2024年11月4日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 15

 ジョセフィーヌさまが結構遠いところで、芝生に落ちたフリスビーをパクリと咥えられるのを確認して、ワクワク顔な倉島さまのお隣に立ちます。

「ジョセフィーヌさまのご褒美にはね、こういうのもご用意されているんです。まず私がお手本を見せますね」

 あのめくるめく快感を思い出してすでに火照り始めているからだ。
 そして、それを味わえるのも今日が最後という、一抹の寂しさ。
 私に憧れているとおっしゃる倉島さまの前で、思いっ切り乱れてみたいと思っていました。

 倉島さまから一メートルくらい離れたところに、左手を後ろに隠して立ちます。
 フリスビーを咥えられて倉島さまのもとへと一直線に駆け寄ってこられたジョセフィーヌさまが、たどり着く寸前というところで私のほうからより強いチーズの匂いが漂っていることに気づかれたのでしょう、器用に方向転換をされ、私にフリスビーを突き出してこられました。

「あれ?私にくださるのですか?ジョセフィーヌさまには何でもお見通しなんですね」

 中腰になった右手でフリスビーを受け取って芝生に置いてから、ジョセフィーヌさまのフワフワな頭を媚びるような笑顔でワシワシ撫ぜて差し上げます。
 そのあいだに隠していた左手を自分の剥き出しな股間に添え、会陰から恥丘の膨らみ始めまで、チーズペーストをベッタリ塗りつけました。

「はぅんっ!」

 間髪を入れず私の股間に突っ込まれるジョセフィーヌさまのお鼻先。
 濡れそぼった長い舌がせわしなく私の外性器を愛撫し始めます。

「ああん、あんっ、いいぃぃっ…」

 裂けめに溜まったペーストを咀嚼しようと粘膜まで侵入してくるヌメヌメした異物。
 そのあまりの気持ち良さに私は立っていられなくなり、芝生にお尻を着いてしまいます。
 肛門に挿した尻尾のアナルプラグ先っちょがグイッとより奥まで届く感覚。

 アンアン盛大に喘ぎながら左手に残ったペーストをおっぱいにも擦り付ける私。
 それも目ざとく見つけられたジョセフィーヌさまに押し倒されるような形で私は芝生に仰向けとなり、ジョセフィーヌさまに組み伏せられたような格好。

「あんっ、いいっ、そこっ、そこっ、もっとぉーー!」

 しどけなく寝そべった裸体を決して踏みつけない器用な肢運びで、私のからだのあちこちを熱心に、ペーストの塗られていないところまで舐めてくださるジョセフィーヌさま。
 そんな私とジョセフィーヌさまのふしだらな痴態を、唖然としたお顔で見下されている倉島さまも見えています。
 私は目を瞑って全集中、ジョセフィーヌさまの舌がくださる奔放な愛撫の快感に身を委ね、絶え間ない淫声で喘ぎながらお応えします。

 やがて肌を舐められる感触がまったくなくなり、そっと目を開けてみると夕暮れ空が見えるだけ。
 上半身を起こして見回すと、少し離れたところでジョセフィーヌさまがフリスビーを咥えられ、呆然と私のしどけない姿を見つめられている倉島さまを見上げてらっしゃいました。
 おそらくペーストを舐め尽くされたジョセフィーヌさまがまだフリスビーで遊んで欲しくて、倉島さまに催促されておられるのでしょう。

 ジョセフィーヌさまの舌技はオーガズムまではイカないものの、前戯として充分過ぎる気持ち良さでした。
 ゆっくりと立ち上がり倉島さまのほうへと近寄ります。

「ね、ジョセフィーヌさまはこんなこともしてくださるんです。麗子さんも体験してみたいでしょう?」

 私がにこやかに尋ねると、戸惑ったようなお顔になられる倉島さま。

「えっ?あ、あの、わたしは…わたしは別に…」

 すっかり及び腰で両手を前に突き出されイヤイヤするようなポーズ。
 普通の人なら当然のリアクションですが、お言葉とは反対に倉島さまの陥没乳首が天を衝くようにピンと尖り出ているのを私は見逃しません。
 同時に少しサディスティックな感情も芽生えていました。

「麗子さん、さっき、私からだったなら命令されたり意地悪されて気持ち良くなってみたい、っておっしゃっていましたよね?」

「えっ?あっ、は、はい…」

「でしたらこれが私から麗子さんへの意地悪な命令だとすれば、麗子さんは悦んで従うはずですよね?」

「あ、えっと…それは…」

「それなら麗子さんに命令します。ペーストをからだに塗りつけてジョセフィーヌさまに舐めていただきなさい、と」

 命令を告げながら私の気持ちはゾクゾクキュンキュン、どんどんサディスティックな方向に傾いていっています。
 こんな気持ちをいつかも感じたことがあったような…
 そう、高校の頃ピアノ講師だったゆうこ先生とのSMごっこ以来の高ぶりかも。
 すっかり怯えたお顔の倉島さまも両乳首だけはますます硬そうに尖りきり、その白い裸身が全身ほんのりピンクに染まっておられます。

「それではまずジョセフィーヌさまのお相手として、フリスビーを投げてあげてください」

 私の言葉にビクンと肩を震わされた倉島さまは、ジョセフィーヌさまが差し出されているフリスビーをおずおずと受け取られ、少し掠れたお声で、ジョセフィーヌさまフェッチです、という号令とともにフリスビーを放り投げられました。
 比較的低い軌道を描いて遠くまで飛んでゆくフリスビーと、それを嬉々として追い掛けられるジョセフィーヌさま。
 そのあいだに私はチーズペーストのチューブを手にしています。

「左手を出してください」

 おずおずと差し出された倉島さまの左手のひらにこんもりとチーズペーストを盛り付けます。
 ご不安そうにご自分の左手のひらを見つめられる倉島さま。

「まず最初はおっぱいを可愛がっていただくと良いです。左手は後ろに隠して、ジョセフィーヌさまが戻ってこられたらフリスビーを受け取って褒めて差し上げてから、左手のペーストをご自分のバストに塗りつけてジョセフィーヌさまに差し出すんです」

 倉島さまはまだご不安そうにご自分の手のひらと私の顔を交互に見つめられています。
 そうしているあいだにジョセフィーヌさまはフリスビーに追いつかれキャッチ、間髪入れずに遠くからこちらへと一直線。

「大丈夫です、絶対気持ちいいですから。それに私も一緒に気持ち良くなりますから」

 そう告げて倉島さまから離れます。
 倉島さまから距離を取った位置でトートバッグの中身を物色している私は、いくつかのアイテムをポシェットに忍ばせて成り行きを見守ります。
 フリスビーを咥えられ戻られたジョセフィーヌさまは、左手を背中側に隠されている倉島さまにフリスビーを差し出され、頭を撫でられています。

「…は、はい。よく出来ました…ご、ご褒美ですよ…」

 震えるようなお声でそうおっしゃった倉島さまが意を決したように、私のサジェスト通り左手をご自分のバスト、右おっぱいに重ねられると、そこから滑らせるように左おっぱいまで横断した後に膝立ちに屈まれ、尖り乳首もろとも美乳おっぱいをジョセフィーヌさまに突き出されました。

