2021年9月5日

肌色休暇二日目~いけにえの賛美 08

「は、はい…オナ子はマゾですから、あるじさまからのどんなご命令でも従います…」

 この本気のビンタをくださるサディスティックな女性から、もっと虐められてみたい…
 そんな刹那的に感じたマゾ性ゆえの欲望だけで、反射的にお答えしていました。

「その言葉をわたくしは、どんなにひどい仕打ちをされてもかまわない、っていう意味に取るけれど、いいんだね?」

 あるじさまが私に向かって突き出された乗馬鞭の先のベロが、私の左おっぱい先っちょの尖った乳首を、揺らすみたいにプルプル愛撫してくださっています。

「んんむぅ…は、はい…何をされてもかまいませんっ…私を、オナ子をもっともっと、ちょ、調教してくださいっ…」

 乳首を揺らすじれったい愛撫で全身がプルプル震え、それ以上のもっと強烈な刺激を全身が強烈に求めています。

「それなら、その忠誠をまずは態度で示してもらわないとな」

 あるじさまの乗馬鞭が私の乳首を離れ、ヒュンと一回、空を切ります。
 それから鞭の先で、あるじさまのお足元を指されます。

「そこにひざまずいて、わたくしの足を舐めなさい」

 あっ、と思い、同時に声まで出そうになりましたが、すんでのところで飲み込みました。
 SMの小説やビデオとかでよく聞くような台詞ですが、現実ではなかなか耳にすることのないご命令。
 そんなある意味照れ臭い台詞を、シラッとお口に出されるあるじさま。

「はい…あるじさま…」

 ずっと憧れていたSMの小説やビデオの世界に自分が入り込んでしまっているみたいな気持ちになって、胸がドキドキ高鳴っています。
 私、今、このかたに調教されているんだ…

 数歩進んであるじさまが腰掛けられた椅子の前まで行き、その場で土下座するみたいに両膝を折って畳に乗せます。
 膝立ちで上半身を屈めると眼前に、あるじさまが突き出されているスウェットパンツを膝まで捲くりあげられた右生脚。
 いざ実際に現実で直面すると、これから自分がしようとしていることのみじめさ、浅ましさに躊躇が生まれてしまいます。

「どうした?早く舐めろ。おまえがさっきだらしなくダラダラ垂れ流した濁ったマン汁で汚されたわたくしの足だ。奴隷のおまえが舐め取るのが礼儀だろう?」
「両腕は背中だ。わたくしの足を手で持つことは許さない。手は一切使わず、顔だけ舌だけでキレイに舐め取れ」

 乗馬鞭のベロで私の背中を軽くペチペチ叩きつつ、伸ばした足の甲を私の顔に押し付けてこられるあるじさま。
 あるじさまの少し汗ばんだお御足の匂いと、私の生臭い愛液の匂い。
 思い切って舌を伸ばすと、少し苦しょっぱい舐め慣れた自分の恥ずかしい分泌液の味。

 あるじさまは私の顔面に足の裏を押し付けてきたり、爪先を私の口の中に無理やり押し込んだり。
 かと思うと私から逃げるように大きく足先をお上げになられ、私は舌だけ思い切り突き出した無様な形相で追い掛けなければいけなかったり。

 結局最後、あるじさまは畳の上にお御足を下ろされ、私はその甲を舐めるために文字通り這いつくばった後ろ手土下座の格好で舌を這わせます。
 そんな私の後頭部を容赦なく踏みつけてくるあるじさまの左足裏、右足の甲に押し付けられて無様にひしゃげる私の顔面。

 頭が踏みつけられ肩が低くなった反動で、どうしても腰は宙に突き出すように浮いてしまいます。
 わたしの真後ろには寺田さまが立たれています。
 寺田さまの位置からは、私のヒクヒク疼く肛門もダラダラ蜜を滴らせる膣口も、すべてが赤裸々に見えていることでしょう。

 全裸で畳に這いつくばり、今日出会ったばかりで自分の母親よりもおそらくお年上の素性も知らない女性の素足を舐めなければいけない、という状況。
 どうしてこんなことをさせられているのだろう、というみじめさと情けなさ、人としての品格とか尊厳とかのすべてを否定されたような、つまり屈辱感…

 お姉さまと愛し合うときも、腕や脚、おからだを舐めさせていただくことはありますが、そのときの気持ちの昂ぶりとは間逆な隷属感、無力感、服従感、被支配感…
 理不尽で侮辱的な扱いに憤りを感じていると同時に、このご無体過ぎる恥辱を嬉々として受け入れている自分がいるのも事実でした。

「おまえは舐めるのが下手だねぇ」

 呆れたようなお声が聞こえ、あるじさまがお御足の裏で私の顔面を避けるように遠ざけ、立ち上がられます。

「それはオナ子が完全に奴隷の心持ちになっていないからだな。奴隷はもはや人間ではない、家畜だ。耳障り良く言えばペットとも言うがな」
「家畜はあるじの役に立ち、悦ばせるためだけに存在すべき生き物。それがつまり奴隷だ」

 あるじさまが寺田さまに何か軽く目配せをされ、寺田さまがススっと優雅に襖の向こうへと消えていきました。

「オナ子に家畜の作法を教えてやろう、そのまま四つん這いでわたくしの後を着いて来なさい」

 リードがグイッと引っ張られ、あるじさまがゆっくりと歩き始められます。
 あるじさまとの距離が広がり、リードがピンと張り詰めて私は首輪ごと引っ張られます。

 土下座状態だった私は引っ張られたことで前につんのめり、自然と両手を畳に着けます。
 自然と腰も持ち上がり引っ張られるままの四足歩行。

 広いお座敷内に円を描くように、あるじさまのリードに引き摺られながら四つん這いで歩かされる私の姿は、お散歩中のワンちゃんそのもの。
 垂れ下がったおっぱい、剥き出しのお尻、何もかもさらけ出した全裸の四つん這い。
 手のひらと膝が畳の上を一歩進むたびに、みじめさが全身を駆け巡ります。

 最初に拘束されていた壁際板の間のソファーの前まで来て、あるじさまが立ち止まられます。
 あるじさまのお足元で四つん這いのままあるじさまを見上げる私。
 そこで寺田さまがあるじさまに、何かを乗せた小さめなステンレスのトレイを手渡されました。

「ほおら、これはおまえの好物だろう?」

 本当にワンちゃんに話しかけるみたいに、私の前にしゃがまれてトレイの中身をお見せくださるあるじさま。
 トレイの上には木製の洗濯バサミが数個と、見覚えのある20センチくらいの長さの凸凹した円柱状の張り型、肥後ずいきが乗っていました。

 今から約一ヶ月半くらい前の7月半ば過ぎ、やよい先生のお店で生まれて初めて味わわされた肥後ずいき…
 植物製ゆえに膣の中で自分の愛液と混じり合いヌルヌル溶け合うような恍惚の感覚…
 抜かれた後もジンジンむず痒く疼いてしまい、もっともっとと求めてしまうはしたない中毒性…

