まっ先に一階の洗面所に寄り、冷たいお水で顔を洗って、トイレをして、しーちゃんのお家にお電話した後、母にしーちゃんが泊まることを告げました。
やっと気持ちが落ち着いてきました。
再び自分のお部屋に戻ってからは、いつもお話しているアニメやマンガなどの話題を、普段どおりにいろいろおしゃべりして、やっぱり、しーちゃんとお話するのは楽しいな、って感じていました。
お夕食を、母と篠原さん親娘としーちゃんとでワイワイ食べた後、また二人で私のお部屋に戻りました。
「胸につっかえていたことをなおちゃんにちゃんと話せて、なおちゃんもワタシたちを理解してくれて、これからもお友達でいてくれるってわかったら、なんだか一気にスッキリしちゃったヨ。だから、もっとエッチなヒミツも全部、この際教えてあげるネ」
そう言って、明るいお顔に戻ったしーちゃんがその後聞かせてくれたお話は、つまりは二宮先輩としーちゃんとのラブラブなお惚気話だったのですが、しーちゃんは知らないはずの私の性癖をピンポイントで刺激しまくる、二人をすっごくうらやましく感じてしまうお話でした。
鳥越先輩のお家で初エッチをした後、しーちゃんのお部屋や二宮先輩のお家、たまには鳥越先輩のお家で、夏から秋にかけて、二人は何度も何度もえっちなことをしたんだそうです。
「クリスの家はネー、すんごい豪邸なんだヨー。なおちゃんちにも負けないくらい」
しーちゃんの二宮先輩に対する呼び方が、いつの間にかクリスって愛称に変わっていました。
先輩なのに、いいのかな?
「お父さんがどっかの大きな会社の社長さんらしくて、お手伝いさんとか執事さんまでいるんだヨ」
「クリスは三人姉妹の真ん中。クリスの部屋もすんごく広くて、当然、お姫さまベッドだった」
「でも、クリスの家に初めて行ったのは、二学期始まってからで、その前に行った夏の合宿がまた、スゴかったんだヨ」
「合宿のときは、顧問の井上先生のお友達っていう、プロのモデルの人が来て、その人のヌードデッサンもやったのネ」
「その人がすんごく美人さんでキレイなからだでネー。20代半ばくらいなのかナ?おっぱい大きくて、乳首がツンとしてて、アソコの毛もキレイにカットしてお手入れしてあって」
「落合先輩によると、毎年来てくれてるんだって。今年で3年目だけど全然からだの線が崩れてなくって、それどころか見るたびに一層キレイなプロポーションになってる、って」
「アダルトビデオの人なんじゃないか?なんて憶測もあったんだけど、井上先生は笑って否定してた。去年、落合先輩がネットのそういうサイトで顔を頼りに検索しまっくったときも、みつからなかったんだって」
「それで、そのデッサンをやった日の夜は、みんなコーフン気味だったんだ。えーっと、性的なイミでネ」
「で、ワタシたち6人は同じお部屋だったんだけど、負けたらカード交換と同時に服も脱がなきゃいけない、ストリップ大貧民が始まったんだヨ」
「大貧民は二枚、貧民は一枚、負けたら何か着ているものを脱がなきゃいけないのネ。富豪と大富豪は、その脱いだ服ももらえるの。脱ぐものが失くなったらエッチな指令になるのネ」
「夏だからみんなTシャツにジーンズと下着くらいじゃない?身に着けてるの。だから3回くらい大貧民がつづくともうハダカンボ」
「富豪とかに返り咲ければ、貧民がまだ服を持っていれば返してもらえて着れるんだけど、返ってくるのが自分の服とは限らないのネ」
「マッパなのにTシャツだけ返ってきたりすると、それだけ着たりして。下半身ヌードでチビTだけって、すんごくいやらしい感じなんだヨ。それ披露したのは村上先輩で、あの人おっぱいバイーンだから、すんごくエッチかった」
「クリスは最初の3回ずっと大貧民で、たぶんワザと負けてたんだと思う。早々と脱ぐものが失くなっちゃってて」
「ワタシはだいたい貧民から平民の間をウロウロしていて、辛うじてショーツ一枚はキープしてたんだけど、クリスへの誰かの指令は全部、ワタシがクリスにやらなきゃいけないことになってたのネ、まだつきあい始めたばっかだったから」
「最初のうちは、キスしなさい、とか、おっぱいを3回揉みなさい、とかソフトな指令だったんだけど、鳥越先輩が強くてネー。自分の周りにみんなの服や下着ほとんど集めて、イジワルな指令をしてくるんだヨ」
「乳首を勃たせなさい、とか、アソコの毛を一本抜きなさい、とか、ワタシとクリスは、さんざんいじられちゃったヨ」
「結局、鳥越先輩以外はほとんどハダカンボになっちゃってて、そのうちお互いのパートナーとイチャイチャしだして」
「そのペンションは、うちのOBの経営で合宿の日は貸切状態なんだって。だから少しくらいエッチな声出しても大丈夫、って言われたから、もうみんな大胆だったヨー」
「井上先生も、あのモデルの人と楽しんでいるはずよ、なんて落合先輩が言ってた。嘘か本当かわからないけど」
「二学期始まってからも、部活の後にお互いのお家を行き来して、いろいろ遊んでたのネ」
「それで、クリスといろいろそういうことしているうちに気がついたんだけど・・・」
「クリスはネ、そういうことをしてるとき、お尻をパチンて叩かれたり、乳首を強くつままれたりすると、すんごく反応して、何て言うか、喜ぶのネ」
「これはよくエッチぽいマンガに出てくる、アレだな、って思ったヨ」
「わたしマゾっぽいよね?ってクリス自身も言ってた。それで、ワタシもそうやってクリスのお尻叩いたり、乱暴におっぱい掴んだりすると、異様にコーフンしちゃうことに気がついちゃったのネ」
「ワタシ、Sッ気、強かったみたい・・・自分でも知らなかったヨ」
「被虐願望、っていうのかナ?自分を可哀想でみじめな状況に追い込んでコーフンするタイプ。クリスはそういうのがとっても好きみたいなのネ」
「でも、面白がってただイジメているワケじゃないんだヨ。ワタシはクリスが大好きだから、クリスがやって欲しいと思ってることを、やってあげたいだけなんだから」
「だから最近はネ、みんなといるときは普通に先輩と後輩みたいに振舞っているんだけど、二人きりになったら、ううん、鳥越先輩たちと一緒のときもそうかな?」
「そういうときには完全にSとMの関係になっちゃってるのネ」
しーちゃんが本当に楽しそうなお顔でお話してくれます。
私は、しーちゃんのお話にグイグイ引き込まれて、相槌をうつのも忘れてしーちゃんのよく動く唇を見つめていました。
