2010年9月5日

また雨の日にカクレガで 05

このあと、私に予想できる展開は二つ。

一つは・・・
やっぱり『キモチワルイ』 になっちゃったの?
それじゃあ、そろそろ帰ろうか。
もうここには来れないな。
カズキくんのご両親さん、ごめんなさいっ!

もう一つの展開は・・・
私の頭がその対処の方法と、その後の展開を妄想してめまぐるしく回転します。
こっちが私の希望ルートです。

ふいに、スカートの布地が太腿に戻る感触がしました。

やっぱり『キモチワルイ』 のほうだった?
後悔の気持ちが、むくむくわきあがってきます。

無意識のうちにギュっとつぶっていた目を恐る恐る開けてみると、カズキくんは、私が予想していたどっちの言葉も言わずに、真剣な顔をして私を見上げていました。
両手の指と指を組合わせて固く握ったまま、両腕を精一杯頭上に伸ばしている私を。
私の妄想の中では、今の私は、両手を頭上に上げたまま縛られて恥ずかしい場所を隠すことができずに耐えている、晒し者マゾ女=直子、なのですが・・・

「どーしたのっ?」
私は思わず、語尾上がりの、なじるような声を上げてしまいました。
一気に緊張が抜けてしまい、上げていた両腕の力も抜けて、からだ全体がヘナヘナと地面にへたりこみます。
両膝が開いて、その拍子に、私のアソコにたまってたいやらしいおシルが、一滴、二滴、内腿をすべり落ちて足元の玉砂利にしたたり落ちたみたい。

「ねえ?・・・」 
カズキくんは、同じ目線までしゃがみ込んでしまった私に、もう一度問いかけてきます。
何か不思議なものを見て、興味シンシンという顔つきでした。

「お姉さんは、なんでココに毛がないの?」
「えっ?」
そっち・・・ですか?・・・

思いがけない展開です。
『キモチワルイ』 ルートは、完全に回避されたみたい。
とりあえず、私の覚悟は間違っていなかったようです。
ちゃらららっちゃっちゃ、ちゃっちゃちゃー!
頭の中でレベルアップのファンファーレ!
言葉責めターンは、まだまだつづきそうです。

「カズキくんは、女の人のココに、普通は毛が生えていることを知ってるの?」
「あたりまえだよ。だってボク、いつもママと一緒にお風呂入ってるもんっ!」
「ママもちゃんと生えてるよ。でも、たまに切ってるみたい。多かったり少なかったりするもの」

そうですよね。
このくらいの年なら、まだお母さんとお風呂、入ってますよね。
カズキくんが得意気につづけます。
「前にママに聞いてみたの。なんでママのソコの毛、少なくなっちゃったの?抜けちゃったの?って」
「そしたらママは、カズくんが床屋さんに行くみたいに、ここの毛もときどき切ってもらわなきゃいけないの、って言ってた」
カズキくんちのパパとママ、ご円満のようです。

カズキくんの家庭暴露話は、まだつづきます。
「オネーチャンがね、なんでか、ぜんぜんボクと一緒にお風呂に入ってくれなくなっちゃたのね」
「ボクが一緒に入ろう、って言うと、ゼッタイイヤっ!って怒るんだ。なんであんなにすぐ怒るんだろう・・・」
カズキくんたら、またちょっとインブルー。

「でもね・・・」
急に声をひそめて、私の耳に小さな唇を寄せてきます。
「ボク、聞いちゃったんだ。ママとオネーチャンがテレビのお部屋でお話してるの」
「オネーチャン、ソコに毛が生えてきたんだって。それで、ちょっと泣いてるの、恥ずかしいって」
「それでママがね、それはね、大人になったショーコだって。ぜんぜんヘンじゃないし恥ずかしいことでもないんだって。大人はみんな生えてるんだって、オネーチャンの頭なぜなぜしながら言ってた」

