2013年6月2日

独り暮らしと私 12

 毎週の体育の授業は、お昼前の時間帯だったので、終わった後、着替えてから学食でランチをとります。
 そのときにたまたま相席になった同じ授業の人たちと、ポツポツ言葉を交わしているうちにいつしか親しくなって、体育の時間の仲良しグループみたいなものが出来ました。
 夏休み前までには、気軽におしゃべりするお友達が10人くらい出来、スポーツクラブに誘ってくれたのも、そのグループのお友達でした。

 私を含めて6人で、3時間ほどコートで汗をかき、その後は近くのファミレスでスイーツ&おしゃべりタイム。
 その席で、私にとってひどく刺激的で、興味深いお話を聞かされました。

「アヤさんて、テニスかなりうまいけど、高校のときからやってらしたの?」
 そう問いかけられた彼女は、水上綾乃さんといって、このグループのリーダー的存在な人でした。
 栗毛がかったベリーショートで、いかにもスポーツウーマンらしい、しなやかでスラッとしたからだつき。
 それでいて、よく冗談言って笑わせてくれる明るくて面倒見の良い姉御肌な性格なので、みんなから慕われていました。

 アヤさん以外の5人は、最近やっとテニスらしく打ち合いが出来る程度には上達していました。
 私も、アヤさんがお相手なら、いつまでもラリーをつづけることが出来るくらいにはなっていました。

「うまいって言われても、このグループの中でなら、っていう程度だけれどねー」
 そんな風に笑わせてくれてから、そのお話が始まりました。

「中学のときに、軟式はやっていたんだ」
「それで高校に入って、硬式をやってみようってテニス部に入ったんだけどさ」
「うちの高校、県内ではけっこうテニスで有名な学校でね。新入部員がすごい数なの」
 確かアヤさんは、東京と名古屋の中間くらいにある地方都市のご出身でした。
「うまい人はもう、最初からうまいんだ、これが。だから早々とあきらめてやめちゃった」
「それで、高校のときは、ずっと剣道部。うちの祖父が道場してたからそっちは子供の頃からやってて、なりゆきでね」

 うわーカッコイイ、とか、似合ってるーとかひとしきり大騒ぎ。
 おさまるのを待ってから、アヤさんがお芝居っぽく声をひそめてつづけました。

「それでね・・・」
「うちの高校のテニス部の妙な噂を聞いたことがあるんだ」
「何だと思う?」
 意味深そうにアヤさんが聞いてきます。

「八百長とか?」
「ドーピング?」
「部室に幽霊が出るとか」
 アヤさんは何も言わずに笑っています。
 みんな、うーん、って首をかしげて思案顔。

「聞きたい?」
 一斉にうんうんうなずく私たち。

「それがね、どうもこっそりと、ストリップテニス、っていうのをやっていたらしいの」
「えーっ!?」
「なにそれー?」
「テニスしながら、服脱いでいくわけ?」
「信じられなーい」
 と、またまた大騒ぎ。

「わたしも実際に見たわけじゃなくて、人から聞いた話なんだけれどね」
「教えてくれた人の話が妙に具体的で細かくて、ひょっとしたら本当なのかなー、とも思ったり」
「初めは、ノリのいい先輩たちが冗談ぽく始めたらしいのだけれど、それがだんだん上級生から下級生へのパワハラっぽく伝統化していったらしくて・・・」

 その後、アヤさんが説明してくれたお話を要約すると、こんな感じでした。

 ルールは、3ゲーム1セットの5セットマッチ。
 だから1セットで3ゲーム取れば、そのセットは勝ち。
 1セット負けるごとに、着ている服を一枚、脱がなくちゃならない。
 5セットマッチだから、3セット先に取ったほうが勝ち。
 つまり、そのマッチに負けた人は、三枚の着衣を脱いでいる状態になるわけです。

「だけど、いくらなんでも学校のグラウンドでもろに裸にしちゃうのはまずいでしょ?だから考えたらしいのね」
「普通なら、ウェアの下に三枚着ているじゃない?ブラとショーツ、それにアンスコ」
「それを負けるたびに一枚ずつ脱いでいくことにしたのね」
「だから正確に言えば、ノーブラノーパンテニスマッチ、ね」

「最初は誰でもアンスコを脱ぐわよね」
「2セット負けちゃうと、ノーブラかノーパン、どちらかで次のゲームに臨まなければならないわけ」
「ここは思案のしどころでさ。下ならその場でスルスルって脱げるけれど、でもその格好でゲームするのは・・・ねえ」
「上の場合だと、ウェアってたいていかぶりだから、脱がないでブラはずすのは大変よね。両腕袖から抜いて中でガサゴソ」
「たまたまかぶりのスポーツブラとかしていたら、もうしょうがない」
「そこにいる全員に囲まれた輪の中で、いったん上半身裸になってから、またウェアをかぶり直すことになるわけ」
「その頃、外国の女子選手がけっこうノーブラで試合してて話題にもなっていたから、やっぱりブラを先に取る子が多かったって」

