2015年6月14日

オートクチュールのはずなのに 07

 お姉さまが降りてしまったので、仕方なく私もドアを開け、薄暗い駐車場のコンクリートの床に降り立ちました。
 小ぶりなクラッチショルダーだけ持ったお姉さまが、ツカツカと近づいてきました。

「なかなか可愛いわよ。ブルーのワンピと赤い首輪のコントラスト」
 頭のてっぺんから爪先までジロジロ見つめてくるお姉さまに、私は気をつけのままモジモジ。
「でもずいぶんきっちりボタン留めちゃったのね?ちょっと暑苦しくない?開けなさい。そうね、上からふたつ」
「は、はい・・・」

 せっかく喉元まで留めていたワンピースのボタンを、少し震える指で外していきます。
 ふたつ外すと、バストの膨らみ始めがちょこっと覗くようになってしまいました。

「うん、いい感じ。ちょっぴりエロっぽくなった。ついでにちょっと、裾もまくってみせて」
「こ、ここで、ですか?」
「大丈夫よ。ほら、今ここには誰もいないじゃない。直子の剥き出しマゾマンコ、なぜかしら急に無性に見たくなっちゃったのだもの」
 お姉さまのお芝居がかった、からかうようなお声。
 確かに広めの駐車場なのに車は少なくガランとして、しんと静まり返っています。

 お姉さまの車の横には、大きめな黒いワゴン車。
 その隙間に隠れるように向かい合っているふたりですから、もしも誰かが来たとしても、お隣の車の人でない限り注目されるようなことは無いでしょう。
 覚悟を決めてワンピースの裾に手をかけました。

「はいストップ。そのままにしていなさい」
 両手で持ったワンピースの裾を胸元くらいまで引き上げたとき、お姉さまからのお声がかかりました。
 剥き出しとなった下半身に、外気が直に触れているのがわかります。
 私、こんなところでアソコを出しちゃっている・・・
 お姉さまが一歩近づいてきてしゃがみ込みました。
 下から覗き込むように浴びせられるその視線が恥ずかし過ぎて、思わず目をつぶってしまいます。

「こんなに薄暗くても、濡れちゃってるのが分かるくらい、マゾマンコの周辺がテラテラ光ってる」
 下のほうからお声が聞こえてきます。
「こんな調子じゃ、買い物中もよだれダラダラ垂らしちゃいそうね?唇の端に今にもこぼれ落ちそうな雫がしがみついているもの。この後だって、どうなることやら」
 お姉さまが立ち上がられた気配。
「でもまあそれも直子次第ね。スーパーの床汚して、店員さんに叱られないようにがんばりなさい」

 そんなことをわざわざおっしゃるお姉さまは、お買い物中、いったい私に何をなさるおつもりなのでしょう。
 目をつぶったまま不安と期待の鬩ぎ合いにゾクゾクしていたら、不意に左手を取られ、裾がパサリと戻りました、

「さあ、行きましょう」
 おずおずと瞼を開いて見えたお姉さまのお顔には、エスモードに入ったときにだけお見せになる、冷ややかな薄い笑顔が宿っていました。

「エレベーターもあるけれど、どうせだから歩いて行きましょう。スーパーは一階だし」
 私の手を引いたお姉さまが、ツカツカとさっき下りてきた駐車場への短いスロープを上がっていきます。
 歩き始めると内腿が粘性のおツユで擦れ、歩いているだけでクチュクチュ音がしちゃいそう。

 お外へ出ると、もう夜と呼んでいいほど暗くなっていました。
 規則正しく並んだ街路灯の周りだけが、明るく照らし出されています。
 私たちが立っているのは、池袋のビルほどではありませんが、ずいぶんと高いビルのふもとでした。

「この辺りはね、大きな病院と大学がいくつか集まっている一帯なの。それで最近出来たのがこのビル。上のほうはオフィス棟」
「だから、駅からほど近いのに、休日だとあまり人がいないのよ。落ち着いていて、いい感じでしょう?」
「春になると沿道の桜が満開になって綺麗なのよ」

 ビル敷地内の遊歩道に入るとお姉さまが歩調を緩め、のんびりしたお声でおっしゃいました。
 大きな建物を囲むように植えられた緑と綺麗な石畳、全面ガラス張りのカフェテラスや、時折置かれているクラシカルなベンチなど、確かに都会的な、オシャレな雰囲気に満ちていました。

「さすがに日が暮れると気温が若干下がるわね。少し風も出てきたし。直子は大丈夫?寒くない?」
 お姉さまが立ち止まり、私を振り返りました。
 私はさっきから、その風が気になって仕方ありませんでした。

 それほど強くはない風なのですが、素肌にゆったりめのワンピース一枚、それも裾がかなり短め、という心細いいでたちの私にとって、時たま裾をふんわり揺らしてくるその風に、気が気ではありませんでした。
 いくら暗くて人もまばらとは言え、駐車場を出てからここまで来るあいだ、4、5人の人たちとすれ違っていました。
 左手はお姉さまに握られているので、右手でお尻の右側を押さえながら、うつむきがちにびくびく歩いていました。
 もちろんからだはこの状況に、ドキドキウズウズ疼いているので、気温なんか感じている余裕もありません。

「だ、大丈夫です・・・」
 うつむいていた顔を上げ、お姉さまにお答えしました。
「そうみたいね。頬がピンクに上気しているもの。ノーパンノーブラに興奮しちゃっているのでしょう?」
「えっ?いえ、そんな・・・」
「そんなにモジモジしていると、却って悪目立ちするわよ?目立ちたくないのなら、普通にしていることね。ま、あたしはどっちでもいいけれど、注目されちゃうのは直子なのだから」
 お姉さまがイジワルクおっしゃってニッと笑い、再び前を向いて歩き始めました。

「着いたわ。あそこよ」
 ほどなくガラス張りのスーパー入口が、明るく光っているのが見えました。
 お洒落なスーパーとしてよくお名前を聞くチェーン店。
 想像していたよりも小さめっぽい。
 お外から見た限りでは、中に他のお買い物客の姿は見えません。

