時間にしたらほんの10秒足らずのことだったでしょう。
上半身を前に傾け、ワンピース背中側の裾がせり上がるのを意識し、裸のお尻が布地の外へ露出していることを感じて・・・
前開きの一番下のボタンも外したので、前側の裾はもちろん思い切り左右に割れ、自分の視界には生々しい下腹部の白い肌が、女性器の割れ始めまで大胆に見えっ放しでした。
右手を伸ばして床の500円玉を拾い上げ、ゆっくりと上体を起こすまで、いえ、起こした後も、私のからだは、制御不能の被虐的快感にプルプル打ち震えていました。
そのあいだ、私の頭の中も大騒ぎでした。
私、レジカウンターに向けてノーパンのお尻をわざと見せちゃっている・・・
見知らぬ人たちに注目されていることを承知の上で、破廉恥なことをしている・・・
剥き出しマゾマンコまで丸出しで・・・
私のお尻、どんなふうに視えているのだろう・・・
本当に、正真正銘の露出狂になっちゃったんだ・・・
でも、気持ちいい・・・
考えてみれば、公共の場で自らすすんで、まったく面識の無い人たちに自分の恥ずかしい箇所を見せつけるような行為をするのは、生まれて初めてのことでした。
それまででも、同じような状況を味わったことはあります。
神社やファミレス、デパートの屋上や試着室、営業中のセレクトショップなどで、キワドイ格好になったことが何度もありました。
だけどそれらの体験では、マゾですからもちろん、そんな状況にゾクゾク感じてはいましたが、生来の臆病さからくる、やっぱり不特定多数の人には視られたくない、公衆の面前でそんな、はしたな過ぎる姿は見せたくない、という健全な羞恥心のほうが、いつも大きく勝っていました。
今回、決定的に違っていたのは自分自身の意識でした。
レジにお尻を突き出して500円玉を拾う、という動作をしているあいだ中、上に書いたように頭の中がパニックになりつつも、同時に心の中でずっと、視てください、視て呆れて、蔑んでください、私はこんな行為をして悦ぶヘンタイ女なんです、もっと良く視て、って唱えつづけていたのです。
これまで無理矢理抑えつけていた自分の欲求に正直になったことで、それまでとは違った種類の、凄まじい性的高揚を感じていました。
実際に何人くらいの方々が私のお尻を視てくださったかは、振り向かなかったのでわかりません。
でも、空調の効いた少しヒンヤリとした外気にさらされた裸のお尻に、いくつもの粘り付くような視線を感じていました。
その視線たちが、お尻や性器の穴を蹂躙するように突き刺さり、私の内面までもが犯され、陵辱されているように感じていました。
500円玉を拾う直前には、ゆっくり拾いなさい、一秒でも長くみなさまに直子のいやらしい姿を視姦していただけるように、という、お姉さまからではなく、私自身からの内なる命令の声が聞こえていました。
からだをまっすぐに直し、500円玉を手渡すためにお姉さまに顔を向けました。
お姉さまは、少し唖然としたお顔をされていましたが、私が500円玉を握った右手をゆっくり差し出すと、唇の両端をキュッと上げて、すっごく妖艶な微笑を見せてくださいました。
その笑顔で、私の恥辱は報われたような気持ちになりました。
何度も同じことを書いてしまって申し訳ないのですが、私がこんなに大胆に自分の性癖嗜好を素直に曝け出せるのは、偏にお姉さまのおかげでした。
お姉さまがご一緒してくださるからこそ、今までなら怖くて尻込みしてしまう大胆な行為が出来るのです。
お姉さまは、大きなレジ袋を左手で持ち、空いている右手で私の右手を500円玉ごと握ると踵を返し、そのまま無言でスタスタとスーパーの出口のほうへ歩き始めました。
右手を引っ張られる格好の私も、左手に大きなレジ袋を持って、よたよたと着いていきます。
足を交互に動かすたびに裾が割れ、白い素肌がチラチラ覗きました。
