2011年8月20日

氷の雫で濡らされて 08

シーナさんが置いていった開いたままの日傘を拾いながら、屋上内を素早く見渡しました。
さすがにこんな暑さの中、わざわざ屋上で紫外線を浴びたいと考える人はあまりいないみたいで、パラソル群のところにチラホラ人がいるだけ。
私に注目している人もいないみたい。
私は、開いたままの日傘を肩に乗せ、またお外のほうを向きました。
目の前に雲ひとつ無い青空が広がっています。

視線を自分の胸元に落とすと、ワンピース胸元の濡れた布は、まだベッタリと私のおっぱいに貼りついていました。
尖った乳首の形までハッキリわかります。
でも、こうしてお外を向いていれば、この恥ずかしいトンガリ乳首を誰かに見られちゃう心配はありません。

このはしたない姿を誰かに見て欲しい・・・
でもやっぱり怖い・・・

早くここを乾かさなきゃ。
肩に提げているバッグからフェイスタオルを取り出し、胸元のボタンを4つまではずしました。
胸元の肌が大きく覗いて、おっぱいの裾野を通る麻縄まで見えるようになりました。
右手に握ったフェイスタオルをはずしたボタンの隙間から侵入させ、まずワンピの裏地をサワサワと拭きました。
おっぱいにへばりついていた布地を剥がすと、布と素肌の隙間にやんわりと吹いている風が入り込んで気持ちいい。

濡れたおっぱいも拭いておかなくちゃ。
そう言えば今日、敏感になっている自分のからだを自分でさわるのは、初めてかな?
なるべく乳首を刺激しないように柔らかく撫ぜ撫ぜするつもりでした。

「んふーっ」
フェイスタオルの繊維が尖った乳首に触れた瞬間、思わずえっちな吐息が小さく洩れてしまいました。
麻縄で絞られている乳房全体がピンク色に染まり、全体に少し痺れたようになっていて、今までにないくらい敏感になっていました。
一度さわったが最後、手のひらの動きが止められなくなり、いつの間にかフェイスタオルごと左おっぱいを鷲づかみにして、規則正しくモミモミしていました。
「んはーっ」
左のおっぱいは右手で、右のおっぱいは左手で。
青空の下、十数メートル後ろでは知らない人たちがウロウロしている、っていう危機感は頭の片隅にあるのですが、痺れおっぱいを揉みしだく快感が、それを退けていました。
「はぁんっ!」
青空に向かって身悶えます。
右の乳首をギュッっとつまんだとき、内腿の間がキューンと盛大に疼いてビクンとのけぞり、ハッと我に帰りました。

いっけない!
こんなことしている場合じゃありませんでした。
あわてて襟元から自分の手とフェイスタオルを抜き、ワンピのボタンを上の二つだけ残して留めました。
フェイスタオルに余計な水分を吸われた布地は、もはやおっぱいにベッタリ貼りつくことはなく、少しテレッとはしていますが、乳首が露骨には浮かなくなりました。
ただ、ポシェットの鎖に布地が押されているので、2箇所だけピンタックごと尖っているのはまだわかっちゃいます。

タンポンも挿れとかなくちゃ。
おっぱいをいじっちゃったおかげで、下半身がすっごくモヤモヤしてきていました。
このままだと、本当にしたたらせちゃいそう。
日傘を閉じて傍らに置き、右腰のところで揺れているシーナさんがくれたポシェットを開けてみました。

中には、シーナさんのお言葉通りタンポンが数個、あと、見覚えのある物体が入っていました。
卵を細長くしたような楕円形のピンク色の物体。
私のお家にあるのと同じ、リモコンローターのローター部分でした。
見えた瞬間、心臓がドキンと飛び跳ねました。

これも挿れろ、っていうことなのかしら?
でも、これを挿れて、さらにタンポンも挿れるなんて不可能です。
どちらか選べ、っていうことなのかな?
私は、真剣に悩み始めました。

ローターを挿れたい、っていう気持ちが勝っていました。
これを挿れたまま繁華街を歩く自分を想像してみます。
普通にお話しながら人ゴミを歩いているとき、シーナさんが突然、スイッチを入れます。
途端にビクンって立ち止まる私。
股間を襲う気持ちいい震動に耐え切れずに、しゃがみ込んでしまう私。
内腿をダラダラすべり落ちて路上にしたたるえっちなおツユ。
苦痛に耐えるように眉根を寄せた私の顔は、淫らそのもの。
突然しゃがみ込んだ女を怪訝そうに眺める見知らぬ人たちの目、目、目・・・

私は、そのローターの威力をすでに知っていました。
さっきまでしていたホタテ貝とは、比べ物にならないほどの破壊力。
三段階ある震動のうち一番強いのにセットされると、立っていられないほどの快感に襲われることを。

やってみたい・・・
でもやっぱり怖い・・・

結局、臆病な私は、タンポンを挿れることにしました。
もちろん、何も挿れない、っていう選択肢もあるのですが、たった今、自分が思い描いた妄想に私のアソコは、なおいっそう待った無しの洪水寸前状態になっていました。
人前で恥ずかしくしたたらせちゃう前に、ちゃんと挿れとかなくちゃ。
でも、こんな昼下がりのお外で、人目もあるのに裾をまくってアソコを開いて・・・
想像が妄想を呼び、妄想するたびに欲情がつのる悪循環。
乳首が痛いほど張っています。
もしここに鏡があったら、誰の目にも一目でわかるほど淫らに欲情しきったいやらしい女の姿を見ることが出来たでしょう。

もう一度まわりを見渡して近くに人がいないのを確かめてから、ポシェットの中のタンポンをつまみ出しました。
屋上フロアに背中を向け、お外を眺めている風を装いながら、取り組み前のお相撲さんみたいな形にゆっくりその場にしゃがみ込みました。
両膝をジリジリと開いていくと、ワンピースの裾がせり上がってきます。
隠すもののない亀裂がそよぐ空気に触れ、縁を濡らしたワレメが直射日光を浴びてキラキラ光り、私のアソコが白日の下にさらけ出されました。

左手の人差し指と中指をアソコの両縁にあてがい、チョキの形にして穴を広げます。
右手に持ったタンポンをソロソロと挿入していきます。
アソコを満たしていたえっちなおシルがタンポンの体積に押し出され、入り口のほうに集まってきて今にも零れそう。
私の両手は、あっという間にヌルヌルになってしまいます。
「はあ、はあ・・・」
タンポンがジリジリ奥へと侵入するたびに、荒い吐息が洩れてしまいます。
アプリケーターが付いていなかったので少し手間取りましたが、なんとか挿入し終えて立ち上がろうとしたとき、背中をポンと軽く叩かれました。

「だいじょうぶですか?」
一瞬、心臓が止まるかと思うくらい大げさにビクンとからだを震わせた私。
股間からツツーッと糸を引いた粘液が、コンクリートの床に直径3センチくらいの黒い痕を作りました。
しゃがみ込んだまま恐る恐る首だけ振り返ると、中学生か高校生くらいと思われる女の子が腰を屈めて、心配そうに私の背中を見下ろしていました。
「ご気分が悪いんでしたら、誰かデパートの人、呼びましょうか?」

「あ、いえ、あの、その・・・」
私はあわてて、弾かれたように立ち上がりました。
同時に足元のスケベな水溜りを右足で踏んで隠しました。
「気分が悪いっていうのじゃなくて、あの、ちょっと、その・・・」
私の弁解はしどろもどろ。
その女の子の顔をまっすぐ見ることができず、うつむいたまま。

「でもお顔が真っ赤ですよ。とにかく日陰に入ったほうがいいんじゃないですか?」
真剣に心配してくれている風のやさしい声に、思い切って顔を上げてみました。
その女の子は、胸元に赤いリボンの付いたフリフリの真っ白いノースリワンピを着て髪をツインテに結った、まだあどけない感じの可愛らしい子で、相変わらず心配そうな顔をしてくれています。

「あ、ありがとう。ちょっと気分が悪くなっただけで・・・」
「あたしたち、向こうで遠くの景色を眺めていたんですけど、ジュースを買ってきてくれたカレが、あの女の人、なんかヘンじゃない?って言うんで・・・」
彼女が指差した10数メートルくらい先の柵のほうを見ると、女の子と同じ年頃のジーンズ姿の男の子が柵にもたれてこちらを見ていました。
私に気がついたのか、ペコリとお辞儀してきます。
私も会釈を返しました。

「それで見ていたら、お姉さんがしゃがみ込んだまま動かなくなっちゃったんで、カレに、ちょっと見て来てあげれば、って言われて」
「あ、あなたたちデート中なのね?ごめんね。無駄な時間使わせちゃって」
「それはいいんです。で、カレに、俺も一緒に行こうか?って言われたんだけど、あたしなぜだか、なんとなくあたしだけのほうがいいんじゃないかな、って直感的に思っちゃって」
「でもそれ、正解だったみたいですね。ほら、女の子ってあるじゃないですか?突然の生理とか・・・」

ギクッ!
ひょっとしてこの子に、こんな場所で私がタンポン挿れているの、見られちゃった?
いつから私のことを見ていたんだろう?
いつから私のそばにいたんだろう?
甘美な絶望感が私の全身を駆け巡りました。

「あ、で、でももうだいじょうぶなの。私ももう屋内に戻るから。心配してくれて本当にありがとうね」
声が少し掠れてしまいました。
私は、一刻も早くこの場から逃げ出したくて、無理やりな愛想笑いをしつつ足元の日傘を拾いました。

「いえ、なんともないのならいいんです」
女の子がニッって笑って、私から一歩退きました。
「心配してくれてありがとう。あなたのカレ、やさしいのね。カレにもよろしくね」
「はい。それじゃあ」
女の子は小さく手を振り、カレシのほうへ駆け出そうとしてしてすぐ立ち止まり、もう一度私のほうへ振り向きました。

「その手首の飾り、カワイイですね」
私の右手に巻かれたピンクのショーツを指さし、ジーッと見つめてから、もう一度私の顔を見ます。
「そ、そう?ありがとう」
「それって、下着でしょ?」
「えっ?」
大いに動揺した私の絶句。

女の子は、その後何も言わず、まじまじと私の全身を見つめてきました。
上から下まで、舐めまわすように。
まだシットリ濡れているおっぱいの頂から、布一枚で遮られたノーパンの腰、汗ばんだ太腿。
その目に仄かな蔑みの感情が浮かんでいるように、私には見えました。
見つめられている間、私は身動きできず、突っ立ったままでした。
年下の女の子からの軽蔑の視線・・・
私の心臓はドキドキ高鳴り、タンポンを挟んだ股間がピクピク疼きました。

女の子の視線がようやくはずれ、思い出したようにペコリと一回私にお辞儀をして薄く笑うと、クルッと踵を返してカレシの元へ駆け出して行きました。
私も女の子のほうは見ないようにして、逃げるようにデパート屋内へ戻るドアへ駆け出しました。
縄ブラの胸がプルンプルン揺れるのもおかまいなしに。


氷の雫で濡らされて 09
**

2011年8月15日

氷の雫で濡らされて 07

「あら。それ面白いかもしれないわね。どう?」
シーナさんが薄笑いを浮かべて私に聞きました。
私は、自分の顔を何度も激しくブンブン横に振ります。
つられておっぱいが激しくプルプル揺れてしまうのもおかまいなしに。

「それが、ゆりさまのご命令、だとしても?」
シーナさんの言葉に、私はハッとして動きを止め、うつむいてしまいました。
いくらやよい先生のご命令だとしても、自分の顔がお化粧で変わっているとしても、こんな格好でお外を歩き回るなんて・・・
甘美な妄想が広がり始める反面、あまりにも自分が可哀想で、どんどんみじめな気持ちになってきてしまいました。

「バカね。いいわよ。着替えて」
シーナさんが私にやさしく言ってから、ギャル店員さんのほうへ向きました。
「あなたのご提案はすごく面白そうだけど、やっぱりこの格好は刺激が強すぎていろいろとマズイわよ。私たちまだ、ケーサツのご厄介になりたくないし」
「それもそうですよねぇ」
ギャル店員さんがあっさり言って、ザザーッとカーテンを閉めてくれました。
いつの間にかホタテ貝の震動も止まっていました。

本当にこの格好でデパートとかを歩いたら、どうなっちゃうのかな?
女性からは蔑みの目で見られ、知らない男性に襲われちゃうかも・・・
私は、ワクワクと恐怖が入り混じったフクザツな妄想をしつつ、手早く着替えました。

元のスタンドカラーリネンワンピース姿に戻って、試着した3着のお洋服を手にフロアへ出ました。
シーナさんとギャル店員さんは、すでにレジのほうに向かっていました。
あわててその背中を追いかけます。

「あの、私もお金、出しますから・・・」
「しつこいわね、あなたも。少しはわたしに、年上らしいことさせてちょうだい!」
シーナさんは、わざと怒ったようなお顔を作ってから、すぐにニッコリ笑いました。
「ここにご住所とお名前を書いていただくとぉ、お買い物のたびにポイントが溜まったりぃ、うちのお店の特別バーゲンご招待の特典とかがあるカードが発行されるんですけどぉ」
ギャル店員さんが私に、何かの用紙とペンを差し出してきました。
「えっ?えっとー・・・」
あんな姿を晒した私が、自分の住所とか教えられるわけがありません。
「そのカードならわたし、すでに持っているから。わたしにポイント付けておいて」
シーナさんが助け舟を出してくれました。
「はいはい~」
ギャル店員さんがシーナさんのカードを受け取ってしげしげと見てから、お会計をしてくれました。

「ありがとうございましたーっ!」
ギャル店員さんは、買った荷物を持ってお店の入り口まで送ってくれて、深々とお辞儀してくれました。
なんだか憎めない人です。
でも、私たちが去った後、他の店員さんたちに私のこと、言いふらしたりしちゃうかも。
もうこのお店には来れないかな?

「なかなかノリのいい子だったわね?あの店員さん」
再びファッションビルからデパートのほうへ歩きながら、シーナさんが私に聞いてきました。
「あ、はい。あの人、ひょっとしてシーナさんのお仲間ですか?」
「まさか。あのお店では何度かお買い物したことはあるけれど、あの子と会ったのは初めてよ」
シーナさんは私の手を握って、ずんずんとデパートのほうに歩いていきます。

「けっこうスジが良さそうだったから、スカウトしちゃおうかな・・・」
シーナさんが独り言っぽく謎なことをつぶやきました。
「スカウトって、やよい先生のお店に、ですか?」
「ううん。わたしの仕事。あ、でも気にしないで。独り言だから」

「直子さん?かなりコーフン出来たでしょ?あの店員の子のおかげもだいぶあったけど」
シーナさんが無理やりお話の流れを変える、みたいに話しかけてきました。
「はい。お化粧で顔を変えていただいたおかげもあって、すっごく大胆になれちゃった」
「そうね。あーしておけばまた、あのお店で遊べるわよ」
「でも・・・普段にはあのお店でお買い物、もう出来ませんよね?」
「大丈夫。普段の顔で行けば気づかれないわ。それに、もし気づかれたとしても、わたしのカンだけどあの店員の子は、こういう遊びを理解していると思うから、普段の顔なら普通に接してくれるわよ」
そういうものなのかな?

シーナさんと私は、デパートのエスカレーターを乗り継いで、上へ上へと向かっていました。
「今度はどこへ行くんですか?」
「コーフンして喉渇いちゃったでしょ?お茶しましょう」
8階のレストランフロアに着きました。

「うーん。別にお腹は空いていないから、なんだかピンと来ないわねえ・・・」
レストランフロアを手をつないであちこちうろうろしました。
「そうだ!せっかくいいお天気なんだから、屋上行ってみない?」

もう一つフロアを上がり、園芸用品売場のドアから屋上に出ました。
屋上は、予想していた以上に広くて、閑散としていました。
何も無い空間が広々と広がって、真ん中へんの端のほうに、おうどんとかフランクフルトとかを売っているスナックコーナーの売店が4、5軒と飲み物の自動販売機群。
その売店の前の空間に、日よけパラソルを頂いた白くて丸いテーブルが十数個、無造作に並んでいました。

テーブルのところどころに中年のおばさま二人連れとか、小さなお子さま家族連れ、一人でおうどんをすすっている中年おじさまとかがポツポツいました。
あとは、柵のところまで行って景色を眺めているお子さま連れ、じーっと遠くを見ている若いサラリーマン風みたいな人たちがポツンポツン。
そんな人たちを夏の陽射しが容赦なく照りつけていました。
時折吹く風が気持ちいい。
このくらいの風なら、スカートがまくれてしまうこともないでしょう。

「デパートの屋上なんて、すんごく久しぶりに来たけれど、今はこんなに寂れてるんだねー。子供の頃来たときは、ここじゃなくて地元のデパートだったけど、すっごく楽しい、って思ったのに」
シーナさんは、さすがの暑さにスーツのジャケットを脱いで、白いフリフリ付きの半袖ブラウス姿になっていました。
胸はほとんど目立たないけれど、でもすっごく可愛らしくて可憐なお姿。
シーナさんがご自分のバッグから折りたたみの白っぽい日傘を出し、私がそれを持って相合傘で売店のほうへ近づきました。
「あっ、ソフトクリームがある!わたし、おごってあげるわよ!」
シーナさんが相合傘を飛び出して、まもなくソフトクリームを2つ持って戻ってきました。

まわりに人がいない端のほうのパラソルのテーブルでイスに隣り合って腰掛け、ソフトクリームを舐めました。
「シーナさんて、やっぱり椎の木の椎に名前の名なんですか?」
「ううん。エス、エッチ、イー、イー、エヌ、エー、SHEENA」
「あ、ハーフさんなんですか?」
「母方の母がスペイン系とかなんとか。だからクォーターなのかな。でも背がぜんぜん伸びなかったのはなぜ?」
シーナさんが楽しそうに笑います。
「でも名字は椎の木に名前、だから椎名シーナ」
「はあ・・・」
私は、からかわれているんだと思います。

「今日のゆりさまの指令はね、けっこうややこしかったのよ?」
シーナさんが突然まじめなお顔で私を見つめました。
「基本的には直子さんをどう苛めてもかまわない、って言われたけど、一つだけ、絶対守って、て言われたことがあったの。何だかわかる?」
「いえ・・・」
「絶対に男性を巻き込まないこと」
「あ!そうだったんですか!」
私は、今更ながらやよい先生の細やかなお心遣いに感動していました。

「わたし、悩んじゃったわよ。露出させるにしても、男性の目が絶対無い場所ってどこだろう?って」
「で、あの店の試着室にしたのだけれど、ノリのいい店員の子に出会えたのはラッキーだったわね。ゾクゾクしたでしょう?」
私の頬を舐めんばかりにお顔を寄せてきて、私の耳にささやいてきます。
「は、はい・・・」
「もう、オマンコ、グッショグショ?」
「は、はい・・・」
「直子さん、ゆりさまに愛されてるわねえ?」
「あ、ありがとうございます・・・」
「春先にゆりさまのお家に泊まったときも、大騒ぎだったんだって?」
「えっと、そ、そんなには・・・」
シーナさんの言葉責め、すっごく気持ちいい・・・

不意にシーナさんが、脱いだジャケットのポッケからホタテ貝のコントローラーを取り出して一瞥し、驚いたお顔になりました。
「ライトが消えちゃってる・・・電池切れかあ、ってことは、もう震えていないの?」
「は、はい・・・」
「ダメじゃない!早く報告しなきゃ。いつから?」
「さ、さっきのお店を出るときには、もう・・・」
「ふーん」
試着室で見たシーナさんのイジワルなお顔が復活していました。

「アイス食べたら余計喉が渇いちゃったわね。ちょっと待ってて」
ガタンと音をたててパラソルを後にしたシーナさんは、自販機でミネラルウォーターのペットボトルを一本買い、戻ってきました。
「これ飲みながら、少し屋上をプラプラしましょう」
私の手を握って立たせ、もう片方の手にペットボトルを持たせてくれました。
シーナさんは、脱いだジャケットとお買い物の入ったビ二ール袋と日傘を持って、ご自分のバッグは肩に提げました。
私とシーナさんは、交互に一本のミネラルウォーターを口に含みながら、お外が遥かに見渡せる背の高い柵のほうに移動しました。

「ここならいいわね」
何か物置みたいな建物の陰になった屋上の片隅。
確かに屋上にいる人たちからは、見えなそうな場所です。
「直子さん。やっぱり歩きにくそうだから、パンツ脱いじゃいなさい」
「えっ?ここでですか?」
「もちろんよ。大丈夫。わたしが隠しといてあげるから」
シーナさんはそう言うと、バッと日傘を開いて私の足元に置きました。
そんなことしたら、余計目立つんじゃ・・・

「この前に私が立って見張っててあげるから、景色見ているようなフリしてさっさと脱ぎなさい」
確かに屋上にいる人からは見えないでしょうが、私の目の前に広がった空間には、ここより高いビルがいくつも立ち並んでいました。
どれもここより数十メートル向こうなので小さくですけれど、こちらから窓ガラス越しに人の姿が見えるということは、あちらからも私の姿が見えているんじゃないでしょうか?
「ほら、さっさと脱ぎなさい!誰か来ちゃうわよ?」
シーナさんが日傘を拾い、肩に乗せてクルクル回します。
そんなことをしたら、屋上にいる人たちはもちろん、他のビルの窓際の人たちの目を余計にひいちゃう。

「わかりました。ここで脱ぎますから、ちゃんと見張っていてくださいますよね?」
はしたない自分の言葉に自分でキューンと感じてしまいます。
私は覚悟を決めて中腰になりました。
お願いですから、ビルの人たちが私に気がつきませんように!
願う気持ちでギューッと目をつぶり、太腿のてっぺんにひっかかったような状態のピンクのショーツを一気に足元まで下げました。
それからササッとしゃがんでサンダルを脱ぎ、両足首からショーツを抜きました。
素足で下りた屋上のコンクリートの床は、すごく熱くなっていました。

「おーけー。ついでにホタテ貝のおもちゃも、ね?」
私が脱いだピンクの布片をつまみ上げ、濡れて変色してしまった部分がよく見えるように私のほうに広げながら、シーナさんがイジワルく言います。
「えーっ!こ、これもですか?」
「だって、もう動かないそんなもの、挿れてても面白くもなんともないでしょう?せっかくのパイパンマンコも見えないし」
シーナさんのお下品な嘲り声。
「それとわたし、ゆりさまみたいに格闘技や護身術の嗜み、無いからね。もし強そうな男の人が近寄ってきたら、直子さん置いてさっさと逃げちゃうからね」
シーナさんは日傘を肩に乗せて、ゆっくりと私から離れていきます。
私は、キョロキョロと屋上の内部を見渡します。
今のところ、ここから見える範囲には誰もいません。
早くしなきゃ!

お外を向いてその場にオシッコするみたいにしゃがみ込んだ私は、ワンピースの裾から両手を入れてホタテ貝の黒いゴムひもを引っぱり、ホタテ貝をかかとまで一気にずり下げました。
「ああんっ!」
突起の凹凸が激しく膣壁を擦りました。
ホタテ貝の裏側の突起がビショビショでしたが、炎天下の公衆の場にいつまでもこんなものを晒しておくわけにはいきません。
急いで立ち上がり自分のバッグからバスタオルを取り出し、それに乱暴に包んでまたバッグに押し込みました。
バスタオルを出したとき、入っていたピンクのブラもこぼれて、屋上の床にヒラヒラ落ちていきました。
「きゃっ!」
小さく悲鳴を上げながらあわてて拾って、それもバックの奥深く押し込みました。

少し離れた場所から、そんな私の一挙一動を眺めていたらしいシーナさんがツカツカと近づいてきました。
「よく出来ました。えらいわ。あっちのビルの窓で2、3人、直子さんの怪しい挙動に気づいている人がいたみたいだけど。ほら、まだ見てる」
シーナさんが指をさしているみたいでしたが、私は怖くてそちらを向くことが出来ませんでした。

サンダルを履き直した私の手を引っぱり、シーナさんは屋上を横切って、反対側の柵のほうに連れて行こうとしています。
シーナさんの片手には私のピンクのショーツがむき出しで握られていました。
屋上内は、相変わらず閑散としていて、幸い私たちに注目している人たちもいないようでした。
「夕方になったらビアガーデンとかになって、もう少し人が集まるのかしらねー?」
シーナさんは、そんなのん気なことを言いながら私の手を引いています。

スナックコーナーのパラソル群からかなり離れた柵際で立ち止まりました。
屋上内の人たちから私たちの姿を遮るものは何もありませんが、人影はだいぶ遠くです。
近くにも誰もいません。
眼下に広がる風景は電車のターミナル駅で、さっきみたいに近くに高いビルもありませんでした。

「直子さん。こんな真昼間のお外で見事ノーパンになったご褒美に、いいものをあげるわ。ちょっと屈んでみて」
何をくれるんだろう?って怪訝ながらもシーナさんに向き合って屈むと、すかさずシーナさんがペットボトルにまだ半分残っていたお水を、ジャジャーッと私のワンピースの胸元に振り撒きました。
「いやんっ!」
みるみるワンピの布地が肌に貼りつき、いくらピンタック柄と言えど、クッキリとおっぱいと乳首の形が浮き出ました。
「それと、これ」
さっきファッションビルで買っていた鎖付きのポシェットを私の肩に提げます。
右と左のおっぱいの間に、斜めに鎖が通るように。
布地がへこんで、ますますおっぱいの形が強調されてしまいました。

「大丈夫よ。この炎天下ですもの、ほんの4、5分で乾くわ。ほら、さっきまであんなにグショグショだったあなたのパンツでさえ、持って歩いていたら今はもう生乾きにまでなっているもの」
シーナさんがそのピンクの布片を器用にたたんでから、私の右腕を取りました。
私の右手首にスルスルッと通します。
「あらカワイイ!大丈夫。みんなアクセ代わりにシュシュでも着けてるんだろう、って思うわよ。まさかあなたのスケベなおツユでヌルヌルに汚れたパンツだなんて、誰も思わないわ」
シーナさんの楽しそうなお顔。

「そうそう、直子さん、愛液多いんだったわよねえ?そのポシェットの中にタンポン入っているから、不安だったら突っ込んでおきなさい。見知らぬ人たちの前でおツユしたたらせて歩きたい、って言うんなら、無理にとは言わないけど」
「それにしても暑すぎ!わたし、園芸コーナーの横にあったペットコーナーでワンちゃんと遊んで涼んでいるから、人前に出る準備が出来たら迎えに来なさい」

イジワルなお顔のままそう言い捨てたシーナさんは、私の足元に日傘だけを残して行ってしまいました。
私は、縄ブラおっぱいを形も露にクッキリとワンピースに貼りつかせ、右手首には汚れたピンクのショーツを巻かれ、パイパンノーパンの姿で炎天下に放置されてしまいました。
ワンピースの胸元を乾かしつつ、この場でなんとかタンポンをアソコに押し込んでからでないと、デパートの店内には戻れません。


氷の雫で濡らされて 08
**

2011年8月13日

氷の雫で濡らされて 06

試着室の壁には、全身が映せる大きな鏡が前方と左右の計3面に貼ってありました。
そこに映った自分の顔。
あ、そうだった。
今、私はこの顔だったんだ。

太めに描いた眉毛、ダーク系なアイメイク、両頬を薄いベージュのファンデで塗りかためた上に、輪郭クッキリなリップの粉っぽい顔。
普段の私とは別人のよう。
こんな顔だったら、少しくらい恥ずかしいことをしでかしちゃっても大丈夫かな?