「駅ビルにもっと大きなスーパーもあるのだけれど、駅ビルは休日でも混んでいるからね。直子のノーパンノーブラショッピング・デビュー戦には、このくらいのお店でいいかな、と思ったの」
 おっしゃりながらお店に近づいていくお姉さま。
 
 足元がどんどん明るくなり、うつむいた目に自分の服装がどんどんクッキリ見えてきます。
 ふうわりふくらみ気味のワンピース、開いた胸元、短い裾から覗く生足。
「そのカートを押して、あたしの後を着いてきてね」
 入口前に並んだショッピングカートを指さすために、握っていたお姉さまの手が離れました。

「それから」
 自動ドアの手前で立ち止まったお姉さまが、振り向いておっしゃいました。
「お店に入ったら、あたしの言葉すべてに従うこと、でも、だって、は一切禁止。すぐにさくっと従って。モジモジしてヘンな動きをすると万引きとかを疑われて、もっとひどいめに遭うのは直子自身なのだから」
「こういうお店には監視カメラとか鏡とか、挙動をチェックする目がいっぱいあるのを忘れないで、あくまでも普通にお買物すること。わかった?」
 そのお姉さまの語気があまりに鋭かったので、びっくりしてすぐにお答え出来ませんでした。

「返事は?」
 苛立ったようなお声が追いかけてきました。
「はいっ!」
 その迫力に煽られて、うつむいていた背中がピシッと伸びました。

 お店の中は眩しいくらい明るく、左胸のシミがまだ乾ききっていないことを再確認しました。
 他にもワンピースのところどころに、シミっぽい痕が。
 そして、歩くたびに両胸の先端に突起が浮いては隠れしていることも。

「まずは、全体をざっと巡ってみて、何を作るか決めましょう」
 お姉さまは入口に近い一番端から、色とりどりの商品が左右に整然と並べられた川の字みたいなレイアウトの店内通路を、ゆっくりと歩き始めました。

「今夜は、どうせ帰ったらすぐ寝てしまうでしょうし、お手軽なものでいいわ。明日も昼過ぎまでは起きないつもりだから、食べるのはランチと夕食。最終日の夕食は外で食べましょう」
 歩きながらお姉さまが、少しヒソヒソ気味に語りかけてきます。

「連休終わったら、次いつ帰れるかわからないし、材料余らせて腐らせちゃってももったいないから、あまり手の込んだものはやめておいたほうが無難かもね」
「ワインは確か、開けてないのが一本あったな。調味料類はどうだったかな?」
「ま、余ったら直子が持って帰ればいいし、そんなに深刻に考えることも無いか」
「どう?何かいいメニュー、思いついた?」

 ところどころにある鏡やガラスに映る自分の首輪姿ばかり気になっていた私は、とてもそこまで気がまわりません。
 それでもなんとか頭を働かせ、口から出任せのご提案。
「それでしたらやっぱり、パスタとかサンドウィッチとか・・・あとはサラダや卵のお料理とか・・・」
「うん、いいわね。いつだったか直子がくれたサンドウィッチ、芥子バターにチーズとハムが挟んであったやつ、美味しかったもの。あとコールスロー、あれ作ってよ」
 ふぅ、なんとかごまかせたみたい。

 お外からは誰もいないように見えた売り場内には、それでも10名前後のお客様がお買物されていました。
 お年を召したご夫婦、OLさん風二人連れ、学生さん風男性おひとり客、ベビーカーを押した若奥様風・・・エトセトラエトセトラ。
 ジャズピアノ風のゆったりしたBGMが流れる中、そんな人たちのあいだを私とお姉さまは、まるで私のインモラルな首輪姿をお披露目しているみたいに、しずしずと歩き回りました。

 すべての川を巡り終えてたどり着いた、入口の側の一番奥まったところがお会計レジになっていました。
 そのとき、レジ周辺にお客様は皆無でした。
 みっつあるレジには、スーパーのレジ係さんにしてはお洒落な制服を召した奇麗な女性がおひとりづつ、曖昧な笑顔を浮かべて所在無げに、お客様の到来を待ち受けていたようでした。
 私たちがその場に姿を見せた途端、いらっしゃいませー、と奇麗なハーモニー。
 一斉にじっくりと注目されているのがわかりました。

 お姉さまは余裕たっぷりで会釈を返し、そのまま近くの飲み物類のコーナーに向かいました。
 私もあわてて追いかけます。
 レジ係のお三方すべての視線が、私の赤い首輪に集中しているように思えて仕方ありません。
 数秒後に、いらっしゃいませえー、と背後からお声が聞こえ、誰か他のお客様がレジに来たことがわかりました。
 レジに背中を向け、飲み物を選ぶお姉さまの背中を見つめつつ、早くこの場から逃れたくて、居ても立ってもいられませんでした。

 そんな私の気持ちも知らずお姉さまは、外国ビールのパックと白ワインを二本、じっくり選んでカートに入れ、ついでみたいな感じでお水とソフトドリンクの大きなペットボトルも2本、カートに入れました。
「さ、入口に戻って、今度は食材を選んでいきましょう」
 お姉さまのお声に弾かれたように、一刻も早くこの場を去るためにカートを押して先を行く私。
 お姉さまは、ゆっくりと後から着いてこられました。

 レジから離れた入口のところに戻って一安心。
 と思った途端に新しいお客様がご来店。
 私のドキドキは休まる暇がありません。

「そのワンピ、明るいところで見たらあちこち、シミだらけね」
 お姉さまが私の耳に唇を近づけ、ヒソヒソ教えてくださいました。
「お尻のところに、まあるくシミが広がっているの。まるでお漏らししたみたいに」

 えーーっ、と思わず大きな声をあげそうになって、あわてて口を押さえました。
「座っていたから乾くヒマがなかったのね。感じまくっていた直子の自業自得よ」
 からかい声のお姉さま。
 ということは、さっき私がレジ前で背中を向けていたとき、レジのお姉さんたちに、私のお漏らしシミのお尻をずっと誇らしげにお見せしていたんだ。
 私の中で何かがパチンと弾けた気がしました。

「さてとまず、野菜類ね。コールスローならキャベツとニンジン。あと、適当にサラダも欲しいから、レタスとキュウリ、タマネギも押さえておこうか」
 入口近くのお野菜と果物のコーナー。
 お姉さまがキャベツとレタスを見繕ってカートに入れました。
「キュウリとニンジンは直子に選ばせてあげる。直子が挿れたい太さのにしていいわよ」
 もうっ!イジワルなお姉さま。

