ジュエルケースにしまっておいたチョーカーを取り出しました。
手に取っただけでからだが火照ってきます。
鏡の前で、そっと首にあてがってみました。
うわ、すっごく目立っちゃう・・・
白いブラウスとベージュのジャケットといういでたちの中では、首元に艶のあるエンジ色はとても目立ちます。
これを着けると街中にマゾオーラを撒き散らしてしまうので、外出時の装着は禁止されていた首輪型チョーカー。
それなのに今日は、これを着けて外出、っていうご命令です。
メス犬マゾペットの首輪を着けてマゾオーラ全開の私の姿を、シーナさまはいったい誰にお見せになる気なのでしょう?
下半身がモヤモヤ疼いて仕方ありません。
チョーカーをジャケットのポケットに入れて、ハンドバッグを片手にマンションを出ました。
マンションの門から10メートルくらい離れた路上に、見覚えのある黄色くて四角張った可愛らしい感じのシーナさまの愛車が、ライトをチカチカさせて待っていました。
「お待たせしました」
助手席に乗り込むと、シーナさまが右手のひらを上に向けて、黙ったまま私の前に突き出してきました。
「あ、はい・・・」
ポケットからチョーカーを取り出し、シーナさまの手のひらの上に乗せて、背中を向けます。
シーナさまが手際よく、私の首にチョーカーを装着してくださいました。
前を向くと、車のルームミラーに私の首元が映りました。
やっぱり目立つ・・・
鏡の中の自分と目が合って、頬が火照ってきました。
「うん。いい感じ。とても直子らしくなったわ」
首だけ左にひねってずっと私を見ていたシーナさまが、嬉しそうにおっしゃいました。
「今日はわたしと一緒だから、思う存分マゾオーラ発散しちゃっていいから。でも、普通にアクセとしても、ちゃんと似合っているわよ」
シーナさまが私の右頬に軽くチュッとしてくれました。
そのまま私の右耳に唇を寄せて、
「どうせまた、濡れてきてるんでしょ?」
低くささやかれました。
「は、はい・・・」
チョーカーを着けられたときから、アソコの奥がキュンキュンうごめきだし、今のシーナさまのささやきの途端に、自分でも、あっ、と思うくらいたくさん、分泌物が滲み出てきているのがわかりました。
「ふんっ。いやらしい子」
シーナさまが投げ捨てるみたいにつぶやき、車がスイーッと滑り出しました。
車の中でも、スカートをまくれとかいう類のえっちなご命令は一切無く、シーナさまは運転しながら、イスタンブールで食べたサバのサンドウィッチのお話などをされていました。
私は首のチョーカーが気になって、お話をお聞きしながらも時折ルームミラーをチラ見してはドキドキしていたのですが、やがて気持ちが落ち着いてきました。
車はしばらく、交通量の多い大通りを走ってから、住宅街ぽい脇道に入りました。
その住宅街は、どのお家も一軒一軒の敷地が広く、ゆったりと立ち並んで、全体的に落ち着いた雰囲気を醸し出していました。
どのお家もデザインが洒落ていて、塀や門が立派で緑も多く、どう見てもお屋敷、という感じな趣のあるお住まいもありました。
「もうすぐ着くわよ」
窓の外をもの珍しげに、熱心に眺めている私に、シーナさまからお声がかかりました。
「あ、はい。えっと、ここは、このあたりは、どこなのですか?」
「駅で言うと目白になるわね。いわゆる高級住宅街っていうやつよ」
目白って言うと、池袋の一つ隣です。
駅一つ違うだけで、こんなに街の雰囲気が変わるなんて。
あらためて東京ってすごいなー、って思っていると、車が減速して左へ曲がり、アーチ型のゲートをくぐって地下へつづくらしいスロープを降りていきました。
ゲートをくぐるときに、その敷地内に建っている建物が見えました。
高校のとき、家族旅行で訪れて見たことのある、パリの高級アパルトメントのような瀟洒な、目を惹く外観のアンティークぽい建物でした。
リゾート地のホテルとかにありそうなデザイン。
ホテルなのかな?
でもまさか、こんな高級住宅街にはホテルなんて建てないだろうし・・・
スロープを降りた先は、車が10台くらい置ける駐車場になっていました。
シーナさまは空いているスペースに手慣れたハンドルさばきで車を停めました。
「充分間に合ったわね。よかった。土曜日だからもう少し渋るかと思ったわ」
「あの、シーナさま、ここは・・・何ですか?」
「え?あっ、ひょっとしてラブホかなんかだと思ってる?あの外観見て」
シーナさまが可笑しそうにクスクス笑います。
「そんなわけないじゃない。ここは普通のマンションよ。あ、でも普通ではないわね、お家賃的には、高級マンション、に該当する物件だから」
車を降りてふたり、駐車場に隣接したエレベーターホールへ向かいました。
「そうそう、今日の直子は、モリタナオコだから。その名前で先方には言ってあるから」
「だから、モリタさま、って呼ばれたらちゃんと返事してね」
「本名だとちょっとマズイかな、とも思ったのよ。だから、これからずっと、ここに来たらあなたは、モリタナオコだから、ね?」
「は、はい・・・」
本名だとマズイこと、って何だろう?
シーナさまが企てたことですから、えっちな事柄に関連することであるのは間違いありません。
先方、とおっしゃったから、これから誰かと会うことになるのも確実です。
本名を隠しておいて良かった、と思うくらい、その人の前でとんでもなく恥ずかしいめに遭わされちゃうのでしょうか。
ドキドキがどんどん激しくなってきました。
「14時から予約を入れているシーナです」
エレベーターの扉脇に付いたテンキーを操作してから、シーナさまがインターフォン越しに告げました。
ほどなくエレベーターが降りてきて、扉が開きました。
シーナさまが4階のボタンを押し、エレベーターが上昇を始めます。
監視カメラが付いているらしく、天井付近のモニターに私たちふたりの姿が俯瞰図で映っていました。
その映像の中でも、私の首のチョーカーは、かなり目立っていました。
「さあ、いよいよだわね、直子。いろいろがんばって、ね?」
シーナさまが嬉しそうに謎な言葉を投げて、私にパチンとウインクしました。
エレベーターの扉が開くと、そこはホテルのフロントみたいになっていました。
大理石の床と壁に、木目も鮮やかで重厚なカウンターが置かれ、その向こうでスーツを着た綺麗な女性がニッコリ微笑んでいました。
「ようこそいらっしゃいませ、シーナさま、そしてモリタさま。お待ちしておりました」
両手を前で揃えた完璧なお辞儀の後、またニッコリと微笑みます。
「どうぞ、こちらのお部屋へお入りください。チーフも中ですでに準備して、おふたりのご到着をお待ちしておりますから」
カウンターから出てきて、私たちを案内するために一歩先を歩いていく彼女。
そのタイトなスカートからスラリと伸びた脚線美に見蕩れていたら、お部屋のドアが開きました。
「お履物はここでお脱ぎいただいて、ご用意いたしましたその室内履きにお履き換えください」
女性が一歩退いて、私たちを入口のお部屋側に通してくれました。
そこから覗いたお部屋の様子に、もうびっくり。
ゴージャス。
その一言しか思い浮かびませんでした。
応接間にしては、いささか広すぎる床のほとんどを覆っている、暖色系のグラデーションによるアラベスク文様鮮やかな、毛足の長いペルシャ絨毯。
適材適所に置かれた、アンティークながらお手入れの行き届いていそうな、見るからに高級そうな猫脚の家具たち。
品良く飾られた、どこかで目にしたことのあるような絵画と彫刻。
きっとレプリカではなく本物なのでしょう。
お部屋の中央付近には大理石の大きめなテーブルが置かれ、そのテーブルを挟んで、柔らかそうなソファーに腰掛けたご婦人がふたり、ティーカップを前にして談笑されていました。
お部屋全体に、お香なのかアロマキャンドルなのか、何とも言えない甘くていい香りが漂っています。
