2020年5月31日

肌色休暇一日目~幕開け 02

 そんなふうにひとりでドキドキハアハア感じていたら、いつの間にかお車は交差点を抜け、車道からも右側へと外れようとしています。
 目前に、えっ?トンネル?
 まさか、池袋駅前にトンネルなんてありません。
 あ、駐車場か。

 緩いスロープをゆっくり下って、地下駐車場へと吸い込まれていくお姉さまのお車。
 ここにお車を停めちゃうの?あ、デパ地下でお買い物でもしていくおつもりなのかな?
 それとも駅から電車で行くのかしら…
 頭の中をハテナマークで一杯にしているあいだにもお車は薄闇をゆっくり進み、ずいぶん奥の隅っこのスペースにそのまま駐車されました。

「さあ、いよいよ休暇の始まりね、仕事はひとまず全部忘れて、ゆっくり楽しみましょう」

 シートベルトをお外しになり、運転席で組んだ両手を前に伸ばし、んーっ、と伸びをされたお姉さま。
 それから素敵な笑顔でこちらをお向きになり、私の顔から下っていったお姉さまの視線が、剥き出しなショーツの一点で固定されました。

「あらあら、ずいぶん濡らしちゃっているじゃない?パッと見でもわかるくらい」

 お姉さまの左手が私の股間に伸び、人差し指でその部分をツン。
 すぐに離れるとその指先から、粘性を感じる透明なか細い糸がツーっと一筋伸びて切れました。

「車の中で下着見せるだけで、そんなに気持ち良かったんだ?ほんとにイヤらしい子」
「あっ、いやんっ!」

 不意の刺激に思わずからだがビクンと跳ね、のけぞった拍子にお尻がシートを滑りました。
 そんな私のはしたない姿を、ふふん、とお鼻でお笑いになってから、お姉さまがお車のダッシュボードの下のほうに目を移されました。

「あらら、早く着き過ぎちゃった。まだショッピング街、開いてないわね」

 お独り言のようにつぶやかれるお姉さま。

「ま、ちょうどいいか。あたし、ちょっと外に出て電話してくるね」

 私の返事は待たずにスッとドアを開けてバタン。
 閉じたドアのすぐ傍らでケータイ電話の画面をタップされています。

 私はと言えば、まだシートベルトをしたまま、両手でワンピの前立てを押し広げたまま。
 下半身も相変わらずめくりっ放し。
 だって、お赦しが出ないのですもの。

 地下駐車場の片隅のため周囲が薄暗くなったおかげで、お車のウインドウに自分の姿がはっきり映っています。
 誰も視てくださるかたなく、駐車場の壁に向かって下着を見せびらかしている間抜けな露出症女。
 首に細く巻き付いている純白のエナメルチョーカーが、暗いガラス鏡の中で妙に目立っています。

 視線を下へとずらすと、白いブラカップ、凹んだおへそ、そして白いビキニショーツ。
 さっきお尻が滑ったとき、ショーツの布地が股間に一層押し付けられてしまったのでしょう。
 布地にぽってり盛られているみたいに見えた私の恥ずかしい蜜の雫がベッタリと布地に広がり、その部分をより卑猥な状態にしていました。

 肌色が透けるほど張り付いた布地は、突起もスジもそのものの形通りに、やわらかな曲線を描き出しています。
 ああんっ、いつまでこんな姿でいなければならないのでしょう…

「お待たせっ。そろそろお店も開くだろうから、ぼちぼち出ましょうか」

 お車のあらゆる窓からギャラリーに覗き込まれ、見世物の辱めを受けている妄想に目を瞑って耽っていたら、不意にお姉さまが乗り込んでいらっしゃいました。

「あれ直子、まだその格好なんだ?」

 呆れたようなお姉さまのお声。

「だって、お姉さまからのお赦しがなかったから…」

 恥ずかしい妄想をしていたことを見透かされたような気がして、拗ねたようなお返事になってしまいます。

「そんなに気に入ってくれたんなら、ここを出るまでその格好で歩かせてもいいんだけどさ、どうもこの駐車場、警備員さんが働き者ばかりみたいでね、ひっきりなしに巡回してるみたい」
「さっきも電話してたら、こっちをすごく胡散臭そうに見ながら歩いていったわ。あんな短時間に違う警備員が入れ代わり立ち代わり二人も」
「だからとりあえず駅入って電車に乗るまでは、フツーにしてて」

