2010年8月21日

お医者さんごっこと私 04

 耳たぶがすごく熱くって、火がついて燃えてしまいそうです。

 由美ちゃんが再度大きいお注射を私のお尻の穴にあてがったとき、私はとうとう力尽きて持ち上げていた腰の力が抜けてしまい、ベッドに横向けに崩れ落ちました。
 恥ずかしさで真っ赤になった顔を両手で覆い、イヤイヤをするように顔を振っていると勢い余ってもう半回転して、仰向けになってしまいました。

「あー。直子お姉ちゃんのワレメちゃん、ユミねえのよりスジが長く見える」

 ヒロくんが小さな声でそう言うと、私のオシッコのところのスジを土手の上から下へスルスルっと指で撫ぜました。

「きゃーんっ!」

 ゾクゾクっとする感覚が私のからだをつらぬきます。
一瞬ピクッと震えてから、私はあわてて右手を伸ばしてそこを隠しました。
 左手はまだ顔を覆ったまま、ギュッと目をつぶっています。
 つぶった目から涙が溢れてきました。

「あれ?直子お姉ちゃん、泣いちゃってるみたいだよ」

 ヒロくんが由美ちゃんに心配そうに言っています。
 由美ちゃんがあわてて私の枕元に来て、私に覆いかぶさるように顔を近づけてきました。

「なおちゃん、ごめんね。ひょっとして痛かった?わたし、痛くしないようにやったつもりなんだけど…」
「ごめんね、本当にごめんね。痛かったのならごめんね…」
「あと、ヒロにさわられるのもイヤだった?わたしたち、いつも二人でお医者さんごっこやっているから…」

 おたおたした声で、真剣に謝ってきます。

 私は顔から左手を外し、胸を隠してから目を開けて由美ちゃんの顔を見ました。
 自分でも、なんで涙が出てきたのかわかっていませんでした。

「ほら、ヒロも謝りなさい…」

「ごめんなさい…」

 ヒロくんも謝ってきます。
 私の顔を真剣に、心配そうに見つめてきます。
 やっぱりヒロくんのお顔は、すごく可愛いです。

「そうだ!次はなおちゃん、お医者さんの役していいから。わたし患者さんになるから」

 由美ちゃんは、無理に元気な声でそう言うと、羽織っていたワイシャツを脱いで私の素肌にフワっとかけてくれました。
 それから、茶色のワンピースをスルスルっと脱いでハンガーにかけ、スリップと靴下も脱いでショーツ一枚になりました。

「わたしが今度はベッドに寝るから、なおちゃん、お医者さんね。わたしにお浣腸して」
「ヒロ、なおちゃんにやり方教えてあげなね」

「うんっ」

「私のほうこそなんかごめんなさい…なんかドキドキしすぎちゃって…つづけよっか?」

 ゆっくりベッドの上で起き上がった私は、だぶだぶのワイシャツに袖を通して前のボタンを一番上を除いて全部留めました。
 裾が私の膝下まで来ています。
 袖もすごく余るので何重にもまくりました。

 ようやく丸裸をヒロくんに見られた恥ずかしさは鎮まってきましたが、だぶだぶワイシャツの下は下着もつけていない素肌なので、また違う恥ずかしさを感じてきました。

 私がベッドから降りると入れ替わりに由美ちゃんがベッドに上がり、四つん這いの格好になりました。

「直子お姉ちゃん、こっちに来て」

 ヒロくんが私の手を取って由美ちゃんのお尻のほうに二人で移動します。

「最初にね、ユミねえのお腹に手をあててさすってから、パンツを脱がせて、お尻の穴をこの綿を濡らしてショードクするの」
「それから、このカンチョーキをお尻の穴にあてて、ちょこっとだけここを押すの」
「たくさん押しちゃうと、お尻に空気が入っちゃって、後でオナラがたくさん出ちゃうのね。えへへ。ボク、ユミねえのオナラ聞いちゃった」

「こら、ヒロ。余計なことは言わないのっ!」

 由美ちゃんが四つん這いのまま、大きな声で怒鳴りました。

 私はヒロくんに教えてもらった通りに、由美ちゃんをシンサツしました。
 由美ちゃんのショーツを脱がせるときは、すごくドキドキしてしまいました。

 やがて目の前に現れた由美ちゃんの丸出しなお尻の穴とアソコ。
 誰かのその部分をこんな間近でまじまじと見たのは、生まれて初めてでした。
 由美ちゃんのお尻は真っ白で、ところどころにホクロがあって、とてもキレイでした。