 その後にされた山芋責めの記憶とも相俟って、肥後ずいきの姿を認めた途端、その官能の反芻に背筋がゾクゾクっと震えてしまいました。

「おや、目の色が変わったね。どうやらこいつの味をすでに知っているようだ」

 相変わらずお芝居っ気たっぷりなあるじさまが肥後ずいきをお手に取られます。

「ほら、取ってこい」

 ポーンと肥後ずいきを放り投げられたあるじさま。
 肥後ずいきは広いお座敷の真ん中辺で着地した後コロコロ転がって、先ほどあるじさまが座られていた折り畳み椅子にぶつかって止まりました。

「手は使えないぞ、おまえは家畜なのだからな。口で咥えてわたくしのところまで持ってきなさい。よし、フェッチ!」

 リードを手放されたあるじさまが私のお尻を軽くパチンと叩きました。

「あんっ!」

 両手のひらと両膝を畳の上で交互に動かし、肥後ずいきの落ちている所まで四つ足歩き。
 私の首輪から垂れ下がった引き綱が畳の上をズルズル引き摺られています。
 畳に額を擦り付けるようにグッと顔を近づけて、肥後ずいきを口で拾い上げます。

 落とさないように軽く歯で噛むように咥えると、唾液に混じる青臭い植物の香りにほんの少し感じる甘味。
 そう、まさしくこんな味だった…
 
 やよい先生のお店でのめくるめく陵辱の夜を鮮やかに思い出しつつ、あるじさまのもとへと戻ります。
 あるじさまと寺田さま、おふたりとも同じような薄い笑みを浮かべられ、私を見下ろしています。

「ようし、初めてにしては上出来だ。シットハイ」

 肥後ずいきを咥えたまま四つん這いでおふたりを見上げている私に、あるじさまのお優しいお言葉。
 でも、最後に投げかけられたお言葉の意味がわからず???状態の私。

「おや、わからないのかい?シットハイっていうのは犬の躾用語さ。日本語で言うとチンチンだな」

 イジワルく口角を上げられるあるじさま。
 チンチンっていうのは確か、ワンちゃんが前肢を両方上げて上体を起こした姿勢のことだよね…
 
 つまり上体を起こしてよい、という許可をいただいたと判断し、その場に膝立ちになりました。
 ただチンチンのイメージに引き摺られたのか両手をなぜだかグーの形に握って、ぶりっ子の人がよくやっているネコさんがニャンとしているような両手招き猫のポーズになっていました。

「ようし、ドロップ」

 あるじさまが手を差し出されてこられたので、これは、肥後ずいきを渡せ、という意味だろうと判断し咥える力を緩めます。
 あるじさまが肥後ずいきの端を持たれ、私の口から取り去ってくださいました。

「メス犬オナ子はなかなかいい感じじゃないか。うまく出来たご褒美を上げなきゃな」

 ニヤッと笑われたあるじさま。
 チンチンポーズな私の右おっぱい、変わらずツンと勃ちっ放しな右乳首に木製洗濯バサミをパチンと噛ませてくださいます。

「はうんっ!」

 噛む力はさほど強くない木製洗濯バサミなのですが、久々の、待ち焦がれていたと言っても良い敏感部位への物理的な性的刺激に、自分でも驚くほどビクンと反応してしまいました。

「オナ子、おまえ調教中だというのに発情しているな?おまえが咥えてきたずいきもよだれでベトベトだし、早くこいつをそのヌルヌルマンコに押し込んで欲しくて仕方がないのだろう?」

 右乳首の洗濯バサミを乗馬鞭のベロでプルプルもてあそびならの、あるじさまからのご質問。

「あの、いえ…そんな、あ、でも、あ、あるじさまが悦ばれるのなら、洗濯バサミでも、その肥後ずいきでも、オナ子は喜んで受け入れる覚悟は出来ています…」

 新しい性的刺激が欲しい一心で、あるじさまを媚びるように見つめつつの地味なおねだり。

「ふうん、そうかい。ほら、もう一回だ」

 一瞬蔑むように眼鏡の奥の瞳を細められたあるじさまが、ポンと無造作に肥後ずいきを放られました。
 今度の落下場所はずいぶん近く、四つん這いでも五、六歩で到達出来そう。

「ほら、取ってこい」

 あるじさまのご命令が終わるか終わらないうちに四つん這いに戻り、大急ぎで咥え、大急ぎで戻る私。
 あるじさまのお足元でご命令も無いうちにチンチンポーズで見上げます。

「ずいぶん躾の飲み込みが早いメス犬だね。ずいきは咥えたままでいいよ。今、調教の方針が変わったから」

 ニヤッと笑われたあるじさまが、チンチンポーズの私の左乳首にもご褒美をくださいました。
 
「んぐぅっ!」

 肥後ずいきを咥えたままなので、喉奥から絞り出される私の淫声。
 そんな私を冷ややかに見下ろしてこられるあるじさま。

「わたくしはね、天邪鬼なんだ。やめてください、許してくださいって涙ながらに懇願してくるような女なら、わたくしは有無を言わせずそのずいきをマンコにぶち込んでヒィヒィ泣き喚くまで責め立てるだろう」

 おっしゃりながらまた寺田さまに目配せされ、寺田さまが襖の向こう側へ。
 あるじさまは右手に持たれた乗馬鞭の柄で左の手のひらを軽く叩きながら、私を見下ろしたままつづけられます。

「だけどオナ子みたいなド助平女は、そうされるのはご褒美みたいなもんだ。今だってマンコ弄って欲しくて、イキたくって仕方無いのだろう?」
「おまえみたいな好きものマゾ女は、焦らして焦らして、アクメ寸前で放ったらかすのが一番苦痛なんだよな。だから、その線に路線変更だ」

 襖の陰からお戻りになられた寺田さまは、片手に大きめな白いトートバッグ、もう一方の手には白いパラソル、そして垂れ目型のミラーサングラスをかけられていました。
 お召しになっている白いレオタードと合わせて、本当のレースクイーンさんみたい。

「これからおまえの大好きな屋外に出て、大空の下でおまえをいたぶってやろう。イケるかイケないかはおまえの努力次第だが、せいぜい悶え苦しむがいい。立てっ!」

 リードをグイッと引っ張られ、チンチンポーズから人間ポーズへ。
 
「両手は後ろだ。ずいきを落とすなよ」

 私が両手を後ろに回すと同時に寺田さまに両手のベルトを短い鎖で繋がれ、後ろ手錠状態。
 あるじさまを先頭に、そこからお庭へ出られるのであろうガラス戸のところまで進みました。

 寺田さまがガラガラっとガラス戸を開け放されると、そこは昼下がりの陽射しが燦々と降り注ぐ芝生の瀟洒な庭園。
 出てすぐは板張りのウッドデッキになっていて、屋根の下に差し向かいでお茶を楽しめそうなテーブルと椅子。

 その向こうに青々とした芝生が広がり、中央付近に木陰を作る立派な高い木が並んで三本。
 その脇には家庭用のビニールプール、その向こうに大きめな犬小屋が見えます。
 ところどころにガーデン用のミストシャワーのスタンドが立っていて、涼し気な霧を撒き散らしています。
 
