2017年12月3日

夏休み自由研究観察会 17

 凛子さまが去って、私以外無人の外廊下。
 ワンフロアニ戸の各玄関上に常夜灯が点き、目が慣れるとずいぶん明るい感じ。
 通路の目隠しフェンスの向こう側には、数メートル離れてお隣のマンションの白い壁と等間隔に並ぶ窓が見えています。

 湿度の高い真夏の熱気が素肌に纏わり付き、近くの大通りかららしきさざめきがヤケに大きく耳につきます。
 自動車のエンジン音、言葉までは聞き取れない話し声、コンビニのご来店チャイム、そんな物音にいちいちビクビクしてしまいます。

 紛れも無く日常生活真っ只中の屋外に放り出された私は、首のチョーカーと足元のミュール以外一糸まとわぬ全裸。
 お洋服を着ていればまったく気にならない街の喧騒が、今の私には、自分を破滅へと追い込む前奏曲のように響いていました。

 これから、この建物のどこかにあるはずの美咲さまのお部屋を探し出し、たどり着かなければならない・・・
 全裸のまま、まったく見ず知らずの方々が生活されているマンションの廊下や外階段をウロウロして。
 凛子さまがプレゼントしてくださったこの状況は、スリル、という一言で片付けるには、あまりにもリスキーで無謀な冒険に思えました。

 だけど、こんなところにいつまでもうずくまっているわけにも行きません。
 向かいのマンションの窓が開けば私の姿は丸見えだし、お隣や上の階の住人さまがいつ出てくるかもしれないし・・・
 一刻も早く、美咲さまのお部屋に逃げ込まなくちゃ。

 今日、何度したかわからない、ヴィーナスの誕生、ポーズでゆっくり立ち上がります。
 だけど完全に立ち上がることは出来ず、身を屈め、猫背でへっぴり腰な恥ずかしがり屋のヴィーナス。
 この外廊下も、確か外階段も、目隠しフェンスはウエストのちょっと上くらいまで。
 普通に立って歩いたら、剥き出しおっぱいは隠しきれない高さでした。

 まずは上へ行くか、下へ行くか・・・
 ここへ来たときにエントランスで見た郵便受けのネームプレートに、お部屋番号もあった気がして思い出そうとしましたが、うまくいきません。
 凛子さまの郵便受けのお隣に美咲さまのがあったので、てっきりお部屋もお隣同士、と思い込んでいたくらいですから、番号なんて見てもまったく気にしていなかったのでしょう。

 直感的に本能的に、2階はイヤだな、と思いました。
 見知らぬ人たちが沢山出入りされるコンビニに近づく、ということと、ご近所のみなさまが普通に日常生活を送られている地上へ近づくのが怖い、と感じていました。

 まずは4階へ、と決めて、外階段のほうを向きます。
 玄関ドアからほんの4、5歩で外階段。
 外階段の向こう側には、お隣の建物の外階段が2メートル位離れて同じように並んでいました。
 そっちの外階段にどなたか出てこられたら、私の全裸はバッチリ至近距離から視られてしまうことになります。

 ぐずぐず迷っていても埒が明きませんし、お外に居る時間が長くなるほど、どなたかに目撃されるリスクも増えるはず。
 行動あるのみ。
 思い切って一歩、外階段方向に踏み出しました。

 なるべく物音を立てないように、そーっと歩を進めるのですが、気を抜くとコツンと鳴ってしまうミュールのヒールとコンクリートの階段が忌々しい。
 階段の踊り場ごとに私を煌々と照らし出す常夜灯も、いっそ急な停電で消えてしまえばいいのに。

 おっぱい全体を右腕で、マゾマンコを左手で隠しつつ、身を縮こませたへっぴり腰で一歩一歩ひっそり階段を上がっていきます。
 目隠しフェンスの向こうに見えるご近所の窓灯りにドキッとし、聞こえてくるどんな小さな物音にもいちいちビクンと震え・・・
 周りを充分警戒しなくちゃいけないのに、フェンスの向こうのお外には目を向けたくない、というパラドックス。

 思えば、お姉さまの会社に就職してから、屋外でおっぱいやマゾマンコを晒す、という機会がそれまでより格段に増えていました。
 見知らぬかたたちが周りに大勢いらっしゃる、ということも承知の上で、敢えて見せつける、みたいな行為さえしていました。
 そんな大胆な冒険が出来たのも、いつも傍らに自分の味方、理解者であるお姉さまやシーナさまなど、どなたかがいて見守ってくださっている、という安心感があったからでした。

 でも今、私はひとりぼっち、安心感ゼロ。
 美咲さまのお部屋まで自力でたどり着くまで、全裸を屋外に晒しつづけざるをえない状況な私は、社会的に見れば不健全な存在。
 健全な方々に目撃されたら、どう見たって露出狂ヘンタイ淫乱女と思われるはず。
 だから、それでどうされちゃっても全部自業自得・・・

 初めて味わう、破滅と背中合わせな、心臓が破裂しちゃいそうなくらい強烈なスリル。
 とにかく、誰にもみつかりませんように、とお祈りしながら歩を進めます。
 なのに、股間を隠す左手の指先は、グショグショに濡れそぼっていました。

 なんとか4階へたどり着いて呆然。
 4階通路の目隠しフェンスは、3階のようにコンクリートの壁ではなく、10センチ位づつ隙間の空いた鉄柵になっていました。
 これでは、おっぱいはおろか下半身までお外に丸見えですし、たとえしゃがみ込んでも鉄柵の隙間から全裸の肌色が覗けるはずです。