 由美ちゃんのお尻の穴を脱脂綿越しにスリスリしたときと、大きな注射器をあてがったときに、由美ちゃんは小さな声で、

「あはんっ」

 と言いました。
 私にはその声がすごくカワイク聞こえて、ますます由美ちゃんのことが好きになりました。

 シンサツが終わると、由美ちゃんはベッドの上で丸裸のまま上体を起こしました。

「ねえ、由美ちゃん?」

「なあに?」

「由美ちゃんのソコ、よく見ていい?」

「い、いいけど、なんで?」

「さっきヒロくんが…」

「ああ、なおちゃんのほうがスジが長いって言ってたっけね」

 私と由美ちゃんでベッドに上がり、隣り合って両脚を揃えたまま前に投げ出して座りました。
 私はそろそろとシャツの裾をまくり上げます。

 お互いに自分の股間と相手の股間を見比べます。
 確かに私のほうが見えているスジが由美ちゃんより1センチくらい長いみたいです。
 ヒロくんが私たちの正面から、二人のソコをジーーっと見つめています。

 今度は二人とも立ち上がって、お部屋にある鏡台の鏡の前に二人並んで立ってみました。
 また私はワイシャツをまくりあげます。
 やっぱり私のほうが由美ちゃんより1センチくらい長いです。

「へー、女の子でもちょっとずつ違うんだねー」

 由美ちゃんが感心したように言いました。

 鏡に映った丸裸の由美ちゃんとシャツを自分でまくりあげて下半身だけ見せている私。
 それをじっと見ているヒロくん。
 私はまた違う種類の恥ずかしさを感じて、顔が赤くなってきてしまいます。

「わたしたちが裸になっているのに、ヒロだけ見せないのはズルいよね?」

 私に同意を求めるように由美ちゃんが言うと、丸裸のままヒロくんに襲いかかり、手馴れた感じでパンツごと半ズボンを下ろしてしまいました。

「やめてよユミねえ、恥ずかしいよー」

 下半身だけ裸にされたヒロくんは、裸の由美ちゃんに後ろから羽交い絞めにされています。

「ほら、なおちゃん?男の子のオチンチン。見たことないでしょ?」

 確かに、こんな間近でそれを見たのも生まれて初めてでした。
 もっと小さい頃に父と何回か一緒にお風呂に入った記憶はあるけれど、その部分に関しては何も覚えていませんでした。

 それは両脚の付け根からぴょこんと飛び出したように小さく付いていて、女性の私から見ると、なんだか余計なモノ、に見えました。
 でも、ちょっとカワイラシイ感じもしました。

「さわってみてもいいよ。オシッコ出るところだからキタナイかもしれないけど」

 由美ちゃんが笑いながら言います。

「だから、やめてよユミねえ、恥ずかしいからー」

 ヒロくんが顔を真っ赤にしてジタバタしています。

 私は勇気を出して、指の先でちょこんと棒の真ん中あたりをつついてみました。
 なんだかふにゃっとした感触でした。

「もうーボク怒ったからねーっ!」

 首から上がすっかり真っ赤になったヒロくんが大きな声でそう言うと、羽交い絞めされた両手を器用に曲げて、由美ちゃんの裸の腋の下へんをくすぐり始めました。

「ひゃはははー」

 由美ちゃんが大きな笑い声を上げてヒロくんを解放し私に抱きついてきて、そのまま二人でベッドに倒れこみました。
 その上からヒロくんがのしかかってきて、三人でくすぐりっこが始まりました。

 三人がベッドの上でかたまりになって、腕を伸ばして触れた誰かの肌を手あたりしだい、くすぐり合います。
 誰のどこをくすぐっているのかもわからないまま、三人とも狂ったように笑いながらくんずほぐれつしていました。
 私が羽織っていたワイシャツは、ボタンがいつのまにか全部はずれてしまっていました。
 からだのいろんなところをさわられて、いろんなところをさわりました。