「ワタシの目が届かないところでは、無防備な格好をしちゃダメ、って約束だから、ワタシの許可がないと、今は人前で裸でモデルとかしちゃイケナイことになってるのネ」
「だけどワタシが、やって、って言ったら、そのときがどんな状況でも、他の人にみつからないように、ちょこっと恥ずかしいこととか、しなくちゃイケナイの、クリスは」
「たとえばワタシが、次の休み時間、ってクリスにメールするでしょ?そうするとクリスは、次の休み時間にワタシがクリスの教室に顔を出すまでにパンツを脱いでおいて、ワタシが教室に来たら、そのパンツをワタシにこっそり手渡さなくちゃイケナイのネ」
「ワタシが次にメールを入れるまで、クリスはノーパンのまま授業を受けなければイケナクなるワケ」
「始めた頃は、クリスもどこでいつ、パンツを脱げばいいのかわからなくて、ワタシが教室に着いてもまだ脱いでなかったのネ。廊下の隅の人目につかないところでコソコソ脱いでもらったヨ」
「クリスが廊下の隅っこで恥ずかしそうにパンツ脱いでいる、その姿がカワイクって。クリス、身長が高いから、普通に立ってると目立っちゃうでしょ?だから両膝屈めて小さくなって、よろけたりして」
「パンツを膝の下くらいまで下げたときが、一番恥ずかしい、って、顔真っ赤にして言ってたヨ」
「それからしばらく、クリスは授業が終わったらすぐトイレに駆け込んで、個室で脱いで、ワタシに渡してたようなのだけど、ワタシも意地になるから、クリスにトイレに行く時間を与えないように、急いでクリスの教室に行くようにしたのネ」
「ワタシが教室に顔を出して、そのときクリスが教室にいないと、その日の放課後デートは中止になっちゃうから、クリスも真剣に考えたみたいでネ」
「両サイドをヒモで結ぶ式のパンツを穿いてくるようになったの。それなら、ワタシからメールが来たらすぐ、授業中でもなんとかこっそり脱げるじゃない?」
「でも、それじゃあちょっとツマラナイから、ワタシはすぐ、ヒモパン禁止令を出したのネ。そしたら最近はクリス、普通のパンツでも、なんとか先生やみんなの目を盗んで、授業中に脱いでいるみたい」
そう言われてみれば、二学期になってからしーちゃんが、授業中にコソコソとメール打っていたり、休み時間になった途端に廊下へ飛び出していくところを何回か目撃していました。
そんなにえっちで楽しそうな遊びをやってたのか・・・
「うちの学校の制服にはベストがあるから、ブラでやらせたこともあるヨ。ベストしてればノーブラばれないから」
「ブラのときは、さすがにみんなのいる教室ではずすのは無理だから、二人でトイレの個室入って、ワタシがはずしてあげるのネ」
「ノーパンやノーブラのとき、先生に指されて教科書読まされたり、前に出て問題解かされたりすると、すんごくドキドキして感じちゃうんだって」
「そういう遊びをした後の放課後デートはスゴイんだヨ。クリスが感じまくっちゃってネ」
「一度、ノーパン指令が体育の時間にかかっちゃってネ」
「クリスは仕方ないからジャージを直穿きして臨んだんだって」
「クリスのジャージ、ちょっとウエストゴムが緩くなってて、間の悪いことにその日は鉄棒の授業」
「クリスは運動神経、すんごくいいの。スポーツは何でも得意みたい」
「先生に指名されて、みんなへの模範演技として足掛け回りやってみせている間中、今ここでジャージのゴムが切れちゃったらどうしよう、ジャージがずり下がっちゃったらどうしよう、ってずーっとドキドキしっ放しですんごいコーフンしちゃったんだって。ジャージの内側がベトベトになるくらい」
「だけど頭の片隅では、ゴムが切れちゃうことを願ってたかもしれない、みんなにジャージがずり下がったノーパンのお尻を見られちゃうことを望んでたのかもしれない、なんて、すっごく恥ずかしそうに真っ赤になってワタシに言うのネ。それがまたカワイクってネー」
「クリスを恥ずかしがらせるアイデアは、鳥越先輩たちと考えたり、クリスが自分でアイデア出すこともあるんだヨ。それも、すっごく嬉しそうに」
「面白そうでクリスも乗り気なアイデアでも、あんまり過激すぎるのは却下。先生とか頭が固くて融通の利かない一般の生徒にヤバイ現場を見られちゃうのはマズイからネ、そのへんは気をつけてるヨ」
「小川先輩がクリスと同じクラスだから、いろいろフォローしてくれてるみたい。クリスが教室でヘンなことをしてるの、他のみんなにみつからないように」
「その代わり、クリスがノーパン状態のときにワザとスカートつまんでみたり、ノーブラのときにタッチしたり、まわりには悪フザケっぽく見える範囲でちょっかい出して、クリスを教室でも辱めてあげてるみたい。それを後でワタシに教えてくれるの」
「小川先輩も鳥越先輩と二人だと、完全に、受け、状態らしいんだけどネ」
しーちゃんは、本当に楽しくてしょうがない、という様子で、クリスさんのお家の美人姉妹さんのこととか、しーちゃんちに来たときのご両親の反応とか、その他いろいろ、いっぱいお話してくれました。
私は、しーちゃんとクリスさんの関係が、うらやましくてうらやましくて、仕方ありませんでした。
二人でベッドに横になって電気を消して、もう寝よう、ってなったとき、私のほうを向いた気配がして、こんなことを言いました。
「ワタシ、今こんなふうにクリスと遊んでること、マンガに描いてみようって思ってるんだ。こんな経験を実際にしてる人って、きっとめったにいないだろうから。出来上がったらまっ先に、なおちゃんに見せてあげるネ」
しーちゃんの言葉が途切れて、やがて規則正しい寝息が聞こえてきました。
私は暗闇の中で目を開いたまま、だんだんと闇に目が慣れて薄っすらと見えてきた、天井の白い幾何学模様をボンヤリ眺めていました。
後輩である可愛らしいしーちゃんからえっちな指令を出されて、それを羞恥に震えながらもけなげに実行する美しい上級生のクリスさん。
そんな遊びで燃え上がったお互いのからだを、最後は二人きりで思う存分貪り合う・・・
それは、まさしく私が理想とする百合カップルの姿でした。
お話疲れしちゃったのか、私の隣でしーちゃんが無邪気なお顔でグッスリ眠っています。
私もぐったり、心身ともに疲れきっていました。
この数ヶ月の間にしーちゃんは、私よりも遥かに高く、オトナの階段をのぼっていました。
今、しーちゃんに抱きついたら、しーちゃんは私のお相手をしてくれるだろうか?
