制服を着終えた私は、ベッド脇の姿見の前に立って目をつぶり、4月にしーちゃんと一緒に訪れた夕方の美術室の様子を思い出します。
木造のシックな雰囲気と油絵の具の香り、大きな窓からのやわらかい夕陽としんとした静寂。
私は、美術室のフロアの中央にソファーを背にして立っていました。
私の目前には、美術部の先輩がたが7人。
今ボンヤリと思い出せるのは、4月に行ったとき、説明をしてくれた髪の長い落ち着いた感じのキレイな先輩のお顔だけなので、私の妄想の中の先輩がたは、みんなその人に雰囲気の似た、オトナな感じの人たちでした。
少し迷ったのですが、しーちゃんは参加していないことにしました。
先輩がたはみなさん、思い思いの場所で椅子に座ってスケッチブックを開き、私に注目しています。
「これは美術部のしきたりなんだから。あなたも観念して、さっさと裸になりなさい」
先輩の一人が、決めつけるような厳しい口調で言いました。
しーちゃんのお話とは違って、私の妄想の中の美術部部員の先輩がたは、みんなかなりイジワルそうでした。
「で、でも・・・」
「デモもストもないのっ!決まりなんだから、従ってもらわなくちゃ。グズグズしてると、顧問の先生が来ちゃうわよっ!」
別の先輩がからかうように言います。
実際の美術部の顧問の先生は、妙齢のキレイな女性の先生でしたが、私の妄想の中では、毛深くてマッチョな男の先生、っていうことになっていました。
「わ、わかりました」
私は観念して、まずベストを取りました。
私の敏感な乳首は、すでに盛大に反応していて、白いブラウスの薄い布地をこれ見よがしに隆起させています。
それをなるべく隠すように胸に手をやり、ネクタイをスルスルっと抜きました。
先輩がたの視線が、射抜くように私の上半身に注がれています。
両腕でブラウスの突起がバレないように隠しつつ、震える手で一番上から、ブラウスのボタンを一つずつはずしていきます。
姿見に、そんな私の姿が映っています。
ブラウスのボタンを3つ目まではずしたとき、
「あらーっ。アナタ、ノーブラだったのー?」
先輩の一人から驚いたような声がかかりました。
私はビクッとして、ボタンをはずす手が止まってしまいます。
「うわー、大胆ねー」
「いくらベストで乳首のポッチを隠せるからって、そんな姿でいつも授業受けてたんだー」
「この子、ひょっとしたらかなりのヘンタイさん、かもよー?」
先輩がたがドッと沸きます。
「ほら、早くブラウス取っちゃいなさいっ!」
強い口調で促されて、私のブラウスはボタンが全部はずれ、全開になりました。
「もたもたしてないで、脱いで脱いで」
ブラウスの袖を両手から抜くと同時に、両腕を胸の前で交差しておっぱいを隠します。
「何やってんの?隠しちゃだめでしょ!気をつけっ!」
一番偉いっぽい先輩に睨まれながら言われて、私は両腕を両脇にピッタリくっつけ、直立不動になりました。
「見て見て、両方の乳首がビンビンに尖って、上向いてる」
「見られてるだけで、感じちゃってるのよー」
「なんだか誘ってるみたいな、いやらしい形のおっぱい」
「ちょっとさわっただけで、アンアン悶えだしそうねー。スケベそーな子」
てんでに好き勝手なことを言われても、その恥辱に黙って耐えることしか私には出来ません。
「ねえねえ、この子ノーブラだったじゃん?だとすると、ひょっとして・・・」
「あるかもあるかもー、この子だったらやってそー」
「本当にそうだったら、正真正銘ヘンタイ決定だねー」
先輩がたがわざとこちらに聞こえるように、興味シンシンで騒いでいます。
そして、私は実際、その通りなんです。
「それじゃあアナタ、スカート取る前にそのソファーに座って、ソックスから脱ぎなさい」
リーダー格の先輩に言われて、私はベッドの縁に腰掛けました。
「もうちょっと両脚を開いてっ!まず右の腿を高く上げて、右のソックスから」
上半身を屈めて、なるべく脚を上げないようにしてソックスを脱ごうと思っていた私だったのですが、それは先手を打たれて、早々と禁じられてしまいました。
仕方が無いので言われた通り、右の腿をソックスに手が届く位置まで高く上げます。
当然、スカートの布地も一緒に持ち上がり、両腿の付け根のあたりが露になります。
先輩がたの視線が一斉にソコに突き刺さります。
鏡にもハッキリと、だらしなく開いた濡れているピンクの中身が映りました。
私は出来るだけ手早くソックスを脱ぎ、右足を大急ぎで床に下ろしました。
「やっぱり・・・」
「やっぱり!」
「やっぱりねー」
ヒソヒソ声にかぶせるようなご命令の声。
「はい。次は左のソックスっ!」
私は、同じように左太腿を素早く上げて、ソックスを脱ぎました。
「やっぱりだったねー」
「マン毛、うすぅー」
「この子、本当にノーパン、ノーブラで授業受けてたんだー」
「とんだインラン女ねー」
「信じられなーいっ!」
「はい。ドヘンタイ決定っ!」
先輩たちの表情がどんどん険しくなっていくのがわかりました。
「じゃあ立って、さっさとスカート取って。取ったら隠さないで、気をつけっ!」
リーダー格の先輩の声も一層冷たくなって、ヘンタイ淫乱女を見る軽蔑しきった目つきで睨んできました。
私は、スカートのホックをはずしてその場に落とすと、気をつけの姿勢で姿見の前に立ちました。
「ほらほら、脱いだ服はちゃんと片付けなきゃ。だらしないわねー。さっさとやって!」
その声に弾かれるように、私は先輩がたに裸のお尻を突き出し、脱ぎ散らかした制服を拾い集め、ハンガーに掛けてからまた気をつけの姿勢に戻りました。
「それじゃあ、今日は初めてだから、ゴヤの裸のマヤのポーズをやってもらうわね。アナタ、美術部に入るくらいだから、もちろんご存知よね?」
「は、はいっ!」
私は、両手を組んで自分の後頭部にあてるように上に上げてから、ベッドの足側のほうに重ねて置いたお布団に背中をもたれかけ、両脚はピッタリ閉じたまま枕側に伸ばして寝そべりました。
姿見には私の下半身が映っています。
「そう。それでいいんだけど、アナタの場合は、それじゃあツマンナイわね」
リーダー格の先輩が私のほうに近づいてきました。
「右膝を曲げなさい」
「えっ?」
「右膝よ、右膝。お箸持つほうの側の膝」
言いながら私の右太腿がピシャリと手のひらではたかれました。
「あんっ!」
その痛みに呼応して、伸ばしていた右脚の膝を立てます。
「もっと深く曲げてっ!同じように左膝も」
「は、はい」
ベッドの上で、上半身は腹筋運動の途中、下半身は体育座りのような格好になっています。
「両膝を立てたら、左脚だけそのままソファーにつくように横に倒しなさい」