 運転席に再度落ち着かれたお姉さまがおからだをひねり、後部座席に置いたお荷物を引き寄せながら、おっしゃいました。

「あの、お姉さま?私たち、これから電車に乗るのですか?このままお車で向かうのではなく…」

 まだ胸元は押し開いたまま、先程から一番気になっていたことをお尋ねしました。

「あれ?言ってなかったっけ?」

 お姉さまご愛用のバーキンバッグを回収され、中を覗き込みながらのお応え。

「バカンス一日目は温泉に泊まるって。ほら、他人様の別荘だと、自分たちでしなくちゃならないことも結構ありそうでしょ?初日くらいはゆっくり、上げ膳据え膳で過ごしたいじゃない」
「別荘にも管理人ていうか、お世話してくれる人たちを頼んではあるのだけど、仕事の知り合いでもあるしさ」

 お姉さまがやっと、私のほうを向いてくださいました。

「それに今日泊まる旅館、露天風呂が充実しているんだって。お部屋据え置きのから大きいのまで。森に囲まれた混浴のもあるみたい」
「だから直子も、誰に咎められることなく、心置きなく、合法的に、お外で全裸を晒せるってワケ。嬉しいでしょ?」
「そのスジの人からご紹介いただいた宿なのよ。多少やんちゃしちゃっても大丈夫なはず、だって」

 お姉さまにしては少々はしゃぎ過ぎな感じの、いつになく高揚したお声。
 やっぱりお姉さまもバカンスは嬉しいんだ…
 そのご様子に、私も今更ながらどんどん期待が膨らんできます。

「だからさっさと服を直して、電車の時間に遅れちゃったら元も子もないわよ?」
「あ、はいっ!」

 急いでシートベルトを外し、ワンピの裾を直してから胸元のボタンを留め直します。
 お姉さまはバーキンを肩から提げ、すでに車外に下り立たれています。

 えっ!?お姉さまのお荷物、それだけ?
 三泊四日の旅行にしては大して膨らんでもいない、まるで通勤途中のようなお姉さまのお姿。
 必要なものは現地調達されるのかな?
 訝しがりながら私も、車外に出ました。

 お姉さまに右手を掴まれ、手を繋いで駐車場内を歩き始めます。
 迷いの無い足取りでスタスタと進まれるお姉さま。
 繋いだ手で引かれるようにお姉さまのお背中を追う私。
 やがて重そうな扉を開くと、もうそこはさまざまな路線の各改札へとつづく地下通路でした。

 通勤通学ラッシュはとっくに終わって、もう午前10時になろうとしている頃なのに、右へ左へ忙しなく行き交う人、人、人。
 駐車場内がしんとしていたのもあり、突然迷い込んだ雑踏喧騒にちょっと気後れしてしまいます。

「おはようございます。いらっしゃいませ」

 ちょうど開店の時刻となったデパートの入口付近から、ご挨拶をされる店員のみなさまのお声が聞こえてきます。
 人混みをスルスルすり抜けて進むお姉さまはやがて、深々とお辞儀されているデパートガールさまたちの脇を通り抜け、いわゆるデパ地下と称される食品売り場に入られました。

「お昼時に現地到着予定だから、お弁当とかはいらないわね。向こうでご当地グルメランチと洒落込むのがバカンスの正道だもの」
「飲み物と、何か軽くツマめてお腹に溜まらないお菓子かなんか…」

 私に意見を求めるふうでも無い、お独り言モードなお姉さまは結局、飲みきりサイズのシードルを何本かと、一口サイズのクラッカーとチーズをお買い上げ。
 お買い物袋は当然私が持ち、空いたほうの手を再び繋いでデパ地下を出て、そのまま地下通路をJR改札口へ。
 私に切符をくださり、自動改札を入ったところで没収。

 無秩序な人の流れを器用にすり抜けて、やがて駅のホームへとつづく上り階段の麓に。
 傍らの壁際に女子トイレの入り口が見えています。

「まだ時間に余裕はあるわね。直子、トイレは大丈夫?」
「えっ?あっ、はい…えっと…」

 突然尋ねられてあたふたしてしまう私。
 オシッコのことなんて微塵も考えていなかったので、したいのかしたくないのかすぐにはわかりません。
 うーん、したいと言えばしたい気もするけど、でもやっぱりそんなにはしたくもないような…
 