「カズキくんのオネーチャンて今、何年生?」
「中1」 
中1かあ・・・懐かしいなあ、私は小6の終わりだったっけなあ・・・
思い出に耽っていると、
「お姉さんは、大人だよね?」 
カズキくんが問いかけてきます。 
「何年生?」 
「えっ?私?私は高三」 
「じゃあ大人だよね?なんで毛がないの?」
カズキくんたら、言葉責めのセンスいい。
私の被虐心を的確にヒットしてくれます。

「う~ん・・・とねえ・・・」
「お、お姉さんもカズキくんのママみたいにお手入れしてるの。でもね、お姉さん、ここの毛があんまり多くないの。多くないとちょっとね、カッコ悪いでしょ?」
「ハゲな男の人でも、中途はんぱに髪の毛残ってる人より、丸坊主の人のほうがカッコイイでしょう?だから剃っちゃったの」
カズキくんには、ハゲ、という言葉がヒットしたみたいで、私の話の途中で、きゃはは、ってカワイク笑って、なんとなく納得してくれたみたい。
「それにね・・・」
私は、調子にのってつづけます。
「毛がないほうが、カズキくんによーく見てもらえるでしょ?お姉さんのココ、どうだった?」 
「つるつるで、キレイだった」 
「好き?」 
「好き!」 
私は、幼い子供に何を言わせているんでしょうか。

「でも、カズキくんっていろんなこと、いっぱい知ってるんだねえ」 
「うん。ボク本当は、えっちなこと、もっと知ってるんだ。せっくすも知ってるよ」
カズキくんはさらっと、もの凄いことを言いました。
「セックス?」 

「せっくすってね、男の人のオチンチンを女の人のアソコに入れるの。それで、その男の人と女の人が両想いだったら、赤ちゃんが生まれるの」 
「せっくすのときはね、女の人は苦しいみたいな大きな声を出すんだって。でもそれは苦しいんじゃなくて、楽しいんだって。ヘンだよね?」
最近の小学生って、こうなの?

私はちょっと、引き気味になって聞いてみます。
「それもママに教えてもらったの?」
「ううん。さとしにーちゃん」 
「さとしにーちゃん?」
「サッカークラブの6年生。ボク、町内会のこどもサッカークラブに今年入団したの」 
「さとしにーちゃんは、えっちなこと大好きで、ボクよりなんでも知ってるんだ」
「女の子のアソコはオマンコっていう名前で、オチンチンは大人になると時々大きくなることがあって、大きくなるとオチンポになるんだよね?」

ろくでもない先輩がいるようです。

「ボクのオチンチンはまだ大きくなったりはしないんだ。ムズムズすることはあるけど・・・。今もちょっと、ムズムズしてる」
カズキくんは、誰かに聞いて欲しくてたまらなかった、って感じでつづけます。

「でね、ボク、パパとママがせっくすしてるのも聞いちゃったんだ」
「夜にね、寝てたらのどがかわいたから、ジュースが飲みたくなって、テレビのあるお部屋に行こうとしたら、お部屋が暗くなってて、なんか、ガサゴソ音がしてたの」
「ボク、怖くなったけど、パパとママみたいな声がしてて、ヒソヒソなんか話してる声も聞こえたの」 
「ボクは、テレビのお部屋に入ろうかどうか迷ってたのね。そしたら、ママがなんか苦しそうな声出したの」
「ボク、ビクっとした。そしたらパパが、気持ちいいのか?ってママに聞いてたの」
「ボク、すぐ自分のベッドに戻った。さとしにーちゃんの言ってたのは、ほんとなんだなあ、って思った。パパとママはせっくすしてたんだよねえ?」

私は、何も言えません。
私が黙っていると、また話し始めます。

「ボクはね、パパとママがせっくすするのは、なんかイヤだなあ、とも思った・・・」
「でもパパとママが両想いだから、ボクが生まれたんだよね?・・・」 
「それからね、男の人がイヤがってる女の人にむりやりせっくすしようとするのは、ラペっていってね・・・」 


