お姉さまは、私の両手首と両足首を繋いでいるジョイントをそれぞれ外してくださり、まず両腕が自由になりました。
それから、私のアソコの目前にしゃがみ込み、ラビアにとりついている悪魔のオモチャを取り外し始めました。
噛みついたクリップのねじが緩むたびに、ラビアに血流が戻りズキンと痛みます。
クリップが全部はずされ、オレンジ色のリングが取り除かれて、私のアソコはようやく唇を閉じることが出来ました。
棒枷は、外していただけませんでした。
「直子の柏餅、まだちょっと半開き状態ね」
お姉さまがからかうみたいに笑い、手に持った悪魔のオモチャを私の顔の前で揺らします。
リングやクリップに着いていた私のおツユの雫が、私の顔に数滴、降りかかりました。
「リビングのテーブルにアイス用意するから、行きましょう。飲み物のグラスを適当に借りるわよ」
シーナさまは、勝手知ったる他人の家、という感じでスタスタとリビングのほうへ消えていきます。
「わかりました。ほら、直子、立てる?」
差し伸べられたお姉さまの右手にすがりつき、仰向けの上半身を起こしました。
それから両足を踏ん張って、ヨロヨロ立ち上がります。
腰全体が重いのにフワフワもしているみたいで、ヘンな感じ。
立ち上がると今度は、上半身のほうが重く感じてフラフラとよろけてしまいました。
自由になった両手で髪をかき上げると、顔中汗びっしょり。
不自由だったとき気になっていた部分、おっぱいや乳首やアソコやお尻を、実際に手で触れて、無事を確かめます。
お尻がまだ少しヒリヒリしている以外は、異常無し。
乳首もおマメも敏感なまま。
ただし、全身が汗やいろんな体液でヌルヌルでした。
「あの、お姉さま?私もちょっとシャワーを浴びてこようかと思うのですが・・・」
立ち上がってからの私の振る舞いを、傍らでずっと無言で眺めているお姉さまに、おずおずとお願いしました。
「ああ、確かにからだ中ベトベトね。でもいいわよ、浴びなくて。どうせ休憩の後、またすぐ同じ状態になっちゃうのだから」
お姉さまに、取り付く島も無い口調で却下されました。
「このタオルで軽く拭いとけばいいわ」
私の頭部分の下敷きになっていたバスタオルを手渡してくだいました。
「それにあたし、匂いフェチのケもあってね。直子がヌルヌルになったときに鼻をくすぐる、なんて言うか、だらしのない臭い?も意外と好きなのよ」
お姉さまがイタズラっぽく笑い、私の手からバスタオルを取り上げてお顔を埋めました。
「さあ、行きましょう、シーナさんがお待ちかねよ」
お姉さまに左手を引っ張られ、私はツツッと前につんのめります。
両足に棒枷を施されたままの私は、ズルズル摺り足のロボット歩行しか出来ないのです。
「ねえねえ、早く来ないと、アイス溶けちゃうわよ?どうせふたりでイチャイチャしているんでしょ?まったく!つきあい始めのカップルは、サカリのついた猫と一緒なんだから・・・」
待ちかねたらしいシーナさまが、サンルームに戻っていらっしゃいました。
摺り足ロボット歩行でちまちま進み始めた直後でした。
「何しているの?足に棒枷着けているドレイが、立って歩こうなんてナマイキよ?」
シーナさまったら、私の姿を見た途端、愉しそうな罵声です。
「ちょっとそのまま待ってて」
シーナさまは、床に散らばっているお道具の中から、何かを拾い上げ、私に近づいてきました。
手にされているのは細い鎖。
私の赤い首輪の正面のリングに鎖の端のジョイントをカチリと繋ぎ、もう片方の端をお姉さまに握らせました。
「ほら、直子さんは四つん這いになって、エミリーはそのリードを引っ張って。それが飼い主とドレイの正しい関係よ」
「わかったらさくさく、リビングに集合しなさい」
それだけ言い渡すと、再びスタスタ、リビングのほうへ戻られました。
「なるほどね。直子?」
「あ、はい」
お姉さまの問いかけに、その場でしゃがみ込んで両手を床に着けました。
お姉さまがグイッと鎖を引っ張ると、私は四つん這いで歩き始めます。
右手、右膝、左手、左膝と順番に出せば、摺り足より断然早いのは確かです。
四つん這いになると、突き上げている腰と、棒枷によって無理矢理開かれている無防備な股間への羞恥心が増大します。
室内のあちこちにある鏡やガラスに、お姉さまに鎖で引かれて四つん這いで歩く、自分のみじめな全裸姿が映ります。
住み慣れた自分の部屋なのに、私、どうしてこんな格好をしているのだろう?
左右に切れよく揺れるお姉さまのかっこいいヒップを見上げながら、私の被虐心がみるみる満たされていきました。
リビングに着くと、L字ソファーの前のテーブルにアイスクリームと飲み物がセッティングされていました。
シーナさまはすでに腰掛けられています。
「やっと来たわね。ほら座って座って。直子さんも、今は休憩だから立ち上がっていいわよ」
飲み物は、シャンパンらしきボトルとスポーツドリンクのペットボトル。
アイスクリームは、何やら高級そうなカップアイス。
お姉さまがL字のもう一方の奥へ、私はそのお隣に、棒枷の足で苦労して腰掛けました。
「このアイス、なぜだかけっこうシャンパンに合うのよ。さ、とりあえず乾杯しましょう」
シーナさま自ら、それぞれの細いシャンパングラスに注いで、かんぱーい!チーンッ!
