2014年12月21日

就職祝いは柘榴石 12

 気がついてから数秒間、自分がどこにいるのかわかりませんでした。
 開いた目にぼんやり映るものをよーく見ると、見慣れた我が家のリビングの天井ぽい。
 ということは、たぶんここはリビングのソファーの上。
 仰向けに寝かされ、からだにはバスタオルが掛けられていました。
 上半身を起こして辺りを見回すと、脇のソファーに、黒ビスチェボンデージ姿のお姉さまとシーナさまが並んで腰掛けていました。

「あ、おはよう。って言ってもまだ真夜中だけれど」
 お姉さまがクスクス笑いながら、たおやかな笑顔を向けてくださいます。
「すごいイキっぷりだったわね。潮まで吹いちゃって」
 シーナさまは呆れたような薄笑い。
「あ、あの、私・・・」
「気絶しちゃったのよ。あうあう喘いで潮吹いて、急にぐったりして動かなくなっちゃった」
 シーナさまが白ワインらしき飲み物をご自分の唇に運びつつ、教えてくれました。

「でも意外と早く復活したわね。10分ちょっとくらいよ、気絶していたのは」
 シーナさまのお言葉に耳を傾けつつバスタオルをはずし、ソファーに腰掛ける体勢になりました。
 
 首輪と手枷足枷はそのまま、棒枷とリードの鎖は、外されていました。
 からだも軽く洗われたみたいで、ベタベタが消えて、しっとり。
 濡れてしまった髪は、どなたかがタオルで束ねてくれたみたいです。
 縄の痕はまだバストにクッキリ残っているけれど、乳首もアソコも今はひっそり。
 お姉さまが冷えたスポーツドリンクのグラスを渡してくださり、私はそれを一気にゴクゴク飲み干しました。

「このまましばらく起きなかったら、今夜はとりあえず解散かな、ってエミリーと話していたのよ」
「どうする?今は日付が変わった夜中の12時過ぎ。わたしもエミリーも当面の予定は無いから、一晩中つきあうことも出来るけれど、直子さんの体力次第よね」
「一度解散して、明日の昼前くらいから再開っていう手もあるわ。夕方からわたしは出かけなければならないから、若干あわただしいけれど」
「直子さんに任せるわ。どうする?まだまだイキ足りない?もっと恥ずかしいことされたい?みじめな気持ちを味わいたい?徹底的に辱められたい?」

 シーナさまのお言葉責めに、しばしボーっとしていた私のムラムラが性懲りも無く息を吹き返し、ゾワゾワっと全身に広がり始めました。
 からだがムズムズするのは、被虐の血がさざめき始めたからでしょう。
「ほらエミリー、見てよ。わたしがちょっとイジワル言っただけで直子さん、肌が火照ってきて、みるみる乳首が尖っていくわよ?ホントに、どうしようもなくスケベな淫乱ドマゾなのよね、直子さんて」
 シーナさまに指をさされ、私も自分の乳首がゆっくり勃ち上がっていくさまを、じっと見つめてしまいました。

「・・・ぁ、はい。あの、私、まだ大丈夫です・・・お願いします」
 シーナさまが投げつけてくる嘲りのお言葉に、自分のヘンタイ性癖と貪欲なからだが、はしたなくて恥ずかしくてたまらないのですが、それ以上にアソコの奥から湧き出てくる欲望には抗えず、恥じ入りながら小さな声でお答えしました。

「それはつまり、もっとわたしたちに虐めて欲しいっていうこと?」
「はい・・・」
「さっきわたしたちの前であんなにあられもなく何回もイキまくったのに?」
「・・・はい・・・ごめんなさい・・・」
「どうして直子さんは、そんなにスキモノなのかしら?」
「・・・そ、それは、えっと・・・」
「その尖った乳首を見れば、直子さんの意思に反してからだが先に発情しちゃっていることは、わかるけれどね。どうせオマンコもまた、濡らしているんでしょう?」
「・・・は、はい・・・」
 さわらなくても、奥がキュンキュン疼いているので、濡れてきているのは明白でした。

「マゾだものね?正真正銘のド淫乱マゾだものね?いいわ。つきあってあげる。その代わり、絶対服従の覚悟は決めておきなさい」
「・・・はい」
 シーナさまの冷たいお声に、被虐メーターがビンビン反応しています。

「さっきの浣腸でお尻の穴もいい具合にほぐれているでしょうけれど、今度の責めはちょっとキツイかもね。きっと直子さんが初めて経験する快楽なはずだから」
 冷たい瞳なのに、心底愉快そうなシーナさま。
「それじゃあ、お仕置き部屋に移動しましょう。直子さんは、自分で棒枷とリードを取り付けて、あなたのミストレスに連れてきてもらいなさい。わたしは先に行っていろいろ準備しておくわ」
 シーナさまはそう言い残し、テーブルの上のワイングラスにもう一度ワインをなみなみと注いでから片手に持ち、それだけ持ってサンルームへと消えていきました。

「シーナさんて、本当に直子のこと気に入っているのね」
 サンルームへのドアが閉ざされた後、お姉さまがヒソヒソ声で耳打ちしてきました。
「直子が気絶していたとき、このまま終わっちゃうのがすごく名残惜しそうだったもの」
「そうだったのですか?」
「うん。明日の夕方からの予定、キャンセルしちゃおうか、とまで言っていたわよ」
 私の反応を探るみたいな、お姉さまの瞳。
 
 お姉さまの右手が私の頭に伸び、髪をまとめていたタオルを解いてくださいました。
 やさしくブラッシングしてくださるお姉さま。
 ああん、シアワセ・・・

「良い人に出会えて良かったわね、直子。そのおかげであたしも、普通では出来ないような体験させてもらっているし」
「これからでも、たまには直子のこと、貸してあげてもいい、くらいの気持ちにもなってきちゃったわ。でもたぶん、そういうのはシーナさん、断わるだろうとも思うけれど」
「お姉さま?」
 そのお言葉に、ちょっぴり不安になる私。

「そのくらい彼女が魅力的な人だな、って思ったっていうことよ。もちろんあたしだって、直子を手放す気はまったくないわよ?一緒にいてこんなに面白いヘンタイっ子なんて、そうざらにはいないもの」
 イタズラっぽく笑うお姉さまに、私も安堵のホッ。
「さあ、行くわよ直子。四つん這いになりなさい」
「はいっ、お姉さま」
 お姉さまに促され、棒枷を取り付けるために身を屈めました。