「えーっ?!」
「エーもビーもシーもないのっ!いちいちうるさいわねぇ!さっさと言われた通りにするっ!」
今度は左腿をバチンとはたかれて、私はおずおずと膝を曲げた形の左脚全体を横に倒していきます。
倒れるにつれて両腿の間のスジが徐々に割れていき、左脚がベッドにつく頃には、パックリと割れて濡れそぼった中身が丸見えになっていました。
「こ、こんな姿をスケッチするんですかあ?」
「何言ってるの?嬉しいクセに。たとえアナタが否定しても、そんなになってるソコ見たら、一目瞭然じゃない。あんまり感じすぎてソファー汚さないでよねっ!」
確かに、私の開いたアソコからは、溢れ出した蜜がトロリと内腿をつたい、ベッドのシーツまで糸を引いていました。
「部員のみなさん。今年の文化祭では、今日のモリシタナオコさんの裸婦画を画集にして、裏でこっそり売り捌く予定です。みなさんはりきって克明に描くように」
リーダー格の先輩が嬉しそうに言って、先輩がたがそれぞれ真剣に、私のあられもない姿を凝視しながら描き始めました。
「ちょっとォ、ユラユラしないでくれる?」
「モデルがフラフラ動いたらうまく描けないじゃない!」
「部長!この子のお下品なアヘ顔、なんとかなりません?創作意欲がそがれますぅ!」
「よだれまで垂らしちゃって、ヘンタイ女はどうしようもないわねっ!」
股間を大きく広げたまま、部員のみなさんに疼く裸体を晒している私は、そのあまりの恥ずかしさにジンジンジンジン感じてしまい、全身はプルプル小刻みに震え、火照ったからだ全体からジワジワと汗が滲み出ていました。
姿見には、そんな私の欲情しきった全裸姿が映っていました。
「やれやれ。見せて見られてコーフンしちゃうタイプだから、こうなっちゃうと収まりつきそうも無いわねえ」
部長と呼ばれたリーダー格の先輩が、心底呆れたみたいに見下しきった声で言いながら、私に近づいてきました。
片手に絵筆を持っています。
「いっそのこと、一度イかせちゃおうか?そうすればグッタリして、フラフラ動くこともなくなるんじゃない?」
そう言って、手にした絵筆で私の全開の左腋をサワッと撫ぜました。
「ひゃんっ!」
絵筆が肌の上を移動して、尖りきった左の乳首をチョコチョ撫ぜ回します。
「ああん、いやん、あふーんっ」
「ちょっと!アナタ、何ていう声出してるの?ここがどこだかわかる?神聖なる美術室なの。よくそんな発情しきった牝猫みたいな声、出せるわねっ!」
部長さんは、言葉とは裏腹に、筆先を右の乳首や脇腹、おへその下あたりまで縦横無尽に動かしてきます。
「あん、ああーんっ」
「いやん、だめ、だめーん」
「うーん、あっあっーんっ!」
私は、からだをクネクネ踊らせて、筆先の愛撫に身悶えています。
部長さんが操る筆先が、私の陰毛を下へ滑り、割れ始めの寸前でピタリと止まりました。
「アナタ、オナニーしたことあるわよね?ううん、こんなにいやらしいからだしてて、ない、なんて言わせないわ」
「あたしは、アナタのこんな汗まみれの汚いからだをさわるのはイヤなの。だからアナタ自分で自分を慰めて、さっさとイキなさい」
「ほら、この絵筆貸してあげるから。アナタが夜な夜なやってるみたいに、部員みんなの目の前で思う存分イキなさい」
「ただし、下品な喘ぎ声はなるべく慎んでちょうだいね。大きな声出すと先生がたがやってくるかもしれないから。みつかったら、あたしたちは厳重注意程度で済むだろうけど、素っ裸でオナニーしてたアナタは、間違いなく退学になるわね」
部長さんは、私のアソコのまわりを焦らすようにコソコソと筆で嬲りながら、蔑んだ目に嘲笑を浮かべています。
「ほら、さっさとやって。時間は15分。終わったら今度はフラフラしないで、ちゃんとモデルやるのよ!」
もう一度左腿をピシャリとはたかれて、二本の絵筆を投げつけるように渡されました。
私は、姿見に全身が映るようにベッドの上にお尻をつき、両膝を立てて大きくM字に開きました。
次から次に溢れ出てくる蜜でビチャビチャになったピンク色の奥が丸見えです。
右手には絵筆を二本。
私の目前には、美術部員の先輩がた7人が、私のアソコに熱い視線をぶつけてきます。
太い絵筆の毛先で、尖った乳首をくすぐります。
「あんっ、あはーん」
細い絵筆の毛先で、プックリ露呈しているツヤツヤのクリトリスをツンツンつっつきます。
「ふんっ、うふーんっ!」
二本の筆の間に乳首を挟んで、思い切りひねります。
「あっつううううぅぅ!」
二本の筆の柄を突っ込んで、アソコを大きくこじ開けます。
「いやーーんっーーーううっーん」
とうとうがまんできなくなって、右手の指二本をアソコに挿し込み、グルグルかき回し始めました。
「やだ。あの子の乳首あんなに伸びるのー?」
「痛くないのかしら。あ、そうか、痛いのがいいんだ。さすがヘンタイ」
「うわっ、オマンコの中がヒクヒク波打ってる」
「あの嬉しそうな顔は何?淫乱そのものって感じぃ」
「なんか小さな声で、見て見て見てもっと見て、って言ってるわよ?女の露出狂も本当にいるんだねー。やだー」
「今度クリスとレズらせてみよっかー?」
「あ、背中がのけぞった!そろそろイクみたいよ!」
頭の中にこだまする先輩がたの罵声が、私をどんどん高みに導きます。
アソコに潜らせた指が激しく内部を蹂躙し、親指の爪がクリトリスを引っ掻き回します。
「ぃぃぃーぅぅんーーんぅぅ、いいーーーんふぅぅーっ!!!」
やがてアソコの粘膜が盛大にどよめいて、頭の中が真っ白になりました。
*
*しーちゃんのこと 12へ
*
直子のブログへお越しいただきまして、ありがとうございます。ここには、私が今までに体験してきた性的なあれこれを、私が私自身の思い出のために、つたない文章で書きとめておいたノートから載せていくつもりです。
2011年6月12日
2011年6月11日
しーちゃんのこと 10
ドキッ!
私は、しーちゃんの無邪気な言葉に内心、大いに動揺していました。
美術室で、みんなの前で全裸になっちゃうような人と私が、似ているって・・・
「でも、実際におしゃべりしてみたら、外見や顔は、そんなに似てなかったけどネ。背なんか、なおちゃんよりもっと高いし」
「でも、なんて言うのかなー、物腰?たたずまい?ちょっとした仕草?みたいのが、なおちゃんぽいかナー、って、あらためて思ったけど」
しーちゃんは、あくまで無邪気に言葉をつづけます。
お話を聞いた限り、ニノミヤ先輩っていう人は、確かに私と似た性癖、と言うか、嗜好を持っているみたいです。
しーちゃんには、そういうのがなんとなくな雰囲気でわかっちゃうのかなあ?
