綾音部長さまからお呼び出しがかかり、メインルームの綾音さまのデスクの前で対面していました。
その日もお昼休み後にリンコさまからメールでご命令をいただき、すでにとても恥ずかしい格好にさせられていました。
ちょうどその日はインターネットで盛り上がっているナショナルノーブラデーというノーブラ推奨の日だったらしく、ノーブラなことが一目でわかるお洋服ということで選んだそうです。
私が着ることを命ぜられたのは、おっぱいのところだけまあるくふたつ、ポッカリとくり抜かれたピチピチのタンクトップ。
ふたつの穴からおっぱい部分だけを放り出すように全部露出させているのですが、タンクトップが濃い紺色なので白い素肌とのコントラストが余計に際立ち、嫌がらせのように飛び出たおっぱいばかりが目立つ姿でした。
歩くたびにおっぱいが無造作にプルンプルン暴れるのが、自分の視点で嫌というほど見えていました。
おへそまでに満たないタンクトップの下は、当然スッポンポン。
タンクトップと同じ色のニーハイソックスを穿いているので、おっぱい部分と同じように、剥き出しな下半身の白さも卑猥に目立っていることでしょう。
全裸よりも恥ずかしい、そんな破廉恥極まりない姿を更に強調するアクセサリーも用意されていました。
ネットショップの宣伝用にレビューを書かなくてはいけない、ボディジュエリーの新作商品たち。
紺色のチョーカーからゴールドチェーンで左右の乳首まで繋がれたニップルクリップ。
乳首を絞るリングの下にはキラキラ光る金色の小さな鈴がぶら下がっています。
下半身には、裂け目を囲む左右のラビアに挟んで装着するラビアチェーン。
股間に垂れ下がったチェーンの先端にも、乳首のと同じ鈴がぶら下がり、動くたびに3つの鈴が軽やかにチリンチリンと小さく音をたてていました。
本来なら秘めておくべき私の敏感な三箇所の恥部、尖った乳首と潤んだ秘唇を、一際目立たせるようにキラキラ金色に輝くチェーンと3つの鈴。
そんなニンフォマニアックな私の姿をジロリと一瞥した綾音さまは、とくにご感想をおっしゃることもなくフッと艶っぽく微笑まれてから、おもむろにご用件を切り出されました。
「うちのネットショップがショールーム制度を始めたのは、以前ミーティングで伝えたわよね?」
「はい」
ネットショップ部門がこちらのオフィス近くにお引っ越ししてきてスペースが広くなったのを期に、実際にアイテム実物を見てみたいというお客様向けに予約制でショールームを開いた、というお話でした。
予約出来るのは、ネットショップでのご購入履歴が一万円以上ある女性のお客様のみ。
毎週木曜日と金曜日の午後2時以降であれば、メールかお電話で日時をご予約いただき、ご来店いただいてごゆっくりとアダルティなラブトイズをお選びいただけるという、女性限定のサービスです。
「おかげさまで、コンスタントにご予約もいただいて、順調に売上も伸びているのだけれど」
綾音さまがパソコンのキーを叩きながらおっしゃいました。
「あるお客様からご来店に際してのちょっとしたリクエストをいただいて、愛川さんからわたくしに相談があったの」
愛川さんというのは、ネットショップの責任者でイベントのときもお手伝いしてくださった里美さまのことです。
「なんでもそのお客様は、セルフボンデージにご興味がおありで、ショールームに行ったときにロープの扱い方や自縛、自分で自分を縛ることね、について詳しく教えて欲しい、っておっしゃっているのだって」
綾音さまの視線が、私のタンクトップから飛び出している剥き出しのバストに注がれます。
「そのかたは、購入履歴も多い優良なお客様だから無下にお断りするのもなー、って思ったときに、あなたの顔が浮かんだのですって、愛川さんの頭の中に」
「それでわたくしに相談した、というわけ。チーフに聞いてみたらあなた、チーフに教えられるくらいロープ捌きが上手って言うじゃない。よくひとりで自分を縛って遊んでる、って」
「高校生の頃に、百合草女史に仕込まれたのですってね。エリートじゃない?」
