「同じ鍵で外せる南京錠や足枷と棒枷も、シリーズであるのよ」
テーブルの上に置かれた凶々しい拘束具を、みなさまにお勧めになる里美さま。
それらを手に取り、興味深そうにためつすがめつされるお三かた。
里美さまは、両手が不自由となった私に何かイタズラを仕掛けてくるでもなく、やがてジーっと機械音が鳴り、ボックスのロックが解除されたようでした。
里美さまが蓋を開き、手錠の鍵を取り出します。
「はい、これ」
手錠のままの右手に鍵を渡された私は、左手首に嵌められた手錠の鍵穴を探し、自分で手錠を外しました。
何かされちゃうかな、とドキドキしていた分、ちょっと拍子抜け。
「いいですね、これ」
倉島さまが蓋の開いたボックスに手を伸ばしながらおっしゃいました。
「これ買って、ヨーコんちに置いておこうよ。いろいろ使えそうじゃない?」
「うん。試験期間中にマンガやゲーム封印するのにも重宝しそう」
「バイブや電マ入れてオナ禁とかね」
ワイワイ盛り上がるお三かた。
「これ、輸入品でパテントものだから、定価はけっこうお高いのだけれど、サンプル品のこれでよかったら、値引き出来ますよ?今みたいにお客様にデモンストレーションを数回披露しただけのお品だから、ほぼ新品同様よ」
ご商売上手な里美さま。
「うわー。ありがとうございます。ぜひお願いします。これはサークルの備品としてサークル費で落としちゃおうよ」
倉島さまのお言葉の後半は、他のおふたかたへのご提案でした。
「他に何か、気になるものはあります?」
里美さまがみなさまにお尋ねしました。
「あ、さっきの、輸入品、っていうワードで思い出したのですけれど・・・」
倉島さまがノリノリな感じで手を挙げられました。
「ネットで見れる外国のボンデージものの動画とかでよく、何て言うのかな、機械仕掛けのえっち道具があるじゃないですか?棒の先端にバイブが付いていてピストン運動をくりかえす機械、みたいな・・・」
「ファッキングマシーン?」
メグさまがポツリと語尾を上げた疑問形。
「そう!それ。ファッキングマシーン。でも、挿入するみたいな直接的なのじゃなくて、あたしが気になるのはスパンキングの機械なんです」
倉島さまが若干照れたようなお顔でおっしゃいました。
「セルフボンデージして、自らお尻を突き出して機械仕掛けの鞭にお仕置きを受ける、っていう絵面にすごくウズウズしちゃうんです」
「スパンキングってひとりじゃ出来ないじゃないですか?出来ないこともないけれど、自分ですると打たれるタイミングわかっちゃうからいまいちつまらないし。だからああいう機械、欲しいなって」
「扇風機の羽根を外して自分で作ってみようかな、と思っちゃうくらい欲しいんです。でも扇風機だと一定速度の乱れ打ちしか出来なそうだし。改造しようにもあたし、機械関係、疎いし」
「打つ強さを調節出来たり、打つタイミングをランダムに設定出来たらいいですよねー」
うっとりしたお顔の倉島さまの視線が、なぜだか同意を求めるように私を視ています。
私も、そんな機械があったら、絶対欲しいな、とは思いますけれど・・・
「なんだ、そんなにお尻叩いて欲しいなら、言ってくれればいつでもやってあげるのに」
ヨーコさまがニヤニヤしながら、倉島さまの肩を軽く小突きました。
「そういうんじゃないの。何て言うかな、えっちな妄想を巡らせて、その世界観の中で囚われの身となって拘束されて、延々とお仕置きされるのが気持ちいいと思うのよ。お赦しくださいー、って哀訴懇願しながら。それこそがセルフボンデージの醍醐味じゃない?」
熱く語る倉島さま。
「生憎うちのラインアップは、まだそこまで充実していないの。ごめんなさいね」
申し訳なさそうにおっしゃった里美さまのお顔が、すぐにほころびました。
「でも安心して。うちのショップはその辺もちゃんと視野に入っていて、今開発中だから。海外では市販しているメーカーもあるけれど、輸入ものはやっぱり値が張っちゃうのよね」