そんな不埒な考えが一瞬頭をよぎります。
いえいえ、私の身勝手な衝動で、しーちゃんとクリスさんのステキな関係を乱すわけにはいきません。
しーちゃんは、私の大事な大事な親友なんだから。
私は、しーちゃんのお顔に自分の顔を近づけ、その柔らかいほっぺに唇を一度だけ触れさせてもらってから、仰向けに戻って両目を瞑りました。
*
*しーちゃんのこと 20へ
*
直子のブログへお越しいただきまして、ありがとうございます。ここには、私が今までに体験してきた性的なあれこれを、私が私自身の思い出のために、つたない文章で書きとめておいたノートから載せていくつもりです。
2011年7月10日
2011年7月9日
しーちゃんのこと 18
「お風呂で二宮先輩にからだを洗ってもらったときの感触が気持ち良かったから、忘れられなくて、ある日の夜に自分の部屋で、自分で同じようにからだをさわってみたら、だんだんヘンな気持ちになってきちゃってネ」
「ここなんて・・・」
しーちゃんが自分の股間を指さします。
「ヌルヌルになっちゃってて、それでもいろいろ弄っていたら、今までに感じたことないような気持ち良さの波がやってきて・・・」
しーちゃんは、すっごく恥ずかしそうにうつむいて、しばらく言葉が途切れました。
私も何も言わず、しーちゃんが再び語り始めるのを静かに待ちました。
「それで、二宮先輩にもう一度ワタシのからだ、さわって欲しいナー、なんて考えていたら、8月の中旬、夏休みの合宿の前に、打ち合わせでまた、鳥越先輩のお家に集まることになったのネ」
「その日は、デッサンとかはしないで、合宿に持っていく荷物の分担とか、向こうでやる遊びの企画とかを話してたのネ。二宮先輩は、清楚な感じの白いノースリワンピ、着てたナ」
「鳥越先輩たちは、ワタシたちがつきあい始めたことに興味シンシンでネ、いろいろ冷やかしたり、質問してきたりするの」
「それで、その日の先輩たちは、なんだかみんなエッチでサ。その手の話ばっかりで盛り上がってたの」
そこで、しーちゃんはじっと私を見つめてきました。
「なおちゃんも薄々勘付いてると思うけど、鳥越先輩と小川先輩、落合先輩と村上先輩は、カップルなのネ。おつきあいしてる恋人同士なの」
「美術部には、他にも二組、あ、ワタシたち入れると三組か、百合なカップルがいるんだ」
「前に、お姉ちゃんにそれとなく聞いてみたことがあるのネ。あの人、学校内のそういう事情に詳しいから。そしたら美術部って、伝統的に代々、百合カップル率が高いことで、生徒会では有名なんだって」
「美術部のビは、ビアンのビ、なんて格言があるくらい。そういうのは、格言って言わないけど」
「絵画とか美術に興味のある人には、そういう嗜好の人が多い、なんて説は聞いたこと無いんだけど、なぜだか美術部では、カップル成立率が高いんだよねー、って笑ってた」
「ワタシに向かって、あんたは絶対にその手の人には受けいいから、その気が無いんだったら充分気をつけなさい。でももしその気があるんだったら、きっと天国よ。なんて、からかわれちゃった」
しーちゃんがクスッと笑いました。
「それで、鳥越先輩のお家で、先輩たちがエッチな話で盛り上がってたとき、小川先輩がワタシに、ひとりエッチしてるの?って聞いてきたのネ」
「ワタシは、さっき言ったみたいに、その気持ち良さを知ったばっかりで、正直に言っちゃうと、毎晩、っていうくらいしてた・・・」
しーちゃんが上目遣いに私をチラッと盗み見て、すぐにつづけます。
「でも、絶対そんなこと言えないから、黙ってうつむいてたのネ」
「そしたら鳥越先輩が、ひょっとしてやりかた、知らないんじゃないの?とか囃し立ててきて、みんなでワイワイ言い出して、それじゃクリス、やって見せてあげなよ、って話になって・・・」
「ワタシ、先輩たち、まさか二宮先輩に、みんなが見ている前でそういうことをやらせようとしてるのかな、って思っちゃって。みんなエッチな感じでニヤニヤしてたし・・・」
「でも、二宮先輩は今はワタシの恋人なんだから、そんなのヒドイと思って、ワタシは二宮先輩のそんな姿を他の人には見せたくないと思って、何か言わなきゃって思ったのだけど、言葉が出てこなくて・・・」
「でもさすがに先輩たちはみんなオトナで、その後すぐ、いつかみたいに4人で夕食の買出しに出かけてくれて、ワタシたち二人きりにしてくれたのネ」
「また先輩たちに乗せられてるナー、ってちょこっと思ったけど・・・」
「で、二宮先輩が、見たい?って聞くから、ワタシ黙ってうなずいて、二宮先輩がソファーに浅く腰掛けて、恥ずかしそうにワンピースの肩紐ずらして、スカートの裾まくって・・・」
「二宮先輩のせつなげな声が聞こえてきて、しのぶちゃん、こっちに来て、さわって、って言われて」
「ワタシもがまんできなくなって、二宮先輩に抱きついて、キスして、お互いのからだをまさぐりあって・・・」
「二宮先輩の指で、何回もイっちゃった・・・」
しーちゃんは、私の顔を見ずに、うつむいたまま言いました。
「それで、二人ともほとんど裸のままソファーで抱き合ってグッタリしてたら、先輩たちが帰ってきちゃって、お二人さん、結ばれたのねー、なんて冷やかされて」
「わたしもムラムラしてきちゃったー、って小川先輩が言って、鳥越先輩にキスし始めて、落合先輩と村上先輩も服を脱ぎ始めて」
「結局その後は6人とも、ほとんど裸の状態でごはん食べたりゲームしたりして、ずっとイチャイチャしちゃった。裸でツイスターゲームやると、すんごくエッチなんだヨー、ありえないポーズになっちゃったりして」
楽しそうにしーちゃんが言った後、しまった、っていうお顔になって私を見ました。
「なおちゃん?やっぱりヘンだと思ってるでしょ?女同士でそんなことして・・・」
「ううん・・・」
即座に否定したものの、その後につづける言葉がみつかりません。
私は、すっごくうらやましい気持ちでした。
そして、悔しい気持ちと寂しい気持ちもありました。
その気持ちの正体はわかりきっているのですが、認めたくなくて、私は、唐突に中三のときに経験した相原さんとのことを、しーちゃんに話し始めていました。
相原さんが図書室で裸になっていたことや、二宮先輩みたいな裸になりたがり、だったことは伏せて、図書室で知り合って、相原さんのお家に呼ばれて、そこで抱き合った、ということだけをお話しました。
相原さんにさわられて、相原さんにさわって、すっごく気持ち良くって、相原さんをどんどん好きになっていった、っていうことは、包み隠さず正直に告白しました。
私の告白を聞き終えたしーちゃんのお顔には、なんだかホッとした、みたいな安堵の表情と、聞きたくなかった、みたいな寂しげな表情が入り混じった、複雑な表情が浮かんでいました。
しばらく二人とも黙ったままでした。
しーちゃんが自分の腕時計にチラッと目をやって、ンーーッって大きく伸びをしてから居住まいを正し、あらためて私の顔を見つめて語りかけてきました。
「それで、昨日文化祭で、なおちゃんが部室に来てくれたでしょ?あの後、二宮先輩に言われちゃったの。わたしたちのこと、森下さんには言ってあるの?って」
