2013年12月1日

コートを脱いで昼食を 22

 包帯の戒めを解かれたのにも気づかないくらいの放心状態で、だらしなく両脚を広げたまま、私はしばらくベッドに仰向けのままでした。
 気を失なっていたというわけではなく、ただただ頭の中が真っ白になっていました。
 ときどき思い出したようにからだのあちこちで、自分の意志とは関係なく、ピクンピクンと筋肉が痙攣しているのがわかりました。
 そのたびに、甘美な快感の余韻が下腹部をくすぐりました。

「あら、気がついたみたいね。どう?立てる?」
 シーナさまのお声。
 えっと、立つ、っていうのは、どうすればいいのだっけ?
 からだを動かそうと力を入れるのですが、その意志をからだの該当部位に伝えることがうまくいかないみたい。
「ぐったりしているのはわかるけれど、いつまでもそこに寝ていられると、片付かないのよね」
 シーナさまがイジワルクおっしゃいます。
「いいのよ、ゆっくり休んでいらっしゃい。お疲れでしょう?わたくしたちも片付けや着替えがあるから、お気になさらずに」
 アンジェラさまのおやさしいお言葉。
「・・・ぁ、だ、大丈夫です。ありがとうございました」
 掠れた声でお答えして、なんとか上半身を起こしました。

 足元がおぼつかないからだをシーナさまと蘭子さまに支えていただいて、ゲスト用のドレッシングルームに戻りました。
 すぐにバスルームに入り、ローションと私のいろいろなおシルでヌルヌルベタベタになった全身を、ぬるいシャワーで洗い流しました。
 両膝の裏が包帯ロープに擦れたのか、少し赤くなっていました。

 シャワーの流れに沿ってお肌をさすっていると、何だかお肌が以前よりスベスベしている気がしました。
 マッサージしていただいて血行が良くなったせいでしょうか。
 アソコ周辺は、まるで生まれたての赤ちゃんみたいにツルツルのスッベスベ。
 からだ全体がふうわり軽くなったような気がして、意識もハッキリスッキリ、気持ちまで軽やかになっていました。
 シーナさまと蘭子様は、シャワーを浴びる私を眺めながら、楽しそうに談笑されていました。

 タオルで丁寧に水気を拭ってから、全裸のままバスルームを出ました。
 首のチョーカーが全体にしっとり濡れちゃったことだけが、ちょっと気がかりでした。
「なんだかずいぶん晴れ晴れとした顔をしているわね、直子」
 シーナさまが裸の私をマジマジと眺めながらニヤニヤ笑いでおっしゃいます。
「まあ、あれだけ何回も凄腕テクニシャンにイかせてもらったら、直子の底無しな性欲も、さすがに落ち着くわよねー。羨ましいこと!」
 シーナさまってば、本当に羨ましそうなご様子に見えました。

「それじゃあ、わたしたちも着替えてくるから、直子も帰る支度をして、さっきのゲストルームに戻ってらっしゃい」
「直子のバッグは、ゲストルームに置いてあるからね」
 そう言い残すとシーナさまは、テーブルの上にあった紙袋を掴んで、蘭子さまと一緒にドレッシングルームを出て行かれました。

 お洋服を着ようと思い、ハンガーにきちんと掛けられた自分のスーツを見て、ふと思い出しました。
 そう言えば、私の下着は?
 思えば私は、あのゴージャスなお部屋でストリップをさせられたので、ここに来るときはすでに全裸でした。
 脱いだ下着類は、小野寺さんがすべてまとめてどこかへお持ちなっちゃったのです。
 ブラジャーと、あと、私のいやらしいおツユで汚れたショーツとパンティストッキング・・・
 今更ながらに、赤面してしまいました。

 ドレッシングルームをひととおり見回してみましたが、それらしいものはありません。
 どこかにしまってあるのだろうか?
 でも、まさかチェストとかを無断で開けて見るわけにもいかないし、第一、しまい込む必要なんてまったく無いはずです。
 
 どうしよう?
 恥ずかしいけれど、小野寺さんに聞いてみようか・・・
 施術ルームの扉をそっと開けてみましたが、電気がすべて消されて真っ暗、誰もいらっしゃらないようでした。
 となると、おそらくあのゴージャスなお部屋に戻られたのでしょう。
 うーん・・・ま、いっか。
 とりあえず下着は着けずに身なりを整えて、あのお部屋に戻ろう。
 身も心もスッキリして楽観的になっていた私は、どうせあとは車でお家へ帰るだけなのだから、ノーブラノーパンもさほど大した問題ではないような気分になっていました。

 素肌にブラウスを着て、裸の腰にそのままスカートを履きました。
 生地が薄いブラウスですが、大人しくなった乳首ならぜんぜん目立ちません。
 いつもなら、こんな格好をすればすぐそれなりにムラムラくるのですが、さすがに今はそんな気持ちも湧いてきません。
 メイクを軽く整えてからジャケットを羽織り、裸足にスリッパでスタスタとゴージャスなお部屋に戻りました。

