2013年5月25日

独り暮らしと私 10

「お願いです、もうがまん出来ません。イかせてくださいぃ」
 仰向けの私を見下ろしている異国美人さまに、ホイッパーをアソコに擦りつけて身悶えながら懇願しました。
「オゥ、ソウリィ。ゴホウビアゲルノ、 ワスレテタ」
 異国美人さまがゴーヤを手に取りました。
「オマエガホシイノハ、コレカ?」
「はいぃ」
「コレハ、ダイジナタベモノ。プッシーデツカッタアト、チャントタベロ」
「はいぃ」
「ホラ」
 私のお腹の上にゴーヤをポンと投げてきました。
「ハンドカフモ、トッテヤル。ビターメロントクリームデ、スキナダケシロ」

 上半身を起こし、右手の指で左手首の手錠のマジックテープを剥がします。
 バリバリバリッと派手な音をたてて、左手が自由になりました。
 右手のもはずし、すっかり緩んでしまった鎖ふんどしもはずしました。

 トレイの上に転がっているゴーヤを右手で掴みます。
 濃い緑色の無数のイボイボ突起が荒々しくつらなる葉巻型物体。
 ある意味グロテスクなそのルックス。
 全長25センチくらい。
 ラグビーボールのように真ん中が一番膨らんでいて、その部分の直径は7~8センチくらい。

 もちろん、これが丸々全部、私の中に入るとは思ってもいません。
 先っちょから入るだけ挿れてみて、そのザラザラを味わってみたいと思っただけでした。
 ダメだったとき用の代役として、皮ごとのバナナも1本用意してありました。

 いざ手に取って挿れてみようとなると、ゴツゴツした手触りやずっしりした重さ、その特異なルックスと相俟って、やっぱり尻込みしてしまいます。
 とにかく太すぎ。
 私の、裂けちゃったらどうしよう・・・
 けれども、イボイボに対する好奇心にはあがらえません。
 こんなものを挿れてみようと思う女・・・
 自分がつくづくはしたないヘンタイなのだと、今さらながら思い知ります。

「ナニシテル?ハヤクソレデオマンコシェイクシテ、オーガズムニナレ!」
 頭の中で異国美人さまのお声が聞こえ、私は決心しました。
 お尻を床についた形で両膝を左右に大きくM字に広げ、受け入れる準備。
 右手に持ったゴーヤの先を、左手の指で思い切り押し開いたピンク色の入口にそーっと近づけていきます。

「ああんっ!」
 入口の唇を揺らして、緑色の宇宙船がドッキングを開始。
「あああーーっ」
 突起がズリズリと乱暴に壁を擦りながら、ゆっくりと奥へ進んでいきます。
「いやーーんっ」
 私の蜜とクリームが入り混じった白濁色の液体が、入口からヌルヌル溢れ出てきました。
「あっ、あっ、あーんっ!」
 やだなにこれ、気持ちいい。
 無数のイボイボ突起が、荒々しく膣壁を擦り上げ、やわらかな粘膜がヒクヒク戸惑っています。
「あーーっ!」

 ゴーヤ全長の四分の一くらいが隠れたところで、私の入口はいっぱいいっぱい。
 私の中に先細りなゴーヤが5、6センチほど、入っている計算です。
 押し広げられた圧迫がちょっと痛い感じ。
 これ以上進むと、ゴーヤの直径がグングン太くなっていきます。

 その状態でとりあえず、右手に持ったゴーヤをゆっくりと前後に動かしてみます。
「あんっ、あんっ、あんっ」
 私の中でイボイボが前後に擦れ、ピンク色のヒダヒダが、この物体をもっと迎え入れようか追い出そうか、あわただしくさざめいています。
「んーーっ、ああーんっ」
 奥まった花ビラを擦られるのがすっごく気持ちいい。
 ゴーヤをいったん完全に外に出してから、再び挿入するのが一番いい感じぽいです。
 ゴーヤを持った腕のストロークが大きくなり、反復のピッチも上がりました。
「んっ、んっ、んーーっ」

 左手で持ったホイッパーをクリームまみれのおっぱいになすりつけ、左右の乳首をビンビン弾きます。
 ホイッパーのクリームを舐めては、また乳首へ。
 右腕はずっと、かなりのスピードで前後に動いています。
 出ては入りをくりかえすゴーヤの、三分の一くらいまでが隠れちゃうくらい、奥へ奥へと侵攻されていました。
 少しの痛さも快感に変換されています。
「あんっ、いやっ、だめっ、やんっ」
 背中がのけぞり、左右に激しく揺れてしまいます。
 ゴーヤが出て行くときに腰が跳ねて、イボイボがもろに、真っ赤に熟しきったクリトリスをその凸凹でザラザラッと踏みにじっていきました。
「あーーーぃーーーっ!」
 全身にゾゾゾーッと快感が走り抜けました。

 より刺激的な快楽の発見にすぐさま反応した右腕は、ストロークのフォームを水平ではなく斜め上気味、土手から擦りつけるように穴へ挿れ、裂唇上部から土手へと擦りつけるように出す、に変更しました。
 常時イボイボに蹂躙されるようになってしまった私の一番敏感な芽。
 効果はすぐにあらわれ、急速に昂ぶってきました。
「あーーっ、いいいいいいーーっ、いいいっ!!」

 ゴーヤ軍のキャタピラに踏まれ、擦られ、叩かれ、弾かれ、潰され、それでも精一杯背伸びして尖立することをやめない私のクリトリス。
 そんな勇敢だった戦いもそろそろ終焉のようです。
「あああだめーいい、いくいくいく、うううんんんぅ!!!」
 ビクンビクンと全身がのたうち、頭の中には真っ白な旗が翻っていました。

「ハァハァ・・・ああ、気持ち良かったぁ・・・」
 バスルームの床に仰向けに寝そべったまましばし休憩。
 ホイップクリームと私の体液でヌルヌルになったタイルでも、上気した全身には冷たい感触がそこそこ気持ちいい。

 寝そべったまま目だけ動かして周りを見ると、床や私のからだはもちろん、浴槽の側面にまでホイップクリームの白い飛沫が飛び散っていました。
 ずいぶん汚しちゃった。
 やっぱりバスルームにして正解だったな。
 よーし、このままお風呂掃除をしちゃおう。
 右手に握ったままのゴーヤから手を離し、上半身をゆっくりと起こします。

「あーーっ!」
 鏡に映った自分の首を見て、思わず大声が出ちゃいました。
 大切なチョーカーにまで、白いクリームがベットリついちゃってました。
 あわててはずそうとして、自分の両手もヌルヌルベチョベチョなことに気づき、そそくさと立ち上がって蛇口のところへ行き、まず両手をキレイに洗いました。
 
 はずしたチョーカーを濡れタオルに包んで丁寧にぬぐってから、もう一枚乾いたタオルで、細かい細工の隙間についたクリームを慎重に拭き取ります。
 濡れ染みが残っちゃうかなー?
 革って、濡らしちゃったら陰干しだったよね。
 早く干さなきゃ。
 チョーカーをひとまず脱衣所に避難させます。
 
 ぬるめのシャワーでからだのあちこちについたクリームをざっと洗い流し、バスタオルでからだを拭くのもそこそこ、ベッドルームのお勉強机の上に乾いたタオルを敷いてチョーカーを安置しました。
「ふーっ、これでよしっ。やれやれ・・・」

 細かい作業をあわただしくしたことでムラムラが落ち着いたのか、その後すぐ、真面目にお風呂掃除を始めました。
 ブラシで壁を磨き、スポンジで浴槽を磨き、デッキブラシで床を磨き、排水溝のゴミを取り除き・・・
 裸ですからどんなに水しぶきが跳んでもへっちゃら。
 ときどきシャワーで洗剤を流しつつ、しばらく夢中で働きました。

 だけどやがて、こんなことを考え始めてしまうのが私です。

 それにしてもさっきのゴーヤはスゴかったなー。
 あの感触は病みつきになっちゃいそう。
 今度は、もう少し細めのゴーヤを買って、もっと奥まで挿れてみたいな。
 あ、でも私、ゴーヤを使ったお料理って、チャンプルーくらいしか知らないや。
 今、お豆腐無いから作れないな。
 お掃除終わったらネットで、ゴーヤを使ったお料理、検索してみよう。

 えっちな遊びで野菜や果物を使ったら、無駄にせずに必ずお料理して食べること、っていうのは、やよい先生と交わしたお約束でした。
 食べ物を粗末にするのは良くない、っていうのは私も同じ意見なので、今までも必ずそうしていました。

 きゅうり、バナナ、茄子、ニンジン、長ネギ・・・
 あと何挿れたことあったっけ?
 ダイコンは太すぎて、ちょっと辛そうだな。
 あ、山芋がスゴイって何かで読んだっけ。
 皮剥いて挿れると、アソコが痒くなっちゃって、それがたまらないって。

 そんないやらしいことを考えながら、四つん這いで床を磨いていても、からだに発情の反応はありません。
 さすがの私のムラムラも、こうたてつづけだと疲れちゃったのかな?
 お風呂掃除が終わったら、ちょっと横になって休憩しよう。
 あともうちょっとだから、がんばろう。

 大きな鏡を濡れタオルと乾いたタオルで交互にピカピカに磨きます。
 鏡に私の全裸が等身大で映っています。
 それを見て、ふと思い当たりました。

 そっか。
 考えてみれば、バスルームに全裸でいるのは、いたって普通のこと。
 て言うか、日常生活で全裸になるもっともポピュラーな場所がバスルーム。
 だからここでは、裸でいても違和感を感じないから、さほど欲情を催さないのかもしれないな。
 浴場で欲情。
 あ、シャレになってる。