 ただ、幸いなことにお向かいのマンションが3階建てだったので、鉄柵の向こうは夜空、開けた視界の先に、ここより高いビルがいくつか。
 そのずいぶん向こう側に、電車の線路らしき高架が見えていました。

 このマンションの表側、つまりコンビニの入口が向いている側は、広めな幹線道路で、それなりに人通りも多く、大きめな建物が立ち並んでいましたが、こちら側から線路までは、細かい路地が入り組んだ住宅と商業施設の混在地域となっているようで、付近にここより高い建物はあまり無く、周辺の窓から目撃される心配は少なそう。

 でも、お外を見たとき、闇の中をキラキラ輝きながら電車が通過していくのが見え、その聞き慣れた通過音の混ざった街のさざめきがあまりに生々しく、自分は今、屋外にいる、だけど全裸、という現実をあらためて思い知らされます。

 お外から目を背け、素早くドア脇のネームプレートに視線を走らせます。
 401 SUGIYAMA
 山カン一発的中、とは行かず、がっかり・・・

 どの世帯も凛子さまのお部屋と同じ間取りとして、通路側にこのお部屋の明かりが漏れるとしたら、キッチンに当たる場所にある窓からなのですが、そのお部屋には明かりが灯っていませんでした。
 凛子さまが、たぶん帰省されているかたが多いはず、っておっしゃっていたっけ。
 お留守と判断し、思い切っておっぱいを庇う腕を外して小走りに奥のお隣のお部屋へ。

 そのお部屋は、電気は点いていたのですが、玄関にネームプレートがありませんでした。
 402、というお部屋番号だけ。
 えっ?
 えーっ!?

 まさかこのお部屋?
 ううん、でも凛子さまは、美咲さまのお部屋にもネームプレート付いている、っておっしゃっていたし・・・

 あれ?美咲さまの名字って何だっけ?
 絶対、スギヤマ、ではなかったはずだけど・・・
 軽くパニックを起こしながら後ずさります。

 4階はハズレ?
 じゃあ2階まで下りなきゃダメ?
 またあのお隣から丸見えな外階段を下って、絶対お向かいのマンションの窓と面している2階へと、全裸で行かなくちゃいけないの?
 絶望の一歩手前、みたいな切な過ぎる被虐で胸が一杯になったとき、心の中でお声が聞こえました。

 ・・・だって、直子が望んだことじゃない?・・・

 そのお声は、お姉さまのような、やよい先生のような、シーナさまのような、そして凛子さまのような、侮蔑と嘲笑の中にそこはかとない慈愛が感じられる、からかうようにイジワルなお声。

 ・・・直子は辱めを受けたいんでしょ?だからアタシがお膳立てしてあげたのに・・・
 ・・・せっかくのチャンスなのに、愉しんでもらえないなんて、残念ね・・・

 今度はハッキリ、凛子さまのお声でした。

 そうでした。
 臆病な私は、ひとりアソビでは、絶対こんな大胆なことは出来ません。

 自分が住むマンションでさえも、せいぜいノーパンノーブラや裸コート止まりで、全裸で出たことあるのは自分のフロアまで。
 まして見知らぬ土地の屋外で信頼出来る同伴者無しで、全裸になんてなれるはずもありません。
 私は今、私史上、一番スリリングな露出行為をしているんです。

 不意に、家族が外出中のときを狙って自宅のお庭で全裸になった、高校生の頃のことを思い出しました。

 あれは、やよい先生にSMヴァージンを捧げた、すぐ後のことだったな。
 あのときは真夏の陽射しの中、隣家の窓やベランダ、塀の向こうを気にしつつ、頭の中の架空のご主人さまのご命令で、リモコンローターをマゾマンコに挿れたまま郵便受けまで行き、塀の向こうのワンちゃんに吠えられたのだっけ。

 そのとき感じた高揚感と開放感、そして自分が凄く異常でイケナイことをしているという罪悪感と羞恥心、そんな感情たちが入り混じった凄まじいまでの性的快感。
 青さゆえの大胆な無謀さと引き換えに味わっためくるめく興奮が、まざまざとよみがえります。

 今の私は、あのとき以上のことをしているんだ・・・
 さっきまでお部屋で小学生の男の子たちにさんざんご指摘された貪欲なスケベさが、今の状況に対する怯えより、じりじりと勝りつつありました。

 逆に考えれば、4階ではなかったのだから、美咲さまのお部屋は2階、って確定したってことじゃない?
 つまり、2階まで行けば確実に美咲さまのお部屋に逃げ込める、ということ・・・

 もし途中、どなたかにみつかってしまっても、2階の小森さまと遊んでいて、罰ゲームをやらされているんです、って言い訳すれば、笑って赦していただけるかもしれない・・・
 だったらこの凛子さまからいただいたスリルを、存分に愉しまなくちゃ・・・
 何を赦していただくのかわかりませんが、淫乱マゾの被虐欲が怯えと社会常識を完全に頭の片隅に追いやっていました。

 右手で握りしめていた自分のスマホにあらためて気づきます。
 そうだ、ちゃんと証拠写真を撮っておかないと、後で凛子さまに叱られちゃう。
 
 夜景をバックに写真を撮っておこう、ここなら見晴らしいいしお外の明かりも綺麗だし。
 4階の外階段近くで急に思い立つ私。

 スマホのカメラを自撮りモードにし、右手を前に差し出して自分を映し出します。
 股間を隠していたぐしょ濡れの左手はマゾマンコから外し、括られているように背中へ回します。
 鉄柵に背中を預けるようにすると、顔とがら空きな生おっぱい、おへそから無毛な恥丘までが暗闇の中、そこだけ明るいスマホ画面にぼんやり浮かび上がります。

