2014年8月9日

ランデブー 6:42 06

「スカートは自分で、充分気をつけて脱ぎなさいね。床に落としちゃったり、汚い水が跳ねないように。上はあたしが・・・」
 
 背後から抱きつくように伸びたお姉さまの両手で、あっという間に私のジャケットのボタンがふたつともはずされ、そのままブラウスごと後ろに肩脱ぎにされて両腕からも抜かれ、あれよという間に上半身裸。
「ぃゃぁんっ!」
「こらこら。そんなエロい声出したらダメでしょ?公園の様子、見なかった?」
「こんな夜更けに真っ暗な中でベンチに寝転がっているような、ヘンなのが何人もいたのよ」
「そんないやらしい声を聞きつけたら、絶対寄ってきちゃうわよ?女子トイレだろうが入ってきちゃうかも。それでもいいの?」
 私は無言で激しく首を左右に振りました。

「へー。ニップルパッド、まだちゃんとしっかりくっついているわね。あの国製にしてはいい仕事だわ」
 露になった私の上半身をまじまじと見ながら、お姉さまが独り言みたいにつぶやきました。
「ほら、早くスカートも取って。オシッコしたいのでしょう?」
「あ、はい」
 スカートのウエスト部分を片手でしっかり掴み、もう片方の手でホックをはずしてジッパーを下げ、それから布地をパンプスの底やヒールに引っかけたりしないように、慎重に両脚を抜きました。

「こっちのもちゃんとまだ貼り付いているわね。布地はもう、ほとんどグッショグショなのに」
 私の股間を指さして、苦笑いのお姉さま。
 自分で見下ろすと、前貼り部分の逆三角形の三分の二以上が濡れて、ベージュ色が色濃く変色していました。
「まさか、すでにちょっと、お漏らしもしちゃっていたりして」
 からかうようなお姉さまのお声に再び私は、激しく首を左右に振りました。
 裸な上半身の乳房も、つられてプルプル震えます。

「ほら、こっちに来て背中を向けて」
 お姉さまに呼ばれて一歩近づき、足元に気をつけながらからだをそっと半回転しました。
 お姉さまは、私が持っていたスカートを取り上げてジャケットとブラウスと共に左腕に抱えてから、少し屈んで右手を伸ばし、私のお尻近くの背中に貼り付いているストラップレスパンティの糊しろ部分をペリッと剥がしました。
 そのままお姉さまが布を少し強く下へ引っ張ると、私の土手に貼り付いていた部分も意外に簡単に剥がれ、ベージュの布片が股のあいだから私の背後に消えていきました。
 明るい蛍光灯の下で、丸出しになった私のアソコ。

「さ、これならいいでしょう。服は持っていてあげるから、早くしゃがんでしちゃいなさい」
「はい・・・」
 ニーソックスとニップルパッドだけのほぼ全裸になった私は、恐る恐る汚れた便器を跨ぎ、恐る恐る腰を落としていきます。

「公園にいる人たちも、まさかこんなところで可愛い女の子が、わざわざ真っ裸になって用を足しているなんて、思ってもいないでしょうね」
 私のお尻側に立って、しゃがんだ背中を見下ろしているのであろうお姉さまのからかうようなお声が、頭上から降ってきます。
「こんなに不潔で汚れまくりの個室にうずくまっている直子の背中の白い肌が、とってもシュールでエロティックよ」
「している顔が見えないのは残念だけれどね」
 茶化しているのか本気なのか、お姉さまがお芝居っぽくささやくハスキーなお声が、すっごくいやらしく聞こえました。

 しゃがんでしばらくは、なかなか出ませんでした。
 場所、今の自分の姿、お姉さまがご覧になっていること、性的に興奮していること、そういうのがプレッシャーとなって、緊張のあまりオシッコもびっくりしちゃったのでしょう。
 早く出して、ここから立ち去りたい。
 目をつぶって意識をオシッコだけに集中させていると、やがて、引き篭もっていたオシッコがチョロッとお外に飛び出しました。
 
 それからが長かった。
 よく今までがまん出来たな、と思うくらい、出つづけました。
 お姉さまもお声をかけてこないので、しんと静まり返った個室の中に、ジョロジョロという私の排尿音だけが鳴り響きました。
 自分がたてている音が、そしてそれを聞かれているということが、すっごく恥ずかしい。

「ずいぶんがまんしていたのね」
 やっと水音が止まると、お久しぶりなお姉さまのお声が降ってきました。
「拭いてあげるから、そのまま中腰になって」
 えっ!?お姉さまが拭いてくださるの!?
 ドキンと跳ねる心臓の合図で、防御レベルを最大限に上げます。
 お姉さまと出会ったランジェリーショップの試着室でも、似たようなことをされたのを思い出していました。
 絶対にヘンな声を出さないように、口を真一文字に結びながら、恐る恐るしゃがんでいたお尻を浮かせ始めました。

