2023年4月9日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 13

 スカートのウエストのところのボタンを外し、下ろしながら右脚、左脚とサンダルを引っ掛けないように抜きます。
 これで下半身は剥き出しの丸出し。
 脱いだスカートは五十嵐さまの右手が伸ばされて没収されました。

「んんっ!」

 そのまま便座に腰を下ろすと同時に、股間から水流が勢い良くほとばしり出ます。
 本当にがまんギリギリでした。

「ほら、もっと脚開いて。指でラビアも広げて、オシッコが出てくる穴までうちにちゃんと視せなさい」

 五十嵐さまから、私の股間にお顔を近づけ見下ろしつつのご命令。

「…は、はい…」

 ほとばしる水流に触れないよう右手を上から伸ばし、チョキの形にした指を恥丘に添えて陰唇を押し広げます。
 潤んだ粘膜が直に空気に晒されているのがわかります。

「左手はブラウスの裾を持って、おへその上まで捲くり上げるの。女性器周辺が全部よーく見えるように」
「うつむかないで、視線はこっちよ」

 五十嵐さまのご容赦ない追い打ちのご命令で私の下腹部はおへそから下まで全部丸出しに。
 そこをじっと視つめられる五十嵐さまの視線通りの映像が、カメラで記録されているはずです。

 ジョボジョボと音をたててほとばしる水流は、なかなか止まりません。
 放出の快感と視姦されているという羞恥がないまぜとなり、下半身全体が熱く火照ってしまいます。

「直子、ずいぶんいやらしい顔になってる」

 全体像を撮るためでしょう、一歩下がって私を見下ろす形の五十嵐さまが、からかうみたいにおっしゃいます。
 永遠につづくかと思われた放尿もやがて勢いを失い、チョロチョロっと断続的に数回垂れて沈黙しました。

 それでもお許しがないので、裾をめくったまま陰唇を拡げている私。
 その姿をニヤニヤ数十秒見つめて、つまり録画した後、やっと五十嵐さまから次のご命令。

「終わったみたいね。じゃあマンコ周辺をビデでよく洗いなさい。スケベ汁で濡れた内腿まで念入りにね。こっから先はずっとノーパンで過ごすことになるから」

 ビデのスイッチを入れると数秒置いてから勢いよく飛び出た水流。
 押し拡げた膣穴にジャストミートなほとばしりに思わず、アんっ、と淫声が洩れてしまいます。
 腰を少しくねらせて内腿に垂れた愛液も拭ってもらいます。

 そんな様子をじーっと見つめてこられる眼鏡越しの熱い視線。
 それはすなわち、デジタルで永久的に記録されてしまう私の痴態ということなのです。

「そんなもんでいいか。じゃあ紙で軽く拭いてからブラウス下ろしていいよ。余計なとこは触らないでね」

 いたずらっぽく五十嵐さまがおっしゃり、私に赤いラップスカートを差し出してきます。
 いつの間にかボタンが全部外されて、一枚の細長い布片に戻っていました。

「本当はここで声を殺してのオナニーとかも撮影したいところだけど、時間も限られてるしハッシーも待たせちゃってるし」
「ここはこれくらいにして、次の辱めに移りましょう」

 すごくご愉快そうにヒソヒソ声で告げる五十嵐さま。

「スカート着けていいよ。シャツはインで、あとスカートのボタンは上から3つまでね」

 そう促されて立ち上がり、剥き出しの下半身に赤い布片を巻きつけます。
 ご命令通りに、前開きのボタンをウエストから順に三つまで留めていきます。

 そうすると、ちょうど恥丘の上辺りにある四番目のボタン以降がノーガード。
 ちょっと大きな歩幅で歩いたり、正面から強めの風を浴びたら、いともたやすく割れてしまい無毛の恥部がさらけ出されてしまうことでしょう。

 そんな私の立ち姿を五十嵐さまが眼鏡越しにじーっと見つめられています。
 と思ったら、つかつかと近づいて来られ、私の両肩に両手を伸ばされました。

「もうこれもいらないわね」

 おっしゃると同時に両肩からボレロが剥がされ、くるくるっと丸めて五十嵐さまのバッグへ。
 代わりに私のポシェットを、今や正真正銘薄物ブラウス一枚となってしまった私の肩に、おっぱいスラッシュの形で掛けてくださいました。
 
 これで私は上下とも薄物一枚づつ、絆創膏で隠されたノーブラ、肝心なところのボタンを留めていない頼りないノーパン姿。
 こんな格好でまた人混みを歩くんだ…
 ポシェットのショルダーベルトを直そうとして何気無く首輪に触れたとき、諦めが呼ぶ開き直りのような興奮がゾクゾクっと背筋を駆け上りました。

「よしっと。それじゃあ出よっか」

 ご自分のお荷物を肩から提げ、おトイレの鍵に右手を掛けられた五十嵐さま。
 空いた左手で私の右手を握られます。
 扉を開けると同時にグイッと引っ張られ、個室を出た途端にあっさり手が離されました。

 そのままおひとりでスタスタと出口近くの洗面スペースに向かわれる五十嵐さま。
 トットットとつんのめるように個室を出て取り残された私。

 顔を上げると洗面スペース近くに順番待ちの行列が4、5名。
 学生さん風や奥様風でみなさまお若い感じ。
 ふたりだけの世界からいきなり公衆の面前、日常の空間に放り込まれ、そんなみなさまが一様に怪訝そうなお顔つきで私のほうを見ていました。

 それはそうでしょう。
 おトイレ個室から若い女性がふたり、連れ立って出てきたのですから。
 
 スウェット上下で黒縁メガネな五十嵐さまの後ろから現われたのは、上半身透け気味な薄物ブラウスのパイスラ仕様、首に赤い首輪を巻いて頬を上気せている、いかにも情事の後然とした私。
 五十嵐さまは平然と洗面スペースで手をお洗いになっていらっしゃいますが、私はその侮蔑まじりな好奇の視線でどんどん自虐的に興奮してきていました。

 今の私の格好は自分が望んだ姿…私は視られたがりの露出症…視られることで性的に高揚するヘンタイ…
 だから視ていただけることに感謝しなければいけないんだ…

 今日のアウトレットへのドライブ中から今まで、たてつづけの公衆の面前での辱めが許容を超えてしまったのか、今の私は露出マゾとしての自分に酔い痴れつつありました。
 もっと視てください…いやらしい姿を視て蔑んで、変態痴女って罵ってください…

 顔をまっすぐ上げ、比較的大きな歩幅のモデルウォークで、洗面スペースまでゆっくり歩きます。
 みなさまの視線が私に釘付けとなり、その視線が好奇から驚愕、呆気、軽蔑、冷笑とさまざまに変わっていくのがわかります。