 そうだった、私今、この顔なんだ。
 常夜灯の淡い光が照らす真っ赤な唇と色濃く翳った瞼。
 その部分だけ妙に人工的で艶かしく、誘うような好色さと淫猥さを醸し出しています。

 この顔で全裸なんだから、襲われても文句は言えないな・・・
 そんな説得力のある淫靡なスケベ顔。

 親指で画面を押すと、想定以上派手に瞬いたフラッシュの光に、盛大にドッキリ。
 今のこの光、絶対にお外からも目立ったはず。
 これじゃ、ここに裸の女がいます、恍惚として自撮り屋外露出写真を撮影中です、って自ら宣伝しているみたい。

 だけど私の右手は止まりません。
 尖った乳首に、自ら開いたマゾマンコに、うっとり酔い痴れる淫ら顔にフォーカスを合わせ、たてつづけに何度も宵闇を光らせてしまいます。
 私はここです、ハダカです、どうか視てください、とアピールするかのように。
 内腿を幾筋もヌルヌルと、えっちなよだれが滑り落ちていきます。

 ひどく近くで、バタン、と扉が閉まるような音が聞こえ、ハッと我に帰りました。
 今の感じだと、音がしたのはこの建物内のどこか、もしくは近隣のマンションから?
 つづいて足音らしきパタパタという音。
 幸い遠ざかる感じの音でしたが急激に怯えがぶり返し、とっさにその場にしゃがみ込みました。

 こんなことしている場合じゃない、やっぱり早く美咲さまのお部屋に逃げ込まなくちゃ。
 2階にあることは決まっているのだから、あとほんの数秒、階段を2フロア分駆け下りさえすれば安心出来るのだから。
 そう考えが及んだ瞬間にガバッと立ち上がり、外階段へ足を踏み出していました。

 おっぱいもマゾマンコも放り出した速さ優先のあられもない姿で、ヒールの足音をコンコン響かせて階段を駆け下りました。
 3階を素通りし一気に2階へ。

 周りを見る余裕はありませんでしたから、どなたかに目撃されていたとしても私にはわかりません。
 美咲さまのお部屋に一刻も早く逃げ込みたい一心でした。

 いくらか息を弾ませて2階の外廊下へ。
 通路へ入ってすぐのドア横に、201 KOMORI、と書かれたネームプレート。
 2階の外廊下は3階よりも明るく、二戸の世帯にもお隣のマンションの窓辺にも、すべて明かりが灯っていました。
 でも、そんなことまるで気にならないほどの安堵感に包まれます。

 喜び勇んでインターフォンを押しました。
 ピンポーン!
 予想外に大きめな音が外廊下にも響きます。

 ・・・
 20秒くらい待っても応答ありません。
 あれ?
 ピンポーン!ピンポーン!

 つづけざまに2度3度、押してみますが、お応えは梨のつぶて。
 電気は点いているのに、わざとイジワルされているのかしら・・・
 あんまりピンポンしつこく押していると、お隣のかたが不審がって出てきちゃうかもしれないし・・・

 どうせ開かないであろうと思いつつ、ドアノブに手をかけようとして、みつけました。
 ドアと壁の隙間に差し込まれた二つ折りの小さな紙片。
 嫌な予感とともに引き抜きます。

 直子が遅いので先に買い出しを済ませてきます
 たぶん五分位で戻るので待っててね  みさ

 メモ用紙に書かれた見覚えある文字。
 その愛らしくキュートな容姿とはアンバランスな、ペン習字のお手本のように端正で几帳面に綺麗な文字列。
 紛れもなく美咲さま直筆のメモでした。

 そんな・・・
 やっとたどりついたのに、まだ裸のままお外で待つの?
 もう目の前が真っ暗。

 5分て、いつから5分なんだろう?
 お買物はたぶん階下のコンビニなんだろうけれど。
 あ、さっき聞こえたドアの音が美咲さまだとしたら、少なくともあと3分くらいはここで待つことになる・・・
 急に向かいのマンションの窓が気になってきました。

 ここでフェンス際にしゃがみ込んで丸まっていれば、向かいの窓からは完全に死角になるはず。
 でも外階段のすぐ脇ですから、住人のかたが階段を上り降りされ、ふと目を向けられたら丸見え。

 3階も4階もお留守っぽかったので、帰省中でなければご帰宅される可能性もあります。
 他にもご来客とか宅配の人とか・・・
 すぐには美咲さまのお部屋に逃げ込めないという試練に直面し、さっきまでのスケベ気分はどこへやら、負の可能性が一気に押し寄せてきました。

 とにかく美咲さまのドアの前、外階段近くに全裸で待機しているのは、あまりに危険過ぎます。
 外階段から離れるとすればこの通路のもっと奥。
 お隣のお部屋の玄関を越した外廊下突き当りが常夜灯からも外れ、いい感じの暗がりになっています。

 あそこまで避難して、隠れつつ美彩さまのお帰りを待とう。
 そう決心して再びへっぴり腰のヴィーナスと化し、ソロリソロリと外通路を移動し始めました。

 お向かいのマンションの明かりの灯った窓は全部で三つ、こちらに向いていますが、どこもカーテンが掛かり、中の様子はわかりません。
 こちらから見えないのだから、向こうからも見えないはず。
 
 こんな熱帯夜ですから、どのお宅もエアコンフル稼働でしょうし、窓が開けられる可能性は少なそう。
 目隠しフェンス越しにおっぱいがギリギリ見えちゃいそうなくらいの中腰で、極力足音をたてないように進んでいきます。

