2015年8月2日

オートクチュールのはずなのに 14

 私の舌と指で精一杯ご奉仕して、お姉さまに心行くまでご満足していただいた後、ふたりで軽くシャワーを浴びました。
「今日は直子の裸を、街の景色の中で視ることが出来るのね。愉しみだわ」
 私の全身をボディソープのヌルヌルで、やさしく愛撫してくださるお姉さま。
「そういうアソビにつきあうのって久しぶりだから、なんだかドキドキしてきちゃった」

 お姉さまが背後から抱きつくみたいに、からだを合わせてきました。
 お姉さまの乳首が硬くなっているのを背中に感じます。
 私もさっきのお姉さまのお言葉で即座に、都会のビル街の一角に全裸で立つ尽くす自分の姿を想像し、不安と期待がシーソーみたいにぎっこんばったんしていました。
 泡まみれのからだをピタリくっつけ滑らせて、しばらくその心地良い愛撫に身を任せました。

 バスルームから出てからだを拭いているとき、お姉さまが私を見ながらおっしゃいました。
「だけど慎重にやらないとね。もしもそのスジの人にみつかったら、ややこしいことになっちゃう。あたしたちが、と言うか、直子がこれからしようとしていることって、コーゼンワイセツっていう、一応立派なハンザイだもの」
 その現実的で不穏な内容とは裏腹に、お姉さまのお声はウキウキ弾んでいるように聞こえました。

「あたしはこれから寝室で、出張の準備も含めていろいろ荷造りしてくるから、直子も自分の荷物をまとめておいて。もうここへは戻らず、夜には池袋へ向かうから」
「はい」
「冷蔵庫に残っている食材は、直子が持って帰って。あたしはまた当分戻れないから。あ、直子のオモチャはまだ仕舞わないでね。いくつか今日使いたいものがあるから」
「・・・わかりました」
 全裸のままスタスタ寝室へ向かうお姉さまの背中をお見送りしつつ私の右手は、シャワーの前に外した赤い首輪へと自然に伸びていました。

 キッチンとソファー周辺をお片づけしてから、お洗濯ものを取り込みました。
 お外は相変わらず、どんよりジメジメでしたので、タオルもお姉さまのワンピースも生乾きでした。
 それらを窓際に吊るし直してから、さて、と考えました。

 外出するのですから、当然何らかのお洋服を着ることになるはずです。
 一昨日、お姉さまのお部屋に伺った目的が、全裸家政婦、で当然ずっと裸でいるつもりでしたから、来たときに着てきた前開きのミニワンピース以外、着替えは持ってきていませんでした。
 となると、選択肢はそのミニワンピしかないのですが、このお部屋では、お姉さまのお許しがないと着衣は認められない決まりです。
 なので私は裸のまま、お姉さまの準備が終わるのを、ソファーに浅く座って待ちました。

 待っているあいだも、いろいろ考えました。
 おそらくお姉さまは、ノーパンノーブラ、ミニワンピ一枚でお外に出るようにご命令されるだろうな。
 そうなると私は、一昨日のスーパーでの恥辱を、昼間の街中でもう一度味わうことになりそう。
 ボタンをジワジワ外されて、誰かいるところで前を開くようにご命令されて・・・
 妄想がどんどんふくらんで、全身がぐんぐん火照ってきました。

「お待たせー」
 大きめなカートといつものバーキンバッグを手にしたお姉さまが、リビングに戻ってこられました。
 着古した感じのスリムなウォッシュアウトジーンズに黒Tシャツ、その上に、これも着古した感じのタンガリーシャツを羽織っています。
 こんなにラフなコーデのお姉さまを見るのは初めて。
 でもカッコイイ!
「雨になるみたいだからね、濡れてもいい感じでざっくりしてみた」
 驚いたような私の視線に気がつかれたのか、お姉さまが言い訳するみたくおっしゃいました。

「準備は終わった?」
「あ、はい。一応・・・あの、お姉さま?」
「ん?」
「私もお洋服を着て、よろしいでしょうか?」
「なあに?あたしの許しが出るまで着ないで待っていたの?いい心がけじゃない」
「・・・はい、決まりですから」
「さすがのあたしも、この部屋からずっと裸のまま街中を連れ回す勇気は無いわ。着ていいわよ」

「何を着ればよいのでしょう?」
「えっ?あのミニワンピ以外に何か着替え持ってきているの?」
「いいえ」
「それなら、それしかないのじゃなくて?」
「あ、はい。それで、下着は・・・」
「ああ、そういうことね。ちょっと待って。あたしに考えがあるから」
 お姉さまが嬉しそうに薄く笑って、バーキンの中から何か小さめな箱を引っ張り出しました。

「まずは下着ね。初日に穿いていた黒以外、替えの下着も持ってきているの?」
「はい。一応お姉さまがお店で見立ててくださった他の3種類は持ってきました」
「ああ。フロントホックのストラップレスブラと紐パンね。どこでもこっそり脱ぎやすいっていうコンセプトの。確か前割れとかスケスケのパンツもなかったっけ?」
「はい・・・ありました」
「それしか持ってきていないということは、あたしといるときはいつでも、直子は下着を脱ぐ気満々ていうことなのね。やらしい子」
「そ、そんなつもりではありません・・・」
「うふふ。最初から露出マゾ全開でいくなら、ノーパンノーブラでワンピだけ着ててもらったほうが手間が省けるのだけれどさ、今日は直子に、何て言うのかな、合法的な辱めも存分に味わってもらおうかなって考えているの。そのためには、脱ぎやすい下着だとつまらないのよね」
 お姉さまの唇両端が、イジワルそうに少し吊り上がりました。

「スケスケも前割れも、それはそれで面白いのだけれど、それは次の機会にして、今日はあたしの下着を貸してあげる。安心して、買って一回しか身に着けたことないやつだから」
「ちょっと待ってて」
 お姉さまがそそくさと寝室に向かわれました。
 さっきからお姉さまがおっしゃっていることの意味をほとんど理解出来ていない私は、お姉さまの下着をお借り出来るんだ、どんなやつなのだろう?私なんか想像も出来ないほどのえっちさだったりして、なんて考えながらドキドキ待ちました。

「はい、これ」
 お姉さまが差し出されたのは、グレイというよりシルバーと呼ぶべきテラテラ光沢の有る生地で出来たブラジャーとショーツでした。
 ショーツに触ってみると、この滑らかさは明らかにシルク。
 縁取りとかにレースっぽい装飾も施してあって、ゴージャスなのに可愛いらしい感じです。

「ブラは、直子にはキツイはず。直子のほうがボインだものね。まあ、ハーフカップだからなんとかなると思う」
「それに直子、そういうのも好きでしょう?おっぱい締め付けられるの。最初にお店来たときもそうだったものね?」
 お姉さまがからかうように笑いながら、ショーツとお揃いのブラジャーも手渡してくださいました。
 私が早速身に着けようと、まずショーツを広げて身を屈めようとしたら、お姉さまから、待った、がかかりました。

「このワンピなのだけれどさ、何か物足りないのよね。ゆったりめだからシルエットがストンとしちゃって、いまひとつ色っぽさに欠ける気がするの」
 昨日お洗濯して壁際に吊るしておいた私のミニワンピースをはずし、私に手渡してきました。

