今度は、脱衣所が私たちだけの貸し切り状態でした。
「いいお湯だった、ね?」
「うん」
裸のまま至近距離で、こそっと言葉を交わします。
私としーちゃんの顔がピンク色に火照っているのは、お湯にのぼせたせいだけではないはずです。
バスタオルで丁寧にからだを拭いて、時間をかけてゆっくり服を着ました。
さっさと服を着てしまうのが、なんとなくもったいない気がしたんです。
ショーツとブラを着け終えたとき、壁際に飲み物の自動販売機があるのに気がつきました。
「しーちゃん、何飲みたい?」
「えっ?}
しーちゃんも薄いブルーのスポーツブラとカワイイ青水玉のショーツ姿でした。
「あの自動販売機で牛乳売ってるの。ちゃんと瓶入りのやつみたいだよ。私、おごってあげる」
「えっ、ほんとに?いいの?・・・お風呂あがりは、やっぱり白牛乳だよネ?腰に左手あてて、上向いてゴクーッと飲んでプハァーッってするのっ!」
しーちゃんが愉快そうに笑ってから、
「それに・・・ワタシ、もっと大きくなりたいし・・・」
ちょっと声をひそめたと思ったら、私の顔をまじまじと見つめてクスッと笑い、しーちゃんにしては大きな声で、私を指さして言いました。
「でも、なおちゃんは白牛乳禁止ネ!コーヒー牛乳にしなさいっ。もうそれ以上大きくなったらダメですっ!」
しーちゃんのいたずらっ子なお顔に私が思わず吹き出すと、しーちゃんもプッと吹き出して、しばらく二人でクスクス笑いました。
「なおちゃんは、なんで女子高に行くことにしたの?」
お風呂からお部屋に戻る途中、二人で並んで歩いているときにしーちゃんが突然聞いてきました。
「なんで、って言われても・・・うーん、なんとなく・・・」
どういうふうに答えればいいのか・・・
しーちゃんなら、正直にいろいろお話しちゃってもわかってもらえそうな気もします。
それに、曽根っちのヒミツのことでもわかるように、みんなに言いふらしちゃうような人ではないし。
「なおちゃんは、共学に行くと思ってたヨ。昨夜、愛ちゃんも言ってたけど、なおちゃん、男子にもてそうだしネ」
「うーんと、そういうのは私、まだ苦手なの。男子とか、ちょっと怖い感じがして・・・」
「だから、まわりがみんな女子、っていうほうが気が楽かなー、なんて・・・」
言葉を選びながら、しーちゃんの反応をうかがいます。
「あ、なんとなくわかる。ワタシもそんな感じだヨ。男子がいないほうがラクそー」
しーちゃんは、ニコニコ笑ってうんうんうなずいてくれました。
「ワタシ、絶対なおちゃんと一緒の高校、行きたいっ!」
しーちゃんから手をつないできました。
お部屋に戻ると、勝負はすでに始まっていました。
「あー、お帰りー」
「けっこう長湯だっだねー」
「わたしら、曽根っちからいろいろ聞き出しといたから、トランプやりながら教えてあげようっ!」
あべちんが私たちのために席を空けてくれて、しーちゃんと隣り合って座り、大貧民ととりとめのないおしゃべりで修学旅行最後の夜も楽しく更けていきました。
修学旅行でしーちゃんと仲良しになれたのは、すっごく嬉しいことなのですが、同時に心の中にまた一つ、モヤモヤを抱え込んでしまいました。
修学旅行から戻ったその夜、私にムラムラ期が訪れました。
て言うか、学校で解散して、帰り道に一人になったときからずっと、しーちゃんとのお風呂での出来事ばかりを思い出していました。
あの出来事に私は、発情していました。
その夜、お風呂上りにお部屋の姿見の前で、早速オナニーを始めました。
思い浮かべるのは、しーちゃんからの指の感触、興味津シンシンなお顔、白い裸身、そして、私にさわられたときの困ったような表情・・・
自分の胸をまさぐっている私の両手は、しーちゃんの控えめな胸の感触をはっきり思い出していました。
しーちゃん、カワイイ・・・
その夜は、そのまま突っ走って、しーちゃんとの妄想だけでイってしまいました。
自分でも驚いたのは、私が普段している、痛くしたり、縛ったり、叩かれたりっていう妄想は全然必要なくて、しーちゃんと互いにやさしく愛撫しているのを思い浮かべるだけで、シアワセに気持ち良くイけたことでした。
終わった後、考え込んでしまいました。
私は、しーちゃんとそういうふうになりたいのでしょうか?
しーちゃんはカワイイし、性格もいいし、趣味もけっこう合うようだし、慕ってくれているし、大好きです。
だから、そういうふうになりたいと思うのも当然なこと?
いいえ、そう単純に割り切れない気持ちが、私にはありました。
一学期に経験した相原さんとのことが、私にブレーキをかけていました。
私は、相原さんとおつきあいするうちに、相原さんにどんどん惹かれていきました。
相原さんのお部屋で、二人でからだをさわりあってえっちなことをした後は、もうこれからずっと、いつでもどこでも相原さんと一緒にいたい、と思いました。
でも、相原さんにカレシが出来たことで、あっさり関係は終わってしまいました。
相原さんは、女性を恋愛対象としては見ていませんでした。
そして、日頃身近に接していた大好きな人との関係が終わっていく過程で感じる焦燥感と、終わったことを知った後の喪失感・・・
もうあんな思いは絶対したくないと思っていました。
しーちゃんは、女性同士の恋愛にも大いに興味を持っているように見えました。
二年生のときに冗談めかして、グループの5人の中だったら誰とつきあうか、って聞かれたしーちゃんが、なおちゃん、って答えてくれたのも憶えていました。
でも、そういうのは、あくまでもしーちゃんの空想、コミックやアニメで知って憧れている妄想の中でのお話かもしれません。
現実にしーちゃんが女性とそういう関係を持ってみたいと考えているのか、は、定かではありません。
さらに、しーちゃんがえっちなことについて、どのくらい興味があるのか、オナニーの経験はあるのか、誰かとそういう関係になるのを今現在望んでいるのか、についても、何一つ知りませんでした。
相原さんのときは、そもそもの出会いが、相原さんが私に自分の性的嗜好を披露するところから始まったので、その点はスムースでした。
相原さんと私の嗜好が合致して、短かい間に深い関係になれました。
ただ、相原さんにとって、女性とのそれは、単なる興味本位の遊びだったのだけれど・・・
相原さんとの出来事で、私は、普通のお友達以上の関係、何て言うか、裸で抱き合ってお互い楽しめるような、恋人になってくれる女性が欲しくてたまらなくなっていました。
自分でさわるのとは違う、誰かにさわられる気持ち良さ、が忘れられなくなっていました。
でも、それをしーちゃんに求めていいものなのでしょうか?
