2020年6月28日

肌色休暇一日目~幕開け 04

「そこに立って、あたしのほうを向いて、ワンピースを脱ぎなさい」

 窓際を指差し、ご自身は対面で優雅におみ脚を組み替えられるお姉さま。
 窓の外を日常の景色がビュンビュン過ぎ去っています。

 こんなところで裸になるんだ…
 背徳感がゾクゾクっと背筋を伝わり、脳内と股間が痺れるように疼いてきます。

「何その嬉しそうな顔は?個室とは言え、公共の電車の中で裸になろうとしているのに」
「直子、あなた、近ごろ羞恥心薄れていない?脱ぎたい、視せたいオーラ全開って感じ」

 呆れたお声でなじるようにおっしゃるお姉さま。

「そ、そんなことは……」

 口では即座に否定してしまいますが、実は自分でも最近同じように感じていました。

 オフィスのみなさま及び関係者の方々全員に私のどうしようもない性癖を大々的にご披露してしまったあのファッションショー以来、初対面の女子大生のみなさまへのセルフ緊縛レクチャー、やよい先生のお店での百合便器ご奉仕、年端も行かない男の子たちへの裸身提供などなどと、たくさんの方々に私の浅ましい痴態をご覧いただいてきました。
 見知ったお顔が傍らに付いていてくださりすれば、安心して性癖のおもむくまま。

 ただ、数々の恥辱プレイを経た今、自分の中で変わりつつある、とある感覚、に戸惑いと言うか、新しい不安と期待が生まれていました。
 お姉さまや見知っているお顔のかたたちの前で恥ずかしい姿を晒すことに慣れ過ぎてしまったのでしょうか、まったく見知らぬかたに視ていただきたい、という欲求が増してきているのです。

 私の素肌を舐め回すような、見ず知らずの不特定多数のみなさまからの視線。
 その瞳に映る、驚きだったり、好奇だったり、憐れみだったり、蔑みだったり。
 その瞳と私の視線が合わさるとき、性的興奮の度合いがグンと高まることに気づいてしまったのです。
 視ないで、でも視て、の視て、のほうの比重が自分の中でどんどん大きくなっているみたいなのです。

 もちろん見知らぬ男性の視線は怖いですし、一連のプレイが無事に出来たのもお姉さまやお仲間に守られていたからこそ、というのはわかっています。
 それでも、もっとたくさんのかたに淫らで恥ずかしい姿を視て欲しい、というはしたない願望は膨らむばかり。
 まして今日は最愛のお姉さまとご一緒プラスふたりきりなのですから、私の理性なんてマゾの沼奥深くに沈み込んだままなのです。

 電車の進行方向に背を向けた座席の窓際に立ち、ワンピースの袖を、それでも躊躇いがちに抜きました。
 対面のお姉さまが手を伸ばされ、ワンピースはお姉さまの座席側へと没収されました。

「もちろんパンツもね」

 ビデオカメラのレンズを向けたまま、お姉さまの冷ややかなお声。

「はい、お姉さま」

 レンズをじっと見つめつつ、前屈みになってショーツを脱ぎ去ります。
 クロッチ部分、と言ってもあて布は外されているのですが、は、お尻のほうまでじっとりと濡れそぼっていました。
 手渡したショーツと引き換えみたいに、お姉さまが青いバスタオルをテーブルの上に置きました。

「へー、こっちもキレイに焼けているじゃない?直子の柏餅マンコが美味しそうにぷっくり目立ってイイ感じよ」

 里美さまがタンニングサロンで私の下半身のためにご用意くださった着衣は、該当部分がハート型の真っ白いCストリング。
 なので、私の腰回りやお尻に紐状の日焼け跡は一切なく、恥丘から陰部にかけてだけ、クッキリ青白くハート型に焼け残っています。
 ここも乳首部分に負けず劣らず、否が応にも視る者の視線を惹きつけてしまう卑猥さです。

