2014年10月5日

就職祝いは柘榴石 04

「これは何?ああ、電動歯ブラシね。1、2、3・・・なんで6本もあるの!?」
「えっと、ほとんど私ので、あとのはシーナさまです」
「ふーん。何に使うのかは、だいたいわかるけれど、どうして6本も必要なのかしら?」
「あの、えっと、2本組み合わせて使ったり、あと、メーカーによって振動がけっこう違ったりもして・・・」

「へー、研究熱心だこと。でも今これ使ってどこか磨いたりしたら、きっと直子はすぐイッちゃうでしょうから、とりあえずパスね」
 色とりどりの電動歯ブラシを私の足元に並べるお姉さま。

「ホイッパー、ガラスのマドラー、栄養ドリンクの空き瓶。このへんは挿れて愉しむのよね?あっ、これ、懐かしい!」
 明るいお声と共にお姉さまがスーツケースから引っ張り出したのは、小さなカエルさんのおもちゃでした。
 ゴム製のけっこうリアルなカエルさんと、楕円形で手のひらサイズの空気ポンプが細くて長いチューブで繋がっていて、ポンプを押して空気を送ると、カエルさんの脚がビョーンと伸びて、ジャンプしたり泳いだりするおもちゃ。

「これもまさか、挿れちゃうの?」
 おっしゃりながら、お姉さまがポンプをプニプニ押すと、そのたびに緑色のカエルさんがピョンピョン跳ねました。
「あ、えっと、これはお友達にどこかのお土産ってもらって、可愛いからお風呂で遊んでいたとき、ふと思って、これを挿れたらどんな感じかなって、試したら・・・良くて」
 私とカエルさんを交互に見て、呆れたようなお顔をされるお姉さま。

「・・・アソコの中でモゾモゾ動いて、なんだか得体の知れない生き物に中を検査されているみたいな妄想が広がって、夢中でパフパフしちゃって・・・」
「ふーん。そんなにいいのなら、あとでやってあげるわ。これ、全部挿れてあげる」
 後日、私がおもちゃ屋さんなどを巡って買い足して全部で3匹となったカエルさんたちも、私の足元に並べられました。

「いろんな種類の筆に刷毛、メイクブラシ、ペットグッズのネコじゃらしまであるのね」
「使い捨てのゴム手袋、くっつく包帯。この大きな麻袋の中は何かしら?」
 お姉さまは、ひとつひとつ品物をスーツケースから取り出しては、私の足元に並べていきます。

「ああ、麻縄か。なんだかいい色に光って、年季が入っているわね。ちゃんとお手入れしているんだ?」
「はい・・・ミイコさまとシーナさまから教わって・・・」
「こっちの袋にはクリップ類が一杯。洗濯バサミは木製かステンレスなのね。あら、目玉クリップなんて、挟んだらかなり痛くない?」
 麻縄の束も洗濯バサミも、わざわざ袋から出して私の足元に置かれました。

 銀色のレジャーシートの上に、一見脈絡の無いさまざまな品物が、公園のフリーマーケットのお店みたく並びました。
 どれも最低一度は、私の肌や粘膜をいたぶったことのあるものたち。
 自分で集めた、自分を虐めるためのお道具をこうしてあからさまに目の前に並べられると、自分のどうしようもないヘンタイ性癖の歴史を赤裸々に突きつけられている気がして、ものすごく恥ずかしくなってきます。

「日用品系は、こんなところかしら」
 お姉さまは、スーツケースから取り出した30センチのプラスティック定規を右手で持ち、ご自分の左手のひらを軽くペチペチ叩いています。

「まだまだ面白そうなものがたくさん入っているけれど、このへんでちょっと、気分転換しましょうか」
 私の足元に並べたお道具たちをザザザっと、無造作に私の左側、お姉さまの足元のほうに押しやりました。
「充分にスペースを空けておかないと、体勢崩したとき、金属とかの上に倒れこんで怪我でもしたら危ないからね」
「・・・?」
 私は、キョトンとお姉さまを見ていました。

「直子?」
「はい?」
「四つん這いになりなさい」
「えっ!?」
「そこでまずひざまづいて、頭は鏡に向けて、お尻をカメラに向けて、四つん這いになりなさい」
「あ。えっと、はい・・・」
 お姉さまの豹変した冷たいお言葉に、背筋がソクソクッ。

 ご命令に従うには、まず回れ右をしなければいけません。
 棒枷で固定された両足をズルズル摺り足で、からだを180度回しました。
 鏡の中の自分と目が合い、私の全裸正面が映ります。
 それから、ゆっくりと両膝を曲げ始めました。