しーちゃんとは、おつきあいしてきた時間は長いのだけれど、今までそういうことはまったく話題にしてきませんでした。
だから今さら聞きにくい、ていうのもあります。
もしも私が本能のままにしーちゃんにえっちなアプローチをして、しーちゃんがそれに嫌悪を感じてしまったら・・・
拒絶されてしまったら・・・
その瞬間から、しーちゃんとだけでなく、グループの他のお友達たちとも気まずくなるのは目に見えていました。
それを考えると、やっぱり一歩踏み出すのは、躊躇してしまいます。
私が一番恐れていたのは、しーちゃんに対して私が勘違いなアプローチをして、中学三年間の愛ちゃんをはじめとする仲良しなお友達との思い出が全部崩れ去ってしまうことでした。
平穏な日常は、壊したくありません。
だったら日常のお友達には、そういうことを求めないほうがいいのかもしれません。
いろいろグダグダと考えても、結局答えはみつかりませんでした。
一つだけ確信したのは、私がしーちゃんに恋をし始めている、っていうことでした。
やよい先生や相原さんに感じたのとは、また何かが違う愛おしさ、その何かは自分でもわからないのですけれど、で、しーちゃんのことを想っていました。
しーちゃんのほうからアプローチしてくれないかなあ・・・
そんなムシのいい考えもしたりなんかして。
でも・・・
やっぱり今は、余計なことはしないほうがいいよね。
これからしーちゃんとたくさんいろいろお話すれば、しーちゃんのことももっともっとわかってくるだろうし。
それからだって、遅くはないもの。
とにかく今は、しーちゃんと同じ高校に進めるように精一杯仲良くがんばろう。
その夜にそう決めました。
*
*しーちゃんのこと 05へ
*
直子のブログへお越しいただきまして、ありがとうございます。ここには、私が今までに体験してきた性的なあれこれを、私が私自身の思い出のために、つたない文章で書きとめておいたノートから載せていくつもりです。
2011年5月21日
2011年5月14日
しーちゃんのこと 03
お役目を終えてしーちゃんと二人、お部屋へ戻ると、みんなすでにお風呂に行ったみたいで誰もいませんでした。
「私たちもお風呂、行こ?」
「うん」
しーちゃんと連れ立って大浴場に向かいました。
しーちゃんは、今日は、バスタオルで隠すことはせず、淡々と裸になりました。
昨夜見られちゃったことで、もう平気になったみたいです。
シャンプーなどを入れたお風呂セットを片手に、一応、前にタオルを垂らして少し隠しつつ二人、浴室へ入っていきました。
「あっ!お疲れーっ!」
大きな声をかけてきたのは、湯船に浸かっていたあべちんでした。
あべちんのまわりには、他の3人が私たちに向かってそれぞれひらひら手を振っていました。
「けっこう時間かかったんだね?あたしたちそろそろ出るところなんだ」
と、愛ちゃん。
「うん。でも意外と面白かったよ。調理場の人もやさしかったし・・・」
答えながら、空いている鏡の前の場所を確保します。
今日は、昨日より人が少なくて、愛ちゃんたちの他に、別のクラスのグループが一組5人だけ。
私がまわりを見回したのに気づいたのか、曽根っちが湯船の中をしゃがんだまま私たちのほうに近づきながら、
「さっきまでかなり混んでいたんだけど、5分くらい前にみんな段々と出てったんだ。でも、あと20分くらいすると次のクラスの子たちの時間になってまた混み始めるから、しーちゃんたちもさっさと洗っちゃったほうがいいよ」
なんて教えてくれました。
「そうなんだ?」
私たちは、急いでからだを洗い始めました。
愛ちゃんたち4人は、私としーちゃんがからだを洗っている鏡のところに近い場所まで、みんなで湯船の中を移動してきて、浴槽の縁に頬づえをついて、私たちの裸の背中をジーッと鑑賞しているようです。
目の前の鏡の奥に、その様子がボンヤリと映っていて、時折、ヒソヒソ言ってクスクス笑ってるみたい。
お尻もバッチリ見られちゃってるよね、恥ずかしい・・・
私は、石鹸をいっぱい泡立てさせようとタオルにゴシゴシこすりつけ、そのタオルでからだをテキトーに撫ぜながら、モジモジしてしまいました。
「そんじゃあ、うちら先に戻るから。ほどほどにごゆっくり、ね?」
お風呂椅子に座ってからだを流していた私は、ふいにポンと軽く背中を叩かれました。
振り向きつつ顔を上げると、曽根っちの豊かなアンダーバストが頭上にありました。
「う、うんっ」
その、めったにお目にかかることのないアングルにドギマギして、声が上ずってしまいます。
「お先ー」
「お先にー」
私としーちゃんの背中をパンパン叩いてそう言いながら、愛ちゃんたち4人の裸のお尻が脱衣所へ消えていきました。
「しーちゃんは将来、美大とかに進むの?」
しーちゃんと二人、湯船の端のほうで、向き合って浸かりました。
広い湯船の向こうのほうには、別のクラスらしき5人が輪になってキャイキャイやっています。
大浴場には、湯船に私たち7人だけ、洗い場には誰もいなくて、ガランとしていました。
「うーん、わかんないけど・・・」
「しーちゃんもあの学校、受けるなんて知らなかった」
「あの学校はネー、お姉ちゃんが今、通ってるんだ。二年生。生徒会の副会長やってるんだヨ」
「へーっ!?」
「うちのおばあちゃん、パパのお母さんネ、も、あの学校出てるんだ。うちの家系の女の子は代々あの高校行ったんだって。だからワタシもできればなー、って」
「ふーん」
「それで、お姉ちゃんによるとあの学校、外から見ると、由緒正しくて規律が厳しいお嬢様学校、ってイメージがあるけれど、中に入ったらそうでもないんだって。服装とか細かいこともあんまりチェックしないし、先生も生徒もユニークな人が多いって」
「その代わり、勉強だけはかなり厳しい、って。ついていけなくて途中で転校する人も少なからずいるみたい」
「ワタシ、頭良くないからどうかなー、って思ったんだけど・・・でも、なおちゃんも行くんなら、ワタシも絶対入りたいなー」
ユラユラ揺れている半透明のお湯の向こうに、しーちゃんの白いからだがぼやけて見えています。
ひっくりかえしたお皿みたく少しだけ盛り上がっている胸と華奢な手足が、お湯の中で儚げに揺れています。
しーちゃん、カワイイなー・・・
知らず知らず水面を見つめてしまいます。
「だからなおちゃん、これからワタシに勉強、教えてくれる?」
うつむいている私の顔を覗き込むようにして、しーちゃんが小首をかしげています。
「う、うんっ!。もちろんっ!私も受かるかどうか自信ないんだけど・・・でも、受験まで二人で一緒にがんばろー!ね?」
お湯の中で二人、やんわり握手しました。
「しーちゃん、曽根っちのことは知ってたの?」
昨夜のことを思い出しながら聞いてみます。