「あぁんっ!」

 一際高く倉島さまの可愛らしい淫声が響き渡ったのは、ジョセフィーヌさまに勃起乳首を舌で転がされたからでしょう。
 それからはもう間断なく、倉島さまの甲高い嬌声が聞こえています。

「あんっ、だめっ、いやんっ、だめだめっ、あぁんっ、いいっ、いやあっ、いいーっ、いいぃぃーっ…」

 私はそっとおふたりに近づき、倉島さまの手が届くところに半分ほどに中身の減ったチーズペーストのチューブを置き、耳元でこう囁きます。

「…もっと気持ち良くなりたかったらペーストを下のほうにも塗りつけるといいですよ…」

 それから倉島さまの背中側にまわり、ポシェットからあるものを取り出しました。
 新品の肥後ずいきさま。
 これで倉島さまとジョセフィーヌさまのイチャイチャをオカズにイキ果てようという魂胆です。

 こんな開放的なお外で何の懸念もなく全裸でイキ果てられるのもきっとこれで最後。
 お身内以外にはどなたにも見られる心配は皆無という点に、背徳感もスリルも全く無いというマイナスポイントは付きますが、それを補って余りある圧倒的な開放感と爽快感。
 すっかり四六時中全裸生活に馴染んでしまった私は、東京に戻ってもしばらくは裸族習慣が抜けなそう。

「あんっ、そこはだめ、そこだめぇっ!いやっ、いやんっ、んっ、んっ、いいぃぃーっ!」

 倉島さまは私のアドバイスを素直に聞かれたのか、チューブを絞り下半身にもペーストを塗られたよう。
 さっきの私みたいに仰向けに押し倒されたような格好の倉島さまの翳ったアソコを、ジョセフィーヌさまが貪るように舐め上げられています。

 そうされながらも倉島さまはせっせとチューブを絞って、ご自分のおからだのあちこちにペーストを補充。
 ジョセフィーヌさまももはやフリスビーはそっちのけで、倉島さまを悦ばせることだけにご執心なご様子。

 ひっきりなしにあがる倉島さまの嬌声を耳にしながら、おふたりの痴態を見下ろす位置に立ったまま、軽く開いた両腿の付け根に肥後ずいきさまをズブリと突き挿します。
 先程の前戯で充分濡れそぼっている私のマゾマンコは、乾き切ってゴツゴツしている新品肥後ずいきさまでも難なく咥え込みます。

「んうーんっ!」

 しばらく馴染ませて私のマン汁気を充分に吸われたずいきさまを静かに動かし始めます。
 ずいきさま特有のむず痒いような刺激が徐々に広がってきて、性感が一段アップ。

「ううぅ、いいっ、すごいいっ、あはぁーんっ!」

「いいっ、いいっ、だめっ、だめっ、やめないでっ、いいっ、すっごくいいぃーっ!」

 私の淫声に重なるように倉島さまのヨガり声が聞こえてきます。
 私はずいきさま抽挿のスピードをアップしてジュブジュブと膣音を響かせます。
 早くも一度目の軽い絶頂アクメ…

 ハアハア息を荒げつつ倉島さまはと見ると、倉島さまは仰向けのM字大開脚になられ、その中心部にジョセフィーヌさまのお鼻先が埋まっています。
 もうすでに何度かイっているのか、悩ましげにお顔をしかめられている倉島さまが凄くエロ可愛い。

「あんっ、すごいっ、そこいいっ、もっとっ、もっとぉぉーっ!!」

 苦悶と愉悦が入り混じったお顔な倉島さまと目が合い、私はマゾマンコにずいきさまを挿したままゆっくり近づきました。
 ジョセフィーヌさまは大股開きの倉島さまのお腹に両前肢をお乗せになり、おっぱい付近のペースト咀嚼に移られています。
 ジョセフィーヌさまにのしかかられている倉島さまは、まるで本当に犯されているみたい。

 自分の愛液でヌメヌメグズグズとなったずいきさまをマゾマンコから引き抜いた私は、その濡れそぼって人肌より熱いずいきさまを喘ぎつづける倉島さまの右手に握らせます。
 芝生にだらんと投げ出された右手に何か握らされたと気づいた倉島さま。
 
 仰向けに寝そべっているゆえ、それが何かはわからなかったでしょうが、握ったときの太さや感触、湿り具合でピンときたのでしょう。
 躊躇せずにご自分の膣口に突き立てられました。

「ああんっ!!」

「正解。それはいいものですよ。もうひとつあるからふたり一緒にイキましょう。ジョセフィーヌさまに可愛がっていただきながら…」

 それだけ告げて再び倉島さまの死角に入った私は、ポシェットからもう一本の新品肥後ずいきさまと新品のトリササミペーストチューブを取り出します。
 まずは立ったまま新品ずいきさまをズブリと挿入。
 馴染ませているあいだにチューブのシュリンクを破り、左手に持って準備完了。

 それから倉島さまとジョセフィーヌさまのところへと戻り、倉島さまの左隣に倉島さまと同じ格好、仰向けのM字大股開きで寝そべります。
 私と倉島さまのあいだにトリササミペーストのチューブを置き、まずは倉島さまのおっぱい周辺にペーストを補充して差し上げました。

 倉島さまはご自分のアソコに突き立てたずいきさまを左手で、すごい勢いでピストンさせています。
 クチュクチュジュブジュブ淫靡な水音が絶え間なく響いていて、倉島さまも愛液が多いほうなのかもしれません。

 ジョセフィーヌさまもペーストが追加されたおかげでフルスロットル状態。
 倉島さまの上半身、ありとあらゆるところを尻尾をブンブン振りながらのしかかって舐め尽くしています。
 両おっぱいにたっぷり盛ったので、勃起乳首は転がされ放しでしょう。

「いいっ、いいのっ、すごいっ、もうっ、もうっ、イッちゃうぅ、イッちゃうっうー!!」
「いくぅ、イキますぅ、れいこイッちゃいますぅ、あーっ、あーーっ、んぅぅぅー!!!」

 自分のマゾマンコに挿れたずいきさまをゆっくり動かしながら、倉島さまがアクメに達しつつあるお顔を初めて鑑賞出来ました。
 端正な小顔のクールビューティなお顔に汗が滴って髪が貼り付き、切れ長な瞳が愉悦で歪むそのご表情はなんとも艶かしくも美しいものでした。
 M女として憧れられている身としては、私も負けてはいられません。

「あっ、直子さま…視られていたのですね…恥ずかしい…」

 ハアハア吐息を荒くしながら、今気づいたみたいに隣に寝そべっている私に語りかけてきました。

「…このディルドって言うか、縄を編んで棒にしたみたいなやつ、何なんですか…もう何度かイッているのに、ウズウズが止まらないんです…今だって勝手に手が動いちゃって…オマンコを苛める手が止まらないんです…」