しーちゃんのお顔を上目遣いで盗み見ながら、なんだかすごくドキドキしてきてしまいました。
「ソファーとかを元通りにしたら、ニノミヤ先輩もやっと服を着始めたのネ」
しーちゃんがお話を、唐突に再開しました。
「ワタシ、ニノミヤ先輩が服を着るのを、突っ立ってボーッと見ていたの、それこそ放心状態で」
「そしたら三年の先輩がポンてワタシの肩たたいて、どうだった?って」
「びっくりしたでしょ?って聞くからワタシ、はい、とても、って」
「でもなんだかヒミツめいててワクワクもしない?とかいろいろ聞いてくるのを、ワタシ、ただ黙って首を縦にウンウン振って、うなずくだけだったヨ」
「ニノミヤ先輩がソファーに腰掛けてソックス履いてるのをまだボーッと眺めてたら、三年の先輩が、明日は課題勉強会だから、遅れないようにね、って、もう一度肩をたたかれたの」
「これは、今日はもうあなたは帰りなさい、っていう意味だな、と思って、空気読んで、ワタシはお先に失礼したのネ」
「ワタシがいなくなってから、きっと5人で、今のワタシの反応とかを話題にして盛り上がるんだろうなあ、なんてちょっと思ったけど、ワタシもかなり動揺していたし、気持ちを落ち着かせたくて、早く一人になりたかったから・・・」
しーちゃんは、コップのお水をゴクッと一口飲んで、じっと私を見つめてきました。
「お家に帰って、自分の部屋で、さっき部室でニノミヤ先輩がしたことを思い出していたら、なんだか無性に不安になってきちゃったのネ」
「ニノミヤ先輩は、別にイヤイヤやってるようでも、脅されてやらされてるようでもなかったから、イジメ、みたいなことではないんだと思うんだけど・・・」
「むしろ、裸を見られるのが嬉しい、みたいな雰囲気さえ、ワタシには感じられたんだけどサ・・・」
私の胸が、またドキンと波打ちます。
「もしも、もしもさあ、美術部にはそういう伝統って言うか、しきたりみたいのがあって、部員はみんな、一度は裸婦のモデルをやらなきゃいけない、みたいなルールがあったりしたら、ワタシ、イヤだなー、って思ってサ」
「みんなの前で一人だけ裸になるなんて、ワタシ絶対出来ないから・・・」
「すんごく不安になってきちゃって、そういうのがもしあるんだったら、美術部やめよう、とまで思い込んじゃってサ・・・」
しーちゃんが自嘲っぽく小さく笑いました。
「それで今日、勉強会の後に先輩にこっそり聞いてみたのネ」
「勉強会早めに終わったから、昨日その場にいた先輩、三年のトリゴエ先輩と二年のオガワ先輩を捕まえて、廊下の隅でヒソヒソと」
「トリゴエ先輩とオガワ先輩は、いっつも一緒にいるのネ。すんごく仲いい感じ」
「先輩たち、ワタシがせっかくヒソヒソと話してるのに、聞いた途端に盛大に笑い転げちゃってたヨ」
「美術部にそんなしきたりなんて全然無いし、もちろんニノミヤ先輩へのイジメとかでもなくって、あれはニノミヤ先輩がしたくってしてること、なんだって」
「でも、先輩たちがときどきそういうことをしてるのを知っているのは、ニノミヤ先輩を含めた昨日の5人の先輩たちと、昨日初参加のワタシだけだから、絶対他の部員には言わないように、って固く口止めされたヨ。とくに他の新入部員には絶対に、だってサ」
「ワタシ、ヒミツの悪い仲間に選ばれちゃったみたいだヨ?」
しーちゃんが嬉しそうに笑いました。
「なんでも、去年の部の合宿のとき、その5人グループで一緒にお風呂に入ったんだって。で、ニノミヤ先輩の裸がとてもキレイだったから、冗談半分本気半分でヌードモデルやってよ、って、当時二年生のトリゴエ先輩が熱心に口説いたら、その夜、合宿してたホテルのお部屋で、モジモジ恥ずかしがりながらも、脱いでモデルしてくれたんだって」
「合宿の部屋割もその5人だったから、その後もずっと、その5人だけがヒミツを共有してるんだって」
「ワタシが、ニノミヤ先輩、恥ずかしそうなのはもちろんなんだけど、何て言うか、嬉しそうな感じでもありましたよネ?って聞いたのネ」
「そしたらオガワ先輩が、しのぶちゃんでも気づいてたんだ、ってクスクス笑って、クリスはね・・・」
「あ、クリスっていうのはニノミヤ先輩の名前ネ。正確にはクリスティーナだかクリスティーヌだか。お父さんがイギリスだかフランス人だかで、ハーフなんだって」
「でもそんなにそれっぽい顔ではないんだけど。あ、もちろん、すんごく綺麗な顔であることは間違いないヨ」
「それで、オガワ先輩が、クリスはね、露出症なんだよ。って。裸とか恥ずかしい格好を誰かに見られることが気持ちいいんだって」
「オガワ先輩とニノミヤ先輩は、同じ中学出身の幼馴染なのネ。それで、ニノミヤ先輩はちっちゃい頃からその傾向があったんだって」
「近所の子供たちとお医者さんごっこするときも決まって患者さん役だったし、小学校や中学校のときも、女子だけのお泊り会で王様ゲームとか、負けたら脱ぐのを賭けたゲームしたりして、みんなでクリスをよく裸にしてたんだ。って、オガワ先輩が言ってた」
「そのたんびにクリスったら、恥ずかしいくせになんだか嬉しそうなのよねー。それがまた可愛くってさー。って」
「クリスは、もちろんナイスプロポーションだから、それを見せびらかしたい、っていうナルシスも少し混じってるんだろうけど、それだけじゃないんだろうねー。あれ、絶対ビンビン感じちゃってると思う。なんだかちょっぴりうらやましいから、こっちもなんだかウズウズしちゃって、なおさらイジワルしたくなっちゃうんだよねー・・・って、オガワ先輩がしみじみ言ってた」
「ワタシは、恥ずかしいのは、やっぱり恥ずかしいだけで、気持ちいい、っていうのがよくわかんないんだけど、世の中にはそういう人もいるんだネ?」
しーちゃんが当惑したような、私に同意を求めるような、ビミョーなお顔をして私を見つめてきます。
今にして思えば、このときはチャンスでした。
「実は、私もニノミヤ先輩のその気持ちがわかるの。私にもそういう傾向があるの。しーちゃんに私の裸を見て欲しいの」
って、勇気を出して言えたら、私としーちゃんのお話も、また違った展開になっていたのかもしれません。
でも、その頃もまだ、私はしーちゃんに自分の性癖について、チラッともお話していませんでしたし、オナニーしていることさえもヒミツでした。
しーちゃんと仲良くなればなるほど、しーちゃんが時折見せてくれる性的なことに対する無垢な純粋さや無邪気さと、私がひた隠しにしている、すでに身につけてしまったヘンタイ性や歪んだ妄想癖とのギャップが絶望的に見えて、しーちゃんに対して、安易な性的アプローチがとれない理由となっていました。