 そのお話をアヤさんにしてくれたのは、中学の軟式テニス部時代のお友達で、アヤさんとは別の高校に進み、その高校の硬式テニス部に入って部の先輩から聞いた、ということなので、けっこう信憑性のあるお話と思う、とアヤさんは言っていました。
 アヤさんから一通りのご説明が終わると、次々に疑問点が投げかけられました。

「でもそんなこと部活の時間にしていたら、速攻で他の生徒や先生にみつかっちゃうんじゃない?」
「だからたぶん、夏休み中の練習のときとか合宿中とか、人の目が少ないときにやっていたんじゃないかな、って」
「うちの高校は、高い塀がめぐらされててグラウンド全体、外部からはぜんぜん見えなかったけれど、テニスコートは校舎の2階以上からなら丸見えだったから、一番警戒するのは学内の目のはず」

「それをやらされて、先生にチクった人とかいないのかな?」
「運動部の上下関係は、マジでやばいからねー。チクったりしたら後で何されるか、っていうのはあるよね」
「あと、そういうことやってたのは、大会とかには出れない、テニス一途ではない一部の人たちだと思うから、ノリのいい子だけ選んで、意外と楽しんでいたのかも」

「脱いじゃったらそこで終わりだったの?それからその格好で何かされるとかは?」
「負けた人たちは、その姿で玉拾いとか素振り、コートの後片付けとかをやらされたらしいわね。あと部室の掃除とか」
「ほら、ウェアのスコートって超短いじゃない。プリーツ入ってひらひらだしさ」
「だからちょっと動くとひるがえっちゃって、ワカメちゃんもオシリーナも全開、みたいな」
「それを、みんなでニヤニヤ見ていたらしいわよ」

「実際、いろんな人がいたみたい。絶対脱ぐもんかって勝負にマジになる人もいれば、対戦相手見て戦わずにギブして、その場で全部脱いじゃうあきらめのいい人」
「2敗目で下脱いでノーパンでコートを駆ける子もいたし、本当は強いはずなのにワザと負けて脱ぎたがる人とかもいたらしいよ」
「マゾっていうのかな?辱めを受けたがる人っているらしいじゃない」
「まあ、男子の目が無い女子校だからね。その手の恥じらいの概念が薄くなっちゃうのは確かだよね」

「ああ、やっぱり女子校だったのね、よかったぁー」
 グループの中で一番おっとりした性格なお友達が、心底良かったー、っていう感じでつぶやきました。
「なあに?ナナちゃん、男子も一緒だと思ってたの!?」
「男がいたら、そんなんじゃ終わらないよねー。て言うか、共学だったらありえないよー」
「ナナちゃんたら、聞きながらどんな想像してたのよー?」
 みんなに冷やかされて、ナナちゃんが真っ赤になっています。

 私も顔が赤くなっているはずです。
 ストリップテニス、という言葉が出たときから、お話を一言も聞き漏らすまいと真剣に聞いていました。

 その頃の私は、シーナさまからいただいたチョーカーを失くしてしまったショックから抜けきれてなく、ムラムラ感も相変わらず皆無でした。
 だけど、普段普通な会話ばかりしている学校のお友達から、この手のお話を聞かされるとは夢にも思っていなかった分、新鮮な驚きとともに痴的探究心がむくむく湧き上がりました。
 これは絶対、次のムラムラが来たときに役立つはず。
 そう思い、ワクワクドキドキしながら聞いていました。

 もしもこのお話を、私がムラムラ全盛期のときに聞かされていたら・・・
 お話にコーフンしすぎて、この場の全員に私のヘンタイ性癖を何らかの形でご披露してしまっていたかもしれません。

「ねえ?アヤさんも、ひょっとしたらそれがイヤでテニス部やめちゃったの?」
「ううん。最初に言ったみたいに、単純に見込みがなさそうだったから。夏休み前にはやめちゃってたわね」
「今でもそんなこと、やってるのかしら?」
「さあねー。在学中に校内でそんなウワサは一度も聞いたこと無かったし、テニス部つづけてた友達もいたけど、聞いたこと無かったな」
「たぶん、けっこう尾ひれが付いちゃって、都市伝説化してるとは思うけれど、テニス部の歴史の中で、そういうことをやってた時期があった、っていうのは本当なんじゃないかなー、って思うんだ。いろいろ具体的すぎるもの」

「なんか面白そうだから、うちらもやってみよっか?」
「えーーっ!?恥ずかしいよー」
「どこでやるのよ?」
「どっかペンションとか行ってさー」
「うちら大学生なんだから、男も呼んじゃう?」
「やだーっ、えっちーー」
「ただしイケメンに限るっ!」
「そう言えばプロのテニス選手で、つけ乳首してるってウワサになった人いなかったっけ?」
「あったあったー。いみねーって思った」
「そんなにちっこかったのかな?でもおっきくしたからってどーよ?って話よねー」
「いやいやいや、ツッコむところ、ソコじゃないから」
 私とナナちゃんを除いたみんなが、キャイキャイ盛り上がっています。

