もちろん私だけ裸のまま。
右手をシーナさまに引かれ、左手に持ったタオルでアソコを押さえて歩く自分の姿が、明るい廊下を飾るお洒落な鏡や窓に映り、無性に恥ずかしくなりました。
いくつか並んだドアのうちのひとつを、シーナさまが迷わず開けました。
どうやらそこが、アンジェラさんがおっしゃっていたゲスト用のドレッシングルームのようです。
応接室ほどゴージャスではないですが、明るい空間に品のいいドレッサーやチェスト、テーブルなどがセンス良く置かれていました。
「みんなに視られながら裸になったご感想は?キュンキュン感じちゃったんでしょ?」
シーナさまは、みなさまといたときの雰囲気とは打って変わって、なんだかご機嫌良さげに、愉しそうに尋ねてきました。
「えっ、えっと、すっごく恥ずかしかったです・・・」
「でも直子、そういうの大好きじゃない?わたし、このアイデア思いついたとき、直子なら絶対悦ぶ、って確信していたんだ」
「初対面の綺麗な女性が6人も、じーっと視ていてくれたんだものね?直子にとっては、夢のようだったでしょう?」
「・・・」
私はうつむいたままモジモジ。
「そう言えば、あのリナリナトリオの中にひとり、直子のご同類がいたようね?」
「気がつかなかった?直子のこと、すごく羨ましそうに、頬を真っ赤に染めて食い入るように視ていた、向かって右端の子」
私は顔を上げ、シーナさまを見つめながら小さく首を横に振ります。
私に、そんなことに気がつくような、そんな余裕があるワケがありません。
研修のかたたちのお顔も、どのかたがどのお名前だったかも、まったく覚えていませんでした。
それどころか、ご紹介いただいたお名前さえも。
マリナさんとサリナさん?あれ?カリナさん?あれ???
「あの子は絶対Mっ子ね。直子に感情移入しちゃっていたわ」
シーナさま、とても嬉しそう。
「でもね直子?さっきのなんてまだまだ序の口よ。直子にはこれから、もっともっと恥ずかしい痴態をみんなに晒して、恥辱色に染まってもらうことになるのだから」
「あんっ!」
シーナさまのポインターペンが私の尖りっ放しな右乳首を軽く弾きました。
「そのガラス戸の向こうがシャワールームだから、首から下をざっと洗っておきなさい」
ポインターペンで指し示された素通しガラスの向こうを見ると、確かにそこは浴室のようでした。
大きなガラス戸はまるっきり素通しで、中が丸見えです。
ふと横を見ると、私がさっき脱いだスーツとブラウスが、ハンガーにきちんと掛けられ、洒落たハンガーラックにぶら下がっていました。
きっと小野寺さんがしてくれたのでしょう。
小野寺さんに私が汚したパンティストッキングとショーツをモロに見られたことを思い出し、恥ずかしさがぶり返してきました。
「下半身は中まで、よーく洗っておきなさいよ。これからいろいろ弄られまくることになるのだから」
シーナさまがニヤニヤしながらおっしゃいました。
「まあ、洗ったところですぐに濡らしちゃうのでしょうけれど、出来る限りはがまんなさい。はしたなく大声とか出して、わたしに恥を掻かせないでよね?」
バスタオルを床に置き、シャワールームに入ろうとして、気がつきました。
「あの、シーナさま?これははずしたほうが・・・」
首のチョーカーを指さしながら尋ねました。
「え?ああ、それはそのままでいいわよ。凄く似合っているし、一応防水加工もしてあるはずだから」
「濡れてシミが浮いたりして、見た目が汚らしくなっちゃったとしても、それもそれで直子にはお似合いだし、本当にみっともなくなっちゃったら、また新しいのをあげるから、気にしなくていいわ」
シーナさまがシャワールームの前まで来て、私の全身をあらためてジロジロ眺めてきます。
「失敗しちゃったなー。直子用にそれに付けるチェーンももう確保してあったのよ。ニップルとクリットとラビアの完全セット」
「オフィスの机の抽斗にずっといれっぱなのよね。持ってくるの忘れちゃったわ」
「帰りはあれ着けてドライブっていうのも良かったわねー。惜しいことしちゃった」
お言葉の内容ほどは、さほど惜しそうなお顔でもないシーナさまのニヤニヤ笑い。
「ほら、はやくからだ洗っちゃいなさい」
シャワーをぬるま湯にして、チョーカーをなるべく濡らさないように肌にお湯を当てました。
ガラス戸の片方は開けっ放しのまま。
そこからシーナさまが覗き込んでいるので、お部屋のほうにお湯が飛び散らないよう、奥でシャワーを使います。