 ゲストルームでは、再びお洒落な私服に着替えられたみなさまが、おのおのソファーや椅子に腰掛けてお紅茶を召し上がっていらっしゃいました。
「失礼します」
 私が入っていくと一斉の拍手。
 どなたもにこやかで、最初の頃より私に対する親密さが増している感じがしました。
 シーナさまとアンジェラさまから、私のからだや最後のマッサージのときのことをいろいろからかわれ、他のみなさまも、もはや遠慮一切無しで楽しげに笑っていらっしゃいました。
 私も、自分を話題にされるのはやっぱり恥ずかしかったけれど、でもそれ以上に楽しい時間がおだやかに過ぎていきました。
 下着のことは自分でも忘れたまま、小一時間ほどみなさまとお茶を飲みながらおしゃべりをしました。

「ワックス脱毛すると、次に生えてくるヘアーはいっそう細くなっているの。ナオコのだったら、たぶん2~3週間はそのままで、その後だんだんチョロチョロって出てくるはずよ」
「だから、次に施術出来るようになるのはたぶん12月ね。今日くらいの濃さになったらまた、必ず来なさい」
 アンジェラさまが私の手を取って、ニコニコ笑いながらのご命令口調でおっしゃいました。
「ナオコのヘアーなら、あと数回通えば、ほとんど生えてこなくなるはずよ」
「だから必ずいらっしゃい、ね?」
 アンジェラさまに固くお約束させられて、サロンを後にしました。

 そんな恥辱まみれないわくつきのパイパンな土手を、シーナさまがスルスル撫ぜてきます。
 デパートのおトイレの狭い個室の中。
 私は必死に口をつぐんで、えっちな声をがまんします。

「あの日の帰り、直子は平気でノーパンノーブラで車に乗っていたわよね?」
「あの頃から、裸でコートなんて破廉恥なアソビを計画していたのじゃないの?」
 シーナさまが私の土手を軽くさすりながら聞いてきます。
「あ、はぃ・・・」
「やっぱりねー。あれだけイかせてもらってまだ10日ちょっとでしょ?本当、ヘンタイ性欲のかたまりなのね、直子って」
「夏休みは全裸生活、エステサロンでみんなの前で死ぬほどイって、懲りもせずに今度は裸コート。呆れた女子大生がいたものだこと」

 結局あの日、私が身に着けていた下着類はすべて小野寺さんがお洗濯してくれて、施術後にはキレイにたたまれた状態でドレッシングルームのテーブルの上に置いてあったのだそうです。
 シーナさまが私のシャワー中にそれを隠し、お部屋からの去り際に手にした紙袋の中身がそれだったのでした。
 車の中でシーナさまに渡されて、あんなに辱めを受けたのに性懲りも無くまだノーブラノーパンでいたいのね、なんてさんざん虐められました。

「今日は自分の意志でそんな格好しているのだから、それなりの覚悟は出来ているのよね?」
 シーナさまがタンポンの紐を引っ張って、一気に引き抜きました。
「うぐっ!」
「わたしと一緒なんだもの、もうこんなものいらないわ。スケベ汁だらだら垂らしながら街中をお散歩しましょ?」
 私から抜き取ったタンポンをポイッと汚物入れに投げ捨てました。
 シーナさまの瞳が、どんどんエス色に染まってきていました。

「まずはどこへ行こうかしら?コートのボタンはずしたまま繁華街を歩いてみる?その後、公園にでも行ってオナニーとかしてみよっか?」
「あのう、シーナさま?私、誰にでも視られたい、っていうわけでは・・・」
「わかっているわよ。男子禁制でしょ?それを破るとわたしがゆりさまから叱られちゃうもの。だから悩んでいるの!」
 怒ったようなシーナさまのお声。
 シーナさまが私の股間から手を離し、腕を組んで考え込みます。

「直子の計画は、ブティックでお買い物して逆ストリップ、だっけ?」
「はい・・・」
「ブティック街でのショッピングは比較的安全だけれど、なんだかマンネリだわね。確かこっちで最初に会ったときもやったわよね?」
 おっぱいを縛られて、貝殻ローターをアソコに挿れたまま試着させられたっけ・・・
「あ、はい・・・」
 あの初夏の日の恥ずかしさを思い出しながら私が答えると同時に、シーナさまのお顔がパッとほころびました。

「そうだった!あの子がいたわ!」
 シーナさまのすっごく嬉しそうなお声。
「うふふ、直子、いいこと思いついちゃったー」
 シーナさまは、ご自分のケータイを開けて何か確認されています。
「たぶん大丈夫と思うわ。この時間帯なら。わたしこれからちょっと電話してくるから、直子はコートをきちんと直して、メイク整えてから出てきて」
 おっしゃりながら個室から出て行こうとされます。

 今のシーナさまのご様子だと、あの日のブティックのノリのいいギャル店員さんに、もう一度会いに行くのかもしれません。
 それはそれで、なんだか懐かしいかも・・・
 でもそれなら、別に電話することもないような・・・
 あっ、ご出勤されているかの確認なのかな?
 そんなことを考えていたら、個室を出かけていたシーナさまが振り向きました。