豪華すぎるお部屋を前にして呆然と立ち尽くす私を尻目に、シーナさまはスタスタとテーブルのほうへと歩いていかれました。
「ミス・シーナ、お久しぶりね。会いたかったわ」
こちらを向いてソファーに腰掛けていたご婦人がゆっくりと立ち上がり、テーブルの脇に立ってシーナさまを迎え、やんわりとふたり抱擁されました。
「チーフのお仕事、順調に伸びているみたいね。下の駐車場で見たわよ。また車、変えたでしょ?」
「ああ。あれはお客様の送迎用の車よ。設備投資みたいなもの」
「ここのお得意様って、新型のジャガーで送り迎えしてもらえるんだ。リッチだわねー」
おふたりがとても親しげに、お話されています。
シーナさまのお相手をされているご婦人は、パッと見た感じ20代後半から30代前半。
ゆったりとした品の良いパープル系のワンピースで、からだつきはスレンダー、胸元に3連の細いゴールドチェーンがキラキラ揺れています。
お顔が小さくて彫りが深く、背もけっこう高めだから、ひょっとすると欧米系のハーフさんかもしれません。
そのクッキリした目鼻立ちをキツクならないように上手にメイクして、ショートめの髪をゆるやかなウェーブで左右に分け、全体として、すっごく華やかな美人さん、という印象です。
「ほら、直子も早く、こちらにいらっしゃい」
シーナさまに促され、案内していただいたスーツの女性にも、微笑みながら、どうぞ、という手振りで後ろから促され、おずおずと柔らかな絨毯をフワフワのスリッパで踏んで、シーナさまに近づきました。
「それにしても、ミス・シーナがこんなにお若いかたをお連れになるとは、思いもよらなかったわ。ミス・シーナ、あなた最近、趣味変わったの?」
チーフと呼ばれた、ハーフなお顔のご婦人が、心底驚いたという感じで、シーナさまを見つめています。
「そういうことではないけれどね。この子はいろいろワケありでさ。まあそれはともかく、紹介する・・・」
シーナさまが私のほうを向いて、チーフさんのことを私にご紹介してくれそうになったとき、チーフさんが私に向けて名刺を差し出してきました。
「ミス・モリタさん、だったわよね?わたくしはこういうものです。今後ともよろしくね」
チーフさんがニコッと笑いかけてくれました。
受け取った名刺を見てみます。
サロン エンヴィ envy (艶美)
代表 アンジェラ 樹里
それに住所と電話番号が書いてありました。
裏返すと同じことが英語で書いてあります。
「サロン?」
思わず独り言を小さくつぶやいてしまいました。
「だからね、ここは・・・」
シーナさまが私に説明しようとすると、再びチーフさん、つまりアンジェラさんが遮りました。
「まあまあ、立ち話もなんだから、一回みんな座りましょう。小野寺さん、お茶をご用意して」
小野寺さんと呼ばれた、受付のスーツ姿の女性がお部屋の奥へ消え、私とシーナさまは、さっきまでアンジェラさんが座っていた側のソファーに並んで腰掛け、アンジェラさんは、先ほどまで談笑されていたもうひとりの女性の隣に腰掛けました。
ほどなく小野寺さんが、お紅茶とチーズケーキを人数分持ってきてくださり、小野寺さんは、お部屋の入口近くにある椅子に、ひとり離れてお座りになりました。
「それじゃあまずわたしから、あらためてご紹介するわ」
おのおのがティーカップを一口傾け、チーズケーキをひとかけら頬張り一息ついた後、シーナさまが口火を切りました。
「今日初めてこのサロンのお世話になる、こちらの女性は・・・」
そこで一呼吸置き私のほうを見て、ニッと一瞬笑いました。
すぐにアンジェラさんたちのほうに向き直り、私を右手でバスガイドさんのように指し示しながら、シーナさまがつづけます。
「一番新しいわたしのドレイ、モリタナオコです」
えっ!?
シーナさま今、私のことを、わたしのドレイ、っておっしゃらなかった?
えーっ!?
私の聞き間違いじゃないよね?
えーーっ!?
何それ?そんなこと言っちゃっていいの?えーーーーっ!何?何?何?何?
思いもよらないシーナさまのお言葉に、私はあっさりパニックに陥りました。
*
*コートを脱いで昼食を 15へ
*
直子のブログへお越しいただきまして、ありがとうございます。ここには、私が今までに体験してきた性的なあれこれを、私が私自身の思い出のために、つたない文章で書きとめておいたノートから載せていくつもりです。
2013年10月13日
2013年10月6日
コートを脱いで昼食を 13
発端は夏休み終盤、私が実家に帰っていたときに届いた、シーナさまからのメールでした。
直子へ
久しぶりに池袋に戻って来たのに、直子は帰省中とのこと、なんだかがっかり。
こちらに帰ってきたら連絡すること。
それと、このメールを読んだら、次に私と会う時まで、陰毛の処理は一切禁止。
これは命令、厳守すること。
というメールでした。
その当時の私は、久しぶりの実家でのんびりと過ごし、生理中でもあったので、全裸家政婦の頃からつづいていたムラムラも、ずいぶん大人しくなっていました。
でも、そのそっけない文面のメールを読んだ途端、からだがウズウズ疼き始めました。
一番最近にソコの毛を処理したのは、全裸家政婦生活を思い立った8月の下旬でした。
あれから約二週間ちょっと。
もともと薄い私の股間にも、ようやくうっすらと翳りの片鱗が見え始めている頃でした。
ナプキンをあてるときにそれが気になって、東京に戻ったらまたキレイに剃ってしまおう、なんて考えていた矢先のメールでした。
処理するな、って言われると、余計に処理したくなってしまうもの。
けれどシーナさまのご命令ですから、絶対逆らえません。
シーナさまがまた、何か企んでいらっしゃる・・・
アソコの毛を処理するな、というご命令が、ひどく淫靡なことに思えて、いろいろ妄想をめぐらせては、実家でひとり悶々としていました。
東京に戻って学校に通い始めると、夏休み中とは生活のサイクルが一変して、しばらくは慌しく日々が過ぎていきました。
シーナさまには、もちろん戻ってすぐにご連絡したのですが、お仕事で遠方へお出かけされていて、お戻りになるのは2、3週間後ということでした。
そうこうしているうちに月が変わり、念願の裸コート用にオリーブグリーンのコートを手に入れたこともきっかけとなり、秋・冬物のお洋服をウォークインクロゼットで整理していた日曜日の午後。
とっかえひっかえいろんなお洋服を着ては脱ぎ、鏡の前でひとりファッションショーをしていたとき、からだ全体がムラムラ、すっごく昂ぶっていることに気がつきました。
その日から再び、お部屋での全裸生活が始まりました。
エレベーターからお部屋のドアまでのあいだにストリップすることを決めたり、乳首穴空きTシャツを考えついたのもこの頃のことです。
学校へは毎日ノーパンジーンズ&チュニックで通い、体育授業の着替えでスリルを味わったり、おトイレの個室で慰めたりもしていました。
最後に処理してから約一ヶ月。
私のソコの毛は、ほぼ普通の状態に戻っていました。
と言っても、もともとが薄い私です。
土手の割れ始め付近から上への狭い範囲に、密度も粗く一本一本細くて直毛な短い毛がチョロチョロ生えた状態。
私の場合、ここまで生えるともうこれ以上伸びたり濃くなったりはしなくて、ずっとそのままな感じなのです。
鏡に映すと、何て言うか、貧相、っていう言葉がぴったりな感じで、剃り落としたくてたまらなくなります。
高二の頃、やよい先生に初めて剃られちゃうまでは、薄い、という自覚はあったものの、そんなに気にすることも無かったのですが、パイパンを覚えてしまい、それがずっと、普通の状態、になってしまった今となっては、ソコに毛があることにうまく馴染めなくなっていました。
恥毛、という言葉がありますが、私にとってソコに毛がある状態は、まさしく、恥ずかしい毛を生やしている、という感覚でした。
だから逆に、その状態が新鮮と言うか、自分のソコがパイパンのときよりもより卑猥でだらしなくも思えて、そんな毛を生やしている自分を責め立てる自虐オナニーに、いつもより力が入っちゃったことも事実でした。