 私が適当なのをカートに入れようとすると、
「あれ?そんなのでいいの?こっちのほうが太いわよ?」
 なんておっしゃるのです。
「バナナもいいわね。あら、そこにゴーヤもあるわよ」
「ゴーヤ、気持ち良かったのでしょう?直子言ってたじゃない。帰ったら料理する前にあたしにやって見せてね」

 矢継ぎ早の淫靡なお言葉たちにジワジワと翻弄され、私の理性はどんどん隅っこに追いやられつつありました。
 その代わりに頭の中を支配し始めたのは、欲情。
 ゴツゴツしたゴーヤを手にした途端、奥がキュンと疼き、雫が内腿を滑り落ちるのがわかりました。
 もはや風前の灯火な理性では、自分のはしたない欲情をコントロール出来ないところまできていました。

 公衆の面前で赤い首輪を着けて、裸の上に短いワンピース一枚の、見るからにマゾな私。
 辱められて悦ぶ私なのだから、こんな状況を作ってくださった最愛のお姉さまに、精一杯お応えしなければいけないんだ。
 私の首輪に、何人のお客様が気がついてくださったかな?
 あ、あの女、マゾなんだ、って蔑んでくれていたらいいな・・・
 そんな、被虐と恥辱の願望ばかりが、どんどんどん膨らんできていました。

 お野菜類を選んだ後は、サンドウィッチ用のパンを選び、卵のパックを選び、今夜のお夜食用の冷凍食品をいくつか選びました。
 移動するたびに何人かのお客様とすれ違います。
 チラチラとこちらに投げかけられてくる、見知らぬ人からの視線。
 ついさっきまでは、ひたすら恥ずかしいとしか感じられなかったその視線が、恥ずかしさと同時に、からだの奥を甘く切なく気持ち良く震わせてくるようになっていました。

 チーズの売り場に移動して、そのゲームは始まりました。
「さっき冷凍食品売り場で、あたしお気に入りのピザはどれでしょう、って直子に選ばせたとき、直子、当てられなかったわね?」
「あ、はい・・・ごめんなさい」
「それは、直子があたしのことを真剣にわかろうと思っていない証拠よ。悲しいことに」
「いえ、そんなことは決して・・・」
「ううん。そうに決まってる。だから今後は、間違えたら罰を与えることにした。さ、あたしの好きなチーズを選んで」
 厳しいお言葉とは裏腹に、薄く笑みを浮かべたお姉さまに促され、たくさん並んだチーズを真剣に見渡しました。

 私はゴーダが好きだけれど、お姉さまがさっき選んだピザはモッツァレラ、でも同じものでは飽きちゃうっておっしゃるかもしれないし・・・
 真剣に悩んで、一番一般的なチェダーチーズを指さしました。
「ぶー。何よ、さっきせっかく直子の作ったハムとチーズのサンドウィッチが美味しかった、って褒めてあげたのにさ。直子が使ったチーズは何?」
「ゴーダチーズです・・・」
「そう。あたしもゴーダが好きなの。ほら、それ取って」
 お姉さまがショーケースに並べられたゴーダチーズを指さしました。

 私の膝くらいの高さのショーケースから目的のものを取り出すには、前屈みにならなければなりません。
 私たちの背後では、社会人ぽいカップルさんが、まったりとジャム類の棚を眺めていました。
 もしも私が屈んだとき、その人たちが振り返ったら、突き出してせり上がったワンピースの裾から、お尻の中身まで覗けてしまうかもしれません。
 一瞬のうちにそう考えて、それもいいかも、とも考えたのですが、結局私は、両膝を軽く曲げ、しゃがむように素早く屈んでゴーダチーズを取り、カートに入れました。

「はい。それでおっけーよ。でも間違えたからペナルティひとつね。上からみっつめのボタンを外しなさい」
「えっ?」
「ここに入る前にあたしが言った忠告と言うか命令、忘れちゃった?でももだってもえっも無し。ほら、さっさとしなさい」
「・・・はい」
 
 右手を胸元に持っていき、素早くボタンを外しました。
 襟元が前よりも開き、膨らみの肌がより目立つようにりました。
 全身がキューッと火照りました。

「次はハムを選びましょう。ハム類は確か、こっちだったはず」
 お姉さまが歩き出そうとして、ふと立ち止まり、私の耳に唇を寄せてきました。
「それと、今度から前屈みになるときは、両膝を曲げるの禁止ね」
 耳の奥に熱い息をフーッと吹きかけられ、下の奥が盛大にヌルンと潤みました。


オートクチュールのはずなのに 08


2015年6月7日

オートクチュールのはずなのに 06

「四つん這いになった?なったら好きなだけ、剥き出しマゾマンコを虐めていいわよ。実況は忘れずにね」
 運転席の背もたれの向こう側から聞こえてくるお姉さまの冷静なお声に促され、右手をそろそろと股間に伸ばしました。
 そのときでした。

「あの、お姉さま・・・」
「何?」
「ローターが止まってしまったのですけれど・・・」

 乳首でイった後も、ずっと私の中でブルブル震えつづけていたリモコンローター。
 少し弱くなっているような感じはしていましたが、私が股間に右手を伸ばしたタイミングを見計らっていたかのように、プツンという感じで完全に止まってしまいました。
 ああんっ、またお姉さまお得意の焦らしプレイ、と思っていたら、返ってきたお答えは違っていました。

「ああ、たぶん電池切れでしょう。ずっと最強にしていたから、力尽きちゃったのよ。挿れててもオナニーの邪魔でしょうから、抜いちゃいっていいわよ」
「あ、はい・・・」
「あら、直子ったら、さすが露出狂ね。窓に向けてそんなにお尻突き上げちゃって。本当に誰かに剥き出しマゾマンコ見て欲しくてしょうがないのね?」
 ルームミラーで私の格好を確認されたのでしょう、お姉さまのからかうようなお声。