また雨の日にカクレガで 06

また雨の日にカクレガで 04

私は、呼吸を整えながら無理に笑顔を作り、平静を装って答えます。
「な、なんでそう思うの?」 
ちょっと声が掠れてしまいました。

「だって、だってさっきボク見てたんだ。お姉さんが猫と遊んでるの。お姉さんしゃがんでたから・・・でも遠かったから、ちゃんとは見えなかったんだけど・・・パンツ、はいてないみたいだったんだもんっ・・・」 
男の子は、そう早口で言った後に、なぜだか自分が悪いみたいに、
「ごめんなさいっ!」 
と大きな声で言って、うなだれています。
私は、なんだか自分が男の子を苛めてしまったような気がして、あわてて付け加えました。
「ボクがあやまることはないんだけれど・・・」
さあ、どうしましょう?

「ボクの見まちがいだよー」
そう言って、強引におさめることもできそうです。
でも、
「じゃあ、証拠見せて・・・」
そんな展開になってしまったら、私はどうするんでしょう?
怒って帰ることもできるけど、その選択は、さっき消しました。
「えへへ。ごめんねー。お姉さん、嘘ついちゃったー」
と、自らスカートまくる被虐羞恥な展開もいいかな?・・・

みたいなことを、混乱した頭で5秒くらいの間にアレコレ考えていました。

「キ、キミが穿いてないように見えたんなら、お姉さんはきっと、アナタの見たまんま、穿いていないんじゃないっ?かな?」
なんだか典型的な大人の言い訳を、ちょっと強い口調で言ってしまいました。
自分でも笑ってしまうくらい、支離滅裂な言い訳。
男の子のことも、キミだとかアナタだとか・・・ぐだぐだ。
私のマゾ性が、男の子の言葉責めに屈しました。

私は、覚悟を決めました。
この男の子の要求にとりあえず、逆らわないことにします。
私が今日ここに来たのは、この男の子に苛めてもらうため、だったのでしょう。

意味なくしょげている男の子と目線が合うように膝を折って、できる限りやさしく言いました。

「ねえボク?お名前は?」 
「サトナカカズキですっ!」 
なんだかやけくそ気味に叫ぶのが、すごくカワイイ。
「お姉さんの名前は、やましたなおこ」 
ちょっと嘘言ってます。

「ごめんね。カズキくん。さっきお姉さん、絶対怒らないって、お約束したのに・・・」
覚悟を決めた私は、自分の性癖に素直になっています。
「お詫びに、カズキくんが聞きたいこと、なんでも答えてあげる。ね?」
カズキくんは、おずおずと顔を上げ、私の顔をうかがっています。
・・・だいじょうぶ。私はキミの言いなりだよ・・・
心の中で問いかけながら、その頭をやんわりと撫でてニッコリ笑いかけました。
「えへへ・・・」 
カズキくんがやっと嬉しそうに笑ってくれました。

「じゃあお姉さん、やっぱりパンツ、はいてないんだ?」 
復活したカズキくんが興味シンシンな顔で聞いてきます。
「・・・うん」 
「なんで?」 
「なんでかなあ?」 
「寒くない?」 
「うーん、ちょっと寒いかなあ・・・」
私は、極力フレンドリーに答えます。

「でも、スカートまくりされたら、見られちゃうよ?」 
「そうだねー。カズキくんもスカートまくりとかするの?」 
「うん。たまにだけど・・・学校でやると、すぐ女子が先生に言いつけに行くから学校では最近あんまりやんない」
無邪気になったカズキくんは、子供らしく饒舌です。
「オネーチャンにむかつくと、たまにやっちゃうけど・・・ママが叱るのは、いつもボクばっかりなんだ・・・」
カズキくん、また自分の世界へ。

「そっかー。カズキくん、かわいそうだね。お姉さんは、カズキくんに見られるなら、ウレシイ、かな?」 
私も絶好調。
「ほんとっ!?」
カズキくんのHPが大きく復活したようです。

