2015年7月19日

オートクチュールのはずなのに 12

 立ったままぐんぐん昇りつめていく私のからだを、小刻みに震える両膝が支えきれなくなってきました。
 たまらず背後のお姉さまに、しなだれかかります。
 崩れ落ちたがる腰を、両足を踏ん張ってなんとか支えると、股間をこれみよがしに前へ突き出すような格好になりました。
 のけぞるようにお姉さまにからだを預け、後頭部にあった両手を後ろ手にしてお姉さまの背中に回し、ギュッとしがみつきます。

 お姉さまはしっかりと私を支えてくださり、私を穢す両手の勢いも増しました。
 尖りきった乳首に爪を立てられ、今や何本なのかも分からなくなってしまった指たちがグイッと奥深くまで潜り込み、膣壁を圧迫してきます。
「んぐぅぅ・・むぅぅ・・・」
 背中からお尻にかけてピッタリ密着しているお姉さまの体温を感じながら、必死で歓喜の嗚咽を抑え込みます。

「イキなさい、ほら、こんな青空の下ではしたなく、お嬢様たちの演奏を聞きながら、立ったままイっちゃいなさい」
 耳元で、からかうようなささやき。
 同時に、乳首を虐めていた指が離れ、すーっとお腹を滑って剥き出しの肉芽にたどり着きました。
「んぐっぅえ!」
 躊躇なくギュッと捻り潰され、喉の奥からたまらず悲痛な悲鳴がせりあがり、まるで嘔吐いているみたいにお下品な喘ぎが漏れてしまいました。
 かまわずコリコリの肉芽をもてあそぶお姉さまの指先。
 もはや限界でした。
「んんんんんんーーーんーーぐぅっ!!!」

 グッタリと力が抜け切った私のからだを、お姉さまがまだ、支えてくださっていました。
「ずいぶん気持ち良さそうなイキっぷりだこと!」
 左耳をくすぐるお姉さまのお声が、なぜだか少し怒っているみたいに聞こえました。
「ちょっと足元を見てごらん?」
 そのお言葉に素直にうつむくと、コンクリートの床にずいぶん大きく、濡れた痕を示す黒いシミが出来ていました。

「イクときの唸り声がかなり大きかったから、ちょっとハラハラしちゃったじゃない?さあ、一度室内に戻るのよ」
 私の返事は待たず、私を背後から支えたまま、お姉さまが歩き始めました。
 後ろから押されるように私も歩き出します。
 お姉さまの右膝が私の右裏腿を蹴ると、私の右脚が一歩前へ。
 まるで、背後から抱きかかえられた等身大の操り人形みたいにおぼつかない足取りで、なんとかリビングまで戻りました。

 室内に入ると、お姉さまからの支えがなくなりました。
 途端にペタリと床にへたりこむ私。
 お姉さまは、窓を手早くすべて閉め、ソファーの周辺で何やら物色していました。
 お外の喧騒がすっかり聞こえなくなり、緊張感がゆっくり解けていきました

「青空の下での食事って、やっぱり気持ちいいものね。明日もベランダでしましょう」
 私の傍らに来たお姉さまの手には、私が自宅から持参した木製の洗濯バサミがいくつか握られていました。
「ほら、仰向けに寝そべりなさい。ここでだったらいくらでも喘ぎ声あげていいから」
 お部屋の中央付近を指さすお姉さまの瞳が、淫らに輝いているのがわかりました。
 ご命令通りに仰向けになると、間髪を入れずに視界が真っ暗に塞がれてしまいました。

 お姉さまが私の顔面に跨ったのでした。
 マキシワンピースの裾がバサリと広がり、私の顔全体を覆ってしまったのです。
 もちろんその下には何も着けてなくて、潤った泉が私の鼻先に圧しつけられています。
 真っ暗な空間に、お姉さまの甘酸っぱい臭いだけが充満していました。

「直子に舐めてもらうの、あたしとても気に入っちゃったの。とくにこうやって、無理矢理顔に圧しつけてやるのが好き・・・はぅぅ」
 事態を把握して私が舌を伸ばすと、お姉さまの色っぽいお声が聞こえてきました。
「直子がイクのを見た後って、なぜだか無性に虐めたくなっちゃうのよね。あっ、うん、そこ・・・」
「あんまり気持ち良さそうだから、イライラしちゃうのかもね。ペットのクセに、自分だけいい思いしてって・・・あぁんっ」
 お姉さまのお声がだんだん切なげになってきて、私のご奉仕にもどんどん熱が入ります。
「いいわ、そこぉ・・・もっと奥までベロをねじ込んでぇ・・・」