スーパーの自動ドアを抜け、灯りが届かない大きな木陰のところまで歩いて立ち止まりました。
お外はすっかり夜。
人影は、ビル周辺の明るいところにチラホラと見えるだけ。
「直子って、本当にからだが柔らかいのね」
暗闇で見つめ合ったお姉さまからの第一声は、そんな拍子抜けするようなものでした。
「小銭を拾うとき、完璧な立位体前屈だったじゃない。膝をまったく曲げないで、手のひらを床にべったり着けて」
「そ、そうでしたか?」
暗くて表情がよく見えないお姉さまに、そんな間の抜けたお返事しか出来ませんでした。
「さあ、あとは車に戻って、愛しの我が家へ一直線。だけどこの荷物、重いわね。ちょっと買いすぎちゃったかな」
お姉さまが持っていたレジ袋を舗道に置きました。
いったん右手を解いて500円玉をお姉さまがスーツのポケットに突っ込んでから、再びつなぎ直しました。
「そのワンピの裾、ボタン留め直さないでいわよね?駐車場まですぐだし」
「あ、えっと・・・」
「暗いし、人通りも無さそうだし、そのまま行きましょう」
「も、もしも私が、ボタンを留めさせてください、ってお願いしたら、お姉さまは許可してくださいますか?」
「うーん・・・許可しない」
お姉さまのお声に、少し笑いが混ざっています。
「それでしたら、このままでいです・・・」
「あっ、直子、そうやってあたしに責任をなすりつけようとしているでしょう?何か起きたら、あたしの命令のせいだって」
今度は、お姉さまのからかうようなイジワル声。
「いえ、そうではなくて、何て言えばいいか、私はお姉さまがお望みになること、悦ばれることを、したいだけなんです・・・」
お答えしながら、なぜだか泣き出しちゃいそうな気持ちになっていました。
「ふーん。さっきのスーパーから直子、なんだか雰囲気が変わったわね。大胆になったというか、目覚めちゃったというか・・・」
お姉さまのお言葉が少しのあいだ途切れ、私も無言でうつむいていました。
つないだ手と手が、どちらのせいなのか、ジンワリと汗ばんでいました。
「おーけー。それじゃあこのまま行きましょう。そのお買物袋を左右にひとつづつ持ちなさい。ちょっと重いけれど、直子はあたしの使用人なのだから」
私の手を離したお姉さまのお言葉に、冷たい響きが戻りました。
「わかっているとは思うけれど、両手に荷物を持ったら、ワンピの裾を押さえることは出来ないわよ?」
「はい。わかっています・・・」
「前から誰か来ても、隠すことは出来ないのよ?それでもいいのね?」
「・・・はい」
「つまり直子は、誰とすれ違うかわからない夜道を、剥き出しマゾマンコが覗いてしまう格好で歩きたいのね?」
「・・・はい」
「それは、私の命令だから?それとも直子がそうしたいから?」
「そ、それは、私がそうしたいから、です・・・」
お答えしたとき、今日何度目かの快感電流がからだをつらぬきました。
木陰を出て、暗い舗道を歩き始めました。
両手に大きなレジ袋をぶら下げた私の左隣にお姉さま。
先に立って私を隠してくださる気もないようです。
うつむいた視線の先に、始終自分の下半身の白い肌がチラチラ見え隠れしています。
こんなに無防備な、少し風でも吹いたらたちまち裸の下半身剥き出しになってしまうような服装で、夜の街を歩いている私。
荷物の重さなんて感じる暇もありませんでした。
歩き始めてすぐ、ビル側の明るい舗道を行くサラリーマン風の男性とすれ違いました。
お姉さまを挟んで、その人との距離は2メートルくらい。
私のワンピースのハタハタひるがえる裾を、明らかに凝視しながら近づいてきて、行き過ぎていきました。
暗いせいなのか、今ひとつ、視られた、という実感が湧いてこなくて、一度振り向いたときに、その人も振り返っていてドッキーン!
