2010年8月29日

お医者さんごっこと私 08

「それじゃあ次は、わたしがお医者さんね」

 言いながら由美ちゃんがソファーの上に裸のまま無防備に起き上がりました。
 それぞれ赤く火照った顔を、それぞれ三人で見合わせています。

「チユちゃん?白衣貸して。次の患者さんは、なおちゃん…」

 言い終わらないうちに弓子ちゃんが、勢い良く手をまっすぐに挙げました。

「はいっ!次はワタシが患者さんやりますっ!」

 だぼだぼワイシャツを脱いで由美ちゃんに手渡しながら、弓子ちゃんがつづけます。

「それで、今日は、大きいお注射もやります。ワタシ、今日はそう決めてきたのっ!」

 弓子ちゃんが私の顔を見つめて、ニコニコしながら言いました。

「弓子ちゃん、だいじょうぶなの?」

 私はちょっとビックリして、弓子ちゃんに聞きました。

「うん。だって、なおちゃんとお医者さんごっこできるの、たぶん今日が最後でしょ?」
「だから最後に、なおちゃんにユミコのお尻、ちゃんと見てもらっておきたい、って思ったの…」
「今まで何回も、なおちゃんのお尻、見せてもらったから…」
「すっごく恥ずかしいけど、ワタシ、がんばる…」

「それにね、このあいだカゼひいたときにお医者さんで、本当にお尻にお注射もらったの」
「そのとき、すっごく痛かったけど、ユミコ、泣かないようにがんばって、がまんしたの」

「そしたらお母さんが、すっごくえらかった、って、たくさん誉めてくれたの」
「新しいぬいぐるみまで買ってくれたの」
「すっごく嬉しかった…だからワタシ、もうお尻のおチューシャ、ヘーキなのっ!」

 弓子ちゃんが私の顔をまっすぐに見て、すごくカワイク笑いました。

「弓子ちゃん…ありがとうね…」

 ちょっとウルウルしながら、弓子ちゃんの右手を両手で握りしめました。
 お別れの日まで、もう絶対に二人の前では泣かない、って一人でひそかに決めていたので一生懸命涙をがまんしました。
 由美ちゃんは素肌にワイシャツを羽織りながら、そんな二人をじっと見つめていました。

「お洋服、シワになっちゃうとイヤだから、先に脱いじゃうね」

 弓子ちゃんがそう言って、ワンピースの前ボタンを外し始めました。
 由美ちゃんと立てた計画とは少し違ってきてしまいましたが、弓子ちゃんが自分から脱いでくれるのは嬉しい誤算です。
 
 ひょっとすると私のアイデアを実行しなくても、弓子ちゃんのソコのスジが見れるかもしれません。
 どんどんワクワクしてきました。

「それなら私も脱いじゃおうっと」

 弓子ちゃんが脱いだワンピースをハンガーにかけながら私も明るく言って、自分のワンピースを手早く脱ぎました。

 由美ちゃんは素肌にワイシャツと水玉ソックスで、お医者さん。
 弓子ちゃんは白のスリップに白のショーツと赤いソックスで、患者さん。
 私はベージュのスリップとショーツに白のハイソックスで、また看護婦さん。
 三人、そんな姿になりました。

 上半身のシンサツのとき弓子ちゃんもスリップ脱いでくれるかなあ、と少し期待したけれど、まくりあげるだけでした。
 でも弓子ちゃんの白くて薄い胸とプックリした乳首がまた見られて、とてもシアワセでした。
 弓子ちゃんは胸やお腹をさわられるたびに、ヤンッとかウフッとか小声で反応して、すっごくカワイかった。