 棒枷は明らかに、さっきより長くなっていました。
 お浣腸のときまでは、左右の足のあいだの幅が70センチくらいだったのに、今は少なくとも、もう20センチ以上は広げられています。
「さっきシーナさんが、バーの伸縮ねじを弄っていたわね」
 お姉さまも気づかれたようで、バーに視線を落とされながら、そう教えてくださいました。

 これだけ両足を広げられたまま四つん這いになったら、お尻の割れスジも、もちろんアソコもさっき以上に全開となっちゃうことでしょう。
 その姿になった自分を想像して羞恥にわななきつつ、首輪にリードの留め金を嵌め、持ち手をお姉さまに手渡しました。
 そして、自らゆっくり、床に這いつくばりました。

 両足の泣き別れプラス20センチの威力は、思った以上に凄く、両膝もより開いているので、交互に膝を浮かせて進むという形になりません。
 腰のほうが沈んでしまうので、両腕の力だけで前進して、両膝はずっと床を擦る感じで移動することになりました。
 アソコもお尻もさっき以上に割れていて、粘膜が空気に容赦なく晒されているのがはっきりわかります。

「んふんんぅーんっ」
 あまりの自分の無様さに、いたたまれない羞恥の喘ぎが堪えきれずに洩れてしまいます。
 お姉さまにリードを引かれ、尖った乳首をユラユラさせて這うように従う自分の姿がガラスや鏡に映るのを見て、全身の細胞のひとつひとつまでがマゾ色に染まり、自分の意志とは反して盛大に悦んでいるのが、自分でわかりました。

「おっけー。直子さんはそこに、足の裏を鏡に向けて仰向けに寝てちょうだい」
 お仕置き部屋、ベランダに向いたマジックミラー側が一面鏡と化しているサンルーム、に入るとすぐに、シーナさまのご指示がありました。
 お浣腸の前、お姉さまとふたりで私のオモチャ箱の自虐お道具をひとつひとつ試していたときの私の定位置あたりがざっと片付けられ、大きなバスタオルが一枚敷かれています。
 つまり、その上に横になれということなのでしょう。
 四つん這いのままその場所まで近づきました。

「今回は、直子さんにも自分の目で、何をされているのか全部目撃してもらおうと思っているのね。なんてったって今夜のメインイベントなのだから」
「もちろん録画もするしモニターにも映すけれど、自分で肉眼で観察したほうが絶対、何十倍も恥ずかしさが増すと思うから」
 お言いつけ通り、鏡に両足の裏を向けて仰向け大の字に寝そべった私を見下ろして、シーナさまが冷たそうな笑みを浮かべました。
 そのお顔がどんどん近づいてきて、私の傍らにしゃがみ込みます。

「だから、ちょっと窮屈かもしれないけれど、屈辱的な体位になってもらうわよ。まず上半身を起こしてくれる?」
「は、はい・・・」
 お腹に力を入れて、腹筋の要領で上半身を起こしました。
 真正面の鏡の一番下に、私の大きく開いた両腿のあいだがぼんやりと映っています。

「そのままからだの力を抜いていてね」
 おっしゃりながらシーナさまは私の足のほうへ行き、足枷に繋がれている棒枷のバーが踵側にあったのを左右とも、足の甲側に移動させました。
 それから私の左腕を取りました。

「両膝を立ててくれると、やりやすいのだけれど」
「あ、はい」
 深く考えずご命令通りに、と膝を折り始めると、すぐに気づきました。
 こんな大開脚で両膝を立てたら、それはすなわち大開脚M字ポーズ。
 正面の鏡に、今度はクッキリと、私の恥ずかしい部位があからさまに映し出されました。
「あ、いやんっ」
 目を反らしても、濡れそぼったソコが室内灯にキラキラ反射していた画像が脳裏から離れません。

 そんな私におかまいなく、シーナさまは私の左腕を引っ張り、左手首の革手枷のナスカンを棒枷左端のリングに繋いでしまいました。
「あっ」
 同じように右手首は棒枷右端へ。

 左右の手足首をそれぞれひとつに括られたのと同じ状態となった今の私は、棒枷で強制的に開かれているその間隔のお下品さとも相俟って、さしずめ、世界一だらしない体育座り、みたいな格好になっていました。

「あら直子さん、両膝に力入れて内股にしちゃって、オマンコ全開を阻止しようなんて、らしくないわね?力抜いたほうがラクよ?」
 シーナさまのからかうお声が降ってきますが、やっぱり内股はやめられません。
 だって、鏡に映る自分の姿が、あまりに破廉恥過ぎるのですもの。

「でもね、直子さんの努力は無駄なの。あともうひと行程加えたら、直子さんはただのお肉の塊になっちゃうの。流行の言葉で言えば、そうね、ニクベンキっていうやつ?あ、でも直子さんは男性用ではないから、女性限定ニクガングかな」
 愉快そうなシーナさまに私はドキドキの頂点。
「このリード、外させてもらうわね?」
 お姉さまに向けたシーナさまのお声。
 私の首輪から鎖が外れました。

 外されたリードの代わりに、もっと極端に短い、たぶん20センチ、いえ15センチにも満たない鎖が、赤い首輪の正面にぶら下げられました。
「ちょっと失礼」
 両手足首泣き別れで括られた棒枷のバーが、私の顔のほうに引っ張られました。
 両足が宙に浮き、起こしていた上半身が倒れ、背中がバスタオルに着きました。
 大開脚のお尻が突き出すように浮き上がり、鏡の高い位置に私の秘部が映っています。
 同時に、今度は肩寄りの背中が押されて浮き上がり、首輪の鎖を引っ張られて顔が棒枷のほうへ近づきました。
 えっ!?何?何?
 気がつくと、首輪からの短い鎖が棒枷中央にあるリングにカチンと繋がれていました。

 えーーーっ!?
 何この格好!
「直子さんてからだ柔らかいから、本当ラクね。どんな格好にもさせられる」
 シーナさまののんきそうなお声が聞こえてきますが、私は、それどころではありません。

 私の今の格好は、開脚前転の回転途中で固まった感じ。
 棒枷と首輪が10数センチくらいで繋がっているので、からだ全体を丸めたまま、お尻を高く突き上げている姿勢です。
 確かにこの格好だと、両膝に力を込めたところで大きく開いた両腿の付け根には何の影響も無く、ほぼ全開のままとなってしまいます。
 
 すぐ目の前に自分の下腹部があります。
 自分のアソコが至近距離の視界内で、パックリ大きくお口を空けています。
 もう少しでお尻の穴まで見えそう。
 視線を少し上に上げれば、大きく開いた両脚のあいだから覗く自分の情けない顔が、鏡に映っているのが見えます。
 お下品なのを承知でわかりやすく言うなら、大開脚まんぐり返し、の状態で拘束されてしまったのです。