「うん。夏休み中に曽根っちが報告に来たもん。進展があるたんびにすっごく嬉しそうに。だからあの告白、誰にも教えていないヒミツ、じゃないんだよネー、厳密に言うと」
しーちゃんがクスッと笑います。
「曽根っち、すっごく楽しそーにお話するから、聞いてるワタシも嬉しい気分になったヨ」
小さく笑ったしーちゃんは、言葉のわりには、あまり嬉しそうには見えませんでした。
「曽根っちとはおつきあい、長いんでしょ?」
「そう。小学生から。ママ同士が仲良かったからネー」
「曽根っちって、けっこう惚れっぽいんだヨー。あの人カッコイイよねー、とかよく言ってくる」
「今度のカレシは、しーちゃんも知ってる人なの?」
「ううん。でも写真見せてくれた。あの人に似てた・・・えーっと・・・」
しーちゃんは、テレビで人気のなんとかっていうアイドルグループのなんとかっていう男性タレントさんの名前を教えてくれましたが、バラエティ番組をあまり見ない私には、まったくわかりませんでした。
気がつくと、別のクラスのグループはあがってしまい、広い大浴場に私たちだけでした。
「しーちゃん、このお風呂、今は私たちの貸し切りみたい」
私は、中腰になって湯船の真ん中へんまで移動しました。
しーちゃんもついてきて、また二人でザブンと肩まで浸かります。
「気持ちいい~」
両脚を前に投げ出して全身をお湯の中で伸ばし、顔だけ上に上げます。
しーちゃんは、そんな私の行動をお湯に浸かったままジーッと見つめていました。
「なおちゃんの胸って、なんだかカッコイイ形だよネー」
しーちゃんがポツンと言いました。
「えっ?やだやだ、そんなことないよー」
じっと私の胸を見つめてくるしーちゃんの視線に、内心ドキンって胸を疼かせながらも、つとめて普通の感じに答えます。
「しーちゃんだって、全身キレイなまっ白いお肌で、お人形さんみたいだよー」
しーちゃんは、私の声なんか聞こえていないみたいに、ずーっと私のからだを見つめています。
「ねえ、なおちゃん?・・・」
「うん?」
「さわってみて、いい?胸・・・」
「えっ!?」
私の頭の中が高速でフル回転しています。
ここで必要以上に恥ずかしがるのもオカシイよね、しーちゃんとはお友達同士だし、お友達ならじゃれあってそんな遊びをしてもおかしくないし、しーちゃんはちょっとさわってみたいだけだろうし、でも感じてしまったらどうしよう、でもさわって欲しいし・・・
「う、うん、いいよ・・・」
私は、なるべく、そんなことは何でもないこと、っていう余裕ある雰囲気が出るようにニコニコ笑いを浮かべて、お湯に肩まで浸かったまま、しーちゃんに一歩、近づきました。
でも内心はドッキドキ。
間違っても絶対、ヘンな声は出さないようにしなきゃ・・・
しーちゃんと私は、湯船に肩まで浸かってしゃがみ、向かい合っていました。
お湯の表面が揺らいで、しーちゃんの右手が私の左おっぱいに水圧と共に伸びてきます。
乳首の左脇の肌をやんわりとつかまれました。
「わーっ、やわらかーいっ!」
今度は、左腕を伸ばしてきて、右おっぱいの肌も同じようにつかまれます。
「こっちもやわらかーいっ!いいなあー」
しーちゃんは、手のひらを軽く握るように動かして、ゆっくりモミモミしながら笑っています。
私は、お湯越しにしーちゃんの手の動きを見つめながら、うつむいてじっとしていました。
しーちゃんは、いつまでもそのままの姿勢で私の胸をモミモミしてきます。
「ね、ねえ?・・・わ、私もしーちゃんの胸、さわっていい?」
なんだかだんだん気持ち良くなってきてしまっている私は、その感覚を振り払うためにしーちゃんに話しかけました。
「え?うん、いいけど、ワタシの胸なんて、さわっても全然面白くないヨー?」
しーちゃんが恥ずかしそうに言いますが、私はそれには答えずに、しーちゃんが伸ばしている両腕の内側に自分の両腕を伸ばし、左右の手のひらを広げたまま、しーちゃんの胸に押し付けました。
左手のひらにしーちゃんの右おっぱい、右手のひらに左おっぱい。
しーちゃんの胸は、わずかになだらかに隆起しているだけで、そのふくらみ具合は、ちょうど私が中一だった頃、私がオナニーを覚えたてな頃の懐かしい感触でした。
「ほらー、しーちゃんだってちゃんとふくらんでいるじゃない?カワイイー」
あまり刺激しないように、かすかに手を動かしてモミモミすると、しーちゃんが照れたように私を見てニッて笑いました。
私の左右の手のひらの真ん中にそれぞれ、しーちゃんの小さめな乳首の感触がありました。
そしてそれは、間違いなく硬くなっている気がしました。
しーちゃんも今の状況に、ちゃんと感じてるんだー・・・
そう思った瞬間、私の乳首が左右同時にフワッとつままれました。
「あ、やんっ!」
思わず小さく呻いてしまいます。
私の乳首は、この状況になってからどんどん尖ってきていました。
幸いしーちゃんは、おっぱいの肌のほうだけにふれて乳首をほっといてくれたので、バレずにすむと思ってたのですが・・・
「なおちゃんの乳首、かわいいネー。つまみやすくてコリッコリ、赤ちゃん喜びそー」
しーちゃんは、私の乳首が硬くなっているのに気づいているのかいないのか、そんなことを言いながらプニプニと私の乳首を弄んできます。
そ、そんなにされると、か、かなりマズイことに・・・
私はうつむいて、必死に声が出るのをがまんします。
自分の乳首に与えられている刺激から、意識をそらさなきゃ、って焦ります。
その分、しーちゃんの胸に置いた自分の両手の動きが知らず知らず早くなってしまい、いつのまにか、しーちゃんもうつむいちゃっていて、二人の両手だけがお湯の中で動いていました。
ボイラーなのか換気扇なのか、けっこう大きめなザーーーていう音以外は聞こえない二人きりの大浴場で、私たちの周囲のお湯だけがユラユラと揺らめいています。
このままだと・・・
そう思ったとき、脱衣所のほうからガヤガヤとした音が聞こえてきました。
次のクラスの人たちが来たようです。
私としーちゃんは、同時に互いの胸から両手を離し、お湯の中しゃがんだまま、最初に二人がいた湯船の端のほうにゆっくりと移動しました。
「わー、今日はまだ空いてるよー」
ガラガラっと脱衣所からの扉が開いて、裸の女の子が4人、元気良く浴室に入ってきました。
「ほんとだー。早くからだ洗って温泉浸かろー」
「さんせー」
「りつ、泳ぐなよー?」
「きゃはははー」
3人、5人、また3人と知らないクラスの子たちが入ってきて、大浴場はまたたく間にワイワイガヤガヤ賑やかになっていきました。
「もう出よっか?」
しーちゃんに聞きます。
「そだネー」
しーちゃんが先にサバッとお湯の中で立ち上がり、背中を向けてゆっくりと湯船の縁に向かいました。
湯船から出るときに片脚を大きく上げたので、その白くて小さなお尻が割れて、ゆらめく湯気越しにしーちゃんのピンクな中身が一瞬チラっと見えたような気がしました。
ドキンッ!