下半身は念入りに、というご指示だったので、シャワーを強めにしてアソコとお尻に当てます。
「あっ、もしオシッコしたかったら、そこでしちゃいなさい。これから当分、出来ないから」
少し尿意を感じていた私は、シーナさまのお言葉を深く考えず、それでも一応シーナさまには背中を向けて、シャワーを出しっ放しのままその場にしゃがみ込みました。
シャーッ・・・
「あらあら呆れた。直子って、平気で人前でオシッコ姿晒すような女になっちゃたのねー?はしたない子。いくらマゾだからって恥じらい忘れたら、人間おしまいよ?」
「だって・・・あ、いえ、ごめんなさい・・・」
シーナさまにまんまとノせられた気もしましたが、確かに今の私はシーナさまだからいいや、と思って普通にオシッコしてしまいました。
言われた途端に、カーッと恥ずかしさが全身を駆け巡りました。
「ま、そのくらいでいいでしょう。あんまりお待たせしたら悪いから出てきなさい。からだ拭いてあげるわ」
シーナさまは、オシッコのことにはそれ以上深くツッコまれず、新しいバスタオルを持って私を待ち構えています。
シーナさまにからだを拭いていただくときのふたりの暗黙の了解、マゾの服従ポーズになりました。
シーナさまが、私の全身の水気を丁寧に拭ってくださいます。
最後にシーナさまの右手人差し指が、スルッと私のアソコに潜り込みました。
「ぁあんっ!」
「難なくヌルッと入っちゃうわね?まだ中ジュクジュク。まあ仕方ないわね、直子だから」
「アンジェラたち、驚くでしょうね?言ってあるとはいえ、直子の濡れ方は想像以上だから」
シーナさまの愉快そうなお声。
「さ、それじゃあそろそろ本番よ。グッドラック、直子」
パチンと私の裸のお尻を叩いてから、ドレッシングルームの一番奥にあるドアのほうへひとりでスタスタ歩いていかれるシーナさま。
私もあわてて後を追いました。
そのドアの向こう側は、何て形容したらいいのか、摩訶不思議で妖しい雰囲気のお部屋でした。
いの一番に、甘いアロマの香りに全身が包まれました。
裸足に冷たい大理石の床。
モーツァルトのピアノ曲が小さく流れています
お部屋の真ん中に小さめなベッドがひとつ置かれ、ベッドを中心にその周辺だけがスポットライトで照らされたみたく、眩しく浮かび上がっていました。
四方の壁際は間接照明で薄暗く、無機質で殺風景な感じです。
ベッドの周りには、ナース服に似た清潔そう、かつお洒落なデザインのユニフォームに身を包んだアンジェラさんと研修のお3人。
アンジェラさんのユニフォームは淡い藤色、研修のお3人は淡いレモン色です。
蘭子さんと小野寺さんは、先ほどと同じ私服姿で、4人とは少し離れて座っていらっしゃいました。
「お待ちしていたわ。こちらは準備万端よ。さあ、始めましょう」
アンジェラさんがニッコリ微笑んで、私を手招きしました。
「まずはこのベッドに上がって、うつぶせになってくださる?」
アンジェラさんが傍らのベッドを指さしました。
私は、恐る恐る近づいていきました。
「こちらに頭を向けてね」
大きな枕と、なぜだか20インチくらいの薄いテレビモニターが乗ったラックが置いてある方向を指示されました。
その反対側のほうには、見慣れない器具やタオルなどが乗ったキャスタートレイと大きめな姿見がベッドの傍らに置かれ、アンジェラさんたちは、その足側のほうに集まっています。
そのベッドは、普通のベッドよりもやや高めで、私のおへその下くらいの高さ、幅も一般的なシングルベッドよりひとまわり狭い感じでした。
あまり柔らかそうには見えないベッド表面には、見るからにふんわりしていそうな大きいタオルが敷かれていました。
私は、踏み台を使っておずおずとベッドに上がり、柔らかい枕に顔を埋めてうつぶせに横たわりました。
まばゆいくらいの光に照らされた私の背中とお尻を、みなさまが上から見下ろしてきます。
まるで手術台に乗ったような気分です。
小野寺さんが立ち上がったな、と思ったら、目の前のテレビモニターが明るく瞬き、何かが映り始めました。
何だろう?と思う間もなく、モニター一杯に誰かのお尻らしき映像が映りました。
「あっ!」
あわてて首を後ろに捻ると、ベッドの傍らに立った小野寺さんがハンディなビデオカメラを覗き込んでいました。
そのカメラのレンズの先には、私のお尻。