 そしていよいよ、お尻へのお注射のときがきました。
 スリップ姿の弓子ちゃんの手を取って、ソファーへ誘導します。

「でもね、さっきユミねえがしたみたいな、あーゆー格好はワタシ、恥ずかしくて、できないの…」

 弓子ちゃんがちょっと怯えている感じで、私と由美ちゃんの顔をうかがってきます。

「わかってるって。ふつうにうつぶせでだいじょうぶ」

 由美ちゃんが明るくフォロー。

「下着はどうする?自分で脱ぐ?」

 と私。

 弓子ちゃんはうつむいたままソファーに上がり、うつぶせに寝転んでから、

「なおちゃん?脱がせて…」

 小さな声でつぶやくように言いました。

 その可愛さにドキンと震えた私は、あたふたと弓子ちゃんのお尻のところにまわり、ショーツのゴムに手をかけます。
 すっごくドキドキしています。

 弓子ちゃんのお尻をじっくりと見るのは、プールのときの着替えでチラチラみたことはありますが、初めてです。
 ゆううっくりと、ショーツを膝のところまで下げました。

 一気に全部脱がせてしまおうか?…
 一瞬迷いましたが、やっぱりなんだかかわいそうに思い、そのままにしました。

 弓子ちゃんのお尻はパン屋さんだからというワケではないでしょうけれど、スポンジケーキみたいにフワフワ柔らかそうにこんもりしていて、クリームみたいになめらかスベスベそうで、すごく美味しそうな感じでした。
 お尻の左側の山の真ん中へんに、星みたいな形をした小さなホクロがありました。

 そおっと手を伸ばして、そのホクロのあたりに濡れタオルをあてがいます。

「ひゃん!」

 弓子ちゃんが小さな悲鳴を上げました。
 やっぱり柔らかフワフワな感触で、タオル越しにさわってるだけでもいい気持ち。

 タオルを弓子ちゃんのお尻から離すと、それまで爛々と目を輝かせて弓子ちゃんのお尻を見つめていた由美ちゃんが注射器を持って、入れ替わりました。
 私は弓子ちゃんの顔のほうに移動します。

 弓子ちゃんは頬を真っ赤に染めて、タオルを両手で握りしめて、目をぎゅっとつぶっていました。
 私は弓子ちゃんの顔のところにしゃがみ込んで、

「だいじょうぶですからねえ。痛くないですよー」

 なんて言いながら、弓子ちゃんの前髪を左手でやさしく撫で撫でしてあげました。
 弓子ちゃんが目を開いて、私をじっと見つめてから左手を伸ばして私の右手を掴んできました。

 二人、ぎゅっと手を握り合います。
 もう、弓子ちゃんたら、めちゃくちゃ可愛いです。

「由美ちゃん先生?それでは、お願いします」

 弓子ちゃんの頭を左手で撫ぜながら私がそう言うと、由美ちゃんの上半身が弓子ちゃんのお尻に覆いかぶさりました。
 一際強く私の右手を握ってきたときが、たぶん注射器がお尻に触れたときだったのでしょう。
 しばらくぎゅーーと握られてから、フっと握る力が抜けました。

「はい、終わりです。チユちゃん、泣かないで、エラかったですね」

 由美ちゃんが大きな声でやさしく言いました。
 弓子ちゃんはホッとしたように笑って、

「あー恥ずかしかったぁーっ!」

 って照れながら、うつぶせに寝たまま両手でショーツを素早くずり上げました。
 それからソファーに起き上がって正座して、大役を果たしたような顔でニコニコしています。
 私たちは少しガッカリ。

 さて、次は私の番。
 どうやって恥ずかしい格好になろうか?
 と考えていたら、由美ちゃんが弓子ちゃんの前に立って言いました。

「ねえ、チユちゃん?知ってる?」

 弓子ちゃんが由美ちゃんに顔を向けます。

「女の子のココって…」

 言いながら左手でワイシャツの裾をまくって、あらわになった自分の股間を右手で指さします。

「ここのスジって、女の子でも少しずつ違うみたいなのね」

 裾をまくって股間を弓子ちゃんに晒したまま、由美ちゃんが私の顔を見ます。
 どうやら由美ちゃんは、真正面から攻めていくことにしたようです。

「こないだ、なおちゃんと二人でココの見せっこしたのね…」
「そしたら…」

 そう言いながら、赤くなった顔で私に後を促してきます。
 私も立ち上がって由美ちゃんと並びました。

 それから思い切って両手でショーツを足元まで一気にずり下げました。
 スリップの裾が両腿の付け根より5センチくらい長いので、私も左手でスリップの裾をピラっとめくり上げます。