「きゃははははー」
「やめて、やめてー」
「くすぐったいーー」
「だめ、だめ、だめーーっ」
「しんじゃう、しんじゃうーー」

 しばらく盛大に騒いだ後に、三人ともハアハア息をきらして目尻に涙を溜めて、ベッドに仰向けにひっくりかえりました。
 私のワイシャツはとっくに脱がされて部屋の隅のほうに投げ捨てられています。

「あーーっ面白かったーー!」

 由美ちゃんが大きな声で言って、上体を起こしました。

 三人ともベッドを降りて、フローリングの床に輪になってペタンと座り込みます。
 私はハイソックスだけの裸、由美ちゃんは丸裸、ヒロくんは下半身だけ裸です。

「わたし、このあいだ学校お休みしたとき、本当のお浣腸されたんだ…」

 由美ちゃんが突然語り始めました。


お医者さんごっこと私 05

2010年8月16日

お医者さんごっこと私 03

「うーーん。これは大変かもしれません。そのおズボンも脱いでベッドに来てください」

 由美ちゃんがすごく深刻そうな顔をして私に言います。

「ええーっ!?」

 この上、ジーンズまで脱げという要求です。

「ねえ由美ちゃん?お母さんとか、絶対入って来ないよね?」

 私は念を押しました。

「だいじょうぶ。まだ3時半だし、この家には私たちしかいないもの」

 由美ちゃんが素に戻って答えます。

 私は観念して、恥ずかしさにドキドキしながらジーンズをソロソロと脱ぎました。
 また由美ちゃんがハンガーにかけてくれます。
 私はとうとうショーツ一枚と白いハイソックスだけの裸になってしまいました。

「ではこのベッドにうつぶせに寝てください」

 由美ちゃんは座っていた椅子をベッド脇までひっぱっていき、ベッド脇に腰掛けました。
 私は言われた通りに、由美ちゃんが普段寝ているのであろうベッドに上がり、うつぶせになりました。

 立ち上がった由美ちゃんが、私の裸の背中からショーツのゴムのあたりまでを右手でペタペタと撫ぜています。
 そして左手をベッドのシーツと私のお腹の間にすべりこませ、またグイグイとお腹を押してきました。
 しばらくそうした後、左手を抜いて私の枕元にしゃがみこみ、言いました。

「やっぱりそうですね。でも安心してください。この病気は、お浣腸をすれば治ります」

「えっ!?」

 お浣腸、っていうのがどういう行為なのか知らなかった私は、どう反応していいのかわからずドギマギしていました。
 そのあいだに由美ちゃんは、私のショーツのゴムに手をかけてスルスルっと脱がせてしまいました。

「えーーっ!?あ、あの由美ちゃん!?やだーーーーっ!」

 あまりにも当然のように脱がされたので、呆気にとられて抗議の声を出すだけ。
 私はとうとう丸裸にされてしまいました。
 身に着けているのは白いハイソックスだけです。
 脱がされたショーツは、勉強机の上に置かれました。

 もっと怒ったり、抵抗したり、泣いたりもできたはずです。
 でも、なぜだかそういう気持ちにはなりませんでした。

 遊びに来たお友達のお部屋で夕方、着てきた服を全部脱いで丸裸になっている私。
 お友達がジーっと見ている前で、お友達のベッドの上で裸のお尻を晒している私。
 普通ならそんなこと絶対ありえないのに、そうなってしまった私。

 そんな私がとてもみじめで、かわいそうで、死にそうなくらい恥ずかしくて…
 でも、そんな私をドキドキしながら見ているもう一人の自分がいて…
 
 そっちの自分には、この恥ずかしさがとても気持ち良かったんです。
 真赤に火照った顔をシーツにうずめて、からだをピクピクさせながら言いようのない恥ずかしさに耐えていました。

「それでは、そこで四つん這いになってください」

 由美ちゃんがまた、信じられないくらい恥ずかしい要求を口にしました。

「そ、そんなぁ…」

 でも私は、その要求にも素直に応じる気です。
 ブルブルと震えながら、お尻を持ち上げてベッドに膝を付きます。
 同時に両手をベッドについて踏ん張り、背中を上げて行きます。
 隠していた火照った顔も由美ちゃんに見られてしまいます。

「もう少しお尻を上にあげてください」

 由美ちゃんが容赦なく追い討ちをかけてきます。

「は、はい…」

 操られているように素直に従ってしまう私。
 上半身を支えていた両手を両肘に切り替えて落とし、お尻だけををグイっと突き上げる格好になりました。
 まるで、伏せ、を命令されている大きなワンちゃんみたいな格好です。
 これだと由美ちゃんにお尻の穴もオシッコのところも、丸見えになっていることでしょう。