おっしゃってから私の目を、じーっと5秒間くらい見つめてきました。
綾音さまのお口からやよい先生のお名前が出て、私はドキン。
「次の金曜日、午後3時にショールーム。4時にご来店の約束だから、愛川さんと段取り打ち合わせして。終わったらこちらへ戻らず、直帰していいわ」
ハナから私の都合やイエスかノーかの返事など聞くつもりもない、決定事項の業務命令でした。
お電話の呼び出し音が鳴り、ほのかさまがお出になるお声が背後から聞こえます。
ほのかさまのお席は綾音さまと3メートルくらいの空間を挟んだ向かい合わせ。
ほのかさまは、私の剥き出しのお尻と、両腿のあいだにキラキラ光るゴールドチェーンを眺めながらお電話のご対応をされていることでしょう。
「そうそう、当日は、自分で使っている緊縛用の麻縄を持ってくること。それと扱い方をわかりやすくレクチャー出来るように頭の中を整理しておくこと」
「いらっしゃるお客様は、沿線の女子大の学生さんだそうだから、そんなにかしこまる必要は無いと思うわ。すべて愛川さんに従いなさい」
最後に綾音さまがご命令口調でおっしゃられ、開放されました。
まったく見知らぬ初対面のかたの前で、緊縛のレクチャーをする・・・
扱い方をお教えしたら、そのかたをちょっと縛ってみたりするのだろうか?
ううん、セルフボンデージにご興味、っておっしゃったから自縛の方法が知りたいのでしょう。
そうすると、私がそのかたの前で実演することになりそう。
やっぱり裸になるのだろうな・・・
その日までドキドキしっぱなし。
お家に帰ると、ずっと昔、私がまだ高校生の頃にやよい先生からいただいた、やよい先生のパートナーであるミイコさま主演の自縛講座DVDを何度も見返し、実際に自分を縛りながら復習しました。
縛っているうちに自虐オナニーが始まり、ついついキツく縛りすぎて二の腕やおっぱいに縄の痕が残ってしまい、翌日オフィスでリンコさまたちにからかわれました。
いよいよ当日。
トートバッグの一番下に愛用の麻縄の束をひっそりと詰め込み、出社しました。
その日のオフィス勤務者は、綾音さま、リンコさま、ミサさま、ほのかさま。
黒い首輪型チョーカーを着けているのにお昼過ぎになっても珍しく誰からもえっちなご命令は無く、みなさまから、がんばって、とからかうような激励を受けつつ、3時15分前にオフィスを出ました。
里美さまのオフィスは歩いて10分くらい。
大きな通り沿いの地下鉄出入口から裏道に入り、少し歩いた雑居ビルの2階。
訪問するのは初めてでした。
一階がセレクトショップの店舗になった小洒落た外観のビル2階に到着したのは3時4分前。
River of LOVE と書かれた可愛らしい小さな看板が掛かったえんじ色の鉄製ドアの前でインターフォンを押しました。
「ダブルイーの森下です」
はーい、というお声とともにドアが開き、里美さまがニッコリ、可愛らしいお顔を覗かせました。
「直子ちゃん。わざわざありがとうね。さ、入って入って」
普通のお家みたく玄関は沓脱ぎになっていて、フワフワしたスリッパを勧められました。
「お客様にゆっくりくつろいでいただきたいと思って、靴を脱いでいただくようにしたの」
短い廊下の向こうにもう一枚ドアがあり、それを開くとカラフルな空間が広がっていました。
一見、ファンシーショップのようなポップでキュートな印象。
明るい壁紙、アートなポスター、整然と並ぶガラスショーケース、ゴージャスなマネキン人形たち。
ただし、ショーケースに並ぶ色とりどりのグッズたちは、よく見るとみんな卑猥な形状。
マネキンたちが着ているのは、布面積が極端に少ない下着だったり、スケスケだったり、ラテックスだったり。
お部屋の中央に6人掛けくらいの大きなテーブルが置いてあり、その上にもアダルティなラブトイズがいくつか並べてありました。
それでも全体の雰囲気はファンシー側に踏みとどまっていました。
スイーツの充実した女子向けのオシャレカフェテラスの感じ?