「ほらほら、アヤさんたちがお下品な話ばっかりするもんだから、ウブっ子なお姫がお困りよっ」
「ほんとだー。直子とナナちゃん、顔真っ赤ー」
 4人から盛大に冷やかされます。

 私の顔が赤いのは、照れているのではなく、ひそかにコーフンしているから。
 とくにさっき、アヤさんの口から、マゾ、という単語が発せられたとき、からだの奥がピクンと震えてしまいました。
 普通のお友達からそんな言葉を発せられると、なんだか自分が言葉責めされているように感じてしまいます。

 彼女たちからは、それまでに何度か合コンのお誘いもいただいていました。
 そのたびに私は、のらりくらりとお断りしていました。
 私、男の人、苦手だから・・・
 それがお断りの決まり文句で、私としては、いろいろな意味で本心なのですが、彼女たちはそれを、女子校育ちのお嬢様→恋愛経験が無い→男性が怖い→ウブ、と捉えているようで、いつもその線でいじられていました。
 男性がだめなら女性がいいの?って聞いてくれる人がいないことが、幸せなのか不幸なのか・・・

 その日、お家に帰ってから、早速ノーブラノーパンでテニスウェアを着てみました。
 リビングの鏡の前でラケットの素振りをしてみます。
 スイングするたびにウェアに乳首が擦れ、スコートの裾が大きくひるがえって、鏡の中で自分の無毛なアソコがチラチラと見え隠れしていました。
 うわーっ、本当にいやらしい姿・・・

 ムラムラ期の私なら即座に妄想がほとばしり、そのまま長時間オナニーへ突入していたことでしょう。
 でもその夜は、なんとなくそんな気になれず、アヤさんからお聞きしたお話を忘れないよう、パソコンに要点をメモしてから、シャワーを浴びて早々と眠ってしまいました。
 久しぶりに本気で運動して、からだが疲れきっていたこともあるのでしょうが、チョーカーがまだみつかっていない不安感からくるショック状態からも、まだまだ脱しきれていなかったのだと思います。

 その後、生理をはさんで、さも当然のようにムラムラが日に日にからだを満たし始め、今回の全裸生活スタートにつながったというわけです。
 
 あの夜ほとばしることのなかった妄想を、これから存分に味わっちゃおう。
 右手を伸ばして、テニスウェアをハンガーからはずしました。


独り暮らしと私 13


2013年6月1日

独り暮らしと私 11

 やっぱりTシャツとかかなあ?
 スープボウルを流しで洗いながら、何を着てびしょ濡れになるかを考えています。

 やわらかめな生地のぴっちりTシャツをノーブラで着て、それが濡れて肌にぴったりくっついた様子は、とてもえっちだと思います。
 乳房の丸みも、もちろん乳首も丸わかりになっちゃって恥ずかしさ満点。
 午前中のお買いものときにTシャツを選んじゃったことにして、汗で濡れ透けしちゃった妄想を楽しむのもいいかな。
 そう言えば、異国美人さまもTシャツノーブラだったっけ。
 濡れてはいなかったけれど。

 一方で、びしょ濡れっていうシチュエーションにこだわるなら、そういったもともと肉感的ボディコンシャスな衣類ではなく、もっと日常的な、ごく普通のお洋服姿でなったほうが理不尽さが増して、被虐感がいっぱい出るようにも思います。
 たとえば大人しめのワンピースとか、学校の制服とか、パンツスーツとか。
 服装がきっちりしていればしているほど、びしょ濡れ姿にありえない感が出て、哀れさが強調される、みたいな。
 そう思うのは、今まで私がびしょ濡れになったのが、制服を着ていたときが多かったからだけなのかもしれませんが。

 高校の時の制服はブラウスまで一式、クリーニングに出してからビニールのままクロゼットに保管してあります。
 あれを引っ張り出してくるって、ずいぶん大げさになっちゃうなー。

 あれこれ考えつつふと手元を見たら、無意識のうちにスポンジでキュッキュッと鎖を擦っていました。
 夏の昼下がりにキッチンで全裸で、自分の股に巻いて汚した鎖を洗っている女の子って、世界中で私だけだろうなー。
 ひとりで苦笑いしてしまいました。

 大学からの帰りに降られちゃったことにして、通学で着ているブラウスに下も普段着スカートでいいかな。
 リネンのブラウスだと、濡れちゃうと驚くくらい見事に透けちゃって、ぴったり肌に貼りついちゃうんだよね。
 今日お洗濯した中にも確かあったはず。
 せっかくそろそろ乾く頃なのにまた濡らしちゃうのもなんだかなー、って思うけれど、どうせ明日もお洗濯するんだし・・・
 そんな思考の流れで、これから着るお洋服は、今日洗ったお洗濯物の中から選ぶことにしました。