 5月連休中のお姉さまとの露出ショッピングや6月のファッションショーでの出来事など、これまでに受けた恥辱のあれこれが脳裏にまざまざとよみがえっていました。
 ああん、いっそのこと乳首の絆創膏も取り去って、いやらしく尖った乳首も視ていただきたい…

「ほら、直子もさっさと手を洗って、先にいくよ」

 五十嵐さまにびっくりするほど通るお声でご叱責され、ビクッとした拍子で私に少し理性が戻ります。
 見ると五十嵐さまは内開きドアからおひとりで出る寸前。

「あ、はいっ、待ってください…」

 私も大慌てで手を洗い、濡れた手のまま大急ぎで五十嵐さまを追いかけました。

 お手洗いから出るとそこには人、人、人…
 午後になって明らかに人出が増えたようで、いかにもショッピングモールという風景。
 理性が少し戻った私は、やっぱり恥ずかしさでうつむきがちになってしまいます。

 合流を約束したカフェの前では橋本さまが所在無さげにスマホを弄られていました。

「お待たせー」

「ずいぶんと長いお籠りだねー。10分以上だったからイベント2つもクリアしちゃったぜ」

 橋本さまがからかうようにおっしゃってスマホの画面を見せてきます。

「悪い悪い、直子が調子に乗っちゃってさー。オナニーまで始めようとするのを無理やり引っ張ってきた」

 五十嵐さまも軽口で返されます。

「さあ、あとはさっさとおつかい済ませて、どこかでゆっくりと直子を晒し者にしましょう」

 五十嵐さまがご自分のバッグから紙片を取り出されます。

「直子は先生からの依頼品をゲットすること」

 歩きながら振り向かれ、私にその紙片と一万円札を一枚渡して来られました。

「で、撮影はハッシーね。うちは虫除けスプレーとか他に買うもので別行動するから」

 黒縁メガネを橋本さまに渡される五十嵐さま。
 黒縁メガネを早速かけられたヤサ男風な橋本さまのお顔は、失礼ですが一層いかがわしさが増している感じ。
 橋本さまはハンディビデオカメラをリュックにしまいこみ、両手をポケットに突っ込んで私を見つめています。

「買うところをしっかり撮影してね。直子はお店に入ったら探さずに、真っ先に店員さんに商品名を告げて売り場まで連れてってもらうこと」
「男性が側についていると、いかにも調教って感じになりそうじゃない?ハッシーは無言で終始ニヤニヤ笑って見てればいいよ」

 名塚先生から渡されたという紙片メモには、買うべきものが事細かに書かれていました。

 お浣腸薬はメーカーと商品名の後に、30g×10、40g×10
 避妊具もメーカーと商品名の後に、002 12×3
 ローションもメーカーと商品名の後に、360ml×2

 どれも女性が買うには恥ずかしいものばかり。
 その上、この組合わせでこの量を買うなんて、この人は一体どんな生活をしているんだろう、って絶対思われそう。

 紙片メモを確認して一万円札と一緒にポシェットに押し込んだ後、こう思うことにします。

 これは私へのお仕置きなんだ…
 恥ずかしい姿で恥ずかしい買い物をして、みなさまに私がどんな女なのかわかっていただいて、蔑んでいただくための…
 だって私は本当にそういう女なのだもの…
 
 ドラッグストアは、アウトレットにいくつかある出口のひとつ近くの一画にありました。
 私たちが駐めた駐車場とはまた違う駐車場の側なので人の出入りも激しく、行き来が一際激しい一帯。
 そんな中を私はメガネをかけた橋本さまと横並びで進み、やがてガラス張りのドラッグストアへ。

「じゃあ、うちは自分の仕事済ませちゃうから。直子はくれぐれも言われた通りに、ね」

 五十嵐さまがお店の奥に消えていき、入口自動ドア付近に取り残された私と橋本さま。
 お店はあまり広くなく都心部の大きめなコンビニくらいの感じで、数名のお客様かたが右往左往されています。
 橋本さまは何もおっしゃらず、ニヤニヤ笑いで私の顔や全身を眺めていらっしゃいます。

 ご命令を守るべくスタッフさまはと見回すと、お会計であろうお薬処方のカウンターにご中年のおばさまがおひとりと、お品出しをされているっぽい若めな男性がおひとり。
 出来れば男性にはご相談したくないし、女性、それもご年配のスタッフさまのほうがいいなと思っていたら、お薬処方のおばさまにお客様が付いてしまいました。

 仕方ないので男性に聞くしかないか、とお買い物カゴを取って奥へ進んでいくと、棚に隠れて見えなかったところにもうひとり、女性のスタッフさま。
 こちらもお若い感じですが、男性より女性のほうがずいぶん気分的にラクです。

「あ、あの、恐れ入ります…」

 おずおずとお声をかけると、芳香剤をお品出ししていたその女性のお背中がビクンと震え、あ、はい…というお声とともにこちらを向いてくださいます。
 二十代半ばか少し上くらいの落ち着いた感じの美人さんでした。

「あ、あの、お、お通じのお薬はどこにありますか?」

 やっぱりお浣腸という言葉は口に出せず、口ごもりながら早口で尋ねてしまう私。

「えっ、お習字…ですか?」

 怪訝そうな女性の視線が私の顔から首輪へと移動し、胸元を凝視した後下半身へ移り、それからまた首輪へと戻ります。
 それからじっと曖昧な笑顔で私を見つめる女性。
 明らかに引いていました。

「あ、いえ、あの、お浣腸です。お浣腸のお薬はどこにありますか?」

 沈黙に耐えられず、思わず恥ずかしい商品名を早口で口走る私。
 こんな至近距離ならば透け気味なブラウスの下には何も着けてなく、乳首に絆創膏が貼ってあることまでわかってしまったことでしょう。

「ああ、それなら突き当たって右側のあちらの棚になります」

 女性スタッフさまがお店の奥、突き当りを指さされ、その指を少し右側へと振りました。
 そのお声はいたってお優しげでしたが、私を見る視線に苦笑のような冷笑のような、呆れているニュアンスが感じられました。

「あ、ありがとうございます…」

 小声でつぶやき逃げるようにスタッフ女性さまから離れる私。
 その傍らを橋本さまがニヤニヤ笑いのままついてこれらます。
 突き当りを曲がるときそっと背後を窺うと、女性スタッフさまはまだ私のほうを見ていました。