 洗濯物干し用らしきスタンドも数本立っていて、表玄関の前の庭園に比べるとグッと庶民的、とは言っても、裕福な豪邸の広々とした優雅なお庭、を庶民的と呼んでもいいとしたらですが。
 表玄関からは、木々が遮る形でこちらのお庭まではよく見えない形になっていました。

「オナ子は靴下を履いているから、サンダルは履かなくていい」

 中村さまがおっしゃっていた私用のピンク色のクロックスがウッドデッキに用意されていたのですが、あるじさまから使用を禁じられました。
 ウッドデッキの日陰を出て抜けるような青空の下へ、首輪と両手足のレザーベルトに白いハイソックス、そして両乳首の洗濯バサミ以外素っ裸の姿で降り立ちます。
 
 すかさず白いパラソルを広げ、あるじさまの脇をエスコートされるように歩かれる寺田さま。
 そのお姿はまさにレースクイーンそのもの。
 一歩下がってリードに引かれる形で私も、ソックスで芝生を踏みしめて中央の大きな木のほうへと導かれます。

 陽射しはいくらか陰ったもののまだ充分暑く、高地のせいで湿度が低くカラッとしていて全裸がちょうどいいくらい。
 時折そよぐ風が素肌に気持いい。

 ワンッ!
 元気のいいひと吠えと共に、表玄関のほうの木陰から先ほどのワンちゃんが飛び出してきました。

 相変わらず尻尾をブンブン振りながら、まずはあるじさまの足元にまとわりつくワンちゃん。
 次に寺田さまに数回飛びつかれ、その後私のもとへも。

 私の足元にまとわりつき、私が垂らした愛液がたっぷり滲み込んだハイソックスをクンクン嗅いでから、じゃれるように背後から飛びついてきて私の裸のお尻をペロペロ舐め始めます。
 
 んんっ!
 予期せぬ愛撫で咥えている肥後ずいきをあやうく落としそうに。

「おや?ジョセフィーヌはもうオナ子と対面済みかい?」

 あるじさまの少し驚かれたようなお声。

「そうですね。お昼過ぎに車が着いたときに玄関近くにたまたまいたみたいで、エミリーたちにじゃれついていましたね」

 肥後ずいきを咥えたままでお答えできない私の代わりに、寺田さまがご説明してくださいました。

「そうだったのかい。ジョセフィーヌは鼻が利くからな。発情したマゾ女の臭いは大好きで、とくに敏感だ」

 あるじさまが、ジョセフィーヌ、とお口に出された途端に私のもとを離れ、あるじさまに擦り寄られるワンちゃん。
 頭を撫ぜられお口をハアハア、尻尾をパタパタ揺らしているお姿が可愛らしい。

「それにジョセフィーヌは賢いから、今日の遊び相手が誰かも、もうわかっているようだ」

 あるじさまにワシワシ撫ぜられ、降参のお腹見せ状態になられているワンちゃん。
 そのあいだに私のリードは寺田さまに手渡され、私は中央の大木の根元まで連れて行かれます。
 あるじさまとワンちゃんは、すぐ左隣の大木の木陰に腰を下ろされています。

「オナ子はジョセフィーヌの振る舞いを見て、ペットのあるべき姿を学ぶことだ。ジョセフィーヌもおまえを気に入ったようだし、メス犬二匹で存分にじゃれあうがいい」

 あるじさまのお言葉のあいだに私の後ろ手錠はいったん解かれ、でも素早く今度は前手錠状態に。
 手錠の鎖に麻縄が繋がれ、投げ縄の要領でヒュンヒュンと頭上の太い幹に引っ掛けられた寺田さま。

 ああ、またこの格好だ…と来る途中の広場でのお姉さまによる磔放置を思い出したのも束の間、準備良く木に立てかけてあった脚立を広げてお登りになる寺田さま。
 手際よく私の手錠に繋がれた縄の端を、高い位置の幹に結び付けられています。

 縄に引っ張られた私の両手は、両肘が曲がってちょうど私の頭上くらい。
 さっきみたいな爪先立ち磔ではないんだ…とホッとしていると、寺田さまが脚立から下りてこられました。

 私の口から肥後ずいきを取り去ってくださる寺田さま。
 口内に溜まっていた唾液をゴクンと飲み干す私。
 
「そう言えばオナ子はまだジョセフィーヌにきちんと挨拶していなかったな。口枷も取れたことだしちゃんと挨拶しろ。ジョセフィーヌ、いや、ジョセフィーヌさま、だな。オナ子と遊んでください、ってな」

 あるじさまの横にちょこんとお座りになってあるじさまと私を交互に見遣るワンちゃん、いえジョセフィーヌさま。
 そのあいだに私の右足は、寺田さまの手によって足首ベルトに繋がる縄で木の根元に固定されていました。

「は、はい…ジョ、ジョセフィーヌさま…どうぞオナ子と、オナ子で遊んでくださいませ…」

 とうとうワンちゃんにまで、もて遊ばれるようになってしまったんだ…と思うと、自虐を欲するマゾ性がキュンキュン疼いてしまいます。
 ジョセフィーヌさまは、私がそのお名前をお呼びした瞬間、ピクンとお耳をそばたてられ、私の顔を見つめつつムクッと立ち上がられました。

「ジョセフィーヌ、ステイ。まだだ、もう少し我慢しなさい。この裸の女をもっとマゾメス犬らしくサカらせてから、じっくり遊ばせてあげるから」

 あるじさまからお背中をなだめるようにワシワシ撫ぜられ、再びあるじさまの傍らにちょこんと腰を下ろされるジョセフィーヌさま。
 そのあいだに私の左足首のベルトにも、寺田さまによって麻縄が繋がれていました。


2021年8月28日

肌色休暇二日目~いけにえの賛美 07

「ぬぐぅっ!」

 首輪の少し下の喉首に再び、気道を軽く締め付けられる感覚が。

「いいかい?これからお前の手足の戒めを解いてやるけれど、間違っても暴れたり逃げ出そうなんて考えるんじゃないよ?」

 お声と一緒に首をジワリと一段強く締め付けられる感覚。
 私は黙って頭を上下にコクコク振り、服従を示します。

「目隠しを取ろうとするのもダメだ。わたくしの許可が出るまではな。もしも許可なく取ろうとしたら…」

「んぐぅっ!」

 いったん緩んでいた首への締め付けが再び強くなりました。

「素っ裸のお前の手足を縛って、生きたまま山奥に捨ててやるからね?」
「からだにワインをたっぷりふりかけておくと、蛾やらムカデやら蜘蛛やら、虫たちがごっそり群がってくれるらしいから、さぞや賑やかに最期を迎えられることだろうよ」

 人の不幸を嘲笑うような残酷かつ無慈悲に溢れたおっしゃりようは、この人ならやりかねないな、と思わせるのに充分な嗜虐性が感じられました。

「わかったのかい?」

 バチン!
 お答えしようと口を開きかけたときに首への締め付けが緩み、その代わり左頬にビンタ。

「あうっ!」

「わかったら返事は?」

「は、はいっ…お言いつけの通りにしますっ…私は、オナ子は決して、あの、あの…せん、先生さまのお言いつけを破ったりはいたしませんっ…」

 バチン!
 今度は右頬にビンタ。

「おまえごときに気安く先生呼ばわりされたくないね。オナ子はわたくしが名付けたわたくしの奴隷、所有物なのだから」

 別に気安くお呼びしたわけではなく、何とお呼びすればいいのかわからず、みなさまがされている呼び名を真似しただけの苦肉の策だったのですが…
 第一私は、この女性のお名前はおろかお顔もお姿も、一切の素性もわからないまま虐められているのです。