 バスルームでは、子供の頃から数え切れないほど、オナニーをしてきました。
 とくに中学、高校くらいの頃は、裸になることが当然な入浴タイムは、絶好のオナニータイムでした。
 
 バスルームでのオナニー。
 最初のうちは単純に、全裸のからだ中をまさぐるだけでしたが、やがてシャワーをアソコに当てたり、それに強弱をつけたり、浴槽の縁に跨って擦りつけたり、ブラシの柄を挿れてみたり・・・
 家族といる頃は、シャワーを全開にして派手な音をたてつつ、声を押し殺して、していました。
 独り暮らしになって声をひそめる必要はなくなったのに、その最中にシャワーを全開で流しっぱにする習慣だけ、しばらく残っていました。
 無意識のうちに身についてしまった習性って、不思議ですよね。
 バスルームでの裸を恥ずかしいと思わないのも、そんな習性のひとつかもしれません。

 バスルームで全裸はあたりまえ。
 だからそこでオナニーもあたりまえ。
 バスルーム以外、普通、裸にはならないはずの場所で、はしたなく裸になって気持ち良くなりたい・・・
 それが、実家にいた頃の私の一番の願望だったのかもしれません。

 お家に家族がいると、自分のお部屋でも、全裸になっての自慰行為は、とても勇気がいりました。
 万が一、その最中に両親が入ってきたら・・・
 だからお部屋では、たとえ真夜中でも、スカート穿いたままショーツだけずらして、とか、素肌にパジャマだけ着て、とか、思い切って全裸になっても、すぐさまお布団に潜り込めるように耳を澄ませてビクビクしながらがせいぜい。
 家族に不意に襲来されたとき、絶対言い逃れ出来る状態でコソコソ行なうのが常でした。

 たまに、私以外家族全員お出かけでお家に誰もいなくなり、いつ頃戻るかわかっているときがあればビッグチャンス到来。
 ここぞとばかりに、全裸になってお家中を、恥ずかしがりながら歩き回ったものでした。
 結局私って、ちっちゃな頃からお家で裸になりたくって仕方なかったんだな。
 我がことながら、なんだか苦笑いです。

 そこまで考えて、はたと気がつきました。
 裸でいるのが当然の場所なら、あえてそこでお洋服を着たら、どうだろう?

 私の数あるヘンタイ性癖のひとつに、びしょ濡れ願望、というのがあります。
 
 中学の頃、不意のしのつく雨に打たれ、制服のブラウスがびしょ濡れになって、くっきり透けたブラジャー姿を町の見知らぬ人たちに視られて、アソコも濡らしてしまった私。
 自然気象がもたらした突発的な野外露出行為。
 そのとき体験した恥辱的刺激の虜になった私は、その後、雨の日にわざとずぶ濡れになることを何度かしていました。

 お洋服を着たまま全身びしょ濡れになってしまった理不尽な自分の姿の、何とも形容し難いみじめさと言うか不幸さと言うか負け犬ぽさと言うか、が、私の被虐心を強烈にくすぐりました。
 生地が肌に貼りつく感触、水分を吸った衣服の重さ、ぺちゃんこになった髪の毛、そして、普段隠されている部分まで透けて晒されてしまう羞恥。
 それらすべてが私の官能を激しく疼かせるのです。

 お洋服を着たままびしょ濡れ、という事態も、普通に暮らしていればありえないこと=非日常的行為のひとつと言えるでしょう。
 そういうのが大好物な私。

 最後に雨でずぶ濡れになったのは、いつだったっけ?
 そうだ、やよい先生との思い出の日、ユマさんと私の母校の前でだった。
 あのときは、薄っぺらいレインコート着てて、それもやよい先生に脱がされて、最後は全裸だったな。
 ユマさんの指で、当時通っていた学校の裏門の前でイかされちゃったっけ・・・

 あ、違う。
 一年ちょっと前。
 やよい先生が住んでいた町にある小さな山のカクレガ。
 あのときも全裸だったな。
 あの子、元気かな・・・

 いろいろ懐かしく思い出すうちに、ぜひとももう一度、あの感覚を味わいたくなりました。
 お風呂掃除もあとはお水であちこち流すだけ。
 バスルームで、全裸でずぶ濡れになっても、それは普通のこと。
 ここは、あえてお洋服を着て、濡れるのもかまわず、いいえ、積極的にずぶ濡れになって、スケスケエロエロになっちゃおう。
 そう決めて、そそくさとトレイにスープボウルとゴーヤや鎖などを載せ、ひとまずキッチンに戻りました。


独り暮らしと私 11


2013年5月19日

独り暮らしと私 09


 ここはまだ宇宙船の中。
 一回目の人体実験が終わって、宇宙人さんからお食事をふるまわれることになりました。
 ただし、たとえお食事タイムと言えども、その最中にも私に羞恥オーガズムオーラを出させたいと考える、ご自分の健康増進に貪欲な宇宙人さん。
 そのためにセッティングされた、恥辱のランチタイム。

 キッチンに戻った私は、午前中にスーパーで買ったゴーヤを1本のままよーく水洗いしてから水を切り、トレイに載せました。
 それから、余ったホイップクリームが入ったボウルと、皮を剥いていないバナナもよく洗って1本トレイに載せてベッドルームへ移動。
 シーナさまのオモチャ箱から選りすぐって別に保管している、お気に入りグッズ袋を漁り、重め太めな鎖と手錠を一つ、同じトレイに載せました。

 そのトレイをおっぱいの下くらいに両手で持って、しずしずとバスルームへ。
 トレイに載っているものたちを見ているだけで、下半身が期待で熱を帯びてきました。

 スープボウルの脇にトレイをそのまま置いて準備完了。
 鏡に映っているエンジ色の首輪の私を、もうひとりの私が淫らな瞳で見つめています。

「ショクジダヨ、スケベマゾオンナ!」

 宇宙船内の別のお部屋。
 湿気のある少しジメジメした大理石風タイル張りのお部屋に放り込まれた私の首には、いつの間にか首輪みたいなものが巻かれていました。
 宇宙人が私の意識をコントロールするための器具かもしれません。

 お部屋には、これもいつの間にか、あの異国美人さんが一緒でした。
 私の教育係として呼び寄せられたらしい彼女も、転送されてきたのでもちろんオールヌード。
 どこかのえっち漫画家さんが精魂込めて描き上げたような、見事なボンキュッボンのプロポーション。
 ほんのり日焼けした素肌のバストと下半身にだけ、細く紐状に残るかすかな日焼け跡がすっごく卑猥です。

「ナニジロジロミテル?ホントニスケベオンナダナ」
 お尻をバチンとぶたれます。
「ああんっ!」
 さっきとうって変わって、異国美人さんの言葉遣いがずいぶんぞんざいになっています。

「オマエハスケベマゾオンナダカラ、ランチモ、ドッグスタイルデ、レイダウンシテタベル。テヲツカウ、ダメネ」
 右手の人差し指をクイッと曲げて、そばに来るように、のジェスチャー。
 恐る恐る近づきます。
 手に持った鎖をジャラジャラ言わせて、邪悪な笑みを見せつける異国美人さん。

 私は鏡の前に立ち、股縄をする要領で鎖を下半身に巻きつけ始めました。
 お腹から背中のほうへとウエストに巻きつけから、背中側で鎖が交差するお尻のスジ上あたりで結び目を作って鎖の向きを変え、垂直に垂れ下がる鎖をそのまま両腿の間を通して前へ戻し、おへそのあたりを横に通る鎖に再度くぐらせました。
 鎖の余った部分がアソコの前に垂れ下がる形。
 鉄鎖ふんどしの出来上がりです。

 それから、まず左手首に赤いエナメル手錠の片方を嵌めました。
 その左手で股間に垂れ下がっている鎖の真ん中へんを持った後、両手をお腹の前で合わせ、手錠のもう片方を右手首に嵌めました。
 左右の手錠を繋いでいるチェーンは5センチくらい。
 そのチェーンに余った鎖の端のほうをでたらめにグルグル巻きつけます。
 これで、手錠と鎖が繋がった状態になりました。

 ただ、今嵌めたエナメル手錠は、手首に巻きつけてマジックテープで留める式のものなので、その気になれば自分でバリバリッと容易にはずすことが出来ちゃう代物。
 お手軽に拘束感を味わいたいとき、よく使っているものでした。

「ユー、ビッチスレイヴ、ハンズアップ!」
 ご命令通りに両手を挙げた全裸の私の腰に、異国美人さんが手馴れた手つきで太い鎖をふんどしみたいに巻きつけました。
「オマエハドッグダカラ、チェインデツナイデ、ニゲラレナイニスル」
 余った鎖の端を持ってクイッと引っ張る彼女。
「ああんっ!」
 私のおへそからアソコを通過してお尻に至る冷たい鎖が、陰の唇をこじ開けてグイグイ食い込んできます。
「ああん、いやんっ・・・」
「ハハッ。コレハ、オマエノシタノクチノゴチソウダ。ウレシイダロ?」
 鎖をクイクイしながら、上に挙げていた私の両腕を乱暴に掴んで下ろし、瞬く間に手錠をかけられました。

「サア、タベロ。シッダウン!イータァップ!」
 背中を押されて、よろめくようにスープボウルの前にひざまずきます。
 今まで見たことも無い不思議な食べ物。
「ゼンブノコザズタベタラ、コッチノクチニモ、モットイイモノヤル。ゴホウビダ」
 私の股間を這う鎖をクイクイ引っ張りつつ、彼女の視線がトレイの上のゴーヤを捉えていました。