 ワンピースの前ボタンをはずして両袖を抜き、足元に落とした途端に、そんな考えは吹き飛びました。
今の私の格好、やっぱり本当にいやらし過ぎ。

おっぱいを横8の字でくくるロープ。
上下から絞られて尖がった乳首。
ンーーッって低く唸っているアソコのホタテ貝。
股間ギリギリにずり下げられたピンクのショーツ。
そんな私のヘンタイ性癖丸出しな肢体が、3方の鏡に鮮やかに映っています。
あわててグリーンのチュニックを頭からかぶりました。
こんなにすけべ全開な自分の姿を、少しの間でもお外の空気に晒してはおけません。

グリーンのチュニックは、イイ感じに私に似合っていました。
襟ぐり幅の広いボートネックが首筋から鎖骨のあたりの肌をセクシーに覗かせています。
丈は膝上10センチくらい。
ジーンズやレギンスを合わせればお外にも着ていけそう。

ずり下がったショーツも完全に隠れているし、カーテンを開けて、この姿をシーナさんに見てもらうのに何の問題も無いのですが、ただ一点、恥ずかしすぎる部分がありました。
しっとりした生地なので、おっぱいの頂上がクッキリと浮き上がってしまっていること。
アソコに挿さった突起がくれるゆるい震動に、はしたなく反応している乳首が形もあらわに、パステルグリーンの布を二箇所、露骨に尖らせていました。
「着替え、終わったー?」
シーナさんの無邪気なお声が聞こえて、答える間も無く、試着室のカーテンがザザーッと開けられました。

「あらー、いいじゃない?」
シーナさんがニッコリ笑いました。
「うわー!カワイイですぅ。お似合いですよぉ!」
ギャル店員さんも長い睫毛をパチクリさせて、大げさに賛同しています。
私は、胸元の突起が気になって気になって、無意識のうちにチュニックの裾を下に引っぱっていました。
でも、そうしていると余計に胸の布地がおっぱいに密着して、かえって乳首の突起を強調しちゃうことに気づき、あわてて裾から手を離しました。
それまで私の顔とからだを漫然と眺めていたギャル店員さんの目が、私の胸元に吸い付きました。

 「シルエットもキレイだしぃ、本当にカワイイですよぉ」
ニコニコ顔でそんなことを言いながらも、ギャル店員さんの視線は私の胸元をチラチラ意識していました。
二つの突起を、視線が盗み見るように追いかけてきます。
私は、どうしようもない恥ずかしさに全身がどんどん熱くなってきてしまい、両腕を後ろ手に組んでうつむいて、ギャル店員さんの好奇な視線に耐えました。
ノーブラ乳首が浮いた姿を初対面の人に見られるなんて、生まれて初めてかもしれません。

 「おーけー。それじゃあ今度はピンクねー」
シーナさんがそう言ってくれて、ザザッとカーテンが閉じられました。
ふーーっ・・・
消え入りたいほど恥ずかしいけれど、なぜだか同時に、すっごく気持ちいい電流の放電を全身に感じていました。
ギャル店員さんの熱い視線・・・
私は、3面鏡の中でグリーンのチュニックを脱ぎ、再びすけべ性癖全開な半裸になりました。

 「へー、そおなんですかぁー。うふふ」
「大きいですよねぇ?・・・あらぁ、やだぁ」
着替えている最中に、カーテンの向こうでシーナさんとギャル店員さんがコソコソお話しているのが、かすかに聞こえてきました。
「うわー。すごそぉー。楽しそうですねぇー」

 ピンクのほうもデザインは同じ。
相変わらず胸の突起だけが露骨でした。
「こっちだと、ますますカワイイですぅ。妖精さんみたーいぃ」
ギャル店員さんの視線は、心なしか露骨になっていました。
私の頭のてっぺんから爪先まで、不躾にジロジロと舐めまわすように眺めてきます。
とくに、裾から太腿のあたりをニヤニヤと見ているような・・・
私は、その視線がくれる恥ずかしさにキュンキュン感じていました。

「もっと近くで見たいから、フロアに下りてきてみて」
シーナさんがフロアに脱いだ私のサンダルを揃えて、ニヤッと笑いました。
「えっ!?」
私は一瞬、取り乱しそうになりましたが、すぐに思い直しました。
動揺してモジモジしていたら余計悪目立ちしちゃう、何でもないふうを装わなきゃ。

「は、はい・・・」
試着室の床からお店のフロアに下りようと、右足をサンダルのほうに伸ばしたとき、ギャル店員さんがササッと私の足元にしゃがんで、もう一度私のサンダルを揃えてくれました。
ギャル店員さんはそのまましゃがみ込んで、私を見上げてニコニコしています。
ギャル店員さんのフリルのスカートが膝までまくれ上がり、真正面の私からは、黒いストッキング越しに薄っすらと白くなっている股間が丸見えでした。

今、サンダルを履くために足を踏み出せば、しゃがんでいるギャル店員さんに短かいチュニックの裾から、ヘンタイ状態な内部を覗き込まれてしまう・・・
ギャル店員さんの行動の意図が、はっきりわかりました。
でも、いいんです。
ギャル店員さん、悪い人ではなさそうだし、スカートの中見せてくれたし。
それに私、苛められに来たのだもの。

私の両脚の動きに合わせて、ギャル店員さんの頭と視線も動いていました。
見られちゃった・・・よね?

 「ふーん。イイ感じじゃない?」
サンダルを履いて試着室の外に出た私を、シーナさんは腕を上げさせたり、裾を引っぱったりしていじりまわしました。
ギャル店員さんと、お隣の試着室の付き添いらしい若い女性から至近距離で見つめられ、試着室に近い棚のお洋服を見ていた数人の女性客や店員さんからも注目されてしまいました。
私は、シーナさんにされるがままになりながら、堂々と、堂々と、って自分に言い聞かせていました。
頭の中は恥ずかしさで、はちきれそうなのに。
私を見ている人たち全員の視線が、私の胸のふしだらな二つの突起だけに注がれているような気がしていました。

「それじゃあ最後に、わたしが見立てたアレ、着てみて、ね?」
シーナさんの一言で、私はサンダルを脱いで再び試着室内に戻りました。
カーテンが引かれ、私は三たび、ヘンタイ丸出し半裸姿に。

シーナさんが渡してくれたそのお洋服は、着てみる前から絶望的な気持ちになってしまうものでした。
ニットみたいなクタッとして伸縮性のある質感、布地部分の小ささ、明かるいベージュ色な布地の薄さ・・・
その布地を頭からかぶった瞬間、私は、この日最大級の恥辱感に身悶えしてしまいました。

そのお洋服は、ボディコンシャスなノースリーブの無地ワンピースでした。
胸元が大きく開いて、おっぱいの裾野を縛っている麻縄がギリギリ見えそうです。
背中は、お尻の割れ目近くまで開いていて、もちろん、麻縄の後ろの結び目がバッチリ鏡に映っていました。
布地は全身に吸い付くようにピタッと貼りつき、私のプロポーション通りの曲線を描いています。
尖った乳首はおろか、ロープに絞られたおっぱいの形と、麻縄の凹凸まで露骨に浮かび上がらせています。
ノーブラよりも恥ずかしい縄ブラ。
裾は、絶対領域ギリギリの超ミニ。
まっすぐに立っていれば、ずり下げられたショーツもかろうじて見えませんが、少しでも屈んだだけで、途端にピンクの布片が覗いてしまいます。
おまけに全体が明るめのベージュ色、透けてはいないものの、遠目なら全裸に見えちゃうんじゃないかな?

鏡に映った、麻縄やら乳首やらホタテ貝の形を布の凹凸でクッキリ浮かび上がらせている自分の姿は、いっそ全裸のほうがまだまし、っていうぐらい、いやらしくも卑猥な姿でした。
さっきから震えているホタテ貝と、鏡に映っている自分のあまりにえっちな格好に、私はグングン感じてしまい、アソコの奥からトロトロトロトロ、えっちなおシルが分泌されているのがわかりました。
なんとかピンクのショーツ布でせき止めているけれど、それもグッショリで今にも雫がしたたっちゃいそう。
私は、着てきたワンピのポッケからハンカチを取り出し、脱ぎかけショーツのズブ濡れ部分を懸命に拭き取りました。

「どう?どんな感じー?」
シーナさんのやけに楽しそうなお声とともに、カーテンがザザーッと開けられました。
「!」
さすがのシーナさんもギャル店員さんも、一瞬息を呑んだようでした。
「きゃーっ。超せくしーですぅ!すっごーいっ!えっろーいっ!」
ギャル店員さんがコーフンしたカン高い声で騒ぎ出します。
ちょ、ちょっと、そんな大きな声出さないで、またみんなから注目されちゃう・・・

私は、まっすぐ突っ立ったまま、胸の突起が強調されてしまうのもかまわず、裾を下に引っぱっていました。
ギャル店員さんに、わざとずり下げられたピンクのショーツを正面から見られてしまうことだけは、なんとか死守したいと思っていました。
さっきまでの、堂々と、いう気持ちなど木っ端微塵になくなって、これでまた、フロアに出てみて、なんて言われちゃったらどうしよう、って、プルプル震えていました。

「うーん。何て言うか、すっごくあなたらしいわよ。似合ってるわ」
シーナさんの超嬉しそうなお顔。

ギャル店員さんも嬉々とした顔で、私の胸のふくらみの先端からまわりを囲っている布の凹凸を容赦ない視線でなぞり、不意に後ろの鏡に視線を投げて、そこに映った私の裸な背中部分の麻縄の結び目を確認したようです。
それから、ゆっくりと左の鏡に目線が移動しました。
私もつられてそちらを見ます。
あっ!ノースリーブの脇からも麻縄がバッチリ覗いちゃってる。

「本当はぁ、こーゆーボディコン系のご試着は、お買い上げ前提でないとお断りする場合もあるんですけどぉ、お客様は特別ですぅ。めがっさお似合いですよぉ」
完全にいやらしいおじさまのような目付きになってしまったギャル店員さん。
今は、その視線が私のお腹をすべり、不自然な形、ホタテ貝の形に浮いている下腹部をじーっと見つめています。
私はワンピの裾を引っぱりながら、自分の意思と反してジュクジュク疼いているアソコを心配していました。
ギャル店員さんの前で、はしたない雫を垂らすことだけは、したくない・・・

「おっけー。それじゃあこの3着、全部いただくわ。おいくらになるかしら?」
シーナさんが突然ギャル店員さんに言いました。
「えっ?、えっと、あのーシーナさん・・・」
私は不意を突かれてあたふた、シーナさんのお顔を見つめます。
「ほんとですかぁ?ありがとうございますぅ!」
ギャル店員さんは、口ではそう答えたもののその場を動かず、私のからだをじーっと見つめたままでした。

シーナさんがご自分のバッグからお財布を取り出しました。
「あっ、えっと、私、払いますから・・・」
あわてた私はちょっと前屈みになってしまい、裾がせり上がるのを感じて、またあわてて上体を起こしました。
「いいの、いいの・・・」
バサッ。
言いながらシーナさんが私に近づいてきて、試着室の中に投げ込むようにわざとらしく自分のお財布を落としました。
「あっ、お財布落としちゃった。ごめん。拾っていただける?」
シーナさんがイジワルなお顔で私を見つめてきます。
ギャル店員さんは、私とシーナさんを交互に見た後、私に向けて小さくニッって笑いました。

 どうしよう?
上半身を屈めても、思い切ってしゃがみ込んでも、いずれにしてもワンピの裾は盛大にせり上がってしまいます。
目の前にはギャル店員さんの好奇心むきだしな視線。
どっちが恥ずかしいかな?
しゃがんじゃうとお尻が見てもらえないかな?

「あ、は、はい・・・」
答えてから、私は両足の間の幅を少し広げ、ゆっくりと上半身を屈め始めました。
腕が下にいくほどに、ワンピースの裾が上にせり上がってきました。
ワンピの裾でかろうじて隠されていた、両腿の付け根で伸びきっている一筋のピンクの布片があっと言う間に現われ、つづいて黒いゴムひもで繋がれた真っ白なホタテ貝のオブジェも丸見えになりました。
上目遣いにギャル店員さんを盗み見ると、彼女は目を大きく見開いて私のソコを凝視していました。
それから、彼女の目線が泳いで後方へ。
そこには、黒いゴムひもが割れ目スジ上に一本だけ通った、私の丸出しのお尻が鏡に映っていることでしょう。

シーナさんのお財布を拾って、上半身をまっすぐに起こしたとき、ワンピースの裾は私のお腹のところまでせり上がったままでした。
ホタテ貝を咥え込んだ下半身丸出し。
その下にずり下がったピンクのショーツ丸見え。
そのままの格好でカーテン側に一歩踏み出し、お外のシーナさんにお財布を渡しました。
私のドキドキは最高潮でした。
もう一歩踏み出せば、試着室近くの他のお客さんにも見られちゃう。
「ああんっ!」
がまんしきれない吐息が洩れて、とうとう私の左内腿を液体が一筋、滑り落ちてしまいました。

お財布を渡し終えて試着室の奥に戻り、シーナさんたちに背中を向けてワンピースの裾を直しました。
もっとも3面鏡張りですから、背中を向けても無意味なのですが。
裾を直している間、ギャル店員さんはカーテンの束を握ったまま、鏡の中の私をじっと見つめていました。
私にはその視線が、まだまだこのカーテンは閉じてあげないわよ?ってイジワルく言っているみたいに感じていました。
ギャル店員さんの傍らのシーナさんも、イジワルな顔でニヤニヤしていました。
裾を直し終え、私はまたシーナさんたちのほうを向きます。

「それでは、この3点、お買い上げということでよろしいですかぁ?」
ギャル店員さんが、まだカーテンの束を握ったままニッコリ笑ってシーナさんに語りかけました。
私はもう抵抗せず、黙ってワンピの裾を引っぱりながらうつむきます。
「ええ。全部この子によく似合っているもの。わたしからプレゼントしちゃうわ」
シーナさんがお芝居がかった口調で答えました。

 「ありがとうございます、お客様ぁ」
ギャル店員さんがそこまで言って、ニヤッと私に笑いかけました。
「そのワンピース、こちらのお客様にとってもよくお似合いですからぁ、もしよろしければぁ、そのままお召しになってショッピングをおつづけになったらいかがでしょう?」

えーーーーっ!
私の左内腿を液体がまた、ツツーッとすべり落ちていきました。


氷の雫で濡らされて 07

2011年8月7日

氷の雫で濡らされて 05

「ほら、そんなにモジモジしてたら、かえって目立っちゃうわよ?普通に堂々と歩けって、ゆりさまにも言われたでしょ?」
シーナさんが私の手を引きながら、小声で叱るように言いました。

そう言われても・・・
からだを動かすたびにロープでバストを縛られていることを思い出すし、乳首がワンピの裏に擦れるし、ショーツがずり下げられているから、一歩歩くたびに腿に引っかかっている布地が伸び縮みしているのがわかるし・・・
気にするな、というほうが無理なお話です。
ただ一つの救いは、ホタテ貝の震動が止まっていること。
でも、これだって、いつスイッチが入るか、って思うとビクビクしてしまって・・・

私は、意識を自分のからだからそらすために、シーナさんに無闇にいろいろ問いかけました。

「シーナさんは、いつ、こちらへ来られたのですか?」
「今年のお正月。ゆりさまに、お仕事手伝ってくれない?って頼まれて、わたしも地元での仕事に飽きていたから、二つ返事で引き受けちゃった」
「お店のお仕事をお手伝いされているんですか?」
「ううん。それとは別のビジネス。ゆりさま、こっちに来てから、いろいろお知り合いが増えたみたいで、面白いこと企んでるのよ。今は直子さんにも言えないけど」

「百合草先生、私には大学卒業するまで、絶対新宿のお店には来ちゃいけない、っておっしゃるんです。私、まだ未成年だから、あたりまえと言えばあたりまえなんですけど・・・」
「ふーん。未成年にお酒出したのバレたら営業停止間違いないからね。でも、ゆりさまのことだから、それだけじゃないはずよ。何かお考えがあってのことだと思うわ」
シーナさんは、その口ぶりから、本当のところを知っていそうな気もしました。
「直子さん、もうお酒飲めるの?」
「あ。はい。大学のお友達に鍛えられて。シャンパンと、あと、セクシーなボディコンワンピで有名なアメリカ産のビールだったら。でも、2杯も飲んだらお腹いっぱい」
「へー。学校生活、楽しそうじゃない?」

そんなお話をしている間、シーナさんと私は手をつないだまま、いろんな売場を見て回りました。
スーツとか、ドレスとか、カジュアルとか、下着とか、水着とか、小物アクセサリーとか。
「デパートをのんびりプラプラするなんて、かなり久しぶり。ワクワクしちゃう」
シーナさんは、私一人だったら物怖じしちゃって、とても入って行けないようなフランス高級ブランドの厳かな雰囲気を醸し出している売場にも、ツカツカと普通に入っていって、ショーケースからスカーフを出してもらったりもしていました。
私はそれを傍らで見ていて、カッコいいなー、オトナだなー、って感心するばかり。

そんなふうに色とりどりのステキなお洋服を眺めているうちに、いつしか私も自分のワンピースの下の状態についての意識が薄れ、普通にウインドウショッピングを楽しんでいました。
お客さんも、私が着いた頃よりは増えているみたいで、かなりな年配のかたから女子大生風、お子さま連れまで、幅広い年齢層の女性が通路を行き来して、賑やかな雰囲気になっていました。

「でもやっぱり、デパートは少し雰囲気がお堅いわよね?お隣のファッションビルに移動しましょ」
デパートの婦人服売場を一通り見て回った後、シーナさんに手を引かれて、デパート北側にフロアつづきで隣接されているファッションビルに入りました。

こちらのビルは、アパレルのブランド店をテナント形式で集めたフロアになっていて、デパートに較べると雰囲気がいっそう華やか。
お客さんの年齢層も低めで、学校帰りらしい女子高生風がお友達同士でキャイキャイしていたりもします。
シーナさんもいっそう楽しげな様子であちこちのお店を覗いて、カワイイ絵柄のTシャツとか、細い鎖で吊るすポシェットとかを買っていました。
「直子さんにも何か、買ってあげよっか?」
「あ、いえ。欲しいものあったら、自分で買いますから・・・」
「遠慮しないでいいのよ?直子さんと再会出来た記念の日なんだから。一応わたし、社会人なんだしさ」
シーナさんが可愛らしい笑顔で言ってくれました。

カラフルなデザインで女子学生を中心に人気のある、とあるお店に立ち寄りました。
さすがに人気店らしく、他のお店に較べてフロアも広い感じ。
軽快なヒップホップな音楽が賑やかに流れています。
サマーセール中だからなのか、店内にも10人くらいの若い女性がウロウロしています。

そこで、可愛いチュニックをみつけました。
淡いパステルカラーのグリーンで、ゆるやかなAラインがきれいなボートネック。
しっとりした質感の素材ですっごく軽そう。
部屋着にいいかな。
お値段もそこそこお手頃だし。

あっ、でもこっちのピンクのもいいなあ。
どっちにしようかなー。
そうだ、シーナさんに選んでもらおう。
そう思って私は、シーナさんの姿を探しました。
もちろん、自分でお金を出すつもりでした。

シーナさんはお店の奥で、片手にお洋服を持って、店員さんと何か楽しげにお話していました。
シーナさんのお相手をしている店員さんは、派手なウエーブヘアーを明るい茶色に染めた、一見してギャル風の人でした。
シーナさんがキョロキョロしている私に気がついたらしく、こちらへ歩いてきました。

「あ、それカワイイねー。直子さんに、絶対似合う」
シーナさんが楽しそうに言ってくれます。
「こっちのグリーンと、こっちのピンクと、どっちがいいかなー、って迷っちゃって」
「うーん、どっちもいいけど、強いて言うと、グリーンかな?」
「ですよねー。私、こういう色合いのお洋服、まだ持っていないし」
「こっちのベージュもけっこう良くない?」

「よろしかったら、あちらのフィッティングルームで合わせてみてくださいねぇー」
いつの間にか、さっきシーナさんとお話していたギャル風の店員さんが傍らでニコニコしていました。
「こちらでしたら、お客様なら絶対お似合いですぅ。ぜひぜひご試着してみてくだいませぇ」
ギャル風店員さんは、近くで見るとまさしくギャルでした。
両目の周りのハデハデなシャドウ、瞬きすると風が起きそうな長い睫毛、蛍光色なテカテカルージュ。
でも、お顔全体はなんだかカワイラシイ感じで、おまけに何故だかブリッ子口調。
ユニークな人みたい・・・

いえいえ、そんなことよりも、今、このギャル店員さんが言った言葉が問題です。
試着?
その言葉を聞いた途端、今現在の私のワンピースの下の状態を、くっきり思い出しました。
あんな姿なのに試着室でワンピースを脱ぐなんて、出来るわけありません。
「あ、あの、別に試着するまでも・・・」
おずおずとお断わりしようとする私の言葉をさえぎるように、
「試着していいの?だったらさせてもらおうよ。着たのを見て、わたしがどっちがいいか決めてあげる!」
シーナさんがすっごく嬉しそうに言いました。

「フィッティングルームはこちらですぅ」
ギャル店員さんは、早くもお店の奥のほうに歩き始めていました。
シーナさんがグリーンとピンクのチュニックをハンガーごとはずして手に持ち、もう片方の手で私の手を握り、引っぱります。
「あ、あの、シーナさん・・・」
「面白い展開になってきたじゃない?ほら、早くこっちに来なさい」
あっという間に試着室の前まで連れて来られてしまいました。

「さあ、どうぞぉ」
ギャル店員さんが試着室のカーテンを開けて、ホテルのドアボーイさんみたいなポーズをしています。
面白い人・・・
でも、今はそんなことに感心している場合じゃありません。
「あ、あの、シーナさん?」
「ほらー、早く入って、入って」
シーナさんが私の背中を押して、試着室のほうへ押しやります。
「あ、サンダルは脱いでくださいねぇー」
相変わらずニコニコ顔のギャル店員さん。
もう逃げられそうにありません。
ヘンにごねて、店内のお客さんたちの注目を浴びるのはイヤだし。
普通にしていなきゃ。

私は覚悟を決めて、サンダルを脱ぎました。
「ねえ、これもこの子に試着してもらって、いい?」
シーナさんがさっきから持っていた、ベージュ色っぽいクタッとした感じのお洋服を店員さんに見せて、聞いています。
悪い予感がします。
「もちろんいいですよぉ。どうぞぉ」
シーナさんがそのお洋服を私に手渡しました。

こうなったら、ささっと試着して、ささっと逃げるしかありません。
私が試着室のカーテンを閉めようとすると、シーナさんが寄って来て、私に耳を貸すように手招きしました。
「パンツ、直したら、ダメよ」
私の右耳に吐息を吹きかけながら、低く冷たい声で言いました。
「は、はい・・・」
同時に、長らく沈黙していたホタテ貝が、震え始めました。