その週の週末の夜に、シーナさまが私のお部屋にいらっしゃることになりました。
シーナさまとお逢いするのは、夏休み前にデパートでばったり遭遇してチョーカーをいただいたとき以来でしたから、丸々二ヶ月ちょっとぶりでした。
ムラムラ期真っ最中で全裸生活中の私でしたから、これも何かのご縁と思い、思い切って全裸でシーナさまをお迎えすることにしました。
金曜日の夜7時過ぎ。
お部屋のインターフォンが鳴って、モニターでシーナさまとしっかり確認してから、全裸のままそーっと玄関のドアを開けました。
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
そのときのシーナさまのびっくりされたお顔。
でもすぐに視線を私の胸から下半身へとすべらせながら、
「あらあら、やる気マンマンね」
と、嬉しそうにニッと笑ってくれました。
秋らしい浅紫色のステキなワンピースに身を包んだシーナさまは、両手にたくさんの荷物を持ってらっしゃいました。
お逢い出来なかったあいだシーナさまは、海外を含むいろいろな場所に行ってらしたようで、私のために食べ物や雑貨など、たくさんのお土産を持ってきてくださいました。
そのお土産にまつわるシーナさまの旅のお話や、私が始めた全裸生活のことなどを、シーナさまに私のからだをいろいろもてあそばれながら、夜が更けるまでたくさんおしゃべりしました。
一緒にお風呂にも入りました。
私の予想では、ご命令で伸ばした私の陰毛は、きっとお風呂のときにシーナさまからどうにかされちゃうのじゃないかな?って期待していたのですが、まったくそんなことはなく、普通にイチャイチャしただけでした。
ずいぶん夜更かしをしてから、ふたりとも裸のままひとつのベッドで寝て、ずいぶん朝寝坊しちゃいました。
私は全裸、シーナさまは素肌にバスローブを羽織ってのブランチの後、しばらくボーっとしていたら、唐突にシーナさまがおっしゃいました。
「さてと、そろそろ準備したほうが良さそうね」
「え?何のですか?」
「午後になったら出かけるわよ、ふたりで。ちょっとしたドライブね」
「あ、そういう予定だったのですか。えっと、どちらへ?」
「そんなのヒミツに決まっているじゃない。だから直子にも、それなりの格好をしてもらわないと」
シーナさまがイタズラっぽく笑いました。
シーナさまとお外へお出かけ、となると、つまりは何か羞恥プレイをすることになるのでしょう。
となると・・・
「えっと、それはつまり、やっぱりノーパンとか・・・」
「ううん。今回はそういうのじゃなくて、きっちりキメて欲しいのね」
「たとえば、良家のお嬢様風とか・・・あ、でもそんなこと言うと直子、無駄に悩んじゃいそうだわね」
「フォーマルな感じって言うか、セレブな感じって言うか。まあ、カッチリした感じならいいかな。直子ってスーツ、持ってる?」
「あ、はい、一応は・・・」
大学の入学式用に買った、薄めなベージュ色でノーカラーのショートジャケットと膝丈スカートの可愛いっぽいスーツを、このあいだのお洋服整理のときに久々にみつけて着てみたばかりでした。
「ならそれを基本に清楚っぽくね。あと下着もちゃんとしたやつをね。もちろんメイクも普段よりちょっと気合を入れてみて、ね?」
シーナさまがパチンとウインクして、私の頬にチュッとしてくれました。
「わたしもいったん上に戻って準備してくるから。1時までには、またここに戻ってくるわ」
それだけ言い残すと、シーナさまはバスローブの前をちょちょいと結んで、ご自分のバッグから鍵の束だけ取り出してポケットに突っ込み、タタタッと玄関から出て行ってしまいました。
シーナさまったら、素肌にバスローブだけの姿で8階まで戻るんだ。
エレベーター内には監視カメラがあって管理人さんが見ていらっしゃるかもしれないのになー、大胆だなーって思って、思い出しました。
そうだった、エレベーターは使わずにお外の非常階段を使っているんだった。
以前、あんまり頻繁に直子の部屋に出入りしていると、管理人さんに不審がられそうじゃない?とおっしゃって、管理人さんとそのフロアの住人しか持っていない、建物の側面に設えてある非常階段に出られる非常口の鍵を、お貸ししたことがありました。
シーナさまはそれで合鍵を作り、私の部屋の出入りには、あまりエレベーターは使わず、お外の非常階段を使われているみたいでした。
だけど、バスローブ一枚で土曜日のお昼時にお外の非常階段を登るのって、それはそれでもっと大胆ですよね。
シーナさまらしい、ってクスッと笑ってしまいました。
シーナさまはいったい、私をどこへ連れて行こうとしているのだろう?
考えながら着替えをしました。
着替えと言っても、元が全裸でしたから、お洋服を身に着けただけですが。
お言いつけ通りに、下着はシルクでレースがたくさん付いた可愛らしいピンクの上下。
スーツだからパンティストッキングも穿かなくちゃ。
フリルがヒラヒラの白いリボンブラウスを羽織り、メイクもいつもより念入りに。
なんだか久しぶりのおめかしに、ワクワクしてきました。
どこかの一流レストランにでも連れて行ってくれるのかな?
なんだかテレビドラマとかでよく見る、お見合い、の前みたい。
まさか・・・ないよね?
誰かのパーティにお呼ばれでもしているのかしら?
シーナさま、そういうセレブなお知り合い、多そうだから・・・
慣れないおめかしに意外と手間取り、ジャケットの袖に腕を通したときには、もう1時前でした。
ほどなくインターフォンが鳴り、シーナさまが戻っていらっしゃいました。
「へー。なかなかいい感じね。良家のお嬢様に見えるじゃない?」
私の姿を見るなり、シーナさまが満足そうにおっしゃいました。
「そのスーツって、あのブランドのでしょ?直子、いいもの持ってるのねー」
そういうシーナさまは、ダークなストライプのパンツスーツに、黒のシースルー気味なフリルブラウスで、なんだかマニッシュな感じ。
カッコいい!
髪も片方にまとめてサイドに流し、メリハリの効いたメイク、中性的って言うか美少年ぽく変身されていました。
「本当はもっとフェミニンな感じにしようかとも思ったのだけれどさ、車運転するの考えると、どうしてもパンツスーツになっちゃうのよね」
「だから今日は思い切って、そっち寄りにちょっとやり過ぎてみたの」
「たまにはこんなのもいいでしょ?」
シーナさまが自嘲気味におっしゃりながら、私の全身をマジマジと見つめています。
「うーん、すごくいいのだけれど、何かが足りないわねー」
美少年なシーナさまが考え込んでいます。
「そうだ。ずいぶん前に会ったときにあげたチョーカー、着けてごらんなさい。あれ着けたら完璧よ、きっと」
ドッキーン!
シーナさまのお口から、チョーカー、という言葉が出たとき、心臓が口から飛び出しそうなくらいに跳ねました。
久しぶりのおめかしのワクワク気分なんて、一気に吹き飛びました。
普通の人には単なるアクセサリーに見えても、私にとっては、メス犬マゾペットの首輪、としか思えない、あのチョーカー。
いただいた当初は、お部屋で自分をいたぶるときによく着けていたのですが、汗やいろいろなおツユで汚してしまうのがもったいない気がして、だんだん着けなくなり、最近はずっと大事にしまったままでした。
まがりなりにもシーナさまとお出かけするのですから、そこに何かしらのえっちな目論見が無いわけがありません。
それを私ったら、おめかししてどこかでお食事かしら?なんて能天気にワクワクしたりして。
きっとこのおめかしだって、私をより効果的に辱めるために必要な道具立てのひとつなのでしょう。
忘れかけていたムラムラが全身に広がり、健全だったワクワクを瞬く間に不健全なワクワクに塗り替えてしまいました。
私、これからどこで、何をされちゃうのだろう?