さらに、放課後の美術室で全裸を晒すニノミヤ先輩のお話を聞いて、私の妄想回路が今やフル回転、緊急のムラムラモードに突入していました。
しーちゃんとどうこう、っていうのより、早くお家に帰って、今のお話を元に、自分なりの妄想展開で思いっきりオナニーしたい、っていう欲求が私の頭の中を埋め尽くしていました。
「露出症っていう趣味嗜好の人がいる、っていうのは私も何かで読んだことがあるよ・・・」
あたりさわりのない答えでごまかしました。
「ふーん。見ているワタシがすんごくドキドキしちゃうんだから、見せているほうは、ものすごーくコーフンしちゃうんだろうナー」
しーちゃんは、あくまで無邪気に夢見る目つきです。
「そんな話をしてたんで、今日は教室に戻るの、ちょっと遅れちゃったんだヨ。でも、なおちゃんに話せてなんだかスッキリした。部活、これからいろいろ楽しくなりそうだナー」
言いながら、しーちゃんが何気なく自分の腕時計を見て、ギョッとしたお顔になりました。
「もう、こんな時間だヨ。夕飯に遅れたら叱られちゃうヨー」
夢中でお話していて、ずいぶん時間が経っちゃったようです。
バタバタとあわただしく喫茶室を出て、駅前の交差点のところでお別れしました。
「バイバーイ。来週また、学校でネー」
夕食を終えて入浴も済ませ、バスタオル一枚のまま身繕いを終えた私は、ベッドの前に姿見を移動しました。
パソコンで裸のマハを検索し、そのポーズを頭の中に焼き付けます。
学校で使っている絵画用具セットの中から、絵筆を2本、太いのと細いのを取り出して枕元に置きました。
それから、バスタオルを取って裸になると、下着は着けず、素肌の上にじかに、高校の制服、ブラウスとスカートとネクタイとベストとソックスをいそいそ身に着けました。
おっと、お部屋の鍵も閉めておかなくちゃ。
*
*しーちゃんのこと 11へ
*
私は、しーちゃんの無邪気な言葉に内心、大いに動揺していました。
美術室で、みんなの前で全裸になっちゃうような人と私が、似ているって・・・
「でも、実際におしゃべりしてみたら、外見や顔は、そんなに似てなかったけどネ。背なんか、なおちゃんよりもっと高いし」
「でも、なんて言うのかなー、物腰?たたずまい?ちょっとした仕草?みたいのが、なおちゃんぽいかナー、って、あらためて思ったけど」
しーちゃんは、あくまで無邪気に言葉をつづけます。
お話を聞いた限り、ニノミヤ先輩っていう人は、確かに私と似た性癖、と言うか、嗜好を持っているみたいです。
しーちゃんには、そういうのがなんとなくな雰囲気でわかっちゃうのかなあ?
しーちゃんのお顔を上目遣いで盗み見ながら、なんだかすごくドキドキしてきてしまいました。
「ソファーとかを元通りにしたら、ニノミヤ先輩もやっと服を着始めたのネ」
しーちゃんがお話を、唐突に再開しました。
「ワタシ、ニノミヤ先輩が服を着るのを、突っ立ってボーッと見ていたの、それこそ放心状態で」
「そしたら三年の先輩がポンてワタシの肩たたいて、どうだった?って」
「びっくりしたでしょ?って聞くからワタシ、はい、とても、って」
「でもなんだかヒミツめいててワクワクもしない?とかいろいろ聞いてくるのを、ワタシ、ただ黙って首を縦にウンウン振って、うなずくだけだったヨ」
「ニノミヤ先輩がソファーに腰掛けてソックス履いてるのをまだボーッと眺めてたら、三年の先輩が、明日は課題勉強会だから、遅れないようにね、って、もう一度肩をたたかれたの」
「これは、今日はもうあなたは帰りなさい、っていう意味だな、と思って、空気読んで、ワタシはお先に失礼したのネ」
「ワタシがいなくなってから、きっと5人で、今のワタシの反応とかを話題にして盛り上がるんだろうなあ、なんてちょっと思ったけど、ワタシもかなり動揺していたし、気持ちを落ち着かせたくて、早く一人になりたかったから・・・」
しーちゃんは、コップのお水をゴクッと一口飲んで、じっと私を見つめてきました。
「お家に帰って、自分の部屋で、さっき部室でニノミヤ先輩がしたことを思い出していたら、なんだか無性に不安になってきちゃったのネ」
「ニノミヤ先輩は、別にイヤイヤやってるようでも、脅されてやらされてるようでもなかったから、イジメ、みたいなことではないんだと思うんだけど・・・」
「むしろ、裸を見られるのが嬉しい、みたいな雰囲気さえ、ワタシには感じられたんだけどサ・・・」
私の胸が、またドキンと波打ちます。
「もしも、もしもさあ、美術部にはそういう伝統って言うか、しきたりみたいのがあって、部員はみんな、一度は裸婦のモデルをやらなきゃいけない、みたいなルールがあったりしたら、ワタシ、イヤだなー、って思ってサ」
「みんなの前で一人だけ裸になるなんて、ワタシ絶対出来ないから・・・」
「すんごく不安になってきちゃって、そういうのがもしあるんだったら、美術部やめよう、とまで思い込んじゃってサ・・・」
しーちゃんが自嘲っぽく小さく笑いました。
「それで今日、勉強会の後に先輩にこっそり聞いてみたのネ」
「勉強会早めに終わったから、昨日その場にいた先輩、三年のトリゴエ先輩と二年のオガワ先輩を捕まえて、廊下の隅でヒソヒソと」
「トリゴエ先輩とオガワ先輩は、いっつも一緒にいるのネ。すんごく仲いい感じ」
「先輩たち、ワタシがせっかくヒソヒソと話してるのに、聞いた途端に盛大に笑い転げちゃってたヨ」
「美術部にそんなしきたりなんて全然無いし、もちろんニノミヤ先輩へのイジメとかでもなくって、あれはニノミヤ先輩がしたくってしてること、なんだって」
「でも、先輩たちがときどきそういうことをしてるのを知っているのは、ニノミヤ先輩を含めた昨日の5人の先輩たちと、昨日初参加のワタシだけだから、絶対他の部員には言わないように、って固く口止めされたヨ。とくに他の新入部員には絶対に、だってサ」
「ワタシ、ヒミツの悪い仲間に選ばれちゃったみたいだヨ?」
しーちゃんが嬉しそうに笑いました。
「なんでも、去年の部の合宿のとき、その5人グループで一緒にお風呂に入ったんだって。で、ニノミヤ先輩の裸がとてもキレイだったから、冗談半分本気半分でヌードモデルやってよ、って、当時二年生のトリゴエ先輩が熱心に口説いたら、その夜、合宿してたホテルのお部屋で、モジモジ恥ずかしがりながらも、脱いでモデルしてくれたんだって」
「合宿の部屋割もその5人だったから、その後もずっと、その5人だけがヒミツを共有してるんだって」
「ワタシが、ニノミヤ先輩、恥ずかしそうなのはもちろんなんだけど、何て言うか、嬉しそうな感じでもありましたよネ?って聞いたのネ」
「そしたらオガワ先輩が、しのぶちゃんでも気づいてたんだ、ってクスクス笑って、クリスはね・・・」
