2011年1月23日

図書室で待ちぼうけ 22

スカートの裾をウエストに挟んで、まくれた状態をキープした相原さんは、両手で胸を隠すような素振りをしたり、かと思うと胸は突き出して両手を後ろに組んだり、顔は写さないで、っていう感じでわざとそむけたりと、見て欲しいのだけれどやっぱり恥ずかしい、みたいな絶妙なポーズと表情を作ります。
それを私も頬を赤くしながら夢中でカシャカシャ撮りました。

相原さんが教壇の上によじ登ろうとしたとき、チャイムが鳴りました。
「あーあ、下校時刻になっちゃった。でももう一枚だけ」
急いで教壇の上に上がった相原さんは、両脚を大きく開いて前に投げ出し、両手はお尻の後ろについておっぱいを突き出すように上半身をのけぞらせた、すごくいやらしいポーズをとりました。
「森下さん、撮って」
せつなそうな表情をした相原さんが私に悩ましい目線を投げてきます。
私は、綴目が2センチくらい開いてしまっている相原さんのアソコのピンクな中身が画面のまん中にくるように調整して、シャッターを押しました。

相原さんは、急いで教壇から降りてブラを直し、ブラウスのボタンをはめています。
私は、相原さんに近寄ってケータイを差し出しました。
「ありがと。これで念願が叶った」
相原さんがニコって笑い、素早くチュッって私に唇を重ねました。
「それじゃあ、帰りましょ」
「・・・うん」
すっかりコーフンしてしまった私は、相原さんに寄り添うようにからだをくっつけてお教室を出ました。

撮った画像を見るために、周囲をキョロキョロ気にしつつ、二人でからだをぴったりくっつけて相原さんのケータイの画面を覗き込みながら歩きます。
「ずいぶん枚数撮ったんだー。うわー。これなんかちょーやらしくない?」
「相原さんたらノリノリなんだもの」
「うわっ、これー。自分でも恥ずかしー」
「でもその表情、すっごくキレイだよー」
ひそひそとお話してクックッって笑います。

「もうあと2、3枚分くらい、メモリ残ってるかな?」
相原さんの言葉が合図だったように二人は無言で公園への路地を曲がりました。
でも、今日も子供たちとおばさまたちが数人、遊んでいました。
「まあいっかー。これからまた何度もチャンスあるだろうし、わたしにまた発情期が来たら、もっともっとえっちな感じのを撮ってもらうから」
公園の入口の前で立ち止まって、相原さんがひそめた声で言いました。
またブラブラと駅への道に戻ります。

「ねえ、相原さん?」
「ん?」
「相原さんは、男の人との経験、あるの?」
この数日間にむくむくとわいてきた、聞いてみたいことの一つでした。

「あるみたいに見える?」
「うーんと・・・相原さん、そういうことすごく詳しいから、ひょっとしたら、って思って・・・」
「わたしの知識は全部ネット。わたしのからだをあんな風にさわったのは森下さんが初めて。誰かのからだをあんな風にさわったのも。男の裸なんて、まったくさわったことない」
「そうなんだ・・・」
「わたしは今のところ、早く男としてみたい、っていう欲求はないの。前にも言ったと思うけど、バカな男とだったら可愛い女子とのほうがいいや、って感じ」
「わたし、理想高いから。すっごくステキな人じゃないとその気にならないだろうなあ」
「今は、男とえっちがどうこうって言うよりも、自分の性欲を鎮める方法、って言うか、より気持ち良くなる方法をいろいろとみつけることに興味がある。自分は、どういう状況で、どうされるのが一番気持ちいいのか、とか」
「男と女のセックス、ってなんだか生々しいじゃない?交尾、生殖、下手したら妊娠って感じでさ。オチンチンに興味が無いわけじゃないんだけど・・・アレをわたしの中に入れるんだったら、少なくともその相手の男がすごく尊敬できるとか、どうしようもなく愛しちゃったとか、がないとイヤだなあ。今のところ」
「ふーん」
相原さんの露骨な言葉遣いに少しビクっとしながらも、良かったーって胸を撫で下ろします。