「あっ、そうだ。直子、代わりのタンポン持ってる?」
「え?いいえ、生憎・・・」
「もう使えない子ね。ならわたしのあげるから、それ突っ込んでおきなさい。まだ新しいお店、汚しちゃったら可哀相だから」
「あのう、これから誰かとお会いするのですか?」
「そうよ。お会いって言うか、お見せって言うか」
 くくっと笑うシーナさま。
「せっかく直子が一生懸命考えた晴れ姿ですもの、わたし一人で愉しむだけじゃもったいないわ。そう思わない?」
 ご自分のバッグからタンポンを一つ出して私に握らせ、そそくさと個室から出て行きました。

 お言いつけ通りに真新しいタンポンを挿入し、コートのボタンをきっちり留めてメイクを直し、女子トイレを出ると、シーナさまは廊下でまだ電話中でした。
 新しいお店?
 ていうことは、このデパートのブティックではないっていうことだよね。
 だとすると、これからいったい、私はどこへ連れて行かれるのだろう?
 こんなに恥ずかしすぎる私の姿を、誰にお視せになるつもりなのだろう?
 エステサロンに連れて行かれたときと同じような、不安7期待3くらいのフクザツな思いが胸に渦巻いていました。

「おっけー。それじゃあ行きましょう」
 シーナさまは、私の右手を取って一直線にエレベーターに向かいました。
 手を引かれておたおたとついていく私。
 エレベーターで地下まで降りると、私鉄とJRの地下連絡通路を進みます。
 これでもう、あのギャル店員さんのお店ではないことが決まりました。
 
 平日の昼間だというのにちょっとびっくりするくらい大勢の老若男女が地下通路を行き来していました。
 裸コート姿でこんなに大勢の人の前に出るのは、もちろん初めてです。
 すごい緊張感が全身に走ります。
 普通にしていればバレるはずないのに、ヘンタイな行為をしているという負い目が背徳感を煽り、ゾクゾク感じてしまいます。
 私ひとりでは、こんなに人がいるところに、この格好で出てくることなんて絶対出来そうもありません。
 シーナさまはずっと無言で、私の手を引いたままスタスタと人混みを優雅にすり抜けていかれます。
 私はシーナさまの左手を命綱のようにギューッと握って、一生懸命ついていきました。

 途中の地下街で、有名なサンドイッチショップのサンドイッチをシーナさまがたくさん買って私に持たせ、さらに地下通路を進んでいきました。
 ここまで来ちゃうと確かもう西口のはず。
 こっちに来て半年以上経ちますが、西口に来るのは初めてでした。
 地下通路が突き当たりになる頃、シーナさまがようやく地上への階段を上り始めました。


コートを脱いで昼食を 23


2013年11月24日

コートを脱いで昼食を 21


「さあ、これで蹴飛ばされる心配も無くなったし、残りの半分とビキニラインは、あなたたちで実習してちょうだい」
「3人で代わりばんこに施術するといいわ。仕上げは、わたくしがやるから」
「はいっ!」
 アンジェラさんが一歩退き、代わってリナリナトリオのみなさんが、ほぼ180度に両腿を開いたままベッドに縛り付けられた私の下半身を取り囲みました。
「ワックスを塗るときは毛流れに沿って、剥がすときは逆方向へ水平に、よ」
「はいっ!」
 アンジェラさんのご指導に元気良くお返事されるお3人。

 最初はアリナさん。
 恐る恐るという感じで私のラビアを引っ張りながら、ヘラでワックスを塗りました。
「剥がしまーす」
 可愛らしいお声とともにベリッとワックスが剥がされます。
「あうっ!」
 アンジェラさんのときよりも痛さが増しています。
 慣れていらっしゃらないので仕方ないことなのでしょうけれど。

 つづいてマリナさん、セリナさんの順番で、施術が進んでいきました。
 アンジェラさんのようにテンポ良くとは行かず、ぎこちない手つきで性器を弄られ、ラビアを引っ張られ、下半身のムズムズが治まりません。
「あぁんっ!」
 毛を引き抜かれる痛みに、思わず両膝を閉じようとしますが、きっちり縛り付けられた私の両脚はビクとも動きません。
 包帯のロープが膝の裏側に食い込んでくるだけです。
 下半身を拘束されアソコを全開にしているという被虐感と、性器周辺を襲う物理的な痛みに、私のマゾ性は大悦び。
 どんどんいやらしい気分になっていました。
 エステティックの施術を受けているはずなのに、私の頭の中では、誰か悪い人に拉致監禁され、えっちな拷問を受けている妄想が渦巻いていました。

「ぁはんっ!」
「ぃやんっ!」
 ワックスが剥がされるたびに呻いてしまいます。
「あら、ナオコったら、お声がずいぶん色っぽくなってきたわね?」
 アンジェラさんがイタズラっぽく微笑みかけてきます。
「もう少しの辛抱よ。あとはビキニラインだけだから」
 何度も呻いているうちに、施術は土手部分に移っていました。
 モニターの中の私のアソコ周辺はもはやツルツル。
 毛が残っているのはその上部分だけになっていました。

 その部分もリナリナトリオのみなさんの、幾分慣れてきた感じの施術ですっかり抜かれ、最後にアンジェラさんがピンセットみたいなので仕上げをされている最中に、シーナさまと蘭子さんが戻っていらっしゃいました。