「あ、クリスっていうのはニノミヤ先輩の名前ネ。正確にはクリスティーナだかクリスティーヌだか。お父さんがイギリスだかフランス人だかで、ハーフなんだって」
「でもそんなにそれっぽい顔ではないんだけど。あ、もちろん、すんごく綺麗な顔であることは間違いないヨ」
「それで、オガワ先輩が、クリスはね、露出症なんだよ。って。裸とか恥ずかしい格好を誰かに見られることが気持ちいいんだって」
「オガワ先輩とニノミヤ先輩は、同じ中学出身の幼馴染なのネ。それで、ニノミヤ先輩はちっちゃい頃からその傾向があったんだって」
「近所の子供たちとお医者さんごっこするときも決まって患者さん役だったし、小学校や中学校のときも、女子だけのお泊り会で王様ゲームとか、負けたら脱ぐのを賭けたゲームしたりして、みんなでクリスをよく裸にしてたんだ。って、オガワ先輩が言ってた」
「そのたんびにクリスったら、恥ずかしいくせになんだか嬉しそうなのよねー。それがまた可愛くってさー。って」
「クリスは、もちろんナイスプロポーションだから、それを見せびらかしたい、っていうナルシスも少し混じってるんだろうけど、それだけじゃないんだろうねー。あれ、絶対ビンビン感じちゃってると思う。なんだかちょっぴりうらやましいから、こっちもなんだかウズウズしちゃって、なおさらイジワルしたくなっちゃうんだよねー・・・って、オガワ先輩がしみじみ言ってた」
「ワタシは、恥ずかしいのは、やっぱり恥ずかしいだけで、気持ちいい、っていうのがよくわかんないんだけど、世の中にはそういう人もいるんだネ?」
しーちゃんが当惑したような、私に同意を求めるような、ビミョーなお顔をして私を見つめてきます。
今にして思えば、このときはチャンスでした。
「実は、私もニノミヤ先輩のその気持ちがわかるの。私にもそういう傾向があるの。しーちゃんに私の裸を見て欲しいの」
って、勇気を出して言えたら、私としーちゃんのお話も、また違った展開になっていたのかもしれません。
でも、その頃もまだ、私はしーちゃんに自分の性癖について、チラッともお話していませんでしたし、オナニーしていることさえもヒミツでした。
しーちゃんと仲良くなればなるほど、しーちゃんが時折見せてくれる性的なことに対する無垢な純粋さや無邪気さと、私がひた隠しにしている、すでに身につけてしまったヘンタイ性や歪んだ妄想癖とのギャップが絶望的に見えて、しーちゃんに対して、安易な性的アプローチがとれない理由となっていました。
さらに、放課後の美術室で全裸を晒すニノミヤ先輩のお話を聞いて、私の妄想回路が今やフル回転、緊急のムラムラモードに突入していました。
しーちゃんとどうこう、っていうのより、早くお家に帰って、今のお話を元に、自分なりの妄想展開で思いっきりオナニーしたい、っていう欲求が私の頭の中を埋め尽くしていました。
「露出症っていう趣味嗜好の人がいる、っていうのは私も何かで読んだことがあるよ・・・」
あたりさわりのない答えでごまかしました。
「ふーん。見ているワタシがすんごくドキドキしちゃうんだから、見せているほうは、ものすごーくコーフンしちゃうんだろうナー」
しーちゃんは、あくまで無邪気に夢見る目つきです。
「そんな話をしてたんで、今日は教室に戻るの、ちょっと遅れちゃったんだヨ。でも、なおちゃんに話せてなんだかスッキリした。部活、これからいろいろ楽しくなりそうだナー」
言いながら、しーちゃんが何気なく自分の腕時計を見て、ギョッとしたお顔になりました。
「もう、こんな時間だヨ。夕飯に遅れたら叱られちゃうヨー」
夢中でお話していて、ずいぶん時間が経っちゃったようです。
バタバタとあわただしく喫茶室を出て、駅前の交差点のところでお別れしました。
「バイバーイ。来週また、学校でネー」
夕食を終えて入浴も済ませ、バスタオル一枚のまま身繕いを終えた私は、ベッドの前に姿見を移動しました。
パソコンで裸のマハを検索し、そのポーズを頭の中に焼き付けます。
学校で使っている絵画用具セットの中から、絵筆を2本、太いのと細いのを取り出して枕元に置きました。
それから、バスタオルを取って裸になると、下着は着けず、素肌の上にじかに、高校の制服、ブラウスとスカートとネクタイとベストとソックスをいそいそ身に着けました。
おっと、お部屋の鍵も閉めておかなくちゃ。
*
*しーちゃんのこと 11へ
*
2011年6月6日
しーちゃんのこと 09
毎週金曜日は、しーちゃんは美術部で勉強会の日、私は文芸部図書室受付当番の日だったので、部活が終わった後、クラスのお教室に戻って待ち合わせて、一緒に下校していました。
しーちゃんはその日、いつもより15分くらい遅れてクラスのお教室に現われました。
電車に乗って地元の駅に着くまでは、いつもの他愛も無いおしゃべりをしていたのですが、駅を出たとき、
「ちょっとお茶していこうヨ?」
って、意味あり気にしーちゃんに誘われて、駅ビルの地下の喫茶室に入りました。
「昨日サ、なおちゃんバレエだったから放課後ツマンナイし、部活に顔を出したのネ」
ウエイトレスさんが二人分の紅茶を置いて立ち去ったのを見届けてから、しーちゃんが話したくってしょうがなかった、っていうお顔で、内緒話をするみたいなヒソヒソ声で切り出しました。
「昨日は自由参加の日だから、美術室には二年の先輩3人と三年の先輩2人だけがいて、ワタシはコンピューターグラフィックを練習しようと思っていたのネ」
「先輩たちは、その日は絵とかは描いてなくて、ソファーや椅子に座って、ただおしゃべりしてたみたいだったの」
「その一週間くらい前にコンピューターを教えてくれた二年生の先輩、ニノミヤ先輩っていうんだけど、その先輩もいたからラッキーって思って、その先輩の隣に座ったのネ」
「でも、みんなまったりおしゃべりしてるから、コンピューター起動するのもKYかなと思って、しばらく一緒におしゃべりしていたのネ」
しーちゃんは、ずーっと声をひそめたまま、思わせぶりにつづけます。
「おしゃべりが一段落したとき、三年生の先輩の一人が、今日はしのぶちゃんも来たから、あ、ワタシ先輩たちからしのぶちゃんって呼ばれてるのネ」
しーちゃんが少し照れたお顔をしました。
「今日はしのぶちゃんも来たから、久しぶりにクロッキー、やろうか?って言い出したのネ」
「クロッキーっていうのは、人とか人形とかモデルを見ながら、スケッチを短時間でやるやつ。線画みたいな感じで単色で、濃淡で質感出したり、っていうスケッチ」
「ちなみに、時間かけてやるのは、デッサン、ネ」
「そう言ったとき、その三年の先輩がニノミヤ先輩のほうを見て、ニッって笑ったような気がしたの。ワタシの隣のニノミヤ先輩もなんだかモジモジし始めて」