「森下さんは?」
「あ、私も同じかなあ・・・今のところ男子には全然興味ない」
「でもわたし、森下さんがあんなにえっちな顔するなんて思いもよらなかった。すごく感じやすいし」
私はギクッとしてしまいます。
「すっごく可愛かった。森下さんの恋人になれる男はシアワセもんだろうなー」
相原さんがイタズラっ子の目で私の顔を見ながら笑います。
「そ、そんなこと・・・ないと思う」
「恥ずかしがるとこがまた、可愛いー」
うつむいてしまった私をからかうように言ってきます。
私は、絶対に口に出しては言えない言葉を相原さんに向かって心の中でつぶやきました。
私は、男の人を好きになることは、ないの・・・
そして今、私の恋人は、たぶん相原さん、あなたなの・・・

いつもの交差点でお別れです。
「今日森下さんに会ったら、終わったと思ってた発情期がぶりかえしちゃったみたい。こんなこと珍しい。普通は最低一週間くらいは大人しくなるのに」
相原さんが笑って言います。
「来週はきっと、わたしのえっち度も先週並みに戻ってると思うから、またいろいろ遊ぼう、ね?」
相原さんが耳元でささやきました。
「うん」
私は、相原さんにからだを寄せてうなずきます。
「あ、それから今週末のパーティ、楽しんできてね」
「うん。写真いっぱい撮ってくるから」
そう言って片手を小さく振りながら、相原さんは横断歩道を渡っていきました。

中二のとき、男性恐怖症の件でバレエの先生にご相談したときに言われた、いつかきっと目の前に現われる大切に思える人、って相原さんのことなのかもしれないな・・・
私は、お家への道をゆっくり歩きながら、そんなことを考えていました。

次の火曜日までの一週間は、とても長く感じました。
相原さんのことばかり考えていました。
えっちなことに対する欲求はもちろんでしたが、そればかりではなく、単純にお顔が見たい、会ってお話がしたいっていう感情でした。
かと言って、別の日の昼休みや放課後に2クラス分離れた相原さんのクラスのお教室まで会いに行く、ということはしませんでした。
何か違う気がしたんです。
私と相原さんだけしか知らない、火曜日放課後に図書室で会って、その後、お教室で二人だけで秘密のお話や遊びをする、っていうルールは、守りたかったんです。
文字通り、指折り数えて火曜日が来るのを待ちました。

その日は、学期末の試験も近づいて来ていたので利用者も多く、珍しく忙しい図書室でした。
おまけに、二年生の理科の先生が参考書に指定した室内閲覧のみ貸出し不可の図書を持ち出してしまった生徒がいるみたいで、その問い合せの対応や、いつから無くなっていたのかを調べるために他の委員を呼び出したり、担当の先生への報告やらで、いつになくせわしなく時間が過ぎていきました。
私は、放送室や職員室への行き来は補佐の子にやってもらって、図書室での受付に専念しつつ、忙しいながらも入口のドアが開くたびに来室者をチェックして、相原さんが来るのを心待ちにしていました。
でも、退室時間までに相原さんは現われませんでした。

貸出し不可図書の持ち出しは大問題ですから、図書室を閉めた後も補佐の子と二人、職員室で担当の先生と打ち合わせをして、私が一人になれたのは、いつも相原さんと教室で落ち合う時間より15分くらい遅くなりました。

相原さんは、きっと図書室が混んでいるのを見て、遠慮してお教室で待っていてくれる・・・
そう信じて急いで階段を駆け上がり、息を切らして三年一組のドアをガラッと開けました。

西日に照らされたお教室には、誰もいませんでした。


図書室で待ちぼうけ 23

2011年1月22日

図書室で待ちぼうけ 21

スカートの裾を気にしつつ、早足で家路を急ぎました。
夜7時前の駅前通りは、通勤やお買い物帰りらしい人たちがたくさん歩いていました。
こんなところで転んでスカートがまくれたりしたら・・・
交通事故に巻き込まれて倒れてしまったら・・・
そんなことを想像するだけで、カーッと頭に血が上ってしまいます。

家に着いて、母への挨拶もそこそこに自分のお部屋に飛び込みます。
スカートをまくり上げて、自分のアソコに手をやります。
溢れ出すほどではありませんが、ジットリと濡れていました。
相原さんのお部屋やお風呂場で、あんなに何回も何回もイったのに、また、です。
アソコを少し広げてティッシュで丁寧に拭きとってから、新しいショーツを穿きました。

その夜。
ベッドに寝転がって今日の出来事を思い出しました。
初めて、な体験ばかりでした。

初めてインターネットのえっちなページを見ました。
初めて他の人がオナニーしているところを見ました。
初めて唇と唇のキスをしました。
初めて他の人の裸のからだをあちこちさわりました。
初めて他の人に裸のからだをあちこちさわられました。
初めてのピンクローター。
初めて他の人の指でイかされました。
初めて他の人の前でオナニーをしました。
初めてノーパンで町に出ました。