 この過程で私は、棒枷の、その残酷な威力に気がつきました。
 両足のあいだを約70センチ幅にも広げられたまま両膝を床に着いたら・・・
「ほら、さっさと床に這いつくばりなさいっ!」
 プラスティック定規でペチッと、背後のお姉さまにお尻を叩かれました。
「ひっ!あんっ!はいぃ!」
 膝を深く折るごとに、恥ずかしさが増していきます。

 和式のおトイレで用を足すときよりも数段大げさに両足を開いた状態で、その場にしゃがみ込む格好になりました。
 この段階ですでに、私の両腿の付け根部分は全開です。
 それから少し上体を前傾させ、両膝を床に着けます。
「ああんっ、いやぁんっ!」
 このあと、前屈みになってお尻を持ち上げたときの自分の格好がまざまざと脳裏に浮かび、激しい羞恥に思わず声が出てしまいました。

 四つん這い、と言っても、両手は手錠状態で背中に回されているので、上半身を両腕で支えることは出来ません。
 必然的に、上半身の支点となるのは頭。
 膝立ち姿勢から上体を前に傾けて、床に頭から飛び込んでいくのは、かなりの恐怖心を伴います。
 躊躇しているとお姉さまが、40センチ四方くらいに折りたたんだ白いバスタオルを、私の目の前に置いてくださいました。

「ほら、とりあえずここに頭を着けなさい」
 私の傍らにしゃがみ込んだお姉さまが、バスタオルを定規でツンツンつつきます。
「は、はいぃ」
 意を決した私は、その場で土下座するみたいに、バスタオルに正面から顔をうずめました。

 背中がお尻からの急降下斜面となり、背後のお姉さまに開ききったお尻を突き出す格好になります。
「顔は、モニターが見える方向に向けておきなさい。ほら、お尻はもっと高く上がるでしょ!?」
 タオルにうずめていた顔を右に向けると、左頬がタオルに沈みます。
 ふくらはぎと太腿が直角になるほど、グイッとお尻を上に突き上げました。
 両おっぱいの上部分のカーブが銀色のシートにベッタリ貼り付いて潰れ、両乳首がシートに擦れます。

「ふふ。すごい姿になったわね。直子が好きなカエルそっくり」
 お姉さまの愉しそうなお声。
 リモコンを弄っているのでしょう、右側のモニターに私のお尻がズームアップしてきました。

「いい眺めだこと。直子って、お尻の穴周辺にもまったくヘアが無いのね。ツルッツル綺麗で羨ましいわ」
 そんなに羨ましくもなさそうな、お姉さまのお芝居がかったお声。
 ドアップになった私の裸のお尻の前に、お姉さまの後頭部が邪魔するみたいに大きく映り込んでいるので、直接至近距離で、まじまじとそこを覗き込んでいらっしゃるのでしょう。

「お尻が左右に目一杯割れちゃっているから、アソコも割れて中の具まで覗けているわよ?」
 お姉さまがおしゃべりするたびに、その部分の皮膚にお姉さまの吐息がコソコソかかります。
 そのじれったい刺激と、あまりの屈辱恥辱感、それに相反するはずの恍惚感がごちゃ混ぜとなり、私の息もどんどん荒くなってしまいます。

「おツユがダラダラ垂れて、すごくいやらしい匂い。あら、お尻の穴がヒクヒク動いたけれど、直子、感じているの?こんな格好にされたのに?」
「はぁ、はぁ、はぁぃ・・・」
「こんなにみじめでみっともない格好なのに、そんな姿を視られて嬉しいんだ。何もかも丸見えで、クリットなんて、弾けて破裂しちゃいそうに膨れ上がっているわよ?」
「あぅぅっ、はぁ、はぁ、はぁぃ・・・」
「ふん!いやらしい子!」
 不意にモニターからお姉さまの後頭部が消えました。

 大きなモニター画面には、私のお尻を画面全体に捉えた白い肉塊のドアップ。
 お姉さまがおっしゃった通り、左右の尻たぶが見事に泣き別れになって、その中央に、周囲をシワシワで飾られた小さくて丸い穴と、その少し下に縦長の楕円形に広がったピンクの穴が、まるっきり無防備にさらけ出されていました。
 普通の女の子なら、絶対誰にも視られたくない、あまりにも屈辱的なアングル。

 そう考えた刹那、左の尻たぶに強い刺激が。
 パチンッ!
「あうっ!」
 お姉さまのプラスティック定規が私のお尻に振り下ろされた音でした。

「こんな格好にされたのに、悦んで愛液をダラダラ垂らすようないやらしい子には、お仕置きが必要よね?」
 パシンッ!
「あうっぅぅ、はぁぃぃ」
「だけど直子みたいなヘンタイだと、お仕置きもご褒美になっちゃうのよね?」
 パシンッ!
「うっぅぅ、はぁぃぃ」
「直子はお尻叩かれるの、大好きなんでしょ?」
 パシンッ!
「はうっぅぅ、はぁひぃぃ」
「マゾだものね?」
 パシンッ!
「はうっぅぅ、はひぃぃ」

