何?
何今の・・・
突起を膣壁が締め付けると同時に、マゾマンコ内にぴったりフィットしたシリコンがローターのようにプルプル振動する感覚がありました。
膣壁をくまなくゆさぶる予想外の振動が瞬く間に快感となって全身へ広がり、一気に天国一歩手前まで昇り詰めてしまったのです。
まさか、突起にリモコンが仕込まれていて、どこかで誰かが操作しているとか・・・
極力何食わぬ顔に努めながらも、心の中では疑心が暗鬼を生んでいました。
だとしたら、またいつ、震えが襲って来るかわからない・・・
もう一度来て欲しいような、もう絶対に来て欲しくないような・・・
口に咥えた乗馬鞭の柄をギュッと噛み締めながら、歩幅の狭さがもどかしい鎖に繋がれた両足を懸命に動かし、またいつくるかわからない振動にビクビクしつつも、なんとかランウェイの端までたどりつきました。
さあ、あとは戻るだけ。
リモコンローターを仕込まれて街中にいるときと同じドキドキに支配されていました。
早く戻ろう・・・
両足のかかとを滑らせてターンしたときでした。
真っ暗だった会場内がパッと明るくなりました。
会場のすべての灯りが点けられたみたいで、デパートの食品売り場みたく眩しいほどの明るさになりました。
でもBGMだけ依然として、ホラー映画のようにおどろおどろしいまま。
お顔が見えるようになったお客様がたも、軽くどよめいていらっしゃいます。
ああん、いやん・・・
突然、赤裸々となった視界に一テンポ遅れて羞じらいがぶり返し、思わずビクンとからだが震えました。
その途端にまた、突起がプルプルッと震え、すぐ止まりました。
「んっ!」
油断していた膣への刺激で顎が上がり、鞭を咥えた唇がたまらず開きそうになり、あわてて歯を食いしばりました。
同時に下半身にも力を込めると、突起がさっきより激しく振動し始めました。
だめ、もうだめ・・・
油断すると震え出す意地悪な突起の振動に翻弄される私は、立ち尽くしたままあきらめかけ、その快感に身を委ね始めていました。
でも、下半身に込めた力が抜けていくに従って振動は弱くなり、やがて止まりました。
なんとか膝から崩れ落ちるのを我慢出来た私は、気がつくとまだ、ランウェイの突端。
中腰、がに股の不格好でうなだれていました。
赤い首輪から垂れ下がったリードの鎖が、前屈みになった空間にブラブラ揺れています。
口元からよだれがポタポタと赤いカーペットに滴り落ちるのも見えました。
あ、いけない!
ショーモデルにあるまじき、こんな不細工なポーズ。
あわてて直立モデルポーズに戻った私は、会場中のすべての視線に注目されていました。
明るすぎるほど明るくなった会場、すべての人たちのお顔がはっきり見えました。
すべての視線が好奇と侮蔑と嗜虐のいずれかを湛え、私の人となりを吟味するかのように、私のからだのどこかしらを凝視していました。
さっきまでの暗闇にスポットライトでお客様のご様子がわからないということが、どんなにありがたいことだったのかを思い知りました。
鞭を咥えて半開きの口元から滴るよだれは、僅かに乳首だけ隠したおっぱいの谷をしとどに濡らしていました。
赤いレザーでVの字に隠されただけの股間の周辺も両膝の辺りまで、お漏らしでもしたかのように粘液で濡れそぼリ、照明の光にテラテラ光っていました。
そしてもちろん、そんな私の浅ましい姿が正面の大スクリーンに、大きく映し出されていました。
もう、こんなのいやっ!
自虐が極まって、いっそこのままこの場に這いつくばってからだをまさぐり、オナニーを始めちゃいたい気分でした。
乗馬鞭のグリップをマゾマンコに突っ込んで、アナルの突起をグリグリ掻き回して・・・
それでも今は、ステージまで戻らなければなりません。
ポーカーフェイスで颯爽と。
イベントを台無しにすることは、そのまま愛するお姉さまとのお別れを意味していました。
立派にショーのモデルを務め上げることが、お姉さまとのお約束でありご命令なのですから。
気を取り直してステージのほうへと歩き出したとき、スタンディングキャット社の男性の誰かが、私に立派なカメラを向けているのが見えました。
いやっ、こんな姿、撮らないで・・・記録に残さないで・・・
思った途端に突起がブルっと膣壁を震わせました。
たてつづけにシャッターが押されるのがわかりました。
カシャッ!だめっ!ビクン!