氷の雫で濡らされて 06

2011年8月6日

氷の雫で濡らされて 04

「ずいぶんと派手な音だったわねえ。あの人、お昼ごはん、何食べたのかしら?」
化粧室の扉が開閉する音を待って、シーナさんがまだ肩を小刻みに震わせながら、笑い混じりに言いました。
「あんまり強烈過ぎて、さっき何しようとしていたのか、忘れちゃったわ」

「わ、私の乳首をさわってらしたんです・・・」
さっきまでの、からだが蕩けるような感触を思い出した私は、マゾの服従ポーズに戻ってシーナさんを見ました。
「そうだったっけ?ま、いいわ。とにかくこのブラジャーは没収ね」
シーナさんが私のブラを小さくたたみ、棚に置いておいた私のバッグに押し込みました。
「代わりにわたしが、ステキなブラジャー、してあげる」

シーナさんは、ご自分のバッグから生成りの麻縄を一掴み取り出しました。
私の背中にまわり、慣れた手つきで私の胸にロープを食い込ませます。
「ああんっ!」
「直子さんは、明日予定あるの?」
「いいえ、別に」
「それならちょっとキツメに縛ってもいいわね?少しくらい痕が残っても」
そんなことを言いながら、私のおっぱいの上下にロープを食い込ませ、左右のおっぱいの間でロープを交差させました。
私のおっぱいが上下から絞られて、尖った乳首がよりいっそう前に飛び出しています。
「うぅっ!」
おっぱい全体がジンジンし始めて、思わずえっちな声が洩れてしまいます。

「さ、これでよしっ、と」
あれよあれよという間に、私のおっぱいは8の字を横にした形に縛られてしまいました。
乳首周辺の皮膚が引っ張られて、尖った乳首が痛々しいほど目立っちゃっています。
シーナさんは、また私の両腕を器用にあやつってワンピースの両袖に通し、胸元のボタンも上の2つだけ残し、はめてくれました。
「ほら、ちょうどピンタックの模様のところだから、乳首はわからないでしょ?」
それはそうですが、私のワンピの胸元の布地がこれみよがしに鋭角に尖って出っ張っています。
それに、少し動くたびに敏感になっている乳首にワンピの裏地が擦れて、気持ちいい・・・

「次は下ね。立って」
シーナさんに促され、便座から立ち上がりました。
シーナさんが私の真正面に立ちます。
「ワンピの裾をまくり上げなさい」
ワンピの裾を右手で掴み、おずおずとまくり上げていきます。
「ストップ!そのままめくっていなさい」
私のおへその上あたりまで右手がきたとき、シーナさんのご命令が下されました。

「あら?ご丁寧にパンツも穿いてきたの?オモチャの上に」
出かけるときに散々迷ったのですが、やっぱりホタテ貝だけでの外出は心もとないので、ブラとお揃いのピンクのショーツをホタテ貝の上に穿いてきていました。
「意味無くない?このホタテ貝だって、隠す、っていう意味でなら立派な下着よ?」
シーナさんがイジワルに言いながら、ピンクのショーツに手をかけてスルスルっと膝まで下ろしました。
「あ。そうでもないみたい。直子さんのパンツの内側、ヌルヌルのベットベト。見て。ホタテ貝からパンツまで、ツーッって糸引いちゃってる」
シーナさんの楽しそうなお声に、私は真っ赤に火照ってしまいます。
「もしパンツ穿いていなかったら、溢れたおツユが脚つたってオモラシ状態になっちゃうものね?パンツ穿いて来て正解かも」
「すっごく感じやすいのね?直子さん。カワイイ」
シーナさんが嬉しそうに私の顔を見上げて、ニッって笑いました。

「やっぱ近づくとヴーンて音が聞こえるのね?」
シーナさんのお顔が私の股間のホタテ貝に、くっつかんばかりに近づいていました。
「安心して、直子さん。このオモチャはこれ以上、震動が強くはならないから。オンかオフだけなの。震わせたまま歩くなら、これくらいがちょうどいいわよね?それとも、物足りない?」
私は、首を少し、横に振りました。
「ふーん」
言いながらシーナさんは、リモコンスイッチで震動を止め、ホタテ貝に右手をかけてグイッと手前に引っぱりました。
ホタテ貝の紐部分はゴムなので、ゴムがキュッと伸びて、アソコにはまっていた突起もヌプッと抜けます。
「あーんっ!」
「ちゃんと毛も剃ってきたようね。感心感心」
ホタテ貝を引っぱって浮いた隙間から、私の無毛なアソコをシーナさんが覗き込んでいます。
私は、右手でワンピの裾をつまんだまま目をつぶって、恥ずかしさに耐えていました。

ピチャッっていう音と下半身への軽い衝撃とともに、ホタテ貝が私の股間に戻り、裏側の突起も膣壁を擦ってズブリと中に戻ってきました。
「あはんっ!」
シーナさんがゴムごと引っぱっていたホタテ貝から、そのまま手を離したのでしょう。
「すっごーい。直子さんのオマンコに難なくヌプッって挿さっちゃった。でも、こんだけヌルヌルならあたりまえかー」
シーナさんは面白がって、ホタテ貝を引っぱっては離し、引っぱっては離しを何度もくりかえしました。
そのたびにピチャッと音がしてズブッ、私が、あはんっ!
肌にパチンとゴムがあたる感触と、アソコを出たり入ったりする突起の摩擦がすっごく気持ちいい。
「直子さん?少し声、大きいわよ」
何度目かのピチャズブッの後に、シーナさんからたしなめられました。

「そうだ。直子さん、オシッコはだいじょうぶ?」
「えっ?」
このままピチャズブッで気持ち良くしてくれるのかな?って思っていた私は、不意を突かれて戸惑いました。
「今は、別に・・・」
「この後しばらく、おトイレには行けないわよ?どうせなら今やっちゃいなさい」
「あ、は、はい・・・」
シーナさんは、ホタテ貝に手をかけて、私の膝のところまで一気にずり下げました。
濡れている突起が私の左内腿をヌルッと撫ぜていきました。

「ほら、ささっとやっちゃって!」
便器のふたを開けて便座に腰掛けた私の真正面にシーナさんが立ち、まっすぐに私の無毛のアソコを見つめてきます。
コーフンしている状態だとオシッコって出にくいもの。
ましてや、こんな真正面から見つめられている状態でなんて・・・
でも、ちょっぴり尿意を感じていたのも事実だったので、真剣に集中してみると、チョロチョロッとだけ出すことが出来ました。
あー、恥ずかしい・・・
ビデをあててキレイに流した後、シーナさんがティッシュでコソッと拭いてくれました。
テイッシュ越しにシーナさんの指が私のクリに当たって、私は盛大にビクンッ!!

「はいっ。じゃあまた裾をまくったまま立ち上がって」
私が立ち上がると、シーナさんがスルスルってホタテ貝を股間に戻してくれました。
突起がヌプッと、再び私の中に収まります。
「このパンツは・・・脱いじゃっていいわよね?」
言ってからシーナさんは、少し考えるような素振りをし、やがてニヤッて小さく笑った気がしました。
「やっぱり今は穿いていていいわ」
言うなり、スルスルっとショーツも戻してくれました。
「裾、戻していいわよ。ここから出て、しばらくウインドウショッピングでもして、楽しみましょ!」
ご自分のバッグを持ち、さっさと個室から出て行くシーナさん。
ホタテ貝のスイッチも入れてくれませんでした。
私は少し拍子抜けした感じで、あわてて後を追いました。

洗面台の前で手を洗っていたシーナさんが、振り向いて私に聞いてきました。
「直子さんはいつも、それくらいのお化粧で外出なさるの?」
ワンピの裏地に擦れる乳首の感触にボーッとしていた私は、一瞬、言っている意味がわかりませんでした。
「へっ?えーっと・・・」
「あっ、ごめんごめん、ヘンな意味じゃないの。とっても似合っていると思う、可愛らしくて」
「でも、これから直子さんには、たくさん人がいるデパートで、ちょっぴり恥ずかしい思いをしてもらわなきゃならないのね?」
シーナさんの、何かを企んでいるような邪な笑顔に、私はゾクゾクっと感じてしまいます。
「だから、少し変装してもらったほうがいいかなー、って思って。ちょっと屈んで、こっちにお顔を向けて」
シーナさんは、ご自分のバッグからお化粧ポーチを取り出し、私に向き合いました。

シーナさんが口紅やらマスカラやらチークやらで私の顔をいじくっている間、地味めな若い女の人が一人、化粧室に入ってきました。
その人は、私たちのほうを見向きもせず、そそくさと奥の個室のほうに消えました。
その人がおトイレの水を流すとき以外、しばらくは無音の時が流れました。

「こんな感じでいいかな?どう?」
シーナさんに言われて、私は洗面台一面に広がる鏡に向き、そこに映る自分の顔を覗き込みます。
「えっ!」
絶句する私。
「ふふ。遠慮しないで正直に言っていいのよ?」
「何て言うか・・・大人びた、って言うか・・・」
「違うでしょ?こういうのは、老けた、って言うの」
シーナさんがイタズラっぽく笑いました。
鏡の中の私は、全体的にお化粧がキツクなって、確実に4、5歳、老けて見えました。
「これなら、ほぼ別人、て言ってもいいわよね?直子さんのお知り合いと万が一会っちゃっても、絶対わからないはず」
「お化粧って、キレイじゃない人をキレイにするより、キレイな人をキレイじゃなくするほうが、簡単なのよね」
シーナさんはそう言ってくれますが、この顔でお外を歩くのは、ちょっとフクザツな気分です。
でも、そう。
そのぶん大胆には、なれるかな?

さっき個室に入っていった女の人は、早々と任務を済ませて手を洗い、そそくさと出て行きました。
再び貸し切り状態の化粧室。
「あっ。そうだった直子さん。最後の仕上げをしなきゃ」
シーナさんが私の手を取り、洗面台の鏡に私の両膝までが映るくらいの位置まで移動させました。

「はい。そこで、鏡に向かって、さっきみたいにワンピの裾をまくり上げなさい」
シーナさんの冷たいお声に、ゾクゾクしながらソロソロと裾をまくり上げます。
「はい、ストップ」
さっきと同じように、右手が私のおへその少し上くらい。
鏡には、私の股間を隠すピンクのショーツと、そこから不自然にはみ出している黒いゴム紐が映っていました。
ショーツのクロッチ部分が湿って、色濃く変色しているのがはっきりわかります。
今、化粧室に人が入ってきちゃったら、どうしよう!?
胸がドキドキ高鳴っています。

シーナさんの手が私のショーツにかかり、ズルッとショーツが下がりました。
ホタテ貝を通過して、両太腿が分かれ始めたすぐ下まで。
そこでシーナさんの手が離れました。
中途半端な脱がされかけ。
「はい。裾を戻していいわよ」
「えーっ!?」

「ノーパンになるよりも、こっちのほうがよっぽど恥ずかしいわよね?パンツ穿いているのにアソコは隠さずに、わざとズリ下げているんですもの」
シーナさんが薄く笑いながらホタテ貝のリモコンをオンにしました。
「あんっ!」
でもすぐにオフになります。
またオン。
「あんっ!」
「ほら、早く裾を戻しなさい」
オフ。
私は、右手の指でつまんでいたワンピの裾を渋々離し、裾が太腿へパサッと戻りました。
脱がされかけのピンクの布片は、ワンピの麻の生地に隠されました。
オン。
「あーんっ!」

「恥ずかしがりたがりのヘンタイ直子さんには、お似合いの格好よ。麻縄のブラにホタテ貝のオモチャ、その下にワザと脱ぎかけのパンツ。いやらしい女・・・」
シーナさんが私を、冷たい視線で蔑むみたいに見つめてきました。
でも、すぐに可愛くニッコリ笑って、左手で私の右手を握ってきました。
「さあ、早くウインドショッピングに行きましょ!」
ホタテ貝がまたオフになって、シーナさんが化粧室の扉を外へと押しました。


氷の雫で濡らされて 05

2011年8月1日

ランジェリーショップのこと

「ランジェリーショップ」を全面的に加筆・修正しました。

このお話は、私がブログを始めて一番最初に公開したお話でした。

書き上げた当初は、それなりに満足していたのですが、その後、いろいろとお話を書き連らねていくうちに、以降のお話と整合がとれない部分が多少あることに気づきました。

また、こんなに長くお話を書きつづけられるとは思いもせず、何も細かいことは考えずに書き始めたお話だったので、漢字の使い方や表現の仕方なども、以降のお話と馴染まない部分があることが、最近になってすごく気になっていました。

更に、いつになるかはわかりませんが、大学編以降のお話に進むとき、ターニングポイントとなる重要なお話でもあるので、全体の流れにマッチするように修正したいと思っていました。

なので、最近になってチマチマと加筆・修正をしていたのですが、今日、全部出来上がったので、先ほど全13話、すべて新しいものにアップし直させていただきました。

お話の筋は、まったく変わっていません。
漢字の選択やカナの使い方、心理描写などがちょこまかと変わっている程度です。
音楽で言うところの、リミックス、みたいなものと思っていただけると嬉しいです。

本日、作業が終了いたしましたので、ご報告させていただきました。



2011年7月31日

氷の雫で濡らされて 03

カツ、カツ、カツ、カツ・・・
ヒールらしき足音が私のいる個室のほうへ、ゆっくりと近づいてきました。
コンコン!
ノックの音。
「は、はい」
私は、小さな声で答えました。
「ちゃんと目、つぶってる?」
電話で聞いたのと同じ女性の声が聞こえました。
同時に個室のドアのスライドバーがカチャリと滑り、ドアが内側にゆっくり開き始めました。

「あ、は、はいっ!」
実はノックの音がしたときに、思わず目を開いてしまっていました。
ドアが開き始めたのも見ていたのですが、内開きなので、その人の姿はまだ見えませんでした。
そのときに念を押されたので、答えてから私は観念して、再びギュッと目をつぶって下を向きました。

ローズ系のパフュームのいい香りがしてきます。
パタン・・・カチャリ!
内鍵を閉めた音でしょう。
自分の近くに、明らかな人の気配を感じていました。

「絶対、目を開けちゃだめよ!」
「は、はい!」
その人が近づいてくる気配とともに、かぶっていた帽子がフワリとはずされました。
私はドキドキ最高潮で、ギューッと目をつぶっています。
「もう少し顎を上に上げて、カワイイお顔をよーく見せてくれない?」
目をつぶったまま、うつむいていた顔を恐る恐る上げていくと、背後から私の目のところに何か布のようなものがかぶせられました。
「あっ!?」

「ふーっ。目を開けていいわよ。見えないでしょうけど」
その人が可笑しそうな声で、私の耳に息を吹きかけながら言いました。
目を開けても真っ暗。
アイマスクをされちゃったみたいです。

「さてと。おひさしぶりね?直子さん?」
「あ、は、はい・・・」
「ずいぶんキレイになったわねえ。わたしが会った頃は、まだコドモコドモしてたけど、もうすっかりオトナの女性」
その人は、私の左耳に息を吹きかけるみたいに密着して、ささやいてきます。
「ここも、こんなに大きくなって・・・」
言いながら、ブラウス越しに私の右おっぱいがギュッと掴まれました。
斜め背後から掴まれている感じ。
「あーんっ!」
からだがビクンッと盛大に震えて、大きな声が出てしまいました。
「大きな声は出さないのっ!」
右おっぱいを掴まれたまま、耳元の声に叱られました。

「いつ人が入ってくるか、わからないでしょ?個室の中からコソコソ話し声がしていたら、警備員さん呼ばれちゃうわよ?」
「このフロアだと、北側にある女子化粧室が最近改装されて、とってもキレイになったらしいのよ。ピッカピカのパウダールームや着替えスペースまであるんだって」
「そのことを知ってる人はみんなそっちに行くから、そっちのトイレは大人気。だからこっちのトイレを選んだの、人来なそうだから」
「でも、だからってこっちに誰も来ないって保証は無いじゃない?とても切羽詰っちゃった人が飛び込んでくるかもしれないでしょ?」
その人がクスッと笑った気がしました。
私もつられてクスッと笑ってしまいます。
「だから、出来るだけ静かにしていて、ね?」
最後は、すっごくやさしい感じで語りかけられました。
「は、はい」

「直子さんて、意外にお堅いのね?てっきりノーブラで来ると思ったら、ブラしてきてるし」
私の右おっぱいが解放されたのもつかの間、すかさず今度は左おっぱいを揉みしだかれています。
「えっ?で、でも・・・」
「このワンピなら布地しっかりしてるし、細かいピンタックも入っているから、乳首浮いちゃうこともないでしょうに」
「で、でも、わ、私・・・ち、乳首、大きい・・・から・・・」
「へー。そうなんだ?」
左のおっぱいを揉みながら、もう一方の手で私のブラウスの胸元のボタンを上からはずしているみたい。
「それはぜひとも、見せてもらわなきゃー、ね?子猫ちゃん?」

「あっ!」
その言葉を聞いた刹那、一瞬にして理解しました。
ジグソーパズルの最後の1ピースをはめたときみたいな達成感。
「シーナさん、ですね?」
「ピンポーン!やっと当ててくれたわね?ご褒美にアイマスクを取ってあげましょう!」

シーナさんは、私が高二のとき、やよい先生とお泊りデートの2日め、ファミレスで露出遊びをしたときにそのファミレスでウェイトレスさんをしていらした女性で、やよい先生のお仲間でした。
身長が私の肩の少し上くらい、小柄でロリータ全開の可愛らしい容姿のかたなのですが、やよい先生のご説明によると、百合属性のSな人なんだそうです。
やよい先生が東京に行かれてから一度だけ、地元でお会いしたことがあって、今回は、そのとき以来の再会でした。

アイマスクがはずされて、私の視界に入ってきたのは、紛れも無くシーナさんでした。
当時はショートカットでしたが、今目の前にいるシーナさんは、肩までのゆるくウエーブした髪をサイドに流してシルバーの凝った模様のヘアピンで留め、黒のタイトスーツに真っ白いフリル付きブラウスを着ていました。
初々しいOL一年生さんみたい。
可愛らしさにますます磨きがかかっています。

「さっきまで仕事してて直行してきたから、今日はこんな格好なの。本当におひさしぶりね、直子さん」
「はいっ!私、シーナさんも東京に出てこられているなんて、知りませんでした。いつ・・・」
「そういう話は後でゆっくりしましょ?今は直子さんの身だしなみを・・・」
すっかりコーフンして声高になってしまった私の問いかけを遮って、私をたしなめようとするシーナさんの言葉は、バタン!っていう派手に化粧室の扉が開かれる音で遮られました。

シーナさんがご自身のちっちゃくて形の良い唇の前に人差し指を垂直に立て、シーッというジェスチャーをします。
私も真似してシーッ!
見つめ合ってコッソリ笑います。

カンカンカンッ!
乱暴な靴音が聞こえたと思ったらギーッバタン!と大きな音がしました。
どうやら私たちのいる個室の隣の隣に入ったみたい。
カタン、ガチャン、バサバサッ!フーーッ・・・
衣擦れの音の後は安堵のため息?

突然のおトイレ闖入者の動向に耳をそばたてていた私は、そのため息を聞いて緊張が解け、ふっと自分の胸元に目をやりました。
いつの間にか胸元のボタンが全部はずされて、ピンクのブラが丸見えになっていました。
あわてて胸元をかき合わせます。
シーナさんが身振りでダーメってした後、背中を向けろ、っていうジェスチャー。
私が思わず何か言いそうになると、シーッ!

私は、音をたてないようにコソコソと便座の上で腰を回転させ、シーナさんに背中を向けました。
シーナさんは、ソロリソロリと私のワンピースを肩脱ぎにした後、ブラの後ろのホックをそーっと、なるべく音が出ないようにパチッとはずしました。
それから、私の両腕を器用にあやつって、ワンピの両袖とブラの肩紐を両腕からスルスルっと抜いてしまいました。

シーナさんが上半身裸になってしまった私の肩をチョンチョンとつついて、指で指示して私とシーナさんが向かい合うように座り直させました。
私の露になったおっぱいを品定めするようにじーっと見つめるシーナさん。
私は、両手をだらんと下におろして、シーナさんの視線に恥じらいながら耐えています。
両乳首はすでに充分過ぎるほど尖って、ツンと上に背伸びしていました。
シーナさんの右手がそーっと左おっぱいに伸びてきます。
私は思わず両手で胸をかばおうとします。
動き始めた私の右手がすぐにシーナさんの左手に捕まり、右手の甲をシーナさんの右手で軽くつねられました。
シーナさんはわざと作った怖いお顔をしています。

シーナさんが自ら両腕を頭の後ろで組み、私にもやるように、って顎で促してきました。
私は、胸の前でゆっくりと両手を組んでから、組んだ両手のひらを自分の後頭部に当てるように上に上げました。
マゾの服従ポーズ。
おっぱいと両腋の下が無防備全開になってしまいました。

シーナさんが再び右手を伸ばしてきて、私の無防備な左乳首をコソッとつまみました。
「んっ!」
一生懸命口をつぐんで、悦びの声が漏れないようにがまんします。
シーナさんは、親指と人差し指、中指の3本でソフトにつまんだ私の乳首を、捏ね回すようにやんわり弄んできます。
「んぐぅーー」
そのあまりの気持ち良さ。
口をつぐんで一生懸命声が出るのをがまんしているのに、喉の奥から歓喜の唸り声が鳴ってしまいました。

ジャッジャジャーーーッ!
そのとき、闖入者の任務が終わったらしく、水を流す音が聞こえてきました。
シーナさんが右手を引っ込め、私たちはまた、耳をすませばモードに突入。
しばらくガサゴソ聞こえた後、突然!

プゥーーーーーーーッ!

