2017年8月15日

夏休み自由研究観察会 05

「はあんっ、あんっ、あんっ、あぁんっ・・・」
 おっぱいのあらゆるところが、たくさんの小さな手で同時に弄られています。
 お肉をムニュッと掴まれ、乳首をそっとつままれ、谷間をなぞられ、下乳をやんわりと持ち上げられ・・・

「ミコトお姉さん?気持ちいい?」
「あんっ、はいっ、はいぃぃ・・・」
「やらけー、おっぱいぷにょぷにょ」
「汗ばんで、肌がスベスベツルツルだね」

「もっと強く揉んでもいい?」
「はいぃ、いっぱい、揉んでみてくださいぃぃ・・・」
「痛くない?」
「はいぃ、へーきですぅぅ・・・」
「このくらいでも?」
「あっ、いいっ、うふぅぅ・・・」
「気持ちいいの?」
「はいぃぃぃ・・・」

 ときに優しく、ときにちょっと乱暴に、たくさんの小さな手で無秩序に蹂躙されまくる私の生おっぱい。
 こんなときこそ、いやっ、だめぇ、そこそこっ、もっと強くぅ、なんて自由に乱れたいのに、それが禁じられているもどかしさ。
 
 女体観察用生身フィギュアの私に許される反応は、あいう、の三文字を駆使した淫声と、肯定と服従を示す、はい、から始まるオウム返し、そして喉奥からほとばしり出てしまう溜息吐息だけ。

 おっぱいにちょっと飽きたらしい手は気まぐれに、脇腹やおへそ、首筋や背中まで愛撫してきます。
 鎖骨を撫でられ、肋骨を辿られ。
 腋の下をコショコショくすぐってくるイタズラなお手ても。
 そしてまたすぐ、おっぱいへと戻っていきます。

 つねったりはたいたりしてくるやんちゃなお手てが無いのが少し物足りないですが、ぎこちないながらも好奇心全開の全力でそこら中を触りまくってくるプリミティヴで無秩序な愛撫の感触がとても新鮮。
「うふぅんっ、あっ、あっ、いいっ、いいぃぃ・・・」

「肌が火照って熱くなってきてる」
「おっぱいのお肉がやわらかくって、指がめり込んじゃう」
「ぷにゅぷにゅしててグミみたい。いつまででも揉んでいたいなぁ」

 乳首を捏ねられるたびにビクンと震え、乳首を放っておかれるとキュンキュン疼き、5分間という時間が永遠とも感じられるくらいの甘美な拷問でした。

「あんっ!・・・んふぅぅ・・・んっ・・・いいっ・・・んくぅぅ・・・うっうっ・・・あはぁぁ・・・」

「はい、時間終了。マサヒデ先生以外は席に戻ってー」

 凛子大先生の号令でお手て軍団が引き上げたとき、私はせわしく肩を上げ下げするほどハアハア息切れしていました。
 大先生がグラスに冷たいスポーツドリンクを入れて手渡してくださり、私は一息にグーッ、ハアッ、美味しいっ!

「どうだった?ミコトお姉さんの生おっぱいは」
「やべえ、やべえよ。オレ今夜、思い出して眠れないかも・・・」
「やわらかかったー。それで、なんだかすごくえっちだった・・・」
「汗ばんでた。それですげーいい匂いがした・・・」
「ミコトさんの声がえっちでえっちで・・・もうどうしようかと思った・・・」
 興奮を隠さず、口々に生々しいご感想を投げつけてくださる子供たち。

「それでマサヒデ先生、シンサツしてみてミコトさんのおっぱいにシコリ、おっと、硬くなってるところはあったかな?」
「うん。あったー」

 大先生のご質問に元気良くお返事されたマサヒデ先生。
 えっ!?まさか・・・と私は瞬間、真顔に戻ってしまいます。

「どこらへん?」
「あのね、チクビが両方とも、腫れちゃったみたいに熱くて大きくなってて、ボクがいくらマッサージしても、腫れは治らないし硬いまんまなんだ」

 ホッとすると同時に、乳首が丹念に捏ね繰り回されていたのは、マサヒデ先生の仕業だったのか・・・と腑に落ちました。

「それはね・・・」
 凛子大先生が苦笑いを浮かべて、ご説明を始めます。

「女の人の乳首は、男の人のよりもともと大き目なの。なぜかって言うと、ママになったとき、赤ちゃんにミルクを上げなくちゃいけないでしょ?」
「それで、乳首を弄られたりしゃぶられたりするともっと大きくなるの。乳首はここですよー、って、生まれたばかりでまだ目が悪い赤ちゃんに教えるために」

「あんたたちだって、もっとちっちゃい頃ママのおっぱい飲むとき、先っちょがだんだん大きくなってるなって、感じなかった?」
 あっ、そう言えば、という感じに、お顔を見合わせる子供たち。

 そのご説明をお聞きして、私より凛子センパイのほうが絶対、小さな子供たちの先生に向いてらっしゃるな、と思いました。

「それとは別にね・・・」
 大先生のお顔つきがイタズラっぽく変わって、つづけます。

「これも大人になった女の人のことだけど、気持ち良かったり、えっちな気分になったりすると、乳首が勃起して硬くなるんだ。あんたたちがぶら下げてるちんちんと同じようにね」
 え~~っ!?とざわつく小学生軍団。

「じゃあ、ミコトお姉さんも今、えっちな気持ちになってるんだ?」
 シンイチくんからの、やけに嬉しそうなお声でのストレートなご質問。

「うーん、単純にそうとは言えないかな。ぜんぜんえっちな気分じゃなくても、シャツに乳首が擦れただけで硬くなっちゃったりもするから。ほら、さっき教えたでしょ?しゃぶられたり触られたりでも大きくなっちゃうって」
「シンイチだって、たとえば学校でユタカたちに寄って集ってパンツ脱がされてちんちん弄られるイタズラされたら、そんな気が無くても硬く大きくなっちゃうでしょ?そういうことよ」

 ゲーッ、気持ちわりー、シンちゃんにそんなことぜってーしねーよ、オレだってさせねーよ、とあからさまな嫌悪を示す小学生軍団。
 私のマゾ気質を匿しておくためであろう大先生のフォローと言えなくもないフォローは、つづいたお言葉でぜんぜんフォローではなくなりました。

「ただ、触られて気持ち良くなって乳首が硬くなって、それでえっちな気分になっちゃって、もっともっと、っていうことはあるかもね、ミコトさんなら」

 おおっ、とどよめいて、隠すのを忘れていた私のまだ尖っている乳首を、あらためてまじまじと見つめてくる子供たち。
 ミコトお姉さん今、えっちな気持ちになってるんだ、もっともっと、ってなってるんだ、と決めつけるように、驚きの中に若干の侮蔑が入り混じったような好奇に満ちたまなざし。

 あわてて両腕でおっぱいを隠す動作をしつつ、心の中で大先生にツッコミを入れます。
 子供たちの前でマゾ性を見せるな、とおっしゃっておきながらそれでは、いくらお淑やかに普通の女性っぽく振る舞っても無駄な気がするのですが・・・と。

「あ、それでボク、ミコトお姉さんの腫れたチクビのチリョー法を思いついたんだ」
 唐突にマサヒデ先生が手を挙げました。

「ここにちょうどこれがあったから。ほら、蚊に刺されて腫れちゃってカユイとき、スースーするやつ塗ると治るでしょ?だからこれ」
 マサヒデ先生がトレイの上からつまみ出したのは、小さくて丸い蓋に可愛いナースさんの絵が描かれた、有名なスースーする塗り薬でした。

「へー。いいものに気がついたねえ。今までの中でマサヒデ先生が一番、お医者さんらしいんじゃない?」
 マサヒデ先生が無邪気にご提案された残酷な思いつきを、その強烈な効能効果を充分に知りながら無責任に持ち上げられる大先生。
 大先生に褒められて、得意満面な笑顔のマサヒデ先生。

 私、それを乳首に塗ったこと、塗られたこと、何度もあるんです・・・
 腫れが引くどころか気持ち良過ぎて、ますます硬く尖っちゃうと思います・・・
 そして、ますます淫らな姿をお見せすることになっちゃいます・・・

 心の中でマサヒデ先生に訴えかけますが、もちろん、そんなことは伝えられませんので、流れに身を任せるしかありません。

「そろそろまた、お医者さん交代しようかと思ってたけど、いいアイデアが出たから、その治療はマサヒデ先生に任せるわ。シンサツをつづけて」
 大先生に促され、私と向き合うマサヒデ先生。

「それでは腫れちゃったチクビのチリョーをしますので、ミコトお姉さん、またおっぱいをこっちに突き出してください」
「あ、はい・・・ありがとうございます、マサヒデさ、あ、いえ、マサヒデ先生・・・」
 今日はマゾ語は禁止なのに、気を抜くとスルッと出そうになってしまうまでに、私の体内マゾ度は上がってきていました。

 マサヒデ先生がお薬の蓋を開けると、ツーンと漂ってくる強めなハッカの香り。
 新品の開けたてのようなので、効能効果も一番キツイはずです。
 そのクセになる刺激を覚えているふたつの乳首が、塗って欲しいのか欲しくないのか決めかねたまま、香りだけでウズウズと疼き始めています。

「たっぷり塗り込んであげるといいよ」
 大先生の余計なアドバイス。
 ガーゼを一枚手に取り、お言葉通り容器からたっぷり山盛りにすくい取るマサヒデ先生。

「あれって結構スースーするよな?」
「ユタカって、あれを乳首に塗ったことある?」
「あるわけねーだろ。でもユーコねーちゃんが間違ってまぶたにちょこっとつけちゃったとき、ヒリヒリして痛いくらいだって大騒ぎしてた」
「ミコトさん、大丈夫かな?」

 ギャラリーのお三かたがご心配くださっているようですが、凛子大先生のお墨付きをいただいている治療法なので、どなたも止めるまではいきません。
 お三かたのお声も聞こえていないのか、大先生に褒められて上機嫌なマサヒデ先生のお薬を盛ったガーゼ越しの右手が、私の左乳首に近づいてきます。

「はうんっ!」
 ガーゼごと私の左乳首に貼り付いたマサヒデ先生の右手。
 そのまま少し押し付けるようにした後、今度は肌に塗り込むように、小さな右手をグリグリ動かしてきました。

 最初は、乳首に油っぽいクリーム状の粘液がまとわり付く感触だけ。
 右手を動かされ、乳首をもてあそばれる感覚とともに、ジワジワとヒリつく刺激が乳首から乳輪までを覆ってきます。
 熱いような冷たいような、毛穴のひとつひとつに氷の針が突き刺さっているような、ある種官能的な痛みを伴う皮膚刺激。

「あぁんっ!んっ、んっ、んーーっ・・・」
 ガーゼにたっぷり盛られた淡い黄色のクリームをすべて皮膚に染み込ませようとでもしているかのように、執拗に捏ね繰り回される左乳首。

「んふっ、んぐっ、うふぅぅ・・・」
 乳輪の外周を超えて乳首を中心にした直径5センチくらいの範囲が、メントールの強烈な刺激で覆われました。
 時間が経つほどにヒリヒリチクチクした刺激は増してきて、左乳首全体に火がついたよう。

 ようやくガーゼが乳首から離れ、左乳首が赦されても、今度はすぐに右乳首。
 同じようにガーゼにたっぷり媚薬を盛られ、敏感になり過ぎている尖った珊瑚色のてっぺんからふもとへと、同じように執拗に擦り込まれます。

「あふぅ、んふぅ、んっ、んんーっ・・・」
 マサヒデ先生の手がガーゼごとそこから離れてしまった途端、もっと弄っていて欲しいという強烈な欲求が生まれます。

「これで少しアンセイにしていてください」
 ひと仕事終えた、とでもおっしゃりたげな、マサヒデ先生のご満足そうな笑顔と、辺り一面に漂う鼻を突くハッカの刺激臭。

「んふぅ、あふぅ、うくぅぅ・・・」
 もはやどなたにも弄られてはいないのに、オイル状のネットリした粘液にコーティングされたふたつの乳輪とその突端がズキンズキンと痛覚を脈打たせながら疼きまくっています。

「マサヒデ先生?ミコトさんの乳首をフーフー吹いてあげて。そのほうがお薬の効きがよくなるから」
 大先生の悪魔のサジェスト。
 マサヒデ先生が私のおっぱいにお顔を近づけ、小さなお口でフーフー息を送ってきます。

「あうっ!んふぅーっ!いぃあぁぁ・・・」
 少し弱まりかけていた刺激が、息のおかげで息を吹き返し、こそばゆいような息の感触と相俟って、思わず身悶えるほどのどうしようもない快感が全身に走りました。

「ミコトさん、また映画のミーコの顔になってる」
「本当だ。きっとすごく気持ちいいんだね」
「ジェットコースターと同じくらいの気持ち良さって、どんなんだろう・・・」

 子供たちにオーガズム寸前の顔を晒していることにも、かまってはいられないほど私のからだは昂ぶっていました。
 今すぐに自分のふたつの乳首を捻り潰して高みまで昇りつめ、ラクになりたいと思っていました。

 でも、凛子大先生がそんなことを許してくださるはずがありません。
「おーけー。ミコトさんの乳首の腫れも治療したことだし、お医者さん交代しよっか。最後はミツルか。いい順番引いたじゃない?」

 私はと言えば昂ぶりを昇華すること無く、徐々にお薬の効果が薄れていくのを虚しく実感しつつ、ただそのままの放置プレイ。

 目の前には、マサヒデくんから受け取った白衣を着込むミツルくん。
 凛子大先生が、ボーイッシュな女の子みたいな顔したイケメンくん、と評されたユタカくんのご近所さん。
 
 確かに、細面でいつも少し笑ったような表情にウルフヘアは、女子ウケしそうなお顔立ち。
 黒縁メガネをかけると、そこに頭良さそうなインテリさん風、まで加わります。

 でもミツル先生、なんだか浮かないお顔つき。
「大先生?ぼく、これ以上、どんなシンサツすればいいんですか?」
 さわやかなイケメンボイスで、始めから凛子大先生を頼るミツル先生。

 確かに、おっぱいのシンサツからショクシン、お薬の治療を終えて一段落ついてはいたのですが、やっぱり最近の子供たちは控え目淡白なのかな、なんて思っていたら、さすが大先生、すんなり場をつなげてくださいました。

「あれ?始めるときにミコトさんが言ったこと、忘れちゃった?」
 大先生がニヤニヤしつつ、ミツル先生を見つめます。

「ミコトさんは、ここ、と、ここ、が痛い、って言ってたじゃない?」
 最初の、ここ、のところでご自分の胸を、次の、ここ、の部分でご自分の下腹部を押さえられました。

「あ、そっか!」
 今更ながらに笑顔が広がるミツル先生。

「だからさっき、いい順番引いたじゃん、って言ったんだよ。まだ、ここ、のシンサツが残ってるでしょ?それとも誰かに代わってもらう?」
「あ、やりますやります。ぼく、やります」
 ご自分の下腹部を押さえながらの大先生のからかいに、あわててお返事されるミツル先生。

「どうせ今日あんたたちは、女の子のおっぱいとマンコが見たくてここに来たんでしょ?早くミコトさんに脱いでもらって、さっさとマンコも見せてもらいなさいな」
 
 凛子大先生が暴走し始めているような気がします。

「オレ、女の人がはっきり、マンコ、って言うの、生まれて初めて見た」
 シンイチくんが素朴に驚いたお声をあげました。
 お隣のユタカくんも驚き顔。

「あんたたちにアカデミックな言い方しても通じないし、わかるように言うなら他に呼びようが無いんだから、仕方ないでしょ?そもそも今日ここでやってることが、えっちで下品で不純なシモネタアソビ以外の何物でもないんだから、今更気取ってられないわよ」
 
 呆れたようにおっしゃってから、ニヤッと笑って男の子たちを見渡す凛子大先生。

「でもね、今日この場は仕方ないとして、普段の生活では、あんまりマンコとかちんちんとか、下品な言葉は使わないほうがいいよ。アタマ空っぽのエロガキ、って思われるから」

「どうしても言わなきゃなんないときは、アレとかアソコとかぼかして奥床しくね。それか、多分もう少ししたら習うと思うけど、セイキとかセイショクキとか、お医者さんが使う言葉ね。それがエロガキじゃない人たちの常識的なエチケットだから。男同士では知らんけど」
「これもさっきの約束に加えちゃおう。下品な下ネタ言葉を人前で使わないこと」

「その約束も守ったら、今度はミコトさんのマン、えっとアソコも触り放題?」
 ユタカくんからニヤニヤ顔でのご質問。
「うーん、それはこれからの成り行き次第かな」
 否定はされない大先生。

「ま、とにかく今日は、あんたたちの頭の中でくすぶってるえっちなモヤモヤを、全部ミコトさんにぶつけて、すっきりして帰って、明日からまた勉強や遊びにがんばりなさい、ということよ」
 
 男の子たちに向けておっしゃった後、私をまっすぐ見つめてくる凛子大先生。
「そうよね?ミコトさん?」

「あ、はい・・・私に出来ることであれば、今日は何でもお手伝いする覚悟、あ、いえ、つもりですので・・・」
 私のマゾ性が、だんだん表に出てきちゃってる気もするのですが・・・

 ということで、ミツル先生とのお医者さんごっこが始まりました。
 それはつまり、女体観察用生身フィギュアである私のストリップショーが、とうとう最終段階に突入した、というのと同じ意味でした。

 対面したミツル先生は、ニッと私に笑いかけながらウェットティッシュのボトルを差し出して、おっぱいが、とだけおっしゃいました。
 もはや効果はすっかり消え失せ、たた乳首周辺をヌラヌラ光らせているだけの油汚れと成り果ててしまった塗り薬の粘液を、拭き取れということでしょう。

「あ、ありがとうございます」
 一見イケメンさんらしいおやさしいお振る舞いだけど、ミツル先生ムッツリっぽいから、そのままだと次におっぱい触るとき気持ち悪い、と思われただけなのかもしれないな、なんて思いながらウェットティッシュを数枚引き抜く、性格悪い私。

 自分の生おっぱいの先端付近を、真剣に丁寧にティッシュで拭っている女の姿を、男の子たちが興味深そうにじっと見つめています。
 拭き取り終えたウェットティッシュは大先生が回収してくださり、あらためてミツル先生と向き合いました。