私は死ぬほど喉が渇いていたので、一気にゴクゴク飲み干してしまいました。
「ああ、やっぱりね。直子さんたちはきっと死ぬほど喉が渇いていると思ったから、もう一本冷やしてあるの」
「あ、でも直子さんは、それだけにしておいたほうがいいわ。この後も大変だから。あとはこのスポーツドリンクを好きなだけお飲みなさい」
私のグラスにスポーツドリンクを注いでくださりながら、シーナさまが愉しそうにおっしゃいました。
そのアイスクリームは、フルーツの果肉やチーズクリームとかも詰まっているようで、濃厚なのにさわやかで、すっごく美味しかった。
まだ充分に固いアイスをスプーンで突っつきつつ、スポーツドリンクを何杯もゴクゴク飲んで、おふたりのお話に耳を傾けました。
「それにしてもエミリー、見事なご主人さまっぷりじゃない?充分よ。わたしが教えることなんて、もう無さそう」
「いえいえ、まだぜんぜん自信が無くて。だからこの後、シーナさんにいろいろご教示いただこうと思っています」
「部屋に入って、直子さんの姿を一目見たとき、やるなー、って思ったわよ。この子のマゾ心を的確に突いた拘束具合だったもの」
「あたしなりにけっこう考えたんですよ。直子に悦んで欲しくて」
「おおお、いいわねー、お熱いこと!」
シーナさまにおどけてひやかされ、お姉さまと私が盛大に照れます。
「やっぱりロープの使い方はマスターしたいな、って思っています。直子が好きそうだし。あとは責めの加減がまだまだわからなくて」
「それは、場数をこなせばだんだんわかってくるはず。直子さんは、かなりハードにしてもネを上げないし」
「そうそう、鞭って、愉しいですね。ふるっているうちにどんどん興奮しちゃって、止まらなくなりそうでした」
「それを愉しめるのなら、もう立派なエスよ。素質充分」
「最初は、打たれてどんどん赤くなるお尻が痛々しくて、可哀想に思えていたのに、だんだんと、もっと赤くしてやるっ、てなっちゃう」
「わかるわかる。その上、直子さんて、ゾクゾクするほどいい声あげるでしょ?あの声聞くと、もっと啼かせてやるっ、てなるわよね?」
「あの鞭はお高いのですか?すごくしっかりとした造りですよね?」
「ああ、わかる?あれはかなりいいものよ。バラ鞭も乗馬鞭も職人手造りの一点もの。もともと直子さんのために用意したものだから、これからも自由に使っていいわよ」
「本当にいいのですか?」
「うん。エミリーにあげる。わたしからのお祝いと思って。あとで名前も入れてあげるわ」
「うわー。ありがとうございます」
私も一緒にお辞儀をします。
「そう言えば、直子のオモチャ箱を見て思ったのですけれど、口枷類、ボールギャグとかは、まったくありませんでしたね?」
「ああ、気がついた?わたしはあまり、その手は好きではないのよ。エミリーは、そういうの、してみたいほうなの?」
「あ、いえ、あたしはイキ顔フェチですから、相手の顔面を故意にいじくるのは好きではないです。口枷とかマスクとか」
「へー。そのへんでもわたしたち、気が合うようね。直子さんもその手は好きじゃないみたいよ。せいぜい手ぬぐいで猿轡とか、舌を洗濯バサミで挟むくらいでしょ?許容範囲」
突然私に問いかけられて、はいっ!と、あわてて答えます。
「あたしが見たいのは、可愛い顔が苦痛や快感で淫らに歪む様子なので、顔は絶対見えていなきゃだめだし、声も、ボールギャグとかで塞ぐのではなくて、がまんさせるほうが好みです」
「うん。わたしも同じ感じ」
「欧米のボンデージものとか見ていると、絶対すぐに、ボールギャグとか口枷をかましますよね?縛りものはどれも。その上、ひどいのになると目隠しやら全頭マスクまで」
「うんうん。でも、あちらの人は、ヨガリ声も大きいから、口塞いでおかないとうるさくて仕方ないのかもしれないわよ?、ビデオの収録だと」
シーナさまが笑いながらの相槌。
「せっかく綺麗なモデルさん使っているのに、真っ先に顔崩してどうする!? ってあたしなんか思っちゃいますけれど」
「欧米のエスエムは、ドミネーションアンドサブミッション、支配と服従だから、口答えの自由なんて真っ先に封じたいのかもしれないわね」
「もったいないなー、って、いつも思います」
「まあ、あちらだと、それが、正統派ボンデージ、っていう風潮があるみたいだからね。とくにラバーコスチューム系フェチにとっては、肉体すべてを覆って無機質になること、が最上らしいし」
「ああ、なるほどねー」
「このあいだ他の人と似たような話題をしたときに出たのだけれど、鼻フック、ってあるじゃない?鼻の穴に引っ掛けて豚鼻にしちゃうやつ」
「はい、わかります」
「あれってオトコの発想だよねー、って話になって」
「あれもあたしは、嫌いです。あんなの、何が愉しいんだろ?」
「女同士であれをすると、相手の顔を醜くしてやりたい、っていう、やる側の願望が露骨に見てとれちゃうから、責めている側が一回り小さく見えちゃう。嫉妬?コンプレックス?みたいな。それか、愛の無いエスエム、ただのイジメプレイ。単純に醜くなった相手を嘲笑するっていう」
「日本のエスエムは、一部を除いてイジメっぽいのがはびこっていますからね。愛のある責め、が一番見受けられる日本のフィクションて、たぶん女性作家が書いたボーイズラブの世界なんじゃないかな?薦められたのをいくつか読んだだけだけれど」
「まあ、でも、知り合いには、けっこう美人なのに、あの手のプレイを好むマゾ女もいるから、一概には言えないけれどね」
「へー」
「それが言うには、こんなに醜くされた顔を世間様に見られて恥ずかしい、っていう美人ゆえの自虐の愉悦らしいけれどね。ある意味高慢」
「ふーん。そういうのもあるのですね」
「わたしも、どうでもいい相手なら、全身拘束してボールギャグに鼻フックで鏡の前に放置プレイ、ってラクでいいな」
シーナさまとお姉さまが、あはは、と笑いました。
「ところで直子さんは、エミリーの会社にお世話になること、決めたの?」
「えっ?あっ、えっと・・・」
シーナさまとお姉さまのエスエム談義に、真剣に聞き入っていた私は、突然の話題転換に面食らってしまいました。
「一応勧誘して、資料渡して、返事は後日、ということになっています」
お姉さまが代わって答えてくださいました。
「ふーん。直子さんは、迷っているの?」
私をじっと見つめて、シーナさまが尋ねます。
「あ、いえいえ。ぜんぜん迷ってないです。お話を伺ったときから、お世話になることに決めていました」