しーちゃんがティカップに唇をつけて、またソーサーに戻しました。
「先輩たちが座っていたソファーから立って、そのソファーをフロアの中央に運んだり、ドアの鍵を閉めたりカーテン引いたりし始めたのネ。ワタシ、何が始まるのか、と思ったヨ」
「しのぶちゃん、スケッチブック持ってきた?って聞かれたから、いえ、今日はCGやろうかと思っていたんで・・・って言いながらニノミヤ先輩のほう向いたら、ニノミヤ先輩は席を立って、ソファーのほうに行ってた」
「二年の先輩が、じゃあこれあげる。入部記念に特別よ。ってロッカーから真新しいクロッキー帳を出してきて、笑顔で手渡してくれた。あとエンピツも」
「ロッカーのほうに行ってたワタシがそれらをもらって、元の場所のほうへ戻ろうと振り返ったら・・・」
そこでしーちゃんが言葉を止め、私の顔をまじまじと見つめてきました。
私もしーちゃんを見つめ返します。
「振り返ったら、ソファーの前でニノミヤ先輩がスルスルって、制服、脱ぎ始めてたの」
「えーーっ!」
私は、思わず大きめの声を出しながら前屈みになっていた背中を起こしてしまい、あわてて口を手で押さえ、また背中を丸めてテーブル越しにしーちゃんと見つめ合います。
「ベスト取って、ネクタイ抜いて、ブラウス脱いで、ブラジャー取って、上履き脱いで、ソックスも脱いで、スカート脱いで、パンツも脱いで、一糸まとわぬオールヌード・・・蛍光灯全開ですんごーく明るい夕方の美術室でだヨ」
「ニノミヤ先輩、けっこうサバサバ脱いでるようだったんだけど、顔を見るとやっぱりすごーく恥ずかしそうなのネ。頬が薄っすら赤くなっちゃって、でも脱いだ服を裸のまま丁寧にたたんだりして、余裕があるような、やっぱり恥ずかしがっているような・・・」
「ニノミヤ先輩が脱いでいる間、他の先輩たちは腕組みとかしてじーーーっとそれを見てるの。服を脱いでいくのを」
「こっちにお尻を向けて服をたたんでたニノミヤ先輩がたたみ終わったらしくこっちを向いて、ポーズをつけるみたいに私たちの前にスクッと立ったの。右手でバストを隠して、左手をアソコの前に置いて・・・ほら、ヴィーナスの誕生、みたいなポーズ」
「それが、すごーーーーーっくキレイなの!」
「ニノミヤ先輩、スタイルすんごくいいの。バストはそんな大きくないけど形が良くって、ウエストはキュッってくびれてて、キレイな髪が裸の肩にフワリと垂れて・・・」
「肌も滑らかそうな、白いとかそういうんじゃなくて、本当の肌色って言うか、薄桃色みたいな感じで、ツヤがあって」
しーちゃんが私を見つめてきます。
「三年の先輩が大きなクッションを2つ持ってきて、今日はしのぶちゃん初めてだから、基本っていうことでマヤで行こうか、なんて言いながらクッションをソファーの上と下に置いたのネ」
「そしたらニノミヤ先輩、裸のままソファーの下のクッションにお尻ついて、背中をもう一個のクッションの上に乗せて、両腕を枕にするように上にあげて、両腋の下全開で・・・」
「なおちゃん、裸のマヤっていう絵知ってるでしょ?スペイン語読みだとマハだったっけかナ。ググッたらすぐ出てくるヨ。その絵のポーズでソファーにもたれたの」
「しのぶちゃんは、このへんで描いてって、椅子を置かれたのがニノミヤ先輩の下半身の前あたりでサ。2メートルくらいの距離があるんだけど、ニノミヤ先輩、頬や首筋がピンク色に上気して、目も少し潤んでるみたいで・・・」
「じゃあ、15分ね。あの時計で4時25分まで。クロッキー、スタート!って三年の先輩が言って、みんな真剣に描き始めたの」
「ワタシも描き始めたヨ。昔、絵画教室でクロッキーやってたから慣れてたし」
「でもネ・・・」
しーちゃんがまた、ティーカップに手を伸ばしました。
私は、お話に引き込まれてしまい、動くこともできません。
「ワタシの位置からだと、ニノミヤ先輩のアソコが至近距離でモロ、なのネ。ニノミヤ先輩の毛、アソコのネ、も薄くてチョロチョロなの。左膝を少し曲げ気味にしてたから。あの、なんて言うか、スジまで丸見えなのネ」
「ニノミヤ先輩の頬はさっきより上気しているし、恥ずかしいんだろうナーって思ったら、ワタシも恥ずかしくなってきて・・・」
お話している、しーちゃんの頬もピンクに上気していました。
「描きながらずーっとドキドキしっぱなしで、思うようにエンピツが動かなくて・・・」
「それで、ときどきニノミヤ先輩がワタシのほうにかすかな目線をくれるのネ。それで目が合うと、本当にかすかに、笑いかけてくれてるような気がして、それでドキドキがゾクゾクッていう感じになっちゃって・・・」
「それで結局、15分で輪郭くらいしか描けなかったヨ」
しーちゃんが、ここまででお話一段落、みたいな感じで背中を起こしました。
私もつられて背中を起こします。
しばらく無言で見つめ合ってから、またしーちゃんが身を乗り出しました。
すかさず私もつづきます。
「先輩たちがワタシのクロッキー帳取り上げてサ、なーんだ、まだぜんぜん描けてないじゃなーい、なんて、からかうように言ってくるのネ。たぶん本当にワタシ、からかわれているんだと思うんだけどネ」
「それで、その輪にニノミヤ先輩も裸のまんま加わってるの。笑顔浮かべて、ワタシの背後でキレイなバスト、プルプル揺らして・・・」
「三年の先輩が、しのぶちゃんのがぜんぜん未完成だから、今度またこの6人が集まったら、つづきをやりまーす。って宣言して、そのクロッキー大会は終わったんだけどネ」
「それでネ、みんなでソファーとか片付け始めたんだけど、ニノミヤ先輩ったら、なかなか服着ないの。裸のまんまソファー運んだリ、他の先輩とおしゃべりしたり」
「ワタシのところにも来て、CGはまた今度、教えてあげるわね、なんて恥ずかしそうな笑顔で言われて」
「ワタシ、思わず言っちゃった。先輩のハダカ、すごーくキレイですね、って。だって本当にキレイだと思ったから」
「そしたら、アリガト、次が楽しみね、だって。なんだかとっても嬉し恥ずかし、って感じだった・・・」
「・・・ねえ、なおちゃん、どう思う?」
どう思う、って聞かれても・・・
私の頭の中は、しーちゃんのショーゲキの報告に大混乱していました。
まず、まだ普通に生徒たちがいる学校の一室で、正当な理由で全裸になって、みんなに裸を見てもらえる部活動がある、っていうのがショーゲキでした。
美術部ならば確かに、裸婦画っていうのは一つの芸術のジャンルですから、そのモデルを一生徒がやっても問題は無いのかもしれません。
でも、鍵をかけているところをみると、やっぱり先生たちには内緒のアソビなのかしら?