「すっごく直子さんらしい格好になったわ。ヘンタイ見せたがりマゾそのもの、って感じ。まさに、お似合い、って言葉がピッタリ」
「どう?これなら自分でお尻にどんなイタズラをされているか、鏡見ないでもわかるでしょう?」
「あぁうぅぅ」
 シーナさまの得意そうなお声をニクタラシクも思えないほど、私はショックにうちひしがれていました。
 鏡に映った自分の姿が、あまりにもみじめで卑猥過ぎるのです。

 普通の女性なら、視られたら一番か二番めに恥ずかしいと思うであろう箇所を両方とも開けっぴろげにして、転がされている肉の塊。
 その格好で放置されているだけでも、全身が羞恥で染まってしまいそうな、女性、いえ人間以前の妙にいやらしい物体。
 そして、恥ずかし過ぎるその部分にどんなイタズラをされても、まったく抵抗出来ない無力感。
 おまけに、そのイタズラをすべて自分の肉眼で、目撃だけは出来ると言う屈辱感。
 この姿は、確かにシーナさまのおっしゃるとおり、肉のオモチャ、つまりニクガングそのものだと思い知りました。

 ただ、一方では、まったく別なことも考えていました。
 それは、こんなに完全に恥辱的かつ絶望的な拘束姿には、独り遊びでは絶対になれないな、ということ。
 独り遊びでも、なるだけならなれるかもしれませんが、拘束を外すことはひとりでは絶対に出来ないでしょう。
 シーナさまがいて、お姉さまがいらっしゃるからこそ、安心してこんな格好になれるんだ、って気づいたのです。
 その意味であらためて、お姉さまとスールになれて、おつきあいが始まって本当に良かったな、と考えていたことは、事実でした。
 
 不自由な視界にお姉さまの姿を探しました。
 お姉さまは私の右脇で、私のまんぐり拘束姿をまじまじと見下ろしていらっしゃいました。
 視線が私のお尻から顔へと何度も往復していました。
 その瞳は好奇心で爛々と輝き、お顔は興奮で紅潮され、さらに艶っぽさを増してすっごくお綺麗でした。

 互いの視線が重なったとき、お姉さまがニッと微笑み、視ているこっちが恥ずかしくなるほどいやらしいけれど、でもカワイイわよ、って小声でささやくように、おっしゃってくださいました。
 それを聞いた私は、一生この姿でもいい、って思うほど、嬉しさと恥ずかしさでキュンキュン高まっていきました。


就職祝いは柘榴石 13

2014年12月7日

就職祝いは柘榴石 11


「良かったわね、直子さん。こんなにあなたのことを想ってくれるお相手に巡り逢えて」
 気を取り直すように笑顔を作ったシーナさまが、私にそう投げかけてから、お姉さまに向き直りました。
「もちろん、いつだって相談に乗るわよ。わたしだって、直子さんの行く末はとても気になるもの。この子の躾、大変でしょうけれどがんばってね」
 しみじみ口調に戻ったシーナさまに、おだやかにうなずき返すお姉さま。

 そのやりとりを聞いていた私は、シーナさまがおっしゃった、躾、という単語のエスエムぽさに、ズキュンと感じてしまいました。
 
 そう言えば今の私ってなんだか、新しい飼い主に貰われていく出来の悪いワンちゃんみたい。
 最初はやよい先生に躾けられ、その後しばらくシーナさまに躾けられ、これからは愛するお姉さまだけに従うメス犬マゾペットな私
 シーナさまとのおつきあいでは、私生活は自由だったけれど、これからは自慰行為までもお姉さまに管理される、お姉さまだけの所有物。
 私のおっぱいも乳首も性器も肛門も全部、お姉さまに躾され、お姉さまだけが自由に出来る・・・
 躾、という一言から次々に湧き出てくる被虐性一色の甘酸っぱい想いが、下半身の奥で粘質な雫に姿を変え、棒枷で押し開かれた粘膜から溢れ出し、縁から垂れ下がったのが自分で分かりました。

「さあ、わたしは助手に徹するから、さっきみたいにエミリーの手で直子さんにご馳走してあげて。そのぬるま湯を、たっぷりと」
 シーナさまが私のお尻側に移動しました。
「やだ、この子ったら、また愛液垂らしているわよ?よっぽど待ちきれないのかしら」
 シーナさまの蔑んだお声。
 お姉さまのおみ足も視界から消えました。

「シリンジ持っていてあげるから、可愛いプティスールのアヌスをほぐしてあげるといいわ。それと直子さん、顔を逆側に向けてごらんなさい」
 シーナさまのお言葉で、床のタイルにへばり付くように右向きにしていた顔を、腕を少し浮かせて左向きに変えました。

 壁の鏡に私の姿が映っていました。
 高く突き上げたお尻から、急な下りスロープの肩先あたりまで。
 私のお尻を覗き込むように中腰になっているおふたりの姿も見えました。
 なんてみじめで浅ましい姿。
 思った途端にアソコの奥がヒクッて・・・

「あらあら、肛門すぼめたりして。ひょっとして催促しているの?直子って、本当にはしたないのね」
 え?今、お尻の穴まで動いちゃったんだ。
「ち、ちがいますぅぅ」
 消え入りそうな声でお姉さまに抗議しますが、言葉とは裏腹にからだ中が期待でカッカと火照り、グングンいやらしい気持ちが昂ぶっています。
 すっごく恥ずかしくて目をギュッと閉じてしまいたいのに、鏡の中の自分から目をそらすことが出来ません。

 鏡の中で、薄でのゴム手袋を嵌めたお姉さまの白い指が、私のお尻に近づいてきます。
「あふぅ!」
 まずは、アソコの粘膜に溢れているおツユを指先でからめ取ったのでしょう、ラビアを撫ぜられて吐息が洩れました。
 ラビアへのじれったい愛撫の後、複数の指がお尻の穴周辺を撫ぜ始めました。
 ときに優しく、ときに乱暴に。
 穴を前後左右にたわませるように、広げてはすぼめ、すぼめては広げ。
「あふうぅん、あふうぅぅ、んんんぅぅぅ」
 マッサージのリズムと同じテンポで、盛大に喘いでしまいます。

「なんだかさっき浣腸したときより、ここ周辺の皮膚が柔らかくなっているみたいですね」
 お姉さまの感想。
「喘ぎ声だって俄然艶っぽくなっているもの。やっぱり直子さんて、ここを弄られるの、相当好きみたいね。いいなあエミリー、開発出来て」
 羨ましそうなシーナさまのお声。