 スープボウルの手前、バスルームの冷たいタイルの上に正座している私。
 その向こうには、私の姿を映す大きな鏡。
 両手は手錠で拘束され、その手錠から伸びた鎖が股間へとつづいています。
 腕を胸の前くらいまで上げると、たわんでいた鎖がピンと張って、股間の唇に食い込んできます。

「いただきます」
 小さく言ってから、スープボウルに顔を近づけようと、膝立ちで上体だけ前へ傾けていきます。
 前のめりの上半身を腹筋だけでは支えきれなくなってバランスが崩れ、まず拘束された両手がスープボウルのすぐ左隣に腕から着地しました。
 四つん這いでお尻だけ高く突き上げた、いやらしい格好。
 手錠と股間との距離が今までに無く開き、その間を繋ぐ鎖が張りつめて股間に食い込み、閉じていたワレメを強引に押し開きました。
「ああーーっ!」
 閉じ気味だった両膝が知らずに大きく開き、鎖がますます深くめり込んできます。

 幸い、溢れるほどの蜜が潤滑剤となり、鎖が擦れてもたいして痛くはなかったのですが、小さな唇もこじ開けられ、粘膜に直接当たっているのがわかりました。
 それどころか、熟しきって外へ飛び出していたつぶらな果実が、ちょっと動くたびに、鎖のデコボコにズリズリ翻弄されちゃっています。
「あんっあん、だめぇーん」
 こんなんじゃ、お食事どころじゃありません。
 両手を手前に引き寄せ、鎖の張力を緩めました。
 とりあえずはまず、食べるほうが優先です。

 こんもり盛られたホイップクリームを、舌を思い切り伸ばしてペロリとすくい上げました。
 はあんっ、おいしー。
 甘くって、フワフワやわらかくて。
 やっぱりちゃんと、お腹へってたみたい。
 最初は恐々だったのですが、やがてスープボウルに顔を突っ込むように、しばらく夢中でクリームだけベロベロ舐め上げました。

 クリームを舐め、スープボウルの縁を舐め、立っているバナナの側面を舐め、自分の口の周りを舐め。
 そうしているうちになんだかどんどん、狂おしい気持ちになってきました。
 四つん這いになって、手を使わずに食べるお食事。
 何て言ったらいいのか、野性的な感情?
 性的なコーフンにも似ているような、動物的な昂ぶり。

 上目遣いで鏡を見ると、床にひれ伏した自分の顔のあちこちに白いクリームがついています。
 ほっぺ、鼻のアタマ、あご、おでこ、髪の毛にも・・・
 顔が汚れるのもおかまいなしに、口だけでものを食べる自分の姿。
 お尻だけ高く突き出して、これって後ろから見たら絶対、広がったアソコも肛門も丸見えのはず。
 そんな自分のあさましく恥ずかしい姿に、もっと辱めて欲しい、むちゃくちゃにして欲しい、っていうマゾの性分がいっそう駆り立てられます。
 同時に、感情がどんどん野生的になってきて、ウガーッって、意味も無く吼えてみたい気分。
 夢中で舐めていたらいつの間にかピチャピチャピチャ、舌がミルクに届くようになっていました。

 ミルクを舌だけで飲むのって、すっごくまどろっこしいんです。
 一度で口の中に入る量はごくわずか。
 何度も何度も舌ですくい上げなくてはなりません。
 その行為に段々イライラしてきて、わざともっと大きな音が出るように舌を鳴らして舐めつづけます。
 そしてまた、このピチャピチャというお下品な音が、凶暴な感情をさらに煽ってくるのです。

 私はただのケモノ。
 食欲も性欲も、したいときにしたいようにしたいだけ。
 もはや理性は、遠い宇宙の彼方へ完全に消え去っていました。
 気持ちの昂ぶりがはっきりと、性欲にも繋がっていました。

 ミルクをピチャピチャ舐め上げながら、拘束された両手をジリジリと前へ滑らせて鎖の張力を復活させます。
 アソコに食い込んでくる鎖をより奥へと迎え入れるように、上下左右に腰を振り始めてしまいます。
 冷ややかな鎖に粘膜とつぶらな果実を蹂躙されながら、お皿をベロベロ舐め回し、立っているバナナをあんぐりと咥え込み、そのままムシャムシャと歯を立て、ゴックンと喉を鳴らして咀嚼します。
 一つ食べたらすかさず次の獲物へ。
 バナナが全部なくなったらスープボウルに顔を突っ込み、キスするみたいに尖らせた唇でふやけたシリアルもろとも、残りのミルクをチュルチュルと音をたててすすりこみます。

 シリアルの最後の一かけらまでキレイに舐め上げて、スープボウルが洗い立てみたく真っ白のツルツルになったとき、食欲は消え失せ、私のからだは、性欲だけの塊となっていました。
 高く突き上げた腰を絶え間なく上下に動かし、お尻の割れスジに沿って張りつめている鎖をヌルヌル滑らせます。
 上半身も床を擦り、へばりついたおっぱいがタイルを磨き、尖った乳首が刺激してもらおうとタイルの境目を探していました。
「ふーんっ、ぅふーんっ」
 ああーんもう・・・早くイっちゃいたい・・・
 身悶えしながら目を閉じて、異国美人さまのごほうびを待ちわびます。

「ユー、クレイジービッチ!オオサワギシテ、ホントニドッグミタイダナ。ハズカシイオンナダ」
 うすら笑いの異国美人さまに鎖をグイグイ引っ張られ、私はそれに合わせてワンちゃんみたいに、しっぽならぬお尻を激しく振っています。
「ホラ、ゴホウビダ。コレガホシイカ?」
 目の前でプラプラ、ゴーヤを振られます。
「コノビターメロン、オマエノシェイヴドプッシーデタベロ。オンザバック!」
 異国美人さまのしなやかな素足に腰の辺りを軽く蹴られ、私は仰向けになりました。

「デモ、コレハビターダカラ、スコシスイートニシテアゲルヨ」
 異国美人さまは、いったんゴーヤをトレイに戻し、代わりにクリームの入ったボウルを手にしました。
 ボウルに残ったホイップクリームをホイッパーですくい、仰向けの私のからだにポタポタ垂らし始める彼女。
 私のおっぱいがみるみる、白く染まっていきます。
 ホイッパーごとクリームを肌になすりつけられ、ホイッパーのワイヤーが固くなった乳首をピンピン弾きます。
「ああん、やめてくださいぃ、いたいですぅー・・・」

 バスルームのタイルに仰向けになった私は、手錠の両手でボウルをつかみ、自分のからだにトロトロとホイップクリームを垂らしました。
 おっぱい、おへそ、お腹、土手・・・
 ボウルが空になったらホイッパーで、肌にクリームをでたらめになすりつけます。

 バルーン状のワイヤーが私の肌をヌルヌル滑り、その無機質な感触にからだがビクンビクン反応してしまいます。
 おっぱいの頂上をシャカシャカすると、乳首が弾力のあるワイヤーにプルプル弾かれてどんどん尖ります。
 土手のクリームをホイッパーですくい取り、鎖をずらしてホイッパーの頂上部をアソコの入口に直に押し付けます。
 私の蜜とクリームが混ざり合ってヌルヌルベトベト。
 直径5センチくらいのホイッパーがツルっとアソコに入っちゃいそう。
 もちろん、萼から飛び出たつぶらな果実はワイヤーの餌食。
 横殴りに蹂躙するとすっごく気持ちいい。
「あんっ、あんっ、あんっ!」

 手錠で両手を拘束されているので、一度に一箇所しか責められないもどかしさ。
 異国美人さまにおねだりして、そろそろフィニッシュを迎えさせてもらおう。
 私の蜜とクリームとのブレンド味がついたホイッパーをペロペロ舐めながら、目をつぶりました。


独り暮らしと私 10


2013年5月12日

独り暮らしと私 08


 最初にキッチンの水切り棚の上にバターナイフとアイストングを発見。
 ベッドルーム兼お勉強部屋の机の上で50センチ定規とルレット、アイマスクを発見。
 バスルームの鏡横の棚に電動歯ブラシ2本発見。

 刑事さんが洗面所であきらめてくれて良かった。
 電動歯ブラシは、お揃いのデザインのブルーと赤で、もし彼女がこれをみつけたら、あらぬカレシ疑惑が確定しちゃうところでした。

 今までの発見場所を見ると、どうも私は、本来それがあるべき場所、に置いてごまかそうとしているようです。
 木は森に隠せ、というやつですね。
 それならって、サンルームに行ったらやっぱり、洗濯バサミ入れのバスケットの一番上に、私がお洗濯物には絶対使わない、おびただしい数の木製洗濯バサミがこんもりと山になって溢れ出ていました。

 そう言えば洗面所から戻るときにひとりがこれを見て、
「わー、木の洗濯バサミって、珍しいよね今時」
 って言われてドキンとしたことを思い出しました。
「うん。形が可愛いな、と思って通販で思わず買っちゃった」
 って、ごまかしました。

 本来あるべき場所が無いものたち=見られたら言い訳出来ない恥ずかしいオモチャたち、は、ウォークインクロゼットに吊るされたいろんなお洋服のポケットから続々と出てきました。
 リモコンローター3つ、クリットローター、コントローラー、ほぼ円錐形バイブレーター、鎖付きの手枷足枷・・・
 麻のロープと長い鎖はまとめて、台に乗らなければ届かないクロゼットの一番上の棚に突っ込まれていました。