チョーカー、という一言だけで、全身がみるみるうちに疼きだしたのがわかりました。
久しぶりに穿いたパンティストッキングとショーツの下で、早くもアソコが潤み始めていました。
「あら、もうこんな時間。急がなくちゃ。わたし、車をマンションの前まで持って来るから、先に出るわ」
「直子は、チョーカーを持って、門の前で待ってて。チョーカーは車の中で着けてあげるから」
そう言い残すと、シーナさまは慌しく玄関から出て行きました。
*
*コートを脱いで昼食を 14へ
*
直子へ
久しぶりに池袋に戻って来たのに、直子は帰省中とのこと、なんだかがっかり。
こちらに帰ってきたら連絡すること。
それと、このメールを読んだら、次に私と会う時まで、陰毛の処理は一切禁止。
これは命令、厳守すること。
というメールでした。
その当時の私は、久しぶりの実家でのんびりと過ごし、生理中でもあったので、全裸家政婦の頃からつづいていたムラムラも、ずいぶん大人しくなっていました。
でも、そのそっけない文面のメールを読んだ途端、からだがウズウズ疼き始めました。
一番最近にソコの毛を処理したのは、全裸家政婦生活を思い立った8月の下旬でした。
あれから約二週間ちょっと。
もともと薄い私の股間にも、ようやくうっすらと翳りの片鱗が見え始めている頃でした。
ナプキンをあてるときにそれが気になって、東京に戻ったらまたキレイに剃ってしまおう、なんて考えていた矢先のメールでした。
処理するな、って言われると、余計に処理したくなってしまうもの。
けれどシーナさまのご命令ですから、絶対逆らえません。
シーナさまがまた、何か企んでいらっしゃる・・・
アソコの毛を処理するな、というご命令が、ひどく淫靡なことに思えて、いろいろ妄想をめぐらせては、実家でひとり悶々としていました。
東京に戻って学校に通い始めると、夏休み中とは生活のサイクルが一変して、しばらくは慌しく日々が過ぎていきました。
シーナさまには、もちろん戻ってすぐにご連絡したのですが、お仕事で遠方へお出かけされていて、お戻りになるのは2、3週間後ということでした。
そうこうしているうちに月が変わり、念願の裸コート用にオリーブグリーンのコートを手に入れたこともきっかけとなり、秋・冬物のお洋服をウォークインクロゼットで整理していた日曜日の午後。
とっかえひっかえいろんなお洋服を着ては脱ぎ、鏡の前でひとりファッションショーをしていたとき、からだ全体がムラムラ、すっごく昂ぶっていることに気がつきました。
その日から再び、お部屋での全裸生活が始まりました。
エレベーターからお部屋のドアまでのあいだにストリップすることを決めたり、乳首穴空きTシャツを考えついたのもこの頃のことです。
学校へは毎日ノーパンジーンズ&チュニックで通い、体育授業の着替えでスリルを味わったり、おトイレの個室で慰めたりもしていました。
最後に処理してから約一ヶ月。
私のソコの毛は、ほぼ普通の状態に戻っていました。
と言っても、もともとが薄い私です。
土手の割れ始め付近から上への狭い範囲に、密度も粗く一本一本細くて直毛な短い毛がチョロチョロ生えた状態。
私の場合、ここまで生えるともうこれ以上伸びたり濃くなったりはしなくて、ずっとそのままな感じなのです。
鏡に映すと、何て言うか、貧相、っていう言葉がぴったりな感じで、剃り落としたくてたまらなくなります。
高二の頃、やよい先生に初めて剃られちゃうまでは、薄い、という自覚はあったものの、そんなに気にすることも無かったのですが、パイパンを覚えてしまい、それがずっと、普通の状態、になってしまった今となっては、ソコに毛があることにうまく馴染めなくなっていました。
恥毛、という言葉がありますが、私にとってソコに毛がある状態は、まさしく、恥ずかしい毛を生やしている、という感覚でした。
だから逆に、その状態が新鮮と言うか、自分のソコがパイパンのときよりもより卑猥でだらしなくも思えて、そんな毛を生やしている自分を責め立てる自虐オナニーに、いつもより力が入っちゃったことも事実でした。
その週の週末の夜に、シーナさまが私のお部屋にいらっしゃることになりました。
シーナさまとお逢いするのは、夏休み前にデパートでばったり遭遇してチョーカーをいただいたとき以来でしたから、丸々二ヶ月ちょっとぶりでした。
ムラムラ期真っ最中で全裸生活中の私でしたから、これも何かのご縁と思い、思い切って全裸でシーナさまをお迎えすることにしました。
金曜日の夜7時過ぎ。
お部屋のインターフォンが鳴って、モニターでシーナさまとしっかり確認してから、全裸のままそーっと玄関のドアを開けました。
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
そのときのシーナさまのびっくりされたお顔。
でもすぐに視線を私の胸から下半身へとすべらせながら、
「あらあら、やる気マンマンね」
と、嬉しそうにニッと笑ってくれました。
秋らしい浅紫色のステキなワンピースに身を包んだシーナさまは、両手にたくさんの荷物を持ってらっしゃいました。
お逢い出来なかったあいだシーナさまは、海外を含むいろいろな場所に行ってらしたようで、私のために食べ物や雑貨など、たくさんのお土産を持ってきてくださいました。
そのお土産にまつわるシーナさまの旅のお話や、私が始めた全裸生活のことなどを、シーナさまに私のからだをいろいろもてあそばれながら、夜が更けるまでたくさんおしゃべりしました。
一緒にお風呂にも入りました。
私の予想では、ご命令で伸ばした私の陰毛は、きっとお風呂のときにシーナさまからどうにかされちゃうのじゃないかな?って期待していたのですが、まったくそんなことはなく、普通にイチャイチャしただけでした。
ずいぶん夜更かしをしてから、ふたりとも裸のままひとつのベッドで寝て、ずいぶん朝寝坊しちゃいました。
私は全裸、シーナさまは素肌にバスローブを羽織ってのブランチの後、しばらくボーっとしていたら、唐突にシーナさまがおっしゃいました。
「さてと、そろそろ準備したほうが良さそうね」
「え?何のですか?」
「午後になったら出かけるわよ、ふたりで。ちょっとしたドライブね」
「あ、そういう予定だったのですか。えっと、どちらへ?」
「そんなのヒミツに決まっているじゃない。だから直子にも、それなりの格好をしてもらわないと」
シーナさまがイタズラっぽく笑いました。
シーナさまとお外へお出かけ、となると、つまりは何か羞恥プレイをすることになるのでしょう。
となると・・・
「えっと、それはつまり、やっぱりノーパンとか・・・」
「ううん。今回はそういうのじゃなくて、きっちりキメて欲しいのね」
「たとえば、良家のお嬢様風とか・・・あ、でもそんなこと言うと直子、無駄に悩んじゃいそうだわね」
「フォーマルな感じって言うか、セレブな感じって言うか。まあ、カッチリした感じならいいかな。直子ってスーツ、持ってる?」
「あ、はい、一応は・・・」
大学の入学式用に買った、薄めなベージュ色でノーカラーのショートジャケットと膝丈スカートの可愛いっぽいスーツを、このあいだのお洋服整理のときに久々にみつけて着てみたばかりでした。
「ならそれを基本に清楚っぽくね。あと下着もちゃんとしたやつをね。もちろんメイクも普段よりちょっと気合を入れてみて、ね?」
シーナさまがパチンとウインクして、私の頬にチュッとしてくれました。
「わたしもいったん上に戻って準備してくるから。1時までには、またここに戻ってくるわ」
それだけ言い残すと、シーナさまはバスローブの前をちょちょいと結んで、ご自分のバッグから鍵の束だけ取り出してポケットに突っ込み、タタタッと玄関から出て行ってしまいました。
シーナさまったら、素肌にバスローブだけの姿で8階まで戻るんだ。
エレベーター内には監視カメラがあって管理人さんが見ていらっしゃるかもしれないのになー、大胆だなーって思って、思い出しました。
そうだった、エレベーターは使わずにお外の非常階段を使っているんだった。
以前、あんまり頻繁に直子の部屋に出入りしていると、管理人さんに不審がられそうじゃない?とおっしゃって、管理人さんとそのフロアの住人しか持っていない、建物の側面に設えてある非常階段に出られる非常口の鍵を、お貸ししたことがありました。
シーナさまはそれで合鍵を作り、私の部屋の出入りには、あまりエレベーターは使わず、お外の非常階段を使われているみたいでした。
だけど、バスローブ一枚で土曜日のお昼時にお外の非常階段を登るのって、それはそれでもっと大胆ですよね。
シーナさまらしい、ってクスッと笑ってしまいました。
シーナさまはいったい、私をどこへ連れて行こうとしているのだろう?