シーナさんと私は一瞬顔を見合わせてから、光の速さでお互い自分の口を押さえ、盛大にうつむきました。
バタンッ!
個室のドアが開く音がして、カンカンカンッって遠ざかる足音を聞いてから、思い切って顔を上げました。
シーナさんも同時だったみたい。
シーナさんの肩が小刻みに震えています。
もちろん私の肩も。
笑いをこらえすぎて、腹筋が痛いほど。
目尻に涙まで溜まっちゃいました。


氷の雫で濡らされて 04

2011年7月30日

氷の雫で濡らされて 02

夏の東京の街を歩いていてびっくりしたのは、お肌の露出度高めなセクシーな服装をしている若い女性の姿を頻繁に見かけること。
胸元が大きく割れていたり、背中が大胆に開いていたり、袖ぐりから横おっぱいが覗きそうなユルユルのタンクトップとか、からだの線がバッチリのピチピチボディコンとか。

春先にやよい先生と会ってお話したとき、私が、大学は制服じゃないから、毎日何を着て行けばいいか迷ってしまいます、みたいなことをしゃべっていたら、お話の流れで、やよい先生が笑って教えてくれました。
「もしも大胆な服装して街を歩くときは、ヘタに恥らってモジモジしたりしちゃダメよ。かえって悪目立ちして注目集めちゃうから。こんなのはファッションだから何でもない、って感じで、どう?私キレイでしょ、って堂々と胸張って歩きなさい」
「そりゃあ、チラチラと見てくる男は何人もいるでしょうけど、それだけのこと。すれ違っちゃえばみんなすぐ、忘れちゃうわ。欲情して追いかけられちゃうみたいなメには、よっぽど運が悪くない限り合わないから。ここはそういう街なの」

やよい先生に言われたことが、夏になってよくわかりました。
胸の谷間を見せびらかすのなんて、何でもないことみたい。
まだ高校生くらいの子も、OLさんも、ちっちゃな子供の手を引いた若奥様風の人だって、盛大にキワドイ部分の素肌を真夏の熱気に露出して、普通に平気で歩いていました。

私は、まだ慣れていないので、そういう人たちとすれ違うたびに、すごいなあ、って感心しちゃっていますが、よく考えてみると、今現在の私のほうが、彼女たちよりも数倍、大胆なことをしているんです。
ワンピースで隠れてはいますが、その下のアソコには、えっちな突起のホタテ貝がハマっているのですから。
キューンって、はしたない恥ずかしさが全身を駆け巡ります。
でも、やよい先生のアドバイスを思い出し、不自然な雰囲気が出ないように無理に澄ました顔して胸を張って、足早に繁華街の人ごみを歩いていきました。

目的のデパートに入ると、ひんやりと冷たい空気が気持ち良く私を迎えてくれました。
お約束の時間より20分も早く着いちゃった。
汗びっしょり。
デパート1階独特の、むせ返るようなお化粧品の香りの中で化粧室を探しましたがみつからず、案内板を見ると2階にあるようです。
エスカレーターで2階に上がり、洗面台の鏡の前で入念にお化粧を直していたら、お約束の時間まであと8分になっていました。
そろそろ行こうか・・・
私の胸がワクワクドキドキ高鳴ってきました。

3階の一番南側のフロアーで、適当にうろうろしていなさい、っていうのが、やよい先生のご指示でした。
このデパートの3階に来るのは初めてだったので、天井に吊られたフロアガイドを頼りに南側へ移動しました。
いったん南端まで行ってから、今度はそのあたりのブロックの綺麗にディスプレイされたお洋服をゆっくり眺めつつ、うろうろし始めました。
右手には、やよい先生からいつご連絡が来てもいいように、携帯電話を握っていました。

下着の売り場で、通路に出ているワゴンのショーツを眺めていたとき、突然、アソコに震動を感じました。
「んっ!」
思わず小さく声がこぼれて、うつむいていたからだがビクンとのけぞります。
来た!
やよい先生に会える嬉しさと、デパートの売場でこっそりアソコに刺激を受けている自分のヘンタイな状況とに、みるみるからだが火照ってきてしまいます。

アソコの中を震わす力は、愛用のリモコンローターで言うと弱と中の間くらいの弱いもので、強みたいな、立っていられないほど、ではありませんでした。
それに、デパートに入ったときから、たぶん突然震動のスイッチが入るだろう、って予想と言うか期待していたので、一瞬の驚きが過ぎると余裕が出来て、通路のほうを振り返ってみました。
その瞬間、今度は手のひらで携帯電話が震え始めました。
「きゃっ!」
またもや小さく声をあげてしまいました。

携帯電話を開こうと、顔をワゴンのほうに戻して視線を上げたとき、奥にいた下着売場のキレイな女性店員さんが、怪訝そうな目で私をじーっと見つめているのに気がつきました。
やだっ!いつから見られていたんだろう・・・
さっきから一人で、んっ!とかきゃっ!とか声をあげているんですから、傍から見れば、どう見たって不審者です。
私は、白い帽子のひさしをつまんで目深にかぶり直し、あわてて売場を離れ、売場と売場の間の壁のところに移動してから、通路に背を向けて携帯電話を開きました。
股間のホタテ貝は、震えっぱなしです。

着信はメールでした。
やよい先生ではない、知らないアドレスから。
「そのまま北方向へ少し歩き、右側にある女子トイレに入りなさい」
メールには、そう書いてありました。
通路を振り返り、それらしき人、ホタテ貝に電波を送っている人、の姿を探します。
平日の午後、お昼休みもとっくに終わった頃ですから、ウインドウショッピングのお客さんも少ないようで、このフロアをうろうろし始めてからも、中年のおばさまや、若い女性の一人客とチラホラすれ違う程度でした。
今も、見える範囲にいるのは、各売場の店員さん以外では、中年おばさまの二人連れだけ。

今日来てくれるのは、やよい先生じゃないのかしら?
メアドが違っていたのが気がかりで、しばらくキョロキョロあたりを見回してみたのですが、それらしき人の姿は発見できず、あきらめてメールの指示通り女子トイレへ向かうことにしました。

アソコを刺激しているホタテ貝の震動は、歩くのにまったく支障がないくらい緩やかなものでしたが、そんなことをされながら白昼のデパートを歩いている、という背徳的な感情と相俟って、誰かとすれ違うたびに緊張してしまい、何て言うか、弱火でトロトロと官能を炙られているような、甘美な後ろめたさを感じていました。

10メートルくらい歩くと、その10メートルくらい先に、矢印とともに女子化粧室の存在を示すプレートが吊ってあるのが見えました。
あそこだ。
そう思いながら一歩踏み出した途端、アソコの震動がピタッと止まりました。
あれ?
思わず立ち止まり、まわりを見回します。
相変わらず閑散とした婦人服売場。
きっと、リモコンの電波が遠すぎて途切れちゃったんだな。
少しがっかりしながらも、そのまま女子トイレを目指しました。

女子化粧室への扉を開け、中へ入ります。
誰もいません。
三台並んでいる洗面台を抜けて、もっと奥へ進むと個室が4つ。
デパートにしては、あまりキレイなおトイレではなくて、なんとなく床とか古そうな感じ。
個室のドアは4つとも閉まっています。
どうすればいいのかな?と思っていたら、右手の携帯電話がまた震え始めました。

今度は電話。
知らない番号からです。
「もしもし?」
恐る恐る、出てみました。

「おひさしぶり。直子さん。トイレの中に誰か人いる?」
知らない声でした。
やよい先生ではなく、それよりもう少し低い、落ち着いたオトナっぽい女性の声。
「あ、えっと・・・あなたは、えっと誰・・・どちらさまですか?」
困惑してなぜだかヒソヒソ声になってしまう私。
「そんなことはどうでもいいの。質問に答えなさい」
電話の女性に、冷たい口調でピシャッと言われてしまい、背中がゾクゾクッとなりました。
「あ、はい。えっと、誰もいません」
「個室は?」
「あ、はい。ちょっと待っててください」
あわてて個室のノブのところの使用中サインを、それぞれ確認してみます。
全部青色でした。
「あの、えっと、誰も入っていないみたいです」
「そう。だったら、入り口から一番遠い、一番奥の個室に入りなさい。入っても鍵は閉めないで」
そこでプツンと電話が切れました。

誰なんだろう?
やよい先生でないことは間違いありませんが、なんとなく聞いたことがあるような声な気もしてきました。
おひさしぶり、って言ってたし。
ミイコさん・・・ミーチャンさんは、もう少し声がハスキーだし、大学のお友達の声に似ていた気もするけど、そのお友達とやよい先生に接点があるわけないし・・・
指定された個室に入った後も、頭の中がモヤモヤ混乱していました。

「入った?」
個室に入って1分くらいした後に再び電話がかかってきました。
「はい。言われた通りに・・・」
「そう。これからわたしもそこに入るから、あなたは便器のふたに座ってギューッと目をつぶっていなさい」
「あ、あの、あなたは?」
「わたし?わたしは今日、百合草先生から全権を委任されて来ているの。あなたと遊ぶために。わたしの声は百合草先生の声。わたしの命令は百合草先生の命令」
その声を聞いている間に、女子化粧室の入口の扉が開いて閉じたような音がかすかに聞こえました。
その人が化粧室に入って来たみたい。
その途端にホタテ貝が震え始めました。
「んっ!」
しんと静まり返った個室の中では、ホタテ貝のンーーッていう震動音が、かすかに私の股間から聞こえてきます。

「わかった?ギューッと目をつぶっているのよ?もし逆らったら、ひどいお仕置きになるわよ・・・」
「は、はい・・・」
「よろしい」
また、プチッと電話が切れました。
ひどいお仕置になるわよ、ってささやいたその人の低い声がすっごくセクシーで、ゾクゾク感じてしまった私は、言われた通りにふたを閉じた便器に浅く腰掛け、ギュッと両目を閉じました。


氷の雫で濡らされて 03

2011年7月24日

氷の雫で濡らされて 01

東京での一人暮らしにもようやく慣れてきた7月中旬、やよい先生から携帯電話にメールが届きました。
やよい先生とは、私が東京へ越してきた当初は、ちょくちょくお会いして、やよい先生が私のお部屋に来たり、やよい先生のお宅へ遊びに行ったりしていたのですが、梅雨が始まった頃からずっとご無沙汰していました。
久しぶりにやよい先生と遊べるのかな?
ワクワクしながらメールを読みました。

メールの内容は、今日私への荷物を送ったことと、今週、来週の平日で午後一時から空けられる日を教えなさい、ということが、いつものように事務的かつ簡潔に書かれていました。
私の大学での前期授業はほとんど終わっていて、幸い補講も試験も無くヒマな身でしたから、その週の金曜日を指定して、すぐ返信しました。
すると、荷物を受け取って中身を確認したらまた返信しなさい、と再びメールが届きました。

翌日の夕方、学校から帰ると、管理人さんがやよい先生からの荷物を渡してくれました。
荷物は、箱が大きいわりには軽いものでした。

お部屋に入り、着替えもしないうちにすぐ、その箱を開けてみました。
中から出てきたのは、お洋服のようです。
広げてみると、可愛い感じのリネンの半袖シャツワンピースでした。
生成りな麻色で、ウエストまでピンタックが入っていて、スカート部分は若干ふんわり広がった膝丈。
ボタンはウエストまでに6個、スタンドカラーがなんとなくエスニックな感じ。

当日は、これを着て来い、っていうことなのかな?
今まで持っていないタイプのワンピだったので、嬉しくなっちゃいました。

そのワンピースを取り出して、ふと箱を覗くともう一つ、黒いビニール袋に入った何かが箱の底にあるのに気がつきました。
袋を取り出して封をしているテープを剥がし、中を覗き込みます。
奇妙なものが入っていました。

幅10センチくらいのホタテ貝みたいな形をした真っ白いプラスティック製らしきオブジェ。
その貝の内側から楕円形の突起が、なんだかえっちな形に飛び出しています。
貝の左右と下部分からは、ゴム製の黒い紐が結ばれていて、その紐とホタテ貝で、まるでTバックのパンツみたいな形状になっていました。
そして、貝の上部分から見えるのは電池ボックス?

私は、すぐにピーンと来ちゃいました。
たぶん、このホタテ貝みたいのをパンツのように穿くと、内側の突起が私のアソコにスッポリとハマっちゃうのでしょう。
で、たぶんこれはリモコン式。
私がこれを穿いていて、リモコンを持っている人がスイッチを入れると、この突起が私の中でブルブル震え始めるのでしょう。
胸がドキドキし始めます。

早速その場で立ち上がり、ジーンズとショーツを脱ぎ捨てました。
私の中は、すでにジンワり湿り始めていました。
念のため貝全体を水で濡らしたタオルで拭いてから、黒いゴムに両脚を通していきます。
ホタテ貝が私のアソコを隠したとき、内側の突起がヌプッと、私のアソコの中に侵入していました。
「ああんっ」
リモコンローターを入れたときよりは浅い感じで、私のアソコに異物が挟まれています。
姿見に映してみます。
私の薄い陰毛だけを隠すような真っ白いホタテ貝。
うわっ、いやらしい。

その格好でお部屋を歩き回ってみました。
内腿に突起の側面が少し擦れる感じですが、突起の曲線のおかげなのか、中ではフィットしていて痛くは無く、歩きづらいこともありません。
パンツ状のゴムもきつくも無くゆるくも無く。
問題ないようです。
ただ、こんなものを股間に着けて歩いている、っていう行為自体が十分ヘンタイさんです。
今度のやよい先生とのデートは、これを着けたまま街を歩くことになるのでしょうか?

リモコンのスイッチが入ったら、どうなるんだろう?
ふと思いついて、高二のときにやよい先生からいただいて、今でも愛用しているリモコンローターのリモコンスイッチを入れてみました。
反応なし。
振動の具合は、当日までのお楽しみ、ということのようです。
もう、ワクワクが止まりません。

その格好のまま、やよい先生に荷物到着メールを入れました。
早速ホタテ貝を穿いてみたことも書き添えました。
それからブラウスも脱いで、送ってもらったワンピースを着てみます。
似合ってるー!
姿見に映った自分の姿は、ちょっとエスニックな可愛いワンピースを着た普通の女性。
でも、スカートをめくると、信じられないくらい卑猥なおもちゃを下半身にくっつけてるんです。
背中がゾクゾクっとしてきちゃいます。
今夜は、これを着けてオナニーしちゃおうかなー。
そう言えばネットで、綺麗なモデルさんが白いホタテ貝3枚で両乳首とアソコだけを隠してるセミヌード写真を見たことがあったなあ。
あれはえっちだったなー。
なんて、とりとめのないことを考えていたら、30分くらいして、やよい先生からの返信メールが届きました。

当日は、送ったワンピースを着てホタテ貝を着けてくること。
下の毛はキレイに剃っておくこと。
このメールを読んだら当日までオナニー禁止。
そして、待ち合わせの時間と場所が書いてありました。

私は、しまった!って後悔します。
先手を打たれてしまいました。
ホタテ貝を着けたムラムラ解消オナニーは、おあずけにされてしまいました。
それに、アソコの毛も剃らなくちゃいけないことに。
毛を剃った後って、絶対いろいろ弄くりたくなっちゃうんです。

でも、やよい先生のご命令は絶対です。
たとえバレなくても、逆らうことは出来ないし、私が逆らいたくないんです。
これ以上ホタテ貝を着けていると、やよい先生のご命令に背いてしまいそうだったので、渋々はずして部屋着に着替えました。

やよい先生に久しぶりに会えるワクワク感とムラムラなのにオナニーが出来ない悶々感を夜毎抱きながら、お約束の日を指折り数えて3日後。
朝からそわそわの私は、おトイレを済ませてシャワーを浴びるとすぐ、ホタテ貝を装着しました。
入念にお化粧をして、お外が暑そうだったので髪はサイドに流して編みこんで、リボンピンで留めました。

お約束の時間は、午後の1時半。
場所は、池袋の私鉄駅に直結した有名デパートの3階、婦人服売り場。

私の住んでいるマンションからは、5分くらい歩くと池袋へ一駅の地下鉄の駅があります。
でも、まっすぐ歩けば15分くらいで池袋駅には着けるので、池袋に用事があるときは、歩いていくことにしていました。
今日もお家を早めに出て、徒歩で行くことにしました。

お外は真夏日でした。
真っ青なお空にお日様がギラギラ輝いて、地上にあるものすべてを暑く熱していました。
湿度が高くないのと、時折ゆるく風が吹いてくれるのが救いです。
そんな中を私は、白い日除け帽子を頭に乗せて、肩にタオルとかを詰め込んだ小さなトートバッグを提げ、ハンカチ片手に歩き始めました。


氷の雫で濡らされて 02

2011年7月23日

しーちゃんのこと 23

母と昼食を一緒に食べてから母を送り出し、自分のお部屋に戻りました。
お外はよく晴れていたのですが、暖房無しではまだ少し肌寒い感じだったのでエアコンをつけ、お部屋が暖まるのをしばらく待ってから、お洋服を脱ぎ始めました。

今日は、すでに書き上げていた、榊ゆかりシリーズお浣腸編を、そのお話のとおり実際にやってみるつもりでした。
小笠原亜弓さまが榊ゆかりを苛めるお仕置きの一つとして、途中にお浣腸プレイが組み込まれていました。

たぶん大丈夫とは思っていましたが、万が一、お部屋の床を汚してしまうのは絶対イヤだったので、大きめのレジャーシートを床に敷きました。
念のためバスルームからプラスティックの洗面器も一個持ってきていました。

全裸になった私は、姿見の鏡の前にお尻を突き出して、プラスティックの定規でお尻を叩いたり、洗濯バサミで苛められたりして気分を盛り上げていきました。
あーんっ、アユミさまー、お願いですぅ、許してくださいーっ!
そんなこと言ったって、下のお口からよだれが溢れちゃってるじゃない?いやらしい子!
指で股間にふれてみると、半開きになったアソコに指が吸い込まれるようにヌルンと入ってしまいます。
このまま中を思いっきりかきまわしたい・・・
そんな欲求がムクムク湧き上がりますが、なんとかふみとどまります。
だめだめ、今日のお楽しみはこれからなんだから。

今日は、ゆかりさんにもっと恥ずかしいことをしてもらうからねっ!そこに四つん這いにおなりなさい!
先にお部屋のドアを開け放してから、レジャーシートのビニールの上に四つん這いになりました。
お尻が姿見にバッチリ映るようにして、お浣腸のお薬の箱を開けます。
前回のより一回りくらい大きな容器で、スポイト状の先端も2センチくらい長いみたい。
うふふ、これを入れて、出来る限りがまんしてもらうからね!せいぜい悶え苦しむがいいワ!

鏡に映った自分のお尻の穴に、お浣腸容器の先端をそっとあてがいます。
「あっ、いやっ!それだけは許してくださいっ!」
実際に声に出して言いながらも、お浣腸器の先端をソロリソロリとお尻の穴に埋め込んでいきます。
「ああんっ!」
すっかり埋め込まれたら、お浣腸器の側面をゆっくり押し潰します。
「あああーーっ!」
冷たい液が体内に送り込まれるのがわかって、淫らな声が出てしまいます。
ずいぶん喜んでくれるのねー?だったらもう1本サービスしちゃうワ!
2本めも注入してヨロヨロと立ち上がりました。

それじゃあここで立ったまま、私の前でオナニーなさいっ!
私の計画では、ここで、バネの力を弱めてやっとつけられるようになった特製洗濯バサミを両方の乳首につけた後、お腹の具合を見ながら、四つん這いになってお部屋を出て、2階のおトイレまで廊下を這って行く予定でした。
お腹はすでにグルグル鳴っていて、便意が強まったり弱まったりしていましたが、がまんできないほどではありません。

姿見の前で自分の全裸を見ながら、右の乳首を特製洗濯バサミに噛ませます。
「あ、あぅっつー!」
すでにおっぱい脇から内腿まで左右に3つずつ洗濯バサミをぶら下げたからだに、さらに一つ加わります。
「ああんっ!」
お尻の穴を必死にすぼめながら、みじめな姿の自分を見つめて顔を歪めます。
次は左の乳首よ!
もう一つの特製洗濯バサミを右手に持ち、まだ何もつけていない左の乳首を左手の指でギューッとつまんだ瞬間、あまりの気持ち良さがからだをジーンとつらぬき、盛大にビクンと震えました。

それと同時にお腹がキュルキュルンと鳴ってモーレツな痛みが襲いました。
「あっ!だめっ!」
腰に力を入れてお尻の穴をギューッとすぼめたのですが、一瞬遅かったみたい。
お尻から左内腿を伝ってかかとのほうへ、一筋の液体がスルスルッと滑り落ちていきました。
鏡に映ったそれは、無色透明ではなく、茶褐色を帯びた液体でした。
「あーっ!いやーーっ!」
大きな声で叫びそうになり、慌てて口を押さえる間も無く、どうにも耐え難い強烈な便意が襲ってきました。
考える暇もないほど素早く無意識に、プラスティックの洗面器にまたがってしゃがみ込み、しゃがむと同時にジャジャーッと排泄していました。

しばらくそのままの姿勢で呆然としていた私は、ふっと我に帰り、裸のまま一目散に2階のおトイレに駆け出しました。
便器に座って、便意が収まるのを待ちながら、からだにつけた洗濯バサミを全部はずし、トイレットペーパーを濡らして、汚してしまった左脚を丁寧に拭きました。
なんだかすっごく悲しい気持ちになっていました。

どうやら私は、お浣腸を甘く見ていたみたいでした。
40グラムを2つっていう量も、多すぎたのかもしれません。

お尻もウォッシュレットでよく洗い、お部屋に戻った私は、なおいっそう悲しい気持ちになってしまいました。
レジャーシートのビニールに点々と散らばる茶褐色の飛沫・・・
プラスティックの洗面器に溜まっている茶褐色の液体・・・
そして、お部屋全体に充満している、何とも言えないイヤな匂い・・・

私、いったい、一人で何をやっているんだろう?
高校生にもなって、自分のお部屋で、大きいほう、お漏らししちゃって・・・
心が完全に打ちひしがれて、目尻に涙が滲んできてしまうほどでした。

それから先のことは、あまり書きたくありません。
洗面器の中身をおトイレに捨てに行って、ビニールシートと洗面器をバスルームでキレイに洗って、お部屋の窓という窓を全開にして空気を入れ替えて・・・
それらのことは全部、全裸でしたのですが、えっちな気分は戻ってきませんでした。
つい数十分前までは、はちきれそうだった私の性的コーフンは、すっかり萎えていました。

この失敗は、かなり長く尾を引き、しばらくはオナニーをする気にもなれませんでした。
そうこうしているうちに、終業式、春休みとなり、月が変わって二年生に進級すると、もう一つ、良くないことが待っていました。
しーちゃんと、別のクラスになってしまったのです。
中川さんと山科さんとは、同じクラスになれたのだけれど、友田さんとしーちゃんとは、別々のクラス。

しーちゃんとは、春休み中にも何度か会って、クリスさんともうまくいっているようで、いろいろお話を聞かせてもらいました。
相変わらず二人でえっちな遊びをしているみたいで、いつ会ってもすっごく楽しそうでした。
そんなしーちゃんとクリスさんがうらやましい気持ちは、もちろんずっとあって、そういう意味で言うと二年生になって別のクラスになったことは、私にとって、しーちゃんを一度忘れて、新しい出会いをみつけるチャンスとも言えるのですが、中学生の頃から毎日のように顔を会わせていたしーちゃんがクラスにいない、っていうのは、やっぱり寂しいことでした。

お浣腸失敗お漏らし事件以来落ち込んでいた性欲は、月日が経ってその記憶が薄れるとともに、私はいやらしいマゾ女なんだから、そういうみじめな体験をするのもあたりまえなんだ、という論理にすり変えて自分の中で納得させ、その記憶で妄想オナニー出来るほど復活していました。
榊ゆかりシリーズお浣腸編も、がまんしきれずにその場でお漏らしして床を汚してしまったゆかりは、激怒した小笠原亜弓さまによってお外に連れ出され、もっともっとひどいお仕置きをたくさん受ける、というストーリーに変えていました。
ただし、私はこの先、お部屋でのお浣腸遊びは絶対しないと心に決めていました。

私の性欲が戻って安定するのを待っていたかのように、もう一つの悲しいニュースが飛び込んできたのは、5月下旬のことでした。
バレエ教室でレッスンが終わった後、やよい先生から、6月いっぱいでお教室の講師をやめる、と告げられたのです。

すごいショックでした。
私は、愛ちゃんと一緒に、なんで?なんで?とやよい先生に詰め寄りました。

やよい先生が説明してくれたところによると、お仲間たちと共同で東京でお酒を飲ませるお店をいつか出そう、という夢と言うか計画が前々からあって、この数ヶ月の間にどうやらその目星がつきそうになったので、まだはっきり決まったわけではないけれどご迷惑をかけないためにも、まずバレエ教室の運営会社にお話をした、ということでした。
「あたしのツレが今年になっていろいろ動いていて、いい物件を最近複数みつけたらしくて、条件とかの具体的な話になってきてるらしいのよね」
「東京に行くのがいつになるかはまだわからないけど、この町から出て行くことは本決まり。私が今住んでるマンション、分譲なんだけど、貸す相手も決まっちゃったし」
「安心して。代わりの講師は、すごくやさしくてキレイな人、紹介しといたから」
やよい先生がすまなそうに笑いました。

翌日から、私はずっとやよい先生のことばかり考えていました。
やよい先生とは、中学二年の夏休みに受けたトラウマのことでご相談したとき、私が高校二年くらいになって、まだそういう気持ちがあったら、えっちなことのお相手をしてくれる、っていうお約束をしていました。
17歳になったら、って言ったんだっけかな?
お誕生日がまだなので、私はまだ16歳ですが、やよい先生がいなくなってしまう、という緊急事態の前では、そんな細かいことは関係ありません。
私は、最後のレッスンの日に、やよい先生にあの日のお約束のことを言って、デートしてくれるように頼むことに決めました。

中学生の頃、やよい先生を想って自分の指を股間にすべらせていた甘酸っぱい日々。
そんな日々を思い出しながら、私の気持ちも、やよい先生に恋焦がれる中学生の頃にすっかり戻っていました。

やよい先生、あのお約束、憶えていてくれるよね?


グノシエンヌなトルコ石 01

2011年7月18日

しーちゃんのこと 22

次のチャンスは、一週間後にやって来ました。
その日も母は午前中から、篠原さん親娘は昼前にお出かけして、共に夕方帰宅予定でした。
私は、篠原さん親娘を送り出してから、早速実行することにしました。

お昼ごはんのグラタンをダイニングでゆっくり食べた後、後片付けしてから自分のお部屋に戻る前に、バスルームの脱衣所と一階のおトイレの暖房を入れました。
今日は時間もたっぷりあるし、階下のおトイレでしてみよう、って思っていたんです。

お浣腸のお薬は、あと三つ残っていました。
それらの入った黒い袋とバスタオルを一枚持って、まずは階下のバスルームの脱衣所に入りました。
バスルームとおトイレは隣り合わせになっているので、脱衣所で全裸になってから、おトイレに入ってお浣腸、という計画でした。

着脱がラクなように、今日は起きたときからスウェットの上下を着ていました。
それらをちゃっちゃと脱いで、下着も取って全裸になり、いったん廊下に出ておトイレに入りました。

一階のおトイレは床部分が広いので、四つん這いになってやってみようと思っていました。
前回は、立ったままの挿入だったので、注入した後、容器に液がだいぶ残っていました。
実は、一回抜いてから、もう一回挿してもみたんです。
そうすると、今度は最初に空気が送り込まれてしまって、空気のお浣腸状態になってしまうんですね。
小学生の頃のお医者さんごっこで幼馴染が、空気が入るとおならがいっぱい出ちゃうんだよ、って言ってたのを思い出して、すぐやめました。
液体は上から下へ流れるわけですから、お尻を高く突き出して、お浣腸容器をなるべく垂直に立てて挿入したほうが、液がムダなく効率よく入るはず、って考えたんです。

おトイレの床に両膝を開き気味について、左腕で上半身を支えながら右手に持ったお浣腸容器を、右手の中指でお尻の穴を探しながらあてがいます。
なんてぶざまな格好。
お浣腸器の先端がすんなりお尻の穴に挿入されたので、容器を立て気味にしつつ側面を押すと、液がスーッと中へ流れ込みました。
「あああんっ!」
お浣腸器を抜いた後、よろよろと立ち上がり、すかさず腕時計を見ました。
午後1時33分。

1時40分になるまで、絶対出しちゃダメだからね!
頭の中で小笠原亜弓さまに命令されて、便器の前に立ち尽くしました。

前回と同じように、お腹がグルグルと騒ぎ始めました。
まだ全然時間経ってないわよ、がまんしなさい!
お腹を上から下へ、下から上へ、駆け巡るような鈍い痛みが襲ってきます。
お尻の穴に力を入れてすぼませて、なんとかがまんします。
まだ2分しか経ってないわよ、ここで出したらまたお仕置よ!
下半身全体に力が入っているので、両脚がプルプル震え始め、からだ全体が熱くなってきました。
もうダメ、もうダメ・・・
お腹の奥が時折、グルグルとかキューンとか鳴いています。
私が必死にお尻の穴をすぼめていると、両膝が目に見えるくらいガクガク震え始めました。
4分経過、あと3分・・・
睨みつけるように左手の腕時計を凝視しながら、右手はいつの間にか、裸の上半身を激しくまさぐっていました。
おっぱいをギューッと掴んで、硬くなった乳首を捻って、お腹をスリスリさすって・・・
「あん、あーんっ!」
ガクガク震える下半身、クネクネ悶える上半身。
髪の毛の生え際とかから汗もにじんでいるみたい。
「んーーーっ」
私はぎゅっと目をつぶって、お浣腸液の責めに耐えていました。
「むぅーーーんっ」

「あれっ?」
なんだかからだがラクになったな?と思い、目を開けました。
時計は1時43分になっていました。
目をつぶって身悶えしているうちに、どんどん便意が遠ざかっていき、今はなんだか普通の状態に戻っていました。
もちろん、お漏らしなんかしていません。
「あれーっ?」
もう一度、大きめな声でつぶやきます。
からだは、まだ欲情していますが、お浣腸の苦しみは去っていってしまいました。
「こ、こんなものなの?」
私は、また拍子抜けしてしまいました。

しばらく呆然とした後、ふと思い出しました。
私のお尻には、まだお薬が入ったままなんだ。
便座に腰掛けてお尻に少し力を入れてみると、ジャーッと液体が便器に放たれました。
今回も無色透明でした。

釈然としないまま、バスルームに戻り、熱いシャワーで下半身だけ洗い、バスタオルをからだに巻いて、ひとまず自分のお部屋に撤収しました。

確かにがまんしているときの身悶えするほどの被虐感は心地良かったけれど、そんなにあっさり収まっちゃうものなのかしらん?
もっとこう、なんて言うか、キタナイモノを出したくないのに出ちゃうのー、見ないでー、みたいな禁断系というか背徳系というか、そういうのを期待していた私は、肩透かしを食らった状態でした。

ちなみに私の通常のお通じは、朝起きてすぐミネラルウォーターをコップ一杯飲み、身支度して歯を磨いたりお顔を洗っている頃に催してきておトイレへ、という一日一回ペースの健康的なものでした。
あんまりたくさんは食べないし。
私のからだが健康的すぎるのかな?