「え?いえ、これは違うんですぅ、たまたまこっち向きに・・・」
 あわてて腰を落とそうとシートに這いつくばってみますが、お尻の高さはそんなに変わらないみたい。
「ふーん。その自慢のマゾマンコからローター抜くところを、窓からみんなに見せたいからじゃないの?」
「そ、そんなことありません」
「まあいいわ。早く抜いちゃいなさい」

 下半身へと伸ばした右手でワレメから飛び出しているはずのアンテナ部分を探り当て、じわじわと引っ張りました。
「あうぅ」
 ローターの楕円が内側から、名残惜しそうに膣口を抉じ開けてきます。
 そのもどかしい感触で、知らずにまた、お尻が突き上がってしまいます。
「んんんぅっ」
 ヌルンという感じで、ローターが抜けました。

「抜いたらしゃぶってキレイにして、助手席に置きなさい」
「はい・・・」
 自分の愛液がベッタリついたローターを口に含みます。
 少し生臭くしょっぱ苦い味が口腔に広がります。
 んっぐぅ、じゅぶじゅぶ・・・

「どう?今日のマゾマンコ汁のお味は?」
「ふぁぃ、ひょっろ、ひょっふぁいれふぅ」
「あたしは好きよ、直子のマゾマンコ汁」
 お姉さまからの嬉しいお言葉!

 助手席で丸まっている黒ショーツの上にローターを置くと、お姉さまが尋ねてきました。
「直子のマゾマンコ、今、どうなってる?」
「はい・・・ヌルヌルに濡れて、すごく熱くなっています」
「そんなにサカっているなら、あの卑猥なクリットもパンパンに腫れているはずよね?ちょっと軽く弾いただけでも、きっとすぐでしょう?今度はクリちゃんだけでイってごらんなさい」
「はい・・・」

「はぁぅんっ!」
 シートとからだのあいだに右腕を潜らせて、股間へと伸ばしました。
 右手中指の腹が、その腫れた肉芽に触れただけで、全身を電流がつらぬき、腰全体がビクンと跳ねました。
 ガクンと崩れたお尻を再び精一杯突き上げて、手探りで人差し指と中指のあいだに突起物を挟みます。
「あうぅぅっ・・・ぅぅぅーんぅぅぅ」
 指を擦り合わせるように、挟んだおマメをグリグリ虐めます。
「あっ、あっ、いぃっ、あーっ」
 下半身全体がグングン熱くなって、奥がキュンキュン啼いているのがわかります。
「気持ち良さそうな声だこと。でもほら、実況は?」

「あぅ、はい・・・い、今、ク、クリトリスを虐めてますぅ・・・指で挟んで、引っ張るみたいに、ぐりぐりぐりぃ、って」
「すごく硬い・・・あぅっ、どんどん熱くなってますぅ、あ、いやっ、痛いっ、けど、もっと、もっと、もっとぉぉ」
「指がヌルヌルですぅ、気持ちいい、ぃぃ、ぃぃ、いぃぃーっ!」
「あっ、もうすぐぅ、いやっ、んぎゅっ、あっ、あっ、あっ・・・」
「つ、爪で、かりかり、あ、いやっ!だめ、あ、いたぃ、だめっ、あっ、あっ、いぃぃいくいくぅ・・」
「あん、ぃぃぃ・・・もうだめ、イきます、イっちゃいます、あ、いくいくいくいくいくいくぅぅぅぅ!!!」

 天井に届きそうなほど思い切り突き上げた腰全体が硬直したまま、ヒクヒク痙攣しているのがわかりました。
「はぁはぁはぁはぁ・・・」
 そんな腰がゆっくりと下がり始め、シートに突っ伏す格好になりました。

「ずいぶんあっさりイっちゃったのね?気持ち良かった?」
「はぁ、はぁ、はぃぃ・・・」
「だけど今度は、中を掻き回したくて仕方なくなっているでしょう?」
「はぁ、はぁ、な、なんでわかるのですかぁ?」
「なんでって、あたしがもう何回、直子のオナニーにつきあっていると思う?乳首とクリでからだに火を点けて、最後に中を滅茶苦茶掻き回して、ふかーく何度もイキまくる、っていうパターンなのよね、たいがい」
「だから、今その状態で行為を中断させられることが、一番辛い、っていうこともね」

 お姉さまのおっしゃる通りでした。
 クリ虐めで果てた後も私の右手は股間を離れず、ずっとラビアをもてあそんでいました。
 指先を中へ潜り込ませたくて仕方ありませんでした。

「でも残念なことに、あと5分も走ると高速出口なのよ。思っていたよりずいぶんスイスイ進んじゃった」
「一応降りるときには、ちゃんと座ってシートベルトをしていて欲しいわけ。白バイが出口付近で待ち構えていたりすることもあるらしいから」
「だからひとまずおあずけ。座り直してベルトしてくれる?」
「はい・・・」
 未練たらしく股間に右手をあてがったまま、両足をシートから下ろしました。

 窓の外はずいぶん暗くなっていました。
 運転席の真後ろに座り直すと、半分鏡と化した窓に私の顔が映りました。
 一際目立つ赤い首輪。
 そうだ、これを着けていたんだ、って久しぶりに思い出しました。

「ワンピだけ羽織ってもいいわよ。でも、直子が裸のままがいい、って言うのなら、強制はしないけれど」
「いえ、まさかそんな・・・」
 高速を降りたら一般道。
 いくら窓ガラスにスモークが施されているといっても、都会の街中を裸のまま後部座席に座りつづける度胸なんてあるはずがありません。

「もしも検問していて、後ろに首輪だけ着けた全裸の女が座っていたら、おまわりさんもビックリするでしょうね。あたしのペットです、って紹介しようかしら。人間ではなくてメス犬なんです。だから裸なんです、って」
 愉快そうなお姉さまのお声。
 と同時に車内が急に騒がしくなりました。

「直子のいやらしい喘ぎ声と熱気で、車内がなんだかねっとり蒸し暑くなっちゃったから、換気よ」
 運転席側の横の窓が半分くらい開いて、エンジン音や風を切る音が騒々しく車内になだれ込んできました。
 今更ながら、天下の公道を走っていることを思い出します。
 それなのに、私のこの格好・・・
 あわてて助手席に手を伸ばしました。