「下着着ける前に、ちょっと着てみてくれる?あ、全体を裏返しにしてね」
 お言いつけ通り裏返しにしてから、両袖を通して羽織りました。
「ウエストを絞るともっと可愛くなると思うのよ。あたしが応急処置してあげる。たぶん、いい感じのシルエットになるはず」
 羽織り終えると、お姉さまの両手が前を合わせてきました。
「ボタンも嵌めてね。胸元からおへそあたりまででいいから」
「あ、はい」
 裏返しになって、ボタンと穴との関係がややこしくなっている前立てを、苦労してちまちまと、なんとか留め終えました。

「おーけー。そのままじっと立っていて。針を使うから動くと危ないわよ」
 お姉さまがメジャーと、カップケーキみたいな形の可愛らしい針山を持って近づいてきました。
 さっきお姉さまがバッグから取り出した箱は、お裁縫セットだったようです。

「こんなものかな・・・うーん、もう少し詰めちゃおうか・・・」
 お姉さまが小声でブツブツおっしゃりながら、私のウエストにメジャーを当て、針山から抜いたマチ針で手際良く布を留めていきます。
 さすが元服飾部部長さまで、今はアパレル会社の社長さま。
 その手馴れた手つきに見惚れつつ、じーっと眺めていました。

「これでよし、っと。脱いで」
「あ、はいっ」
 一歩離れたお姉さまの一声が聞こえ、あわててまたちまちまと、ボタンを外し始めました。
「あたしはこれをちゃちゃっと縫っちゃうから、直子はそのあいだに下着を着けちゃいなさい」
「わかりました」
 ワンピとお裁縫箱を持ったお姉さまがダイニングのほうへと移動し、裸に戻った私は、お姉さまがご用意くださった銀色の下着たちに再び手を伸ばしました。

 確かにブラジャーは、少しきつめな感じがしました。
 ハーフカップなので下乳を持ち上げる形になり、その分普段より、上から見るとおっぱいの谷間がクッキリ出来て、強調されています。
 これでワンピースを着てVゾーンを広めに開けたら、かなりエロそう。
 生地が薄いので、私の尖った乳首だとカップの上からでもその位置が、かすかに突起していました。
 でもワンピースを着ちゃえば、たぶんわからなくなるでしょう。

 ショーツのほうはローライズ気味ながら、いたって普通な感じで、下腹部とお尻をしっかり覆ってくれていました。
 ブラジャーもショーツもすごく肌触りが良く、着け心地はいい感じ。
 ただ、およそ二日ぶりの下着の布地の感触に皮膚がとまどっているみたいで、なんだかこそばゆい。
 そう言えば、お姉さまも一度着けたことがある、っておっしゃっていたっけ、なんて思い出し、キュンと感じちゃいました。

「出来たわよー」
 ワンピースを手にしたお姉さまが戻っていらっしゃいました。
「おおお、直子ったらまたいっそう、ボインちゃんになっちゃって」
 ハーフカップで下から持ち上げられた私の谷間を指さして、お姉さまがからかいました。
「はい、着てみて」
 お直しされたミニワンピースを手渡され、そそくさと腕を通す私。

「お姉さま、すごいです。ほんの少しの時間で、こんな見事にお直しが出来てしまうなんて」
 両袖を通しただけで、ワンピースが生まれ変わっているのがわかりました。
 ルーズめなシャツワンピだったのに、ウエストを詰めただけで、ゆるふわな感じのフェミニンワンピに様変わりしていました。
「ボタンも全部留めてみて」
 ご自分の成果にニコニコ満足そうなお姉さま。
「はい」

 上からボタンを留め始めると、お姉さまの意図がだんだんと見えてきました。
 ウエストが絞られ胴回りがタイトになり、その分バストとヒップ部分は前にも増してゆったりめ、つまり布地が肌から浮いた状態になっていました。

 たとえばVゾーンを開け過ぎたら外部から中身が覗けやすいし、スカート部分も前より横に広がりがちなので、よりひるがえりやすい状態。
 もしもこのワンピースをノーパンノーブラで着たなら、以前よりも容易に、生おっぱいや生お尻が露出しやすいルーズフィット状態になっていたのでした。
 なるほど、だからお姉さまは、まずは下着をちゃんと着けるようにご命令されたのでしょう。
 このワンピースでお外に出て、ノーパンノーブラにされてしまったときのことを考えると、頭がクラクラしてきます。
 それでもなんとかがんばって、震える指でボタンを留めつづけました。

「あの、お姉さま?」
 9個のボタンを嵌め終わり、最後のひとつを嵌めようとしたとき、気がつきました。
 10個目のボタンが、無いのです。

「ん?なあに?」
 ソファーに腰掛けたお姉さまが、満面に笑みを浮かべて私を見ました。
「あの、一番下のボタンが無いのですが・・・」
「あ、それね。ごめんごめん。さっき縫っていたとき、そこのボタンだけ取れそうだったのに気づいて付け直そうと思って、いったん取ったのよ」
 ニヤニヤ笑いなお姉さまの、白々しいお芝居口調。

「そしたら誤って落としちゃって、床の上をコロコロって。いくら探してもみつからないの。仕方が無いからそれでがまんして」
 お姉さまのてへぺろは、ちっとも可愛くありませんでした。
 
 一昨日のスーパーから駐車場へ戻るときの夜道を、あざやかに思い出していました。
 ここのボタンが留まっていないと、割れた隙間から私の股間が、一歩歩くたびにチラチラ覗いてしまうはずです。
 その上、ウエストを絞ったために布地が引き攣り、裾全体も以前より1、2センチ短かくなっていました。
 広がり気味フンワリめとなったこととも相俟って、今だって、ちょっと動いたら両腿の付け根付近が覗きそうでした。
 ありったけのジト目でお姉さまのお顔を睨みました。

「なーんてね。いいじゃない?パンツ穿いているのだから」
 お姉さまも薄笑みを引っ込め、まっすぐに冷たい視線を合わせてきました。
「合法的な辱めっていうのは、そういうこと。パンチラならハンザイではないもの。直子も、ボタン嵌めていないことに気づいていないフリをして、平気な顔して歩けばいいのよ。そういうの、得意でしょ?直子は」
「で、でも・・・」

 お姉さまから強気に出られると、すぐ、本来のドエムに戻ってしまう私。
「見せたがり露出マゾなのだから、パンツくらい、いくらでも見せてあげればいいじゃない。まあ、いずれ、そのパンツだって脱がなくてはいけないことになるのだけれどね。それも、こっそりとではなくて、街中で、大胆に」
「そのために、脱ぎやすい紐パンではなくて、普通のパンツを穿かせたのよ。どう?愉しみでしょ?」
 イジワルさ全開のお姉さまからの淫靡なお言葉が、私のマゾ性をブルブル揺さぶって、それ以上の抵抗を諦めさせました。

「事前のネタバラシはこれくらいにして、最後の仕上げをしましょう。こっちに来て」
 お姉さまがまた、バッグから何かを取り出し、腰掛けているソファーの横をトントンと指さしました。
「は、はい・・・」
 私が横に腰掛けると、お姉さまがテーブルの上にお化粧ポーチを広げました。
「これからすることを考えると、やっぱり多少は、リスク回避の策も施しておかないとね。いくら人口が多い東京砂漠とは言え、万が一直子を知っている人に視られてしまう可能性もあるわけだから」
 おっしゃりながら、私の顔をメイクし始めるお姉さま。