それから真剣にもう一度、お浣腸薬の説明書を読み返し、一つだけ気づいたことがありました。
どうしても自分で入れると、容器の中のお薬が全部は入らないこと。
抜いた後の容器を見ると、今回も五分の一くらいは、残っていました。
お薬が足りないのかもしれない。
そう考えた私は、一時間後に今度は2本いっぺんに注入してみよう、と決めました。

お部屋の中で全裸のまま、榊ゆかりシリーズお浣腸編を執筆しながら、時間が経つのを待ちました。
決行は3時ジャスト。
それまでオナニーも禁止です。

3時になると同時に、全裸のまま階段を降り、バスルームに直行しました。
今度はバスルームの鏡の前で、お浣腸液を注入するつもりです。
四つん這いになって、出来るだけ鏡の前にお尻を突き上げ、顔をひねって自分のお尻を見ます。

菊座って、うまいたとえだなー、なんて思いながら1本注入。
「うふふ、いやらしいゆかりには1本じゃ、物足りないわよねー?ほら、ご褒美よ、もう1本」
小さい声で言いながら、2本目をお尻の穴に挿入しました。
「あ~あんっんっ!」
2本目のお浣腸容器はお尻に挿したまま立ち上がって、脱衣所を通り廊下に出て、おトイレに入りました。

今度は10分よ!10分がまんなさい!
頭の中で小笠原亜弓さまの声が聞こえます。
ただ突っ立ってるだけじゃ面白くないわよね?ほら、ゆかりの大好きなアクセサリーよっ!
お部屋から持ってきた洗濯バサミが、私のからだに噛みついてきます。
左右内腿に一つずつ、左右脇腹に一つずつ、左右おっぱい脇に一つずつ。
「あぁぁっ、んんんーっ!」

お腹はすでに激しくグルグルしていました。
脚もガクガクしてきて、全身がカーッと熱くなっています。
まだまだ3分しか経ってないわよ、ほら、おっぱい揉みなさいっ!
私は、両手で激しく自分の胸を揉みしだきます。
洗濯バサミがブランブラン揺れます。
快感に溺れると下半身がユルミそうになります。
そのたびに、お浣腸容器が挿されたままのお尻の穴にキュッと力を入れてすぼめます。
すると内腿の洗濯バサミに噛まれているところもズキンと疼いて・・・

6分経過、あと4分よっ!
今回のお浣腸液の攻撃は、さっきと違って手を緩めてくれません。
便意がひっきりなしに寄せては返し、そのインターバルもだんだん短かくなっています。
「ああんっ、あっ、あんっ、あぁー」
私は、左右の乳首をギュっとつまんでひっぱり、痛さで便意をごまかそうとしていました。
「ああん、ああんっ、も、もう・・・」
脚はガクガク、からだはクネクネ。
がまんしなきゃ、がまんしなきゃ、がまんしなきゃ・・・

時計を見ると10分はとっくに過ぎて、13分になろうとしていました。
「も、もう、もうっ、もうダメーーーっ!」
私は、右手でお尻に挿さったお浣腸容器を抜くなり、便座にへたり込みました。
同時にジャジャーッという激しい水音。
同時に右手が自分の股間に滑り落ち、飛び出ているクリトリスを親指と人差し指でクネクネこねくり回していました。
左手は左右のおっぱいをせわしなく、乱暴に揉みしだいていました。
「ああんっ、ああんっ、いいっ、いいっ、いいーーーーっ!!!」

しばらく便座に腰掛けたままガックリうなだれていました。
「はぁ、はぁ、はぁーっ・・・」
すっごく良かったぁぁぁ・・・

閉じていた目を開けると、私はまだ洗濯バサミを6つ、ぶら下げたままでした。
「つっ!」
血流が戻る痛みを6回くりかえして洗濯バサミをはずし、よろよろと立ち上がります。
便器に溜まっている私のお尻から出た液体は、今度は、薄っすら茶褐色を帯びていました。
「いやんっ!」
すかさず水洗ボタンを押して、恥ずかしい液体を私の視界から消しました。

お浣腸プレイがすっかり気に入ってしまった私は、すぐさま次回の計画を練りました。

ネットで調べると、私が使った30グラムのよりお薬液が多い、40グラムのやつも売っていることがわかりました。
前回、30グラム一つだと今一で、二つだと良かったということは、お薬の量も関係しているはずです。
それなら40グラムのを買ったほうが楽しめそう。
それに、40グラムのやつはスポイトの挿入管が長くて、より奥までお薬が届く、って書いてありました。
より奥までって、なんだかえっち。

早速次の土曜日に、この前のお店で2箱買ってきました。
箱が前のよりちょこっと大きかった。
そのとき、使用済みの容器や外箱は、黒い袋に入れてしっかり封をして、その駅のゴミ箱にコッソリ捨ててきました。

今度は、自分のお部屋でやってみるつもりでした。
今までの経験から、お薬を入れた後でもいくらかの猶予はあるみたいだし、誰もいなければ自分のお部屋から2階のおトイレまで裸で駆けて行っても大丈夫そうだし。

用意は万端でしたが、なかなか決行のチャンスは訪れませんでした。
生理が来たり、試験があったり、篠原さんたちがいたり。
お薬の説明書に、常用はしないこと、ともあったので、そんなにすぐやるつもりもなかったのですが、ずいぶん待たされました。

決行のチャンスが来たのは、陽気も良くなった3月中旬の日曜日。
母とのお買物デートのお誘いを、しーちゃんたちとお約束があるから、と嘘をついて断わって作った貴重な時間でした。


しーちゃんのこと 23

2011年7月17日

しーちゃんのこと 21

そのプレイを体験するためには、あるものを手に入れなければなりなせん。
そして、それを買いに行く行為自体が、私にとってはドキドキな羞恥プレイでした。

それは、薬屋さんに売っているはずです。
でも、小さな薬屋さんだと、その商品名を店員さんに告げなければ買えなそうです。
まして、私の町にある薬屋さんは、しーちゃんのご両親のお店でした。
しーちゃんちの薬屋さんは大きなお店でしたが、そこでそれを買うことは、私には恥ずかしくて絶対出来ないことでした。

バレエ教室のある駅には、大きなドラッグストア形式のチェーン店がありましたが、そこだと買っているのを誰かに見られちゃうかもしれません。
学校の最寄駅の薬屋さんも同様ですし、何よりも制服のまま買うのは憚られます。
結局、悩んだ挙句、学校よりも遠い、このあたりでは一番大きな繁華街がある駅まで足を伸ばすことにしました。

二月にしてはよく晴れて、比較的寒くない土曜日のお昼過ぎ、私は電車に乗ってその街を目指しました。
髪型を変えて、素通しのメガネをかけて、私にしては精一杯の変装をして、地味な服装で出かけました。
空いている電車のドア際に立って流れていく景色をボンヤリ眺めていました。
学校のある駅を3つぐらい過ぎた、とある駅に停まっているとき、駅前に、バレエ教室のある駅にあるのと同じドラッグストア形式のチェーン店があるのが見えました。
私が目指している駅は、まだまだこの後20分くらい、電車に揺られなければ辿りつけません。
今日は夕方までお家には誰もいないので、早く入手できれば今日中にそれを試すことが出来ます。
早くお家に帰れるなら、それに越したことはありません。
そう考えた私は、素早くその見知らぬ駅に降り立っていました。

改札を出ると、ロータリーの向こう側にドラッグストアの大きな看板が見えました。
早足気味にそっちへ向かいました。

それがどんなデザインのパッケージで売られているのかは、昨夜ネットで確認していました。
カゴを片手に端のほうからゆっくりと商品棚を見ていきます。
広い店内に、中年のおばさま買い物客が4、5人、私と同じようにまったりと商品棚を物色していました。

まさかそれだけを買うのはあまりに恥ずかしいと思ったので、あらかじめ考えておいたハミガキ粉とのど飴を、見つかった順にカゴに入れました。
目的のものは、まだみつかりません。

えーっと、ああいうのはどの棚なんだろう?
内臓系だから胃腸薬とか、そういうとこかな?

レジに近い壁際に、胃腸薬などが並んでいる棚がありました。
そこを端から見ていくと、棚の一番下の段に、昨夜ネットで見たのと同じデザインのパッケージがありました。
あった!
みつけた途端に胸がいっそうドキドキしてきました。

容器が、とある果実に形状が似ているので、その名前を冠された液体状のお薬。
私が探していたのは、お浣腸のお薬でした。

そーっと手を伸ばして小さい箱を2箱掴み、カゴに入れました。
ドキドキが高鳴ります。
私、便秘でもないのに、ただ恥ずかしい遊びがしたくて、これを買おうとしているはしたない女・・・
自分で思いながら、キュンって感じてしまいます。

レジには3人、清算待ちのお客さんがいました。
これをカゴに入れたままレジの行列に並ぶのは恥ずかしい。
もう一度店内を一周しながらレジが空くのを待ちました。

レジの係りの人は、中年のおばさまでした。
淡々と機械的に商品を取り上げてはピッってやって、黒いビニールの袋に入れて渡してくれました。
黒い袋を受け取った途端に、フッと緊張が緩んで、代わりにワクワクした気持ちが湧いてきました。

急いでお家へ帰りました。
午後の2時半過ぎ。
母や篠原さんたちが帰って来るまで、少なくともまだ2時間はあるはずです。
早速、やってみよう。

どこでやるかが問題です。
いきなり自分のお部屋、というのは危険な感じがします。
どのくらいの刺激で、どのくらいがまん出来ないものなのか、全然わからないから。
最初ですから、ここは無難におトイレでかな?
階下のおトイレのほうが広いのですが、万が一早めに母たちが帰ってきた場合、ややこしいことになりそうなので、自分のお部屋に近い2階のおトイレですることにしました。
二月ですから、まだ廊下に出ると肌寒い感じです。
いったん荷物を自分のお部屋に置いた私は、2階のおトイレの暖房をあらかじめ点けておくことにしました。

お浣腸のお薬を入れた黒い袋だけ持って、おトイレに入りました。
中はほどよく暖まっています。
黒い袋からお浣腸のお薬の紙箱を取り出し、ふたを破って中身を取り出しました。
ビニールの袋に包まれた果実型スポイト状のお浣腸器が二つ、現われました。
へー、こういうふうになってるんだ・・・
薄いピンク色のスポイト容器の中には透明な液体が詰まっていて、スポイトの先端はちっちゃなキャップで栓がしてあります。
このキャップをはずして、スポイトの先端をお尻の穴に挿し込むのね・・・

お尻の穴に何かを挿れてみるのは、小学校のときにしたお医者さんごっこ以来だと思います。
あのときは、お浣腸がどういう行為なのかも知らないまま、幼馴染の女の子にオモチャの注射器を突き立てられたんだっけなー。
幼い頃の行為なら、少々ヘンタイっぽいことでも可愛げ気があって微笑ましくも思えますが、高校生になって、それがどんな快楽をもたらしてくれるのか知りたくて、自分の手で行おうとしている今の私は、紛れもないヘンタイさんですよね。
まだ何もしていないのに、ブラの下で乳首が固まってくるのがわかりました。

さて、どんな格好でやろうか?
行為が行為ですから、万が一漏れたソレで衣服や下着を汚してしまうのは絶対イヤでした。
やっぱり全裸かな・・・
そう、これはゆかりへのお仕置なのですから、服を着ていることなんて許されません。
私は、着ていたニットの胸ボタンをはずし始めました。

ジーンズも脱いで、ソックスも脱いで裸足になります。
ブラをはずすと、乳首がツンと上を向いていました。
ショーツを取ると、早くも薄っすらと湿っていました。

脱いだ衣服一式はキレイにたたんで、ちょっと迷ってからおトイレのドアをそっと開け、廊下に置きました。
おトイレ内に衣服一式を安全に置いておけそうな場所がなかったから。
おトイレのドアをあけたとき、廊下の冷たい空気がスーッと忍び込んできて背中がブルッて震えました。
お家のおトイレの中で全裸になっているというのも、考えてみるとありえない状況です。
私のワクワクがどんどん高鳴ってきます。

どんな格好で挿れればいいのかな?
ネットの読み物だとたいがい四つん這いにされていました。
でもそれは、挿れてくれる人が居る場合のこと。
お浣腸の容器を一つ、右手に持ったままちょっと考えてから、休め、の状態で上半身を前に屈め、お尻を後ろに突き出すような格好になりました。
おっぱいがプルンと震え、固くなった乳首が下を向きます。

右手をお尻のほうに回して、お浣腸容器の尖った先端を手探りで、お尻の穴にあてがいます。
このへんかな?
おトイレには鏡が付いていないので確かめようがありません。
左手も後ろに回して、指先で自分のお尻の穴を確かめます。
左手の指先で自分のお尻の穴を押し広げるように、お尻のお肉をひっぱります。
今、自分がやっていることの恥ずかしさ、いやらしさ、ヘンタイさにふいに気がついて、アソコの奥がキュンって疼きました。

お浣腸容器の先端が私のお尻の穴を捉えました。
「ああんっ!」
背筋がゾクゾクッとして、思わずえっちな声が洩れてしまいます。
そのままゆっくり、先っぽをお尻の穴の奥へと挿入していきます。
ネットのお話では必ず、ほら、お尻の力を抜いて!って、やるほうの人に言われていたのを憶えていたので、私も力を抜いています。
「ああああーっ」
お尻の穴に何かが侵入してくる感覚がわかります。
思いのほかスムースに、先端がお尻の穴に埋め込まれたみたいです。

それからゆっくりと容器の側面を押して、お薬を中に入れていきます。
「ううーーんっ」
冷たい液体がお尻の奥へと注ぎ込まれていくのがわかります。
なんだかヘンな感覚・・・
容器がペッチャンコになるまで押してから、そーっと引き抜きました。

「ふーっ」
上体を起こして、今引き抜いたばかりのお浣腸容器の先端部分をしげしげと見てみます。
これが今、私のお尻の穴に入っていたんだ・・・
容器には、四分の一くらい、まだ液体が残っていました。
さあ、これから私に何が起こるのでしょう?

念のために便器のふたを開けていつでも座れる状態にして、休め、の姿勢で立っていました。
ほどなくお腹がムズムズし始めて、キューッと痛くなってきました。
えっ!?こんなに早いの?
お腹がグルッて鳴りました。
この痛さは、お腹をこわしておトイレが近くなっているときのせっぱ詰まった状態と同じ感じです。
えーっ!?こんなのがまんできないよーっ!
お尻から何かが出よう出ようとしているのを、お尻の穴をキュッとすぼめてがまんしようとします。
でもお薬の攻撃は容赦ありません。
お腹が耐えられないくらいグルグル痛みます。
もうだめーーっ!

サッと便座に座ると同時にお尻の穴から、ジャーッと水状のものが流れ出ました。
「はあ、はあ、はあ・・・」
便座に座り込んだまま荒い息を吐いて、ふと腕時計を見ました。
お薬注入から2分も経っていませんでした。

こんなに呆気ないものなの?
なんだか拍子抜けしてしまって便座に座ったまま、お薬の箱に入っていた使用上の注意を読んでみました。
そこには、便意が強まるまで3分から10分くらい待つこと、使用後、すぐに排便を試みると薬剤のみ排出され、効果がみられないことがある、って書いてありました。

便器の底に残っている、私がさっき出した液体を覗き込んでみると、確かに無色透明の液体しか出ていませんでした。
そっか、私、お薬入れて、お薬出しただけだったんだ。
最低でも3分はがまんしなくちゃいけないんだ、よーし、もう一回!
と思ったら、2本目をご使用の際は、一 時間あけた方が効果的です、と書いてありました。
これから一時間待つと、母たちが帰ってきてしまう恐れがありました。

どうしようか?
もう一回チャレンジしてみたいのはやまやまでしたが、さっきからの一連の行為にからだが疼いていて、お部屋でオナニーをしたい気持ちが勝ちました。

結局、ウォシュレットでお尻を洗ってから裸のまま自分のお部屋に戻り、ちゃんとお浣腸を出来なかった罰としてお尻をぶたれたり洗濯バサミを挟まれるお仕置オナニーでその日はがまんしました。
次は絶対、5分はがまんするぞ、って心に誓って。


しーちゃんのこと 22

2011年7月16日

しーちゃんのこと 20

しーちゃんと恋人関係になれる望みが完全に潰えてしまったショックは、約2週間後に迫った学期末試験のお勉強に没頭することで紛らわせていました。
しーちゃんのことを考えそうになるたびに頭をブンブン振り、教科書に書かれた文字をひたすら暗記しました。
学校では、以前とまったく変わらない感じで、しーちゃんとおしゃべりしたり遊んだりするように心がけていたので、まわりのお友達からは、文化祭が終わってますます仲良しになったみたい、なんて言われました。

期末試験が終わった日、しーちゃんが私の家に来て、文化祭のときに展示されていた私の肖像画を、お誕生日プレゼントとしてお約束どおり私にくれました。
抱いて眠れるくらい大きい、フワフワのウサギさんのぬいぐるみと一緒に。
「しーちゃん、スゴイわねー。実物よりもちょっとキレイ過ぎるけど」
母がその絵を見て、すっごく感動していました。

もらってからしばらくは、自分のお部屋にその絵を飾っていました。
試験も終わってしまい、さしあたってやるべきことが無くなってしまった私は、一人でお部屋に居るとやっぱりどうしてもしーちゃんとのことを考え始めてしまいます。

私がもっと早くアプローチしていれば・・・
私の性癖をさっさとお話しておけば・・・
キスだけでも先にしていたら・・・
絵を見つめながら、たら、れば、ばかりをうじうじと考えてしまいます。
こんなに真剣に私の肖像画をステキに描いてくれたしーちゃんは、間違いなく私のこと好きだったはずなのに、私がぐずぐずしているから・・・

「ねえママ?私、しーちゃんのあの絵、すっごく好きなんだけど、なんだか自分のお部屋に飾ってるのは、少しヘンかな、って思ったのね・・・」
「あら?なんで?」
二学期の終業式の日、帰宅した私は母におずおずと告げました。
「なんだか、自分がキレイに描かれた絵を自分のお部屋に飾ってるのって、ナルシストみたいって言うか・・・」
本心は、あの絵を見ると反射的にしーちゃんを思い浮かべてしまうことに、耐えられなくなっていたからでした。
「あはは。それはなおちゃん考えすぎよ?」
「そうかなあ?」
私がうつむいてしまうと、母が私の肩をポンと軽く叩きました。
「でもまあ、なんとなく照れ臭いのはわかる気がするわ。だったらママの部屋にあの絵を飾らせて。あの絵をどこかにしまっちゃうなんて、もったいないもの。ママも毎日キレイななおちゃんのお顔を見れて嬉しいし」

そういうことで、しーちゃんの絵は母のお部屋に飾られることになりました。
そして私は、しーちゃんからもらったウサギさんのぬいぐるみを、毎晩胸に抱いて眠っていました。

しーちゃんがお泊りした次の日からずっと、私にえっちなムラムラ感が訪れなくなっていました。
生理がやって来て去っていっても、私のからだが疼き始めることはなく、心の中では空虚な喪失感が日に日に大きくなっていきました。
もちろんしーちゃんやまわりのみんなには気づかれないように、努めて明るく振舞っていましたが・・・

冬休みに入って、お部屋に一人で居ることが増え、私はインターネットでえっちな読み物を読み耽ることに嵌っていました。
野外露出や恥ずかしいオナニーの体験談とか、創作されたえっちな小説とか。
たぶん、しーちゃんから聞かされたクリスさんとのえっちな体験談、そして今も実体験しているであろうえっちな遊びのあれこれを、私もそういうのを読むことで追体験できるかも、と思ったのでしょう。
しーちゃんとクリスさんに感じているうらやましさを、ごまかしたかったんだと思います。
ムラムラな気持ちはおこらないまま、何て言うか、普段している読書と同じように、知識欲に衝き動かされる感覚で、そういうお話が載っているサイトをいろいろ検索しては、淡々と熱心に読んでいました。

中にはいくつか、私の性癖をくすぐる刺激的なお話もありました。
でもどんどん探して読んでいくうちに大半のお話は、私には合わないことがわかりました。
男性視点の、女性をヤル、っていうお話ばかりだったからです。
でも考えてみれば、こういうお話を読むのは、ほとんどが男性ですから、それはしごくあたりまえのこと。
女性向け、とわざわざ断わったサイトでも、書かれているのはだいたい男女のロマンス。
それがノーマル。
ヘンなのは私。
男性のモノが具体的に描写されるお話は、それがどんなに被虐的で私が気に入るシチュエーションだったとしても、読み進めることができませんでした。

インターネットも私を慰めてくれないんだ。
サイト巡りを始めて一週間で、そんな結論に達し、モヤモヤした気持ちのまま新年を迎えました。

お正月休み中も、お友達とたまにお出かけしたとき以外は、お部屋でゴロゴロしていました。
オナニーをしたい、っていう欲求も相変わらず湧かず、自分でも、このままで大丈夫なのかな?と思いつつも、他にしたいことも無く、しーちゃんから借りていたライトノベルを読み始めました。

「どうしてこんな簡単なことに気付かなかったのかしら!」
「ないんだったら自分で作ればいいのよ!」
そのライトノベルの中で、少しエキセントリックな女の子が、自分に合う部活動が無くて憤っていたとき、主人公の男の子に言われた何気ない言葉によって活路を見出して、発せられたセリフです。

それを読んだとき、私もその女の子と同じように目からウロコでした。
そうか、ネット上に無いなら、自分で書けばいいんだ!