洗い場に出たしーちゃんが私を振り返って微笑んでいます。
その視線に急かされるように、私も立ち上がりました。
しーちゃんは、お湯に濡れた私の全身を上から下まで、舐めるように見つめてくれました。
*
*しーちゃんのこと 04へ
*
「私たちもお風呂、行こ?」
「うん」
しーちゃんと連れ立って大浴場に向かいました。
しーちゃんは、今日は、バスタオルで隠すことはせず、淡々と裸になりました。
昨夜見られちゃったことで、もう平気になったみたいです。
シャンプーなどを入れたお風呂セットを片手に、一応、前にタオルを垂らして少し隠しつつ二人、浴室へ入っていきました。
「あっ!お疲れーっ!」
大きな声をかけてきたのは、湯船に浸かっていたあべちんでした。
あべちんのまわりには、他の3人が私たちに向かってそれぞれひらひら手を振っていました。
「けっこう時間かかったんだね?あたしたちそろそろ出るところなんだ」
と、愛ちゃん。
「うん。でも意外と面白かったよ。調理場の人もやさしかったし・・・」
答えながら、空いている鏡の前の場所を確保します。
今日は、昨日より人が少なくて、愛ちゃんたちの他に、別のクラスのグループが一組5人だけ。
私がまわりを見回したのに気づいたのか、曽根っちが湯船の中をしゃがんだまま私たちのほうに近づきながら、
「さっきまでかなり混んでいたんだけど、5分くらい前にみんな段々と出てったんだ。でも、あと20分くらいすると次のクラスの子たちの時間になってまた混み始めるから、しーちゃんたちもさっさと洗っちゃったほうがいいよ」
なんて教えてくれました。
「そうなんだ?」
私たちは、急いでからだを洗い始めました。
愛ちゃんたち4人は、私としーちゃんがからだを洗っている鏡のところに近い場所まで、みんなで湯船の中を移動してきて、浴槽の縁に頬づえをついて、私たちの裸の背中をジーッと鑑賞しているようです。
目の前の鏡の奥に、その様子がボンヤリと映っていて、時折、ヒソヒソ言ってクスクス笑ってるみたい。
お尻もバッチリ見られちゃってるよね、恥ずかしい・・・
私は、石鹸をいっぱい泡立てさせようとタオルにゴシゴシこすりつけ、そのタオルでからだをテキトーに撫ぜながら、モジモジしてしまいました。
「そんじゃあ、うちら先に戻るから。ほどほどにごゆっくり、ね?」
お風呂椅子に座ってからだを流していた私は、ふいにポンと軽く背中を叩かれました。
振り向きつつ顔を上げると、曽根っちの豊かなアンダーバストが頭上にありました。
「う、うんっ」
その、めったにお目にかかることのないアングルにドギマギして、声が上ずってしまいます。
「お先ー」
「お先にー」
私としーちゃんの背中をパンパン叩いてそう言いながら、愛ちゃんたち4人の裸のお尻が脱衣所へ消えていきました。
「しーちゃんは将来、美大とかに進むの?」
しーちゃんと二人、湯船の端のほうで、向き合って浸かりました。
広い湯船の向こうのほうには、別のクラスらしき5人が輪になってキャイキャイやっています。
大浴場には、湯船に私たち7人だけ、洗い場には誰もいなくて、ガランとしていました。
「うーん、わかんないけど・・・」
「しーちゃんもあの学校、受けるなんて知らなかった」
「あの学校はネー、お姉ちゃんが今、通ってるんだ。二年生。生徒会の副会長やってるんだヨ」
「へーっ!?」
「うちのおばあちゃん、パパのお母さんネ、も、あの学校出てるんだ。うちの家系の女の子は代々あの高校行ったんだって。だからワタシもできればなー、って」
「ふーん」
「それで、お姉ちゃんによるとあの学校、外から見ると、由緒正しくて規律が厳しいお嬢様学校、ってイメージがあるけれど、中に入ったらそうでもないんだって。服装とか細かいこともあんまりチェックしないし、先生も生徒もユニークな人が多いって」
「その代わり、勉強だけはかなり厳しい、って。ついていけなくて途中で転校する人も少なからずいるみたい」
「ワタシ、頭良くないからどうかなー、って思ったんだけど・・・でも、なおちゃんも行くんなら、ワタシも絶対入りたいなー」
ユラユラ揺れている半透明のお湯の向こうに、しーちゃんの白いからだがぼやけて見えています。
ひっくりかえしたお皿みたく少しだけ盛り上がっている胸と華奢な手足が、お湯の中で儚げに揺れています。
しーちゃん、カワイイなー・・・
知らず知らず水面を見つめてしまいます。
「だからなおちゃん、これからワタシに勉強、教えてくれる?」
うつむいている私の顔を覗き込むようにして、しーちゃんが小首をかしげています。
「う、うんっ!。もちろんっ!私も受かるかどうか自信ないんだけど・・・でも、受験まで二人で一緒にがんばろー!ね?」
お湯の中で二人、やんわり握手しました。
「しーちゃん、曽根っちのことは知ってたの?」
昨夜のことを思い出しながら聞いてみます。
「うん。夏休み中に曽根っちが報告に来たもん。進展があるたんびにすっごく嬉しそうに。だからあの告白、誰にも教えていないヒミツ、じゃないんだよネー、厳密に言うと」
しーちゃんがクスッと笑います。
「曽根っち、すっごく楽しそーにお話するから、聞いてるワタシも嬉しい気分になったヨ」
小さく笑ったしーちゃんは、言葉のわりには、あまり嬉しそうには見えませんでした。
「曽根っちとはおつきあい、長いんでしょ?」
「そう。小学生から。ママ同士が仲良かったからネー」
「曽根っちって、けっこう惚れっぽいんだヨー。あの人カッコイイよねー、とかよく言ってくる」
「今度のカレシは、しーちゃんも知ってる人なの?」
「ううん。でも写真見せてくれた。あの人に似てた・・・えーっと・・・」
しーちゃんは、テレビで人気のなんとかっていうアイドルグループのなんとかっていう男性タレントさんの名前を教えてくれましたが、バラエティ番組をあまり見ない私には、まったくわかりませんでした。