「ぁぅっんっ!」
 中腰くらいまでになったとき、お尻のほうからひんやりとしたものが両腿のあいだに侵入してきて、内股にピタッとあてがわれました。
 ウエットティッシュでしょう。
 私のアソコを背後から手のひらでやんわり掴むようにティッシュで覆ってから、そのまま二度三度、中の粘膜に押し付けるように前後に擦られました。
「んんんっ!」
 私は両手のひらで自分の口を塞ぎ、必死に悦びを堪えました。
 
 ウエットティッシュを何回か変えて入念に。
 お尻側から差し込まれたウエットティッシュは、前のほうで飛び出している肉の芽をも、おかまいなしに擦ってきます。
 ウエットティッシュを操るお姉さまの右手中指が、そこの担当のようです。
「ぅぅぅ・・」
 必死に快感に抵抗しながら、いつまでもつづけて欲しい、という思いと、でもきっとまた寸止めで終わるのだろうな、という残念な安心感がありました。

「このくらいでいいでしょう。さあ、服を着て、とっととここから出ましょう」
 お姉さまの手が私の股間から離れ、急速に昂ぶりが遠去かり、モヤモヤの中で私も渋々立ち上がりました。
 お姉さまは、私のお洋服類をトートバッグの持ち手のあいだに挟んで左肩に提げ、空いた両手で使用済みらしいウエットティッシュをたたんでいました。
「はい。これで手も拭いて」
 新しいウエットティッシュを手渡してくださいました。
 レバーを踏んでも、予想通りお水は流れませんでした。

「手を拭いたら、これ。スカートね。前貼りはもういわよね。グショグショだったし、あとちょっと歩けばもう着いちゃうから」
 否を言わせない決定事項伝達的な口調と共に、スカートが私の目の前に突き出されました。
 確かにあの変色したストラップレスパンティを、またあらためて貼り直すのも、間が抜けた感じです。
 素直にうなずいた私は、手を拭き終えたウエットティッシュと交換にスカートを受け取り、再び慎重にパンプスの両脚をくぐらせて、裸の腰にまといました。

「それからこれ、上着ね。ブラウスももういいでしょう。着てても着てなくても同じみたいだから」
 えーっ!?
「そ、それはちょっと、違うような・・・」
 ジャケットを受け取りながら不服な顔をお姉さまに向ける私を、お姉さまの笑顔が迎え撃ちます。

「ここに来るまでだって、もう完全にはだけていたわよ、直子の胸元。ブラウスが見えていたの、襟元だけだったもの」
「あたしはそんな姿を見て、いいな、色っぽいな、って思っていたの。直子にとても似合っていたから」
「そ、そうおっしゃられると嬉しいですけれど・・・」
「大丈夫よ。もうあと2、3分歩けばうちだし、こんな時間だから人通りも少ないし、暗いからよく見えないでしょう」

「何よりも、あたしと一緒にいるのだから、直子はもっともっと冒険しちゃっていいのよ。何かあったらあたしが守ってあげるから」
 思いがけないお姉さまのおやさしいお言葉に、一瞬意味が掴めず、ワンテンポ遅れてすっごく嬉しくなりました。

「お姉さま・・・」
「ね?だから早くジャケット着て」
 見れば、お姉さまのトートバッグの持ち手のあいだには、もう何も挟まっていませんでした。
 おそらく脱がせた後、ブラウスだけさっさとバッグの中にしまっちゃったのでしょう。
 ここを出るときは、上着だけしか着せないことを、とっくに決めていたようです。
「わかりました」
 お姉さまがおっしゃった、守ってあげる、というお言葉に背中を押されて、私は大胆に冒険してみることにしました。

 素肌に直に、ジャケットを羽織ります。
 Vラインが大きく開いたブレザータイプのベージュのジャケット。
 裸コートならぬ、裸ブレザー。
 裸コートなら、一見普通の格好と変わりありませんが、裸ブレザーは一目見てバレバレです。
 普通に考えて胸元の肌の露出量が多過ぎるし、ノーブラなことも一目瞭然。
 ニップルパッドを着けていることが不幸中の幸いとは言えるでしょう。
 わかりました、とお答えしてしまった手前、今更わがままは言えず、両腕を通し、ボタンを留めようとしたとき、お姉さまからお声がかかりました。

「ちょっと待って。せっかくだから、こっちももっと色っぽくしちゃいましょう」
 お姉さまの両手が私のウエストに伸び、スカートのウエスト部分の布地を折り返し始めました。
「お店に来たとき、直子、こうしていたものね」
 お姉さまの手で私の膝上丈の紺色ボックスプリーツスカートは、膝上20センチ以上にまで短くなっていました。
「いい感じよ。ニーソックスの黒とスカートの紺に挟まれた白い太腿とのコントラストが、とても色っぽいわ。もう少し上げちゃいましょう」
 一歩下がって私の全身をまじまじと見つめる、お姉さまの笑顔。
 また一折短くなりました。