「きっと森下さんはしのぶちゃんのこと大好きだし、しのぶちゃんも彼女のこと好きなんでしょ?って。二人が親友だったら、わたしたちのこと、つまりワタシと二宮先輩がつきあっていることを、たとえば他の人から聞かされたり、風のウワサで知ったとしたら、森下さんは、あんまりいい感じがしないだろう、って」
「親友だからこそ、ちゃんとしのぶちゃんの口から、言っておくべきじゃない?って」
「ワタシも別に隠すつもりはなかったのだけれど、夏休み中はあんまりなおちゃんと会えなかったし、二宮先輩と実際に深い関係になっちゃったら、なんだか恥ずかしくって、言い出せなくて・・・」
「だから今日、なおちゃんに全部言って、謝ろうと思って、来たのネ・・・」
「謝るなんて・・・」
私は、自分の胸の中で騒いでいる落胆の気持ちを一生懸命抑えつけながら、つとめて普通の感じを心がけて、言いました。
「しーちゃんが私に謝る必要なんて、全然ないよ。しーちゃんが可愛くて魅力的な女の子だからこそ、ステキなパートナーさんと巡り会えたんだから」
「しーちゃんが誰とおつきあいしていても、私はしーちゃんのこと大好きだし、しーちゃんが二宮先輩とシアワセになるなら、私いくらでも応援するよ」
「ほんと?ありがとーっ!そう言ってくれるとワタシも嬉しいヨー」
しーちゃんが私の両手をとって、ギューッと握りしめてきました。
「ワタシ、昨夜、なおちゃんのお家に明日行こうって決めて、ベッドに横になったとき考えたんだ・・・」
「ワタシ、本当はなおちゃんと、二宮先輩とのおつきあいみたいな関係になりたかったんじゃないのかナー、って」
「なおちゃんをそういう関係に誘いたかったんだけど、どうすればいいのかわからなくって・・・」
それは私も同じことでした。
少なくとも夏前までは、私のほうがえっちなことに関しては、リードすべき立場でした。
でも私がグズグズしているうちに、しーちゃんには二宮先輩というステキなパートナーが現われて、私の恋心はまた一人ぼっちで、取り残されてしまいました。
「私もしーちゃんと、そういう関係にもなってみたかった気持ちはあったんだけど、タイミングが合わなかったみたいだね」
「ステキな人をみつけたんだから、今はその人を大切にしなきゃ」
「私としーちゃんは、これからもずっと親友だし、何があってもずーっと、私はしーちゃんの味方だから」
なるべくしんみりしないように、明るめな声を出して、私はしーちゃんへの恋心をあきらめようとしていました。
「そうだ、今日はうちでお夕食も食べて、泊まっていきなよ?二宮先輩とのこと、もっと聞きたいし」
「私、しーちゃんのお家に電話して、お泊りの許可、もらってくるっ!」
これ以上ここに二人でいると、涙がこぼれてきちゃいそうだったので、サッと席を立って、私は階下に駆け出していました。
*
*しーちゃんのこと 19へ
*
「ここなんて・・・」
しーちゃんが自分の股間を指さします。
「ヌルヌルになっちゃってて、それでもいろいろ弄っていたら、今までに感じたことないような気持ち良さの波がやってきて・・・」
しーちゃんは、すっごく恥ずかしそうにうつむいて、しばらく言葉が途切れました。
私も何も言わず、しーちゃんが再び語り始めるのを静かに待ちました。
「それで、二宮先輩にもう一度ワタシのからだ、さわって欲しいナー、なんて考えていたら、8月の中旬、夏休みの合宿の前に、打ち合わせでまた、鳥越先輩のお家に集まることになったのネ」
「その日は、デッサンとかはしないで、合宿に持っていく荷物の分担とか、向こうでやる遊びの企画とかを話してたのネ。二宮先輩は、清楚な感じの白いノースリワンピ、着てたナ」
「鳥越先輩たちは、ワタシたちがつきあい始めたことに興味シンシンでネ、いろいろ冷やかしたり、質問してきたりするの」
「それで、その日の先輩たちは、なんだかみんなエッチでサ。その手の話ばっかりで盛り上がってたの」
そこで、しーちゃんはじっと私を見つめてきました。
「なおちゃんも薄々勘付いてると思うけど、鳥越先輩と小川先輩、落合先輩と村上先輩は、カップルなのネ。おつきあいしてる恋人同士なの」
「美術部には、他にも二組、あ、ワタシたち入れると三組か、百合なカップルがいるんだ」
「前に、お姉ちゃんにそれとなく聞いてみたことがあるのネ。あの人、学校内のそういう事情に詳しいから。そしたら美術部って、伝統的に代々、百合カップル率が高いことで、生徒会では有名なんだって」
「美術部のビは、ビアンのビ、なんて格言があるくらい。そういうのは、格言って言わないけど」
「絵画とか美術に興味のある人には、そういう嗜好の人が多い、なんて説は聞いたこと無いんだけど、なぜだか美術部では、カップル成立率が高いんだよねー、って笑ってた」
「ワタシに向かって、あんたは絶対にその手の人には受けいいから、その気が無いんだったら充分気をつけなさい。でももしその気があるんだったら、きっと天国よ。なんて、からかわれちゃった」
しーちゃんがクスッと笑いました。
「それで、鳥越先輩のお家で、先輩たちがエッチな話で盛り上がってたとき、小川先輩がワタシに、ひとりエッチしてるの?って聞いてきたのネ」
「ワタシは、さっき言ったみたいに、その気持ち良さを知ったばっかりで、正直に言っちゃうと、毎晩、っていうくらいしてた・・・」
しーちゃんが上目遣いに私をチラッと盗み見て、すぐにつづけます。
「でも、絶対そんなこと言えないから、黙ってうつむいてたのネ」
「そしたら鳥越先輩が、ひょっとしてやりかた、知らないんじゃないの?とか囃し立ててきて、みんなでワイワイ言い出して、それじゃクリス、やって見せてあげなよ、って話になって・・・」
「ワタシ、先輩たち、まさか二宮先輩に、みんなが見ている前でそういうことをやらせようとしてるのかな、って思っちゃって。みんなエッチな感じでニヤニヤしてたし・・・」
「でも、二宮先輩は今はワタシの恋人なんだから、そんなのヒドイと思って、ワタシは二宮先輩のそんな姿を他の人には見せたくないと思って、何か言わなきゃって思ったのだけど、言葉が出てこなくて・・・」
「でもさすがに先輩たちはみんなオトナで、その後すぐ、いつかみたいに4人で夕食の買出しに出かけてくれて、ワタシたち二人きりにしてくれたのネ」
「また先輩たちに乗せられてるナー、ってちょこっと思ったけど・・・」
「で、二宮先輩が、見たい?って聞くから、ワタシ黙ってうなずいて、二宮先輩がソファーに浅く腰掛けて、恥ずかしそうにワンピースの肩紐ずらして、スカートの裾まくって・・・」
「二宮先輩のせつなげな声が聞こえてきて、しのぶちゃん、こっちに来て、さわって、って言われて」
「ワタシもがまんできなくなって、二宮先輩に抱きついて、キスして、お互いのからだをまさぐりあって・・・」
「二宮先輩の指で、何回もイっちゃった・・・」
しーちゃんは、私の顔を見ずに、うつむいたまま言いました。
「それで、二人ともほとんど裸のままソファーで抱き合ってグッタリしてたら、先輩たちが帰ってきちゃって、お二人さん、結ばれたのねー、なんて冷やかされて」