「主従関係には相応のけじめが必要。わたくしのことは主さま、あるじさま、と呼びなさい」

 乗馬鞭のベロで私の顎を撫でながらのご命令。

「は、はい…わかりました、あ、あるじさま…」

 完全に絶対服従マゾ性全開状態に陥っている私。

「ようし。では戒めを解いてやろう」

 まず背もたれ側の両手が自由となり、つづいて両足が動かせるようになりました。
 でも繋がれていた鎖が外されただけで、手足に巻き付いているレザーっぽいベルトはそのままみたい。

「立ちなさい」

 お言葉と一緒に首輪がグイッと前に引っ張られます。
 いつの間にか私の首輪にリード、引き綱が繋げられたみたい。

 リードに引かれてよたよたと二歩三歩前につんのめりつつソファーから立ち上がります。
 同時にからだのあちこちに中途半端にへばり付いていたブラウスやスカート、下着の布片がどなたかの手で取り去られます。

 って、おひとり増えている?
 首輪に繋がっているリードは変わらずどなたかが握っていらっしゃるようなのに、私のからだから衣服を取り去っていくどなたかの手…
 気づいてみると私の周辺に、嗅ぎ慣れたローズの香りとはまた違うフローラルな香りが漂っているような気もします。

「そのままもっと前に出てきなさい。両手は頭の後ろだよ」

 あるじさまのお声が前方から聞こえ、再び首輪がグイッと前へと引っ張られました。
 ご指示通りマゾの服従ポーズになったものの目隠し状態なので、足を踏み出そうにも恐る恐るのへっぴり腰状態。

 足の裏で畳を擦るようなロボット歩行でリードに引かれるまま数メートル歩きました。
 後ろでどなたかがクスッと笑われたようなお声が聞こえた気がします。

「そこでいいわ」

 あるじさまのお声が正面から聞こえ、私も前進を止めます。
 あらためて両足を休めの形に開き、マゾの服従ポーズ。

「ふふん、いい眺めだね。わたくしの座敷に目隠しされた若い全裸の女の為す術もない降参ポーズ。不安だろう?これから何をやらされるのか、ここから生きて帰れるのか?心細くて胸が張り裂けそうだろう?」

 多分にお芝居がかった声音ですが、確かに私はそんな心持ちになっていました。
 なのにお構いなくヌルヌル潤んでしまう私のどうしようもないマゾマンコ。

「でもまあ目隠ししたまま庭まで歩かせるのはやはり無理なようだな。フラフラユラユラ危なっかしくてしょうがない」
「わたくしも無駄に怪我をさせて悦ぶような無粋な鬼ではないから、目隠しを外すことを許してやろう。取っていいぞ」

 あるじさまのお慈悲深いお言葉に、おずおずと後頭部の手を動かそうとしたとき、ワンテンポ早くシュルシュルっと目隠しが外れ、視界に眩しい光が飛び込んできました。

「あっ!?」

 唐突に溢れる光の眩しさで最初は使い物にならない視覚。
 ただ目を細めつつだんだん慣れて来るとぼんやり眼前に見えてくるお姿。
 その、自分の予想をたやすく超えた裏切られっぷりに思わず、えっ!?と出かかった声を慌てて飲み込みます。

 私の首輪から伸びている引き綱を握られ立たれているのは、小柄でやや痩せ気味なご中年以上のご年齢に見えるおばさま。
 ただし、服装こそグレイのスウェット上下ですが、お綺麗に整えられた清潔感のある短髪と人のよさそうなうりざね顔にご聡明さを感じさせる縁無し眼鏡、と全体的に品のある感じ。
 
 デパートの婦人服売り場の和服コーナーで同年代のセレブなお客様に高額なお着物のご接客をされていそうな、ご愛嬌と知的な感じが共存しているたおやかな雰囲気のご婦人でした。

 私は、そのお声のトーンやお言葉遣いから、たとえば女子高の生活指導主任教師として睨みを効かせていそうなぽっちゃり気味ひっつめ髪の、意識高い系お局様的な女性を想像していましたから、大外れ。

 あるじさまが左手に持たれているのは、やっぱり乗馬鞭。
 お姉さまのと同じブランド物の色違い、柄とベロの部分が緑色のものでした。

 そしてもうひとつ私をびっくりさせたのが、私の傍らに寺田さまがおられたこと。
 それもレースクイーンさんが着るような、超ハイレグお背中がら空きな真っ白でテラテラ輝く素材のレオタードをお召しになられて。

 寺田さまはわざとなのでしょうが、初対面のときのフレンドリーな雰囲気はすっかり消え、端正なお顔に薄い笑みをよそよそしく浮かべられて私を見ています。
 均整の取れたボン・キュッ・ボン、スラッと伸びる右脚だけクロス気味に前へと出したレースクイーンさんがよくやられている立ちポーズも決まっていて、しばし見惚れてしまいます。

「ふうん、可愛らしい顔しているじゃない?虐めたくなる顔とも言えるけれど」

 クイッとリードを引かれてあるじさまのほうを向きます。
 確かにあのお声が、そのお顔から出ています。
 人のよさそうなお顔に薄笑みを浮かべられて。
 
 このおばさまがさっきから、私をビタンビタンビンタされ首をギュウギュウ締めていたなんて信じられません。
 目隠しをされていたときの脳内イメージと現実のギャップを埋めるのに、もう少し時間がかかりそう。

 私たちが向き合っているのはお座敷のほぼ中央。
 あるじさまは縁側へと出る側のガラス戸を背に立たれ、その一メートルくらい離れた真向かいに服従ポーズな私。
 あるじさまより私のほうが背が数センチ高いみたい。
 寺田さまはふたりのほぼ真ん中右側、お相撲の立会いで言うと行司さんの位置にスクっとモデルポーズで立たれています。

 と思ったら寺田さまが優雅に壁際まで歩かれ、立て掛けてあった折りたたみ椅子を持たれ、再びあるじさまの傍らへ。
 その椅子にちょこんと座られたあるじさま。
 あるじさまの右手には私の首輪へと繋がるリードがしっかり握られています。

「でも顔に比べてからだのほうは、ずいぶんな開発のされっぷりじゃないか。その年ごろにしては熟し過ぎ、つまり、ふしだらだ」

 腰掛けられたあるじさまが私の裸身を低い位置から、まじまじと見つめ、決めつけてこられました。

「たっぷり重そうな下乳がいやらしくて掴みやすそうな乳房、鴇色の幅広い乳輪、物欲しげにツンと飛び出ている小指大の乳首…」
「くびれているくせに薄っすら脂肪の乗ったウエスト、まっすぐなお腹のおかげで余計に目立つ、ぷっくりと膨らんで卑猥に誘う無毛な恥丘…」