本心をありのままに、焦り気味早口でお答えしました。
「そう。よかった。エミリーの会社なら、わたしもたまに出入りしているし、わたしと直子さんとは、まだまだ友情を深められるというわけね」
「シーナさんには、海外のアパレルの動向や生地の買いつけなんかで、何かとお世話になっているのよ。このあいだもインドネシアからすっごくいい生地をひいてもらって」
「ああ、あれね。どんなドレスになるのか、楽しみだわ」
お姉さまとシーナさまが仲睦まじく微笑み合います。
そっか、おふたりには、そんな接点もあったんだ。
「だったらこれは、就職祝い、として渡せるわね。わたしから直子さんへの手切れ金かな?」
冗談めかして笑いながら、シーナさまがネックレスケースのような大きめな紫のビロードの平たい宝石箱を取り出し、テーブルの上に置きました。
「最初に、上のメス犬用に、わたしのデザイン画を渡して現地の職人に作らせたの。そしたらその出来栄えがすごくいいから、ふと思って、直子さん用のもついでに作ってもらったの。冬に南アジアを巡ったときのお土産よ」
シーナさまが天井に顎をしゃくりながらおっしゃっいました。
メス犬というのは、このマンションの階上に住んでいらっしゃるお金持ちなマゾおばさまで、シーナさまのパトロンさん兼ドレイさん兼恋人さんです。
「ただ、これ作っても、わたしが直子さんにこれを使う機会は来ないとも思っていたのよ。百合様との約束があるから」
「でも、直子さんにちゃんとした恋人が出来る気配も無いし、わたしも使ってみたくてウズウズしてきて、百合様には内緒でこっそり使っちゃおうか、って考えていた矢先だったから、エミリー、あなた超ラッキーよ」
「それで、直子さんが選んだパートナーがエミリーだったおかげで、百合様との約束は破らずに、わたしもその場に立ち会えるというわけ。世の中って意外と上手くできているものね」
「うちのメス犬に使った感じだと、かなり具合いいみたいよ?ヒーヒー啼いて悦んでいたわ」
「でも直子さんの場合は、未知との遭遇だからねー。どうなるのかしら?」
シーナさまの一方的な思わせぶりで謎だらけのご説明に、私とお姉さまの目は、ビロードの宝石箱に釘付けです。
いったい何が入っているの?
私たちふたりのワクワクな様子にご満悦な笑みを浮かべたシーナさまが、おもむろにケースの金具をパチリと外しました。
*
*就職祝いは柘榴石 09へ
*
直子のブログへお越しいただきまして、ありがとうございます。ここには、私が今までに体験してきた性的なあれこれを、私が私自身の思い出のために、つたない文章で書きとめておいたノートから載せていくつもりです。
2014年11月2日
2014年10月26日
就職祝いは柘榴石 07
「はぁうぅぅっ!」
パンパンに腫れ上がったおマメにキュッと吸い付いたクリットローターの強烈な刺激に、思わず腰がビクビクンと跳ねました。
おマメを覆うカバーの内側には、ヘアブラシのようなケバケバがついていて、それが、充血し切って超敏感になっている表皮をザワザワと擦ってきます。
「あーんっ、いやぁー、だめぇー!」
あっ、という間に天国への階段を駆け登っていきます。
ブゥゥゥーーーン。
悪魔のオモチャで抉じ開けられた穴の中には、ローターがふたつ、互いに身を寄せ合うように震えているので、その振動にプラスティック同士も共鳴して、びっくりするくらい大きな音となり、私の股間から淫らに鳴り響いてました。
「あーーっ、あーーーっ、あーーーーっ!」
視界が閉ざされた暗闇の中だからこそ、他の四感が研ぎ澄まされ、中でも触覚が突出して敏感になっているようです。
膣壁を擦るように震えるローターの振動が直接脳に響き、脳から全身へと快楽信号が伝達されていきます。
「イくぅぅ、イぃますぅ、おねえまさぁぁ、イきますぅぅ!!」
お姉さまとのお約束通り叫ぶように宣言し、階段のてっぺんから身を躍らせました。
「んんーーーーーーっ!!!」
一度イってからは、たてつづけに二度、三度、四度と小さくイって、最後に一番大きな絶頂感がやって来ました。
頭の中が真っ白にスパークして意識が吹っ飛びます。
「イクっ、イクイクイクイグぅんぐうんぅーーーーーぐぅーーっ!!!」
あまりの気持ち良さに、自分のからだが溶けて消えてしまったよう。
五感すべても消え去って、残ったのは快感だけ。
ヌメヌメの液体のようなからだで、そのまま快感の海をフワフワ漂いました。
そんな至福の静寂も長くはつづかず、やがて、ブゥゥゥーーン、という低い持続音がフェイドインしてきました。
再び、自分の窮屈な肉体を思い出します。
私の脳裏には、さらに数倍も高い、天国への階段がそびえ立っていました。
アソコへの物理的な陵辱はまったく緩むことなく、プルプルサワサワ私を苛んでいます。
「あうっ、んんんんぅー」
さらなる高みに到達するために、再び一歩一歩、快感の蓄積。
からだに四感が戻り、私は身悶え、喘ぎ始めます。
このような、不自由に拘束されての強制的な連続オーガズム放置責め、を、私は今までに何度か体験していました。
最初はシーナさまから、アイスタイマーあそびの一環として教わって、その後ひとりで何回かやってみて、より大きな快感が得られる方法を、自分なりに編み出していました。
その方法とは、今、自分がこうしてみじめに拘束放置責めされている姿が、大勢の見知らぬ人たちの見世物にされている、と思い込むことでした。
私の周りに何十人もの人たちが好奇の目を光らせて、その淫乱ぶりを観察している、という妄想。
ケダモノのように何度も何度もイク姿を、見ず知らずのみなさまに視られてしまう、なんて、女性にとって何よりも浅ましく恥ずかしいことです。
だから、なるべくはしたなく身悶えたり暴れたりせずに、出来る限りじっと、イキそうになってもがまんにがまんを重ねること。
自分がヘンタイマゾ女であるということを、最後の最後まで隠すこと。
そんな妄想で、被虐感や陵辱感、自分のみじめさや可哀相さをより高めると、否応なくからだに与えられ蓄積されていく物理的な快感との相乗効果となって、いずれどうしてもがまん出来なくなって迎え入れざるをえない絶頂時の快楽とカタルシスが、何倍にも、何十倍にも膨らむのです。
最初の大きな波が去ったあと、そのことを思い出し、その妄想をしようと思いました。
だけど、頭の中に思い浮かぶのはお姉さまのことだけ。
敏感な箇所をノンストップで陵辱しつづけているローターたちの刺激も、お姉さまからの乱暴な愛撫と変換されていました。