「迷ってるなら、してきたほうがいいわよ。電車にもトイレはあるはずだけれど、直子は、行けないと思うから」

 煮え切らない私をニヤニヤ眺めながら、謎なお言葉をくださるお姉さま。
 とくに、直子は、のところを意味ありげに強調されました。

「あ、はい。では、お言葉に甘えて…」

 今も股間に張り付いているショーツのシミも拭っておきたかったので、おトイレを済ませておくことにしました。

「荷物は持っていてあげる。5分前にはホームで並んでいたいから、なるべく手早くチャッチャとね。この階段の周辺で待っているから」
「あ、お姉さまは、なさらないのですか?」
「あたし?あたしは大丈夫。いつでもしたいときに出来るから」

 ニッと微笑まれたお姉さまが、私の手から先程のお買い物袋を取り上げられました。
 ついで、という感じで、私が首から下げていたポシェットもなぜだか没収されます。
 更に、当然、という感じにポシェットが開けられ、中から持参したフェイスタオルを取り出して手渡されます。
 手渡されるとき、私の耳元にお姉さまの唇が寄せられ、くすぐったい吐息と一緒にこう囁かれました。

「トイレの個室でブラジャーを外してきなさい」

 ドキンッ、と心臓が跳ねました。

「は、はい…わかりました、お姉さま…」

 唐突に、私がまだお姉さまの会社に入りたての頃、お姉さまのマンションにお泊りをして連れ出された露出遊びのことを思い出していました。

 膣内にリモコンローターを仕込まれ、お昼下がりの地下鉄車内で弄ばれたこと。
 駅構内の証明写真ブースでおっぱい丸出し写真を撮るようにご命令され、その写真を透明バッグのみなさまに見えるほうへ表向きに入れて晒したまま、休日のオフィス街を歩かされたこと。
 途中のドラックストアで、女性店員さまにお浣腸のお薬の場所をお尋ねし、わざわざそこまで案内していただいたこと、などなど…

 あのときいただいた羞恥と恥辱の記憶がまざまざとよみがえります。
 そして、今回の旅行があのときの記憶を軽く凌駕してしまうだろうことも確信した瞬間でした。

 最初にお姉さまのお車で行くと聞かされ単純に、目的地に着くまでふたりだけの密室内であれこれされることだけを妄想していた私には、今の状況は青天の霹靂でした。
 そして先程のご命令は、電車内でいくら不特定多数の目があったとしても、あたしは容赦するつもりは毛頭無いわよ、という、お姉さまのご宣言、と捉えました。

 電車内の座席でも私、ひょっとしたら全裸に剥かれちゃうのかも…
 駅で停まるたびにホームのみなさまに、私の恥ずかしい姿が晒されちゃったり…
 全裸で見知らぬ駅に置き去りにされちゃったらどうしよう…
 とめどなく暴走する妄想にゾクゾク感じながら女子トイレに入りました。

 ズラッと並んだ個室で空いているのは3つ。
 そのうち一番奥の端に陣取りました。

 まずはショーツを下ろして、股間と布地の湿りをトイレットペーパーで拭き取ることにします。
 うわーっ、ヌメヌメのぐしょぐしょ。
 湿りなどという生易し代物ではなく、布地のゴム付近、お尻の割れ始めのほうまで恥ずかしくも生臭いシミが広がっていました。
 私って、どうしてこんなに濡れちゃうんだろう…
 自分でも呆れるほど。

 スジを挟み込むオマンジュウはテラテラ光りながらぷっくり膨らみ、先端の恥ずかしい肉芽もすっかり脱皮してジンジンツヤツヤ輝いていました。
 不用意に刺激しないよう注意深く拭いてから、オシッコの態勢へ。

 便座に腰を下ろすと不思議なことに尿意が高まり、予想外にたくさん出ていきました。
 シャワー装置をビデにして中のヌメリまで洗浄。
 ついでにお尻にも切り替えて、まだ使ってはいないけれど念のため洗浄。

 フーッと一息つくと、心做しな爽快感。
 ゆっくり立ち上がり、ショーツをずり上げます。
 でもトイペで拭いただけですから、やっぱり火照った股間に濡れている布地がヒンヤリ。

 さて、これからはご命令の実行です。
 前開きワンピースのボタンを襟元から4つ外して、まず両腕を両半袖から引き抜きました。
 今日しているブラジャーはフロントホックですから着脱は楽チン。