こんなにたくさんの、初めて、をくれた相原さんのことが大好きになっていました。
相原さんとキスをして、お互いのからだをまさぐりあって、相原さんのアソコに指を入れて、相原さんにも指を入れてもらって、お互いに気持ち良くなって・・・
からだのあちこちにまだ残っている相原さんからの愛撫の感触をたまらなく愛おしく感じていました。

でもその夜は、さすがに頭もからだも疲れてきっていたようで、オナニーがしたいと思いながらもまもなくグッスリ眠ってしまいました。
翌日曜日、母がお昼からお出かけでお家に誰もいないのをいいことに、午後中ずっと、お部屋の姿見の前で裸になって思う存分、相原さんとのあれこれで思い出しオナニーをしました。
妄想の中の相原さんは、本当の相原さんよりもっとイジワルでした。
私のお尻をぶったり、イきそうになると焦らしていやらしい言葉を投げつけたりもしました。
すっごく気持ち良くって、何回も何回もイきました。

次の週の火曜日。
湿度高めな蒸し暑い一日。
その日も相変わらずヒマな図書室でした。

相原さんが図書室に現われたのは、退室時間間近でした。
私は、相原さんに早く会いたいと思っていたので、なかなか姿を現わさない相原さんにヤキモキしていました。
補佐の後輩の子にも早く上がってもらっていたので、相原さんが来たときには、図書室には私しかいませんでした。
相原さんは、まっすぐにカウンターまで来てニッコリ笑ってから、
「先に教室で待ってる、ね」
って告げるとすぐ図書室を出て行きました。
閉室時間までまだ5分くらいあったのですが、私は手早く片付けをして図書室を閉め、相原さんが待つ教室へと急ぎました。

「この間は、お疲れさま。すっごく楽しかった、ね?」
なんだか照れ臭そうに笑いながら、相原さんが手招きをします。
いつもの時間のいつもの教室、いつもの席。
相原さんは、今日は上着は着てなくて、半袖ブラウス姿でした。
ブラジャーもちゃんと着けているようです。

「こう蒸し暑いと、さすがにブレザーはカンベンして、って感じ。で、上着着てないとノーブラもマズイっしょ?」
私の視線を追っていたらしい相原さんが弁解するみたいに言いました。
「でも、ノーパンにはなってるんだ。自分で設定したお約束だし。ほら」
そう言って立ち上がると、私の目の前でスカートをバサッっとまくり上げました。
相原さんの無毛なアソコが目に飛び込んできます。
私は、思わず顔がほころんでしまいます。

「でも、どうもあの日森下さんと遊んだことで、わたしのえっち心が大いに満足しちゃったみたいで、発情期が去ってっちゃったみたいなんだ」
「今は、あんましえっちな気分になれない、って言うか・・・興味が向かないって言うか・・・」
相原さんは、すぐにスカートを戻して席に座り直しました。

私は、ひそかにがっがりです。
私は、あれからずーっとえっちモード全開でした。
ふっと気がつくと、いつも相原さんとのことばかりを考えていました。
相原さんとこんなことをしてみたい、あんなことをしてみたい、って妄想ばっかりしていました。

「だから、今日は森下さんと普通におしゃべりしようと思って」
相原さんにその気が無いのであれば仕方ありません。
私たちは、好きなマンガや音楽、お洋服やお化粧のこと、学校でのあれこれや進路のことなんかをたくさんおしゃべりしました。
やっぱり相原さんと私は波長が合うみたいで、えっちなことじゃなくても、とっても楽しくおしゃべりできました。
私は、進路をまだはっきり決めていなくて、とりあえず共学じゃなくて女子高へ行く、くらいしか考えていなかったのですが、相原さんも同じらしく、一緒の高校に行けるようにがんばろうね、なんて誓い合ったりもしました。

「そう言えば今週末だよね?パーティ」
「うん。あの翌日、母親と繁華街のブティックに車で行って、綺麗なドレス買ってもらったんだ。オトナっぽいブルー系でツヤツヤした生地の肩が出ちゃうやつ。もちろんショールもするんだけど」
「へー。いいなあ」
「もしもパーティがつまらなくても、あのドレス買ってもらえただけでおっけー、って感じ。キレイなアクセサリーとかも買ってもらったし。写真撮ったら見せてあげる」
「うんっ!」