 でもこの隠し場所は、今考えると危なかったかもしれません。
 女子同士は、ねえクロゼット見せて、みたいな展開になることもありますから。
 それで、ちょっと着てみていい?ってなったら・・・
 もっとも、このときのお友達はアニメやマンガのお話で趣味が合って意気投合したお友達で、ファッション関係のお話はほとんどしていませんでしたから、たぶん大丈夫って思ったのでしょう。

 そして、最後までみつからなかったのが、シーナさまからいただいたばっかりのチョーカーでした。

 これまでの隠し場所パターンから言って一番可能性ありそうなクロゼット内の、全部のお洋服の全部のポケットを探ってみてもありませんでした。
 まだ捜索していなかったバルコニーも隅から隅まで探し、アクセサリー入れの中身を全部ぶちまけ、家中の戸棚や収納をすべて開けて探し、納戸の奥深くに隠してある私とシーナさまのオモチャ箱の中身もそれぞれ総点検し、トイレもバスルームも、家具と壁の隙間も全部探ったけれどみつかりませんでした。
 チョーカーが入っていた立派なケースだけは、空のまま私の机の鍵がかかる抽斗に保管されていました。

 素敵なチョーカーが失くなってしまった事はもちろんショックでしたが、何よりもプレゼントしていただいたシーナさまに申し訳ない気持ちで一杯でした。
 お気を悪くされて、私とはもう遊んでくれなくなっちゃうかもしれない・・・
 そんなふうにウジウジ考えて、あんなに旺盛だったムラムラも嘘のように萎んでしまいました。

 不幸中の幸いは、シーナさまがしばらくお忙しくて、このマンションにいらっしゃらないこと。
 このお部屋中のどこかに絶対あるはずだから、シーナさまがお戻りになるまでに絶対みつけよう。
 みつからないうちにシーナさまに聞かれたら、全部正直にお話しよう。
 そう覚悟を決めて、ヒマがあればいろいろ探していたのですが、なぜだかこの洗濯バサミのバスケットだけは、探し直していなかったのでした。
 早々と木製洗濯バサミがみつかったことで、無意識のうちに捜索範囲から除外してしまったようでした。
 
 だけど、何故チョーカーだけ、洗濯バサミバスケットの奥深くに押し込んだのだろう?
 自分の行動なのに、その理由がまったく思いつきません。
 ま、いっか。

 そんないわくつきのチョーカーがみつかって、私は心の底からホッとしていました。
 これがみつかっただけでも、がんばってお洗濯した甲斐があったというもの。
 全裸家政婦生活することを決めて良かったー。
 ホッとしたせいなのか、なんだか少しお腹が空いてきた気がしました。

 私は、ムラムラの強いときはあまり空腹を感じない性質なのですが、今日は朝からいろいろやって体力もたくさん使ったし、このへんで栄養補給をしておいたほうがいい気もします。
 時計は、すでに午後の1時を回っていました。
 4回目の洗濯機さまのお仕事が終わっていたので、そのお洗濯物を干してから軽くランチをとることにしました。

 ほぼ1ヶ月ぶりに再会出来た、シーナさまにいただいたチョーカー。
 着けた途端に私のマゾ気質が目に見える形で顕われてしまうという、おそろしいアクセサリー。
 バスケットの底から取り出そうとチョーカーに触れたらもう、一刻も早くそれを首に嵌めたいという願望にあがらうことは出来ませんでした。
 そして嵌めた途端、私のからだがムズムズ疼き始めました。

 全裸にチョーカーだけ着けて4回目のお洗濯物を干しながら、ランチタイムもマゾっぽくするべきだな、って考えていました。
 首輪を着けたらからには、やっぱりワンちゃんスタイルということになるでしょう。
 そう、SMの写真でよく見る、四つん這いになって手は使わず、お口だけで食べ物を摂取しなくてはいけない、屈辱的なお食事作法。
 これも、やってみたかったけれどまだやったことがないこと、の一つでした。

 お献立は当然ドッグフード?
 でも、私はワンちゃんを飼っていないので、そんなものお家に置いてありません。
 ていうか、あれって人間が食べても大丈夫なのかな?
 そういうビデオで女優さんがお口に入れているの観たことあるけれど。
 見た目は美味しそうにはとても見えないな。

 ふと頭の中に、猫さんがうずくまってミルクをピチャピチャ舐めている絵が浮かびました。
 そうだ、ミルクがいいかな。
 ミルクにシリアルを浸して、あと、さっき買ってきたバナナを・・・
 なんとなくイメージが湧いてきました。
 メス犬じゃなくてメス猫になっちゃうけれど。

 猫さんて、マゾっていうイメージではないな。
 やっぱりワンちゃんのほうが、ご主人様には従順だからマゾっぽい。
 どうでもいいことを考えながらお洗濯物を干し終え、すぐにキッチンに向かいました。

 大きめのスープボウルを食器棚から出しました。
 この大きさならバナナ2本でも大丈夫そう。
 それから冷蔵庫を開けてホイップクリームの素を取り出し、別のボウルにあけてミルクを注ぎました。
 何本かのワイヤーがまあるくバルーン状になっているホイッパーでシャカシャカシャカ。
 シャカシャカすると、剥き出しのおっぱいがプルプル揺れちゃいます。

 ホイップクリームが出来たので、次はバナナを剥きます。
 2本剥いてそれぞれ真ん中で半分に切り、まあるいスープボウルの四隅に断面を下にして立てて置きました。
 こうしておけば咥えて食べやすいはず。
 スープボウルにミルクを半分くらいの深さまで注ぎ、お気に入りのあんまり甘くないチョコ味のシリアルをひとつかみ、バナナに囲まれた真ん中に投入。
 仕上げに、さっき作ったホイップクリームを絞り出す用のビニールに入れて、全体に満遍なくニュルニュルニュル。
 シリアルはすっかり隠れ、バナナも先っちょがちょっと見えるくらいになっちゃいました。
 あらら、それでもまだけっこうクリーム、余っちゃった。

 スープボウルにこんもり盛られたまっ白いクリームの山。
 これをお顔で迎えにいったら、顔中クリームだらけになるでしょう。
 コメディのテレビ番組でたまに見かける、パイ投げの犠牲者、みたいな自分の絵が頭に浮かびました。
 うん、マゾっぽい。

 さて、これをどこで食べましょう?
 絶対に床を汚しちゃうことはわかっています。
 どうせこの後お掃除もする予定だし、リビングでもいいかな。
 でも、せっかくだから何の気兼ねも無く、とことんはしたなくなってみたい気もしています。
 余ってしまったクリームを見て、思いついたこともあるし・・・

 となると、後片付けが一番ラクそうな場所、床にお水が流せるバスルームということになります。
 よーし、ランチの後はバスルームを先にお掃除することにしよう。
 まだ手をつけていないお洗濯物も少しだけ残っていましたが、洗濯バサミも干すスペースも足りなそうなので、明日にすればいいや。
 そうすれば明日も、洗濯機さまと遊べるし。

 今作ったバナナ&ショコラミルクのクリーム添えマゾナオコ風をトレイに載せ、しずしずとバスルームまで運びました。
 洗い場の大理石風な冷たいタイルの上に、スープボウルを直に置きました。
 もちろん、食べている姿が壁に嵌めこまれた等身大の鏡に映って、それが自分でよく見える位置にです。
 見慣れたバスルームに食べ物を置いただけで、なんだか非日常的な空間に変わったように感じられます。
 ここで四つん這いになって、ミルクをピチャピチャ舐めるのか・・・
 そう考えると、じわじわ感じてきてしまいます。

 メニューは猫さん用ですが、あくまでメス犬マゾペットにこだわるためにも、首輪に付ける引き綱、リードが欲しいところ。
 数週間前からシーナさまが置きっ放しにしている、シーナさまのオモチャ箱。
 中身は自由に使っていいとお許しをいただいているので、チョーカーをいただいた日の夜に、確か鎖が入っていたはず、と探しました。
 2メートルくらいの鎖が入ってはいたのですが、それはけっこう本格的な重め太めの鎖で、チョーカーに繋いだら華奢なチョーカーのほうが壊れちゃいそうな感じでした。
 チョーカーに繋ぐのはあきらめましたが、私は、その鎖のえっちな別の使い道をすでに編み出していました。

 バスルームからキッチンへといったん引き返す間に、屈辱のランチタイム妄想の方針が決まりました。


独り暮らしと私 09


2013年5月11日

独り暮らしと私 07


 チョーカーをケースからおずおずとはずします。
 意外に重い。
 金具の装飾がたくさん付いているから、そのせいでしょうか?
 腕時計より幾分重たい感じ。
 ビーズとパール周辺の細工模様がすごく細かくて刻んであって、確かに高級品ぽい。

「あっ、ベルトみたく巻きつけるんじゃないんだ」
 ケースの台に隠れていて見えなかったのですが、着脱の方法はネックレスのように背中側の金属製の留め具でした。
 デザインがベルト風で長さ調節の穴まで空いていたので、てっきり首に巻きつける方式と思い込んでいました。
 留め具をはずして、肩にかかる髪を軽く払ってから、恐る恐るチョーカーを首にあてがいました。