 胸元のホックを外すと、カップに押さえ込まれていたおっぱいがぷるんと震えます。
 そのまま肩紐も外し、あっという間のトップレス。
 駅の公衆おトイレ個室の空間に、私の勃起乳首生おっぱいが晒されました。

 数年前の私だったら、こんな状況だけで膣内にいやらしいおツユが溢れ出していたことでしょう。
 でも最近頓にヘンタイ経験値が上がってしまった私。
 
 せっかく脱ぎやすいフロントホックを着てきたのだから、お姉さまもどうせなら電車内で、外すようにご命令してくださればいいのに…
 なんて不埒なことが頭をよぎる始末。

 外したブラジャーを閉じた便器の蓋の上に置き、ワンピのボタンを戻していきます。
 シャツワンピなので身幅もゆったりめで、割としっかりした麻混生地ですから、よほどのけぞったりしない限り、乳首位置も露骨に浮かないみたい。
 
 襟元ふたつだけボタンを開けた状態でワンピを着終え、便器の上のブラジャーを手に持ったとき、あっ!と気がつきました。
 お姉さまが私をおトイレに送り出すとき、ポシェットまで取り上げた理由を。

 外したブラジャーを収納する場所が無いんです。
 今私は手ぶら、
 ワンピースには左胸に小さな、とてもブラジャーを入れることは出来そうにない、ポケットがひとつあるだけ。
 お姉さまに持たせていただいたフェイスタオルも、広げたって20センチ四方くらい。
 とてもブラを包み込んで隠すことは出来ませんし、これから洗面所で手を洗い、それを拭ったタオルでブラを包むこともイヤでした。

 どうやら私は、自分が今脱いだブラジャーを剥き身で手に持って、お姉さまのもとに戻らなければいけないようです。
 おトイレを出て、見知らぬ人たちがたくさん行き交う駅構内の人混みを抜けて。

 さすがお姉さま、と思うと同時に、股間がヒクッと潤みました。
 カップとカップを合わせ、出来るだけ小さな塊にしてブラジャーを持ち、個室をそっと出ました。

 幸い洗面台にも誰もいません。
 小走りで近づき、フェイスタオルとブラの塊を台に置き、素早く両手を洗いました。
 フェイスタオルで手を拭いてから折りたたみ、少し迷った末に胸ポケットに押し込みます。
 真っ白なブラの塊を隠すように両手でふんわり握り、小走りに出口へ。
 おっと、出る前に入口脇の姿見で念の為、胸ポチのチェックも忘れずに。

 相変わらずひっきりなしに行き交う方々にぶつからないよう注意しながら、胸の前で揉み手しているみたいなポーズになって、お姉さまのもとへと急ぎます。
 両手から白い布が少しだけはみ出してはいますが、まさかこれがさっき自分で脱いだばかりのブラジャーだとは、誰も気づかない…はずです…

 お姉さまは送り出したときとほぼ同じ場所で、うつむいてケータイを弄りながら待っていてくださいました。

「お待たせしました」
「あ、おかえり。ちゃんと出した?」

 ケータイの画面からお顔を上げ、薄く微笑まれるお姉さま。

「あ、はい」
「そう。じゃあ、渡して」

 右手を私に差し出されるお姉さま。
 おずおずとやんわり握っていた両手を開き、白い布の塊を丸まったまま渡す私。

「あら、まだあったかいのね。直子の体温が残ってる」

 おっしゃりながら布片を広げ、わざわざブラジャーの形にお戻しになられたお姉さま。
 近くをお通りになっていたお若そうなサラリーマンスーツ姿の男性がお気づきになられたようで、一瞬ギョッとされたように足をお止めになられ、それから好奇に染まったお顔で私たちのほうをシゲシゲと見つめつつ、通り過ぎていかれました。

「おーけー。じゃあ行きましょう」

 完全にブラジャーの形に戻っている白い布を、またもやわざわざ私に返してくださってから、お姉さまはクルッと踵を返し、ホームへとつづく階段を上り始めます。

「あ、お姉さまっ!ちょっと待って…」
 
 持たされたブラジャーを、取り敢えずクシャクシャに丸めて片手に握り、お姉さまに追い縋ります。
 ホームに出ても振り向きもされないお姉さまは、そのままズンズンとホームの端の方へと進まれるのでした。


肌色休暇一日目~幕開け 03


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