通りに面した側に並ぶ窓を飾る、真ん中分けの花柄ドレープカーテンがメルヘンチックな雰囲気を盛り上げています。
「ここって、もともとはけっこう広い喫茶店だったの。ショールーム部分は、その雰囲気を残して、壁で区切った向こう側がオフィスと倉庫ね」
マネキンやトルソーが並んだ壁を指さして、里美さまが教えてくださいました。
マネキン人形たちの隙間に、そちらへつづくのであろうドアが見えました。
「今日は、バイトの子達には先に上がってもらったから、今ここにはわたしと直子ちゃんだけ。そのほうがリラックス出来ると思って」
グラスに注いだ飲み物をテーブルの上に置いて、里美さまが微笑まれます。
今から見ず知らずの人に自分の恥ずかしい性癖をご披露すると思うと、とてもリラックスどころではありませんが、そのお心遣いが嬉しいです。
「ロープは持ってきた?おっけー。わたしも直子ちゃんの自縛レクチャー、楽しみだわ」
やっぱり自縛を実演することになるようです。
「あの、えっと、縛るときは、やっぱり裸になったほうが、いいのでしょうか?」
気になっていたことを恐る恐るお尋ねしてみました。
里美さまは一瞬びっくりされたようなお顔になり、それからクスッと笑われました。
「そのへんは直子ちゃんに任せるわ。裸でも下着でも。なんならここにある衣装で気に入ったのがあったら、着てもいいわよ」
そこでいったんお言葉を切り、私の顔をまじまじと見つめる里美さま。
「でも意外ね。そんなこと聞くなんて」
少し苦笑いが混じったような笑顔を作って私に向け、里美さまがつづけました。
「直子ちゃんなら、こういう機会は喜び勇んで全裸に成りたがるんだろうと思っていたわ。ひょっとして何か常識的なしがらみかなにかで遠慮している?ショールームの運営に迷惑がかかるとか?責任者としてのわたし的にはぜんぜんかまわないのよ?」
私の目を覗き込むような里美さまの視線。
それまで里美さまとは、あまり親しくお話したことはありませんでした。
出会いの場であったお姉さまのランジェリーショップでは、店員さんとお客さんの間柄でしたし、就職してからは、ネットショップのご担当者としてお仕事を通したおつきあい。
イベントのときも、ミサさま指揮の元、パソコンのオペレーターとして楽屋で常にクールにお仕事されていました。
ただし、それこそお姉さまとの出会いのときから、先日のイベントまで、里美さまは私のヘンタイ性癖の行状を間近でつぶさに目撃されていました。
イベントの楽屋や打ち上げの席でのリンコさまたちの会話もすべてお耳に入っていたはず。
私があの場でスタッフ、関係者全員のマゾペットとなったのは、ご存知のはずでした。
それでも、今日も私のことを呼び捨てではなく、ちゃん、付けで呼んでくださったり、他のスタッフのかたたちみたいに、私を辱めて愉しもうとも思っていらっしゃらないようなご様子に見えました。
そういうことには淡白なかたなのかな?
でも、ランジェリーショップのときには、気絶した私の膣に指を挿れてイタズラされていたらしいですし・・・
里美さまとは、あくまでも別々の会社の社員、という関係でもあり、どう接すれば良いのか、決めかねていました。
出会ったときは、お姉さまと里美さまの店長と店員の関係を超えていそうな深い信頼関係に、お姉さまとの仲を疑ったりもしちゃったけれど、里美さまの品があって凛々しい佇まいは、ほのかさまと通ずるところもあり、大好きでした。
里美さまもリンコさまたちのように、興味津々でエスっぽく振る舞ってくださったほうが、気持ち的には楽なのですが。
まあ、いずれにせよ、綾音さまから今日は里美さまに従うように命ぜられていますので、先ほどの、わたし的にはぜんぜんかまわない、というお言葉が里美さまのご希望と解釈し、今日、お客様の前で裸になることは、私の中で決定しました。
「それでね、直子ちゃん、ちょっと変装しておいたほうがいいと思うのね」
里美さまが真剣なお顔でおっしゃいました。
「今日来る3人の内のおひとりが、ご近所に住んでいらっしゃるらしくて、よくあのオフィスビルのモールにもお買い物に行かれるそうなの」