考えながら着替えをしました。
着替えと言っても、元が全裸でしたから、お洋服を身に着けただけですが。
お言いつけ通りに、下着はシルクでレースがたくさん付いた可愛らしいピンクの上下。
スーツだからパンティストッキングも穿かなくちゃ。
フリルがヒラヒラの白いリボンブラウスを羽織り、メイクもいつもより念入りに。
なんだか久しぶりのおめかしに、ワクワクしてきました。
どこかの一流レストランにでも連れて行ってくれるのかな?
なんだかテレビドラマとかでよく見る、お見合い、の前みたい。
まさか・・・ないよね?
誰かのパーティにお呼ばれでもしているのかしら?
シーナさま、そういうセレブなお知り合い、多そうだから・・・
慣れないおめかしに意外と手間取り、ジャケットの袖に腕を通したときには、もう1時前でした。
ほどなくインターフォンが鳴り、シーナさまが戻っていらっしゃいました。
「へー。なかなかいい感じね。良家のお嬢様に見えるじゃない?」
私の姿を見るなり、シーナさまが満足そうにおっしゃいました。
「そのスーツって、あのブランドのでしょ?直子、いいもの持ってるのねー」
そういうシーナさまは、ダークなストライプのパンツスーツに、黒のシースルー気味なフリルブラウスで、なんだかマニッシュな感じ。
カッコいい!
髪も片方にまとめてサイドに流し、メリハリの効いたメイク、中性的って言うか美少年ぽく変身されていました。
「本当はもっとフェミニンな感じにしようかとも思ったのだけれどさ、車運転するの考えると、どうしてもパンツスーツになっちゃうのよね」
「だから今日は思い切って、そっち寄りにちょっとやり過ぎてみたの」
「たまにはこんなのもいいでしょ?」
シーナさまが自嘲気味におっしゃりながら、私の全身をマジマジと見つめています。
「うーん、すごくいいのだけれど、何かが足りないわねー」
美少年なシーナさまが考え込んでいます。
「そうだ。ずいぶん前に会ったときにあげたチョーカー、着けてごらんなさい。あれ着けたら完璧よ、きっと」
ドッキーン!
シーナさまのお口から、チョーカー、という言葉が出たとき、心臓が口から飛び出しそうなくらいに跳ねました。
久しぶりのおめかしのワクワク気分なんて、一気に吹き飛びました。
普通の人には単なるアクセサリーに見えても、私にとっては、メス犬マゾペットの首輪、としか思えない、あのチョーカー。
いただいた当初は、お部屋で自分をいたぶるときによく着けていたのですが、汗やいろいろなおツユで汚してしまうのがもったいない気がして、だんだん着けなくなり、最近はずっと大事にしまったままでした。
まがりなりにもシーナさまとお出かけするのですから、そこに何かしらのえっちな目論見が無いわけがありません。
それを私ったら、おめかししてどこかでお食事かしら?なんて能天気にワクワクしたりして。
きっとこのおめかしだって、私をより効果的に辱めるために必要な道具立てのひとつなのでしょう。
忘れかけていたムラムラが全身に広がり、健全だったワクワクを瞬く間に不健全なワクワクに塗り替えてしまいました。
私、これからどこで、何をされちゃうのだろう?
チョーカー、という一言だけで、全身がみるみるうちに疼きだしたのがわかりました。
久しぶりに穿いたパンティストッキングとショーツの下で、早くもアソコが潤み始めていました。
「あら、もうこんな時間。急がなくちゃ。わたし、車をマンションの前まで持って来るから、先に出るわ」
「直子は、チョーカーを持って、門の前で待ってて。チョーカーは車の中で着けてあげるから」
そう言い残すと、シーナさまは慌しく玄関から出て行きました。
*
*コートを脱いで昼食を 14へ
*
2013年9月29日
コートを脱いで昼食を 12
瀟洒なフレンチレストランのテーブルに向かい合わせで座るシーナさまと私。
私の服装はと言えば、左右の乳首だけが飛び出したおへそまでしかない真っ白なピチピチTシャツで、下半身は裸。
ランチタイムでほぼ満席の明るいレストラン内全体に響くヒソヒソ声と、私の全身に突き刺さってくる、好奇と侮蔑と顰蹙の目、目、目・・・
そんな光景が頭に浮かび、タクシーのシートの上で身を縮こませてしまいます。
絶対にありえません。
て言うか、コートを脱いだ時点で、ドレスコード的に門前払いでしょう。
て言うか、そんなところで私が、このコートを脱げるわけがありません。
「ご、ごめんなさい・・・許してください・・・」
運転手さんには聞こえないように、シーナさまのお顔にもっと自分の顔を寄せて、泣きそうになりながら小さな声で白状しました。
「わ、私今・・・こ、このコートの下・・・裸なんです・・・」
シーナさまは、やっぱりね、っていうお顔で、ふふん、と小さく一回笑い、ご自分のおでこを私のおでこに、コツンと軽くぶつけてきました。
「あ、運転手さんごめんなさいね。行き先変更して、東口の駅前につけてくださる?」
シーナさまがいったん前を向き、ハッキリした口調で運転手さんに告げて、再び私にピッタリ寄り添ってきました。
同時にシーナさまの右手が、私のコートの左側のポケットにスーッと差し込まれました。
「あっ!?」
私は小さく悲鳴を上げ、あわてて口を両手で押さえ、その場にうずくまるみたいに大げさにうつむきました。
それからの数分間、たとえて言うならば、天国で天使たちに祝福されながら地獄の業火に灼かれるような、甘美で残酷な拷問にひたすら耐えました。
ポケットの裏地越しのシーナさまの右手のひらが、私の剥き出しな下腹部をサワサワと撫で回します。
おへそのほうへ行ったかと思うと両脚の付け根付近へ。
ゆっくりと、その感触と私の反応を愉しむかのような、やわらかな愛撫がつづきました。
おへその上あたりのTシャツの端に触れて手が止まり、うつむいた私の顔を覗き込んでくるのがわかりました。
私は何も言えず、ただひたすらうつむいて小さく首を振っていました。
それ以上敏感なところへ愛撫の手が届かないように両膝をピッタリと揃え、ひたすら快感をがまんしていました。
「もう少し脚を開きなさい」
私の左耳をシーナさまの押し殺した冷たいお声がくすぐります。
私が躊躇していると、シーナさまの右手が強引に、両内腿をこじ開けてきました。
「んっ!」
少しでも気を緩めれば途端に洩れ出してしまう悦びの声を、唇をギュッと噛んでこらえます。
私の両脚は30度くらいまで開き、シーナさまの右手は、私の裂け始めまで届くようになっていました。
シーナさまの右手は、タクシーが信号待ちなどで止まると大人しくなり、動き出すと途端にあちこち這い回りました。
花弁を押し開いて中を撫ぜてきたり、一番敏感な箇所をススッと擦ったり。
ポケットの裏地が滲みになっちゃうな・・・
そんなことを考えつつも、いやらしい声が出そうになるのを必死にがまんしています。
あちこち愛撫されるたびに全身に快感が広がり、その部分が疼いて仕方ありません。
絶え間なく聞こえている運転手さんの小さなハミングが、唯一の心の支えでした。
こんなことされていること、運転手さんには絶対気づかれてはいけない。
そう思って、一生懸命愛撫に耐えていました。
タンポンの紐を発見したらしいシーナさまの右手が、また一瞬止まりました。
「ローター?」
シーナさまの唇がまた、私の左耳をくすぐります。
私はうつむいたまま、首を力なく左右に振りました。
「あ、タンポンか」
シーナさまが独り言みたく小さくつぶやきました。
それからはずっと、同じ責め苦で弄ばれました。
タンポンの紐が引っ張られ、半分ぐらいまで引きずり出されたところで、再びギュッと奥深く押し込まれるのです。
私のいやらしいおシルをたっぷり吸い込んでグジュグジュに膨らんだタンポンが、時にはゆっくり、時にはせわしなく、膣壁を擦ります。
そんなことしたら、おシルが飛び散ってコートの裏地を汚しちゃう・・・
思いながらも、されるがまま。
最初は微かだった反応も、やがて大きなうねりへと育ってきていました。
ああん、もう、もうだめぇ・・・
悦びの喘ぎが喉元までせり上がってきて、もうどうにもがまん出来ません。
