玄関扉からお外へ出ると、ジョセフィーヌさまは玄関前の石階段下で扉を見上げられ、私たちを待ち構えてくださっていました。
いきなり裸の人間がふたり現われたので束の間ポカンと見つめるだけのジョセフィーヌさまでしたが、石畳までふたり降り立つとすぐにまず私のほうに駆け寄ってこられ、私の素脚にフワフワの毛並みをスリスリ。
それから倉島さまのほうへも寄っていかれて遠巻きに両足の周りをグルグル。
「わあ、人懐っこいワンちゃんですね」
「お名前を呼んであげてみてください」
「えっ!?」
少し照れくさそうにモジモジされていた倉島さまでしたが、ジョセフィーヌさまのほうを向かれ意を決されたように小さなお声で、
「ジョ、ジョセフィーヌ…さま…」
倉島さまのお顔を見上げられたジョセフィーヌさまが距離を詰められ、ますます素脚をグルグルスリスリされて倉島さまの嬉しそうな困惑顔。
それでもまだおっぱいと股間は両手で、雑にですか隠されています。
ジョセフィーヌさまはひと通り愛想を振り撒かれた後、ネコミミカチューシャに尻尾アナルプラグでお散歩用バッグを提げている、おそらく見慣れているのであろう私のほうのリードの持ち手をパクリと咥えられます。
首輪に繋がったリードに引っぱられ、ジョセフィーヌさまに従うように歩き出す私。
そのすぐ後ろを慌てたように着いてこられる倉島さま。
ジョセフィーヌさまを先頭に、首輪にサンダルの全裸女ふたりが、初日よりも若干、陽の陰りが増したように感じる夕方の山道を進んでいきます。
ジョセファーヌさまは山道に入られると私のリードの持ち手をお口から離され、あちこちの草むらにお鼻を突っ込まれ、いつも通りのパトロールに余念の無いご様子。
倉島さまはまだ恥ずかしそうに左腕でおっぱいを庇いながら私の横を歩かれ、右手に嵌めたビデオカメラも下に向けたきり。
「わたし、こんな格好で外を出歩くの、生まれて初めてです…妄想小説でなら何度かそういう場面を書いたことはあるけれど…」
私から少し遅れ気味におどおどキョロキョロ着いてこられる倉島さまが、ご不安そうに話しかけてこられます。
「本当に他の人は入って来れないんですか?誰かに覗かれちゃったりとか襲われちゃったりとか…」
倉島さまのあまりに落ち着かれないご様子に、イタズラぽい気持ちがほんのり芽生える私。
「うん。少なくとも私がお散歩に出かけるときには、どなたにも出会わなかったですね。でも稀に、宅配便の人とか郵便配達の人とかがお屋敷を訪れることもあるみたい…」
ピタッと足を止められ、思い出したように股間も右手で覆われる倉島さま。
「そうですよね!そういう人が通らないとは限らないし、こんな格好ただの痴女だし、みつかっちゃったらどうなっちゃうんだろう…」
ますます怯えの色が濃くなっちゃったみたいなので、可哀想になってネタばらし。
「でもそいう人が訪れる時間帯は決まっているみたいだし、この時間には絶対無いです。それに万が一そんな場面に出くわしても、あるじさまとの取り決めで見物や撮影以上の行為をしたら問答無用で法的手段に訴える、ていうお約束になっているらしいから」
私の説明と全然隠そうともせずに普通に歩いている私の態度に幾分ホッとされたのでしょう、足早に私に追いつかれる倉島さま。
「わたし、露出願望はそれほどでもないと思っていたのだけれど、こうして歩いているとなんだか凄くドキドキしてきますね。視られたくないって気持ちと、でもやっぱりちょっとは誰かに視て欲しい、っていうアンビバレントな感情がせめぎ合って、もうどうなってもいいかも、っていう刹那的な高揚感を感じて」
疎かになった胸元を覆う腕からはみ出した倉島さまのピン勃ち乳首で、倉島さまが性的に充分興奮されていることが如実にわかります。
「麗子さんはいつ裸にされちゃったの?車を降りてきたときは目隠しの全裸だったけれど」
私と肩を並べられ、おっぱいと股間へのガードも緩くなり始めた倉島さまとの会話が途切れないよう、浮かんだ話題を歩きながら振ってみます。
「高速下りて山道に入ってからでしたね。わたしも愛川さまからいろいろ聞かされていて覚悟はしていたし、運転手さんも女性でしたし…」
「でも脱いで目隠しされてからは凄く不安でしたね。これからどういう所に連れて行かれるのかは全然わからないわけですから」
「直子さまに会えるんだ、というのと、車中で愛川さまがいろいろ気持ち良くしてくださったことでなんとかそのまま辿り着けました」
誰かに聞いて欲しかった、という感じで堰を切ったようにお話し始める倉島さま。