「くぅぅぅっ!」
 いきなり穴に何か差し込まれた感覚。
 どうやら指のよう。
 全身がゾクッと震え、怯えにも似た感情と共に、得体の知れない超気持ちいい快感が、からだを駆け抜けました。

「さっきは指先しか入らなかったのに、第二関節まで一気にズブッと入っちゃった」
 お姉さまの驚いたようなお声。
「すごい適応能力だこと。これは、メインイベントがすごく愉しみ」
 シーナさまのお声も弾んでいます。
「すごい。肛門があたしの指をギュウギュウ締め付けてきてますよ」
「オマンコからもダラダラおツユが垂れているわね。直子さんがすっごく感じている証拠よ」
「くぅっ、ふふぅぅぅん、んんんんぅぅぅっ・・・」
 おふたりの、私にとっては恥ずかし過ぎる会話を耳にしながら、お尻に指を挿れられているあいだ中、恥ずかしい愉悦の声をあげっぱなしでした。

 指が抜かれた名残惜しさを感じる暇も無く、入れ代わりに指よりも冷たい何かがお尻の穴にあてがわれました。
 もちろん、ガラスお浣腸器の、あの魅力的で淫靡な注入口。
「さあ、本番行くわよ?直子は鏡でしっかり、自分が浣腸される姿を見ていなさい」
 
 お姉さまのご命令口調は、シーナさまにとてもよく似ています。
 他人に命令することに慣れた人たちだけが出来る、冷酷で口答えを絶対許さない、加虐性に満ちたエスなお声。
 私のマゾ性がひれ伏して悦んでいます。

 指よりも細いお浣腸器の注入口は、難なく私の肛門に埋まり、冷たいガラスの筒がお尻のワレメ付近のお肉に押し付けられました。
 間髪を入れず、お腹の中に液体が流れ込んで来るのがわかります。
「はあああぅぅーん!」
 やだ、何これ、お浣腸薬のときとはぜんぜん違う!
 ピストンで押し出されるぬるま湯の勢いは激しく、まさに、鉄砲水、という感じで流れ込み、お腹の中に溜まっていきます。

「50ミリって、けっこうすぐですね?」
「そうね。さっきの浣腸薬で40ミリだから、量的にはほとんど変わらないから。でもグリセリンが無い分、お腹にはやさしいの」
「そっか、あの果実の容器で40なのか。それならまだまだ入りそうですよね?」
 おふたりが怖い会話をしつつ、再びお浣腸器をいそいそとぬるま湯で満たしています。
 私のお腹は、今のところ何の変化もなし。

 私のお尻側に戻られたお姉さまは、何の前置きも無く無造作に、お浣腸器を私の肛門に再び突き挿しました。
「あうっ!」
 水流が勢い良く、私のお腹に流れ込みます。
「くうぅぅっ!」
「これで100か。どう?直子?」
「あぁぅ、ぃ、今のところ、だ、だいじょうぶ、みたいですぅ・・・」
 喘ぎ声をあげつつ、なんとかそう告げましたが、内心では出すときのことが気になって気になって、生きた心地がしません。

「シーナさんは、どう思われます?」
「その口ぶりだと、エミリーはもっと入れたいみたいね。大丈夫よ、あと100くらい、いけるはず」
 シーナさまのお声は、まるで何か実験の指示をされる先生みたいに冷静でした。
「それにたくさん入っていたほうが、出るときの迫力が違うわよ」
 愉しそうに申し添えるシーナさま。
「そ、そんな・・・」
 絶望的な気持ちでつぶやいた私の声なんて聞こえなかったみたいに、お姉さまがツカツカとぬるま湯の入ったボウルに、もう一度歩み寄りました。

 結局その後2回、お浣腸器をお尻に突き立てられ、私のお腹には合計200ミリリットルのぬるま湯が注入されました。
「直子って、水が入っていくたびに、はぁーんっ、て、とてもエロっぽく啼くのね。可愛いわよ」
 お姉さまにからかわれました。
 4回目のときに、少しお腹が痛くなってきて、お姉さまにそう告げたのですが、がまんなさい、の一言だけ。
 4回目のお浣腸器が抜かれてから束の間、静寂が訪れました。

「こうして黙って待っていてもつまらないから、リミットが来るまで、直子さんを悦ばせてあげない?」
 静寂を破ったのは、少しのあいだバスルームを離れ、戻ってこられたシーナさまでした。
「エミリーにはこれね」
 鏡の中で、シーナさまがお姉さまに乗馬鞭を手渡したのが見えました。
「それと、わたしも協力するために、わたしが直子さんのからだに触れることを許してくださる?」
「それはもちろんです。今夜はシーナさんからレクチャーを受けるためにお呼びしたのですもの、お好きなように、どうぞ、うちの直子を存分に可愛がってやってください」
 お姉さまが鞭をヒュンと鳴らしました。

「ありがと。それではお言葉に甘えて」
 シーナさまが私の顔のほうに近づいてきて、しゃがみ込みました。
「直子さん、もうそんなふうに這いつくばっていなくていいのよ?あとは直子さんのお尻の穴から何かが飛び出すのを、あなたの愛するお姉さまとふたりで見物するだけだもの」
 イジワル全開なシーナさま。

「両腕伸ばして、普通の四つん這いになってくれる?」
 そう促され、両手を床に着き、上半身を上げました。
 お腹の中でお水がお尻側に動いた気がしました。

「ほら、これ」
「直子さん、これが大好きだったわよね。がまんしているご褒美に、まず、これをあげるわね」
 シーナさまが指でつまんでいたのは、木製の洗濯バサミでした。
 その手がゆっくりと、四つん這いの私の垂れ下がった乳首に伸びてきます。
「はうっ!」
 シーナさまの指が、私の左乳首に触れました。
「うわーコリッコリ。ずいぶんと硬くなったものねえ。血が集まり過ぎちゃったかしら」

 絞り込むように縛られたままの乳房の先端は、バスルームに入ってからずっとつづけられている怒涛の恥辱責めにより、休む暇なく尖りつづけていました。
 今、そこを強く挟まれたら、それだけでイってしまうかも・・・
 来たるべき快感に身構えていると、乳首に激痛が走りました。

「あーーーぅぅぅっ!」
 左の乳首の激痛が鈍痛に変わり、痺れるような快感が全身を駆け巡ります。
 つづいて右の乳首からも全身へ。
「いいいぃぃぃーーーーーーっ!」
 アソコの奥がジンと疼き、全身がビクッと硬直した後、弛緩しました。
 弛緩した瞬間にお腹がグルグルと大騒ぎ、腹痛が激しくなりました。
 あわてて下半身に意識を集中し、お尻の穴を精一杯すぼめます。