「あらあら、スゴイ格好にされちゃったわねー」
 入ってくるなりシーナさまが、さっきアンジェラさんがおっしゃったのと同じようなお言葉を、私に投げかけてきました。
「直子のお望み通りな展開じゃない?嬉しいでしょう?」
 シーナさまは白いバスローブ姿、蘭子さんは水色のユニホーム姿でした。

「あら?ミス・シーナ、お帰りなさい。こっちももうそろそろで終わるわ」
 私のラビアを掻き分けて、毛を一本引き抜きつつ、アンジェラさんがおっしゃいました。
「ああんっ!」
 毛が抜かれた痛みに、私のはしたない喘ぎ。
「こんな声をずっと聞かされどうしじゃ、あなたたちもさぞやりにくかったでしょう?」
 シーナさまのおどけたお言葉に、リナリナトリオの快活な笑い声がかぶさりました。

「さ、これでいいわね。ナオコ、長い間お疲れさま。ローション塗って施術完了」
 土手から性器にかけて、ひんやりとしたローションが、アンジェラさんの手で揉み込むように塗られます。
「あぁううーんっ」
 その冷たい感触にアソコを撫ぜられ、クリトリスにもスースーする刺激を感じて、抑えきれずにいやらしい声が洩れてしまいました。

「ねえ?ミス・シーナ。ご相談なのだけれど・・・」
 アンジェラさんが私の股間をさすりながら、シーナさまに尋ねました。
「わたくし、ナオコを見ていたらなんだかかわいそうになっちゃって。この子、一生懸命がまんして、わたくしたちに協力してくださったでしょう?」
「ここもこんなになっちゃっているのに、ヘンな声をあげないように、真っ赤になってがまんしてたわ」
 私のクリトリスをゴム手袋の指でサワサワ撫ぜつつ、つづけます。
「んふんっ!」
「だからご褒美をあげたいの。わたくしの特別マッサージで」
 アンジェラさんの手が私の股間から離れました。

「つまり、直子をイかせてあげる、っていうこと?」
「まあ!お下品な言い方ね。オーガズムに導くのよ」
 アンジェラさんが笑いながら訂正されました。
「どう?直子。オーガズムに導いてくれるってさ?」
 シーナさまが私の顔を覗き込みます。
「あ、はい・・・」
「はい、じゃないわよ。イきたいの?」
「あ、えっと、は、はい・・・」
「こんなみんなが見ている前で、イきたいんだ?はしたない子ねー。呆れちゃう。だったら自分からアンジーにお願いしなさい。どうかイかせてください、って」
 シーナさまのお顔がイジワルそうに笑っていました。

 私の性的昂ぶりは、もう爆発寸前でした。
 一刻も早く出口へ誘導してあげないと、気がヘンになってしまいそうなほどの、待ったなし状態でした。
 もはや恥も外聞もありません。
「ア、アンジェラ先生さま、どうか、どうか直子をイかせてくださいぃ」
 上半身だけ起こして、マゾの服従ポーズのまま、アンジェラさまに哀願しました
「あらー、先生だなんて、かわいい子ね。わかったわ。わたくしがすごく気持ちのいいマッサージしてさしあげるわ」
「施術の後は、その部分はあまり刺激しないほうがいいのだけれど、幸いナオコは出血もなかったし、肌も比較的丈夫そうだから」

「下半身は縛ったままでいいわよ。直子は、そういうのが好みなヘンタイだから」
「あなたたちもよーく見ていてやってね。他人のイキ顔なんて、ライブでそうそう拝めるものじゃないから、貴重な体験よ」
 リナリナトリオのみなさんが、ドッと笑いました。

 私の腰を浮かせていた毛布が取り除かれ、フワフワタオルも取り除かれました。
 合皮らしいベッドの表面に直に肌を付けている状態。
 仰向け全裸で、頭の下に両手を置いた服従ポーズ、下半身は全開で縛り付けられたまま。
 そんな私を、アリナさん、マリナさん、セリナさん、蘭子さん、シーナさま、アンジェラさま、そして小野寺さんのビデオカメラが取り囲み見下ろしています。

「からだの力を全部抜いて、リラックスしていてね?」
 おっしゃりながら、透明なローションをボトルから直に、私の胸やお腹にたっぷり垂らしてきました。
「あんっ!」
 その冷たい感触に全身がピクリと跳ねます。
 ヌルヌルローションをからだ全体に行き渡らせるようにアンジェラさまの両手が私の肌を這い、やがて私のふたつのおっぱいをやんわり包んで来ました。
「あはぁん」
「ナオコのブレストはやわらかいわねー。いいさわり心地。でもニップルはコチコチね」
「うふぅん」
 おっぱいをふわふわ揉みしだかれて、私はクネクネ身悶えます。
「ううぅんっ」
「いいわよ、気持ち良かったらどんどんお声を出して鳴いちゃって。もうがまんすることはないわ」
 アンジェラさまの両手が、私の上半身のいたるところを、揉み解すみたいに撫ぜ回してきます。
 すっごく気持ちいい。
 からだが溶けちゃいそう。