「おーけー。じゃあ後ろ向いて、お尻も見せて」

 私が服従ポーズのままからだを180度回転させて背中を向けると、一瞬の間を置いて、ププッと吹き出されたお姉さま。

「ふーん、なるほどねえ…里美ってば、そうきたかー…」

 お姉さまのお声は、堪らえようとしても抑えきれない失笑まじり。
 タンニングサロンで初めて背中を焼く前、里美さまが困ったようなお顔でこんなことをおっしゃっていたのを思い出します。

「チーフのたっての希望でね、直子のお尻の上くらいに日焼けで何か、落書きしといて、だって」
「ひとことで直子を顕わすような自己紹介的な言葉。でもAVやエロマンガによくある、肉便器とか性奴隷とかみたいな品の無いのじゃなくて、なんとなく優雅さというか気品も感じられる言葉3~5文字くらい、だって」

「わたし、一晩悩んじゃった。日焼け跡だから画数多い字だとちゃんとキレイに読めるようには焼けないだろうな、とか」
「で、ここはシンプルが一番、て開き直ったの」

 そうおっしゃって、里美さまがうつ伏せの私に、ボディペインティング用のラテックス塗料で書いてくださった文字列を今、お姉さまがお読みになられたのです。
 そのときは私も何て書かれたかはわからず、次のサロン予約日まで剥がしてはダメ、と厳命され、お家に帰ってからお仕置き部屋で裸になり、鏡に映してみました。

 お尻の割れ始めの少し上、フルバックのショーツならギリギリ隠せそうなところに、一文字3センチ四方くらいの大きさで5文字。
 中央寄りの横書きで、里美さまの女性らしい手書き文字が白い塗料で書いてありました。

 鏡文字になっているので、咄嗟には読めませんでした。
 頭の中で反転し読めた瞬間、先ほどのお姉さまのようにクスッと笑ってしまいました。
 でもそのすぐ後、今後このイタズラ書きがもたらすであろう、私の身に降りかかる恥辱に思いが至り、からだ中がカッと火照りました。
 
 この日焼け跡が完成してしまえば、それからずっと私が裸になるたびに、この文字が読まれてしまうのです。
 季節が過ぎて、日焼け色が肌から引いてくれるそのときまで。
 三度目のサロンのときにいったん塗料を剥がして慎重に書き直され、四度目が終わったときには、ハッキリクッキリと読めるように白く浮き上がっていました。

 マゾですの

 この5文字が私のお尻のすぐ上に書かれている自己紹介です。
 最初にサロンへ伺った次の出社日、当然のようにリンコさまたちにオフィスで裸にされ、これを読まれて思いっきり笑われました。

「確かに語尾に、の、を付けると少しだけ品が良くなるわね。可愛らしくて直子っぽい」

 リンコさまたちと同じようなご感想をつぶやかれたお姉さま。
 首だけひねってお姉さまのほうを窺うと、ご自分のバッグから簡易的な三脚を取り出され、私に向けてビデオカメラを固定されました。
 それから私のスマホを手に取ります。

「おーけー。じゃあ次は、そのバスタオルを座席に敷いて、窓際の席にこちら向きに座りなさい」

 服従ポーズを解き、自分でバスタオルを手に取り、ご命令通りに座ります。

「もっと深く座って両足も座席の上に乗せなさい。もちろん両膝は思い切り開いて」

 柔らかな背もたれに背を預け、両足もグイッと持ち上げ座席に乗せると、あられもないM字大開脚ポーズ。

「いい格好ね。それじゃあお仕置きを始めましょうか…って、おっとその前に、その格好にその白いチョーカーはお洒落過ぎてミスマッチ。もっとお似合いなのに変えておきましょう」

 お姉さまがバッグから取り出されたのは、くすんだ赤色で幅3センチくらいのごつい首輪。
 正真正銘ペットのワンちゃん用レザー首輪で、これまでのお姉さまとのあれこれのとき、ほとんどずっと私の首を飾ってくださっている首輪でした。
 お姉さまが近づいてきて、手早くチョーカーを外し、思い入れ深い首輪を嵌めてくださいます。