「やってあげる」
 シーナさまが席を立ち、私の隣の席に移動してきました。
 二人並んで座る格好。
「背中を向けて」

 座ったまま上半身だけをひねって言われた通りにすると、窓の外に顔を向けることになります。
 窓の外はデパートのグルメフロア通路。
 まばらですが、お買い物やお食事を楽しむ人たちが行き来しています。
 ガラスにはうすーく、首に何かを巻かれている私の姿も映っています。
 私は、目を伏せては上目で通路をチラッと見て、をくりかえして落ち着きません。
 いまのところ私に目を留める人はいないみたいだけれど・・・
 マゾの首輪を嵌められている私の姿。
 心臓のドキドキが止まりません。

「出来た。サイズもあつらえたみたいにピッタリね。こっち向いて」
「はい・・・」
 ゆっくりとシーナさまのほうへ向き直りました。

 目が合うと、シーナさまが瞬間、息を呑んだように見えました。
 それからしばらく、ふたりして無言で見つめ合っていました。

 首輪をされる、ということを想像していたときに予想したほど、きつくも苦しくも無かったのですが、やっぱり首周りに形容し難い奇妙な圧迫感を感じていました。
 マフラーやショールを巻いたときには感じたことの無い、異物感と言うか拘束感と言うか・・・

「あ、あの・・・どう、どうですか?似合ってますか?」
 シーナさまがずっと何もおっしゃらないので、沈黙に耐え切れなくなって私のほうから聞いてしまいました。
「あ、うん。どう、って言うか・・・」
 シーナさまは、私から目をそらして宙を見るようにしてから目を閉じ、返す言葉を探しているようでした。
 なんだか少し動揺されているみたい。

「どう、って言う次元じゃないわ。あなた、似合い過ぎよっ」
 小さく吐き捨てるように言って、再び私を見つめてくるシーナさまのお顔は、なぜだか怒っているみたい。
 私を睨みつけるようにまっすぐに見ながら言葉をつづけます。
「さっき、わたしのほうに振り向いたときの、あのうっとりした顔は何?もう、マゾ丸出しじゃない」
「なんでこんなもの着けただけで、そんなにいやらしくなっちゃうの?呆れちゃう」
 決して乱暴な調子ではなく、突き放すような冷ややかな口調。
 数週間前に、このお声にたくさん虐められました。
 この口調のときのシーナさまは、完全にSになっています。

「直子、今、濡らしてるでしょ?」
 イジワルく私の顔を覗き込んできます。
「あっ、え、は、はい・・・」
 さっきチョーカーを自分で首にあてた途端にキュンときて、シーナさまにうなじをさわられている間、ジワジワ溢れ出ていました。

「やっぱりね。わたしはまだまだ直子のこと、甘く見ていたみたいね」
「さっきあなたが振り向いたとき、わたし、この後の仕事キャンセルしようかって、一瞬本気で考えたもの」
「このまま直子をどっかのホテルに連れ込んで、思いっきり虐めて虐めて虐め抜きたいって」
「それくらいすごいドマゾオーラが出てた」

 思いもよらないシーナさまのお言葉にびっくりすると同時に、それを言葉責めと捉えて疼きだすからだ。
 ああんっ、たぶん私、今もどんどん、マゾオーラを出しちゃってる。

「だから、それはもうはずしなさい」
「えっ?」

「えっ、てさあ?そんなもの着けてマゾ全開の直子を一人で街に放り出せるわけないじゃない?」
「本当はこの後、ここでパンツでも脱がせて、首輪にノーパンでさよならまたねマゾっ娘なおちゃん、なんて別れようかと思ってたけど、そんなこと出来っこないわよ、今の直子見たら」
「今、直子の頭の中、いやらしいことで一杯でしょう?」
「それしている間中、気になって気になって、妄想しつづけちゃうに決まってるわ」
「それ着けたまま、そんなマゾオーラを街中に振りまきながら帰ってごらんなさい、ここは池袋だし、家に着くまでに何人のバカな男からちょっかい出されることか」
「それで直子の身に何かあったら、わたし、ゆりさまに顔向け出来なくなっちゃうわよ」

 もう一度背中を向けて、チョーカーをはずしてもらいます。

 窓ガラス越しの視界右端に、おかあさまらしい女性に手を引かれた幼稚園児くらいのフリフリドレスを着た可愛いらしい女の子が現われました。
 私が気づいたときには、その子はもう私を見ていました。
 珍しいものを見る興味津々のまなざしで、歩きながらずっと私の喉元を凝視していました。
 私の目の前を通り過ぎたときは、バッチリ目が合ったので、私がうつむいて目をそらしました。
 左端のほうへ消え去るときも、お顔だけこっちに向けてまだ見ていました。
 視界から消え去る寸前、こちらを指差して女性に何か言ったようでした。

 シーナさまがチョーカーを元通りケースに収め、パチンと金具を留めました。
「そろそろ時間だからわたしは行くけれど、直子はもう少しここにいて気持ちを落ち着けなさい」
「えっちなことを考えちゃだめよ、いい?」
「ここを出たらトイレに行って、アソコをビデで丁寧に洗って、お化粧を念入りに直してから帰りなさい。わかった?」
「・・・はい」

「それと、そのチョーカーは、わたしかゆりさまが一緒じゃないときは、絶対着けて外出しないこと。着けていいのは当分直子の家の中でだけ。いい?これも命令だからね」
「今晩電話するから」
 そう言って立ち上がり、私の頭を軽く撫ぜるとパッと伝票を取って、スタスタ歩いて行ってしまいました。

 シーナさまに言われた通りの手順をちゃんと踏んで、デパートを後にしました。
 音の出ていない携帯音楽プレイヤーのイヤホーンを両耳に突っ込んで、うつむいて足早に繁華街の雑踏を抜けました。

 お家について、すぐにでももう一度チョーカーを着けてみたかったのですが、着けたら最後、歯止めが効かなくなってしまうのがわかっていたのでグッとがまん。
 学校の課題やお夕食を手早く済ませ、あとはもう寝るだけとなった夜の7時過ぎ、さっきの服装のままリビングの鏡の前で着けてみました。
 チョーカーの留め具を喉のところで留めて、それからグルッと後ろに回しても大丈夫なくらいの余裕が、チョーカーと首の間にありました。

 着けた途端に私から発せられるというドマゾオーラ。
 自分で見てもよくわからないけれど、鏡の中の私はなんとなく普段より従順そうに見えなくもない、かな?
 でもそれって、首輪を着けたから囚われの人っぽくなったていう、イメージからくる連想ですよね。

 いずれにせよ着けた途端に、さっきのティーラウンジのときと同じように、私のからだが疼き始めたのは事実でした。
 このリングに乳首を挟んだりラビアを挟む鎖が付けられる、って言ってたっけ・・・

 その夜私は、久しぶりに自分のからだを本格的にロープでギッチリ縛っての、緊縛自虐オナニーに長時間耽りました。

 夜の9時過ぎに携帯電話が震えて、着信を見るとシーナさまでした。
 手錠で繋がれた不自由な両手でなんとか出ました。
 出先かららしく、電話の向こうに街のざわめきが聞こえました。
 何をしてるのかと聞かれたので、正直に、チョーカーを着けて緊縛オナニーをしています、と答えました。
「わたし、今夜からしばらく、そっちに帰れそうにないのよね」
 シーナさまが電話の向こうで、本当に悔しそうにおっしゃいました。

 それから数日後。

 夏休み前最後の登校日。
 学校帰りに、ゼミで仲の良いお友達ふたりと連れ立って池袋で映画を観ました。

 観終わって、イタリアンのお店でおしゃべりしていたら成り行きで、おふたりがこれから私のお部屋に来る、ということになってしまいました。
「いいじゃなーい、ここから近いんだしー」
「うわー。なおっちの私生活って、チョー興味あるぅ。楽しみぃー」
 さあ大変。

 シーナさまからチョーカーをいただいた日以来毎晩、そのチョーカーを着けての自分虐めに精を出していました。
 昨夜も、妄想の中のシーナさまにリビングでたくさん虐められてイキ疲れたように眠り、今朝は、シャワーなどをしていたら時間が無くなって、昨夜の後片付けをちゃんと出来ずに登校してしまったのでした。

「今すっごく散らかってて恥ずかしいから、ざっと片付けるまで悪いけれどちょっと待っててね」
 4階の我が家のドアの鍵を開けながら早口でそう言って、返事も待たずに自分だけササッとドアの内側に滑り込み、ガチャンとドアを閉じてカシャンと鍵をかけました。
 さあ、急げー。

 リビングの床に転がっていたのは、ローター数個、洗濯バサミたくさん、ロープ、ルレット、チョーカー、アイストング、電動ハブラシ、長い定規、バスタオル、etc、etc・・・

 5分間くらい家中をドタバタしてから、やっと玄関の鍵をカシャンとはずすと、
「ケーサツだ!動かないで!家宅捜索します」
 まだ私がドアを開かないうちに向こうからグイッと開かれ、学生証を高くかざしたお友達がお芝居声で言って、はしゃぎながらおふたりが玄関になだれ込んできました。

「ひゅーひゅーひゅー!なおっちもスミにおけないねえ」
「なあに?ゆうべ男でも来てたの?通い夫?」
「別に隠さなくてもいいのにぃ。あたしたちの仲じゃない」
 ニヤニヤ笑いで盛大に冷やかされます。

「ううん。そんなんじゃなくて、本当にすごく散らかってたから・・・」
「まあまあまあ。わたくしに任せれば、一発で犯人の嘘を暴いてやりますよ」
「へー、ここがなおっちの部屋かー。広いねー。セレブじゃん」
「うわーテレビでけー」
 異様にテンションの高いおふたり。
 リビングのあちこちを、もの珍しそうに見て回っています。
 しまい忘れたものがないか・・・私は気が気ではありません。