「あら?今、お腹がゴロゴロ鳴ったわね。そろそろなのかしら?」
 シーナさまのお言葉が終わらないうちに、お尻のほうでヒュンと音がしました。
 パシンッ!
「あっうっ!」
 お姉さまの乗馬鞭。

「まだまだがまんしなくちゃだめよ、直子。浣腸してから5分も経ってないのよ?」
 お尻の穴からアソコまでの狭い範囲を鞭のベロでスリスリ撫ぜられて、私はクネクネ身悶えます。
「はいぃ」
「それと、出すときはちゃんと事前に断ってね。あたしが直子の後ろにいて、不意打ちで直子のものを浴びるなんて、絶対に嫌だからね」
 ヒュン!
 パシッ!
「いたいっ!わ、わかりましたぁぁぁ・・・」

 お姉さまには乗馬鞭でお尻をビシバシぶたれ、シーナさまには四つん這いのお腹を下から両手でグイグイ押され、の責め苦がつづくうちに、私の排泄欲がみるみる切迫してきました。
 両乳首を噛む洗濯バサミの痛みも、お姉さまの鞭がくれるお尻のヒリヒリも霞んでしまうほどお腹が痛くなり、一刻も早くお外に開放してあげたくてたまりません。

「はぁ、はぁ、ぁ、あのぅ、そろそろ、はぁ、はぁ、そろそろ、限界、み、みたいですぅ、はぁ、はぁ・・・」
 息を荒くしていないと、がまんが効かなくなってしまいそうで、大きく息を吸っては吐きをくりかえしつつ、切れ切れにおふたりに訴えかけました。
「はぁ、はぁ、もう、もう、ほんとうにぃもう・・・」
 全身は熱いのに寒気を感じ、四つん這いの全身がプルプル震え始めました。
 鏡の中で、乳首にぶらさがった洗濯バサミも小刻みにフルフル震えています

「あら、いよいよなの?あたし顔フェチだから、その瞬間に直子がどんな顔になるのか、じっくり見せてもらわなくちゃ」
 お姉さまの鞭が止まり、私の傍らへ近づいてくるようです。
「だったらわたしは、その歴史的瞬間をお尻のほうから、カメラに収めさせてもらおうっと」
 シーナさまは、ハンディカメラを片手に、私のお尻側へと移動されました。

「さあ直子、しっかり見ていてあげるわよ。直子の恥ずかしい排泄の、その瞬間の顔」
 四つん這いの私の目の前にしゃがみ込んだお姉さまが、真正面から私を見つめてきました。
「はぁ、はぁ、ああんっ、お、お姉さまぁ・・・」

 お姉さまと至近距離で見つめ合い、お姉さまの肉声を間近でお聞きした瞬間、強烈な羞恥心が私の胸に湧き上がってきました。

 やっぱりこんな恥ずかし過ぎる姿、愛するお姉さまにお見せ出来ない、したくない。
 私の汚いものなんて、見ていただきたくない。
 排泄行為の、浅ましい姿なんて・・・

「はぁ、はぁ、お姉さま・・・やっぱり、やっぱり見ないでくださいぃ、はぁ、はぁ・・・」
「わ、私、はぁ、はぁ、お見せしたくないですぅ、はぁ、はぁ、大好きな、大好きなお姉さまに、はぁ、はぁ、こ、こんなすがた・・・」
 感情が昂ぶり、目尻に涙が溜まるのが分かりました。
「どうか、はぁ、はぁ、どうか、見ないでくださいぃ」

「あらあら、涙なんか浮かべちゃって、あたしに視られるのが、そんなに泣くほど嬉しいの?」
 私の渾身のお願いをはぐらかすみたいに、私から目をそらさずにクスクス笑うお姉さま。
「今のそのぐしゃぐしゃな顔も、かなりそそるわよ?色っぽくってゾクゾクしちゃう」
 後から思えば、そのときのお姉さまの瞳は、完全にエスの人のそれで、私の困惑さえも愉しんでいたのでしょう。

 そうこうしているうちにも、お腹の限界は刻々と迫り、もはや一刻の猶予も許されない状態となっていました。
「はぁ、はぁ、もう、もうだめです、もう出ちゃいますぅ。だから、はぁ、はぁ、お姉さま、だから、だから見ないで・・・」
「いいのよ、出しちゃいなさい。わたしはそれで、直子を嫌いになったりしないから」
 小さな子供を諭すような、お姉さまのおやさしいお言葉。
 つづけて不意に、お姉さまのお顔が近づいてきて、はぁはぁ喘いでいる私の唇を、ご自分の舌でペロッと舐めてくださいました。
「あんっ!」
 一瞬気が緩んだ私を、せっぱつまった便意は見逃してくれませんでした。

「あうぅぅ、ごめんなさいぃぃぃぃーーっ!」
 絶望的な破裂音をかき消すように私の絶叫が響き、お尻の穴から水流が勢い良くほとばしりました。
「見ないでー、見ないでーーっ、許してーーっ!」
 泣き喚く私の意志に反して、肛門からの放水は止まることなく、バスルームにしばらく水音を撒き散らしました。
「いやー、いやー、だめぇー、見ないでーーーっ」
 放出が始まった途端、上半身を支えていた両腕が崩れ落ち、床のタイルに額を擦り付けるようにつっぷしていました。
 水流が止まった後も、そのままの姿勢で、見ないで、ごめんなさい、ばかりつぶやく私。
 心が混乱しきって、何も考えられなくなっていました。

「いい絵が撮れたわよ」
 シーナさまのお声が近づいてきました。
「直子さんがガクンと崩れたときに、噴水がゆらりと舞って、より高く吹き上げたのが見物だったわね。水も濁っていなかったし、余計なものも出なかったし、芸術的でさえあったわ。あら?どうしちゃったの?」
「なんだかかなりショックだったみたいです。出す寸前は、あたしに、見ないで、ばっかり言っていたし」
「ふーん。直子さん、意外にナイーブなところもあるのね。いいわ。わたしに任せて」

 不意に、バストを圧迫していたロープが緩みました。
「ほら、直子さん、終わったわよ。顔を上げなさい」
 シーナさまのお言葉と共に、人肌くらいのやさしいシャワーが肌を濡らしてきました。
「最初にしては上出来だったわ。エミリーも、ますます直子さんのこと好きになっちゃったって」
 シャワーのお湯で、いくらか気分が落ち着き、恐る恐る顔を上げました。
 シーナさまもお姉さまもしゃがみ込んで、目におやさしげな笑みをたたえて私を見つめていました。
 シーナさまが、その笑顔のまま私の顔を覗き込み、落ち着いたお声でおっしゃいました。