「お姉さんの、見たい?」 
「うんっ!」
ちょっとイジワルしたくなって、聞いてみます
「なんで?」 
「だって・・・」 
「カズキくん、えっちなの?」 
「ボク・・・。えっちじゃない!・・・けど・・・」 
「じゃあ、なんで見たいの?」 
「うーーんと。見たいから見たいのっ!」
思わずまた、ぷっ、と吹き出してしまいます。

外は、少し雨が強くなったようです。
こんな雨なら、この場所に近づいてくる人も、たぶん、いないでしょう。
私は、完全に覚悟を決めました。

「そっかー。じゃあ、お姉さんのスカート、めくって、見ていいよ・・・」
念のため、じりじりと軒先から奥のほうに移動しながら言いました。
あんまり奥に入っちゃうと今度は暗すぎでつまらなそうなので、猫さんをいじっていた場所から2メートルくらい奥へ。
カズキくんも、たぶん自分でも無意識のうちに、じりじりついてきてます。

「さっき、カズキくんを怒っちゃった罰だから、お姉さん、カズキくんの邪魔しないように両手を上に上げてるね・・・」 
私の大好きな『囚われのマゾ』 のポーズ。
両手を組んで精一杯上に伸ばすと、手の先がちょうど軒下の天井に届きました。

「うん・・・」 
言われた意味がわかっているのかいないのか、カズキクンの視線は、私のスカートの裾に釘付けです。
「でもね・・・」
やっぱり、言っておいたほうがいい、と思って言葉をつづけました。
「カズキくん、がっかりしちゃうかもしれないよ・・・」
カズキくんは、何も答えずに私のスカートだけをじーっと見つめています。

「じゃあ、カズキくん。お姉さんのスカート、めくって・・・」
言ったとたんに、私のからだ中をしびれるような快感が駆け巡りました。
なんて、はしたない言葉・・・

カズキくんは、私のスカートの裾をおそるおそるな感じで両手でつかみ、そろそろとめくり上げていきます。
カズキくんの背丈は、私の胸のちょっと下くらいなので、カズキくんが中腰になってスカートの裾をつまんだ両手を私のおへそくらいまで上げると、ちょうど私のアソコがカズキくんの目線の位置になります。
スカートを頭にかぶるような格好でカズキくんが動かなくなりました。

上から見おろす形になっているので、私にはよくわかりませんが、きっとカズキくんは、薄暗がりの中、目を爛々と輝かせて私のアソコを食い入るように見ているのでしょう。
ちょっと上付き気味な私の無毛のアソコ。
さっきからの展開で充分に潤ってしまい、今にもしたたり落ちそうな私のいやらしいおシルのにおいも、カズキくんの鼻腔をくすぐっているはずです。
カズキくんは、どう思っているのでしょうか?
万が一、『キモチワルイ』 と感じていたら、私は、この素直そうな幼い男の子の、この先の人生を狂わせてしまうかもしれません・・・

私は、ヘンタイです。
さっきは、猫さんの前でノーパンの股間を開いて喜び、今は、幼い男の子にスカートをめくらせてノーパンのアソコを見てもらってコーフンしている、恥ずかしいことをするのが、されるのが大好きなドMのヘンタイです・・・
そして今、行なっている行為は、おそらくハンザイです。
一般的には、チカンとかヘンシツシャと呼ばれる、ハンザイ・・・

カズキくんがこの状況を喜んでいてくれるのなら、誰も傷つかない、ツミの無いハンザイ行為で終わりますが、もしも『キモチワルイ』 になってしまったら・・・
私は、自分が昔されてトラウマになってしまったようなことを、性別は逆ですが、カズキくんにしてしまったことになるのです。

私の理性が怖気づいて、もうおしまいにしようね、と言おうとしたとき、ふいに、
「ねえ?・・・」 
私のスカートをかぶったままのカズキくんから、くぐもった声がかかりました。
私は、ピクンと小さく震えます。