「それでミコトさんは、ここも痛いんですね?」
 ご自分の下腹部のずいぶん下のほうに手を添えてお尋ねになるミツル先生。
「あ、はい・・・なんだかムズムズジンジンして・・・」

「それではシンサツしますので、下も取ってください」
 ニコッと笑ってあっさり爽やかにおっしゃったミツル先生。
 スカートとおっしゃらず、下、とおっしゃったところが、なんだか本当のお医者様っぽい。

 それに、下も、とおっしゃったことで、つまり上はずっとこのまま、イコール、おっぱいのシンサツは終わったけれど服を着直して隠してはいけない、イコール、全裸になれ、というご命令的なニュアンスを感じ取り、私のマゾ性がキュンキュンと咽び泣いてしまっています。

「はい・・・それでは失礼して・・・」
 ゆっくり立ち上がり、スカートのホックに手をかけたところで自分の脚を見て、思い直しました。

 まずは、このニーハイストッキングを先に脱いでしまおう。
 どうせ最終的にショーツまで脱ぐことになるのであれば、半端にストッキングなど残さず、マゾのシルシのエナメルチョーカーだけの生まれたままの姿、全裸をみなさまに視ていただくのが一番私らしい、と思ったからです。

 世の中には、全裸にタイツやストッキングだけとかソックスだけとか、そういう姿をお好みになるフェチのかたがいらっしゃることも知っていましたが、今の男の子たちのお歳で、早くもその手の扉を開けてしまうことは、凛子大先生もお望みでは無いでしょうし。

 一回深呼吸してからミツル先生のほうを向き、最初に右足を、座っていた丸椅子に乗せて前屈みになりました。
 気分はすっかりストリッパー。

 膝頭少し上のところまでのフィッシュネットストッキングを、ゆっくり丁寧に足元のほうへとずり落としていきます。
 ミニスカートで足先を椅子の上に乗せているので、子供たちの目線からはスカートの中がチラ見え、もしくは丸見えになっているはずです。

 男の子たち全員、少し首を横に傾けるようにして、一所懸命スカートの中を覗き込もうとしています。
 もう少し待てばそのスカートも脱ぎ捨てられ、パンチラどころかショーツ全体を、いえ、ショーツの中身まで容易に視ることが出来るようになるのに、今この一瞬のパンチラに全力で必死な男の子たち。
 カワイイな、と思いました。

 ゆっくり時間をかけて左右のストッキングを脱ぎ去り生足に。
 それから、あらためてスカートのホックに手をかけたとき、今度は、ずっと気にしていた懸念事項が頭をがよぎりました。

 お医者さんごっこを始めてから、私は何度もはしたない快感を得ていました。
 当然マゾマンコは敏感かつ活発に反応し、愉悦のおツユを分泌しつづけています。
 
 その液体は容赦なく下着を汚し、今でも恥丘から肛門のあたりまで、濡れてベッタリ布地が肌に貼り付いているのが実感出来ています。
 穿いているショーツは純白で、クロッチの補強は剥がしてあります。

 確実にパッと見で容易に、その部分が湿っていることに気づくレベルでしょうし、時間の経ったシミは黄ばみに変化しているかもしれません。
 幾度か昇り詰める寸前まで達していたので、白濁液になっていたり、スカートを脱いだ途端に布地に溜まったおツユが腿を滑り落ちてしまうかもしれません。
 どうしようか・・・

 一番の安全策は、スカートを取ってから間髪を入れずショーツもずり落としてしまい、濡れた下着を子供たちに見せないことです。
 だけど・・・

 こんなふうに書くと、私が長いあいだ逡巡していたように見えてしまうでしょうけれど、ごめんなさい、再度スカートのホックに手をかけたとき、すでに私の心は決まっていました。

 子供たちに、ショーツの布地を股間にベッタリ貼り付けた浅ましい姿をご覧いただきたい、と思っていました。
 子供たちに、なんでパンツがそんなに濡れちゃっているの、と呆れたお声でご指摘されたい、と望んでいました。
 そして子供たちのお口から、その下着も脱いでください、という非情なご命令をいただいて全裸を晒し、好奇の視線の生贄となりたい、と願っていました。

 ストッキングを脱ぎ終えると、座っていた丸椅子の前に立ちました。
 これで子供たちとの距離は、私が座っていたときよりも50センチくらい近くなりました。

 子供たちは全員、前のめりになって私を注視していますので、実際はもっと距離が縮まっているはずです。
 スカートを取ったら、子供たちの目線の高さのまっすぐ先が、私のショーツ。

 ミニスカートのホックを外し、ジッパーをゆっくりと下げます。
 微かなジジジという音以外、静まり返っています。
 一番下まで下げ終えたらスカートを押さえていた手を外し、両手を背中の真ん中へんまで回して後ろ手に組みます。
 手錠でもされているかのように。

 手を放した途端に腰周りを覆っていた真っ白な布地がストンと足元まで落ち、俗に言うところのパンツ一丁に。
 そのままの姿勢でもう一度後ろ手をキツく組み直し、うつむいてただ、立ち尽くします。


夏休み自由研究観察会 06

2017年8月13日

夏休み自由研究観察会 04

 スリークォーターカップのブラジャーは、フルカップの上1/4がカットされているので、おっぱいの膨らみ始め部分の肌は露出しています。
 ワイヤーで下から持ち上げて寄せる感じになるので、膨らみ始めの谷間がよりクッキリ強調されて浮かび上がることになります。

 ノースリーブを脱ぎ終えると、私が上半身に身に着けているのは、白のエナメルチョーカーと純白ブラジャーだけ。
 ブラを隠すように胸の前に両腕を交差させて恥ずかしがり屋ポーズの私。
 その腕からはみ出しているおっぱいの谷間が作るスジに、子供たちの瞳が釘付けでした。

 そこまで脱いで私はちょっとイタズラ心を起こし、そのままストンと椅子に腰掛けました。
 あれっ、ブラジャーは取らないの?とでも言いたげな、拍子抜け気味なお顔になられる子供たち。
 ブラジャーも脱いでください、って子供たちのお声でご命令されたい、と思ったのです。

 だけど、シンイチ先生のお口から、そのお言葉は聞けませんでした。

「そ、それでは聴診器を当てますから、その手をどけてください」
「あ、はい・・・」

 いささか戸惑い気味なシンイチ先生のご命令で、胸を隠していた両腕をゆっくりどかしました。
 ブラの白い布に隠された私のおっぱいの谷間に吸い寄せられる、目、目、目たち。
 いつもの習性で、どかした両手を後頭部に持っていきかけてしまい少し焦りましたが、途中でごまかして背中で組むことにしました。

 4人の中では一番ぽっちゃり気味なシンイチ先生の小さな手に握られた聴診器の金属部分が、恐る恐るな感じで私の肌に近づいてきます。
 最初は右おっぱいの下あたり。

「ひゃんっ」
 予想以上に冷たい金属の感触に、思わず淫らな声が出てしまいました。

 私の声にビクンと一瞬怯んだようなお顔になられたシンイチ先生でしたが、すぐに立ち直り、ブラの周りをさまようようにペタペタと無造作に、聴診器を押し付けてきました。
 この聴診器は本物ですから、私のドキドキ高鳴っている心音もシンイチくんに聞こえてしまっているんだなー、なんて思いながら、されるがままの私。

 シンイチ先生は、ひとしきりブラのカップ周りに聴診器を当て終えた後、次はどうしたらいいかわからない、という感じになってしまわれました。
 これは私から、ブラも取ったほうがいいですか?って聞かなくちゃダメかな?なんて思っていたら、凛子大先生のご指示が入りました。

「おーけー、そのへんでお医者さん交代しようか。次は誰?」
「はーい!オレオレっ!」
 やる気マンマンな坊ちゃん刈りのユタカくんがピンッと右手を挙げています。
「なんだ、ユタカか。じゃあアドバイスするのやめた。勝手にやんな」

 大先生の冷淡なお言葉もぜんぜん気にせず、シンイチ先生からひったくるように白衣とメガネを譲り受け、私の目の前に座ったユタカ先生。
 ふたつのお目々がすごく嬉しそうに笑っていて、確かに4人の中では彼が一番、スケベそうな雰囲気です。
 私は再びブラの上から両腕を交差させ、恥ずかしい、見ないで、のポーズ。

「今、シンちゃん先生から聞いたんですが、病気かどうかよくわからないみたいなので、もっとよくシンサツしたいと思います」
 お芝居がかったお声でカルテを見ながらおっしゃったユタカ先生。
 一呼吸置いて、こうつづけました。

「だから、そのブラジャーも取ってください」

 その刺激的なお言葉に一瞬凍りつく、後ろで見守るお三かた。
 その待ち侘びていたお言葉にジワッと濡れてしまう、どうしようもない私。

「はい・・・わかりました」
 私の従順な隷属で、子供たちのあいだにホッとした空気が流れました。

 ブラを外すとき背中を向けたほうがお淑やかかな、とも思いましたが、あんまり焦らしてばかりだともっと萎縮しちゃいそうなので、子供たちのほうを向いたまま取ることにしました。
 椅子に座ったまま、ブラのホックを外すために背中に回していた両手を上へと動かし始めると、ググッと身を乗り出してくる子供たち。
 
 それこそお皿のように見開いたつぶらな瞳たちが、私のバストだけを見つめてきます。
 一様にお口を真一文字につぐみ、ゴクリというツバを呑み込む音まで聞こえてきそう。

 ホックを外すと、生おっぱいがまだまともに見えないように片腕づつで隠しながら、肩紐を左右それぞれ外しました。
 両腕を交差しておっぱいを庇うような形になったとき、胸と腕のあいだに挟まっていたブラジャーを、凛子大先生が回収してくださいました。

 交差した腕と腕のあいだから、わざと右の乳首だけ少し覗くように動かすと、すべての視線がそこに吸い寄せられるように集まってきます。
 そのまましばらく、ユタカ先生と見つめ合います。

「・・・えっと、あの、シンサツが出来ないので、聴診器が当てられないので、その、その腕をどけてもらえますか?」
 先ほどの、ブラジャーも取ってください、のときみたいな余裕はもう無いようで、少しお声が震えていました。

「あ、はい・・・恥ずかしいですけれど、シンサツのためなら仕方ありませんね・・・」
 ゆっくりと両腕を左右に引いていき、手のひらで乳首を隠す手ブラ状態へ。
 そこで数秒、間を置いて、うつむいたまま思い切って一気に両手を背中に回しました。

「おおっ!」
 小さくあがるどよめき。
「おっぱいだ・・・」
「ミーコのおっぱい・・・」
「チクビ・・・」

 うつむいた視線の先で、私のおっぱいが隠すもの無く子供たちの視線に晒されていました。
 自分でも恥ずかしくなるくらい、子供たちに向けて硬く精一杯その乳首を尖らせて。

 もはや、私の上半身の素肌を覆い隠すものは、首のか細いエナメルチョーカーしかありません。
 私、今、小学生男子4人の前で、生おっぱいを丸出しにしているんだ・・・
 ねっとり絡みつくような視線が、そこに集まっているのを感じます。
 得も言われぬホロ苦甘酸っぱい快感が、マゾマンコを起点に全身を駆け巡ります。

「そ、それでは、シンサツします」
 思い切るようにおっしゃって、ユタカ先生の聴診器の先が剥き出しの左おっぱいに近づいてきます。

「あんっ!」
 乳首の少し下、乳輪の端に最初のひんやりが押し付けられ、またもや淫ら声。
「・・・やべえ、ちんちん勃ってきちゃった・・・」
 ユタカ先生の肩越しに見つめているシンイチくんが、独り言みたいにつぶやきました。

 ユタカ先生は、なぜだか絶対乳首には触れないようにしているみたいで、その周辺、乳輪をなぞるように聴診器を押し付けてきます。
 左を終えると今度は右へ。
 それがなんだかわざと焦らされているみたいで、もどかしくもすごく気持ちいい。

 普段オフィスのみなさまとするプレイであれば、私のマゾ性がみなさまに理解されていることに甘えて、早く乳首を虐めてください、なんておねだりしてしまうところでしょう。
 だけど、今日はそれを禁じられているので、されるがままに任すしかありません。
 
 自分の無力さが却って被虐を煽り、余計にマゾの血が滾ってしまう悪循環。
 自分ではどうにもコントロール出来ない状況、から来る、純粋な羞じらい、の感情も倍増して新鮮です。

 聴診器をギュウギュウ押し付けてくるユタカくんの小さな手を見ながら、今日の私は、この子たちにもてあそばれるだけでイカせてはもらえない、ただの女体観察用生身フィギュアなんだ、と内心ではマゾ性全開な私。
 出したい声を必死に我慢しつつ、乳首への刺激を待ち侘びていました。

 しばらく熱心に聴診器を押し付けてくださったユタカ先生でしたが、結局乳首に触れること無く、この後どうすればいいかわからない状態、に陥りました。
 そこでまた、凛子大先生のご登場です。

「はい、じゃあまたお医者さん交代ね。次は誰?」
「はいっ!ボク!」

 私は、ユタカ先生のシンサツが終わると同時に、再び胸の前に両腕を交差して生おっぱいを隠しました。
 隠してしまうと、一様にがっかりしたようなご表情になる、とてもわかりやすい子供たち。

 自分へのマゾ扱いに慣れ過ぎて、一度出したら出しっ放しな状態が普通になっていたオフィスでのプレイでは忘れかけていた、羞じらいの感覚。
 恥ずかしい、見ないで、もう許して、と普通の女性らしく振る舞うことで、子供たちのリアクションも含めて、中学生の頃から私が妄想を描いて探していた、理想の被虐的な状況のひとつに、より近づいているような気がしていました。

 元気よく小さなお手てを挙げた、この場の最年少、3年生のマサヒデくん。
 この子だと、私のほうからリードしてあげないと、このまま何も進まないかも、なんて考えていたら、大先生からご指導が入りました。

「マサヒデ君か。よし、がんばりな。マサヒデ君はひとりだけ3年生だから、おおせんせいが特別にアドバイスしてあげる」
 ユタカくんのときとは打って変わって、フレンドリーな凛子大先生。

「女の人のおっぱいはね、こわーい病気になりかけていないか確かめるために、触診、ていうシンサツの仕方があるんだ」
「ショクシン?」
 ブカブカの白衣に袖を通しながら、あどけなくオウム返しされるマサヒデくん。

「ショクシンていうのはね、手で直接触ること・・・」
「えーっ!?手で触ってもいいのっ!?」
 凛子大先生のご説明に、シンイチくんとユタカくんがおふたり同時に同じセリフで、大きなお声でご反応されました。

「手でペタペタ触ってニギニギ揉んでみたりして、おっぱいの中にシコリ、えっと、ちょっと硬くなっているようなところが無いか、確かめるの」
 シンイチくんとユタカくんの大げさなリアクションは完全無視して、マサヒデくんだけにおやさしく語りかける大先生。

「揉んでもいいんだってー?」
「ああー失敗したー!思い切って手で触っちゃえばよかったー」
 すでにお医者さん役を終えてしまったおふたりが、後ろの席で大きなお声で悔しがっています。

「触っても揉んでもいいのよね?ミコトさん?」
 大先生からイタズラっぽく尋ねられ、おっぱいを庇う両腕を緩め、素早く乳首だけを手で隠す手ブラ状態になり、努めて羞じらいをにじませつつ、こうお答えしました。

「は、はい・・・とても恥ずかしいですけれど、シンサツのためなら、仕方ありませんから・・・」
 あーあ、と、逃したお魚を悔いるような、シンイチくんとユタカくんの盛大な溜息。

「わかった。ボク、ショクシン、やってみる」
「あ、でもマサヒデ君はさっきユタカがお医者さんだったとき、こっそりポテチを食べてたでしょう?」
「あ。うん・・・ちょっとお腹空いちゃって・・・」

「だったらちゃんともう一度、両手をキレイにしなくちゃダメ。さっき言ったでしょ?女の人のからだを触るときは清潔に、って」
「ほら、このウェットティッシュで手を拭きなさい。ポテチの油が残らないように丁寧にね」

 凛子大先生がマサヒデくんにボトルごと手渡されたウェットティッシュに、なぜだか群がる他のお三かた。
 全員真剣に両手を拭いているということは、全員、シンイチくんとユタカくんもまだ、私のおっぱいに触る気マンマンということなのでしょう。
 手ブラしている左手に、自分の心臓のドキドキ具合が大きく伝わってきます。

 そのお顔には明らかに大きくてずり落ちがちな黒縁メガネをかけたマサヒデ先生と、手ブラ姿で対面します。

「それでは、ショクシンをしますので、その手をどけて、ボクの手が届くところまで、おっぱいを突き出してください」
 精一杯のお芝居口調はカワイらしいのですが、おっしゃった内容はセクハラそのもの。

「あ、はい・・・」
 両手を尾てい骨のところで組み、丸椅子を少し前に出し、腰を引いて胸を張るようにして、マサヒデ先生のお鼻先に剥き出しの乳房を差し出す私。
 どうぞ、思う存分もてあそんでくださいませ、と心の中で懇願までしてしまいます。

 マサヒデ先生がおもむろに両手を伸ばし、そのままペタリと私の肌に密着させました。
 左右の手のひらで、私の左右の乳首を包むような形でした。

「あふぅん!」
 いきなりの待ち侘びていた頂上攻撃に、思わず喉の奥からはしたない声がほとばしり出ました。
 そんな声など気にも留めないマサヒデ先生の小さな手のひらが、おやさしくニギニギし始めました。

 小さな手のひらに擦れる勃起乳首。
 左右とも乳輪の外周くらいから頂点までをひとまとめにして手の内に握られ、熱心に揉みしだかれます。
 やがてマサヒデ先生の両手はおっぱい全体へと伸び、下乳、横乳、少し垂れ下がった裏側まで、気ままにモミモミしながらさまよいつづけます。