「叩いたところがみるみる赤くなって、面白いわね、これ。もっと強いほうがいい?」
「はぁいぃ」
 バシッ!
「いたぁひぃぃっ」
「もっと強く?」
 バシンッ!
「はぁひぃぃ。もっとぅぅ」
 バシンッ!
「気持ちいいの?」
 バシンッ!
「はぁひぃぃ・・・」
「そろそろイキそう?」
 バシンッ!
「はぁひぃぃ!もっとぅ、もっとぅぅぅ!」
「じゃあやーめた」

 それきり、お姉さまの定規がお尻に降ってこなくなりました。
 また、焦らし責め。
 息をハァハァ荒くしながら、しばらくはお姉さまのイジワルさを呪っていた私でしたが、いつまでもつづく沈黙にだんだんと不安になってきました。
 
 床のタオルに左頬を押し着けた私の視界は、右側のモニターとその周辺しか見れません。
 お姉さまが私の背後や左側に居られると、そのお姿がモニターに映り込んだときしかお姿を確認出来ないのです。

「・・・お姉さま?」
 お尻への打擲が途絶えてしばらくすると、お姉さまの気配がまったくしなくなっていました。
 お姿も見えず、お声も聞こえず。
 苦労して顔を左側に向け、そちらも確認してみましたが、お姉さまのお姿はありません。
「・・・お姉さまぁ?」
 私が二度目に、大きな声でお姉さまを呼んだとき、私のお尻のほうから、微かな衣擦れの音が聞こえました。

 あ!
 きっとお姉さま、お洋服を脱いでいらっしゃるんだ!
 思い当たった途端に、不安が消し飛びました。

「直子のお尻叩いていたら、少し汗ばんじゃったから、リビングで服、脱いできたわ」
 私のお尻間近から、お久しぶりなお姉さまのお声が降ってきました。
 私は急いで、自分の顔をモニター側に向け直しました。
 でも、モニターには相変わらず、私のお尻のドアップしか映っていませんでした。

「うわー。お尻の左側だけ真っ赤っか。熱そう」
 お声と共に、モニターに再び、お姉さまの後頭部が侵入してきました。
 チラッと見えた白い肩先には、黒いブラジャーの紐らしきものが見えました。
「でも、叩かれて感じる、っていうのは本当のようね。ワレメが、以前にも増して濡れそぼって開き気味だもの」
 お姉さまの興味津々なお声が、吐息と共に私の皮膚を愛撫してきます。
「熱持って、なんだか痛々しいから、これで撫ぜてあげる」

 お声と同時に、赤くなった右の尻たぶに、こそばゆいものが当てられました。
「あふぅんっ!」
 モニターにチラッと映った感じでは、たぶんメイクブラシ。
 それも一番毛先が細くて柔らかい、私お気に入りのチークブラシのよう。

「ふぅん、んふふんっ、だめですぅぅぅ」
 熱を持ったお尻の敏感になっている皮膚をコショコショとくすぐられて、思わずお尻が大きく揺れてしまいます。
「おねだりしているみたいに腰振っちゃって、本当にスケベな子ね」
 なじるようなお姉さまのお言葉とは裏腹、ブラシの愛撫は止まらず、どんどんお尻の穴のほうに近づいてきます。
「いやんっ、くすぐったいですぅぅ」
 蜜がトロトロ、粘膜から滲み滴り落ちるのが、自分でも分かります。

「百合草女史とお会いしたとき、面白いこと、おっしゃっていたのよ」
 お姉さまは、私のお尻の穴の円周をなぞるようにブラシの毛先で撫ぜ回しながら、愉しげな口調でおっしゃいました。
「直子、女史やシーナさんに、ここはあんまり可愛がってもらえなかったんだって?」
 
 ここ、っていうお言葉と同時に撫ぜられたのは、お尻の穴。
 お姉さまのブラシが、今はもろに、私のお尻の穴を上から下から撫ぜつけていました。
「あふんっ、は、はい?」
 くすぐったさと恥ずかしさに身悶えしつつ、ご質問の意味がよくわからず、曖昧にお返事する私。

「あのふたりに、今までここにされたこと、思い出せる?」
 相変わらずピンポイントでそこをブラッシングされながら、再度のお尋ね。
「あぁん、えっと、百合草先生には、ぅふぅんっ、お浣腸と、あと、タンポンを挿れられたのは、憶えていますぅ」
「シーナさまには、そ、そう言われてみれば、ぁふうんっ、ゆ、指とか、ローター当てられたくらい、ですぅ、ううう、かな?」