自分が今していることのヘンタイ性を思い知りました。
ビルの敷地外にある歩道から聞こえてくるヒールの音や話し声。
その向こうにある車道を行く車のヘッドライトが、私を横からぼんやり照らし出して走り去ります。
そんな些細なことのひとつひとつに、背徳感を感じてしまいます。
今度はOLさんらしき二人連れ。
さっきの男性より近い距離ですれ違いました。
暗い中でも、おふたりが私の下半身の異常に気がついているのがわかりました、
私は一層身を縮こませながらも、必死に何でもない風を装います。
私をチラチラ窺がいながら、ヒソヒソ耳打ちし合う、その内容が聞こえてくるようでした。
お姉さまは私の横をゆっくり歩きながら、そんな私をじーっと視ていらっしゃいました。
やっとたどりついた駐車場入口。
しかしながら、駐車場内は夜になると、照明のせいで舗道よりもずいぶん明るく感じます。
駐車場に向かう坂道に入ると弱い向かい風が吹いていました。
「やんっ!」
下り坂に一歩踏み出すと裾が風に煽られ、始終開きっ放しになってしまいました。
お尻のほうへとマントのようにひるがえるワンピースの裾。
全開剥き出し状態の私の下半身。
お姉さまは振り向いたまま、私のそれをずっと視ながら下りていかれます。
強烈な恥ずかしさに全身が包まれました。
幸か不幸か、まわりに人影はまったくありませんでした。
坂道を下りきると風は弱まり、裾が戻りました。
静まり返った駐車場を進みます。
さっきの坂道のあいだ数秒間の出来事に、胸のドキドキが収まりません。
お姉さま以外に、その姿を視てくださる人がいなかったのを、残念と感じていました。
お姉さまの車の助手席に乗り込んだとき、緊張が一気に解けました。
からだ中が今更のようにカッカと火照り、心臓が早鐘のように脈打っています。
「あまり視てくれる人がいなくて、つまらなかったのじゃない?」
ずっと無言だったお姉さまがポツンとおっしゃった一言で、私の欲望が爆ぜ迸りました。
運転席のお姉さまに飛びついて、しがみつきました。
「私をめちゃくちゃにしてください、お姉さま!ぶって、虐めて、蔑んで、どうか無茶苦茶にしてください!」
「私、このままでは気がヘンになってしまいます!どうか、見捨てないでくださいっ」
半泣き声で叫んで、やみくもにお姉さまの唇を求めました。
お姉さまは、黙ってされるがままになっていました。
唇を重ねても、お姉さまからの積極的な反応は無く、ただやんわりと私の背中に両腕を回してくれただけでした。
それでも、お姉さまの体温を感じているうちに、私の激情がゆっくりと収まっていきました。
しばらくそうして抱き合った後、どちらからともなく、ゆっくりとからだが離れました。
「もう少し辛抱していてね。あたしの部屋はもうすぐそこだから」
お姉さまがシートベルトを締めながら、何も無かったようにそうおっしゃった後、不意に左手を伸ばし、私の股間にあてがいました。
「はぅっ!」
「グッショリ濡れているのにすっごく熱くなってる」
私の耳奥に蕩けるようなため息を吹き込むお姉さま。
「安心なさい。今日の直子は、すごく可愛かったわ」
私の股間で汚れた手のひらをペロッと舐めて、おもむろにエンジンをかけました。
ブルンッ!
同時に、性懲りも無く再び燃え上がる私のからだ。
それからお姉さまのお家の玄関にたどり着くまでのことは、ほとんど憶えていません。
どこをどう走り、どこで車を停め、お姉さまがお住まいのマンションがどんな形で、どういう風にお部屋までたどりついたのか。
憶えているのは、そんなに時間がかからなかったことと、お姉さまがずっと無言だったことだけでした。
気がついたら、お姉さまのお部屋の玄関口で、きつく抱き合っていました。
お互いの唇を舌で貪り合い、右手を互いの股間に伸ばし合っていました。
私はすでに全裸で、お姉さまはスーツのまま。
お姉さまの股間は、パンストの上からでもわかるくらい濡れて、熱くなっていました。
「あうっ!お姉さまぁ、もっとぉ」
お姉さまの右手が私のマゾマンコに深く侵入して、クチュクチュ音をたています。
私も負けじとお姉さまのパンストを擦り上げます。
「あふうぅ」
お姉さまの色っぽいお声。