「ねえ、思い出してみて。さっきは動転して気がつかなかったかもしれないけれど、がまんにがまんを重ねて、とうとうがまんしきれなくなって放出した瞬間のこと」
「凄まじい羞恥心や背徳感、喩えようの無い屈辱感や被虐感、そういうのがごちゃ混ぜになって、直子さんは、今までに経験したことの無い性的な高揚と、圧倒的な開放感を味わったはずよ」
「浣腸プレイの醍醐味はそこにあるのだし、直子さんには、それが感じ取れるはずなの。なぜなら直子さんは正真正銘のマゾだから」
「ちょっとそこで仰向けになってごらんなさい」

 シャワーを止めたシーナさまが手伝ってくださり、棒枷の両足をひっくり返して、仰向けM字開脚になりました。
 緩んだロープはスルスルッと素肌から離れ、胸元にクッキリ食い込んだ縄の痕がありました。
 洗濯バサミはふたつとも、まだ乳首に噛み付いています。

「上半身を起こして、自分のオマンコ、見てごらんなさい」
 催眠術にかかったかのように、シーナさまのお言葉に従順に従う私。
 視線を下に向けました。
「ほらね。グショグショのヌルヌル。右手を伸ばしてさわってごらん?」
 恐る恐る、右手を股間に伸ばします。
 粘膜に触れる前から、そこが大きな熱をもっているのがわかるほど。
「熱くなっているでしょう?それに溢れるほどの愛液。直子さんがさっき、浣腸プレイをしたせいなのよ」
「早く満足したい、っておねだりしているのよ、オマンコが。慰めてあげなさい。がんばったご褒美なのだから」

 そのお言葉を聞いて顔を上げ、お姉さまのお姿を探しました。
 シーナさまのすぐ横にいたお姉さまと視線が合いました。
 コクンとうなずくお姉さま。
 つづいてシーナさまとも合わせます。
 ニッコリ微笑むシーナさま。

 それを合図に私は、ワレメの手前で止めていた右手を、ベッタリ股間に貼りつかせました。
 熱い。
 同時に左手は乳房へ。
 こっちも負けず劣らず熱い。

 それからの私は、気がヘンになったかのように、自分のからだを両手で貪りました。
 おっぱいを、乳首を、ラビアを、粘膜を、クリトリスを。
「お姉さま、シーナさま、見て、見て、見てください。ヘンタイ直子がオナニーする姿を、恥ずかしい姿を見てください・・・」
 濡れたタイルの上で、そんな言葉を何度も何度も喘ぎながらくりかえし、おふたりの目の前で何度も何度も何度もイきました。


就職祝いは柘榴石 11

2014年11月30日

就職祝いは柘榴石 10

「直子さんの場合はね、最低限ここを縛っておけば、それだけで何倍も感じやすくなっちゃうのよ」
 シーナさまが手馴れたご様子で私の胸元に、二つ折りにした麻縄をあてがいました。

「まずは、バストの膨らみ始めのところらへんでひとまわりさせて、それからロープの折り返しにもう片方の端を通すでしょ」
「そしたら、折り返し部分を背中にまわして、ギュッと絞るの」
「はぁうっ!」
 麻縄が肌に食い込んでくる、その痺れるような感覚に、思わず歓喜の声が出てしまいます。

「それから今度は、アンダーのほうへロープをまわして・・・」
 シーナさまの麻縄が、私の下乳に潜り込みます。
「あふぅん!」
「このときね、上下のロープで乳房を挟んで絞り出すように、きつめに縛るのがコツね」
「この子のおっぱいってほら、ちょっぴり垂れ気味じゃない?だからアンダーの裏側に潜り込ませるようにロープを入れて、上下に挟むように絞り出すの」
 余った麻縄が手際良く背中で結ばれます。

「ほら、見てよ、この乳首」
 シーナさまがニヤニヤ笑いで、私の乳首を指さします。
「ただでさえ存在感あるのが直子さんの乳首なのだけれど、こうすると、ロープで皮膚が引き攣って突っ張りながら背伸びしちゃって、痛々しいくらい尖っちゃっているでしょう?」
「思わず指で弾きたくなっちゃうわよね?この硬そうなもの。こうなっちゃったらもう、すっごくビンカンだから、息を吹きかけただけでも悶えちゃうはずよ、この子は」

 お姉さまが、私の恥ずかしいほど尖立したその部分を、食い入るように見つめてきます。
 そしておもむろに、右のそれに、フーッと息を吹きかけました
「ぁふぅん!」
 ゾクゾクッと快感が背筋を駆け上がり、同時にお腹がグルグルッと鳴りました。
 あわてて下腹を引き締めます。
「ほらね?」
 シーナさまがしたり顔で、愉快そうに笑いました。

「本当は、後ろ手にさせて二の腕ごと縛ったほうが捗るのだけれど、直子さんには、これからまだまだやってもらうことがあるから。まだ腕は自由にしておいてあげる」
 シーナさまがお姉さまに、残った麻縄を手渡しました。

「おっぱいだけでも、縛りかたはいろいろあるの。ブラみたく八の字にしたり、首から十字にかけたりね」
「独特の結びかたがたくさんあるから、それを先に覚えるといいわ。実生活でも活用できるし。あ、でも、エミリーは服飾だから、その辺は得意分野かもね」
「まあ、直子さんなら、自分でもいろいろ縛ること出来るひとだし、プレイのためだけだったら、エミリーが無理してロープにこだわる必要も無い気もするかな」
 お姉さまは、うんうんうなずいて、シーナさまのお話に真剣に聞き入っています。

「直子さんて、縛られかた云々よりも、何かしら拘束されること、が最優先ぽいのよね。だから手錠とか首輪だけでも、されただけであっさり乱れちゃうの」
「ただ、やっぱりきっちり縛ってあげると、本当にいい顔するわよ、この子。うっとりした顔して恍惚状態。縄酔いの気持ち良さ、誰かさんたちに教え込まされちゃったから」
「だから、菱縄縛りとか亀甲縛りくらいは、覚えて損は無いと思うわ」
 ずっとお姉さまに語りかけていたシーナさまが、チラッと私を見ました。