もはや、余計な妄想など必要無く、お姉さまを想いながら、感じるままからだに任せればそれだけで、妄想の力を借りたとき以上の快楽を得られるようになっていました。
「ああ、もうだめぇ、許してくださいぃ、お姉さまぁぁ」
ひたすらがまんしつつ、被虐やみじめさをも感じて高まっていくのは妄想のときと一緒なのですが、妄想では得られなかった、ある種の幸福感さえも同時に感じながら、幾度も幾度もグングン昇りつづけました。
「ああっ、またくるぅ、きちゃう、イっちゃうぅ、おねえさまぁ!!!」
「だめぇ、もうだめぇ、いやいや、イちゃうぅ、おねえさまぁ、イきますぅ!!!」
「ごめんなさい、ごめんなさい、おねえさま、またくる、またくるぅぅんぐうんぅーーーーーっ!!!」
何度イったのかわからないくらいの何度目かの天国の後、股間への振動がすべて止まっているのに気がつきました。
からだはぐったり、意識は朦朧。
うるさいくらいに聞こえていたローターの唸りも途絶え、しんと静まり返った中、自分のハアハア荒い息遣いだけが聞こえています。
視界が無いので、自分のからだが今どんな状態なのかもわからず、とくに下半身を中心にジンジン痺れているのだけ、感じられました。
意識がだんだんハッキリしてきて、興奮状態の全身の熱が、まず皮膚に戻ってきました。
つづいて早鐘のような心臓の鼓動。
汗やよだれに濡れているのであろう肌の感覚。
棒枷に繋がれて自由に動かせない両方の手と足。
そんなふうにひとつひとつ、現実の自分を認識していきます。
天空から地上へと、徐々に舞い降りてくる感覚です。
「ぉ、お姉さま?」
ローターたちが停止したのだから、きっとお姉さまが戻って来て、スイッチを止められたのだろう。
それに、微かに我が家のシャンプーの香りもしたので、嬉しくなって声をかけました。
でも、お返事はありません。
「お姉さま?戻られたのですよね?」
気配のするほうへ顔を向けて発した私の声は、かなり掠れていました。
「あぅっ!」
そのとき、突然私のアソコから、ふたつのローターが一緒にスポンと抜かれました。
「はぁうっ!」
つづけてクリットローターが引っ張られ、おマメが伸びる感覚とともにスポッと抜けました。
「ああんっ、お姉さまのイジワルぅぅ」
媚びるような私の声と同時に、明らかに人の指の感触で、再びおマメがつままれました。
「あうっ、お姉さま、そこは、そこはもう・・・」
言い終わらないうちに、穴にも指が二本、挿入されました。
「あっ、いや、だめですぅ、お姉さまぁ、さっきいっぱいイったから、もう、もうぅ・・・」
おマメはプニプニ弄られ、アソコの穴もおそらく二本の指でグリグリ掻き回され始めました。
「本当にもう、だめぇ、許して、ゆるしてくださぁいぃ、おねぇさまぁ・・・」
言っていることとは裏腹に、性懲りも無く昂ぶり始めました。
ローターではない、本物のお姉さまの指、お姉さまのいたぶり。
「あっ、お姉さま、もっと、もっとつよぉくぅ・・・」
そのとき、今度は私の胸を、何かパラパラした紐状のものが撫ぜてくるのを感じました。
これはきっとバラ鞭・・・
えっ!?
お姉さまってば、片手でアソコを嬲って、もう片方の手でバラ鞭を操ろうとされているの?
下半身を嬲られる快感にグングン高まりながらも、必死に考えようとします。
でも、クリットは間違いなく指二本に挟まれているし、アソコの中にも指が二本から三本、入っている感覚なのに・・・
おっぱいを撫ぜるバラ鞭はユラユラ揺れて、両乳首の洗濯バサミをフルフル揺らしてきます。
どういうことなの???
クリットをつまむ指と、膣内を描き回す指のピッチが上がり、グングン昂ぶっていきます。
「あっ、お姉さま、イ、イキそうですぅ、いいっ、いいっ!」
その瞬間、バラ鞭がパサッと、私のおっぱいを軽く打ちつけてきました。
「はうっ!いい、もっとぉ!」
私の懇願とは裏腹に、バラ鞭の感触はおっぱいに戻りません。
「ほら、直子。イっていいわよ」
唐突なお姉さまのお声は、私の股間のほうからでした。
「あっ!お姉さま!イキますっ、イってもいいですかぁ?」
「いいわよ、ほらっ!」
クリットを爪で引っ掻かれました。
ヒュンッ!
「あふぅっ!ぎゃぁっ!!」
激痛がからだをつらぬき、全身がビクンビクン跳び跳ねました。
お姉さまの、ほらっ、というお声を合図に、おマメにギュッと爪を立てられ、同時にヒュンという空気を切り裂く音とともに、鞭、おそらく乗馬鞭の切っ先が私の左乳首を噛んでいた洗濯バサミを弾き落としたのです。
「うんうん。いい啼き声だわ。瞬間、直子の膣がギュッと締まったわよ?こんなに無理矢理抉じ開けられているにも関わらず」
お姉さまの愉快そうなお声は、相変わらず股間のほうから。
そのあいだ乗馬鞭のベロが、ジンジン痺れて痛痒い私の左乳首を慰めるみたいに、サワサワ愛撫してくれていました。
「イったの?ねえ直子、今のでイった?」
アソコを責める指は止めずに、お姉さまが尋ねてきます。
「あぅっ、え、えっと、イったような、ちがうような・・・んっ、んーっ・・・」
あまりに唐突な激しい痛みに、瞬間すべてが真っ白く逝ってしまい、快感は間違いなく感じたのですが、自分でもよくわからない状態。
からだはまだまだ、どんどん昂ぶっています。
「そう。でも大丈夫よ、もうひとつあるから。今度こそちゃんとイきなさいね?いい?」
「は、はい。お姉さまぁ・・・イ、イカせてくださいぃ」
再びあの激痛がやってくる。
唐突なのはもちろんですが、来るとわかっているのも、それはそれで怖いもの。
あの痛みは、まぎれもなく快感でした
だけど、出来れば何度も味わいたくない種類の激痛でもありました。
恐怖と快楽は紙一重。
左おっぱいの疼痛が薄れると、右おっぱいの洗濯バサミの疼痛に意識が集中して、ドキドキが止まりません。
「さあ直子、イクときはどうするのだっけ?」
「はい。お姉さま、イカせてください、マゾでヘンタイのどうしようもない直子を、どうか、どうかイカせてくださいぃ」
「ふふふ。からだが小刻みに震えているのは、気持ちいいからだけではなさそうね?」
お姉さまの愉しそうなお声に覚悟を決めて、アイマスクの下でギュッと目をつむります。
鞭を操っているかたの見当はついていました。
こんなに見事に乗馬鞭を操れるのは、あのかたくらいしかいらっしゃらない。
憶えのあるパフュームも微かに香っているし。
でも、なぜ今日ここへ?