 服従ポーズな私の裸体を文字通り舐めるように両目を細められて見つめつつ、そのご感想を一々お言葉にされて私に告げてくださるあるじさま。
 傍らで寺田さまが見守られていることもあり、同性であるがゆえの恥ずかしさ、こそばゆさはまさに筆舌に尽くし難いほどです。

「女性器は前付き気味だな。陰毛が皆無なおかけで陰裂はおろか、萼を脱ぎ去った陰核まで飛び出しているのが見えている。陰核は標準より大きめ、つまり助平ってことだ。もちろんツヤツヤ濡れそぼっているのも…」
「腕と脚、あと腹にも、それなりに筋肉が付いているようだが、何か運動をやっているのか?」

「は、はい。趣味でクラシックバレエを少々…」

「ふん、バレエか。それならからだも柔らかいだろうし、少々窮屈な体位での責めも大丈夫そうだな…」

 あるじさまがご満足そうに小さく笑われ、握られていた引き綱の持ち手をスッと離されました。
 引き綱は麻縄にも似た、何かの繊維を編み込んだ縄状ロープで、お色も使い込んだ麻縄ライク。
 
 輪っか状となった持ち手の部分が空中を走り、ロープの途中が私のお腹に当たって首から両脚のあいだにぶら下がります。
 私の両膝下20センチくらいの空間にユラユラ揺れている持ち手。

「後ろも見せてみろ」

 あるじさまのご命令で素直に背中を向ける私。

「ははっ、さっき寺田が笑っていたのは、これを見たからだな。とんだど変態のご令嬢がいたもんだっ!」

 背中に浴びせられるあるじさまからの嘲笑。
 お尻上の恥ずかし過ぎる日焼け跡のことをすっかり失念していた私は、今更ながらの大赤面。

「こんな身も蓋もない自己紹介文をからだに落書きされて生活しているマゾ女なら、ケツの穴も充分開発済みなんだろうな?」

「は、はい…一応は…」

「よし、前屈みになってわたくしにケツを突き出してみろ」

「は、はい…」

 後頭部に両手を置いたまま前屈姿勢になると、お尻は自然にあるじさまへと差し出す形になります。
 リードの持ち手は畳の上にパサッと落ちました。
 すかさずツルッとお尻を撫ぜる感触、たぶん乗馬鞭のベロ。

「ひゃんっ!」

「ひゃん、じゃない。そのままの形でもう少し私に近づきなさい。後退二歩ぐらい」

 ベロでお尻をスリスリさすりながらのご命令。
 その鞭がいつヒュンと唸るかと、ビクビクしつつ摺足で後退します。

「そんなもんでいいだろう」

 ストップがかかったときに私のお尻は、座られているあるじさまの眼前50センチ無いくらい?
 剥き出しのお尻に至近距離から熱いまなざしが注がれているのがわかります。
 ただ、ここまで近づいてしまえば乗馬鞭も振るえないでしょうから、私は少しひと安心。

「よし、今度は自分の手で肛門を拡げて見せろ」

「えっ?」

「えっ、じゃない。両手をケツに回して左右それぞれの尻肉を引っ張ってケツの穴を押し広げろと言っている」

「ひっ!」

 右尻たぶをバチンとビンタされ、おずおずと両手をお尻に回します。
 お尻の割れスジに両手を掛け、左右それぞれ力を入れて引っ張ると、肛門粘膜に空気が当たるのがわかります。
 そんな行為を明るいお部屋で数十センチの至近距離から見られていると思うと、もう恥ずかしさの大洪水。

「ふうん、変態のわりには奇麗な襞並びじゃないか。ちゃんと菊の形をしているし爛れてもいない」
「粘膜に弾力はありそうだな。結構太いのまで飲み込みそうだ」

 ご冷静な分析を聞かされるほど、羞恥という名のヘモグロビンが体内を駆け巡ります。
 こんな状態、いっそのことズブリと指でも挿していただいてウネウネ掻き回していただき、アンアン喘いでいたほうがどれだけ楽か…

「よし、ついでに今度は両手を少し下へずらして、膣口を拡げて見せろ」

「えっ!?」

「だから、えっ、じゃない。おまえのパイパンマンコの襞の奥まで覗いてやるから、自分の両手で陰唇を広げろと言っている」

「あ、あの、でも……、、、ひぃぃっ!」

 バッチーンという甲高い打擲音と共に左尻たぶに強烈な一撃。
 弾みで私の両手も自分のお尻から外れてしまうほど。

「オナ子は本当に頭が悪いね、三歩歩いたら忘れる鳥頭なのかい?さっき言っただろ?奴隷に、でも、だの、だって、だのは無いって」
「それともあれか?ドマゾだからわたくしのビンタが欲しくて、わざとわたくしに逆らっているのかい?」

 激昂気味なあるじさまのお声。
 でも私は前屈姿勢で自分の両脚のあいだからあるじさまを覗き込む格好なので、残念ながらあるじさまのお顔まではアングル的に見えません。

「ち、違うんです、私の、マゾ子のマゾマンコならいくらでもお見せするのですが、マゾ子のマゾマンコの中は今、はしたないおツユでいっぱいなんです…それを押し開いてしまったりしたら、せっかくの奇麗な畳を汚してしまいます…そうお伝えしたかったのです…」

 一生懸命、本心で弁解しました。
 全マゾ性を込めてしまったおかげで自分の呼び名まで間違えてしまいましたが…

「ふふん、そうかい。つまりおまえは、自分のマンコにマン汁が溢れ出ているから、マンコを抉じ開けて滴らせてこの座敷を汚したくない、そう考えたわけだ?」

「は、はい…」

「ふん、その心遣いはいい心がけだ。が、わたくしが名付けた自分の呼び名を間違えたのは重罪だな?自分でドマゾだと自覚しているからこその言い間違いなのだろうが」

「はい、ごめんなさい、申し訳ありません。私はオナニー大好きでドマゾで淫乱レズベンキな露出狂で、あるじさまの所有物セイドレイ、オ、オナ子です…」
 
 もはや私は、あるじさまから滅茶苦茶に辱めて欲しくて堪らなくなっています。

「ふん、ずいぶん躾の行き届いたマゾ女ぷりだな?まあいいわ。説明してやると、この座敷の畳は毎年十何人ていうオナ子みたいなしょーもないマゾ女のマン汁を吸い込んでいるんだよ。でもまあ、毎年4月には全部畳替えしちゃうんだけれど」
「今年はオナ子で8人目だったかな。だから畳が汚れることに気を回す必要なんてさらさらなかったんだね、余計なお世話って言うか」

 お芝居っぽかったあるじさまのご口調が、そこからガラッと愉しげに弾みました。

「ま、それはそれとして、わたくしがわざわざ付けてやった呼び名を勝手に間違えたことと、でも、と逆らった重罪の償いはしてもらわなくちゃねぇ。歯を食いしばりなさいっ!」

 あるじさまがガタンと立ち上がられる気配がして、私はギュッと目をつぶります。
 ほどなくヒュン、ヒュンという空を切り裂く甲高い音が二回して、右尻たぶ、つづけざまに左尻たぶに、焼きごてを押し当てられたような熱すぎる痛みが…