「ほら?正面から見ると、なおちゃんのほうがちょっとだけスジが長いでしょ?」

 由美ちゃんと私はソファーに座った弓子ちゃんの目の前で、おのおの自ら裾をまくり上げて弓子ちゃんにアソコを見てもらっています。
 弓子ちゃんも至近距離から食い入るように二人のアソコを見比べています。

「ほんとだ…なおちゃんのほうが少し長い…」

 頬を染めた弓子ちゃんが、そう小さな声でつぶやきました。

「…チユちゃんのはさ?…どう?…」

 由美ちゃんが真っ赤になりながら、弓子ちゃんの目を見つめて訴えかけます。

「…チユちゃんのも…見せて…」

「えっ!?…でもでも…ここじゃ…は、恥ずかしいし…」

 弓子ちゃんの瞳に、怯えの色が戻ってきてしまいました。

「でもさあ…」

 由美ちゃんがちょっと強い口調で何か言おうとしています。

 マズイです。
 自分のアイデアを実行するなら今しかない、と思い切って二人に問いかけました。


お医者さんごっこと私 09

2010年8月28日

お医者さんごっこと私 07

「なおちゃんとわたしが先に裸ん坊になっちゃえば、弓子ちゃんもなりやすいんじゃないかなあ?」

 由美ちゃんのそんな提案で、その日のお医者さんごっこの段取りを二人で詳しく決めました。

 それとは別に、私もあるアイデアを思いついていました。
 でも当日ビックリさせちゃおうと思い、それは由美ちゃんにも言わないでおきました。

 結局その日は、由美ちゃんのお母さんが気を遣ってくれて、夕方から弓子ちゃんのご家族も由美ちゃんちに来て、私たち家族のさよならパーティみたいなことをやることになりました。

 その日はよく晴れた、2月中旬にしては暖かい日でした。
 母からは、くれぐれも戸締りと火の始末に気をつけるように、由美ちゃんのお母さんにご迷惑をおかけしないように、としつこく言われ、朝の9時頃に父と一緒に家を出て行きました。

 今日はお昼ご飯を食べた後に、由美ちゃんと弓子ちゃんが私の家にやって来る予定です。
 私はお気に入りのピンクのワンピースに着替えて、思いついたアイデアの準備をしてから、一人で母が作っておいてくれた昼食を温めて食べました。

 1時15分くらいに弓子ちゃんがやって来ました。
 真っ赤な厚手のステキなワンピースにピンクのショールを巻いています。
 髪の毛は可愛くおだんごに結ってあります。

「これ、お母さんがお土産にって…」

 ケーキの箱らしいものを手渡してくれます。

「ありがとう」

 弓子ちゃんをリビングに案内しました。
 今日のお医者さんごっこは私のお部屋ではなくて、せっかくだからリビングでやろうと決めていました。
 
 リビングのエアコンを調整して、裸ん坊になっても寒くないくらいの温度になっています。
 窓はすりガラスなので外から見えちゃう心配はありません。
 せっかくの晴れの日だし、カーテンは開けたままにしておきました。

 二人で並んでソファーに座っておしゃべりしていると5分くらい後に、由美ちゃんもやって来ました。
 淡いグリーンのサロペットの下に淡いピンクのブラウスと、その上に白い毛糸のカーディガンを着ています。
 髪はオールバックにして黄色いカチューシャで留めています。
 大き目の布製のバッグを肩にかけてニコニコ笑いながら登場しました。