「さあ、イクわよ、さん、にー、いち、ぜろっ!」
お姉さまの、ぜろっ、の掛け声でさらに目をギュッと強くつむると、ワンテンポ、いいえツーテンポ遅れて、ヒュンと鞭が鳴りました。
「ぎゃあっ、あぁーーーーーっ!!!」
フェイント大成功。
来るっ!と思ったら来なくて、あれっ?と思った瞬間、緊張が途切れた瞬間を、激痛が見事に襲いました。
そのあいだ中、クリットが潰され引っ張られ、膣内は滅茶苦茶に掻き回され、弾け跳んだ洗濯バサミが転がる音に間髪入れず、バラ鞭がバシバシッとおっぱいを乱れ打ってきました。
私のからだは、触覚がヘンになったみたく、どこもかしこも感じまくっていました。
後から後から快感の波が全身に押し寄せてきます。
「あっ、あっ、まやイク、またイク、イっちゃうーーーっ!!!!」
「いやっ、だめっ、もう、もうっ、いやーーーっ!!!!」
「イクイクイクイクイクぅーーーーっ、くるくるくるくぅーーっ!!!」
私の意識は、この日最大級の快楽の大波に遠くまでさらわれ、からだの機能もすべて失われ、今度はしばらく戻ってきませんでした。
「ごきげんよう。おひさしぶりね、直子さん。お元気そうで何より」
目を開けると、アイマスクはすでにはずされていました。
仰向けの私の視界に、覗き込むように私を見下ろすシーナさまのお姿がありました。
シーナさまは、黒のエナメルっぽいビスチェと、同じ素材らしいTバックを身に着けていらっしゃいました。
あとは、素肌に素足。
こういうちゃんとした、と言うのもおかしいですが、本格的なボンデージファッションに身を包んだシーナさまを拝見するのは、ずいぶん久しぶりな気がします。
「ご、ごきげんよう、シーナさま。あの、えっと、お久しぶりです・・・」
一応ご挨拶を返す私の姿は、赤い首輪に手枷足枷の全裸で仰向け。
おまけに両足は棒枷で大きく広げられたまま、左右とも手首と足首を繋がれた超M字状態。
さらにとどめで、アソコは相変わらず悪魔のオモチャでポッカリ抉じ開けられたまま。
そんな私の姿を、シーナさまがニヤニヤ見下ろしていました。
「あたしが無理言ってお呼びしたのよ。いろいろアドバイスいただこうと思って」
おそらく私が不思議そうな声を出したからでしょう。
視界の届かないところからお姉さまのお声が聞こえ、やがてお姿も視界に入りました。
お姉さまもシーナさまとお揃いのボンデージファッションでした。
シャワー上がりらしく、いつもはサイドに垂らしているワンレングスをセンター分けして後ろに束ねたお姿は、とても知的で切れそうな感じ。
ボンデージ姿とも相俟って、一段とクール、この場合は意味通りに冷酷、に見えました。
「これはエミリーのブランドの商品なのよ。私も出た頃一着作ってもらって愛用しているの。すごくいい感じよ」
「ありがとうございます。シーナさんにそうおっしゃっていただけると、あたしも一安心です」
お姉さまがにこやかに、シーナさまの後ろに立たれました。
お揃いのボンデージファッションの女王さまがおふたり。
ふたりの女王・・・あれ?あっちは王女だったかな?・・・そう言えば、お姉さまのお見立てだとシーナさまは、月影先生だったな・・・
「だから、まあ、今日はそういうことなの。直子さんの所有権の移譲と、引き継ぎもろもろね」
シーナさまがお姉さまを振り返り、おふたりで、うん、と頷かれました。
「それと、一応おめでとうも言いにきたのよ。直子さんにもやっと、ステディな恋人が出来たのだから」
「あ、ありがとうございます・・・」
私はまだ、なんだかドギマギしながら、小さくお礼を言いました。
「それにしても、こんなに大歓迎されるとは思ってもいなかったわ。わたしがこの部屋に入るなり、直子さんはいやらしい声でイクイク喘いでいるし、そばに寄ったらオマンコ、こっちが恥ずかしくなるほど大きく開きっぱにしちゃっているし」
「こういうの、ネットでは、くぱぁ、って呼ぶのよね」
「エミリーがまだシャワー中だったから、しばらくそばで見ていたのよ?そしたら、アンアン喘ぎながらも、お姉さま、お姉さまって、ひっきりなしにエミリーのこと呼んでいて、お熱いったらありゃしない」
「こういうのはネットで、リア充爆発しろ、っていうのよね」
「あたしが見ていた限りでも直子さん、最低3回はイっていたわね。あ、あたしがまざってからのは除いてよ」
シーナさまは、なぜだかネット用語の注釈を挟みながら、いつものイジワルなお声で私をからかってきます。
その毒舌口調がニクタラシクも懐かしくて嬉しいのですが、反面、私への呼び方が、直子、から、直子さん、へ戻っているのに気がついて、一抹の寂しさも感じました。
お姉さまを見ると、お姉さまはシーナさまと私を交互に見ながら、シーナさまのお話にニコニコうんうん頷いていました。
シーナさまはお姉さまのこと、エミリー、って呼んでいるんだ・・・
「ま、とりあえず、一休みしましょうよ。直子さんもイキ疲れてぐったりしているようだし。わたし、美味しいアイスクリーム買ってきたから」
シーナさまが、私とお姉さまのお顔を交互に見ておっしゃいました。
「そうですね。このあとの予定もありますし」
お姉さまも賛成され、私を見てニッと笑いました。
「そうそう。このあと直子さんは、さらなる未体験の快感に打ち震えることになるのだから。夜はまだまだ、これからだもの」
シーナさまが愉快そうにおっしゃって、録画装置に付いているデジタル時計のほうに視線を遣りました。
私もつられてそちらを見たら、時刻は22時22分でした。
*
*就職祝いは柘榴石 08へ
*
2014年10月19日
就職祝いは柘榴石 06
私の下腹部でハァハァ荒い息をされていたお姉さまは、やがて、ゆっくりと上半身を起こし、私のからだを跨いで立ち上がりました。