 お隣のお部屋のネームプレートは202の部屋番号だけ。
 あきらかに人が、それも複数人ご在宅なようで、賑やかそうな微かなお話し声や物音がときどき聞こえてきます。

 外廊下の一番端、フェンスがLの字になった隅っこに膝を抱えてしゃがみ込み、外階段を見張る態勢を取りました。
 エアコンの室外機のブーンというモーター音と、2階まで来たためにさっきより近くなった街の喧騒に包まれ、どんどん不安感が増してきます。
 
 全身汗ばんだ素肌を自分で抱きしめていると、自分の体温が熱過ぎて、思わず立ち上がって夜風に裸身を晒したくなってしまいます。
 しゃがんで少し開いたマゾマンコからは、不安な気持ちとは裏腹な空気を読まない愛液が、ポタポタと垂れてコンクリートに黒いシミを作っていきます。

 美咲さまのお隣のお部屋からときどき漏れ聞こえてくるお話し声は、男性と女性、両方いるみたいで、ずいぶんお賑やかで、どうも日本語ではないみたい。
 ときどき弾けたような笑い声と重なる早口なお言葉は、私の耳には意味をなさない、アジアかどこかのお国っぽい感じ。

 お隣のかたにもしみつかっても、意思の疎通が出来なそう、という懸念が不安をいっそうかきたててきます。
 言葉が通じずにお部屋に無理矢理連れ込まれたら、私、犯されちゃうのかな。
 ああん、美咲さまぁ・・・早く戻ってきてくださいぃ・・・

 そんなふうにうずくまって5分もした頃、いえ、時計で確認したわけではないので正確にはわかりませんが、あきらかに外階段を上ってくるタッタッという足音が聞こえてきました。

 ビクッ!美咲さま!?
 だんだん2階へと近づいてくる足音に、顔を上げて外階段を目視したい衝動と、もし違って他人様だったらどうしよう、という逡巡がシーソーごっこ。
 結局顔を上げられないまま、足音は2階を素通りし3階へ。

 ホッとしたようながっかりするような微妙な感情が湧くと同時に、私がここに隠れるのが数分遅れていたら、確実に今の人と鉢合わせしていた、という事実に気がつきました。
 男性だったか女性だったかはわかりませんが、見知らぬ第三者と全裸の私が見事に遭遇する世界線もあったんだ・・・

 危うく回避された、もしも、でしたが、その可能性は、ひどく私を性的に興奮させました。
 思わず自分のマゾマンコに手が伸びてしまうほどに。
 膝を抱えていた右手が知らずにお尻へと回り、お尻の穴のほうからラビアへと伸びたとき、目の前にどなたかが立たれていることに気づきました。

 ギクッ!
 みつかった・・・
 みつかっちゃった・・・

「なお、こ?」
 思いがけず名前を呼ばれ、恐る恐る顔を上げます。
 右手に白いコンビニ袋をぶら下げた、グレイのジャージ上下姿な美咲さまでした。

「あ、美咲さま・・・」
 お名前を口にした途端、全身の緊張が一気に解け、なぜだか両目までウルウルしてしまいました。

「リン、直子を素っ裸で表に放り出したんだ?さすが、キチクだな」
 苦笑いを浮かべながら左手を差し伸べてくださる美咲さま。
 その手に縋っておずおずと立ち上がりました。

「普通に着衣でよこすと思ってた。ボクは脱がすところからやりたいタイプだって、リンは知っているはずだから」
「美咲さまの、お、お部屋の場所も、教えていただけませんでした・・・」
 縋るような半泣き声になってしまいます。

「まさかそんな格好だとは思わないから、ちょっと待たせても普通にドア前で待ってるだろうと思ってた」
 可笑しそうにクスクス笑う美咲さまに手を引かれ、玄関ドアの前へと戻ります。
 手を引かれているのでおっぱいは隠せません。

「それで直子もサカッちゃって、あんな暗がりに潜んでこそこそオナニーしてたんだ?」
「あ、いえ、ち、ちがうんです・・・」
「さっきまでのガキンチョとのお医者さんごっこ、凄かった。オフィスでボクらに弄られるときよりも、いやらしく乱れてた」
 玄関前の立ち話で、なかなかお部屋に入れてくださらない美咲さま。

「言い訳は部屋で聞く。リンもずいぶん愉しんだみたいだから、今度はボクの番」
 やっと美咲さまがカードキーをかざしてくださいます。

「ボク、リンのいないときにひとりだけで、直子を思う存分、めちゃくちゃに虐めてみたかったんだ」
 先に玄関に入られた美咲さまにグイッと手を引っ張られ、中へと連れ込まれます。
 空調の効いたひんやりした空気に包まれて、やっと心の底からの安堵感に包まれました。

 一足先にお部屋に上がられた美咲さまは、スルスルっとジャージを脱がれ、あらかじめ身に着けていられた真っ赤なレザーハイレグボンデージスーツのミストレス姿に。
 そのゴージャスなプロポーションに見惚れていたら、乗馬鞭が私の剥き出しおっぱいを一閃。

 ヒュンッ!
「あうっ!」
「まったく、わざわざ着替えて待っていてやったご主人様を長々と待たせるなんて、躾の出来ていないドレイだよ」

「ほら、ドレイのクセに何をもたもたしている?床に跪いてさっきのオナニーのつづきを見せな!この鞭でアシストしてやるから」
「リンに服を脱がせる愉しみを奪われちゃったから、今度はボクが満足出来るまで、リンが戻ってきてもこの部屋には入れてやらない」
 そしてまた乗馬鞭がヒュンッ!