「今日のレクチャーの後で、そういうところでバッタリ出くわしてしまったら、お互いに気不味いでしょう?お客様も直子ちゃんも」
「えっ!?3人ですか?」
びっくりして尋ねました。
「あれ?早乙女部長、教えてくださらなかったの?イジワルだなあ」
苦笑いの里美さま。
「昨日メールが来たの。友達も連れて行っていいかって。同じ大学のサークルのお仲間らしいわ」
「調べてみたら、そのかたたちもうちで数回の購入履歴があったし、そのうちのおひとりは、どうしても欲しいものがあるっていうことだったからオッケーしたの。ちょうど在庫もあったから」
「倉島さん、っていうかたが予約を入れてくださったお客様ね。女子大で文芸系の同人サークルに所属されているみたい」
唐突に里美さまが座っている私の背後に回り、私の髪を弄り始めました。
私に変装を施してくださるみたい。
「直子ちゃんの髪って柔らかいのねえ。お手入れも行き届いてるからアレンジしやすそう」
いつの間にかヘアスプレーまで持ち出してきて、左サイドの辺りをまとめ始めます。
「でーきたっと。うわー。すごく稚くなっちゃった」
5分位の髪弄りの末にお声があがりました。
コンパクトを目の前に差し出され、鏡を覗き込みました。
両サイドの上の方で大きな赤いリボンに左右それぞれまとめられ、緩くウェーブのかかった髪が垂れ下がるツインテール。
正面は真ん中分け。
ツインテールなんて多分、小学校のとき以来でしょう。
確かにずいぶん幼い感じの顔になっていました。
「このあいだの夕張小夜さんと比べたら、雰囲気に親子くらいの違いがあるわね。直子ちゃんて面白い、変幻自在。これなら普通の髪型に戻したら絶対別人」
ご自分のお仕事にご満足気な里美さま。
「こんないたいけっぽい子が自縛するなんて、考えただけでゾクゾクしちゃう」
嬉しそうに私をじーっと見つめています。
「そうだ。どうせなら徹底的に変身しちゃいましょう。今の直子ちゃんに、ピッタリのコスプレ衣装があったのを思い出したの」
いそいそとマネキンの林を掻き分けてオフィスのお部屋へと入っていかれる里美さま。
待つこと3分くらい。
そのあいだ、テーブルの上に並んだグッズを眺めていました。
レザーの首輪、スチールの手錠、棒枷に繋がった足枷、チェーン、ローソク、バイブレーター、ローション、クリップ・・・
およそファンシーショップに似つかわしくないアブノーマルなものたちが、雑然と並べてあります。
中には、私にも用途がわからないものも。
この後、私はお客様の前で裸になって自縛して、それからどんなことをするのか、されるのか・・・
マゾ気分がどんどん膨らんでいく中、里美さまがスーツカバーと紙袋を提げて戻られました。
「キャラ設定に合わせたサンプルだからサイズが小さいかもしれないけれど、まあ、どうせすぐ脱いじゃうのだし」
テーブルの上にお洋服を並べながらおっしゃいます。
「同人活動をしているのならきっと、アニメもお好きなはずよね?これもお客様サービスの一環ということで」
「うちはコスプレ衣装のオーダーメイドも承っているから、ひょっとしたら何かオーダーもらえるかもしれないし」
取り出された衣装は、一見して学校の制服風。
白のシンプルな半袖ブラウス、茶系のベージュぽいニットベスト、グレイのプリーツミニスカート、そして白い三つ折りソックス。
「着てみて、着てみて」
里美さまの楽しそうに弾んだお声。
その日は、脱ぎやすいようにと前ボタン開きのゆったりしたワンピースを着てきました。
下着は、濡れジミが目立たないように黒の上下。
里美さまに促されて立ち上がり、ワンピースの前ボタンを外し始めます。
里美さまの真っ直ぐな視線が注がれる中、ワンピースを脱いで下着姿に。
今回はここまでで許されますが、お客様がいらっしゃったら、すべてを脱がなければいけないのです。
乳首と肉芽にグングン血液が集まってくるのがわかりました。
衣装は全体的に少し小さめでした。
ブラウスとベストにおっぱいが押し潰される感じ。
ミニスカートも付け根ギリギリで、少し伸びをしたら黒い股間が覗けそう。