 お浣腸薬はすぐみつかりました。
 私にとっては見慣れたパッケージ。
 30g入10個の青い箱と40g入10個の薄紫の箱をお買い物カゴに入れます。

 近くに避妊具も置いてあれば、スタッフさまにお尋ねしなくても買えるなと思ったのですが、残念ながらお浣腸薬周辺には消化器系のお薬ばかり。
 ということで、こちらもスタッフさまにお尋ねしなければいけないことに。

 当然のことながら私は今まで自分で避妊具の類を購入したことがありませんでした。
 お姉さまやシーナさまとの遊びの際に、オモチャにそういうものをかぶせて使われたことは何度もあるのですが、主に使われる用途が用途ですからあまりよく研究観察する気にもなれず、どんな箱でどんなふうに売っているのかも知らないままでした。

 あの女性スタッフさんには、すっかり呆れられてしまったようなので出来れば他のスタッフさまに、と思うのですが、このお店のスタッフさまは、お薬処方のおばさまと男性と女性スタッフさまの計3名だけみたい。
 やっぱり男性よりは、ということで再び女性スタッフさまのもとへ。
 女性スタッフさまはまだ、芳香剤の棚のところで何やら作業をされていました。

「あ、あのぅ、もうひとつお聞きしたいのですが…」

 消え入りそうな声を投げかけつつ近づく途中で、女性スタッフさまがお顔を上げられ私を見ます。
 橋本さまを引き連れて戻ってきた私のお買い物カゴの中には大量のお浣腸薬。

 女性スタッフさまは、カゴと私の首輪と、傍らの橋本さまを交互に眺め、今度はなぜだかご愉快そうに、ニコッ、と微笑まれます。

「はい、なんでしょう?」

 あからさまな作り笑いには、あなたたち、そういう妖しい関係なのね、という見透かすような冷やかすような雰囲気が感じ取れました。

「あの、ひ、避妊具の売り場は…」

 思い切っての早口でお尋ね。

「避妊具?あ、コンドームで宜しかったでしょうか?」

 女性スタッフさまってば、イタズラっぽくからかうみたいにおっしゃいます。

「あ、は、はい…」

「それでしたら今度は突き当たって左。処方カウンター脇の棚にございます」

「あ、ありがとうございます…」

 もはや遠慮無しに私のからだを見つめてくださる女性スタッフさまの視線。
 絆創膏を貼られた乳頭付近とボタンの外れた恥丘付近を布越しにじっくりと舐めるように視られ、最後に首輪と顔を凝視。
 それからフッと目を逸らされ、フフンと蔑むように笑われました。

 その途端、カーッと体中の血液がさんざめき、逃げるようにお店の奥へ。
 火照った頬が被虐に震え、間違いなく性的な快感を感じていました。

 避妊具はどれも綺麗な箱に入れられて売られていました。
 その中からご指定のメーカーの0.02と書かれた箱を12個入りというのも確認して3箱、カゴにいれます。

 幸い避妊具コーナーの横がローションコーナーでしたので、ローションもメーカーを確認しつつ360mlを2本カゴへ。
 これでミッション完了です。
 あとはお会計を済ませるだけ。

 カゴの中には大きなお浣腸薬の箱2つと避妊具が3ダース、それにローションの太いボトルが2本。
 こんな組み合わせのお買い物って、まさしくヘンタイ以外の何者でもない気がします。
 でも一刻も早くこの場から立ち去りたい一心で、お会計の場であろうお薬処方のカウンターへ急ぎました。

 カウンター前にはおふたり、先客さまがいらっしゃいました。
 お会計中のおひとりは処方箋を出してお薬を見繕っていらっしゃる最中らしく、カウンターのおばさまがカウンター内で忙しくしていらっしゃいます。

 私の前のお客様はお買い物カゴに芳香剤やシャンプーなどをまばらに詰めて並んでらっしゃる、少しご年配のご婦人。
 その次が私なのですが、そうこうしているうちに私の後ろにもお客様が付きました。

 歯ブラシ2本と歯磨き粉を手に持たれた学生風のお若い女性なのですが、そのかたがどうも私のカゴの中身に気づいてしまったようでした。
 列から少しずれて私の顔を見ようとしているのが気配でわかります。
 
 橋本さまは列から少し離れたところで、おそらく行列全体を撮ろうと思われているのでしょう、相変わらずのニヤニヤ笑いで眺めていらっしゃいます。
 私はひたすらうつむいて自分の番が早く来るのを待つしかありません。

 ようやく私の番となり、カウンターにお買い物カゴを置きました。
 そのときのレジのおばさまの驚いたようなお顔。
 
 カゴの中身を見て、私を見て、首輪に気づいて、上半身を見て…
 驚いて、呆れて、曖昧な笑顔が冷笑に変わって、見透かしたようなお顔に変わり…黒いビニール袋に商品を入れつつの、おばさまの心の動きが手に取るようにわかりました。
 
 商品を受け取った私は、文字通り逃げるようにお店を後にしました。
 商品の合計額が一万円払っても小銭しか返ってこないくらいの金額だったのにも驚きつつ…


2022年11月6日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 12

 五十嵐さまのお言葉に甘えて、元の席の椅子にスカートごと座ってしまう私。
 生尻で直に座るより座面を汚さないであろうという判断です。

「理不尽な命令に嫌がるようなフリはするクセに、結局受け入れちゃうところがいいよね。それもけっこう嬉しげ愉しげに」

 同じ目線の高さとなった五十嵐さまが身を乗り出されるようにされ、話しかけてくださいます。

「うちもけっこう幼い頃から屋外露出には興味あったんだ。最初に触れたエロものがそういうシチュだったから。近所の畑に捨ててあったエロ本。小四だったかな…」

「もちろん男性向けの雑誌で今思えばえぐい内容の調教物だったんだけどね。外で恥ずかしい格好させられている女の子たちの切なげな表情が、なんて言うか、凄く儚げで綺麗だと思ったんだ…」

「外で裸にされて見知らぬ人たちににジロジロ視られたらどんな気持ちになるんだろう、って思うけど、でも、自分でやる勇気なんてないから、漫画描いて発散してんだよね、昔から絵を描くのが好きだったから…」

 お言葉を選ぶように途切れ途切れに、照れ臭そうにおっしゃる五十嵐さま。

「だから今日は直子と、って言うか、直子で遊べてすっごく愉しい。うちが頭ん中であれこれ思い描いていた妄想が現実に目の前で起こるんだもん。感謝してる」

 あらためてお礼を告げられると私のほうこそ照れ臭いのですが、逆にそれだけ露出に思い入れがあるとすれば、これから私は何をさせられちゃうのか、少し怖い気もしてきます。
 五十嵐さまがつづけて何かおっしゃろうとしたとき、橋本さまが悠然と戻っていらっしゃいました。