 アンジェラさんの両手は、段々と下腹部に移っていき、私の全身はローションまみれのヌルヌル。
「このローションはね、ちょっぴり媚薬みたいな効果もあるの」
 そして右手がついに、アソコを包み込みました。

「蘭子さん?わたくしはナオコに、これ以上無いくらい気持ち良くなって欲しいから、ブレストのケアを手伝っていただける?」
「はい。わかりました」
 アンジェラさまのお言葉で、蘭子さまが私の傍に立ち、私のおっぱいを揉み始めました。
「あー、いいなー直子。アンジーと蘭子さんふたりがかり。なんて豪華なマッサージだこと!」
 シーナさまの拗ねたようなお声が可笑しくて、思わずつぶっていた目を開けると、リナリナトリオのみなさんの食い入るような視線とぶつかりました。

 それと同時に、アンジェラさまの指がズブリと、私の中に侵入してきました。
「あうっ!」
 再びギュッと目をつぶり、4本の手が与えてくれる快感に身を委ねます。
 それからは、完全に我を忘れていました
 おっぱいは、時に優しく、時に激しく揉みしだかれ、ときどき乳首が指の間でキュッと挟まれます。
 アソコに入った指は、本数が2本に増え、膣壁を擦るように至るところを掻きまわし、もう片方の手はずっと、クリットを撫でたりつまんだりしています。
「あふん」
「んぐっ」
「いやん」
「いい、いいい!!!」
 すぐに一回目の絶頂がきましたが、4本の手は止まりません。

「ナオコのヴァジャイナの中、すごく熱いわね。キュッキュッて締め付けてくるわ。あ、また達したわね?」
「ふぅぅんっ!」
「ああん、そこぉ」
「いく、いく、いっちゃうぅ」
「だめ、だめ、もっとぉ・・・」
 何回イってもアンジェラさまと蘭子さまは許しでくださいません。
 ピチャピチャという卑猥な音と私のハアハアと荒げた息遣いが、低く流れるモーツアルトのピアノ曲をかき消します。

 なんだか手が増えたな、と思い目を開けると、おっぱいはシーナさまの担当になっていました。
 私の乳首を乱暴につまんで引っ張ったり潰したりしています。
 蘭子さまは、わき腹やお腹をマッサージされています。
「あぅ、あぅ」
「いい、いいぃ・・・」
 もう何度イったかわかりません。
 6本の手にさわられている部分すべてが性感帯となり、グングン昂ぶります。
 からだが宙に浮いているように、気持ちのいい波が寄せては返しつづけます。

「ああん、でちゃうぅ、でちゃうぅぅぅ」
 中を掻きまわしている指が手前のほうのある部分に触れたとき、とっさにそんな言葉が自分の口から飛び出しました。
「いいわよー。出しちゃうと気持ちいいから、出しちゃいなさーい」
 アンジェラさんのお言葉に、そうか、出しちゃっていいんだ、って素直に思い力を抜いた途端、ピューッと何かを放出しました。
「うわーーっ!」
 リナリナトリオの盛大なざわめき。
 潮を吹いちゃったのです。

「もうナオコのGスポットは覚えたわ。ここを刺激すれば何度でも出るわよ。どんどん出しちゃってスッキリしちゃいましょう」
 アンジェラさまの指で執拗にソコを責め立てられ、私は何度もピューピュー吹いて、ビクンビクンとイきました。

「そうそう、最近の若い子は、ネットの掲示板やつぶやきなんかで、職業上で知ったお客様のプライバシーを気軽に書いちゃって問題になっているけれど」
「今日のナオコみたいに、少し普通とは違うご趣味のかたは、あなたたちにとっては興味津々で、誰かにお話したくなる気持ちもあるでしょう」
「うちのお客様には、世間でお名前の知られたかたや、社会的な地位の高いかたのマダムなどもたくさんいらっしゃいます」
「このお仕事では、そんな方々のプライバシーを知る場合もあるでしょうけれど、それらは決して、一切口外してはいけません」
「わたくしたちのお仕事は、肌を直接触れるお仕事でもありますから、お客様からの信頼と守秘義務とで成り立っています」
「ですから、お仕事上で知ったお客様のご趣味や嗜好を、たとえお友達との世間話と言えども、話題にすることは厳禁です」
「もしも、そのようなことをして発覚した場合は、この手のお仕事はそれ以降、一切出来ないように全国的に手配しますし、それなりの損害賠償も直接請求します」
「これはプロとして必ず絶対に守ってください。わかりましたね?」
「はいっ!」

 私のアソコを責め立てつつ、リナリナトリオのみなさんに、そんなふうに言い聞かせるアンジェラさまのお言葉を、どこか遠くのほうから聞こえてくるように感じながら、私は何度も何度も全身を震わせてイきつづけました。


コートを脱いで昼食を 22


2013年11月18日

コートを脱いで昼食を 20

「それでは施術をつづけましょう」
 アンジェラさんが再びタオルを持ち、私の股間を覆って拭い始めました。
「ナオコのヴァジャイナ、すごく熱くなっているわね?もう少しの辛抱だから、がんばってね」
 おやさしげにおっしゃりながら、膣を軽く叩くみたいにして、滲み出た私のえっちなおツユをタオルに染み込ませています。
「ぁぁんっ!」
 ときどきタオルの端がコソッと剥き出しの肉の芽をくすぐり、そのたびにピクンと感じてしまいます。