「下着は着けずに、ワンピだけ素肌に直にね!」
 車内が騒々しくなったので、お姉さまのお声も怒鳴るみたいになっています。
 助手席から手に取ったネイビーブルーのワンピースは、ちょうど左胸の下くらいに色が濃くなった大きなシミがついていました。
 私の愛液でグッショリ濡れたショーツを上に置いていたせいでした。

 右袖に腕を通そうとしたとき、私の側の窓もゆっくり開き始めました。
「後ろの席も換気してあげる。淫靡な臭いがこもっちゃってるでしょ?風が気持ちいいわよ」
 私の顔が映っていた窓がどんどん下がっていき、夕暮れのお外の景色がクッキリ見えてきました。
 ちょうどすぐ横を白いワゴン車が並走しています。

「いやんっ」
 まだ右袖だけしか通していなかった私は、焦って左腕をバタバタさせています。
 窓は全開となり、まだぜんぜん隠しきれていない剥き出しおっぱいに、お外からの乱暴な風がまとわりついてきます。

 白いワゴン車に目を向けると、あちらも窓にスモークが施されていて中はよく見えません。
 でも、後部座席に人がいるような気配・・・
 窓に背中を向け、ようやく両袖が通りボタンを留め始めたとき、両方の窓がスーッと閉じられ、車内に静寂が戻りました。

「さっき直子が外にお尻向けてクリオナニーしていたときにね」
 お姉さまが急に思い出したみたく、お話し始めました。
 私はワンピの前開きボタンを全部留めてシートベルトをし、運転席の後ろに大人しく座って、左胸下の派手なシミを気にしていました。

「すっと横を並走してくる車がいたの。着かず離れずっていう感じで。あれは、気がついていたと思うわ、この車の窓からお尻が覗いているの」
「あたしがスピードを少し落とすと、そっちも落としていたし。助手席か後部座席の人が気づいて運転手に指示したのでしょうね」
「窓越しに見た感じでは、学生っぽい若そうな子たち。助手席は派手めな女の子だった。その子はしっかりこちらを見ていたわ、後部座席にも人がいるのはわかったけれど、性別まではわからなかった」

「よかったわね直子、見てもらえて」
 お姉さまから投げかけられたそのお言葉に、奥が性懲りも無くキュンと疼きました。
 やっぱり誰かに視られちゃっていたんだ・・・

「そ、そんな・・・それで、その車は?」
 今更ながらの強烈な羞恥に全身がカーッと火照って仕方ありません。
「右側は追い越し車線だからね、いつまでも90キロくらいで走っていられないの。後ろの車に煽られて、スピード上げて離れていったわ」
「直子が四つん這いになって、ローター抜いて、クリット虐め始めたくらいまでかな、並走していたのは。残念ながらイクところまでは見られていないわね」

 お姉さまが、見て欲しくてしょうがないのね、って私をからかったとき、実際に本当に隣の車から視られていたんだ・・・
 そう思い当たって、居ても立ってもいられないほどからだが疼いてしまいます。

「並走されているの気がついたとき、後ろの窓を開けたい衝動を抑えるのが大変だったわ。窓越しじゃなくてライブで見せてあげたいじゃない?」
 冗談ぽくおっしゃるお姉さま。
「だけど窓開けたら、直子が怖がってオナニーやめちゃうと思ったから、がまんしたの。せっかくやる気マンマンなのに中断させたら可哀相だものね」
「その車は、ずいぶん先に行ってから左車線に移ってたわ。今もこのトラックの前にいるかもね」

 視線をフロントグラスに遣ると、お姉さまの車の前には、ずいぶん大きな箱型のトラックが視界を塞いでいました。
 右隣の車線には、追い越していく車が次から次へと、びゅんびゅん走り去っていきました。
 不意にカチカチという音がして、お姉さまの車がゆるやかな左カーブの側道へと逸れました。

 ずいぶん久しぶりの赤信号で停車した信号待ち。
 お外はもうすっかり日が暮れていました。
 歩道橋や行き交う歩行者、途切れることの無い車の流れ、遠くで瞬くネオンサイン。
 現実に戻ってしまった気がしました。
 そして窓ガラスに映る、赤い首輪を着けた女。
 日常的な風景の中で、その姿だけ明らかに浮いていました。

「さあ、もうひとっ走りで恋しい我が家だわ。でもその前にもうひと仕事しなくちゃ」
 お姉さまの心なしかリラックスされているようなお声。
「ちょっと一軒、寄っていくけれど、そこに着くまで直子は、自由にそこでオナニーのつづき、していていいわよ。そのワンピなら裾をちょっとめくれば、剥き出しマゾマンコを直に弄れるでしょ?」
「あ、いえ、それは・・・」

 周囲をひっきりなしに人や車が行き交うこんな状況で、そんなことが出来るほどの大胆さは持ち合わせていません。
「周囲も暗くなったし、バレやしないって。あ、バレたほうがいいのなら、窓開けてあげよっか?」
 イジワルっぽく尋ねてくるお姉さまがニクタラシイ。
「いえ、そ、それより、どこへお寄りになるのですか?」
「いいところ」

 走っては止まりをくりかえしていたお姉さまの車は、やがて大きなビルの駐車場に侵入しました。
「あの、ここは?」
「買い物よ。今、うちの冷蔵庫空っぽだもの。備蓄ゼロ。食料無しでこれから二日間、どうやって暮らすの?」
「それに直子は全裸家政婦なのだから、お料理もしてくれるのでしょう?」
「はい。そのつもりですけれど・・・あの、私も一緒に、お買い物についていくのでしょうか?」
「あたりまえじゃない。家政婦なのだもの、メニュー考えて、食材選んでくれなきゃ」
 駐車スペースに車を停め、エンジンを切ったお姉さまがこちらを振り向きました。

「この格好で、ですか?」
「そう」
「首輪も着けたまま?」
「もちろん」
 背筋を何かもどかしい感覚が、ゾクゾクっと駆け上りました。

「直子はこのへんに、誰か知り合いいる?」
「えっと、ここは飯田橋の辺ですか?」
「そう」
「それなら、たぶんいない、と思いますが・・・」
「ならいいじゃない。完全アウェーなのだから、少しくらい目立ったって、その場限りの行きずりなのだし」