 洗い終えた鎖や手錠をベッドルームの所定の場所に戻した後、サンルームに寄りました。
 いくつかのお洗濯物に触れてみたら、2回目のお洗濯物まではだいたい乾いているようでした。

 サンルームいっぱいに吊り下がった、たくさんの衣類を見て回ります。
 下着の数がすごい。
 やっぱり下着まできっちり着けたほうがリアルさが増して、妄想しやすいかも。
 そんなの着けていたら風邪をひいてしまうわよ?なんて言われてやさしく脱がされて・・・とか。
 いろいろ考えながらサンルームの窓際まで来て、一番最初にお洗濯したものを干した一角で、とあるお洋服に視線が釘付けになりました。

 そうだった!
 これがあったんだ。
 そのお洋服を見た途端、私の頭の中に、これから私が受ける恥辱のイメージが滾々と湧き出てきました。

 そのお洋服は、テニスウェア。
 お盆の頃に、大学のお友達に誘われて数人で、都内のスポーツクラブの室内コートで遊んだときに着用したものでした。
 ということは私ったら、2週間位ずっと、お洗濯していなかったんだ。

 大学の体育の授業で、なんとなく選択したテニス。
 高校のとき、ほんのお遊び程度に数回、お友達にお借りしたラケットを振ったことはありましたが、まったくの初心者。
 ウェアがかわいい着てみたい、っていう理由だけで選んだようなものでした。
 大学での体育の授業は、出席さえしていればそれでいい、みたいな感じって、母ややよい先生に聞いていたので安易に選んじゃいました。
 あわよくば、ちょっとでもテニスが上手になったらいいなー、なんて思いながら。

 実際の授業では、そこそこ出来る人たちと初心者グループに自然に二分され、出来る人たちはコートで試合形式、初心者グループは講師の先生のご指導を受けて素振りから、みたいな形になって、それぞれそれなりにキャイキャイ楽しんでいました。

 ラケットやシューズ、ウェアなど一揃いは、ネットでざっと検索して目星をつけてから、ひとりで繁華街のスポーツショップに買いに行きました。
 初心者なのですけれど・・・って売り場のお姉さんに告げたら、その感じのいいお姉さんがとても親切にご相談にのってくださり、ネットで見ていいなと思ったもので揃えることが出来ました。

 ウェアは、胸元が大きめに開いたタンクトップタイプのものにもすっごく惹かれたのですが、私の性格上、それを着た途端にヘンなスイッチが入ってしまう予感もあり、オーソドックスなポロシャツタイプのものにしました。
 テニスのときはスカート、じゃなくてスコートって呼ぶのでしたね、の下に、見られることが前提の下着、アンダースコートっていうのを穿く、ということは知っていました。
 なので、スコートは思い切って、かなり丈が短めのにしちゃいました。
 プリーツがたくさん入ったヒラヒラでかわいいやつ。
 私の持っているスカート類の中では、だんとつの短さ。
 アンダースコートも、お尻にフリルがたくさん付いた、ちょっと派手過ぎかもだけれど超かわいいの、に決めました。
 上下とも全部真っ白。
 ネットで見て一目で気に入った、とあるカッコイイ日本の女子プロテニスプレイヤーのかたのお写真をお姉さんにお見せして、お姉さんのアドバイスも参考に選びました。

 初めてのテニス授業の日。
 スコート短すぎて悪目立ちしちゃったらどうしよう、って着替えるのがドキドキだったのですが、やっぱりみんなお年頃な女子大生。
 男性の目が無い安心感もあってか、胸の谷間を見せつけている人、私のよりも短そうなワンピスタイルのウェアの人、からだの線が丸わかりなピチピチデザインのウェアの人とか少なからずいて、ドキドキは杞憂に終わりました。
 もうちょっと大胆にしてもよかったかな、なんて思ったりもして。

 このテニス授業を受け始めてからしばらくの間、私はひとつ、恥ずかしすぎる勘違いをずっとしていました。

 テニスウェアに着替えるとき、スカートを穿いたままショーツを脱いで小さくたたんでからバッグの奥深くにしまい、代わりにアンダースコートを穿いた後にスカートをはずしてスコートを着けていました。
 だから体育の授業がある日はいつも、長めのスカートを穿いていくことにしていました。
 その頃、私のアソコは常時パイパン状態と言ってもいいくらい、まめにお手入れをしていたので、万が一でも着替えのとき、誰かに無毛地帯を目撃されないように、と考えての防衛策でした。

 女性しかいない更衣室だし、誰かに見て欲しい気持ちも無いことはなかったのですが、その事実を知ったとき、みんなが私にどんなレッテルを貼るか、が、すっごく不安でした。
 まだ入ったばっかりで、これからも通わなければならない学校ですから、一時の衝動で動いてヘマをして、とりかえしのつかないことになる可能性を考えると、極力、私の特異な性癖は隠して普通に過ごすべきだと考えていました。