「あうぅぅっ!!」

 まさしくこれは乗馬鞭のベロ部分のクリーンヒット。
 この後数日間、ベロ部分の矢羽状の打痕は赤く残ったまま、ヒリヒリする痛みも数日消えないことでしょう。

 あ、もちろん今まで私は焼きごてを肌に押し当てられたことなんてありませんから、おそらくそんなふうな痛みなのだろう、という想像です。
 乗馬鞭のクリーンヒットは何度か経験しているので、こちらは体験談です。

「そういうことだから、さっさと自分でマンコをおっぴろげなさい」

 椅子にご着席し直されたのでしょう、お声の出処が低くなられたあるじさまのお言葉が聞こえてきます。

「は、はい…」

 ジンジン疼く、肛門位置の横延長線上左右尻たぶに記されたふたつの打擲痛に身悶えしつつ、再び両手をお尻のスジ沿いにあてがいます。
 さっきより低め、蟻の戸渡りを通り越し、無毛の大陰唇のふくらみにあてがった両手を左右にグイッと押し開きました。

 トロトロトロッ…
 いきなり開かれた扉に活路を見い出した粘液たちが、我先にと溢れ出ていくのが自分でわかりました。
 
 先ほどの強烈な乗馬鞭二連発で私は小さくイッていました。
 なので私のマゾマンコ内発情分泌液は、どんな小さな隙間からでも滲み出たいギリギリ飽和状態。

 そんな恥ずかし過ぎるスケベなおツユに大放流の僥倖が訪れ、あるものは内腿から脛やふくらはぎを伝い、あるものはラビア襞に溜まって膨れた雫が重力に引かれるままに、トロトロポタポタ滴っています。
 両脚を滑る粘液は、私が白いハイソックスを左右まだ履いたままでしたから、その布地に滲み込んでくださっているようで、畳を汚す心配はありません。

 問題は開いた両脚の境目からポタポタ垂直に落ちる雫たち。
 これは確実に畳を汚してしまう…
 と自分の股のあいだから覗き込んでいると…

 ちょうど雫が滴り落ちる地点に、スウェットパンツを脛までまくられたあるじさまの裸足な右足の甲が差し出されていました。
 もちろん引っ切り無しに滴り落ちているので、あるじさまのお御足の甲をも滑り落ち、お御足左右の畳に滲み込んでもいるのですが、あるじさまのお御足の甲も満遍なく濡れそぼっています。
 何より恥ずかしいのは、あるじさまのお御足の甲を濡らす水溜りがほんのり白濁していることでした。

「いいでしょう、オナ子のマゾマンコの性質も概ね把握しました。上体を起こしてこちらを向きなさい」

 あるじさまからの厳かなお声に導かれ、精一杯押し広げていた自分の熱く濡れそぼった大陰唇から両手を離す私。
 あるじさまへと向き合うときにはもちろん両手は後頭部、その両手の指先はおツユの熱で少しふやけています。

「オナ子のマゾマンコって外見はラビアも飛び出してなくてツルンとしてるだけだけれど、膣内はずいぶんビラビラ派手なのねぇ?」

 からかわれるようにおっしゃるあるじさまの薄い笑顔は、舞踏会でお召し物をお互いに褒め合う品の良い貴婦人さまがたみたい。

「あ、ありがとうございます…」

 なぜだか感謝してしまう私。

「どうやらオナ子は筋金入りのドマゾのようだから、こうしてわたくしから虐められるのも嬉しくて仕方がないんだろうねぇ?」

 お芝居口調でそうお尋ねになるあるじさまの私の顔を覗き込む笑顔は、これまでで一番イジワルいご表情に見えました。


2021年8月21日

肌色休暇二日目~いけにえの賛美 06

  ボールギャグを噛ませられると口がずっと半開きとなってしまい、どうしても口腔内に唾液が溜まってきてしまいます。
 半開きの口ではうまく飲み込むことも出来ず、溢れ出た唾液はよだれとなって口外へ。

 お部屋にひとり取り残されてから体感で5分以上は経っていましたから、すでによだれは幾筋も私の顎を滑り落ちています。
 せっかく可愛いブラウスなのに、よだれなんて垂らして汚したくないな…
 そんなことを考えていたとき、ガタッと微かな物音が聞こえました。

 スーッと何かが滑る音は、引き戸が開いた音。
 パタッという音は引き戸を閉じた音。
 スッ、スッと畳を擦る音はどなたかがこちらへ近づいてこられる足音。
 視界を閉ざされているせいで、聴覚がとても敏感になっています。

 やがて漂ってきた甘いローズ系の香水の香り。
 嗅覚だけではなく空気の揺れ?ほのかな体温?みたいな体感で、私のそばにどなたかが居られるのがわかります。

 ほんの微かな衣擦れの音は、しゃがまれたのでしょうか、座られたのでしょうか。
 お姉さまのトランクケースが置いてあるはずのところ辺りから、ピラっと紙をめくるような音も聞こえます。

 音を頼りに見えないお相手のほうへと顔を向け、より多くの情報を得ようと耳をそばだてます。
 そんなことをしても私が手足を拘束されている以上、事態は改善しないでしょうことはわかっているのですが。

 再び衣擦れの音。
 直感的に、立ち上がられた、と感じました。

「ふうん。写真で見るより初々しい感じの子だね」

 女性のお声でした。
 それもアルトで落ち着いた感じの大人のお声。

 お声のトーンと言うかニュアンスに、他人、部下とか使用人とかを使い慣れているような感じがあって、そこがお姉さまの会社の早乙女部長さまに似ているような気もしました。
 部長さまよりももっと威厳と言うか貫禄のある感じ、なんて言うと部長さまに怒られてしまいそうですが。

 そんなことを考えていたらローズの香りがグッと近づいてきました。
 お声の主が私のからだに近づかれたのでしょう。

「おまえ、なんでここにいるんだい?」

 からかうような蔑むような、生理的に癇に障る声音。
 それより何よりいきなりの、おまえ、呼びにムッと眉根が曇ります。
 そんなこと、私のほうが知りたいですっ!

「むぐぅん、んぬぅぅぐぅ…」

 ボールギャグのおかげで言葉にならない反発を唸りに変えて投げ返します。

「ふふん、だいぶご立腹のようだね。おまえがなんでここにいるか教えて上げる。おまえは売られたのさ」

 女性のお声が多分にお芝居がかってきました。
 その分お声にグッと渋みが増し、おそらくご中年以上のお年を召しているかたのように思えます。

「あの渡辺って女社長がおまえに飽きて、わたくしに押し付けてきたのさ、好きにしていいって」
「女社長はさっさと東京に帰ってしまったよ。だからもうおまえはここで生活するしか生きる道は無いんだ」
「それでおまえは今日から性奴隷としての調教を受けることになる。おまえの両親が身代金を払ってこなければね」

 女性のおっしゃっているお言葉の意味がまったくわかりません。
 お姉さまが私に飽きた?お姉さまは東京へ戻られた?身代金?
 それに私はもうすでに着々とセイドレイ、レズベンキの道を歩んでいるのですけれど。

