2024年2月25日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 20

 サンダルを脱いでバスルームに入ると、少し薄暗いのでまず電気を点けました。
 予想以上の明るさに包まれるガラス張りの浴室。

 リードを外し、それから首輪も外して正真正銘の全裸になります。
 脱衣籠の中にはベージュのボディタオルと真っ白なバスタオルが用意されています。
 首輪に繋がっていたリードとボディタオルを手に浴室へ。

 ぬるま湯に調整してからシャワーのコックをひねり、まずは首から下に強い水滴を浴びます。
 気持ちいい…
 しばらくそうした後リードを手にし、リードに染み付いていた私の恥ずかしい粘液を丁寧に洗い流します。

 お道具を綺麗に洗って濡れないところに干した後、ボディソープでからだを本格的に洗い始めます。
 少し迷ったのですが、汗で髪がベタついていることもありシャンプーもしちゃうことにしました。

 それにしてもこのバスルーム。
 温かいお湯を出すと束の間、ガラスが全体に曇るのですが、すぐに透明な素通しガラスに戻っちゃうんです。
 どういう仕組みなのかはわかりませんが…

 けっこう暗くなったお外に明る過ぎるバスルーム、そして曇り一つ無いガラス張り…
 お外から私の全裸での一挙手一投足が文字通り赤裸々に視えていることでしょう。
 私のほうからもバーベキューのご準備をする皆さまのお姿がいくつかのカンテラに照らされて幻想的に視えていました。

 10分くらいかけて全身を念入りに洗い、最後に冷水を浴びてサッパリしてから脱衣所に戻ります。
 からだを丁寧に拭いつつ姿見で全身を確認すると、二日前にはクッキリ残っていた乳首周りや陰部の恥ずかしすぎる日焼け跡がだいぶ小麦色に同化していました。
 ただし、常時首輪を着けていた首周り部分だけは、逆により白くクッキリ目立つようになってしまっていました。

 まるで首輪していなくても白い首輪を嵌めているみたい…
 これだと東京に戻っても肌の日焼けが引くまで当分のあいだ、首輪やチョーカーを外せないな…
 街中を首輪姿で歩く自分を想像してゾクゾクっと感じてしまいます。

 髪を拭いながらお外に目を向けると、遠くカンテラの灯りの下で数名の人影がまだ行ったり来たりしているみたい。
 時間に余裕があると判断した私は、脱衣所に設えられたチェストの抽斗のひとつに手を伸ばします。
 そこにあることは知っているけれど、今朝は時間に追われて使えなかったドライヤーとヘアブラシ。

 手早く髪を整え、同じ抽斗に入っていたファンデーションと日焼け止めを軽く塗って首輪を着け、どうせすぐに剥ぎ取られてしまうだろうなと思いつつバスタオルをからだに巻きつけてバスルームの灯りを落とし、サンダルを履いて小屋を出ます。
 時計的なものを持っていないので正確なことはわかりませんが、そろそろ午後七時になろうとしているであろうお外はいい感じに黄昏れています。
 バスタオル一枚でちょうどいいくらいにそよ風の吹く心地よい夕暮れ。

 そんな中でお姉さまたちが準備されているバーベキューパーティの一帯だけが一際明るく輝いています。
 カンテラの灯りだけではなくて、スポットライトみたいなのもいくつか配置されているみたい。
 パソコンか何かも持ち込んでいるのでしょうか、ムーディなピアノトリオのジャズ演奏がうっすらたなびく中、薄暗い芝生を進んで近づいていくと、その全容が見えてきました。

 ほぼ中央にパンやオードブルを乗せた大きめなテーブルが置かれ、その脇にバーベキューコンロが2台。
 その周辺に食材を乗せた銀色の配膳カート数台、飲み物を冷やすクーラーボックスとアイスペールを乗せた小さめのテーブル。
 ディレクターズチェアーと呼ぶのでしょうか、背もたれとアームレストの付いた木製の椅子が六脚、その周りを囲んでいます。

 私が着いたときにはみなさま立ったまま中村さまが持たれた深緑色のボトルから、それぞれのプラスティックコップに何やら黄金色の飲み物を注がれておられる最中でした。
 バーベキューコンロからはもうすでにお肉が焼けるいい匂いが漂っています。

 それにみなさま揃って、色艶やかな浴衣をお召しになっています。
 お姉さまは温泉旅荘でいただいた紫寄りの青い浴衣、中村さまは黒地に赤い花柄のシックな浴衣、五十嵐さまは中村さまと色違いで黄色地にピンクの花柄の可愛らしい浴衣。
 そして角田さまはお姉さまが貸し出されたのでしょう、私がいただいたはずの水色の浴衣を召されていらっしゃいました。
 そんなみなさまにまとわりつくようにジョセフィーヌさまも、尻尾を興奮気味にブンブン振り回しながらウロウロしています。

「ああ来た来たー、ナイスタイミング。そろそろ始めようとしてたとこ」

 五十嵐さまが元気なお声で私にプラコップを渡してくださいました。
 すかさず中村さまがシュワシュワの液体を注いでくださいます。
 みなさまが中村さまの周りに集まられました。

「直子も来たことだし、まずカンパイしましょう。うちの秘蔵のシャンパン出してきちゃった」

 中村さまがプラコップを持った右手を高く掲げます。
 いつの間にか私の隣に来られていたお姉さま。

「ほら、いつまでこんなもの巻いて出し惜しみしているの?」

 おっしゃるなりコップを持っていないほうのお姉さまの左手が一閃。
 ハラリとバスタオルが剥ぎ取られました。

「それじゃあ今日はみんなお疲れー、明日も存分に愉しみましょう!カンパーイッ!!」

 同時に乾杯の音頭を取られる中村さま。
 いやん、と声をあげる暇も無く、艶やかな浴衣姿のみなさまの中ひとり、首輪ひとつの全裸で右手を弱々しく掲げる私。
 でも、いただいたシャンパンは凄く美味しくて、ゴクゴク飲み干してしまいました。
 すかさず五十嵐さまが冷えた赤ワインを注ぎ足してくださいます。

 バーベキューコンロを采配してくださるのは中村さまとお姉さま。
 片手に大きめのトング、もう一方の手にはお酒のコップを持たれて時々呑みながら、美味しく焼けた頃合いを見計らって私たちの紙皿に取り分けてくださいます。

 牛肉も焼き鳥も、海老もウインナーも、串に刺したお野菜類もエリンギも、みんな美味しい。
 とくに牛肉は良いお肉みたいでご用意されていたタレを付けて食べると、口の中で蕩けるように旨味が広がり、普段お肉はあまり食べない私でもパクパクいけちゃいます。
 お酒のコップが空くとすかさずどなたかが何かしらのお酒を注ぎ足してくださいます。
 ジョセフィーヌさまも生肉やお芋などのおこぼれを貰ってご満悦なご様子。

 辺りがだんだん暗くなって来て、それにともない、まばゆく輝くカンテラには羽虫さんたちが徐々に集まってきていますが、防虫効果があるらしく時々パチパチ音がして虫さんたちの亡骸が落下しています。
 
 宴の話題の中心は、この二日間で私がしでかした破廉恥な痴態のあれこれ。
 あのときこうだったよねと、どなたかがおっしゃると私に視線が集まり、何か質問やからかいがあって私がモゴモゴとお答えするというくりかえし。
 
 そのうちにお姉さまが会社での私のマゾペット振りをご披露し始めた頃、私の素足にまとわりつかれていていたジョセフィーヌさまが急にタッタッタッと表玄関のほうへ駆け出されました。

「でもさ、やっぱ第三者の目が無いと盛り上がんないし、直子もつまんないでしょう?」

 五十嵐さまからの唐突なご質問。
 だいぶお酒が進んでらっしゃるご様子で、呂律がちょっと怪しい感じ。
 ニヤニヤ笑いで私を睨めつけながらつづけられます。

「…らってもうほら、うちらの前じゃあもう、へーきでおっぱい丸出しーの、パイパンオマンコおっぴろげーじゃん」

「いえ、あの、そんなことは…」

 お話の脈絡がわからないので一応当たり障りのないお返事を、と口に出したとき…

「あー、おかえりー。もう先にやっちゃってるからさー、って、なにーその格好、超エロいぃー」

 急に満面の笑顔になられた五十嵐さまが私の背後に向けて明るいお声を掛け、途中から更にそのお声が嬉しそうに弾みました。
 私も急いで振り返ると…寺田さまでした。

 名塚先生の送り迎えでご帰還されたのでしょう。
 片手に大きめな紙袋を提げられ足元にはジョセフィーヌさまがまとわりつかれています。
 思わず息を呑む私。
 問題は、そのご格好でした。

 私が旅荘でいただいたふたつめの浴衣を召されています。
 裾が私の股の付け根までしかないハッピのような水色の浴衣。
 私が着て股の付け根スレスレでしたから身長のお高い寺田さまがお召しになると付け根を数センチ上回る着丈となってしまっています。

 そしてその付け根部分から扇情的に覗いている赤い布片はおふんどし。
 それも旅荘でのご宴会前にご用意くださったシルクのやつのようで、それが証拠に両おみ足のあいだに見える赤い前垂れ部分がずいぶん短かくて薄い。
 それを私よりも背が高くてナイスプロポーションの寺田さまが、おそらく素肌に直にお召しになられていて、大きく開いた胸元から形の良いバストが今にも零れ落ちそうですし、バストトップの位置も丸わかりで見事に尖立しています。

「締めにみんなでやろうと思って花火買ってきた。あと口さみしいとき用の乾き物」

 ご自分のずいぶんキワドイお姿に照れもせず、艶やかに笑われる寺田さま。
 テーブルに紙袋を置かれました。

「宴会は浴衣縛りってメール貰ってたからさ。あなたたちが広間に散らかしていた浴衣を見繕ってたらこれ発見して、なんかエロいなと思って着てみたんだけど、これ、うちのじゃないわよね?」

 ニコニコ顔の寺田さまのお問いかけにお応えされたのはお姉さま。

「ここに来る前に寄った温泉宿で直子がもらったのよ。直子が着るとただのスケベな露出狂だったけれど、寺ちゃんだとずいぶんとセクシーになるのね」

「ありがと。でもこんな浴衣プレゼントしてくれるなんて、さばけた温泉宿なのね。さてはそこでも直ちゃんに裸同然の格好させていろいろえげつないことさせたんでしょう?」

 みなさま一同がアハハとお笑いになられ、寺田さまは中村さまのお隣の椅子に落ち着かれました。
 いらっしゃることを見越して取っておいたのであろうお肉や食材をお姉さまが焼き始めます。
 そこで一転、笑顔を引っ込められた寺田さま。

「もう、今日のインタビュアー最悪でさ、若い女の記者だったんだけど全然勉強して無くて、先生のこと殆ど知らなくて先生もどんどんご機嫌ナナメになっちゃうし」

 とりあえずもう一度カンパイしてから、自然と寺田さまのお話を聞くモードに入りました。
 寺田さまは注がれるままに、急ピッチでお酒のコップを飲み干しています。
 私は寺田さまの色っぽいお姿にドキドキですし、寺田さまもときどきチラチラと全裸の私に視線をくださいます。

「先生もさすがに疲れたみたいで、今夜は早くに寝むって。お庭で宴会してますよって言ったんだけど、じゃあ二階の洋間の寝室で寝るからって」
「なんかムシャクシャするから、今夜は思い切り弾けちゃおうと思ってさ。こんな格好になってみた」
「そっちの彼女は…ああ、イガっちのツレアイのツノちゃんか。相変わらず可愛いね。今夜は楽しんでってね」

 出されたお料理をパクパク食べつつお酒をグイグイ飲み干される寺田さま。
 やがて再び話題が、今日の私のショッピングモールでの痴態に戻ります。
 今度は寺田さまから集中的にご質問され、私が顔を真っ赤に染めてお答えします。

「…恥ずかしかったです…三回くらいイキました…視られていたと思います…おっぱいを揉まれました…気持ち良かったです…」

 気がつくとお空はすっかり暗くなり、見上げると東京では信じられないほどの星々が夜空を埋めていました。
 私もいつになくたくさんお酒をいただいたせいか、星空に吸い込まれちゃいそうなくらいホワホワ気持ち良くなっています。
 
 お料理はあらかた食べ終わり、みなさまお酒のコップ片手に話題も途切れがちになった頃。
 五十嵐さまが突然また、私に絡んでこられました。

「だーかーら、直子には他人の、身内じゃない第三者の目がないとだめなんだって」

 お隣に座っている角田さまに訴えているような、対面にいる私やみなさまに聞こえるようにおっしゃっているのか。
 かなり酔われて大きなお声になっているので、みなさまのご興味が五十嵐さまに自然と向きました。

「今だって直子だけ素っ裸でいるのに直子は恥ずかしがってもいないし、うちらも全然気にしちゃないじゃない。まあ、うちらが慣れて飽きちゃったってのもあるけど」

 そう言えばこの宴会中、どなたも裸の私に物理的なちょっかいを出してくるかたはいらっしゃいませんでした。
 お言葉ではいろいろイジられましたけれど。

「それじゃあ直子はつまんないの。見慣れちゃったうちらに裸視られてもコーフンできないし、おっぱい乳首だって全然勃ってないじゃない」

 いいえ、五十嵐さまからお言葉責めされて、乳首に血液がだんだん集まってきているのは感じています。

「だからうちらはもっと直子を虐めてあげるべき、辱めてあげるべきなの。それがマゾ女の悲しい性なんだから」

 五十嵐さまが立ち上がられ、私の正面までフラフラといらっしゃいました。
 すっかりマゾモードに染まった私も立ち上がり、両手を後頭部に押し付けます。

「そうよね直子?虐められたいよね?恥ずかしい姿をみんなに視られたいよね?もっとみじめになりたいよね?」

 イジワルそうなまなざしで息がかかるほどお顔を近づけられて念押しされる五十嵐さま。
 事実、凄くアルコールの香る吐息が私の鼻孔をくすぐります。

「は、はい…虐められたいです…蔑まされたいです…マ、マゾですから…」

 五十嵐さまの今までで一番のエスっぷりに気圧される形でグングンとマゾ度が上がっていく私。
 すでに乳首はビンビン、膣内も激しく潤んでいます。

「だったらアレやって欲しいな。花火があるんだよね。うち、一度この目で視てみたかったんだ」

 五十嵐さまが不穏なことをおっしゃり、クーラーボックスが乗っているテーブルを指さされました。
 
「あのテーブルの上で四つん這いになりなさい」

 角田さまの手でクーラーボックス類が片付けられ、寺田さまたちが愉しげに花火を物色し始めます。
 
「…はい」

 降って湧いたような急展開に私のマゾ度は限界超え。
 おずおずとテーブルに向かいお尻からテーブルの上に。

 そのテーブルの大きさは学校にある一般的な教卓くらい。
 四つん這いになるのには少し狭すぎる感じのスペースで、両膝を胸側に寄せてからだを縮こまらせると無駄にお尻が持ち上がってしまいます。
 中村さまがご丁寧にスポットライトの位置を、そのテーブルを照らすように調整されています。

「ねえねえ、これなんかいいんじゃない?持ち手のところも全体も長いし六本もあるし」
「打ち上げ連発式のこれはちょっとヤバいかな。面白そうだけどお尻やけどしちゃったら可哀相だし」
「持ち手まで紙のこれは無理よね、やけど確実」

 みなさまの愉しそうなお声が聞こえてきます。
 私にはこれから何をやらされるのかわかっていました。
 なぜならネットの画像で何度が見たことがあるから。
 なんて惨めな辱めなんだろうと胸とアソコをキュンキュン疼かせていたことを思い出します。

「じゃあ誰が突っ込んで火を点けるかだけど、ここはやっぱりお姉さまでしょう」

 これは五十嵐さまのお声。

「えー、あたしは見物に回ったほうがいいなー。なんかあたしネトラレらしいし」

 お姉さまが笑いながら異議を申し立てて立候補されたのは寺田さま。

「んじゃあアタシやるー。直っちを今日のダメなインタビュアーだと思ってアヌスにぶっ刺してやるー」

「おーおー、寺っちってば、先生やワタシの前ではネコなのに、エム属性前にすると途端にタチに早変わりって、根っからのリバなんだねー」

 中村さまが混ぜ返すと角田さまも、

「中村さんとこもそうなんだー。うちのショーコもボクには根っからの受けのクセに、ちょっとエロくて従順そうなやつ見つけるとバリバリの攻めに転じちゃうんだ」

 へーそういうものなんだ、と感心する間もなく花火の束を持たれた寺田さまが私に近づかれます。
 私を囲むように他の方々も、もちろん手に手にスマホやビデオカメラを構えられて。

「刺さりにくそうだったら直子のマゾマンコに指突っ込んでオツユでアヌスを潤滑するといいわ。どうせもうグショグショに濡らしているでしょうから。あ、でももちろん無理やり突っ込むのもありだけれどね」

 お姉さまからのご愉快そうなアドバイス。
 それを聞いて私の粘液が膣口からテーブルへツツツーっと垂れ下がります。
 
 寺田さまが私の背後に立たれた、という気配を感じたと同時にバチーンと左尻たぶに強烈な一撃。

「はうんっ!」

「ほら、もっと両膝広げてお尻突き出さないと、火の粉が飛び散ってふくらはぎとか火傷しちゃうよ?」
「四つん這いっていうより土下座状態でお尻を差し出すイメージかな」
「手は突かないで肩と顔面で上半身を支えなさい。お尻だけ大きく突き上げて、顔は横向きにして常時みんなによく見えるようにね」
「両手は内側からマンコやおっぱいに伸ばしてもいいよ。花火が燃えているあいだにまさぐってイッちゃいなさい」

 ご命令をくださるたびにバチンバチンと強烈に私のお尻を叩かれる寺田さま。
 そのたびにあふんあふんと喘ぎ悶える私。

「あーあーマンコからこんなにヨダレ垂らしちゃって、本当にドスケベな女だこと。痛いのがそんなにイイのかしら」

 寺田さまの蔑むお声とともに膣内に指が二本、無造作にズブリと挿し込まれたと思ったら、すぐにその上の肛門をサワサワと撫ぜられました。
 とろりとした粘液が肛門を塞ぐ感覚。

「んふぅ…」

 それから何か細い棒で肛門の縁をつつくような刺激、そしてその棒が肛門の内部に侵入してくる異物感。

「ああんっ」

「うん、この角度ならお尻を火傷する心配もないでしょう。風向きが変わったらわからないけど」
「でも一本だとなんか寂しいわね。もう一本入れちゃおう」

 先に挿し込まれた棒に寄り添うようにもう一本の棒が体内に侵入してきました。
 再度、あふん、と喘ぐ私。

「覚悟を決めなさい」

 寺田さまのお芝居がかったお声にブルルンと全身が震えます。 
 少ししてから火薬の匂い、お尻のほうからシューパチパチと何かが弾ける音、小刻みに揺れる肛門内の棒の震動、やがて盛大な火薬の匂いと火花の散る破裂音、ときどきお尻のあちこちを一瞬襲う熱いという感覚、どなたかからのわぁ綺麗という感嘆のお声…

 顔を向けている先には、お姉さま、寺田さま、中村さま、五十嵐さま、角田さまがそれぞれにスマホやビデオカメラを私に向け、シャッターの音やフラッシュを私に浴びせていました。
 
 私は、今みなさまにご披露しているみじめで無様で恥ずかし過ぎる醜態が切なすぎて、マゾマンコの奥からグングン感じながら、股間に伸ばした右手でクリトリスを押し潰していました。


2024年1月1日

彼女がくれた片想い 07

 結論から言うと、その日それ以降の彼女の尾行は出来なかった。

 トイレの個室を出てすぐに向かいの空き教室に入りトイレの出入りを監視していた。
 と言っても、どうせ休み時間中は出てこないだろうと高を括り、チャイムが鳴るまでの監視がおざなりになっていたことは否めない。
 スマホをチェックしたりノーパンが気になってジーンズのジッパーを少し上げたり下げたりもしていた。

 次の講義開始のチャイムが鳴り再び辺りが静けさに包まれて5分10分、いっこうに彼女は出てこない。
 15分を過ぎた頃に、これはおかしい、それともひょっとして2回戦に突入しているのかもと考え、再びトイレへ忍び込むことにした。

 トイレの出入口ドアをそっと押して中を窺う。
 中はもぬけの空。
 5つある個室のドアはすべて内側に開いていた。

 束の間途方に暮れた。
 いつ見過ごしたのだろう?
 でもすぐに思い当たる。
 油断していた休み時間中に出ていったのだろうと。

 尾行のための変装用小道具まで用意していた身としては残念ではあったが、すぐに仕方ないと諦めもついた。
 結局私のミスなのだから。

 それよりも先程のトイレ内での彼女の一部始終である。
 衝撃的だった。
 その興奮はまだ私のからだを奥底からしつこく疼かせていた。
 そのまま家路につき自分の部屋に戻ってから、彼女が洩らした一字一句を思い出しつつ遅くまで自慰行為に耽った。

 次の体育の授業の日、私はひとつの決意を心に秘め、黒い膝下丈スカートを穿いて臨んだ。
 いつもより早めに人影まばらな更衣室に入り、彼女がいつも着替えをするロッカー脇の物陰でまずショーツを脱ぐ。
 もちろんスカートは穿いたまま素早く脱いだショーツをバッグに隠し、間髪をいれずアンダースコートを穿いた。

 穿き終えた後にいつもの自分の着替え定位置に戻り、ゆっくりと着替えを続行する。
 ブラウスを脱いでウエアを被り、スカートを脱いでスコートを着ける。
 これで私も彼女とお揃いだ。