「あっ・・・」
「んふーぅ・・・」
「いぃっ・・・」
「はあっ・・・」
 堪らえようと思っても、どうしても洩れてしまう淫らなため息。

「痛いですか?」
 私の淫ら声が余程うるさくて、やっと気に留められたのでしょう、マサヒデ先生が心配そうに尋ねてくださいます。

「あっ、いえ、大丈夫です、痛くないです・・・つづけてください・・・」
 快感でどうしても眉間にシワが寄ってしまうのを気にしながらの作り笑い。

 私は今日この場に臨むにあたり、いやっ、とか、だめっ、やめてっ、許して、などの否定的に聞こえる嬌声は一切あげないことに決めていました。
 このくらいの年頃だと、その言葉の意味通りにとって、手を止めてしまいがちですから。
 それを私は、高校生のときのカズキくんとのことで学んでいました。

 かといって、もっと、とか、そこが気持ちいい、とか積極的におねだりしちゃうと、凛子センパイご指定の、清楚なお姉さん、からは程遠いメス犬ビッチとなってしまいます。
 
 したがって、触られた気持ち良さをそのまま声にする、意味を持たない感嘆詞しか口に出せなくなっていました。
 自分の望むことを言葉で誘導できないもどかしさを感じつつ、おっぱいのそこかしこを這い回るマサヒデ先生の小さなお手てに身を任せ、目をつぶってふんふん身悶えていました。

 そのお手てが不意に両方のおっぱいから離れました。
 ん?どうしたのかな?
 しばらく待っても戻ってこないようなので、目を開けてマサヒデ先生を見ました。
 マサヒデ先生は、椅子の上で上半身を少しひねり、横に立っていた凛子大先生を見上げていました。

「ねえ、おおせんせい?」
 マサヒデ先生が大先生に呼びかけます。

「ボク、ミコトお姉さんはやっぱり、ボクにさわられるのイヤなんじゃないかな、って思うんだ」
 真剣なお顔つきのマサヒデ先生と、キョトンとしたお顔の凛子大先生。

「えっ?どうして?」
「だってミコトお姉さん、ボクがおっぱいをさわっていると、とっても苦しそうなお顔になるでしょ?映画のミーコみたいに」
「映画のミーコ?」

「うん。ミーコが敵にさらわれて、ザウルスの中で縛られて、ディーの笛でいじめられていたときのお顔が、ボクがさわっているときのミコトお姉さんのお顔にそっくりなんだ」
「へー、ミーコって縛られて、笛でいじめられるんだ。どんなふうに?詳しく教えて」
 なんだか嬉しそうな凛子大先生。

「えーとね、ミーコの歌のエネルギーを奪うために、縛ったミーコに光線を浴びせるんだ。それを浴びたときのミーコのお顔と声が、さっきのミコトお姉さんとそっくりだった。うっ、うっ、って苦しそうで、ここにこんなにシワを寄せちゃって」
 ご自分の眉間を指差して、しかめ顔を作られるマサヒデ先生。

「ああ、あれかー。あれ、なんだかえっちっぽかったよな?」
「オレは悪役のエムネラがえっちに感じたな。服が」
「白いほうね。黒いほうのもえっちだったじゃん」
 後ろのお三かたが、つられて今日観た映画のお話をされているみたい。

 私にはちんぷんかんぷんなご説明でしたが、大先生はご理解されたよう。
 ニコッと笑って私の背後に回られ、男の子たちと向き合う形になられました。

「たぶん映画のミーコは、本当に苦しかったのでしょうけれど、大人になるとね、女の人は気持ちいいときにも、苦しいような顔になっちゃうときがあるのよ」
 
 シンサツの中断で再び両腕でおっぱいを隠している私の無防備な背中を、背骨に沿ってツツッと撫ぜる大先生。
「ひゃぅっ!」

「そうね、たとえばあんたたちが遊園地でジェットコースターに乗ったら、乗ってるあいだは怖いとか苦しいみたいな表情になるでしょ?でもスリルがあって実際はすっごく楽しくて喜んでるよね?つまりそういうこと」

 それから大先生の両手が私に覆いかぶさるように降りてきて、私が交差している両腕に割り込むように、ふたつのおっぱいをワシづかみにしてきました。
「あうっ!」
 そのまま乱暴に両方のおっぱいを同時に揉みしだいてくる大先生の両手。

「あっ、あぁーっ・・・」
「ほら、こんな顔と声のことでしょ?」
 うんうんと真剣に頷かれる男の子たち。

「どう?ミコトさん、イヤ?」
 おっぱいをモミモミしたま尋ねられます。

「あんっ、いいえ、イヤじゃないですぅ・・・」
「やめてほしい?」
「ううっ、いえ、あっ、やめなくていいですぅ・・・」
「気持ちいいの?」
「あぁん、はいぃぃ、すごくぅ・・・」

 唐突に腕を引っ込めた大先生が、念を押すみたいに子供たちに同意を求めました
「ね?」

「本当だ、女の子って気持ちがいいと、ジェットコースターに乗ったみたいになるんだっ!?」
 マサヒデ先生が、心底驚いた、みたいな興奮気味のお声をあげ、一同ザワザワ。

「ただしっ!」
 語気強くザワザワを鎮められた大先生。

「これはミコトさんみたいな大人の女の人に限った話よ。あんたたちのクラスメイトや上級生、中学生、高校生以上でも、女子は好きでもない男の人にからだを触られるのはイヤだし、大人になっても、見ず知らずの男に無理矢理触られるのは絶対イヤ」

「そういうことをするとチカンとかセイハンザイシャって呼ばれて、おまわりさんに捕まって牢屋に入れられちゃうの」
「ミコトお姉さんの場合は、アタシと友達で、アタシがユタカの親戚で、みんながユタカの友達だから、ミコトさんもみんなに触られてもイヤじゃなくて、気持ちいいになるわけ」

「だから、これからは、学校やお家で女子がイヤがるえっちなイタズラは一切しないこと。シンイチだっけ?さっき、ちんちん勃ってきちゃった、なんて言ってたでしょ?そういう生々しいことも女の人のいる前では言わないこと」

 良いことを言っているふうで、よく考えるとわけのわからない理屈ですが、真剣に聞き入っている子供たち。
 凛子大先生が私の横まで出てこられ、私と男の子たち両方に向けてニコっと微笑まれました。

「今アタシが言ったことを守るって、ここでアタシと約束してくれるんなら、約束出来る人だけ、ミコトさんのおっぱい、好きなだけショクシンしていいよ」
 イタズラっぽく言い放った大先生に、やる、やる、やる、と一斉の大歓声。

「ちゃんと約束は守るんだぞ?学校の女子がイヤがる迷惑をかけない。ユタカのママからあんたたちのことは、いつでも話聞けるんだからな?」
 釘を刺す大先生を尻目に、我先にとウェットティッシュのボトルに手を伸ばし、両手を再度拭っているのがカワイイと言えばカワイイ小学生軍団。

 私の右横にユタカくんとマサヒデくん、左横にシンイチくんとシンサツ初登場のミツルくん。
 観念したように背中で両手を組み、おっぱい丸出しでうなだれる私。
 それを正面から、おそらく伊達メガネのレンズで美咲センパイのパソコンへとライブ動画配信される凛子大先生。

「今3時15分だから、20分まで5分間な。ミコトさんの上半身ならどこ触ってもいいぞ。それじゃあショクシン、開始っ!」

 大先生の号令で、私の無防備剥き出しおっぱいに、8本の日焼けしたしなやかな手が一斉に襲い掛かってきました。


夏休み自由研究観察会 05

2017年8月11日

夏休み自由研究観察会 03

 気を紛らわせようとブックシェルフを物色して、適当に選んだ少年向けコミックスの適当に開いたページが、6年生女子のプールの更衣室を嬉々として覗くえっちな目つきのイタズラっ子たち、みたいなシーンだったりしてドッキリ。
 でも、そのマンガはギャグっぽくて絵柄も個性的で面白そうだったので、実はオカルトマンガらしいそれを、いつしか真剣に読み進めていました。

 カチャ、という小さな音で本から視線を上げると、リビングのドアがそーっと開き、男の子たちがこちらを窺うように、そーっと入って来られました。
 タオルで拭いただけらしいまだ生乾きの髪で、皆一様にさっぱりしたお顔になられた男の子たち。
 そちらに目を向けてニッコリ笑って会釈をし、シャワー気持ち良かった?と声をかけました。

「あ、はい・・・」
「・・・はい、とても・・・」

 モゴモゴと煮え切らないお返事をくださいつつ、お部屋には入ったものの、なぜだかこちらへは近づいてこない男の子たち。
 気恥ずかしいのか私の視線を避けるような、かと言ってこちらが気になって仕方ないといった風情で、ブックシェルフの前にひとかたまりなっています。

 全員色の違うサッカーユニフォームみたいな感じのざっくりした半袖ポロシャツ風を着て、下も色とりどりの、ゆったりめな膝までハーフパンツ。
 ふーん、これがイマドキの小学生男子の流行りのファッションなのかー。

 坊ちゃん刈り、五分刈り、ウルフっぽいツンツンヘア、もうひとり坊ちゃん刈り。
 身長140センチ前後の見事に日焼けした男の子4人が、こちらをチラチラ気にしつつ、ブックシェルフのマンガ本をそれぞれ取り出し、読み始めています。
 私も、それ以上かける言葉がみつからず、何だか気マズイ雰囲気で数分。

 やがて玄関でバタンと音がして、すぐさま、あっちー!のお声。
 パタパタと足音が近づき、バタンとドアが開きました。

「何なのこの暑さ。階段上り降りするだけで塩焼きになるかと思った」
 息せき切った凛子センパイのお声にお応えされる子供たちのお声も無く、まっすぐ冷蔵庫へと直行されたセンパイ。
 相変わらず私をチラチラ盗み見るばかりの小学生軍団。

「ほら、あんたたち?今日はマンガ読みに来たんじゃないんでしょ?アイス買ってきたから、こっちのテーブルに全員集合」
 そのお言葉に男の子たち全員の肩がビクンと反応し、それぞれ読んでいたマンガを棚に戻して、ようやくこちらに近づいてきました。

 子供たちにダイニングテーブルを譲り、私たちは壁掛けディスプレイ前のカウチソファへ移動。
 カップアイスと炭酸ジュースでささやかな宴会が始まりました。

「映画は面白かったの?」
「うーん、まあまあかな」
「ライダーよりレンジャーのほうが派手で面白かったよね」
「えーっ?オレはライダーのアクションのほうがカッコよかった」
「ライダーのほうはストーリーがよくわかんなかった」
 
 先ほどとは打って変わって、凛子センパイのお問いかけには快活に反応される小学生軍団。

「お昼は何食べたの?」
「バーガー屋行くつもりだったんだけど、どこもいっぱいでさ」
「仕方ないからデパートの屋上行ってホットドッグ食った」
「ぼくスパゲティ」
「オレ、ピザ食べた」
「でもぜんぜん足りないよね」

「そっか、じゃあお菓子でも食え」
 センパイがさっき買ってきたスナック類のお菓子をテーブルに並べました。
「わーっ!」
 
 とっくにアイスを食べ終えていた小学生軍団が、先を競って手を伸ばします。
 ポテチもえびせんも、当然手掴みです。

「ねえ、リンねーちゃん?」
 坊ちゃん刈りの男の子が、えびせんをムシャムシャ頬張りながらセンパイに尋ねます。
 普通にリンねーちゃん、って呼びかけるということは、この子が甥っ子のユタカくんかしら。

「ん?」
「ねーちゃんのお友達、こっちのお姉さんの名前、教えてよ」
「えー!?おまえら、まだ自己紹介もしてなかったの?あれだけ時間あげたのに。ずっとマンガ読んで固まって、ウジウジしてたんだ?人見知りってガラでもねーだろーに」
 呆れたようにおっしゃるセンパイに、だってー、とバツの悪そうな小学生軍団。

「しょーがねーなー。じゃーまずおまえらからな。ユタカとミツル君は知ってるけど、そっちのふたりは、アタシ知らないよ」
 テーブルに並んで座っている五分刈りの子と、4人の中でひとりだけ小さめな、ユタカくんではないもうひとりの坊ちゃん刈りの子を、センパイが指さしました。

「あ、こいつはシンちゃんていって、サトーシンイチ。その隣が弟のマサヒデで3年生」
 ユタカくんと思われる坊ちゃん刈りくんが、滑舌良くご説明を始めました。

「ミツルがシンちゃんに今日のことうっかりしゃべっちゃったんだ。ユタカの親戚のオバサンの知り合いが、今度の日曜にヌードを見せてくれるらしい、って」
「こらっ!オバサン呼ぶな、っていつも言ってるだろっ!?」
 凛子センパイの本気の叱責。

「だって両親の兄弟姉妹の親戚はオジサン、オバサンて呼ぶって学校で習ったもーん」
 からかうようにニクタラシク笑うユタカくん。
「おまえ、そんなこと言うんなら、今スグ帰れ。約束は無しだ」
 小学生と同じ土俵に降りて口喧嘩されるセンパイ。

「ごめんなさいリンねーちゃん。もう二度とオバサンなんて呼びませんから、それだけは許してくださーい」
 あくまでもニクタラシイ演技で、続柄上の叔母様を挑発される甥っ子さん。

 それからワイワイガヤガヤとっちらかったご説明を整理すると、こういうことでした。

 坊ちゃん刈りユタカくんと、ツンツンヘアのナカムラミツルくんはご近所さんで同じクラスの同級生。
 シンちゃんは、ユタカくんとミツルくんが通っているスイミングスクールで一緒になって友達になった同じ小学校だけどクラスが違う4年生。

 シンちゃんがどうしても一緒に行きたいと言うので、ユタカくんとミツルくんが欲しがっていたカードゲームの超レアカードをそれぞれに譲渡することで手を打って、今日一緒に来た。
 シンちゃんの家はお母様がご入院中で、お父様は日曜日もお仕事でいつも帰りが遅く、弟だけ家に残しておくわけにもいかないので、小3のマサヒデくんも一緒に連れてきた。

 今日は遅くても夜の10時までに、リンねーちゃんの車で送ってもらって家に帰るということを、センパイのお義姉さまから各家庭に知らせてある。
 今日ここで何をしたかは、帰ったら親にも他の友だちにも誰にも言ってはいけない、ただリンねーちゃんの家で楽しくゲームをした、ということにしておく。
 もし少しでも誰かに話したら、話したヤツとは絶交だし一生許さない。
 これは男と男の約束だから、絶対守るから、リンねーちゃんのお友達も安心して欲しい。

 とのことでした。

「ふーん。あんたたちも、それなりにずいぶん大げさな覚悟で来てるんだ。ナカムラミツル君にサトーシンイチ君とマサヒデ君ね。よし、覚えた」
 凛子センパイが、おひとりづつじっとお顔を見つめながらおっしゃいました。

「じゃあ、今度はこっちの番ね。アタシは大沢凛子。ユタカのパパの妹で、続柄的には確かに叔母に当たるんだけど、アタシをオバサンって呼んだヤツは、レッドカードで即退場。まあ、ユタカみたいにリンねーちゃんとか、リンコお姉さんって呼んでくれたらいいよ」
 ユタカくんが何か言いたそうなお顔になって、すかさずセンパイに睨まれ、あわてて口を押さえました。

「普段はアパレル、つってもわかんないか、服飾、ってこれも難しいな、洋服関係、ファッション関係の仕事してる・・・」
「それって、ファッションデザイナー?」
 一番幼いマサヒデくんがお声をあげました。
「まあ、そんなところかな・・・」

 すげえ!カッコいい!と賞賛を浴びるセンパイ。
 ユタカくんもなんだか嬉しそう。

「で、この子がアタシと同じ会社に勤めている後輩で・・・」
 みなさまの目が私とセンパイの唇を交互に見つめています。

「ミコトさん。通称ミーコちゃん」
 そのお名前が発せられた途端、小学生軍団大騒ぎ。
 嘘っ!?マジっ!?本物っ!?やべえ!やべえよっ!・・・

「なーんちゃってね。でも似てるでしょ?」
 凛子センパイがイタズラっぽく笑うと、途端にトーンダウン。
 なーんだ、そりゃそうだよね、でも似てる、ボクはこっちのお姉さんの顔のほうが好き・・・

「リンねーちゃんも映画、観たの?」
 ユタカくんが驚いたお顔で尋ねます。

「ううん。仕事が忙しくてまだだけど、アタシがニチアサ好きなのは知ってるでしょ?」
「ちょっと雑誌やネットで情報集めれば、劇場版のヒロインの衣装なんてすぐわかるから、ちょちょいと作ってみたんだ」
 再び、すげえ、カッコいい、と小学生軍団から尊敬の眼差しを集めるセンパイ。

 どうやら私は、今日ユタカくんたちが観てきた映画に出ていた、ミコトさん、という役名の人のコスプレをさせられたみたいです。
 それなら私の呼び名も今日はずっと、ミコトさん、でいいかな。

「それで、・・・」
 もったいぶるように不自然な間を取った凛子センパイが、お芝居がかったおもねるような口調でつづけました。

「このお姉さんならね、頼めばいつでも、ハダカ見せてくれるんだよ」

 ここで、このお話の冒頭の場面に戻るわけです。

 男の子たちは一瞬たじろいだようなご様子でしたが、4人でお互いお顔を見合わせたかと思うと、みるみるうちに瞳が爛々と輝き始めました。

「ユタカたちは今日、このお姉さんと何をするためにここに来たんだっけ?」
「お医者さんごっこー!」
 センパイの問い掛けに一斉のお答。

「そうでしょ?マンガなんか読んでるヒマは無いはずよ。さっさと始めるから準備を手伝いなさい。まずテーブルの上を片付けて」
「はーいっ!」
 一斉に浮足立つ小学生軍団。

「シンサツシツを作るよ。この椅子が患者さん用ね。それでこっちがお医者さん用。向かい合うようにあそこに置いて」

 背もたれも肘掛も無いバーのカウンターチェアのような丸椅子が患者さん用。
 みなさまが座っていたダイニングテーブル用の普通の椅子がお医者さん用。
 入口ドア上の監視カメラで、患者さんとお医者さんが真横から映るような位置にセッティングされました。
 ということは、患者さんが正面方向から映るような位置にも隠しカメラがあるのでしょうか。

「残りの椅子三つは、看護士っていうか助手の見学用、お医者さんのそばに置いて。あと、このワゴントレイをお医者さんのそばに」
 テキパキとご指示なさる凛子センパイ。

「ワゴンの一番上のトレイに、これの中身を並べておきなさい。あんたたちのためにわざわざネット通販で買って用意してあげたんだから、感謝しなさいよね」
 恩着せがましくおっしゃりつつ、子供たちに紙袋を差し出されるセンパイ。