 冷蔵庫からフルーツジュースを出してきて、弓子ちゃんのお土産のケーキを三人で食べました。
 一息ついてから、

「そろそろ、始めよっか?」

 由美ちゃんが言って、バッグの中からお医者さんごっこのおもちゃを取り出しました。

「今日は、最初にわたしが患者さんをやらせてね。チユちゃんがお医者さんで、なおちゃんは看護婦さん」

 バッグの中から取り出した白衣代わりのワイシャツを弓子ちゃんに渡しながら、由美ちゃんが言います。

 由美ちゃんは、三人で遊ぶときは由美ちゃんと弓子ちゃんの名前が似ていて紛らわしいので、弓子ちゃんのことを『小さいほうのユミちゃん』 という意味で『チユちゃん』 と呼んでいました。

 リビングに隣接したダイニングのテーブルが今日はお医者さんの机です。
 椅子だけを向かい合うように置いてワイシャツを羽織った弓子ちゃんとカーディガンを脱いだ由美ちゃんが向き合いました。
 私は二人の傍らに立っています。

 いつもは家族でご飯を食べている私んちのダイニングで、これから由美ちゃんが裸になります。
 そして、その後には私も…

 外の陽射しとお部屋の電気のせいでダイニングもリビングもとても明るいです。
 私の胸は、早くもドキドキしてきました。

 弓子ちゃんの、

「今日はどうしました?」

 の言葉で、お医者さんごっこが始まりました。

 由美ちゃんは上半身のシンサツのとき、サロペットの肩紐を両方はずして胸当てを下げてから、ブラウスのボタンを全部はずして腕も抜いて完全に脱いでしまいました。
 脱いだブラウスを看護婦さん役の私が受け取り、ハンガーに掛けます。

 それから、そろそろと由美ちゃんがスリップの裾をまくり上げます。
 由美ちゃんの白くてきれいな胸が露になりました。

 由美ちゃんは、おっぱいの乳首の上のところまでまくり上げたスリップの裾を両手でつかんだまま弓子ちゃんに丸出しな胸を突き出しています。
 弓子ちゃんが聴診器をペタペタと由美ちゃんの素肌に押し付けます。
 由美ちゃんは気持ち良さそうに目をつぶって、その感触を楽しんでいるようです。

「それでは、背中を向けてください」

 弓子ちゃんがそう言うと、その言葉を待っていたかのように、

「ねえ、チユちゃん?わたし、スリップずっとまくっているの疲れちゃうから、脱いじゃうね?」

 返事も待たずに由美ちゃんが立ち上がり、バンザイの形をしてスルスルっとスリップを頭から抜きました。
 また私が受け取ってハンガーにかけます。

 由美ちゃんが上半身裸になりました。
 恥ずかしそうに腕を胸の前で交差して隠しながら、また弓子ちゃんと対面します。
 弓子ちゃんにとっては初めての展開です。

 弓子ちゃんは由美ちゃんの上半身裸を間近で見て、まぶしそうに、ちょっと照れたように頬を染めています。
 由美ちゃんが胸を隠したままからだを回転させ、弓子ちゃんに背中を向けました。
 気を取り直したように弓子ちゃんが由美ちゃんの背中に聴診器を這わせていきます。

「はい。それではお注射を一本しておきましょうか」

 ひさしぶりのお医者さんごっこで楽しそうな弓子ちゃんがそう言うと、由美ちゃんは、弓子ちゃんのほうに向き直って、胸を隠していた両腕をはずしました。
 由美ちゃんの小さな乳首を弓子ちゃんがマジマジと見つめています。

「先生?わたしお腹が痛いので、お尻のほうに大きなお注射をしてください」

 由美ちゃんがワケのわからない理由を言って、お尻へのお注射をおねだりします。

「そ、そうですね…ではお尻にお注射しましょう」

「弓子先生、ベッドはこっちです」

 私の誘導で三人がリビングへ移動しました。

 さっき座っていたソファーの背もたれを倒して平らにして、大きいバスタオルを敷いておきました。

「そこのベッドにうつぶせに寝てくださいね?あ、おズボンは脱いでください」

 看護婦役の私がリードします。
 由美ちゃんは私たちに背を向けてから腰をかがめて、サロペットの下半身を脱ぎ始めました。

 脱いだサロペットを私に渡すと由美ちゃんは、ピンクのショーツと水玉のソックスだけの裸ん坊になりました。
 リビングにあるサイドボードのガラスに自分の姿が映っているのに由美ちゃんが気づいたらしく、顔を真っ赤に染めて、また両腕で胸を隠しました。

