2011年5月22日

しーちゃんのこと 05

修学旅行の後、文化祭、体育祭とたてつづけにあり、文化祭では、私たちのクラスは演劇をやることになりました。
演目は、星の王子さま、で、曽根っちがキツネさんの役、あべちんが火山その2の役に選ばれました。
しーちゃんは背景美術、ユッコちゃんはタイムキーパー、私は衣装作りで、愛ちゃんが総監督。
みんな遅くまで学校に残って準備して、たくさん練習して。
文化祭最終日に体育館のステージで、たくさんのお客さんを前に曽根っちとあべちんが可憐な演技を見せてくれました。
体育祭では、愛ちゃんとユッコちゃんが徒競走やクラス対抗リレーで大活躍しました。

それも終わってしまうといよいよ、本格的な受験モードになってきました。
私も入試が終わるまで、バレエ教室をお休みすることにしました。
愛ちゃんグループでときどきやっているお泊り会も、お勉強会という名目に変わりました。
途中まではちゃんと真面目にお勉強していても結局、真夜中にはおしゃべり会になってしまうんですけどね。

グループのお勉強会とは別に、しーちゃん一人でもよく私の家にお勉強をしに来るようになりました。
「ほら、ワタシの部屋は勉強に適した環境じゃないんだよネー。遊ぶ物だらけだから、集中できなくって」
一週間に一、二回、放課後からとか、お夕食が終わった頃に訪ねてきました。
2、3時間集中してお勉強してからおしゃべり、っていうのがパターンでした。

数学や理科は私のほうが得意で、国語と社会はしーちゃん、英語は同じくらい。
お互いの不得意科目は相手に教えてもらって、すっごく楽しく有意義にお勉強できました。
お勉強の合間にしーちゃんの好きなアニメやゲームのことをお話したり、私がバレエのステップを教えたり。
私たちは、すっかり打ち解けていました。

母もしーちゃんのことがとても気に入ったみたいでした。
「しーちゃんて雰囲気がロココよねー。絶対、ゴスロリが似合うわよ。高校合格したらお祝いさせてね」
って、いつも言っていました。

しーちゃんは、私と二人だけのときは、よくしゃべるし表情も豊かで、みんなでいるときよりずっと明るいオーラを発していました。
私がそれについて聞くと、
「ワタシ、3人以上での会話って、苦手なんだよネー。ワタシがしゃべって相手が答えてくれる、相手が何か言ってワタシが答える、っていうくりかえしじゃないとちゃんと伝えられない、っていうか・・・。だから、みんなといるときは聞き役になってたほうが楽しい、みたいな・・・」
「同じこと、曽根っちにも言われてるヨ。曽根っちと二人のときも、ワタシけっこうしゃべってる」
「ふーん」
「なおちゃんも、そういうとこ、あるよネ?ワタシたち、似てるよネ?」
「うん。確かにそうかもしれない・・・」

曽根っちは、カレシとおつきあいを始めてから、私たちといる時間が少なくなりつつありました。
お泊り会も欠席しがち。
カレシにお勉強を教えてもらっているようです。
「しーちゃん、最近、曽根っちがあんまりかまってくれなくて、寂しくない?」
「うーん・・・正直言うとちょっと寂しいけど・・・でも、しょうがないヨ。曽根っちは、それがシアワセなんだもん。ワタシたちのつきあい長いし、曽根っちがシアワセになれるなら、ワタシ嬉しいし、それに・・・」
「それに、今はなおちゃんとこんなに仲良くなれたし、ネ?」
そう言って微笑むしーちゃんを、私はなりふりかまわずその場で抱きしめたくって、がまんするのが大変でした。

年末にかけて、たくさんの時間をしーちゃんと過ごしたことで、しーちゃんと私は、お互いの性格や好み、長所や短所など、たいがいのことは、わかりあえるようになっていました。
しーちゃんは、聡明で、素直で、恥ずかしがりやさんで、可愛らしくて、私はどんどん好きになりました。
ただ、えっちに関することについては、やっぱり言い出せないままでいました。
しーちゃんと親密になればなるほど、どんどん言いづらい感じになっていました。
穏やかな関係に余計な石を投げ入れて波をたてるのが、前以上に怖くなっていました。

その頃、私がお気に入りだった妄想オナニーのシチュエーションは、10月のある夜、確かしーちゃんがお泊りに来て楽しく過ごした次の日の夜、に、唐突に見た夢がヒントになっていました。

なぜだか、しーちゃんが悪い人にさらわれてしまいます。
私は、しーちゃんを助けるべく、悪い人のアジトに潜入します。
悪い人のアジトは、田舎によくある古くて大きいお屋敷みたいな日本家屋で、そのお庭のはずれの大きな土蔵の中にしーちゃんは閉じ込められていました。
なんでそんな建物なのか、と言うと、これは、その数日前にテレビで見た、田舎の旧家を舞台に、ちょっとえっちな場面もある推理サスペンスものの日本映画の影響だと思われます。
父の実家のお屋敷にも似てたかな?