 時折淫声でお言葉を途切らせつつ、眉根にシワを寄せた悩ましいお顔で私に訴えかけてこられる倉島さま。
 どうやら倉島さまは肥後ずいきさま初体験なご様子。
 私に話しかけながらも下半身に伸ばした手の動きは止まらず、ジュブジュブいやらしい音がしています。

「それは後で教えてあげるから、今はジョセフィーヌさまと愉しみましょう。ほら、こうしてあげるから、今度は一緒にイキましょうね」

 自分のずいきさまを動かす手をいったん止めて、まず倉島さまのバストへのペーストを再び補充。
  次に自分のおっぱいへもたっぷり塗りつけてから、すぐさまずいきさまに戻ります。

 ジョセフィーヌさまは私のほうからもトリササミの香りがしているのに気づかれたようで、それからは縦横無尽の大活躍。
 前肢後肢で私たちのからだを頻繁に踏みつけながら右へ左へと、ふたりの勃起乳首を気持ち良く転がしてくださいます。

「ああんっ、いいっ、いいーっ、またイク、またイク、またイッちゃうぅぅーっ!んふぅぅぅーーっ!!!」
「そこっ、そこっ、だめっ、だめぇぇ、もっと、イキそうっ、もっとぉ!んぐぅううーーっ!!!」
「やだっやだっやだーーっ、んふうーーっ、きちゃうっ、きちゃうっ、でちゃうぅぅーっ!ああぁぁーーっ!!!」
「んーはぁーっ、すぅーはぁーっ、おまんこいいのっ、おまんこいいっ!おまんここわれちゃうーーっ!!!」

 無我夢中で行為に没頭しました。
 何度も何度もイキ果て、それでも手は止まりませんでした。
 
 何度目かにイッた後、ふと隣を見ると倉島さまが四つん這いに体勢を変えていました。
 お顔支点の土下座状態でお尻だけ高く掲げ、お腹のほうから回した左手で膣穴のずいきさまを凄いスピードでピストンされていました。
 私もすぐに同じ格好となり真似をしました。

 さすがにイキ疲れて膣のずいきさまに腕が伸びなくなった頃、ふと見渡すと辺りがかなり暗くなっていることに気がつきました。
 こちらに来て夕方のお散歩は三度目ですが、一番暗い感じです。

 隣を見ると倉島さまは、ハアハアと荒い息で仰向けにねそべっており、そのすぐ横でジョセフィーヌさまも伏せの体勢で寝ておられたようで、半目を開けられ私を見てきます。
 慌てているのに下半身に力が入らず、ヨロヨロモタモタ立ち上がる私。

「ねえ麗子さん、これってちょっとマズイかも。今何時だかわかる?」

 私の問いかけにゆっくり上半身を起こされた倉島さま。

「ふぁー、わたし時計持っていないので、わかりませーん…」

 なんとも気だるげに投げやりな、色っぽいお声が返ってきました。
 私も持っていないし…と、しばし考えて思いついたのがビデオカメラの時刻表示。
 ビデオカメラは回りっ放しで、フィックスながら今までの一部始終が記録されていたみたい。

 それを停めて時刻表示に切り替えるともう7時10分前。
 やっぱり今までで一番遅い、大遅刻です。

「麗子さん、早く帰らなくちゃ。帰り支度するからゴミを拾ってこの袋に入れて」

 ポシェットからコンビニレジ袋を取り出し、股に指しっ放しだったグズグズのずいきさまと、見事に空になったペーストチューブ2本の残骸を放り込みます。
 倉島さまもヨタヨタと立ち上がられ、これまたアソコに挿しっ放しのずいきさまを抜いて挿れてくださいます。
 倉島さまが抜かれるとき、んふっ、という艶っぽいお声とともに細い肩がビクンと震えました。

「急いで帰りましょう。お姉さまたちがご心配されているかもだから」

 フリスビーや三脚などをトートバッグに突っ込み東屋のほうに早足で向かいながらふと振り返ると、ジョセフィーヌさまが倉島さまの首輪から伸びるリードの持ち手を咥えられ、倉島さまを引っ張っていらっしゃいます。
 張り詰めたリードに引かれフラフラとジョセフィーヌさまに従われる倉島さま。

 あっちの人間は居なくなって、明日からはこっちの人間が遊び相手だとわかっていらっしゃるのでしょう。
 それを見たとき、ジョセフィーヌさまは本当に賢いご主人さまなのだな、とあらためて思いました。

* 

2024年10月13日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 14

 玄関扉からお外へ出ると、ジョセフィーヌさまは玄関前の石階段下で扉を見上げられ、私たちを待ち構えてくださっていました。
 いきなり裸の人間がふたり現われたので束の間ポカンと見つめるだけのジョセフィーヌさまでしたが、石畳までふたり降り立つとすぐにまず私のほうに駆け寄ってこられ、私の素脚にフワフワの毛並みをスリスリ。
 それから倉島さまのほうへも寄っていかれて遠巻きに両足の周りをグルグル。

「わあ、人懐っこいワンちゃんですね」

「お名前を呼んであげてみてください」

「えっ!?」

 少し照れくさそうにモジモジされていた倉島さまでしたが、ジョセフィーヌさまのほうを向かれ意を決されたように小さなお声で、

「ジョ、ジョセフィーヌ…さま…」

 倉島さまのお顔を見上げられたジョセフィーヌさまが距離を詰められ、ますます素脚をグルグルスリスリされて倉島さまの嬉しそうな困惑顔。
 それでもまだおっぱいと股間は両手で、雑にですか隠されています。

 ジョセフィーヌさまはひと通り愛想を振り撒かれた後、ネコミミカチューシャに尻尾アナルプラグでお散歩用バッグを提げている、おそらく見慣れているのであろう私のほうのリードの持ち手をパクリと咥えられます。
 首輪に繋がったリードに引っぱられ、ジョセフィーヌさまに従うように歩き出す私。
 そのすぐ後ろを慌てたように着いてこられる倉島さま。

 ジョセフィーヌさまを先頭に、首輪にサンダルの全裸女ふたりが、初日よりも若干、陽の陰りが増したように感じる夕方の山道を進んでいきます。
 ジョセファーヌさまは山道に入られると私のリードの持ち手をお口から離され、あちこちの草むらにお鼻を突っ込まれ、いつも通りのパトロールに余念の無いご様子。
 倉島さまはまだ恥ずかしそうに左腕でおっぱいを庇いながら私の横を歩かれ、右手に嵌めたビデオカメラも下に向けたきり。