「今日の様子はね、録画して編集して、このサロンの新人エステティシャンの研修用教材として、活用していただくのよ」
シーナさまが枕側にいらして、私を見下ろしつつおっしゃいました。
「もちろん、施術する部分だけを映して、ミス・ナオコのお顔は一切出さないし、音声も全編アフレコで再編集するし、サロン関係者だけの内部閲覧に徹するから、ミス・ナオコには絶対ご迷惑はお掛けしないことを誓うわ」
アンジェラさんが、お優しいお声でつづけます。
「だから、ミス・ナオコも痛かったり気持ち良かったりしたら、遠慮せずにお声をどんどん出していいから、ね?」
「それに、こうして自分が何されているか、逐一自分で見れるのって、直子の性癖にぴったりでしょう?わたし、アンジーから誰かモデルになってくれる人いない?って相談されたとき、まっさきに直子の顔が浮かんだもの」
「そういうことだから、いいわね?直子?」
シーナさまに冷たいお声を投げつけられて、首を横に振れる私ではありません。
「は、はい・・・」
お答えしながら眼前を見ると、自分のお尻が超どアップで映っていました。
「さあ、それでは施術に入りましょう。みなさんは、すでにご自分のからだで具体的な手順は試してきたのよね?」
「はいっ!」
足のほうで、アンジェラさんと研修のお3人のやりとりが始まっていました。
小野寺さんは、いったんビデオカメラを切ったらしく、モニターは真っ暗になっていました。
「それならワックスの使い方などに関しては、言及しません。今日は、実際にお客様に施術するとき、どういう点に気を遣うべきか、に重点を置いて説明していきます」
「はいっ!」
アンジェラさんと研修のお3人、シーナさまが命名されたところのリナリナトリオのみなさんとのあいだに、緊張した雰囲気が流れています。
シーナさまは、私の頭を見下ろしながらニヤニヤ笑い。
蘭子さんも立ち上がって、私のお尻付近を見下ろしていらっしゃいました。
私は枕に顔を埋め、でもまたすぐに不安になって上下左右をキョロキョロ。
「さて、まず最初の注意点ですが、O・I・V脱毛の場合、今日のミス・ナオコのように全裸になっていただく必要は、まったくありません」
「ケースバイケースですが、脱毛だけのお客様なら、上半身は普通に着たまま、もしくはローブを着ていただくとか、なるべく羞恥を感じられないように心配りすることが大切です」
「ご年配のかたは、それほどでもないですが、お若いと、とても恥ずかしがるかたもいらっしゃいます。そんな場合は、施術が見えないようにお腹のところにカーテンをしたり、お部屋を暗くしたり、工夫してください」
「そういう意味で、施術前のカウンセリングは重要です。お客様のニーズをしっかり把握して、出来る限り合わせるように」
「お客様が満足されれば、必ずリピーターになってくださいます。ですので、とくに初回のお客様には細心の心配りで接すること」
「ちなみにミス・ナオコの場合は、ミス・シーナが、ミス・ナオコはこうしたほうがお悦びになるとアドバイスをくれたので、そうしただけです」
リナリナトリオのうちの誰かおひとりがクスっと笑ったようでした。
それも恥ずかしかったのですが、何よりも冒頭のアンジェラさんのお言葉にピクンとからだが震えました。
脱毛。
エステにかかる、ということ自体が生まれて初めての体験でしたので、いったいこれから何をされるのか、ほとんど見当がついていませんでした。
マッサージ的な何か、かな、と思いながらも、シーナさまから無駄毛処理を禁じられての訪問でしたから、そっちの関係だろうな、とも予想はしていました。
今のお言葉でハッキリしました。
私はこれから、みなさまの前でアソコ周辺の毛を脱毛されるんだ・・・
いったいどんな方法で?
私が知っている脱毛方法は、カミソリか脱毛テープ、それとレーザー。
レーザー脱毛器ぽい機械は見当たらなかったので、たぶんテープなのかな?
そう言えばさっき、ワックスっておっしゃっていたな・・・
ワックスって、ローソク?
いずれにしても私はこれから、その部分をみなさまにじっくり視られながら、思う存分弄られちゃうことにはなるのでしょう。
おまけにそれがビデオとして残されてしまうのです。
あっ、だめぇ・・・
アソコの中がみるみるうちに、ウルウル涙ぐんできました。
*
*コートを脱いで昼食を 18へ
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