 そうしているあいだに更衣室が賑やかになってきた。
 着替えをほぼ終了している私は近くにあった椅子に腰掛け、ゆっくりとテニスシューズに履き替えている。
 両脚を幾分大きく広げてスコートを無駄に翻し、中のアンダースコートを周囲に見せつけるような格好になって。
 誰にも気づかれない秘めやかな恥ずかしさ。
 その高揚感にゾクゾク感じていたら彼女が現われた。

 いつものように隅のロッカー脇、さっき私がショーツを脱いだ場所、に陣取った彼女はバッグから着替え一式を取り出し、一つ一つ確認した後に着替えを始める。
 
 濃いベージュ色の薄手のジャケットを脱いだ後、七分袖で淡いピンクのニットの袖から両腕を抜いて頭から抜く。
 間髪を入れずテニスウエアを被って上半身は終了。
 本日のブラはピンクで背中にこれといった痕はなし、というのは、シューズの紐を整えるフリをしながら凝視していた私の見解。

 つづいて下半身。
 少し背後をキョロキョロしてから彼女は完全に背中を見せる。
 茶系でエスニックな柄の膝下丈スカートに両手が差し入れられ、ショーツがスルスルっと下げられる。
 今日も長めのスカートを穿いているということは、今日も授業の後はノーパンで過ごすつもりなのかもしれない。

 それから彼女がアンダースコートを手にし、これから脚にくぐらせようと屈んだ刹那、私はどうにも我慢が出来なくなってしまった。
 彼女に本当のことを伝えたら彼女はどんな反応を示すのか?
 幾分サディステイックな衝動とともに、それが知りたくてたまらなくなったのである。

 自分でも思いがけないほどからだが自然に動いていた。
 すっかり着替えの終わった私は彼女と私の間にいる数人の女子を掻き分け、背中を向けている彼女の前に立つ。
 どうしようかと少し迷ったが、背中を向けた彼女の左肩甲骨辺りを右手の人指し指でチョンチョンと軽くつついた。

 彼女は屈んでアンダースコートをずり上げている途中だった。
 彼女のからだが一瞬ビクンと震え、アンダースコートは中途半端なまま両手を離してこちらに振り返る。

「それ、下着の上に穿くもの」

 小声でもちゃんと意味がわかるように滑舌は良くしたつもりだ。
 彼女は瞬間、呆けたような顔して、えっ!?と絶句した。
 無言で私の顔を見つめながら言葉の意味を吟味しているようだ。

「アンスコは下着を隠すためのもの。だから下着は脱がなくていい」

 そう追い打ちをかけると、あっ!と大きな声を上げて見る見る顔が赤く染まっていく。

「あっ、あっ、そ、そうなのっ?」

 私が告げた言葉の意味を完全に理解したらしい彼女は羞恥に身悶えるように顔を歪めてうろたえている。
 顔全体をバラ色に染め、目尻には今にも零れ落ちそうな涙まで溜めて。
 膝まで上げたアンダースコートはそのままだ。

 私に指摘された後の彼女の狼狽ぶりが演技だとは思えない。
 どうやら彼女はアンダースコートの何たるかを本当に知らなくて、その行為をやっていたらしい。

「そ、そうなんだ、教えてくれてありがとう…」

 とても小さな声でつぶやいた彼女をすごく可愛いと思った。
 同時にサディスティックな気持ちももう一段階加速して、余計な一言を追加してしまった。

「でも、したくてしているなら、それでもいいと思う」

 授業後にノーパンになることも知っているから、という意味を持たせた皮肉だが、言い過ぎたかな、とも思い、私はそそくさとラケットを持ってその場を離れた。

 テニスの授業中、私はソワソワ落ち着かなかった。
 ショーツを脱いでアンダースコート一枚ということは下着を常時丸出しで授業を受けているのと同じこと。
 他の人にはわからないけれど、している本人にはその認識となる。
 からだを動かしてスコートが派手に翻るたびに得も言われぬ恥ずかしさが下腹部を襲い、濡れにくい私でも秘部の奥から粘液がジワジワ潤み出ているのがわかった。

 彼女はと見ると、彼女も今までとは違っていた。
 いつもなら無邪気にコートを駆け回っていた彼女が今日はなんだかモジモジ恥ずかしげ、しきりに自分の下半身を気にしている。
 ということはあの後、彼女は下着を穿き直さずにそのままコートに出てきたのだろう。

 テニス授業を受けている者の中で彼女と私だけが恥ずかしい下着丸出し状態。
 その事実がなんだか嬉しかった。

 授業後の着替えでは、さすがに彼女をジロジロ観察することは躊躇われた。
 話しかけてしまった手前、彼女も私を意識しているだろう。
 なので彼女から見えない場所に陣取ったためアンダースコートを脱いだ彼女がショーツを穿き直したのかは確認出来なかった。
 その代わり私がスカートを着けてからアンダースコートを脱ぎ、そのままのノーパン状態でその後を過ごした。

 三限目の授業前の教室で、彼女がわざわざ私のところまで来て律儀に再度お礼を言ってくれた。
 私はそんな彼女がますます好きになったけれど、ねえ今あなたもノーパン?って問い正したかったのも事実だ。


2023年12月24日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 19

 「…きなさい、ほら、着いたわよ、お勤めの時間よ…」

 どなたかのくぐもったお声とともに頬を軽くペチペチと叩かれる感触で意識が戻ります。
 束の間の、ここはどこ?私は誰?状態はお約束。
 ここはまだお車の中で、私はぐっすり眠りこけていたよう。
 起こしてくださったのはお姉さまでした。

「広場に着いたのよ。もう5時半過ぎだからジョセが散歩に向かっちゃってて、あたしらと同時くらいにここで鉢合わせたの」

 お姉さまがご説明くださりながら、私の首輪にリードを繋いでくださっています。
 と、私の胸元を見るといつの間にかエプロンは外されて、首輪とサンダルだけの全裸に剥かれていました。

「今はかなちゃんがジョセの相手してるから、早く行っておあげなさい」

 お車は広場の入口脇に駐められていて、お車の中には私とお姉さましか残っていません。
 まだ半分寝呆け頭ながらも中腰になった私のお尻をパチンと叩かれ、首輪のリードを引っ張られて車外に連れ出されました。

 幾分陽が翳ったとは言え夕陽の熱気がまだ残る高原の夕暮れ。
 この辺りはゲリラ豪雨には襲われなかったらしく、水溜りも見当たらず木々も芝生も青々と乾いたまま。
 時折心地良いそよ風が素肌を撫ぜていきます。

 広場の東屋がある場所から少し離れた芝生を中村さまがゆっくりこちらへ歩かれてきます。
 どうやら木立から東屋へ戻られる途中みたい。
 今朝方私が東屋のテーブル下の簀子の上に置いたジョセフィーヌさまお散歩用のバッグを片手にぶら下げています。

「ジョセのうんちはもうワタシが埋めといたから。ジョセは今パトロール中、程なく戻ると思う」

 おっしゃりながらお姉さまと私の前までいらっしゃった中村さま。
 ジョセフィーヌさまのお散歩グッズバッグを私に差し出してきます。

「はい、タッチ交代。それでこれはジョセ用のおやつね」

 バッグと一緒に中村さまから渡されたのは、わんちゃん用の一口ビスケットの袋。

「今回はペーストのおやつはナシ。今夜は屋敷の庭でバーベキューディナーするから直子もジョセといつまでもイチャイチャしてないで、早めに切り上げて戻ってくること」

 水道でシャベルを水洗いしつつ中村さまがつづけられます。

「もっと人数が多いときはここでやるんだけど今日は6人だし時間も押しちゃったから。それに庭のほうが準備も後片付けもラクだしね」
「ジョセも勘付いてるみたいだから早く帰りたがるはず。ディナーのあいだにゆっくりイチャイチャすればいいよ」

 からかうような笑顔で中村さまがおっしゃり、洗ったシャベルをタオルで拭ってタオルごと私に差し出してきます。
 それらを受け取ってバッグにしまい、他の方々は、と辺りを見回すと、五十嵐さまは角田さまを被写体に広場のあちこちで写真を撮られていました。
 お姉さまはいつの間にか私の傍らを離れ、広場の入口近くにしゃがんでお背中を向けていました。

 何をされているのだろう?と考えていたら、木立の奥からジョセフィーヌさまが私たちに向けてまっしぐらに駆け込んできました。
 まず中村さまに纏わり付かれ頭をワシワシと撫でられています。

 しばらくそうされた後、傍らにいた私と目が合ったもののプイとそっぽを向かれ、タッタッタと芝生の中央付近まで駆け出されるジョセフィーヌさま。
 お散歩の時間に遅れたことに怒ってらっしゃるのかな?お名前を呼んで私も後に付いていったほうがいいのかな?なんて考えていたら、急にまたUターンして戻っていらっしゃいました。

 私の足元まで来られるとやおら、私の首輪に繋がったリードの持ち手をガブリ。
 そのまま力任せに引っ張られトットットとつんのめる私。
 強い力で首輪を引っ張られ、前のめりに歩き出した私の剥き出しなおっぱいがブルンブルンと大袈裟に跳ねています。

 そのままいつもフリスビーをする広々とした空間までリードを引かれて連れて行かれます。
 これでは本当にどちらが飼い主でペットなのかわかりません。

 私がバッグの中からご愛用の青いフリスビーを取り出すと、ジョセフィーヌさまはやっとリードの持ち手からお口を離してくださいました。
 ブランと戻った縄状ロープのリードが尖り始めた左乳首を軽く弾いて、ビクンと感じてしまいます。

「あんっ!」

 と、一声悶えて顔を上げると、お姉さまがまたいつの間にか私の傍らにいらっしゃっていました。
 両手にピンクのゴム手袋をお嵌めになり、右手になにやら草の束を握られて。

「ほらこれ、摘んどいてあげたわよ」

 私の目の前に差し出されたのは見紛うこと無きおぞましきイラクサさまの草束。
 青ジソに似た青々とした葉がまばらに茂る20センチくらいの茎を4、5本の束にして、一括りにした持ち手のところにはご丁寧にウエットティッシュが白く巻かれています。

「今回はペーストのおやつはナシなんでしょう?ジョセが構ってくれなくて刺激が欲しくなったら使うといいわ」

 ジョセフィーヌさまに強引にリードを引かれたことでマゾ心に小さく火の点いた私を見透かすみたいに目を細められた笑顔で、芝生に置いたバッグの上にその草束をソッと置かれたお姉さま。
 その横にはおまけみたいに、ドライブ中の雨宿りで私が下と上のお口で味わった栄養ドリンク剤の空き瓶も。

「だけどまあほどほどにして、早めに帰ってきなさいね」

 ついでみたいに付け足されたお姉さまは踵を返され、スタスタとお車の方に戻られます。
 私はそのあいだ中イラクサさまに目が釘付けで、一昨日あるじさまからいただいた、そのもどかしくも意地の悪い甘美な苦痛に思いを馳せていました。

 やがて遠くでお車のドアを閉じるバタンバタンという音が数回響いた後、エンジン音が遠ざかっていきます。
 これでこの広場にはジョセフィーヌさまと全裸に首輪リードの私だけ。
 ジョセフィーヌさまはブンブン尻尾をお振りになり、私の右手のフリスビーと私の顔を交互に見ています。

「それではジョセフィーヌさま、運動のお時間です。フリスビーを一緒に楽しみましょう」

 まるでご主人さまのご子息と遊ぶ召使いのようなへりくだった気持ちで、ジョセフィーヌさまに語りかける私。
 フルネームを呼ばれて益々ブンブン尻尾をお振りになるジョセフィーヌさま。

「ジョセフィーヌさま、いきますよ。はい、フェッチです」

 はい、の後に思い切りバックスイングして、フェッチです、という号令と一緒にフリスビーを放り投げます。
 捻ったからだを戻すとき剥き出しの両乳房も左右に思いっきり暴れています。
 ジョセフィーヌさまはフリスビーめがけてまっしぐら。

 ジョセフィーヌさまのお姿を目で追いかけながらふと考えます。
 今の私の状況。

 人っ子ひとりいない山中の夕暮れに芝生広場で首輪とサンダル以外素っ裸の私が他人様のワンちゃん相手にフリスビー遊び。
 おっぱいもお尻もマゾマンコも丸出しなのに少しの不安も感じていないばかりか、超リラックスしている私。
 普通に都会で日常生活をしていたら絶対に味わえない気分と体験です。

 裸を視てもらいたいというマゾの露出症的な快楽とはまた別の、普通に野外で裸でいることの自然回帰的な開放感。
 俗に言う裸族への沼に嵌ってしまいそう。

 そんなことを考えていたらジョセフィーヌさまがフリスビーを咥えられて一目散に戻ってらっしゃいます。
 フリスビーを受け取りジョセフィーヌさまの頭をワシワシ撫ぜながら左手に握ったご褒美のビスケットを差し出します。
 私の左手にジョセフィーヌさまの鼻先が当たり生温かい舌で掌がペロペロ舐められます。

「よーし、もう一回です、ジョセフィーヌさま」

 そんな感じで3回4回とフリスビーに興じますが、私には段々と良からぬ欲求が。
 掌をジョセフィーヌさまに舐められるたびに、あのペーストを自分の秘部に塗りつけてジョセフィーヌさまに舐められる、気絶しそうなほどのめくるめく快感が体内によみがえるのです。
 でも今はペーストが無いので、その快感は望めません。

 私がなんとなく気落ちしてしまっていることにジョセフィーヌさまも勘付かれたのでしょうか。
 6度目のご褒美が終わって私の掌から離れたジョセフィーヌさまがそのまま後肢立ちになられ、私に覆い被さるように身体を預けて私のお腹を舐めてきました。

「いやん、くすぐったいー」

 一瞬腰が引けたものの、その反動で思わず前屈みになる私。
 ジョセフィーヌさまのお口との距離が縮まり、私のおっぱいまで舌が届き、左右のそれを入念に舐めてくださっています。

「ああんっ…」

 ペースト無しでも舐めてくださるんだ…
 汗はうっすらかいているので塩味が気に入ったのかな…
 なんて考えながら芝生にお尻を突いた私は、いつしかジョセフィーヌさまに押し倒される格好に。

 仰向けに横たわった私を四本肢で跨ぐ形に覆い被さったジョセフィーヌさま。
 私のからだを踏まないように器用に肢を動かしながら顔もからだも、おっぱいも下腹部もペロペロペロペロ舐めてくださっています。

 尖った乳首を舌で転がされるとビビッと電流が走り、うぅーんと身悶えてしまいます。
 やがて下腹部の裂け目から透き通った粘液が滲み出し、ジョセフィーヌさまはすかさずそこへと舌を這わせます。

「はぁぁんっ!」

 尖った肉芽が転がされ、思わず大きな淫声が迸ります。

「そう、そこを、もっとぉぉ…」

 仰向けの両脚の膝を立て180度近くまで広げ、その部分を誇示するようにジョセフィーヌさまに差し出す私。
 でもジョセフィーヌさまはその部分にはそれ以上ご興味を示さず、私の広げた両膝のあいだにポツンと横たわるリードの持ち手を咥えられました。

 その途端に思い出したのが昨日、初めてのお散歩帰りの玄関先での出来事。
 ジョセフィーヌさまが咥えられた持ち手に繋がるリードの太くてザラザラした感触が私の股間に食い込む股縄のような陵辱。
 すかさず私は仰向けなからだを反転し、ジョセフィーヌさまに背を向けてしゃがみ込む体勢なります。
 お尻の後方にリードを咥えたジョセフィーヌさま。

 私の首輪からからだ前面にピンと張り詰めた縄状リードが股間で直角に折れ、ジョセフィーヌさまによってグイグイ引っ張られます。
 撓んでは張り詰め撓んでは張り詰め、腫れた肉芽ごと潰されては緩み、食い込んでは離れをくりかえす蹂躙。

「あんっ、いたいぃ、いいっ、いいぃぃーっ、もっとぉぉ…」

 苦痛のほうがより勝るような快感なのに頭がボーッとしてきてどんどん気持ち良くなってきます。
 股間への緩急出鱈目でランダムな刺激でも、快感が着実に下腹部の奥底に蓄積されています。
 ああん、もっとぉ、もっと刺激を…

 知らず知らず目の前のバッグの上に横たわる草束に右手が伸びていました。
 これで素肌を嬲れば更なる苦痛が訪れるはずですが、更なる苦痛はより大きな快楽に変わるはずです。

 茎の束を手に取り目をつぶって胸に近づけます。
 触れたか触れないかという刹那、左おっぱいにチクンとする刺激が広がります。
 今すぐにでも草束を放り出したいのですが、逆に自暴自棄のような感情の高まりで草束を左おっぱいから右おっぱいへと押し付けるように擦り付けました。

「あーーっっ、いっつぅーーー!」

 葉っぱたちが滑る感触に一瞬遅れて、素肌の皮一枚下からジンジンウズウズ痺れくる無数の痛痒い疼痛。
 瞬時に両乳房への刺激が許容を超え、右おっぱい上を通り過ぎた草束は芝生上に放り投げられました。
 同時に両おっぱいを乱暴に鷲掴む私の両手。

 思い切り掻き毟りたいけれど赤く爛れてしまうから駄目。
 僅かに残った理性がお姉さまのアドバイスを思い出させます。
 だから決して爪は立てずに乱暴に揉みしだきます。
 シクシク疼く両方の乳房をむんずと掴み、人差し指と薬指のあいだに逃した勃起乳首をギュウギュウ押し潰します。

 ふと気づくと下半身への刺激は失くなっていました。
 ジョセフィーヌさまは私がイラクサさまの草束に手を伸ばしたのをご覧になって、とばっちりは御免とばかりに避難されたのかもしれません。
 少し離れた芝生にゴロンと寝そべって、私の痴態を横からぼんやり眺めていらっしゃいました。

 それならと、私の左腕が眼の前の栄養ドリンク剤の空き瓶を掴みます。
 右手は腕まで使って両乳房を激しく擦りつつ左手は躊躇なくズブリと両足の裂け目へ。
 もちろん飲み口の細いほうからです。

 しとどに濡れた粘膜は空き瓶を難なく呑み込み、底を握って抽送運動開始。
 継続的にもどかしく苛んでくるおっぱいへの疼痛とチュプチュプ音を立てて粘膜を摩擦する硬く冷ややかな感触にどんどん昂ぶる私。
 芝生に左頬を埋めて腰だけ高く突き出した顔面支点の四つん這いで昇天間近。

「ああん、いいっ、いいのー、もっともっとぉーっ!!」
「いくっ、いっちゃうっ!あんっ、ジョ、ジョセフィーヌさま、イッてもいいですかっ、イッてもいいですかぁーっ!」
「もっとかきまわしてっ!めちゃくちゃにっ!ああーいいっ、いくぅ、いくぅ、いいーーーーくぅーーーっ!!!」

 頭の中に無数の星が弾け飛び、やがて真っ白になるほどの快感。
 意識も弾け飛び、束の間気を失なったと思います。
 気がつくと芝生の上にうつ伏せで突っ伏していました。
 さっきからハアハアとうるさいのは自分の呼吸でした。

 おっぱいはまだしつこくシクシクと疼いていますが、いつになく深く充実した快感の余韻を感じていました。
 屋外で何の不安も無く生まれたままの姿で自慰行為に耽るという行為は、子供の頃から憧れていたものでした。
 お尻がムズムズするなと思ったら、ジョセフィーヌさまが舐めてくださっていました。

 全身のあちらこちらがまだヒクヒクと痙攣している中、なんとかからだを起こし一息つきます。
 からだを弄り始めた頃よりも太陽が少し翳っていますが、一体どのくらい時間が経ったのかはわかりません。
 ジョセフィーヌさまは入口近くの東屋の屋根の下で私に視線を向けてブンブン尻尾を振っておられます。
 もはやフリスビー遊びは切り上げて早く帰りたがっていらっしゃるのは一目瞭然でした。

 バッグからバスタオルを取り出し全身を軽く拭ってから、私も後片付けを始めます。
 私を慰めてくださった栄養ドリンクの空き瓶さまの中には、乳白色に濁った粘液が瓶の三分の一くらいに生暖かく溜まっていました。
 遠くの芝生まで飛んでいたイラクサさまの草束も一応怖々拾い、東屋のテーブルの上に、空き瓶さまは水道で洗ってバッグへ。

 ひと通りの片付けを終えて私が肩にバッグを提げると、ジョセフィーヌさまが私のリードの持ち手を再びパクリと咥えられます。
 でも今度は強引に引っ張るようなことはされず、私の四、五歩先を私に合わせたペースで歩く形で帰途につくジョセフィーヌさまと私。
 首輪に繋がったリードをジョセフィーヌさまに引かれている私は完全にご主人さまの下僕ペットでした。

 最初こそゆったり歩いてくださったジョセフィーヌさまでしたが、お屋敷が近づくに連れて段々と早足になっていかれました。
 帰路の三分の二くらい過ぎた頃には走っていると言っても良いくらいグングン首輪が引っ張られます。
 それでなくても山道の上り坂ですから、私はハアハア肩で息をつきながら従います。

 とうとう我慢しきれなくなられたのか、お屋敷の門が見えるとジョセフィーヌさまはお口に咥えられたリードの持ち手をポロリとお離しになられ、全速力で敷地内に駆け込んでいかれました。
 ギターの弦みたいに張り詰めていたリードがブランとお腹に戻り、息を切らせた私もトボトボ敷地内に入ります。

 玄関へとつづくアプローチにはどなたもおらず、木立越しの芝生側で何やら物音がしていました。
 木立の向こう側がぼんやり明るく照らされているように見えるのは、何か明かりを灯しているから?
 さっきよりまた少し薄暗くなった夕暮れのせいか、そこはかとなく幻想的です。

 みなさまがバーバキューの準備をされているのだな、と察した私は、玄関には向かわず木立を抜けて芝生のお庭のほうへ歩を進めました。

「ああ、帰ってきたのね。結構早かったじゃない」

 お屋敷のほうから何やらカートを押してきたお姉さまが気づかれてお声をかけてくださいます。
 お姉さまったら、一昨日に温泉旅荘さまからいただいた紫色寄りの青い浴衣をお召しになられ、優艶に微笑まれています。
 足元にはひと足お先に到着されたジョセフィーヌさまがブンブン尻尾を揺らしてじゃれつかれています。