気がつくと、別のクラスのグループはあがってしまい、広い大浴場に私たちだけでした。
「しーちゃん、このお風呂、今は私たちの貸し切りみたい」
私は、中腰になって湯船の真ん中へんまで移動しました。
しーちゃんもついてきて、また二人でザブンと肩まで浸かります。
「気持ちいい~」
両脚を前に投げ出して全身をお湯の中で伸ばし、顔だけ上に上げます。
しーちゃんは、そんな私の行動をお湯に浸かったままジーッと見つめていました。
「なおちゃんの胸って、なんだかカッコイイ形だよネー」
しーちゃんがポツンと言いました。
「えっ?やだやだ、そんなことないよー」
じっと私の胸を見つめてくるしーちゃんの視線に、内心ドキンって胸を疼かせながらも、つとめて普通の感じに答えます。
「しーちゃんだって、全身キレイなまっ白いお肌で、お人形さんみたいだよー」
しーちゃんは、私の声なんか聞こえていないみたいに、ずーっと私のからだを見つめています。
「ねえ、なおちゃん?・・・」
「うん?」
「さわってみて、いい?胸・・・」
「えっ!?」
私の頭の中が高速でフル回転しています。
ここで必要以上に恥ずかしがるのもオカシイよね、しーちゃんとはお友達同士だし、お友達ならじゃれあってそんな遊びをしてもおかしくないし、しーちゃんはちょっとさわってみたいだけだろうし、でも感じてしまったらどうしよう、でもさわって欲しいし・・・
「う、うん、いいよ・・・」
私は、なるべく、そんなことは何でもないこと、っていう余裕ある雰囲気が出るようにニコニコ笑いを浮かべて、お湯に肩まで浸かったまま、しーちゃんに一歩、近づきました。
でも内心はドッキドキ。
間違っても絶対、ヘンな声は出さないようにしなきゃ・・・
しーちゃんと私は、湯船に肩まで浸かってしゃがみ、向かい合っていました。
お湯の表面が揺らいで、しーちゃんの右手が私の左おっぱいに水圧と共に伸びてきます。
乳首の左脇の肌をやんわりとつかまれました。
「わーっ、やわらかーいっ!」
今度は、左腕を伸ばしてきて、右おっぱいの肌も同じようにつかまれます。
「こっちもやわらかーいっ!いいなあー」
しーちゃんは、手のひらを軽く握るように動かして、ゆっくりモミモミしながら笑っています。
私は、お湯越しにしーちゃんの手の動きを見つめながら、うつむいてじっとしていました。
しーちゃんは、いつまでもそのままの姿勢で私の胸をモミモミしてきます。
「ね、ねえ?・・・わ、私もしーちゃんの胸、さわっていい?」
なんだかだんだん気持ち良くなってきてしまっている私は、その感覚を振り払うためにしーちゃんに話しかけました。
「え?うん、いいけど、ワタシの胸なんて、さわっても全然面白くないヨー?」
しーちゃんが恥ずかしそうに言いますが、私はそれには答えずに、しーちゃんが伸ばしている両腕の内側に自分の両腕を伸ばし、左右の手のひらを広げたまま、しーちゃんの胸に押し付けました。
左手のひらにしーちゃんの右おっぱい、右手のひらに左おっぱい。
しーちゃんの胸は、わずかになだらかに隆起しているだけで、そのふくらみ具合は、ちょうど私が中一だった頃、私がオナニーを覚えたてな頃の懐かしい感触でした。
「ほらー、しーちゃんだってちゃんとふくらんでいるじゃない?カワイイー」
あまり刺激しないように、かすかに手を動かしてモミモミすると、しーちゃんが照れたように私を見てニッて笑いました。
私の左右の手のひらの真ん中にそれぞれ、しーちゃんの小さめな乳首の感触がありました。
そしてそれは、間違いなく硬くなっている気がしました。
しーちゃんも今の状況に、ちゃんと感じてるんだー・・・
そう思った瞬間、私の乳首が左右同時にフワッとつままれました。
「あ、やんっ!」
思わず小さく呻いてしまいます。
私の乳首は、この状況になってからどんどん尖ってきていました。
幸いしーちゃんは、おっぱいの肌のほうだけにふれて乳首をほっといてくれたので、バレずにすむと思ってたのですが・・・
「なおちゃんの乳首、かわいいネー。つまみやすくてコリッコリ、赤ちゃん喜びそー」
しーちゃんは、私の乳首が硬くなっているのに気づいているのかいないのか、そんなことを言いながらプニプニと私の乳首を弄んできます。
そ、そんなにされると、か、かなりマズイことに・・・
私はうつむいて、必死に声が出るのをがまんします。
自分の乳首に与えられている刺激から、意識をそらさなきゃ、って焦ります。
その分、しーちゃんの胸に置いた自分の両手の動きが知らず知らず早くなってしまい、いつのまにか、しーちゃんもうつむいちゃっていて、二人の両手だけがお湯の中で動いていました。
ボイラーなのか換気扇なのか、けっこう大きめなザーーーていう音以外は聞こえない二人きりの大浴場で、私たちの周囲のお湯だけがユラユラと揺らめいています。
このままだと・・・
そう思ったとき、脱衣所のほうからガヤガヤとした音が聞こえてきました。
次のクラスの人たちが来たようです。
私としーちゃんは、同時に互いの胸から両手を離し、お湯の中しゃがんだまま、最初に二人がいた湯船の端のほうにゆっくりと移動しました。
「わー、今日はまだ空いてるよー」
ガラガラっと脱衣所からの扉が開いて、裸の女の子が4人、元気良く浴室に入ってきました。
「ほんとだー。早くからだ洗って温泉浸かろー」
「さんせー」
「りつ、泳ぐなよー?」
「きゃはははー」
3人、5人、また3人と知らないクラスの子たちが入ってきて、大浴場はまたたく間にワイワイガヤガヤ賑やかになっていきました。
「もう出よっか?」
しーちゃんに聞きます。
「そだネー」
しーちゃんが先にサバッとお湯の中で立ち上がり、背中を向けてゆっくりと湯船の縁に向かいました。
湯船から出るときに片脚を大きく上げたので、その白くて小さなお尻が割れて、ゆらめく湯気越しにしーちゃんのピンクな中身が一瞬チラっと見えたような気がしました。
ドキンッ!