「それでなくてもこんな真っ赤な首輪嵌めて、否が応でも人目を惹くマゾ丸出しの姿でお散歩するのだから、とくにヘンなオトコどもが近寄り難い雰囲気を作っておかないと」

 そうでした!
 すっかり慣れきってしまっていましたが、私、この首輪も嵌めたままお外に出るのでした。
 ファッショナブルなチョーカーとは明らかに一線を画す、見るからにペット用な赤い首輪。
 すっごく目立って、ジロジロ視られちゃうのは間違い無さそう。
 それは、私にとって生まれて初めての経験です。
 一昨日の夜もしたことでしたが、夜と昼間とは大違いでしょう。
 そして、3日間首輪を嵌めていること、とお姉さまとお約束した以上、私に拒める術はないのでした。

「直子って、いつもナチュラルメイクでしょう?オトコが一番声掛けやすいのがナチュラルメイクなんだって。オトコってすっぴん美人が大好きだから。でも、街行く女子のほとんどは、ナチュラルっぽい厚塗り化粧なのよね」
 苦笑しながらおっしゃるお姉さまと、されるがままの私。
「うちのスタッフと、そのへんを研究したことがあってさ、オトコが近寄らないメイクってどんなのだろう、って。それで出た結論のひとつが、失敗メイク。塗りたくって、すっぴんより残念になっちゃうメイク」
「もうひとつが、どちらかと言うとお水寄りのゴージャスメイク。こっちは、奇麗な人がすると本当奇麗になるの。なのに、気後れしちゃうのか怖がっちゃうのか、オトコは寄ってこない、遠巻きにするだけ」

「はい。出来た」
 お姉さまが間髪を入れず、目の前にコンパクトをかざしてくださいました。
「えーーっ!」
 ひと目見てびっくり、これが私?

 いつもより小さめに、でも艶やかなツヤツヤローズピンクで塗られたルージュ。
 アイラインパッチリ、睫毛クルクル、眉毛クッキリ。
 チークがずいぶん色濃くて、いつもより顔が細く見えます。
 お姉さまがドライヤーで髪の分け目を変え、左サイドに流してくださいました。
 鏡を覗いての全体の印象としては、なんだかこの女、生意気そう。

「うん。けっこう化けたわね。意識して顔にメリハリつけたから、予想通りハーフっぽくなって、その上、妖艶にもなったわ。それでツンと澄ましていれば、首輪していようがパンツ見せていようが、ビビッて誰も声かけてこないはずよ」
 お姉さまが愉快そうにおっしゃいました。
 私的には、やり過ぎな感じもしましたが、お姉さまが良いとおっしゃってくれているし、確かにこれなら私を知っている人でもわからないだろうな、とも思い、いいことにしました。

「ちょっとあたしを睨みつけてみてよ、さっきみたいに」
 お姉さまにせがまれて、ワザと取り去られた一番下のボタンのことを思い出し、同じようなジト目をしてお姉さまを見つめました。
「うわ、生意気そう。あたしこれから、この生意気な女を好きなだけ虐めていいのよね?すっごく愉しみ。めちゃくちゃやって泣かせてやりたい」
 お姉さまも今の私の顔に関して、私と同じご感想をお持ちになったようでした。

「本当、直子とのアソビって面白い。メイク変えただけで、これだけ盛り上がれるのだもの。あたし今、この生意気女を辱める方法が次から次へと湧き出てきている。直子があたしのパートナーで、本当に良かったわ」
 お姉さまからの嬉しいお言葉に悦ぶべきか、ちょっぴりフクザツ。
 だけど何よりもお姉さまが愉しそうなので、これもよしとしました。

「はい。直子はこのバッグを持ち歩くのよ」
 お化粧ポーチをバーキンに仕舞った後、お姉さまから今度は、少し小さめなトートバッグを渡されました。
 持ち手のラインと縁取りが濃いブルーで、バッグそのものは水色の透明なビニールで出来たトートバッグでした。
 中にはすでに、白いバスタオルとビニールシートのようなものが入っていました。

「それで、これと、これと・・・」
 お姉さまがしゃがみ込み、ソファー周辺に並べておいた私がお家から持ってきた虐め道具のうちのいくつかを、無造作にそのバッグに詰め始めました。
 リモコンローターふたつ、円錐形のバイブレーター二個、アナルビーズ、手錠、首輪のリード、短いロープ、木製洗濯バサミたくさん・・・
「あ、あの、お姉さま?・・・」
 あわてる私の声も聞こえないフリで、それらがバッグに詰め込まれ、最後にお姉さまのお財布が入れられました。

「あたしのお財布も入っているのだからそのバッグ、絶対に失くさないでよね?」
 お姉さまにビニールトートバッグを手渡され、しげしげと眺めました。
 バッグの片方の面は、バスタオルの白地が全面に見えていて、何の問題もありません。
 でも裏返すと、先ほどお姉さまがお入れになったおどろおどろしいお道具たちが、水色のビニール越しに透けて見えていました。
 ピンク色した卵型の物体、見るからにえっちぽい銀色の円錐形、鎖、麻縄、どう見ても、それ以外のものには見えない手錠と洗濯バサミ・・・
 透けたバッグの中身を少し目を凝らして見れば、それらが何に使われるものかピンときてしまうえっちな人も、都会には少なからずいることでしょう。

「残ったオモチャは直子のバッグに仕舞って持って帰っていいわ。準備が出来たら出発よ。あ、冷蔵庫の中は片付けたのよね?」
「はい。今入っているのはお飲み物だけです」
「お散歩のときはそのビニールトートのほうだけ持ち歩いて、あたしが、出して、って言ったものは、いつでもどこにいても、すぐ取り出すこと。それが出来なかったら、その後、直子はもっと恥ずかしいお仕置きをされることになるから、よーく憶えておいてね」
「・・・はい」
「あたしはお散歩中は、このビデオカメラしか持ち歩かないつもりだから」
 お姉さまがニッと笑って、ちっちゃなハンディカメラをこれ見よがしに見せてから、立ち上がりました。

「戸締りはしたし、カーテンもおっけー。ガスの元栓も締めた。さあ行きましょう。直子はそっちのゴミ袋も持ってね。一階のゴミ置き場に出しちゃうから」
 お姉さまがカートとバーキンともうひとつのゴミ袋を持って、スタスタ歩き始めました。
 私も自分の荷物を持って、後を追います。
 もちろんビニールトートは、バスタオルの面を表側に出して。

 玄関で靴を履いているとき、お姉さまが不意におっしゃいました。
「どう?直子。マゾの首輪嵌めたまま外出する気分は?」
「どう、って聞かれましても・・・かなり恥ずかしいし・・・怖いです・・・」
「それだけ?えっちなオモチャが透けたバッグ持って、パンツすれすれのミニ穿いてお出かけだよ?直子みたいなヘンタイ露出マゾ女には、夢みたいなシチュエーションじゃなくて?」
「・・・あ、あの、えっと、それは・・・」
 私が口ごもっていると、お姉さまが私の耳に熱い息をヒソヒソ吹きかけてきました。