「わー、何?なにー?」
 我先にと紙袋の中を覗き込む子供たち。

「今でもちゃんと、玩具のお医者さんごっこセットって売ってるんだよね。アタシの頃に比べるとずいぶんデフォルメされて全体に可愛らしくなってるけど」
 センパイが私に、同意を求めるように語りかけてきます。
 
 うわー、すげー、と興奮気味な小学生軍団のお声。
 私の腰の高さくらいなキャスター付きワゴンの一番上、タオルが敷かれたトレイ上に、子供たちの手で次々とお道具が置かれていきます。

 プラスティック製のチープでカラフルな注射器、打診器、危なくないはさみ、カルテとペン、お薬の袋・・・
 懐かしいごっこ用オモチャの数々。

 ただ、その中に混じって、どう見ても本物、と思われる医療用具もありました。
 聴診器、ピンセット、ペンライト、小型の電動マッサージ機、アンテナペン、デジタル体温計・・・

 これらは、里美さまのネットショップの、大人のお医者さんごっこ特集、にも載っていたアイテムでした。
 どうやら里美さまから調達されたみたい。
 さすがに、クスコ氏式膣鏡やコラン氏式舌鉗子とかガラスのお浣腸器など、マニアックな器具は自粛したようですが。

 でも他にも、スースーする塗り薬とガーゼとか鳥の羽の刷毛やらバターナイフとか、私を乱れさせる気満々のラインナップ。
 書道筆とかリコーダーなんて、何のシンサツに使わせる気なのでしょう。
 プラスティック製のオモチャの注射器も、いかにも先っちょをお尻の穴に挿し込みたくなるような形をしています。

 更に更に、ワゴンの2番目のトレイ上を見たとき、凛子センパイの本心がわからなくなりました。
 そこにすでに乗っていたのは、ハンディサイズのビデオカメラ、ありきたりなプラスティック製の紐付き洗濯バサミ5、6個、30センチの木製定規、太さも長さもそれ用にしか見えない民芸こけし、例えば膣内のような狭いところまで侵入可能なファイバースコープカメラケーブル。
 
 私にマゾっぽく振舞うなとおっしゃりながらも、子供たちに私のマゾ性をご披露する気満々なお品揃えに思えました。
 私の衣装や隠しカメラのセッティングも含めてあまりにも準備万端。
 実は今日のこのお医者さんごっこを一番愉しみにしていたのは、凛子センパイなのかもしれません。
 
 凛子センパイがいそいそと、カウチソファの背もたれを倒して平らにされました。
「ここが患者さん用ベッドね。お尻に注射するときは、ここに移動。じゃあ、誰が最初にお医者さんやるか、順番決めちゃいなさい」
 私がお尻に注射を打たれることは、もはや決定事項のようです。

 子供たち4人が興奮気味にじゃんけんを繰り返しているとき、センパイが私に近づいてきました、
 片手には男物っぽい真っ白なワイシャツ、もう片方の手には、ツルの部分が妙に太い黒縁のメガネを持たれていました。

「この伊達メガネ、ミサミサ魔改造で無線で飛ばせるカメラレンズ内蔵してるから、ガキンチョの好奇心旺盛な目線がそのまま、ミサミサのところで録画されるんだ」
 大きなお声でじゃんけんぽんを繰り返す男の子たちを尻目に、ヒソヒソ声で教えてくださいました。

「本当に、いいんですか?」
 いよいよそのときが差し迫り、ずっとモヤモヤ感じていた背徳的な罪悪感が思わず言葉になり、小さな声で凛子センパイに尋ねていました。

「お医者さん役の順番が決まったら、みんなもう一度綺麗に手を洗ってきな。女の子の肌を触るときは、いつも清潔にしなくちゃダメだよ」
 凛子センパイの号令で一斉にキッチンへと雪崩れ込む子供たち。
 それを見てから私に向き直りました。

「何?子供の教育上とかそういうこと?」
 小声でお答えくださいつつ少し怪訝そうなお顔になって、私の右耳に唇を寄せてこられる凛子センパイ。

「女のハダカが見たいっていうガキンチョたちがいて、見せたいっていうヘンタイ女がいる、ってだけのシンプルな話でしょ。需要と供給があって双方がシアワセになれる、いい経験じゃない。愉しめばいいのよ」

 普段私を虐めるときのようなSっ気が滲み出たゾクッとする低めなお声で、センパイが耳打ちしてくださいました。
 そのお言葉で私も覚悟を決めました。

 お医者さん役のトップバッターは、五分刈りヘアのサトーシンイチくんに決まったようです。
「お医者さん役の人は、この白衣とメガネを着けてね」
 凛子センパイがシンイチくんにワイシャツと隠しレンズつきメガネを手渡します。
 いそいそと着込むシンイチくん。

「ちゃんと照れずに、お医者さんに成りきってシンサツするのよ?そのトレイの上の道具はどれ使ってもいいから」
 上から目線で子供たちにご指示を出される凛子センパイ。

「ユタカくんのお姉さんてエラそうで、病院で言うと、おおせんせい、みたいだね」
 一番歳下のマサヒデくんの無邪気なご感想。

「マサヒデ君だっけ、キミよく、おおせんせい、なんて難しい言葉知ってるねえ?」
 センパイがニコニコしながらマサヒデくんに語りかけます。

「うん、ボクとシンイチにーちゃんは、お母さんのお見舞いでよく病院へ行くから、お医者さんのことは詳しいんだ。お母さんを診てくれているのは、おおせんせいっていう、そこの病院で一番エラいおじーちゃん先生だから、ボクたちも安心なんだ」
 すごく得意気にご説明されるマサヒデくん。

「ふーん。そういうことならアタシは、この大沢病院の大先生の役をやるから、みんなおおせんせいの言うことはよく聞くこと。わかった?」
「はーいっ!」
 クロゼットから出してきたもう一枚の白ワイシャツをロングTシャツの上に羽織った凛子大先生に、小学生軍団の元気良いお返事。

「それではシンちゃん先生、シンサツを始めてください。患者さんは、池袋の会社に勤める21歳のOLさん、アメノミコトさんです。ミコトさんはこちらへ座ってください」
 凛子大先生に促され、丸椅子に浅く腰掛けました。

「今日はどうしました?どこか痛いところがありますか?」
 五分刈りヘアの丸顔に黒縁伊達メガネをかけ、ブカブカの白ワイシャツを羽織ったシンイチ先生が、首に掛けた本物の聴診器を物珍しげにもてあそびながら尋ねてきました。

「あ、はい・・・よろしくお願いします・・・あの、今朝からこのへんと、このへんがジンジンと痛くて・・・」
 半分本気半分演技なモジモジ具合でからだをくねらせつつ、自分のおっぱいの辺りと下腹部を押さえる私。

 シンイチ先生の背後に並んだ椅子には、他のお三かたが身を乗り出すようにして、私を見つめています。
 その後ろに、いつの間にか先生と同じような伊達メガネをかけた凛子大先生が仁王立ちで腕組みをして、ニヤニヤ私を見つめてきます。

「わかりました。ではちょっと診てみますので、服を脱いでもらえますか?」
 少し上ずったような、シンイチ先生のお声。
 聴診器の肌に当てる部分をしきりに指先で弄っています。

「はい・・・わかりました・・・」
 お答えして立ち上がり、まずジャケットのボタンを外し両腕を抜きました。
 脱いだ上着は、これまたいつの間にか傍に来ていた凛子大先生の手が回収してくださいます。

 ジャケットの下は白のタンクトップ風ノースリーブ。
 剥き出しの両肩と胸の谷間寸前までえぐれた胸元。
 子供たち全員が中腰に立ち上がりググッと前のめりになってくるのがわかります。

「上着の下も映画と同じだ・・・」
 どなたかがつぶやくお声が聞こえました。

 隠しジッパーに指をかけ、ジジジっと下ろすごとに子供たちの前のめり具合が激しくなり・・・
 ハラリと割れた白い布地の隙間から、私のおっぱいの谷間と白いブラジャーの布地が見え始めました。


夏休み自由研究観察会 04


2017年8月6日

夏休み自由研究観察会 02

「当日は、ミサさま、あ、いえ、美咲センパイも凛子センパイのお家に来られるのですか?」
 自分のスケベなおツユと若干のおシオで汚してしまった床を全裸で雑巾がけしながら、ふと気になって、開発ルームに戻られようとされていたミサさまのお背中にお尋ねしました。

「ボクはガキンチョ苦手だからパス。その日は一日部屋に篭って、パソコンとにらめっこしているつもり」
 立ち止まって振り向かれたミサさまが、小さな笑みを浮かべておっしゃいました。

「撮り溜めた直子のビデオの編集もしなくちゃだし。こないだの絵理奈のパーティで撮った映像も手つかずだから。チーフに、早く見せて、って、せっつかれてるんだ」
 サラっと怖いことをおっしゃるミサさま。
 その後に、ニッと謎のような微笑を付け加えられ、社長室から出て行かれました。

 そして当日。
 朝から太陽ギンギラギンな思いっきりの猛暑日でした。

 待ち合わせは、オフィスのあるビル群の麓にあるホテル入口付近に午後一時。
 もっとも暑い盛りと言ってもいい時間帯でしたが、夏休み中の日曜日でもあるので周辺は大賑わい。
 陽射しの当たらない柱の陰に立ち、キャペリンハットの広いツバ越しに、通りを行き交う人たちの中から凛子センパイのお姿を探します。

 その日の私の服装は、ギャザー少なめ大人しめな白の前開きシャツブラウスと、淡いグレーの膝丈チュールスカート。
 凛子センパイが、教育実習で小学校に来た女子大生先生、とおっしゃっていたので、そのイメージでコーディネートしてみました。

 足元は、暑いのでソックス無しの素足に少しヒール高めなリボンミュール。
 首には細めな白のエナメルチョーカー、頭に白のキャペリンハット、お財布や鍵を入れた肩掛けポシェットと、全体に夏らしく白っぽくまとめてみました。

 下着類はお約束通り、金曜日に凛子センパイが手渡してくださいました。
 白無地の3/4カップブラと綿100ノーマルショーツのセット。
 学生の頃、それも中学生の頃によく身に着けていたような記憶のある、いたってありふれて健全な女子用下着たち。

 身に着けたとき、こんなにしっかり胸周りと腰周りを下着で覆ったのって何年ぶりだろう?なんて、懐かしい着心地に感動してしまいました。
 ただし、さすがは凛子センパイ、ショーツのクロッチの二重補強してある布部分は、見事に剥がされ薄くなっていましたが。

 そんな姿でキョロキョロ周りを見渡していると1時きっかり、目の前の通りにちっちゃめな四角いピンク色の車が停まりました。
 ドアが開いて降り立った、鮮やかなグリーン地に外国の有名なアニメキャラのお顔を大きくあしらったビッグTシャツ姿の凛子さま。
 舗道のほうを見渡すようにしているのを見て、あわてて駆け寄りました。

「おお、いたいた。今日はあっちーねえ。さ、乗って乗って」
「凛子さ、あ、いえ、センパイって、お車、持ってらしたのですね?」
「うん。チーフみたいに凄いのじゃなくて、軽だけどね」
 助手席のドアを開けてくださり、乗り込みます。

「待ち合わせはホテルの前っておっしゃられたので、てっきりタクシーで行かれるおつもりなんだな、って思い込んでいました。それか地下鉄か」
「コスプレ趣味ってさ、意外と大きな荷物運ぶこと多いんよ。布の買い出しとかコスプレ会場とかにさ。だから無理して二年前に買っちゃった」
 スーッと滑り出したお車は、ビルをグルっと一周りして大きな通りに出ました。

「それにしても直子、気合入ってるじゃん。高原のお嬢様帽子までかぶっちゃって。すごく似合ってる」
「あ、いえ、センパイが、清楚風お淑やか、っておっしゃったので、考えてそれなりに・・・」
「うん、どっからどう見ても充分清楚な良家のご令嬢よ。それ見たらユタカのヤツ、大喜びしちゃいそう」
 お車はすぐに大通りを外れ、住宅街の細い道に入りました。

「だからくれぐれも、ヘンタイマゾな素振りは見せないでよね。アタシ、自分の甥っ子を思春期前からそんなものに目覚めさせたくないから」
「今日の直子は、煩悩に迷う子羊たちを正しい道へと導く女神様の役回り。ガキンチョのイタズラで溜まったムラムラは明日、アタシたちがオフィスでぜーんぶ、解消してあげるから」
 からかうようにおっしゃる凛子センパイ運転のお車は、細い路地をくねくねと器用に曲がりながら進んでいきます。

 車内には低く、ここ数年の深夜アニメのオープニングやエンディングテーマ曲がランダムに流れつづけています。
 ときどき一緒に小さく口ずさむ凛子センパイ。
 照りつける陽射しが嘘のような、エアコンのよく効いた快適な車内。

「それにしても、最近は小学4年生くらいで、お友達同士で電車に乗って繁華街に映画を観に行ったりするのですね?4年生って10歳か9歳くらいですよね?」
 私が凛子センパイのお話を聞いて、素朴に驚いたことを口にしてみました。

「ユタカんちから池袋まで急行に乗れば10分ちょっとくらいだしね。それに今、電車に乗って塾通いなんて私学受験志望なら小3くらいからザラらしいよ」
 リラックスしきったご様子でハンドルを握られている凛子センパイ。

「まあ、学校的には保護者同伴なしで学区外に遊びに出るのは禁止なんだろうけど、夏休みに親戚の家に子供たちだけで遊びに行く、なんてのはよくあることじゃん」
「あと、ユタカは男の子だから。義姉さんも、ユーコちゃんにはまだ、女子だけでの遠出は許してないってさ」

 センパイのお話に相槌を打ちながら、私が初めてひとりで電車に乗ったのは、中一になってからのバレエ教室通いだったなー、なんて懐かしく思い出していました。

「それにさ、夫婦的にも休日に子供がどこか行ってくれると好都合なのよ。今日はユーコちゃんも近所の友達とお泊まり会らしいし」
「子供が大きくなっちゃうと、メイクラヴのチャンスがグンと減っちゃうらしいからねー」

「今日は久しぶりに夫婦水入らずでドライブでもして、昔よく行っていたラブホで恋人気分に浸るの、なんて義姉さんウキウキで言ってた。コスプレえっちでもする気なんじゃないかな」
「ひょっとしたらユタカに歳の離れた弟か妹がデキちゃったりしてね」
 なかなか生々しいお話を、サラッとされる凛子センパイ。

 お車は大小のお店が立ち並ぶ商店街に入っていました。
 路地をひとつ曲がり、小さな空き地みたいな一画に進入、サクッと綺麗に駐車されました。

「はい、着いたよ」
「えっ!?もうですか?」
 走り出してからまだ10分も経っていません。

「あれ?直子、アタシんちがどこか知らなかったっけ?」
「あ、はい。部室に泊まり込んでいらっしゃることが多いから、たぶんご自宅はずいぶん遠いのだろうと、勝手に思い込んでいました」
「あはは、仕事が立て込んでるときは、いくら近くても、そんな通勤時間さえもったいなく思えちゃうんだよね」

「ここは、どの辺りなのですか?」
「JRで言うと池袋のひとつ隣、北口改札を出て徒歩三、四分、ってところかな」
 ご愉快そうにお答えくださる凛子センパイ。

「オフィスからでも20分も歩けば帰れる距離だけど、仕事モードのときはオフィスと部室のほうが居心地いいんだよね。いつもミサミサと一緒だし」
 一瞬、照れたようなお顔になりました。

「ここからちょこっと歩くよ。うちのマンション、駐車場無いから。ここを月極で借りてるんだ」
 お車のドアを開けた途端、容赦の無い陽射しと猛暑がムワッと襲いかかってきました。

 路地を出るとまた商店街。
 飲食店が多いようですが、日曜日のせいか、まだランチタイムなのに閉まっているお店が目立ちます。
 少し歩くと左側にコンビニエンスストア。
 スタスタとご入店される凛子センパイ。

 ペットボトルのジュースや袋のお菓子、アイスなどを適当にお買いになって店外へ。
 そのままコンビニの敷地内を裏手のほうへと向かわれます。

「えっ?」
「ここがアタシんち。このコンビニの上、4階建ての3階301号室」
 コンビニの裏側に建物全体のエントランスらしきゲートがあり、郵便受けが6つ並んでいました。
 そこから屋外階段が建物の側面を上へ上へとジグザグに伸びています。

「4階建てだからかエレベーター付いてないんだよね。悪いけど3階まで自力で上がって」
 凛子センパイのお背中を追って階段を昇っていきます。
 ロングTシャツの裾からデニムのショートパンツが覗き、その下のスラッとしたお御足が陽射しにキラキラ汗ばんでいます。

 3階までたどり着くと、胸高のフェンスに覆われた外廊下。
 廊下を3、4歩歩いた左側に、301 OOSAWAと記されたネームプレートを貼り付けたドアがありました。
 カードキーらしく、センパイがカードをかざすとカチャンとかすかな音。

「到着ー。入って入って」
 内開きドアの中で手招きされる凛子センパイに促され、おじゃましまーす。

 エアコンを点けっ放しにしておいてくださったようで、入るなりひんやり生き返りました。
 沓脱ぎの先に短かい廊下があって、その正面に開けっ放しのドア。
 そのドアの向こうには、意外に奥行きのあるリビングダイニングが広がっていました。

「いやあ、うちに誰か招くのなんて久しぶりだからさ、散らかし放題だったから昨日は片付けでてんやわんやだよ。適当にその辺に座って汗拭いてて」
 ウエットティッシュのボトルと冷たいお紅茶の缶を手渡してくださり、ご自分は買ってきた飲み物やアイスをテキパキと冷蔵庫に仕舞われる凛子センパイ。

「うち、エロマンガやエロゲーとか着エロ写真集とか普通にあちこち転がってるからさ、そういうのひとまとめにして寝室に突っ込んだり」

 確かに壁一面のブックシェルフには、凄い数のコミック本やゲームソフト、CD、DVDなどが整然と並んでいるのですが、ところどころ不自然に隙間が空いて、ぬいぐるみや箱入りのフィギュアがその隙間を埋めています。
 お部屋の片隅に、お仕事道具である小型のミシンやトルソーの類がひとまとめに集められているのも、今のお部屋の状態がイレギュラーであることを物語っているようです。