洗い場に出たしーちゃんが私を振り返って微笑んでいます。
その視線に急かされるように、私も立ち上がりました。
しーちゃんは、お湯に濡れた私の全身を上から下まで、舐めるように見つめてくれました。
*
*しーちゃんのこと 04へ
*
2011年5月7日
しーちゃんのこと 02
各自持ってきたお菓子とトランプの大貧民で盛り上がりながら、いろんなことをたくさんおしゃべりしました。
進路のお話もしました。
愛ちゃんとあべちんは、沿線近場にある公立高校、ユッコちゃんは、スポーツが盛んで水泳部が強い私立高校、曽根っちは、とある私立大学の付属高校に進学するつもりだそうです。
私は、なかなか決められずにいろいろ迷っていたのですが、夏休みの間によく考えて、沿線にある私立の女子高校に進むことに決めていました。
この高校は、この土地に古くからある歴史のある学校で、お勉強のレベルもけっこう上のほうな進学校。
私の学力だとギリギリのラインでしたが、他に良い候補がみつからないので、がんばって挑戦してみることにしました。
私がそれを告げると、
「あっ、ワタシもそこ、受ける予定」
しーちゃんが場に最後のカードを出して大富豪を維持しつつ、嬉しそうに言いました。
「でも、ワタシの頭じゃたぶん、受かんないだろうけどネー」
しーちゃんが私の顔を見て、はにかむように笑いました。
しーちゃんは、そこを含めて3つ、女子高ばかりを受験するそうです。
そんな感じでワイワイガヤガヤ楽しく時間が過ぎていきます。
「じゃあ、そろそろラスト三回勝負にしよっかー」
曽根っちが時計を見て場を仕切ります。
「最後の最後に大貧民だった人は、罰ゲームね。何にしよっかなー?」
「明日の自由行動のとき、みんなにアイスおごる」
「お風呂でみんなの背中を流す」
「くすぐりの刑とか」
みんな口々にいろんなことを好きに言い合っています。
「じゃあ、今現在大貧民のあべちんに決めてもらおう」
愛ちゃんの提案です。
「うーんとねえ・・・今まで誰にも教えていないヒミツを一つ、告白する、っていうのはどう?」
「いいね、いいねー」
「賛成!」
「わたし、なお姫のヒミツ、すっごく聞きたーいしぃ」
そういうことになりました。
って、私は何を告白したらいいのかな?・・・
一気にドキドキしてきてしまいました。
結局、私はなんとか平民を維持して、最後の最後に大貧民になってしまったのは曽根っちでした。
「こういうのって、たいてい言い出しっぺがなっちゃうんだよねー」
ユッコちゃんがニヤニヤしながら曽根っちの背中を軽くポンポンと叩きました。
トランプやお菓子を片付けて、並べて敷いたお布団の中央にみんなで顔を寄せてうつ伏せに寝そべりました。
「それではお待たせしました、ナカソネスミレさんの告白ターイムッ!」
言いながらあべちんが立ち上がり、お部屋の電気を薄暗くしました。
みんなの視線が曽根っちに集中する中、曽根っちは、しばらくためらってるみたいに目を伏せていましたが、やがて覚悟を決めて小さく口を開きました。
「アタシねえ、この夏休みの間に、カレシができちゃったんだ・・・」
「ええーーーーーーーっ!」
つぶやくような曽根っちの声をかき消して、私たちの驚愕の声が大きくお部屋に響きました。
「うそうそ、うそーっ!」
「え、どこでどこでどこでみつけたの?」
「誰?誰?誰?」
「うちの学校の人?何才?何才?」
私も含めてみんな一斉にワイワイと、曽根っちにいろんな質問を投げつけていました。
「あなたたちっ!明日も早いんだから早く寝なさいよっ?!」
突然、お部屋の扉がガラッと開いて、他のクラスの担任な女性の先生に厳しい声で注意されました。
各お部屋を見回っているのでしょう。
「は、はーい」
「ごめんなさーい」
「おやすみなさーい」
先生が扉をピシャリと閉めて出て行くと、みんなで耳をすませ、廊下から立ち去った頃合を見計らって、またボソボソとおしゃべりを始めました。
曽根っちのお話をまとめると、
そのカレシは、曽根っちのお姉さんの高校の頃のお友達の弟さんで、現在高校一年生、演劇部に入っているそうです。
お姉さんがまだこっちにいた頃にも二、三度顔を合わせたことがあって、その頃から曽根っちはその人のことをカッコイイな、と少し思ってて、この夏休みにお姉さんが帰ってきていたとき、お姉さんたちの同窓地元グループ数名でサッカーの試合を観に行くのについていったら、その人も来ていて、向こうからアプローチされて意気投合したんだそうです。
「顔はまあまあイケメン。でもそれよりもとっても優しい感じなとこが気に入っちゃった」
曽根っちがテレテレになって惚気ています。
私、つい最近にもこんなお話、たっぷり聞かされたっけなー・・・
シアワセそうな曽根っちのお顔を見て、私はデジャブを感じていました。
「それで、アタシたち、もうキスもすませちゃったんだ・・・」
薄暗がりでもわかるほど真っ赤に頬を染めた曽根っちのバクダン発言。
「おおぉーーーーっ!」
声を殺した低いどよめきがお部屋に響きます。
「胸もさわれちゃったし・・・」
「うわぁーーーーっ!」
「どんな感じだった?」
「気持ち良かった?」
「まさか、もっと先まで?」
あべちんも愛ちゃんもユッコちゃんも、興味シンシンで矢継ぎ早に質問を投げつけていました。
私たちのグループが、こんなに具体的に男の子との恋愛に関してお話ししているのは、そのときが初めてでした。
私は、曖昧な笑顔を浮かべてみんなのおしゃべりを聞きつつも、ビミョーな居心地の悪さを感じていました。
こういうお話は早く終わって欲しい、みたいな・・・
シアワセ一杯な曽根っちのお顔から視線をそらすと、隣にはしーちゃんのお顔がありました。