「あうぅ、は、はいぃ・・・」
 玄関口で床にお尻を着き、自らのマゾマンコをまさぐり始める私。

 短かいはずの真夏の夜ですが、私にはまだまだ長く淫靡な夜になりそうでした・・・





2017年11月19日

夏休み自由研究観察会 16

 バスタオルを放り出し、剥き出しになったおっぱいを無造作にわしづかみしてくる小さな手のひらたち。
 右側からミツルさま、左側からユタカさまが腕を伸ばし、私のおっぱいに指をめり込ませるみたいに力強く、揉みしだき始めます。

「ああっ、うっ、うぅーんっ・・・」
「やっぱり手袋してないと、おっぱいのやわらかさが直に伝わってくるね」
「うん。ミコトさんのおっぱい、ムニュムニュであったかくて、すっごく気持ちいい」

 今回は男の子たち、みんなゴム手袋もしないことにしたみたい。
 少し汗ばんだ肌のぬくもりが、揉みしだかれるおっぱいにダイレクトに伝わってきます。

「あんっ!・・・」
 ワンテンポ遅れて下腹部にも、素肌の密着を感じました。
 身悶えながら視線を下げると、私の足元にシンイチさまとマサヒデさま。
 ご兄弟で仲良く私の足元にしゃがみ込み、私の無毛なマゾマンコへと手を伸ばされています。

「手袋無いほうが、マンコのツルツル具合がよくわかるね」
「ホカホカ熱くって、やわらかくて、そんで中は、グニュグニュのビチャビチャだー」
「ボク、さっきからずっとこのプックリ膨らんだおマメ、つまんでみたかったんだ」

「あーーっ!んっ、そこ、そこぉーっ!」
 シンイチさまの指がズッポリと膣内に突き挿さり、グリグリ動き始めます。
 マサヒデさまに、その小さな指先でクリットをしっかり摘まれ、引っ張るみたいに捏ね繰り回されます。

「んーっ、そう、そこ、そこダメぇ、じゃなくていぃんですぅ・・・あーんっ、もっとぉ、もっとつよくぅぅ・・・」
 私の淫ら声によるおねだりに、それぞれがご自分に向けてのものだと思われたようで、ますます激しく動き出す四箇所の手と指たち。
「あんっ、そう、そう、そこっ、そこぉーーっ!」

 今、私は小学生の男の子たちに、イカせてくださいって、懇願しているんだ・・・
 そう考えた途端、肉体的な快感に精神的な背徳感と被虐感が加わり、マゾ的な昂ぶりが急上昇。
 後頭部に当てた両手が知らずにお尻へと下がり、割れスジを自ら押し広げて赤裸々なマゾマンコと肛門をおふたりに差し出していました。

「あっ、あーっ、いいっ、いいーっ!、弄って、もっといぢってぇぇ・・・」
「んっ、そうっ、あんっ、あんっ、あんっ、強くぅ、もっとつよくぅ、チクビいじめてぇ・・・!」
 
 ユタカさまとミツルさまは、それぞれ私の乳首を口に含み、しゃぶったり、舌で転がしたり、軽く噛みついたり。
 シンイチさまの指はすでに3本、根本までマゾマンコに潜り込み、膣壁を盛んに擦ってくださいます。
 
 マサヒデさまはクリットをもてあそびつつ、空いたほうの手でお尻を撫ぜたり、軽くパチンと叩いたり。
 もっとお尻を叩いて欲しくて両手を背中まで退避させ、叩きやすいように少し前かがみになってお尻を差し出します。
 抉じ開けていた手が去ったため、シンイチさまの3本の指を、私のラビアがしっかり咥え込みます。

「あっ、あーーっ、んっ、お尻ぃ、もっと強くぅ、ひっぱたいてぇえー・・・」
「あぁ、いいっ、いいいーっ、いぃくぅぅ、いっちゃうぅぅ・・・」

「ミコトさん、またあくめになりそうだね?」
「唇が赤いから、顔がさっきよりすげーえっちっぽいよな」
「うん、前よりいっそうスケベな感じで、オレのちんちんもなんだかヤバイ」
「オレも今日はずっと、勃ちっ放しって感じ」

「あくめにするんだったら、もっと強くお尻を叩いてあげなくちゃ」
「オレはチクビを歯で噛んで引っ張る」
「オレもー」
「オレはマンコのおツユを指で掻き出してあげる」

 さすがに年若く頭の柔らかいみなさま、今日一日で私への責め方をすっかり学習され、体得されちゃったみたい。
 ゲームの攻略法のように、今までに私が晒した弱点を正確に確実に、責め立ててくださいます。

「んっ、いいっ、いいですぅぅ、あーーーっ、み、みなさまぁ、イッて、イッってもよろしいぃ、で、しょーかーーっ?!」
 ますます活発になったみなさまの蹂躙で、あっと言う間に寸前まで昇り詰めています。
 マゾマンコのクチュクチュとお尻のバチンバチンという淫靡なBGMの中で、はしたないおねだり声を絞り出す私。

「いいよ、ミコトお姉さん、あくめになっちゃって」
「あああ、イクぅ、イクイクっ、イッちゃいますぅぅ、んーーーっ!ああああああーーーーーっ!!!」
 マサヒデさまの天使のようにおやさしいお声に導かれ、今日何度目なのかももはやわからない、快楽の桃源郷へと飛び込んだ私。

「うわっ、またマンコが指を締め付けてきた」
「おマメもビクビクって震えたよ」
「チクビも」
「おへその下のお腹がヒクヒク痙攣してる」
「赤い唇が歪んで、えっちな顔が本当に気持ち良さそう」