 今朝方お洗濯物が干されていた一帯にテーブルや椅子が置かれ、カートに載せたお料理がいくつかすでに運ばれているみたい。
 お洗濯物の物干し紐に小洒落たデザインのカンテラがいくつも吊るされて、その灯りが暗くなり始めた夕暮れを淡く照らし出しています。

「今日はあんまり汚れてないのね。でも汗まみれだからチャッチャとシャワーしてきなさい。もたもたしてたら先に始めちゃうからね」

 芝生に置かれたコンロの脇にカートを置かれたお姉さまがこの位置からも内部が丸見えな例のシースルーバスルームを指差されます。
 お姉さまが押されていたカート上にはステンレスの串に刺されたお肉やソーセージ、とうもろこし、各種お野菜などが並んでいて、いかにもこれからバーベキューという感じです。
 私が肩から提げていたバッグはお姉さまが引き取ってくださいました。

「はいっ」

 私もなんだかワクワクしてきて元気よくご返事し、首輪から垂れたリードをブラブラ盛大に揺らしながらいそいそとバスルームに駆け出しました。


2023年10月9日

彼女がくれた片想い 06

 隣室の来客が立ち去った後もしばらく物音ひとつしない静寂がつづいた。
 私は端の個室の壁に向いて蓋を閉じた便座の上にそっと腰掛け聞き耳を立てている。
 幸いなことに尿意も便意も感じていないので、ゆっくりとお付き合い出来そうだ。

 壁の向こうで彼女が今、どんな姿なのかを想像する。
 3番めの個室の彼女にひとりの時間を邪魔されたのは明白であるから、その間にトイレ本来の目的を済ませたのかもしれない。
 そうであれば便座の上でショーツを下ろしたままなのか。
 私が見咎めたように彼女の着衣がコンビメゾンであったならばオールインワンゆえ上半身ごと脱がなければならない。
 そうなると彼女は上半身も下着姿ということになる。

 そんな風に想像を逞しくしていたら端の個室からカタンという小さな音が聞こえた。
 3番めの彼女が去ってから二分も過ぎた頃だった。
 それからカサコソと衣擦れの音。
 彼女はまだ脱衣していなかったようである。
 その用心深さがこれからの展開に期待を抱かせる。
 私は便座の蓋からそっと離れ、中腰になって端の個室の壁に左耳を密着させた。

 どうやら彼女は立った姿勢で衣服を脱いでいるようだ。
 衣擦れの音が始め上の方から聞こえ、だんだんと下がっていく。
 下の方でコツコツと小さな音がしたのは脱いだ衣服を足元から抜いて完全に脱ぎ去ったのだろう。
 
 やはりオールインワンだったようだ。
 ひょっとすると今日のこの行動は計画的で、彼女はトイレで裸になるためにワザと不自由な上下ともに脱がざるを得ない構造の衣服を選んだのかもしれない。
 そんないささか彼女に失礼な妄想がふと浮かんだ。

 少しの間を置いて上方で小さくパチンと響いたのはブラジャーのホックを外した音。
 また少しの間を置いて下方でコツンコツンと小さく響いた足音はショーツをも脱ぎ去った音に思えた。
 そして何より私を驚かせたのは次の瞬間だった。

「…脱ぎました…」

 押し殺したようなか細い彼女の声が聞こえて来たのである。

 彼女は誰かと会話している。
 おそらくスマホでであろうが、これで脅迫者の線が一段と濃厚になってきた。
 その後長い沈黙がつづき、やがてまた彼女の押し殺した声が聞こえた。

「…はい…」

「…恥ずかしいです…」

 テレビ電話機能で送信しながらの行為なのだろうか。
 その割に相手の声が一切聞こえて来ないのは彼女がインカムを使用しているからと考えればいいのだろうか。
 いずれにせよ彼女がこの薄い個室の壁の向こうで全裸になっているのは確実と思えた。
 その割に身体をまさぐるような物音は聞こえてこないな、と思った矢先、再び彼女の押し殺した声が聞こえてきた。

「…だってそれは、この間やよい先生が綺麗に剃り上げちゃったからじゃないですかぁ…」

 押し殺しながらも甘えるような媚を含んだ声音。
 ゾクゾクっとしながら完全にしゃがみ込んで左耳を壁に痛いほど押し付ける私。
 何かを手にしたようなカタカタッという小さな音がしてから今度は少し明瞭な声が聞こえた。

「…ち、乳首にください…」

 えっ?何を?

「…痛い、痛いですぅ…」

 それと同時に身体をまさぐるようなワサワサした音とンフゥーッという押し殺した溜息がしばらくつづいた。

 私は混乱していた。
 彼女がつぶやいた、やよい先生、剃り上げちゃった、乳首にください、痛いです、という科白が頭の中を渦巻いていた。
 その間も彼女の押し殺した悩ましい溜息が途切れ途切れにつづいている。

 やよい先生って、その先生は女性?脅迫者は女性?いやいや名字っていうことも有り得るし、UFO研究で有名な矢追という姓の聞き間違いということも…
 剃り上げちゃった、というのは陰毛を指しているはずだから、つまり彼女は今パイパンなのだろうか?
 この間というのは、今週の体育後に目撃した鞭の痕、先週末に行われたかもしれないSMプレイ疑惑のことなのだろうか?
 痛いって、テレビ電話で物理的に相手に苦痛を与えることは不可能だし、彼女が自分で自分を痛くしているということなのか?

 頭の中をクエスチョンマークがグルグル飛び交うにつれて私の下半身はどんどん熱くなっていく。
 ジーンズに包まれていても、その一番内側が中の方から濡れてくるのがわかるほどに。
 彼女の押し殺した吐息は切なげにつづいている。

 そして数分間ほど自分の上半身をまさぐったであろう彼女がつぶやいた、相変わらず押し殺した科白で私はすべてを理解出来た気がした。

「…やよい先生の指をください…指を直子のオマンコに挿れて滅茶苦茶に掻き回してください…」

 おおよそ清楚に見える彼女には似つかわしくない女性器の俗称をはっきり口にしたことにも驚いたが、その後につづいた物音が強烈だった。
 彼女の懇願に自分ですぐに応えたのだろう、プチュプチュクチュクチュ、どう考えても卑猥な音が聞こえてくる。
 十分に濡れそぼった女性器を指で愛撫抽挿蹂躙する自慰行為の音。

 声は極力押し殺しているようだが、粘液を掻き回す音は押し殺しようが無い。
 激しく掻き回せば水音も激しくなる。
 それにつれて押し殺している吐息、溜息もより激しくなってしまう。

「…んふぅーーっ、んぐぅぅーーーーっ…」

 最初に彼女と遭遇したときに聞いたような押し殺しきれない嬌声が聞こえ、しばらく沈黙。
 達したのだろうか?
 壁越しにハァハァハァハァという荒い彼女の息遣いが聞こえてくる。
 しばらくしてそれも収まり本当の静寂が訪れたと思ったのだが…

「…あぁんっ、またぁ…」

 彼女の少し大きめな声とともにプチュプチュクチュクチュが再び始まる。
 いつの間にか私もジーンズのボタンを外しジッパーを下ろし、露わになったショーツの上から自分の陰部をそっとまさぐっていた。

「…もっと、そうそこ、そこを…」

 彼女に合わせて自分を慰めながら考える。

 彼女はこの行為を嫌がってはいない、むしろ愉しんでいる。
 脅迫の線は薄いのではないか、つまり自発的な行為。
 だとするとテレビ電話の線も薄れ、これは彼女の独り芝居、妄想に没入しての密やかな自慰行為なのではないか。
 恥ずかしいです、も、痛いです、も彼女の妄想の中で自分に課した行為がフッと言葉に出ただけで、実際には彼女の頭の中では妄想の相手と絶えず会話をしている。

 やよい先生は女性でおそらく実在の人物、そして妄想の相手。
 男性であれば、指をください、ではなくもっと具体的なそのものズバリをねだるであろうから。
 ということは彼女はレズビアン?
 陰毛を剃り上げられてパイパンとなっていることもおそらく事実だろう。
 自宅ではなくこういった日常のパブリックな場所、誰かに気づかれるかもしれないスリリングな場所での行為が好みなのであれば、体育後のノーパンの意味も理解出来る。
 つまり彼女は、あんな顔をしてかなりアブノーマルな性癖の持ち主ではないのか。

「…んふぅーっ、あんっ、いいっ、んんーーっ…」

 彼女はだいぶ声を抑えきれなくなっている。
 私もかなり昂ぶっていた。

「…ああっ、いいっ、いいっ、んぐぅぅーーーっ…」

 一際低く唸るような彼女の押し殺した咆哮。
 その後ハァハァハァと息を荒くしている。
 オーガズムを迎えたようだ。

 私もほぼ同時に同じ状態に達した。
 左耳を壁に押し付けしゃがみ込んだままジーンズを膝まで下ろし、ショーツの上から腫れたクリトリスを思い切り摩擦して。
 口を真一文字に結び、絶対に声を漏らさないと覚悟を決めて。
 彼女と一緒に昇り詰められたことが無性に嬉しかった。

 徐々に収まっていく彼女の息遣い。
 私もまだ肩が大きく上下している。

 と、その時唐突に三限めの終了を告げるチャイムが鳴り響いた。
 すぐにトイレ内にも教室から解き放たれた廊下の喧騒が聞こえてくる。
 彼女の密やかな禁断の時間も終わりを告げた。
 トイレ出入口のドアを開くバタンという音がふたつつづき、個室のドアを閉じる音がそれにつづく。
 トイレ内の足音やおしゃべりも騒がしくなっていた。

 どうしようか迷っていた。
 おそらく彼女は休み時間が終了し次の講義が始まるまで個室から出てこない。
 あの日のように静けさが戻ってからそっと退散するつもりだろう。

 それに付き合って私も彼女と一緒に立て籠もり一緒に個室を出るのも面白いと思った。
 彼女が自慰行為をしている間中、隣の個室に誰かがいて一部始終を聞かれていたと知ったら彼女はどんな顔をするだろうか。
 でもそれは現実的ではない。
 私は今の所、彼女との関係性を変化させる気はないし、休み時間中ふたつの個室が閉じたままなのは大迷惑だ。

 現実的には休み時間中の喧騒に紛れて私が先に退出し、尾行を続行するのがベストと判断した。
 学校のトイレの個室で人知れずオーガズムに達した彼女がどんな顔で日常に復帰し、どんな風にプライベートを過ごすのか。
 学内に残るにしても学外に出るにしても、まだ三時前、時間はたっぷりある。
 四限の自主休講が決定した。

 そうと決まれば急がなくては。
 ショーツが濡れそぼっているので、このままジーンズを穿き直すのは気持ち悪い。
 幸いトイレ内はドアの開け閉めやおしゃべりで騒がしいので、私は音を立てることを気にせずにジーンズを脱ぎ去った。
 
 それから濡れたショーツも脱いで小さく畳みフェイスタオルに包んでバッグへ。
 最後に濡れた陰部をトイレットペーパーで丁寧に拭った後、ジーンズを穿き直す。
 これで私は今から帰宅までノーパンで過ごすことになってしまった。
 体育後の彼女とお揃いである。

 最後に捨てたトイレットペーパーを盛大な音を立てて水洗に流し、普通にドアを開けて個室を出た。
 一番端の個室のドアは相変わらず固く閉ざされている。
 外ではふたりの学生がトイレ内に並んで個室が空くのを待っていた。


2023年10月7日

彼女がくれた片想い 05

 木曜日の二限目が終わった後、私は彼女の行動に注目していた。
 彼女は親しい友人三人と楽しげに何か話しながら教室を出ていく。
 二階端の教室から廊下を少し進み、階段を下りて一階へ。
 昼休みの人波に紛れ、気づかれないように後を追う。

 やがて建物の正面玄関。
 先週はここで友人たちと別れ、彼女はひとり学外へと消えていった。
 今日もそうであれば先週無事にレポート提出も済ませたことだし、四限目の講義をパスして彼女を尾行するつもりだった。

 彼女がプライベート時間をどう過ごすのか、あわよくば彼女の住まいまでつきとめられるかもしれない。
 そう思って気づかれぬように変装する準備まで用意していた。

 だが彼女は友人たちと玄関を素通りし、その奥へと進んでいく。
 この廊下の果てにあるのは学食ホール、どうやら今日の彼女は友人たちとランチを済ませていくらしい。
 その後どうするつもりなのかはまだわからないが、私ももちろん付き合うことにする。
 気づかれぬようにこっそりとだが。

 今日の彼女は珍しく茶系の膝丈キュロットスカート。
 同系色のトップスを合わせて薄手のベージュのカーディガンを羽織っていた。
 彼女にしてはいつになく垢抜けたコーデなので、ひょっとするとこの後カレシとデート?なんていう懸念も生まれる。

 予想通り彼女たちは学食に入り、四人がけテーブルを確保すると食券売り場に並び始める。
 私も自分の定位置である出入口近くのぼっち飯相席ひとつを確保し、彼女の監視体制に入った。
 彼女と同じのものが食べたいと思ったので、彼女の注文を確認してから食券を買うつもりだ。

 やがて彼女がトレイをしずしずと捧げ持って所定の位置に着席する。
 トレイ上の平皿に盛られた料理はドライカレー。
 私が彼女を追いかけ始めてから彼女がそれを学食で食べる姿を見るのは二度目だから、気に入ったメニューなのだろう。
 私はよやく立ち上がって同じものを手に入れるべく食券売り場に並んだ。

 食事中の彼女はほとんど聞き役。
 他の三人がかまびすしいのもあるが、スプーンを動かしながら適度に相槌を打ち適度に笑っている。
 友人たちも彼女をより笑わせようとしているように感じた。
 ドライカレーは適度にスパイスが効いて美味だった。

 彼女たちは食事後、隣接している喫茶スペースに移り雑談続行。
 彼女はアイスミルクティーを飲んでいた。
 私は彼女を見失わないように注意しつつ食器を片付け、同じ場所で読書のフリを始めた。

 やがて昼休み終了、三限目の講義開始時刻が迫り、友人らが席を立つ。
 私も席を離れ、人混みに紛れて彼女らの近くまで近づいた。
 別れ際に、それじゃあまた明日ね、の声も聞こえたので彼女がこの後に講義が無いのは確定だ。
 が、彼女はひとり喫茶スペースに残り、持っていたトートバッグから文庫本を取り出して読書モードに突入した。

 私も喫茶スペースまで踏み込もうかとも思ったが、ランチタイムが終わり空席の目立つ学食の喫茶スペースに近い位置に無料のお茶片手に陣取り読書のフリで、そっと彼女を見守る。
 素通しガラスで仕切られた喫茶スペースで彼女が読んでいる文庫本は表紙カバーも取り外され表紙もやや黄ばんでいて、ずいぶん古い本のように見えた。
 私は広げている文庫本の活字も追わないまま、彼女が本から顔を上げ周りを見渡すような仕草をする度に頭を下げ、読書に没頭するフリをしていた。

 三限に入って食堂も喫茶スペースも閑散としてきた二十分を過ぎた頃、彼女が動いた。
 飲み終えたグラスを返却口に戻し、文庫本をトートバッグに押し込んで学食出口のドアに向かう。
 私も慌ててお茶のコップを戻し、気づかれないように彼女がドアの向こうに消えるのを待ってから追尾した。

 学食のドアを出ると彼女の背中が10メートル先くらいに見えた。
 三限の講義中だが、私のようにその時間が空いている学生もいるので廊下にはそこそこの人影があった。
 少し早足な彼女は正面玄関も素通りした。
 その先にあるのは先程下ってきた階上へつづく階段である。

 それを見て私は確信した。
 彼女はあの日のようにあのトイレに向かっているのだろうと。
 三階まで階段を上って廊下を少し行ったところにあるトイレ。
 私が時間潰し用に使っている空き教室の斜め前。
 この時間のその階はほとんどの教室で講義中、おまけに三階なので余計な人も来ず、非常に静かなのである。

 私が階段の麓までたどり着いた時、彼女は折返し階段の踊り場を曲がったところだった。
 背中しか見えなかったので気づかれてはいないはずだ。
 静寂の中遠ざかる彼女のパンプスの控えめなヒールの音が小さく聞こえる。
 学外への尾行にも備えてスニーカーを履いてきたのは大正解だった。

 ヒールの音が垂直の高さでどんどん小さくなっていくのを聞きながら、二階へ三階へと極力静かに階段を上がっていった。
 三階に辿り着き、壁に隠れてそっと廊下を見遣ると、まさしく彼女がトイレのドアを開けているところだった。
 いつの間にかカーディガンを脱いで左手に持っている。
 あれ?あれってコンビネゾン?

 やっぱり、という気持ちで私は静かに興奮していた。
 ここまで来ればもう焦る必要もないだろう。
 いつもの空き教室に忍び込み、いつもの席に荷物を置いて一息ついた。

 机の上に文庫本を置きながら考える。
 彼女が意図的に人のいないトイレを目指していたのは明白だ。
 それは悲嘆に暮れる為ではなく別の目的で。
 あの日彼女が洩らしていた艶っぽいため息から思うと、おそらく自慰行為。

 今日も彼女はトイレの個室で自慰行為に耽るのだろうか?
 それは脅迫者の命令で?それとも自発的に?
 いずれにしてもこんな時間に意図的にトイレに籠るのは単純に排泄の為だけではないだろう。
 逸る気持ちを束の間落ち着けてから私もトイレに向かった。

 極力音をたてないように内開きのドアを押す。
 今日は彼女の隣の個室で、こっそりじっくり耳をそばだてるつもりだ。
 スニーカーを履いてきた自分をもう一度褒め称えた。

 抜き足差し足でトイレ内を進み個室が5つ並ぶフロアへ。
 おや?
 5つある個室のうち2つの扉が閉じている。
 一番奥と、ひとつおいてその隣、真ん中に位置する3番めの扉が。

 彼女がトイレ内へ入ってから5分くらいが過ぎている。
 先客がいたのか、はたまた私が一息ついているあいだに誰かが駆け込んだのか。
 どちらにしても私には好都合、両方の個室の様子を窺える4番めの個室に忍び込む。
 内開きのドアは今は閉めず、ドアの陰に隠れるように身を潜めた。

 結論から言えば3番めの個室内では普通に排泄行為が行われているようだった。
 私が入ったときにはすでにチョロチョロという水音がそちらの壁の向こうから聞こえていた。
 やがて水音が止まり少しの沈黙の後、新たな大きめな水音はビデを使う音だろう。

 それにしても聴覚に集中すると個室の薄い壁の向こうの様子が手に取るようにわかるものだ。
 水音が止まりカラカラとトイレットペーパーを引き出す音。
 小さな咳払い、つづいてショーツを上げているのであろう衣擦れの音。

 それに比べてもう一方の端の個室は物音ひとつしない静寂がつづいている。

 排泄物を流したのであろうザザーッという一際大きな水音が流れた時、私は個室の内開きのドアをそっと閉めた。
 間髪をいれずガタンと個室のドアを開ける音。
 カツンカツンと大袈裟なヒールの音が遠ざかっていき、小さくザザーッと手を洗っているのであろう水音。
 少しの沈黙の後キーッバタンと廊下に出ていく足音。

 これでこのトイレ内には隣同士の個室で彼女と私の二人きりとなったはずだ。


2023年10月1日

彼女がくれた片想い 04

 翌日から彼女のことが気になって仕方なくなっていた。
 こんなにも誰かのことが気になるという状態は私にとって久し振りの感覚だった。
 講義中のトイレや体育授業のロッカーで彼女が見せた不可解な行動が、眠っていた私の好奇心という名の猫を起こしてしまったようだ。

 一見気弱そうな彼女の笑顔と、していることとのアンバランスさ。
 その本当の意味を知りたいと切望に近い感情を抱いていた。
 かといって唐突に馴れ馴れしく話しかけることなど到底出来ない性分なので、講義中は離れた後方の席に座り彼女の背中を注視していた。

 一年生のうちは必修科目が多いので、ほとんどの講義は彼女と同じ教室だったが、一部の選択科目では彼女と別れることになる。
 私の知らないところで彼女が何をしているのかまで気になってしまい、自分の講義はそっちのけで選択科目教室までこっそりついていき、彼女が教室に入るのを確認してから自分の講義に遅刻して入るということも何度かあった。

 そんな感じで一週間、もちろん学校が休みの土日は除いてだが、彼女に注目しつづけた。
 その結果、彼女は木曜日のみ午前中の授業だけで午後は丸々空いていることがわかった。
 これは彼女が友人たちとそのような事を話していたのも聞いたし、実際その週の木曜日に彼女は午前中の講義の後、学食で昼食も取らずに駅の方へと消えていった。

 木曜日の午後と言えば私が最初にトイレで彼女に遭遇した昼休み後の三限から四限にかかる時間帯である。
 その時間帯、私には四限に講義が一つあった。
 その日は課題のレポート提出期日だったため尾行を断念したのだが、講義を無駄にしてでも木曜の午後は要チェックと心に書き留めた。

 他の曜日には彼女に不審な行動はなく、一週間後にまた体育の授業を迎えた。
 彼女は相変わらず隠れるように隅のロッカーでこそこそと慌ただしく着替えをしていた。
 慌ただしくブラウスを脱ぎ、慌ただしくウエアをかぶり、相変わらず下着を脱いでからアンダースコートを穿いていた。

 ん?