それから、よろよろとベッドまで行って、ストンと腰を下ろしました。
「もっと早く、直子と出会えていたらよかったかな」
気怠そうなお声で独り言ぽく、おっしゃいました。
私は顔をそちらへ向け、仰向け大股開きのまま、お姉さまの次のお言葉を待ちます。
「鞭だけでイっちゃう人、見たの初めてだし、クンニだけでイっちゃったのも初めてよ」
乱れた髪をかきあげて、物憂げに私を見ています。
「でも、今の直子が凄いのは、百合草女史やシーナさまの教育のおかげでもあるわけだから、このタイミングがベストなのかもしれないわね」
ふっと笑うお姉さま。
「それにこれからは、直子はあたしひとりだけのものになるのだし」
お姉さま、確か先週も同じようなことをおっしゃっていました。
やっぱり私の過去のこと、気にかかるのかな。
私は今は、お姉さまだけが一番大好きなのに。
ちょっぴりモヤモヤ、フクザツな気持ちになりました。
困惑顔になってしまった私に気を遣われたのか、お姉さまは私を見つめてニッと笑い、明るいお声でおっしゃいました。
「さあ、あたしもイってスッキリしたし、はりきって直子のマゾ度チェックのつづきをやりましょう!」
スクッと立ち上がるお姉さま。
黒のブラだけ身に着けて下半身は剥き出しのフェティッシュなお姿で、ツカツカと私に近づいてきました。
「とりあえず手錠をはずしてあげるわ。からだ起こせる?」
「あ、はい」
仰向け状態から、腹筋運動の要領で上半身を起こしました。
お姉さまが私の背中にまわり、後ろ手になっている両手首に巻かれた手枷同士を繋ぐ鎖ジョイントを、はずしてくださいました。
「ブラのホック、はずしてくれる?」
お姉さまがシートに膝立ちになって、背中を向けてきました。
私は、久しぶりに自由になった両手で、お姉さまのブラのホックをはずしました。
「ありがとう」
お姉さまが立ち上がり、はずしたブラジャーをベッドに置いて、また戻ってきます。
これでお姉さまも全裸。
「裸になるのって、やっぱり気持ちいいわよね?とくにこの部屋では、オールヌードが似合う気がするわ」
お姉さまは、鏡にご自分の全身を映して、しげしげとご覧になられています。
「お姉さまのおからだ、とってもお綺麗です。素敵ですっ」
私が心の底から思っていることです。
「ありがと。直子のからだは、とってもいやらしいわ」
お姉さまが小さく笑いながら、私の勃ちっぱなしの右乳首を、指でピンと弾きました。
「あんっ!」
「鎮まる、っていうことを知らないみたいね?そこも相変わらずビショビショだし」
大きく開いた私の股間を、人差し指で指さします。
「お姉さまも、今日は先週よりもたくさん、濡れていらっしゃいましたよ?嬉しかったです」
さっきのことを思い出し、思わず告げてしまったら、お姉さまの驚き顔。
「あ、そうだったの?あたし、鈍感なのか、自分が濡れているかどうかって、実際にさわってみるまでわからないのよね」
「えっ?そうなのですか?私は、すぐわかっちゃいます。奥がチリチリムズムズして・・・」
「へー。あたしは、性的に興奮したら、たぶん今濡れているのだろうな、とは考えるけれど、それがどのくらいなのかまでは、ぜんぜんわからないわ」
鏡に映ったご自分の股間に目を遣って、苦笑いされるお姉さま。
「だけど今日、先週よりもあたしが濡れていたとしたら、それは間違い無く、直子に鞭をふるったせいだわ」
銀色シートに転がっている乗馬鞭とバラ鞭に、チラッと視線を遣ってつづけます。
「直子のお尻に鞭していたとき、すっごく興奮しちゃったもの。直子が呻くたびにゾクゾク感じちゃった」
「自分の手で直接、誰かに物理的な苦痛を与えることなんて、そうそう出来ることではないものね?」
「しかも直子は、それを望んでいるし、悦んでくれるのだもの」
「どんどん興奮して、とうとうがまん出来なくなっちゃって、直子に舐めてもらったの」
「そっちも気持ち良くって、病みつきになっちゃいそう。征服感って言うのかな?やっぱりあたしって、苛めっ子体質だったのね」
お姉さまが私の顔を覗き込み、イジワルそうにニッと笑いました。
それは重々承知しております、お姉さま。
だから私はお姉さまに惹かれたのです。
私をいたぶるときのお姉さまの美しい瞳には、シーナさまにも負けないくらいの激しいエスの炎が、煌々と灯っておりました。
「ローターもたくさん持っているのねえ?それもリモコンのばっかり」
全裸のお姉さまが銀色シートにしゃがみ込んで、オモチャ箱を覗き込んでいます。
細長い翳りの下にチラチラと、濡れそぼったピンク色が見え隠れして卑猥です。
思わずじっと、そこばかり追いかけてしまいます。
「どれがどれのコントローラーだか、わかるの?コントローラーもたくさんあるけれど」
「だいたいは、わかります。でも、そのブルーの、昔の携帯電話みたいな形のやつを使えば、全部が動きます。シーナさまが改造してくださいました」
「へー。器用な人ね。このクリットローターも、この貝みたいなやつも?」
「はい。リモコンのバイブも動きます。シーナさまがしたわけではなくて、誰かに頼んでやっていただいたらしいですけれど」
「ふーん。こういうのは、外で遊ぶときに愉しそうね」
お姉さまがブルーのコントローラーをパチパチ試して、小首をかしげています。
「あ、今は全部電池を抜いてありますから、動かないです。電池類はまとめて、そっちの小さな箱に・・・」
「なるほどね。これが全部一斉に動き出したら凄いだろうな、って思ってやってみたけれど、電池抜いてあるのね、残念」
さほど残念そうでもないお姉さまが、ローター類も銀色シートに並べていきます。
「そう言えば直子は、モロな形のバイブはNGだったわね?男性器型の」
「あ、はい・・・」
「あたしも賛成よ。生々しいのは好きじゃないわ。なんだか笑っちゃうのよ、あの形で」