「チョーカーの日焼け跡も残してもらったんだ?良かったじゃない?外しても首輪しているみたいに見えて、マゾっぽいて言うか、とても直子っぽい」

 そんな軽口をたたきながら。
 首輪には真ん中にリードを付ける用のシルバーリングが下がり、全体的にシミやくすみが目立ちます。
 
 これはつまり、今まで私が味わった汗や涙やよだれや蝋、プラスどなたかの体液などで汚された結果なわけで、まさしくマゾ奴隷の証。
 おそらく旅行が終わるまで着けっ放しということになるのでしょう。

「じゃあお仕置きを始めましょう。その格好で自分の両手で直子のマゾマンコを目一杯押し広げて、こう言いなさい…」

 ご自分のお席にお戻りになったお姉さまが私のスマホをもてあそびつつおっしゃったとき、次の駅に到着間近という車内アナウンスが室内に響き渡りました。

「あら、もう大宮なの?さすがに速いのね」
「駅のどのホームに停車するかによっては、直子、凄く恥ずかしいことになるかもよ?」

 からかうようにおっしゃったお姉さまが、アナウンスで中断されたお仕置き内容のご説明をつづけます。

「自分の両手でラビアを目一杯押し広げて、そのイヤラシく濡れそぼった膣内を見せびらかしながら、こう言いなさい」
「直子のマゾマンコです。奥の奥まで、どうぞじっくり視てください」
「あたしを見ながら、ハッキリした口調で、お願いするみたいに、つづけて10回ね」

「わ、わかりました…」

 それのどこがお仕置きなのか、今ひとつ理解しかねています。
 お姉さまの前でなら、むしろ悦んでおねだりしたいようなセリフなのですが。

 自分の両手をMの字の真ん中に持っていき、人差し指と中指の腹をラビアに押し付けます。
 ヌプっとした感触を両指先に感じつつ、右手左手をそれぞれ腿側に引っ張ります。
 濡れた粘膜が外気に晒された途端、ゾワゾワっとした快感が背筋をつらぬきます。

「な、なおこの、マ、マゾマンコです…奥の奥まで、ど、どうぞじっくり、ご、ご覧くださいぃ、ああんっ!」

 教えられたセリフを実際に声に出したとき、得も言われぬ興奮が胸にせり上がりました。
 広げた膣内で粘膜がヒクヒクっと引き攣ったのが自分でわかりました。

「もっとはっきりと大きな声で。心の底からあたしにお願いする感じで言いなさい」

 お姉さまは私のスマホを構え、どうやら写真をお撮りになっているご様子。
 たてつづけにシャッター音が聞こえていました。

「直子のマゾマンコです。奥の奥まで、どうぞじっくり、み、視てくださいぃ…」

 今度はお姉さまが向けられたスマホのレンズをしっかり見つめ、悩ましげに、おねだりするみたいに言ってみました。
 自分で口にしている恥ずかし過ぎるセリフに、ムラムラ感じてしまっています。