 今回は磔されていませんから、イクと同時に下半身の力が抜け、ガクンと両膝が崩れ落ちました。
 肩を上下させてハアハア息をつく私を、みなさまが見下ろしてきます。

 視線を上げると凛子さまが、もはや隠そうともせずハンディビデオカメラで撮影されていました。
 小学生の男の子たちにイカされる、その一部始終が撮影されちゃったのでしょう。

「ねえ、あくめになったすぐ後のマンコの中、視てみたい」
 ご研究熱心なマサヒデさまのご希望で、最初のお医者さんごっこで使ったベッド代わりのカウチソファーに乗せられる私。
 そこで自らハッピーベイビーのポーズを取り、イッたばかりのマゾマンコをみなさまにさらけ出す私。

「ど、どうぞ、みなさまの指でお好きに開いて、わ、私のマ、マンコの中をじっくりご覧になってください・・・」
 私は男の子たちにセーフクされたドレイ捕虜ですから、このくらいのことは自ら率先してしなければいけないのです。

「ミコトさん、今、マンコ、って言った・・・」
「うん、なんかすごいショック。リンねーちゃんが言ったときも焦ったけど、ミコトさんまで」
「やっぱりミコトさんて、女の中ではすごいスケベなほうなんだよ。オレはすごいゾクゾクってした」
 みなさまご勝手なことをおっしゃいつつ、容赦無く陰唇を抉じ開けてきます。

「すごく熱いのと、なんだかチーズ臭さが増してるの以外、あんまり変わんないね」
「あ、でもときどきヒダヒダがピクピク動くよ」
「おマメもずっと腫れたまんまだね」
「おツユも枯れない泉だよね。後から後から湧き出てる」
 
 4つのお顔が私の股間上に集合し、何かおっしゃるたびに吐息が襞に吹きかかるほど。
 あられもなく大きく開いた両脚を自らの手で拘束維持しつつ、男の子たちのお言葉責めに耐える私。

「そうだ、もう一度体温、計ってみようぜ。あくめの後だと、さっきよりもっと上がってるんじゃないかな」
 凛子さまに頼らずとも、私への辱めのアイデアがスラスラお口に出せるようになられたユタカさま。
 
 この上、再びお尻の穴にまで・・・
 もちろんドレイの私に拒否権なんてありません。

 ハッピーベイビー、と言うよりも、マンぐり返し、と言ったほうが的を射ている恥辱ポーズでみなさまへと突き出された肛門に、どなたかの手でプスリと体温計が突き挿さります。
「あうぅぅ・・・」

「あ、ミコトさん、また啼いた」
「またあくめになりたいんじゃないの?」
「お尻に何か挿されるのって、そんなに気持ちいいのかな?」
「じゃあ、計るあいだ、またマンコやチクビ、いじってあげようか」
「ミコトさんて本当にえっちな女なんだね」

 男の子たちのお言葉の中に、明らかに蔑みと嘲り、そして嗜虐が感じ取れます。
 私って、小学生にまで呆れられちゃうほどの、淫乱ドスケベマゾ女なんだ・・・
 そんな屈辱感さえ、マゾにとっては快感を増幅させてくれる絶好のスパイスとなっています。

 マンぐり返しの肛門に体温計を突き立てたまま、ふたつの乳首とクリトリスを引っ張られ、尻たぶをペチペチはたかれ・・・
「あぁん、もっとーっ、もっとぉーっ、もっとぉぉーーっ!・・・」
 
 頭の中では、もっと視て、もっと虐めて、もっと蔑んで、もっと痛くして、と、マゾのおねだり呪文が渦巻いています。
「あああーーっ、そこっ、もっとーーっ・・・」

「すげーえっちな声に、えっちな顔・・・」
「ドスケベ女のミーコ、またあくめしちゃいそうじゃん・・・」
 
 とうとう小学生から、映画登場人物の愛称とは言え、ミーコ、なんて呼び捨てされるような見下された存在にされちゃった・・・
 ユタカさまのお言葉にマゾ性が大悦びしていたとき、ピピピッと体温計の電子音が聞こえました。

「あ、体温、計れたみたい」
 いやっ、やめないで・・・
「ちぇっ、あくめまでもうちょっとだったのに」
 そう、もっちょっとでイケるんですぅ・・・

 一斉にからだから離れていく陵辱の指たち。
 同時にお尻の穴から引き抜かれる体温計。
 未練がましくマンぐり返しの姿勢を崩さず、マゾマンコを差し出しつづける私。

「さっき何度だったっけ?」
「ああ、やっぱり少し高くなってるね」
「ミコトお姉さん、なんだか物足りなそうな顔してる」
「じゃあ、このままつづけて、スケベなミーコをまた、あくめにさせよっか?」

 男の子たちが再び私に群がろうとしたとき、凛子さまから、待った、がかかりました。

「はいはーい。残念ながら時間切れー。もう8時57分だから、おしまいにしな」
 凛子さまの無情なお声で、男の子たちはご不満そうにブーイング。

「えーっ、まだミーコ、あくめしてないじゃん?」
「ほら、すごく残念そうな顔してるよ?」
「あと5分!あと5分」
「マッサージ器使えば、すぐなりそーだよ?」

「だめだめ。門限遅れたら、あんたたちの親御さんから怒られるのはアタシなんだからね?」
「あーあ、ユタカもシンイチもミツルも、マン汁べったり手につけちゃって。ほら、さっさとシンクで手を洗って、玄関に急ぎな」
 遠足の引率先生のようなお声の凛子さまが、私にもタオルでからだを拭くようにご指示されました。
 