「あっ、シーナさまも同じこと、おっしゃっていました」
「直子んちのバイブはみんなオシャレな形よね、ディルドも」
「ディルド?って?」
「あら、ディルド、知らないの?たとえばこれのことよ」
お姉さまの右手に、直径の違うガラス球を何層も重ねたような形状の、私お気に入りの一品が握られています。
「バイブっていうのは、正式にはバイブレーターだから、バイブレーションするもののこと。つまり電池で震えたり、クネクネ動いたりするもの」
「ディルドっていうのは、動かない、ただの張り型ね。ほら、よく電動コケシなんて言うじゃない?」
「電動コケシはバイブレーター、ただのコケシはディルドなのよ」
「そうだったのですか。私、深く考えずに、そういったものは全部、バイブって呼んでいました」
「ふふ。直子らしいわね。あたしもこのガラスディルドは好きよ。うちにもひとつあるわ」
お姉さまの手が愛おしそうにガラスディルドの凸凹を撫ぜています。
「直子は、この中ではどれが一番お気に入りなの?」
銀色シートにズラリと並べられた、色も形もさまざまな8本のバイブとディルド。
「えーっと、一番良く使うのは、そのピンクのディルド、じゃなくてバイブです。電池を入れると動くから」
さっきのガラスディルドと似た形状なのですが、スイッチを入れると球と球のつなぎ目の所を軸にディルド全体が震えながら、クネクネとランダムにうねり始める仕掛けのものでした。
「ふーん。それもシーナさんから?」
「あ、はい」
「だったらあたしが、それよりもっと直子が夢中になっちゃうようなやつを、探してこなくちゃいけないわ、ね?」
お姉さまがピンクのバイブを手に取り、パチンと私にウインクしました。
「さすがの直子のオモチャ箱も、もうあと残り少なくなってきたわね」
お姉さまは、そろそろ空になりつつあるスーツケースの、ポケットや仕切りの中を調べ始めました。
「これは、掃除機の先に取り付けるアダプターね。これで吸い込んじゃうんだ」
「玩具の手錠に縄手錠、こっちのはマジックテープ式か。南京錠、ローション類、馬油、ベビーオイル、ローソク」
「こっちの小さな袋には・・・あらあら、スースーする塗り薬が一杯。よく集めたわね?この虎のやつとか、凄そう」
「ナワトビトと、鎖もけっこうあるのね。これは使わせてもらおうっと。あら、手枷と足枷もあったのね」
お姉さまが引っ張り出した赤いエナメルの手枷を見て、思い出しました。
東京に来て初めての夏のある日、シーナさまにアイスタイマーの遊びを教わったとき、ベッドに磔にされる際に使ったものでした。
「でも、これエナメルだし、あたしのやつのほうがずっといいから、今後はあたしのだけ使いなさい!」
お姉さまの真面目なお顔に気圧されて、思わず、はいっ!と大きく頷く私。
「うわー!これは強烈ね!」
一際大きい、お姉さまの呆れたようなお声とともに引っ張り出されたのは、例の悪魔のオモチャでした。
「これって、洗濯物干しを改造したのよね?この洗濯バサミでラビアを挟んで、広げたまんま丸見えにしちゃうのでしょう?」
さすが、お姉さま!
その形状をご覧になっただけで、用途まで当ててしまわれました。
「これもシーナさん?」
「いえ。これはもともとミイコさま、あ、えっと水野さまのお手製で、私のために作っていただいたものです」
「へー。水野先輩も器用なのね。最初はきっと、ご自分のために作ったのでしょうね」
お姉さま、ミイコさまもマゾなことまでご存知なんだ。
おつきあいお古そうだから、当然といえば当然なのでしょうけれど・・・
あ、そっか。
ミイコさま、服飾部の先輩だったのかな?
ミイコさま作の悪魔のオモチャは、やよい先生のお宅におじゃまするたびに持参するように言われ、ヴァージョンアップを施されました。
最初にいただいたときは、リングが直径20センチくらいの赤いプラスティック。
そこにゴムの滑り止めが付いた金属製の洗濯バサミ4つがゴムで繋がれた、簡単なものでした。
それが何度かのヴァージョンアップの末、現在は、すごく使いやすく、その上情け容赦の無い仕様になっていました。
リングは直径約25センチほどの合成樹脂製で、鮮やかなオレンジ色。
そこに等間隔で6つの金属クリップが繋がれています。
金属クリップの挟む部分は滑り止めラバー、挟む力はイヤリングと同じ方式で調節出来ます。
クリップとリングを繋ぐのはゴムではなく細い鎖。
そして、その鎖の長さも、リングに施されたストッパー機能で自由に調節出来ます。
なので、一度ラビアを噛んだクリップは、どんなにヌルヌルしてもはずれることなく、また、鎖を目一杯引かれて留められると、ゴムと違って決して緩むことなく、恥ずかしい部分を思い切り広げられたまま固定されてしまうのです。
最近は使っていなかったこの悪魔のオモチャを、お姉さまに取り付けていただく場面を妄想してゾクゾクしていたら、お姉さまの唐突なお声に遮られました。
「あらら、もうこんな時間なの!?いけないいけない。あたしいったん、シャワーを借りて汗を流してくるから、ね?」
なんだか慌てたふうのお姉さまが、念を押すように私の顔を覗き込んでから、すぐにお顔をそむけました。
何かをごまかすようなご様子。
何かをごまかすようなご様子。
頭にクエスチョンマークを浮かべながら録画装置に付いているデジタル時計を見ると、21時35分でした。
「あたしがシャワーしているあいだ、直子は独りで愉しんでいていいからね」
銀色シートに並べたお道具を眺めながらの、お姉さまのお言葉。
「直子って、からだ柔らかいのよね?少しくらい窮屈な格好でも平気よね?」
「あ、はい・・・」
「それと、コントローラーやローターの電池を教えて。これとこれとこれと・・・」