 授業前の彼女の着替えを眺めながら、ほんの小さな違和感が私の五感のどこかにひっかかった。
 目で見たことなのか、音で聞いたことなのか、はたまた匂いなのか、それはわからない。
 ただ、素肌のどこかに一本のか細い抜け毛が貼り付いたような、家を出て五分も歩いた頃にそう言えばエアコンのスイッチをちゃんと切ったか思い出せない、といった類のもどかしい違和感に苛まれる。

 授業終わりの着替えでもう一度確認しよう。
 そう決めた。

 テニスの授業中、彼女は実質的には下着であるアンダースコートを盛大に露出しながら体育館を走り回っていた。
 私はそれをドキドキしながら横目で視ていた。
 そして授業は終わる。

 例によって更衣室の隅っこに壁向きで、私に背中を見せながら着替えをする彼女。
 かぶりのウエアから先に両腕を抜き、頭まで一気にたくし上げる。
 ここで露わとなった彼女の背中を見て、もどかしい違和感の正体があっさりわかった。
 やはり視覚であった。

 真っ白な彼女の背中、今日のブラのストラップも白。
 その白い肌に幾筋かの細いラインがうっすらピンク色に横切っていた。
 俗に言うミミズ腫れのような痛々しい感じではなく肌が白いがゆえに目立つ、といったうっすら加減なので上気しているようでもあり妙に艶めかしい。

 その背中も瞬くうちに白いブラウスで隠され、つづけて彼女のスコートが外される。
 すぐに薄青色花柄の膝丈フレアスカートに素足が包まれ、前屈みの状態で裾から両手が差し込まれてアンダースコートが降ろされる。

 彼女の着替えは今日もそこで終了した。
 今、彼女はウエア類を丁寧に畳んでいる。
 つまり今日もこの後はノーパンで過ごすということである。

 すっかり身支度を整え私の横を歩き去っていく彼女の背中を見つめながら私は、今まで経験したことの無いサディスティック寄りな性的高揚を感じていた。
 彼女の正体を暴いてやりたい、みたいな感情だ。

 学食、午後の講義と気づかれぬように彼女の挙動に注目しつつ講義そっちのけで彼女について考えていた。

 まず、彼女の背中を飾っていた幾筋かの横向きなピンク色の痕。
 私の頭に真っ先に浮かんだのは所謂SMプレイで行われる鞭打ち行為だった。
 もちろん私は実際にしたこともされたこともなかったが、ネットでその手の動画は積極的に漁り、いくつも見ていた。

 その他の可能性、たとえば虫に刺されたとか何かにかぶれたとか、あるいは痒くて自分で掻いた等では、あの程度のうっすら加減では終わらないだろうし、痕ももっと部分的になる筈だ。
 
 そして鞭打ちの結果だとすると、一本鞭での打擲痕ではあの程度で終わる筈が無いので、おそらくバラ鞭で付けられたものだろう。
 彼女の背中を横向きに染めていたピンクの筋群はネットで見た、四つん這いな裸の背中に振り下ろされたバラ鞭の打擲痕によく似ていた。

 この憶測で何よりも私を興奮させたのは、自分の背中を自分であんな風に痛めつけるという行為は不可能ということから、彼女とは別の人間の存在、すなわち彼女は誰か第三者の手によって鞭打たれのではないかということだった。
 そこから私の妄想がとめどなく広がり始めた。

 おそらく彼女は先週末に誰かとSM的なプレイをしたのだろう。
 では誰と?
 
 援助交際が出来るようなタイプには到底見えないから、ステディな恋人がいるのかもしれない。
 でも、それでは学内での彼女の不可解な行動の理由までは説明できない気もする。
 ここからは私の個人的な願望も入り混じってはいるのだが、内気そうな彼女が傍目に見てアブノーマルと言える行動を繰り返すような設定を私は知っている。

 脅迫。

 脅迫者に何かしらの弱味を握られ、抗いたい命令にも従うしか無い状態。
 それが彼女にはピッタリだと思えた。

 では、その脅迫者は誰か。
 自然に思い浮かぶのは、嫌らしい笑みを湛えた冴えない名無しの中年男性。
 ひょんなことから彼女の弱味を握り、その後は好き放題。
 呼び出しては彼女の身体を貪り、離れているときも破廉恥な命令を下して劣情を煽る。
 
 この設定は私が今まで見聞きしてきたエロい創作物の影響を多分に受け過ぎているようにも感じたが、彼女が醸し出している雰囲気にしっくりと馴染み、どんどん妄想は広がっていった。

 ノーパンなはずの彼女は、その後はおかしな素振りも見せず普通に夕方まで講義を受け、友人数人らとキャンパスを去っていった。
 一瞬、尾行することも考えたが、今日は頭に渦巻く妄想のせいで自分の部屋に一刻も早く帰りたかった。

 週末に脅迫者の薄汚いアパートの一室に呼び出された彼女。
 すぐに服を脱がされ、縛られたりもしたかもしれない。
 嫌がる彼女に一方的な性行為の後、四つん這いにされ鞭打たれる彼女。
 ひょっとするとアナルまでも涜されたかもしれない。
 学内のトイレでの自慰行為も体育後のノーパンも命令されてのことであり、スマホでの自撮りや送信を強要されている。

 自分の部屋に着くなり服を脱ぎ捨てた私は、妄想の中の彼女と同化し、卑劣な脅迫者に嬲られ陵辱されるという、私にしては被虐的な自慰行為に没入していった。

 その週の木曜日。
 彼女は友人たちと学食で昼食を取っていた。


2023年9月18日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 18

 愛しのお姉さまの、これは中指一本。
 根本までズッポリ挿入され、指先がクネクネ蠢いています。

「ほら、直子は右手は本に伸ばして、オマンコへのイタズラに耐えてる感じで」

 五十嵐さまのご指示に顔がいっそう悩ましく歪みます。
 お姉さまの指は丁寧に膣壁を撫ぜる螺旋運動。
 チュプチュプチュプチュプいやらしい音が鳴り響いています。

「ねえこれ、イカせちゃったほうがいいの?」

 お姉さまがのんびりと五十嵐さまにお尋ねになられます。
 私は必死に右手を上に伸ばしながら快感に耐えています。

「うーん、このシーンはそこそこいい感じに撮れたから、これでいいや」

 五十嵐さまの非情なお答えであっさり指は引き抜かれ、私は不完全燃焼。
 脚立の上で思わずしゃがみ込んでしまいます。

「そのままの姿で床に降りてきてなさい。裾もバストも直してはダメ」

 ご命令口調の五十嵐さまがスマホを構えられたままおっしゃいます。
 ひょっとすると動画も撮られているのかもしれません。
 私がご命令通りの姿で脚立を降り切ると、五十嵐さまが角田さまにお声掛け。

「ねえユカリン、余ってて売れそうもないSM雑誌とか4、5冊貸して欲しいんだけど。うんと古いやつとか」

 そのお言葉を聞かれ、角田さまが眉を少し曇らせます。

「あのね、大昔のSM本とかゲイカルチャーの雑誌とかって風俗資料としても貴重だから意外と良い値で売れたりするものなの。まあ、マニア限定だから探してる人も少ないけどさ」

 ぶつくさおっしゃいつつもその手の本のコーナーであろう大きな書架、この古書店で一番大きいかもしれません、に取りつかれ、物色くださっています。

「このへんなら、古いけどページ抜けとかあって一律百円のだから、汚されても構わないか」

 数冊の判型もバラバラな雑誌を五十嵐さまに手渡される角田さま。
 そのあいだ私はなぜだか服従ポーズになり、おふたりを眺めていました。
 もちろん裾はせり上がって下腹部丸出し、おっぱいも両方ともはだけたままの姿です。

「それじゃあ直子、そうだな、そのレジ前の広いところで座っちゃって。お尻を床に着けて大股開きのM字開脚で」

「えっ!?」

 思わず上げた私の戸惑いの声は、五十嵐さまの冷たい視線に睨まれて即却下。
 脚立を離れ、ご指定いただいた場所へと服従ポーズのまま、すごすごと移動します。

 来たときに角田さまが座っておられたレジカウンターの前は、そこだけ二メートル四方くらいポッカリと空間になっていて、その周囲にはまだ整理されていないらしい紐でくくられた古本の山。
 そこにしゃがみ込むと真正面が古書店の入口です。

 コンクリートのひんやりとした床に生尻を置き、ためらいがちにゆっくりと両脚を開いていきます。
 五十嵐さまは手にした雑誌類を適当に開いては、乱雑に私の周囲に置いています。
 いつしか私の周りは、縛られた裸の女性のグラビア写真だらけになっていました。

「そこでオナニーしなさい。オカズは周りのエロ写真。直子好みっぽいのを見繕ってあげたつもりだから」

 こんなところで、みなさまが視ておられるその前で、という羞恥はもちろんありましたが、その前の脚立での不完全燃焼が一斉に小躍りする愉悦の声のほうが上回りました。
 私の一番傍にあった写真に目を遣ると、古民家風な和室の太い柱に縛り付けられ、片脚だけ大きく広げて吊るされた全裸女性の絶望で諦めきったお顔。
 私の大好物シチュエーションな絵面ですぐにあらぬ妄想が広がり、右手は押し拡げた股間へまっしぐら。

「んっ!」

 親指と人差し指で肉芽をつまみ、中指と薬指を膣内に潜り込ませればもう止まりません。
 さっきみたいな不完全燃焼はもう御免とばかりに、快楽絶頂へ全集中です。

「客のいない古本屋の床にエロ本ばら撒いてひたすらオナニーに耽る少女、っていうのも、うちの具現化したかった妄想のひとつなんだ」

 そんなことをおっしゃりながらスマホのレンズを私に向けてくる五十嵐さま。
 もちろんその背後には角田さま、中村さま、そしてお姉さまの六つの瞳も、驚愕や呆れ、軽蔑の色を湛えて私を見つめています。

 電車の中でお姉さまから言わされたはしたないセリフが、幾分アレンジされて思い浮かびます。
 …ああん、直子がマゾマンコをいやらしく弄ってに淫らにイキ果てるところを、みなさま存分にご覧ください…
 このかたたちの視線は安全だということがわかりきっていますので、ずいぶん大胆になっています。

 左手は服からはみでた両おっぱいの乳首を重点的に虐め、右手の指はクチュクチュピチャピチャ淫靡な音を立てて暴れまわっています。
 両脚は180度に近いくらい大きく開き、幾分のけぞり気味に無毛の女性器をみなさまに差し出すような格好で行為をつづけます。

 …ん、んふぅ、くっ、んーーーーっ!!いいぃぃぃっ!!!…んふーーーっ!!いいっ、いいっ、いいいっ、くぅーーーーっ!!!…
 声を押し殺して立てつづけに二度三度、絶頂を迎えました。

「うん、いい絵がたくさん撮れた。直子のスケベ顔はサイコーだわ」

 ハァハァ息を荒くしている私を横目に見つつ、そんなことをおっしゃりながら散らばった雑誌類をかたづけられる五十嵐さま。
 私の股間周辺はお漏らしでもしたようにビチャビチャでしたが、幸いシオを吹くまではイカなかったみたい。

「一息ついたら次は日常のお仕事編ね。そのえっちな服は脱いで、いったん全裸になっちゃって」

 床にモップをかけながら、さらっと大胆なご命令を下さられる五十嵐さま。
 再び角田さまにお声掛け。

「でユカリン、エプロン貸して。直子に裸エプロンさせるから」

 そのお声を聞いた角田さまは仏頂面。
 私は快感の余韻を感じつつよろよろと立ちあがります。

「えーーっ!?これ昨日下ろしたばっかりの新品で、気に入ってるから汚されたくないんですけどーっ!」

 それでもフッと気が付かれたように、つづけられました。

「あ、でも捨てようとしてた古いやつ、まだゴミ出ししてないからゴミ袋の中にあるわ。すごいヨレヨレだけど」

 そうおっしゃってカウンターの下をガサゴソされ、やがてクタッとした濃い緑色の布片がゴミ袋から引っ張り出されました。
 広げてみると確かにエプロン、ただしあちこちがほつれて前掛け部分には引き攣れたような穴も空いて全体的に確かにヨレヨレ。
 色もシミや擦れで濃い緑と薄い緑のまだら模様です。

「先代のバイトの人が使ってたお古をそのまま何も思わず使ってたのだけどね。ちょっと前にお腹んとこがビリッと破れちゃったから、さすがに変えようと思ってじいちゃんにお金もらって買ってきたんだ」

「でも直子ならこっちのほうが似合うよ。うらぶれて倖薄そうな感じで、昭和レトロっぽくて」

 角田さまと五十嵐さまの楽しげな会話。
 布地に鼻を少し近づけると埃っぽい匂いに混ざって、五十嵐さまがつけておられる柑橘系ぽいパフュームの香りがうっすらします。

「ほら、直子も早くそのエロ衣装脱いで、汗ばんだからだを拭ってから素肌にこのエプロンを着けなさい」

 すっかりご命令慣れされた五十嵐さまに促され、まるで衣服の役目をしていないニットを裾からまくり上げて瞬く間に全裸。
 お姉さまにニットを手渡し、代わりにバスタオルを受け取ろうとしたところで、このお店に入るときに聞いたことのあるチリンチリンという音色が聞こえた気がしました。

 間髪を置かず少し建て付けの悪い引き戸をガラガラッと開ける音。
 どなたかお客様がいらしたんだ、と思った瞬間、私は大パニック。
 お姉さまもそちらに気を取られ私に手渡そうとされていたバスタオルを引っ込めてしまわれたので、私は正真正銘の全裸のまま慌てて胸と股間を庇いビーナスの誕生ポーズ。

「あ、じいちゃん、おかえりー」

 ドキドキ最高潮な私の緊張感を嘲笑うような角田さまののんびりとしたお声。
 えっ?じいちゃん?
 うつむいていた顔をおずおずと上げ、みなさまが振り向いているお店の入口を見ると…

 パナマ帽をかぶられた少し痩せ気味な長身の男性のお隣に、杖を突かれたふくよかな感じの女性。
 男性の口ひげは真っ白で、女性のひっつめにした御髪も見事な銀髪、かなりお年を召しておられるよう。
 おふたりとも呆気にとられたご表情で私を見つめておられました。

「お邪魔していまーす」

 ご挨拶を口にされた五十嵐さまもご存知ということは、このかたがこのお店のご主人様なのでしょう、つられるように中村さまとお姉さまもお辞儀をされています。

「ああ、ショーコちゃんも来てたのか、いらっしゃい。まあそれはそれとして、なんでわしの店にまっ裸の女の子がいるんだい?」

 呆気から立ち直られたご主人様らしきかたが、怪訝五割好奇五割みたいな複雑そうなご表情で、それでもお優しく角田さまに尋ねられます。

「この子はショーコの知り合いで見せる子ちゃんだから大丈夫。ショーコのリクエストでちょっとした撮影会してた最中なんだ」

 ご主人様らしきかたにわかったようなわからないようなご説明をされた角田さまが、今度は私たちのほうを見遣ります。

「みんなにも一応紹介しておくね。このじいちゃんがこの古書店の店主。ぼくの親戚、母方の祖父の弟で斎藤常吉じいちゃん。みんなからはツネさんて呼ばれてる」
 
 そのお言葉を引き取るように店主さまがパナマ帽を取られ、深くお辞儀されました。
 パナマ帽の下は見事な禿頭でした。

「こんな田舎の古本屋にみなさんよくいらっしゃいました。どうぞゆっくり見ていってください」

 そうおっしゃいつつお顔を上げた店主さまの目は、胸と股間をガードした私の素肌に釘付けです。
 ねっとりとした視線が私の素肌に絡みついてきます。

「それで、この子だけが裸なのには何か理由があるのかい?犬の首輪まで着けて。まさかよってたかってのイジメとかじゃあないだろうな?」

 店主さまが角田さまに尋ねられると、五十嵐さまが代わってお答えになられました。

「ううん、裸も首輪も全部この子が自発的にやってることで誓ってイジメなんかじゃありません。この子、人に恥ずかしい姿を視られるのが大好物な特殊性癖、従順なマゾヒストなんです。今だって恥ずかしそうにおっぱい隠してますけど、本当は視てもらいたくってしかたないんですよ、ね?」

 最後の、ね?は、私に向けてのものでした。
 だからといってすぐ腕を外すわけにもいきませんが。

「ほう、わしももう八十過ぎだからあっちのほうは、今はただ小便だけの道具かな、なんじゃが、助平なことは相変わらず大好きでな。こんな別嬪さんの裸を間近で拝めるのは眼福だわな」

 店主さまの視線が好奇と好色100パーセントに変わり、無遠慮に私を見つめてきます。

「ほら、直子も、ちゃんと斎藤さまにお見せしてご挨拶なさい」

 沈黙を保っていたお姉さまから不意にお声をかけられ、お姉さまのお綺麗な顎がクイッと上にシャクられました。
 服従ポーズの合図です。
 
 従うしかありません。
 おずおずと両手を後頭部に持っていくと、開放された部分に痛いくらいの視線が集まります。
 完全に見世物状態です。

「あらまあ、綺麗なおっぱい」

 それまで無言でニコニコされていた店主さまの傍らの杖の老婦人さまが初めてお言葉を発せられました。

「うむ、良い乳だ。大きさも形も申し分ない」

 店主さまもご感想を述べられ、ついでにという感じで老婦人さまをご紹介されます。

「この人はわしの雀友で瑞江さん。わしよりふたつ年上じゃ。若い頃からバーのママを長いことやってた行かず後家でな、麻雀のあいだもシモネタばっかり言ってる、わしに輪をかけた助平女じゃ」

「あら、初対面の人もいるのに、そんな本当のこと言っちゃいやですよう」

 仲睦まじく笑い合う店主さまと瑞江さま。
 そんなおふたりの目がますます不躾に私の裸身を撫ぜ回します。

「それに綺麗なパイパン。太股が濡れちゃってるのはわたしたちに視られているからかしら。感じやすいのねえ」

 瑞江さまがからかうみたいにお優しくおしゃいます。
 確かに休めの姿勢で軽く開いた両脚の付け根から、粘り気のある液体が内腿を伝って滑り落ちるのが自分でもわかっていました。
 それでも服従ポーズを崩すことは出来ません。

「ねえ、ちょっと触ってみてもいい?こんな綺麗なおっぱい見せつけられたら、その柔らかさも確かめたくなっちゃった」

 あくまでもお優し気な笑顔はキープしつつ、すっかり悪戯っ子のお顔になられた瑞江さまが、この座の中心と見定めたのであろうお姉さまに向けてお願いされました。

「もちろんです。ほら、直子からも触っていただけるようにちゃんとお願いなさい」

 満面の笑みなお姉さまから促されたら、逆らうことは出来ません。

「は、はい…ど、どうぞ直子のからだを、心ゆくまで、ご自由にお触りください…」

 自分で言った言葉に感じすぎてまた一筋、粘液が内腿を滑り落ちます。
 その様子を総勢六名の瞳にしっかり目撃されています。

「あら、お許しが出ちゃったわ。ほら、ツネちゃんもご相伴に預かりなさい」

 瑞江さまが嬉しそうにおっしゃり、つづけて左右のおっぱいにそれぞれ違う感触の刺激が襲いました。
 右のおっぱいには節くれだってシワシワな店主さまの右手。
 左のおっぱいには少しふくよかで、だけど少しシワっぽい瑞江さまの右手。

 それぞれがおっぱいを揉みしだいたり乳首を摘んでみたり、自由奔放に蹂躙してきます。
 私は後頭部に両手を押し当てて悦びの声を必死に押し殺したままされるがまま。

「おお、さすがに若い子の肌はなめらかで柔らかいのう。こんな瑞々しい女の素肌に触れるのはン十年ぶりじゃ」

 店主さまが感極まったようにおっしゃいます。
 私も成人男性に生おっぱいを触られるのは生まれて初めてのことでした。

 瑞江さまはもっと大胆でした。
 しばらく左おっぱいを虐めていた瑞江さまの右手はやがて持ち場を離れ、ずっと下って無毛の下腹部をスリスリさすってきました。
 その手が股下まで潜り込み、飛び出た肉芽が指の間に挟まれ、肉壷がやんわり抉じ開けられます。

「んーっ!」

 とうとう堪えきれず歓喜の淫声を洩らしてしまう私。
 それ以上のことをして欲しくて、自然に両足の幅が開いてしまいます。
 でも瑞江さまの手はそれ以上に進む事はなく、いつしか両方の手とも私のからだを離れていました。

「ツネさんも戻ってきたことだし、これでユカリンもお役御免ってことよね。さっさと残りの撮影済ませて、うちらも家路につくとしましょうか」

 タイミングを計っていたみたいな五十嵐さまの鶴の一声で、場の雰囲気が変わりました。

「それじゃあ、わしらはここでその撮影会とやらを見物させてもらうとしようか」

 店主さまと瑞江さまがレジカウンター脇のベンチに仲良く腰掛けられました。
 私にやっとバスタオルが手渡され、汗や粘液を軽く拭った後、撮影が再開されます。

 五十嵐さまのご指示で、レジカウンターでお店番をしているところ、お姉さまをお客様に見立てて接客をしているところ、お店のお外でホウキを持って掃き掃除をしているところを、それぞれ裸エプロンと全裸で2パターン、立てつづけに撮影されました。

 お店のお外に全裸で出るのは少し怖かったのですが、幸か不幸かお外にはまったく人影がなく、相変わらずギラギラ照りつけてくる晩夏の日差しに少し拍子抜け。
 五十嵐さまのテキパキとしたご指示で撮影は滞りなく終わり、古書店をお暇することになりました。

 帰り際、まだ私が読んだことのない名塚先生の百合薔薇学園作品の古書を三冊、お姉さまが買ってくださいました。
 お姉さまも古いSMの写真集か何かを何冊か買われたみたい。

 近くに来たらまた寄ってくださいな、という店主さまのお言葉を背に受けつつ、五十嵐さまのお車に乗り込みます。
 私は角田さまのお古のくすんだエプロンだけ身に着けています。
 生尻にはバスタオルを敷き、中村さまとお姉さまに挟まれての後部座席。