 恥ずかしいのに、断りたいのに…
 だんだんと自分をもっともっとイジメたい気持ちになっていました。

 ねえ由美ちゃん、直子のこの恥ずかしい格好、もっとよく見て…
 直子のお尻の穴とオシッコのところ、どう?…
 直子、恥ずかしいことするの、とても好きみたいなの…
 直子にもっと恥ずかしい格好、させて…

 そう言いたくてたまらない気持ちになっていました。

 由美ちゃんは私のお尻にペタンと両手をついて、軽くモミモミしていました。
 それから右手を伸ばして椅子の上に置いてあったピンセットで脱脂綿をつまみ、コップの水に浸してから、私のお尻のほうにソロソロと持っていきます。
 水のしずくがポトポトと私のお尻を濡らします。

「ひゃんっ!」

 思わず大きな声が出てしまいました。

 濡れた脱脂綿がお尻の穴のところにあてがわれました。

「ひーんっ」

 冷たい感触がお尻の穴を包みます。
 由美ちゃんは、脱脂綿の上から指をあてて、お尻の穴をやんわりとスリスリしてきます。

「あんっ、ちょ、ちょっと由美ちゃん?そ、そこは、キ、キタナイよ?…」

「だいじょうぶです。安心しててくださいね」

 由美ちゃんは、大人の人のような落ち着いた声で、私に答えました。

 不意に脱脂綿がお尻の穴から離れました。
 外気に晒されてお尻の穴周辺が湿っていることが、自分でもわかります。

「それでは、力を抜いていてください」

 由美ちゃんはそう言って、私のお尻の穴の両脇のお肉をグイっと左右に押し開きました。

「いやーんっ!」

 お尻の穴が広がる感覚に身悶えするほどの恥ずかしさが全身を駆け巡ります。
 右頬をシーツ越しのお布団に押し付け、両手でシーツをギューっとつかんで、お尻は大きく上に上げたままこの屈辱的な状況の恥ずかしさを必死に耐えました。

「それでは、やりますよ、お尻の力を抜いてくださいね」

 由美ちゃんの声が聞こえて、お尻の穴に何か冷たいものが押しあてられました。
 たぶん、あの大きな注射器です。
 先っぽの丸まったところが、私のお尻の穴に少しだけめりこんでいるみたい。

「あーんっ、いやーっ!」

 由美ちゃんは、そのまま注射器のピストンのとこをゆっくりと少しずつ押しているようで、お尻の穴からからだの中にちょっとだけど空気が入ってくるような感じもしています。

「だめだめだめーっ!」

 そのとき、お部屋のドアがバタリと開く音がしました。
 私はあんまりビックリしすぎて固まってしまいました。

「あ、ヒロユキ。おかえりー」

 由美ちゃんが手を止めて、ドアのほうを振り返りながら言います。

 ヒロくんは、由美ちゃんの弟くんです。
 この1、2年病気がちなので、由美ちゃんちに遊びに来てもあまり顔を合わすことはありませんでした。

「ちょうどよかった。今なおちゃんとお医者さんごっこやってるの。ヒロもまざる?」

「やるーっ!」

「じゃあ、ヒロは患者さんのお尻を支える係りね。こっちに来て」

 二人はそれがさも当然のように、丸裸の私をはさんで普通に会話をしています。
 私は思いもよらない展開に裸を隠すことにも頭がまわらず、そのままの格好で恥ずかしさにプルプル震えていました。

「なおちゃん?ヒロユキもまざるって。ヒロ、ずっと入院してたから、なおちゃんが会うのも久しぶりだよね」

 ベッドのシーツにうずめていた顔をおそるおそる上げて、その男の子の顔を見ました。

 えーーーーっ!!!?