「お待ちどうさん」

 戻られた橋本さまはまず、テーブルに置かれたご自分のビデオカメラを大事そうにお手に取られ、その代わりにたたまれたメガネ状の物体をテーブルに置かれます。

「へー、これがスパイカメラなの…」

 横細な四角いレンズの黒縁素通しメガネ。
 つるのところが少し太い感じですが、メガネレンズの幅に合わせた感じでデザイン的にはマッチしています。

 五十嵐さまは物珍しげにお手に取られてしげしげとご覧になっておられますが、私は既に経験者。
 リンコさまのお部屋で行なわれた夏休み女体観察会で、同じようなメガネをかけられたお子さまたちにさんざん撮影されました。

「カメラのレンズはどこにあるの?」

「フレームの眉間のところ」

「ああ、ちょこっと凹んでる。でもぱっと見じゃわかんないね」

「充電フルだから回しっぱなしでも一時間くらいは保つはず。使いたいときは言って」

 五十嵐さまがメガネ型カメラをテーブルに戻されて、橋本さまがそれをご自分のウエストポーチに仕舞われます。

「そんじゃあカントク?ご指示を。我々はカントクの仰せのままの下僕ですから」

 橋本さまがお芝居っぽく茶化すようにおっしゃいます。

「うーん、迷ってるんだよね。買い物もしなきゃいけないし、撮影場所も探さなきゃなんないし…」

 座ったまま頬杖をつかれ、本当にお悩みなご様子の五十嵐さま。

「ドラッグストアって、どこにあるの?」

 橋本さまが五十嵐さまにお尋ね。

「うーんと、ここからだとちょっと距離あるかな?通りから車で入ってきたあの入口の辺り」
「頼まれた買い物もけっこう嵩張りそうだから、買うのは最後でいいかな、とも思ってるんだけど…」

 それきりまた黙り込んでしまわれる五十嵐さま。
 やがてお顔を上げられて橋本さまにお尋ねになります。

「ハッシーのそのカメラって、ううんメガネじゃないほう、ってズーム、どれくらい?」

「光学で50倍」

「それって10メートルくらい離れてても表情までくっきり写るの?」

「そのくらいの距離なら余裕でラクショーだね」

「うちが考えてるのは、そこそこ人通りのある場所に直子をひとり放置して、うちらが遠くから隠し撮りみたいに撮影するプランなんだけど、どこで撮ればいいのか、場所が浮かばないんだよね」

 五十嵐さまが、ひとり放置、なんて何やら不穏なことをおっしゃって、私の背筋がゾクッと震えます。
 五十嵐さまのお話が途切れて少しの沈黙の後、橋本さまがいつになく真面目なお顔でご自分のお考えを述べ始められました。

「なるほど。それだと姫をどこに置くかじゃなくて、俺らがどこから撮影するかを考えたほうが早いよね」
「たとえばこの場で、姫を10メートル先に立たせてここからカメラで狙っても、隠し撮りにはならないわな。姫にカメラ向けているのが周りから丸見えなわけだし」

「かと言ってどこかのお店の中からとかは建物内撮影禁止でNG、となると俺らの車から狙うしか無いんじゃない?つまりは駐車場周辺」

 理路整然とお話を進められる橋本さま。

「駐車場内なら車は動かせるし、移動しちゃってもチーフたちとの合流はケータイでどうにでも連絡つくし」
「となると、まずは買い物済ませて、嵩張る荷物はいったん車に置いて、それから駐車場周辺でロケーションするのが最適解なんじゃないかね」

 淡々とお話される橋本さまを、爛々としたまなざしで見つめられる五十嵐さま。

「何ハッシー?美大中退のクセに理系脳だったの?」

 嬉しそうに幾分ご無礼なことを口走られる五十嵐さま。

「それ採用。それで全部うまくいきそう。ハッシー段取りの天才。そうと決まればレッツでゴー!」

 勢い良く立ち上がられる五十嵐さま。

「ほら、直子も」

 五十嵐さまに軽く左肩を叩かれ、私もビクッとしつつ立ち上がります。
 すると五十嵐さまの右手が私の胸元へと伸ばされ、ボレロカーディガンの結び目リボンがスルスルっと解かれます。

「あっ、いやんっ!」

 ハラリと左右に割れた短いカーディガンの布地の下に、私のスケスケおっぱい。
 ブラウスの布地は乾いていて透け具合もそれほど露骨ではないのですが、膨らみ始めから下乳まで、その全貌が白くて薄い布地越しに薄っすら浮かび上がっています。
 思わず胸元を両手で庇う私。

「大丈夫よ、乳首は絆創膏で隠したのっぺらおっぱいだもん。目線を惹くアクセントになるような色味や突起が無いから見た人も、なんだベージュの肌着か、くらいにしか思わないって」

 他人事ですから、思い切り楽観的なご意見を述べられる五十嵐さま。
 私の左手首が五十嵐さまの右手で掴まれ、胸元から強引に引き剥がされます。

「いい?これからドラッグストアまで歩いていくけど、直子はおっぱいを一切隠してはダメ。そうね、後ろ手に組むくらいの感じで付いてきなさい」
「もしも命令に背いたら、もっとひどいことになるから。その絆創膏剥がしてブラウスまで脱がせたり…」

 心底愉しそうにご命令くださる五十嵐さま。
 そのご無体なご命令に、私の心も着々とドマゾモードへと移行しています。
 橋本さまのハンディカメラがいつの間にか少し離れた位置から、私を被写体にして撮影を再開されています。

「それじゃあ移動しよっか」

 五十嵐さまが私のスマホをポシェットに収められ、パイスラ仕様に掛けてくださいます。
 ブラウスの布地がポシェットのストラップで押さえ付けられ、私のおっぱいの谷間が割られて膨らみが殊更強調されてしまいます。
 橋本さまは私たちの前へ横へと撮影アングルを工夫されつつ歩調を合わされています。

 フードコートの建物を背にし、芝生の広場をもう一方の建物側へと進む私たち。
 やがてモールの通路へと入ると、擦れ違う人たちがグンと増えてきました。

 お洒落な雑貨を扱われているお店が立ち並ぶ、広い通路を行き交う老若男女。
 派手な服装の男性が構えるビデオカメラに誘導されるようにゆっくり歩く女性ふたり連れに、幾人かの人が好奇の視線を投げかけてきます。

 完全に左右に割れてしまい役立たずのボレロカーディガン。
 乳首は隠されているとは言え、気分的にはおっぱい丸出しで歩いているも同然なのですが、そんなの何も気にしていない、というフリを必死に装い、モデル的無表情で歩を進める私。