 お姉さまが前のめりになると、お尻の穴まで舌が届くようになりました。
 すかさず舌を伸ばし、ベロベロ舐めあげます。
「はぁんっ、いいわ、じょーずよ・・・ご褒美あげる」
「はぁうっ!」
 左乳首への激痛に思わず声があがります。
 洗濯バサミで挟まれた痛みです。
「あぅっーぅ!」
 右乳首にも。

「ほらほら、もっとご褒美欲しいでしょ?がんばってあたしを悦ばせなさいっ」
 両手を暗闇に潜り込ませた私は、お姉さまのお尻を抱え込むように撫ぜ回しながら、お姉さまの奥へと舌を伸ばしつづけました。
 お姉さまも次々にラビアやクリットへ洗濯バサミをくださり、それらをフルフル揺らして虐めてくださいます。
 最終的にはふたり、69の形でお互いの性器を愛し合い、幾度もエクスタシーの波に呑まれたのでした。

 ふたりの喘ぐ声が一際高くお部屋に響いてから、しばらくは肩で息する音だけがつづいていました。
 むせかえるようなお姉さまの臭いの中で、シアワセの余韻に浸っていたら、不意に視界が明るくなりました。
 お姉さまが立ち上がられたようでした。
「シャワーしてくる」
 その場でワンピースを脱ぎ捨て、オールヌードになられたお姉さま。
 その遠ざかる形の良いお尻を、私はまだ床に仰向けになったままで見送りました。

「ちょっと直子、この洗いっぱなしの洗濯物、どうするの?」
 開けっ放しのリビングのドアの向こうから、呆れたようなお声が聞こえてきました。
 あっ!いっけなーいっ!
 すっかり忘れていました。
 あわてて洗面所に駆けつけると、お姉さまの冷たい苦笑いに迎えられました。
 私のからだには、右脇腹と左側のラビアにひとつづつ、洗濯バサミがまだ噛みついていました。

「ご、ごめんなさい。すぐに干します」
 時計はすでに午後の二時を少し過ぎていました。
「忘れていたのでしょう?使用人がそんなことでは困るわねー」
 お姉さまがお芝居っぽく、なじってきます。
「でもまあ、この陽気なら2時間も干せば乾いちゃうでしょ。さっさと干しちゃいなさい」
 おっしゃりながら、お姉さまの右腕が伸び、私の右脇腹を噛んでいた洗濯バサミが外されました。

「はうんっ!」
 興奮しているときには気がつかない、長い時間噛んでいた洗濯バサミを外すとき特有の刺すような痛みが走り、思わず顔が歪みました。
「あら、えろい顔しちゃって、まだサカっているの?本当に底無しのドエムね。ちょっと待っていなさい。シャワー終わったら、まだまだたっぷり虐めてあげるから」

 ご自分の性的欲求が発散されて落ち着いて、余裕が戻ったお姉さま。
 こうなったときのお姉さまは、さらに強い興奮を得る為にイジワルさが増してエス度が格段に上がることに、これまでの経験で気がついていました。
「あうっ!」
 左ラビアの洗濯バサミも無造作に外されました。
 そして、それがさも当然のように、私の左右乳首にあらためてぶら下げられます。
「あっつぅぅぅ!」

「これはご褒美じゃなくて、一応罰だから。クリットにもうひとつ自分で挟んで、その姿でベランダに出て、洗濯物を干しなさい」
「まあ、どうせ誰にも視られることはないし、直子にとっては罰にはならないかもしれないけれど、あたしにとっては、素っ裸でそんなのぶら下げたまま外に出る女なんて、充分みっともなくて恥ずかしい存在だと思うわ」
 冷たく蔑むお言葉とともに、お姉さまが右乳首の洗濯バサミをパチンと弾きました。

「ああんっ、ごめんなさい・・・」
「それと、食器とクロスの後片付けもよろしくね。テーブルと椅子はそのままでいいわ。明日はもっと恥ずかしい姿でのお食事会にするつもりだから」
 それだけ告げたお姉さまは、私のお尻をパチンと叩き、スタスタとバスルームへ向かわれました。

 お洗濯ものを入れた籠を片手にリビングへ戻った私。
 お言いつけ通り、洗濯バサミをひとつ拾い、自分の股間へとあてがいました。
「いたぁいーっ!」
 少し大人しくなっていた肉芽がギュッと潰され、途端に血液が集まり始めました。
 激痛の後、鈍痛、そして疼痛。
 すでに疼痛と化している二箇所にもう一箇所の鈍痛が加わって交わり、ジンジンする痛みに全身が支配されます。
 その痛みたちは、なぜだか私の剥き出しマゾマンコの奥へと集結すると、いつの間にか心地良い刺激へと変化してしまうのです。