「仕組みは単純なものだし国内で作ったほうが、より使い勝手の良いものが安価で出来そうだから、今、ある精密機器メーカーと共同開発中なの。さっきおっしゃったファッキングマシーンみたいなのも含めて、その手のマシーン類全般をね」
「完成したらネットに載せるよりも早く、真っ先にお知らせするから、またここに遊びにいらっしゃい」
「はーい!」
元気良く響いた、お三かたのお返事。
私もそれは、とても愉しみ。
ただ、このショップで売るのであれば、きっと試作段階から私が呼び出され、実験台にされることになるのでしょうけれど。
「それじゃあそろそろ、自縛の講義に移りましょうか。マゾ子ちゃん?よろしくね」
唐突なバトンタッチに心臓がドキン。
とうとう、このかたたちの前で全裸になるんだ・・・
鼓動が口から飛び出しそう・・・
でも、ずっとみなさまのお話をお聞きしていて、お三かたに性癖的な親近感も湧いていたので、同じくらいのワクワクゾクゾクを感じているのも事実でした。
「自縛の前に、まずお買い上げいただいた麻縄のメンテナンス方法から教えてあげて」
里美さまのお言葉で、倉島さま以外のおふたりもそれぞれ、ご自分のバッグからノートとペンを取り出されました。
「へー。現役の学生さんはさすがに真面目ね。ノート取るほど真剣に聞いてもらえるなら、マゾ子ちゃんも講義のやり甲斐があるわよね」
からかうみたいに私を見る里美さま。
私は緊張しつつ、ご説明のために昨夜まとめておいた自分のノートをバッグから取り出しました。
それと、愛用のロープを入れた大きな巾着袋。
これは、中学校のとき母が作ってくれた麻布の体操服袋でした。
「そう言えばみなさんて今、何年生なの?」
里美さまのお言葉に、すぐヨーコさまが応えました。
「アタシとメグは2年で、レイちゃんが3年。耽美研的には、もうひとりづつ2年生と3年生がいます」
「へー。みんなマゾ子ちゃんとそう歳が変わらないのね。むしろ歳下かも」
「えーーーっ!?」
久しぶりのお三かたのユニゾン疑問形。
私がもしも四大に行っていたら今3年生ですから、倉島さまとは同級生、他のおふたかたは一年歳下です。
そっか、同級生や下級生の前で私はこれから、自分のヘンタイ性癖をひけらかすために、ひとりだけ全裸になるんだ。
学生時代に果たせなかった妄想が現実になるような気分になり、その頃にひとり遊びしながら想像していた恥辱と被虐の感覚がまざまざと脳裏によみがえりました。
「どうしよっか?このまま始めてもいけれど、自縛の実演もするのだから、このままだとこのテーブルが邪魔になって、マゾ子ちゃんの下半身が見えにくいわよね?」
里美さまがお三かたに問いかけました。
「うーん。そうかな・・・そうかも、ですね・・・」
想定外のご質問だったらしく、戸惑ったようなご反応の倉島さま。
「あちらへ移動しましょう。せっかくいらしたのだから、かぶりつきで観ていただいたほうがいいもの。机が無い分、ノートが取りづらいかもしれないけれど」
里美さまが指さされたのは、長方形のテーブルの短いほうの辺の先、マネキンの林とは反対側の壁際でした。
そこだけショーケースの並びが途絶え、ヘンな形をした大きめの椅子以外何も置かれていない、ちょっとしたスペースになっていました。
「さあみなさん、ご自分の椅子とノートだけ持って集合!」
里美さまが立ち上がりました。
「マゾ子ちゃんは、あそこの壁際、椅子の脇辺りで、悪いけれど立ったまま講義してね。荷物はあの椅子の上に乗せておけばいいわ」
里美さまが指さされたヘンな形の椅子には、なんとなく見覚えがありました。
ずっと以前、やよい先生とミイコさまに連れられてローソクプレイをするために訪れたSM専用ラブホテル。
そこにあった、えっちな仕掛けがたくさんある椅子によく似ている気がしました。
そんなことを考えてゾクゾクしているうちに、みなさまが私の前に集まってきました。