玄関ドア側に立っていたお姉さまにじりじりとにじり寄られ、しっかり抱き合ったままお相撲でもしているかのような形で、玄関ホールの廊下にあがりました。
運転用のローファーを穿いたままのお姉さまも、土足であがってきました。
そのまま抱き合った形でドアを開け、電気も点けず薄暗いリビングらしきお部屋まで入ってから、お姉さまが私に体重をかけてきて、私はそのフローリングの床へ仰向けに押し倒されました。
私の腰の上に騎乗位の体勢になったお姉さまが、もどかしそうに着衣を脱いでいきます。
上着を乱暴に脱ぎ捨て、ブラウスのボタンを手際良く外し、サファイア色のブラジャーも床に投げ捨てました。
仰向けになっても私の両手はお姉さまを求め、腕を伸ばしてお姉さまの股間を擦りながら、もう片方の手でスカートのフックを外そうとしていました。
お姉さまが上半身裸になると、片時もからだを離したくないふたりは、まずお姉さまの上半身が私に覆いかぶさってきてキスを再開。
そのあいだに私がお姉さまの下半身を脱がせにかかります。
両手でスカートを剥ぎ取り、つづいてパンストごとショーツをずり下ろしました。
膝くらいまで脱げた後は、お姉さまが自らの手で足首まで一気に下ろし、靴もろとも脱ぎ捨てて全裸。
すぐに両脚を絡ませ、きつくきつく抱き合いました。
フローリングを上に下になって転げまわりながら、互いを精一杯悦ばせました。
唇を貪り、乳房を揉みしだき、乳首を噛み、指を潜り込ませ、肉芽を擦り、全身を舐めまわして、指を絡ませて・・・
「あぁ、もっと、もっとぉ」
「ううっ、いいわっ、そこ、そこぉぉ」
「つよく、もっとつよくぅぅ」
「あ、イっちゃう、イっちゃいますぅぅぅぅ」
「イきそう、イキそう、そこ、そこよ、もっと、もっとぉ、イクぅぅぅぅ」
お姉さまと私の、汗とよだれといろんな体液がひとつに混じり合い、甘酸っぱい官能的な匂いに包まれます。
肌が密着しているだけで感じる至福感。
お姉さまがエロっぽく喘いでくださるたびに感じる満足感。
何度イってもイキ足りないくらいの渇望感。
お姉さまのお部屋に入って、しばらくのあいだ、ふたりはまさしくケダモノでした。
「はあ、はあ、はあ・・・」
フローリングにぐったり横たわっていたら、不意にパッと電気が点きました。
思った以上に広々とした空間が目の前に広がりました。
「はあ、はあ、こんなはずじゃなかったんだけどなあ・・・」
お声のしたほうを向くと、お姉さまが汗まみれの全裸仁王立ちで、明るい光に照らされていました。
「直子をこの部屋に迎え入れるときは、もっとこう、いろいろ恥ずかしいことをさせて、なんて計画していたのだけれど、全部パーになっちゃった」
冷たいお水の入ったグラスを差し出してくださるお姉さま。
そのとき飲んだお水の美味しさは、忘れることが出来ません。
「まあ、仕方ないわね。あたしもどうにも我慢出来なくなっちゃったのだから」
お姉さまが、まだ寝そべったままの私の傍らにしゃがみ込まれました。
目の前に濡れそぼったお姉さまのかっこいい逆三角形ヘア。
うっとり見惚れてしまう私。
「スッキリしたからよしとしましょう。それでここから、直子の全裸家政婦の本番開始ね。家事手伝い、がんばってよ?」
お尻を軽くパチンと叩かれました。
「あ、はい!」
あわてて起き上がり、床に正座の形になりました。
「とりあえずあたしは、ゆっくりシャワーを浴びてくるから、そのあいだに今の後始末と、軽く何か食べるものを用意しておいて。さっき買った冷凍のピザでいいわ」
「はい」
「シャワー浴びて一息ついたら、すぐに寝るつもりだから、直子は悪いけれどその後にシャワーしてくれる?」
「はい。もちろん大丈夫です」
「ここでもダイニングでも、戸棚や物入れは勝手に自由に開けて、中のものを自由に使っていいからね。見られて困るようなものは入っていないから」
「わかりました」
「エアコンも好きに調節して。風邪引かないようにね。それじゃあ頼んだわよ」
立ち上がったお姉さまが、リビングの端にある扉のほうへと全裸のまま歩いて行かれました。
*
*オートクチュールのはずなのに 10へ
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