せっかく文芸部に入って、文章の作法も教えてもらっているのだから。
妄想のネタなら、今までもずいぶん考えてきたし、それなりの体験もしたし。
私が読みたいと思うようなお話を、自分で書いてみよう。
その日の夜から早速パソコンに向かい、自分のえっち妄想を物語風に書き始めました。

最初に選んだのは、中三の修学旅行の後、しーちゃんにお友達以上の感情を抱き始めた頃に見た夢をもとに、盛んにオナニーのオカズにしていた、あの妄想。
しーちゃんが相原さんにさらわれて、私が助けに行って返り討ちにあい、相原さんに散々いたぶられる・・・
あの妄想をちゃんと文字にしてみよう。

さすがに自分やお友達の本名で書くのは気恥ずかしいので、それぞれ名前を考えることにしました。
私が好きなマンガや小説の登場人物を参考に、私が榊ゆかり、しーちゃんは日向ちよ、相原さんは小笠原亜弓と名づけました。
最初は小説風に、三人称で書き始めてみたのですが、客観的に書かなければならず、登場人物にもなりきれないのでなんとも書き辛くて、一人称に変更したら、ずいぶん書きやすくなりました。
物語の辻褄とかはぜんぜん気にしないで、とにかく私、いえ、榊ゆかりが苛められる場面から書き始めてみました。

頭の中では、ゆかりがいたぶられているシーンがどんどん浮かんでくるのですが、いざそれを文章にしてみようとすると、けっこう難しいことでした。
両手を後ろ手に縛られ、ベッドに仰向けに転がされ、大きく両膝を広げられた、と書いてから、実際、どんな格好になるんだろう?って思い、パジャマと下着を脱いで、ベッドの前に姿見を置いて、両腕を後ろに組んだままベッドに寝転んでみます。
ああ、こういう風に見えるんだ、いやらしい・・・
その姿をしっかり目に焼き付けてパソコンのある机に戻り、今見た自分のアソコの描写を書き込みます。
右膝は縛っちゃったほうがいいかな?
またベッドに戻り、今度は右膝だけ折り曲げて両脚を開いてみます。
左脚は吊るしちゃおうか・・・

そんなことをくりかえしているうちに、私はすっかり発情していました。
何度目かにベッドに戻ったとき、ついにがまんできなくなってしまい、自分の裸のからだをすごい勢いで撫ぜ回し始めていました。
どんどん気持ち良くなっていく自分のからだの感覚を、どう文章に表現しようかって思いながらも、盛大にイってしまいました。

妄想した行為を描写するために自分でやってみて、それを見て文章にしつつ、ついにがまんできなくなって・・・という一連の作業、妄想執筆オナニーがすっかり気に入ってしまい、それから毎晩、お休みが終わって学校が始まっても、私は夜な夜な、榊ゆかりシリーズを書き続けていました。
ゆかりをどうやって苛めるかを考えるのが楽しくて、その苛め方を実際自分のからだでやってみるのも楽しくて、後で読み返すのも恥ずかしいけれど楽しくて・・・

もちろん、そんな文章を書いていることは、絶対誰にも知られたくないので、書いた文章は外付けのUSBメモリにそのつど移し、パスワードをかけて絶対見られないようして持ち歩いていました。

文章の中でなら、ゆかりにいくつでも洗濯バサミを噛ませることができます。
そういう描写を書いていると、私も実際にたくさんの洗濯バサミを肌にぶら下げたくなってきます。
とくに乳首を噛ませてみたくて、仕方ありませんでした。
でも実際には、本当にすっごく痛くって無理でした。
そこで一生懸命考えて、二つの洗濯バサミだけバネの力が弱まるように細工しました。
一般的なプラスティックの洗濯バサミは、円状の細い針金のたわみで締め付けて挟む仕組みなので、この針金を後ろにずらしてあげると締める力が少し弱まるようです。
こうして弱まった洗濯バサミなら、なんとか乳首に付けられるようになりました。
最初に、乳首を噛ませた自分の姿を鏡に映したときは、痛かったけれど、すっごく嬉しかった。

露出行為をしている心境を生々しく書いてみたくって、あることを試みたのは、一月の中頃でした。
と言っても、臆病な私に大胆な露出行為が出来るはずもなくて、たいしたことではありません。
バレエのレッスンにタイツもインナーショーツも着けずに出てみたんです。

高校生になってからのバレエレッスンは、私の場合、基礎はすでに終えていたので、個人練習みたいなものになっていました。
中学生がグループレッスンをしている一角についたてをして、自分の課題曲を音楽プレイヤーのイヤホンで聞きつつの個人練習。
それをたまにやよい先生が見に来てアドバイスをくれる、という形でした。

タイツをわざと忘れてきた私は、インナーも穿かず、じかにグリーンのレオタードに両脚を通しました。
パッと見ただけではわからないでしょうが、踊り始めて脚を上げたり、ジャンプしたりすれば、どんどん食い込んでしまうはずです。
ドキドキしながらレッスンルームに出ました。

私の2メートルくらい隣で愛ちゃんが夢中で踊っています。
そのまた向こうにももう一人。
私を含めて三人が、鏡に全身を映して、それぞれ個人練習をしていました。
私の下半身は案の定、激しい動きでスジの形通りに食い込んできていました。
濃いめのグリーンなのであまり目立ちませんが。

ああ、恥ずかしい・・・
どうか誰も気がつかないで、私のこんないやらしい姿・・・
鏡に映った自分の姿を見ながら、それでもスジの食い込みを直そうともせず踊りつづける私のアソコは、すでにヌルヌルになって少し表布に染み出してもいました。
タイツを忘れてきた私への罰、それはスジを食い込ませた恥ずかしい私の姿をみんなに晒すこと・・・
見ないで・・・でも見て・・・

頭の中でそんなえっち妄想を昂ぶらせつつ、課題曲の練習をしていると、
「森下さん、ちょっと動きにキレがないわよっ!」
ふいに背後からやよい先生に声をかけられました。
「きゃっ!」
私は大げさに驚いて、思わず股間を両手で隠してしまいました。
「あ、驚かせちゃった?ごめんごめん。でもその部分はもっと大胆に、歯切れ良く演じたほうがいいわよ」
そう言いながらやよい先生が、そのキレイな肢体をのけぞらせて、私が今やっていた箇所を踊ってくれました。
「あ、はいっ。がんばります」
私は、不自然にならないように股間からサッと両手をはずし、すぐにやよい先生がしたように踊ってみせます。
「そうそう、そんな感じ。その調子ね」
やよい先生は、私にニッと笑いかけ、愛ちゃんのほうに移動していきました。
よかった、バレずに済んだみたい。
最高潮に達していた私のドキドキが緩んでいき、同時に下半身でジワッと何かが溢れ出たのがわかりました。
ああんっ!

今から思えばあの頃、私はしーちゃんにもフられて、かなり自虐的な心境になっていたんだと思います。
とにかく自分を苛めたくて、みじめな姿にしたくて、仕方ありませんでした。

そしてもう一つ、私がゆかりにぜひとも体験させてみたいプレイがありました。
ネットで読んだお話の中の誰もが、とても苦しそうで、恥ずかしそうで、そのくせなんだかとても気持ち良さそうに見えた、すっごく被虐的な責められかた。
ゆかりに体験させるためには、私も実際に体験してみなければなりません。
そのプレイとは・・・


しーちゃんのこと 21

2011年7月10日

しーちゃんのこと 19

まっ先に一階の洗面所に寄り、冷たいお水で顔を洗って、トイレをして、しーちゃんのお家にお電話した後、母にしーちゃんが泊まることを告げました。
やっと気持ちが落ち着いてきました。
再び自分のお部屋に戻ってからは、いつもお話しているアニメやマンガなどの話題を、普段どおりにいろいろおしゃべりして、やっぱり、しーちゃんとお話するのは楽しいな、って感じていました。

お夕食を、母と篠原さん親娘としーちゃんとでワイワイ食べた後、また二人で私のお部屋に戻りました。

「胸につっかえていたことをなおちゃんにちゃんと話せて、なおちゃんもワタシたちを理解してくれて、これからもお友達でいてくれるってわかったら、なんだか一気にスッキリしちゃったヨ。だから、もっとエッチなヒミツも全部、この際教えてあげるネ」

そう言って、明るいお顔に戻ったしーちゃんがその後聞かせてくれたお話は、つまりは二宮先輩としーちゃんとのラブラブなお惚気話だったのですが、しーちゃんは知らないはずの私の性癖をピンポイントで刺激しまくる、二人をすっごくうらやましく感じてしまうお話でした。

鳥越先輩のお家で初エッチをした後、しーちゃんのお部屋や二宮先輩のお家、たまには鳥越先輩のお家で、夏から秋にかけて、二人は何度も何度もえっちなことをしたんだそうです。

「クリスの家はネー、すんごい豪邸なんだヨー。なおちゃんちにも負けないくらい」
しーちゃんの二宮先輩に対する呼び方が、いつの間にかクリスって愛称に変わっていました。
先輩なのに、いいのかな?

「お父さんがどっかの大きな会社の社長さんらしくて、お手伝いさんとか執事さんまでいるんだヨ」
「クリスは三人姉妹の真ん中。クリスの部屋もすんごく広くて、当然、お姫さまベッドだった」
「でも、クリスの家に初めて行ったのは、二学期始まってからで、その前に行った夏の合宿がまた、スゴかったんだヨ」

「合宿のときは、顧問の井上先生のお友達っていう、プロのモデルの人が来て、その人のヌードデッサンもやったのネ」
「その人がすんごく美人さんでキレイなからだでネー。20代半ばくらいなのかナ?おっぱい大きくて、乳首がツンとしてて、アソコの毛もキレイにカットしてお手入れしてあって」
「落合先輩によると、毎年来てくれてるんだって。今年で3年目だけど全然からだの線が崩れてなくって、それどころか見るたびに一層キレイなプロポーションになってる、って」
「アダルトビデオの人なんじゃないか?なんて憶測もあったんだけど、井上先生は笑って否定してた。去年、落合先輩がネットのそういうサイトで顔を頼りに検索しまっくったときも、みつからなかったんだって」
「それで、そのデッサンをやった日の夜は、みんなコーフン気味だったんだ。えーっと、性的なイミでネ」

「で、ワタシたち6人は同じお部屋だったんだけど、負けたらカード交換と同時に服も脱がなきゃいけない、ストリップ大貧民が始まったんだヨ」
「大貧民は二枚、貧民は一枚、負けたら何か着ているものを脱がなきゃいけないのネ。富豪と大富豪は、その脱いだ服ももらえるの。脱ぐものが失くなったらエッチな指令になるのネ」
「夏だからみんなTシャツにジーンズと下着くらいじゃない?身に着けてるの。だから3回くらい大貧民がつづくともうハダカンボ」
「富豪とかに返り咲ければ、貧民がまだ服を持っていれば返してもらえて着れるんだけど、返ってくるのが自分の服とは限らないのネ」
「マッパなのにTシャツだけ返ってきたりすると、それだけ着たりして。下半身ヌードでチビTだけって、すんごくいやらしい感じなんだヨ。それ披露したのは村上先輩で、あの人おっぱいバイーンだから、すんごくエッチかった」

「クリスは最初の3回ずっと大貧民で、たぶんワザと負けてたんだと思う。早々と脱ぐものが失くなっちゃってて」
「ワタシはだいたい貧民から平民の間をウロウロしていて、辛うじてショーツ一枚はキープしてたんだけど、クリスへの誰かの指令は全部、ワタシがクリスにやらなきゃいけないことになってたのネ、まだつきあい始めたばっかだったから」
「最初のうちは、キスしなさい、とか、おっぱいを3回揉みなさい、とかソフトな指令だったんだけど、鳥越先輩が強くてネー。自分の周りにみんなの服や下着ほとんど集めて、イジワルな指令をしてくるんだヨ」
「乳首を勃たせなさい、とか、アソコの毛を一本抜きなさい、とか、ワタシとクリスは、さんざんいじられちゃったヨ」

「結局、鳥越先輩以外はほとんどハダカンボになっちゃってて、そのうちお互いのパートナーとイチャイチャしだして」
「そのペンションは、うちのOBの経営で合宿の日は貸切状態なんだって。だから少しくらいエッチな声出しても大丈夫、って言われたから、もうみんな大胆だったヨー」
「井上先生も、あのモデルの人と楽しんでいるはずよ、なんて落合先輩が言ってた。嘘か本当かわからないけど」

「二学期始まってからも、部活の後にお互いのお家を行き来して、いろいろ遊んでたのネ」
「それで、クリスといろいろそういうことしているうちに気がついたんだけど・・・」
「クリスはネ、そういうことをしてるとき、お尻をパチンて叩かれたり、乳首を強くつままれたりすると、すんごく反応して、何て言うか、喜ぶのネ」
「これはよくエッチぽいマンガに出てくる、アレだな、って思ったヨ」
「わたしマゾっぽいよね?ってクリス自身も言ってた。それで、ワタシもそうやってクリスのお尻叩いたり、乱暴におっぱい掴んだりすると、異様にコーフンしちゃうことに気がついちゃったのネ」
「ワタシ、Sッ気、強かったみたい・・・自分でも知らなかったヨ」

「被虐願望、っていうのかナ?自分を可哀想でみじめな状況に追い込んでコーフンするタイプ。クリスはそういうのがとっても好きみたいなのネ」
「でも、面白がってただイジメているワケじゃないんだヨ。ワタシはクリスが大好きだから、クリスがやって欲しいと思ってることを、やってあげたいだけなんだから」
「だから最近はネ、みんなといるときは普通に先輩と後輩みたいに振舞っているんだけど、二人きりになったら、ううん、鳥越先輩たちと一緒のときもそうかな?」
「そういうときには完全にSとMの関係になっちゃってるのネ」

しーちゃんが本当に楽しそうなお顔でお話してくれます。
私は、しーちゃんのお話にグイグイ引き込まれて、相槌をうつのも忘れてしーちゃんのよく動く唇を見つめていました。

「ワタシの目が届かないところでは、無防備な格好をしちゃダメ、って約束だから、ワタシの許可がないと、今は人前で裸でモデルとかしちゃイケナイことになってるのネ」
「だけどワタシが、やって、って言ったら、そのときがどんな状況でも、他の人にみつからないように、ちょこっと恥ずかしいこととか、しなくちゃイケナイの、クリスは」

「たとえばワタシが、次の休み時間、ってクリスにメールするでしょ?そうするとクリスは、次の休み時間にワタシがクリスの教室に顔を出すまでにパンツを脱いでおいて、ワタシが教室に来たら、そのパンツをワタシにこっそり手渡さなくちゃイケナイのネ」
「ワタシが次にメールを入れるまで、クリスはノーパンのまま授業を受けなければイケナクなるワケ」
「始めた頃は、クリスもどこでいつ、パンツを脱げばいいのかわからなくて、ワタシが教室に着いてもまだ脱いでなかったのネ。廊下の隅の人目につかないところでコソコソ脱いでもらったヨ」
「クリスが廊下の隅っこで恥ずかしそうにパンツ脱いでいる、その姿がカワイクって。クリス、身長が高いから、普通に立ってると目立っちゃうでしょ?だから両膝屈めて小さくなって、よろけたりして」
「パンツを膝の下くらいまで下げたときが、一番恥ずかしい、って、顔真っ赤にして言ってたヨ」

「それからしばらく、クリスは授業が終わったらすぐトイレに駆け込んで、個室で脱いで、ワタシに渡してたようなのだけど、ワタシも意地になるから、クリスにトイレに行く時間を与えないように、急いでクリスの教室に行くようにしたのネ」
「ワタシが教室に顔を出して、そのときクリスが教室にいないと、その日の放課後デートは中止になっちゃうから、クリスも真剣に考えたみたいでネ」
「両サイドをヒモで結ぶ式のパンツを穿いてくるようになったの。それなら、ワタシからメールが来たらすぐ、授業中でもなんとかこっそり脱げるじゃない?」
「でも、それじゃあちょっとツマラナイから、ワタシはすぐ、ヒモパン禁止令を出したのネ。そしたら最近はクリス、普通のパンツでも、なんとか先生やみんなの目を盗んで、授業中に脱いでいるみたい」

そう言われてみれば、二学期になってからしーちゃんが、授業中にコソコソとメール打っていたり、休み時間になった途端に廊下へ飛び出していくところを何回か目撃していました。
そんなにえっちで楽しそうな遊びをやってたのか・・・

「うちの学校の制服にはベストがあるから、ブラでやらせたこともあるヨ。ベストしてればノーブラばれないから」
「ブラのときは、さすがにみんなのいる教室ではずすのは無理だから、二人でトイレの個室入って、ワタシがはずしてあげるのネ」
「ノーパンやノーブラのとき、先生に指されて教科書読まされたり、前に出て問題解かされたりすると、すんごくドキドキして感じちゃうんだって」
「そういう遊びをした後の放課後デートはスゴイんだヨ。クリスが感じまくっちゃってネ」

「一度、ノーパン指令が体育の時間にかかっちゃってネ」
「クリスは仕方ないからジャージを直穿きして臨んだんだって」
「クリスのジャージ、ちょっとウエストゴムが緩くなってて、間の悪いことにその日は鉄棒の授業」
「クリスは運動神経、すんごくいいの。スポーツは何でも得意みたい」
「先生に指名されて、みんなへの模範演技として足掛け回りやってみせている間中、今ここでジャージのゴムが切れちゃったらどうしよう、ジャージがずり下がっちゃったらどうしよう、ってずーっとドキドキしっ放しですんごいコーフンしちゃったんだって。ジャージの内側がベトベトになるくらい」
「だけど頭の片隅では、ゴムが切れちゃうことを願ってたかもしれない、みんなにジャージがずり下がったノーパンのお尻を見られちゃうことを望んでたのかもしれない、なんて、すっごく恥ずかしそうに真っ赤になってワタシに言うのネ。それがまたカワイクってネー」

「クリスを恥ずかしがらせるアイデアは、鳥越先輩たちと考えたり、クリスが自分でアイデア出すこともあるんだヨ。それも、すっごく嬉しそうに」
「面白そうでクリスも乗り気なアイデアでも、あんまり過激すぎるのは却下。先生とか頭が固くて融通の利かない一般の生徒にヤバイ現場を見られちゃうのはマズイからネ、そのへんは気をつけてるヨ」
「小川先輩がクリスと同じクラスだから、いろいろフォローしてくれてるみたい。クリスが教室でヘンなことをしてるの、他のみんなにみつからないように」
「その代わり、クリスがノーパン状態のときにワザとスカートつまんでみたり、ノーブラのときにタッチしたり、まわりには悪フザケっぽく見える範囲でちょっかい出して、クリスを教室でも辱めてあげてるみたい。それを後でワタシに教えてくれるの」
「小川先輩も鳥越先輩と二人だと、完全に、受け、状態らしいんだけどネ」

しーちゃんは、本当に楽しくてしょうがない、という様子で、クリスさんのお家の美人姉妹さんのこととか、しーちゃんちに来たときのご両親の反応とか、その他いろいろ、いっぱいお話してくれました。
私は、しーちゃんとクリスさんの関係が、うらやましくてうらやましくて、仕方ありませんでした。

二人でベッドに横になって電気を消して、もう寝よう、ってなったとき、私のほうを向いた気配がして、こんなことを言いました。

「ワタシ、今こんなふうにクリスと遊んでること、マンガに描いてみようって思ってるんだ。こんな経験を実際にしてる人って、きっとめったにいないだろうから。出来上がったらまっ先に、なおちゃんに見せてあげるネ」

しーちゃんの言葉が途切れて、やがて規則正しい寝息が聞こえてきました。
私は暗闇の中で目を開いたまま、だんだんと闇に目が慣れて薄っすらと見えてきた、天井の白い幾何学模様をボンヤリ眺めていました。

後輩である可愛らしいしーちゃんからえっちな指令を出されて、それを羞恥に震えながらもけなげに実行する美しい上級生のクリスさん。
そんな遊びで燃え上がったお互いのからだを、最後は二人きりで思う存分貪り合う・・・
それは、まさしく私が理想とする百合カップルの姿でした。

お話疲れしちゃったのか、私の隣でしーちゃんが無邪気なお顔でグッスリ眠っています。
私もぐったり、心身ともに疲れきっていました。
この数ヶ月の間にしーちゃんは、私よりも遥かに高く、オトナの階段をのぼっていました。
今、しーちゃんに抱きついたら、しーちゃんは私のお相手をしてくれるだろうか?
そんな不埒な考えが一瞬頭をよぎります。

いえいえ、私の身勝手な衝動で、しーちゃんとクリスさんのステキな関係を乱すわけにはいきません。
しーちゃんは、私の大事な大事な親友なんだから。
私は、しーちゃんのお顔に自分の顔を近づけ、その柔らかいほっぺに唇を一度だけ触れさせてもらってから、仰向けに戻って両目を瞑りました。


しーちゃんのこと 20

2011年7月9日

しーちゃんのこと 18

「お風呂で二宮先輩にからだを洗ってもらったときの感触が気持ち良かったから、忘れられなくて、ある日の夜に自分の部屋で、自分で同じようにからだをさわってみたら、だんだんヘンな気持ちになってきちゃってネ」
「ここなんて・・・」
しーちゃんが自分の股間を指さします。
「ヌルヌルになっちゃってて、それでもいろいろ弄っていたら、今までに感じたことないような気持ち良さの波がやってきて・・・」
しーちゃんは、すっごく恥ずかしそうにうつむいて、しばらく言葉が途切れました。
私も何も言わず、しーちゃんが再び語り始めるのを静かに待ちました。

「それで、二宮先輩にもう一度ワタシのからだ、さわって欲しいナー、なんて考えていたら、8月の中旬、夏休みの合宿の前に、打ち合わせでまた、鳥越先輩のお家に集まることになったのネ」
「その日は、デッサンとかはしないで、合宿に持っていく荷物の分担とか、向こうでやる遊びの企画とかを話してたのネ。二宮先輩は、清楚な感じの白いノースリワンピ、着てたナ」
「鳥越先輩たちは、ワタシたちがつきあい始めたことに興味シンシンでネ、いろいろ冷やかしたり、質問してきたりするの」
「それで、その日の先輩たちは、なんだかみんなエッチでサ。その手の話ばっかりで盛り上がってたの」
そこで、しーちゃんはじっと私を見つめてきました。

「なおちゃんも薄々勘付いてると思うけど、鳥越先輩と小川先輩、落合先輩と村上先輩は、カップルなのネ。おつきあいしてる恋人同士なの」
「美術部には、他にも二組、あ、ワタシたち入れると三組か、百合なカップルがいるんだ」
「前に、お姉ちゃんにそれとなく聞いてみたことがあるのネ。あの人、学校内のそういう事情に詳しいから。そしたら美術部って、伝統的に代々、百合カップル率が高いことで、生徒会では有名なんだって」
「美術部のビは、ビアンのビ、なんて格言があるくらい。そういうのは、格言って言わないけど」
「絵画とか美術に興味のある人には、そういう嗜好の人が多い、なんて説は聞いたこと無いんだけど、なぜだか美術部では、カップル成立率が高いんだよねー、って笑ってた」
「ワタシに向かって、あんたは絶対にその手の人には受けいいから、その気が無いんだったら充分気をつけなさい。でももしその気があるんだったら、きっと天国よ。なんて、からかわれちゃった」
しーちゃんがクスッと笑いました。

「それで、鳥越先輩のお家で、先輩たちがエッチな話で盛り上がってたとき、小川先輩がワタシに、ひとりエッチしてるの?って聞いてきたのネ」
「ワタシは、さっき言ったみたいに、その気持ち良さを知ったばっかりで、正直に言っちゃうと、毎晩、っていうくらいしてた・・・」
しーちゃんが上目遣いに私をチラッと盗み見て、すぐにつづけます。
「でも、絶対そんなこと言えないから、黙ってうつむいてたのネ」
「そしたら鳥越先輩が、ひょっとしてやりかた、知らないんじゃないの?とか囃し立ててきて、みんなでワイワイ言い出して、それじゃクリス、やって見せてあげなよ、って話になって・・・」

「ワタシ、先輩たち、まさか二宮先輩に、みんなが見ている前でそういうことをやらせようとしてるのかな、って思っちゃって。みんなエッチな感じでニヤニヤしてたし・・・」
「でも、二宮先輩は今はワタシの恋人なんだから、そんなのヒドイと思って、ワタシは二宮先輩のそんな姿を他の人には見せたくないと思って、何か言わなきゃって思ったのだけど、言葉が出てこなくて・・・」
「でもさすがに先輩たちはみんなオトナで、その後すぐ、いつかみたいに4人で夕食の買出しに出かけてくれて、ワタシたち二人きりにしてくれたのネ」
「また先輩たちに乗せられてるナー、ってちょこっと思ったけど・・・」

「で、二宮先輩が、見たい?って聞くから、ワタシ黙ってうなずいて、二宮先輩がソファーに浅く腰掛けて、恥ずかしそうにワンピースの肩紐ずらして、スカートの裾まくって・・・」
「二宮先輩のせつなげな声が聞こえてきて、しのぶちゃん、こっちに来て、さわって、って言われて」
「ワタシもがまんできなくなって、二宮先輩に抱きついて、キスして、お互いのからだをまさぐりあって・・・」
「二宮先輩の指で、何回もイっちゃった・・・」
しーちゃんは、私の顔を見ずに、うつむいたまま言いました。

「それで、二人ともほとんど裸のままソファーで抱き合ってグッタリしてたら、先輩たちが帰ってきちゃって、お二人さん、結ばれたのねー、なんて冷やかされて」
「わたしもムラムラしてきちゃったー、って小川先輩が言って、鳥越先輩にキスし始めて、落合先輩と村上先輩も服を脱ぎ始めて」
「結局その後は6人とも、ほとんど裸の状態でごはん食べたりゲームしたりして、ずっとイチャイチャしちゃった。裸でツイスターゲームやると、すんごくエッチなんだヨー、ありえないポーズになっちゃったりして」
楽しそうにしーちゃんが言った後、しまった、っていうお顔になって私を見ました。

「なおちゃん?やっぱりヘンだと思ってるでしょ?女同士でそんなことして・・・」
「ううん・・・」
即座に否定したものの、その後につづける言葉がみつかりません。

私は、すっごくうらやましい気持ちでした。
そして、悔しい気持ちと寂しい気持ちもありました。
その気持ちの正体はわかりきっているのですが、認めたくなくて、私は、唐突に中三のときに経験した相原さんとのことを、しーちゃんに話し始めていました。