 そしてこのとき私にはもうひとつ、差し迫った懸案事項が浮上していました。
 お姉さまがくださったカシスオレンジのせいではないのでしょうが、急に尿意が高まってきてしまっていたのです。

 でも下手に、おトイレに行かせてください、なって頼んでしまうと、より一層ご無体なご命令、例えば物陰に連れて行かれて、ここでしちゃいなさい、みたいな事態にもなってしまいそうなのでガマンしていました。
 
 だけどガマンし切れなくて歩きながらお漏らししてしまっても結果は同じ…いえ、もっと悲惨なことになるかも…
 どうしようか、と内心悶え苦しんでいます。

 モール通路を進んで道路からのお車の出入口近くまで辿り着くと、ショッピングモール全体の出入口のひとつでもあるようで、前にも増して行き交う人が増えてきました。
 そんな一画にある東京でも有名なカフェチェーン店の前まで来たとき、五十嵐さまが私を振り返りおっしゃいました。

「ちょっとトイレ行ってくるけど、直子も行く?」

 えっ?これは奇跡?想いが通じたの?

「は、はいっ!」

 思わず大きな声でつんのめるようにご返事。

「あ、んっじゃあ俺も」

 橋本さまもご便乗されます。

「で、ハッシーさ、スパイカメラっていうの貸して」

 やっぱり一筋縄ではいかれない五十嵐さま。

「ああ、そういうことね。ほい」

 何を察されたのか、あっさりとメガネ型カメラをお渡しになる橋本さま。

「それ、実際の自分の目線よりも下気味に撮影されるから、対面で撮るなら若干顎を上げ気味にしてたほうがいいよ」

 何度か使われていないとわからないはずの適切なのであろうアドバイスまでくださいます。

「録画オンにしたから、行っといで。またこの店の前で合流な」

 五十嵐さまがメガネをかけられ、私を見つめてきます。
 黒縁メガネ姿の五十嵐さまは、知力がグンとアップした感じで、なんて言うか、お召し物が上下スウェットなので、体育の授業を抜け出してきた名門高校生徒会副会長という感じ。
 サイドに流された髪の毛でメガネの太めなつるも隠れ、不自然さはありません。

 カフェを素通りして少し行くと男女隣り合わせのお手洗いがありました。
 ドア前に並ぶ行列もなく、橋本さまと別れて女子トイレに入ります。

 中にはおふたりほどの先客さま。
 ご中年であろう派手めなお召し物のご婦人とノースリワンピの女子大生風なかた。
 私たちが後ろに並ぶなり、おふたりが振り向かれ、しばらくじっと、主に私が視られます。

 それはそうでしょう。
 アクセサリーと呼ぶにはいささか大げさな首輪を着けて、下着を着けているのかわからない薄物でバストを透けさせている女が、生徒会副会長風黒縁メガネ女子に従うように入ってきたのですから。
 個室は全部で六つ、全て扉が閉じています。

 女子大生風のかたはすぐに前を向かれてそれきりでしたが、ご婦人のほうは私が気になるらしくお顔をしきりに動かされてチラチラと目線を送ってこられます。
 私は素知らぬふうを装って無表情に努めているのですが、内心、何か言われたらどうしよう、とドキドキです。

 そうしているあいだに一番手前の個室のドアが開き、真っ赤なワンピースのご婦人が出てこられました。
 そのかたは私たちを一瞥もされず、急いでるふうに洗面スペースへと直行されました。

 これでご中年のご婦人がその個室へと消えられ、入れ代わるようにおふたり連れらしき女性、おひとりはロックバンドのロゴ入Tシャツ、もうおひとりはボーダー柄のタンクトップというお若いであろう方々、が私たちの後ろに並ばれます。

 後ろからなら首輪も髪で隠れているし、ボレロガーディガンで背中も上のほうが隠れるしで、ブラウスが透けていてもヘンタイぽいところはないな、と一安心。
 でも安心したら、そのぶんだけ尿意が高まった感じ。
 
 私の前に立たれている五十嵐さまは、おからだを半分私のほうに向けられ、無言で私の顔をじっと視られたり、ときたま舐めるように全身を眺めたり、その合間におトイレ内全体をぐるっと見渡されたり。
 でもこれってつまり、五十嵐さまは今、女子トイレ内を盗撮されている、っていうことだよね、なんて思ってみたり。

 すると今度は一番奥の個室、少し遅れてそのお隣の個室の扉がたてつづけに開きました。
 出てこられたのはいずれもスラッとした妙齢の女性。
 擦れ違うときにそのおふたりからは、同じように訝しげな視線を、主に首輪の辺りに投げつけられました。

 ノースリワンピの女性がひと足早く一番奥の個室に入られました。

「一緒に入ろっか」

 えっ!?
 問いかけられたお言葉の意味を咀嚼できないうちに、五十嵐さまの左手に私の右手を掴まれます。

「あの、えっと…」

 戸惑いマックスのまま引っ張られるように、奥から二番目の扉前まで連行される私。
 個室に入るときに列のほうを見遣ると、Tシャツとタンクトップのおふたりが、信じられない、とでもおっしゃりたげな唖然としたお顔をされていました。

 個室の内部はけっこう狭く、ドアに向いた便器の前のスペースは一メートル四方くらい。
 お先に入られた五十嵐さまが便器の蓋を開けられます。

「失礼して先にやらせてもらうね」

 おっしゃりながらこちらを向かれたまま、スウェットパンツのゴムにお手をかけられます。

「え?あの、ちょっと…」

 うろたえながら後退り、個室のドアにべったりと背中を預ける私。

「何ビビってるの?オシッコするだけだよ。女同士だし、見たかったら見てていいから」

 五十嵐さまってば、お着替えになるときも無造作に裸になられていたし、そういうところは意外と無頓着なご性格のよう。
 ドギマギしている私のほうがおかしいのかもしれません。

 お立ちになられたまま少し上体を前傾された五十嵐さまが、スウェットのハーフパンツを膝下まで勢い良く下ろされます。
 ショーツごと下ろされたのでしょう、薄め少なめの陰毛に覆われた下腹部が眼中に飛び込んできて心臓がドキン。
 五十嵐さまの下腹部はマシュマロみたいに色白で、そこに小さく翳る漆黒の逆三角形が鮮烈です。