「それに、これから行くスーパーは、輸入食材とかを扱っている、一般的にちょっとハイソって言われているお店で、普通のスーパーよりも客層がお上品なの。だから不躾にジロジロ見られたり、からかわれたりはしないと思うわ」
「たぶんみんな、怪訝そうな顔くらいはすると思うけれど、若い子のあいだで流行っているファッションなのかな、くらいにしか気にしないはずよ」
 無責任な楽観的推測をおっしゃるお姉さま。

「で、でも私、下着も着けていないですし・・・」
 やわらかなリネンのワンピースはボディコンシャスではなくゆったりめなので、ずっとというわけではありませんでしたが、おっぱいと布地が密着するたびに、そのネイビーブルーの布地にクッキリと乳首の形を浮き上がらさせ、ノーブラであることを主張してしまいます。

「ああ、そうだったわね。でも直子、そういうこと、一度やってみたかったのでしょう?」
「あ、あのえっと、それは・・・」
「だけどひとりでは出来ないから、ずっとがまんしていたって言ってたじゃない。今日は新しい扉を開くチャンスなのよ。せっかくあたしが一緒にいるのだから」
 お姉さまが真剣に、子供に諭すみたいにおっしゃいました。

「もしも不埒な輩が直子にちょっかい出してきたら、あたしがぶん殴って撃退してあげる。それは約束する。だから直子も勇気を出して、露出マゾとしての新しいステップに進むべきだと思う」
「今までだって、シーナさんや百合草女史と何回かそういうことしてきたのでしょう?それともあたしじゃ信頼出来ない?」

「いえっ!決してそんなことはないですっ!でも、スーパーみたいにたくさん人がいそうなところには、今までノーブラで出たこと無いから・・・」
「だからこそして欲しいのよ。あたしは直子のパートナーの中で、忘れられない一番になりたいと思っているの」
 お姉さまの真剣なまなざし、その瞳の中にはエスの炎が大きく燃え盛っているのがわかりました、に射すくめられ、私はコクリと頷く他はありませんでした。

 私の承諾に満足そうに微笑んだお姉さまの視線が、私の下半身に移りました。
「パンツはどうする?穿きたい?」
「はいっ、それはもちろん」
「ふーん。その黒いパンツって、けっこう目立っていたの、直子知らないでしょう?後部座席に乗ってきて座った途端、丸見えだったのよ」
「えーっ?」
「直子って、ミニスカ慣れしていないでしょう?だから足捌きとか隠し方がわかっていないのよね」

「たまほのは、たぶんそれにびっくりしていたの。そのワンピ、裾がちょっと上がると中身丸見えなんだもの。ルームミラーにもずーっと映ってた」
「たまほのがちょくちょく後ろを振り返っていたのも、きっとそれを確認するためだと思うわ。ヘアなのかパンツなのかわからなかったのじゃないかな?」

 ほのかさまが振り向くたびに、私の太腿をチラチラと見ていらっしゃったのは知っていたけれど、実はその奥まで目を凝らしていらっしゃったんだ・・・
 私のこと、どんな女だと思われたろう。
 今日何度目かもわからない、今更の羞恥に包まれました。

「ヘアが無い直子の場合、黒パンツなんか穿かないほうが、却って股間に注目がいかないような気もするのよね、肌色のまんまのほうが」
「これはあたしからの忠告だから、参考にしてね。それで直子に選ばせてあげる。パンツを穿くか穿かないか・・・」
 お姉さまがそこまでおっしゃってお言葉を区切り、イジワルそうにニッと笑いかけてきました。

「もしもパンツを穿きたいなら、ローターも挿れること。電池の予備はあるから。それでシャッフルをあたしが持ってショッピング」
「穿かないでいい、って言うなら、このまま車を降りるだけ。剥き出しマゾマンコ見せ放題。どっちがいい?」

 リモコンローター責めショッピングか、ノーパンノーブラショッピングか・・・
 どう考えてもリモコンローターのほうがリスクが大きい気がします。
 それでなくても、今までのドライブで私の中は、更なる刺激を欲してうねうね疼きっぱなしでした。
 そんなところに挿入されて、人がたくさん居るところで最強にされでもしたら、間違いなく思い切りはしたない声をあげてしまうことでしょう。
 ただノーパンなだけならば、自分が気をつけることで何とかなりそう。

「ノ、ノーパンで、いいです」
 ちっちゃな声でお姉さまに告げると、嬉しそうに微笑んだお姉さまは、何も答えず運転席のドアを勢い良く開きました。


オートクチュールのはずなのに 07


2015年5月24日

オートクチュールのはずなのに 05

 崩れる落ちるようにバックシートに倒れ込むと、自然と右手が胸元のボタンへ。
「あぁぁぅぅぅふぅぅ・・・」
 中を激しく震わせてくるローターの振動に急き立てられて、一刻も早くおっぱいをわしづかみたくてたまりません。
「んふぅぅぅ・・・」
 とりあえず座席に浅く腰掛けた体勢ではあるのですが、ボタンを外しながら上半身がくねくね身悶えてしまい、ズルズルと横座りで寝そべるような格好になってしまいます。

「こらこら。まだ寝そべっちゃ駄目。高速に入るまでは、ちゃんと座っていて」
 車を発進させたお姉さまのお叱り声と共に、ローターの振動が急に緩やかになりました。
 ああん、またおあずけ?お姉さまのイジワル、なんて思いましたが、上半身を直して窓の外に目を遣ると、すぐ横を他の車が並走していて、助手席の女性のお顔までハッキリと見えました。
 そう、ここは紛れも無く天下の往来。
 黒のショーツ全開で、だらしなく投げ出していた両脚を大慌てでピタッと閉じ、胸元を押さえて窓から顔を背けました。

「あたしの真後ろに座って、ちゃんとシートベルトもしていてね。来るとき、高速出口にパトカー止まっていたから念のため。高速の入口過ぎるまではね」
「あ、はい」
「高速に入っちゃったら、好きにしていいから。リアは横も後ろもスモーク貼ってあるし、これから暗くもなるし、まず大丈夫だと思うわ」
「わかりました」