「あっ、あそこの信号の手前で結構よ」
シーナさまが前を向き、運転手さんにそう告げたのと、タンポンがグチュッと思い切り奥に押し込まれたのと、私がとうとうがまんしきれずに、んぐっ、ってくぐもった悦びの声をあげてしまったのが、ほぼ同時でした。
「ここらでいいですか?」
タクシーが左に寄って停車し、シーナさまは右手をサッと私のポケットから引き抜き、澄ましたお顔で料金を支払いました。
「ほら、行くわよ?」
快感の余韻と恥ずかしさでうなだれたままの私の左手が取られ引っ張られ、タクシーから引きずり出されました。
タクシーから降りるとき、振り向いて私を見ている運転手さんのお顔が、好色そうにニヤついているようにも見えました。
気づかれちゃったのかも・・・
羞恥心で消え入りそうです。
シーナさまは、私の左手を取ったまま無言でずんずん足早に道路沿いのデパートへ入り、ちょうど開いていたエレベーターに乗り込みました。
エレベーターの中でも、ふたり手をつないだまま無言。
3階で降りると、また腕を引っ張られ、見覚えのある場所にたどり着きました。
私が東京へ来てシーナさまに初めてお会いした初夏のあの日、誘導されるままに連れ込まれた、あの女子トイレでした。
シーナさまは、私の手を引きながら四つの個室の使用中サインをササッとチェックし、入口から一番遠い個室、あの日と同じ個室に入って私を引っぱり込み、カチャンと鍵をかけました。
「ふー。やれやれだわ。わたしのマゾオーラセンサーの性能は、やっぱり優秀なようね」
シーナさまが私を個室の奥へと誘導し、ご自分はドアにもたれるように背中をついて、私の顔を見つめながらつづけます。
「さっき会った瞬間に、アレ?って思ったんだ。直子の挙動にさ」
「それでちょっとカマかけてみたら、案の定じゃない?ほんと、直子ってわかりやすいのね」
シーナさまがクスクス笑います。
「今はこのトイレ、誰もいないけれど、いつ誰かが入ってくるかわからないから、小さな声でお話しましょう」
「それで直子は、そんな格好で、これから何をするつもりだったのかしら?」
シーナさまが小さな子供に語りかけるような、ミョーに親しげやさしげな口調で尋ねてきます。
シーナさまがこういう口調をされるときは要注意なことを、私は経験上、知っていました。
「あの、えっと、それは・・・」
私は便座の横に立ち、相変わらずうなだれ気味にシーナさまを上目遣いでうかがっていました。
この後、私はどうなっちゃうのでしょう?
シーナさまに知られてしまった以上、今日これからの計画はすべて変更となるはずです。
それもたぶん、私が考えた計画以上に、羞恥と恥辱にまみれた体験をさせられそうな気がします。
不安7期待3くらいのドキドキで、からだがぐんぐん火照ってきてしまいます。
「コンビニでは、普通にお買物だけするつもりでした。ヨーグルトが食べたいな、って・・・それでいったんお家に帰って、それから・・・」
ファッションビルで逆ストリップをするつもりだったことを、正直にお話しました。
ただし、その後のお薬屋さんのことは伏せておきました。
「へー。面白そうなことを考えたわね。そう言えば直子、全裸生活、なんてヘンタイなこと、お家でやってたんだっけか」
「でも、こないだわたしと会ったときもムラムラ期とか言っていたじゃない?ひょっとしてまだ治まらないの?あれからずっとそんななの?」
シーナさまの呆れたお声。
「そ、それは・・・」
この前にシーナさまとお会いしたとき、私が夏休み中に思いついて実行した、全裸家政婦生活、のことはだいたいお話していました。
それは先々週の土曜日のこと、正確に言えば金曜日の夜から泊りがけでお相手してくださったのですが、シーナさまは私の話を興味深げに聞いてくださり、こうしたほうがもっと面白いんじゃない?っていうアドバイスもいくつかくれ、それに沿った激しい妄想プレイまで私にしてくださいました。
そんなシーナさまに隠し事なんて出来ません。
私は、以前から裸コートに憧れていたこと、コートの季節になって気乗りしないながらもやってみたらハマってしまいムラムラがぶり返したこと、裸コートでお薬屋さんでお浣腸のお薬を買ったことまで、つっかえつっかえ、手短かにお話しました。
ただひとつ、お薬屋さんのおばさまからお浣腸のお誘いをいただいていることだけは、お教えしませんでした。
なぜだかはわかりませんが、これをシーナさまに知られてしまうと、何かとんでもなく取り返しのつかない事態になってしまいそうな、悪い予感がして、どうしても言えませんでした。
お話ししながら何気なく左のポケットに手を入れたら、ポケット全体がジットリ湿っていました。
途端にさっきのタクシー内での感触を思い出し、全身がキュンと疼きました。
シーナさまが、そんな私をニヤニヤ見つめています。
「なるほどね。直子って、本当根っからのドマゾなんだねー。まあわたしは、そんな直子がキライじゃないけれど」
「それだったら今日はとことん、マゾッ娘直子の大冒険につきあってあげるわよ」
「まあなにはともあれ、そのコートの中身を早く見せてほしいものだわね。さ、コートの前を開きなさい」
シーナさまにご命令口調で言い渡され、私はおずおずとコートのボタンをはずしていきます。
「ボタンはずしたら、両手で前を開いてそのままの格好でいなさい。マンガとかでよく見る露出狂ヘンシツシャの格好ね」
シーナさまのご命令通り、コートの前合わせをそれぞれ片手で持ち、ゆっくりと左右に開きました。
真っ先に目に飛び込んできたのは、白いTシャツに空いた左右それぞれの穴から飛び出している濃いピンク色をした乳首でした。
自分のものながら、恥ずかしいくらいに尖りきって、これでもかというくらい張りつめて突起していました。
「うわー。それって直子が言っていた、全裸よりも恥ずかしい格好ナンバーワン、のTシャツ半裸よね?」
「確かにその通りだわ。見せたがりの露出狂マゾそのもの、っていう感じ。よーくお似合いよ」
「そんなにステキなファッションだったのなら、さっき車の中で教えないで、知らん顔でお店まで行っちゃえば良かったかしら?」
シーナさまがイジワルなお顔で、私のからだを上から下まで、まじまじと見つめてきます。
「ボーイに、コートを、って言われたら、直子は素直にそのコート、脱いだかしら?」
私は即座に顔を左右にブンブン振りました。
真昼間のレストランで、そんなこと絶対出来っこありません。
「あら?嘘。直子なら出来たはずよ?」
シーナさまがドアから背中を離し、私に近づいてきました。
「だって直子はさあ?」
私の左耳に唇を押し付けて、抱きつくみたいにささやいてきました。
「直子はわたしの命令には、絶対に逆らえないはずだもの・・・」
そうつづけた後、シーナさまの唇が私の唇をピタッと塞ぎ、同時に左乳首をギューッと爪を立ててつままれて引っ張られました。
「んぐぅぅ!」
私の歓喜の声は、シーナさまの唇に塞がれてくぐもり、シーナさまの舌が私の口の中でヌルヌルうごめきました。
「んぁぁ、んっ・・・」
私の舌を追い回すように絡みついてくるシーナさまの熱い舌。
そのあいだも、シーナさまの右手は私の左乳首を虐め、左手は無毛の土手を撫でさすっていました。
私は両腕でコートを広げたまま、シーナさまの身長に合わせて少し身を屈め、されるがまま。
本当は開いた両腕を閉じて、シーナさまをギュッと抱きすくめたくて仕方ありませんでした。
だけどこれもシーナさまのご命令。
だから絶対、この腕を、コートを閉じてはいけないんだ・・・
口内と左乳首と土手への刺激で、わたしのからだがグングン高まっていました。
シーナさまのご命令であれば、どんな辱めだって受け入れよう。
それでシーナさまが悦ばれるのであれば、その辱めで私が感じる羞恥なんて、取るに足らない一時の気の迷い。
だからいつまでもこうしていて欲しい、シーナさまを感じていたい・・
そんなふうに思わせるほど、甘美で強烈なくちづけでした。
不意に唇が離れました、
うっとり目を閉じていた私は、がっかりして目を開けました。
私と距離をとったシーナさまも、明らかに興奮されているご様子。