「ユタカたちがこの部屋に来ると、帰りたがらないんだよね。ゲームだマンガだ、って何時間だって遊んでいたいって」
 大きな壁掛け型ディスプレイの周りには、さまざまなゲームハードがラックに収められ、その横のラックには、ゲームショップ?と勘違いしちゃいそうなほどのゲームソフトの数々。
 そういうのがお好きな子供たちにとってここは、まさに夢の国みたいなものなのでしょう。

 そんなお部屋を見て私は、中学からのお友達、しーちゃんのお部屋を思い出していました。
 彼女のお部屋にも、凄い数のマンガがあって・・・

 その後のしーちゃんとの個人的なおつきあいで起こったビタースイートなあれこれまで急に思い出し、なんだか感傷的になってきました。
 私、あれからずいぶん遠いところまできちゃったかな・・・
 いけないいけない、と軽く首を振ったら、さっき、ふと目に入って気になっていたことを思い出しました。

「そう言えばさっき、1階の入口のところの郵便受けで、センパイのお隣の郵便受けの名札がローマ字でKOMORIって書いてあったような気がしたんですけれど・・・」

「さすが秘書課の直子、目ざといねえ」
 お片付けが一段落したらしいセンパイが、缶コーラとポテチの袋を片手に、私が座っていたダイニングテーブルの向かいの席に、どっこいしょっとお尻を落ち着けました。

「ミサミサもここに住んでるよ。もちろん別々にね。ミサミサが先に住んでて、空き部屋出たからってアタシが越してきた。かれこれ三年前かな」
 お箸でポテチをつまみつつ、私にも割り箸を差し出してくださるセンパイ。

「直子、お昼は?」
「あ、お家で食べてきました。バナナとヨーグルト」
「ポテチは?」
「あ、いただきます」
 手が油で汚れるからとスナック菓子をお箸でいただく人がいる、というのは聞いてはいましたが、自分もすることになるとは思いませんでした。

「だから昨日はミサミサもてんてこ舞い。出たり入ったりドッタンバッタン大騒ぎ」
 おっしゃりながら意味ありげに天井のほうを見遣る凛子センパイ。
 つられて視線を遣ると・・・

「あーっ!?」
 オフィスの社長室で見慣れている手のひらサイズの球体が、入口ドアの上のところに取り付けてありました。

「うふふ、気がついた?今日の、夏休み!子供のための女体観察会、はね、ミサミサんちにも無線LANでライブ配信されて、ばっちりデジタル録画されることになってるの」
 センパイが、ドッキリを仕掛けて大成功した子供さんのような、無邪気な笑顔でおっしゃいました。

「あそこの他にもこの部屋にあと3箇所、合計4箇所に監視カメラ仕込んだそうだから、お医者さんごっこは、そのレンズに映る位置でやってもらうことになるね」
 センパイのお言葉で、私が今日ここに、何をしにきたかを今更ながらに思い出します。

「今頃ミサミサも自分の部屋でカメラチェックに余念が無いはずよ。あの子、真夏はハーフ裸族だから、素肌にスク水でも着て直子の姿を見つめてるはず」
「ほら、カメラに向かって手振って。録画、よろしくお願いしまーす、って」
 からかうようにおっしゃるセンパイのお言葉に従い、まあるいレンズに向けて手を振って一礼しました。

 リビングルームの向こう端は、ベランダに出るために大きく取られたカーテン全開の素通しガラス窓。
 ベランダ越しに射し込む盛夏の眩し過ぎるくらいの陽射し。
 
 そんな昼下がりの明るいお部屋で、私はこれから見知らぬ小学生たちを前にして、ひとり裸身を晒すんだ・・・
 そしてその模様はすべて録画され、お姉さまに、いいえ、多分オフィスのみなさま全員に鑑賞されちゃうんだ・・・
 抑え込んでいるマゾ性が、ムクムクと鎌首をもたげてきてしまいます。

「そ、そう言えば、お部屋の壁の木枠のところとかドアの上とかに、やたらとパイプみたいな鉄?の棒がカーテンレールみたいに取り付けてありますけれど、あれは何の為なのですか?」
 これ以上マゾ的なことを考えていると、折角の健全下着を早々と汚してしまいそうなので、気を逸らすために、お部屋中を見渡したとき気がついたことお尋ねしました。

「ああ、あれはハンガーレール。急ぎの仕事とか急な仕事のときは、ここで作業することもあるんだ。それで複数アイテムを同時進行するのに仮縫い途中の私物アイテムとか一々クロゼット開けて吊るすのめんどいじゃない?たたむとシワになっちゃうし」
「それで、やりかけ仕事を手っ取り早く吊るすために、そこいら中に取り付けていたらこうなっちゃった」

「こないだのイベント前なんて、ちょうど間近のコスプレイベントとも重なっちゃって、公私のやりかけ衣装で窓が見えないくらいだったよ」
「今も夏イベ用やりかけ衣装がけっこうあるんだけど、今日はそれも全部、寝室に押し込んじゃった」
 自嘲気味にお答えくださる凛子センパイ。

 私の場合、同じような鉄パイプ類が自分の家の洗濯物干し用サンルーム、通称お仕置き部屋にあって、自分を虐めるときに片足を高く上げたままの拘束を固定したり、股縄渡りの両端の固定のお道具として使っているので、どうしても、そういうイメージで淫靡なほうに想像してしまうのです。
 でも今日は、マゾ要素禁止、ですから、おそらくそういう使い方はしないはず。
 それがホッとするような、残念なような・・・

 そんないやらしいことを私が考えているのを知ってか知らずか、凛子センパイが唐突におっしゃいました。
「やっぱりアタシが用意した衣装に着替えて貰おうかな。まだ時間大丈夫そうだし」

 ご自身の腕時計を見た後、傍らのショッパーをガサゴソし始めたセンパイ。
「映画が一時ちょっと過ぎに終わって、昼ごはん食べてからこっちに向かうって言ってたから、ここに着くのは多分2時過ぎくらい」
「まだ20分くらいあるし、サクっと着替えちゃってくれる?」
 テーブルの上に、真っ白なファンシーぽい衣装が広げられました。

「今日の直子の私服も充分清楚でいいんだけど、こっちを着たほうがガキンチョたちの反応が面白そうなんだよね」
「大急ぎて作ったわりには雰囲気出てるはず。直子も図ったように白いチョーカー着けてきてくれたし」
「ほら、着替えなさい。もちろんカメラの前で」

 センパイに顎で促され、立ち上がってドア前のカメラに映りそうな場所に立ちました。
 ブラウスのボタンを外し、スカートのホックを外し、あっという間に健全純白ブラジャーアンドショーツ姿。

「直子のそういう真っ当な下着姿って、かなりレアだよね。熟女のセーラー服姿と一緒で、一周回って屈折した卑猥さみたいのがあって、却ってエロくない?」
 カメラの向こうの美咲センパイに語りかけているような、凛子センパイの冷やかし交じりなご感想。
 私も、妙な恥ずかしさを感じているのは事実で、ショーツの突端がシミちゃいそう。

 渡された衣装はいずれも純白で、シフォンぽいというかチュールっぽいというか、薄い布地を何枚も縫い重ねて作ったようなフワフワな質感でした。

 インナーは、キャミソールっぽいノースリーブで、胸元もブラが完全に隠れるくらい浅く、透け感も無いお上品なタンクトップ風、隠れジッパーの前開き。
 ボトムはレースフリルモコモコな膝上ミニスカート。
 そこに二、三折まくった袖口にだけ淡いピンクの入ったブレザー風のフリルフリフリジャケットを合わせ、最後に純白フィッシュネットのニーハイストッキング。
 全体的には、どこかのブリっ子アイドルさんのライヴステージ衣装、といったいでたちになりました。

「むちゃくちゃ可愛いじゃん、ガチ似合ってる。その格好でソーセンキョ出れば、ラクショーでセンター穫れるレベル」
 巷で話題の大所帯某アイドルグループの名前を挙げて、煽ててくださる凛子センパイ。

 ピンポーン!
 そのときチャイムが鳴りました。

「あ、来たみたい。直子は、さっきの椅子に澄まして座ってて」
 スタスタと玄関に急ぐ凛子センパイ。
 ふと見回すと、私が脱いだお洋服一式は、帽子も含めてすべて、何処ともなく跡形もなく消え失せていました。

 バタンとドアが開く音ともに、お子様たち特有の甲高いお声がワイワイ聞こえてきました。

「あっちーっ!」
「うわっ、すずしーっ!」
「おじゃましまーっす!」
「おじゃまされまーっす!」

「あんたたち、汗ビッショビショじゃない!?ってあれ、ふたりじゃないのっ?えっ?4人も来たの?」
「ああ、ミツルがシンちゃんに今日のこと教えちゃってさ。それでシンちゃんがどうしても来たいって言って、仕方ないからマサヒデも連れてきた」
 
 ガヤガヤ賑やかにリビングへと入ってこられた小学生軍団。
 私も座ったままそちらに顔を向け、ニッコリ笑って、こんにちはー、と声をかけました。

 途端にピタッと静まりかえる室内。
 4人が4人共、私のほうをまじまじと見つめ、やがてコソコソと仲間内で耳打ちし始めました。

「・・・ミーコじゃない?」
「だよね・・・」
「まさか・・・」
「・・・でもそっくり」
「・・・本物?」
 そんなヒソヒソ声が聞こえてきます。

「ほらほらあんたたち、そんな汗ビッショでエアコンあたったら風邪引いちゃうよ?タオル貸してあげるから、お風呂場で上半身だけでも水シャワーしてきな。ユタカ、案内してあげて。うちのシャワーの使い方、わかるよね?」
 クロゼットからバスタオルを何枚か出しながら、凛子センパイが母親のような口調で指示されます。

「うんっ!」
 おのおのタオルを受け取った小学生軍団、ドタドタと入ってきたドアへと引き返し、私の視界から消えました。

「4人も来るなんて聞いてないわよ、まったく。早くも計画が狂っちゃったじゃない。やれやれ、これだからガキンチョは・・・」
 私の対面の椅子に座り込んで、心底うんざりしたお顔をお見せになる凛子センパイ。

「ジュースやお菓子が足りなくなりそうだから、ひとっ走り下のコンビニで調達してくるわ」
 不意に立ち上がられたセンパイが玄関に向かいながらおっしゃいました。

「どうせヤツラは15分くらいお風呂場から出てこないと思うから、そこでマンガでも読んでて」
「あ、はい。行ってらっしゃい・・・」

 唐突に男子小学生4人しかいないお部屋にポツンとひとり取り残され、これからすることの不道徳さにあらためて思い至った私は、急激にドキドキし始めていました。


夏休み自由研究観察会 03


2017年8月2日

夏休み自由研究観察会 01

「このお姉さんならね、頼めばいつでも、ハダカ見せてくれるんだよ」
 
 凜子センパイの身も蓋もないご紹介。
  同じテーブルを囲んでいるのは、私と凛子センパイ、そして小学校3、4年生の男の子たちが四人も。
 
 どうしてこんなことになっちゃったんだろう・・・

 発端は、絵里奈さまの快気祝いパーティから、その流れのあれこれで私が散々大勢の方々の慰み者になり果てた週末から少し経ち、月が変わっていよいよ夏本番な、ある日のオフィスでのことでした。

 その日も私は、乳首とワレメのスジしか隠せないティアドロップス型の白いマイクロビキニ姿にされて業務に励んでいました。
 冷房が効いているので、デスクワークではシースルーレースのショールを一枚羽織ることだけ許されていました。

 お姉さまは出張中。
 営業の雅部長さまとほのかさまはお外回りで直帰、綾音部長さまもクライアント様とのお打ち合わせで直帰ということで、開発部のリンコさまとミサさましかおられない退社時刻間近の夕方。

「ちょっとさ、直子に相談に乗って欲しいことがあるんだけど・・・」
 ノック無しで社長室のドアが突然開きました。
 そろそろお先にさせていただこうかと思い、着替えのために私物ロッカーを開けようとしていたときでした。

 リンコさまたちが常駐されている開発ルームには、私の様子を監視出来るカメラモニターが複数稼動しているので、私がもう帰ろうかと腰を上げたのを察知されたのでしょう。
 私また、今日も夜遅くまでデスマーチらしいリンコさまたちの、息抜きのオモチャにされちゃうのかな・・・
 早くお家に帰っても別に予定は何もありませんでしたから、ちょっとワクワクしつつお迎え入れました。

 有名なロックアーティストさんのロゴらしいプリントの入ったビッグTシャツ姿のリンコさまと、夏服セーラーのコスプレ姿なミサさまが雪崩れ込んでくるなり、窓際のソファーに窓を背にしてストンと落ち着かれました。

「ほら、開発部の備蓄から直子の分もアイス持ってきたからさ、一息ついて一緒に食べよう」
 数日前にお得意様がお中元として大量に差し入れてくださった高級カップアイスを振りながら、手招きされるリンコさま。

「あ、はい・・・」
 あれ?何だか今日はいつもと違うな、いつもなら入ってきてすぐに何かえっちなオモチャを取り出してご命令してくるのに・・・
 そんなことを思いながらも、紐ビキニにショールを纏ってソファーへ向かい、リンコさまたちの向かい側に腰かけます。

「えっと、何ですか?ご相談て・・・」
「直子さ、今度の日曜日、時間ある?無い、って言われても、作ってもらわないと困るんだけど・・・」
 それから、アイスを舐めつつリンコさまから伺ったお話の導入部は、要約するとこんな感じでした。

 リンコさまには、少しお歳の離れたお兄様がいらして、すでにご結婚され、池袋から私鉄で一本のベッドタウンに一戸建てを建てられ、お幸せに暮らしていらっしゃるそう。
 ご夫婦には今年小学4年生の男の子がいて、名前はユタカくん、リンコさまから見ると甥っ子さん。
 六月のイベントショーが終わって一息ついて、いただいた有休の日にお兄様ご夫婦のお家にリンコさまが遊びに行かれたとき、ユタカくんがご夫婦に叱られていて・・・

「それがね、ユタカ、とんだマセエロガキに育ちつつあるみたいなのよ」
 リンコさまが苦笑いを浮かべながら本題に突入されました。

「なんでも、その三日前くらいが、夏のプール開きに向けて、4年生以上の高学年生有志でプール清掃をする日だったんだって」
「積極的に手を挙げて参加したまでは偉かったんだけど、終わった後、参加した女子の更衣室を覗こうとしていたらしいのよ」

「それが他の女子にみつかって、先生にご注進、お説教っていう流れ」
 リンコさまは、別に深刻そうでもなく、むしろ愉しんでいらっしゃるご表情です。

「それでその後、余罪の追及っていうか、他の先生がたと情報の共有がなされたらしいのね」
「そしたらユタカ、同級生や下の学年の女の子を、しきりに、お医者さんごっこしよう、って、誘っているっていう証言まで出てきちゃったらしくて」

「それで義姉さんが学校に呼び出されたその日の夕方に、アタシが訪問しちゃったみたいなのよ」
 義姉さんというのは、つまりリンコさまのお兄さまの奥様、ということでしょう。

「すっごい気マズくてさ。兄貴はバカだから、さすが俺の息子、ハーレム系てな感じでむしろ喜んでるし、義姉さんは頭抱えちゃってて、ユーコちゃんは虫けらを見るみたいな目でユタカを見てるし」
「ユーコちゃんていうのは、ユタカのお姉ちゃんね。2つ違いで今年小六の女子」

「せっかくみんなでカートレースゲームでもしてまったり過ごそうと思ってたのにさ。あっ、義姉さんも一応コスプレ属性あるくらいにはプチヲタで根はやわらかいのよ。兄貴は育てゲーヲタだけど」
 ミサさまがいつの間にか人数分の冷たい麦茶を淹れてくださっていました。

「それで、しつこくお説教半分な夕食が終わって、逃げるように自分の部屋に篭ったしょぼくれユタカに、仕方ないからつき合ってあげたのよ、ヤツの部屋で対戦カードゲーしながら」
「義姉さんの話によると、更衣室覗いたのもお医者さんごっこも、ユタカひとりじゃなくて仲間がいるらしいのよね。でも、その友達の名前は一切割らなかったらしくてさ」

「なんだよこいつ、男気あるじゃん、って思って、しょーがねーな、慰めちゃろ、って思ってさ」
 なんだかんだ甥っ子さん想いのおやさしいリンコさま。

「そんなに女の子の裸に興味あるの?って単刀直入に聞いてみたんだ。そしたら間髪入れずに、うんっ!」
「それからいろいろ聞いてみたら、どうもお姉ちゃん、ユーコちゃんね、の豹変がポイントみたいなのね」

「それまで、義姉さんと子供ふたりとか、ユーコちゃんとユタカでも普通に一緒にお風呂入っていたんだけれど」
「ユーコちゃんが小六になった途端、ユタカとお風呂に入るの、イヤがり始めたんだって」

「ママとなら入るけど、パパやユタカとは絶対イヤだって言い始めて、ユーコちゃんはママとか、ひとりで入るようになって」
「まあユーコちゃんの気持ちはわかるよね。それでユタカは兄さんとか、義姉さんとふたりで入るようになって」
「それならいつもママの裸を見てるんじゃん、ってからかうと、ママの裸は全然違うのっ!て、なぜだか怒って全力否定してくるんだよね」

「ユメコさん、あ、兄貴のお嫁さんね。ユメコさんも昔はけっこう肌の露出が多いコスプレとかしてたカワイイ系の人なんだけどね」
「ユタカにとっては、あくまでもママでしかなくて、オンナとは見ていないんだろうね、親子だからアタリマエだけど」

「ユメコさんも昔のコスプレ写真とか、自分の部屋の鍵のかかる抽斗に封印して、子供たちには一切見せたことないらしい」
 苦笑いのような複雑な笑顔を浮かべられたリンコさま。

「で、じゃあなんでそんなに女の子の裸を見たいの?って質問の角度を変えてみたんだよね」
「そしたら、なんだかそういうえっちなのを見たり考えたりすると、ちんちんがムクムクって大きくなって、なんだか気持ちいいんだ、ってまたまた単刀直入な返事」