「ところで奥さん、洗面所に案内していただけますか?」
 さっきから刑事さん気取りのひとりが、またお芝居声で聞いてきました。
 洗面所にお連れすると、
「ふーむ。歯ブラシはピンクのが一本だけ。おお、カミソリが!ああでもこれは女性用ですな」

 それからキッチンの食器棚の中と冷蔵庫の中とランドリールームを見られました。
「おっかしーなー。男が出入りしてれば、このうちのどっかに痕跡があるはずなのになー」
「だから、散らかってただけなんだってー」
「まあ、いいや。今日のところは、そういうことにしておきましょう」
 刑事さんがあきらめてくれたみたいです。

 その後、デパ地下で買ってきたお惣菜やスイーツをつまみながらDVDを見たりゲームをしたり、ガールズトーク花盛り。
 本当はいけないことなのですが、来る途中にコンビニで買ってきた甘いカクテルで異常に盛り上がってしまい、最後はいつの間にかリビングのソファーで各自眠りこけていました。

 翌朝早くにおふたりが帰り、私はカクテルのせいか頭が痛くて、自分のベッドで本格的に就寝。
 起きたら夕方近くになっていました。

 まだ少しズキズキする頭で昨夜の宴の残骸を片付けていたら、その宴が始まる前にも、私一人で急いでリビングのお片付けをしたことを唐突に思い出しました。
 ただ、何をどこにどう隠したのか、まったく思い出せません。
 思い出そうとすると頭がズキズキ痛みます。

 その日はそんな調子なのであきらめてゆっくり休み、翌日朝から、本格的な捜索に取りかかりました。


2013年5月5日

独り暮らしと私 06

「ハァハァ・・・ああ、気持ち良かったぁ・・・」
 ランドリールームの床に横座りになって、洗濯機にもたれたまましばし休憩。
 すっかり大人しくなった洗濯機のまっ白い外装が、火照ったからだの余韻を冷ますように、ひんやり肌を包んでくれます。

 ようやく息も落ち着いてきて、立ち上がろうと洗濯機の側面に手をついたらヌルリと滑りました。
 おっと危ない。
 よろけた体勢を立て直しながらあらためて洗濯機を見ると、アソコを押し付けていた角を中心に、その左右の側面がベットリ私の愛液まみれ。
 床には、見るからにトロリとした白濁液の水溜りまで出来ていました。
 うわー、恥ずかしー。

「すぐにお拭きしますのでお許しください、洗濯機さま」
 深々と礼をしてタオルを取りに走る私は、もうすっかり洗濯機さまの虜です。

 自分のからだも乾いたタオルでざっと拭いて、ンーッって一回大きく伸びをしたら、なんだかからだが軽やかで気分もスッキリ、労働意欲も湧いてきました。
 よーし、お洗濯をちゃっちゃと終わらせちゃおう。

 それからしばらく、真面目にお洗濯に取り組みました。
 2回目のお洗濯物を干す間に3回目を回し、3回目が終わったらすぐ4回目。

 ただ、真面目とは言っても全裸生活中の私ですから、えっちなことはチラチラ考えてしまいます。
 2回目のお洗濯物を干しながら、さっき洗濯機さまから責められていたときに浮かんだ宇宙人の妄想を思い出していたら、スーパーでの異国美人さんとの妄想とつなげられるストーリーが浮かびました。

 スーパーの女子トイレで、全裸のまま取り残され途方に暮れていた私を、突然、淡い不思議な光が包みます。
 フワッっとからだが浮く感覚がしたと思うと意識が途切れ、気がつけば宇宙船の中。
 そして、さっきの洗濯機型ロボットによる人体実験をさせられたのでした。

 宇宙人からテレパシーで教えてもらったところによると、彼らの星では、地球人を密かにさらってきて飼うのが流行していたのですが、虐待が絶えないため星の権力者から全面的に禁止されてしまい、仕方なく地球まで出張してきて、宇宙船内で楽しんでいるのだそうです。
 何故そんなことをするのかと言うと、地球人が性的に興奮してオーガズムやエクスタシーに達するときに発せられるオーラみたいなパワーが、彼ら宇宙人の健康にとても良いらしいのです。
 地球人が森林浴をするようなものだ、と言っていました。
 中でもマゾな女性の羞恥を多く含んだオーガズムを浴びるのが一番良いそうで、私はずいぶん気に入られてしまい、必ずまた近いうちにさらうから、と約束までされてしまいました。
 
 あの異国美人さんも宇宙人に気に入られちゃった一人で、今では宇宙人の手先になって、それっぽい女性を見つけると誘い込んで裸にしてから宇宙人に連絡する、というブローカーみたいなことをしているのだそう。
 ということは、異国美人さんも本性はマゾなんだ。
 全裸にするのは、服を着ていると宇宙船への転送を失敗しちゃう恐れがあるからで、虐めかたは、地球上のコンピューターネットワークから各国のアダルトビデオをハッキングしていろいろ研究している・・・

 そんなストーリーでした。

 今こうして文章にしたら、失笑しちゃうほど拙いご都合主義な設定ですが、そのときの私は、自分の考えたお話がうまくつながった、って悦に入って大満足でした。

 そうこうしているうちに3回目のお洗濯も終わり、六帖くらいあるサンルームが、竿とロープとハンガーに吊り下げられた色とりどりのお洗濯物でびっしりになってきました。
 こういうのを何て呼ぶのだっけ?・・・万国旗、じゃなくて・・・満艦飾?だったっけ?
 私が中学の頃、母と一緒に聞いたCDの中に、ランドリーゲートのなんとか、っていう曲があったな・・・あれはいい曲だったな・・・誰が歌っていたのだっけかな?

 お洗濯にまつわるとりとめのないことを考えながら、お洗濯物を干していきます。
 わりと深めな籐製バスケットの中にギッシリ詰まっていたプラスティック洗濯バサミも、残り少なくなってきました。
 バスケットに手を突っ込むと、もう底についちゃうくらい。
 あらら、足りるかな?
 そう思ってバスケットを覗き込んだら、まばらになった洗濯バサミの隙間から思いがけないものを発見しました。

「ああー!ここにあったんだー!」
 思わず大きな声を出しちゃうくらい、ずっとずっと探しつづけていたものでした。

 あれは7月の下旬。
 その日、学校が早く終わって午後3時頃には池袋に戻り、なんとなくプラプラとデパートのブランドショップをウインドウショッピングしていたら偶然、シーナさまとお逢いしたのでした。

 数週間前に初めてシーナさまと遊んで以来、その後も何度かお逢いしていました。
 ただ、シーナさまがいろいろとお忙しいため、まとまった時間が持てず、差し入れを持って私のお部屋にいらして普通にお食事とおしゃべりをするくらいのもので、えっちな遊びはあまりしていませんでした。
 おしゃべりの合間にリモコンローターで遊ばれたり、一緒にお風呂に入ったり、鞭の扱いかたを教えてもらったり、そんな程度。
 私のムラムラが大人しい時期だったこともありますが、何よりシーナさまとふたりでおしゃべりするのが楽しくて嬉しくて、充分満足していました。

「なんてステキな偶然!」
 明るいベージュのパンツスーツ姿のシーナさまが満面の笑顔で近づいてきました。
 聞けば、次のお仕事のお約束までの時間潰しでプラプラしていたそう。
 まだ1時間ちょっとは余裕があるとのことなので、上のティーラウンジでお茶することになりました。

 半端な時間帯だったのでティーラウンジはガラガラ、グルメフロアの通路に面した窓際の席に向かい合わせで座りました。
 その頃ふたりとも、同じケータイゲームにハマっていたから話題には事欠きません。
 あーだこーだと夢中でおしゃべり。
「それで、あそこで出てくる犬がさあ・・・」
 そこまで言って、シーナさまがハッとしたお顔をされました。

「いけないいけない。肝心なことを忘れちゃうところだった」
 シーナさまが意味ありげな笑顔を向けてきます。
「さっき、ステキな偶然、って言ったのは、あまりにタイミング良く直子が現われたからなのよ」
 シーナさまは、いつの間にか私を、直子、と呼び捨てにするようになっていました。
 私にはそれがなんだか、同年代のお友達同士、ぽく思えて、とても嬉しく感じていました。

「今日のわたしは、すごくいいものを持ってるの。もちろん、直子にとっていいもの、よ」
 フフフンッ、て、ちょっと得意気に笑います。
「直子、犬の首輪、欲しがってたわよね?」
 突然、話題がアダルティになりました。

 SMの定番、メス犬マゾペットの必需品とも言っていいワンちゃんの首輪。
 確かに、欲しいけれど買うのは恥ずかしい、みたいなことをシーナさまに言った覚えはあります。
 でも、平日午後のデパートの明るく健全なティーラウンジで口にするような話題ではありません。
 あわてて周りを見回してしまいましたが、相変わらずお店は閑散としていて、離れた席で中年のおじさまがひとり、ケータイを見つめているだけでした。

「え、えっと・・・」
 私が答えられずにいるのにはおかまいなく、シーナさまはご自分のバッグをガサゴソやっています。
 えっ?ここで出しちゃうつもりなの?
「ジャジャジャーン!」
 お口での効果音と共に、テーブルの上にネックレスケースみたいなビロード地の立派な箱が置かれました。
 ゴールドの金具をはずしてパッカンと開けると・・・

「見てわかるとは思うけれど、犬用の首輪じゃないわよ?ちゃんとしたブランド品の人間様用チョーカーだから」
「革もパールもいいものを使っているし、手造りで仕上げもしっかりしてる。その分お値段もそこそこするけれど」