カシャッ!いやっ!ビクン!
カシャッ!撮らないで!ビクン!
そのたびに突起がブルっと小さく震えました。
あっ!
感じると同時に気づきました。
この突起の振動って、マゾマンコが疼いてキュッと膣をすぼませるたびに起きている・・・
たぶん、突起を締め付けることで振動する仕組みなんだ。
その考えが正しいのか試してみたくて仕方なくなりました。
だけど、私の我慢もそろそろ限界に近くなっていました。
次に粘膜を大きな刺激が襲ったら、本当にその場で崩れ落ちてしまいそう。
大事なイベントの、こんな大勢のお客様に視つめられている中で、そんなふしだらなイキ姿をお見せするわけにはいきません。
でも逆に、そんな姿までみなさまにご披露しちゃうことを、お姉さまはお望みなのかも・・・
ごちゃごちゃ考えながらステージへ向かって一歩一歩進みます。
アンジェラさまが、艶然とした笑みを私に向けてきます。
その横で小野寺さまは、唖然とされたお顔で私の顔を見つめています。
純さまと桜子さまは、こちらにお顔を向けたまま何やらヒソヒソお話されています。
シーナさまは、ニヤニヤ笑いを浮かべて嬉しそう。
ステージまであと十数歩のところまで来たとき、お姉さまのお姿をみつけました。
どこかでお会いしたことあった気もするお綺麗な女性と並んで座り、私をじっと視つめていました。
何か面白いオモチャをみつけた子供のような、次はどういたぶったら愉しいか企むような、ひややかなまなざし。
私が一番良く知っている、嗜虐が極まったときにだけ見せていただけるドエスな視線。
その視線とバッチリ目が合いました。
その瞬間、お姉さまの唇が動きました。
実際にお声に出してはいないのでしょうが、私には、その動きだけでお声が聞こえました。
イッチャイナサイ・・・
そのお言葉の意味を理解するなり、膣壁がキュウンと疼きました。
同時に自分でも、漏れそうなオシッコを我慢するみたいに、、下半身にギュウッと力を込めました。
ビビビビッ!
今までにない振動が膣から狂おしく全身へとせり上がり、官能を震わせてきます。
「んぐぅぅ!・・・」
眉間にシワが寄っているのがわかります。
咥えた鞭の柄を噛み砕かんばかりに噛み締めていました。
頭の中は真っ白。
でも足だけは止めず、なんとか前へ前へと踏み出していました。
イッチャイナサイ・・・
イッチャイナサイ・・・
イッチャイナサイ・・・
お姉さまのご命令だけが脳内でエコーしていました。
そのお言葉が嬉しくてたまりませんでした。
行かなきゃ。
お仕事をちゃんとやらなきゃ。
たとえイッても、とにかくステージまで戻らなくちゃ。
快感に震えながら、一歩一歩ステージへの階段を踏みしめました。
もうとっくに自分で下半身に力を込めることはやめているのに、マゾマンコが勝手にビクンッビクンッとわななき、そのたびに弱い振動が起きています。
左内腿には、見た目でわかるほど白濁した生々しいおツユが溢れ出て、左脚をトロトロ滑り落ちていました。
ステージに戻り、客席と向き合う形で中央に立ちます。
綾音部長さまの解説が入るので、すぐに楽屋にもどるな、というお言いつけです。
リンコさまがタタタッと私の脇に駆けつけて並ばれました。
試合中のドーム型野球場のように明るい会場内。
大勢のお客様がたより数段高くなったステージ上で、半裸のマゾドレイそのものな姿を見せつけるみたいに立ち尽くす私。
その姿は破廉恥で浅ましくて、みじめそのものなはずです。
性的にノーマルな女性でしたら、たまらずに泣き伏してしまうことでしょう。
だけど私は、そんな状況に強烈な羞恥を感じつつ、一方で愉悦に酔い痴れていました。
全身を蝕む甘美な快感に今すぐにでも身を委ねたいのに、無理して無表情を装います。
今だにヒクヒク蠢く下半身からビリビリと気持ち良い電流が放電しつづけていて、イッたのか、イキつづけているのか、それともまだイッていないのか、自分でもわからない状態でした。
BGMのボリュームが下がり、綾音部長さまのお声が流れ始めました。