その裸を他の人たちがちゃんと真剣にスケッチしている、っていうのも、芸術家としては当然なのでしょうが、事情を知らない人から見ると、なかなかにシュールでエロい光景に思えます。
写真部とかでも、やってたりして・・・
女子校だから、っていうも大きいのかな、とも思いました。
私たちのクラスでも、6月になってムシ暑くなってきたので、授業中にネクタイを緩めて、胸元のボタンも3つくらい開けて、ブラをチラチラ見せながらアチーーとか言っている豪快なクラスメイトが何人かいました。
先生もそれに関して、とくに注意とかしないんです。
休み時間にスカートをバサバサやって涼を取り、可愛いショーツを見せびらかせている、たぶん本人にそんなつもりはないのでしょうが、人がいたり、体育の着替えのとき、あっけらかんとおっぱい丸出しで普通のブラからスポーツブラに着替える人がいたり。
男性の目が無い、女性同士なら別に下着を見られようが裸を見られようが恥ずかしくない、っていう油断と安心感は、やっぱり女子校だと強いんだと思います。
でも、今しーちゃんから聞いたニノミヤ先輩のお話は、それだけでは説明できないショーゲキでした。
絶対、ニノミヤ先輩は、みんなの前で裸になることを楽しんでいるはずです。
すっごく恥ずかしいのに、楽しんでいるはずです。
そして私はそれを、心底うらやましいと思っていました。
「どう、って言われても・・・」
私は、慎重に言葉を選んで答えようとしましたが、うまく言葉がみつかりません。
仕方が無いので、ごまかすようにしーちゃんに聞きました。
「そのニノミヤ先輩っていう人は、どんな感じの人なの?」
「うんとネー、オトナっぽい感じで、背が高くて、髪は肩くらいまでのサラサラで顔が小さくて、プロポーション抜群で・・・」
「そうだっ!前に言わなかったっけ?憶えてない?春になおちゃんと部活見学行ったとき、ワタシが、なおちゃんにどことなく雰囲気が似てる人がいたネー、って言ったでしょ?あの人だヨ」
*
*しーちゃんのこと 10へ
*
しーちゃんはその日、いつもより15分くらい遅れてクラスのお教室に現われました。
電車に乗って地元の駅に着くまでは、いつもの他愛も無いおしゃべりをしていたのですが、駅を出たとき、
「ちょっとお茶していこうヨ?」
って、意味あり気にしーちゃんに誘われて、駅ビルの地下の喫茶室に入りました。
「昨日サ、なおちゃんバレエだったから放課後ツマンナイし、部活に顔を出したのネ」
ウエイトレスさんが二人分の紅茶を置いて立ち去ったのを見届けてから、しーちゃんが話したくってしょうがなかった、っていうお顔で、内緒話をするみたいなヒソヒソ声で切り出しました。
「昨日は自由参加の日だから、美術室には二年の先輩3人と三年の先輩2人だけがいて、ワタシはコンピューターグラフィックを練習しようと思っていたのネ」
「先輩たちは、その日は絵とかは描いてなくて、ソファーや椅子に座って、ただおしゃべりしてたみたいだったの」
「その一週間くらい前にコンピューターを教えてくれた二年生の先輩、ニノミヤ先輩っていうんだけど、その先輩もいたからラッキーって思って、その先輩の隣に座ったのネ」
「でも、みんなまったりおしゃべりしてるから、コンピューター起動するのもKYかなと思って、しばらく一緒におしゃべりしていたのネ」
しーちゃんは、ずーっと声をひそめたまま、思わせぶりにつづけます。
「おしゃべりが一段落したとき、三年生の先輩の一人が、今日はしのぶちゃんも来たから、あ、ワタシ先輩たちからしのぶちゃんって呼ばれてるのネ」
しーちゃんが少し照れたお顔をしました。
「今日はしのぶちゃんも来たから、久しぶりにクロッキー、やろうか?って言い出したのネ」
「クロッキーっていうのは、人とか人形とかモデルを見ながら、スケッチを短時間でやるやつ。線画みたいな感じで単色で、濃淡で質感出したり、っていうスケッチ」
「ちなみに、時間かけてやるのは、デッサン、ネ」
「そう言ったとき、その三年の先輩がニノミヤ先輩のほうを見て、ニッって笑ったような気がしたの。ワタシの隣のニノミヤ先輩もなんだかモジモジし始めて」
しーちゃんがティカップに唇をつけて、またソーサーに戻しました。
「先輩たちが座っていたソファーから立って、そのソファーをフロアの中央に運んだり、ドアの鍵を閉めたりカーテン引いたりし始めたのネ。ワタシ、何が始まるのか、と思ったヨ」
「しのぶちゃん、スケッチブック持ってきた?って聞かれたから、いえ、今日はCGやろうかと思っていたんで・・・って言いながらニノミヤ先輩のほう向いたら、ニノミヤ先輩は席を立って、ソファーのほうに行ってた」
「二年の先輩が、じゃあこれあげる。入部記念に特別よ。ってロッカーから真新しいクロッキー帳を出してきて、笑顔で手渡してくれた。あとエンピツも」
「ロッカーのほうに行ってたワタシがそれらをもらって、元の場所のほうへ戻ろうと振り返ったら・・・」
そこでしーちゃんが言葉を止め、私の顔をまじまじと見つめてきました。
私もしーちゃんを見つめ返します。
「振り返ったら、ソファーの前でニノミヤ先輩がスルスルって、制服、脱ぎ始めてたの」
「えーーっ!」
私は、思わず大きめの声を出しながら前屈みになっていた背中を起こしてしまい、あわてて口を手で押さえ、また背中を丸めてテーブル越しにしーちゃんと見つめ合います。
「ベスト取って、ネクタイ抜いて、ブラウス脱いで、ブラジャー取って、上履き脱いで、ソックスも脱いで、スカート脱いで、パンツも脱いで、一糸まとわぬオールヌード・・・蛍光灯全開ですんごーく明るい夕方の美術室でだヨ」
「ニノミヤ先輩、けっこうサバサバ脱いでるようだったんだけど、顔を見るとやっぱりすごーく恥ずかしそうなのネ。頬が薄っすら赤くなっちゃって、でも脱いだ服を裸のまま丁寧にたたんだりして、余裕があるような、やっぱり恥ずかしがっているような・・・」
「ニノミヤ先輩が脱いでいる間、他の先輩たちは腕組みとかしてじーーーっとそれを見てるの。服を脱いでいくのを」
「こっちにお尻を向けて服をたたんでたニノミヤ先輩がたたみ終わったらしくこっちを向いて、ポーズをつけるみたいに私たちの前にスクッと立ったの。右手でバストを隠して、左手をアソコの前に置いて・・・ほら、ヴィーナスの誕生、みたいなポーズ」
「それが、すごーーーーーっくキレイなの!」