「あそこんちヲタカプだから、マンガいっぱいあるんだよね、アタシんちには負けるけど。それで一応ヤバイのは子供たちの目につかないように気をつけてはいるみたいだけど、少年向けでもムダにエロいの、あるじゃん。男の子ってそういうの、目ざといから」

「でもさ、着替えを覗かれたり、無理矢理スカートめくられたりしたら、女子はみんなイヤがるし、そういうことばっかりするスケベ男は女子の人気、なくなるよ、ってアタシも率直に返したんだ」
「そしたらユタカ、シュンとして黙っちゃってさ。しばらくうつむいていた後、何て言ったと思う?」

 私はお話に夢中で、わからないという意味でブンブン首を左右に振り、ミサさまは、すでに顛末をご存知なのでしょう、含み笑いのお澄まし顔。

「じゃあさ、リンねーちゃんの裸、見せてよ・・・」

「アタシ、うわっ、そこまで言うか?って思った反面、あれ?これって、おねショタで、しかもキンシンシチュじゃね?なんて妄想回路まで動き出しちゃってさ、マジ焦ったよ」
「でもすぐにユタカのヤツ、あ、でもリンねーちゃんは、おっぱいぺったんこだしなー、だって!まだ射精も出来ない皮かむりフニャチンマセガキ小僧が!」
 リンコさま、割と本気で憤っておられるご様子。

「それで、そのときふと直子の顔が浮かんじゃったんだよね。イベントの印象が強烈だったからかな」
「うちの会社に、頼めばすぐハダカ見せてくれる女の子がいるよ。それもかなり可愛い子、って携帯に入っていた直子の写真見せたのよ。あ、もちろん服を着ているやつね」

「そしたらユタカの目が爛々と輝いちゃってさ。アタシは、ダメだこのエロガキ、と思ったよ」
 あはは、って乾いたお声で笑われたリンコさま。

「でもまあ話の成り行きだったからさ、つい、言っちゃったんだ。ユタカがこれから学校の女の子たちにちょっかい出すのをきっぱりやめたら、会わせてやってもいいよ、って」
「あんたが真面目人間になったかどうかは義姉さんに聞けばわかるから、それでアタシが合格って認めたら会わせてやるから、お医者さんごっこでも何でもやってもらえば、って」

 私の顔をじっと見つめながら、麦茶をグイっと飲み干されたリンコさま。
 私は、小学生の男の子とお医者さんごっこ、というお言葉だけで、色んな思い出がよみがえり、股間がジンワリ潤んできていました。

「そしたら数日前に義姉さんから電話があってさ、今度の日曜日に学校の友達と一緒に池袋に映画見に行くから、そのついでにアタシんちに寄っていいか聞いておいてくれって、ユタカに頼まれたんだって」

「で、必ず伝えてくれって念を押された伝言が、ボク、夏休み前のテストで国語算数理科社会、全部90点以上取ったから、嘘じゃないから、その日持っていって全部見せるから」
「それでリンねーちゃんにはわかるから、約束絶対守ってね、だと」

「言われてから、ああ、そんな条件も出したっけ、って思い出した。ユタカ、いつも70点くらいをウロウロしているって聞いてたからイジワルのつもりだったんだけど、エロの力って、偉大だよねえ」

「義姉さんに聞いても、あの日以来何だか人が変わったみたいに真面目に宿題するようになっちゃって、凛子ちゃん、ユタカの鼻先にどんなニンジンぶら下げたの?お小遣い?ゲームソフト?って勘ぐられちゃった」
「学校夏休みなのにわざわざ日曜日に映画行くことにしたのは、リンねーちゃんの会社もお休みの日じゃないと会えないから、とまで言ってたんだって」
 
 そこまでおっしゃって、瞳をスッと細められたリンコさま。
 顎をクイッと突き出すような動きをされたのは、いつものポーズ、という合図。
 おずおずと立ち上がる私。

「そんなわけだからさ、ちゃんと課題をクリアしたユタカに、ここで大人が嘘つくわけにもいかないでしょ?」
「だから今度の日曜日、直子、悪いけど一肌脱いでくれないかな?文字通りの意味でも」
 
 座られたまま見上げてくるリンコさまの瞳には、普段私を虐めているときにお見せになる嗜虐の妖しい炎が、すでにチロチロゆらめき始めていました。
 
「・・・つまり、今度の日曜日にリンコさまのお家にお邪魔して、そのユタカさまっていう小学4年生の男の子と、お医者さんごっこをしろ、ということですよね?」
 自分でリンコさまのお話をまとめながら言葉にするだけで、乳首とマゾマンコに血流が集まってくるのがわかりました。

「そういうこと。どう?イヤ?」
 イジワル度満点の瞳で見つめてくるリンコさま。
 リンコさまミサさま、おふたりとも同時に立ち上がられ、ソファー脇に連れ出されます。
 ミサさまの右手が素早く動き、スルスルっと私が肩から纏っていたショールを外されました。

「イヤだとしても、わ、私には選択権は無いのですよね?・・・それは、リンコさまのご命令なのですよね?・・・」
 私の返答を、ふふん、と鼻で笑われたリンコさまが、ペロンと私のティアドロップス水着をずらしました。
 小さな布に辛うじて隠れていた、大きく背伸びした右乳首がブルンと飛び出しました。

「何カッコつけちゃってるのよ。アタシの話を聞いているうちに、ここがみるみるムクムク大きくなって、下だって滴るくらい貼り付いて透けちゃってるクセにっ!」
 布越しにマン筋をスルリと撫ぜられました。

「ひゃんっ」
「うふふ。イヤイヤ言ってても、からだは正直だな?とかいうエロものでよく聞く台詞が、こんなに似合うシチュもないわよね。直子、やる気マンマンじゃん」

「あうぅぅ・・・」
 からかうように私の乳首とマン筋を指でクニクニもてあそぶリンコさま。
 
「実は、義姉さんから連絡もらった次の日に、チーフにもメールでお伺い立ててるんだ。もちろん、チーフの返事は、即、おっけー」
「だからこれは、アタシの命令って言うより、直子のお姉さまのご命令だと思いなさい。そういう意味で直子に選択権が無い、っていうのは正解よ」
 紐ビキニの股間を覆う細い布も完全に腿側にズレてしまい、剥き出しになったラビアの中にリンコさまの指が侵入していました。
 
「あっ、だめっ、そこは・・・」
「それに聞けば直子、何でも高校のとき小学三年生の男の子と、差し向かいでお医者さんごっこ愉しんだそうじゃない?どっかの森の中の子供たちの隠れ家に招待されて」
 リンコさまは本気で私をイカせようと決めたらしく、爪の先でカリカリと私の腫れ上がったクリトリスをなぶってきます。

「あっ、いいっ、は、はいぃぃ、しましたっ、やりましたからっ、あっ、そう、そこぉ、もっとぉ・・・」
 お姉さまったらそんなことまで、と思いつつも、リンコさまのクリット弄りがあまりに気持ち良く、両脚を踏ん張って両手を後頭部に当てた全面降伏ポーズの私。

「チーフにその日の様子を後日詳しく報告するってことで、直子の一日お姉さまになる権限を委譲されたのっ!」
「あーーーっ、だめぇーっ、イキますぅ、イっちゃいますぅぅーーっ、いいぃぃーーーーっ!!!」
 リンコさまのお言葉が途切れるのと、私がてっぺんまで昇り詰めるのが一緒でした。

「・・・で、でも・・・いいのですか?そんな、ご親戚の小学生の男の子に・・・」
 快感の余韻がいくらか落ち着いてから、ハァハァ息を乱しながら、あらためてリンコさまにお尋ねしました。

「シモネタって、闇雲に禁じたり遠去けたりするほど却って好奇心が膨らんで、隠れてコソコソしちゃうものじゃない?一度実物を間近で見ちゃえば、落ち着くんじゃないかな」
 私を弄り倒した指をハンカチで拭いながらリンコさまがおっしゃいます。

「精通前の時期に、エロいことに対する男としての常識的な接し方とか、女性を優しく扱うこととか、実地で性教育しとくのって、有意義な気がするし、面白そうじゃない。アタシ、精通前ならおねショタも大好物だしね。まあ直子の場合は、相手が小学生だろうが受けになっちゃうだろうから、ショタおね、になるだろうけど」

「それに、直子って確か幼稚園だか保育園の先生の資格持ちだったよね?それならガキンチョの相手はお手のものなんじゃない?」
「あ、幼稚園教諭免許です。でも学生のころに実習で1ヶ月くらいお相手しただけですし・・・」

「なあに?ユタカが男の子だからビビってんの?大丈夫よ。まだ毛も生えてないガキンチョの包茎ちんちんなんて、おっ勃ったって小ぶりなポークビッツくらいのカワイイもんだから。直子のトラウマみたくグロいことにはなんないよ」
 リンコさまが露骨なご表現で、私の一抹の不安を吹き飛ばそうとしてくださいます。

「オトコって言ったって、思春期前なら無駄に毛深かったりオス臭かったりもしないから。現に直子だって何年か前に、その隠れ家でやったお医者さんごっこでは、ちゃんと愉しめたんでしょ?」
「はい・・・」

「大丈夫、直子はハダカを見せるだけ。成り行きでちょっと弄らせたりもするかもしれないけど、とにかくユタカにちんちん出させたりは絶対させないから。まあ、ヤツも恥ずかしがって出そうとはしないだろうけど」
 小さく笑ったリンコさまが、再び私のバストに手を伸ばしてきて、鎮まろうとしない勃起乳首をイタズラし始めました。

「あんっ、わ、わっかりました。今度の日曜日、あっ、リンコさまの、ご、ご命令に、し、従いますぅぅっ、あぁんっ・・・」
 乳首を引っ張られたり潰されたりしながら、リンコさまに服従を誓う私。

「あ、そうそう。一番肝心なことを言い忘れてた」
 私のおっぱいから一度両手を引っ込めたリンコさまは、傍らにあった書類を挟む目玉クリップで私の乳首を挟みながらおっしゃいました。

「とは言ってもね、アタシ、小学生にマゾドレイとか露出狂とか、そんなディープなことまで教えちゃう気はさらさら無いの」
「あくまでもエロマセガキンチョにリアルな性の入口を垣間見せて、好奇心を真っ当に満たしてあげたいだけ。だから直子も、そのへんのとこを、よろしくね」

 おっしゃりながら私のふたつの乳首を目玉クリップで挟み終えたリンコさまの両手は、私の下半身へと滑り落ちていきます。
「はうっ!」
 リンコさまの両手でラビアを大きく抉じ開けられました。

「具体的に言うと、アタシのことを、リンコさまぁ、とか、ご主人さまぁ、とか、如何にも、私マゾ女でーす、みたいなベタな呼び方をしないこと。子供たちの前では」
「えっ!?子供たちって、いらっしゃるの、ユタカくん、あ、いえ、ユタカさまだけじゃないのですか?」

 バッチーン!
 リンコさまに思い切りお尻をひっぱたかれました。
「あぁうぅぅっ・・・」

「ほら、そういうところよ!相手はガキンチョなんだからさ、ユタカに、さま、なんて付けなくていいのっ!」
「それにアタシ、友達と池袋に映画観にくる、って言ったじゃない?多分、近所のミツルくんじゃないかな。仲いいみたいだし。ボーイッシュな女の子みたいな顔したイケメンくんだよ」

 いつの間にかリンコさまの手には、制汗スプレーの容器くらいな太さの銀色円錐形なバイブレーターが握られていました。
 ああん、今度は中イキさせられるんだ・・・と身構える私。

「だから当日アタシのことは、大沢さん、とか、凛子センパイ、とか、いたって普通に同じ会社の仲良し女子、みたく呼ぶこと」
「は、はいぃぃ・・・」

 バイブをズブリとマゾマンコに挿され、お手元のスイッチでウィンウインうねらせ始めるリンコさま。
「あっ、あっ、そんな、いやっ、だめっ、いいぃぃーーっ・・・」
 半脱ぎ紐ビキニで乳首に目玉クリップをぶら下げた服従ポーズで、プルプルと腰を震わせる私。
 カーテン全開の大きな窓からは、視界全面コバルトブルーな真夏の夕暮れが綺麗に広がっています。

「それから当日の服装も、いかにも露出狂です、みたいなヘンタイチックなのはやめてよね。スケスケとか、穴開き紐パンツとか」
「あんっ、で、でもでも、私が持っている下着、あっ、だめそこっ、あ、み、みんな、あんっ、リンコさま、あんっ、り、凜子センパイたちにっ・・・」
 私がお答えしようとしているあいだもリンコさまがバイブを動かしつづけるので、なかなか会話が進みません。

「せ、センパイたちに、全部、ま、魔改造、うっ、されてしまったので、だめっ、ふ、普通のって、もう持って無い、ないぃ、と思い、思いますぅ、ぅぅぅ、けれどぉ・・・」
 ジュブジュブ音をたてるほど動かされるバイブレーターに、必死で理性を保とうと快感に抗う私。

「あら、魔改造なんて人聞きの悪い。あれは、エロティックリフォームよ。でもまあ仕方ないから、下着は前日までにアタシが用意してあげる。それ着けてきなさい」
 バイブを出し挿れする右手は止めずに、ニコニコ顔で私に念を押されるリンコさま。

「服装は、そうね・・・あの年頃の子たちはやっぱり、優しそうで清楚な感じ萌えだろうから、無難に花柄ワンピとか、フリルブラウスにキワドクないプリーツミニ、ってところかな」
 普通にお話されながら、せわしなくバイブを動かしつづけるリンコさま。
 
「あっ、はいぃ、あっ、あんっ、だめ、もうだめっ、イ、イっちゃう、 イっちゃうぅぅ・・・」
 どんどん前屈みになって突き出す格好になっている私のお尻に、ビーズ型のアナルバイブも、ミサさまの手でいつの間にか挿入されていました。
 
「理想は、教育実習で小学校に来た女子大生先生ね。お淑やかで初々しくて清楚で、でもそこはかとなく大人の色気も感じさせて、って感じ?」
「一気に脱いで即下着姿より、一枚一枚、焦らすみたいに徐々に脱いでったほうがガキンチョは萌えるよね?ワンピは無いな。やっぱ当日はブラウスアンドスカート生脚ソックス」

「・・・んんーっ、はいぃ、おっしゃる通りにしますからぁ、凜子センパイィ、美咲センパイィ、イっても、イってもよろしぃでしょうかぁぁ・・・」

「間違っても露出大好き淫乱マゾ先生ではないからね?あくまで普通の清楚な女性なんだけど、たまたま他人にハダカを見られるのが好き、ってだけで」
「・・・あっ、イキます、イきますぅぅーっ、あっ、あーーっ、いいぃぃぃ-----っ!!!」
 
 ハダカを見られるのが好き、という属性だけで充分、普通でも清楚でもない、と思うのですけれど・・・
 
 心の中でそんなツッコミを入れつつも、マゾマンコとアヌスへの執拗な二穴バイブピストン責めで膝から崩れ落ち、リノリュームの床に倒れこむように、しどけなくイキ果てた私でした。


夏休み自由研究観察会 02


2017年7月23日

三人のミストレス 12

 膣口深く潜り込ませた右手の人差指と中指で、捏ねるように膣壁を撫ぜ回します。
 上に伸ばした親指の腹で腫れたクリトリスを弾くように擦ります。
 左手全体で左おっぱいを鷲づかみ、人差し指と中指のあいだに逃した勃起乳首を、挟んでギュウギュウ潰します。

「はっ、はぁん、あっ、あーんっ・・・」
 先ほどの麻縄コブ渡りで、あれだけ激しく何度もイッたのに、いえ、イッたからこそ、敏感になり過ぎたはしたない急所への単純な愛撫だけで、みるみる高まってしまいます。
 目隠しをしてくださったことで余計な視覚的刺激を受けない分、行為に集中出来るので尚更です。
「あっ、だめっ、いやっ、もうだめっ・・・」

「あれ、もうイッちゃうんじゃない?」
「ほんとだ、まさにイキ癖がついちゃった、って感じだね」
「やだ、この子、小指伸ばしてお尻の穴までまさぐってる」
 私の痴態をつぶさに実況してくださるみなさま。

「あっ、んっ、あぁ・・・お姉さ、あっ、いえ、え、絵理奈さま、イッてもいいですかぁ?あふぅぅ・・・」
 コブ縄渡りのときのお姉さまのお言葉を思い出し、見えない絵理奈さまにオーガズムの許可を乞います。

「時間が無いみたいだから、さっさとイクのは構わないけれど、なんかあんたの、その口の利き方が気に入らないわね」
 私の左側のほうから、絵理奈さまの冷たいお声が聞こえてきました。

「イッてもいいですかぁ?じゃないわよ。いいですか、なんて何タメ口利いてんの?あんたは、こんなところで真っ裸になってヨガってるヘンタイセイドレイでしょ?わたしたちはあんたを飼っているご主人様、身分が違うの。もっと丁寧に哀願しなさいよ」
 お尻に一発来るか、と怯えて数秒待ちましたが、来ませんでした。

「ああんっ、はいぃ、ごめんなさい・・・え、絵理奈さま、みなさま、このままイッてもよろしいですかぁ?・・・」
 
 時が経つにつれパワーアップしている絵理奈さまのイジワル度。
 お言葉遣いもぞんざいになり、本気で私を軽蔑、嘲笑なさっているご様子に、憐れなマゾ性をゾクゾクッと滾らせつつ、自分を慰める両手は止めずに懇願する私。

「やっぱりヘンタイドスケベマゾ牝だけあって、教養無いわね。よろしいですか、って、何上から目線になっているの?お願いするんなら、よろしいでしょうか、でしょ?」

「あっ、あっ、はひぃ、ご、ごめんなさいぃ・・・絵理奈さまぁ、そしてみなさま、直子の、直子のグチョグチョ淫乱マゾマンコ、い、イカせて、あんっ、イカせていただいて、よ、よろしいでしょうかぁっ・・・」
 自分から口に出す品の無い淫語で益々荒ぶる昂ぶりは、そろそろ限界に達しようとしていました。