「わあ、綺麗・・・」
 濃い赤色と言うより、むしろエンジ色と言うべき艶のあるなめし革にゴールドの金具。
 革全体にビーズとパールの細工飾りがいくつも付いていてキラキラ光っています。
 太さは、男性用の腕時計のベルトくらい?
 着けたら正面に来るであろうところに、直径3センチくらいのゴールドのリングがぶら下がっています。

「これのいいところはね、そのゴールドのリングに、チョーカーとおそろいのビーズやパールを使ったニップルチェーンやラビアチェーンをオプションで付けることか出来るの。ニップルチェーンってわかる?」
「え?えっと・・・」
 ニップルは乳首、チェーンは鎖・・・

「簡単に言えば、乳首にクリップで留めるチェーンアクセね。直子そういうの好きでしょう?欲しかったら都合してあげる。クリットチェーンなんていうのもあるわよ?」
 シーナさまのいたずらっ子な笑顔。

「まあ、チョーカーだけならアクセとして普段使いも出来るデザインだし、ゴシック系の服だとすっごく合うわね」
「そんなオプションまで作るくらいだから、メーカーはボンデージマニア向けのアクセとして作っているのは間違いないけれどもね」
「今度機会があったら、欧米でのパーティとかの画像や映像で、イブニングドレスにネックチョーカーを合わせている映画女優とかセレブのご婦人をよーく観察してごらんなさい」
「チョーカーからチェーンが垂れて、その先がドレスの中に隠れていたり、チョーカー以外胸元にアクセしていないのに背中にチェーンが見えたら、乳首かアソコにクリップ付けてるマゾッ子婦人だと思って間違いないわ」
「チェーンを短かめに調節すると、一足歩くたびに乳首が引っ張られたり、ラビアがパクパクしたり、たまらないらしいわよ?」
 シーナさまったら、この場に似つかわしくないアダルティワード、炸裂です。

「今日、撮影見本で貸し出していたのがちょうど返ってきたの」
「わたしも、貸し出したことさえすっかり忘れていたのだけれど、現物見たらパッと直子の顔が浮かんでさ」
「これは直子にあげよう、って決めてたの」
「そしたら、よりによってその日に出会っちゃうのだもの。直子、あなた超ラッキーよ」
 シーナさま、なんだか楽しそう。

「これを・・・くださるのですか?」
「そう。嬉しいでしょ?」
「でも、お高いのでしょ?」
「ああ、それは気にしないでいいの。お高いっていうのは上代、あ、お店で売るときの値段ね。わたしはサンプルとしてもらったようなものだから」
「それにこれ、意外に売れてて、もうけっこう儲けさせてもらっているし」
「そうそう、あの人も買ってくれたらしいのよ、オプションチェーン全部付きで・・・」
 シーナさまは、かなり有名な日本の若手美人女優さんの名前を挙げました。

 シーナさまのお仕事は、ご本人にちゃんと聞いたことはまだ無いのですが、これまでにしたいろいろな会話の断片を組み合わせると、輸入雑貨の仕入れと卸しを個人的にやっていらっしゃる、ということみたいです。
 その手のものにとてもお詳しいし、今日みたいに会話にもよく出てきます。
 海外へ買い付けにも頻繁に行ってらっしゃるみたい。
 だからシーナさまは、ご自分のお仕事のことを隠しているのではなく、ただ単に説明するのがめんどくさいだけなのかもしれません。
 でも、以前やよい先生にもはぐらかされた、やよい先生のお手伝い、がシーナさまのお仕事とどうつながるのか?という謎は、まだ残されたままでした。

「タダでもらうのがどうしても心苦しいって言うのなら、ここのお茶代で手を打つわ」
 シーナさまがケースごとチョーカーを私の前に滑らせました。
「さあ、早速着けてみて」
「えっ?ここでですか?」
「そうよ。ただのよくあるアクセサリーだもの、別に恥ずかしがることはないでしょう?」
「直子の今日の服なら、むしろピッタリよ。なんだか、これを着けるために選んできたような色だもの。そういうのも含めて今日の直子は超ラッキー」

 確かに私が今着ているお洋服、今日は曇り空で、そんなに暑くなかったので薄手のボートネックな半袖ニットを着ていました。
 その色は、目の前にあるチョーカーとほとんど同じようなエンジ色でした。
「で、でも・・・」
 私は再び、あたりを見回してしまいます。

 シーナさまはアクセサリーとおっしゃいますが、その形も、その色艶も、前にぶら下がるリング=リードを付けて引き回す、からしても、私にはどうしても、メス犬マゾペットの首輪、にしか思えませんでした。
 ここでこれを着けるということは、私はマゾです、と世間の皆様に宣言するのと同じ、って感じていました。
 これは、シーナさまお得意の羞恥プレイ?
 なんだかからだが火照ってきました。

「そ、それは・・・ご命令ですか?」
 上目遣いにシーナさまを見て、すがるみたいに聞きました。
「そう。命令よ。ここで着けられないのなら、あなたにこれはあげられないわ」
 数週間前のあの日みたいな冷たい口調になったシーナさまの瞳が、半分Sになりかかっていました。
「・・・わかりました」
 マゾな私は、シーナさまのご命令には絶対逆らえないのです。


独り暮らしと私 07



2013年5月3日

独り暮らしと私 05


「ハァハァ・・・ああ、気持ち良かったぁ・・・」
 浴室の壁にもたれたまましばし休憩。
 弱いシャワーの水滴が火照ったからだの余韻を鎮めるように、やさしく肌を撫ぜてくれます。

 バスタオルで丁寧にからだを拭いたら、全裸のままリビングへ。
 時計を見ると午前11時半を少し過ぎたところ。
 お腹もまだ空いていないしムラムラも少し落ち着いたので、ランチ前にハウスキーパーのお仕事を何か一つ済ませてしまおう。
 こんな晴天だし、まずはお洗濯かな。

 私にノーパンでジーンズを気づかせてくれたお洗濯物の山。
 あらためて見るとうんざりですが、ここでひるんだら先に進みません。
 よしっ、やっちゃおう!

 真夏の陽射しが燦々と差し込むサンルームの床にバスタオルを敷き、裸のお尻でペタンと座ってお洗濯物を選別し始めました。
 色もの、手洗いするもの、ネットに入れる小さいもの、かさばるもの・・・
 ずいぶん溜めちゃったなあ。
 確実に3回は回さないとだめみたい。
 下手すると4回、5回。
 よしっ、こうなったらとことん、今使っているシーツも枕カバーも全部洗っちゃおう。

 まず一回目。
 洗濯機にお洗濯物を入れてタイマーをセット。
 乾燥までやってくれる洗濯機ですが、せっかくの真夏日なのでサンルームに干して、お日様の光でゆっくり乾かすことにします。
 スタートスイッチを押すと、洗濯機の中でウィーンと音がして何かガサゴソやった後、低くヴーンと唸り始めます。
 洗濯機の側面を手のひらでそっと撫ぜてみました。

 洗濯機さんが働いている間、バスルームで手洗いが必要なものを洗ったり漂白剤に漬けたり。
 全裸で作業しているから、水しぶきが跳んでもへっちゃら。
 これはこれで効率的です。
 しゃがんでゴシゴシすると、おっぱいがぷるぷる揺れています。
 ただ、漂白剤のときは、からだにしぶきが跳ねないように、かなり慎重にやりました。
 全裸にピンクのゴム手袋だけ、という姿は、鏡で見たらなんだかシュールで、フェティッシュなエロさを感じました。

 そろそろ終わり、という頃にタイミングよく1回目のお洗濯完了のチャイムが聞こえてきました。
 洗い立てのお洗濯物をカゴに移した後、次のお洗濯物を入れてタイマーをセット。
 スタートスイッチは入れずそのままにして、今終わったお洗濯物のカゴを持ってサンルームへ移動。

 我が家のサンルームは、リビングとドア一つ隔てた隣のお部屋、マンションの建物的には玄関に対して裏手にあります。
 リビングから出られるバルコニーとお外で地つづきになっていて、陽の当たる側面は全面ガラス張り。
 バルコニー部分に出窓のように突き出た温室みたいな構造です。
 
 バルコニーの向かいが広めな駐車場なので、陽射しを遮る建物が近くには無く陽当りは最高、熱気がこもって室内がけっこう暑くなるくらいなので、普段はブラインドで日光を遮っています。
 今はエアコンのおかげで適温なのでブラインドはたたみ、ガラスの向こうの視界は全開、まぶしいくらいの明るさで、晴れ渡った街並みが見渡せます。

 サンルームの窓ガラスはすべて、いわゆるマジックミラーになっていて、お外から見ても鏡になってルーム内は覗けません。
 だから私も安心して、こんなふうに全裸でウロウロ出来るのです。
 ただ、この仕様には盲点がありました。

 夜になって、サンルームに灯りを点けると逆転して、こちら側が鏡になります。
 そのことに気づいた当初は深く考えず、窓ガラスすべてが鏡の空間というもの珍しさに楽しくなって、わざわざレオタードに着替えてバレエの練習をしたりしていました。
 ある夜、やよい先生とお電話しているとき、なにかの拍子でそのことを言ったら、
「でも、直ちゃん、室内が鏡になってたら、外からは丸見えってことだよ?」
 と言われて、頭がパニック。
 だって・・・
 そう、お察しの通り、そこでオナニーとかも、もちろんしていたのです。