また雨の日にカクレガで 05

2010年9月4日

また雨の日にカクレガで 03

その小さな影は、小学校低学年くらいの子供のようです。
右手で黄色い傘をさして、私と同じようにしゃがんで、私のほうをじーっと見ています。
男の子かな?
私は、ホっとしました。
見たところ小学校2、3年生くらい?
そのくらいの子供なら、男性でも怖くはありません。
それに私は、たとえば親戚で集まったときとか、小さな子供たちになぜだか慕われるほうなんです。

しゃがんだまま、
「こんにちはー」 
と声をかけてみました。
その男の子は、ちょっと驚いたみたいで、瞬間、固まっていましたが、かわいらしいソプラノ声で、
「こんにちわー」 
と返してくれました。
「まだ雨降ってるの?」 
と私。
見ればわかります。
「うん」 
と男の子。

これからこっそり野外思い出しオナニー、と意気込んでいたのをジャマされて、ちょっと脱力気味な私ですが、猫さんで癒された後だから、ちょうどいい暇つぶし相手かもしれません。
「じゃあ、こっちに来て雨宿りすれば?」 
私は、ゆっくりと立ち上がりながら誘ってみました。
男の子は、ちょっと迷ったみたいですが、すぐに、たったったっ、と小走りで軒下に入ってきました。

「こんにちは」 
「こんにちわー」
男の子は傘をたたんでから、私を見上げました。
「ボクは何年生?」
中腰になってそう聞くと、 
「3年生ですっ」 
と元気良く答えます。
「ボクひとりなの?」 
「うん」
「お母さんは?」 
「ママは6時まで帰ってきませんっ。パートに行ってますっ」
無理にハキハキ答えようとしているところが、ほほえましくてかわいいなー。
俗に言う『カギっ子』 くんなのかな?

「じゃあ、おうちには誰もいないのかあ。おにいちゃんとか、いもうとさんとかは、いないの?」 
男の子は、少しもじもじしてから、
「さっき、オネーチャンとケンカしたの。ボクは悪くないのに・・・それで一緒にいたくないから雨だけどお外に出てきたの」 
しょげた感じで打ち明けてくれます。
「ふーん。そうなんだあ」 
「ボク、オネーチャンきらいっ。いっつもボクのせいにするし、えばってるし・・・」
男の子は、しばし自分の世界にこもっちゃったようです。

私は、そんな男の子をなるべく怯えさせないように、えくぼを作りながら黙って見ていました。
しばらく私の顔をじっと見ていた男の子は、沈黙が耐え切れなかったみたいで、私に聞いてきます。
「お姉さんはここで、なにしてるの?」 
「うん?雨宿り、かな?」 
「なんで?」 
「うん?雨が降ってるから、かな?」 
「ふーん」
またしばし沈黙。

もじもじしたままの男の子がなんだかかわいそうになったので、私から話題を振ってみます。
「ボクのおうちは、この近くなの?」 
「うん。あっちの踏み切りを渡って、ちょっと行ったところ」
このへんの地理をぜんぜん知らないので、そこがどこなのか私には、ぜんぜんわかりません。
「お姉さんのおうちは?」 
男の子の口調が心持ちやわらかくなってきました。
だんだんと慣れてきてくれてるみたいです。
「私はねえ、ちょっと遠いの。ここの駅から電車に乗って、7つめかな」 
「じゃあ、なんでここにいるの?」 
「うん?なんでかなあ?ここが好きだから、かなあ?」
「ふーん。ヘンなの」 
「ヘンかな?」 
「ヘンじゃない?」 
「ヘンじゃないよ」 
「・・・そうだね。じゃあヘンじゃないっ!」 