「よろしいわよ。さっさと自分の指でイッちゃいなさい、性欲過多のマゾ牝が、ペッ!」
 絵理奈さまの吐き捨てるようなお言葉。
 下腹部に何かが当たったような感触も微かにしましたから、実際に絵理奈さまからツバを吐きかけられたのかもしれません。

「あーーーっ、いいっ、いいっ、イキますぅ、いきますぅ、いいぃぃぃ---っ!!!」
 どっちにせよ、私はブリッジするみたいに下腹部を盛大に跳ね上げながら、悦び勇んで至福のオーガズムに達しました。

「早いわね、もうイッちゃった」
「始めてからまだ2分も経ってないよ。それに今日だけでイクの何度目?」
「下半身がブルブル震えているのに右手はまだマンコに貼り付いたままじゃん。休む気なんてサラサラ無いんだね」

 みなさまの呆れたお声が聞こえてきますが、弄りつづけることで絶頂の余韻はすぐにVの字に回復し、私はまた性懲りもなく高まり始めていました。

「さあ、一度イッたみたいだから残り時間は、みんなで好きに直子のからだをいたぶってあげて」
 お姉さまの幾分投げやり気味なお声が、私の背中のほうから聞こえました。

「この子、不特定多数からの陵辱願望も持っていて、衆人環視下のエロい人体実験みたいな妄想でもオナっているらしいから、みんなが普段、パートナーとは出来ないような、ハードな責めを試してみるといいわ」

「痛みも屈辱も、何でもオーガズムに昇華しちゃう子だから、面白いわよ。目隠しで誰が何をしたかもわからないしね」
「直じゃ汚いと思う人は、使い捨てのゴム手も用意してきたから」
 お姉さまのお声が消えた、と思ったら、口の中奥深くまで、生温かい何かを突っ込まれました。

「ぐえっ!」
 思わずえずいて、ヘンな声が出てしまいます。
 同時に口腔に侵入してきた異物が何なのか確かめようと、舌をフル回転して異物を舐め回します。
 指?・・・長い?・・・しなやか?・・・三本?・・・

 直感的にお姉さまの右手、と理解しました。
 香り、舌触り、味。
 今まで何度も味わってきましたから、間違えるはずありません。
 わかった瞬間、夢中でしゃぶり始めます。

 私のえずきが合図だったかのように、私のからだをいくつもの手が這い回り始めました。
 おっぱいとマゾマンコに取り憑いていた私の両手は乱暴に払い除けられ、代わりに無数とも思える手や指先が、無防備な全裸の私を陵辱し始めます。

 仰向けな私の右膝と左膝が同時に掴まれ、それぞれ左右に大きく押し広げられました。
 間を置かずに陰唇に複数の指がかかり、これまたそれぞれ左右に、内腿側へと思い切り引っ張られます。
「んぐぅぅ・・・」
 お姉さまの右手を頬張った喉の奥から、だらしない悲鳴がほとばしり出てしまいます。

「ほら、ママも松井ちゃんも、遠慮しないで」
 雅さまの弾んだお声が聞こえました。

 裂けちゃいそうなくらい左右に引っ張られて引き攣る粘膜に侵入してくる指。
 2本?3本?えっ!?5本?6本?
 おのおのが勝手に脈絡なく、モゾモゾと膣壁を引っ掻き回してきます。

 そのあいだ中、乳首もそれぞれ思い切り引っ張られ、ひねられ、潰され。
 クリトリスはずっと、粘土を捏ねるように指先でもてあそばれています。
 
 脇腹を撫でる指、下腹をさする掌、乳房の脂肪をつねる爪・・・
 視界を塞がれたまま素手だったりゴムの感触だったりな人肌に全身をゾワゾワもてあそばれる感覚は、得体の知れない爬虫類と昆虫が群がるプールに放り込まれたみたい。

「んぐぅ、ぬぐぅ、んんぅぅ、おごぅ、あごうぅ・・・」
 アルコールのせいもあるのでしょうけれど、どなたの愛撫も乱暴で荒々しい感じ。
 痛い、くすぐったい、気持ちいい、じれったい、の感覚が入り乱れ、私の全身で同時多発しています。
 粘膜とクリットに対する蹂躙はとくに執拗で、グングン高みに昇っていく私。

「ああぁーっ、いいですぅ、ありがとうございますぅ、もっと、もっとぉーっ!」
 不意に大きく嬌声が洩れてしまったのは、不意に口中の手が抜かれたからです。
 お姉さまの手で声が出せないのをいいことに、私は心の奥底から湧き上がる欲望を、正直に言葉にして喉を震わせていたのでした。

 自分のよだれまみれなはずのヌルヌルな手が、私の顔面を乱暴にまさぐってきます。
「はぅぅ、あっ、いいっ、いいーっ!」
 鼻の穴や耳の穴をグリグリ嬲られ、首を軽く締められます。
「んぬぐぅ・・・」

「すごい、乳首がこーんなに伸びーる」
「ほら、ラビアだってこーんなに」
「直子のマンコって外面は地味だけど、中のビラビラはだらしなくびろーんてよく伸びるよね」
「クリットも小指の先っちょ以上にパンパンに膨れさせちゃって、本当に気持ち良さそう」

 嘲笑混じりの黄色い歓声をあげて、私の恥ずかしい器官を容赦なくねぶり、なぶり、いたぶってくださるみなさま。

「あぅぅっ、え、絵理奈さま、み、みなさまぁ、イ、イッてもよろしいでしょうかあ、どうぞ、どうかイカせてくださいませーっ!」
 どんどん白くなってくる頭と心の桃源郷に一瞬でも早く埋没したくて、本能から湧き出たお願いが悲鳴に近い叫びになってしまいました。

「何、でっかい声でお下劣な願望口走ってるの?ほんと、サカリ切った牝犬マゾは仕方ないわね」
 絵理奈さまらしき冷ややかなお声が聞こえたと思ったら、肛門にズブリと何かが突き挿さりました。

「さっきと同じに、ただマンコとクリットでイクんじゃつまらないでしょう?ほら、こんなふうにグリグリしてあげるから、今度はケツの穴だけでイってみなさい」
 そのお声から一テンポ遅れて、私の他の部分をねぶっていた指や手が一斉に引きました。

 物理的な快感刺激を得られるのは唯一その部分、つまり肛門に挿し込まれた、おそらく絵理奈さまの、ゴム手袋を着けた2本の指だけ。
 仰向け立て膝で横たわっている私は、その唯一の刺激をより奥まで迎え入れるために、お尻をそちらに突き出すように浮かせました。
 
 上がった両膝を大きく開いたままそれぞれ両腕で抱え込むと、先ほどやらされたハッピーベイビーのポーズ。
 いえ、これは正しく、まんぐり返しと呼ぶべきでしょう。

 その姿勢で自ら腰を前後に動かし始めます。
 突き刺さった指が深く浅く腸壁を擦り、肛門筋の戸惑いがそのまま快感へと収束していきます。
 爆発寸前な昂ぶりには、その淫靡な抽送だけで充分過ぎます。

「うわ、直子、また自分で腰振りだしたよー」
「指が根本まで、ズッポリ入ってない?」
「動きに合わせてマンコのラビアまで、魚の口みたいにパクパクしてる」
「本当にお尻の穴だけでもイケちゃうんだ?信じられない」
 みなさまの引き気味なご感想も、被虐のよいスパイスです。

「んーーっ、いいぃですぅ、お尻気持ちいぃっ・・・アヌスいいっ、アナルいいっ、イキますぅ、イっちゃいますぅ、イッってもよろしいでしょうかぁぁぁ・・・」
「ほら、イッちゃいなっ!ケツの穴に指2本も突っ込まれてほじられながら、ドヘンタイらしくイクがいいわ、ほれ、大サービスでオマケも付けてあげるっ!」
 バチーンッ!
 穴に指を突っ込まれたまま、左の尻たぶを思いっきりひっぱたかれました。

「あうーっ、いいっ、いいっ、もっとっ、もっとぉーっ!」
バチン、バチン、バチン。
「いいっ、いいっ、イクぅ、イグぅ、ぃぐぅぅぅーっ!!!!」

 お尻をビンタされるたびに目の前で火花がスパーク、やがて意識がトンで真っ白に・・・
 あんまり良すぎて。激しい身悶えにからだがよじれ、気がつけばいつの間にか突っ伏して、四つん這い気味なうつ伏せとなっていました。

「直子ってば、今度は自分から四つん這いになっちゃったよ」
「もっとお尻を叩いて欲しくて仕方ないんじゃない?絵理奈ちゃんにひっぱたかれているとき、本当に気持ち良さそうだったもの」
「マゾの牝犬だからね。首輪もしてるし、やっぱりワンワンスタイルが落ち着くんだよ」

 みなさまの嘲り声に従うように、半端なうつ伏せ状態から両膝を立ててお尻を持ち上げ、高くグイッと突き出します。
 もちろん両膝は大きく開いてマゾマンコも肛門も、みなさまによーくご覧いただけるようにして。

「やだっ、お尻突き出しておねだりしてくる」
「まーだ満足していないんだ?まったく直子の性欲はサキュバス並に底無しだよね。本当に一晩中でもイキつづけるんじゃない?」

 アヌスの指も抜かれ、今はどなたも私のからだを触ってくださっていません。
 なのに性的欲求解消の渇望が全身を駆け巡り、もう居ても立ってもいられない状態。
 仕方ないので自分でまさぐろうと、右手をマゾマンコに伸ばしかけたときでした。

「ちょっとママさん、そこで何やってんですかあ?」
 すぐそばで訝しげな、聞き慣れないお声がしました。

「あらー、みつかっちゃった。ちょっとした余興なの。このかたたちのパーティの、お開き前のメインイベントをわたしもちょっと見学させてもらっているのよ」
 さーこママさまの、微塵も悪びれていない明るいお声。

「うちら、そろそろ帰ろうと思って、トイレ済ませて階段下りようとしたら、こっちがずいぶんと賑やかだからさあ」
「なんじゃろな、と思ってちょこっと覗いたら、四つん這いの裸のお尻が見えて、大勢で取り囲んでるからギョッとしちった」

 それぞれお声が違っているので、闖入者は女性おふたり?
 少し呂律が怪しくなっているので、すでにけっこう酔っ払われているみたいです。

「で、この人、何なんです?こんなところで、こんなけしからん格好して」
「わかった!王様ゲームの罰ゲーム!じゃなかったら集団セクハライジメ!」

 酔いのせいでしょうけれど妙にテンションのお高いおふたりは、お声はそうでもないけれど、はしゃぎっぷりがお若いっぽい?
 そんなことはともかく私は、まったく見知らぬ偶々お店に居られた女性おふたりにも、二穴全開の秘部を至近距離でさらけ出している状況になっていました。
 薄れかけていた羞恥が俄然息を吹き返し、マゾマンコを熱く潤ませます。

「そういうんじゃなくて、単刀直入に言うと、この子はマゾで露出狂なんですよ。この子は、こういうことをやらされるのが大好きなんです」
 雅さまのフレンドリーな営業トークっぽいお声が聞こえてきました。

「うわ、マゾって、痛いのや苦しいのが好きなドMってやつでしょ?最近の若い男に多いらしいわよ。近頃ヘンタイ増えたよねー」
「女の露出狂なんて本当にいるの?AVなんかの印象だと、ろくでもない男に無理矢理やらされているイメージだよねー」
 
 雅さまの身も蓋も無いご説明に、おふたりの元も子もないご感想。
 薄く苦笑いを浮かべられた雅さまが目に浮かびます。
 それでもめげないトーク上手な雅さま。

「それで、ワタシたちはみんな同じ会社の同僚なんですけれど、先月だったかな、この子が大きな仕事をモノにしたんです。社長賞クラスの」
「で、ご褒美に何でも好きなことやっていい、ってことになってこの子が、オフィス以外の、いつ誰が来るかわからない場所で晒し者になって辱められたい、って言い出して」
「で、さーこママさんに無理言って今日、ここを貸していただいいてのパーティなんです。だから、セクハライジメ、とかではぜんぜんないんです」

 ついさっきまで、お仕置き、だったはずなのに、雅さまのご説明では、ご褒美、になっちゃいました。
 まあ、マゾな私にとって、性的なお仕置きは、イコールご褒美でもあるのは事実ですが。

「あ、よく見るとこの人、犬の首輪みたいのしてるー」
「えー、信じられなーい。本当にこの人、イヤがってないのー?」
 面白がってまぜ返すような、どちらかのかたのお声にお応えされたのは絵理奈さま。
「本当よ。今、証拠を見せてあげるわ」
 おっしゃるなりいきなりバッチーンと、右の尻たぶに平手打ちをいただきました。

「ひぃーっ!」
「マゾ子は、これが欲しかったんでしょ?」
 まったく見ず知らずの方々に、私の本名を出すのは不味いと思われたのでしょう、マゾ子呼びしてくださる絵理奈さまのお心遣いにキュンとしちゃいます。

「はいぃ、ありがとうございますぅ、もっとぉ、もっとくださいぃぃ・・・」
 雰囲気を壊さないように、私もマゾ性全開で喘ぎます。
「まったくしょうがない牝犬ね・・・」

 バチンバチンとたてつづけに強烈な掌スパンキングをいただき、その甘美な痛みに闖入者さまの存在も忘れそう。
「あうっ!、あうっ!、あうーっ!!」

「うわー、みるみるお尻が真っ赤っ赤ー」
「お尻の穴がヒクヒクしちゃってるー」
「マンコがこれだけヌラヌラに濡れてるんだから、確かに悦んでるみたいだねー」
「下でたまに聞こえていた手拍手の音って、ひょっとしてこのSMの音だったんじゃない?」

 若干引き気味ながら、心底驚かれているようなおふたりのお声。
 私はと言えば、知らない女性たちに、おねだりスパンキングを目撃され、つい数分前の陵辱で爛れ切ったマゾマンコと肛門を凝視され・・・
 次から次へと蠱惑的な恥辱シチュエーションに見舞われて、もう私の小さな脳味噌では処理しきれません。

「それにしても見事にあられもない格好だこと。あ、ビデオ撮っている人までいるしー」
「オフィス以外、っていうことは、いつもはオフィスでこの人、こんなことされているんだ?ひょっとして全裸勤務?なんだか楽しそうな会社だねー」
「つまり、この真っ裸な彼女はヘンタイで、他の人たちが仕事のご褒美で遊んであげてる、ってわけなのね」
 
 おふたりとも雅さまのご説明と絵理奈さまの実演で、すっかりご納得されちゃったみたい。
 それにミサさまってば相変わらず、ずっとビデオで私の痴態を撮影されているんだ・・・

「もうお店も閉店間近だから、最後にこの子を盛大にイカせてあげましょう、っていうところで、あなたがたがいらっしゃったんですよ」
 お姉さまのお仕事のときっぽい、クールなお声が聞こえました。

「もう下にはあなたたちしかお客さんいないんでしょ?時間があるならあなたたちも見物させていただくといいわ。こんなの滅多に見れないし、すごく刺激的よ?」
 気さくにおふたりをお誘いになる、さーこママさま。

「えっ、いいの?どうせこの後はカラオケでも行こうかと思ってたから、時間はぜんぜん大丈夫」
「おっけー、うち、下行ってミユちんも呼んでくる!」

 お声の後にドタバタと駆け出す足音がつづきました。
 そう言えばさーこママさまが、階下には常連の下ネタも大好きなOLさん3人組しかいらっしゃらない、って、さっきおっしゃっていたっけ。

「よかったわね直子。直子の浅ましく恥ずかしい姿、視てくださるギャラリーさんが増えたわよ。どう見ても、あたしたちよりか五つ六つ歳上に見えるお姉さまがた」
 他のかたには聞こえないように、コショコショっと耳打ちしてくださった私のお姉さま。

「さ、もう本当に時間がないから、ちゃっちゃとマゾ子をヨガらせて、新たに見物されるゲストのみなさんにも愉しんで帰ってもらいましょう」
 お姉さまの呼びかけでパチパチと起こる拍手。
 どさくさに紛れて私の突き出したお尻を叩いているかたもいらっしゃいます。

「ママさん?ちょっと押しちゃったから9時40分お開きでいい?終わり次第、大急ぎで撤収するから」
「うん、だから時間は全然気にしなくっていいって。階下はもう閉店の札掛けちゃって、ケンちゃんがもう明日の仕込み、始めているはずだから」
 お姉さまのご相談に軽やかなお声でお答えくださる、大らかなさーこママさま。

「あと約10分弱っていうところだけど、あと2回はイカせたいわね。ゲストさんたちが揃ったらすぐ、始めましょう」
 お姉さまのお言葉にかぶせるように、雅さまの弾んだお声が聞こえてきました。

「折角四つん這いなんだからさ、今度はこれ、突っ込んでみる、っていうのはどうかな?」

 おおーっ、と、どよめくお声。
 面白そう、やろうやろう、という賛同のお声の他に、太すぎない?、マン汁が溜まっちゃいそう、などなど、不穏なお声も聞こえてきます。

「そっちより、こっちのシャルドネのほうがいいんじゃない?なで肩だから、より奥まで入りそうだし」
 冷静なお声は綾音さま。

「確かに。じゃあこっちはアヌス担当にしようか」
「わたしはこれでお尻をひっぱたくわ」
「四つん這いだと、おっぱい虐めが難しそう」
「洗濯バサミを引っ張れるように、糸を付けておきましょうか?」

 みなさまがガヤガヤ盛り上がっているところに、ワイワイドタバタと近づいてくるお声と足音。
「はーい、お待たせしましたー。オーディエンス、追加でーす」

「あっ!?」

 複数の足音が私のすぐそばまで来て止まり、それに合わせるようにガヤガヤワイワイもピタリと鎮まって、束の間、シーンとその場が静まり返りました。


三人のミストレス 13


2017年7月16日

三人のミストレス 11

 中腰になったところで、ほのかさまがツカツカと近づいてこられ、後ろ手錠を鍵で外してくださいました。

「あ、ありがとうございます」
 鍵入りロールパンは、雅さまがお持ちになったので、雅さまからほのかさまへと鍵が渡ったのでしょう。

 久しぶりに自由になった両手が、思わず股間にいってしまいます。
 長時間。食い込みロープに虐められたラビアが、まだジンジン熱を持って疼いていました。

「ううん。チーフに、外してやって、って頼まれたの。早くお洋服、脱いじゃったほうがいいわよ」
 ほのかさまに促され、まず中途半端に脱ぎかけのジーンズを、モゾモゾと足元までずり落としました。
 裾が引っかかるのでスニーカーも一緒に脱いで裸足に。