 テニスを始めてひと月経った4度目の授業のとき。
 更衣室でいつものように着替えていると、背中をツンツンとつつかれました。
 ちょうどアンダースコートを膝くらいまで上げたときでした。
 ドキンと胸が波打って、うろたえ気味に振り向きました。
「それ、下着の上に穿くもの」
 知らない女性が私の顔を見ながら小さな声で言いました。

 正確に言えば、まったく知らないわけではなく、このテニスの授業や他の講義のいくつかでご一緒していた人でした。
 お顔は知っていたけれど、まだお話したことがなくお名前も知らない同学年の人。
 前髪だけ長めなショートカットで、お化粧っ気の無い小さなお顔。
 小柄でスレンダーなからだにいつもモノトーンのお洋服を着て、お教室の後ろのほうで文庫本を読んでいる印象。
 無気力そうで、つかみどころのない不思議ちゃんタイプの女性。
 そのアンニュイな独特の存在感で、ある意味目立っていた人でした。

「えっ?」
 私は、言われた言葉の意味がとっさにはわからず、屈んでアンダースコートに両手をかけたまま固まっていました。
「アンスコは下着を隠すためのもの。だから下着は脱がなくていい」
 私の顔を前髪越しにじっと見つめたまま、その人は無表情に、そう言いました。

「あっ!」
 言われている意味をやっと理解した私は、たちまち全身が熱くなってきました。
「あっ、あっ、そ、そうなのっ?}
 自分の顔がみるみる真っ赤に染まっていくのが見えなくてもわかります。
 膝のアンダースコートを上げるべきか下げるべきか、迷っています。
 恥ずかしい・・・
 なぜだか目元までウルウルしてきてしまいました。

「そ、そうなんだ、教えてくれてありがとう」
 いたたまれない恥ずかしさに、出来ることならすぐにこの場から逃げ去りたい、と思いながらも、なんとか小さな声でお礼が言えました。
 そんな私を、彼女はまだじーっと見つめてきます。
 その視線に吸い寄せられるように見つめ返すと、前髪の隙間から覗く彼女の瞳は大きくて、白くて小さなお顔立ちとも相俟って、まるでフランス人形みたい。

「でも、したくてしているなら、それでもいいと思う」
 彼女の唇の両端が微かに上がったような気がしました。
 微笑んだのかな?
 考えているうちに彼女はクルッと背中を向け、ラケット片手に更衣室を出て行きました。
 とりあえず私は、ちょっと迷ってから、そのままアンダースコートを穿きました。
 授業の間中、自分の下半身が気になって気になって、ずっとそわそわしっぱなしでした。

 見せるための下着、という言葉をそのまま受け取っていた私は、アンダースコートも下着の一種だと思い込んでいました。
 だから、テニスのときには通常の下着を脱いだ上でその下着を着ける、と解釈して穿き替えていました。
 でも実際はみんな、下着の上にアンスコを穿き、本物の下着が見えちゃうのをカバーしているわけです。
 ということは、下着を取ってアンスコを直穿きしている私は、隠すべき下着が無いわけですから、理論上はアンスコが下着ということになって、つまりは下着を盛大に露出しながらテニスの授業を受けている、っていうことになるのかな?
 でも見ている人は、それをアンスコだと思って見ているのだから、別にヘンなこととは受け取らないだろうし。
 だけど私にとってそれは下着姿なわけで・・・

 考えているうちに、何がなにやらわけが分からなくなってしまいました。
 でもとにかく私が、かなり恥ずかしいことを知らずにしていた、という思いだけは残りました。

 たぶん彼女は、私が下着を脱いでアンダースコートを穿く、という一連の動作をずっと見ていたのでしょう。
 ひょっとすると今回が初めてではなく、以前から見ていて、教えるタイミングを探していたのかもしれません。
 少なくとも彼女だけは、知らずとは言え、私が実質上の下着丸出しで大学のグラウンドを跳ね回っていたことを知っていたわけです。
 彼女に対する恥ずかしさに胸が張り裂けそうでした。
 同時に不思議な雰囲気の彼女に興味も抱きました。

 テニス授業の後、仲の良いお友達に彼女のことを尋ねてみました。
「ああ。あのオタクっぽい子?群れるのが好きじゃない、ってタイプだよね」
「腐女子なのかな?でも服のセンスとかいいんだよね。何気にいいもの着てるし。テニスもそこそここなしてる」
「無口だよね。しゃべってるの見たこと無いかも」
「語学で一緒になったとき、ちょっとしゃべったことがある。確か、小宮さん、じゃなかったかな?」
「なあに?何かあったの?」

「ううん別に、ちょっとね・・・」
 って、その場は適当にごまかし、午後の講義で小宮さんと一緒になったとき、最後方の席で文庫本を読んでいた彼女に、あらためて、さっきは教えてくれてありがとう、ってお礼を言いに行きました。
 なぜだかどうしてももう一度、ちゃんとお礼を言いたかったのです。