「わたし、こんな格好で外を出歩くの、生まれて初めてです…妄想小説でなら何度かそういう場面を書いたことはあるけれど…」

 私から少し遅れ気味におどおどキョロキョロ着いてこられる倉島さまが、ご不安そうに話しかけてこられます。

「本当に他の人は入って来れないんですか?誰かに覗かれちゃったりとか襲われちゃったりとか…」

 倉島さまのあまりに落ち着かれないご様子に、イタズラぽい気持ちがほんのり芽生える私。

「うん。少なくとも私がお散歩に出かけるときには、どなたにも出会わなかったですね。でも稀に、宅配便の人とか郵便配達の人とかがお屋敷を訪れることもあるみたい…」

 ピタッと足を止められ、思い出したように股間も右手で覆われる倉島さま。

「そうですよね!そういう人が通らないとは限らないし、こんな格好ただの痴女だし、みつかっちゃったらどうなっちゃうんだろう…」

 ますます怯えの色が濃くなっちゃったみたいなので、可哀想になってネタばらし。

「でもそいう人が訪れる時間帯は決まっているみたいだし、この時間には絶対無いです。それに万が一そんな場面に出くわしても、あるじさまとの取り決めで見物や撮影以上の行為をしたら問答無用で法的手段に訴える、ていうお約束になっているらしいから」

 私の説明と全然隠そうともせずに普通に歩いている私の態度に幾分ホッとされたのでしょう、足早に私に追いつかれる倉島さま。

「わたし、露出願望はそれほどでもないと思っていたのだけれど、こうして歩いているとなんだか凄くドキドキしてきますね。視られたくないって気持ちと、でもやっぱりちょっとは誰かに視て欲しい、っていうアンビバレントな感情がせめぎ合って、もうどうなってもいいかも、っていう刹那的な高揚感を感じて」

 疎かになった胸元を覆う腕からはみ出した倉島さまのピン勃ち乳首で、倉島さまが性的に充分興奮されていることが如実にわかります。

「麗子さんはいつ裸にされちゃったの?車を降りてきたときは目隠しの全裸だったけれど」

 私と肩を並べられ、おっぱいと股間へのガードも緩くなり始めた倉島さまとの会話が途切れないよう、浮かんだ話題を歩きながら振ってみます。

「高速下りて山道に入ってからでしたね。わたしも愛川さまからいろいろ聞かされていて覚悟はしていたし、運転手さんも女性でしたし…」
「でも脱いで目隠しされてからは凄く不安でしたね。これからどういう所に連れて行かれるのかは全然わからないわけですから」
「直子さまに会えるんだ、というのと、車中で愛川さまがいろいろ気持ち良くしてくださったことでなんとかそのまま辿り着けました」

 誰かに聞いて欲しかった、という感じで堰を切ったようにお話し始める倉島さま。

「この旅行に参加したいってわたしが言い出してから、愛川さまのエス度がグンと上がったんです」
「参加の条件として、すぐ脱げる服装で、失くしても破かれても構わない下着で来て、愛川さまのご命令には絶対服従なエム女に成り切ること」
「その代わり逗留中の費用は一切不要だからお金は一銭も持ってこなくていい、麗子のからだで支払いなさい、って。よくよく考えるとキチクな条件ですよね」
「それでもわたしは直子さまに会いたくて参加したんです…」

 里美さまったら、お姉さまが私にしたのと同じご命令をされていらっしゃる…
 きっと事前にお姉さまとご相談されていたのでしょう。
 なんだか可笑しくて、私と同じだ、と打ち明けたい気持ちもありましたが、本気で憤っていらっしゃる倉島さまが可愛らしくて種明かしはしないことにします。

 ジョセフィーヌさまは、タッタッタと先に行かれたと思ったらこちらへ引き返して私たちの周りをグルグルみたいなことをくりかえしつつ、草むらのチェックにも勤しむという、いつになく落ち着きの無いご様子。
 首輪裸女がふたりもいて、ジョセフィーヌさまのテンションも上がっているみたい。

「じゃあ麗子さんのご主人様は里美さまなんだ?」

 バスルームでも勤務中に里美さまが倉島さまにえっちなご命令をされているようなこともおっしゃっていたし、おふたりもそういうおつきあいを始められたのかなと嬉しくなって、軽い気持ちで聞いてみます。

「そういうことになるんですかね。でもわたしの中ではバイト先の店長とバイトっていう主従関係以上のものは感じていなくて、今回もロールプレイングで従っているって感じかな」
「愛川さまもお綺麗で優しくて適度にキチクで素敵なかたなんですけれど、なんて言うか、愛川さまから聞かされた、直子さまとお姉さまみたいな恋愛感情は不思議に湧かないんです。ただ単にわたしを気持ち良く辱めてくれる人って感じで」

 里美さまってば、私とお姉さまのことをどんなふうに倉島さまに伝えているのでしょう。
 まあ、私がお姉さまに熱烈な恋愛感情を抱いているのは事実ですからいいですけれど。

「どちらかと言うとわたしとしては、直子さまからご命令や意地悪をされてふたりで気持ち良くなりたいかな。あ、でもこれも恋愛感情とは別物だと思いますけれど」

 リアクションに困る告白を倉島さまからいただいたとき、広場の入口に到着しました。
 結局ここに着くまで倉島さまのビデオカメラは何も撮影されていません。

 ワンッと一声お吠えになったジョセフィーヌさまが、タッタッタと木立の茂みのほうへと駆け出されます。
 そのお姿を見失わないようにしつつ東屋へと向かい、お散歩セットのバッグをいったん木製のテーブル上に置きます。
 
 私の後を着いてくる倉島さまはもうすっかり普通の歩き方で、おっぱいや股間を隠すこともやめています。
 両乳首もひっそりと引っ込まれてしまっているので、性的興奮も落ち着かれているご様子。

「ここに来て最初のお仕事は、ジョセフィーヌさまのおトイレの後始末です」

 バッグの中身を一通り確認しつつ、シャベルだけを取り出して持ち、ジョセフィーヌさまの後を追います。
 今回のジョセフィーヌさまのおやつは、ビスケットとペーストの両方が用意されていました。
 ペーストは味の違う二種類のチューブがそれぞれ丸々一本づつ、更に新品の肥後ずいきも二本。
 ということは…

 木立の奥の茂みにおられたジョセフィーヌさまは、とっくに行為は終えられて私たちを待ってくださっていたみたい。
 私と目が合うと、私を見つめたまま尻尾を少しパタパタ動かされた後プイッとそっぽを向かれ、タッタッタと木立沿いに離れていかれました。

「ジョセフィーヌさまはここへ来られると必ずまず茂みで用を足されるので、それの後始末が最初のお仕事です」
「具体的には地面にシャベルで2、30センチくらい穴を掘って、それをシャベルですくって跡を埋めるだけです。簡単ですから実際にやってみてください」

 倉島さまにシャベルを手渡すと、そのものから50センチくらい離れた場所にしゃがみ込まれ、穴を掘り始めます。

「土が柔らかくてヘンに掘りやすいところは最近埋めた跡かもしれないから避けて、適度に土が硬い場所を選んで掘るのがいいです」

 中村さまに教えられた注意事項を思い出しつつ、倉島さまの小さくうずくまった真っ白い裸の背中を見つめます。
 背骨の凹凸が綺麗にカーブを描いていて、なんだか艶めかしい。

「ジョセフィーヌさまのお尻は、拭いてあげなくていいのですか?」

 穴を掘り終え、いつもより少し少なめなそれをシャベルですくいつつ振り向かれた倉島さまが、以前の私と同じ素朴な疑問を投げかけてきます。

「麗子さんはペット飼ったことはないっておっしゃってましたね。ワンちゃんて排便するとき肛門から腸が少しお外に出るのですって。それで終わると体内に引っ込むから肛門は汚れないそうです」