「只今ご覧頂いたアイテムの実物です。このような形状になっています」
演壇の上に置いてあった、私が装着しているのと同じ形状のアイテムをお客様に向けてお見せになる綾音部長さま。
「パスティースは、この金具にニップルを挟み、ネジで締め付けることで固定されます」
わざわざ内側の金具の仕組をお見せになりました。
「当然、若干の痛みを伴いますから、そういったことのお好きな、所謂マゾ傾向の強いかた向けと言えますね」
ざわざわ広がるお客様がたの忍び笑い。
「ニップルに与える痛みはこのネジで自由に調節出来ますから、マゾ気質のご婦人なら、その度合いに合わせて、必ずや嬉しいご褒美となる装身具と思います」
「ボトムはこちらです」
弓なりのCストリングから飛び出ているふたつの卑猥な突起を、わかりやすいようにみなさまに向けてお見せになる、ご親切な綾音さま。
「おわかりとは思いますが、こちらをヴァジャイナに、こちらはアヌスに挿入する二点留めです」
「挿入することによって、従来のCストリングで懸念される脱落の危険がなくなり、更にA感覚の開発にもなるという、こちらもセックスへの好奇心旺盛なマゾ気質の淑女に最適なアイテムとなっています」
おっしゃってから綾音さまは、思わせ振りの大きな仕草でステージ真ん中に立つ私のほうへとお顔を向けてきました。
綾音さまのお顔の動きに吸い寄せられるように、お客様がたの注目が私に集まります。
視線が放つ好奇の度合いが一段と強くなった気がしました。
お客様がたの誰もが、今あのモデルの両乳首はネジで締め付けられていて、性器と肛門には卑猥な形をした突起が埋め込まれているのね、と再認識されたことでしょう。
私はと言えば、そんな好奇と侮蔑の視線の中、上と下の口からよだれをタラタラ垂らしながら、鞭を咥えて後ろ手に括られたまま、澄ました顔をしていなくてはならないのです。
「さらに、このアイテムには、みなさまに内緒にしていた画期的な機能も付属されているのです」
綾音さまのお芝居じみた口調に、お客様がたの視線が演壇へと戻りました。
「薄々感づいていらしゃるかたもいらっしゃると思いますが、ショーのあいだ、モデルの夕張さんが時折からだをビクンビクンとされていましたよね?」
そう言えば、みたいな感じにザワザワとざわつく会場。
「実はこのアイテムの手前のほうの突起、ヴァジャイナ挿入部の突起は、ヴァジャイナトレーニングにも適した内容となっているのです」
「ヴァジャイナトレーニングとは、恥骨から尾骶骨に走る筋肉を鍛えることにより、率直に言えばヴァジャイナの締りを良くして、性感を高めるためのトレーニングということです」
ここでもう一度、綾音さまがCストリングの突起をお客様のほうへ掲げました。
「よくご覧ください、この突起は、締め付けることによって振動する仕組みになっています」
綾音さまが右手で突起を握り締めました。
「見ただけではわかりづらいですね」
突起を握っている綾音さまの手に、雅部長さまがご自分のマイクを近づけられました。
ンーンーンーッ・・・
ローターが振動するような音が小さく、マイクを通して会場のスピーカーから聞こえてきました。
「強く握るほど、振動も強くなります」
綾音さまが強く握ったのでしょう、振動音の音程が上がり、ブーンという音がよりはっきり響き渡りました。
「このように、装着したままヴァジャイナの筋肉を動かして突起を締め付けることで、トレーニングと快感の両方を得ること出来るのです」
「女性にありがちな、くしゃみをしたときの尿漏れなども、この筋肉トレーニングで克服することが出来ます」
へー、なるほど、みたいな感じの場内のさざめき。
さざめきが鎮まるのを待って、綾音さまが再び、私のほうへお顔を向けてきました。
「ここで実際身に着けてくださっているモデルの夕張さんに、その機能を実演していただこうと思います」
お客様がたの視線も一斉に私へ戻ってきました。
えっ!?えーーーーっ!