「出発前に、もうひとつだけネタバレしてあげる。あたしがなぜ、直子にグレイのパンツを穿かせたと思う?」
「・・・わ、わかりません・・・」
「グレイのシルク地だとね、直子がいやらしい気持ちになってマゾマンコを濡らしちゃったとき、そのシミが一番クッキリ目立つのよ。黒々と、遠くから見てもわかるくらい」
「・・・」
「そんなのみんなに見られたら、ある意味ノーパン見られるより恥ずかしくない?サカっている証拠だし、ぱっと見でもお漏らしみたいだし。だからせいぜい濡れないように、がんばりなさい」
 そこまでおっしゃって私の右耳から唇を離し、玄関ドアをゆっくりと開けるお姉さま。

「あっ、言い忘れてた。胸元のボタンをふたつ外しなさい」
 振り向いたお姉さまが、冷たく微笑んでおっしゃいました。
「は、はい、お姉さま・・・」
 ゴミ袋をいったん靴脱ぎに置き、右手だけでボタンを外しているとき、股間の奥がヒクヒクっと震え、ジンワリ潤んできたのが、自分ではっきりわかりました。
 

オートクチュールのはずなのに 15


2015年7月26日

オートクチュールのはずなのに 13

 目が覚めたとき、傍らにお姉さまはいらっしゃいませんでした。
 おそらく私が寝入ってしまった後、寝室にお戻りになられたのでしょう。
 私のからだは、掛けた記憶の無いタオルケットにくるまれていました。

 昨日に比べるとお部屋の中がずいぶん暗い感じ。
 ひょっとして昨日より早起き出来たのかな?
 起き上がって窓辺へ行きカーテンを開けると、お外はどんより曇り空。
 時計を見たら9時5分でした。

 朝のルーティーンワークを済ませたら家政婦モードに突入です。
 まず、昨日出来なかったリビングルームのお掃除からすることにしました。

 お部屋の中央付近にそのままになっていた、昨日のお姉さまからの陵辱の残骸。
 すなわち、溶けた蝋と洗濯バサミが点々と散らばったビニールシートから片付け始めます。
 洗濯バサミを手に取ると、それがくれた痛みと共に、お姉さまからされたこと、を鮮明に思い出してしまい、みるみるからだに淫らな反応が顕われてしまいます。
 だめだめ、今はお仕事優先。

 ダスターで高い所の埃を払うので、窓を開けなくちゃ。
 窓辺に近づいてお外の風景が見えると、やっぱり少し、開けることをためらってしまいます。
 大丈夫、ここは誰にも覗かれないのだから。
 そろそろと開け始めたら、その隙間からねっとりとしたお外の空気が、全裸の素肌全体にまとわりついてきました。
 気温は裸でも寒くない程度、湿度がかなり高いみたいです。

 窓を開け放すにつれて、徐々にヴォリュームを上げて耳に飛び込んで来る、お外の世界の日常的な喧騒。
 ベランダに降り立ち、景色を見渡した後うつむいて、自分が全裸であることを意識したとき、マンション沿いの通りを歩いているっぽい若そうな男性たちの、あははは、という楽しげな笑い声が近くで聞こえ、途端にキュンと感じてしまいました。

 埃を払ってからお部屋の隅々まで満遍なく掃除機をかけ、最後は絞った雑巾で床を拭き掃除。
 なにしろ広いお部屋ですから、雑巾がけだけでも重労働。
 四つん這いになってお尻を高く突き上げ、おっぱいをプルプル揺らしてがんばりました。

 お掃除を終えたら、次はお洗濯。
 このお天気では乾かないかもしれないけれど、一応やっておくことにしました。
 お洗濯すべきものは数枚のタオルと、お姉さまが昨日お召しになっていたマキシワンピースだけですから。
 そう言えば昨日、私とお姉さまは一切下着類を着けていなかったのでした。

 ランドリールームに入ると、奥のバスルームから物音がしていました。
 お姉さまも起きられたんだ!
 今日はどんなことをされちゃうのだろう。
 ワクワクとドキドキがからだ中に漲りました。
 雨にならないうちにお洗濯ものを手早く干して、お食事の用意をしなくっちゃ。

 疼きが増したからだをなだめるために、エプロンは直子流で身に着けました。
 一度きちんと結んだエプロンの紐を、洗濯バサミに両乳首とクリットを布越しに噛ませてから解きました。
「はうんっ!」
 ヒラヒラなエプロンを、秘所三点止めが必死に噛み付いて支えてくれています。

 今朝のメニューはベーコンエッグとオニオングラタンスープ、そして昨日好評だったコールスロー。
 サンドウイッチも作っておいて、トーストとサンドウイッチ、お好きに選べるようにしました。
 お紅茶の用意もしようかと迷っていたら、お姉さまがお顔をお見せになりました。

「おはよう。朝っぱらからドエム全開なのね?」
 私のエプロン姿をご覧になってのご感想。
「あ、おはようございます!」
 今日のお姉さまは、渋いグレイのシンプルなTシャツワンピース姿。
 ボートネックから覗く鎖骨がセクシー。
 下着ラインがまったく見えないので、今日も素肌に直みたいです。

「なんだか今日は生憎の天気みたいね。さっきネットニュース見ていたら、午後には東京でゲリラ豪雨あるかもですって」
 窓際まで行かれたお姉さまがお空を見上げました。

「お食事どうします?ベランダにご用意しますか?」
「うーん。このお天気じゃねえ・・・直子はもちろん、外でしたいのでしょ?」
「えっ?いえ、私はお姉さまのご希望に従うだけですので」
「今にも降ってきそう。食べている最中に降ってきちゃってもメンドクサイし、残念だけれど中にしときましょう」
 お姉さまが戻ってこられ、ダイニングの椅子に腰掛けられました。

「ワインはどうします?お飲みになられますか?」
「うーん。昨夜少し飲みすぎちゃったからなー。あ、でもぐっすり寝たから体調はいいけれど」
「ではお紅茶で?」
「そうね」
 お答えを受けて、テーブルにお料理を並べていきました。

「心なんてお天気で変わる、っていう歌があったけれど、本当ね。曇り空だとやっぱり気持ちもアンニュイ。休日ラストだっていうのにがっかり」
 今朝のお姉さま、なんだか少しご機嫌ナナメなご様子。

「晴れていたら食事の後、裸の直子にベランダでバレエ踊ってもらおうと思っていたのになあ。ローター挿れて、音楽かけて、本格的に」
 スープを置くためにお姉さまへ近づいた私の胸にお姉さまの右腕が伸び、洗濯バサミがひとつ、無造作に外されました。
「あぅっ!」
 前掛け部分がペロンとめくれ、左のおっぱいだけ剥き出しになりました。
「相変わらず乳首勃てちゃって。直子ってブレないわよね?ん?あ、いい匂い」
 気だるい感じでおっしゃってから最後に付け加えたお言葉は、オニオングラタンスープへ向けられたものでしょう。
 その後はイタズラもされずお料理を並べ終わり、エプロンを自分で外しました。

 全裸に首輪の私とTシャツワンピ一枚のお姉さまとで差し向かい。
 お食事が始まると、お姉さまのご機嫌もだんだん落ち着いてきたようでした。
 美味しい美味しい、って何度も褒めてくださり、嬉しくなりました。
「このサンドウイッチの、ピリッと効いたマスタードの加減が絶妙よね」
 ニコニコ頬張るお姉さま。
 私の頬も自然と緩んでしまいます。