テーブルを背に私を扇型に囲むように腰掛けたみなさまと私の距離は、ほんの2メートルに満たないくらい。
こんな至近距離で・・・
おまけに私の右側は真ん中分けカーテンで可愛らしく飾られた素通しの窓。
もう夕方5時近いのに、梅雨明けし夏に向かってどんどん伸びる明るい西日が射し込む中、路地を隔てた向かい側のビルの壁と窓が見えていました。
「さあ、これでいいわね。それではマゾ子先生、お願いしまーす」
里美さまの茶化すようなお声に促され、ペコリとお辞儀をひとつ。
「えっと、麻縄っていうのは、普通の荷物を縛る用とか園芸用のを買うと、工業用のタールとかお肌に良くない成分を使って固めている場合があるので、一度煮詰めて洗い流し、再度なめす必要があります・・・」
自宅でまとめてきた要件のメモをチラ見しながら、我ながらぎこちなくお話を始めました。
私から見て、右から順番にメグさま、ヨーコさま、倉島さま、里美さま。
至近距離から真剣な瞳たちがジーーっと私を見つめています。
「でも、今日お買い上げいただいたロープは、ちゃんと人間を縛る用に作ってありますから、この工程はいりません。すぐ使うことが出来ます・・・」
私が、人間を縛る用、と言ったとき、みなさまクスクスと笑われました。
それを聞いて私も幾分リラックス。
「麻縄は植物由来ですから、湿気でカビが生えたり腐ったりもしちゃいます。なので、もしも濡らしちゃった場合は、水分をよく拭き取ってから充分に陰干しします。直射日光で乾かすと縄が硬くなってしまうので、縛り心地が悪くなります・・・」
「縄が乾燥したら油を縄全体に塗りこんでなめします。ベトベトにするのではなくて、極少量を手に取って縄を滑らせて揉み込む程度で大丈夫です。これで縄がより柔らかくなります・・・」
「塗る油は、馬油とかオリーブオイルとか、人それぞれ違っているようですが、私は、動物性よりも植物性のほうがいいかな、と思ってホホバオイルを使っています。これならお化粧品でもありますし、お肌に悪いということは無さそうですから・・・」
「保管するときは、緩めにまとめて、通気性のいい布袋に入れておくのがいいです。ギュッと縛っておくと、その形のまま折れグセがついちゃいますし、ビニールの袋だと蒸れて湿気てカビることがあるらしいので・・・」
私の説明を真剣にノートに書き取るお三かた。
私とノートを交互に見つめ、ときどき視線がチラチラ股間に集まるのは、私のスカートが短か過ぎるためでしょう。
お話の合間に姿勢を変える動きだけで、明るいグレイの裾からあっさり黒い下着が覗いちゃっているはずです。
その視線が恥ずかしいのに気持ち良くて、クロッチ部分がべったり粘膜に貼り付いているのが自分でわかりました。
その後、縄の表面が毛羽立ったときの処理の仕方や、短く切ったときの両端の処理の仕方、などをご説明して、まとめにかかりました。
「縛り終わった後は、縛られた人の汗やいろんな体液が縄に滲みついていますから、今ご説明したようなお手入れの工程を施してあげてくださいね」
言いながら、自分の巾着袋から愛用の麻縄二束を取り出しました。
いよいよです。
いよいよ私は、みなさまの前で自縛ショーを行わなければならないのです。
自分の麻縄を手に取った瞬間に、自分の中のマゾ性がジンワリと増殖し、頭の中の理性が隅っこに追いやられるイメージが見えました。
「ちょっと見せて」
里美さまが右手を伸ばし、私の手の内から一束の麻縄を攫っていきました。
「うわー。ずいぶん年季が入っているのね。柔らかくってテラテラして。縛り心地良さそう」
横並びのみなさまに私のロープを回して触らせる里美さま。
「やっぱり新品とは、かなり色合いが違うんですね。縄が生きているみたいに艶めかしい感じ。手触りもしなやか」
倉島さまのご感想。
里美さまが後を引き取ってつづけました。
「そうね。このテラテラどす黒い艶光りは、今までマゾ子ちゃんが自分でとか、お姉さまとかに緊縛された、その苦痛と快楽の証拠が蓄積されているんだよね。ほら、ここなんか赤い蠟が点々と滲みついてる」