「ふーん。自分では?」
「あ、えっと、自分だと、お浣腸と、指と、あと、マ、マドラーの先っちょを、ちょっ、ちょっとくらい、ですぅぅ」
「ふーん」
 お姉さまが操るブラシの毛先が、私のお尻の穴から離れました。

「おふたりがおっしゃるにはね、直子が将来、ステディなパートナーをみつけたときのために、ここだけは、そのまだ見ぬパートナーのために開発しないで、とっておいてあげよう、って決めていたのですって」
「えっ!」
「ほら、百合草女史は直子のヴァージン破っちゃったし、マゾ性を開花させちゃった張本人。シーナさんは、マゾの心得をどんどん教え込んで、直子のヘンタイ度を上げちゃったわけじゃない?」
「だけど、おふたりとも、直子を自分だけのパートナーに出来る立場ではないから。それぞれすでに本命がいるしね」

「だから、いつの日か直子にめでたく相手が出来たとき、ひとつくらい、その人の手で開発出来ることを残しておいてあげよう、って決めたんだって。それがここ」
 お姉さまのブラシが、もう一度私のお尻の穴をスルッと撫ぜました。
「あはんっ!」
「そしてあたしが、めでたく直子のパートナーとして認められたのよ、おふたりから」

「直子はもちろん、ここを弄くられるの、好きよね?」
「ぁあんっ、はいぃ」
「たとえキライって言われたって、あたしはヤル気マンマンよ?せっかくふたりが残してくれた未開発部分なのだもの」
 お姉さまが毛先を穴に強く押し付けて、やがて離れました。
「あはぁんっ!」
 微かなチクチクがもどかしい。

「あたしも、今まで誰かのここをイタズラしたのって、アユミにふざけて浣腸して紙オムツさせたくらいだったな」
「がまんしきれずに洩らしちゃったアユミの辛そうな顔を見たときは、すごくゾクゾクしたものだわ。あの情けない臭いにも、妙に興奮しちゃったし」
「それにここって、開発すればするほど、どんどん淫乱になっちゃうらしいじゃない?直子がそうなったとき、どんな顔を見せてくれるのかしら?」
 夢見るようなお姉さまの愉快そうなお声が、背中へ降りそそぎます。

「ねえ?直子はここのこと、いつも何て呼んでいるの?」
 お姉さまのブラシが、私のお尻の穴に戻りました。
「あんっ!えっと・・・お、お尻、の穴」
「他には?」
「ア、アナル・・・」
「他には?」
「ア、アヌス・・・」
「他には?」
「えっ、えっと、こ、肛門・・・」
「その呼び名の中で、どれが一番恥ずかしいと思う?」
「そ、それはやっぱり・・・えっと・・・こ、肛門がやっぱり・・・かな?」
「おーけー。それなら、こう宣言なさい」

 背後でお姉さまがカサカサ何かされる音がして、やがて一枚の紙片が私の目の前に差し出されました。
 レポート用紙大の紙に、細めの黒マジックの端整な文字で、短い文章が書かれています。
 紙片を置くときにチラッと見えたお姉さまのお姿は、上下黒の艶やかなランジェリー姿でした。

「大きな声で、ゆっくり、はっきり読むのよ?あたしたちスールのロマンティックな思い出として一生ビデオに残るのだから」
 お姉さまのお芝居がかったお声には、クスクス笑いが少し混じっていました。
「は、はいぃ!」
 
 お返事すると、カメラが更にズームアップしてきて、画面の中心が私のお尻の穴のアップになりました。
「あ!いっ、いやんっ!」
 直径10センチくらいにまで拡大された、自分のお尻の穴。
 恥ずかし過ぎて死にそうです。
「ほら、早く読むのっ!」
 パチンと平手で、高く突き上げたお尻をお姉さまにぶたれます。
「はいぃっ!」

「わ、私、も、森下直子の、のい、いやらしい、こ、この、こ、こう、もん、んっ、こ、肛門は、こ、これから一生、え、絵美お姉さま、ぁんっ、お姉さまだけの、もの、んっ、ものであることを、ち、誓いますぅぅぅぅ」
 
 自分で読んでいる文章の意味、その一字一句が私のマゾ性を激しくゆさぶり、お姉さまへの忠誠心が漲ります。
 同時に、被虐な血の昂ぶりで全身が滾り、イク寸前、息も絶え絶えにつづきを読み始めます。

「ど、どうぞ、どうぞっ、い、いつ、いつでも、ご、ご自由に、にっ こ、このこ、この肛門を、お、お使いください、くださいませぇぇぇ、ハァハァハァ・・・」
 
 まさしく私の本心が代弁された文章と、自分の肛門のドアップ画面を交互に見ながら、私の恥辱メーターは、振り切れたまましばらく戻りませんでした。


就職祝いは柘榴石 05


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