「そう言えば直子って、辛い食べ物大好きでしょう?」
「えっ?あ、いえ、あんまり得意なほうでは・・・」
「そうなの?絶対好きだと思ってた」
「学生の頃、お友だちと、凄く辛いけれど美味しいって有名なカレー屋さんに挑戦したことがあって、確かに美味しかったのですけれど、食べている最中の汗や鼻水がすごくて・・・」
「うん」
「それ以来、そういうのは敬遠気味です」

「ふーん。あのね、辛さっていうのはね、味覚ではないんだって」
「えっ?」
「取引先の人との雑談で聞いたのだけれどね、辛いっていう味覚は無くて、辛さを感じるのは痛覚なんだって」
「へー」
「つまり、辛い、っていうのは、痛い、と同じ。それで、痛い、がつづくと痛みを和らげようとしてベータエンドルフィンとかいう脳内麻薬みたいなのが分泌されるの。それで、気持ちいい、になるわけ」
「はぁ・・・」
「これって、何かに似ていない?」
「ああ」
「そう。直子みたいなマゾの苦痛が快楽に至るプロセスと同じなのよ。だから、檄辛好きはドエム、っていうのが、その人の結論だったの。直子なら檄辛好きになる素質、充分あるのじゃない?」

「うーん・・・辛いものが好きイコール痛いのが好き、というこですよね?確かにそうなのかもしれませんが、私は食欲と性欲を結びつけたことがないので、あまりピンときません・・・」
「私もたまに辛いものが食べたくなるときもありますけれど、そのときムラムラしているわけでもないですし、ムラムラは別の方法で解消しちゃいますから・・・」
「マゾへの責めのひとつとして、辛いカレーを無理矢理食べさせて、そのつらそうなだらしない顔を見て愉しむ、っていうのをされたら、私も目覚めちゃいそうな気もしますが・・・」

「なるほど、その責めは面白いかもね。だけど辛いものの摂り過ぎはからだにも悪いから、直子が好きでないのなら、したくないな」
 お姉さまからの、なんておやさしいお言葉。
「それに辛さ、って一口に言っても、いろいろあるじゃない?たとえばトウガラシならホットって形容されるし、ミントやワサビみたいな辛さならクールでしょ。だから、たぶんやっぱり辛さって、味でもあるし痛さでもあるのよ。エムだエスだっていうよりは、好みの問題よね」
 
 その話題はそこで終わり、お食事もあらかた終えて、お紅茶アンド食休みタイムになりました。
 お姉さまがテレビを点けると、レジャーを終えた車の都会へのUターンラッシュのニュースをやっていました。

「大型連休中の都心て、本当に人も車も激減して、ひっそりするのよね。とくにお正月なんてガラガラ。あ、もちろん遊び場所のある繁華街は別よ」
「そのぶん、こっちに残った人たちは静かでいいけれどね。今年の年始の連休中に用事があって官庁街のほうへ車で行ったらスイスイでさ、ビル街にまったく人影が無くて、まるでゾンビ映画のワンシーンみたいだった」
 小さく笑いながらそこまでおっしゃって、ふと何かを思いつかれたような表情になったお姉さま。
 カップを手にしたまま窓辺まで行き、しばらくお外を眺めていました。

「直子ってさ、今まで街中で、本当のオールヌードになったことはある?」
 テーブルの上を片付けようと立ち上がりかけた私の傍まで来たお姉さまが、覗き込むように尋ねてきました。
 その瞳が愉しげに輝いています。
「あの、えっと・・・」
「本当のオールヌード、っていうのはさ、つまり、上にコートとか上着とかを羽織っていない状態の全裸で、誰かが来てもすぐに隠せる状態じゃないことね。つまり正真正銘のスッポンポン。今みたいな状態。あ、もちろん首輪は別。こういうのって、マゾのシンボルみたいなものだから」
 再び座り直した私に背後から、覆いかぶさるように抱きついてきて、私のおっぱいをやんわりもてあそぶお姉さま。
 ああん、くすぐったいですぅ。

「あの、えっと・・・」
 おっぱいをやさしく愛撫されながら、一生懸命思い出しました。
「高校2年のとき、やよい、あ、いえ、百合草先生と遊んだとき、通っていた高校の裏門で写真を撮られたときは、ぜ、全裸でした・・・あんっ、雨がざんざん降りで、もうひとり、ユマさんと一緒で・・・あぅっ、ちょうど小さなトラックがやってきて・・・あんっ」
 私の言葉に合わせるように、両方のおっぱいを強く弱く揉みしだくお姉さま。

「ふーん。それだけ?シーナさんとは?」
「あとは、えっと、シーナさまとは、お外では・・・ああんっ、セレクトショップで、結果的に全裸にされたことは、ありました・・・知らないお客様が何人かいらっしゃって・・・」
「ああ。あの裸コートのときね。でもそれは、一応屋内か」
「は、はい・・・ああんっ」
 お姉さまの指のターゲットが私の乳首に移り、私はハァハァ興奮していました。

「その2回きりなの?」
「は、はい・・・他にもお外でえっちな格好をしたことは、な、何度かありましたけれど、全部脱いだりはしていません、たぶん・・・ああんっ・・・スケスケとか、ノーパンとか・・・あっ!・・・」
 そのとき、唐突に思い出したことがありました。
 私ったら、もう一回あるじゃない、お外で真っ裸になったこと・・・

「何?今の、あっ、は?」
 すかさずお姉さまからツッコまれ、乳首を捻り上げられました。
「ひーぃんっ!ごめんなさいぃ、もう一回だけありましたぁ・・・高三のとき、地元の小山みたいな森で・・・」
「あら、それは初耳ね。それも百合草女史と?」
「あの、いえ、それはひ、ひとりで、と言うか、成り行きで・・・」

 高三のとき、やよい先生が住んでいらっしゃった町に遠征して、ひとりノーパン遊びをしていてカズキくんと知り合ったことは、今まで誰にも、やよい先生にもシーナさまにもお姉さまにも、お話したことはありませんでした。
 その状況やお相手があまりにも特殊で、ある意味アブノーマル過ぎるし、自分自身に後ろめたい気持ちが少なからずあったので、誰にも言わず、出来れば死ぬまで隠匿しておくつもりだった、私だけのヒミツでした。

 お姉さまにおっぱいと乳首を執拗にもてあそばれて喘ぎながら、カズキくんとの一部始終を白状しました。
 カクレガのこと、お医者さんごっこのこと、生まれて初めて潮を吹いてしまったこと、ざんざん降りの森で全裸で抱き合ったこと、そしてミキちゃんとのことまで。
 今まで秘密にしていたことの罰として、お姉さまにたくさんお尻をぶたれました。

「直子ったら、オネショタのケまであったのね?本当に呆れたヘンタイお姉さんぶりだこと」
「そのくらいの子なら、勃たないものね。でもそれって限りなくハンザイに近いわよ」
「ずいぶん強烈なお医者さんごっこだこと。その子のその後の人格形成が心配になっちゃうわね」
「それってたぶん、ちっちゃな子のこぶしで、ボルチオ開発されちゃったのよ。それで直子、中イキまで覚えちゃったのね」
 お姉さまからのからかいと蔑みのお言葉を聞きながら、あの子たち、今頃どうしているかな、なんて考えていました。
 あれから早くも3年以上、経っていました。