 さっきと同じように汚れたタオルをセリナさんに渡した後、施術が始まりました。
「無駄な力は抜いて、下半身をリラックスした状態にしていてね?ナオコ」
 私の左側に立ったアンジェラさんが、私の股間に覆いかぶさるようにしながら、手早くヘラでワックスを塗っては、剥がしていきます。

「んっ!」
 お尻のときよりは、何て言うか、ちゃんと痛い感じ。
 ローソクプレイで言えば、より低い位置からロウを垂れされている感じです。
「あうっ!
「はぁんっ!」
 アンジェラさんの指で陰唇を引っ張られつつ、伸ばした輪ゴムをパチンと当てられたような痛みが、性器ギリギリの敏感な皮膚を襲いつづけます。
「はうっ!」
「ううっ!」
 一生懸命抑え込んでいるつもりなのですが、どうしても呻き声が洩れてしまいます。
 からだ中がどんどん疼いてきて、身悶えしちゃいそうになっています。

「セリナさん、タオルを」
 アンジェラさんのお声で小休止。
 モニターを見ると、パックリ開いたピンクの粘膜が懲りもせず、水あめでコーティングしたようにライトを反射して再びキラキラきらめいていました。
 恥ずかしい・・・
 私が見入っているモニターの中で、その部分にタオルがかけられました。

 シーナさまがお部屋からいなくなってから、この場の雰囲気も少し和らいだみたいでした。
 内輪っぽい雰囲気が漂い、私語も増えてきました。
 リナリナトリオのおひとりが、ニヤニヤしながらセリナさんに何か耳打ちしています。
 それを聞いてセリナさんがあらためてモニターに目をやり、それから私の顔を窺うように視線を泳がせ、頬を赤らめてうつむきました。
 そんな彼女たちを見ていると、私もあらためて、今の自分の格好と状態の恥ずかしさに、いたたまれなくなってきてしまいます。
 彼女たちは真面目にお仕事をされているだけなのに、私だけ勝手にどんどん発情してしまっているのですから。

 タオルがはずされると、私の性器周辺左側下四分の一くらいの毛が見事に無くなっていました。
 間髪を入れず、アンジェラさんが施術を再開されます。
「あんっ!」
「んんっ!」
 再び呻き始める私。
 声ぐらい出していないと、本当にどうにかなっちゃいそうなほど欲情していました。

 ワックスの位置が段々上に来て、裂け始めのすぐ脇、恥ずかしい肉の芽のすぐ横の毛に塗られ、剥がされたときでした。
 今までより格段に激しい痛みが、全身をつらぬきました。
「ぃたいっ!!」
「キャッ!」
 私の呻きにアンジェラさんの悲鳴が重なりました。

「ごめんなさいっ!」
 上半身をあわてて起こして、アンジェラさんに謝りました。
 思わぬ痛みに反射的に両膝を立てて閉じてしまい、両方の膝頭でアンジェラさんの右の二の腕を強く挟んでしまったようでした。
「いいのよ。心配しないで。痛かったのよね?よくあることよ。逃げ遅れたわたくしがいけないの」
 アンジェラさんがニッコリ笑って、私を見つめてくれます。
「本当にごめんなさい。これからは絶対にがまんしますから、許してください」
 泣きそうになりながら、その目をすがるように見て謝ります。

「大丈夫。ナオコはがまん強いわ。痛さで暴れるお客様もけっこういらっしゃって、それは承知のことですから。今のはわたくしのミスよ」
「みなさんも注意してくださいね。ワックスを剥がしたら、さっとお客様から離れること。これも技術のひとつです」
「予想外の痛みを感じると、お客様のからだは反射的に動いてしまいます」
「とく仰向けの場合は、脚をでたらめに振り上げてしまうかたもいらっしゃいます」
「膝蹴りとか、まともに受けると怪我しちゃいますからね」
「だから、うまく避けることも、一流エステティシャンとして必要なテクニックです」
「なるべく痛みを感じさせないように施術するのが一番なのですけれどね」
 右の二の腕をさすりながら、アンジェラさんがリナリナトリオのみなさんに説明されています。

「でも、あなたたちはまだ慣れていないから、ちょっと危ないかなー?」
 アンジェラさんが私の顔をまだ見つめつつ、思案顔になりました。
「こっちの半分は、あなたたたちに実習してもらおうかと考えていたのだけれど・・・」
 まだ毛が残っている私の性器の右半分の側を指さしながらのお言葉。
「あなたたちが交代で、ナオコの両膝を押さえていてもらえば、大丈夫かしら?・・・」

 同年代くらいの女性たちの手で両脚を押さえつけられ、無理矢理アソコの毛を引き抜かれる私・・・
 アンジェラさんのお言葉を聴いた途端、パーッと屈辱的な妄想が広がり、ゾクゾクが止まりません。