 おそらくこれもお姉さまが仕組まれたお芝居、ロールプレイングゲームなのでしょう。
 そう言えば先ほど、お金で売った、とか、あたしはいなくなる、とかしきりにお姉さまがおっしゃっていましたっけ。
 
 でも、それだったら今お相手してくださっているこのかたって、一体何の先生なのでしょう?
 偉い先生ともおっしゃっていましたが…

「むぐっ…」

 そのときスーッと左足ハイソックスのふくらはぎを撫ぜられて、思わず声が出てしまいました。
 経験上の感覚なのですが今、脚を撫ぜたのは人の手ではない気がします。
 おそらくですが乗馬鞭のベロの部分、オフィスで目隠しされてリンコさまミサさまに何度かやられた覚えがありました。
 そのベロが今はスカートの中まで潜り込み、私の内腿をスリスリ撫ぜさすっています。

「んふむぅ…」

 腿の付け根付近まで近づいては到達せずに去っていく、そのもどかしい愛撫に図らずも鳴ってしまう私の喉奥。
 両膝もぷるぷる震えてしまっています。

「ふうん、感度はいいようだな。遊び甲斐がありそうだ」

 右内腿に貼り付いていたベロがスッと引かれ、私の下顎に密着しました。
 力を込められているのでもないのに、ベロから逃げるように自然と顎が上がってしまいます。

「でもまあ、感度が良かろうが悪かろうが関係ないの。ここに三日も居たらどんな女だって、真っ逆さまに堕ちちゃうから」
「深窓のご令嬢だろうが貞淑な人妻だろうが、なんなら自称ドSの女王気取りだって、三日もすれば鞭や縄を見ただけでハアハアよだれを垂らしまくるド淫乱マゾメス性奴隷に成り果てているから」

 顎のベロが去り、女性のお声も少し遠のきました。
 それからカチャカチャと何か金具をいじる音。
 お姉さまのトランクケースを開けられたのかもしれません。

「さて、次におまえのからだを見せてもらうのだけれど、わたくしが何を聞いても、むうむう答えるだけでは面白くないね」
「いいでしょう、おまえの口枷を取ってあげましょう。その代わり騒ぐんじゃないよ?もし騒いだら…」

 そのお言葉の後に、ヒュンッ、という細い棒が空を切るような鋭い音がしました。
 マゾであれば身震いした後に期待に胸が高鳴ってしまうような蠱惑的な音。
 これで女性が乗馬鞭をお持ちなことは確定したようです。

 女性は相変わらずお芝居っ気たっぷりなご口調なのですが、それが妙に緊迫感があり真に迫ってもいて、私もなんだか不安感が募ってきます。
 お姉さま、本当に私に飽きちゃったのかも、本当にずっとここで過ごさなくちゃならないのかも…
 あり得ないこととは思うのですが、それほどこの女性のお言葉の端々に根拠の無い信憑性を感じてしまっています。

 不意にローズの香りがグンと濃くなりました。
 女性が私の背後に立たれたようです。
 ローズの香りに混ざってシャンプーなのかコンディショナーなのか、少し違うフローラルな香りも漂ってきます。

 冷たい指が私の首の後ろに当たりモゾモゾ動いています。
 ボールギャグのストラップを外してくださっているのでしょう。
 やがて頬を締め付けていたストラップが緩み、口腔から球状の異物がスルッと抜けました。

 んぐう…
 口中がやっと自由になり、下顎に溜まっていた唾液を慌てて飲み込みました。
 はあはあはあ…
 それから喉の通りを確かめるみたいに荒い息を吐いて呼吸を整えます。

「あらあら、ブラウスによだれ、こんなに垂らしちゃって、みっともない女だね」

 心底嘲笑うようなニクタラシイお声。
 聞いた途端にプチンと頭の中で何かが切れました。

「あ、あの、あ、あなた、なに…」

 バチーンッ!

 大きな声で抗議しようと声を上ずらした途端に、右頬に強烈なビンタ。
 今までされた中で一番強い、遠慮会釈のない本気のビンタ。
 ある意味、生まれて初めてのショッキングな体験。

「んぐぅっ!」

 間髪を入れず私の首が冷たい手のひらで掴まれます。
 右側は親指、左側は残りの4本?
 いずれにしてもその指たちがジワジワと私の首を締め上げてきます。

「さっき騒ぐなって言ったよね?それともおまえ、頭悪いの?日本語わからないの?ここで死にたいの?」

 ドスの効いた女性のお声に恐怖が5割、反発が4割。
 残りの1割は…

 お相手が女性声ということが大きかったと思います。
 男性相手だったら死に物狂いで抵抗していたことでしょう。

「んぐっ、ご、ごめんなさいぃっ、ごめんなさいーっ…」

 締め付けられる喉を震わせ、必死に謝りました。
 予想外の展開に動揺して息を潜ませていたマゾ性が、ムックリ目を覚ましちゃったみたいです。

「うん。素直に謝れるのはいいことだ。その態度を忘れないように」

 ご満足そうなお声と共にローズの香りが遠のいて行き、女性が私から離れられたよう。

「それじゃあ、おまえのからだを見せてもらうことにする。おっとその前に、おまえの名前は?」

 再び顎の下に乗馬鞭のベロをあてがわれつつのご質問。

「は、は、はいっ…んもっ、もりしたな…」

 バチンッ!
 私が言い終わるか終わらないうちに、今度は左頬に強烈ビンタ。

「いいわ、どうせ性奴隷に成り果てる身なんだから名前なんかどうでも。あ、でも呼びつけるときに必要だから、わたくしがおまえに奴隷ネームを付けてあげましょう」

 ますますお芝居がかられる女性のご口調が弾んでいます。

「そうね…おまえは…なお…おな…おなこ、そう、オナ子よっ!うん、ぴったり!だってそういうからだつきしているもの」

 ますますお声を弾ませる女性。
 私も言われた瞬間にドキンと心臓が弾みました。

 確かに私はオナニー大好き人間ですから、ぴったりと言えばぴったり。
 本名と微妙にかぶっているところもポイント高め。
 全人格を否定され、みっともない名前で呼ばれるセイドレイ。
 確かに私にうってつけな名前だ、と思ってしまう私のマゾ性…

「それじゃあオナ子のからだを見せてもらうことにしようか」

 再度ローズの香りが強くなり、女性がズイッと私に近づいた気配。
 私の開いた両膝のあいだに女性のお御足があるみたいで、少し自由に出来る両膝で挟むと女性の布越しのお膝上辺りの太腿に当たるみたい。
 ということは、それほど身長は高くない?