「意外に長居しちゃったね。この感じだと5時半前にお屋敷に着けるか微妙だな」

 ハンドルを握りながら五十嵐さまがお独り言っぽくおっしゃいます。
 助手席の角田さまは、物珍しそうに車窓を眺めています。

「5時半ってジョセのことだったら大丈夫よ。あの子、5時半頃になって家に誰もいなかったらひとりで勝手に散歩に出かけちゃうから。たぶん家の敷地内でうんちをしたくないんだろうね」

 中村さまが気怠げにお答えになられ、小さな欠伸をひとつ。

「それにしても今日は濃ゆい一日だったわ。日光に当たりすぎて眠たくなっちゃった。少し仮眠するから着いたら起こしてね」

 そうおっしゃるなり両目を瞑られる中村さま。
 左隣を見るとお姉さまも両目を瞑られ安眠モード。
 せっかく私が恥ずかしい裸エプロンなのにイタズラしてこられないおふたかた。

「あー、寝ちゃうのはずるいよ。ユカは起きて話し相手になってよね。うちだってこう見えてちょっとは疲れてるんだから。居眠り運転で死にたくないでしょ」

「あー、はいはい」

「直子も眠かったら仮眠していいよ。まだまだ夜は長いから体力温存しといたほうがいい」

 五十嵐さまの一見お優しい、でも不穏な含みのあるようなお言葉に、いえ、私は大丈夫です、と答えたものの、両隣のお二人がスヤスヤ寝息を立てているのを聞いて眠気が伝染したのでしょう。
 
 行くときに通った、道の両脇から踏切の遮断機みたいな黄色い棒が行く手を塞いでいるところで、五十嵐さまがカードをかざしていたことまではぼんやり覚えているのですが、やがて睡魔に呑み込まれたようでした。

2023年8月13日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 17

 その衣服は薄っぺらくて伸縮性のあるニットで作られていました。
 座席に座ったまま広げてみると、見るからに布地部分が少ない感じ。

 細いホルターネックで着丈も短め、バスト部分と背中部分が大胆に大きく開いています。
 そして着る前からわかるくらい私にはちょっと小さめっぽい。

「着てみよっか」

 お姉さまに促されて走行中の車内に全裸で立ち上がります。
 ホルターネックですから頭からかぶって身に着けます。
 さっき雨でズブ濡れになった首輪もすっかり乾いています。
 伸縮性ある生地が素肌に吸い付くようにバスト、ウエスト ヒップと覆っていくのですが…

 まず背中は見事にガラ空き。
 お尻の割れスジが始まってすぐ辺りから、やっと狭い布地がお尻と下腹部を覆ってくださいます。

 両肩は剥き出し、首の下を少し隠してから胸部分には大きな穴がおへそ辺りまで空いていて横乳と谷間が大胆に丸見え。
 両方の乳頭付近を隠してくれる布地はそれぞれ幅5センチくらいで、おっぱいを押し潰すように密着していますから当然、乳首部分丸わかり。
 着丈は膝上25センチ位のマイクロミニ状態で、ちょっと背伸びしただけで両腿の付け根ギリギリです。

「うわっ、エロい…」
「薄いニットがピタピタで乳首がすごい目立ってる」
「露出が多くておまけにボデイコンだからハダカよりもいやらしい」
「これはドーテーじゃなくてもサカるわ」
 
 みなさま口々にからかうようなご感想。
 私も服は着ているのに、なんだか凄く恥ずかしい。
 本当にこんな格好でお外に出るのでしょうか…

「ナビだともうすぐのはずなんだけどな」

 運転席で橋本さまがつぶやかれます。
 お車は、対面二台がやっとすれ違えるような細い道を進んでいます。

 まわりはたまに民家で、あとは何かの畑なのか空き地なのか、草木の生い茂った田舎道。
 民家の出現頻度が少し増えてきたかな、と思った頃、お車がスピードを緩めました。

「…この辺だと思うんだけど…」

 橋本さまがお車をお停めになったのは、進行方向側に大きな引き戸のお店屋さんぽい建物、道路の向かい側が広めな空き地になっている場所です。

「ピンポーン、正解。車は向かいの空き地に止めればいいから」

 五十嵐さまがおっしゃり、お車が右側へと曲がって空き地に突っ込みます。
 空き地にはすでに二台のお車が駐められていました。

「うちらの荷物をそっちの青い車に移しちゃって」

 お車が停められるなり勢いよくスライドドアを開けられた五十嵐さまが、お外に飛び出されます。
 他のみなさまもンーっと背伸びをしつつゾロゾロつづかれます。

「それがイガっちの車?」

「うん。五人乗るとちょっと狭苦しいかもしれないけど」

 中村さまのご質問に答えられる五十嵐さま。
 スライドドアのすぐ横に、このお車より一回りくらい小さくてワゴン型の青いお車が駐めてありました。
 青いお車のハッチバックを開けられる五十嵐さま。

「ほら、直子もさっさと外に出なさい」

 おひとりだけまだお車に残られていたお姉さまから、ご命令口調で促されます。
 でも…この格好で…とマゾには許されない口答えをしたくもなりますが、どっちにしろお外に出されるのはわかりきっていますから素直に従います。

 それに、これまで強烈な体験つづきで羞恥心が薄れてきてしまったのか、こんな格好でお外に出るという屈辱もなぜだか愉しく感じてきていました。
 このかたたちと一緒にいる限り、どこでどんな格好になっても大丈夫、という信頼というか甘えが生まれていたのだと思います。

 さっきまでの豪雨が嘘のような午後三時前晩夏の晴天。
 お荷物を五十嵐さまのお車へと移されるみなさまのご様子を、まだまだキツイ陽射しの中でボーッと眺めます。

「田舎の古本屋ってちょっとワクワクしない?掘り出しもんありそうでさ。まだ時間少し余裕あるし、オレらもちょっと覗いていこう」

 橋本さまのご提案で本橋さまもお車を降りられ、みなさま連れ立ってお向かいの古本屋さんへ。
 お外に本とかは積んでなく、大きなガラスの引き戸に店名が白い文字で大書されています。

「ヤッホー、お迎えにきたよ」

 お元気よいご挨拶と共に五十嵐さまがガラガラっと引き戸を開けると、戸の端に取り付けられた風鈴みたいな呼び鈴がチリンチリンと鳴りました。
 五十嵐さま、中村さま、橋本さま、本橋さま、お姉さま、そして最後に私とゾロゾロ店内に入ります。

 床はコンクリートで内装もグレー系という見るからに年季の入った古本屋さんという感じ。
 引き戸の大きさに比べて店内は意外に奥行きがあり、背の高い書架が壁際に整然と立ち並び、中央のスペースにも通路を作るように書架が並んでいます。
 ほどよく効いたエアコンの風に乗って、あの古本屋さん特有の少しカビ臭いような独特の香りが漂っています。

「いらっしゃーい」

 店内の正面奥に木製のカウンターみたいな机があり、正面を向いて座られていたお店番らしいお若い女性がお優しくおっしゃってくださいました。
 真っ直ぐな黒髪をお姫様カットにされ、涼し気な目元が印象的な美人さん。

「一応紹介しておくね。こちら角田由香ちゃん、通称ユカリン。うちの中学からのツレで同人仲間」

 五十嵐さまが差し出された右腕をこんどはこちらに向けられます。

「かなっちとは何度か会ってるか。そんでこっちがお客様。東京で服飾のお仕事をされている渡辺エミリーお姉さまとその噂のマゾペットな森下直子ちゃん。んでこっちの男性ふたりは真正ビーエルカップル、ハッシーとモッチー。あ、いや正確に言うとモッチー×ハッシーだな」

 今度は私たちが紹介され、同時に私がお店番の女性、角田さまの真正面にお姉さまの手で無理矢理押し出されました。

「うわっ、すごい服…」

 驚かれているみたいな割には抑揚のない低いお声で角田さまがつぶやかれます。
 でもその視線は私の顔からおっぱい、下腹部を過ぎて足の先まで、すべての部位を吟味でもするように何遍も往復しています。
 その舐めるような視線にマゾ性が刺激され、いつの間にか両手を後頭部に回してしまう私。

「いいのよ直子は見せる子ちゃんだから。こうして恥ずかしい格好を誰かに視られるのが何よりも興奮する淫乱ドマゾ」

 五十嵐さまの恥ずかしすぎるご説明。
 でも、こんなお綺麗なかたにクールな瞳でマジマジと真剣に見つめられていると、それだけでゾクゾク感じてしまっているのは事実でした。

「ふーん、そう。でショーコ、あんたこの人タイプでしょう?おっぱい目当てのおっぱい星人が」

 角田さまが詰るようなからかうような微妙なニュアンスで五十嵐さまに尋ねられます。

「タイプっていやいやいや、だって直子はエミリーお姉さまのものだし、うちは
便乗してアソバせてもらってるだけだから…」

 焦ったような早口でご弁明される五十嵐さまが可愛らしい。
 それに角田さまだって、エプロン越しのおムネはかなりご立派そうです。

「ふーん。ま、いいけど。あとボク、ここ上がれるの三時半だから、あと40分くらいあるんだけれど、どうする?まったりするならその棚の脇にベンチがあるし、外に飲み物の自販機もある」
「まあ、じーさんが戻って来たら上がれるから、も少し早くなるかもしれないけど」

 角田さまが立ち上がられました。
 背はあまりお高くなく私より少し低いくらい。
 ただ、お顔が小さく出るところは出てくびれるところはくびれ、おまけに股下がスレンダーに長いというナイスプロポーションのボクっ子ということで、会社のミサさまに雰囲気が似ている気がしました。

「あーそれは無問題でむしろちょうどいいの。なぜならここでうちの永年の夢だった、古本屋での露出恥辱写真を直子モデルにして撮りまくるから。そんでそれを参考に新作マンガを描き上げるんだ」

 五十嵐さまが嬉しそうに不穏なことをおっしゃいます。

「へー、ショーコにそんなしょーもない夢があったんだ」

 角田さまが抑揚のないお声でおっしゃってからは、五十嵐さまの独演会。

「ほら、さっき直子にも言ったけど、うちが性癖拗らせちゃった発端て、小坊の頃に畑で拾ったエロ本だったんだ」
「で、刺激的な写真や文章と一緒にマンガも載っててさ。今となってはタイトルも作者もわからないえっちマンガ。それが強烈に印象に残っちゃってるんだ」

「んでそのストーリーが、えっちに興味津々の女子高生が町外れのばーさんが店番している小さな古本屋で、えっちな小説を万引しようとするんだ」
「当然バレて学校や親に報告しない代わりに、その店で一ヶ月間バイトさせられることになるんだ。その代わりその小説はもらえて、野外露出モノっぽいタイトルが描いてあった」

「で放課後せっせとバイトに勤しむことになるんだけど、レジ周りにいつもSMぽいエロ本がこれみよがしに置かれてるんだ。町外れの古本屋ってエロ本充実しがちじゃん。もちろんばーさんの指し金」
「そんで店は暇だからその子も読んで、当然影響されて店番しながらレジカウンターに隠れてパンツだけ脱いでみたり、ブラ外してみたり」
「めったにお客さんが来ないのをいいことに裸エプロンで店番していたある日、みるからにスケベそうな中年男がやって来て、っていうところでその話は終わってた」

「なんか妄想広がりまくっちゃってさ。子供の頃は、そのバイトの子の行動がわからなくて、なんで自分から恥ずかしい姿になりたがるんだろうとか」
「ばーさんが催眠術とかかけたのかななんて思ってたけど、年齢重ねるとわかってくるんだな、破滅願望的なスリルってやつ」

「で、うちのヰタ・セクスアリス原体験とも言えるそんなストーリーにうちなりの解釈で決着を付けたいと思ったのが今回のマンガの構想。で、そんなときに都合よく現われてくれたのが直子だったんだ」

 五十嵐さまは早口で一気にお話されました。
 聞いていたのは角田さま、お姉さまと私の三人。
 他の方々はそれぞれご興味のある書架へと散らばりご本を物色されていました。

「へー、でもそんな永年の夢があったんならボクに言ってくれれば、バイト中にいくらでも、ここでエロい格好してあげたのに」

 角田さまが五十嵐さまを真っ直ぐに見つめつつおっしゃいます。

「う、うん…それも何度かは考えて何度か相談もしようと思ったのだけど…」

 急に歯切れが悪くなられる五十嵐さま。

「でも、でもそれは絶対嫌なの…駄目なの…だって、だって…」

 そこでお顔を上げられ、角田さまを真っ直ぐに見つめ返される五十嵐さま。

「だってそんなことしたらユカの裸を誰かに視られちゃう恐れがあるっていうことでしょ?不意の客とか店主のおじいさんとかに!それは絶対嫌なの!ユカの綺麗な裸はうちだけのものなの!」

 投げつけるようにおっしゃった五十嵐さま。
 なるほどおふたりはラブラブです。
 でも逆に言うと私の裸はどなたに視られようが構わない、ってこと?

「わっ!ここって名塚先生の本、大昔のからほとんど揃ってるじゃん!」

 そのとき、橋本さまの突拍子もない大きなお声が店内に響きました。

「これ読んだことない、あ、これも、これも。しかも東京で買うよりぜんぜん安いし。いやあ寄って良かった。ここは楽園でしょ」

 橋本さまの弾んだお声が店内に響きます。
 ひと仕切り大騒ぎした後、橋本さまがご本を5、6冊抱えてレジにやって来ました。

「これ、お願いしまーす」

 満面な笑みの橋本さま。
 本橋さまも古いスポーツ雑誌みたいのを数冊お買い上げ。

「それじゃあぼくたちは時間もヤバいし、このへんで失礼します。いろいろごちそうさまでした。楽しかったです」

 本橋さまがかしこまった感じで深々とお辞儀をされました。
 その横で橋本さまがお姉さまに右手を差し出されます。

「ほい、これが撮影したSDカードとUSBメモリ。バックアップは一切取ってないから失くさないように」
「編集終わったらオレらにも一応観せて欲しいな、姫の避暑地露出紀行、なんてね」

 そんな感じで、楽しかった、気をつけて、また東京で、よい旅を、みたいなご挨拶が飛び交う中、本橋さまと橋本さまがお店を出ていかれました。

 おふたりが去って店内を包む束の間の静寂。
 その静寂を破られたのはお姉さまでした。

「イガっちのえっちマンガにかける情熱はよくわかったわ。思う存分直子を好きに使って」

 冷たいお声で宣言され、私の撮影会が始まりました。

「せっかくそんなエロい服着ているんだから、まず手始めにその脚立に乗って、棚の高いところの本を取っているフリをしてもらおうかな」

 のっけから五十嵐さまの無慈悲なリクエスト。
 ノーパンで膝上25センチのボディコンマイクロミニですから、そんな格好したら膣もお尻の穴も真下から丸見えです。

「あ、あの、で、でも今、このお店って営業中ですよね…そんな最中にもしも他のお客様がいらしてしまったら…」

 軽く却下されるであろうことはわかっているのに、でも、だって、を言わずにはいられない臆病者な私。

「あ、その点は大丈夫。この店、本当に客来ないから」

 お答えくださったのは角田さまでした。

「今日だって午前中に通販の受注見て荷造りして、一時に宅配便が取りに来て、それ以外誰も来てないから。ボクはずっと新作のプロット練ったりゲーム三昧。そんな毎日」
「逆にそんな場にもしも客が来たら超ラッキなーことなんだから、じっくり視てもらえばいいんじゃない?見せる子ちゃんなんでしょ?」

 最後のほうはちょっと小バカにした感じで私におっしゃった角田さま。
 ああん、やっぱりミサさまに似て角田さまもイジワルそう。
 アソコの奥がヒクッと潤んでしまいます。

「そういうことだからさっさと登って」

 全集ものらしき棚の前に折りたたみ式階段風の脚立を置かれ、私を促す五十嵐さま。
 すべてを諦めて一段、二段と登っていく私。

「ふふ、肛門まで丸見えだね、直子」
「もう濡れてるんだ。脚が交差するたびにオマンコの中が光ってる」
「キレイなパイパン。お尻のほうまでヘアが一本もない」

 いつの間にか中村さままでお集まりになり、女性お三かたが剥き出しな私の臀部を見上げられています。
 その周りをスマホを構えられた五十嵐さまがアングルを変えてさまざまな角度からシャッターをお切りになられています。

「その一番上の黒い本に手を伸ばして」

 五十嵐さまのリクエスト。
 その黒いご本は脚立を三段登りきって手を伸ばして届くか届かないかという位置なので、爪先立ちになり、からだを思い切り伸ばしてやっと右手がかかりました。

 パッツンパッツンのボディコン風ニットでからだを思い切り伸ばせば、みるみる裾がせり上がりお尻は丸出しに。
 おまけに右手も精一杯伸ばしたので、それでなくてもキワドかったおっぱいを覆う部分も盛大にずれて右乳首がコンニチハ。

「おお、右乳首が出たね。いい感じよ。直しちゃダメ。今度は左側の青い本に左手を伸ばして、左乳首も出しちゃおう」

 からかうようにおっしゃる五十嵐さま。
 言いなりになるしかない私。

 脚立のてっぺんでずり上がったまま戻らない裾からお尻全体を丸出しにし、たわんだ胸元から左右おっぱいの乳首までを放り出した私に、更なる無慈悲なリクエストが襲います。

「本を取ろうとしている直子のオマンコに指を突っ込みたいんだけど、エミリーお姉さま、やってくれる?」

「えっ、あたしでいいの?どうせなら今日初めての角田さんとかのほうが面白くない?」

 お姉さまがそうご提案されたのですが、角田さまは、いや、いい、とお言葉少なに拒絶。

「じゃあかなちゃん」

「いやいや、直子はエミリーのものだもん。飼い主がやったほうが波風立たないのでは…」

 苦笑いでやんわり拒絶される中村さま。

 おふたりに拒絶されてけっこうショックです。
 きっと私のあまりの恥知らずぶりに呆れられているのでしょうけれど。

「あらら、ふたりに拒否られちゃった。直子の淫乱マゾマンコなんかに指挿れたくないってさ」
 
 私の心を読まれたかのように追い打ちをかけられるお姉さまのお言葉。

「やれやれ、それじゃああたしがやるか。何指?人指し指?薬指?何本?一本?二本?三本?フィストはさすがにまだ無理よ」

 お道化たようにおっしゃるお姉さま。

「いやいや、そんなにハードコアな作品にする気は無いから。いつもヤッてるようにヤッてください」

 五十嵐さまが苦笑いでお答えされます。
 間髪を入れずにズブリと膣内に異物が挿入されました。

「あんっ!」


2023年7月2日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 16

「あそこの自販機でみなさんのために飲み物を買ってきなさい。そのまま裸で」

 やっぱり。
 お姉さまがお外をチラチラ見ておられたので、そんな予感はしていました。

「モッチーハッシーにはコーラ、イガちゃんは?」

「炭酸のオレンジ味」

「かなちゃんは?」

「ワタシはウーロン茶」

「で、あたしは何でもいいんだけど、あったら小瓶の栄養ドリンク剤、元気ハツラツとかファイト一発とかのやつね。なかったらあたしもウーロン茶。あとは直子の好きなもの」
「千円札だと一瞬で濡れちゃって受け付けてくれなそうね」

 おっしゃりながらお財布を開かれ、500円玉2枚と100円玉数枚を差し出されます。
 服従ポーズを解いて受け取る私。

「外に出たら存分に雨に打たれなさい。そうすれば汗やらマン汁のヌルヌルやらをキレイサッパリ洗い流せるでしょ?あなた本当にメス臭いもの」

 ワザとらしく顔をしかめられるお姉さま。

「それでもしも栄養ドリンクが買えたら、戻る時は直子のマゾマンコに突っ込んで戻りなさい。膣をしっかり締め上げて落とさないようにね」

 からかうような笑顔で私にとんでもないご命令。
 五十嵐さまが私をスライドドアの側まで誘導してくださいます。

「あ、ちょっと待って。飲み物6本も買ったら両手でも抱えきれないでしょ。これ持ってくといいわ」

 中村さまがご自分のバッグから折りたたまれた何やら白い切れ端をお出しになられます。

「ゴミ袋用に何枚か持ち歩いてるんだ。コンビニのレジ袋」

 中村さまも私を全裸で豪雨のお外へパシリに行かせることに異論は無いようです。

 五十嵐さまがスライドドアを開けると、途端にザザーッという激しい雨音がライブで。
 スライドドアの乗降口ギリギリまでお車が庇の中に入っているので、お外に降り立つときはまだ濡れずに済みそうです。

 いってらー、という五十嵐さまたちのお声を背に受けて、車外に放り出されます。
 赤い首輪とピンクのサンダル以外スッポンポンの全裸という姿で。

 お外は日没間近みたく薄暗く、叩きつけるような雨音とでたらめに吹きすさぶ風音が怖いくらい。
 庇を一歩出るや否や全身が満遍なくびしょ濡れとなりました。

 大きな雨粒が乱暴に素肌のあらゆる部位を叩き、髪の毛がベッタリ顔面に貼り付きます。
 髪をすべて後に流してオールバックになると、激しい雨風が露わになった顔面を容赦なく蹂躙してきます。
 足下を低いほうへとすごい勢いで流れてゆく川みたいになった駐車場の敷地を、薄闇の中にぼんやり輝く街道沿いの自動販売機まで、お姉さまのお言いつけ通りシャワーを浴びているみたいにゆっくりと歩いていきます。

 こうして激しい雨に全裸で打たれていると、やよい先生が私に生まれて初めてちゃんとした屋外露出プレイを体験させてくださった高二のとき、通っていた高校の裏門で土砂降りの中、レインコートを脱ぎ捨てて全裸オナニーしたことや、高三の梅雨時、たまたま出会った幼い男の子に誘われて森のカクレガでさんざんえっちなアソビをした後、汚れた全裸を洗い流してくれた篠突く雨のことを思い出してしまいます。