「おーけー、わかったわ。ヘンタイ直子は今まで2回、外で素っ裸になったことがある、と。それもいずれも雨の日。つまり、3度目を経験するのに、今日なんかおあつらえむきな天気だと思わない?」
 ダイニングを離れ、床に四つん這いになっている私のお尻にバラ鞭を振るいながら、お姉さまがおっしゃいました。
 私はもうすでに2回、お姉さまの指と鞭でイかされていました。

「あうっ!えっと、それは・・・」
「だからつまり、今日はこれから出かけることにするの。車出してあげる。直子の露出マゾレベルの経験値を稼ぎに行くのよ」
「えっ!」
「前にも言ったでしょ?あたしは、百合草女史やシーナさんと直子との甘酸っぱい思い出をことごとく上書きして、直子の一番のお相手になりたいの」
「まあ、今聞いたカズキくんとの思い出は、さすがのあたしも太刀打ちする術が無いけれど」
 お姉さまの唇が近づいて、深ーいくちづけをくださいました。

「それにさっき教えてあげたじゃない、連休中の都心は人が少ないの。こんな天気だし、連休最終日だし、輪をかけて少ないだろうことは保証するわ」
「で、でも、どこに行くのですか?」
「そうね、官庁街なら絶対休みで人いないから、丸の内あたり行ってビルをバックに写真を撮ってきましょう。今日の目標は、直子が街中で素っ裸になること」
「・・・東京の街の中で私、全裸にならなくてはいけないのですね?」
「そうよ。ワクワクしちゃうでしょ?一昨日のスーパーのときも、直子、すっごく嬉しそうだったものね」
 おっしゃってから、お姉さまの瞳がキラッと妖しく輝きました。

「そうだった。直子の露出レベルは一昨日、ずいぶん上がっちゃったんだっけ」
 私のお尻をスリスリさするお姉さま。
「ごめんごめん。忘れていたわ。あのとき直子が一番興奮していたのって、直子が自分からレジの子に、裸のお尻を見せつけたときだったものね?」
 お姉さまの指がどんどん、私のお尻の穴のほうに寄ってきていました。

「もう裸になるぐらいじゃ、直子はぜんぜん興奮出来ないわよね?ちゃんと誰かに視てもらわなくちゃ」
「それならこうしましょう。今日の直子の目標は、街中で素っ裸になって、その姿を見知らぬ誰か三人以上に見せつけてくること」
「まず人通りの少なそうなところでウォーミングアップして、徐々に人混みに入っていく、っていうのはどう?」
「そ、そんなこと私・・・あうっ!」
 お姉さまの指が私の肛門にズブリと挿さりました。

「せっかくあたしがドライブデートに誘っているのに、なんだかあまり乗り気ではないみたいね?直子にノーっていう選択肢なんて無いこと、忘れちゃった?」
「あぅ!、いえ、あの、ごめんなさいぃ」
 お姉さまが挿し込んだ指をグリグリしながら、もう片方の手で尻たぶをバチバチ叩きます。

「どうせ明日は朝から羽田だし、あたしも今夜は池袋にいたほうが便利なのよ。それに、直子には部屋もすっかり奇麗にしてもらったから、家政婦直子へのお礼として、夕食はどこかのレストランで奮発してあげる」
「あうっ、はいぃ、あ、ありがとうございますぅぅ」
「連休最後に、ふたりで忘れられない思い出をつくりましょう!」
「はいぃぃ、お姉さまぁ・・・」

「そうと決まったら準備しなくちゃ。ほら、早くイっちゃいなさい!」
 お尻の穴をほじられながらクリットをつままれました。
「あぅぅ、いぃぃ、もっとぉぉ・・・」
「いやらしい声だこと。あたしも興奮しちゃっているから、ちゃんと鎮めて、少し冷静にならなくちゃ」
「ほら早くイって!次はあたしの番なのだから」
 お姉さまが片手でスルスルと、Tシャツワンピを脱ぎ始めました。


オートクチュールのはずなのに 14


2015年7月19日

オートクチュールのはずなのに 12

 立ったままぐんぐん昇りつめていく私のからだを、小刻みに震える両膝が支えきれなくなってきました。
 たまらず背後のお姉さまに、しなだれかかります。
 崩れ落ちたがる腰を、両足を踏ん張ってなんとか支えると、股間をこれみよがしに前へ突き出すような格好になりました。
 のけぞるようにお姉さまにからだを預け、後頭部にあった両手を後ろ手にしてお姉さまの背中に回し、ギュッとしがみつきます。

 お姉さまはしっかりと私を支えてくださり、私を穢す両手の勢いも増しました。
 尖りきった乳首に爪を立てられ、今や何本なのかも分からなくなってしまった指たちがグイッと奥深くまで潜り込み、膣壁を圧迫してきます。
「んぐぅぅ・・むぅぅ・・・」
 背中からお尻にかけてピッタリ密着しているお姉さまの体温を感じながら、必死で歓喜の嗚咽を抑え込みます。

「イキなさい、ほら、こんな青空の下ではしたなく、お嬢様たちの演奏を聞きながら、立ったままイっちゃいなさい」
 耳元で、からかうようなささやき。
 同時に、乳首を虐めていた指が離れ、すーっとお腹を滑って剥き出しの肉芽にたどり着きました。
「んぐっぅえ!」
 躊躇なくギュッと捻り潰され、喉の奥からたまらず悲痛な悲鳴がせりあがり、まるで嘔吐いているみたいにお下品な喘ぎが漏れてしまいました。
 かまわずコリコリの肉芽をもてあそぶお姉さまの指先。
 もはや限界でした。
「んんんんんんーーーんーーぐぅっ!!!」

 グッタリと力が抜け切った私のからだを、お姉さまがまだ、支えてくださっていました。
「ずいぶん気持ち良さそうなイキっぷりだこと!」
 左耳をくすぐるお姉さまのお声が、なぜだか少し怒っているみたいに聞こえました。
「ちょっと足元を見てごらん?」
 そのお言葉に素直にうつむくと、コンクリートの床にずいぶん大きく、濡れた痕を示す黒いシミが出来ていました。

「イクときの唸り声がかなり大きかったから、ちょっとハラハラしちゃったじゃない?さあ、一度室内に戻るのよ」
 私の返事は待たず、私を背後から支えたまま、お姉さまが歩き始めました。
 後ろから押されるように私も歩き出します。
 お姉さまの右膝が私の右裏腿を蹴ると、私の右脚が一歩前へ。
 まるで、背後から抱きかかえられた等身大の操り人形みたいにおぼつかない足取りで、なんとかリビングまで戻りました。

 室内に入ると、お姉さまからの支えがなくなりました。
 途端にペタリと床にへたりこむ私。
 お姉さまは、窓を手早くすべて閉め、ソファーの周辺で何やら物色していました。
 お外の喧騒がすっかり聞こえなくなり、緊張感がゆっくり解けていきました