「ニノミヤ先輩、スタイルすんごくいいの。バストはそんな大きくないけど形が良くって、ウエストはキュッってくびれてて、キレイな髪が裸の肩にフワリと垂れて・・・」
「肌も滑らかそうな、白いとかそういうんじゃなくて、本当の肌色って言うか、薄桃色みたいな感じで、ツヤがあって」
しーちゃんが私を見つめてきます。
「三年の先輩が大きなクッションを2つ持ってきて、今日はしのぶちゃん初めてだから、基本っていうことでマヤで行こうか、なんて言いながらクッションをソファーの上と下に置いたのネ」
「そしたらニノミヤ先輩、裸のままソファーの下のクッションにお尻ついて、背中をもう一個のクッションの上に乗せて、両腕を枕にするように上にあげて、両腋の下全開で・・・」
「なおちゃん、裸のマヤっていう絵知ってるでしょ?スペイン語読みだとマハだったっけかナ。ググッたらすぐ出てくるヨ。その絵のポーズでソファーにもたれたの」
「しのぶちゃんは、このへんで描いてって、椅子を置かれたのがニノミヤ先輩の下半身の前あたりでサ。2メートルくらいの距離があるんだけど、ニノミヤ先輩、頬や首筋がピンク色に上気して、目も少し潤んでるみたいで・・・」
「じゃあ、15分ね。あの時計で4時25分まで。クロッキー、スタート!って三年の先輩が言って、みんな真剣に描き始めたの」
「ワタシも描き始めたヨ。昔、絵画教室でクロッキーやってたから慣れてたし」
「でもネ・・・」
しーちゃんがまた、ティーカップに手を伸ばしました。
私は、お話に引き込まれてしまい、動くこともできません。
「ワタシの位置からだと、ニノミヤ先輩のアソコが至近距離でモロ、なのネ。ニノミヤ先輩の毛、アソコのネ、も薄くてチョロチョロなの。左膝を少し曲げ気味にしてたから。あの、なんて言うか、スジまで丸見えなのネ」
「ニノミヤ先輩の頬はさっきより上気しているし、恥ずかしいんだろうナーって思ったら、ワタシも恥ずかしくなってきて・・・」
お話している、しーちゃんの頬もピンクに上気していました。
「描きながらずーっとドキドキしっぱなしで、思うようにエンピツが動かなくて・・・」
「それで、ときどきニノミヤ先輩がワタシのほうにかすかな目線をくれるのネ。それで目が合うと、本当にかすかに、笑いかけてくれてるような気がして、それでドキドキがゾクゾクッていう感じになっちゃって・・・」
「それで結局、15分で輪郭くらいしか描けなかったヨ」
しーちゃんが、ここまででお話一段落、みたいな感じで背中を起こしました。
私もつられて背中を起こします。
しばらく無言で見つめ合ってから、またしーちゃんが身を乗り出しました。
すかさず私もつづきます。
「先輩たちがワタシのクロッキー帳取り上げてサ、なーんだ、まだぜんぜん描けてないじゃなーい、なんて、からかうように言ってくるのネ。たぶん本当にワタシ、からかわれているんだと思うんだけどネ」
「それで、その輪にニノミヤ先輩も裸のまんま加わってるの。笑顔浮かべて、ワタシの背後でキレイなバスト、プルプル揺らして・・・」
「三年の先輩が、しのぶちゃんのがぜんぜん未完成だから、今度またこの6人が集まったら、つづきをやりまーす。って宣言して、そのクロッキー大会は終わったんだけどネ」
「それでネ、みんなでソファーとか片付け始めたんだけど、ニノミヤ先輩ったら、なかなか服着ないの。裸のまんまソファー運んだリ、他の先輩とおしゃべりしたり」
「ワタシのところにも来て、CGはまた今度、教えてあげるわね、なんて恥ずかしそうな笑顔で言われて」
「ワタシ、思わず言っちゃった。先輩のハダカ、すごーくキレイですね、って。だって本当にキレイだと思ったから」
「そしたら、アリガト、次が楽しみね、だって。なんだかとっても嬉し恥ずかし、って感じだった・・・」
「・・・ねえ、なおちゃん、どう思う?」
どう思う、って聞かれても・・・
私の頭の中は、しーちゃんのショーゲキの報告に大混乱していました。
まず、まだ普通に生徒たちがいる学校の一室で、正当な理由で全裸になって、みんなに裸を見てもらえる部活動がある、っていうのがショーゲキでした。
美術部ならば確かに、裸婦画っていうのは一つの芸術のジャンルですから、そのモデルを一生徒がやっても問題は無いのかもしれません。
でも、鍵をかけているところをみると、やっぱり先生たちには内緒のアソビなのかしら?
その裸を他の人たちがちゃんと真剣にスケッチしている、っていうのも、芸術家としては当然なのでしょうが、事情を知らない人から見ると、なかなかにシュールでエロい光景に思えます。
写真部とかでも、やってたりして・・・
女子校だから、っていうも大きいのかな、とも思いました。
私たちのクラスでも、6月になってムシ暑くなってきたので、授業中にネクタイを緩めて、胸元のボタンも3つくらい開けて、ブラをチラチラ見せながらアチーーとか言っている豪快なクラスメイトが何人かいました。
先生もそれに関して、とくに注意とかしないんです。
休み時間にスカートをバサバサやって涼を取り、可愛いショーツを見せびらかせている、たぶん本人にそんなつもりはないのでしょうが、人がいたり、体育の着替えのとき、あっけらかんとおっぱい丸出しで普通のブラからスポーツブラに着替える人がいたり。
男性の目が無い、女性同士なら別に下着を見られようが裸を見られようが恥ずかしくない、っていう油断と安心感は、やっぱり女子校だと強いんだと思います。
でも、今しーちゃんから聞いたニノミヤ先輩のお話は、それだけでは説明できないショーゲキでした。
絶対、ニノミヤ先輩は、みんなの前で裸になることを楽しんでいるはずです。
すっごく恥ずかしいのに、楽しんでいるはずです。
そして私はそれを、心底うらやましいと思っていました。
「どう、って言われても・・・」
私は、慎重に言葉を選んで答えようとしましたが、うまく言葉がみつかりません。
仕方が無いので、ごまかすようにしーちゃんに聞きました。
「そのニノミヤ先輩っていう人は、どんな感じの人なの?」
「うんとネー、オトナっぽい感じで、背が高くて、髪は肩くらいまでのサラサラで顔が小さくて、プロポーション抜群で・・・」
「そうだっ!前に言わなかったっけ?憶えてない?春になおちゃんと部活見学行ったとき、ワタシが、なおちゃんにどことなく雰囲気が似てる人がいたネー、って言ったでしょ?あの人だヨ」
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