 でも、もっとも鮮明に思い出すのは、まだ半年も経っていない今年のゴールデンウィークのこと、お姉さまに志願して三日間の全裸家政婦となった最終日。
 お姉さまのご発案で臨んだオフィス街露出散歩の途中でのゲリラ豪雨。
 雨宿りに寄ったコインランドリーで全裸にされ、駐車場までの道のりは裸透明レインコート。
 夕方たどり着いたコインパーキングではそのレインコートさえ脱がされ、降りしきる雨の中、都会の駐車場に全裸で立ち尽くした後、街中走行中の後部座席で気を失うほどの全裸自慰行為。

 私の記憶って、着々とお姉さま色に塗り替えられていっているんだな…
 そんなことを思いつつ、ふとお車のほうを振り返ると、みなさまお車を降り庇の下から私を見守ってくださっていました。

 橋本さまとお姉さまがそれぞれ私に向けてビデオカメラのレンズを向けています。
 五十嵐さまもスマホかデジカメみたいなものを私に向け、中村さまは肉眼で、本橋さまは降りていらっしゃらないみたいなので運転席で待機なのでしょう。

 やがて、その一帯だけやけに明るく光る自動販売機まで辿り着きました。
 街道の歩道沿い、豪雨とはいえこんな真っ昼間に絶対に全裸で出てはいけない場所です。

 と思う間もなく反対車線側に光が見え、こんな状況なのに一台のトラックが私をゆっくり照らし出して通り過ぎていきました。
 今度は歩道に近いほうの車線にヘッドライトをまばゆく点灯した乗用車が。

 どちらの車も停まることなく通り過ぎていっただけですから、気づかれることはなかったのだとは思いますが、この雨ですからかなりの安全運転でした。
 スピードを出せずに周りを意識しながらの運転、ということであれば明かりの灯った自動販売機は注目される危険性大。
 急いだほうがよさそうです。

 その自動販売機は、よくあるひとつのメーカーの製品で統一されているものではなく知らない商品、おそらくローカルなブランドも混ざっている缶飲料が主体のものでした。
 コーラはよくある赤いのではなく青いほうのメーカー、炭酸オレンジもウーロン茶も知らないメーカーのものでした。

 無ければいいなと思っていた栄養ドリンクは、元気ハツラツのほうがしっかり入っていました。
 わざわざご確認はされないだろうし無かったことにしちゃってもバレないよね、と一瞬思いましたが、お姉さまに嘘をつくことはやっぱり出来ません。

 そうしているあいだにも一台の乗用車が水しぶきを上げて私の背後を通り過ぎていきます。
 自分には初めて見るスポーツドリンクらしき缶飲料を買い、缶飲料は次々にコンビニ袋へ入れ、私の右手に栄養ドリンクの小さな瓶だけが残りました。

 これはマゾマンコに挿れてこいとのお姉さまからのご命令。
 私の背筋がゾクゾクっと泡立つのは雨の冷たさのせいだけではありません。

 あらためてその瓶をみると、飲み口は先細りで確かに挿入するのにはうってつけの形です。
 ただ、飲み口のアルミのキャップを外すためのプルリングというのでしょうか、プラスティック製の小さなリングが瓶の飲み口の脇に飛び出ていました。
 これを飲み口のほうから挿入したら、硬い突起で膣の粘膜を傷つけてしまいそうですし、アルミの縁も不安です。

 いっそのことキャップを外して私の愛液をブレンドしちゃった状態でお持ちしたら、なんてバカなことも考えましたが、絶対叱られるでしょうし、いくらお姉さまでも絶対飲んでくださらないでしょう。
 下手すれば心底呆れ果てられて、私だけこの場に裸のまま置き去りにされちゃうかもしれません。

 それなら底のほうから、と思い瓶の太さを見ると愛用のディルドの一番太いところと同じくらい。
 私の腟内はいっぱいいっぱいになっちゃいそうですが、逆に言えばそのまま歩いても落ちにくくなるとも言えます。
 我ながらいいアイデアに思えました。

 そっとお車のほうを窺うと、激しい雨脚で良くは見えませんが、みなさま相変わらず私に注目されているご様子。
 挿入するところをビデオに撮られてしまうのも恥ずかしいので、自動販売機の筐体の陰となる暗がりのほうへコソコソ移動します。

 栄養ドリンクの瓶を逆さに持ち、自分の陰部にそっと押し当てます。
 よく冷えた硬いガラス瓶が陰唇を抉じ開けるように侵入してきます。

「ンぬぅ…」

 入口からいきなり極太なので無理矢理気味でしたが、しとどに濡れた愛液のおかげでゆっくり奥へと痛み少なく挿さっていきます。

「んふぅぅ…」

 腟はパンパンの膨満状態。
 膣口から覗く先細りの飲み口をピンクの粘膜とラビアが飾るように囲んでいます。
 マゾマンコからひっそりと瓶が生えているみたい…

 瓶を挿入し終え再び自販機の灯りの前に戻ります。
 一歩動くたびに冷たいガラス瓶が腟内をゴリゴリいたぶってきます。

「んんんぅ、いやんっ…」

 小さく淫声をあげつつ眉間にシワを寄せた顔でお車まで戻ります。
 瓶を落とさないように両内腿を擦り付けるみたいな内股の千鳥足で。
 股間の違和感は半端なく、だけどそのゴツゴツした硬さとひんやり加減が気持ち良くて。
 歩くたびにより奥へと潜り込んでくるようなガラス瓶さまの陵辱。

 早くお車に戻りたいけれど、瓶を落としてはいけないというジレンマ。
 一足ごとに昂ぶる性感、お外で全裸を晒しているという恥辱感。
 戻るときはカメラが私を正面から捉えているから、とは思うのですが、どうしても顔が淫らに歪んでしまいます。

「すんごいいやらしい顔で戻ってきた」

 おそらく五十嵐さまでしょう、心底愉しそうなからかうお声が聞こえます。
 気がつけば雨の勢いが少しだけ衰え、お声が通るようになったみたい。

「はい、お疲れさん。どうだった?豪雨の全裸お使いパシリは?」

 中村さまがコンビニ袋を受け取ってくださり、代わりに真っ白なバスタオルを渡してくださいます。
 いつの間にか本橋さまも車外に出ておられ、みなさまにお飲み物が配られます。
 入れ替わるようにお姉さまがそのバスタオルを広げ、私のからだを拭ってくださいます。

「よかったじゃない、汗もよだれも愛液もすっかり雨で洗い流されて、もうそんなにメス臭くないわよ?」

 びっしょり濡れた全身をお優しく撫ぜてくださるバスタオルのザラザラ。
 知らずにとっている服従ポーズで、休めの間隔に両足を開いても落ちてこないガラス瓶。

「栄養ドリンクもあったのね。ちゃんと言いつけ通りマゾマンコに挿れてきて、戻ってくるときの直子の顔が凄くエロかったわよ…」

 そこまでおっしゃったお姉さまがもう一度私の股間を見て唖然としたお顔に。

「…って、あなた、逆向きに挿れてきたの?キャップが覗いているじゃない?」

 信じられない、というお顔つきのお姉さまが私の足下にしゃがみ込み、マゾマンコをじっと覗き込んできます。

「ああ、プルリング部分が出っ張っているからキャップのほうからはやめておいたんだ。それにしたって、あんなぶっといのをいきなり…」

 お姉さまにつられて他のみなさまも私の足下にしゃがみ込まれます。
 もちろん橋本さまのカメラのレンズも。

「直子、いまここでそのドリンクの瓶をマゾマンコから引っ張り出しなさい。みなさんが視ている眼の前で」

 しゃがみ込まれたお姉さまから冷たいお声でのご命令。
 挿入するところは視られずに済みましたが、取り出すところはバッチリ至近距離でみなさまにご覧いただくことになりました。
 更に恥ずかしいことにさっきまでが嘘だったみたいに、雨の勢いが急激に衰え、お空もどんどん明るくなってきていました。

「は、はい…」

 急速に復活する晩夏の明るい陽射し。
 そんな健全さ戻りつつある屋外の一画で、ポッカリ開いた膣口を囲むラビアから覗く瓶の飲み口を右手で摘み、そっと手前に引っ張り出します。

「…んっ、んふぅーっ…」

 思わず漏れる淫ら声。
 膣壁をガラス瓶が滑り、膨満から開放され収縮した膣内がザワザワざわめきます。
 瓶が完全に抜かれても小さくお口を開けたままの膣口。

「うわっ!これは…」
「予想以上にビチャビチャというかベタベタというか…」
「エロいっていうより、むしろ通り越してちょっとグロい感じ…」

 みなさまが口々に発せられるご感想が予想外に引き気味なので、私もよく見てみようと今抜いたばかりのガラス瓶を目の高さまで持ってきました。
 !!!
 これは…

 ガラス瓶は飲み口まで愛液にまみれ全体的にグショグショでした。
 それだけならいいのですが、濃茶色のガラス瓶のところどころにくっきり目立つ白いまだら模様。
 白濁した愛液、つまり本気汁が、とくに瓶の底周辺にベッタリ付着していたのです。

「直子ってば瓶突っ込んで、本気で感じていたんだね」
「こっちへ歩いて来ているときもイキそうな顔していたものね」

 五十嵐さまと中村さまが呆れたお顔でおっしゃいます。
 つづけてお姉さまも冷たいお声でおっしゃいました。

「命令しといて悪いけれど、あたしでもそれは飲めないわ。直子のマン汁がガラスをも透して染み込んでそうだし、マゾマンコの熱でぬるくもなっていそうだし」
「あたしは直子が選んだやつを飲むから、直子がそれを飲みなさい」

 そうおっしゃってコンビニ袋内で最後に残っていたスポーツドリンクのプルリングを開けられるお姉さま。

「直子は自分の瓶のマン汁をきれいに舐め取ってからそれを飲みなさい。本気イキ寸前でエネルギーも使ったでしょうしちょうどいいプラマイでしょう」

 蔑むようにおっしゃったお姉さまがスポーツドリンクをゴクゴク喉を鳴らされて、美味しそうに飲み干されます。
 私はご命令通りに、瓶に滴るしょっぱ苦く生臭い自分の愛液を舐め取った後、キャップを開けて栄養ドリンクを飲み干します。

 思ったよりも生ぬるんでもなく、やや冷たい炭酸が喉を抜けていきます。
 小さい瓶なのでほんの3口ほどで飲み干してしまいましたが、少しシャキッとした感じもするのが栄養ドリンクのプラシーボ。

 もはや雨はすっかり上がって、さっきまでの雨風の大騒ぎが嘘みたいな青空の午後。
 水滴が陽の光にキラキラと光る道端の雑草と水溜りだけが、つい数分前までの狂騒の名残。
 でもそうなってしまうと私は、天下の往来でたったひとり全裸な公然猥褻露出狂痴女。

 お姉さまの両手で濡れた髪がすっぽりバスタオルに覆われ、みなさまが飲み物を飲み干されるまで私は、裸のお尻を道路に向けての服従全裸待機。
 街道を行き交うお車も増え、晴天に戻った屋外の庇の下で全裸な自分の姿に不安を覚え始めた頃…

「雨も上がったことだし、そろそろ向かおうか」

 本橋さまのお一言で、みなさまぞろぞろと再びお車へ。
 橋本さまもやっとカメラのレンズを私に向けるのを止めてくださり、私も全裸なまま乗り込みます。

「直子はそのドリンクの瓶、捨てないで持っていなさい。またいつなんどき、直子のマゾマンコに挿入しなくちゃならない事態が起こるかもしれないから」

 お姉さまのお道化たようなおっしゃりようにドッと笑われるみなさま。
 お車がゆっくりバックして切り返し、やがて再び良く晴れた街道を走り始めます。

「直子が自販機に取り付いているあいだも、何台か車が通ったよね?」

 五十嵐さまが中村さまに話しかけます。
 今の席順は、運転席に本橋さま、助手席に橋本さま、その後ろに私、お隣にお姉さま、最後部の座席に中村さまと五十嵐さま。
 
 なので橋本さまは助手席の背もたれから乗り出され、裸の私に相変わらずレンズを向けていらっしゃいます。
 そんな私は、髪に巻いたバスタオルを解かれ、お姉さまにその髪の毛を丁寧に拭われ梳かされている、されるがまま状態。

「裸だって気づいた車もあったんだろうけど、あの雨じゃさすがに停まって確かめるまでの気にはならかったのかな」
「直子、残念だったねー。せっかく外で全裸だったのにじっくり視てもらえなくて」

 からかうような五十嵐さまのお言葉。
 お車は大きな街道を逸れ、ポツンポツンとまばらに民家が立ち並び、そのあいだは畑や空き地という典型的な田舎道に入っていました。

「これから伺うのは、イガちゃんのお友達が働いている古本屋さんなのよね?」

 中村さまから五十嵐さまへのお尋ね。

「うん。うちのツレがそこで働いていて、そこで車を乗り換えて、この車とハッシーたちとはさよなら」

「でも、こう言っちゃ悪いけれど、こんな田舎町で古本屋なんて、ご商売やっていけてるのかしら?」

 こちらはお姉さまから五十嵐さまへのご質問。

「ああ、今はほとんどネット通販の売上だって言ってたな。お店のほうを開けているのは、ただの年寄りの道楽だって」
「あ、でも近隣にガイドブックやネットで有名な意識高い系の郷土史的な本が充実しているサロン的な古書店があってさ、そこを訪れた人がついでの散策がてらで発見して立ち寄ったりもするらしい」
 
「昔は周辺に学校とか病院とか大きな会社の寮とかもあって、それなりの商売として貸しビデオとかにも手を広げたりもしたらしいけど、過疎が進んでからは近所のジジババの社交場と化していたんだって。お茶とかも出して集会場的な意味で」

「そのジジババたちも最近は健康マージャンとかで、店主ともどもどっかのお家に入り浸り状態らしくて、うちのツレは、通販の発送といつ来るかもわからないお客さんを待つ、不毛な店番バイト。だったら店開けるなよ、とも思うけど、それが道楽たる所以なんだろうね。ちゃんと働いてもいますよ、っていう」

 五十嵐さまがこれから伺う古本屋さまの現状を詳しくご説明してくださいます。

「いや、でもそんな寂れた古本屋さんだとしてもさ、こんな全裸娘を全裸のまま連れ込むのはどうかと思うわよ」

 中村さまが至極真っ当なご意見を述べられます。
 って言うか私、ずっとこのままの姿でいなければならないのでしょうか。

「うーん、うちは大丈夫だと思う。たぶん客いないし店主のジーサンもノリよくて悪い人じゃないし、どうせうちも店内で脱がせたり恥ずかしい格好させるつもりだったし」

 柳に風の五十嵐さま。

「それなら車降りてお店に入るまでは、これ着せて様子を見るっていうのはどう?あたしもせっかく直子のために買ったのだから着ているところ見てみたいし」

 お姉さまがクタッとした真っ白な布片を取り出されました。
 例の、ドーテーをコロす服、でした。

2023年6月4日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 15

 ポケットに突っ込んでいる右手は愛液まみれ、とくに中指と薬指はフニャフニャにふやけています。
 その二本を熱く火照った膣の奥深くへと挿入します。

 ンッ、と感じつつ前方を見ると、左斜め向こうから近づいてこられるのは、外国人観光客さま4名。
 欧米系のスラッとした容姿の女性2名に男性2名、ご夫婦なのかカップルさまなのか。

 女性おふたりはセクシーなタンクトップとデニムのショーパン姿で夏らしくエロい感じ。
 そのお姿に親近感が湧き、なぜだかホッとしてしまう私。
 仲睦まじそうに4人でおしゃべりされながら、だんだん私のほうに近づいてこられます。

 視線を下に落とします。
 まったくボタンの留まっていないブラウスは、幸いさっき直したばかりなので、まだはだけていません。
 スマホに耳を押し当てて通話しているフリをしつつ、スカートの奥で挿入した指をソロリソロリと動かします。

 視線を上げてチラチラ気にしていると、外国人さまがたは私を気にされるそぶりもなくモールへと向かう通路に入られてしまいます。
 安堵と落胆が半々くらい。
 もう一度周りを見渡して見える範囲に近づく人影が無いことを確認してから、より大胆に指を動かし始めます。

 中指と薬指を膣の中で開き、膣壁の違うところを互い違いにこすります。
 そうしつつ指を曲げたり伸ばしたり、突いたり掻き回したり。
 ついさっきクリイキしたばかりですから、すぐにラビアと膣壁がウネウネヒクヒク反応し始めます。

「…んふぅぅ…」

 通話口に淫らな吐息を送り込んでしまう私。

「ほらほら、マンコ派手にまさぐり過ぎると、割れたスカートから手がはみ出しちゃってるよ?」

 五十嵐さまの呆れ声で確認すると、ふたつに割れた赤いスカート生地のあいだから右手甲の肌色が確かに覗いています。
 あわてて曲げていた手首をまっすぐ恥丘に貼り付けると、手の甲はあまり覗かなくなりました。
 代わりに手首寄りの手のひらで腫れた肉芽がこすられ潰されます。

「ンゥゥゥーッ!」

 一瞬、頭の中で星々が弾け飛び、絶頂が近いことを教えてくれています。
 私の意志とは関係ないところで、膣内の指がいっそう激しく暴れまわり、手のひらはギュウギュウ恥丘をこすりあげます。

「そんな大きなアヘ声出してたら、みんなに注目されちゃうよ?」

 からかうようなご指摘で反射的に声は抑えようと試みますが、股間をまさぐる指の動きは抑えきれません。
 指の動きに呼応して私の腰はモゾモゾ蠢き、膝がプルプル震え始めています。

「…んふぅぅぅ、いぃ…イぃ…」

「あ、今度はモールのほうから誰か来たよ…」

 五十嵐さまのからかうようなお声が聞こえてきますが、内容が入ってきません。
 もはや私は気持ちイイが最優先。
 気持ちイイことに逆らえなくなっています。

 二本の指は抽挿運動をくり返し、敏感な粘膜を乱暴にいたぶります。
 腕を揺らすので上半身も揺れ、ボタンの留まっていないブラウスもだんだんとはだけ始めます。
 それでも二本の指と手のひらが奔放に暴れつづけています。

「立ち止まった。三人で直子のほうを横からじっと視てる…」

 五十嵐さまのせっかくのご指摘も上の空。
 どなたかに視られているというその事実に、かえって感度がますます上がってしまいます。
 
 …視てください…直子が淫らにイキ果てる姿をみなさまどうか視てください…

「直子は外でオナニーするのが大好きな露出狂マゾ女です、って言いなさい」

 考えていることを見透かされたかのような、五十嵐さまからのタイミング良いご命令。
 そのお言葉で被虐と快感のボルテージがもう一段アップしてしまいます。

「ハァハァ、はい…な、直子は、お外で…ハァハァ、お、オナニーするのが、ンッ、ハァハァ、だ、大好きな、ハァハァ、だ、大好きな、ンッ、露出狂のマゾ、ンーッ、マゾ女でっすぅぅ…」

 恥ずかし過ぎる真実を実際に言葉にして口から出したことで、背徳感と恥辱と被虐がないまぜとなった得も言われぬ甘い快感がせり上がってきました。
 もうだめです。

「イッ、イッてもよろしいでしょうか、い、五十嵐さまぁ…ハァ、ハァハァ…」

 押し殺した声で躾けられた通りに今現在のミストレスさまへ、はしたない懇願をする私。
 ここまで来たら、どんどんどんどん高ぶる快楽の波に押し流され果てるしかありません。

「ハァハァ…イッてよろしいでしょうか、もうがまんできませんっ、ンッ!ンーーンッ、ハァハァ…」

 青い空と肌を撫ぜる風、時折通り過ぎる車のエンジン音や遠くに聞こえる甲高い笑い声が、私が今居る場所が紛れもなくお外だということを教えてくださっています。
 うつむきがち、目を瞑りがちにはなっていますが、お言いつけ通り五十嵐さまたちのいらっしゃる車の方を努めて見遣りながら、どんどん昇りつめていきます。

「イッていいよ。ただし、直子がイクとこ視てください、って、ずっとスマホに言いつづけながらイキなさい」

「ハァハァ…はいぃ、なおこがイクとこ視てください、ハァハァ、ンッ、なおこがイクとこみてくださいぃ、イイッ、なおこがイクぅ…」

 五十嵐さまからお許しをいただき、押し殺した声でスマホに語りかけつつ、膣壁をめちゃくちゃにこすり上げます。
 根本まで挿入した二本の指で膣全体を叩くようなピストン運動。

「ハァハァ…とこっ、視てくださいぃ、ハァハァハァハァ、イクぅ…なおこが、イクとこ、ンーッ、みて、みてくださいぃ、イイーッ…」

 近くに人影がチラホラある気配も感じてはいますが、もうそんなことどうでもよくなっていました。
 ただこのままま絶頂に達したいだけ。
 それに私は、視てください、ってお願いしているのですから。

「ンーッ、なおこがイクとこ、ハァハァ…イクとこみてくださいぃぃっ、ンーーーッな、なおこが、ハァハァ、イクぅぅ、ンンーーヌーゥゥゥーッ!!!」

 膣内に挿入していた指が一際強くギュッと締めつけられると同時に、全身に電流のような快感が広がりました。
 頭の中に火花が散り、内腿や脇腹がヒクヒク痙攣しています。

 さっきクリでイッたときよりも、格段に深い陶酔感と多幸感。
 気を失うほどではありませんでしたが自然と両膝が折れ、その場に崩れ落ちてしまいます。

「…ハァ、ハァ…ハァ、ハァ…」

 息を荒くしつつ余韻と呼ぶにはあまりに強烈な快感の残り香に身を委ね、しばらくのあいだうつむいたまま。
 呼吸が少し落ち着いた頃、そっと顔を上げてみます。

 焦点の合わない視界にぼんやり、青い空と緑の木々、そして何台もの停まっている車。
 遠巻きにちらほら人影も見え、あーここは駐車場だったっけ、と思い出します。

 思い出すと同時に心の隅っこに追いやられていた理性のかけらも目を覚まし、あわてて自分の姿を確認しました。
 ブラウスはおへそのところまで大げさにはだけ、ふたつののっぺらおっぱいがお外に完全に露出していました。
 しゃがみ込んでいますからスカートも恥丘のかなり上のほうまで大胆に割れて、無毛の性器が私からでも丸見えです。