 ベランダに出ると、相変わらずの柔らかな陽射し。
 少しだけ風が強くなったようで、乳首にまっすぐに噛みついてぶら下がる洗濯バサミたちが、風が吹くたび微かに揺れました。
 タオル類を物干しに掛け、ワンピースはハンガーに、下着類はピンチハンガーに吊り下げていきます。
 からだを動かすたびに、三つの洗濯バサミたちが、その存在を痛みで私に誇示してきます。

 全裸に首輪、そして女性なら誰もが隠したがる敏感な部分に洗濯バサミ。
 そんな姿でベランダに出ているヘンタイ女は、世界中で今、きっと私だけでしょう。
 喧騒に混じって遠く聞こえてくる誰かの微かな話し声の中に、ハダカとかマゾ、ヘンタイ、露出なんていう、私を蔑む単語が混ざっているような、空耳を感じてしまいます。
 
 喧騒の中で一際大きく、突然始まった吹奏楽部の練習曲は、フニクリフニクラに変わっていました。
 その、たどたどしくも勇ましい演奏を聞いていると、自分自身が高校時代から、ずいぶん遠くまで来てしまったような気持ちになり、自嘲的なせつなさを感じました。
 だけど、それとは裏腹に、ベランダの目隠しフェンスから身を乗り出して、自分の今の恥ずかしい格好を誰かに視てもらいたい、知って欲しいという自虐的な衝動にも駆られていました。

 私は再び、急激に発情していました。
 ベランダとは言え、こんな格好でまた、お外に出たせいでしょう。
 お姉さまがおっしゃるとおり、私の露出マゾレベルは、確実にワンステップ、上がってしまったみたいです。
 
 マゾマンコの奥がズキズキと疼き、罰を受けている三箇所が更なる責めを強烈に欲していました。
 洗濯物を干し終わり、ブランチの後片付けでベランダとキッチンを何度か往復するあいだ中ずっと、私はお姉さまからの次なる恥ずかしいご命令を心待ちにしていました。
 キッチンで食器を洗いながら、飛び散る水飛沫が肌に当たっただけで、クネクネ身悶えてしまうほど。
 食器を拭くタオルが肌を擦っただけで、いやらしい声が洩れてしまうほどに。

 お仕事すべてを終えてソファーのところに戻ると、ちょうどお姉さまが、バスタオルだけ巻きつけてリビングに戻ってこられました。
「仕事は終わった?」
「あ、はい。あとはここ、リビングのお掃除だけ、まだですが・・・」
「ここ?ここはもういいわよ。どうせこれからまた、直子のいろんなおツユで汚れちゃうのだから」
「明日、あたしが起きてくるまでに掃除しておいてくれたらいいわ。今日の直子の家政婦の仕事で残っているのは、夕食作ることだけよ」
 お姉さまがおやさしげにおっしゃってくださいました。

「このあと直子には、家政婦としてではなくて、あたしの加虐趣味を満たすセイドレイとして、がんばってもらうつもりだから」
「あたしにも日頃の鬱憤とかフラストレーションとかあるからね。もちろんそれは直子のせいではないのだけれど、そのハケ口として活用させていただくわ」
 お姉さまが愉しそうに笑って、巻いていたバスタオルを床に落としました。
 何てお美しい、お姉さまの裸。

 それからのお姉さまは、まさにエスな人そのものでした。
 その理知的な瞳に妖しい炎をユラユラさせて、私を虐め抜いてくださいました。

 首輪にはリードの冷たい鎖を付けられ、おっぱいを麻縄でギュッと絞られ、手錠で両手は後ろ手に括られ、棒枷で股を大きく割られた格好で、シートを敷いた床に転がされました。
 全身に洗濯バサミを噛まされ、ローソクを満遍なく垂らされては、バラ鞭で払い落とされました。
 キュウリもニンジンもバナナも、ゴーヤさえ突っ込まれました。
 イク寸前に焦らされるのはあたりまえ。
 何度も何度も涙目になって懇願しました。
 全裸のお姉さまが愉快そうに、そんな私の姿へハンディカメラを向け、熱心に撮影されていました。

 陽が傾いてきて洗濯物を取り込むときには、手錠と棒枷だけ外してくださいました。
 その代わり、果実の形をしたお浣腸をふたつ注入され、ふたつめのお薬の容器はお尻に挿したままベランダに出るよう、ご命令されました。
 お腹がグルグル痛むのを必死に堪えてお洗濯物を取り込んでいると、練習を終えた吹奏楽部の女学生さんたちでしょうか、ごきげんよう、またお休み開けにね、ってさわやかにご挨拶し合うお声が聞こえてきました。
 そっとフェンスから階下を覗き、彼女たちの可憐な制服姿を見て、今の自分の姿との対比に、またまたひどくせつなくなりました。