相原さんが図書室で裸になっていたことや、二宮先輩みたいな裸になりたがり、だったことは伏せて、図書室で知り合って、相原さんのお家に呼ばれて、そこで抱き合った、ということだけをお話しました。
相原さんにさわられて、相原さんにさわって、すっごく気持ち良くって、相原さんをどんどん好きになっていった、っていうことは、包み隠さず正直に告白しました。

私の告白を聞き終えたしーちゃんのお顔には、なんだかホッとした、みたいな安堵の表情と、聞きたくなかった、みたいな寂しげな表情が入り混じった、複雑な表情が浮かんでいました。

しばらく二人とも黙ったままでした。
しーちゃんが自分の腕時計にチラッと目をやって、ンーーッって大きく伸びをしてから居住まいを正し、あらためて私の顔を見つめて語りかけてきました。

「それで、昨日文化祭で、なおちゃんが部室に来てくれたでしょ?あの後、二宮先輩に言われちゃったの。わたしたちのこと、森下さんには言ってあるの?って」
「きっと森下さんはしのぶちゃんのこと大好きだし、しのぶちゃんも彼女のこと好きなんでしょ?って。二人が親友だったら、わたしたちのこと、つまりワタシと二宮先輩がつきあっていることを、たとえば他の人から聞かされたり、風のウワサで知ったとしたら、森下さんは、あんまりいい感じがしないだろう、って」
「親友だからこそ、ちゃんとしのぶちゃんの口から、言っておくべきじゃない?って」

「ワタシも別に隠すつもりはなかったのだけれど、夏休み中はあんまりなおちゃんと会えなかったし、二宮先輩と実際に深い関係になっちゃったら、なんだか恥ずかしくって、言い出せなくて・・・」
「だから今日、なおちゃんに全部言って、謝ろうと思って、来たのネ・・・」

「謝るなんて・・・」
私は、自分の胸の中で騒いでいる落胆の気持ちを一生懸命抑えつけながら、つとめて普通の感じを心がけて、言いました。
「しーちゃんが私に謝る必要なんて、全然ないよ。しーちゃんが可愛くて魅力的な女の子だからこそ、ステキなパートナーさんと巡り会えたんだから」
「しーちゃんが誰とおつきあいしていても、私はしーちゃんのこと大好きだし、しーちゃんが二宮先輩とシアワセになるなら、私いくらでも応援するよ」
「ほんと?ありがとーっ!そう言ってくれるとワタシも嬉しいヨー」
しーちゃんが私の両手をとって、ギューッと握りしめてきました。

「ワタシ、昨夜、なおちゃんのお家に明日行こうって決めて、ベッドに横になったとき考えたんだ・・・」
「ワタシ、本当はなおちゃんと、二宮先輩とのおつきあいみたいな関係になりたかったんじゃないのかナー、って」
「なおちゃんをそういう関係に誘いたかったんだけど、どうすればいいのかわからなくって・・・」

それは私も同じことでした。
少なくとも夏前までは、私のほうがえっちなことに関しては、リードすべき立場でした。
でも私がグズグズしているうちに、しーちゃんには二宮先輩というステキなパートナーが現われて、私の恋心はまた一人ぼっちで、取り残されてしまいました。

「私もしーちゃんと、そういう関係にもなってみたかった気持ちはあったんだけど、タイミングが合わなかったみたいだね」
「ステキな人をみつけたんだから、今はその人を大切にしなきゃ」
「私としーちゃんは、これからもずっと親友だし、何があってもずーっと、私はしーちゃんの味方だから」
なるべくしんみりしないように、明るめな声を出して、私はしーちゃんへの恋心をあきらめようとしていました。
「そうだ、今日はうちでお夕食も食べて、泊まっていきなよ?二宮先輩とのこと、もっと聞きたいし」
「私、しーちゃんのお家に電話して、お泊りの許可、もらってくるっ!」
これ以上ここに二人でいると、涙がこぼれてきちゃいそうだったので、サッと席を立って、私は階下に駆け出していました。


しーちゃんのこと 19

2011年7月3日

しーちゃんのこと 17

お約束通り、5時から講堂で演劇とバンド演奏を観て、この日は6時半に文化祭が終わりました。
クラスのお教室で後片付けをしてから、美術部の人たちと打ち上げがあるというしーちゃんと別れ、私も文芸部の部室でささやかな打ち上げをして、お家に帰ったのは夜の8時過ぎでした。

寝る前に、どうしてもニノミヤさんの裸の絵とレオタード姿が思い出されて、オナニーをしたい気持ちもあったのですが、それ以上にからだが疲れきっていたみたいで、あっさり眠りに就いていました。

翌日は振り替え休日。
文化祭の後片付けが残っている人は登校しなければいけませんが、それ以外の人はお休み。
私は昨夜、ヤキソバに使った重たいホットプレートも持って帰っていましたし、図書室もすっかり普段通りに戻しておいたので登校する必要は無く、朝の10時過ぎまで、ゆっくり惰眠を貪りました。
お昼は、母と一緒に食べながら文化祭でのしーちゃんのゴスロリ姿や描いてくれた絵のことをコーフン気味におしゃべりして、午後からは、読みかけのコミックスを自分のお部屋でベッドに寝転んで読んだりしてダラダラ過ごしました。

午後の3時前に携帯電話が鳴って、出てみるとしーちゃんからでした。
これから私の家に遊びに行っていいか?という内容で、もちろん私にノーと言う理由は今も昔もまったく無いので、しーちゃんが来ることになりました。
3時少し過ぎくらいに現われたしーちゃんと、最初はリビングで母と3人でお茶を飲みながら、また文化祭の話題をしばらくしていました。
3時半頃、母がお夕食のお買い物へ行くと席を立ったので、しーちゃんと二人で私のお部屋に移動しました。

お部屋でもしばらくは、昨日の友田さんのステージはカッコ良かったね、とか、演劇部のお芝居はなんだかよくわからなかったね、とか他愛もないおしゃべりをしていました。
しーちゃんは、なぜだかいつもより言葉少なでした。
会話が途切れて、何気なくしーちゃんのお顔を見たとき、なんだか思いつめたような表情になっているのに気がつきました。

「しーちゃん、どうかしたの?何かあったの?」
「うんとネ、今日はネ、どうしてもなおちゃんにお話しておかなければならないことがあって、来たの・・・」
「・・・たぶんなおちゃん、びっくりすると思うけど・・・なるべくびっくりしないで、聞いて・・・」
「なおちゃんには、ちゃんと言っておかないといけない、って思ったから・・・」
しーちゃんのお顔は、今までみたことないくらい真剣でした。

「ワタシネ、今、二宮先輩とおつきあい、してるの・・・」
しーちゃんが思い切るみたいに言って、私の顔を見つめてきます。
「おつきあいって言っても、百合ごっこ、みたいのじゃなくてネ、キスもしたし、もっと先までももう・・・」
しーちゃんの突然の告白に、私は文字通り、口をポカンと開けて絶句していました。

「気持ちワルイよネ?女同士でなんて・・・」
ポツンとつぶやいたしーちゃんの言葉に、私は激しく反応しました。
「ううん。ぜんぜん気持ち悪くなんてないっ!女同士だって私、ぜんぜんいいと思う!」
「ほんと?なおちゃん・・・」
しーちゃんがうつむいていたお顔を上げて、再び私を見つめてきました。

私の頭の中は、激しく混乱していました。
しーちゃんが二宮先輩とおつきあいしている・・・
もうキスも、その先までもヤっちゃった・・・
女同士は気持ちワルイ?・・・

その三つしか言われていないのに、それらが何を意味するのか、まったく理解できませんでした。
混乱している頭をごまかすみたいに、思いついたことを口にしていました。
「いつから、そんな感じになってたの?詳しく聞かせて」
しーちゃんが宙に目を泳がせ、思い出すような表情でお話し始めました。

私にも教えてくれた6月のヌードクロッキー会の後、もう一度その機会が訪れたのは、明日から夏休みという終業式の放課後、場所は、三年生の鳥越先輩のマンション。
鳥越先輩は、ご両親のお仕事の関係で、学校の近くのマンションに一人暮らししていました。
て言うか、社会人のお姉さんと一緒に暮らしているのですが、お姉さんがカレシさんのお部屋に入り浸って帰ってこないので、結果的に一人暮らしになっていたのだそうです。
前々から、その日はみんなで集まる、って先輩がたに言われていて、しーちゃんも、きっとあの日のつづきをするんだな、って薄々思っていたので、ちょっとワクワクしていたそうです。

いったんお家に帰って、私服に着替えて再び集まったのは、あの日と同じメンバー、三年生の鳥越先輩と落合先輩、二年生の小川先輩と村上先輩、二宮先輩、そしてしーちゃん。
午後の三時過ぎに集まった6人は、そのままお泊り会をする予定でした。
鳥越先輩のマンションは結構広くて豪華で、
「一部屋改造して、アトリエみたいになってるんだヨー」
と、なぜだか自分のことのように自慢そうなしーちゃん。

広いリビングで一息ついて、アトリエでクロッキーを始めたのが午後の4時頃。
今回は、短時間ではなく、しーちゃんのが仕上がるまでっていうことだったので、クロッキーではなくてデッサンでした。
当然のように、二宮先輩がお洋服をすべてスルスルっと脱ぎ、アトリエのソファーに寝そべって、みんな真面目にデッサンを始めました。
アトリエは、美術室より断然明るかったので、二宮先輩のからだの細かいところ、筋肉のつき方や毛の生え際とかまでクッキリとわかり、二宮先輩は、やっぱり薄っすら頬を染め、恥じらいと高揚感が交錯しているように見えたそうです。

休憩を何度か挟んで2時間弱、なんとかしーちゃんも納得出来る作品に仕上がったので、そこでデッサン会は終わりになりました。
二宮先輩以外の先輩がた4人が、お夕食のお買い物に行ってくる、と言って外出してしまい、お部屋にはしーちゃんと二宮先輩だけが残されました。
「たぶん、先輩たちがあらかじめ打ち合わせてて、ワタシたちを二人きりにしたんだヨ」

デッサンが終わっても二宮先輩はお洋服を着ようとせず、しーちゃんは目のやり場に困ったそうです。
ソファーに並んで座って、しばらくお話タイム。

「しのぶさんには、カレシさんとかいるの?」
「いいえ、ワタシはまだそんなの・・・」
「興味ないの?」
「はい・・・」
「わたしのからだ見たの久しぶりだったよね、どうだった?」
「あ、はい。やっぱりすんごくキレイだと思います。憧れちゃう」
「わー、ありがとう。わたし、しのぶさんのこと部室で初めて見たとき、なんてカワイイ子なんだろう、って思ったの」
「はあ・・・ありがとうございます」
二宮先輩が少し黙ってから、内緒話をするみたいなヒソヒソ声で聞いてきました。
「しのぶさん、女同士でおつきあいするのって、ヘンだと思う?」
「あ、いえ、ワタシは別に・・・」

しーちゃんは実際、女の子同士の恋愛もアリだと思っていたし、これから百合マンガを描いていくためにも、自分の身で経験してみたいなーとも思っていたのだそうです。

「それなら藤原さん、わたしとおつきあいしてみない?」
二宮先輩に小さな声でそう言われたとき、たぶん先輩がからかっているんだろうと思ってお顔を見たら、頬をピンクに染めて思いっきり恥らっていて、その姿がすっごく可愛らしくって、たまらなかったそうです。
「それとも、誰か他に好きな人がいるの?」
そう聞かれたとき、パッと浮かんだのが私の顔・・・でも、何も言えず・・・
「こんなふうに人前で裸になっちゃう、はしたない女じゃ、イヤ?」
「そんなことありませんっ!」
この問いにだけは、しーちゃんはすぐに反発しました。

「二宮先輩は、やさしいし、絵もお上手だし、教え方もうまいし、お顔もからだもキレイだし、お話していて楽しいし、ワタシ憧れてます」
「うわー。今まで生きてきて、一番嬉しい褒め言葉よ、それ。ねえ、お願い、藤原さん?わたしとおつきあいしてください」
二宮先輩は、先輩なのに哀願するような言葉遣いになりました。
「わたしはもっとしのぶさんのことが知りたいし、しのぶさんにももっともっと、わたしのことを知って欲しいの。わたしたち絶対うまくいくと思う」
二宮先輩は、そのつぶらな瞳でしーちゃんのことをすがるようにじーっと見つめ、今にも泣き出しそうな感じだったそうです。
しーちゃんは真剣なそのまなざしにあがらえきれなくなって、首をコクンと縦に振りました。

その途端に、泣き出しそうだったお顔が、雲の切れ間からお日様がパーッとお顔を出したように、満面の笑みに変わって、その笑顔が本当に綺麗で、背中に電流が走ったみたいにゾクゾクッてしちゃうほど。
「嬉しいーっ!」
横向きのしーちゃんに抱きついてきた二宮先輩の裸の胸やお腹がしーちゃんに押し付けられ、そのふうわり柔らかい感触といい匂いは、うまく言葉にできないほど心地良いものだったそうです。

やがて先輩がたが帰ってきて、お夕食の支度。
二宮先輩は、裸にピンクのフリルのエプロンだけかけて、せっせとご馳走を作って、みんなでワイワイ食べました。
「クリスがあんなに上機嫌ていうことは、しのぶちゃん、オッケーしたんだね?」
小川先輩が二宮先輩の目を盗んで、しーちゃんに小声で言いながらウインクしてきます。
やっぱりこの会合は、先輩がたに仕組まれたもののようでした。

お夕食の後、しばらく経ってお風呂タイム。
最初に落合先輩と村上先輩、次に鳥越先輩と小川先輩が入り、必然的にしーちゃんと二宮先輩が一緒に入ることになりました。
二宮先輩の前で裸になるのは、しーちゃんにとってかなり恥ずかしいことでしたが、お風呂上りの先輩がたがみんな、下着だけとか、ノーブラにキャミソールとかでお部屋をウロウロしているので、恥ずかしさの感覚が麻痺しちゃって、ま、いいか、になっちゃったらしいです。

「しのぶさんのからだ、スベスベでお人形さんみたいね」
二宮先輩は、そんなことを言いながらしーちゃんのからだをすみずみまで、やさしく丁寧に洗ってくれました。
フワフワのスポンジをたっぷり泡だてて。
「胸とかをやさしく撫ぜられて、ワタシすんごく感じちゃった・・・」
しーちゃんが照れ臭そうに言いました。

その後、二人でゆったりとバスタブに浸かって、見つめ合っているうちになんとなく、キスしてしまいました。
「なぜだか、そうしないとお風呂から出れないような気がしたんだヨ」
しーちゃんが盛大に照れました。

お風呂から上がると、みんな相変わらず下着姿で、三年の先輩は缶ビールなんかも開けて、ワイワイおしゃべりしていました。
二宮先輩が素肌にタオルを巻いたままの格好でその輪に加わったので、しーちゃんもパジャマを着るのがためらわれ、空気を読んで下着だけの姿でおしゃべりに参加しました。
「でもね、えっちい話なんかぜんぜんしなくて、絵の具の混ぜ方のこととかポスト印象派がどーたらとか、えらく真面目な話ばっかりなんだヨ」
「みんな裸に近いセクシーな格好なクセに、すんごく真剣にマジメな話しているから、何て言うか、シュールでネ。少し笑っちゃった」
「好きなマンガの話もしたから、ワタシもすんごく盛り上がっちゃったヨ」

夏休みに入って、しーちゃんと二宮先輩は何度もデートしました。
「ショッピングしたり、映画観たり、遊園地も行ったしプールも行ったヨ」
そういう場では、二宮先輩はごく普通なやさしい先輩で、しーちゃんのことをすごく気使ってくれて、別れ際にはいつもやさしいキスをして。
二宮先輩は、デートのときにセクシーな服装をしてくるとか、ノーブラで来るとかもぜんぜん無くて、本当にこの人が美術室で裸になりたがる彼女と同じ人なのかな、ってしーちゃんが思うくらいいい人で、しーちゃんもどんどんますます二宮先輩のことが好きになっていったそうです。

そしてこの頃、しーちゃんはひとりエッチがちゃんと出来るようになっていました。


しーちゃんのこと 18

2011年7月2日

しーちゃんのこと 16

「それじゃあなおちゃん、ちょこっとこっち来て?」
お話が一段落して訪れた束の間の沈黙を待っていたように、しーちゃんがスッと席を立ち、私の肩に背後から手を置きました。
私も立ち上がります。
しーちゃんは、展示物が飾ってあるお部屋の壁際奥のほうに私を連れていきました。
「ほら、これ」
そこには、正面を向いた人物の油彩の肖像画が飾られていました。
A3を縦にしたくらいの大きさで、濃いエンジ色をバックにこちらを見て薄っすらとやさしく微笑んでいる、写実的タッチな女性の顔。
それは、紛れもなく日頃鏡で見慣れている私の顔でした。

「どう?」
「えっと・・・これ、しーちゃんが描いてくれたの?スゴイッ!綺麗!上手っ!天才っ!」
食い入るようにその絵を見ながら私は、どんどん高揚してきていました。
絵の中の私は、鮮やかな深碧の瞳を緩やかにたわませて、何とも言えない慈悲深い笑みをたたえています。
濃いエンジ色をバックに、首筋から肩の少し下までの透き通るような肌色と、鎖骨の陰影がすっごくセクシー。
どう見ても、実際の私より数段綺麗でオトナっぽい、私が、そうありたいな、って思い描いている理想に限りなく近い笑顔でした。
絵画のタイトルは、ガールフレンド、と名づけられていました。

「文化祭の展示、何にしよっかなー、って迷ってたときに、ふと思いついたのネ。文化祭終わったら、もうすぐなおちゃんのお誕生日だナー、って」
「なおちゃんを描いて、それをプレゼントにしちゃうのも手かナー、って思って」
「8号ていう大きさは、風景画では慣れてたけど、人物描いたのは初めてでちょっと戸惑ったけど、写真見ながらがんばったヨ」
「それじゃあ、これ・・・?」
「うん。お誕生日にこの額ごとなおちゃんにプレゼント!」
「ありがとうっ!すっごく嬉しい!一生の宝物にするっ!」
私は、心の底から感動して、しーちゃんの両手を私の両手で包み込むように取り、ギューッと私の胸に押し付けました。

「いやいや、こうして実物のかたとご一緒すると、しのぶさんの技術の巧みさがよくわかりますなあ」
「いえいえ、実際のモリシタさまのほうが、もっともっとお美しくあらせられましてよ?」
いつの間にかトリゴエさんやオガワさんたちに囲まれていて、みんながワイワイ囃したててきました。

その後、美術部のみなさんと一緒に展示物を一通り見て回りました。
トリゴエさんが描かれた淡い色彩が上品な水彩の大きな風景画、オガワさん作のカラフルでキッチュなポップアート、ニノミヤさんの大胆な色彩で鮮烈に描かれたアクリル画らしい静物画。
その他の方々の作品も、私なんかから見るとみんな、すっごく上手い、って驚嘆するしかないものばかりでした。
でも、私にとってのナンバーワンは、言うまでもなくしーちゃんの作品なんですけど。

美術室にずいぶん長居してしまい、そろそろ図書室に戻らなければいけない時刻になっていました。
「それじゃあ私、そろそろ・・・」
言いかけたとき、オガワさんが私の顔を見てニッと笑って、
「ねえ、お姉さまがた?モリシタさんとお近づきのシルシに、最後にあの作品、ご覧いただくっていうのはどうかしら?」
貴族ごっこがつづいているのかいないのか、中途ハンパな口調にイタズラっ子なお顔で言いました。
「どう?クリス」
トリゴエさんがニノミヤさんに聞くと、ニノミヤさんのお顔が薄っすらと紅潮してうつむきます。
「モリシタさまに、見ていただくかい?」
ニノミヤさんは、うつむいていた顎を少し上げ、上目遣いに私の顔をじっと見つめてから小さく微笑み、完全にお顔を上げてトリゴエさんを見つめました。
「よくってよ。お姉さま」

私たちは、ゾロゾロとさっき見たニノミヤさんの絵のところまで戻りました。
ニノミヤさんの絵は、お部屋の入口から一番奥まった壁際に飾ってありました。
美術室は現在、少しだけお客様の来訪が途絶えて、テーブルに2組、5名のお客様がお茶を楽しんでいらっしゃるだけでした。
モーツァルトのオーボエ協奏曲が軽やかに流れています。

私としーちゃん、トリゴエさん、オガワさん、ニノミヤさんの他に、ベルバラ衣装の三年生、オチアイさんと、フレンチメイドな二年生のムラカミさんもついてきました。
7人でニノミヤさんの絵を取り囲むように立つと、背の高いトリゴエさんが自身の背後に垂れ下がっていたエンジ色の布を、カーテンを引くようにスルスルっと横に滑らせました。
エンジ色の布が私たちの背後を覆うように広がって、その絵の周辺の空間だけが美術室から一層薄暗く遮断されました。
ムラカミさんが、絵の下に置いてある照明のスイッチをひねると、絵の周辺だけがまばゆい白色ライトで一段と浮かび上がりました。

ニノミヤさんの絵は、乱暴に二つに割られて乱雑な断面を見せている真っ赤なスイカの横に、これまたパックリ割れてツヤツヤした赤いルビーのような中身を見せているザクロの実が二つ、漆黒をバックに写実的かつ大胆な色遣いで描かれた静物画でした。
新聞紙を半分にしたくらいの大きさの横向きの構図で、スイカとザクロの中身の鮮烈な赤と、スイカの皮やザクロの葉の緑とのコントラストが印象的な作品。
タイトルは、夏の円熟。
見方によっては、なんだかエロチックな感じもしてきます。

この絵は確かにスゴイと思うけれど・・・
真意が掴めず私が戸惑っていると、ニノミヤさん自らその絵を額ごと壁からはずし、クルッとひっくり返して再び壁にかけました。
「どうぞ・・・見て・・・ください・・・」
消え入るような、恥ずかしげなニノミヤさんのお声がしました。
誘われるように視線を壁に戻すと、そこには・・・

裸のマヤ・・・
一糸纏わぬ裸で横向きにソファーに寝そべる美しい女性の姿が、写真と見紛うような精巧な筆致で描かれていました。
ふんわりとした髪、瑞々しい肌の艶、まろやかな曲線を描く乳房、両内腿の間の翳り、少しだけ膝を立て気味のしなやかな右脚のライン・・・
すべてが生々しく息づいていて、溢れるばかりの迫力です。
それに、このソファーが置かれている場所は、どう見てもこの美術室。
特徴のある壁の木目まで鮮やかに再現されていました。
これは、コンピューターグラフィック?

