコを拡げている両手だけは離さず、いやらしい願望を大声で口走っていました。

 叩いているうちに、私もどんどんコーフンしてきて、ピンク色の粘膜をひくつかせながらダラダラよだれを垂らすゆうこ先生のオマンコ同様に、私のオマンコからもおツユがジュルジュル滲み出ていました。

 途中までは数を数えていたのですが、コーフンしてわからなくなり、私の好きなだけ叩きました。
 30発くらい?
 ゆうこ先生のお尻はまっかっか。
 私の右手のひらもヒリヒリビンビンしていました。

 ゆうこ先生はお尻を叩かれただけでも小さくイってしまわれたようで、途中、ビクンビクンって小さく全身が痙攣されていました。

「ハアハアハア…先生?ぶたれてるときにイっちゃいましたよね?イクのは私の許可をとってからじゃなきゃダメじゃないですか?」

「ハアハアハア…ごめんなさい…直子さまのお仕置きがあんまりに気持ち良かったんですぅ…」

 オマンコを拡げている両手はまだ離さず、毛布に押し付けているお顔を捻じるようにこちらに向けて、ゆうこ先生が応えました。
 両方の内腿に、かたつむりが這ったようなテラテラ光る筋が幾本も走っています。

 ゆうこ先生はオシッコをがまんしてるときみたいな情けない苦悶の表情で私を見つめてきます。
 イった満足感と、でもまだまだ欲求不満っていうおねだり感が入り混じっているような、どすけべ丸出しなお顔でした。

「しばらくそのままの格好でいてください」

 言い残して私は、キッチンに向かいました。
 自分の手もヒリヒリしていましたが、ゆうこ先生のお尻は、見ただけでもすごく熱そうに全体が赤く腫れ上がって痛々しい感じでした。
 もともとのお肌がまっ白いからなおさら。
 なので、いったん濡れタオルで冷やして差し上げようと思ったんです。

 水道のお水を出しっぱなしにして自分の手を冷やした後、手近にあったタオルを濡らして絞り、ゆうこ先生のもとに戻りました。
 その途中で、さっきゆうこ先生が向こうのお部屋から持ってきた小さな紙袋が、椅子の上に置いてあるのが目に入りました。

 たぶん、と思いながら中を覗くとやっぱり、私にも身に覚えがある、洗濯バサミを筆頭としたえっちなことに使えそうなお道具や器具が乱雑にぎっしり入っていました。
 私はその紙袋を片手に持ち、もう片方の手で濡れタオルをゆうこ先生のまだ突き上げているお尻にピタッとあてがいました。

「あああーーーっ!冷たくて気持ちいいですぅぅ」

 ゆうこ先生が心底気持ちよさそうなお声を出して身をよじらせ、やっとアソコから両手を離して毛布につきました。

「この袋の中にえっちっぽいお道具がたくさん入っていますね?」

 私は、袋の中に手を入れて、どんなものが入っているのか確認しつつ、ゆうこ先生にお尋ねしました。

「あ、は、はいぃ…」

「こういうものを使って、私に辱めて欲しいのですね?」

「は、はい、そうです…」

「わかりました。もう四つん這いはいいですから、毛布の上に座ってください。両手は頭の後ろです」

「…はい…」

 ゆうこ先生がゆっくりとからだを起こされ、私の真正面に正座してから、両手を組んで頭の後ろにまわしました。
 胸が張られ、ゆうこ先生のたわわなおっぱいがわたしのほうへこれみよがしに突き出されます。

 相変わらずビンビン、精一杯尖っている大きく充血した2つの乳首。
 ああ、早くこのえっちな乳首を洗濯バサミでギュッと挟んで、ゆうこ先生の痛みに歪むお顔が見たい…

 私の心の中にサディスティックな欲望とマゾヒスティックな期待感とがないまぜになって溢れていました。
 ゆうこ先生が感じるであろう痛みに私の体も共鳴して、キュンって快感が下半身から全身をつらぬきました。
 ゆうこ先生はじーっとそんな私をうらめしげに見つめていて、その表情にはいやらしい期待を孕む淫らなおねだりの哀願が浮かんでいました。

「この短い鎖で繋がっているのは手枷とかですよね?それに洗濯バサミがこんなにたくさん…あ、これは何だろう?」

 ゆうこ先生が座っている目の前の毛布に袋の中身をぶちまけて、ひとつひとつ手に取りながら使い方を質問しました。
 ゆうこ先生は恥ずかしそうに、でもそれ以上にすっごく嬉しそうに、使い方を教えてくださいました。

「わかりました。それで先生は、こういうお道具を使って、ご自分でオナニーしているのを私に視られるのと、私がゆうこ先生を動けなくしていろいろ虐めるのと、どちらがいいですか?」