「あ、そうだった!また忘れるとこだった」
あと15分くらいで最終下校時刻、ってなった頃、相原さんが自分のバッグをガサゴソして何かを取り出しました。
「これ」
相原さんが見せてくれたのは、学校に持って来ることは禁止されている携帯電話でした。
「せっかく森下さんていうパートナーが出来たのだから、えっちな写真撮ってもらおうって思ってて、いつも忘れちゃってたの」
「今はえっち気分薄れてるけど、せっかくだから撮ってくれる?」

相原さんが私の手を取って、そのケータイでの写真の撮りかたを教えてくれました。
二人で黒板の前の陽が当たる明るめな場所に移動します。
「一人でセルフ撮りしても、なかなかいい感じに撮れなくてさ」
相原さんが黒板をバックにして、私の前に立ちました。
パサッとスカートをまくり上げます。
「撮って」
私は、ケータイのレンズを相原さんの下半身に向けてシャッターを押しました。
カシャーッって音がして、ケータイの画面に相原さんの無毛なアソコが固定されました。
毛穴のプツプツや割れ始めのスジまでクッキリ画面に残されています。

「全身も」
そう言われて私は後ずさりし、画面に相原さんの全身が入るように調整します。
「ねえ?お顔も写しちゃって、いいの?それとも首から下?」
私は、どきどきが早くなるのを感じながら尋ねます。
「あ、うん。別にいいよ。別に誰に見せるワケでもないから」
相原さんは、スカートの裾を両手で胸の下あたりに上げて掴んだまま、なんでもなさそうにそう言って笑います。
「それじゃーいきまーす」
私が言うと、急に笑顔をひっこめて、なんとも言えない恥ずかしそうなお顔を作りました。
カシャーッ!
ケータイ画面に映し出された相原さんの姿は、いたいけな女子中学生がイジメかなんかで誰かに命令されて無理矢理お教室でスカートをまくらされているようにも見えて、私はゾクゾクっと感じてしまいます。
「もう一枚」
カシャーッ!
「もう一枚」
カシャーッ!
相原さんは、教壇にもたれたりお尻を出したり、さざまなポーズを作りました。
それを私はどきどきしながら夢中でカシャカシャ撮影しました。

「シャッターのカシャカシャっていう音を聞いていたらなんだか、からだがだんだんコーフンしてきちゃった・・・」
その言葉通りに紅潮した頬の相原さんは、
「ちょっと待ってて」
と言うと、うつむいてブラウスのボタンをはずし始めました。
私は、ケータイを片手にじーっとそんな相原さんをワクワク見つめます。

ブラウスのボタンをすっかりはずした相原さんのはだけた胸に、白いレースのブラジャーが見えています。
どうするつもりなのかなー、って見ていると、相原さんはブラを着けたまま両方のカップをお腹のほうにグイッとズリ下げました。
カップから解放された二つの乳房のふくらみがプルッと現われて、ツンとしたピンクの乳首も露になりました。
ズリ下げられたブラの二つのカップ上縁がそれぞれ左右の下乳を持ち上げているので、尖った両乳首がなおさら上を向いて伸び上がっているように見えます。
「こういうのって、なんだか無理矢理脱がされた感があって、よくない?」
相原さんがニッと笑います。
私は、ゴクンとツバを飲み込んでからケータイを構えました。


図書室で待ちぼうけ 22

2011年1月16日

図書室で待ちぼうけ 20

それから脱衣所に戻り、濡れたからだをバスタオルで丁寧に拭いました。
背中は、相原さんがやさしく拭いてくれました。

「あー、さっぱりしたっ!なんだか心もからだもっ。ねえ、先にわたしの部屋に戻ってて」
相原さんが手早くからだを拭ってからそう言い残し、裸のままリビングのほうへ消えていきました。
私は、また黄色いバスタオルをからだに巻きつけて、相原さんのお部屋に戻りました。
ベッドの縁に浅く腰掛けます。
私も同じように、なんだかすっきりさっぱりな気分でした。

ほどなく戻って来た相原さんが、よく冷えた缶入りのスポーツドリンクを私に手渡してくれて、自分でもパチンと開けてグイーっと飲みます。
「あーーっ!美味しいぃっ!」
私もゴクゴク喉に放り込むように飲みました。
本当に美味しいっ!