最後に三つ折りソックスを履いて鏡を覗くとわかりました。
髪色こそ違いますが大きめな赤いリボンのツインテールに、学校の制服風衣装。
少し前に流行ったラノベ原作近未来学園都市ものアニメの準主役級キャラクターでした。
「やっぱり似合うわよ直子ちゃん。作品設定通りに中学生って偽っても通っちゃいそう」
いえいえ、それは絶対ナイです。
「マリみての衣装もあったのだけれど、こっちにして正解ね。マリみてだと今どきの女子大生は知らないかもしれないし」
「どっちのキャラも、お姉様にぞっこん、っていうところが直子ちゃんと一緒よね?」
里美さま、意外と流行りの深夜アニメにお詳しいみたいです。
「そろそろいらっしゃる頃ね」
時計を見ると午後4時まであと10分でした。
「いらしたら、接客はわたしがやるから、直子ちゃんはレクチャーまで、そこに座って適当にしていて」
「お客様のご希望を聞いて、アイテムを一通りご紹介したら声をかけるから、直子ちゃんの出番」
「わたしが聞いているのは、菱縄縛りの実演が見たい、っていうことだけなのだけれど、その他にも何かリクエストがあったら、出来る限り応えてあげてね」
「もちろん直子ちゃんの本名とかは教えないし、ダブルイーの社員ていうことも伏せておくわ。わたしの知り合いのドMの子、って紹介するつもり」
「ロープのお手入れの仕方とかも教えてあげて。けっこう高い本格的な麻縄のお買上げは決定しているから」
「それだけじゃなくて、わたしがお客様とセルフボンデージについてお話しているとき、何か気がついたことがあったらどんどん口出ししてきていいから。お客様も実践している人の言葉を聞きたいでしょうし」
「あ、それと、レクチャー中にわたしが写真を撮るけれど、御社の早乙女部長にご報告するためだから、気になさらないでね」
慈愛に満ちた表情で、おやさしげに笑った里美さま。
その笑顔を見て私は、里美さまに思い切り虐められたい、と強く思いました。
こういうおやさしげなかたが、どのくらいイジワルに、残酷になれるのか、それを見てみたい。
少し前にカフェでほのかさまに虐められたときに感じた、ビタースイートな被虐感が五感によみがえりました。
そのためには、まずはマゾの私から、里美さまにかしずかなくては。
「わかりました。今日は綾音部長さまから、すべて里美さまに従うようにと言いつけられています。でも、そのお言いつけが無くても、私は素敵な里美さまにすべて従うつもりでここに来ました。何でもご遠慮なくご命令ください」
自分の口から出る被虐的な言葉に、マゾ性がビンビン反応して粘膜が疼くのがわかりました。
「私はどうしようもない露出狂ヘンタイマゾ女ですから、里美さまと、本日いらっしゃるお客様がたのご要望に、どんなに恥ずかしいことでもすべて、お応えすることを誓います」
里美さまの目をじっと見つめ、期待と不安にゾクゾクしながら、縋るようにそう宣誓しました。
「うふふ。可愛らしいマゾ子ちゃんだこと。愉しみだわ。期待しているわよ」
里美さまの瞳にチラッと一瞬、妖しい光が宿ったように見えました。
そのときチャイムがピンポーンと鳴り、インターフォンからお声が聞こえてきました。
「4時、あっと16時に予約を入れている倉島と申します。ちょっと早く着いちゃったのですけれど、大丈夫でしょうかー」
緊張されて無理やりハキハキしているような、若い女性の上ずったお声が聞こえました。
「はいはーい。ようこそいらっしゃいませー」
明るいお声でインターフォンに返し、いそいそと玄関へ向かわれる里美さま。
私は立ち上がり、テーブルの傍らでお出迎えするべく、ドキドキしながらお客様が入ってこられるのを待ちました。
*
*非日常の王国で 09へ
*
少しずつ窮地に追い詰められていくような、たたみかける状況設定は素晴らしいと思います。じわじわとした意地悪な責めが待っているような気がして、楽しみです(笑)。
返信削除鵺(ぬえ)さま
返信削除コメントありがとうございます。
なるべくご期待に沿えるようにイジワルしたいと思っていますので、またお時間のあるときに覗きにいらしてくださいませ。
直子