ワザととしか思えないあからさまに恥辱的なご指摘に、私のマゾ感度がグングン上昇しちゃいます。
今日持ってきたロープは、やよい先生から高二の頃プレゼントしていただいて以来ずっと愛用してきたものでした。
このロープでやよい先生に縛られ、シーナさまにいたぶられ、お姉さまに辱められ、もちろんそのあいだ数えきれないくらい自縛しました。
私の汗とよだれと淫らな愛液がたっぷり滲み込んだロープ。
そんなロープを同い年くらいのかたがたに、じっくりと見られている恥ずかしさと言ったら・・・
「さあ、それではマゾ子ちゃんご愛用の麻縄での熟練のロープ捌きを、じっくり見せていただきましょうか」
ロープを返してくださった里美さまがからかうようにおっしゃり、ご自分の膝の上のハンディなビデオカメラを手に取られました。
椅子に乗せたお尻を浮かし、一斉にグイッと身を乗り出してくるお三かた。
「あのう、ちょっとその前に、あそこの窓のカーテン、閉めませんか?」
ずっと気になっていたことを、おずおずと懇願する私。
「えっ?ああ、あの窓?大丈夫よ。向かいのビルの窓、開いたことないもの。ここは2階だし。せっかく日当たりいいのにカーテン閉めたら暗くなって、お待ちかねの実演が見にくくなっちゃうじゃない?」
にべもなく却下される里美さま。
期待していなかった分、失望もありませんでした。
私は言いなりの身。
カーテンを閉じて欲しいなんて要求すること自体が分不相応なのです。
窓から誰に視られてしまおうが、不服を言える立場ではないのです。
被虐が極まって覚悟が決まりました。
「それではこれから、ご要望いただいた、菱縄縛り、の自縛の方法をご説明します」
正面を向いてみなさまに告げました。
それから、ロープを椅子の上に一旦置いて一呼吸ついて、つづけました。
「縄の走り具合がみなさまによくわかるように、失礼してここでお洋服を脱がさせていただきますね」
考えていた科白がスラスラっと口をつきました。
自分を追い詰め、逃げ道を塞ぐために自から口に出した自虐的な科白に、自分でキュンキュン感じてしまっています。
私が人前で裸になるときは、ルールがありました。。
イベント明けの次の日、多汗症のドSで男嫌いな裏生徒会副会長、のコスプレをされたミサさまが、キャラと同じ口調なのであろう、ドS全開でおっしゃったお言葉。
「視られて一番恥ずかしい部分を最初にさらけ出すのがマゾ女の作法ってものだろう?」
「今後貴様はいついかなるときでも、裸になれと言われたら真っ先に下半身から脱いで、貴様が言うところの、剥き出しマゾマンコ、をまっ先に世間様に露出するのだ」
「これは絶対服従の命令だ。わかったな?」
そう、私が誰かに裸をお見せするためにお洋服を脱ぐときは、必ず下半身から露出しなければならないのでした。
あの日以来私は、お家でひとり、お風呂に入るときでさえ、このルールを守っていました。
理不尽なご命令を守り従うことが、マゾ的にとても気持ち良いのです。
今は、お姉さまの会社から派遣されたマゾペットとしてのお勤め中ですから、当然、このご命令を守らなければいけません。
みなさまに深々とお辞儀を一回してから、おもむろに両手をウエストへ持っていきました。
里美さまも含めて、おやっ?というお顔になるみなさま。
ミニスカートのホックを外し、ジッパーをジジジっと下げます。
ストンと足元に落ちたグレイの布片。
黒の小さなショーツが丸出しとなりました。
つづいて上半身を屈め、両手をショーツの両サイドにかけます。
チラッと上目遣いにみなさまを窺うと、揃って、えっ!?っていう驚いたお顔。
被虐度フルの陶酔感と共に、一気にショーツをずり下ろしました。
「えーっ!?下着も?」
「なんで下から先に?」
「あっ、毛が無い」
「キレイなパイパン・・・」
「濡れてる・・・」
「もう濡れてる・・・」
「信じられない・・・」