しーちゃんは、ときどき、うんうん、ていうように小さくうなずきながら、ニコニコ顔で曽根っちのお惚気を聞いていました。
だけど、そんなしーちゃんのお顔が、なぜだか私にはちょっぴり寂しそうに見えました。
「お風呂で見た曽根っちの裸、立派にオトナだったもんねー」
曽根っちの驚きの告白が終わって、みんなそれぞれ自分のお布団に潜り込んでから、暗闇の中であべちんがポツンと言いました。
「やっぱり曽根っちが一番最初にオトナになりそうだねー」
「直子の胸もキレイだったじゃん、ピンクの乳首がツンとしててオトナみたいな色っぽさだった」
ユッコちゃんが言います。
「ううん、ユッコちゃんや愛ちゃんみたくスポーツで鍛えたしなやかなからだのほうが断然カッコイイよ」
私は、お布団の中で恥ずかしくなりながら、精一杯抗議します。
「なおちゃんだってバレエしてるし。なおちゃんにその気なくても男子がほっとかないって。曽根っちの次はなおちゃんかなー、カレシできるの」
愛ちゃんが悪気の無い声でニヤニヤ冷やかしてきます。
「わたしも高校生になったらカッコイイカレシ、作らなきゃなー」
あべちんの夢見るような声。
「でも、高校進んでも、カレシが出来ても、社会人になっても、一年に何回かはみんなで集まって遊ぼうよ、ね?」
ユッコちゃんがお話をまとめるみたいに提案します。
「うん」
「もちろん」
「うん」
「あたしたちの友情は、何があってもずーっと変わらないから」
と、愛ちゃん。
「そのときまでに、みんなに自慢できる、超イケメンなカレシ捕まえるぞーっ!」
曽根っちのお話に一番影響を受けちゃったのは、あべちんのようでした。
翌日は、朝早くからさまざまな名所旧跡を観光しました。
前の夜のお話なんて無かったみたいに、みんなあえて何も蒸し返さず、ワイワイキャーキャーと無邪気に楽しくはしゃぎまわって、非日常な旅行気分を満喫しました。
あっ、一回だけ話題になってたっけ。
曽根っちが真剣にアクセサリーのお土産を選んでいたとき。
「あー、熱い、熱い」
って冷やかしていたのはあべちんでした。
夕方にホテルに戻り、大広間でまたお夕食。
食べ終わった後の後片付け当番に、出席番号の抽選で私としーちゃんが当たってしまいました。
「ありゃー。お気の毒さまー」
曽根っちが同情してくれます。
食べ終わったたくさんのお膳を仲居さんの指示で調理場まで運んでいくお仕事です。
「30分くらいはかかると思うから、みんな先に温泉、入っちゃってていいよ」
お部屋に戻る愛ちゃんたちにそう告げて、しーちゃんと二人、担当の先生のところに駆けつけました。
「あらあら、嬢ちゃんたち、わざわざありがとなぁー」
お膳を持って調理場に行くと、恰幅のいい中年のおばさまがニコニコしながら受け取ってくれて、西のアクセントでそんな言葉をかけてくれました。
そのはんなりした物言いに、ほっこり温かい気持ちになりました。
*
*しーちゃんのこと 03へ
*
進路のお話もしました。
愛ちゃんとあべちんは、沿線近場にある公立高校、ユッコちゃんは、スポーツが盛んで水泳部が強い私立高校、曽根っちは、とある私立大学の付属高校に進学するつもりだそうです。
私は、なかなか決められずにいろいろ迷っていたのですが、夏休みの間によく考えて、沿線にある私立の女子高校に進むことに決めていました。
この高校は、この土地に古くからある歴史のある学校で、お勉強のレベルもけっこう上のほうな進学校。
私の学力だとギリギリのラインでしたが、他に良い候補がみつからないので、がんばって挑戦してみることにしました。
私がそれを告げると、
「あっ、ワタシもそこ、受ける予定」
しーちゃんが場に最後のカードを出して大富豪を維持しつつ、嬉しそうに言いました。
「でも、ワタシの頭じゃたぶん、受かんないだろうけどネー」
しーちゃんが私の顔を見て、はにかむように笑いました。
しーちゃんは、そこを含めて3つ、女子高ばかりを受験するそうです。
そんな感じでワイワイガヤガヤ楽しく時間が過ぎていきます。
「じゃあ、そろそろラスト三回勝負にしよっかー」
曽根っちが時計を見て場を仕切ります。
「最後の最後に大貧民だった人は、罰ゲームね。何にしよっかなー?」
「明日の自由行動のとき、みんなにアイスおごる」
「お風呂でみんなの背中を流す」
「くすぐりの刑とか」
みんな口々にいろんなことを好きに言い合っています。
「じゃあ、今現在大貧民のあべちんに決めてもらおう」
愛ちゃんの提案です。
「うーんとねえ・・・今まで誰にも教えていないヒミツを一つ、告白する、っていうのはどう?」
「いいね、いいねー」
「賛成!」
「わたし、なお姫のヒミツ、すっごく聞きたーいしぃ」
そういうことになりました。
って、私は何を告白したらいいのかな?・・・
一気にドキドキしてきてしまいました。
結局、私はなんとか平民を維持して、最後の最後に大貧民になってしまったのは曽根っちでした。
「こういうのって、たいてい言い出しっぺがなっちゃうんだよねー」
ユッコちゃんがニヤニヤしながら曽根っちの背中を軽くポンポンと叩きました。
トランプやお菓子を片付けて、並べて敷いたお布団の中央にみんなで顔を寄せてうつ伏せに寝そべりました。
「それではお待たせしました、ナカソネスミレさんの告白ターイムッ!」
言いながらあべちんが立ち上がり、お部屋の電気を薄暗くしました。
みんなの視線が曽根っちに集中する中、曽根っちは、しばらくためらってるみたいに目を伏せていましたが、やがて覚悟を決めて小さく口を開きました。
「アタシねえ、この夏休みの間に、カレシができちゃったんだ・・・」