「うん」
 お顔を少し上げた彼女がポツンとそう言って、また唇の端を微かに上げてくれた後、再び文庫本の世界に戻っていって、それっきりでした。


独り暮らしと私 12


2013年5月25日

独り暮らしと私 10

「お願いです、もうがまん出来ません。イかせてくださいぃ」
 仰向けの私を見下ろしている異国美人さまに、ホイッパーをアソコに擦りつけて身悶えながら懇願しました。
「オゥ、ソウリィ。ゴホウビアゲルノ、 ワスレテタ」
 異国美人さまがゴーヤを手に取りました。
「オマエガホシイノハ、コレカ?」
「はいぃ」
「コレハ、ダイジナタベモノ。プッシーデツカッタアト、チャントタベロ」
「はいぃ」
「ホラ」
 私のお腹の上にゴーヤをポンと投げてきました。
「ハンドカフモ、トッテヤル。ビターメロントクリームデ、スキナダケシロ」

 上半身を起こし、右手の指で左手首の手錠のマジックテープを剥がします。
 バリバリバリッと派手な音をたてて、左手が自由になりました。
 右手のもはずし、すっかり緩んでしまった鎖ふんどしもはずしました。

 トレイの上に転がっているゴーヤを右手で掴みます。
 濃い緑色の無数のイボイボ突起が荒々しくつらなる葉巻型物体。
 ある意味グロテスクなそのルックス。
 全長25センチくらい。
 ラグビーボールのように真ん中が一番膨らんでいて、その部分の直径は7~8センチくらい。

 もちろん、これが丸々全部、私の中に入るとは思ってもいません。
 先っちょから入るだけ挿れてみて、そのザラザラを味わってみたいと思っただけでした。
 ダメだったとき用の代役として、皮ごとのバナナも1本用意してありました。

 いざ手に取って挿れてみようとなると、ゴツゴツした手触りやずっしりした重さ、その特異なルックスと相俟って、やっぱり尻込みしてしまいます。
 とにかく太すぎ。
 私の、裂けちゃったらどうしよう・・・
 けれども、イボイボに対する好奇心にはあがらえません。
 こんなものを挿れてみようと思う女・・・
 自分がつくづくはしたないヘンタイなのだと、今さらながら思い知ります。

「ナニシテル?ハヤクソレデオマンコシェイクシテ、オーガズムニナレ!」
 頭の中で異国美人さまのお声が聞こえ、私は決心しました。
 お尻を床についた形で両膝を左右に大きくM字に広げ、受け入れる準備。
 右手に持ったゴーヤの先を、左手の指で思い切り押し開いたピンク色の入口にそーっと近づけていきます。

「ああんっ!」
 入口の唇を揺らして、緑色の宇宙船がドッキングを開始。
「あああーーっ」
 突起がズリズリと乱暴に壁を擦りながら、ゆっくりと奥へ進んでいきます。
「いやーーんっ」
 私の蜜とクリームが入り混じった白濁色の液体が、入口からヌルヌル溢れ出てきました。
「あっ、あっ、あーんっ!」
 やだなにこれ、気持ちいい。
 無数のイボイボ突起が、荒々しく膣壁を擦り上げ、やわらかな粘膜がヒクヒク戸惑っています。
「あーーっ!」

 ゴーヤ全長の四分の一くらいが隠れたところで、私の入口はいっぱいいっぱい。
 私の中に先細りなゴーヤが5、6センチほど、入っている計算です。
 押し広げられた圧迫がちょっと痛い感じ。
 これ以上進むと、ゴーヤの直径がグングン太くなっていきます。

 その状態でとりあえず、右手に持ったゴーヤをゆっくりと前後に動かしてみます。
「あんっ、あんっ、あんっ」
 私の中でイボイボが前後に擦れ、ピンク色のヒダヒダが、この物体をもっと迎え入れようか追い出そうか、あわただしくさざめいています。
「んーーっ、ああーんっ」
 奥まった花ビラを擦られるのがすっごく気持ちいい。
 ゴーヤをいったん完全に外に出してから、再び挿入するのが一番いい感じぽいです。
 ゴーヤを持った腕のストロークが大きくなり、反復のピッチも上がりました。
「んっ、んっ、んーーっ」

 左手で持ったホイッパーをクリームまみれのおっぱいになすりつけ、左右の乳首をビンビン弾きます。
 ホイッパーのクリームを舐めては、また乳首へ。
 右腕はずっと、かなりのスピードで前後に動いています。
 出ては入りをくりかえすゴーヤの、三分の一くらいまでが隠れちゃうくらい、奥へ奥へと侵攻されていました。
 少しの痛さも快感に変換されています。
「あんっ、いやっ、だめっ、やんっ」
 背中がのけぞり、左右に激しく揺れてしまいます。
 ゴーヤが出て行くときに腰が跳ねて、イボイボがもろに、真っ赤に熟しきったクリトリスをその凸凹でザラザラッと踏みにじっていきました。
「あーーーぃーーーっ!」
 全身にゾゾゾーッと快感が走り抜けました。