 あの、運動会のときに私が見つけた可愛い男の子がヒロくんでした。
 私がヒロくんに最後に会ったのは、確か私が3年生に進級したとき。
 ヒロくんの頭は坊主刈りで、由美ちゃんと弓子ちゃんと四人で由美ちゃんちでトランプしたとき以来のはずです。

 そんなことを考えているあいだにヒロくんはベッドに上がって来て、私の裸のお尻を両手でペタリとさわり、私のお尻の穴を広げてきます。

 まさか、私が毎日校庭で姿を探していた、あの憧れの男の子が、今まで何度も会ったことのある由美ちゃんの弟くんだったなんて…
 その憧れの男の子の前で、今の私の格好ときたら…
 丸裸にされて、お尻の穴を広げられて…

 どうして、なんで、私がこんな目にあわなきゃいけないの?…
 そんな自分がすごくかわいそうで、みじめで、でもそれがなぜだか気持ち良くて…

 私の恥ずかしさが頂点に達していました。


お医者さんごっこと私 04

2010年8月15日

お医者さんごっこと私 02

 イケナイコトをするのですから、時と場所を選ばなければなりません。
 母親や家族には絶対みつからないように、お医者さんごっこをやるためには、

『家族がみんな出かけて家にいなくて、いつごろ帰ってくるかだいたいわかっている時』

 という条件が必要です。

 弓子ちゃんちはお店屋さんなので、ご両親がいないことはめったにありません。
 必然的に私の家か由美ちゃんちになります。

 私の家では、おもちゃや遊び用具がたくさんあったためか、あまりお医者さんごっこはしなかったように記憶しています。
 なので、普通に遊んでいる時に由美ちゃんが、

「あさっては、うち誰もいないんだ」 

 って言うと、私と弓子ちゃんに何か特別な用事がない限り、その日は確実に三人でお医者さんごっこをすることになります。

 患者さん役は、最初のうちは一応三人でかわりばんこにやるルールだったはずでした。
 でも、由美ちゃんはお医者さん役が一番やりたいみたいで、弓子ちゃんは患者さん役をいつもすごく恥ずかしがり、大きいお注射のハンデもあったので、いつのまにか私ばかり患者さん役になるようになっていました。

 私ももちろん、胸やお尻を出すのはすごく恥ずかしいんですが、その恥ずかしさで得られるドキドキ感が気持ちいいことに、いつしか気づいてしまったみたいです。
 私が患者さんをやれば、三人でいつまでもお医者さんごっこがつづけられる…
 そんな変な使命感まで持っていたみたい。

 弓子ちゃんも看護婦さん役ばかりではやっぱりつまらないらしく、いつの間にか、まず弓子ちゃんが患者さんになって胸をはだけて小さいお注射をもらった後、今度は私が患者さんになって、小さいお注射と大きいお注射をしてもらう、というルーティーンが1セットになっていました。

 と言ってもそんなに毎日できるわけじゃなくて、1カ月に一、二回くらいだったかな?
 確か初めてやったのが5月のお休みの後だったと思います。

 夏の間はプールに一緒に行っていたりしたので、お互い裸になり慣れていたせいか、あまりやりませんでした。
 
 9月に入って久しぶりに由美ちゃんちでやったときは、由美ちゃんも患者さんをやりたがりました。
 ルーティーン1セットの後に、今度は弓子ちゃんがお医者さんで、由美ちゃんが患者さんていう組合わせが追加されました。

 お互いが日に焼けていて、水着で隠れていた肌のとこだけ白くて妙に艶かしくも生々しくて…
 それをシャワー室とかお風呂場ではなくて、由美ちゃんちのお部屋の蛍光灯の下で見てる、見られている、っていう非日常感にすごく興奮したことを覚えています。

 そんな日々の中、10月の運動会で、私はすごく可愛い男の子を見つけました。
 徒競走のとき一生懸命走っていたその男の子は、背中のゼッケンから2年3組の子だとわかりました。

 まっすぐな髪のぼっちゃん刈りで、華奢で小さくて、目が大きくて女の子みたいな顔をした大人しそうな子でした。
 
 あんな弟がいたらなあ…毎日可愛がるのになあ…
 運動会の間中、その男の子の姿ばかりを目で追っていました。
 私の初めての恋、だったかもしれません。

 もちろん誰にも言わずに、教室の窓から下級生の体育の授業が見えるとその子を探す、くらいの恋でしたが…
 この頃が一番、私が母に弟妹をねだって困らせていた時期だと思います。

 11月の始め、由美ちゃんが何かの病気で2、3日欠席したことがありました。
 幸いたいしたことはなくて、次の週には学校に元気に顔を出しました。
 その日、一緒に下校した私は、