「わたしもムラムラしてきちゃったー、って小川先輩が言って、鳥越先輩にキスし始めて、落合先輩と村上先輩も服を脱ぎ始めて」
「結局その後は6人とも、ほとんど裸の状態でごはん食べたりゲームしたりして、ずっとイチャイチャしちゃった。裸でツイスターゲームやると、すんごくエッチなんだヨー、ありえないポーズになっちゃったりして」
楽しそうにしーちゃんが言った後、しまった、っていうお顔になって私を見ました。
「なおちゃん?やっぱりヘンだと思ってるでしょ?女同士でそんなことして・・・」
「ううん・・・」
即座に否定したものの、その後につづける言葉がみつかりません。
私は、すっごくうらやましい気持ちでした。
そして、悔しい気持ちと寂しい気持ちもありました。
その気持ちの正体はわかりきっているのですが、認めたくなくて、私は、唐突に中三のときに経験した相原さんとのことを、しーちゃんに話し始めていました。
相原さんが図書室で裸になっていたことや、二宮先輩みたいな裸になりたがり、だったことは伏せて、図書室で知り合って、相原さんのお家に呼ばれて、そこで抱き合った、ということだけをお話しました。
相原さんにさわられて、相原さんにさわって、すっごく気持ち良くって、相原さんをどんどん好きになっていった、っていうことは、包み隠さず正直に告白しました。
私の告白を聞き終えたしーちゃんのお顔には、なんだかホッとした、みたいな安堵の表情と、聞きたくなかった、みたいな寂しげな表情が入り混じった、複雑な表情が浮かんでいました。
しばらく二人とも黙ったままでした。
しーちゃんが自分の腕時計にチラッと目をやって、ンーーッって大きく伸びをしてから居住まいを正し、あらためて私の顔を見つめて語りかけてきました。
「それで、昨日文化祭で、なおちゃんが部室に来てくれたでしょ?あの後、二宮先輩に言われちゃったの。わたしたちのこと、森下さんには言ってあるの?って」
「きっと森下さんはしのぶちゃんのこと大好きだし、しのぶちゃんも彼女のこと好きなんでしょ?って。二人が親友だったら、わたしたちのこと、つまりワタシと二宮先輩がつきあっていることを、たとえば他の人から聞かされたり、風のウワサで知ったとしたら、森下さんは、あんまりいい感じがしないだろう、って」
「親友だからこそ、ちゃんとしのぶちゃんの口から、言っておくべきじゃない?って」
「ワタシも別に隠すつもりはなかったのだけれど、夏休み中はあんまりなおちゃんと会えなかったし、二宮先輩と実際に深い関係になっちゃったら、なんだか恥ずかしくって、言い出せなくて・・・」
「だから今日、なおちゃんに全部言って、謝ろうと思って、来たのネ・・・」
「謝るなんて・・・」
私は、自分の胸の中で騒いでいる落胆の気持ちを一生懸命抑えつけながら、つとめて普通の感じを心がけて、言いました。
「しーちゃんが私に謝る必要なんて、全然ないよ。しーちゃんが可愛くて魅力的な女の子だからこそ、ステキなパートナーさんと巡り会えたんだから」
「しーちゃんが誰とおつきあいしていても、私はしーちゃんのこと大好きだし、しーちゃんが二宮先輩とシアワセになるなら、私いくらでも応援するよ」
「ほんと?ありがとーっ!そう言ってくれるとワタシも嬉しいヨー」
しーちゃんが私の両手をとって、ギューッと握りしめてきました。
「ワタシ、昨夜、なおちゃんのお家に明日行こうって決めて、ベッドに横になったとき考えたんだ・・・」
「ワタシ、本当はなおちゃんと、二宮先輩とのおつきあいみたいな関係になりたかったんじゃないのかナー、って」
「なおちゃんをそういう関係に誘いたかったんだけど、どうすればいいのかわからなくって・・・」
それは私も同じことでした。
少なくとも夏前までは、私のほうがえっちなことに関しては、リードすべき立場でした。
でも私がグズグズしているうちに、しーちゃんには二宮先輩というステキなパートナーが現われて、私の恋心はまた一人ぼっちで、取り残されてしまいました。
「私もしーちゃんと、そういう関係にもなってみたかった気持ちはあったんだけど、タイミングが合わなかったみたいだね」
「ステキな人をみつけたんだから、今はその人を大切にしなきゃ」
「私としーちゃんは、これからもずっと親友だし、何があってもずーっと、私はしーちゃんの味方だから」
なるべくしんみりしないように、明るめな声を出して、私はしーちゃんへの恋心をあきらめようとしていました。
「そうだ、今日はうちでお夕食も食べて、泊まっていきなよ?二宮先輩とのこと、もっと聞きたいし」
「私、しーちゃんのお家に電話して、お泊りの許可、もらってくるっ!」
これ以上ここに二人でいると、涙がこぼれてきちゃいそうだったので、サッと席を立って、私は階下に駆け出していました。
*
*しーちゃんのこと 19へ
*
2011年7月3日
しーちゃんのこと 17
お約束通り、5時から講堂で演劇とバンド演奏を観て、この日は6時半に文化祭が終わりました。
クラスのお教室で後片付けをしてから、美術部の人たちと打ち上げがあるというしーちゃんと別れ、私も文芸部の部室でささやかな打ち上げをして、お家に帰ったのは夜の8時過ぎでした。
寝る前に、どうしてもニノミヤさんの裸の絵とレオタード姿が思い出されて、オナニーをしたい気持ちもあったのですが、それ以上にからだが疲れきっていたみたいで、あっさり眠りに就いていました。
翌日は振り替え休日。
文化祭の後片付けが残っている人は登校しなければいけませんが、それ以外の人はお休み。
私は昨夜、ヤキソバに使った重たいホットプレートも持って帰っていましたし、図書室もすっかり普段通りに戻しておいたので登校する必要は無く、朝の10時過ぎまで、ゆっくり惰眠を貪りました。
お昼は、母と一緒に食べながら文化祭でのしーちゃんのゴスロリ姿や描いてくれた絵のことをコーフン気味におしゃべりして、午後からは、読みかけのコミックスを自分のお部屋でベッドに寝転んで読んだりしてダラダラ過ごしました。
午後の3時前に携帯電話が鳴って、出てみるとしーちゃんからでした。
これから私の家に遊びに行っていいか?という内容で、もちろん私にノーと言う理由は今も昔もまったく無いので、しーちゃんが来ることになりました。
3時少し過ぎくらいに現われたしーちゃんと、最初はリビングで母と3人でお茶を飲みながら、また文化祭の話題をしばらくしていました。
3時半頃、母がお夕食のお買い物へ行くと席を立ったので、しーちゃんと二人で私のお部屋に移動しました。
お部屋でもしばらくは、昨日の友田さんのステージはカッコ良かったね、とか、演劇部のお芝居はなんだかよくわからなかったね、とか他愛もないおしゃべりをしていました。
しーちゃんは、なぜだかいつもより言葉少なでした。
会話が途切れて、何気なくしーちゃんのお顔を見たとき、なんだか思いつめたような表情になっているのに気がつきました。
「しーちゃん、どうかしたの?何かあったの?」
「うんとネ、今日はネ、どうしてもなおちゃんにお話しておかなければならないことがあって、来たの・・・」