 そんなことを考えているあいだに、ブラウスの襟元に手が掛かる気配がしました。
 えっ!?ボタンを外すのではないの?一気に押し開いちゃうつもり?可愛いブラウスなのに…

 思う間もなくブチブチっとボタンが弾け飛ぶ音。
 一緒にビリっという音も聞こえたので、どこか破けちゃったかも知れません。
 ああん、もったいない…
 さらけ出されたお腹に外気を直接感じます。

「あら、色気のないブラジャーね。白の綿ブラ?今どき中学生だってもっと色っぽいブラ着けてるよ?」
「でもまあしょうがないか。契約書によるとさる財閥の深窓のご令嬢様なそうだから。そうやって躾けられちゃったんだね」
「これからおまえの知らないオトナの世界を嫌と言うほど叩き込んであげるから、愉しみにしていなさい」

 お姉さまってば、私をどんなふうにプレゼンされたのでしょうか?
 でもどんなに取り繕っても、ブラを外されたら私の性癖はモロバレなのですけれど。

 引き千切られたブラウスはそのままに、いったんローズの香りが遠のきました。
 と思ったらすぐに戻ってこられ、左頬に冷たい金属のような感触を当てられました。
 えっ!?と思わず顔を動かそうとすると…

「おっと、無闇に動かないほうが身の為だよ?ナイフだから。ヘンに動くとその可愛い顔にザックリと…」

 お芝居声でしたが、確かに頬に当てられたのは金属の感触。
 ゾクゾクっと背筋が痺れ、数ミリも動けなくなってしまいます。

「奴隷に下着は無用だからね、このナイフでおまえのブラジャーを役立たずに切り刻んであげるから」

 頬に当たっていた金属が今度は左肩に当たっています。
 肩紐を切ってしまうおつもりなのでしょう。
 でも、このブラジャーは私の数少ない私物、このブラを切り刻まれてしまったら、私は東京に戻るまで着るべき下着が皆無となってしまうのです。

 旅行の前にお姉さまがおっしゃった、失くしたり破られもいい下着、という意味がわかりました。
 それがわかっても、今どうすればいいのかはわからないのですが。

「ごめんなさい、わかりました…ブラジャーは自分で脱ぎますから、どうか切ったりしないでください…」

 回らない頭でなんとかそこまで告げたとき、再び右頬に強烈なビンタがバチーンっ!
 ぶたれた頬がヒリヒリ火照って、なんだか気持ちいい…

「何がわかったんだい?オナ子?おまえはまだ自分の立ち場がわかっていないようだね?奴隷がわたくしに、でも、だの、だって、だの、どうか、だの意見する権利はないんだ」

 来そう、と思ったら案の定、私の左頬にビンタ。
 私、なんだか女性からのビンタを心待ちにしているみたい。
 私が、あうっ、と呻くと同時にブラジャーの左紐の締付けが緩みました。

 左乳首が外気に晒されている感覚がありますが、それよりも気になったこと。
 ブラのストラップを切られたとき、ナイフで切られた、と言うより、裁ちバサミか何かでジョキンと切られた感じがしたこと。
 左肩にナイフの背の部分がずっと当たっていて、その上からもう一枚、別の刃が下りてきたような感触。

「ちょっと何?その乳首。おまえ、わたくしにこんな酷いことをされているのに感じちゃってるの?ビンビンにおっ勃てているじゃないか」
「それに何、その日焼け跡。どんな水着着てどこで焼けば、そんな卑猥な日焼け跡になるんだい?」
「おまえ、そういう女なの?虐められて悦ぶマゾ女?あの女社長にとんだ紛い物つかまされたってわけ?」

 演技なのかご本心なのか、おおげさにお嘆きになる女性。
 そのあいだに当然のように、右のブラ紐もジョキンと切り離されます。
 ブラジャーの残骸が虚しくお腹へと落ち、宙を突く両乳首が外気に晒されています。

「ちょっと、見ているほうが痛々しいくらい乳首がイキリ立っているじゃない?オナ子?興奮しているでしょう?」

「いえ、そんなんじゃないんです…自分でも何が何だかわからなくて…でもからだが熱くなってしまっているんです…」

 女性の癇に障るようなことを言えばビンタが貰えると思った私の、精一杯の大根演技。
 だけどちゃんと右頬にビンタをいただけました。
 ヒリヒリ火照る両頬が、やっぱり気持ちいい…

「そういう女なら話は早いけどさ。しのごの言ったってマンコを見ればおまえの本性は隠せないのだから」

 語気荒くおっしゃった女性の手が私のスカートにかかり、一気にまくり上げられます。

「うわ、何これ?ソファーにネットリ水溜りが出来てるじゃない?おまえ、何考えてるの?」
「手足の自由奪われて、さんざんビンタ食らって、口汚く罵られてこのザマかい?オナ子は正真正銘のドマゾみたいだな?」

 一段と冷ややかになられたお声と共にスカートのホックが外され、一気に摺り下げられます。
 でも私は大股開き状態ですからウエスト部分が膝で引っ掛かり、力任せになおも引っ張られたようでビリビリッという音が。
 スカートだった布片が脛のところに中途半端にへばりついた状態。

「パンツも綿パンかい?小賢しいね。おまえの本性はもうバレてるんだよっ」

 左腿に金属が当てられジョキンという音。
 腰周りを締め付けていたゴムの感覚が消えました。

「おまえ、陰毛はどうした?」

 約立たずとなったショーツが乱暴に摺り下げられます。
 おそらくマゾマンコからたくさんのか細い糸が布地裏へと引いては切れていると思います。

「そ、それは…」

 どうお答えすれば、どう嘘をつけば女性からまたビンタがいただけるだろう、と考えますが、良いお答えが浮かびません。

「ふん、おおかた女社長の戯れで丸坊主にされちまったんだろうよ。それでパイパンマンコにハート型の日焼け跡って、とんだ傷物のお下がりを押し付けられたってわけだ。剃毛はわたくしの大好物だと知っているだろうに」

 少し気落ちされたような沈んだお声がなんだか可愛らしく思えます。
 そんなことを考えているあいだに右膝の辺りに纏わり付いていたショーツの感覚が消えていました。

「オナ子のスケベ汁は一段とかぐわしいね、マゾメスの臭いがプンプン。それに何このパンツ、クロッチのあて布がわざわざ剥がしてあるじゃないか。そんなにまでしてパイパンマンコをアピールしたいのかい?」

 女性が私のショーツを手に取られているみたい。
 汚れたショーツにお鼻を近づけてクンクン嗅がれているお姿を想像すると、いたたまれない恥ずかしさとみじめさにゾクゾク興奮してしまいます。
 
 はい、私は、はしたなく浅ましいマゾメスセイドレイレズベンキなんです、どうか、こんなどうしようもないオナ子に罰を、ビンタを、鞭をお与えください…
 そんなふうに口に出して懇願したくてたまりません。

「おまえほどのドマゾなら、外に素っ裸で放り出されるのも大好きなんだろう?そのいやらしい裸を誰かに視てもらいたくて仕方ないんだろう?」

 鞭のベロで剥き出しの秘裂をベロンと逆撫でされながらのご質問。

「んふーっ!は、はい…直子は、あ、いえ、オナ子は露出狂ドレイです…お外で恥ずかしい格好で辱められるのが大好きなんです…ご、ごめんなさい…」

 目隠しのせいかマゾ性への没入感が凄まじく、そんな恥ずかし過ぎる台詞がスラスラっと口をついてしまいます。

「ふん。ならお望み通りにしてやる。外で、太陽の下で何もかもさらけ出して、失神するまで悶え苦しむがいい。言っておくが、おまえから望んだのだからな?後で後悔しても遅いぞ」

 冷え切ったお言葉にゾクゾクっと震える私のマゾ性。
 ローズの香りがすぐ傍まで近づいて来ていました。