「あ、いやんっ…」

 一声鳴いてブラウスの前を掻き合せたとき、男性の大きなお声がしました。

「あっ、あれは熱中症かもしれないっ!」

 お声のしたほうに目を遣ると、視界の右側のほうから大柄の男性がズンズン近づいてこられます。
 その他にもあちらにおひとり、こちらにおふたりと遠巻きに、まばらな人影から注目されていました。
 盛大な恥ずかしさがカーッと全身を駆け巡る中、近づいてきた男性が本橋さまだと気がつきました。

 大きなリュックを背負った本橋さまは、そのまま私の傍らにひざまずき、私の着衣を軽く直した後、そっと私を抱きかかえてくださいます。
 背中と両膝の裏に腕を差し込んだお姫様抱っこで。
 そしてそのままスタスタと私たちのお車のほうへ。
 少し遅れて大きめなお荷物を両手に持たれたお姉さまと中村さまが、ニヤニヤ笑いながらつづかれていました。

「おつかれー。いやー、いい画が撮れたよー」

 お車に戻ると開口一番、五十嵐さまのお元気なお声が迎え入れくださいました。

「モッチーもナイスアシスト!直子が暴走してけっこうな人がチラチラ見ていたから、引き際をどうすればいいか悩んでたんだ」

 本橋さまの両手を握りブンブン振り回される五十嵐さま。
 本橋さまは照れたようなお顔でされるがままになっています。

「それにしてもきみたち、ずいぶん大胆な真似をするんだねぇ。直子をひとり屋外に放置して遠くからマンズリ姿を撮るなんて」

 荷物を下ろされた中村さまが呆れたお声でおっしゃいます。

「凄かったよ。最初は直子も恐る恐るだったのに、タガが外れてからはお構いなしなんだもん。チラ見を含めたら三十人以上に視られてたんじゃないかな」
「でもみんな遠巻きなんだよね。近づいたりはしないんだ」

 五十嵐さまがご興奮気味にまくしたてられます。

「直子が何をシているのか、正しく理解してた人も数人いると思う。道路が途切れたところに立って長いことじっと直子のほうを見つめていたオヤジがいたし、指差してコソコソ話してるカップルとか女のふたり連れとかもいたし」

「イキ果ててしゃがみ込んじゃったときは、その場にいた全員が直子を視ていたよね。そのちょっと前にみんながモールのほうから戻ってきて直子に気づいて。そこからのモッチーのフォローはアカデミー賞ものだよ!」

 嬉々としてご説明される五十嵐さまの隣に座っている私は、恥ずかし過ぎて顔を上げることが出来ません。

「でもまあ何にせよ、直子が公衆の面前でマンズリこいて、それが不特定多数の人たちに視られて、その様子をゲリラ撮影していたんだから、ワタシらはさっさとこの場からオサラバしたほうが良いんじゃなくて?」

 相変わらず呆れ顔の中村さまが茶化すようにおっしゃいます。
 そのお言葉に場内一致でご賛同するように、運転席に本橋さま、助手席に橋本さま、その後ろに五十嵐さまと私、そのまた後ろに中村さまとお姉さまを乗せたミニバンがゆっくりと駐車場を滑り出しました。

「この後は、ちょっと離れたイガっちの友達のとこまで行って、そこで車を乗り換えて帰るんだよね?」

 ショッピングモールの敷地を出て広い公道に出た頃、中村さまが五十嵐さまに念を押されるみたくお尋ねされました。

「うん。そこに昨日モールまで乗ってきたうちの車があるから」

 座席越しに会話されるおふたり。

「カノジョの親戚が小さな古書店やっててさ、昨日と今日は昼間そこでバイトがあるからってカノジョは来れなかったんだけど、カノジョも直子に興味津々でさぁ」

 私のことをイタズラっぽく見つめつつお話をつづけられる五十嵐さま。

「そこでも直子にやってもらいたいことがあるんだ。うちがこんなふうになった原点への回帰、いわばうちのヰタ・セクスアリス!」

 テンションの上がった五十嵐さまがご興奮気味に謎なことをおっしゃり、無造作に私の胸に手を伸ばされてきます。

「もうここは関係者しかいない密室なのだから、こんなものも必要ないよね?」

 おっしゃるなり私の右おっぱいの絆創膏を乱暴に引き剥がされる五十嵐さま。

「ああんっ…」

 思わず声は出てしまいますが、たっぷりの汗にもまみれ緩くはなっていたのでしょう、剥される痛みはさほど感じません。
 それよりも勢いよく飛び出る、相変わらずの勃起乳首が恥ずかしい。

 左おっぱいも同様に剥され、ボタンを留めることも相変わらず許されていませんので、乳首を含む the おっぱいが久々に白日のもとにさらけ出されました。
 運転席側のお二人もチラチラ目線を送っているのがルームミラー越しにわかります。

 私の上半身が露わになるのを待っていたかのようなタイミングで、今度はお姉さまが会話に割り込んでこられました。

「そう言えばあたしも、直子のためにお土産を買って上げてたんだった」

 背もたれ越しに振り向いて見ていると、傍らのトートバッグをガサゴソしつつ何やらビニール袋を引っ張り出されるお姉さま。

「ほら、ずいぶん前にネットで流行ってたじゃない、ドーテーをコロす服、っていうの。あれに便乗して作りすぎて売れ残っちゃったんじゃないかな?たまたま通りかかったアウトレットのワゴンセールで投げ売りしてた」

 お姉さまがビニール袋から取り出されたのは、クタッとした真っ白な布片。
 見た感じ薄手のニットぽく布面積は少ない感じです。

「その中で一番直子に似合いそうなのを選んであげたわ。もちろんサイズもぴったりなはずよ」

 お姉さまが座席越しにその布片を私に手渡そうとしたとき、中村さまがお独り言ぽくポツリとつぶやかれました。

「匂うわね」

「ああ、直子でしょ?それはそうよ、炎天下の屋外で汗みずくの上に、発情してイキ果てた直後なんだもの。いやらしいメス臭さをからだ中から発散しちゃってる」

 お姉さまが冷たく言い放ちますが、中村さまは首を横に振られます。

「ううん、そうじゃないの。あ、直子がメス臭いのももちろんそうなんだけど、それとは別に雨の匂いがする」

「あら、ずいぶんロマンティックなこと言うじゃない」

 お姉さまが混ぜ返されました。

 お車は片側二車線の広い街道筋を逸れ、双方向一車線で周辺には広大な森と畑がつづく典型的な山間の道路に入っていました。
 滅多に信号はなくたまに対向車とすれ違うくらいの交通量。
 そんな田舎道を快調に飛ばしていた私たちの眼前に突如、文字通りの暗雲が垂れこめました。
 
 あれよという間にお空が黒い雲で覆われ、最初はポツポツ、と降っていた雨脚があっと言う間にバケツをひっくり返したような豪雨に。
 車体を叩く雨音でカーステのレディガガさまのお歌もくぐもるほど。

「これはちょっとヤバいな」

 運転席で本橋さまがつぶやかれます。
 暗いお空にピカピカ稲妻が光り、風がゴーゴー音を立てているのが雨音の中でも聞こえます。

「ワイパーも効かなくなってるし、安全な場所でやり過ごしたほうがいいかも。どうせゲリラ豪雨だろうから、たぶん十分くらいで終わるでしょ」

 お車を徐行くらいに減速させた本橋さまに、助手席の橋本さまもご賛同。

「ナビ見た感じ目的地まであと十キロないくらいだから、大したロスでもないし、それが安全策だべな」

 カチカチとハザードランプを灯しつつ徐行で安全な場所を探される本橋さま。
 やがておもむろにお車を左折させ、ファミレスの駐車場みたいな空き地に入りました。

 空き地に面した建物は古民家風で、たぶんおそばや郷土料理をメインとした路面店のレストラン風。
 ただし定休日なのかもうとっくに営業されていないお店なのか、建物は真っ暗で駐車場にも私たちの車以外駐まっていません。

 建物から飛び出している庇がお車の半分くらいまでを覆う場所に前向きでお車を駐められました。
 窓から見渡すとお空は相変わらず真っ暗で、駐車場の出口付近にポツンと立っているお飲み物の自動販売機の灯りだけがヤケに目立っています。

「やれやれだわね。別に急ぐ旅じゃあないからいいけど」
「逆に車に乗って街道走ってるときに降られて良かったんじゃない?徒歩で買い物の途中とか帰りの山道に入った後とかよりは」
「それにしても凄い雨ね。洗濯物取り込むの、忘れないでよかったー」

 窓からお外を眺めつつ口々に他愛もないご感想を述べられる女性陣。
 状況のわりに悲壮感は皆無です。

 駐車場に避難した後も雨脚は衰えるどころか、いっそう激しくなっているみたい。
 こういうのを篠突く雨って呼ぶのかな、なんて考えている私。
 おっぱい丸出しのはだけた胸を直しもせずに。

「なんか喉乾いた。今オレ、無性にコーラが飲みたいっ」

 助手席の橋本さまが本橋さまに問いかけるようにおっしゃいました。
 そのおっしゃりかたが、ちっちゃな子供さんみたいだと笑われる五十嵐さま。
 つられて笑うお姉さまと中村さま。

「それじゃあヒマ潰しの余興をしましょう」

 窓からお外を眺められていたお姉さまが、突然そう宣言されました。

「直子?裸になりなさい」

 唐突なご命令。
 でも今でも裸同然な格好ですし、この方々の前で裸になるのは慣れ過ぎてしまっているので、さほどの羞恥も躊躇もありません。

「は、はい…」

 従順にご返事してはだけたブラウスを脱ぎ去り、腰を浮かして赤いスカートも取り去りました。
 そのまま立ち上がりマゾの服従ポーズ。

 お姉さまがもう一度窓の外をご覧になられ、私に向かってニッコリ微笑まれます。
 そのとき、お姉さまが私に何をやらせるおつもりなのかわかってしまいました。


2023年4月23日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 14

 橋本さまと連れ立ってお店の外に出ると、お店脇の柱にもたれて五十嵐さまがスマホとにらめっこ。
 足元にはそれなりに大きなお買い物袋が置かれています。

「ああ、戻ったんだ。意外に時間かかっちゃったね。ひとまず車に急ごう」

 お買い物袋を拾い上げるとスタスタと来た道を急がれる五十嵐さま。
 私も黒いレジ袋を片手に後につづき、橋本さまもメガネを外してつづかれます。

 来たときより明らかに多くの人たちがすれ違いざまに私の首輪に目を留め、二度見してくるかたもいらっしゃいました。
 裾が割れてしまうのを黒いレジ袋で隠すようにして、急がれる五十嵐さまに小走りでついていきます。

 やがて広い駐車場へと入り、駐車されているお車の間を縫うように進み、橋本さまのお車へ。
 着いたときよりも駐車されているお車の数がグンと増えていました。
 ミニバンはフードコート側に近い一方通行順路際の一画に駐めてあります。

「もう一時半近いから、約束の集合時間まで二十分くらいしかないじゃない!」

 橋本さまは運転席へ、私たちはスライドドアから後部座席へ。
 お荷物をお車に乗せホッと一息も束の間、五十嵐さまの焦ったお声。

「ロケハンして車動かしている暇無さそうだから、ここから盗撮するしかなさそうね」

 助手席側の窓を指さされる五十嵐さま。
 そちら側の窓からは遮るもの無く駐車場順路のアスファルトが見え、その向こう側はショッピングモール裏側の壁。
 壁際は少しの芝生になっていて、建物と建物のあいだにモール表側へとつづく広めな通路が直角につづいています。

「本当はもっと人通りの多いところでやらせたいんだけどな。ハッシー、あの壁際のところに立たせたらズームはラクショー?」

 窓から見えるモール裏側の壁のほうをもう一度指さされ、橋本さまにお尋ねになられます。

「ああ、十メートル無いくらいだし、たぶんカントクさんが撮りたい部分のどアップだってラクショーだね」

 橋本さまが再びリュックからハンディビデオカメラを出され、カメラをそちらに向けつつ笑いながらお答えになられます。

「おっけー、じゃあ直子?ケータイだけ持ってうちの後ついてきて」

 五十嵐さまがお車のスライドドアを開けて車外へ。
 私もあわててポシェットからスマホを取り出し、ポシェットは外して後につづきます。

 駐車場内の一方通行順路である車道を渡り、建物のほうへとズンズン歩まれる五十嵐さま。
 やがて、とあるモール店舗の裏側壁際の芝生のところで立ち止まりました。

「そうね、この辺りでいいか。直子、ここに立って」

 芝生の上に駐車場に向けて立たされます。
 壁沿い一メートルくらいでショッピングモール表側へT字路状につづく通路があります。
 今も目の前を駐車場からモールへと急ぐカップルさまが足早に通り過ぎていかれました。

「ここに立ってちょっと待ってて。で、うちが直子に電話するから、その指示に従いなさい。あ、電話番号教えて」

 私が自分の電話番号をお伝えすると五十嵐さまはご自分のスマホに登録され、すぐにコールバック。

 …これが直子のマゾマン…

 と自分の恥ずかし過ぎる呼び出し音声が私のスマホを震わせて、慌てて応答。

「おっけー。それじゃあ待っててね」

 スタスタとお車にお戻りになられる五十嵐さま。

 お車と私との距離は、一方通行車線とバスレーンを隔ててプラスアルファですから7~8メートルといったところでしょうか。
 駐車場からモールへ向かう人、モールから駐車場へ戻る人が時々私の前を通り過ぎていかれます。
 お外は快晴ですが時折気持ちの良い風も吹き、それほどの不快な暑さは感じません。

 私がここで何をやらされるのか、だいたいの予想はついていました。
 それはとても恥ずかしい行為なのですが、不安を押し退けて余りあるドキドキとムラムラがからだにみなぎってきていました。

 お車のドアが閉じて少しすると知らない番号から、これが直子のマゾマン…、と着信。

「…もしもし…」

「これから指示を出すから、その通りにしなさい。ケータイは左手に持って通話ね」

 五十嵐さまのお声がスマホからハッキリ聞こえてきます。

「空いている右手でブラウスのボタンをもう一つ外しなさい」

 お車のほうを見遣ると助手席側の窓が全開となり、少し奥から橋本さまのレンズが私を狙っているのがわかります。
 
 ブラウスのボタンは三つまですでに外れていて、おっぱいの膨らみ始めまでが覗いている状態、四つめを外せば下乳の更に下までが無防備となってしまいます。
 それでも私に拒む資格も権利もありません。

「…はい……外しました…」

 四つめのボタンを外しても今のところ前立ては閉じたままで、さしたる変化はありません。

「直子は素直でいい子だねー。これからそこがいくらはだけても直したらだめだからね」

 五十嵐さまが猫撫で声でお褒めくださった後、ピシャリとご容赦無いご命令口調。

「じゃあ右手をスカートの右ポケットに突っ込んで」

 やっぱり…
 私はたぶんここでオナニーをさせられるのでしょう…
 こんな、不特定多数のみなさまが普通に行き交わられるショッピングモールの片隅で…

 それでも逆らうことは出来ず、ソロソロと右ポケットに右手を差し入れる私。

「何に触った?」

「…わ、私の…は、肌です…」

「どこの?」

「お、お腹の…」

 そのスカートのポケットには大きな穴が空いていて、と言うか、あるべきポケットの袋そのものが無く、差し込んだ手はそのまま裏地へ。
 その上ノーパンですから、手は下腹部の素肌に直接触れます。

「もっと手を下まで伸ばしなさい」

「は、はい…」

「今度は何に触れた?」

「…私の…性器、女性器に…」

「あれ、ずいぶんとお上品だこと。本当の直子はそんなキャラじゃないでしょう?」

「ご、ごめんなさい…直子の、む、剥き出しマ、マゾマンコ…です…」

 マゾマンコと自分で口にした途端に、そこの奥が盛大に潤んだのがわかりました。
 そしてちょうどそのとき、スマホで恥ずかしい会話をしつつポケットに手を突っ込んでいる私の前を、お若い男性おひとりと大学生風のカップルさまがたてつづけに通り過ぎていかれました。

 男性おふたりの目線は、明らかに私の首輪に来ていました。
 それに気づいた私の膣内がヒクヒクンと何度も痙攣してしまいます。

「じゃあ、そのマゾマンコに指を一本だけ挿れなさい」

 五十嵐さまの事務的な冷たいお声でのご命令。

「挿れた?」

「…はい…」

「どうなってる?」

「…は、はい…濡れて…す、すごく熱くなっています…」

「どうしたい?」

 それはもちろん、思うままココをまさぐって快楽を得たいのは当然なのですが、場所が場所です…
 何も言えないまま黙っていると、五十嵐さまが誘い水を撒いてこられます。

「こんな青空の下でイケたら気持ちいいだろうねぇ?ブラウスもスカートもちゃんと着ているし、こっそりやればわからないって」

「…で、でも…」

「大丈夫。こっから見ていても、ただ女の子がポッケに手を突っ込んでケータイで誰かと話しているだけにしか見えないし」

「…そ、そうでしょうか?…」

 お答えしながらも膣内に潜り込んだ私の指は、ソロリソロリと動き始めています。

「そうよ、こんなに人目のあるところで、まさかマンズリこいてるヘンタイ女がいるなんて誰も夢にも思わないよ」
「踏ん切りつかないなら命令ってことにしてあげよっか。命令だったら逆らえないんでしょ?」

 はじめからそのおつもりのクセに、ワザとお下品なお言葉遣いで恩着せがましくご提案くださる五十嵐さま。

「…は、はい…ご命令であれば…」

「じゃあ命令してあげる。ヘンタイ直子はそこでマンコ弄ってイキなさい。ちゃんとイクこと。クリで一回ナカで一回ね」

「…はい…わかりました…」

 ご命令であるなら、私に拒否権なんてありません。
 出来る限り周りの方々に勘付かれないよう、声を押し殺してイクしかありません。
 ポケットを素通りした手を股間に貼り付けます。

「顔は車のほうに向けて、うつむいてはだめ。会話しつづけながらヤりなさい」

 外陰部ごとマゾマンコを包むように手をあてると、手のひらにぶつかる硬い突起。
 中指はすでに膣内に侵入していますから、あとは全体を揉み擦るだけで楽にイケそうです。
 手首寄りの手のひらでクリットをギュウギュウ潰しつつ、膣内の中指で膣壁を捏ね繰り回します。

「ほら、駐車場のほうから家族連れがやって来るよ。直子のこと、気づいちゃうんじゃない?」

 からかうようにおっしゃる五十嵐さまのお言葉に視線を動かせば、向かって右奥からお若そうなご夫婦。
 左右から手を繋いだ真ん中に、5~6歳くらいの可愛い女の子がスキップではしゃいでいます。
 ビクンとして、右手の動きを止めてしまう私。

「ほら、手は止めない。視線もうつむかずにそっちに向けるの、笑顔を浮かべて」

 五十嵐さまのご命令で再び右手を緩慢にニギニギしつつ、虚ろな視線を家族連れさまに向けます。
 家族連れさまはまだ私には気づいていないらしく、お三かたとも満面の笑顔を浮かべて何やら話し合っておられます。

「今度はモール側から男の二人組。直子に気づいてくれないかなぁ。ほら、ちゃんと手は動かすのっ!」

 五十嵐さまが周囲の状況を実況中継してくださっています。
 私はそれでも徐々に昂ってきていて、遠ざかりつつある理性と引き換えに、視てほしい、という被虐羞恥願望がどんどん高まってきています。

 中指をいったん膣から抜き、クリットを重点的に責めることにします。
 親指と中指でクリットを摘み、強く弱く爪を立てます。
 クリットは茹でる前の大豆くらいに固くしこり、触れるたびに頭の中で電流が走ります。

「…あっ…んぅーーーっ…あぁぁぁー…ふぅぅぅ……」

 堪えきれずに小さな吐息を通話口に洩らしてしまう私。

「いいねいいね。いやらしい声はどんどん聞かせて。バレないようにがんばってね」

 からかうような五十嵐さまのお声。

「あ、また駐車場のほうから女性の三人連れ。今度は直子のだいぶ近くを通りそうよ」
「あの人たちを見ながらイキなさい。ていうか、あの人たちに視られながらイキなさい」

 瞑りがちだった両目を開いて前方を見ると、右前方十メートルくらいの位置に妙齢の女性が三名、今まさに一方通行順路を建物側へと渡ろうとされています。
 学生さまかOLさまなのか、三者三様の気合の入った薄着ファッションで、いかにもリゾートではっちゃけに来た、という感じです。

 車道を渡ったお三かたは芝生ギリギリを私に向かって歩いておられるので、私の目の前すぐを通り過ぎてモール表側へと曲がられるでしょう。
 楽しげに談笑されつつ私へと近づいてこられる彼女たちお三かたのうち、薄いサマーセーターのバストを一番盛り上げていらっしゃる童顔のおひとりが一際目を惹きます。

 スマホを耳にあてて通話している体を装いながら、彼女たちのほうに目を向けますが、会話に夢中なのか私に気づかれたご様子はありません。
 充分に昂りきっている私の性感は、クリットへの次の蹂躙でいともたやすく昇天へと導かれるでしょう。