「ゆうこは、直子さまに虐められたいです。ゆうこは、どんなに痛くされてもがまん出来ます。みじめな格好で直子さまにされるがままになりたいんです…」

 ゆうこ先生が待ちきれないみたいに上半身を乗り出してこられ、上目遣いで私に訴えかけてきました。

「そうですか。それならお望み通りそうしてあげましょう」

 数分後、私の目の前に両手足の自由を奪われたゆうこ先生の美しい肉体が艶かしくも無防備に転がされていました。
 正座の格好から立て膝にさせて両腕を後ろにまわし、右手首を右足首に、左手首を左足首に、長さ10センチに満たないくらいの短い鎖で繋がった黒い革の拘束具で繋いだ格好。

 いかにしなやかなゆうこ先生のからだと言っても、立て膝のままでは後ろにまわした手首が足首にまでは届きません。
 必然的に腰を落とすことになり、それにつれて両膝が左右に大きく開きます。

 腰砕けで毛布にへたり込んだような格好だったゆうこ先生は、やがて両腕がいっぱいに伸びきるくらいまで腰を浮かせてから、上半身を少し反らし気味にしておっぱいを私のほうへ突き出し、期待に満ちた瞳を私に投げかけてきました。
 ご自分の意志で左右それぞれ、足首を掴んでいるようです。

 腰を浮かせた分、両腿の交わり部分と毛布に20センチくらいの空間が出来ていました。
 正面からは割れ始めまでしか見えませんが、おそらくパックリと開いているであろう濡れそぼったオマンコから、ポタポタえっちな蜜をじかに毛布へ垂れ滴らせていました。

「面白そうなものをたくさんお持ちなんですね?先生。これはワンちゃんの首輪ですよ
ね?」

 赤い革の無骨な首輪をゆうこ先生の目の前で振ってみせます。

「はい…それを着けられると、ゆうこは完全にそれを着けてくれた人の奴隷になります。もう絶対にその人には逆らえなくなります」

「そうなんですか?それなら、私が着けて差し上げましょう」

 ゆうこ先生の背後にまわり、ベルト式の首輪を着けてあげました。
 華奢なゆうこ先生の首なので、一番きつい位置まで絞っても首周りに2、3センチくらいの余裕があるようです。

「うわー、すっごくヘンタイさんらしくなりましたねー。本当はもっときつーく嵌めてもらいたいのでしょう?」

「はい、でもゆうこの首は細いから…」

 首輪の正面にあたるところには、鎖をひっかけるためでしょう、直径3センチくらいの金属リングがぶら下がっていました。

「それにこれ。私、えっちなビデオとかでなら見たことありましたが、本当に持っている人がこんなに身近にいたなんて、思っても見ませんでした」

 それは、よく欧米のSM画像とかで見る、鎖で繋がった乳首クリップでした。
 細いけれどけっこう重い長さ50センチくらいの鎖の両端に金属製のクリップ挟みが二つ。
 クリップが挟む力もかなりきつめでした。
 今の私では無理そうなくらい…

「先生は、こういうのをおっぱいにぶら下げるのがお好きなんですね?私だったら我慢できないかもです」

 それを着けられる自分を想像して、着けてみたいような怖いようなとゾクゾクしながら手の中で弄びました。

 バイブレーターも二つほどありましたが、ツルンとした金属製なロケット型のやつと、長いスティックの先に大きめなローターの付いた、これまた欧米的なグッズだったので、ホッとしていました。
 男性器っぽい形のオモチャが出てきたらどうしよう?って内心ドキドキしていたんです。

「こういうものは、いったいどこで手に入れるんですか?」

「あ、はい…通信販売とか…あと、東京に行ったときには、直接お店に行くこともあります。行きつけのお店があって…」

「へー。恥ずかしくないのですか?お店の人って、たいがい男の人なんでしょう?」

「ううん、そのお店は女性のために女性がやっているお店なの。それにわたしは、同性の前でこそ、恥ずかしいことをして蔑まされたいのだもの」

「そうでしたね。今日は私がとことんまで蔑んで差し上げましょう」
「本当に先生のからだに、どんなことをしてもかまわないんですね?」

「は、はい。ここにあるお道具なら、どれを使われてもゆうこはがまんできます。ゆうこは悦びます。お好きに虐めてください」
「ぶってもつねってもひっかいても、どこに何を突っ込まれても文句は決して言いませんから。直子さま、ゆうこをめちゃくちゃにしてください。気持ち良くしてくださいぃ」

 ビクンッ!
 ゆうこ先生の、めちゃくちゃにしてください、っていう科白が、再び私の下半身を直撃しました。

 それこそ、私がいつもオナニーのときに熱望していることでした。
 先生の気持ちがすっごくよくわかりました。
 よーし、がんばって先生を気持ち良くして差し上げよう。

「それでは、始めますよ?」

 そう宣告してから私はまず、ゆうこ先生の視界を奪うべく、お顔にアイマスクを装着しました。


ピアノにまつわるエトセトラ 25