「青空の下での食事って、やっぱり気持ちいいものね。明日もベランダでしましょう」
 私の傍らに来たお姉さまの手には、私が自宅から持参した木製の洗濯バサミがいくつか握られていました。
「ほら、仰向けに寝そべりなさい。ここでだったらいくらでも喘ぎ声あげていいから」
 お部屋の中央付近を指さすお姉さまの瞳が、淫らに輝いているのがわかりました。
 ご命令通りに仰向けになると、間髪を入れずに視界が真っ暗に塞がれてしまいました。

 お姉さまが私の顔面に跨ったのでした。
 マキシワンピースの裾がバサリと広がり、私の顔全体を覆ってしまったのです。
 もちろんその下には何も着けてなくて、潤った泉が私の鼻先に圧しつけられています。
 真っ暗な空間に、お姉さまの甘酸っぱい臭いだけが充満していました。

「直子に舐めてもらうの、あたしとても気に入っちゃったの。とくにこうやって、無理矢理顔に圧しつけてやるのが好き・・・はぅぅ」
 事態を把握して私が舌を伸ばすと、お姉さまの色っぽいお声が聞こえてきました。
「直子がイクのを見た後って、なぜだか無性に虐めたくなっちゃうのよね。あっ、うん、そこ・・・」
「あんまり気持ち良さそうだから、イライラしちゃうのかもね。ペットのクセに、自分だけいい思いしてって・・・あぁんっ」
 お姉さまのお声がだんだん切なげになってきて、私のご奉仕にもどんどん熱が入ります。
「いいわ、そこぉ・・・もっと奥までベロをねじ込んでぇ・・・」

 お姉さまが前のめりになると、お尻の穴まで舌が届くようになりました。
 すかさず舌を伸ばし、ベロベロ舐めあげます。
「はぁんっ、いいわ、じょーずよ・・・ご褒美あげる」
「はぁうっ!」
 左乳首への激痛に思わず声があがります。
 洗濯バサミで挟まれた痛みです。
「あぅっーぅ!」
 右乳首にも。

「ほらほら、もっとご褒美欲しいでしょ?がんばってあたしを悦ばせなさいっ」
 両手を暗闇に潜り込ませた私は、お姉さまのお尻を抱え込むように撫ぜ回しながら、お姉さまの奥へと舌を伸ばしつづけました。
 お姉さまも次々にラビアやクリットへ洗濯バサミをくださり、それらをフルフル揺らして虐めてくださいます。
 最終的にはふたり、69の形でお互いの性器を愛し合い、幾度もエクスタシーの波に呑まれたのでした。

 ふたりの喘ぐ声が一際高くお部屋に響いてから、しばらくは肩で息する音だけがつづいていました。
 むせかえるようなお姉さまの臭いの中で、シアワセの余韻に浸っていたら、不意に視界が明るくなりました。
 お姉さまが立ち上がられたようでした。
「シャワーしてくる」
 その場でワンピースを脱ぎ捨て、オールヌードになられたお姉さま。
 その遠ざかる形の良いお尻を、私はまだ床に仰向けになったままで見送りました。

「ちょっと直子、この洗いっぱなしの洗濯物、どうするの?」
 開けっ放しのリビングのドアの向こうから、呆れたようなお声が聞こえてきました。
 あっ!いっけなーいっ!
 すっかり忘れていました。
 あわてて洗面所に駆けつけると、お姉さまの冷たい苦笑いに迎えられました。
 私のからだには、右脇腹と左側のラビアにひとつづつ、洗濯バサミがまだ噛みついていました。

「ご、ごめんなさい。すぐに干します」
 時計はすでに午後の二時を少し過ぎていました。
「忘れていたのでしょう?使用人がそんなことでは困るわねー」
 お姉さまがお芝居っぽく、なじってきます。
「でもまあ、この陽気なら2時間も干せば乾いちゃうでしょ。さっさと干しちゃいなさい」
 おっしゃりながら、お姉さまの右腕が伸び、私の右脇腹を噛んでいた洗濯バサミが外されました。

「はうんっ!」
 興奮しているときには気がつかない、長い時間噛んでいた洗濯バサミを外すとき特有の刺すような痛みが走り、思わず顔が歪みました。
「あら、えろい顔しちゃって、まだサカっているの?本当に底無しのドエムね。ちょっと待っていなさい。シャワー終わったら、まだまだたっぷり虐めてあげるから」

 ご自分の性的欲求が発散されて落ち着いて、余裕が戻ったお姉さま。
 こうなったときのお姉さまは、さらに強い興奮を得る為にイジワルさが増してエス度が格段に上がることに、これまでの経験で気がついていました。
「あうっ!」
 左ラビアの洗濯バサミも無造作に外されました。
 そして、それがさも当然のように、私の左右乳首にあらためてぶら下げられます。
「あっつぅぅぅ!」

「これはご褒美じゃなくて、一応罰だから。クリットにもうひとつ自分で挟んで、その姿でベランダに出て、洗濯物を干しなさい」
「まあ、どうせ誰にも視られることはないし、直子にとっては罰にはならないかもしれないけれど、あたしにとっては、素っ裸でそんなのぶら下げたまま外に出る女なんて、充分みっともなくて恥ずかしい存在だと思うわ」
 冷たく蔑むお言葉とともに、お姉さまが右乳首の洗濯バサミをパチンと弾きました。

「ああんっ、ごめんなさい・・・」
「それと、食器とクロスの後片付けもよろしくね。テーブルと椅子はそのままでいいわ。明日はもっと恥ずかしい姿でのお食事会にするつもりだから」
 それだけ告げたお姉さまは、私のお尻をパチンと叩き、スタスタとバスルームへ向かわれました。

 お洗濯ものを入れた籠を片手にリビングへ戻った私。
 お言いつけ通り、洗濯バサミをひとつ拾い、自分の股間へとあてがいました。
「いたぁいーっ!」
 少し大人しくなっていた肉芽がギュッと潰され、途端に血液が集まり始めました。
 激痛の後、鈍痛、そして疼痛。
 すでに疼痛と化している二箇所にもう一箇所の鈍痛が加わって交わり、ジンジンする痛みに全身が支配されます。
 その痛みたちは、なぜだか私の剥き出しマゾマンコの奥へと集結すると、いつの間にか心地良い刺激へと変化してしまうのです。

 ベランダに出ると、相変わらずの柔らかな陽射し。
 少しだけ風が強くなったようで、乳首にまっすぐに噛みついてぶら下がる洗濯バサミたちが、風が吹くたび微かに揺れました。
 タオル類を物干しに掛け、ワンピースはハンガーに、下着類はピンチハンガーに吊り下げていきます。
 からだを動かすたびに、三つの洗濯バサミたちが、その存在を痛みで私に誇示してきます。

 全裸に首輪、そして女性なら誰もが隠したがる敏感な部分に洗濯バサミ。
 そんな姿でベランダに出ているヘンタイ女は、世界中で今、きっと私だけでしょう。
 喧騒に混じって遠く聞こえてくる誰かの微かな話し声の中に、ハダカとかマゾ、ヘンタイ、露出なんていう、私を蔑む単語が混ざっているような、空耳を感じてしまいます。
 
 喧騒の中で一際大きく、突然始まった吹奏楽部の練習曲は、フニクリフニクラに変わっていました。
 その、たどたどしくも勇ましい演奏を聞いていると、自分自身が高校時代から、ずいぶん遠くまで来てしまったような気持ちになり、自嘲的なせつなさを感じました。
 だけど、それとは裏腹に、ベランダの目隠しフェンスから身を乗り出して、自分の今の恥ずかしい格好を誰かに視てもらいたい、知って欲しいという自虐的な衝動にも駆られていました。