「ジーンズ、色が変わっちゃうほど濡れそぼってベトベトじゃない?これ、早めに水洗いして落としておかないと、乾いたらガビガビになっちゃうんじゃない?臭いも残りそうだし」
 ほのかさまにそんなおつもりは無いのでしょうが、やってしまった当人にとっては、自分の下半身の貪欲過ぎるだらしなさを揶揄されたような、恥ずかし過ぎるご指摘でした。

「わたしがおトイレの水道で、軽く水洗いしておいてあげる。ほら、そのチュニックも、ワサビの緑色が飛び散っちゃってる」
 私が脱ぎ捨てたジーンズを、乾いた部分を探して指先でつまみ上げながらおっしゃったほのかさま。
「あ、はい・・・」
 言われるままにお腹で丸まっていたチュニックも、足元までずり下げました。

「ボレロは、大丈夫そうね。それはハンガーに掛けて、あそこの壁に吊るしておくね。その下にお靴も一緒に置いておくから」
 キビキビとご指示されるほのかさまのおかげで私は、あっと言う間に赤い首輪ひとつだけの丸裸になっていました。

「ありがとうございます、ほのかさま・・・」
 私のジーンズとチュニックをひとまとめにして片手で持ち、おトイレへと向かわれる、あくまでもおやさしいほのかさまのお背中に深々とお辞儀をして、ふと気がつきました。
 今、あの上下を水洗いしてしまったら、このお店から帰るとき私、何を着ればいいのだろう・・・

「ほら、もたもたしてないで、テーブルに上がりなさい」
 途方に暮れていたところを、お姉さまにピシャリとお尻をはたかれました。
「あ、はいぃ」

 ワイングラス片手のお姉さまに手を引かれ、階段寄りのダイニングテーブルまで連れて行かれました。
 六人掛けくらいの長方形のテーブル三分の二くらいが、白っぽいタオルで覆われています。
 真っ白な部分と薄っすらピンクっぽい部分とがあるので、バスタオルを2枚使ったようです。

 テーブルの周りを半円形に囲むように椅子が並べられ、まさにステージと観客席の趣。
 ほのかさま以外のみなさまが、すでにテーブル周りにたむろしていらっしゃいました。

「はい、上がって上がって。時間があんまり無いんだから」
 お姉さまにペチペチお尻を叩かれ、テーブルの縁まできました。
 テーブルの高さは私の恥丘スレスレくらい。

「お店のお客様がお食事される、本来清らかであるべきテーブルなのだから、タオルの無いところに直子の淫らな生尻乗せて滑らすのはダメよ」
 つまり、タオルの敷かれたところに大きく脚を開いて乗れ、というお姉さまのご指示でしょう。
 右足と左手をタオルのあるテーブルの縁に乗せて、エイッとからだを引き上げている様子を、ミサさまにローアングルから撮影されました。

「はーい、お待たせー」
 私がタオルの上で立ち上がったとき、さーこママさまと松井さまが、幾分ドタバタ気味に階段を上ってこられました。
「あらー、ステージまで用意しちゃって、本格的ねー」
 私が全裸にされたことにも気づかれたようで、まじまじと私を見上げるさーこママさまと松井さま。

「ごめんなさいママさん。勝手にヘンタイ娘を大事なテーブルに上げちゃって。でも一応タオル敷きましたんで」
 雅さまがイタズラッ子のような笑顔で、さーこママさまに事後承諾を乞います。

「あらあら気い遣ってくれちゃって。タオルなんてしなくてよかったのに。うちはちゃんと朝夕毎日、テーブルも椅子もエタノール消毒している清潔第一の優良店なんだから」
 あくまでも大らかなさーこママさま。

「松井ちゃん、早くみなさんにデザートを配ってしまいましょう。じゃないとショーが始まらないわ」
 松井さまと連れ立ってお料理エレベーターに駆け寄り、銀盆にデザートグラスを並べ始めました。

 壇上の私は、みなさまの視線の高さ的に、しゃがんだらはしたないな、と思い、まだ後ろ手錠されているみたいにお尻のところで両手を組み、立ち尽くしていました。
 みなさまがニヤニヤ笑いで全裸の私を見上げる中、松井さまがみなさまにデザートをお配りし始めました。

「お酒の締めにスイーツって、無性に欲しくなるときあるよね」
「アルコールの後に糖分って、ちゃんと理に適っているらしいよ。分解のために肝臓が欲しがっているんだって」
「アタシ、ピスタチオジェラート、大好物なんだ」
 キャイキャイと歓声をあげられるみなさま。

「お言葉に甘えて、おトイレの奥の個室のほうに、干させていただきました。ご指示通りに使用不可のプレート掛けて」
 ほのかさまがおトイレから戻ってこられました。

「うん。下も今、常連さんの女性客しかいないから、干しっぱなしで何の問題も無いわよ。後でちゃんと回収しといてあげるから、週明けにお仕事のついでにでも取りに来ればいいわ」
 さーこママさまのご親切なお言葉で、私が今夜、このお店を出るときに着用出来るお洋服は無い、ということが確定しちゃったみたい。

「いただきまーす」
 デザートグラスが配られた順に、口々におっしゃっては舌鼓を打ち始めるみなさま。
 一口頬張った瞬間、どなたもシアワセそうな笑顔を浮かべられています。

「彼女の分は、どうする?」
 ひとつ余ったデザートグラスを手に、雅さまにお尋ねになるさーこママさま。

「はいはーい。アタシが食べさせてあげるー」
 ご自分のジェラートを早くも半分くらいまでお召し上がりになっていたリンコさまが、ジェラートスプーンを舐め舐めされながら元気良くお手をお挙げになりました。

「またー。そんなこと言って、直子のデザート横取りしようっていう魂胆なんじゃないの?」
 しほりさまが、まぜかえすようにおっしゃいました。

「ちがうもん。アタシとミサミサは、直子の裸なんか毎日オフィスでいろいろさせて、見飽きるくらい知り尽くしているからさ。それこそオマンコ周辺の色素の具合から、アヌスのシワの数まで」
 リンコさまがハイテンションで、私の恥ずかし過ぎる日常を暴露されます。

「えーっ?あたしだってそこまでまだ把握していないわよ?リンコたち、あたしがいないときもちゃんと仕事しているんでしょうね?」
 お姉さまのご冗談めかしたお叱り声。

「チーフがいなくても、アタシたちには早乙女部長様っていう、怖ーいお目付け役さんがいらっしゃいますからねー」
 同じようにご冗談めかしたお芝居声で返されるリンコさま。

「だから、普段ちゃんと視れないみんなに、ドヘンタイ露出狂でドマゾが本性なニンフォマニアック直子のド淫乱オナをじっくり視れもらおうと思って、裏方に回ることにしらのっ!」
 リンコさまってば、えっちな形容詞がスラスラ出てくる割には呂律が怪しくて、けっこう酔っ払われているみたい。
 さーこママさまがニコニコ笑いながら、リンコさまに私のであろうデザートグラスもお渡しになられました。

「なるほどね。それじゃあまず、美味しいデザートを堪能しつつ、直子のイッたばっかりのマゾマンコを、それこそアヌスのシワの数までじっくり観察してみましょうか」
 何が、なるほど、なのかわからない、お姉さまのイジワルなご提案。

「あっ、はいはーい。それならわたし、おあつらえ向きなポーズ、知っているわ」
 ご自分もちゃっかり、デザートグラスにスプーンを滑らせておられたさーこママさまが、ノリノリでお手をお挙げになりました。
 もちろん松井さまも、デザートに舌鼓を打ちながら私をじっと見上げています。

「わたし最近、近所のヨガ教室に通っているのね。それで、2回目だったかのレッスンで衝撃的なポーズにさせられたのよ」
 さーこママさまが私を見上げながらつづけます。

「ウェアを着ていても恥ずかし過ぎて、みんなで笑っちゃうようなポーズだったの。オールヌードでやったらヘンタイそのものよね、ってレッスン終わった後、みんなで言っていたくらい」
 私のほうへと近づいてこられた、さーこママさま。

「足先をこちらに向けて、仰向けに寝そべってくれる?」
 長方形のテーブルの、みなさまが客席にしているほうに両足を向けるようにご指示されました。

「あっ、はい・・・」
 テーブルの真ん中らへんにお尻をつき、お言いつけ通り仰向けになります。

「そしたらね、両脚を上に持ち上げてから、両膝をお腹のほうに引き寄せて」
 ご指示に従い両足を宙空に上げると、嫌な予感が急速に膨らみます。
 両膝をピタッと揃えたまま、仰向けでエア体育座りをしているような、写真で見たことのある胎児みたいな形に丸まる私。

 この体勢でもみなさまに性器のスジとアヌスが丸見えなので、けっこう恥ずかしい。
 みなさまのお顔が、その部分にグッと近づいてきていました。

「足の裏は天井に向けてね、そう。それで、両手を外側から伸ばしてその足の裏をそれぞれ掴んで、外側に開くの。膝がおのおの床に着くくらいグイッと」
 絶望的なご指示・・・
 開くまいと必死に閉じていた両腿の付け根を、自ら抉じ開けろ、ということです。

「んんっ!」
 羞恥と屈辱、合わせて恥辱にさいなまれつつ、足の裏を掴んだ両腕に力を込めます。
 閉ざされていた裂けめが割れていくのを感じながら、被虐の炎が潤んだ部分を熱してきます。
 最終的には、両腿が180度に開いた状態で、私のマゾマンコもお尻の穴も、ポッカリ口を空けてみなさまの目前に晒されました。

「うわーっ。これは凄いやっ!」
「ヨガにこんなポーズ、あるんだ。それにしても何の為?って感じのポーズ」
「でもほらヨガって、カーマスートラとか、えっち方面にも展開しているから」
「まさに生殖器と肛門が、御開帳、って感じだね」

 俗に言う、まんぐり返し、の途中のようなポーズを自らキープしている私に向けて、身を乗り出してその部分を覗き込みながらの、みなさまのご感想。

「ヨガ的にはアーナンダバラーサナっていう立派な名前が付いているんだけど、一般的には、ハッピーベイビー、のポーズって呼ばれているんだって」
 さーこママさまが私を見下ろしながら、解説してくださいます。

「生後半年くらいの赤ちゃんが、ごきげんなときによくこういうポーズをするところから、名付けられたそうよ。太もも痩せやヒップアップ、あとリラックス効果もあるって先生がおっしゃっていたわ。恥も外聞も捨てて自分を解放する、みたいな?」

「それにしても直子ちゃん、ポーズを取るまでの所作も完成後も、すごくキレイに決まっているわね。股関節が見事に開ききって、まるで講師の先生みたい」
 その股関節の部分をしげしげと見つめながらの、さーこママさまからのお褒めのお言葉。

「この子は、ちっちゃい頃からバレエやってましたからね。Y字バランスも180度開脚もラクショーなんですよ」
 ちょっぴりご自慢そうなお姉さまのご様子に、私もなんだか嬉しくなります。

「ここまであけっぴろげに見せられちゃうと、却ってこっちが恥ずかしくなってきちゃわない?共感性羞恥、とかいうんだっけ」
「ナオちゃんはツルツルのパイパンだからさ、尚更生々しいよね。まさに剥き出しとか赤裸々っていう表現がピッタリな感じ」
「さすがにさっきあれだけイッた後だから、クリちゃんは大人しくなって・・・って言ってるそばから膨らみ始めちゃってる・・・」
 
 ジェラートをスプーンで舐め舐めしつつ、私のマゾマンコ観察のご感想をあけすけに投げつけてくるみなさまのお言葉責めに、私のマゾ性も敏感過ぎる反応を示しちゃっています。

「考えてみれば他人のマンコなんて、強いて言えば恋人の以外、こんなふうにじっくり見る機会なんて無いのが普通よね」
「アタシちっちゃいとき、お医者さんでマンコ見られるより、お尻の穴を診られるほうが恥ずかしかったな」
「ああ、わかる。肛門なんてお医者さんか夜の営み以外には、見たり視られたりしないものだもんね、普通・・・」

「でも直子は、みんなが視ているこんなところで大股開きで、肛門のシワをヒクヒクさせちゃってるんだよねえ。あ、おツユが一筋、溢れ出た」
 ご愉快そうなみなさまの笑い声に、ますます被虐が募ってキュンキュン咽び泣いてしまう私のふたつの穴。

「ハッピーベイビーっていうくらいなんだからさ、そんなせつなそうな顔じゃなくて、もっとニコニコ笑うべきなんじゃない?」
 リンコさまがおっしゃりながら、私の顔のほうに近づいてこられました、

「ほら、おいしージェラート、食べさせてあげるから」
 銀色のスプーンで掬い取った、ちょっとだけ緑色がかったベージュ色のクリームを、私の口に近づけてきました。

 唇の裏側が冷たいと感じた途端、口腔に広がる芳醇な甘さとナッツ類特有の香ばしい風味。
 美味しいっ!
 火照ったからだに染み渡るようなひんやりした甘み。
 二匙、三匙とたてつづけに味わせていただき、恥ずかし過ぎる我が身を一瞬忘れて、うっとりシアワセ気分になりました。

「そうそう、やわらかくていい表情になった。まさにハッピーベイビーって感じよ。もっと舐めたい?」
 はい、とうなずいた私にニッと笑顔を返されたリンコさま、ジェラートの乗ったグラスはテーブルに置いて、スプーンだけを持って私の下半身のほうへと移動されました。

「ちょっと味変してみようか。特製シロップをトッピングして」
「はうっ!」
 開ききった陰唇に冷たい金属質のものが触れたと思ったら、ズブリと淫穴に挿し込まれました。

「ああん、そんなぁ」
 しばらくグリグリと粘膜が嬲られ、スポッと抜けました。

「たっぷり採れた、っと」
 まっすぐ持ったスプーンを揺らさないよう慎重な足取りで戻られたリンコさま。
 スプーンの中身を私のジェラートグラスに垂らしてから、あらためてその部分をジェラートごと掬い取りました。

「はい、あーん」
 ベージュ色のクリームの上に少し白濁気味のトロリとしたシロップが乗っていました。
 躊躇なく開けた私の口に挿し込まれるスプーン。
「んんーっ・・・」

「どう?自分から溢れ出たいやらしいマン汁をトッピングした、ピスタチオジェラート直子の愛液スペシャルのお味は?」
「あぁんっ、美味しいですぅ」

 本当でした。
 芳醇な甘さの中にほんのりしょっぱさと酸っぱさが加わり、冷たさと生温かさが醸し出す、なんとも言えない官能的なお味。

「へー、そうなんだ?」
 リンコさまがおっしゃるなり、同じスプーンで一掬いされ、ペロリとお口に入れられます。
「本当だ!甘さに適度な酸味の刺激が加わって、木の実の味が引き立つような気がする」

「へー、ワタシもやってみよう!」
 雅さまが口火を切られ、次々に金属スプーンが私のマゾマンコに捩じ込まれました。
「あっ、あんっ!、いやっ、ああんっ、だめぇっ、ひぃっ、もっとっ・・・」
 関係の無いクリトリスまでスプーンで虐めるかたもいて、私はハッピーベイビーのポーズをキープするのに必死。

「うん、確かに甘みに奥行きが出た感じ」
「悪くないわ。ひょっとしてさっきのワサビがいい隠し味になってるのかしら」
「直子のマン汁だけだと、さすがにちょっと生臭いんだけどね」
「今度アイスクリーム買ったら、自分のでも試してみようかな」

 みなさまが私の愛液を喜々として味わってくださっているのを見るのは、恥ずかしさ四割、嬉しさ六割で、マゾペット冥利に尽きる光景でした。

「おーけー。直子もいい感じで悶え始めたし、ここからオナニーショーに移りましょう」
 お姉さまは空になったデザートグラスを、再びワイングラスに持ち替えられていました。
「直子、もうヨガのポーズは解いていいわよ。オナニーしやすい姿勢になりなさい。普段しているみたいに」

 急にそうおっしゃられても・・・
 とりあえず両腕を下ろし、寝そべっていた上体を起こします。
 すると期せずしてM字開脚のポーズになっていました。

「オモチャは無しで、自分の指だけで、普段やっているみたいにしてイクのよ?」
 寝そべっているあいだに乱れた私の髪を、お姉さまがおやさしく直してくださいました。

「もうあと10数分しかないから、大急ぎで思う存分イッちゃいなさい。あ、声は塞いだほうがいいですよね?」
 お言葉の最後の部分は、さーこママさまに向けられていました。

「気にしなくていいわ、今、下には常連の下ネタも大好きなOLさん3人組とケンちゃんしかいないから」
 さーこママさまがデザートグラスを片付けながらお答えされます。
「それにわたし、直子ちゃんの声、気に入っちゃった。ずいぶん可愛らしく乱れるじゃない。もっといっぱい聞かせて欲しいわ」

「わかりました。じゃあ直子、始めていいわよ。まず自分の指だけで一回イッたら、その後はギャラリーの参加フリーということで」
 お姉さまが私の背後に回られ、私の右肩をポンと叩きました。

「はいっ」
 おずおずと右手を股間に伸ばし始めます。
 左手は左おっぱいへ。
 そのとき視界が真っ暗になりました。

「あっ!」
「気が散って集中出来ないと可哀想だから、目隠し。自分だけの世界で思う存分イキまくるといいわ」

 お姉さまが隠し持たれていたアイマスクか何かをされたようです。
 今は両手も自由ですから嫌なら外す事も出来るのですが、もちろん私がそんなことをするはずありません。

「あんまり感じ過ぎて、暴れてテーブルから落っこっちゃったりしないでね?」
 耳元にこそばゆい吐息と共に吹き込まれました。
 その艶っぽいお声にもはや辛抱たまらなくなり、右手の人差指と中指を勢い良くマゾマンコにズブリ。
「あふぅんっ!」

「それでは、弊社オフィスで飼育しているヘンタイマゾペット、森下直子の目隠しオナニーショーを、みなさまお時間までじっくりお愉しみくださーいっ!」
 お姉さまの愉しそうにお道化たお芝居声が、高らかにお部屋に響き渡りました。


三人のミストレス 12