 中村さまの受け売りをそのままお伝えする私。
 少し得意げだったかもしれません。

「そう言えば、街なかでのペットのお散歩でも犬のお尻を拭いている人なんて見かけませんもんね。へー、そういう仕組になっているんだ…」

 感心しきりな倉島さま。
 なんだか可愛らしい。

「終わったらジョセフィーヌさまは広場全体の巡回パトロールにしばらく出かけられますから、そのあいだに東屋へ戻ってシャベルを綺麗に洗ってから、次の準備に移ります」

 木立を出て東屋に向かうときには、倉島さまもすっかりリラックスされている雰囲気。
 胸も股間もまったく庇わない自然体で、暮れなずむ陽射しを全身に浴びつつ歩かれていました。

 倉島さまが水道でシャベルを洗われているあいだに、私はフリスビーの準備。
 小さめなポシェットにはジョセフィーヌさまのおやつ類だけを入れます。
 フリスビーと折りたたみの三脚は剥き出しにしてテーブル上に。
 トートバッグ内に残っているのはバスタオルと凍らせて溶けつつあるペットボトルのスポーツドリンク、肥後ずいきや木製洗濯バサミ数個など。

「ジョセフィーヌさまがパトロールから戻って来られたら、次は運動の時間です。フリスビー。麗子さんはフリスビーで遊んだことありますか?」

 倉島さまが洗ってくださったシャベルを軽く拭ってから、陽当りの良いテーブルの上に置いた後、私がトートバッグとポシェットを肩から提げて倉島さまと向き合います。

「あ、はい。中学の頃に何人かの友達と近くの公園でよく遊んでいました。でもあまり上手いほうではないと思うけれど…」

「それでもきっと私よりは全然上手いと思うな。それにジョセフィーヌさまは、どこに投げても全力で追いかけてくださるから大丈夫」
「ジョセフィーヌさまはまだ戻って来られないけれど、先に準備をしてしまいましょう。麗子さんはフリスビーと三脚だけ持ってきて」

 芝生のいつもの開けた場所へと、肩を並べて進む全裸女ふたり。

「三脚って、フリスビーしているところを撮影もするのですか?」

 少し戸惑っているような怪訝そうな面持ちで倉島さまが尋ねられます。

「そう。お姉さまたちが麗子さんにそのビデオカメラを託されて、バッグに三脚が入っているということは、撮影してきなさい、というご命令だから」

 ご命令、という表現にビクッと肩を震わせた倉島さま。
 お顔にも少し赤みが差してきています。

 それはそうでしょう。
 マゾ慣れしていない人にとって、自分の裸の姿が映像に残ってしまうということは、恥ずかし過ぎる一大事なのですから。

「でも心配しなくていいと思います。お姉さまたちは、その映像をネットで拡散したり誰彼構わずお見せになったりは絶対しないから。身内で見て愉しむだけです」

 ホッとしたようなお顔をされる倉島さまに、またイタズラ心が湧いてきてしまった私。

「でもそれをネタにしてバラ撒くぞとか脅迫して、個人的にえっちな要求を強要してくるようなお身内のかたはいるかもしれませんね」

 ご冗談めかして告げたつもりなのですが、心当たりのあるかたがおられるのでしょうか。
 困ったようなお顔をされてうつむいてしまわれた倉島さまの両乳首が、徐々に勃ち上がってきているのが間近に見えました。

 私たちが映るような位置に三脚を置いてビデオカメラをセッティングし、小さなポシェットだけ持って芝生にふたり並んだとき、タイミング良くジョセフィーヌさまが戻ってこられました。
 フリスビーは倉島さまが持たれていたので一瞬迷われたようですが、おやつのポシェットを私が持っているのに気づかれたのか私のほうへと駆け寄られ、私のおっぱいより少し下のお腹を前肢の支えにして後肢立ちになられ、私の脇腹や太腿をペロペロ舐めてくださいます。
 
 ああんっ、ジョセフィーヌさま、大好き…

「それじゃあとりあえず私がやってみましょうか。麗子さん、フリスビーを貸してください」

 倉島さまからフリスビーが手渡され、そのフリスビーをジョセフィーヌさまにお見せします。
 ブンブン千切れんばかりに激しく揺れるジョセフィーヌさまの尻尾。

「それではジョセフィーヌさま、よろしくお願いします。いきますよ、フェッチです」

 掛け声とともにからだをひねったバックスイングでフリスビーを思い切り飛ばします。
 私の剥き出しのおっぱいがブルンと盛大に暴れ、お尻に挿した尻尾もユラユラ揺れています。
 うまく投げられたみたいで、空高くかなり遠くまで飛んでいきました。

「ジョセフィーヌさまはあるじさまと英語で学習されているので、とってきてくださいはフェッチ、おすわりはシット、まてはステイです」
「それでジョセフィーヌさまがフリスビーを咥えられて戻っていらしたら、フリスビーを受け取りながら頭を撫ぜて盛大に褒めて差し上げてからこれを差し出します」
「ヘルシーチーズビスケット。ジョセフィーヌさまのご褒美おやつです。一回に2粒づつ」

「これを10回くらい、30分くらいを目安にくり返します。ジョセフィーヌさまが飽きてこられたら、ちょこんと座り込まれるので、そうしたら早めでも切り上げていいです」
「これが朝夕のジョセフィーヌさまとのお散歩の全行程です。戻るときはゴミも含めて全部持ち帰るのがお屋敷のルールです」

 私がご説明し終えるのを見計らっていたみたいに、ジョセフィーヌさまがフリスビーを咥えられて一目散に戻ってこられました。
 ジョセフィーヌさまからフリスビーを受け取り、フリスビーを一旦芝生に置いて右手でジョセフィーヌさまのフワフワな頭をよーしよーしとワシワシ撫ぜながら、左手のひらを開いてビスケットを差し出します。

 ジョセフィーヌさまのお鼻先が私の左手に突っ込まれ、私の手のひらがベロベロと舐められ私は背筋が軽くゾクゾク。
 この感触を早くもっとからだのあちこちの箇所で存分に味わいたい、と思ってしまいます。

「こんな感じだから麗子さんもやってみる?」

「あ、はい!ぜひやらせてくださいっ!」

 ジョセフィーヌさまがご褒美を味わい終えられ、もっと、という感じで私の顔を見上げられたので、倉島さまにお役目を振ってみます。

「ジョセフィーヌさま、今度はわたしからいきますよ?」

 フリスビーが倉島さまの手に渡ったので、私から数十センチくらい離れた倉島さまのもとへと尻尾をフリフリ近づいていかれるジョセフィーヌさま。
 倉島さまの性的興奮はすっかり鳴りを潜めたようで、両乳首はすっかり陥没されていました。