私と男の子は、お友達になれたみたいです。
経験上わかります。
たぶんこの子はこの後、お友達口調になります。
私は、メガネをはずしてバッグにしまいました。

男の子の顔をじーっと観察してみます。
目が大きくてキラキラ、赤みを帯びたほっぺがプクっな坊ちゃん刈り。
なんだかとっても素直に育った子みたいです。
と言っても私、子供を顔で判断できるほどの経験は持っていないのですが、なんとなーくね、いい子じゃないかと・・・
私は、完全にリラックスしていました。

「なんでオネーチャンとけんかしちゃったの?」 
「あのね、ボクがひとりで、お父さんが買ってくれた○○戦隊○○レンジャーのDVD見てたの。そしたらオネーチャンが入ってきて、勝手にテレビに変えちゃったんだ。この時間は、あたしがテレビを見るの。そう決まっているの。って・・・そんな法律ないのに・・・」
ぷっ、と思わず吹き出してしまいます。
なにそれ?ほほえましいなー。

「それはオネーチャンが悪いよねえ」 
私は、男の子の目線までしゃがんで頭を軽く撫でながら言いました。
「そうだよねっ?ボク悪くないよねっ?」
「ボク、オンナって大きらいだ。うるさいし、勝手だし・・・」 
男の子は、本気で憤慨しています。
ちょっとイジワルしたくなっちゃいました。
「そうなんだ、残念だなあ。お姉さんのことも?」 
男の子は一瞬、あっ、いけね、みたいな顔をしてから、あわてて言いました。
「ううん。お姉さんは、ボク好きだよ。キレイだし、やさしそうだし・・・」 

うわー、なんか嬉しいー。
考えてみると私、面と向かって男性から、キレイ、と言われたの生まれて初めて?
でも、子供の頃はいくらカワイラシクても、男の子は大人になったら、アレがアレになっちゃうんですよね・・・

「お姉さんもボクのこと好きだよ。とってもカワイイから」
私は、心の中で騒ぎ始めた複雑な気持ちを抑えつけながら、安っぽいドラマの誘拐犯みたいなことを言ってしまいました。
男の子は、照れくさそうに私の顔を見上げてから、視線を下に落としました。
やっぱり、カワイイなあ。

また、しばし沈黙。

「・・・ねえ・・・」
しばらく二人、降る雨を眺めるとも無く眺めてたら、男の子は、これ聞いていいのかな?みたいな感じで、おずおずと口を開きました。
「なあに?」 
「お姉さんに聞きたいことがあるの・・・」 
「なあに?」 
「・・・怒らない?」 
「なにを?」 
「絶対、怒らない?」 

私は、ふいに気がつきました。
そっちだったの?
私に近づいてきたのは、それだったのか・・・
すっかり忘れてました。
ノーパンのこと。

私は、かなり動揺していたと思います。
こんな小さな子に、何をどう説明したらいいのでしょう?
でも、ここであんまり恥ずかしがるのもヘンですし、怒って帰るのも大人気ない上にかわいそうだし・・・
私は、自分の心が落ち着くのを待つために、顔を上に向けて少し考えるフリをしてから、つとめて明るい声で、
「うん。絶対怒らない」 
と答えました。
「絶対の絶対?」 
男の子はしつこいです。
「うん。絶対の絶対。もしお姉さんが嘘ついたら、ボクの言うこと、なんでもきいてあげる」
うわっ。
なんかマゾっぽいこと、言ってしまいました。

私は、男の子から何を聞かれるか100パーセントわかっていました。
そして、その状況にからだ全体がゾクゾクしていました。
今日ここに来たのは、こういう状況な妄想を求めてのことなんですが、なにしろ相手が相手です。
私は、まだ決めかねてました。

覚悟を決めたように、男の子が口を開きました。
「お姉さん、パンツ、はいてないの?」 
内緒話みたいに、私の耳に口を寄せて、ひそめた声で聞いてきました。
ゾクゾクゾクーっ!!!
私の被虐スイッチがバチッと音をたてて、入ってしまいました。
小学生男子からの言葉責め・・・
アソコの奥が派手にヌルっときました。


また雨の日にカクレガで 04