至近距離から聞こえてくるヒソヒソ声に辱められ、粘膜がキュンキュン疼くのがわかりました。
マゾマンコからか細い糸を引いてしとどに汚れたクロッチを見せるショーツが、両足首のあいだで、一文字に伸びきっています。
ゆっくりと両足首からショーツを抜き、濡れたクロッチ部分を表側にして折りたたみ、椅子の上に置きました。
もう一度ゆっくり屈んでミニスカートを拾い上げてから、休め、の姿勢でまっすぐみなさまのほうを向きました。
視線の束が私の恥丘に集中しています。
里美さまのビデオカメラもそこに向いています。
みなさまに向いたまま、今度はベストの袖から両腕を抜きます。
首からベストを抜いた後、今度は右手をブラウスの胸元へ。
上から順番にひとつづつ、ボタンを外していきます。
きついブラウスの圧迫が緩み、押し潰されていたおっぱいがプルンと息を吹き返します。
私、今、同い年くらいの女子大生のかたたちの前で、ストリップをしているんだ・・・
全裸になったら、自分を縛り付けて淫らに身悶える様を、こんな至近距離から彼女たちに視られてしまうんだ・・・
内腿を雫が滑り落ちる感触がありました。
ブラウスを取ると、残ったのは黒いハーフカップブラジャーだけ。
カップの内側で乳首が痛いほど背伸びしているのがわかりました。
食い入るような視線のシャワーを浴びながら、背中のホックを外しました。
「乳首、すごく勃ってる・・・」
「やっぱりおっぱい大きい・・・」
「ちょっと垂れ気味・・・」
「全部脱いじゃうんだ・・・」
「水着とかレオタじゃなくて裸で縛るんだ・・・」
「まさか全裸になるなんて、思ってもいなかった・・・」
驚嘆なのか愚弄なのか、ご遠慮の無いヒソヒソ声を浴びながら全裸で立ち尽くす私。
右横の窓からかなり傾いた陽射しが、ちょうど私のおっぱいから太腿までを明るく照らしています。
私、今日初めて訪れた他人様のお店で、今日初めて知り合った人たちの前で全裸になっている・・・
正確に言うと、白い三つ折りソックスとスリッパだけは履いていましたが、ここにいる五人の女性の中、ひとりだけ裸の私。
「どう?マゾ子ちゃんのからだ、えっちでしょう?」
呆然とされている風のお三かたをからかうみたいに、里美さまがお声をかけました。
「あ、はい。あんな見事なパイパン、見たことないっす。ひょっとして生まれつき?」
ヨーコさまが上ずったお声でおっしゃいました。
「ううん。マゾ子ちゃんはマゾだから、オマンコを隠すものは必要ないの。スジもヒダヒダも中のピンク色まで全部、隅々までみんなに視てもらいたくて永久脱毛したそうよ」
「うへー。本当にドエムの露出狂さんなんですねえ。そんなのAVかエロマンガの中だけかと思ったら現実ににいるんだー!」
ヨーコさまのお声に、好奇からくる嗜虐が混ざってきている感じがしました。
「こんな普通に日常的な公共の場で生身の裸を見せられちゃうと、見ているこっちのほうがなんだか照れちゃいますね」
倉島さまがお言葉とは裏腹に、私のバスト付近をじっと凝視しながらおっしゃいました。
「マゾ子ちゃんはね、恥ずかしいのが快感なのよ。今日だって、下着姿とかレオタード着て縛ってもいいのよ、って言ったのに、自発的に全裸になっちゃったのだもの」
「見て分かる通り濡れてるわよね?乳首もビンビン。マゾ子ちゃんは、自分を辱めたいタイプのマゾなのよ」
「こんなところで裸になっていること、あなたたちに視られていること、これから自分で自分を縛ること、の全部に感じちゃって、発情しているのでしょうね」
里美さまが、舌舐めずりまで聞こえてきそうなほどのワクワクなお声で、私を見つめつつおっしゃいました。
「ほら、あのエロく火照ったマゾ顔を見てごらんなさいな。あんな蕩けるような顔していたら、誰だって思わず、もっと虐めてあげたくなっちゃうでしょう?」
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