「それではいいですか?ジョセフィーヌさま。はいっ、それえっ、フェッチですぅ」

 倉島さまが満面の笑みと上ずられたお声で楽しげにフリスビーを放り投げると、青いフリスビーは高々と舞い上がり、それでもそれなりに距離も出そう。
 へー、倉島さまってフリスビーをフォアハンドで投げるんだ…
 投げる寸前に勢いよくバックスイングしたとき、形の良いおっぱいが突き出されるようにグイッと全開になって綺麗かつセクシーでした。

「うわー、一生懸命追い掛けてる。早い早い、可愛いっ!」

 はしゃぐ倉島さまにご褒美ビスケットをふたつ握らせ、ジョセフィーヌさまのお戻りを待ちます。
 やがて戻ってこられたジョセフィーヌさまは、迷うことなく倉島さまのほうへフリスビーを差し出されます。

 右手でジョセフィーヌさまの頭を撫でながら、左手のひらをベロベロ舐められている倉島さま。
 いやん、くすぐったーい、でもなんか気持ちいい、なんてきゃあきゃあはしゃぎながら、おそらくワンちゃんとの生まれて初めての触れ合いを満喫されているご様子。

 ご褒美を食べ終えお顔を上げられたジョセフィーヌさまが私のほうに、何かおっしゃりたげな視線をくださいました。

「明日からはそのかたがジョセフィーヌさまのお散歩のパートナーになります。仲良くしてあげてくださいね…」

 実際に声に出してジョセフィーヌさまにお願いすると、ジョセフィーヌさまは私のほうへゆっくりと近づかれ、私の股間を長い舌で一度だけペロンと舐め上げてくださり、また何事もなかったように倉島さまの元にお戻りになられました。
 あんっ、まるで何もかもわかっていらっしゃるよう…
 私のマゾ心に小さな火種が灯ります。

 幸い倉島さまの位置からは、私がアソコを舐め上げられたのまではわからなかったようで、ムラムラに火が点いた私の火照り始めた顔をキョトンとしたご表情でみつめられていました。
 その後、三投、四投は、ご褒美を手渡す以外、全部倉島さまにお任せしました。
 
 ジョセフィーヌさまに手のひらを舐められるたびにきゃあきゃあはしゃがれる倉島さま。
 そんなお姿を微笑ましくも羨ましく眺めていた私は、倉島さまが五投目を投げられた後、後ろ手に隠した自分の左手のひらにチーズ味のペーストをたっぷりとチューブから絞り出していました。

2024年9月15日

肌色休暇四日目~類に呼ばれた友 13

「あ、帰ってきたね。意外と早かったじゃん」

「あたし今頃、直子は倉島さんと泡まみれになってグッチョングッチョンにヤられてると思ってたんだけどね」

「新顔のM女相手でも直子はネコなんだ?」

 みなさまの失笑を誘う会話は、五十嵐さま、お姉さま、中村さまの順です。

「直子たちはまだ仕事があるから、アルコールはダメね。でもとくに直子は先生にあんなに責められて喉カラカラなんじゃない?これでも飲んで一息つきなさい」

 お姉さまのご指示でお姉さまと里美さまのあいだに座らされた私たち。
 お姉さまの隣に私、その隣に倉島さまで里美さま、の前に大きめなスポーツドリンクのペットボトルがそれぞれ置かれます。
 いただきます、と手に取って口をつけたが最後、一気にゴクゴクゴクと半分くらいまで飲み干してしまいました。
 倉島さまも美味しそうにゴクゴク飲まれています。

 そこへ厨房ホールのドアが開いて、寺田さまがお姿を現わされました。
 丈が短く胸元も大きく開いたバスローブのようなものを羽織られ、ウエストを緩く紐で結んでおられます。
 その下は、あれ?素肌?

「ふうーっ。カレーの仕込み、やっと終わった。突然9人分の仕込みなんて野球部のマネージャーにでもなった気分。みんな、今日の晩ごはんは想定外で準備していなかったからカレーだけだから。ごはんもたっぷり炊くしパンとフルーツもあるし、みんな好きなときに好きなだけ食べて、あとはアルコールでごまかして」

 大きなお声でそれだけおっしゃった寺田さまは、私たちのテーブル真向いのお席にどっかりと腰を落ち着かされ、缶ビールをプシュッと開けてゴクゴク飲み干されます。
 大きくはだけた胸元からたわわなおっぱいの丸みが半分くらい覗いています。

「あ、うち寺っちが作ったカレー大好物だからラッキー」

 お気楽なご感想を述べられたのは五十嵐さま。

「寺っち、今日はお疲れだねー。寺っちのいやらしいヨガリ声がこっちにまでガンガン聞こえてたよ。先生、ノってるみたいだね」

 中村さまがからかうようにおっしゃると、お疲れ気味なお顔で応えられる寺田さま。

「そうなのよ。さっきの直ちゃんの達磨縛りで先生の創作意欲に火が点いちゃったみたいでさ。時代物を始めっちゃって、女囚の折檻だ、身体検めだ、後ろ手縛りでイラクサ責めだ、肥後ずいき挿れろ、ってやらされて…まあ、アタシも気持ちいいから良いんだけどさ」

 寺田さまったら、あの後もあるじさまから執筆のためのモデルとして折檻を受けているみたい。
 だからあのバスローブの下は今でも裸で、そう言えば両手首やチラチラ見える二の腕両方にクッキリ縄痕が付いていらっしゃる…
 羨ましいと言うか、恐ろしいと言うか…

「あ、あなたが倉島さん?ようこそいらっしゃいませ。へー、これまた可愛らしい子じゃない」

 缶ビールを一缶飲み干されて二缶目を開けたときに、今気づいたというようにお声掛けされる寺田さま。
 バスタオル一枚のおからだをビクンと震わされ、おずおず立ち上がられた倉島さま。

「あ、はい。倉島麗子と申します。このたびはお招きありがとうございます。予定よりも早くお邪魔してしまって申し訳ありません。これから、えっと、数日間、よろしくお願いいたします」

 大げさにお辞儀をされバスタオルが外れないかとヒヤヒヤしましたが、無事再び着席されます。

「それであなたは、この直ちゃんに憧れているのね?」

「あ、はい」

 寺田さまが色っぽいニヤニヤ笑顔で私を見つめます。
 私は今さっき聞いたことで、あるじさまと全裸の寺田さまとのあれこれを妄想してしまい意味もなくドギマギ。

「でもほどほどにしておいたほうがいいかもよ、アタシが見たところ直ちゃんて天性の筋金入りな変態さんだから」

 私と倉島さまに向けてパチンとウインクされた寺田さまの艶っぽさに私はズッキュン。
 倉島さまは、そんなこと知っています、とでも言いたげに澄ましたご表情で私の裸を熱っぽく見ています。
 無言で私たちの様子をご覧になられていた寺田さまが気を取り直されるように缶ビールに唇をあてられ一口飲まれた後、みなさまを見回されておっしゃいます。

「そういうことで、いつまた先生からお声がかかるかわからないから、今夜のアタシは食事当番が出来ないってわけ。だからみんなよしなにやってね。晩ごはんの時間見計らってスイッチやコンロの火を点ければだいたい一時間ほどで出来上がる手筈にはなっているから」