「この旅行に参加したいってわたしが言い出してから、愛川さまのエス度がグンと上がったんです」
「参加の条件として、すぐ脱げる服装で、失くしても破かれても構わない下着で来て、愛川さまのご命令には絶対服従なエム女に成り切ること」
「その代わり逗留中の費用は一切不要だからお金は一銭も持ってこなくていい、麗子のからだで支払いなさい、って。よくよく考えるとキチクな条件ですよね」
「それでもわたしは直子さまに会いたくて参加したんです…」
里美さまったら、お姉さまが私にしたのと同じご命令をされていらっしゃる…
きっと事前にお姉さまとご相談されていたのでしょう。
なんだか可笑しくて、私と同じだ、と打ち明けたい気持ちもありましたが、本気で憤っていらっしゃる倉島さまが可愛らしくて種明かしはしないことにします。
ジョセフィーヌさまは、タッタッタと先に行かれたと思ったらこちらへ引き返して私たちの周りをグルグルみたいなことをくりかえしつつ、草むらのチェックにも勤しむという、いつになく落ち着きの無いご様子。
首輪裸女がふたりもいて、ジョセフィーヌさまのテンションも上がっているみたい。
「じゃあ麗子さんのご主人様は里美さまなんだ?」
バスルームでも勤務中に里美さまが倉島さまにえっちなご命令をされているようなこともおっしゃっていたし、おふたりもそういうおつきあいを始められたのかなと嬉しくなって、軽い気持ちで聞いてみます。
「そういうことになるんですかね。でもわたしの中ではバイト先の店長とバイトっていう主従関係以上のものは感じていなくて、今回もロールプレイングで従っているって感じかな」
「愛川さまもお綺麗で優しくて適度にキチクで素敵なかたなんですけれど、なんて言うか、愛川さまから聞かされた、直子さまとお姉さまみたいな恋愛感情は不思議に湧かないんです。ただ単にわたしを気持ち良く辱めてくれる人って感じで」
里美さまってば、私とお姉さまのことをどんなふうに倉島さまに伝えているのでしょう。
まあ、私がお姉さまに熱烈な恋愛感情を抱いているのは事実ですからいいですけれど。
「どちらかと言うとわたしとしては、直子さまからご命令や意地悪をされてふたりで気持ち良くなりたいかな。あ、でもこれも恋愛感情とは別物だと思いますけれど」
リアクションに困る告白を倉島さまからいただいたとき、広場の入口に到着しました。
結局ここに着くまで倉島さまのビデオカメラは何も撮影されていません。
ワンッと一声お吠えになったジョセフィーヌさまが、タッタッタと木立の茂みのほうへと駆け出されます。
そのお姿を見失わないようにしつつ東屋へと向かい、お散歩セットのバッグをいったん木製のテーブル上に置きます。
私の後を着いてくる倉島さまはもうすっかり普通の歩き方で、おっぱいや股間を隠すこともやめています。
両乳首もひっそりと引っ込まれてしまっているので、性的興奮も落ち着かれているご様子。
「ここに来て最初のお仕事は、ジョセフィーヌさまのおトイレの後始末です」
バッグの中身を一通り確認しつつ、シャベルだけを取り出して持ち、ジョセフィーヌさまの後を追います。
今回のジョセフィーヌさまのおやつは、ビスケットとペーストの両方が用意されていました。
ペーストは味の違う二種類のチューブがそれぞれ丸々一本づつ、更に新品の肥後ずいきも二本。
ということは…
木立の奥の茂みにおられたジョセフィーヌさまは、とっくに行為は終えられて私たちを待ってくださっていたみたい。
私と目が合うと、私を見つめたまま尻尾を少しパタパタ動かされた後プイッとそっぽを向かれ、タッタッタと木立沿いに離れていかれました。
「ジョセフィーヌさまはここへ来られると必ずまず茂みで用を足されるので、それの後始末が最初のお仕事です」
「具体的には地面にシャベルで2、30センチくらい穴を掘って、それをシャベルですくって跡を埋めるだけです。簡単ですから実際にやってみてください」
倉島さまにシャベルを手渡すと、そのものから50センチくらい離れた場所にしゃがみ込まれ、穴を掘り始めます。
「土が柔らかくてヘンに掘りやすいところは最近埋めた跡かもしれないから避けて、適度に土が硬い場所を選んで掘るのがいいです」
中村さまに教えられた注意事項を思い出しつつ、倉島さまの小さくうずくまった真っ白い裸の背中を見つめます。
背骨の凹凸が綺麗にカーブを描いていて、なんだか艶めかしい。
「ジョセフィーヌさまのお尻は、拭いてあげなくていいのですか?」