「それでしたらっ!」
 リナリナトリオの中で、一番明るくて快活な感じな、フワフワウェーブヘアが可愛らしい小柄な女性が一歩前に出て来て、アンジェラさんに向かって右手を高く上げました。
 発言したくてしょうがなかったようなご様子。
 大きな丸いふたつの瞳が、好奇心で爛々と輝いているように見えました。

「先ほどのお連れのかたがおっしゃったように、失礼して軽く縛らせていただいたらどうでしょう?」
 溌剌とした明るいお声。
「こちらのお客様、そういうご趣味をお持ちのようですし・・・」
 私の顔に、盗み見るような視線を走らせてから、クスリと小さく笑ったのを聞いて、今まで私が辱めを受けるたびにクスクス笑っていたのは、この人だと思いました。
 今はそのつぶらな瞳を大きく開いて、至近距離からじっと私のアソコを見つめています。
 その全身から、興味津々、という四文字がほとばしっています。

「あら、アリナさんたら、大胆ねぇ」
 アンジェラさんが小さく苦笑いを浮かべ、まだ上半身を起こしたままの私の顔を覗き込んできました。
「ねえナオコ?本当に縛っちゃってもいいの?」
「あっ、はい。もちろんかまいません。縛られるのは慣れていますし・・・」
 服従ポーズのまま小さくお答えしたら、アリナさんがまたクスッと笑いました。
 私は、余計なことを言っちゃった、って真っ赤になりつつも、思いもよらない展開にドキドキが治まりません。

 まさかこんなところで縛られちゃうなんて・・・
 それも今日会ったばかりの女性たちの目の前で・・・
 その上、ビデオで記録のオマケつき・・・
 きっと今の私は、マゾ顔全開のはずです。

「そうねえ・・・でもうちにはそういう種類のロープとかないし。マダム・ワカバヤシのときはいつもミス・シーナがご持参されるから」
 シーナさまってば、やっぱりここで、そういうこともやってらしたんだ・・・
「荷造り用のビニールヒモでは、何て言うか、エレガントではないわよねぇ・・・」
 アンジェラさんがまた思案顔になると、すっごく嬉しそうなお顔のアリナさんがまた、右手を高く上げました。
「はい!あたしいいもの知っています。確かコスメのお部屋に、サニタリーの業者さんからモニターでいただいた包帯がたくさんあったはずです。あたし、取ってきます!」
 弾んだお声でそうおっしゃると即座に、タッタッタとお部屋を出て行きました。

「包帯ね。それはいいわ。包帯ならお肌も傷つかないし」
 アンジェラさんが私を見ました。
「本当にいいのね?縛っちゃうわよ?」
 イタズラっぽく聞いてきました。
「は、はい・・・お願いします・・・」
 私はゾクゾク感じながらお答えしました。
「ひょっとして、嬉しいの?」
「は、はい・・・」
 私にもはや理性は残っていません。
 恥辱の快感に、身も心もどっぷり浸りきっていました。

 アリナさんが包帯のロールを両手一杯に抱えて戻ってきました。
「これだけあれば足りますよね?」
 本当にすっごく嬉しそうです。
「包帯だったら、マリナさんがお得意だったわね?お願いできるかしら?」
 アンジェラさんからマリナさんと呼ばれた女性、ショートカットで理知的なお顔をされた、細身でちょっぴりボーイッシュな感じの美人さん、が、はい、と答えて近づいてきました。
「この人もね、看護師の免許をお持ちなの。整形外科の病院に2年くらい勤めていらっしゃったのよね?」
「はい」
 涼しげなお声でお答えになるマリナさん。
 これでお三人のお顔とお名前が一致しました。

「このままの姿勢で固定すればよろしいですか?」
 マリナさんがアンジェラさんに尋ねています。
 私は、上半身は起こしていますが、下半身は自発的にさっきまでの姿勢、足の裏をペッタリくっつけて、両膝を内腿とふくらはぎがくっつくまで折り、左右ほぼ水平にまで開いた形、に戻っていました。
 したがってアソコはまた、パックリ開きっ放しです。

「そうね。ナオコがそれでいいのなら。どう?ナオコ」
「はい・・・大丈夫です・・・お、お願いします・・・」
アンジェラさんを見て、それからマリナさんを見ました。
「わかりました」
 薄く笑ったマリナさんが、包帯のロールを片手にツカツカと私の足元まで移動しました。
「失礼します」
 言うや否や、ペッタリと合わせた私の足の左右の甲を、やんわりと捕まれました。
「背中を下ろして仰向けに戻ってください」
 言われた通りにふわふわタオルに再び背中を預けました。

 寝そべると同時に私の両足首が持ち上げられました。
 腰が浮いて、お尻を宙に突き出す格好になります。
 マリナさんの視線のすぐ前に、私のお尻の穴があるはずです。
 その状態のままマリナさんが手際良く、私の両足首から下をひとつにした形で、包帯でグルグル巻きにしていきました。

 両足のかかとから爪先までが包帯の白いひとかたまりとなって、まったく動かせなくなりました。
 その包帯は、普通のものより少しザラザラしている感じで、とくに何もしなくても巻いただけでくっついちゃう仕様のようでした。
 その感触に、そう言えば以前、こういう仕様の赤いテープで、やよい先生に拘束されたことがあったなあ、なんて唐突に思い出しました。