 便座に腰掛けられた五十嵐さまは、薄い笑みを浮かべて私をじーっと見つめられています。
 その不自然さで、あのメガネで撮影されている、ということを思い出しました。

 五十嵐さまのオシッコ姿には興味あるけれど、そんなことに興味津々な私の腑抜けた顔が後で他のみなさまにも見られてしまう…

「ご、ごめんなさいっ」

 なぜだかお詫びの言葉を口走りつつ五十嵐さまに背を向ける私。
 私が好きな種類の性的な恥ずかしさとは別物の、照れ臭いような居心地悪い恥ずかしさがこみあげてきたからです。

 個室のドアを見つめている私に音が聞こえてきます。
 ジョロジョロという音はおそらく放尿されている音。
 それが静まりンーッという機械音の後のシューッと言う音はたぶんビデを使われた音。
 
 その後にガサゴソとトイペを使われる音がして、一番大げさなザバーっという音は排出物が流された音。
 少しの衣擦れの音の後、背後から左肩を叩かれます。

「はい、お待たせ。タッチ交代」

 五十嵐さまが壁際へ避けられるようにお立ちになられ、私に便座に座るようご誘導されます。
 私の尿意もかなり差し迫っていましたから、すんなり便座の前までは行きました。

 でも…
 ここで私と五十嵐さまの立場の違いにはっきり気づきました。
 五十嵐さまに見られる、ということはすなわち、私の放尿姿が撮影され保存される、ということなのです。
 
「ノーパンだったよね。スカートは脱いで下半身丸出しになりなさい」
「それで両脚は大きく広げて自分の指でラビアも開いて、うちの顔をじっと見つめながらオシッコしなさい」

 五十嵐さまの扇情的に歪んだ微笑みで、私への辱めを心の底から愉しまれていらっしゃることがわかります。
 五十嵐さまだけではなく決壊寸前の尿意にも追い込まれている私には、ご命令通りに従って恥ずかしい放尿姿をご披露するしかありません…


2022年10月30日

肌色休暇三日目~避暑地の言いなり人形 11

「…で、でも…」

 さっき後ろ手に回したときの感触を思い出し、座っているプラスティック製の椅子の背後を手探りで確認したら案の定だったので、その結果マゾとして禁句な否定語をまた発してしまいました。

 だって今座っている椅子、背もたれと座面のあいだが背もたれの幅の分だけ20センチくらい隙間となって空いているんです。
 生尻で腰掛けたとしたら、ちょうどあの恥ずかし過ぎる自己紹介文からお尻の割れ始めまで、バッチリ素肌が覗けちゃうくらいに。

「でも何?何がでも?それじゃ答えになっていないわよね?直子はあたしの提案に対してどう考えたのかから、みんなにわかるようにきちんと説明なさい」

 お仕事のときの会議のようなご真剣なまなざし。
 一瞬オフィスにいるのか、と錯覚しちゃうほど。

「あ、はい…お姉さま、あ、いえ、チーフのお考えをお聞きして、私が汚してしまったスカートは直ちに水洗いなりをするべきだと思いました…」

「だけど私がこのスカートを脱いでしまうと、私の下半身を覆う衣服はありませんから、汚れを落とすあいだ私は下半身裸で過ごすことになります…」

「椅子の背もたれで隠れるならそれでもいいかなとも思ったのですが、念の為に背もたれを確認すると下の方に隙間が空いていました…」

 一生懸命頭を整理して弁明します。

「私がそれをした場合、芝生におられるみなさまに後ろから裸のお尻が視られ放題となるので、その結果ご迷惑をおかけしてしまうかな、と…」

 ただ、自分で説明しているうちに、その状態になりたい、と思っているもうひとりの自分がいることに気づいてしまいます。
 
 お昼時フードコートのテラス席で下半身を剥き出しにして、椅子の背もたれ下から生尻を覗かせている女…
 背後を行かれる方々に、あれ?あの人、お尻が出ていない?なんてコソコソ後ろ指をさされたい、なんて思ってしまっているのです。

「ご迷惑と言ったら、現在進行系で迷惑を被っているのは五十嵐さんよね?私物のスカート汚されちゃっているのだから。まず、そのご迷惑を解消するのが最優先ではなくて?」

 至極ごもっともなご意見を投げかけてこられるお姉さま。
 カメラを構えられた五十嵐さまのレンズの下から覗いているお口元がニンマリと歪んでいます。

「それに、ラッキーなことに直子が今座っている椅子の色、肌色に近いベージュだから、少しくらい生尻が覗いていたって、よっぽど近寄らない限り気づかれないわよ」

 決めつけられるようにおっしゃったお姉さま。
 そこで質疑は終了、私の異議はあっさり却下されます。

「わ、わかりました…」

 不安なのか被虐の悦楽なのか、こんな場所で下半身丸裸になるという緊張に震える指先を、そっとスカートのウエストに近づけます。
 一番上のボタンを外せばスカートは脱げるはずですが二番目、三番目と六個すべてのボタンを外して一枚の布地状態となったスカートを、お尻を少し上げて腰から外します。

 ブラウスの裾は私の恥丘手前、下腹部の始まり辺りで途切れていますから、私のうつむいた視線に自分の露わになった無毛の下半身が女性器の割れ始めまではっきり見えています。

 細長い一枚の布状となった真っ赤なスカートを、テーブルの下からおずおずと差し出します。
 すぐにお姉さまが取り上げられ、矯めつ眇めつしげしげと検められます。

「やっぱりちょうどお尻のとこらへんの裏地がベッタリ汚れちゃってるわね。表側まで少し湿ってる」
「あたしが持ってるウエットティッシュくらいじゃ、どうにもならない感じ」

 真っ白なテーブルの上に広げて置かれた派手な赤い布地は、きっと遠くからでも目立っているはずです。
 何をしているんだろう?と吸い寄せられた視線が私の浅ましい姿に気づかなければいいのですが…

「だったらちょうどワタシ、お手洗い行きたいから、ついでに水洗いしてきてあげるよ」

 中村さまがお足下に置かれたご自分のバッグからお化粧ポーチを取り出されながらおっしゃいました。

「誰かタオル持っていない?フェイスタオルくらいのがいいかな。あとエミリー?ウエットティッシュも貸して」

 中村さまご要望のお品を、どちらもお姉さまが差し出されました。
 中村さまはスカートの濡れている部分にウエットティッシュをかぶせてからたたまれ、タオルで包んで小脇に挟まれます。

「パンツも洗っとく?」

 テーブルの上にポツンと残された私が汚した薄青色のショーツ。

「いや、パンツはいいよ。直子に自分の淫乱さを反省してもらうために、ずっとここで晒し物にしておく」

 ずっと私にビデオカメラを向けられている五十嵐さまが、私の顔を撮影しつつおっしゃいました。

「そう。んじゃあ、行ってくる」

 お席を立たれた中村さまをお見送りすると、カメラを構えられた五十嵐さまはわざわざお席を立たれ、テーブルの上の私のショーツにレンズを向けられます。
 それから私のすぐそばまで寄り添われ、至近距離から私の視線と同じアングル、すなわち剥き出しの恥丘を上から撮影された後、背後に回られ生尻を覗かせている私も撮影されています。