「そう言えば直子さん?あなた以前、ミーチャンからセルフボンデージレッスンのDVD、もらったのよね?」
「あ、はい・・・」
 まだ地元にいる頃、自縛の練習用にと、やよい先生がミイコさまをモデルにしてわざわざ作ってくださったものです。
 その映像で私もずいぶん、ロープの扱いかたが上手になりました。
「それ、あとでエミリーに貸してあげて。あれはとてもわかりやすいもの。エミリーならすぐ出来るようになるはずよ」
「ぁ、は、はい・・・」

 上ずった声でそうお答えしたものの、私はそれどころではありませんでした。
 緊急事態が差し迫っていました。
 お腹の中がひっきりなしにグルグル蠢き、中のモヤモヤしたものたちが、お外へ出たいと、しきりに私に訴えかけていました。
 棒枷で広げられているためにピッタリとは閉じられない膝立ちの両腿を出来る限り内股にして、お尻の穴を必死にすぼめてがまんしています。

「あ、あのぅ、今、わ、私、すぅごく、お腹が、痛いのですけれど・・・」
 お話がひと段落して、黙って私を見下ろしているおふたりに上目遣いで、すがるようにお願いします。
「もう、で、出ちゃいそうなんですぅ・・・」

 これから私の、もっとも動物的でお下品な姿を、おふたりに至近距離でご披露しなければならない・・・
 屈辱の瞬間を目前にして覚悟を決めると、恥辱と被虐がないまぜになった不思議な陶酔がありました。
 
「あら、もうとっくに5分、過ぎていたわね」
 腕時計をチラッと見たシーナさまが、その場にしゃがみ、私に目線を合わせてきました。
「もうそろそろ限界?」
「はい・・・」
「そう。だったら早く、そこに四つん這いになりなさい」

 ついに来た・・・
 絶望的なお言葉に、私はゆっくり上半身を前方へ倒し始めます。
「四つん這いになって、犬みたく大急ぎにトイレへ駆け込んで、思う存分出してきなさい」
 ???
 一瞬、お言葉の意味することがわかりませんでした。

「えっ!?えっと・・・」
「ほら、早く行かなくていいの?ここで漏らしちゃ嫌よ」
「い、いいんですか?」
「だって直子さん、からだ健康そうだし、今だったらきっと、それなりのしっかりしたものがたくさん出てくるでしょう?」
「そんなのをここにぶちまけられても お掃除だの臭いだの後始末だの、めんどくさいことになりそうだもの」
「とりあえずスッキリ出して、出し終わったらまたここに戻ってくること。いい?」
「は、はい・・・」
 イタズラが成功したときの子供のようなお顔で、シーナさまがニッと笑いました。

「エミリーは、ついていきたっかたらついていってもいいわよ」
 シーナさまに促され、私同様キョトンとしたお顔だったお姉さまが、ハッと我に返りました。
「あっ、え?あたしもいいですよ。ほら、直子、さっさと行ってきなさい。間に合わなくなるわよ?」
 お姉さまのお言葉が合図だったかのように、私のお腹の中が再び盛大に騒ぎ始め、お返事もそこそこ、バスルームの隣にあるおトイレへ四つん這いで駆け込みました。

 危機一髪!
 便座に腰を下ろすのと同時でした。
 シーナさまの予想どおり、かなりしっかりとしたものが私の予想以上に出て行きました。
 一通りの行為を終えて洗浄した後も、しばし呆然と佇んでしまいました。
 お下品な姿をおふたりに視られてしまうことを回避した安堵と、果たせなかった陶酔へのちょっぴりな後悔。
 でも、トイレ内に漂う、自分が今したことの残り香に気づき、そんな後悔はすぐかき消されました。

 気が抜けたような四つん這いでバスルームに戻ると、お姉さまとシーナさまは、バスタブの縁に腰掛けて何やら楽しげに談笑中でした。

「あ、おかえりー。どう?スッキリした?」
 私に気がついたシーナさまが明るくお声をかけてくださいます。
「はい、おかげさまで・・・」
 四つん這いのままでいるべきか、膝立ちの服従ポーズになるべきか迷いながら、四つん這いでお答えしました。

「すごい音してたわね?ここまで聞こえたわよ?」
 イジワル顔なシーナさまの蔑んだお声。
「ご、ごめんなさいぃ」
 恥辱感が一気にぶりかえし、四つん這いの身をさらにちぢこませて土下座のような私。
 尖った乳首が濡れたタイルを擦りました。

「さてと。さあ、ここからが本番よ」
 シーナさまが立ち上がり、私の首輪のリードをお姉さまに握らせました。
「直子さんは、四つん這いで待機していてね。あ、お尻はあっちの排水口に向けて」
 シャワーをぬるま湯にして床を流しているシーナさまのご命令で、私は方向転換、入口に顔を向け、お尻を奥に向けました。
 一体、これから何をされるつもりなのだろう?

 シャワーを止めたシーナさま。
 バスルーム内がジンワリと湿気を帯びて、ほの温かくなっています。
 大きな鏡も綺麗に洗い流され、私たちの姿がクッキリ映っています。
 シーナさまがタオルに包まれた何かを持って、私の傍らに立っているお姉さまに近づいてきました。

「今日からこれが、エミリーと直子さん専用の相棒ね」
 シーナさまがタオルを開き、目の前に現われたのは、ガラス製のお浣腸器でした。
「正真正銘の新品で煮沸消毒も済ませてあるから安心して。実物見ると、けっこう禍々しいでしょ?これも、わたしからふたりへのプレゼント」
 シーナさまが笑いながら、私の鼻先にそれを突き出してきました。

 以前、ご近所のお薬屋さんにお浣腸薬を買いにいったとき、そのお店のおばさまに見せていただいたことがありました。
 でも目の前にあるのは、それより少し小さい感じ。

「実物って、ずいぶん大きいんですね?」
 傍で覗き込まれていたお姉さまが、驚いたようにつぶやかれました。

「そう?これは標準的な50ミリリットルサイズ。大きいのだと100とか200とか。逆に小さいのだと30ミリのもあるわね」
「えっちビデオとかでは、見た目優先で大きなの使っているけれど、100ミリのは女性の手だと扱いづらいのよ、大き過ぎて」
「逆に30ミリだと小さくて、お医者さんごっこしているみたいだし」
「このくらいなら、見た目的にも、SMプレイで浣腸している、って思えるでしょ?」
 最後はクスクス笑いまじりで、シーナさまがご説明してくださいました。

「あのぅ、私、また、お浣腸されちゃうのですか?」
 たまらずお口を挟んじゃう私。
「そうよ。まさかわたしやエミリーがするわけないじゃない。今日のテーマは、あなたのアナル開発なのよ?」
 シーナさまの心底バカにしたようなツッコミ。
「さっきのは、プレイのための事前準備。これからするのは、直子さんにみじめな気持ちを味わってもらうためのSMプレイよ」
 シーナさまのあっけらかんとしたイジメ宣言に、マゾ心がズキンと疼きました。