「・・・たぶんなおちゃん、びっくりすると思うけど・・・なるべくびっくりしないで、聞いて・・・」
「なおちゃんには、ちゃんと言っておかないといけない、って思ったから・・・」
しーちゃんのお顔は、今までみたことないくらい真剣でした。
「ワタシネ、今、二宮先輩とおつきあい、してるの・・・」
しーちゃんが思い切るみたいに言って、私の顔を見つめてきます。
「おつきあいって言っても、百合ごっこ、みたいのじゃなくてネ、キスもしたし、もっと先までももう・・・」
しーちゃんの突然の告白に、私は文字通り、口をポカンと開けて絶句していました。
「気持ちワルイよネ?女同士でなんて・・・」
ポツンとつぶやいたしーちゃんの言葉に、私は激しく反応しました。
「ううん。ぜんぜん気持ち悪くなんてないっ!女同士だって私、ぜんぜんいいと思う!」
「ほんと?なおちゃん・・・」
しーちゃんがうつむいていたお顔を上げて、再び私を見つめてきました。
私の頭の中は、激しく混乱していました。
しーちゃんが二宮先輩とおつきあいしている・・・
もうキスも、その先までもヤっちゃった・・・
女同士は気持ちワルイ?・・・
その三つしか言われていないのに、それらが何を意味するのか、まったく理解できませんでした。
混乱している頭をごまかすみたいに、思いついたことを口にしていました。
「いつから、そんな感じになってたの?詳しく聞かせて」
しーちゃんが宙に目を泳がせ、思い出すような表情でお話し始めました。
私にも教えてくれた6月のヌードクロッキー会の後、もう一度その機会が訪れたのは、明日から夏休みという終業式の放課後、場所は、三年生の鳥越先輩のマンション。
鳥越先輩は、ご両親のお仕事の関係で、学校の近くのマンションに一人暮らししていました。
て言うか、社会人のお姉さんと一緒に暮らしているのですが、お姉さんがカレシさんのお部屋に入り浸って帰ってこないので、結果的に一人暮らしになっていたのだそうです。
前々から、その日はみんなで集まる、って先輩がたに言われていて、しーちゃんも、きっとあの日のつづきをするんだな、って薄々思っていたので、ちょっとワクワクしていたそうです。
いったんお家に帰って、私服に着替えて再び集まったのは、あの日と同じメンバー、三年生の鳥越先輩と落合先輩、二年生の小川先輩と村上先輩、二宮先輩、そしてしーちゃん。
午後の三時過ぎに集まった6人は、そのままお泊り会をする予定でした。
鳥越先輩のマンションは結構広くて豪華で、
「一部屋改造して、アトリエみたいになってるんだヨー」
と、なぜだか自分のことのように自慢そうなしーちゃん。
広いリビングで一息ついて、アトリエでクロッキーを始めたのが午後の4時頃。
今回は、短時間ではなく、しーちゃんのが仕上がるまでっていうことだったので、クロッキーではなくてデッサンでした。
当然のように、二宮先輩がお洋服をすべてスルスルっと脱ぎ、アトリエのソファーに寝そべって、みんな真面目にデッサンを始めました。
アトリエは、美術室より断然明るかったので、二宮先輩のからだの細かいところ、筋肉のつき方や毛の生え際とかまでクッキリとわかり、二宮先輩は、やっぱり薄っすら頬を染め、恥じらいと高揚感が交錯しているように見えたそうです。
休憩を何度か挟んで2時間弱、なんとかしーちゃんも納得出来る作品に仕上がったので、そこでデッサン会は終わりになりました。
二宮先輩以外の先輩がた4人が、お夕食のお買い物に行ってくる、と言って外出してしまい、お部屋にはしーちゃんと二宮先輩だけが残されました。
「たぶん、先輩たちがあらかじめ打ち合わせてて、ワタシたちを二人きりにしたんだヨ」
デッサンが終わっても二宮先輩はお洋服を着ようとせず、しーちゃんは目のやり場に困ったそうです。
ソファーに並んで座って、しばらくお話タイム。
「しのぶさんには、カレシさんとかいるの?」
「いいえ、ワタシはまだそんなの・・・」
「興味ないの?」
「はい・・・」
「わたしのからだ見たの久しぶりだったよね、どうだった?」
「あ、はい。やっぱりすんごくキレイだと思います。憧れちゃう」
「わー、ありがとう。わたし、しのぶさんのこと部室で初めて見たとき、なんてカワイイ子なんだろう、って思ったの」
「はあ・・・ありがとうございます」
二宮先輩が少し黙ってから、内緒話をするみたいなヒソヒソ声で聞いてきました。
「しのぶさん、女同士でおつきあいするのって、ヘンだと思う?」
「あ、いえ、ワタシは別に・・・」
しーちゃんは実際、女の子同士の恋愛もアリだと思っていたし、これから百合マンガを描いていくためにも、自分の身で経験してみたいなーとも思っていたのだそうです。
「それなら藤原さん、わたしとおつきあいしてみない?」
二宮先輩に小さな声でそう言われたとき、たぶん先輩がからかっているんだろうと思ってお顔を見たら、頬をピンクに染めて思いっきり恥らっていて、その姿がすっごく可愛らしくって、たまらなかったそうです。
「それとも、誰か他に好きな人がいるの?」
そう聞かれたとき、パッと浮かんだのが私の顔・・・でも、何も言えず・・・
「こんなふうに人前で裸になっちゃう、はしたない女じゃ、イヤ?」
「そんなことありませんっ!」
この問いにだけは、しーちゃんはすぐに反発しました。
「二宮先輩は、やさしいし、絵もお上手だし、教え方もうまいし、お顔もからだもキレイだし、お話していて楽しいし、ワタシ憧れてます」
「うわー。今まで生きてきて、一番嬉しい褒め言葉よ、それ。ねえ、お願い、藤原さん?わたしとおつきあいしてください」
二宮先輩は、先輩なのに哀願するような言葉遣いになりました。
「わたしはもっとしのぶさんのことが知りたいし、しのぶさんにももっともっと、わたしのことを知って欲しいの。わたしたち絶対うまくいくと思う」
二宮先輩は、そのつぶらな瞳でしーちゃんのことをすがるようにじーっと見つめ、今にも泣き出しそうな感じだったそうです。
しーちゃんは真剣なそのまなざしにあがらえきれなくなって、首をコクンと縦に振りました。
その途端に、泣き出しそうだったお顔が、雲の切れ間からお日様がパーッとお顔を出したように、満面の笑みに変わって、その笑顔が本当に綺麗で、背中に電流が走ったみたいにゾクゾクッてしちゃうほど。
「嬉しいーっ!」
横向きのしーちゃんに抱きついてきた二宮先輩の裸の胸やお腹がしーちゃんに押し付けられ、そのふうわり柔らかい感触といい匂いは、うまく言葉にできないほど心地良いものだったそうです。
やがて先輩がたが帰ってきて、お夕食の支度。
二宮先輩は、裸にピンクのフリルのエプロンだけかけて、せっせとご馳走を作って、みんなでワイワイ食べました。
「クリスがあんなに上機嫌ていうことは、しのぶちゃん、オッケーしたんだね?」
小川先輩が二宮先輩の目を盗んで、しーちゃんに小声で言いながらウインクしてきます。
やっぱりこの会合は、先輩がたに仕組まれたもののようでした。
お夕食の後、しばらく経ってお風呂タイム。