 足先が終わって、今度は膝の固定です。
 まず左脚。
ふくらはぎと内腿をピッタリくっつけたまま、太腿から脛のあたりまでを包帯でグルグルひとくくりにされました。
 同様に右脚も。
 これで私の両脚は、膝を折ったままの、ほぼ全開状態に固定されました。

「ちょっと両脚を閉じようとしてみていただけますか?」
 マリナさんのお言葉で両脚に力を入れ、膝を閉じようと試みます。
 でも、両足首ががっちり固定されているので、太腿がいくらか内側に動くくらい。
 閉じることなど出来ません。
 これでもう、いくら痛くても、両膝で施術のかたを挟んでしまう心配はないようです。

 だけどマリナさんは、なんだかまだ不満そう。
「やっぱり、少し動いちゃうわね・・・」
 独り言のようにつぶやきました。

「この後、Vラインもつづけてやってしまうのですよね?」
 マリナさんが今度はアンジェラさんに尋ねました。
「そうね。一気にやってしまいましょう」
「それだったら、ちょっとくらい包帯が緩んでも動けなくしておいたほうがいいですよね・・・」
 マリナさんの冷静なお顔は、私にはとてもエスっぽく見えました。

 少し考えてから、マリナさんがおもむろに、包帯を数メートルずつに切り始めました。
 そして、それらを束ねて縄のように縒ってから、まず曲げた左膝の内側の隙間から通し、その端をベッド下のパイプに括り付けました。
 私の折り曲げた左脚は、ピンと張りつめた包帯のロープでベッドにベッタリと固定され、敷かれたタオルから離れることが出来なくなりました。
 同じように右膝、そして、ひとつに括られた両足先もベッド下のパイプに繋がれました。

「痛くないですか?」
 マリナさんが、お仕事中の看護婦さんそのものなクールなお声で聞いてきます。
「ぁ、はぁぃ・・・」
 自分の下半身がどんどん動かせなくなっていくことに、眩暈しちゃうほどの陶酔を感じていた私は、いやらしいマゾ声でうなずきました。

「今、縛っていて思いついたのですが、こうするともっと施術がしやすくなると思います」
 マリナさんがアンジェラさんに向けておっしゃってから、今度はセリナさんのほうを向いてつづけました。
「セリナさん、あそこの戸棚から毛布を一枚、持ってきてくださる?」
 セリナさんがタタッと駆け出し、すぐに毛布を抱えて戻ってきました。
「ううん、たたんだままでいいの」
 毛布を広げようとされたセリナさんを制します。

 マリナさんはその毛布をさらに、大きめな枕くらいの大きさにまでたたんでから、ちょっと失礼、と、私の腰のあたりのふんわりタオルの下に手を潜り込ませ、私の腰を持ち上げて、その隙間に折りたたんだ毛布を挿入しました。
 その結果、差し込まれた毛布によって私の腰は以前より10センチくらい浮き上がり、背中が若干弓反りな姿勢になっていました。
 仰向けに寝そべっている私から見ると、中空に自分の下腹部が突き出され、その先が見えない状態。
 必然的に傍から見れば、剥き出しの股間を高く突き出すような格好になっているはずです。
 腰の位置が高くなったおかげで、両脚を繋ぐ包帯ロープの張力も増して、膝の内側にいっそう食い込み、被虐感を煽ってきます。。
 私の下半身は、すっごく恥ずかしい状態で完全に拘束されてしまいました。

 小野寺さんのカメラが私の今の状態を、足元からゆっくり舐めるように映してくれています。
 
 真っ白な包帯で固められた両足先。
 両膝を折り曲げたまま全開でベッドにくくりつけられた両脚。
 これみよがしに高く突き出された、施術途中の毛が残る、開いて濡れそぼったアソコ。
 薄い毛が翳る土手部分から下り坂になり、縦に伸びたおへそ。
 仰向けのために若干左右に垂れ下がり気味なふたつの乳房。
 相変わらず天を衝くふたつの乳首。
 マゾの服従ポーズの両腋には汗が滲んでいます。
 首に巻かれたメス犬マゾな証の赤いチョーカー。
 そして、恥辱の興奮に歪む、私の真っ赤な顔。

「あらあら、スゴイ格好になっちゃたわねえ、ナオコ」
 アンジェラさんが少し呆れたようなお声でつぶやきました。
「でも白い包帯っていうのはいいわね。なんだかフェティッシュで。ゾクゾクしちゃうくらいエロティックだわ」
 アンジェラさんの右手が私の足先の包帯をそっと撫ぜました。

「それにしてもマリナさん、あなた手際がいいわね?感心しちゃった」
「あ、はい。わたしも以前の職業柄、SMとか興味あったので、看護師時代に少し研究しました。看護師には多いですよ。その手の人」
 照れ臭そうにおっしゃるマリナさん。
「あ、でもわたしは、あくまでもエスのほうですから」
 お口の端をクイッと上げたクールな微笑を私に向けながら、マリナさんがそう付け加えられました。
 やっぱり、と思いました。


コートを脱いで昼食を 21