「では、ベッドに寝てください」

 私は大きな注射器を弓子ちゃんに手渡し、濡らしたハンドタオルを手に持ちました。
 うつぶせになった由美ちゃんの腰のところにかがんで、ショーツに手をかけます。
 由美ちゃんのショーツを私の手で脱がすのは、これで二度目です。

 なんだかすごくワクワクして、ドキドキして、顔が火照ってしまいます。
 ゴムのところを少し伸ばして、ショーツをいったん膝まで下ろします。
 由美ちゃんもお腹を浮かせて協力してくれます。
 白くてまあるい由美ちゃんのお尻が明るいお部屋の中であらわになりました。

 それを見つめていたら、このあいだのことを思い出して急にちょっとイジワルがしたくなってしまい、付け加えました。

「寝たままだとちょっと、先生がお注射しづらいので四つん這いになってくれますか?」

「えっ?!」

 由美ちゃんと弓子ちゃんが同時に声をあげます。

 由美ちゃんとの打ち合わせでは、とにかく二人とも先に丸裸になってしまおう、ということと、二人ができるだけ恥ずかしい格好をすれば弓子ちゃんの恥じらいが和らいで見せやすくなるだろうから、二人が患者さんのときは、そういう指示をしよう、と決めていました。

 由美ちゃんが、やっぱりそれは恥ずかしい、みたいな顔をして私を一瞬見ましたが、すぐに覚悟を決めたように、おずおずと肘と膝を立てて四つん這いになりました。
 顔が真っ赤です。
 そのあいだに私は由美ちゃんのショーツを両脚から抜き取って、由美ちゃんの枕元に置きました。

 とうとう由美ちゃんは、私の家のリビングでソックスだけの丸裸になりました。
 その上、お尻を突き出した四つん這いの恥ずかしい格好で、弓子先生のお注射をプルプル震えながら待っています。

 私は由美ちゃんのお尻全体を濡れたタオルで優しく拭いてから、お尻の穴近く右側の柔らかいお肉を入念にタオルでスリスリしました。

「先生、ここにお注射してあげてください」

 弓子ちゃんも、由美ちゃんのお尻を至近距離でしげしげと見つめ、顔を真っ赤にしています。
 由美ちゃんのお尻の穴とアソコのスジが丸見えです。
 弓子ちゃんの目が爛々と光って興味シンシンっていう感じです。

 弓子ちゃんがおそるおそる注射器をかまえて、私が指示した由美ちゃんのお尻の穴近くに持っていきます。
 注射器の先端が肌に触れたとき、由美ちゃんは、

「はうんっ!」

 って、小さなため息をつきました。

 弓子ちゃんが注射器のピストンをゆっくり押してから、注射器を肌から離しました。
 そのあいだも弓子ちゃんの目は由美ちゃんのお尻の穴とスジに釘付けです。

 それから弓子ちゃんは、またおそるおそるという感じで由美ちゃんのお尻に両手を近づけていき、今お注射したあたりの肌を頬を染めたすごく嬉しそうな顔で、やさしくニギニギ、モミモミしています。

 また由美ちゃんが、

「はふんっ!」

 と小さく啼きました。


お医者さんごっこと私 08

お医者さんごっこと私 06

「ねえ?なおちゃん?」

 由美ちゃんが視線を落としたままポツリと言いました。

「弓子ちゃんのスジも見てみたいね…」

 私もそう思っていました。
 でも、それはたぶん無理。

「でも弓子ちゃん、大きなお注射だってイヤがるでしょ?お尻見せるのもイヤなんだから、前のほうはもっと無理なんじゃ…」
「無理矢理脱がせるのはかわいそうだし、第一、泣かせちゃったりしたら、あのお兄さんに叱られちゃうよ?」