「後でわたしの家に来て。二人でお医者さんごっこやろう」

 と由美ちゃんに誘われました。

「弓子ちゃんは?呼ばなくていいの?」

「うん。ちょっと新しいシンサツをしてみたいの」

 由美ちゃんは、これは内緒よ、という感じで私の耳に口を近づけて囁きました。
 私は、なんだかゾクゾクっとしてしまいました。

 寒い日だったので、スリップの上にブラウスを着て、ジーンズを穿き、カーディガンも着てきました。
 由美ちゃんのお部屋は二階で、六畳間の洋室。
 勉強机とベッド、本棚と鏡台がきちんと整頓されていました。

 由美ちゃんが持ってきてくれたお菓子とジュースでしばらくは、クラスの他の子の噂やテレビ番組のお話をしていました。
 今日はご両親は、5時までは絶対帰って来ないそうです。

「そろそろ、お医者さんごっこ、始めようよ」

 由美ちゃんが嬉しそうに言いました。

 由美ちゃんは、かわいい茶色のワンピースの上にお父さんのものらしい白いだぶだぶのワイシャツを羽織って、すっかりお医者さんの先生に変身しています。
 勉強机の上には、いつものお医者さんごっこセットの他に、ピンセットや脱脂綿、お水の入ったコップなど、見慣れないものも置いてあります。

 私はもう一つの椅子に腰掛けて、由美ちゃんと対面しています。
 由美ちゃんの部屋はエアコンが効いて暖かかったので、カーディガンはもう脱いでいてハンガーにかけてありました。

「今日はどうされました?」

いつものように由美ちゃん先生が聞いてきます。

「このへんがちょっと痛くて…」

私は適当にお腹のあたりを押さえて答えます。

「それはいけませんねえ。ちょっと見てみましょう。お腹を出してください」

 ブラウスのボタンを全部外してはだけてから、スリップを胸の上くらいまでまくりあげます。
 このまくりあげる瞬間の恥ずかしさが、私は大好きでした。

 由美ちゃんがいつものように、耳にかけたおもちゃの聴診器をペタペタと私のお腹や胸に押し付けてきます。
 聴診器のからだにあてる部分は、おもちゃと言えどもアルミみたいな金属でできていました。
 ヒンヤリとした感触が心地いいです。

「背中を向けてください」

 私が椅子を回転させると、由美ちゃんは自分で私のブラウスとスリップをまくり上げて、露わになった背中に聴診器を押し当ててきます。

「はい。それではこっちを向いてください」

 いつもならここで小さいお注射を打つことになるのですが、由美ちゃんは下を向いて考え込んでいます。

「シンサツしずらいので、上を全部取ってください」

「えっ!?」

 今までのお医者さんごっこでは、胸をはだけてもブラウスや下着を脱ぐことはありませんでした。
 今日の由美ちゃんは、ブラウスとスリップを完全に脱ぐように要求しています。

 私はちょっと迷いましたが、やがてドキドキしながらブラウスの袖を腕から抜きました。
 脱いだブラウスを持ったまま、スリップの裾をジーンズから出して上にまくりあげて脱ぎました。

 私の上半身が完全に裸になりました。
 胸をかばうように持っているブラウスとスリップをどうしようか?とキョロキョロしていると、由美ちゃんが受け取ってハンガーにかけてくれました。
 私は両腕を胸の前で交差して隠しながら、赤くなってうつむいています。

「それではもう一度、シンサツしてみます」

 胸を隠している私の両腕をどかしながら由美ちゃんはそう言うと、今度は聴診器ではなく自分の右手で私の裸の上半身をさわってきます。
 肩からだんだんと手が下がってきて、胸、あばら、おへそとやさしく撫でています。

「あーーん、由美ちゃん、くすぐったーいー」

 私はワザとおどけて言ってみますが、由美ちゃんの顔はいたって真剣です。
 お腹のあたりに手のひらをあてると、力を入れてグイグイ押してきます。

「それではまた、背中を向けてください」

 今度は背中をやさしく撫でられました。
 背骨のあたりを撫でられたとき、ゾクゾクゾクっとくすぐったい気持ち良さがからだに走りました。

 再び由美ちゃんと向かい合いました。
 私はもう胸を隠すことはしませんでした。
 由美ちゃんに裸の胸をジーッと見られることが、なんだか嬉しかったんです。


お医者さんごっこと私 03