しーちゃんは、薄暗い土蔵の中に下着姿、薄いブルーのスポーツブラとカワイイ青水玉のショーツ姿、で、お腹のところを縄で大きな柱にくくりつけられていました。
口には猿轡をされ、ガックリ首を落としてうなだれています。
「なんでこんなことをするのっ!?」
「それは、アナタをおびき寄せるためよ」
悪い人の声は、女性でした。
悪い人の顔は影に覆われて見えず、ワザと出しているような低い声だけが響きます。
「この子を助けたかったら、あたしの言う通りにすることね・・・」
悪い人の声に気がついたのか、しーちゃんがゆっくりと顔を上げて、私のほうを潤んだ瞳で見つめてきます。
「しーちゃんっ!」
「どうなの?あたしの言う通りにするの?」
「わ、わかりました。言う通りにします。その代わり早くしーちゃんの縄を解いてあげてください」
「聞きわけがよくて助かるわ」
悪い人は、柱の後ろ側にまわってお腹の縄をほどき、しーちゃんは膝から崩れてその場にペッタリ腰を落としました。
しーちゃんの両手は手錠で、両脚は足枷で、まだ繋がれたままです。
「この手錠と足枷は、アナタの今後の服従度次第ね。うふふ。それじゃあまず、服を全部脱ぎなさい・・・」

私は、なぜだか学校の制服を着て、そのアジトに乗り込んできていました。
震える手でブレザーのボタンをはずし、ブラウスのボタンをはずし、スカートのホックをはずし・・・
衣服を全部脱ぎ終えると、なぜだかその下にバレエの真っ白なレオタードを着ていました。
それもバストのカップと下のサポーター無しの、素肌にじかの状態で。

「あらー。やる気マンマンなのね?さあ、早くそれも脱ぎなさい」
何がやる気マンマンなのか、私にはわからないのですが、その言葉に私はカーッと恥ずかしくなって、みるみる乳首が勃ち、アソコが湿ってきてしまい、そのいやらしい証拠が薄い布地越しにクッキリと、バストの突起と股間のスジとなって浮き出てしまいます。
「ほら、早く言う通りにしないと、この子がもっとヒドイめにあうことになるわよ?」
私は、観念してレオタードの肩紐に手をかけて・・・

こんな感じで、この後私は、その悪い人にたっぷり苛められてしまいます。
四つん這いの恥ずかしい格好をさせられたり、洗濯バサミをたくさん挟まれたり、お尻をペンペン叩かれたり、裸のままお外に連れ出されたり・・・

そんな私の恥ずかしくてみじめな姿を、しーちゃんがじーっと見つめています。
お風呂場で私のからだを見つめてくれたときと同じ、食い入るような視線。
その肌に突き刺さるような視線が、ひどく気持ちいいんです。

その夢から目覚めたとき、私のショーツは、まるでオモラシしてしまったみたいにグッショリ濡れていました。
夢だけでこんなに濡れたりするのかな?
たぶん寝ている間に無意識に、いろいろからだをまさぐったのかな?
どちらにせよ、生まれて初めての経験でした。

このえっちな夢がすっかり気に入ってしまった私は、高校入学前後までムラムラ期が来るたびにいつも、責められかたの細部はいろいろ変えつつ、この夢を元にした妄想でオナニーしていました。
もちろん姿見の前で、声を殺して。

しーちゃんに直接手をふれたり、しーちゃんの手でふれられたり、ということは、いっさい考えませんでした。
しーちゃんを助けるために私が恥ずかしいことをしなければならない、っていう状況がひどく気に入っていたみたいです。

夢で見たとき、月の光が土蔵の高いところにある窓から一筋差し込んで、悪い人が相原さんだったとわかる、という場面があったので、妄想するときの悪い人役は、最初から相原さんになっていました。

この夢を細かく分析すれば、その頃の私のいろいろこんがらかってしまった深層心理、受験を控えたストレスとか、相原さんやしーちゃんに対する想いなどなど、がわかるような気もしたのですが、なんだか結論を出すのが怖い感じがするし、考え過ぎてますます迷路にハまってしまいそうな気もしたので、やめておきました。

冬休みに入って、年の瀬も押し迫ったある日、久しぶりにしーちゃんのお家に遊びに行くことになりました。
私たち二人、ずいぶん一生懸命お勉強してきたから、年末に一日くらい、楽しいものがたくさんあるしーちゃんのお部屋でマンガやゲームやアニメ三昧で過ごしてもバチは当たらないだろう、っていう、がんばった自分たちにご褒美お泊り会、でした。

お昼過ぎからしーちゃんのお部屋で、対戦テレビゲームやしーちゃんのおすすめアニメを見て楽しく過ごしました。
お夕食は、ご家族のほうのお部屋に招かれてご一緒しました。
しーちゃんのお父さまとお母さまも一緒で、お姉さんは、お出かけ中のため、いませんでした。
ご両親とも、今までみんなで遊びにきたときに何度もお顔を合わせていたのですが、こうして間近でご一緒してみると、しーちゃんのお父さまの温和そうなお顔は確かに、クイーンのベースの人に似ているかも、と思いました。
お母さまは、しーちゃんをそのままオトナの体つきにしたような可憐なかたで、相変わらずお綺麗でした。

すっごく美味しかったお夕食を終え、しーちゃんのお部屋に二人で戻りました。
「ふーっ。ちょっと食休みネ」
しーちゃんはそう言うと、ベッドに寝転んで、まだ読み終えていないらしい月刊少女マンガ誌を途中から読み始めました。
私は、みんなで来たときだとゆっくりと見れなかった、しーちゃんの膨大なコレクションがぎっしり詰まった本棚を、端からゆっくり眺め始めました。


しーちゃんのこと 06

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