最初に落合先輩と村上先輩、次に鳥越先輩と小川先輩が入り、必然的にしーちゃんと二宮先輩が一緒に入ることになりました。
二宮先輩の前で裸になるのは、しーちゃんにとってかなり恥ずかしいことでしたが、お風呂上りの先輩がたがみんな、下着だけとか、ノーブラにキャミソールとかでお部屋をウロウロしているので、恥ずかしさの感覚が麻痺しちゃって、ま、いいか、になっちゃったらしいです。
「しのぶさんのからだ、スベスベでお人形さんみたいね」
二宮先輩は、そんなことを言いながらしーちゃんのからだをすみずみまで、やさしく丁寧に洗ってくれました。
フワフワのスポンジをたっぷり泡だてて。
「胸とかをやさしく撫ぜられて、ワタシすんごく感じちゃった・・・」
しーちゃんが照れ臭そうに言いました。
その後、二人でゆったりとバスタブに浸かって、見つめ合っているうちになんとなく、キスしてしまいました。
「なぜだか、そうしないとお風呂から出れないような気がしたんだヨ」
しーちゃんが盛大に照れました。
お風呂から上がると、みんな相変わらず下着姿で、三年の先輩は缶ビールなんかも開けて、ワイワイおしゃべりしていました。
二宮先輩が素肌にタオルを巻いたままの格好でその輪に加わったので、しーちゃんもパジャマを着るのがためらわれ、空気を読んで下着だけの姿でおしゃべりに参加しました。
「でもね、えっちい話なんかぜんぜんしなくて、絵の具の混ぜ方のこととかポスト印象派がどーたらとか、えらく真面目な話ばっかりなんだヨ」
「みんな裸に近いセクシーな格好なクセに、すんごく真剣にマジメな話しているから、何て言うか、シュールでネ。少し笑っちゃった」
「好きなマンガの話もしたから、ワタシもすんごく盛り上がっちゃったヨ」
夏休みに入って、しーちゃんと二宮先輩は何度もデートしました。
「ショッピングしたり、映画観たり、遊園地も行ったしプールも行ったヨ」
そういう場では、二宮先輩はごく普通なやさしい先輩で、しーちゃんのことをすごく気使ってくれて、別れ際にはいつもやさしいキスをして。
二宮先輩は、デートのときにセクシーな服装をしてくるとか、ノーブラで来るとかもぜんぜん無くて、本当にこの人が美術室で裸になりたがる彼女と同じ人なのかな、ってしーちゃんが思うくらいいい人で、しーちゃんもどんどんますます二宮先輩のことが好きになっていったそうです。
そしてこの頃、しーちゃんはひとりエッチがちゃんと出来るようになっていました。
*
*しーちゃんのこと 18へ
*
クラスのお教室で後片付けをしてから、美術部の人たちと打ち上げがあるというしーちゃんと別れ、私も文芸部の部室でささやかな打ち上げをして、お家に帰ったのは夜の8時過ぎでした。
寝る前に、どうしてもニノミヤさんの裸の絵とレオタード姿が思い出されて、オナニーをしたい気持ちもあったのですが、それ以上にからだが疲れきっていたみたいで、あっさり眠りに就いていました。
翌日は振り替え休日。
文化祭の後片付けが残っている人は登校しなければいけませんが、それ以外の人はお休み。
私は昨夜、ヤキソバに使った重たいホットプレートも持って帰っていましたし、図書室もすっかり普段通りに戻しておいたので登校する必要は無く、朝の10時過ぎまで、ゆっくり惰眠を貪りました。
お昼は、母と一緒に食べながら文化祭でのしーちゃんのゴスロリ姿や描いてくれた絵のことをコーフン気味におしゃべりして、午後からは、読みかけのコミックスを自分のお部屋でベッドに寝転んで読んだりしてダラダラ過ごしました。
午後の3時前に携帯電話が鳴って、出てみるとしーちゃんからでした。
これから私の家に遊びに行っていいか?という内容で、もちろん私にノーと言う理由は今も昔もまったく無いので、しーちゃんが来ることになりました。
3時少し過ぎくらいに現われたしーちゃんと、最初はリビングで母と3人でお茶を飲みながら、また文化祭の話題をしばらくしていました。
3時半頃、母がお夕食のお買い物へ行くと席を立ったので、しーちゃんと二人で私のお部屋に移動しました。
お部屋でもしばらくは、昨日の友田さんのステージはカッコ良かったね、とか、演劇部のお芝居はなんだかよくわからなかったね、とか他愛もないおしゃべりをしていました。
しーちゃんは、なぜだかいつもより言葉少なでした。
会話が途切れて、何気なくしーちゃんのお顔を見たとき、なんだか思いつめたような表情になっているのに気がつきました。
「しーちゃん、どうかしたの?何かあったの?」
「うんとネ、今日はネ、どうしてもなおちゃんにお話しておかなければならないことがあって、来たの・・・」
「・・・たぶんなおちゃん、びっくりすると思うけど・・・なるべくびっくりしないで、聞いて・・・」
「なおちゃんには、ちゃんと言っておかないといけない、って思ったから・・・」
しーちゃんのお顔は、今までみたことないくらい真剣でした。
「ワタシネ、今、二宮先輩とおつきあい、してるの・・・」
しーちゃんが思い切るみたいに言って、私の顔を見つめてきます。
「おつきあいって言っても、百合ごっこ、みたいのじゃなくてネ、キスもしたし、もっと先までももう・・・」
しーちゃんの突然の告白に、私は文字通り、口をポカンと開けて絶句していました。
「気持ちワルイよネ?女同士でなんて・・・」
ポツンとつぶやいたしーちゃんの言葉に、私は激しく反応しました。
「ううん。ぜんぜん気持ち悪くなんてないっ!女同士だって私、ぜんぜんいいと思う!」
「ほんと?なおちゃん・・・」
しーちゃんがうつむいていたお顔を上げて、再び私を見つめてきました。
私の頭の中は、激しく混乱していました。
しーちゃんが二宮先輩とおつきあいしている・・・
もうキスも、その先までもヤっちゃった・・・
女同士は気持ちワルイ?・・・
その三つしか言われていないのに、それらが何を意味するのか、まったく理解できませんでした。
混乱している頭をごまかすみたいに、思いついたことを口にしていました。
「いつから、そんな感じになってたの?詳しく聞かせて」
しーちゃんが宙に目を泳がせ、思い出すような表情でお話し始めました。
私にも教えてくれた6月のヌードクロッキー会の後、もう一度その機会が訪れたのは、明日から夏休みという終業式の放課後、場所は、三年生の鳥越先輩のマンション。
鳥越先輩は、ご両親のお仕事の関係で、学校の近くのマンションに一人暮らししていました。
て言うか、社会人のお姉さんと一緒に暮らしているのですが、お姉さんがカレシさんのお部屋に入り浸って帰ってこないので、結果的に一人暮らしになっていたのだそうです。
前々から、その日はみんなで集まる、って先輩がたに言われていて、しーちゃんも、きっとあの日のつづきをするんだな、って薄々思っていたので、ちょっとワクワクしていたそうです。
いったんお家に帰って、私服に着替えて再び集まったのは、あの日と同じメンバー、三年生の鳥越先輩と落合先輩、二年生の小川先輩と村上先輩、二宮先輩、そしてしーちゃん。
午後の三時過ぎに集まった6人は、そのままお泊り会をする予定でした。
鳥越先輩のマンションは結構広くて豪華で、