「お待たせー、いやードリンク類は行列で予想外に混んでてさ…」

 中村さまと入れ違うように近づいてこられる、本橋さまの明るいお声。
 トレイにさまざまなドリンクやスイーツを乗せた男性陣がお戻りになられました。

「うわっ、なんでテーブルの上に下着が置いてあるの?」

 お飲み物をそれぞれに配ろうとされていた本橋さまの驚きのお声。
 ショーツを数秒じっと見つめられた後、迷いなくその視線を私に移されます。

「あーあー、とうとう姫がパンツまで脱がされちゃったんだ」

 私のすぐそばまで来られていた橋本さまからは呆れたお声。
 そんな橋本さまは立たれたまま私を見下ろされ、その視線の先のことにも気づかれ、今度は、えーっ?という大きな驚きのお声。

「てか、スカートまで脱がされちゃってるじゃん…まったく、オンナ同士のイジメってのは情け容赦無いからなー」

 心底呆れられているような、はたまた、からかいたいだけのような、お芝居っぽいご口調で嘆かれる橋本さま。
 その視線はずっと、椅子の座面に剥き出しな形で乗っている、私の恥丘とその先の割れ始め部分に釘付けです。

「あら、イジメだなんて失礼ね。直子がお料理待っているあいだに勝手にひとり遊びして下着とスカートを汚しちゃったから洗うために脱がせただけよ。これはお仕置きであり躾けなの」

 お姉さまがニヤニヤ笑いでご反論。

「それにこれがイジメだとしたら、この子がこんなエロい顔をしているわけないじゃない?」

 確かに、男性おふたりから剥き出しの股間をじっと覗き込まれ、私は得も言われぬ甘美な恥辱を感じていました。
 しかも、この場は公共の屋外、周囲や背後からは見知らぬ人々がさんざめくお声も聞こえているのです。

 裸のお尻を直に乗せたプラスティックの椅子の座面が、性懲りもなく潤んできているのがわかります。
 視られていると実感することで、はしたないおツユが滲み出し、腫れきった肉芽が萼を脱ぎ捨てます。

 あーんっ、こんな恥ずかしいお仕置きをされているみじめな私をもっと視て…
 自分が今していることの破廉恥さに興奮してしまっている私は、困ったような曖昧笑顔を浮かべてこの状況を耐え忍ぶしかないのです。

「あたしたちはこの子がして欲しそうなことをしてあげてるだけ。あなたたちだって昨夜、みんなでモッチーを押さえつけてスネ毛をひん剥いたって言ってたじゃない。むしろそういうのこそイジメじゃないの?」

 テーブルにはそれぞれの飲み物が行き渡り、お姉さまがハイボールのグラスを軽く傾けられてからおっしゃいました。
 五十嵐さまはソフトクリーム、私の目の前にはカシスオレンジのグラス、本橋さま橋本さまは仲良くお揃いで、片手にソフトクリーム、片手にコーラのグラス。
 男性おふたりはご自分たちのテーブルにお戻りにならず、私の傍らにお立ちになったまま。

「確かにあれはイジメに近いと思う」

 本橋さまのお声が私の背後から聞こえてきます。
 ひょっとすると本橋さま、椅子の背もたれ下に覗く私の生尻をご自分のからだで隠してくださっているのかも…

「でもおまえ、機会があれば全身脱毛とかもしてみたい、って俺に言ってたじゃん」

 私の右脇の橋本さまの茶化すようなお声。

「言ったけど、その機会はぼくが決めることでしょ?ぼくは森下さんみたいにマゾッ気強くないから、この旅行中みんなにそれぞれリベンジするつもり。だからハッシーも覚悟しておいて」

 本橋さまがきっぱりしたご口調でおっしゃって女性陣がワッと沸きます。

「ほらね、ハッシー、やっぱり誘い受け…」

 五十嵐さまがお姉さまに向けてコソッとつぶやかれました。

 それからしばらくは、脱毛した後のお手入れ方法などの雑談が主に五十嵐さまと本橋さまのあいだで交わされ、そこにお姉さまと橋本さまが茶々をいれられるという感じ。
 そんな会話を聞きながらカシスオレンジをチビチビいただいていると、赤い布地を剥き出しで持たれた中村さまがお戻りになられました。

「あら?意外と早いお戻りね」

 お姉さまが中村さまにお問いかけ。
 中村さまはテーブルの上に置きっぱなしだったアイスコーヒーをブラックのまま半分ほどクイッと煽られてホッとひと息。

「うん。個室は混んでたけど洗面とパウダールームは空いてたから使い放題だった」
「お尻のほうだけ水洗いしてドライヤー当ててきたの。ポリエステル100パーだからか乾きが早かった」

 おっしゃりながらスカートをお姉さまに手渡された中村さまは、ご自身もメイクをし直されてこられたみたいで、お顔の艶やかさがよみがえっています。

「だけどもう一時を回ってしまったから、買い物も急いだほうが良さそうね、ワタシらもタチネコさんにもこの後の予定があるでしょうから」

 残っていたアイスコーヒーをもう一口で飲み干された中村さまがご自分のバッグの中をガサゴソ掻き回されて紙片を引っ張り出されます。

「ここからは二手に別れましょう、ワタシとエミリー、それにそちらも買い出しがあるでしょうから本橋さん、は食材の買い付け担当。残りの三人は、ショーコの取材でどこでも好きにしていていいのだけれど、ひとつだけ頼まれて欲しいの」

