2010年10月11日

トラウマと私 05

さっきから、ゆったりほわほわしたメロディな同じ曲が何回も流れてきます。
ビニールプールに浸かったまま、母たちがいるほうを見ると、調理器具やお皿がすっかり片付けられたテーブルの上に、ポータブルのCDプレイヤーが置かれていました。
母たちは、4人で輪になって音楽に合わせて、クネクネと踊っています。
ときどき音楽が止められて、4人でワイワイとおしゃべりし合っています。
フラの練習のときのリーダーは、タチバナさんのようでした。

私とともちゃんは、プールから出てタオルで濡れたからだを拭きながら、母たちが練習している場所の近くにあったチェアに並んで腰掛けました。
篠原さんも後片付けが終わったらしく、ウッドデッキのドアを開けて、またお庭に出てきました。

「なおちゃんたちもみんな揃ったみたいだし、私たちもだいたい復習終わったし、そろそろ私たちのフラをみなさんに見てもらいましょう」
母が明るく言います。
「ほら、篠原さんもエプロン取って、そこにお座りになって」
篠原さんが恥ずかしそうにピンクのエプロンを取りました。
真っ白いワンピースの水着で、胸元がV字に大きく割れて途中からメッシュになっています。
下半身は、けっこう鋭角なハイレグでお尻はTバック。
ウエストがキュッと細くって、なんだかレースクイーンの人みたいです。
「あらあ。篠原さんもプロポーション、いいのねえ・・・」
母が感嘆の声をあげました。
篠原さんは、ニッコリと微笑ながらも頬を盛大に染めています。

「これから踊るのは、カイマナヒラっていう曲で、ハワイにあるダイヤモンドヘッドのことを歌ったお歌よ」
左から、タチバナさん、ミサコさん、母、オオヌキさんの順に並んでいます。
全員、パレオやサングラスも取って、身に着けているのはキワドいビキニの水着だけです。
母もミサコさんも下半身は、おとなしめなハイレグでした。
タチバナさんがCDプレイヤーのスタートボタンを押して、曲が始まりました。
4人一斉にヒラヒラと踊り始めます。
4人ともニコニコ笑って、両手で優雅に同じ動作をしながら、腰をゆったり振ってステップしています。

立っているだけのときは、まだ少し恥ずかしそうだったオオヌキさんも、踊り始めると堂々としていました。
舞台馴れしてるみたい。
堂々としていると、イヤラシイ感じが全然なくなって、すごくセクシーでカッコイイ姿に見えてくるから不思議です。
私は、うっとりと4人の踊りを見つめていました。

曲が終わると、私と篠原さん親娘で盛大に拍手しました。
4人がお辞儀したとき、ミサコさんのビキニの肩紐が片方、スルっとはずれて、おっぱいがこぼれそうになって、あわてて両手で押さえて苦笑いしています。
私たち3人は、ヒヤっとしてから、スグに大きな声で笑い出してしまいました。

「ママたち、スゴイ。とってもキレイだった」
私は、思わずみんなに駆け寄りました。
「フラの手の動きって、なんだか手話みたいだね?」
「あら、なおちゃん、よくわかったわね。手の動きで、空とか波とかお花とか風とかを表現してるのよ」
ミサコさんが教えてくれました。

「次は、なおちゃん。何か一曲踊って」
ミサコさんが私を指名してきました。
母たちの踊りを見て、私もやる気マンマンです。
「ちょっと待っててください」
急いで自分の部屋に戻って、曲の入ったCDと履き古したトゥシューズを持ってきました。

「ドン・キホーテのキューピッドをやります」
バレエ教室で、今課題曲になっている曲です。
トゥシューズに履き替えて、芝生の真ん中くらいに立ちました。
「直子ちゃん、がんばって」
オオヌキさんが声援をくれます。