「わたくしが観ていましたところ、夕張さんはウォークの最中にコツを掴まれたようで、かなり性感も高まっていらっしゃるご様子とお見受けしました、きっと上手く実演してくださることでしょう」
綾音さまの口調にイジワルさが混ざり始めていました。
「ただし、夕張さんはご覧の通りのクールビューティですから、あまりあからさまにエロティークな反応にはならないかもしれませんけれど」
会場内にクスクスという忍び笑いと大きな拍手が沸きました。
「それでは夕張さん、お願いします。アヌスをキュッとすぼめるように力を入れてヴァジャイナ全体でコレを締め付けてください」
お客様がたにCストリングの突起を指し示しながら促されました。
お顔がイタズラっぽく愉快そうに微笑んでいました。
綾音さままで、私がイク姿をみなさまにご披露することをご所望のようです。
リンコさまが、お持ちになっていたマイクを私の股間に近づけてきました。
振動の音を拾おうというのでしょう。
リンコさまもワクワクなご様子。
私は、客席にお姉さまのお顔を探しました。
お姉さまは前から五番めのお席で、薄く微笑みながら私を視つめていらっしゃいました。
目が合いました。
お姉さまが一度小さく頷かれ、それからクイッと顎を上にしゃくられました。
イッチャイナサイ・・・
覚悟を決めました。
お姉さま・・・
お姉さまをまっすぐ見つめながら、マゾマンコに埋め込まれた突起に意識を集中し、下半身に力を入れます。
お姉さま、私、みなさまの前で、イキます。
弱く身震いを始めた突起が、生き物のように膣の奥へ奥へと、その先端で突いてきます。
それでもひるまず、もっと奥へと誘いこむように膣壁に力を込めます。
「んぅっ!」
振動が強くなりました。
ブーーー-ンッ・・・
リンコさまのマイクが振動音を拾って、会場に低く流れ始めます。
私は自ら腰をヒクヒクと淫らに前後に揺らし、突起を締め付けつづけました。
ブーン、ンンン、ブーン、ンンン・・・
私が締め付けるリズム通りに、振動も弱くなったり強くなったり。
それが・・・とても・・・気持ち・・・いいいぃぃ・・・
鞭の柄を噛み締めながら、喘ぎたがる声を押し殺します。
今までに着せられたアイテムがもたらした羞恥と被虐と恥辱で、ヘンタイドマゾな私の性的欲求はパンパンに膨れ上がっていました。
その積み重ねの上にこんなに強烈な肉体的刺激が加わったら、もはや、快楽に抵抗する術など微塵もありませんでした。
からだが溶けてなくなっちゃいそうなほどの快感の渦が、もうすぐそこまで来ていました。
会場内の照明がフェードアウトするように徐々に暗くなっていきました。
お姉さまのお顔が、だんだんと闇に溶けていきました。
「ぅあぁぁいぃぃぅあぁぁ、あっ、あっ、いぃぃぃっくぅぅ・・・」
暗闇の中で私は、自分のからだを駆け巡る快感だけに埋没し、やがて果てました。
会場が真っ暗になる前に二度、リンコさまのマイクが拾ったガタンという大きな音が、ローター音に混じって場内に鳴り響きました。
一度目の音は、私が咥えていた乗馬鞭が床に落ちた音。
二度目の音は、とうとうこらえきれずに崩れ落ちた私の両膝が床に激突した音でした。
真っ暗になったステージ上で、盛大な拍手の音だけが聞こえていました。
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*オートクチュールのはずなのに 58へ
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