 アタシの話はこれでおしまい、とでもおっしゃるように、お隣の中村さまに笑顔で何事か話しかけられる寺田さま。
 お話が一段落するのを待っておられたかのように、私にお話を振ってこられたのはお姉さま。

「そう言えばさっき里美から聞いたのだけれど、明日から来るシーナさん主催のご一行、ジャクリーンと小野寺さんはわかるけれど、あたしの知らない人まで直子のことは知っているって、どういうことなのよ?」

 問い詰めるようなからかっているような、全体的にイタズラっぽい雰囲気なお姉さまのご口調。
 お姉さまってば早々と、少し酔っ払われているかも。

「あれ?それで、えっと誰が来るんだっけ?」

 お姉さまの天然ボケに即答される里美さま。

「はい。シーナさんと艶美の小野寺さん、それにエステティシャンをやっておられるという若い女性がおふたり。あとセレクトショップをやっておられる店長さんと、そこでネイルアートを担当されている、確か小野沢さんとおっしゃる女性。それにわたしとレイコと運転手の本宮さんが飲み会に出席したメンバーでした」
「あとふたりくらい当日増えるかもしれないということと、アンジェラさんはご多忙でご欠席、ジャクリーンさんは一日遅れて参加される、とのことでした」

 エステティシャンをやっておられるおふたりとは、私の陰毛を施術していただいたとき、インターン扱いだったリナリナトリオのうちのどなたかおふたりでしょう。
 セレクトショップの店長さまというのは、私が裸コートで冒険した最後にシーナさまが連れてってくださった西池袋のお店の店長さまである古泉純さま、そこでネイルアートをご担当されていたのは、確か小野沢桜子さまというお名前だっだはず。
 あれ?でもこの裸コートのお話もお姉さまにはお話したような気もするけれど。

「ジャクリーンさんは別として、M女ぽいのはレイコしかいないみたいだから、レイコは覚悟しておいたほうがいいわよ、っていうお話でした」

 里美さまのご説明が終わり、みなさまがお姉さまにご注目されます。

「そうそう。そのセレクトショップの店長ていうのは何者なのよ?」

 わざとらしく問い詰めるように怒った演技をされるお姉さま。
 やっぱりお姉さま、愉しんでいらっしゃる。

「前にお話ししたと思いますけれど、お姉さまと知り合う前に、シーナさまに裸コートを見抜かれて連れて行かれた西池袋のセレクトショップの店長さまです。営業中の昼間のショップで丸裸にされておっぱいとアソコの土手にスキンアートを施されるところをご来店されたお客様にたくさん視られたっていう…」

 弁解している最中、我ながらとんでもなく破廉恥なことをしていたな、と思います。
 あれから古泉さまにも小野沢さまにも会っていませんが、今出会ったらどんな気持ちになるのでしょう。

「はいはい、何だか聞いたような覚えもあるわね。でも倉島さん、直子ってこういう女なのよ。誰にでも見せちゃって誰にでも弄らせちゃうど淫乱ど変態娘。まあ、男が死ぬほど苦手だってところに救いはあるけれど…」
「昨日だって、高校生の頃、年上のピアノの先生と乳繰り合ってたっていうのを聞かされたし、その先生は今でも立派なM女さんで先週ここで虐められてたっていうじゃない。まあ類は友を呼ぶっていうか、直子の周りにはドスケベと変態ばかりが集まってくるの」

 そこでワイングラスの白ワインをクイッと飲み干されたお姉さま。

「まあ、あたしもそのひとりで、おまけにネトラレぽいらしいからあまり気にしてないけれど倉島さん、直子に憧れるのもほどほどにしておいたほうが身の為よ。一歩でも間違うと即、人生破滅しちゃうからね。お友達は選びなさいよ」

 そこまでおっしゃってお姉さまが妖艶に微笑まれ、お話が終わります。

「はい。わたしはまだまだ直子さまの足元にも及んでいませんから、直子さまから性の愉しみ方やマゾヒストの真髄をどんどん学び取りたいと思っています」

 またまたリアクションに困ることをおっしゃてくださる倉島さま。
 ふと目を上げると五十嵐さまがビデオカメラをこちらに向けています。
 お姉さまは角田さまと、寺田さまは中村さまと本宮さまとご雑談、里美さまはスマホを弄っておられます。
 時刻は午後5時を過ぎて、まだ倉島さまのバスタオルを剥ぎ取ろうとするかたは、どなたもいらっしゃいません。

 倉島さまからの熱い視線を乳首付近に感じつつ、しばし過ぎ行く手持ち無沙汰な時間。
 中村さまが静かに席をお立ちになられ厨房のほうへ行かれたと思ったら、すぐに大きめのトートバッグを手に戻られました。
 あれはジョセフィーヌさまのお散歩セット。
 そのトートバッグがテーブルの上にドンと置かれます。

「そろそろ時間だから仕事の引き継ぎを済ませちゃいましょう。倉島さんに直子から説明してあげて」

 トートバッグを指差しつつの中村さまのご指示に、はいっ、と思わず立ち上がってしまった私。
 つられて倉島さまもビクッと小さく震えた後、おずおずと立ち上がられました。
 みなさまのご注目が集まる中、倉島さまと向き合います。

「えっと、お仕事というのはジョセフィーヌさまのお散歩です。あ、ジョセフィーヌさまというのは、あるじさま、名塚先生が大切にされているワンちゃんの女の子で、ゴールデンレトリーバーというフワフワなご犬種で、とても賢いワンちゃんさまです」
「朝の8時前と夕方の5時半頃から毎日二回、ここから歩いて10分くらいの広場までご一緒にお散歩して、そこでフリスビーとかで30分くらい遊んで差し上げる、というのがお仕事の内容です」

 他に何か付け加えることあったかな、と思いながら倉島さまのお顔を見ると、なんだか嬉しそう。

「わたし、ワンちゃんとかお猫さまとか何かペット飼ってみたいなって思っていたんです。実家では親が嫌がって飼えなかったから。中でもゴールデンレトリーバーって頭良いんですよね?気になっていた犬種だったからとても楽しみです」

 涼し気な瞳をキラキラ輝かせてワクワク顔の倉島さま。
 
「まあ、そんな感じね。今日の朝まで直子にやってもらっていたんだけど、明日の朝から帰るまでは倉島ちゃんにお願いするわ。で、これから直子に付いて行って段取りを覚えてもらうと」

 中村さまが何やら褐色のお飲み物をクイッと傾けられた後おっしゃって、急にイタズラっぽいニヤニヤ顔になられます。

「でも、肝心なことを教えていないんじゃない?」

 中村さまがからかうように私に尋ねられます。

「えっ?」

 ただただ戸惑う私。

「散步のときのM女の格好のことよ」

 中村さまが全裸の私をしげしげと見つめながらイタズラっぽくおっしゃいます。
 あっ、と、うろたえる私。
 今の私の姿を見れば、倉島さまも薄々お気づきとは思いますが…