小さな吐息が荒くなり、肩も小さく上下していました。
「あ、ありがとうございます」
「何がよ?」
怒ったようなシーナさまのお声。
「こんなヘンタイな私を悦ばせていただいて、とても嬉しかったです」
「何言ってるの?わたしは直子の格好があんまりいやらしかったから、ちょっとコーフンさせて、いたぶってみたくなっただけよ?悦ばせようなんて、まったく思っていなかったわ」
照れると怒った口調になるシーナさま。
だけど、こういう後には、よりもっとイジワルさがエスカレートするのもシーナさまです。
「それにしても、本当に生えてきていないわね、直子のマン毛」
シーナさまが、ちょっとぶっきらぼうにおっしゃいました。
「さっきもタクシーでポケット越しに触っていて思ったのだけれど、あれからもう10日くらいになるわよね?」
「わたしの今までの経験だと、だいたい10日くらい経つと誰でも、ちょっぴりはザラザラしてくるものなのよね」
「だけど直子のは、まるで昨日してきたみたいにまだツルッツル」
「ひょっとしたら直子、このまま私とお仲間になっちゃうかもね?」
シーナさまが嬉しそうにウインクしました。
そうなのです。
私の現在のパイパン状態には、思い出すだけで瞬時に赤面しちゃうような、恥辱にまみれた裏話があったのでした。
*
*コートを脱いで昼食を 13へ
*
私の服装はと言えば、左右の乳首だけが飛び出したおへそまでしかない真っ白なピチピチTシャツで、下半身は裸。
ランチタイムでほぼ満席の明るいレストラン内全体に響くヒソヒソ声と、私の全身に突き刺さってくる、好奇と侮蔑と顰蹙の目、目、目・・・
そんな光景が頭に浮かび、タクシーのシートの上で身を縮こませてしまいます。
絶対にありえません。
て言うか、コートを脱いだ時点で、ドレスコード的に門前払いでしょう。
て言うか、そんなところで私が、このコートを脱げるわけがありません。
「ご、ごめんなさい・・・許してください・・・」
運転手さんには聞こえないように、シーナさまのお顔にもっと自分の顔を寄せて、泣きそうになりながら小さな声で白状しました。
「わ、私今・・・こ、このコートの下・・・裸なんです・・・」
シーナさまは、やっぱりね、っていうお顔で、ふふん、と小さく一回笑い、ご自分のおでこを私のおでこに、コツンと軽くぶつけてきました。
「あ、運転手さんごめんなさいね。行き先変更して、東口の駅前につけてくださる?」
シーナさまがいったん前を向き、ハッキリした口調で運転手さんに告げて、再び私にピッタリ寄り添ってきました。
同時にシーナさまの右手が、私のコートの左側のポケットにスーッと差し込まれました。
「あっ!?」
私は小さく悲鳴を上げ、あわてて口を両手で押さえ、その場にうずくまるみたいに大げさにうつむきました。
それからの数分間、たとえて言うならば、天国で天使たちに祝福されながら地獄の業火に灼かれるような、甘美で残酷な拷問にひたすら耐えました。
ポケットの裏地越しのシーナさまの右手のひらが、私の剥き出しな下腹部をサワサワと撫で回します。
おへそのほうへ行ったかと思うと両脚の付け根付近へ。
ゆっくりと、その感触と私の反応を愉しむかのような、やわらかな愛撫がつづきました。
おへその上あたりのTシャツの端に触れて手が止まり、うつむいた私の顔を覗き込んでくるのがわかりました。
私は何も言えず、ただひたすらうつむいて小さく首を振っていました。
それ以上敏感なところへ愛撫の手が届かないように両膝をピッタリと揃え、ひたすら快感をがまんしていました。
「もう少し脚を開きなさい」
私の左耳をシーナさまの押し殺した冷たいお声がくすぐります。
私が躊躇していると、シーナさまの右手が強引に、両内腿をこじ開けてきました。
「んっ!」
少しでも気を緩めれば途端に洩れ出してしまう悦びの声を、唇をギュッと噛んでこらえます。
私の両脚は30度くらいまで開き、シーナさまの右手は、私の裂け始めまで届くようになっていました。
シーナさまの右手は、タクシーが信号待ちなどで止まると大人しくなり、動き出すと途端にあちこち這い回りました。
花弁を押し開いて中を撫ぜてきたり、一番敏感な箇所をススッと擦ったり。
ポケットの裏地が滲みになっちゃうな・・・
そんなことを考えつつも、いやらしい声が出そうになるのを必死にがまんしています。
あちこち愛撫されるたびに全身に快感が広がり、その部分が疼いて仕方ありません。
絶え間なく聞こえている運転手さんの小さなハミングが、唯一の心の支えでした。
こんなことされていること、運転手さんには絶対気づかれてはいけない。
そう思って、一生懸命愛撫に耐えていました。
タンポンの紐を発見したらしいシーナさまの右手が、また一瞬止まりました。
「ローター?」
シーナさまの唇がまた、私の左耳をくすぐります。
私はうつむいたまま、首を力なく左右に振りました。
「あ、タンポンか」
シーナさまが独り言みたく小さくつぶやきました。
それからはずっと、同じ責め苦で弄ばれました。
タンポンの紐が引っ張られ、半分ぐらいまで引きずり出されたところで、再びギュッと奥深く押し込まれるのです。
私のいやらしいおシルをたっぷり吸い込んでグジュグジュに膨らんだタンポンが、時にはゆっくり、時にはせわしなく、膣壁を擦ります。
そんなことしたら、おシルが飛び散ってコートの裏地を汚しちゃう・・・
思いながらも、されるがまま。
最初は微かだった反応も、やがて大きなうねりへと育ってきていました。
ああん、もう、もうだめぇ・・・
悦びの喘ぎが喉元までせり上がってきて、もうどうにもがまん出来ません。
「あっ、あそこの信号の手前で結構よ」
シーナさまが前を向き、運転手さんにそう告げたのと、タンポンがグチュッと思い切り奥に押し込まれたのと、私がとうとうがまんしきれずに、んぐっ、ってくぐもった悦びの声をあげてしまったのが、ほぼ同時でした。
「ここらでいいですか?」
タクシーが左に寄って停車し、シーナさまは右手をサッと私のポケットから引き抜き、澄ましたお顔で料金を支払いました。
「ほら、行くわよ?」
快感の余韻と恥ずかしさでうなだれたままの私の左手が取られ引っ張られ、タクシーから引きずり出されました。
タクシーから降りるとき、振り向いて私を見ている運転手さんのお顔が、好色そうにニヤついているようにも見えました。
気づかれちゃったのかも・・・
羞恥心で消え入りそうです。
シーナさまは、私の左手を取ったまま無言でずんずん足早に道路沿いのデパートへ入り、ちょうど開いていたエレベーターに乗り込みました。
エレベーターの中でも、ふたり手をつないだまま無言。
3階で降りると、また腕を引っ張られ、見覚えのある場所にたどり着きました。
私が東京へ来てシーナさまに初めてお会いした初夏のあの日、誘導されるままに連れ込まれた、あの女子トイレでした。
シーナさまは、私の手を引きながら四つの個室の使用中サインをササッとチェックし、入口から一番遠い個室、あの日と同じ個室に入って私を引っぱり込み、カチャンと鍵をかけました。
「ふー。やれやれだわ。わたしのマゾオーラセンサーの性能は、やっぱり優秀なようね」
シーナさまが私を個室の奥へと誘導し、ご自分はドアにもたれるように背中をついて、私の顔を見つめながらつづけます。
「さっき会った瞬間に、アレ?って思ったんだ。直子の挙動にさ」
「それでちょっとカマかけてみたら、案の定じゃない?ほんと、直子ってわかりやすいのね」
シーナさまがクスクス笑います。
「今はこのトイレ、誰もいないけれど、いつ誰かが入ってくるかわからないから、小さな声でお話しましょう」
「それで直子は、そんな格好で、これから何をするつもりだったのかしら?」
シーナさまが小さな子供に語りかけるような、ミョーに親しげやさしげな口調で尋ねてきます。
シーナさまがこういう口調をされるときは要注意なことを、私は経験上、知っていました。
「あの、えっと、それは・・・」
私は便座の横に立ち、相変わらずうなだれ気味にシーナさまを上目遣いでうかがっていました。
この後、私はどうなっちゃうのでしょう?