お姉さまが選んだのは、楕円ローター3つとクリットローター、お気に入りのピンクのバイブとあともう一本でした。
仰せの通り、合う電池を指定すると、お姉さまがそれぞれに入れて試運転。
ひとつのコントローラーで、全部がそれぞれヴーンと震え始めました。
「おっけーね。それじゃあ、愉しむためのセッティングをしてあげる」
まず、私の右手首の手枷が右足首の足枷に繋がれました。
腕は脚の外側を通り、もはや上半身をまっすぐ伸ばすことは出来ません。
「あっ!お姉さま?」
同様に左の手首と足首も。
背中を丸めて無理矢理な体育座りのような格好の私は、その窮屈さに、たまらず背中を床に着けて寝転んでしまいます。
棒枷で大きく広げられた両足が宙に浮き、盛大な大股開きで寝転がる格好。
棒枷の銀色パイプが、土手の上辺りをひんやり通り、膝を折った両脚がアソコを基点とした見事なMの字を描いています。
「ああんっ、いやんっ」
アソコを大きく広げたまま宙に放り出すようなこの格好は、恥ずかし過ぎます。
「いい格好よ。とても直子らしいわ。両脚が綺麗なMの字だし」
全裸のお姉さまが嬉しそうに見下ろしています。
「それから、これもやっぱり試したいわよね」
悪魔のオモチャを手にしたお姉さま。
ニッと笑って私の股間に腕を伸ばしてきました。
「あうっ!お姉さまぁっ」
しなやかな指でラビアをつままれ、クリップの先がぎゅうぎゅうとラビアのお肉に食い込んできます。
「ヌルヌルしていてもクリップが滑らないのね。さすが水野先輩」
お姉さまの指が手際良く動き、クリップが私のラビアを次々に挟んでいきます。
「あっ、いたぁぃぃ、お姉さままぁぁっ」
あれよという間にアソコの円周を6つのクリップで囲まれてしまいました。
だけどまだ、鎖は弛んだままなので、噛まれている痛みだけです。
「指先ビショビショになってふやけちゃった、直子のそこ、とても熱いんだもの」
愉しそうなお声。
「次は鎖を引っ張って、このピンで留めればいいのね。こういうのは、対角線ごとがセオリーよね」
私から見て、アソコの楕円の右上を噛んでいるクリップが、まず引っ張られました。
「ああんっ、だめですぅぅぅ」
ラビアの皮膚がビローンと引っ張られ、粘膜がひきつります。
「うわー、ここって意外と伸びるものなのね」
好奇心一杯なお声と共に、今度は左下。
「いゃぁぁっ!」
「直子自慢の柏餅の中身は、熟した柘榴だったのでしたー」
右下、左上、左横、右横と、こじ開けられて固定されました。
噛まれているラビアの疼痛、引っ張られてひきつる粘膜のむず痒さ、滲み出て滴るおツユのこそばゆさ、その部分をどうにも出来ない恥辱感・・・
そういうのがないまぜとなり、アソコ全体がズキズキ疼いて、中もヒクヒク蠢いてしまいます。
「うわー、凄いことになっちゃった。ポッカリ空いちゃって、これは恥ずかしいわね。全部丸見えよ?」
「あたし、誰かのここをこんなに押し広げて、まじまじ見るの生まれて初めてだわ。皮膚が引っ張られて、肛門までちょっと広がっちゃってるわよ」
お姉さまがカメラのリモコンを操作し、その部分から私の顔までが綺麗に収まるアングルに調整されました。
お姉さまったら、なぜ急に、こんなたたみかけるように私を虐め始めたのだろう?
なんだか時間も気にされているようだし、何かこの後、予定でもあるのかしら?
頭の片隅に、そんな疑問もふと湧いたのですが、手際良く次々と責めてくるお姉さまに翻弄されて、深く考えることは出来ませんでした。
「さあ、これで準備完了。思う存分愉しむがいいわ」
右手にピンクのバイブを握ったお姉さまの愉快そうなお声は、完全にエスの人のそれでした。
「あ、でもこのバイブ挿れても、これだけポッカリ空いていると、震え始めたら、バイブが暴れてすぐに抜けちゃいそうね」
「残念だけれどローターにしておきましょう。その代わり大きいの、2個挿れてあげる」
お姉さまが、楕円形のローターを一度ご自分でしゃぶってから、私のソコに挿入しました。
「はあうっ!」
「ツルンと入っちゃった。はい、もうひとつね」
ローターのリモコン受信アンテナが昆虫の触覚みたく、こじ開けられた穴から2本、飛び出しています。
「それから、これね」
「うっ!んふーんっ!」
不意に肉芽をつままれ、カバーがかぶせられ、スポイトで吸いつけられました。
クリットローター!
「これさえあれば、もうイキっぱなしでしょう?」
お姉さまがコントローラーを私に見せ、スイッチを入れるフリをして、からかいました。
「これはオマケね」
「はうっ!だめぇっ!」
両乳首にスースーするお薬、たぶん虎さん印のやつ、が塗り込められ、間髪を入れず、木製の洗濯バサミでギュッと挟まれました。
「はあうぅぅーっ!」
独特なメンソールの強い匂いが目と鼻を刺激し、両乳首がポカポカズキズキ疼いてきました。
「さてと、シャワーしてくるわね。あたしが戻るまで何度だってイっていいのよ、嬉しいでしょ?」
お姉さまがご自分の指に残ったスースーするお薬を、私のおへそのあたりになすりつけています。
「ただし、イクときは、シャワーを浴びているあたしにも聞こえるくらいの声で、イキまーす、って宣言するのよ?それがあたしたちスールのルールなのだから、わかった?」
「は、はい」
お姉さまが身を屈め、私の唇にチュッとキスをくださいました。
「それじゃあ行ってくるわね、ボン・ボヤージ、マシェリ、ナオーコー」
お姉さまは、私から離れるときにサササッと、私の両目をアイマスクで覆いました。
「あっ!お、お姉さま!?・・・」
突然視界が真っ暗になって、びっくりして、咄嗟に呼びかける声が終わらないうちに、ローター類が一斉に震え出しました。
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