 だけど、そんな感傷に浸りきるには、お腹が切羽詰り過ぎていました。
 顔にダラダラ脂汗が浮かび、膝がガクガク震えています。
 取り込んだお洗濯物を放り出すように床に置くと、一目散におトイレに駆け込みました。
 もちろんお姉さまも後を追ってきて・・・
 とうとうお姉さまに私の排泄姿を目撃されてしまうと同時に、映像に記録までされてしまいました。

 うちひしがれるヒマも無くバスルームに連れ込まれ、今度はぬるま湯のお浣腸。
 シーナさまからいただいた大きなお浣腸器を、お姉さまは愉しそうに私の肛門に突き立てました。
 シャワーでお尻にお湯を当てられつつ我慢に我慢を強いられ、結局、何度もお尻から噴水を吹き上げました。
 おかげで首輪までぐっしょり。
 
 これもシーナさまからの就職祝い、ガーネットのアナルビーズを渡されて、お尻の穴だけでイクように命じられました。
 バスルームの鏡に自分のお尻を映し、自分で珠を押し込んでいきます。
 今ではすべて埋め込めるようになった私の肛門。
 埋め終わったら、お姉さまにお願いして抜いていただくのです。
「お姉さま、どうか直子の汚い肛門から、ビーズを抜いてやってください」
 お姉さまが私のお尻をパンパン平手打ちしながら、焦らすように抜いてくださいました。
 3回くりかえした後、自分で人差し指を肛門に挿入、グリグリ動かしているうちに、全身がビクビク痙攣してきました。
「ああ、イッちゃう、お姉さま・・・お尻の穴でイっちゃいますぅ・・・ううううぅぅ!!!」

「さあ、からだの内も外もキレイになったところで、お夕食の支度をしてちょうだい」
 さすがにお料理をするときは、危ないちょっかいはありませんでした。
 乾かしておいてあげる、と首輪は外され、おっぱいを締め付けていた麻縄も解かれました。
 ただし、例のエプロンを、お姉さま曰く、直子流、で着けるように命じられました。
 直子流、というのはつまり、エプロンの紐を結ばず、胸当ての乳首の位置に洗濯バサミをふたつ噛まして、エプロンが落ちないように留める方法です。
「それだけじゃちょっと頼りないわね」
 お姉さまの一言で、左右脇腹にひとつづつ、あと、もちろん股間にひとつ、追加されました。
 リビングでお姉さまがのんきにドライヤーで首輪を乾かしているあいだ、ちょっと動くと疼痛が走るお下劣裸エプロン姿で、スパゲティカルボナーラと野菜サラダを一生懸命作りました。

 今夜のディナータイムはふたりとも全裸。
 私は乾いた首輪を着け直しましたが。
 お食事のあいだ、お姉さまはご機嫌でした。
「これ、さっき直子のマゾマンコが咥え込んでいたキュウリよね?」
 なんておっしゃりながらパクパク食べていらっしゃいました。
 私も、やっぱりずいぶん体力をつかったのでしょう、ゆっくりペースで最後までたいらげました。
 お姉さまは、ワインもけっこうなペースで飲み干されていて、私もつられて4杯飲んじゃいました。

 食休みにソファーでくつろいでいると、どちらからともなく唇が重なり・・・
 その後は、自然に抱き合って何度も何度も愛し合いました。
 お互いに悦ばせるツボみたいなものがわかってきていたので、お互いの指と唇だけで飽きることなく幾度もイキ合いました。

 ちょっと疲れると、抱き合ったままシャワーを浴び、抱き合ったままバスタブで愛し合い、抱き合ったままからだを拭いて、抱き合ったままソファーに倒れ込み・・・
 結局、いつ眠りに落ちたのかわからないまま、翌朝を迎えました。


オートクチュールのはずなのに 13


2 件のコメント:

  1. 思わず一気読みしちゃいました。
    洗濯ばさみの痕が身体に次々と残るようで
    痛ましいですが、
    ついどんな具合で鬱血するのか想像しちゃいました。
    ベランダの羞恥的な罰と吹奏楽で思いに耽る姿が
    せつなげでとても良かったです。
    また更新お待ちしています。

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  2. 何某さま

    コメントありがとうございます。
    愉しんでいただけたようで、嬉しいです。

    洗濯バサミの痕は、薄くつまんで長時間だと残りやすいです。
    とくに内腿や脇腹、あとバスト。
    でも、そういうのや縄の痕を、やさしく揉んでマッサージしてもらうのも好きです。

    またお時間があるときに、覗きにいらしてください。

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