穴を掘り終え、いつもより少し少なめなそれをシャベルですくいつつ振り向かれた倉島さまが、以前の私と同じ素朴な疑問を投げかけてきます。
「麗子さんはペット飼ったことはないっておっしゃってましたね。ワンちゃんて排便するとき肛門から腸が少しお外に出るのですって。それで終わると体内に引っ込むから肛門は汚れないそうです」
中村さまの受け売りをそのままお伝えする私。
少し得意げだったかもしれません。
「そう言えば、街なかでのペットのお散歩でも犬のお尻を拭いている人なんて見かけませんもんね。へー、そういう仕組になっているんだ…」
感心しきりな倉島さま。
なんだか可愛らしい。
「終わったらジョセフィーヌさまは広場全体の巡回パトロールにしばらく出かけられますから、そのあいだに東屋へ戻ってシャベルを綺麗に洗ってから、次の準備に移ります」
木立を出て東屋に向かうときには、倉島さまもすっかりリラックスされている雰囲気。
胸も股間もまったく庇わない自然体で、暮れなずむ陽射しを全身に浴びつつ歩かれていました。
倉島さまが水道でシャベルを洗われているあいだに、私はフリスビーの準備。
小さめなポシェットにはジョセフィーヌさまのおやつ類だけを入れます。
フリスビーと折りたたみの三脚は剥き出しにしてテーブル上に。
トートバッグ内に残っているのはバスタオルと凍らせて溶けつつあるペットボトルのスポーツドリンク、肥後ずいきや木製洗濯バサミ数個など。
「ジョセフィーヌさまがパトロールから戻って来られたら、次は運動の時間です。フリスビー。麗子さんはフリスビーで遊んだことありますか?」
倉島さまが洗ってくださったシャベルを軽く拭ってから、陽当りの良いテーブルの上に置いた後、私がトートバッグとポシェットを肩から提げて倉島さまと向き合います。
「あ、はい。中学の頃に何人かの友達と近くの公園でよく遊んでいました。でもあまり上手いほうではないと思うけれど…」
「それでもきっと私よりは全然上手いと思うな。それにジョセフィーヌさまは、どこに投げても全力で追いかけてくださるから大丈夫」
「ジョセフィーヌさまはまだ戻って来られないけれど、先に準備をしてしまいましょう。麗子さんはフリスビーと三脚だけ持ってきて」
芝生のいつもの開けた場所へと、肩を並べて進む全裸女ふたり。
「三脚って、フリスビーしているところを撮影もするのですか?」
少し戸惑っているような怪訝そうな面持ちで倉島さまが尋ねられます。
「そう。お姉さまたちが麗子さんにそのビデオカメラを託されて、バッグに三脚が入っているということは、撮影してきなさい、というご命令だから」
ご命令、という表現にビクッと肩を震わせた倉島さま。
お顔にも少し赤みが差してきています。
それはそうでしょう。
マゾ慣れしていない人にとって、自分の裸の姿が映像に残ってしまうということは、恥ずかし過ぎる一大事なのですから。
「でも心配しなくていいと思います。お姉さまたちは、その映像をネットで拡散したり誰彼構わずお見せになったりは絶対しないから。身内で見て愉しむだけです」
ホッとしたようなお顔をされる倉島さまに、またイタズラ心が湧いてきてしまった私。
「でもそれをネタにしてバラ撒くぞとか脅迫して、個人的にえっちな要求を強要してくるようなお身内のかたはいるかもしれませんね」
ご冗談めかして告げたつもりなのですが、心当たりのあるかたがおられるのでしょうか。
困ったようなお顔をされてうつむいてしまわれた倉島さまの両乳首が、徐々に勃ち上がってきているのが間近に見えました。
私たちが映るような位置に三脚を置いてビデオカメラをセッティングし、小さなポシェットだけ持って芝生にふたり並んだとき、タイミング良くジョセフィーヌさまが戻ってこられました。
フリスビーは倉島さまが持たれていたので一瞬迷われたようですが、おやつのポシェットを私が持っているのに気づかれたのか私のほうへと駆け寄られ、私のおっぱいより少し下のお腹を前肢の支えにして後肢立ちになられ、私の脇腹や太腿をペロペロ舐めてくださいます。
ああんっ、ジョセフィーヌさま、大好き…
「それじゃあとりあえず私がやってみましょうか。麗子さん、フリスビーを貸してください」
倉島さまからフリスビーが手渡され、そのフリスビーをジョセフィーヌさまにお見せします。
ブンブン千切れんばかりに激しく揺れるジョセフィーヌさまの尻尾。
「それではジョセフィーヌさま、よろしくお願いします。いきますよ、フェッチです」
掛け声とともにからだをひねったバックスイングでフリスビーを思い切り飛ばします。