 翌日早速、マンションの裏手に回り、我が家のバルコニーがお外からどう見えるのか確認しました。
 道路からだと、真下ではもちろん、遠くに行ってもバルコニーのフェンスと奥行きの関係で、サンルーム内までは見えないようでした。
 いろいろ場所を移動してみたけれど大丈夫。
 ただ、付近の4階以上のお部屋からだと・・・
 幸い駐車場が間にあるので、4、50メートル周辺にはそういった建物はないのですが、遠くには、ここより高いマンションや高層ビルが立ち並んでいました。
 まあでも、そこからもし見えたとしても、ちっちゃな人影みたいなものだろう・・・
 そう自分に言い聞かせました。

 夜のバレエレッスンを始めてから、それはまずいと気がつくまで3週間位。
 梅雨に入る前の頃だったかな。
 その間にそこでオナニーは・・・5、6回はしたでしょう。

 鏡に映った自分を見ながらの行為でしたから当然、鏡のそばで鏡に向かって、つまり窓際でお外に向いた格好で行為に励んでいました。
 アソコを自分の指で広げたまま、いやらしい顔をして鏡のすぐそばまで寄っていくこともあったでしょう。
 
 もしもそのときバルコニー内に誰かいたら・・・
 その人は、夜の闇に煌々と浮かび上がるガラス張りの見世物小屋の特等席で、世にも淫靡な自虐オナニーショーを見物することが出来たことでしょう。
 ロープや卑猥なお道具を手に、濡れそぼった性器や洗濯バサミに噛まれた乳首、蕩けきった淫乱な表情をその人に見せつけるようにしながら、痴態の限りを尽くして身悶える私の自慰姿を。

 もちろんその日を境に、サンルームでの夜の遊びは一切やめて、夜は必ずブラインドを下ろすようにしました。

 そんなサンルームに洗い立ての洗濯物を干していきます。
 こうして見ると、私の下着って淡いブルーかピンクばっかりだな・・・
 なんて思いながら、洗濯バサミも本来の使い方で正しく使って、エアコンを除湿に切り替えたらお洗濯第一弾は完了です。
 バスルーム横のランドリールームに戻った私は、新しいタオルを水に濡らして絞り、洗濯機の外装にあてがいました。
 きれいにしとかなくちゃ、ね?

 実は、昨夜リストアップした、やってみたいこと一覧、の中に、この洗濯機を使った遊びも含まれていました。
 思いついてはいたけれど、まだやったことのない遊び。
 私のおへそくらいの高さな洗濯機の前にひざまづき、その真っ白な側面を濡れたタオルで愛おしく愛撫するように拭いていると、未知なる行為への期待に胸がどんどん高鳴ってきて、その証がみるみる乳首に顕われました。
 満遍なく拭き終えてから立ち上がり、すでにセットしておいた洗濯設定を再チェック、期待を込めてスタートボタンを押しました。

 ヴーンという低い音ともに洗濯機が運転を開始します。
 その音を確認した私は、長方形な洗濯機の側面の角、やわらかく曲線を描く丸みのある角に、立ったまま自分の剥き出しな下半身をギュッと押し付けました。
 両脚を少し開いて上体だけ少し後ろに反らし、左右の内腿で洗濯機の二つの側面を挟むような格好です。

 両内腿がひんやりした無機質な感触に包まれ、その内腿が交わる私の敏感な部分が洗濯機の丸みを帯びた角に直接当たりました。
 懸命に働いている洗濯機さんが奏でる緩やかな振動が、下半身全体を震わせて私の奥に伝わってきます。
 ああ、やっぱり思っていた通り・・・気持ちいい・・・

 丸みを帯びていると言っても角は角。
 強く押し付けていると角の出っ張った部分が、私の陰の唇を左右に強引にこじ開けてきます。
 無機質な何かがソコに食い込んで押し開かれた感触がして、中のもっと敏感な唇や一番敏感な突起にも振動が直に響いてきました。
「あーーんっ、いやーんっ」
 膝をゆっくり上下して、丸みに沿って唇を滑らせながら擦り付けます。
 唇からはたっぷりなヨダレが溢れているので、ヌルヌル滑らかに動きます。
 クリトリスが押しつぶされたまま上下するのがわかります。
「あんっ、いいっ、いいーっ」

 洗濯機さまったら、焦らすように突然振動を止めてウィーウィー言ってたかと思うと、また突然震え始めたりしてなかなかのテクニシャン。
 今回は、これをやることに決めていたので洗濯時間も長く設定してあります。
 ああん、いっぱい愉しませてぇ・・・
 腰を思い切り前に突き出して角に密着させ、膝の屈伸で激しく上下しながら、いつの間にか両手で左右のおっぱいを掴み、揉みしだいていました。
「あっ、あっ、あっ、あーんっ」

 普段からバターナイフでクリトリスを虐めたり、アイストングでおっぱいを掴んだり、金属的で無機質な感触にからだを弄られるのがお気に入りの無機質フェチな私にとって、この洗濯機さまとのプレイは見事にツボにはまりました。

 下半身に密着する硬くて冷たいメタリックな感触。
 加えて、ときどき聞こえてくるウイーンという機械音やピロピロ鳴る電子音。
 目をつぶると、SFチックな妄想に放り込まれました。

 突然、謎の宇宙人に誘拐され、彼らの宇宙船内に連れ込まれた私。
 ピコピコ光るフクザツそうな装置に囲まれたお部屋の中央に、真っ白で四角い、まるで地球の洗濯機のような形のロボット。
 丸裸にされた私は、そのロボットの前に立つように言われます。
 宇宙人の姿は目に見えないけれど、テレパシーみたいなので命令してくるんです。

 ロボットに近づいた途端、見えない力で私の下半身とロボットが密着し、もうどんなにあがいても離れなくなってしまいました。
 対地球人人体実験データー収集用洗濯機型ロボットから、ねちっこく蹂躙される私のからだ。
 地球人のからだのどの部分にどんな刺激を与えたらどんな反応をするか、という、いやらしい実験の被験体に選ばれてしまったのです。

「あっ、許してっ、そんなのだめだめっ、いやーーっ」
 声に出してそう言いながらも、からだはもっともっと、って腰をグイグイ押し付けてしまいます。
 下半身への振動と自分の手でのおっぱい乳首虐めを、ロボットからの無慈悲な陵辱に脳内変換して、盛大に抵抗しながら身悶えました。
「あーんっ、そこはだめっ!そんなに捻ったらいたい、いたいーっ!」

 かなり昂ぶってきてもうすぐ、っていうときにまた、洗濯機さまが小休止に入りました。
 ああんっ、もう!
 絶妙な焦らしのタイミングに焦れったさ爆発でちょっとキレ気味、前にも増して思い切り股間を押し付け闇雲に上下させます。
 その直後。
 突然、それまでとは比べものにならない激しい振動が始まりました。

 脱水に移ったのでしょう。

「んんーーっ、んんーーーっ!」
 凄まじい快感の波が押し寄せてきました。
 激しい振動に合わせてからだ中がプルプル震えてしまいます。
「いいいいーーっ、いいいいいーーーっ・・・」
「ああーーっいやーーいやーーいやーーーんっ!!!」
 性急な振動と同じリズムで全身が激しくビクンビクンビクン!
 振動が変わってほんの数秒で、呆気なくイっちゃいました。

 それでもまだ、えっち宇宙人開発の洗濯機型ロボットは許してくれません。
 押し付けたままの股間に休む暇も与えず、より激しい振動を絶え間なく送ってきます。
「あんっ、あんっ、あんっ、あんっ・・・」
 もはや腰がズルズルと崩れ落ち、がに股の中腰、頭が洗濯機さまと同じ高さまで落ちていました。
 両手を大きく左右に広げ、洗濯機さまの側面にしがみつくように抱きつく私。
 角が二つのおっぱいを左右に分け、洗濯機のそれぞれの側面にへばりついたおっぱいも、激しい振動に包まれます。
 私のからだ全体が洗濯機さまと一緒に振動していました。

 それは、もしも傍から見ていたら、あまりに異様で滑稽な光景だったことでしょう。
 素っ裸の女が不様ながに股で、まっ白い洗濯機にしがみついているんです。
 悦びの声をあげながら切なげに目を閉じて、洗濯機の白い外装に愛おしげに頬ずりまでしているんです。
 洗濯機に犯される女・・・

 私は、本当にこのままロープか鎖で洗濯機にグルグル巻きに縛り付けて欲しいと思っていました。
 ずっとずっとこの荒々しい振動を感じていたい。
「あんっ、あんっ、あんっ、あんっ・・・」
 喘ぎ声が止まらなくなっています。

 一度イって敏感になっているからだは貪欲に、性急に昂ぶりを蓄積していきました。
「あーん、いいっ、いいっ、もっとーもっとーっ!」
 下半身は性器を擦り付けるために上下に激しく動き、上半身は乳房を擦り付けるために左右に動くという不思議なダンス。
 洗濯機さまをお相手にそんな淫靡なダンスを器用に踊りながら、私のからだはどんどん新たな高みへと登りつめていきます。

「ああーーああーーいいいいぃぃぃ・・・」
 イったと思ったら更に高く、イったと思ったら更に高く・・・
「あぁあぁあぁーーーーっ!!!」
 もうこれ以上はイけない、それくらいの快感が全身をつらぬいたと同時に、
「ピロロロロロ~~~ン!」
 軽やかな上昇和音の電子音と共に洗濯機さまが脱水を終え、お洗濯完了のお歌を高らかに歌い上げた後、停止しました。

 それはまるで、洗濯機さまが私と一緒にイったかのような、絶妙なタイミングでした。


独り暮らしと私 06