「もう五時半過ぎかあ」
相原さんがそう言って、スタスタと窓のほうに歩いて行き、閉じていたカーテンを左右に豪快に開きました。
まだ充分に明るい光が窓から差し込んで、途端にお部屋が明るくなります。
「ずいぶん陽が長くなったねえ。もうそろそろ夏至だもんねえ」
明るいお部屋の中で見る相原さんの全裸は、綺麗だけどやっぱり、私がちょっと恥ずかしくなってしまいます。
そう言う私もタオル一枚だけの姿なんですが・・・

服を着なきゃな、って思いながら私は、ベッドの枕元に置いてある汚してしまったショーツをじーっと見ていました。
「あっ、そうそう。新しいパンティ貸すから。ちょっと待っててね」
私の視線に気づいた相原さんはそう言うと、私が見ていたショーツをひょいとつまみあげ、持っていたキミドリ色バスタオルの間に挟みました。
「このパンティは、わたしが洗ってから、後で返してあげる」

言われて私も思い出します。
「相原さんがこの間、図書室で私に預けたショーツ。洗濯して今日持ってきてたんだった」
私は立ち上がり、相原さんの机の上に置きっ放しだったポーチから包みを出して渡します。
「あ、洗濯しておいてくれたんだ。ありがとう」
相原さんがニッコリ笑ってその包みを持ち、クロゼットの前にしゃがみ込みました。

「えーっと、水色のパンティ、みずいろのパンテイっと。ねえ?似たようなやつのがいいよねえ?」
相原さんが引き出しをガサゴソしながら、振り向かずに聞いてきます。
「あ、どんなのでもいいよ」
私は、しゃがみ込んだ相原さんの裸のまあるいお尻をぼんやりと眺めながら答えました。
そのとき、ピピピッっていう電子音みたいのが鳴って、机の上の何かの装置みたいのがピカピカ光り始めました。

「あーーヤバイっ!母親帰ってきちゃったみたい。この音は、下のエントランスでうちの部屋番号が押された合図なの」
「すぐに母親が上がってきちゃうはず。森下さん、早く服着てっ!」
相原さんは、スクっと立ち上がって私のほうを振り返りそう言った後、クロゼットから適当なワンピースを手に取って、ササっと頭からかぶりました。

私は大いに慌てます。
巻いていたバスタオルを取って裸になり、ちょっと考えた後、まずスカートを穿きました。
それからブラを胸にあてがうと、相原さんがサササッと寄ってきて後ろのホックを留めてくれて、ついでに上にまとめた髪もほどいてくれました。
私は、急いでブラウスに袖を通し、ボタンをはめていきます。
その間、相原さんが私の髪をブラシで整えてくれていました。

その後、相原さんがベッドの上や机の上をあれこれ片付けているとき、玄関のほうでガチャガチャ音がしてドアが閉じる音がしました。
「あらー、ナツミー、いるのー?」
廊下をパタパタ歩いていく音とともに大きな声が聞こえました。
「はぁーいっ!」
相原さんが大きな声で答えます。
相原さんは、インディゴブルーで膝丈のざっくりした半袖ワンピースを着ています。
からだの線が出ないシルエットなのでバレないでしょうけど、あの下は全身素肌です。
そして、私も図らずもノーパン状態になってしまいました。

二、三分してから相原さんのお部屋のドアがノックされて、相原さんのお母さまが顔を出しました。
「あらーっ。ナッちゃんがお友達連れて来るなんて珍しいわねえ。いらっしゃい」
「わたしの友達で森下さん。これ、わたしの母親」
相原さんが紹介してくれました。
「あ、はじめまして。森下直子です。おじゃましています」
ぺこりとお辞儀をしました。
相原さんのお母さまは、占い師と聞いていたのでなんとなく、ふくよかなおばさまを想像していたのですが、目の前にいるその人は、カッチリしたスーツを着こなした出来るキャリアウーマン、て感じのスラっとした女性でした。

「ようこそいらっしゃい。ゆっくりしていってね。ナツミ、今日はデパ地下でお惣菜たくさん買ってきたから、お料理はしなくていいわ。あ、そうだ、あなたもうちでお夕飯食べて行く?」
「あ、いえ、母に7時頃までには帰る、って言ってあるので・・・ありがとうございます」
「そっか、残念。じゃあタイヤキ食べましょう。なんかクリームチーズが入ったやつなんだって」
「は、はあ・・・」
「それじゃあ、着替えたりお茶入れたりするから、10分後にリビング集合、ね?」
相原さんのお母さまがニッコリ笑ってお部屋から出て行きました。
細い銀縁のメガネのせいか、一見怖そうにも見えた相原さんのお母さまでしたが、なんだか気さくな感じの人みたいです。