「あっ、あのう…それで、お散歩のとき、あるじさまはジョセフィーヌさまでM女はペットですから、ペットの格好は基本、生まれたままの姿です…」

 申し訳無い気持ちで倉島さまに告げます。
 倉島さまの肩が小さくビクンと震えます。
 あわててつづけます。

「あ、でもこの辺り一帯はあるじさまの私有地なので、一般の人はどなたも入ってこられません。現に私の滞在中もお散歩中にお身内以外のかたには一切会っていませんし、ジョセフィーヌさまもリードを着けずにご自由に走り回られておられますから、裸でもまったく安全です…」

 弁解がましくお散歩の安全性を力説する私。

「でも露出大好き見せる子ちゃんな直子にとっては、視てくれる人がいないのが不満だから、必要以上にジョセとイチャイチャしては全身をジョセの足跡だらけにして毎日帰ってきてたんだよね?」

 ビデオカメラのレンズをこちらに向けられた五十嵐さまから、からかうように決めつけられて、私はあまりの恥ずかしさでみるみる赤面。
 倉島さまも驚いたように私を見ています。

「直子の見解は基本的に合っているわ。それで直子は倉島さんをどう指導するのかしら?」

 中村さまがイジワルっぽく真面目なお顔で私に詰問されます。
 そのとき私は理解しました。
 みなさまは、私の手で倉島さまのタオルを剥ぎ取ることをご期待されているんだ、と。

「麗子さん?ちょっと失礼します…」

 私の右手が倉島さまの胸元に伸び、倉島さまが胸元を押さえられるより一瞬早く、私の右手がバスタオルの折り目を掴んで、そのままスルスルと剥ぎ取りました。

「きゃっ!」

 ひと声叫ばれた倉島さまが、遠ざかってゆくバスタオルを恨めしげにご覧になりつつ、すかさずヴィーナスの誕生ポーズ。
 おっぱいを庇っている右腕から零れ落ちている右乳首はしっかりと尖っていました。

「おおっ、必死に隠しちゃって、初々しいねえ」
「今じゃ何もかもおっ広げな直子とは大違い」
「それにしても倉島ちゃんて肌、白いよねえ」
「肌の白い人って陽焼けすると赤く染まっちゃって痛々しいんだよね」

 みなさまがご勝手なご感想を述べられる中、里美さまだけがワザとらしく怖いお顔をお作りになり、首を左右にゆっくり振られます。
 それをご覧になられ、観念したようにゆっくり両手を頭の後ろに持っていかれる倉島さま。

「ふうん、里美もちゃんと躾けているじゃん。どう?倉島ちゃんの伸びしろは?」

 お姉さまが嬉しそうに里美さまに尋ねられると…

「有望だと思いますよ。直子の域までいくのはまだまだですけれど」

 ここにいるみなさま、私がリアクションに困るコメントしかしてくださいません。
 そうしているあいだにお姉さまのお綺麗な顎が私に向けてクイッと上向きに動かれ、私もすかさずマゾの服従ポーズ。

「うわっ、一気にこの場が性奴隷市場みたいに艶かしくなっちゃった」

 五十嵐さまがお独り言みたいにそうつぶやかれると、中村さまが茶化すようにその後をつづけられます。

「ねえねえ、寺っちも裸になって同じポーズでそこに並んでみてよ。見比べてみたい」

 そんな破廉恥なご提案に嬉々としてノられる寺田さま。

「おっけー」

 スルスルっとローブを脱がれて一糸まとわぬお姿で私の横に並ばれました。

「うわっ、何て言うか、壮観だね」
「うん、ビフォアアンドアフターって言うか、使用前使用後みたいな…」
「M女ってこういうふうに進化していくんだね」
「寺っちの肌のあちこちに残っている縄の痕が淫靡…」
「みんな思わず虐めたくなるからだだよね…」

 みなさまお好き勝手なご感想を述べられています。
 
 真っ白いおからだで本当に恥ずかしそうにポーズを取られる倉島さま。
 全身陽に焼けて、何もかもさらけ出して、それでもやっぱり恥ずかしい気持ちのままポーズを作る私。
 視たいなら視ればいいわ、とでもおっしゃりたげに自信満々で淫猥な陽焼け跡と縄痕を魅せつけられるようにポーズをお取りになられる寺田さま。
 確かにM女の行き着く先は、こんな進化を遂げるのかもしれません。

「で、そろそろ時間だから、M女デビューの倉島ちゃんを生温かく送り出しましょう」

 中村さまが茶化すようにおっしゃったとき、大広間のどこからかトゥルトゥルと電子音のような音が小さく響きました。

「あ、内線、先生からだ」

 寺田さまがいち早くご反応され、厨房近くの壁に掛かった電話機に全裸のまま取り付かれました。

「あ、はい、寺田です、あ、はい、はい、あ、えっと、直子、いえ、オナ子は午後に帰るはずだったのですがまだいまして、これからジョセフィーヌの散步です、新しいM女が予定外に今日来まして、散步のレクチャーも兼ねて…あ、はい、アタシは全然大丈夫です、あ、はい、すぐに馳せ参じます…」

 ご従順な下僕のように受け答えされるご様子と、そのダイナマイトボディとのギャップがアンビバレントな寺田さま。
 私もお姉さまと、名塚先生と寺田さまのようなご関係になりたいなと、ふと思います。

「聞いての通り、アタシは先生の下に戻るから、あとはよしなにね。解放されたらまたみんなと飲むからね」

 それだけ言い残されて寺田さまは全裸のまま奥の通路にそそくさと消えていかれます。
 取り残された真っ白と陽焼け肌、ふたつの全裸。

「そろそろ出発だから、おめかししてあげましょう」

 中村さまがご冗談ぽくおっしゃり、まずふたりの首輪にそれぞれ麻縄に似たリードが取り付けられます。
 先端は持ちやすいように輪っかになり、ふたりとも股間の下20センチくらい余る長めのリードです。

「それから直子にはこれね」

 今朝方着けられたネコミミカチューシャとキツネさんの尻尾プラグ。

「今はさすがに浣腸はしないであげるけど、絶対に抜いては駄目よ」

「はうっ、んーっ!」

 カチューシャをかぶせてくださった後、なんの準備もしていなかった私の乾いた肛門に無理矢理プラグを捩じ込まれる中村さま。
 少し痛かったけれど、それを嬉々として飲み込んでしまう私のお尻の穴。

「それで、あなたにはこれを貸してあげる」

 五十嵐さまが倉島さまに手渡されたのはハンディビデオカメラ。

「散步のあいだ、直子が色々恥ずかしいことをすると思うけれど、倉島ちゃんはそれをしっかり目と映像に焼き付けて、一歩一歩立派なM女に近づきなさい」

 お姉さまが真面目なお顔で倉島さまにおっしゃると、倉島さまもうんうんと神妙なお顔で頷かれています。
 
 時刻は夕方5時半ちょっと前、仲良く首輪とリードにサンダルだけの全裸、あ、私はネコミミとアナルプラグも着けていますが、なふたりは、みなさまに見送られてお外へと放り出されました。