「お兄さんに嫌われるのはやだなー」

 由美ちゃんが真剣に言います。

「弓子ちゃんて、パン屋さんの子だよねえ?」

「ヒロも何度も会ったことあるでしょ?確か一年生のときは同じ組だったんじゃない?」

「ボク、一年生のときはあまり学校行かなかったから…でも知ってるよ。運動会の練習のとき、一緒になったし」
「あの子、カワイイよね。ボクもあの子の裸、見たいなあ…」

「ぜーーったい、ダメ!同じ学校の男子になんか、わたしたちの裸、見せるもんですか」

「だって、ボクも男子だよ?」

「あんたは弟じゃん」

「それじゃあ、直子お姉ちゃんの裸は?」

「あっ!」

 私はまた急に恥ずかしくなってしまい、胸と股間を隠してしまいます。

「こら、ヒロ、あんた学校行って、なおちゃんの裸見たー、とか言いふらしちゃダメだからね!もしそんなことしたら…」

 由美ちゃんがビンタのバックスイングポーズで威嚇します。

「ボ、ボク、そんなことしないよ?直子お姉ちゃんも可愛くてキレイだから、大好きだもん」

 私はまたまた違う恥ずかしさに火照ってしまいます。

「ゆみーーっ、ひろゆきぃーーっ、いるのぉ?----っ」

 突然、階下から大きな声がしました。

「あーーっ、ママが帰ってきちゃった!?」

 時計を見ると4時55分でした。

「ほら、ヒロユキ、早くパンツとズボン穿いて、下に降りてって、ママが上がって来ないように食い止めて!」

 由美ちゃんが素早く立ち上がって、私にお洋服のかかったハンガーを渡しながらヒロくんに指示します。

「うん!わかった。まかせてっ!」

 ヒロくんも素早く立ち上がり、さっき由美ちゃんにパンツごと脱がされた半ズボンを目にも止まらぬ早さでパンツごと穿いて、

「ママァーー、おかえりぃーーー」

 と大きな声を出しながら、バタバタと階段を駆け下りていきました。

「今ねぇー、直子お姉ちゃんが来てるのぉーっ。三人でトランプしてたのぉーっ…」

 ヒロくんがワザとらしいくらい大きな声をあげています。

 私もあわてて机の上のショーツを取って穿いてから、スリップ、ブラウス、ジーンズの順に大急ぎで身に着けました。
 由美ちゃんはとりあえず裸の上にワンピースをかぶって、お医者さんごっこのお道具とワイシャツを片付けてからトランプを床の上にばら撒きました。
 姉弟のコンビネーション、バッチリのようです。

 それから由美ちゃんがゆっくりとショーツを穿こうとしたときに、ドアがバタンと開きました。
 由美ちゃんはショーツをあわててワンピースのポケットに突っ込みます。

「あら、直子ちゃん、いらっしゃい」

「こんばんはー。おじゃましてまーす」

 私は床にペタリと座り込んだまま、ペコリと頭を下げます。

「さっき駅前のスーパーで直子ちゃんのママに会ったわよ。まだ帰らなくていいの?」

「はい。5時半までには帰ることになっています」

 由美ちゃんは顔を伏せたまま、床に散らばったトランプを集めています。

「そう。じゃあこれ飲んでって。もうお夕食近いからジュースだけね」

「ありがとうございます。ごちそうになります」

「あら由美?裸足で寒くないの?」

 由美ちゃんのお母さんがトランプを切っている由美ちゃんに目を向けて聞きます。

「うん。このお部屋暖かいし、勝負が白熱してるから、だいじょうぶ」

 由美ちゃんが顔をあげてニコっと笑いました。

「そう。ならいいけど。じゃあ直子ちゃん、ごゆっくりね」

 そう言って由美ちゃんのお母さんは、お部屋を出て行きます。
 お母さんの後ろからついてきたヒロくんがペタンと床に座ります。
 ドアがパタンと閉じた瞬間、私たち三人は同時に顔を見合わせてニターって笑いました。