 おっしゃりながら紙片を五十嵐さまに渡された中村さま。

「先生からの頼まれ物。全部ドラッグストアで揃うはず。あとついでに虫除けスプレーも4、5本買っておいて」

 紙片に視線を落とされた五十嵐さまが素っ頓狂なお声を上げられます。

「やだっ、コンドームと浣腸薬とベビーローションだって。それもこんなにたくさん。先生、誰に使う気なのかしら」

 五十嵐さまが私の前に紙片を置かれ、見せてくださいます。
 ご年配のかたっぽい流麗なご筆跡。
 避妊具もお浣腸薬もローションもブランドと個数がご指定されています。

「そういうのは直子に買わせるといいわよ。店員に聞かせて売り場まで案内させるの。この子、それだけで濡らしちゃうはず」

 お姉さまからのイジワルなサジェスチョン。

「あ、それいい。この組み合わせを女子が買うの、かなり恥ずかしいもんね。あ、でも店内じゃ撮影は出来ないか…」

 五十嵐さまのテンションが上ったり下がったり。

「あ、俺、そういうこともあろうかとスパイカメラも持ってきてるよ、メガネ型の。今は車に置いてきちゃってるけど」

 橋本さまがあっさりおっしゃって、五十嵐さまが、さすがハッシー、と再びハイテンション。

「それじゃあ、そうね、二時十分前に駐車場に再集合ということにしましょう」

 中村さまのご提案にみなさま頷かれ、すぐにもみなさま散開という雰囲気なのですが、あの、私は…

「いや、ちょっと待って。森下さんはどうするの?このままはいくらなんでもマズイでしょ」

 背後に立たれている本橋さまが助け舟を出してくださいます。

「ああ、そうだったわね。直子はまだ下半身スッポンポンだったっけ」

 知っておられるクセにイジワルくおとぼけなさるお姉さま。

「あたしたちがこのまま移動し始めたら、この子どうする気だったのかしら。案外その格好のままで大人しく従ってきたかもね、直子ってそういう子だから」

 イジワルさ全開のお姉さまに股間の襞がヒクヒクッ。

「で、イガちゃん?パンツはどうする?」

「無しで」

 お姉さまのご相談に即答なさる五十嵐さま。

「おっけー。なら直子?立ちなさい」

 えっ、ここでですか?でも…とは思うのですが、異議を申し立てたところで時間の無駄になることはわかりきっています。
 背後は本橋さまが守ってくださっていますし、前方の椅子には中村さま、その背後にも遠くのほうにしか人影は見えません。
 ここはさっさとスカートを穿いてしまうのが得策です。

「はい…」

 椅子を少し後ろにずらして立ち上がると、テーブルの高さが私の両腿の付け根ギリギリ。
 したがって下腹部、恥丘と割れ始めは白日の下に曝け出されています。
 そこにおられる全員の視線とカメラのレンズがその部分に集まっているのを感じています。

 ああん、お姉さま、早くスカートをお渡しください…
 私の願いを嘲笑われるように、まずタオルを差し出して来られたお姉さま。

「どうせこうしているあいだもムラムラしっ放しで、椅子をマン汁で汚しちゃっているんでしょう?汚したままだと次に座る人があまりにも可哀想じゃなくて?」
「ほら、このタオルで椅子の汚れと、あなたの淫乱マゾマンコをまず拭いなさい。かなちゃんがせっかく洗ってきてくださったのだから」

「は、はい…」

 確かに私の裸のお尻を乗せていたプラスティック椅子の座面はじっとりと粘液でヌルンでいました。
 手渡されたタオルも中村さまがお手洗いで使われたものなので、絞ってはありましたが全体が湿っています。

 立ち上がった私は椅子をもう少し後方へとずらし、テーブル側に裸のお尻を突き出す格好で前屈みとなり、椅子の座面を丁寧に拭き取り始めます。
 両腿をくっつけたまま、というわけにはいかないので、どうしても両脚が開いてしまい、テーブル側の方々には、その裂け目から濡れそぼった陰唇が見事に覗けていることでしょう。

 椅子を拭き取り終わって上体を起こしたとき、見下ろされている本橋さまと目が合います。
 その瞳に憐れみが宿られているような気がして、どうして私はこんなところでこんな格好でこんなことをしているのだろう…という被虐に全身が包まれます。

 椅子を拭いた側の布地を裏返してからテーブル側へと向き直り、今度は自分の股間にタオルをあてがいます。
 みなさまにまっすぐに見つめられる中で、自分の性器をタオル越しにまさぐる私。

「…んぅッ…」

 絶対にヘンな声は洩らすまいとがまんしていたのに、クリットに擦れた布地で喉奥から迸ってしまう淫声…

「ほら、いつまでマゾマンコ撫ぜてるの?急がなきゃって言われたでしょう」

 呆れたお声と一緒にやっとスカートを手渡してくださるお姉さま。
 それをいただくと同時にタオルをテーブルに置いて赤い布地をウエストに巻きつけた私。
 大急ぎですべてのボタンを留め終えます。

「パンツはあたしが洗っておくから」

 最後までテーブル上で晒し物となっていた薄青色のショーツは、私が今使ったタオルに包んでビニール袋に入れられ、お姉さまのバッグに仕舞われます。
 これで私が着けていた下着類はすべて没収されました。

「イガちゃんはタオル持ってる?次に直子をどこかに座らせるときは、生尻の下に敷くように命令したほうがいいよ、スカート汚されたくないなら。持ってなかったら貸すけれど」

 お席を立ち上がりつつのお姉さまから五十嵐さまへのアドバイス。

「大丈夫。持ってるし、直子がどのくらいマン汁を垂れ流すのかにも興味あるから」

 一応身支度の整った私をなおも撮影しつづけられている五十嵐さま。

「じゃあワタシらはグラス類とゴミをお店に返しがてら、そのまま買い物に向かうから。一時五十分に再集合ね。さ、行きましょう、本橋さん」

 中村さまの号令でそれぞれのお荷物を手にフードコートの建物のほうへと歩き始められた中村さまとお姉さま。
 本橋さまが空のグラスや紙くずの乗ったトレイを捧げ持たれて後からつづかれます。

「んじゃあ俺はひとっ走り車まで戻ってスパイカメラ取ってくるから。きみたちはもう少しここでまったりしてな」

 橋本さまがご自分のビデオカメラをこちらのテーブル上に置かれたまま、ささっと芝生のほうへと駆け出されます。
 五十嵐さまとふたりきりで取り残される私。

「直子って、ホント、面白いよね。虐め甲斐があるって言うか、虐めざるを得ないって言うか」

 ビデオカメラをやっと下ろされた五十嵐さまが私の顔をじっと見つめながら感慨深げにおっしゃいます。
 ふたりともテーブル脇に立ったまま。

「うち、直子がモデルならいくらでもエロい露出調教漫画描けそうな気がする」

 おっしゃりながら五十嵐さまはお近くの椅子に腰掛けられますが、私はさっきのお姉さまのお言葉もあり、座ってもいいものか考え中。

「直子も座っていいよ。タオルなんか敷かずにスカートのまんまで」

 おやさしくおっしゃってくださる五十嵐さま。

「またスカートのお尻をマン汁で濡らして、傍から見てお漏らしみたいになったとしても、それは直子の自業自得だし、そんな姿で公衆の面前を徘徊する直子を見てみたい気もするし」

 五十嵐さまの唇の両端がニヤリと歪みました。