「相原さんのお母さまって、なんだかカッコイイ。スーツもメガネも決まってるし、オトナーって感じ」
「まあ、若作りって言うか、テレビとか出始めてからプロポーションの維持とかに相当気を使ってるみたい。近くのスポーツジムとかにも通ってるらしいし」
相原さんが興味無さそうな口ぶりで言います。
「あの人にとってオンナでありつづけることは武器だから。今でも本当にキレイな裸してるよ。その努力は素直に感心する」
相原さんは、自分の髪をブラッシングしながらそっけなく言いました。
「ふーん。私も今度気をつけてテレビ欄、チェックしよう・・・」
少しの沈黙。
「あっ、そうそう。森下さんにパンティ、あげなきゃ、ね」
相原さんがクロゼットに跪いたとき、用意できたわよー、って大きな声で呼ばれました。

リビングの応接ソファーのテーブルの上にタイヤキの乗った白いお皿が三つ。
その脇に日本茶の入った可愛い湯飲みが添えられています。
「どうぞ召し上がれー」
相原さんのお母さまは、くすんだピンク色のスエット上下に着替えて髪も後ろに束ねていました。
お化粧も軽く落としたみたいですが、相原さんとよく似た綺麗なお顔立ちです。
「いただきまーす」
「ナッちゃんがこの家にお友達連れて来たの、初めてじゃない?」
相原さんは、ちょっと首をかしげただけで、黙ってタイヤキにかぶりつきました。

その後は、もっぱら私が質問されました。
同じクラスなのか、とか、どのへんに住んでいるのか、とか、進路は決めたのか、とか・・・
私は、極力丁寧にお答えしました。
相原さんはずっと黙ったまま、二人のやりとりを聞いていました。
タイヤキは、すっごく美味しかったです。

三人とも食べ終わってホっとした頃、相原さんのお母さまが突然腕を伸ばしてきて、私の左手を取りました。
しばらく手のひらを眺めた後、左手は解放され、代わりに右手が取られました。
同じようにしばらく手のひらを眺められた後、
「森下さんのお誕生日はいつなの?」
と尋ねられました。
私が答えようとすると、
「ちょっとぉー。わたしの友達、勝手に占わないでくれる?」
って相原さんが初めて口をひらきました。
別に怒ってる感じではなくて、なんて言うか、呆れて諭すみたいな言いかたでした。
「あー、ごめんごめん」
相原さんのお母さまが照れたように笑って頭をポリポリ掻きました。
「それから、キッチンに置いてあるクッキーは森下さんのお土産。ちゃんとお礼言って」
「あ、そうなの。ありがとうねー」
なんだか不思議な親娘関係・・・

「わたし、来週のパーティ、やっぱり行くから・・・」
相原さんが脈絡無くポツンと言いました。
「あら、本当?」
相原さんのお母さまが嬉しそうな声をあげます。
「うん。森下さんに相談したら、絶対行ったほうがいい、って薦められちゃったから・・・ものは試しで行ってみる」
「それなら明日、お洋服買いにいきましょう。良かったー。ありがとうねえ、森下さん!」
わけわからないうちに相原さんのお母さまに感謝されて、両手を握られブンブン振られてしまいました。

窓の外がさすがに薄暗くなっています。
時計を見ると6時45分でした。
「あ、そろそろ私、おいとましないと・・・」
「あら、もうそんな時間?」
「今日はごちそうさまでした。タイヤキすっごく美味しかったです。相原さん、また来週、学校で」
「うん。気をつけて帰って、ね」
「また遊びにいらっしゃいね。森下さん」
相原さんのお母さまが玄関で、ニコニコ笑って見送ってくれました。

エレベーターのところまでは、相原さんが送ってくれました。
「母親が帰るの、いつもはもっと遅いんだけど。ごめんね、最後のほう、バタバタしちゃって」
「ううん。面白かった。お母さまもステキだし」
「森下さん、結局今、ノーパンでしょ?」
「う、うん・・・」
「どう?どきどきする?」
「う、うん・・・」
「だいじょうぶ。森下さんの家近いし、今日は強い風も吹いていないみたいだし・・・あ、でも走って転ばないように、ね。派手に転ぶとスカート、まくれちゃう」
「イジワル・・・」
薄く笑っていた相原さんの唇が近づいてきて、エレベータの前で軽くキスをしました。

「それじゃあ。気をつけて」
「うん。また来週、図書室で。ばいばーい」


図書室で待ちぼうけ 21