「もうブラは取った?」
「あ、いえ、まだです」
「早く取っちゃいなさい」
 お姉さまに促され、すでにウエスト近くまでボタンを外していた胸元を開き、フロントホックを外しました。

「取ったら助手席に置いて」
「はい・・・はあぅっ!ぁふぅぅん」
 からだを助手席のほうに乗り出すと、右肩から斜めに掛けたシートベルトがはだけた右おっぱいを押し潰してきて、尖った乳首の側面をベルトのザラザラが直に擦りました。
「直子にかかったら、シートベルトも拘束具のひとつになっちゃうのね。呆れちゃう」
 お姉さまは、ルームミラーで後部座席の私の動向をチラチラ確認されているようです。

「そうそう、忘れていた。直子、あたしがあげた首輪は持ってきたわよね?」
「あ、はい。メールでご指定いただいたものは、全部持ってきましたけれど・・・」
「じゃあ、その首輪を着けて。リードはまだ付けなくていいから、首輪だけ」
「今、ここで、ですか?」
「そうよ。あたしは直子を連休中、家政婦、つまり使用人として雇ったのだもの。だから首輪は、雇い主に対して絶対服従な使用人としての、証、みたいなもの。それを着けたら直子は、あたしのしもべになるの」
 お姉さま、私を虐める気満々だ・・・
 すっごく嬉しくなって、自分のバッグをガサゴソします。

 でも、首輪を着けている最中、一気に不安になってきました。
 首輪を着けたまま、お外に出たことは、もちろん今まで一度もありませんでした。
 こんなアクセサリーを身に着けて出歩く女の子なんて、そうそうお目にかかれません。
 強いて言えば、ゴスロリ趣味の子とか、パンクとかヘビメタのバンドをやっている子、あとはコスプレの一環、そのくらいかな。
 今日の私の服装は、それのどれにも当てはまらないですから、首輪を着けたら違和感ありまくりでしょう。

 そして首輪という器具は、ある種の趣味嗜好を持つ人たちにとって共通の、とある性的イメージを象徴しています。
 それは、さっきお姉さまがおっしゃった通り、服従の証としての拘束具。
 ご主人様と奴隷、飼い主とペット、サディストとマゾヒスト。
 いずれの場合でも、後者が着けるべき装飾品として広く認知されているアイテムでした。

 数年前、白昼のデパートのティーラウンジで、シーナさまからワンちゃんの首輪そっくりなチョーカーを渡され、ここで着けなさい、とご命令されたとき。
 着けるそばからみるみる私の顔が、はしたないドマゾ顔に変わっていった、と呆れたシーナさまは、以降、人前での装着禁止を言い渡しました。
 そして事実、私はそれを着けたその場で、ショーツをたくさん濡らしていました。

 私にとって、人前で首輪を着ける、ということは、そういうことなのです。
 首輪を着けてお外を出歩くということは、私はマゾです、と、周りのみなさまに宣伝しながら歩いているようなもの。
 お姉さまのご命令で、これからその恥辱を味わうことになるんだ・・・
 ドキドキする不安感と、未知の被虐へのワクワク感を半々に感じつつ、赤い首輪を着け終えました。

「着けた?着けたらちょっと身を乗り出してみて。このミラーによく映るように」
 お姉さまが前を向いたままおっしゃいました。
「はい」
 上半身をミラーのほうへ寄せると、再びシートベルトが私のおっぱいを押し潰してきます。
「あふぅん・・・こ、これで、見えますか?」
「うわっ。首輪したら一段とサカっちゃったわね。いやらしい顔。どエムそのものじゃない」
 シーナさまと同じ感想をおっしゃるお姉さま。
 助手席にはまだ、私が外した黒いブラジャーが、所在なげにポツンと置いてありました。

「最初はね、車に乗せたらすぐに首輪させて、高速を使わずに下走ってゆっくり帰ろうと思っていたの」
 まっすぐ前を向いて運転しつつ、ミラー越しに私をチラチラ窺がいながら、お姉さまが教えてくださいました。

「助手席に乗せて、下半身だけ丸出しにさせて、直子のイキ顔を信号待ちの歩行者や対向車、あと、それこそ前の車のミラー越しとか、街中のみんなに愉しんでもらおうかな、って」
「おっぱい出しているわけじゃないから、ちょっと見じゃ気づかれないじゃない?窓から覗き込みでもしない限り、下半身は見えないだろうし」
「でも、ぜんぜん気づかれないのも面白くないって考えて思いついたの。首輪をしていれば、目を惹くでしょ?おや、なんだかあの子、おかしいぞ、って」
「それで、みんなの視線を惹きつけつつ、思う存分直子にオナってもらって、淫ら顔を飯田橋まで晒し者にしたかったのだけれど、たまほのを拾っちゃったから、作戦変更になっちゃった」

「拉致監禁、ていうキーワードから、裸で手足縛って目隠しに猿轡でトランクに放り込む、っていうのも考えたわ。本物の誘拐犯みたいにね」
「もちろん、ローターのスイッチは最強で入れっぱなし。直子は、窮屈なトランクでからだ丸めたまま身動き出来ず、情け容赦無く震えつづける快感に悶え苦しむの」
「でも、そうすると運転中はあたしひとりになっちゃうから、直子をイジれなくて、思うよりはつまんなさそうなのよね。それに、万が一検問とかひっかかってトランク開けなくちゃいけなくなったりしたら、えらく面倒くさいことになりそうだし」

 今のふたつのご提案を、自分の身で実行することを想像してみます。
 助手席での下半身裸オナニーと、トランクに全裸緊縛監禁。
 どちらも背筋がゾクッとするくらいスリリングで、怖いけれどぜひともやってみたいと思いました。
 いつか機会があるかな?
 それと同時に、ひとりでは絶対出来ない、そういうアソビを私のために考えてくださる、お姉さまと出逢えて本当に良かったと、心の底から思いました。

「ま、いずれにしてもこれからの3日間、直子はその首輪を着けて過ごすこと。それが全裸家政婦に許された唯一の制服よ。寝るときは外していいわ。それ以外は外しちゃだめ。首輪以外の衣服は、あたしの許可無しでは一切着せないから、そのつもりでね」
「・・・はい」
「そろそろ高速入口だわ。ベルト直して、一応ちゃんとしていて」
「はい」