 ちなみにアクメ直後の私の肛門の温度は。37度5分。
 いたぶられながらだったので、興奮して体温も上昇していたからかな。

「うわーいっ、マンじるーーっ!べちょべちょーっ!」
 はしゃぎながら子供たちが、意外にあっさりとキッチンのシンクへと走り、私も仕方なくからだを起こします。

 これでおしまい・・・
 愉しかったけれど、でも私、結局ずいぶん乱れまくっちゃって、子供たちの教育上的に大丈夫だったのかなー?
 と、一抹の不安を覚えないこともないのですが、相変わらず天真爛漫にはしゃぐ男の子たちのお姿を見て、結果オーライと自分に言い聞かせます。
 
 男の子たちがお帰りになったら、今度はお泊りで美咲さまと凛子さまがお相手。
 オフィスで慣れているとは言え、プライベートで虐められるのは初めてです。
 最後の検温プレイが中途半端で終わってしまったこともあり、性懲りもなく期待にウルウル疼いてしまう私の貪欲なマゾマンコ。
 これは、明日の朝までずっと全裸のままかも・・・

 そう言えば、私が着てきたお洋服やポシェットは、どこへ消えちゃったのだろう?
 ソファーに敷かれていたバスタオルの、まだ乾いているところで股間を拭きつつお部屋を見渡しますが、どこにも見当たりません。

 ま、いいか。
 帰るときには返していただけるでしょうし、まさかさすがの凛子さまも、全裸で駐車場まで行って全裸でドライブして全裸で出社せよ、とはおっしゃらないでしょうから。
 
 みなさまがお出かけされた後、このお部屋に美咲さまがいらっしゃるのでしょう。
 それで、ひきつづき美咲さまが裸の私にあれやこれやしつつ、凛子さまがお戻りになるのをお待ちすることになる、と。
 ひとりで勝手にそう結論づけ、納得しました。

 玄関ホールに男の子たちが集合しています。
 これでお別れということで、バスタオルは巻かず全裸のままお見送りすることにします。
 何度もイカせていただいた御礼を込めた、言いなりセイドレイ最後のサービスです。

「じゃあね、えっちなミーコ、またねー」
「また遊ぼうねー」
「またハダカ見せてねー」
「今度はもっといっぱい、あくめにしてあげるからねー」

 玄関口でお靴を履きつつ、口々にお別れしてくださる男の子たち。
 私も出来る限りにこやかに手を振ります。
 凛子さまは、まだリビングで何かされているみたい。

 そのとき、お部屋でトゥルルルと電話の音が鳴り響きました。
 って、このお部屋、家電なんてあったんだ?

「んもうーっ、この忙しいときに限って・・・」
 少しわざとらしい、凛子さまのお声がお部屋の中から聞こえました。

「はい、もしもし・・・あー、うん、うん、・・・あー、ちょっと待ってね」
 保留音に切り替わったと思ったら、凛子さまが玄関口までタタっと駆けてきました。

「ユタカ?アタシの車の駐車場の場所、知ってるよね?」
「あ?うん」
「だったらみんな連れて先行って乗ってて。アタシも電話終わり次第すぐ追いかけるから」

「えっ?ミーコも一緒に?ハダカのままで?」
 凛子さまに向けてなのか私に向けてなのか、からかうようにおっしゃるユタカさま。

「何バカなこと言ってんの?あの車に6人も乗れねーだろがっ!」
 呆れたようにおっしゃりながら、お車の鍵らしきものをユタカさまに向けて、ポーンと放り投げ、そそくさとリビングに戻られる凛子さま。

「ねえ、最後にもう一回だけ、おっぱいさわらせて」
 私と男の子たちだけになり、名残惜しそうに私のからだを見つめたユタカさまがおっしゃいます。

「あ、はい・・・どうぞ・・・」
 すっかり従順なセイドレイ気分の私は、沓脱ぎの縁まで歩み寄り膝立ちになって胸を反らせ、男の子たちの方に自分の剥き出しおっぱいを差し出します。

「あぁんっ・・・」
 まずユタカさまが、つづいてシンイチさま。
 感触を忘れまいとしているようにワシワシ揉まれ、乳首をつままれます。
「あふぅんっ・・・」

「ほら、何もたもたしてんのっ?さっさと駐車場行きなっ!」
 リビングの奥から凛子さまの怒声が聞こえ、あわててマサヒデさまとミツルさまも私のおっぱいをわしづかみます。

「それじゃあまた今度ねー」
「冬休みにもまた来るからさー」
「あ、はいぃ・・・またお会い出来たら、嬉しいですぅぅ・・・」
 小さめな4つの手で両方のおっぱいを揉まれながら、声を上ずらせてしまう私。

「だから、早く行けって!!」
 二度目の怒声がリビングから聞こえ、うわっ、こえー!というお言葉とともに、おっぱいから一斉に手が離れました。

「んじゃねー」
「またねー」
「ミーコ、バイバイー」
 私のからだをガン見しつつ口々におっしゃって、玄関ドアから出ていかれる男の子たち。

 バタンとドアが閉じ、静々とリビングに戻ると凛子さまはまだお電話中。
 あらためてバスタオルをからだに巻き付け終えたとき、凛子さまが受話器を置かれました。

「お待たせ。じゃあアタシらも出かけよっか」
 凛子さまにポンと剥き出しの右肩を叩かれました。

「えっ?私もですか?えっ?なんで?どこへ?」
「どこへ?って、ミサミサんちに決まってるじゃん」
「美咲さまがこちらへ来られるのではないのですか?」
「ううん。直子はミサミサんち行って、ふたりで待ってて」