 より刺激的な快楽の発見にすぐさま反応した右腕は、ストロークのフォームを水平ではなく斜め上気味、土手から擦りつけるように穴へ挿れ、裂唇上部から土手へと擦りつけるように出す、に変更しました。
 常時イボイボに蹂躙されるようになってしまった私の一番敏感な芽。
 効果はすぐにあらわれ、急速に昂ぶってきました。
「あーーっ、いいいいいいーーっ、いいいっ!!」

 ゴーヤ軍のキャタピラに踏まれ、擦られ、叩かれ、弾かれ、潰され、それでも精一杯背伸びして尖立することをやめない私のクリトリス。
 そんな勇敢だった戦いもそろそろ終焉のようです。
「あああだめーいい、いくいくいく、うううんんんぅ!!!」
 ビクンビクンと全身がのたうち、頭の中には真っ白な旗が翻っていました。

「ハァハァ・・・ああ、気持ち良かったぁ・・・」
 バスルームの床に仰向けに寝そべったまましばし休憩。
 ホイップクリームと私の体液でヌルヌルになったタイルでも、上気した全身には冷たい感触がそこそこ気持ちいい。

 寝そべったまま目だけ動かして周りを見ると、床や私のからだはもちろん、浴槽の側面にまでホイップクリームの白い飛沫が飛び散っていました。
 ずいぶん汚しちゃった。
 やっぱりバスルームにして正解だったな。
 よーし、このままお風呂掃除をしちゃおう。
 右手に握ったままのゴーヤから手を離し、上半身をゆっくりと起こします。

「あーーっ!」
 鏡に映った自分の首を見て、思わず大声が出ちゃいました。
 大切なチョーカーにまで、白いクリームがベットリついちゃってました。
 あわててはずそうとして、自分の両手もヌルヌルベチョベチョなことに気づき、そそくさと立ち上がって蛇口のところへ行き、まず両手をキレイに洗いました。
 
 はずしたチョーカーを濡れタオルに包んで丁寧にぬぐってから、もう一枚乾いたタオルで、細かい細工の隙間についたクリームを慎重に拭き取ります。
 濡れ染みが残っちゃうかなー?
 革って、濡らしちゃったら陰干しだったよね。
 早く干さなきゃ。
 チョーカーをひとまず脱衣所に避難させます。
 
 ぬるめのシャワーでからだのあちこちについたクリームをざっと洗い流し、バスタオルでからだを拭くのもそこそこ、ベッドルームのお勉強机の上に乾いたタオルを敷いてチョーカーを安置しました。
「ふーっ、これでよしっ。やれやれ・・・」

 細かい作業をあわただしくしたことでムラムラが落ち着いたのか、その後すぐ、真面目にお風呂掃除を始めました。
 ブラシで壁を磨き、スポンジで浴槽を磨き、デッキブラシで床を磨き、排水溝のゴミを取り除き・・・
 裸ですからどんなに水しぶきが跳んでもへっちゃら。
 ときどきシャワーで洗剤を流しつつ、しばらく夢中で働きました。

 だけどやがて、こんなことを考え始めてしまうのが私です。

 それにしてもさっきのゴーヤはスゴかったなー。
 あの感触は病みつきになっちゃいそう。
 今度は、もう少し細めのゴーヤを買って、もっと奥まで挿れてみたいな。
 あ、でも私、ゴーヤを使ったお料理って、チャンプルーくらいしか知らないや。
 今、お豆腐無いから作れないな。
 お掃除終わったらネットで、ゴーヤを使ったお料理、検索してみよう。

 えっちな遊びで野菜や果物を使ったら、無駄にせずに必ずお料理して食べること、っていうのは、やよい先生と交わしたお約束でした。
 食べ物を粗末にするのは良くない、っていうのは私も同じ意見なので、今までも必ずそうしていました。

 きゅうり、バナナ、茄子、ニンジン、長ネギ・・・
 あと何挿れたことあったっけ?
 ダイコンは太すぎて、ちょっと辛そうだな。
 あ、山芋がスゴイって何かで読んだっけ。
 皮剥いて挿れると、アソコが痒くなっちゃって、それがたまらないって。

 そんないやらしいことを考えながら、四つん這いで床を磨いていても、からだに発情の反応はありません。
 さすがの私のムラムラも、こうたてつづけだと疲れちゃったのかな?
 お風呂掃除が終わったら、ちょっと横になって休憩しよう。
 あともうちょっとだから、がんばろう。