 普段でもこんなに短いスカートでは外出しません。
 穿くとしたらアンダースコートや見せパンを着けた上での、テニスのときとかコスプレのときくらい。
 その上、スカートの下は完全にノーパンなのですから、不安感がぞぞぞぞっと背筋を駆け上がりました。
 強い風が吹いたら、つまずいて転んだら、誰かに悪戯でめくられたら・・・
 心細いったらありません。
 今となっては、あのペラペラで頼りないストラップレスパンティでさえも頼もしく感じます。

「大丈夫よ。普通に歩いていれば見えやしないわ。屈むとお尻が少しヤバイかもだけれど」
 またしても私の心を読むエスパーお姉さま。
「もし万が一、めくれちゃったとしても、直子はヘアが無いから、ただ真っ白でなんだかわからないわよ。夜だし」
 能天気なお姉さまのお言葉に、少しだけ勇気づけられて覚悟を決めました。
 お姉さまが居ればこその大冒険です。

「あのぅ、ジャケットのボタン、もう留めてもいいでしょうか?」
「うん。いいわよ。留めて、さっさとここを出ましょう」

 ボタンをふたつ留め終えてお姉さまを見ると、ちょこっと思案顔。
「これ、どうしようかしら?」
 右手に使用済みウエットティッシュの束。
「サニタリーボックス、あるにはあるけれど、汚すぎて触りたくないし、便器に捨てても詰まっちゃうだろうし。あ、そう言えば水も流れなかったわね」
「持って帰るべきなのでしょうね。直子のえっちなおシルとオシッコにまみれてベットベトなこの使用済みティッシュ」
「あ、それなら私が何かに包んで自分のバッグに・・・」
「ううん。やっぱりここに置いていくことにする。こんなに汚いトイレをほったらかしにして使わせた管理者への罰として、抗議としてね」
 お姉さまが右手の束をサニタリーボックスの蓋の上にそっと置きました。

「でも罰じゃなくてご褒美になっちゃうかもね。外に居る人たちの誰か、あたしたちが出た後、きっとここを覗きに来ると思うから」
「ちょっと嗅いだらすぐわかっちゃうはずよ?これはオシッコだけの臭いじゃないって」
 お姉さまったら、すっごく愉しそう。
「直子どうする?あなたのえっちな愛液の臭い、嗅がれちゃうのよ?得体の知れないヘンタイな人に・・・」
 怪談でも語っているかのような、お姉さまのお芝居がかった口調。

 瞬時に、誰か気味の悪い人がこの個室にしゃがみ込んで、真っ暗な中で私の使用済みウエットティッシュをクンクン嗅いでいる図が頭に浮かびました。
 そう言えばオシッコだって、流していないんだった。
 オシッコも見られちゃう。
「もう!お姉さまったらぁ」
 その想像になぜだかキュンキュン感じちゃいながらも、わざとおどけて抗議する私。
「うふふ。まあ捨てたゴミを誰がどうしようが、あたしたちの知ったことじゃないけれどね。さあ行きましょう」
 バタン!
 お姉さまが個室のドアを開けました。

 おトイレの建物から出る間際に、洗面台上の割れて汚れて曇った鏡の中に、お姉さまに右手を引かれた自分の姿が映りました。
 ジャケットのVラインから大胆に覗く素肌。
 横向きだとカーブした襟の隙間から、横乳が丸見え。
 正面が映ると、左右のおっぱいの谷間のふくらみと丸みが完全に見えていました。
 いやんっ!
 自分で自分の胸元を見るのより、鏡に映った姿のほうが想像以上に大胆かつ露骨な感じです。
 正面姿が映った直後、反射的に鏡から目を逸らしていました。
 目を逸らしたって、今の自分の格好がマシになるわけでは無いのに。

 鏡から目を逸らすと視線がお外に向きました。
 明るいおトイレから暗い公園内がぼんやり見えました。

「キャッ!」
 私が小さく悲鳴を上げると同時に、パチンとおトイレの電気が消され真っ暗な中、グイッと右手を引かれました。
「こっちよ!」
 お姉さまのお声、と思った途端、私は更に強い力で暗闇のほうへ強引に引っ張り込まれました。
 前屈みのへっぴり腰になって、薄闇のほうへ大きくお尻を突き出した格好。
 急に激しくからだを動かしたために、短いスカートが大きく翻りました。
 いやんっ!スカートの中が見えちゃう・・・


ランデブー 6:42 07

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