「一部屋改造して、アトリエみたいになってるんだヨー」
と、なぜだか自分のことのように自慢そうなしーちゃん。
広いリビングで一息ついて、アトリエでクロッキーを始めたのが午後の4時頃。
今回は、短時間ではなく、しーちゃんのが仕上がるまでっていうことだったので、クロッキーではなくてデッサンでした。
当然のように、二宮先輩がお洋服をすべてスルスルっと脱ぎ、アトリエのソファーに寝そべって、みんな真面目にデッサンを始めました。
アトリエは、美術室より断然明るかったので、二宮先輩のからだの細かいところ、筋肉のつき方や毛の生え際とかまでクッキリとわかり、二宮先輩は、やっぱり薄っすら頬を染め、恥じらいと高揚感が交錯しているように見えたそうです。
休憩を何度か挟んで2時間弱、なんとかしーちゃんも納得出来る作品に仕上がったので、そこでデッサン会は終わりになりました。
二宮先輩以外の先輩がた4人が、お夕食のお買い物に行ってくる、と言って外出してしまい、お部屋にはしーちゃんと二宮先輩だけが残されました。
「たぶん、先輩たちがあらかじめ打ち合わせてて、ワタシたちを二人きりにしたんだヨ」
デッサンが終わっても二宮先輩はお洋服を着ようとせず、しーちゃんは目のやり場に困ったそうです。
ソファーに並んで座って、しばらくお話タイム。
「しのぶさんには、カレシさんとかいるの?」
「いいえ、ワタシはまだそんなの・・・」
「興味ないの?」
「はい・・・」
「わたしのからだ見たの久しぶりだったよね、どうだった?」
「あ、はい。やっぱりすんごくキレイだと思います。憧れちゃう」
「わー、ありがとう。わたし、しのぶさんのこと部室で初めて見たとき、なんてカワイイ子なんだろう、って思ったの」
「はあ・・・ありがとうございます」
二宮先輩が少し黙ってから、内緒話をするみたいなヒソヒソ声で聞いてきました。
「しのぶさん、女同士でおつきあいするのって、ヘンだと思う?」
「あ、いえ、ワタシは別に・・・」
しーちゃんは実際、女の子同士の恋愛もアリだと思っていたし、これから百合マンガを描いていくためにも、自分の身で経験してみたいなーとも思っていたのだそうです。
「それなら藤原さん、わたしとおつきあいしてみない?」
二宮先輩に小さな声でそう言われたとき、たぶん先輩がからかっているんだろうと思ってお顔を見たら、頬をピンクに染めて思いっきり恥らっていて、その姿がすっごく可愛らしくって、たまらなかったそうです。
「それとも、誰か他に好きな人がいるの?」
そう聞かれたとき、パッと浮かんだのが私の顔・・・でも、何も言えず・・・
「こんなふうに人前で裸になっちゃう、はしたない女じゃ、イヤ?」
「そんなことありませんっ!」
この問いにだけは、しーちゃんはすぐに反発しました。
「二宮先輩は、やさしいし、絵もお上手だし、教え方もうまいし、お顔もからだもキレイだし、お話していて楽しいし、ワタシ憧れてます」
「うわー。今まで生きてきて、一番嬉しい褒め言葉よ、それ。ねえ、お願い、藤原さん?わたしとおつきあいしてください」
二宮先輩は、先輩なのに哀願するような言葉遣いになりました。
「わたしはもっとしのぶさんのことが知りたいし、しのぶさんにももっともっと、わたしのことを知って欲しいの。わたしたち絶対うまくいくと思う」
二宮先輩は、そのつぶらな瞳でしーちゃんのことをすがるようにじーっと見つめ、今にも泣き出しそうな感じだったそうです。
しーちゃんは真剣なそのまなざしにあがらえきれなくなって、首をコクンと縦に振りました。
その途端に、泣き出しそうだったお顔が、雲の切れ間からお日様がパーッとお顔を出したように、満面の笑みに変わって、その笑顔が本当に綺麗で、背中に電流が走ったみたいにゾクゾクッてしちゃうほど。
「嬉しいーっ!」
横向きのしーちゃんに抱きついてきた二宮先輩の裸の胸やお腹がしーちゃんに押し付けられ、そのふうわり柔らかい感触といい匂いは、うまく言葉にできないほど心地良いものだったそうです。
やがて先輩がたが帰ってきて、お夕食の支度。
二宮先輩は、裸にピンクのフリルのエプロンだけかけて、せっせとご馳走を作って、みんなでワイワイ食べました。
「クリスがあんなに上機嫌ていうことは、しのぶちゃん、オッケーしたんだね?」
小川先輩が二宮先輩の目を盗んで、しーちゃんに小声で言いながらウインクしてきます。
やっぱりこの会合は、先輩がたに仕組まれたもののようでした。
お夕食の後、しばらく経ってお風呂タイム。
最初に落合先輩と村上先輩、次に鳥越先輩と小川先輩が入り、必然的にしーちゃんと二宮先輩が一緒に入ることになりました。
二宮先輩の前で裸になるのは、しーちゃんにとってかなり恥ずかしいことでしたが、お風呂上りの先輩がたがみんな、下着だけとか、ノーブラにキャミソールとかでお部屋をウロウロしているので、恥ずかしさの感覚が麻痺しちゃって、ま、いいか、になっちゃったらしいです。
「しのぶさんのからだ、スベスベでお人形さんみたいね」
二宮先輩は、そんなことを言いながらしーちゃんのからだをすみずみまで、やさしく丁寧に洗ってくれました。
フワフワのスポンジをたっぷり泡だてて。
「胸とかをやさしく撫ぜられて、ワタシすんごく感じちゃった・・・」
しーちゃんが照れ臭そうに言いました。
その後、二人でゆったりとバスタブに浸かって、見つめ合っているうちになんとなく、キスしてしまいました。
「なぜだか、そうしないとお風呂から出れないような気がしたんだヨ」
しーちゃんが盛大に照れました。
お風呂から上がると、みんな相変わらず下着姿で、三年の先輩は缶ビールなんかも開けて、ワイワイおしゃべりしていました。
二宮先輩が素肌にタオルを巻いたままの格好でその輪に加わったので、しーちゃんもパジャマを着るのがためらわれ、空気を読んで下着だけの姿でおしゃべりに参加しました。
「でもね、えっちい話なんかぜんぜんしなくて、絵の具の混ぜ方のこととかポスト印象派がどーたらとか、えらく真面目な話ばっかりなんだヨ」
「みんな裸に近いセクシーな格好なクセに、すんごく真剣にマジメな話しているから、何て言うか、シュールでネ。少し笑っちゃった」
「好きなマンガの話もしたから、ワタシもすんごく盛り上がっちゃったヨ」
夏休みに入って、しーちゃんと二宮先輩は何度もデートしました。
「ショッピングしたり、映画観たり、遊園地も行ったしプールも行ったヨ」
そういう場では、二宮先輩はごく普通なやさしい先輩で、しーちゃんのことをすごく気使ってくれて、別れ際にはいつもやさしいキスをして。
二宮先輩は、デートのときにセクシーな服装をしてくるとか、ノーブラで来るとかもぜんぜん無くて、本当にこの人が美術室で裸になりたがる彼女と同じ人なのかな、ってしーちゃんが思うくらいいい人で、しーちゃんもどんどんますます二宮先輩のことが好きになっていったそうです。
そしてこの頃、しーちゃんはひとりエッチがちゃんと出来るようになっていました。
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