「こ、この格好で、伺うのですか?」
 今の私、ところどころ濡れそぼった白いバスタオルの下は全裸なんですけれど・・・

「大丈夫。同じ建物内なんだから、あらためて服を着るまでもないじゃん。それにミサミサんち行ったら、どうせまたすぐ裸にされちゃうはずだし」
 戸締まりをご確認されつつ、イタズラっぽいお声で私の抗議をあっさり却下される凛子さま。

「今の電話もミサミサ。カメラは全部、バッチリ録れたって。すっごく刺激的でいやらしいから、観ながら3回も自分でいたしちゃったってさ」
 笑いながらおっしゃる凛子さま。

「直子、ノリノリだったもんねー。特に夜になってからはドマゾ丸出しで、完全にガキンチョのセイドレイに成り果ててたじゃん」
「おっと、エアコンは・・・ま、つけっぱでいいか」
 戸締まり点検が終わったようで、凛子さまがトートバッグを提げ、リビングの照明を消して玄関口に向かわれます。

「今日の経験で、あいつらの第二次性徴が早まるのは確実だよね?ほら、直子も早くこっち来て」
 凛子さまが玄関口から私を呼びます。

「あいつらのうち何人かは、今夜眠っているあいだに直子のおっぱいと濡れ濡れマゾマンコが夢に出てきて、夢精してガキンチョからオトコになっちゃうかもね」
 ご愉快そうにおっしゃって、お靴を履き終えた凛子さま。

「そんながんばった直子に、アタシからも何か御礼しなきゃと思ってさ、ちょっとしたスリルをプレゼントしてあげる」
「さっきの電話も、9時直前に電話する、ってミサミサと示し合わせてたんだ。ガキンチョどもを先に行かせるために、ね」

「ほら、直子も早く靴履いて。ミサミサも自分ちで、何かしら直子を歓迎するアソビを考えてるみたいだから、それで思う存分イカせてもらいなさい。さっきの最後の直腸検温じゃ、イケなかったんでしょ?」

 凛子さまが沓脱ぎに揃えてくださった自分の白いリボンミュールを渋々つっかける私。
 本当にバスタオルひとつで、お外に出るんだ・・・

 凛子さまが玄関ドアを開けると、もあっとした熱帯夜の熱気に包まれたお外が見えました。
 常夜灯に照らされた外廊下は、ほんのり薄暗闇。

「おお、夜だね。いい感じに暗いね・・・」
 お独り言のようにおっしゃった凛子さまの右手が私のほうへと伸びてきます。

「だからこれも、いらないんじゃない?」
 お声とともに私が巻いていたバスタオルがハラリとほどけ、間髪入れずに丸められリビングドアのほうへと放り投げられました。

「あっ!」
 抗議の声をあげる間もなく右腕を引っ張られて外廊下へ。
 同時に、バタン、と閉じる玄関ドア。

「えーーっ?!」
 という声の音量が急激に下がったのは、外廊下の胸高フェンスの向こうに、すぐお隣のマンションの明るい窓が見えたから。
 同時にその場に、からだ全体を丸めるようにしゃがみ込みました。
 え?なんで?私、全裸でお外に、連れ出されちゃった?・・・

「このマンションのドアはみんなオートロックだから、いったん閉じたらこのカードキーが無い限り、絶対部屋には戻れないんだ」
 これ見よがしにご自分のカードキーを、私の目の前でヒラヒラさせる凛子さま。

「だから早くミサミサの部屋に逃げ込まないと、直子の裸、誰かに視られちゃうかもよ?」
 イジワルさ満点の凛子さまのお言葉に私はパッと立ち上がり、凛子さまのお部屋のもうひとつ奥、お隣のお部屋めがけて駆け出します。

「ブーッ。残念、お隣はミサミサじゃなくて、どっかのチャラい大学生。よく女を引っ張り込んでるみたいだけど、直子、ひょっとして知り合いだった?」
 ニクタラシサ抜群のお声が私の背中に投げかけられ、私はあわてて元の場所まで戻り、再びしゃがみ込みました。

「このマンションは、ワンフロア二世帯。2階か4階のどっちかの部屋がミサミサのなの。がんばってみつけてね、全裸で」
 心底愉しそうな凛子さま。

「まあ、住んでるのは学生ばかりみたいだし、夏休みの今は帰省してるのが多いんじゃないかな。だからほぼ安心気味に、全裸屋外露出のスリルが愉しめると思うよ」
「ミサミサの部屋にもネームプレートは出てるから間違えることは無いと思うけれど、インターフォン押すときはよく確認しなね?そんな格好の女がドアの前に立ってたら、若い男は制御効かないだろうし」
 無責任なお言葉とともに、何かが差し出されます。

「どうしてもヤバくなったときのために、一応これは渡しといたげる。もしそうなったら、それで自分で何とかなさい」
 手渡されたのは、いつの間に取り出されたのか、私がポシェットに入れておいた私のスマートフォンでした。

「それで自分の屋外露出写真を自撮りしとくのもいいかもよ?今日の記念に。それじゃ。また後ほど」
 おっしゃりたいことだけをおっしゃって、無情にもスタスタ足早に外階段へと向かわれた凛子さま。
 その後姿を、為す術無く見送るしかない私。

 どうしてこんなことに・・・
 私、今日初めて訪れたマンションの外廊下に、全裸でひとり唐突に、置き去りにされてしまいました。


夏休み自由研究観察会 17