芝生の上なので、ターンはだいぶはしょってしまいましたが、なんとか踊りきりました。
「おねーちゃん、すごいー」
ともちゃんがまっしぐらに駆けて来て抱きついてきました。
母たちも拍手してくれています。
オオヌキさんがやわらかくハグしてくれます。
そのやわらかいおっぱいの感触に、私は思わずからだをギューっと押し付けてしまいました。

ふと、自分の下半身を見ると、レオタードの股の部分の布が派手に食い込んで、アソコのスジがくっきり浮かんでいました。
あれだけ脚を大きく上げたり、ジャンプしたりしたのですから、当然と言えば当然。
私は、あわててみんなに背中を向けて、こそこそと直しました。

「それじゃあ、トリは篠原さんね。アレやって」
母が何か細長いケースを渡しながら、言いました。
「えっ!わたしもですか?」
篠原さんは、ちょっと躊躇していましたが、やがてそのケースを開いて何かを組み立て始めます。
フルートでした。

緑の芝生の真ん中に真っ白な水着の美しい篠原さんが、銀色に光るフルートをかまえてスラっと立っています。
その絵は、なんて言うか、すごくカッコよくて、セクシーって言うよりエロティックな感じもちょっとしました。
やがてその唇が吹き始めた旋律は、ホルストのジュピター。
すっごく上手でした。
ときどきからだを揺らしながら、篠原さんが優雅に奏でています。
私と母たち4人は、別に打ち合わせをしていたワケでもないのに、一斉に晴れ渡った夏の青空を見上げていました。
とても気持ちのいい風が私たちの髪をやさしく揺らす、夏の午後でした。

即席の発表会を終えると、母たちは、またデッキチェアに寝そべって、まったりと談笑していました。
ともちゃんは、おネムになってしまったらしく、篠原さんに抱かれてリビングのほうに消えていきました。
私も午前中から泳いだり、オオヌキさんにコーフンしたりで疲れたみたいで、加えて、めったにしない日光浴を長い時間していたせいもあるのか、急激に眠くなってしまいました。
時刻は午後3時半。
少しお昼寝することにします。

お部屋に戻ってレオタードを脱いで全裸になります。
オオヌキさんのことで、まだ少しコーフンはしているのですが、すごく眠くてオナニーをする気力もありません。
下着は着けずにパジャマの上下を素肌に着て、お部屋の鍵もかけずにベッドに潜り込みました。

目が覚める寸前まで、すごくえっちな夢を見ていました。
オオヌキさんがあの水着を着て、私のからだのあらゆるところをやさしく愛撫して、気持ち良くさせてくれていました。
ときどき、ともちゃんも私をさわってくれています。
私は全裸で、なぜだかからだを動かせないのですが、それは全然イヤではありませんでした。
仰向けに寝ているはずなのに、おっぱいもお尻も同時にさわられていました。
あーん、そんなにされたら、私ぃぃ・・・

そう叫ぼうとしたとき、パチっと目が覚めました。
汗をびっしょりかいて、うつ伏せに寝ていました。
つけっぱなしだったはずのエアコンが止まっています。
えっちな夢だったなあ・・・でも気持ちよかったなあ・・・

ふと気づいて、パジャマのウエストのゴムから手を入れてアソコをまさぐってみると、しっとり濡れていました。

私は、スグにシャワーを浴びようと決めました。
ベッドからのそのそと降りて、大きな欠伸をひとつ。
とりあえずエアコンを入れようとリモコンを探して机の上を見ると、
「なおこおねえちゃんへ。バイバイ。またね。ともこ」
ともちゃんがノートの切れ端にエンピツで豪快に手書きした置手紙がありました。
午後の6時半になっていました。


トラウマと私 06

1 件のコメント:

  1. RONです
    更新お疲れです。
    意味深な進行ですね。
    ともちゃんの前で全裸バレー?
    お母さん以外の女性の前で全裸バレーそして
    告白させられて・・?
    次回楽しみにしております

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