「今のはイイ感じ。その調子でもう少しゆっくりハッキリ」

 お姉さまはフラッシュを光らせたり光らせなかったり、いろいろ試行錯誤されているご様子。
 私の指は溢れ出る自分の蜜で、早くもふやけ始めています。

「直子のマゾマンコです…奥の奥まで、どうぞ、じっくり、ご覧ください…」

 5回めを言い終えた頃、電車が減速を始めました。
 チラッと窓のほうに視線を走らせると、線路のレールが何本も並ぶ、よくあるターミナル駅周辺の風景。
 
 この電車、もう少しで駅に停まるんだ…
 思った瞬間、さっきよりも強い快感がゾクゾクっと背筋を駆け上がりました。

「ほら、まだ10回言っていないわよ?電車がホームに停車しても、10回言わないうちは許さないからね」

 お姉さまも窓の外を見遣り、あらためてスマホを構え直しました。

「さっきと違って、真ん中辺のホームに滑り込みそうね。スリル満点」

 ご愉快そうなお姉さまのお声。

「これが直子のマゾマンコです…奥の奥まで、どうぞ、じっくり、視てください…」

 みるみる電車はスピードを緩め、やがてホームへと滑り込んでいきます。
 少し視線を動かすだけで、大きな窓からお外の景色が視界に飛び込んできます。

 窓のすぐ横は線路、そのお隣にもうひとつ線路、そのすぐ横は別のホーム。
 電車が完全に停車しました。

 そのホームには、電車を待っている人影がたくさん見えます。
 残暑の中、所在無さげにこちらを見つめる人、人、人…
 紛れもない、ありふれた日常的風景が窓の外に広がっています。
 そんな中で、今している私の格好ときたら…
 
 あちらからこちらが、どのくらい見えているのかはわかりません。
 でも、これだけ大きな窓ですし、ホームからの距離も電車の横幅二台分ですから5~6メートルくらい?
 座席の高さ的に、剥き出しなおっぱいまでは余裕で視認出来ることでしょう。
 乗降ドアが開いたらしく、ホームのアナウンスや喧騒が大きく聞こえてきました。

「ほら、あと3回。外に気を取られていないで早く言っちゃいなさい」

「あ、はい、ごめんなさい…こ、これが直子のマゾマンコです…奥の奥まで、どうぞ、じっくり、ご覧くださいぃ…」

 目の前のレンズに向けて言っているのですが、内心では窓の外のホームにいらっしゃる方々に向けてお願いしていました。
 レンズに向けている自分の目がキョロキョロと、落ち着き無くお外を気にしてしまっているのがわかります。

 あ、こっちをじーっと見つめている男性がいる…
 あの女子大生風のおふたり、こちらを指差してコソコソ話している…
 あ、あっちのご年配のおじさまにも気づかれたみたい…
 ああん、電車さま、早く出発して…

「直子のマゾマンコです…奥の奥まで、どうぞ、じっくり、視てください…」

 グングン昂ぶる背徳感。
 9回目のおねだり中に発車チャイムが重なり、やっと電車が動き始めました。

「けっこう視られちゃったみたいね、利用客の多いホームの近くだったから」
「これでツーホーとかされちゃったら、あたしたち次の駅で降ろされちゃうのかな?」

 お言葉とは裏腹に、そんなことまったく気にもされていないみたいに愉しげなお顔のお姉さま。
 構えていたスマホを下ろされ、シードルの飲み口を優雅に唇へと運ばれます。

「まだ9回だけれど、もういいわ。いい画がたくさん撮れたから」
「ここから次に停まる駅までは、かなり時間があるはずだから、しばし休憩。あたしの用事が終わるまで、直子はそこでオナニーでもしていなさい」

 私のスマホをテーブルに置いて私に近づいて来られ、どこから取り出されたのか木製の洗濯バサミを、私の尖りきったふたつの乳首にぶら下げてくださいました。

「はぁうんっ!」

「どうせ今のでサカリきっているのでしょう?せっかくの個室なのだから、思う存分、好きなだけイクがいいわ」

 投げつけるようにおっしゃり、再び私のスマホを手に取られるお姉さま。
 お言葉に甘えて、陰唇を押し広げていた両手を外し、ふやけきった指ですぐさま股間をまさぐり始める私。

 ジュブ…ジュブジュブ…ジュブ…
 恥ずかし過ぎる淫音が室内を満たして、バスタオルがみるみるぐっしょり。

「あんっ、うっ、いいっ、くぅぅぅ!!!」

 朝からのあれこれで、性感がいっぱいいっぱいだったのでしょう。
 ちょっとクリトリスに爪を立てただけで、全身にキツイ電流が駆け巡り、ものの数十秒で呆気なくイッてしまう私なのでした。


肌色休暇一日目~幕開け 05


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