 私は再び、急激に発情していました。
 ベランダとは言え、こんな格好でまた、お外に出たせいでしょう。
 お姉さまがおっしゃるとおり、私の露出マゾレベルは、確実にワンステップ、上がってしまったみたいです。
 
 マゾマンコの奥がズキズキと疼き、罰を受けている三箇所が更なる責めを強烈に欲していました。
 洗濯物を干し終わり、ブランチの後片付けでベランダとキッチンを何度か往復するあいだ中ずっと、私はお姉さまからの次なる恥ずかしいご命令を心待ちにしていました。
 キッチンで食器を洗いながら、飛び散る水飛沫が肌に当たっただけで、クネクネ身悶えてしまうほど。
 食器を拭くタオルが肌を擦っただけで、いやらしい声が洩れてしまうほどに。

 お仕事すべてを終えてソファーのところに戻ると、ちょうどお姉さまが、バスタオルだけ巻きつけてリビングに戻ってこられました。
「仕事は終わった?」
「あ、はい。あとはここ、リビングのお掃除だけ、まだですが・・・」
「ここ?ここはもういいわよ。どうせこれからまた、直子のいろんなおツユで汚れちゃうのだから」
「明日、あたしが起きてくるまでに掃除しておいてくれたらいいわ。今日の直子の家政婦の仕事で残っているのは、夕食作ることだけよ」
 お姉さまがおやさしげにおっしゃってくださいました。

「このあと直子には、家政婦としてではなくて、あたしの加虐趣味を満たすセイドレイとして、がんばってもらうつもりだから」
「あたしにも日頃の鬱憤とかフラストレーションとかあるからね。もちろんそれは直子のせいではないのだけれど、そのハケ口として活用させていただくわ」
 お姉さまが愉しそうに笑って、巻いていたバスタオルを床に落としました。
 何てお美しい、お姉さまの裸。

 それからのお姉さまは、まさにエスな人そのものでした。
 その理知的な瞳に妖しい炎をユラユラさせて、私を虐め抜いてくださいました。

 首輪にはリードの冷たい鎖を付けられ、おっぱいを麻縄でギュッと絞られ、手錠で両手は後ろ手に括られ、棒枷で股を大きく割られた格好で、シートを敷いた床に転がされました。
 全身に洗濯バサミを噛まされ、ローソクを満遍なく垂らされては、バラ鞭で払い落とされました。
 キュウリもニンジンもバナナも、ゴーヤさえ突っ込まれました。
 イク寸前に焦らされるのはあたりまえ。
 何度も何度も涙目になって懇願しました。
 全裸のお姉さまが愉快そうに、そんな私の姿へハンディカメラを向け、熱心に撮影されていました。

 陽が傾いてきて洗濯物を取り込むときには、手錠と棒枷だけ外してくださいました。
 その代わり、果実の形をしたお浣腸をふたつ注入され、ふたつめのお薬の容器はお尻に挿したままベランダに出るよう、ご命令されました。
 お腹がグルグル痛むのを必死に堪えてお洗濯物を取り込んでいると、練習を終えた吹奏楽部の女学生さんたちでしょうか、ごきげんよう、またお休み開けにね、ってさわやかにご挨拶し合うお声が聞こえてきました。
 そっとフェンスから階下を覗き、彼女たちの可憐な制服姿を見て、今の自分の姿との対比に、またまたひどくせつなくなりました。

 だけど、そんな感傷に浸りきるには、お腹が切羽詰り過ぎていました。
 顔にダラダラ脂汗が浮かび、膝がガクガク震えています。
 取り込んだお洗濯物を放り出すように床に置くと、一目散におトイレに駆け込みました。
 もちろんお姉さまも後を追ってきて・・・
 とうとうお姉さまに私の排泄姿を目撃されてしまうと同時に、映像に記録までされてしまいました。

 うちひしがれるヒマも無くバスルームに連れ込まれ、今度はぬるま湯のお浣腸。
 シーナさまからいただいた大きなお浣腸器を、お姉さまは愉しそうに私の肛門に突き立てました。
 シャワーでお尻にお湯を当てられつつ我慢に我慢を強いられ、結局、何度もお尻から噴水を吹き上げました。
 おかげで首輪までぐっしょり。
 
 これもシーナさまからの就職祝い、ガーネットのアナルビーズを渡されて、お尻の穴だけでイクように命じられました。
 バスルームの鏡に自分のお尻を映し、自分で珠を押し込んでいきます。
 今ではすべて埋め込めるようになった私の肛門。
 埋め終わったら、お姉さまにお願いして抜いていただくのです。
「お姉さま、どうか直子の汚い肛門から、ビーズを抜いてやってください」
 お姉さまが私のお尻をパンパン平手打ちしながら、焦らすように抜いてくださいました。
 3回くりかえした後、自分で人差し指を肛門に挿入、グリグリ動かしているうちに、全身がビクビク痙攣してきました。
「ああ、イッちゃう、お姉さま・・・お尻の穴でイっちゃいますぅ・・・ううううぅぅ!!!」

「さあ、からだの内も外もキレイになったところで、お夕食の支度をしてちょうだい」
 さすがにお料理をするときは、危ないちょっかいはありませんでした。
 乾かしておいてあげる、と首輪は外され、おっぱいを締め付けていた麻縄も解かれました。
 ただし、例のエプロンを、お姉さま曰く、直子流、で着けるように命じられました。
 直子流、というのはつまり、エプロンの紐を結ばず、胸当ての乳首の位置に洗濯バサミをふたつ噛まして、エプロンが落ちないように留める方法です。
「それだけじゃちょっと頼りないわね」
 お姉さまの一言で、左右脇腹にひとつづつ、あと、もちろん股間にひとつ、追加されました。
 リビングでお姉さまがのんきにドライヤーで首輪を乾かしているあいだ、ちょっと動くと疼痛が走るお下劣裸エプロン姿で、スパゲティカルボナーラと野菜サラダを一生懸命作りました。

 今夜のディナータイムはふたりとも全裸。
 私は乾いた首輪を着け直しましたが。
 お食事のあいだ、お姉さまはご機嫌でした。
「これ、さっき直子のマゾマンコが咥え込んでいたキュウリよね?」
 なんておっしゃりながらパクパク食べていらっしゃいました。
 私も、やっぱりずいぶん体力をつかったのでしょう、ゆっくりペースで最後までたいらげました。
 お姉さまは、ワインもけっこうなペースで飲み干されていて、私もつられて4杯飲んじゃいました。

 食休みにソファーでくつろいでいると、どちらからともなく唇が重なり・・・
 その後は、自然に抱き合って何度も何度も愛し合いました。
 お互いに悦ばせるツボみたいなものがわかってきていたので、お互いの指と唇だけで飽きることなく幾度もイキ合いました。

 ちょっと疲れると、抱き合ったままシャワーを浴び、抱き合ったままバスタブで愛し合い、抱き合ったままからだを拭いて、抱き合ったままソファーに倒れ込み・・・
 結局、いつ眠りに落ちたのかわからないまま、翌朝を迎えました。


オートクチュールのはずなのに 13