「大丈夫。今度はぬるま湯しか入れないから。さっきのでたぶん、あらかた出ちゃっているはずだから、今度はもう水しか出ないはずよ」
「ただまあ、音とか臭いとかがどうなるかは、何とも言えないけれどね。でも、そういうのがいいのでしょう?直子さんはヘンタイドマゾなのだから」
 シーナさまのイジワルなご説明で、私の被虐メーターがグングン上昇していきます。

 ぬるま湯浣腸。
 ガラスのお浣腸器を見せてくれた薬屋さんのおばさまが、今度来たときやってあげる、とおっしゃってくれて、私も行く気満々だったのですが、いつしか機会を逸し、それきりになっていました。

 これから私は、それを体験するみたいです。
 それも、大好きなお姉さまの目の前で。
 顔を上げてお姉さまのほうを見ると、お姉さまと目が合い、意味ありげなウインクをくださいました。
 その瞳は、好奇心で爛々と輝いていらっしゃいました。

「考えてみたら、直子さんのエネマプレイを目の当たりにするのって、わたし、初めてなのよね」
 シーナさまがお姉さまに語りかけました。
「ご存知の通り、アナル開発禁止令が出ていたから。百合さまから」
「ね?わたし、ほとんど直子さんのお尻は、虐めなかったわよね?」
 今度は私に向けられたご質問。
「あ、えっと、そうですね。少なくともお浣腸姿は、お見せしていないと思います・・・」

「わたしは、直子さんがときどきひとりでこっそり、浣腸愉しんでいるのは知っていたわよ。だって、使用済み容器がバスルームに転がっていたことがあったもの」
 え!?私、そんな無用心なこと、していたんだ・・・
 みるみるからだが熱くなり、火照った頬でうつむきます。

「だけど百合さまには、初お泊りの日、ヴァージン破られた翌朝に浣腸されて、タンポンまで突っ込まれたのよね?高校二年で」
 シーナさまの悪意に満ちたからかい口調に、私は、お姉さまに申し訳なくて、消え入りたい気分で身をちぢこませました。
「ね?この子、素養があるのよ。これからはおふたりで、せいぜい存分に愉しむがいいわ」
 シーナさまのお言葉がお姉さまへ向き、お姉さまがフクザツそうなお顔をされました。

「だけど最後の最後に、直子さんのエネマプレイに立ち会えて、本当に良かったわ」
 少し間を置いて、しみじみとした口調でそうおっしゃってから、シーナさまがお姉さまをじっと見つめました。

「直子さんのお相手が、エミリー、あなたで本当に良かった。もしそうじゃなくて、わたしの知らない人だったら、わたし、いつか直子さんを拉致して、今までがまんしていたプレイのあれこれ、やっちゃうつもりだったから」
 最後のほうは冗談ぽい感じでしたが、しみじみとした雰囲気のままおっしゃいました。
「これからも仲良くしましょうね。いろいろと」
 一転してイタズラっぽく笑うシーナさまに、お姉さまも戸惑いつつもニッコリ返しました。

「さ、それじゃあ始めましょう。エミリーはこれ持って」
 シーナさまがお姉さまにガラスの浣腸器を渡しました。
「直子さんは、お尻突き出して、迎え入れる準備をしていてね」
 ご命令通り、四つん這いの腕を折りたたみ、腕を床に着けて上体を下げ、代わりにお尻を高く突き上げます。
 緊縛されたおっぱいがタイルの床に、べったり押し付けられました。

「それで、これを吸い上げて」
 床に這い蹲るような形の私の顔の前に、水らしき液体がなみなみと注がれたガラス製のボウルが置かれました。
「これはあらかじめ作っておいたぬるま湯。害はまったく無いから安心して。先端を浸して、そのピストンを上に引き上げて」
 私の見ている前で、シリンダーにぬるま湯がグングン吸い上げられていきます。
 これが全部、私のお腹の中へ入っていくんだ・・・
「最初だから、100ミリで様子を見ましょう。つまり、この浣腸器2回分」
 えーっ、2回も!?

「よくビデオや小説で2リットルとか3リットルとか言うけれど、そんなの危ないからね。腸は水を吸収するから、下手すると水中毒とかあるから」
「要は、排泄する恥ずかしい姿を愉しむためのプレイなのだから、がまん出来ないギリギリ分量だけ入れればいいの。うちのメス犬は、1リットルくらい入るけれどね」
 
 シーナさまが楽しそうに解説してくださいますが、私の目はお姉さまの持つガラス浣腸器に釘付けで、ドキドキが止まりません。
 あの冷たそうなガラスの先端が私のお尻の穴に突き挿さり、ピストンで無理矢理ぬるま湯を注入されて、それから・・・
 麻縄で絞り出された両乳首が痛いほど尖って、両腿の裂け目の粘膜がヌルヌル疼いています。

「水が入ると、けっこう重いですね?」
 ぬるま湯を注入し終えたガラス浣腸器を危なっかしく両手で持ったお姉さまが、シーナさまに尋ねました。
「でしょ?女性が扱うならそのくらいが限度よね?100ミリだと、水がその倍だもの」
「それに、このくらいならひとり遊びでも重宝するはずよ。その先っちょにホースを付ければ、ひとりでも不自由なく注入できるはず。専用ホースも一緒に持ってきてあげたから」

「これで直子さんも、気軽にひとりエネマプレイが愉しめるわね?」
 シーナさまがからかうように私の顔を覗き込みました。
「いいえ。そうはさせません」
 
 突然、お姉さまのきっぱりとした冷たいお声が、私の頭上から降ってきました。
 見上げると、お姉さまが真剣なお顔で、まっすぐに私を見つめていました。
 そして、その視線がシーナさまへと移りました。

「あたしは今後、直子の性生活の一切をあたしがコントロールしようと思っています。だってこの子、放っておくとどんどんエスカレートしそうだから」
「オナニーもあたしに断らずにするのは禁止って、言い渡してあります。これからは一緒にいる機会も増えると思うので、直子の性欲は、あたしが満足させてあげるつもりです」
「でも、やっぱり手に余ることがあったらまたご相談させていただきたいと思っていますので、そのときはシーナさんも、協力してくださいね?」

 右手に持ったガラス浣腸器を肩の高さくらいまで上げてニッコリ笑いかけるお姉さまに、今度はシーナさまがフクザツそうなお顔をされていました。


就職祝いは柘榴石 11