シーナさまに知られてしまった以上、今日これからの計画はすべて変更となるはずです。
それもたぶん、私が考えた計画以上に、羞恥と恥辱にまみれた体験をさせられそうな気がします。
不安7期待3くらいのドキドキで、からだがぐんぐん火照ってきてしまいます。
「コンビニでは、普通にお買物だけするつもりでした。ヨーグルトが食べたいな、って・・・それでいったんお家に帰って、それから・・・」
ファッションビルで逆ストリップをするつもりだったことを、正直にお話しました。
ただし、その後のお薬屋さんのことは伏せておきました。
「へー。面白そうなことを考えたわね。そう言えば直子、全裸生活、なんてヘンタイなこと、お家でやってたんだっけか」
「でも、こないだわたしと会ったときもムラムラ期とか言っていたじゃない?ひょっとしてまだ治まらないの?あれからずっとそんななの?」
シーナさまの呆れたお声。
「そ、それは・・・」
この前にシーナさまとお会いしたとき、私が夏休み中に思いついて実行した、全裸家政婦生活、のことはだいたいお話していました。
それは先々週の土曜日のこと、正確に言えば金曜日の夜から泊りがけでお相手してくださったのですが、シーナさまは私の話を興味深げに聞いてくださり、こうしたほうがもっと面白いんじゃない?っていうアドバイスもいくつかくれ、それに沿った激しい妄想プレイまで私にしてくださいました。
そんなシーナさまに隠し事なんて出来ません。
私は、以前から裸コートに憧れていたこと、コートの季節になって気乗りしないながらもやってみたらハマってしまいムラムラがぶり返したこと、裸コートでお薬屋さんでお浣腸のお薬を買ったことまで、つっかえつっかえ、手短かにお話しました。
ただひとつ、お薬屋さんのおばさまからお浣腸のお誘いをいただいていることだけは、お教えしませんでした。
なぜだかはわかりませんが、これをシーナさまに知られてしまうと、何かとんでもなく取り返しのつかない事態になってしまいそうな、悪い予感がして、どうしても言えませんでした。
お話ししながら何気なく左のポケットに手を入れたら、ポケット全体がジットリ湿っていました。
途端にさっきのタクシー内での感触を思い出し、全身がキュンと疼きました。
シーナさまが、そんな私をニヤニヤ見つめています。
「なるほどね。直子って、本当根っからのドマゾなんだねー。まあわたしは、そんな直子がキライじゃないけれど」
「それだったら今日はとことん、マゾッ娘直子の大冒険につきあってあげるわよ」
「まあなにはともあれ、そのコートの中身を早く見せてほしいものだわね。さ、コートの前を開きなさい」
シーナさまにご命令口調で言い渡され、私はおずおずとコートのボタンをはずしていきます。
「ボタンはずしたら、両手で前を開いてそのままの格好でいなさい。マンガとかでよく見る露出狂ヘンシツシャの格好ね」
シーナさまのご命令通り、コートの前合わせをそれぞれ片手で持ち、ゆっくりと左右に開きました。
真っ先に目に飛び込んできたのは、白いTシャツに空いた左右それぞれの穴から飛び出している濃いピンク色をした乳首でした。
自分のものながら、恥ずかしいくらいに尖りきって、これでもかというくらい張りつめて突起していました。
「うわー。それって直子が言っていた、全裸よりも恥ずかしい格好ナンバーワン、のTシャツ半裸よね?」
「確かにその通りだわ。見せたがりの露出狂マゾそのもの、っていう感じ。よーくお似合いよ」
「そんなにステキなファッションだったのなら、さっき車の中で教えないで、知らん顔でお店まで行っちゃえば良かったかしら?」
シーナさまがイジワルなお顔で、私のからだを上から下まで、まじまじと見つめてきます。
「ボーイに、コートを、って言われたら、直子は素直にそのコート、脱いだかしら?」
私は即座に顔を左右にブンブン振りました。
真昼間のレストランで、そんなこと絶対出来っこありません。
「あら?嘘。直子なら出来たはずよ?」
シーナさまがドアから背中を離し、私に近づいてきました。
「だって直子はさあ?」
私の左耳に唇を押し付けて、抱きつくみたいにささやいてきました。
「直子はわたしの命令には、絶対に逆らえないはずだもの・・・」
そうつづけた後、シーナさまの唇が私の唇をピタッと塞ぎ、同時に左乳首をギューッと爪を立ててつままれて引っ張られました。
「んぐぅぅ!」
私の歓喜の声は、シーナさまの唇に塞がれてくぐもり、シーナさまの舌が私の口の中でヌルヌルうごめきました。
「んぁぁ、んっ・・・」
私の舌を追い回すように絡みついてくるシーナさまの熱い舌。
そのあいだも、シーナさまの右手は私の左乳首を虐め、左手は無毛の土手を撫でさすっていました。
私は両腕でコートを広げたまま、シーナさまの身長に合わせて少し身を屈め、されるがまま。
本当は開いた両腕を閉じて、シーナさまをギュッと抱きすくめたくて仕方ありませんでした。
だけどこれもシーナさまのご命令。
だから絶対、この腕を、コートを閉じてはいけないんだ・・・
口内と左乳首と土手への刺激で、わたしのからだがグングン高まっていました。
シーナさまのご命令であれば、どんな辱めだって受け入れよう。
それでシーナさまが悦ばれるのであれば、その辱めで私が感じる羞恥なんて、取るに足らない一時の気の迷い。
だからいつまでもこうしていて欲しい、シーナさまを感じていたい・・
そんなふうに思わせるほど、甘美で強烈なくちづけでした。
不意に唇が離れました、
うっとり目を閉じていた私は、がっかりして目を開けました。
私と距離をとったシーナさまも、明らかに興奮されているご様子。
小さな吐息が荒くなり、肩も小さく上下していました。
「あ、ありがとうございます」
「何がよ?」
怒ったようなシーナさまのお声。
「こんなヘンタイな私を悦ばせていただいて、とても嬉しかったです」
「何言ってるの?わたしは直子の格好があんまりいやらしかったから、ちょっとコーフンさせて、いたぶってみたくなっただけよ?悦ばせようなんて、まったく思っていなかったわ」
照れると怒った口調になるシーナさま。
だけど、こういう後には、よりもっとイジワルさがエスカレートするのもシーナさまです。
「それにしても、本当に生えてきていないわね、直子のマン毛」
シーナさまが、ちょっとぶっきらぼうにおっしゃいました。
「さっきもタクシーでポケット越しに触っていて思ったのだけれど、あれからもう10日くらいになるわよね?」
「わたしの今までの経験だと、だいたい10日くらい経つと誰でも、ちょっぴりはザラザラしてくるものなのよね」
「だけど直子のは、まるで昨日してきたみたいにまだツルッツル」
「ひょっとしたら直子、このまま私とお仲間になっちゃうかもね?」
シーナさまが嬉しそうにウインクしました。
そうなのです。
私の現在のパイパン状態には、思い出すだけで瞬時に赤面しちゃうような、恥辱にまみれた裏話があったのでした。
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*コートを脱いで昼食を 13へ
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