 大きな鏡を濡れタオルと乾いたタオルで交互にピカピカに磨きます。
 鏡に私の全裸が等身大で映っています。
 それを見て、ふと思い当たりました。

 そっか。
 考えてみれば、バスルームに全裸でいるのは、いたって普通のこと。
 て言うか、日常生活で全裸になるもっともポピュラーな場所がバスルーム。
 だからここでは、裸でいても違和感を感じないから、さほど欲情を催さないのかもしれないな。
 浴場で欲情。
 あ、シャレになってる。

 バスルームでは、子供の頃から数え切れないほど、オナニーをしてきました。
 とくに中学、高校くらいの頃は、裸になることが当然な入浴タイムは、絶好のオナニータイムでした。
 
 バスルームでのオナニー。
 最初のうちは単純に、全裸のからだ中をまさぐるだけでしたが、やがてシャワーをアソコに当てたり、それに強弱をつけたり、浴槽の縁に跨って擦りつけたり、ブラシの柄を挿れてみたり・・・
 家族といる頃は、シャワーを全開にして派手な音をたてつつ、声を押し殺して、していました。
 独り暮らしになって声をひそめる必要はなくなったのに、その最中にシャワーを全開で流しっぱにする習慣だけ、しばらく残っていました。
 無意識のうちに身についてしまった習性って、不思議ですよね。
 バスルームでの裸を恥ずかしいと思わないのも、そんな習性のひとつかもしれません。

 バスルームで全裸はあたりまえ。
 だからそこでオナニーもあたりまえ。
 バスルーム以外、普通、裸にはならないはずの場所で、はしたなく裸になって気持ち良くなりたい・・・
 それが、実家にいた頃の私の一番の願望だったのかもしれません。

 お家に家族がいると、自分のお部屋でも、全裸になっての自慰行為は、とても勇気がいりました。
 万が一、その最中に両親が入ってきたら・・・
 だからお部屋では、たとえ真夜中でも、スカート穿いたままショーツだけずらして、とか、素肌にパジャマだけ着て、とか、思い切って全裸になっても、すぐさまお布団に潜り込めるように耳を澄ませてビクビクしながらがせいぜい。
 家族に不意に襲来されたとき、絶対言い逃れ出来る状態でコソコソ行なうのが常でした。

 たまに、私以外家族全員お出かけでお家に誰もいなくなり、いつ頃戻るかわかっているときがあればビッグチャンス到来。
 ここぞとばかりに、全裸になってお家中を、恥ずかしがりながら歩き回ったものでした。
 結局私って、ちっちゃな頃からお家で裸になりたくって仕方なかったんだな。
 我がことながら、なんだか苦笑いです。

 そこまで考えて、はたと気がつきました。
 裸でいるのが当然の場所なら、あえてそこでお洋服を着たら、どうだろう?

 私の数あるヘンタイ性癖のひとつに、びしょ濡れ願望、というのがあります。
 
 中学の頃、不意のしのつく雨に打たれ、制服のブラウスがびしょ濡れになって、くっきり透けたブラジャー姿を町の見知らぬ人たちに視られて、アソコも濡らしてしまった私。
 自然気象がもたらした突発的な野外露出行為。
 そのとき体験した恥辱的刺激の虜になった私は、その後、雨の日にわざとずぶ濡れになることを何度かしていました。

 お洋服を着たまま全身びしょ濡れになってしまった理不尽な自分の姿の、何とも形容し難いみじめさと言うか不幸さと言うか負け犬ぽさと言うか、が、私の被虐心を強烈にくすぐりました。
 生地が肌に貼りつく感触、水分を吸った衣服の重さ、ぺちゃんこになった髪の毛、そして、普段隠されている部分まで透けて晒されてしまう羞恥。
 それらすべてが私の官能を激しく疼かせるのです。

 お洋服を着たままびしょ濡れ、という事態も、普通に暮らしていればありえないこと=非日常的行為のひとつと言えるでしょう。
 そういうのが大好物な私。

 最後に雨でずぶ濡れになったのは、いつだったっけ?
 そうだ、やよい先生との思い出の日、ユマさんと私の母校の前でだった。
 あのときは、薄っぺらいレインコート着てて、それもやよい先生に脱がされて、最後は全裸だったな。
 ユマさんの指で、当時通っていた学校の裏門の前でイかされちゃったっけ・・・

 あ、違う。
 一年ちょっと前。
 やよい先生が住んでいた町にある小さな山のカクレガ。
 あのときも全裸だったな。
 あの子、元気かな・・・

 いろいろ懐かしく思い出すうちに、ぜひとももう一度、あの感覚を味わいたくなりました。
 お風呂掃除もあとはお水であちこち流すだけ。
 バスルームで、全裸でずぶ濡れになっても、それは普通のこと。
 ここは、あえてお洋服を着て、濡れるのもかまわず、いいえ、積極的にずぶ濡れになって、スケスケエロエロになっちゃおう。
 そう決めて、そそくさとトレイにスープボウルとゴーヤや鎖などを載せ、ひとまずキッチンに戻りました。


独り暮らしと私 11