「…ハァ…ンッ、ハァ、ハァ、ハァ…ンーーッ…」

 肉芽周辺に焦らすような愛撫を施しつつ、五十嵐さまのケータイに熱い吐息のささやきを届けつづける私。
 乳首やおっぱいもまさぐりたくてたまりません。

 彼女たちはもう私のすぐ傍らまで来られていました。
 お声高におしゃべりしつつ私の目前を通られるとき、サマーセーターの女性さまの目線がフッと私の首輪に注がれたような気がしました。

「ンゥゥゥーーーーーーーッ!!!」

 咄嗟に彼女たちに背中を向け、同時にクリットをギュッと押し潰しました。
 頭の中が真っ白になると同時に痺れるような快感が下半身から全身へと駆け巡りました。
 辛うじてしゃがみ込んでしまうことは我慢出来ましたが、突っ張った両脚ともヒクヒク震えています。

「ちょっと!誰が背中向けていいって言った?肝心のイキ顔アヘ顔が撮れなかったじゃない!」

 通話中の五十嵐さまから猛烈なご抗議です。
 自分でもどうしてそうしたのかわからないのですが…
 やっぱりイク瞬間を見知らぬ方々にお視せすることに、抵抗感があったのでしょうか…
 
 快感の余韻がまだ渦巻く中、お車のほうに向き直ります。
 彼女たちお三かたはモール表側へつづく通路の方に曲がられたようで、もうお姿は見えません。

「悩ましげにシワ寄せて火照らせちゃって、いやらしい顔。イキ顔撮り損ねたのが尚更、残念この上ないね」

「…ご、ごめんなさい…」

 五十嵐さまからの未練たっぷりな恨み言に、ひたすら恐縮する私。

「でも一回イッたからもうイキやすいでしょ?今度はナカイキね。で、何が起きても車のほうを向いていること」
「あと、今回の命令違反にペナルティも必要だな。何がいいかな…」

 しばし沈黙するスマホ。
 私は快感の余韻がまだ治まらず、息をハァハァ吐いています。

「一番恥ずかしいのは絆創膏剥がさせることだけど、ブラウスがあの状態じゃ、完全に公然猥褻物だし…」

 五十嵐さまのそのお言葉に、何気無く自分の上半身を見下ろすと…

 辱めによる性的な興奮でじっとり汗ばんだ薄物ブラウスは満遍なく素肌に張り付き、白いはずの布地が肌色となってからだの線を浮き上がらせていました。
 その上、襟元から4つまでボタンの外れた前立ては大げさにはだけ、左右おっぱいが三分の二以上飛び出しています。
 もしも絆創膏を貼っていなかったら、両乳首ともお外にコンニチハしていました。

 直すことは禁じられていますから、そのままの状態でモジモジソワソワ。
 今の状態がそんなに破廉恥だと知ってしまったことで、羞恥がマゾ性を刺激して被虐感が増し、いっそうの性的興奮へと変化して、ラビアはヒクつきクリットが性懲りも無くぐんぐん腫れてきます。

「ま、いっか、生ぬるいけどボタン外しで許してあげる。ブラウスのをもう一個とスカートももう一個、外しなさい」

 スマホから五十嵐さまのお声が聞こえて来て我に返りました。

「はだけたブラウスはいったん直していいから、ボタンをそれぞれもうひとつ外してから、膣内イキしなさい」

「はい…ありがとうございます…」

 許してあげる、というお言葉に反応したお礼を述べてブラウスを直し、あらためてボタンを外します。
 
 その結果、ブラウスはスカートにインした下の部分までのボタンが全部外れて、すなわち上半身がいつ全開になってもおかしくはない無防備状態。
 下半身もボタンはふたつだけ、恥丘はおろか下腹のおへその下ぐらいまでが露わになりそうな心細い状態となってしまいました。

「外したら今度も、どんなにはだけてもブラウス直したらダメだからね。ちゃんと膣内だけでナカイキして、カメラに背中向けることも絶対禁止」

 五十嵐さまの無慈悲なお声がスマホのスピーカーを震わせます。

 こんな状態で私はこれから、自分のマゾマンコを自分の指で弄んだ挙げ句の果て、青空の下でイキ果てるんだ…

 前方からまた、数人の人影が近づいてこられています…


2023年4月9日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 13

 スカートのウエストのところのボタンを外し、下ろしながら右脚、左脚とサンダルを引っ掛けないように抜きます。
 これで下半身は剥き出しの丸出し。
 脱いだスカートは五十嵐さまの右手が伸ばされて没収されました。

「んんっ!」

 そのまま便座に腰を下ろすと同時に、股間から水流が勢い良くほとばしり出ます。
 本当にがまんギリギリでした。

「ほら、もっと脚開いて。指でラビアも広げて、オシッコが出てくる穴までうちにちゃんと視せなさい」

 五十嵐さまから、私の股間にお顔を近づけ見下ろしつつのご命令。

「…は、はい…」

 ほとばしる水流に触れないよう右手を上から伸ばし、チョキの形にした指を恥丘に添えて陰唇を押し広げます。
 潤んだ粘膜が直に空気に晒されているのがわかります。

「左手はブラウスの裾を持って、おへその上まで捲くり上げるの。女性器周辺が全部よーく見えるように」
「うつむかないで、視線はこっちよ」

 五十嵐さまのご容赦ない追い打ちのご命令で私の下腹部はおへそから下まで全部丸出しに。
 そこをじっと視つめられる五十嵐さまの視線通りの映像が、カメラで記録されているはずです。

 ジョボジョボと音をたててほとばしる水流は、なかなか止まりません。
 放出の快感と視姦されているという羞恥がないまぜとなり、下半身全体が熱く火照ってしまいます。

「直子、ずいぶんいやらしい顔になってる」

 全体像を撮るためでしょう、一歩下がって私を見下ろす形の五十嵐さまが、からかうみたいにおっしゃいます。
 永遠につづくかと思われた放尿もやがて勢いを失い、チョロチョロっと断続的に数回垂れて沈黙しました。

 それでもお許しがないので、裾をめくったまま陰唇を拡げている私。
 その姿をニヤニヤ数十秒見つめて、つまり録画した後、やっと五十嵐さまから次のご命令。

「終わったみたいね。じゃあマンコ周辺をビデでよく洗いなさい。スケベ汁で濡れた内腿まで念入りにね。こっから先はずっとノーパンで過ごすことになるから」

 ビデのスイッチを入れると数秒置いてから勢いよく飛び出た水流。
 押し拡げた膣穴にジャストミートなほとばしりに思わず、アんっ、と淫声が洩れてしまいます。
 腰を少しくねらせて内腿に垂れた愛液も拭ってもらいます。

 そんな様子をじーっと見つめてこられる眼鏡越しの熱い視線。
 それはすなわち、デジタルで永久的に記録されてしまう私の痴態ということなのです。

「そんなもんでいいか。じゃあ紙で軽く拭いてからブラウス下ろしていいよ。余計なとこは触らないでね」

 いたずらっぽく五十嵐さまがおっしゃり、私に赤いラップスカートを差し出してきます。
 いつの間にかボタンが全部外されて、一枚の細長い布片に戻っていました。

「本当はここで声を殺してのオナニーとかも撮影したいところだけど、時間も限られてるしハッシーも待たせちゃってるし」
「ここはこれくらいにして、次の辱めに移りましょう」

 すごくご愉快そうにヒソヒソ声で告げる五十嵐さま。

「スカート着けていいよ。シャツはインで、あとスカートのボタンは上から3つまでね」

 そう促されて立ち上がり、剥き出しの下半身に赤い布片を巻きつけます。
 ご命令通りに、前開きのボタンをウエストから順に三つまで留めていきます。

 そうすると、ちょうど恥丘の上辺りにある四番目のボタン以降がノーガード。
 ちょっと大きな歩幅で歩いたり、正面から強めの風を浴びたら、いともたやすく割れてしまい無毛の恥部がさらけ出されてしまうことでしょう。

 そんな私の立ち姿を五十嵐さまが眼鏡越しにじーっと見つめられています。
 と思ったら、つかつかと近づいて来られ、私の両肩に両手を伸ばされました。

「もうこれもいらないわね」

 おっしゃると同時に両肩からボレロが剥がされ、くるくるっと丸めて五十嵐さまのバッグへ。
 代わりに私のポシェットを、今や正真正銘薄物ブラウス一枚となってしまった私の肩に、おっぱいスラッシュの形で掛けてくださいました。
 
 これで私は上下とも薄物一枚づつ、絆創膏で隠されたノーブラ、肝心なところのボタンを留めていない頼りないノーパン姿。
 こんな格好でまた人混みを歩くんだ…
 ポシェットのショルダーベルトを直そうとして何気無く首輪に触れたとき、諦めが呼ぶ開き直りのような興奮がゾクゾクっと背筋を駆け上りました。

「よしっと。それじゃあ出よっか」

 ご自分のお荷物を肩から提げ、おトイレの鍵に右手を掛けられた五十嵐さま。
 空いた左手で私の右手を握られます。
 扉を開けると同時にグイッと引っ張られ、個室を出た途端にあっさり手が離されました。

 そのままおひとりでスタスタと出口近くの洗面スペースに向かわれる五十嵐さま。
 トットットとつんのめるように個室を出て取り残された私。

 顔を上げると洗面スペース近くに順番待ちの行列が4、5名。
 学生さん風や奥様風でみなさまお若い感じ。
 ふたりだけの世界からいきなり公衆の面前、日常の空間に放り込まれ、そんなみなさまが一様に怪訝そうなお顔つきで私のほうを見ていました。

 それはそうでしょう。
 おトイレ個室から若い女性がふたり、連れ立って出てきたのですから。
 
 スウェット上下で黒縁メガネな五十嵐さまの後ろから現われたのは、上半身透け気味な薄物ブラウスのパイスラ仕様、首に赤い首輪を巻いて頬を上気せている、いかにも情事の後然とした私。
 五十嵐さまは平然と洗面スペースで手をお洗いになっていらっしゃいますが、私はその侮蔑まじりな好奇の視線でどんどん自虐的に興奮してきていました。

 今の私の格好は自分が望んだ姿…私は視られたがりの露出症…視られることで性的に高揚するヘンタイ…
 だから視ていただけることに感謝しなければいけないんだ…

 今日のアウトレットへのドライブ中から今まで、たてつづけの公衆の面前での辱めが許容を超えてしまったのか、今の私は露出マゾとしての自分に酔い痴れつつありました。
 もっと視てください…いやらしい姿を視て蔑んで、変態痴女って罵ってください…

 顔をまっすぐ上げ、比較的大きな歩幅のモデルウォークで、洗面スペースまでゆっくり歩きます。
 みなさまの視線が私に釘付けとなり、その視線が好奇から驚愕、呆気、軽蔑、冷笑とさまざまに変わっていくのがわかります。

 5月連休中のお姉さまとの露出ショッピングや6月のファッションショーでの出来事など、これまでに受けた恥辱のあれこれが脳裏にまざまざとよみがえっていました。
 ああん、いっそのこと乳首の絆創膏も取り去って、いやらしく尖った乳首も視ていただきたい…

「ほら、直子もさっさと手を洗って、先にいくよ」

 五十嵐さまにびっくりするほど通るお声でご叱責され、ビクッとした拍子で私に少し理性が戻ります。
 見ると五十嵐さまは内開きドアからおひとりで出る寸前。

「あ、はいっ、待ってください…」

 私も大慌てで手を洗い、濡れた手のまま大急ぎで五十嵐さまを追いかけました。

 お手洗いから出るとそこには人、人、人…
 午後になって明らかに人出が増えたようで、いかにもショッピングモールという風景。
 理性が少し戻った私は、やっぱり恥ずかしさでうつむきがちになってしまいます。

 合流を約束したカフェの前では橋本さまが所在無さげにスマホを弄られていました。

「お待たせー」

「ずいぶんと長いお籠りだねー。10分以上だったからイベント2つもクリアしちゃったぜ」

 橋本さまがからかうようにおっしゃってスマホの画面を見せてきます。

「悪い悪い、直子が調子に乗っちゃってさー。オナニーまで始めようとするのを無理やり引っ張ってきた」

 五十嵐さまも軽口で返されます。

「さあ、あとはさっさとおつかい済ませて、どこかでゆっくりと直子を晒し者にしましょう」

 五十嵐さまがご自分のバッグから紙片を取り出されます。

「直子は先生からの依頼品をゲットすること」

 歩きながら振り向かれ、私にその紙片と一万円札を一枚渡して来られました。

「で、撮影はハッシーね。うちは虫除けスプレーとか他に買うもので別行動するから」

 黒縁メガネを橋本さまに渡される五十嵐さま。
 黒縁メガネを早速かけられたヤサ男風な橋本さまのお顔は、失礼ですが一層いかがわしさが増している感じ。
 橋本さまはハンディビデオカメラをリュックにしまいこみ、両手をポケットに突っ込んで私を見つめています。

「買うところをしっかり撮影してね。直子はお店に入ったら探さずに、真っ先に店員さんに商品名を告げて売り場まで連れてってもらうこと」
「男性が側についていると、いかにも調教って感じになりそうじゃない?ハッシーは無言で終始ニヤニヤ笑って見てればいいよ」

 名塚先生から渡されたという紙片メモには、買うべきものが事細かに書かれていました。

 お浣腸薬はメーカーと商品名の後に、30g×10、40g×10
 避妊具もメーカーと商品名の後に、002 12×3
 ローションもメーカーと商品名の後に、360ml×2

 どれも女性が買うには恥ずかしいものばかり。
 その上、この組合わせでこの量を買うなんて、この人は一体どんな生活をしているんだろう、って絶対思われそう。

 紙片メモを確認して一万円札と一緒にポシェットに押し込んだ後、こう思うことにします。

 これは私へのお仕置きなんだ…
 恥ずかしい姿で恥ずかしい買い物をして、みなさまに私がどんな女なのかわかっていただいて、蔑んでいただくための…
 だって私は本当にそういう女なのだもの…
 
 ドラッグストアは、アウトレットにいくつかある出口のひとつ近くの一画にありました。
 私たちが駐めた駐車場とはまた違う駐車場の側なので人の出入りも激しく、行き来が一際激しい一帯。
 そんな中を私はメガネをかけた橋本さまと横並びで進み、やがてガラス張りのドラッグストアへ。

「じゃあ、うちは自分の仕事済ませちゃうから。直子はくれぐれも言われた通りに、ね」

 五十嵐さまがお店の奥に消えていき、入口自動ドア付近に取り残された私と橋本さま。
 お店はあまり広くなく都心部の大きめなコンビニくらいの感じで、数名のお客様かたが右往左往されています。
 橋本さまは何もおっしゃらず、ニヤニヤ笑いで私の顔や全身を眺めていらっしゃいます。

 ご命令を守るべくスタッフさまはと見回すと、お会計であろうお薬処方のカウンターにご中年のおばさまがおひとりと、お品出しをされているっぽい若めな男性がおひとり。
 出来れば男性にはご相談したくないし、女性、それもご年配のスタッフさまのほうがいいなと思っていたら、お薬処方のおばさまにお客様が付いてしまいました。

 仕方ないので男性に聞くしかないか、とお買い物カゴを取って奥へ進んでいくと、棚に隠れて見えなかったところにもうひとり、女性のスタッフさま。
 こちらもお若い感じですが、男性より女性のほうがずいぶん気分的にラクです。

「あ、あの、恐れ入ります…」

 おずおずとお声をかけると、芳香剤をお品出ししていたその女性のお背中がビクンと震え、あ、はい…というお声とともにこちらを向いてくださいます。
 二十代半ばか少し上くらいの落ち着いた感じの美人さんでした。

「あ、あの、お、お通じのお薬はどこにありますか?」

 やっぱりお浣腸という言葉は口に出せず、口ごもりながら早口で尋ねてしまう私。

「えっ、お習字…ですか?」

 怪訝そうな女性の視線が私の顔から首輪へと移動し、胸元を凝視した後下半身へ移り、それからまた首輪へと戻ります。
 それからじっと曖昧な笑顔で私を見つめる女性。
 明らかに引いていました。

「あ、いえ、あの、お浣腸です。お浣腸のお薬はどこにありますか?」

 沈黙に耐えられず、思わず恥ずかしい商品名を早口で口走る私。
 こんな至近距離ならば透け気味なブラウスの下には何も着けてなく、乳首に絆創膏が貼ってあることまでわかってしまったことでしょう。

「ああ、それなら突き当たって右側のあちらの棚になります」

 女性スタッフさまがお店の奥、突き当りを指さされ、その指を少し右側へと振りました。
 そのお声はいたってお優しげでしたが、私を見る視線に苦笑のような冷笑のような、呆れているニュアンスが感じられました。

「あ、ありがとうございます…」

 小声でつぶやき逃げるようにスタッフ女性さまから離れる私。
 その傍らを橋本さまがニヤニヤ笑いのままついてこれらます。
 突き当りを曲がるときそっと背後を窺うと、女性スタッフさまはまだ私のほうを見ていました。

 お浣腸薬はすぐみつかりました。
 私にとっては見慣れたパッケージ。
 30g入10個の青い箱と40g入10個の薄紫の箱をお買い物カゴに入れます。

 近くに避妊具も置いてあれば、スタッフさまにお尋ねしなくても買えるなと思ったのですが、残念ながらお浣腸薬周辺には消化器系のお薬ばかり。
 ということで、こちらもスタッフさまにお尋ねしなければいけないことに。

 当然のことながら私は今まで自分で避妊具の類を購入したことがありませんでした。
 お姉さまやシーナさまとの遊びの際に、オモチャにそういうものをかぶせて使われたことは何度もあるのですが、主に使われる用途が用途ですからあまりよく研究観察する気にもなれず、どんな箱でどんなふうに売っているのかも知らないままでした。

 あの女性スタッフさんには、すっかり呆れられてしまったようなので出来れば他のスタッフさまに、と思うのですが、このお店のスタッフさまは、お薬処方のおばさまと男性と女性スタッフさまの計3名だけみたい。
 やっぱり男性よりは、ということで再び女性スタッフさまのもとへ。
 女性スタッフさまはまだ、芳香剤の棚のところで何やら作業をされていました。

「あ、あのぅ、もうひとつお聞きしたいのですが…」

 消え入りそうな声を投げかけつつ近づく途中で、女性スタッフさまがお顔を上げられ私を見ます。
 橋本さまを引き連れて戻ってきた私のお買い物カゴの中には大量のお浣腸薬。

 女性スタッフさまは、カゴと私の首輪と、傍らの橋本さまを交互に眺め、今度はなぜだかご愉快そうに、ニコッ、と微笑まれます。

「はい、なんでしょう?」

 あからさまな作り笑いには、あなたたち、そういう妖しい関係なのね、という見透かすような冷やかすような雰囲気が感じ取れました。

「あの、ひ、避妊具の売り場は…」

 思い切っての早口でお尋ね。

「避妊具?あ、コンドームで宜しかったでしょうか?」

 女性スタッフさまってば、イタズラっぽくからかうみたいにおっしゃいます。

「あ、は、はい…」

「それでしたら今度は突き当たって左。処方カウンター脇の棚にございます」

「あ、ありがとうございます…」

 もはや遠慮無しに私のからだを見つめてくださる女性スタッフさまの視線。
 絆創膏を貼られた乳頭付近とボタンの外れた恥丘付近を布越しにじっくりと舐めるように視られ、最後に首輪と顔を凝視。
 それからフッと目を逸らされ、フフンと蔑むように笑われました。

 その途端、カーッと体中の血液がさんざめき、逃げるようにお店の奥へ。
 火照った頬が被虐に震え、間違いなく性的な快感を感じていました。

 避妊具はどれも綺麗な箱に入れられて売られていました。
 その中からご指定のメーカーの0.02と書かれた箱を12個入りというのも確認して3箱、カゴにいれます。

 幸い避妊具コーナーの横がローションコーナーでしたので、ローションもメーカーを確認しつつ360mlを2本カゴへ。
 これでミッション完了です。
 あとはお会計を済ませるだけ。

 カゴの中には大きなお浣腸薬の箱2つと避妊具が3ダース、それにローションの太いボトルが2本。
 こんな組み合わせのお買い物って、まさしくヘンタイ以外の何者でもない気がします。
 でも一刻も早くこの場から立ち去りたい一心で、お会計の場であろうお薬処方のカウンターへ急ぎました。

 カウンター前にはおふたり、先客さまがいらっしゃいました。
 お会計中のおひとりは処方箋を出してお薬を見繕っていらっしゃる最中らしく、カウンターのおばさまがカウンター内で忙しくしていらっしゃいます。

 私の前のお客様はお買い物カゴに芳香剤やシャンプーなどをまばらに詰めて並んでらっしゃる、少しご年配のご婦人。
 その次が私なのですが、そうこうしているうちに私の後ろにもお客様が付きました。

 歯ブラシ2本と歯磨き粉を手に持たれた学生風のお若い女性なのですが、そのかたがどうも私のカゴの中身に気づいてしまったようでした。
 列から少しずれて私の顔を見ようとしているのが気配でわかります。
 
 橋本さまは列から少し離れたところで、おそらく行列全体を撮ろうと思われているのでしょう、相変わらずのニヤニヤ笑いで眺めていらっしゃいます。
 私はひたすらうつむいて自分の番が早く来るのを待つしかありません。

 ようやく私の番となり、カウンターにお買い物カゴを置きました。
 そのときのレジのおばさまの驚いたようなお顔。
 
 カゴの中身を見て、私を見て、首輪に気づいて、上半身を見て…
 驚いて、呆れて、曖昧な笑顔が冷笑に変わって、見透かしたようなお顔に変わり…黒いビニール袋に商品を入れつつの、おばさまの心の動きが手に取るようにわかりました。
 
 商品を受け取った私は、文字通り逃げるようにお店を後にしました。
 商品の合計額が一万円払っても小銭しか返ってこないくらいの金額だったのにも驚きつつ…