「ええーーーーーーーっ!」
つぶやくような曽根っちの声をかき消して、私たちの驚愕の声が大きくお部屋に響きました。
「うそうそ、うそーっ!」
「え、どこでどこでどこでみつけたの?」
「誰?誰?誰?」
「うちの学校の人?何才?何才?」
私も含めてみんな一斉にワイワイと、曽根っちにいろんな質問を投げつけていました。
「あなたたちっ!明日も早いんだから早く寝なさいよっ?!」
突然、お部屋の扉がガラッと開いて、他のクラスの担任な女性の先生に厳しい声で注意されました。
各お部屋を見回っているのでしょう。
「は、はーい」
「ごめんなさーい」
「おやすみなさーい」
先生が扉をピシャリと閉めて出て行くと、みんなで耳をすませ、廊下から立ち去った頃合を見計らって、またボソボソとおしゃべりを始めました。
曽根っちのお話をまとめると、
そのカレシは、曽根っちのお姉さんの高校の頃のお友達の弟さんで、現在高校一年生、演劇部に入っているそうです。
お姉さんがまだこっちにいた頃にも二、三度顔を合わせたことがあって、その頃から曽根っちはその人のことをカッコイイな、と少し思ってて、この夏休みにお姉さんが帰ってきていたとき、お姉さんたちの同窓地元グループ数名でサッカーの試合を観に行くのについていったら、その人も来ていて、向こうからアプローチされて意気投合したんだそうです。
「顔はまあまあイケメン。でもそれよりもとっても優しい感じなとこが気に入っちゃった」
曽根っちがテレテレになって惚気ています。
私、つい最近にもこんなお話、たっぷり聞かされたっけなー・・・
シアワセそうな曽根っちのお顔を見て、私はデジャブを感じていました。
「それで、アタシたち、もうキスもすませちゃったんだ・・・」
薄暗がりでもわかるほど真っ赤に頬を染めた曽根っちのバクダン発言。
「おおぉーーーーっ!」
声を殺した低いどよめきがお部屋に響きます。
「胸もさわれちゃったし・・・」
「うわぁーーーーっ!」
「どんな感じだった?」
「気持ち良かった?」
「まさか、もっと先まで?」
あべちんも愛ちゃんもユッコちゃんも、興味シンシンで矢継ぎ早に質問を投げつけていました。
私たちのグループが、こんなに具体的に男の子との恋愛に関してお話ししているのは、そのときが初めてでした。
私は、曖昧な笑顔を浮かべてみんなのおしゃべりを聞きつつも、ビミョーな居心地の悪さを感じていました。
こういうお話は早く終わって欲しい、みたいな・・・
シアワセ一杯な曽根っちのお顔から視線をそらすと、隣にはしーちゃんのお顔がありました。
しーちゃんは、ときどき、うんうん、ていうように小さくうなずきながら、ニコニコ顔で曽根っちのお惚気を聞いていました。
だけど、そんなしーちゃんのお顔が、なぜだか私にはちょっぴり寂しそうに見えました。
「お風呂で見た曽根っちの裸、立派にオトナだったもんねー」
曽根っちの驚きの告白が終わって、みんなそれぞれ自分のお布団に潜り込んでから、暗闇の中であべちんがポツンと言いました。
「やっぱり曽根っちが一番最初にオトナになりそうだねー」
「直子の胸もキレイだったじゃん、ピンクの乳首がツンとしててオトナみたいな色っぽさだった」
ユッコちゃんが言います。
「ううん、ユッコちゃんや愛ちゃんみたくスポーツで鍛えたしなやかなからだのほうが断然カッコイイよ」
私は、お布団の中で恥ずかしくなりながら、精一杯抗議します。
「なおちゃんだってバレエしてるし。なおちゃんにその気なくても男子がほっとかないって。曽根っちの次はなおちゃんかなー、カレシできるの」
愛ちゃんが悪気の無い声でニヤニヤ冷やかしてきます。
「わたしも高校生になったらカッコイイカレシ、作らなきゃなー」
あべちんの夢見るような声。
「でも、高校進んでも、カレシが出来ても、社会人になっても、一年に何回かはみんなで集まって遊ぼうよ、ね?」
ユッコちゃんがお話をまとめるみたいに提案します。
「うん」
「もちろん」
「うん」
「あたしたちの友情は、何があってもずーっと変わらないから」
と、愛ちゃん。
「そのときまでに、みんなに自慢できる、超イケメンなカレシ捕まえるぞーっ!」
曽根っちのお話に一番影響を受けちゃったのは、あべちんのようでした。
翌日は、朝早くからさまざまな名所旧跡を観光しました。
前の夜のお話なんて無かったみたいに、みんなあえて何も蒸し返さず、ワイワイキャーキャーと無邪気に楽しくはしゃぎまわって、非日常な旅行気分を満喫しました。
あっ、一回だけ話題になってたっけ。
曽根っちが真剣にアクセサリーのお土産を選んでいたとき。
「あー、熱い、熱い」
って冷やかしていたのはあべちんでした。
夕方にホテルに戻り、大広間でまたお夕食。
食べ終わった後の後片付け当番に、出席番号の抽選で私としーちゃんが当たってしまいました。
「ありゃー。お気の毒さまー」
曽根っちが同情してくれます。
食べ終わったたくさんのお膳を仲居さんの指示で調理場まで運んでいくお仕事です。
「30分くらいはかかると思うから、みんな先に温泉、入っちゃってていいよ」
お部屋に戻る愛ちゃんたちにそう告げて、しーちゃんと二人、担当の先生のところに駆けつけました。
「あらあら、嬢ちゃんたち、わざわざありがとなぁー」
お膳を持って調理場に行くと、恰幅のいい中年のおばさまがニコニコしながら受け取ってくれて、西のアクセントでそんな言葉をかけてくれました。
そのはんなりした物言いに、ほっこり温かい気持ちになりました。
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