 私はその日、お家に帰ってからもいろいろと思い出しては、その日にした、させられた恥ずかしさに興奮してしまい、なかなか眠れなくて困りました。

 それからしばらくのあいだは、お医者さんごっこをやるチャンスがありませんでした。
 由美ちゃんちなら一度チャンスがあったのですが、ヒロくんも家にいるので話が別です。

 一応、弓子ちゃんに、

「明日、由美ちゃんち誰もいないんだけど、お医者さんごっこ、やる?」

 って聞いてみました。

 弓子ちゃんは、しばらくやっていなかったので嬉しそうに、

「うん」

 て答えました。
「でも、弟がいるかもしれないんだよね…」

 由美ちゃんが言いにくそうに付け加えました。

「弟って、ヒロユキくん?」

 弓子ちゃんが不安そうに聞き返します。

「それだと…ちょっと、イヤかな…見られたら恥ずかしいし…」

「そうだよね。じゃあ普通に遊ぼうか」

「うん」

 結局その日は四人でトランプとゲームで遊びました。
 ヒロくんは本気で弓子ちゃんのことが好きみたいで、照れながらもすごく嬉しそうでした。

 相変わらず三人で誰かの家に集まっては遊んでいましたが、季節も冬になって、寒くて厚着になっていましたし、お医者さんごっこを是が非でもやりたいという雰囲気は薄れていました。
 それでも、由美ちゃんと私のあいだでは、弓子ちゃんのスジを見よう計画、をことあるごとに練っていました。

 実行場所は私の家。
 それだけは決まっていました。
 三人だけの秘密にするには、かわいそうだけれどヒロくんは邪魔者です。
 
 問題は、どうやって弓子ちゃんが自分から脱ぐようにしむけるか、です。
 いいアイデアが浮かばないまま二学期の終業式を終えて、年が変わっていました。

 1月に入って始業式から帰ったとき、私の4年生進級に合わせて、遠くへ引越すことになった、と母から告げられました。
 
 ショックでした。
 私はずーっと由美ちゃんと弓子ちゃんと一緒に遊べると思い込んでいたから…
 さんざん泣いて両親を困らせました。

 しばらくは誰にも言わずに、落ち込んだ日々を過ごしていました。
 由美ちゃんと弓子ちゃんだけには、早めに言わなくちゃ、と思っていると、由美ちゃんのほうから聞かれてしまいました。

「なおちゃん、3月に引越しちゃうんだって?」

「うん。そうなんだけど、なんで知ってるの?」

「うちのママが言ってた…残念だねえ…」

 母親ルートを忘れていました。

「私、悲しくて…」

「うん。でもしょうがないよ。親の都合だもん…」

「私、由美ちゃんと弓子ちゃんと、ずっと一緒に遊んでいたい…」

「わたしももちろんそうなんだけどさ…」

 由美ちゃんがうつむいてちょっと泣きそうな顔になりましたが、顔を上げて無理に明るく大きな声で言いました。

「でもさ、悲しんでてももったいないよ?これから3月まで、絶対三人で毎日遊ぼうよ」
「いっぱい思い出作れば、きっと大人になったとき、また会えるよ」

「うん…そうだよね?…」

 由美ちゃんに抱きついてワンワン泣いてしまいました。

 それから本当にほとんど毎日、三人の誰かの家で遊びました。
 トランプをやっていても、ゲームをやっていても、楽しくて楽しくて仕方ありませんでした。
 そうこうしているうちに、お医者さんごっこをやる絶好のチャンスが訪れました。

 2月の真ん中へんの土曜日、私の両親がお引越しの関係で遠くへ出かけなければならなくなりました。
 私も連れて行くつもりだったらしいのですが、私が由美ちゃん弓子ちゃんと遊ぶために頑として、イヤ、と言いはったので、私を残して行くことになりました。

 その日は、夕方になったら由美ちゃんちに行ってお夕食をご馳走になり、夜の9時過ぎくらいに母が迎えに来る、ということになりました。
 ということは、その日の日中は誰もいない私の家で遊べる、ということです。

 早速、由美ちゃんと計画を練りました。


お医者さんごっこと私 07