私の剥き出しのおっぱいがブルンと盛大に暴れ、お尻に挿した尻尾もユラユラ揺れています。
うまく投げられたみたいで、空高くかなり遠くまで飛んでいきました。
「ジョセフィーヌさまはあるじさまと英語で学習されているので、とってきてくださいはフェッチ、おすわりはシット、まてはステイです」
「それでジョセフィーヌさまがフリスビーを咥えられて戻っていらしたら、フリスビーを受け取りながら頭を撫ぜて盛大に褒めて差し上げてからこれを差し出します」
「ヘルシーチーズビスケット。ジョセフィーヌさまのご褒美おやつです。一回に2粒づつ」
「これを10回くらい、30分くらいを目安にくり返します。ジョセフィーヌさまが飽きてこられたら、ちょこんと座り込まれるので、そうしたら早めでも切り上げていいです」
「これが朝夕のジョセフィーヌさまとのお散歩の全行程です。戻るときはゴミも含めて全部持ち帰るのがお屋敷のルールです」
私がご説明し終えるのを見計らっていたみたいに、ジョセフィーヌさまがフリスビーを咥えられて一目散に戻ってこられました。
ジョセフィーヌさまからフリスビーを受け取り、フリスビーを一旦芝生に置いて右手でジョセフィーヌさまのフワフワな頭をよーしよーしとワシワシ撫ぜながら、左手のひらを開いてビスケットを差し出します。
ジョセフィーヌさまのお鼻先が私の左手に突っ込まれ、私の手のひらがベロベロと舐められ私は背筋が軽くゾクゾク。
この感触を早くもっとからだのあちこちの箇所で存分に味わいたい、と思ってしまいます。
「こんな感じだから麗子さんもやってみる?」
「あ、はい!ぜひやらせてくださいっ!」
ジョセフィーヌさまがご褒美を味わい終えられ、もっと、という感じで私の顔を見上げられたので、倉島さまにお役目を振ってみます。
「ジョセフィーヌさま、今度はわたしからいきますよ?」
フリスビーが倉島さまの手に渡ったので、私から数十センチくらい離れた倉島さまのもとへと尻尾をフリフリ近づいていかれるジョセフィーヌさま。
倉島さまの性的興奮はすっかり鳴りを潜めたようで、両乳首はすっかり陥没されていました。
「それではいいですか?ジョセフィーヌさま。はいっ、それえっ、フェッチですぅ」
倉島さまが満面の笑みと上ずられたお声で楽しげにフリスビーを放り投げると、青いフリスビーは高々と舞い上がり、それでもそれなりに距離も出そう。
へー、倉島さまってフリスビーをフォアハンドで投げるんだ…
投げる寸前に勢いよくバックスイングしたとき、形の良いおっぱいが突き出されるようにグイッと全開になって綺麗かつセクシーでした。
「うわー、一生懸命追い掛けてる。早い早い、可愛いっ!」
はしゃぐ倉島さまにご褒美ビスケットをふたつ握らせ、ジョセフィーヌさまのお戻りを待ちます。
やがて戻ってこられたジョセフィーヌさまは、迷うことなく倉島さまのほうへフリスビーを差し出されます。
右手でジョセフィーヌさまの頭を撫でながら、左手のひらをベロベロ舐められている倉島さま。
いやん、くすぐったーい、でもなんか気持ちいい、なんてきゃあきゃあはしゃぎながら、おそらくワンちゃんとの生まれて初めての触れ合いを満喫されているご様子。
ご褒美を食べ終えお顔を上げられたジョセフィーヌさまが私のほうに、何かおっしゃりたげな視線をくださいました。
「明日からはそのかたがジョセフィーヌさまのお散歩のパートナーになります。仲良くしてあげてくださいね…」
実際に声に出してジョセフィーヌさまにお願いすると、ジョセフィーヌさまは私のほうへゆっくりと近づかれ、私の股間を長い舌で一度だけペロンと舐め上げてくださり、また何事もなかったように倉島さまの元にお戻りになられました。
あんっ、まるで何もかもわかっていらっしゃるよう…
私のマゾ心に小さな火種が灯ります。
幸い倉島さまの位置からは、私がアソコを舐め上げられたのまではわからなかったようで、ムラムラに火が点いた私の火照り始めた顔をキョトンとしたご表情でみつめられていました。
その後、三投、四投は、ご褒美を手渡す以外、全部倉島さまにお任せしました。
ジョセフィーヌさまに手のひらを舐められるたびにきゃあきゃあはしゃがれる倉島さま。
そんなお姿を微笑ましくも羨ましく眺めていた私は、倉島さまが五投目を投げられた後、後ろ手に隠した自分の左手のひらにチーズ味のペーストをたっぷりとチューブから絞り出していました。
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