「その絵のモデルが誰か、モリシタさん、おわかりになるわよね?」
オガワさんに聞かれて、私は黙って、ニノミヤさんのお顔を見ます。
ニノミヤさんは、薄闇の中でもお顔が真っ赤に火照ってらっしゃるのがわかります。
それでも私は不躾に、絵を見てはニノミヤさんを見て、絵を見てはニノミヤさんを見てをくりかえしてしまいます。
絵のタイトルは、紅百合の后、でした。

「クリスの裸は、本当にキレイなんだ。だからワタクシたちの創作意欲が抑えきれなくなってしまってね。頼み込んでモデルをしてもらったの」
オチアイさんが説明してくれます。
「この絵は、ワタクシたち6人の合作なの。下絵はしのぶさんが描いたのを採用して、それをパソコンに取り込んで彩色はクリスも含む全員」
「いろんなCGの技法が盛り込まれているのよ」
「このおっぱいの感じが難しかったのよねー。クリスから、私の乳首、こんなに黒ずんでいない、とかNG出されて」
「下の毛も揉めたわねー。もうちょっと濃く、いいえもっと薄く、なんて」
オガワさんとムラカミさんが楽しそうに言い合ってます。
「だからおヘソの下周辺は、ワタシが責任を持って担当したんだヨ」
しーちゃんがこれまた嬉しそうに教えてくれました。

「クリスはね、普通絶対裸にならないようなところでこっそり恥ずかしい格好をしたり、誰かに自分の裸を見てもらったりすることが好きな、ちょっと変わった子なのね。今だってこの子、モリシタさんにこの絵を見てもらって、嬉しくってしょうがないんだから」
トリゴエさんが、ニノミヤさんの肩に手を置いて、からかうみたいにモミモミしています。
「クリスったら、この文化祭中もはりきって、ずっとレースクイーン的なハイレグのえっちぽいレオタード着ているのだけれど、過度に肌を露出するような衣装は学校から厳重に禁じられてるから、仕方なくワイシャツを羽織っているの」
オガワさんがヒソヒソ声でつづけます。
「昨日はそれでも、ワイシャツ脱いで記念撮影とかできたんだけどね。今日は、風紀の先生が見回りにくるっていうウワサもあるから、とりあえず一人ワイシャツ祭りの人になってるクリスちゃん。これもこれで相当色っぽいけどね」

「そうだ。今ここでならワイシャツ脱げるじゃん?カーテンで仕切ったから向こう側からは見えないし。モリシタさんにも見せてあげなよー。セクシーなレースクイーン姿」
ムラカミさんが、イイことを思いついた、って調子ではしゃぎ気味に言いました。
私はまだ、絵と実際のニノミヤさんを飽きることなく見比べていました。
ずいぶんと無遠慮な視線だったと思います。
ニノミヤさんは、チラッとしーちゃんのほうに視線を向けます。
しーちゃんがかすかにうなずくように首を動かした気がして、ニノミヤさんが上から、ボタンを一つ一つ、ゆっくりはずし始めました。

こんなふうに、精緻に描かれた自分の裸の絵を前にして、実際の自分と見比べられるのって、どんな気持ちなんだろう?
おっぱいも、乳首も、アソコの毛も、精密なタッチで再現された自分の裸が描かれた絵の前で、シャツのボタンを一つづつはずしていくニノミヤさん・・・
その姿を見ていたら、ニノミヤさんをうらやましいと感じている自分の気持ちが隠せなくなってしまい、ニノミヤさんが感じているであろう、その恥ずかしさに私も共鳴して、そのあまりの恥ずかしさにいたたまれなくなってきてしまいました。
心臓がドキドキドキドキ高鳴って、甘美な性的高揚感をからだの奥に感じていました。

シャツを両袖から抜いたニノミヤさんは、バストの谷間も露な深い襟ぐりの濃いグリーンのレオタード姿になりました。
プロポーションは絵のまんま。
ほどよく豊かなバスト、キュッとくびれたウエスト、ゆるやかに張ったヒップ、深いハイレグの切れ込み、スラっと伸びた生脚。
背筋をピンと伸ばして私の目の前に立ったその姿から、もっと見て、よーく見て、という声と、いやっ、恥ずかしい、見ないで、っていう声が、同時に聞こえてくるようです。
私は、まじまじとニノミヤさんのしなやかな肢体を上から下まで、舐めるように見つめていました。
そして、気づいてしまいました。

「あーっ!先生。見回りご苦労様でっすー!」
ドアが開いた音と同時に、なんだかわざとらしいような誰かの大声がカーテンの向こうから聞こえてきて、カーテンの内側はちょっとしたパニックになりました。
オガワさんがニノミヤさんの絵をクルッとひっくり返して元通りの静物画に戻し、ニノミヤさんはあわててワイシャツに袖を通してボタンを嵌め始めています。
オチアイさんとムラカミさんが、スススッとカーテンの陰から出て行き、
「先生、おかげさまで大盛況ですよー。ポストカードもたっくさん売れました。さ、こっちでお茶でもどうです?」
なんて、愛想のいい声を出しています。
その調子のいい声を聞いて、私としーちゃんは顔を見合わせ、プッと吹き出してしまいました。

ニノミヤさんの身繕いも素早く終わり、オガワさんがさりげなくカーテン代わりの布を元に戻し、私としーちゃんはニノミヤさんの絵に見入っていたフリを少しした後、さりげなく振り向きました。
いつの間にか来訪のお客様がまた増えていて、テーブルはほぼ満卓、入口の近くのテーブルでは、オチアイさんとムラカミさんが見回りの先生らしい初老の女性のかたをもてなしています。
「おおっ、カゲヤマうじ。お見えになっていたのか。水くさいでござるよ」
トリゴエさんもお知り合いをみつけたのか、男装の麗人貴族に戻って、お芝居口調の大声を出しながらそちらに駆け寄っていきました。
でも、その口調、貴族じゃなくて武士・・・

「すっごく楽しかったです」
しーちゃんとワイシャツ姿に戻ったニノミヤさんが廊下まで見送ってくれました。
「しーちゃんの絵、すっごく嬉しかった。ありがとう」
「ニノミヤさんの絵も本当にステキでした。とくに裏側は、なんて言うか、本当に美しかったです。うらやましいです」
「わあ。ありがとう」
ニノミヤさんが蕩けそうな笑顔で私に握手してくれます。
「それじゃあしーちゃん、また後でね。5時くらいに講堂行って、演劇と友田さんのバンド、一緒に観よう」
「うん。また後でネー」

しーちゃんが明るく手を振ってくれて、私は図書室に急ぎました。
廊下を早足で歩いている間中、ずっと同じことばかりを考えていました。

ニノミヤさん、レオタの下、ノーブラだった・・・
ニノミヤさん、乳首、勃っていた・・・
ニノミヤさん、ハイレグの股布、濡れて色が変わってた・・・
ニノミヤさん、私に見られて、感じてた・・・


しーちゃんのこと 17

2011年6月26日

しーちゃんのこと 15

私が参加している文芸部は、三年生が4人、二年生が3人、一年生が4人という小じんまりな規模の部活動でした。
先輩がたはみんな、おっとりした感じのやさしくてキレイなかたばかりで、部会のときはお菓子とか持ち寄って、まったりと好きな小説や作家さんのお話をする、みたいなのんびりホンワカした雰囲気でした。
でも、去年作った機関誌を見せてもらったら、人気アニメの主人公を借りた二次創作のBLもので、かなりアブナイ描写のあるお話があったり、すごく意味シンな言葉が並ぶ詩が掲載されていたりして、意外とムッツリさんの集まりなのかもしれないな、なんて思いました。
私も人のことは言えないですけど。

文化祭で頒布する機関誌では、私は、見開き2ページ分を埋めるノルマをいただきました。
エッセイでも、小説でも、詩でも、マンガでもイラストでも何でもいい、って言われて、かえって迷ってしまいました。
最初は、夏休みに行ったヨーロッパ旅行の紀行文を書いてみようかと思い、考えがまとまらないまま書き始めたのですが、一通り書き終えて読み返したら、なんだか小学生が書いた遠足の感想文みたいになっていて、ひどく落ち込みました。
そこでウンウン唸りながら構想を練って、今度は、私の大好きなビートルズがアルバムジャケットにして有名になった横断歩道を歩いたときのお話に絞って、自分が好きな曲やそれにまつわる思い出とかとからめて書いてみたら、なんとなくエッセイっぽい感じになりました。

部会のたびに、先輩がたからアドバイスをもらい文章を改め、なんとか締め切りまでに間に合わせることが出来ました。
とくに、去年まで部長だった麻倉さんという三年生の先輩が、絵に描いたようなお嬢様、っていう感じのかたで、いつもたおやかな笑顔で適切なアドバイスをくれて、本当に助かりました。
気恥ずかしかったらペンネームを使っても良い、ということでしたが、自分でもかなりうまく書けたと思ったので、本名で掲載することにしました。

そんなこんなで晴天の空の下、文化祭が始まりました。
一日目はクラスのお教室で、しーちゃんとお揃いの淡いグリーンのエプロンを制服の上にかけ、ヤキソバを焼きまくりました。
お役目の合間にしーちゃんや中川さんたちと他のクラスの展示を見たり、校庭に並んだ屋台で買い食いしたりして文化祭の雰囲気を満喫しました。
さすがに由緒ある学校の文化祭だけあって、外来のお客様もたくさんお見えになっていて、プラカードを掲げた着ぐるみのパンダさんやカエルさんが校庭を右往左往し、小さな子供たちが駆けずり回る人混みの中、ナンパらしく声をかけてくる他校の男の人たちのお誘いを丁重にお断りしつつ、いつもの学校とはまったく違う非日常的な空間を楽しみました。

文化祭初日は午後六時で終了となり、久しぶりにしーちゃんと二人で帰りました。
「さすがに高校の文化祭はスケールが違うヨネー。お化け屋敷も凝ってたし、クイズ大会も楽しかったー」
「ヤキソバも好評で、明日は材料足りなくなりそうだって」
「今日はちょこっとしか部のほうには顔出せなかったから、明日はしっかりお手伝いしなきゃナー」
しーちゃんも私もすっかりコーフンしていました。

「そうそう、なおちゃん。明日、そうだなー、1時から2時くらいの間に美術室に来てネ。なおちゃんにぜひ、見せたいものがあるんだ」
「へー。何?何?」
「それは言っちゃったらツマンナイから内緒だヨー。それにうちの先輩たちもなおちゃんに会いたがってるヨ」
「え?なんで?」
「だってなおちゃん、痴漢を捕まえた我が校の英雄だもん。ワタシの親友です、って先輩たちにいっぱいイバっちゃった」
しーちゃんがニコニコ顔で私の手を取りました。
「だから絶対、来て、ネ?」
「うん」
わたしもしーちゃんの手を握り返しながら返事しました。
「明日は演劇もあるし、友田さんのステージもあるし、楽しみだネー」

次の日は、世間的には休日の日でしたが、朝早くから学校に行き、クラスのお教室に顔を出してから部室に向かいました。
午前中いっぱいは図書室で、バザーのお手伝いや来訪されたお客様のお相手をしました。
愛ちゃんとあべちん、ユッコちゃん、そして曽根っちとカレシの人も、みんな別々にでしたが、遊びに来てくれました。
曽根っちとカレシの人は、ラブラブ真っ只中っていう感じですっごくシアワセそうでした。

午後になって自由時間をもらった私は、美術室に足を向けました。
美術室の扉は、西洋のお城みたいな雰囲気に綺麗に飾られていました。
正面に流麗なレタリング文字で、
『●●女子高校名物!!喫茶 紅百合の城 美術部』
って描いてあります。

その下に、CAUTION!、として、
『男性のみでのご入城は、固くお断りいたします。カップルさんなら可!』
って、ポップな書体の但し書きが貼ってありました。

入口の荘厳な感じと、名物!!っていう俗っぽい単語とのギャップが可笑しくてクスクス笑いながらドアを開けました。
「いらっしゃませぇぇ~~」
複数の女の子たちの無理矢理揃えたような華やいだ声に迎えられました。

室内は、少し薄暗い感じで、真っ白なクロスをかけたテーブルが数卓置かれ、それぞれにLEDの青い光が灯っています。
窓や壁には、ステージの緞帳のようなエンジ色の光沢のある布が何枚も垂れ下がり、その間に展示品の絵画や彫刻がまるで美術館のように、下から白い光を当てられて飾ってありました。
天井の蛍光灯も隠されて、代わりにシャンデリア風の照明や豆電球が吊るしてありました。
ゆるやかにたなびいているモーツアルトのピアノ曲。

何よりも驚いたのは、美術部員らしい人たちの衣装。
ざっと見回してお客様らしい人たちが10数人、今日は休日ですから思い思いの私服を着て、テーブルでお茶を楽しんだり、展示物を熱心に見たりしています。
全員女の子ばかり。
そのお相手をされているのが美術部員のかたたちだと思うのですが、そのかたたちの衣装がスゴイんです。

本格的なフレンチメイド服の人、ベルバラみたいな中世風衣装の人、タカラヅカ風男装の麗人、ピンクのナース服、裾が大きく広がったお姫様ドレス、人気アニメのセーラー服コスプレ・・・
ドアを閉めるのも忘れてしばしたたずんでしまいました。

「あっ、なおちゃん!来てくれたんだっ!」
私が入口で呆然としていると、奥から声がかかり、黒地に青のフリフリがキュートなゴスロリドレスを身にまとったニーソックスの女の子が、私のほうに駆けてきました。
「しーちゃんっ?」
「えへへー。前になおちゃんのお母さまにいただいたこのドレス、人前で初めて着ちゃった。どう?似合う?」
「うん。すっごくカワイイ。へーー。すっごく似合ってる!」
私の母は、以前からしーちゃんには絶対、ゴスロリが似合うと主張していて、私たちがこの高校に入学が決まったとき、お祝いにって、3人ではるばる都心までお買い物に出かけ、母が見立ててプレゼントしたものでした。
買ったその日に、私と母の前では着て見せてもらったのですが、学校の美術室でその姿を再び見るとは、思ってもいませんでした。

「しのぶさん、大きな声をお出しになって、はしたないわよ?」
艶やかな白のローブデコルテにレースのショールを纏ったスタイルの良い女性が、優雅な足取りで私たちのところへ近づいてきました。
「ごめんなさい。オガワお姉さま。ワタシ、ついはしゃいでしまって・・・」
しーちゃんもお芝居っぽく返しています。
「こちらがアナタのご学友のモリシタさまなのね。しのぶさん、ワタクシにぜひご紹介してくれませんこと?」
オガワお姉さま、と呼ばれた女性が私を見つめてニコッと笑います。
「レディたち、何をそこでコソコソやっているんだい?」
盛大にお芝居がかった声を出しながら近づいてきたのは、タカラヅカ風男装の麗人の人でした。
「あ、トリゴエお姉さま。ちょうどいいところへいらしたワ。こちらが先日お話していたモリシタさんですの」
しーちゃんは、半分吹き出しながらも、お芝居っぽく返しています。

しーちゃんが私の耳に唇を近づけてささやきます。
「ごめんネ。この空間は上流貴族の社交パーティっていう設定なのネ。だからああいうお上品ぶったしゃべり方が義務づけられてるの。テキトーに合わせといて、マリみてみたいな感じで」

私の耳からお顔を離したしーちゃんが先輩がたのほうへ向いて言いました。
「みなさん、ご紹介します。こちら、ワタシの親友のモリシタナオコさん。モリシタさん、こちら、二年生のオガワサトミお姉さま」
オガワさんが一歩前に出て、レースの手袋をした右手を差し出してきます。
「おウワサはかねがね、おうかがいしていましたわ。小川です。お会いできて光栄だわ」
私もオガワさんの手を軽く握り、
「こちらこそ、お会いできて光栄です。よろしくお願いします」
その場の雰囲気に合わせるつもりで、バレエの演技が終わったときにやるレヴェランス、片脚を軽く後ろに引いて、もう一方の脚の膝を曲げるお辞儀の動作、をスカートの布をちょこっとつまんで軽い感じで付け加えると、みなさんのお顔が、おぉっ!っていうふうになりました。

「こちらは、三年生のトリゴエキヨミお姉さま」
男装の麗人の人です。
S字を横にしたようなお鼻の下のおヒゲは、墨か何かで肌に直接描いているようです。
「アナタは勇敢な女性だとしのぶさんから聞いています。それにノリもいいようだ。はははは」
トリゴエさんがお芝居笑いをして、私の右手を強く握ってきました。
私はまたご挨拶してレヴェランス。

「そしてこちらが二年生のニノミヤクリスティーナお姉さま」
いつの間にか、しーちゃんの右横にもう一人女性が立っていました。
私より5センチくらい身長が高くて、ふうわりした柔らかそうな髪を両肩に垂らした瞳の大きなキレイな女性。
この人が・・・

お顔から視線を落としていくと、ニノミヤさんは、男物らしい大きめの白い長袖ワイシャツを腕まくりして着ていました。
胸元のボタンが3つはずれていて、その下に大きめに開いた襟ぐりの白い肌と水着と思われるグリーンの布地が見えます。
ザックリしたシャツのシルエットのため、バストはあまり目立ちませんが、充分に大きそう。
シャツの裾が膝上10センチくらいまでを隠して、その下からスラっとした白い生脚が見えています。
足元は、黒い皮のショートブーツ。
すっごくセクシー。

「はじめまして。二宮です。おウワサはしのぶさんからいろいろうかがっていますわ。今日、お話出来るのをとても楽しみにしておりましたのよ」
鈴を転がしたような、という形容詞がまさにピッタリくる、可愛らしいお声でそう言われ、なんだかドギマギしてしまいました。
「森下直子です。今日はお招きいただいてありがとうございます」
ニノミヤさんの右手をしっかり握って、レヴェランスも一番丁寧に決めました。

「はじめましてではないよ、クリス。モリシタさまは、春にしのぶさんと一度ここに来ている。そのときキミもお会いしたはずさ。ボクは憶えているよ」
「まあ、立ち話もあれだから・・・おお、ちょうどあそこのテーブルが空いている。あちらでゆっくりとお話しようではないか」
男装のトリゴエさんが相変わらず芝居ッ気たっぷりな調子でみんなを促し、お部屋奥の大きな丸いテーブルに向かいました。
ニノミヤさんが私の椅子を引いてくれて、5人でまあるくなって腰掛けました。

「今日は、モリシタさまがいらっしゃると聞いていたので、特別に用意させたものがあるの。どうぞ召し上がって」
オガワさんがそう言ってから、近くに居たナース服の人に何か言うと、美味しそうな苺のミルフィーユと紅茶がテーブルに運ばれてきました。

おしゃべりは、私が痴漢を捕まえたときのことが中心でした。
おしゃべりの間、お芝居口調を崩さなかったのはトリゴエさんだけで、他の人たちは、普通の口調に戻って興味シンシンでいろいろ聞かれました。
おしゃべりしている間も、ナース服の人やメイド服の人、ベルバラの人などが入れ替わり立ち代りご挨拶に現われ、トリゴエさんやオガワさん、しーちゃんが誰かに呼ばれて途中で席を立つと、すかさず他の人がやって来て座ってまた質問されたりと、かなり忙しくしゃべらされました。

でも、美術部の人たちはみんなノリが良くて、それでいてどこかしらお上品な感じで、みんな仲が良さそうで、私はすっごく好印象を持ちました。


しーちゃんのこと 16

2011年6月25日

しーちゃんのこと 14

駅員さんが数人やって来て、一番偉いッぽい人が、駅の事務室に行こう、と痴漢の人に言っているようでしたが、痴漢の人は頑なに拒否しているようでした。
痴漢の人は、今は、体格のいい駅員さん二人に両脇からガッチリと腕をとられていました。
その間に別の駅員さんから、私とカップルさんが事情を詳しく聞かれました。

やがてホームに制服姿のケーサツの人が三人現われ、二人が痴漢の人の腕をしっかり掴み、駅前の交番にみんなで移動しました。
私がいつも使っている改札口とは反対側の改札口前にある交番でした。
愛ちゃんもついてきてくれました。
「なおちゃんのお家に電話して、お母さまにも伝えておいたから。すぐ行くって」
「ありがとう」
本当に愛ちゃんは、頼りになります。
「愛ちゃん、ごめんね。陸上の番組、始まっちゃう」
「いいよいいいよそんなの。ケーサツ終わるまで、なおちゃんと一緒にいてあげるから」
私はまた、涙腺が緩んできてしまい、困りました。

交番では、痴漢の人は奥のお部屋に連れて行かれ、私とカップルさんは、婦警さんからもう一度事情を聞かれました。
愛ちゃんは、心配そうに寄り添っていてくれて、ずーっと私の手を握っていてくれました。
サラリーマンさんは、たとえ裁判になっても目撃者としていつでも証言する、っておっしゃってくださいました。

婦警さんは、私のスカートのさわられていたとこらへんにテープみたいのを貼って、布地の繊維を採取していました。
痴漢の人の指先、爪とかから同じ繊維の破片みたいのが出れば、ほぼ100パーセント有罪なんだそうです。
そうしている間に父と母が車でやって来ました。
父は、珍しく早く帰ってきていたそうで、カップルさんに何度も何度もお礼を言っていました。
両親の顔を見て心底ホッとして、だいぶ気持ちが落ち着いてきました。

カップルさんは、沿線にある同じ会社にお勤めしているそうなのですが、同僚さんたちには内緒でおつきあいしているので、
「今日の騒ぎを同僚の誰かに見られていたら、ちょっとヤバイかもしれないなー」
「でも、そろそろ結婚するつもりだから、バレたらバレたで、それがきっかけになるわよ」
なんて、笑っていました。
なんだかすっごくさわやかな、仲睦まじいカップルさんでした。
ちなみにOLさんのほうが3つ年上なんだそうです。

私は、男性もヘンな人ばっかりじゃなくて、このサラリーマンさんみたいにちゃんとした、カッコイイ人もいるんだな、なんて、ちょっとだけ男性全体を見直したりもしました。

ケーサツの取調べが終わって、カップルさんたちに何度もお礼を言って連絡先を交換してから車に乗り、愛ちゃんをお家まで送って、愛ちゃんのご両親にご挨拶とお礼をして、9時ちょっと前に我が家に戻りました。

痴漢されたことは、すっごくショックでトラウマが甦っちゃうんじゃないか、ってビクビクしていたのですが、今回の痴漢事件は、あんまり後を引きませんでした。
たぶん、みんながすっごく私の行動を褒めてくれたから。

両親からは、怖がらずによくやったと褒められて、愛ちゃんが連絡してくれたらしい、やよい先生からもその夜にお家にお電話をいただいて、盛大に褒められました。
「あたしの言ったこと、ちゃんと憶えていてくれて、実行したんだね」
って言ってくれたときは、嬉しくて泣きそうになりました。

うちの学校の生徒の誰かが、ちょうどあの現場に居合わせていたらしく、翌日の学校でも、うちの生徒が痴漢を捕まえたらしい、と早くもウワサになっていました。
そのときは、その捕まえた生徒が誰だかはまだわからないままで、私もその話題になると、誰なんだろうねー、なんてとぼけていました。
自分から言い出すのがなんだか恥ずかしかったんです。

その日の放課後、担任の先生に呼ばれて、職員室で簡単に事情を聞かれました。
一応ケーサツから学校にも連絡が来たみたいでした。
その後、図書室当番をした帰り道、しーちゃんにだけはお話しました。
しーちゃんもすごく褒めてくれて、私は、なんだか恥ずかしいのでみんなには内緒にしてくれるように頼んでおいたのですが、月曜日の朝、担任の先生があっさりバラしてしまい、クラスのみんなが休み時間に私の席のところに来て、口々に褒めてくれました。

実際に捕まえたのは私ではなく、あのステキなサラリーマンさんなのだけれど・・・

そして、このお話には思わぬオチがつきました。

後日、母がケーサツの人から聞いたところによると、捕まった痴漢の人は、ずっと黙秘をしていたらしいのですが、持っていたカバンを調べたら、どうやら望遠レンズや赤外線レンズで盗撮したらしい、どこかの民家やマンションでの女性の入浴姿や着替えの写真が何枚か見つかったのだそうです。
その後、私のスカートの布地の繊維成分が痴漢の人の爪から検出され、私への痴漢行為も確定しました。
余罪がありそうなので家宅捜索したところ、自分で盗撮したらしいビデオや写真がパソコンとかから大量にみつかったらしいです。
痴漢行為を書きとめた日記みたいのもあったみたい。
盗撮していたのは、全部あの鉄道の沿線のお家やマンションで、そういったことの常習犯だったみたいです。

そしてなんと、この痴漢の人は、私が通っている高校の3つ先の駅にある偏差値高めで進学校として有名な男子高の化学の先生だったのでした。
沿線周辺ではかなりの話題になって、地元の新聞にも結構大きく記事が載ったほどでした。
もちろん、新聞に私の名前は出なかったのですが、少なくとも私のクラスでは、私がその被害者っていうことはすでに知られていました。

記事が出て、一週間くらい後になって、しーちゃんがしーちゃんのお姉さん、うちの学校の生徒会長さん、から教えてもらったお話です。
その男子高のある生徒もその日、たまたま現場に居合わせていて、その男子高でも翌日、化学教師の誰々があの女子高の生徒を痴漢して現行犯で捕まった、っていうニュースが大々的に広まりました。
いつの間にかそのお話にどんどん尾ひれが付いて、その女子生徒が教師の手をグイッとひねり上げて駅員に突き出した、とか、ひねられて教師の右腕の関節がはずれた、なんていう大げさなお話にまでなり、あの女子高つえー、こえー、ってことになって、その男子高生徒と合コンを予定していた、うちの高校の先輩たちに何件も、合コンキャンセルの連絡が相次いだらしいです。
あと、その化学教師は、ネチネチ陰険で粘着質な性格だったらしく、その男子高の生徒からの評判もあまり良くなかったとか。

確かに、その新聞記事が出てからしばらくは、休み時間に知らない先輩たちが私のクラスを訪れて、痴漢捕まえたのってどの子?ってヒソヒソ聞いていたみたいです。
私は、そんな大げさなお話になっているなんてぜんぜん知らず、注目されるのがひたすら恥ずかしくて、ひたすら気づかないフリをしていたのですが・・・
そんな感じで、私は校内で、ちょっとした有名人になってしまっていました。

9月末の中間テストが終わると、その後は体育祭、遠足、文化祭とビッグイベントがつづき、学校内全体が活気づいていました。
とくにこの学校の文化祭は、二日間に渡って大々的に行なわれ、合唱や演劇など毎年趣向を凝らした演目が近隣の一般の人たちにも評判が良く、外来のお客様も多数訪れる地域の一大イベントになっていました。
普段は女子ばかりの学内に、身内以外の男性がたくさん訪れてくる唯一の機会でしたから、慢性のカレシ欲しい病にかかっている大多数の女の子たちがソワソワ盛り上がって、学校全体のテンションが日に日に上がっていくのがわかりました。

私たちのクラスでは、クラスのお教室でヤキソバ喫茶をやることになりました。
お教室内では火が扱えないので、ホットプレートを持ち寄ってヤキソバを作り、ついでにコーヒーや紅茶も出す、ということで、私としーちゃんは、一日目の調理係になりました。

私が所属している文芸部では、機関誌の発行と、図書室で古本のバザーをやります。
中川さんと山科さんがいる演劇部は、講堂のステージで三年の先輩が脚本を書いたオリジナルの演劇をやるのですが、中川さんたち一年生は全員裏方さんで、まだステージには立てないそうです。
軽音部に入った友田さんは、3人組のロックバンドを組んで最終日のステージで2曲歌うそうです。
しーちゃんの美術部は、美術室に部員全員の作品を飾り、喫茶室をやりながらCGで作った絵ハガキなども売るそうです。

文化祭が近づくに連れ、私もクラスのお友達も、毎日部室に顔を出す生活に変わっていきました。
放課後は、クラスでの文化祭準備をしてから、それぞれが所属する部室に向かい、遅くまで部での準備に励むという忙しい日々がつづき、しーちゃんと一緒にまったり下校出来ない日々が何日もつづきました。


しーちゃんのこと 15