 開けすぎた胸元のボタンを留め直しながら考えました。
 そう言えばお姉さまは、お休み中はほとんど、ひきこもり状態っておっしゃっていたっけ。
 ということは、外出しないでずっとお部屋の中でふたりきり、ということになるわけで、それならば首輪を着けつづけることなんて、まったくプレッシャーにはならなそう。
 なんだかそれも残念な気も少ししたのですが、ずいぶんホッとしたのは事実でした。

「ほら、高速に入ったわよ?好きにしていいのよ?」
 考えごとでボーっとしている私を煽るように、お姉さまの投げつけるようなお声が響きました。
「あ、はいっ!」
 ビクンと我に返って窓の外を見ると、薄暗くなり始めたお空と、びゅんびゅん飛び去っていく何本もの外灯が見えました。
 お姉さまは左寄りの車線を走っているので、窓のすぐ横を後ろから追いついてきた他の車が、瞬く間に追い越していきます。
 
 私、こんなところで今から、オナニーしようとしているんだ・・・
 後ろめたい罪悪感と背徳感は、それをしなくてはいけない、という被虐感へと姿を変え、蔑まれたいというマゾの恥辱願望が、どんどん昂ぶってきます。

「だけどさ、後部座席でコソコソグチュグチュやられても、何しているのか見えないあたしには退屈なだけだから、こうしない?」
 お姉さまのよく通るお声が、運転席の背もたれの向こうから聞こえてきました。
 流れていたモーツアルトのボリュームが少し下がっています。

「正直言って、さすがのあたしもけっこう疲れていて、運転しながら眠くなりそうなのね。だから、あたしの眠気を吹き飛ばすくらい、派手にやって欲しいのよ」
「これから直子は、自分のしていることをあたしに全部、言葉で説明しなくちゃいけない、っていうルールにしましょう。つまり、セルフ実況中継」
「ルームミラーに見入ることもできないあたしが、たやすく想像出来るくらい、こと細かに説明するのよ?それと、あたしの質問には正直に答えて、命令には絶対服従すること。いい?」
「は、はい・・・」
「おっけー、じゃあ始めて」
 そのお声と共に、ローターの振動が最強に跳ね上がりました。

「あぁふぅぅぅ・・・」
「早速いやらしい声。直子はこれから、何をしようとしているの?」
「あん、はいぃオナニーです」
「こんな走っている車の中で、オナニーしちゃうんだ?それってヘンタイじゃない?」
「あぁん、はい、直子はヘンタイなんですぅ」
 振動が高まったローターに私のからだも、みるみるうちに回転数が上がっていました

「なんかカサカサ音がしているけれど。今何しているの?」
「はい、ワンピースのボタンを外しています」
「ほら、だからそういうのはちゃんとわかるように実況しなきゃだめでしょう?」
「あ、はい。ごめんなさい。今、おへそのところまでボタンを外しました。襟元がはだけて、おっぱいが見えていますぅ」

「隣を車がびゅんびゅん通り過ぎるところで、おっぱい出しちゃっているんだ?恥ずかしくないの?」
「あぅぅ、恥ずかしいです。今、ボタンを全部外しました。ショーツまで全部見えちゃってますぅ」
「それなら、シートベルトしたままワンピースを脱ぎなさい」
「はい・・・あうぅ、あああんっ・・・脱ぎましたぁ。乳首がベルトに弾かれて気持ちいいですぅ・・・」

「乳首はどうなってる?」
「両方ともコリコリですぅ、んんん、ああん、硬いぃ、それに熱いですぅ」
「今、パンツ一丁ってことね?脱いだワンピも助手席に置きなさい」
「はいぃぃ、ああん、またベルトさまが、乳首を虐めてきますぅ、うぅぅぅ・・・」
「じゃあまず、おっぱい揉んで、おっぱいと乳首だけでイキなさい。直子ならイケるでしょ?ロータも入っているし。シートベルトに虐めてもらいなさい。ちゃんと実況するのよ」
「わかりましたぁ、やってみますぅ」

「ぁあん、えっと今、左手は左のおっぱいを掴んで、あうっ、むにゅむにゅ揉んで、右手はシートベルトの縁で右乳首をカリカリ虐めています。あうっ!いたぁいぃ」
「ベルトさまのギザギザがすごく気持ちいいですぅ、表面もザラザラしててぇ、ぁあん、もっと、もっと、ぁああんっ!」
「ベルトごと右おっぱいを掴んで揉んでいます。ああん、気持ちいいぃぃ」
「んふ、んふ、んふうぅぅ・・・おっぱいがジンジン熱いですぅ、ぁぁぁ、ローター気持ちいぃぃっ」
「あっ、あっ、あぁ・・・なんだかアソコの奥が、どくどく波打っているみたいです、もうすぐイケそうぅ・・・」

「はぁふぅ、乳首が伸びるぅ、いたぁい、でもきもちいいぃぃぃ、いっ、いっ、いぃぃぃl」
「乳首に爪立てて引っ張ってまぁすぅ・・・ううぅぅぅ、もっとぉ、つよくぅぅ・・・」
「本当は、お姉さまに噛んで欲しいんですぅ・・・直子のいやらしく尖った硬い乳首、噛み切るくらいに・・・ああん、いたぃ、いやあ、いたぁいぃ、ちぎれそぉー!でも、もっと、もっとぉぉぉ」
「あ、あ、あ、お姉さまぁ、ごめんなさいぃ、イっちゃいますぅぅ、あ、あ、あ、あ、あぁ、イキますイキますぅぅぅ・・・!!!」

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」

「本当に、おっぱいだけでイっちゃったみたいね。たいしたものだわ。でも、ずいぶん溜まっているみたいだから、まだまだイケるでしょ?ねえ、パンツはどうなっている?」
「はぁ、はあ、はぁ・・・パ、パンツは、あ、いえ、ショーツはもうグッショリですぅ、あぁん、冷たいぃ」
 股間に手を遣ることを許されて、あてがったら、愛液がベットリ。
 滴り落ちたおツユで、茶色いシートが黒ずむほどシミになっていました。

「ごめんなさいお姉さまぁ、シートを汚してしまいましたぁ」
「いいわよそんなの。気にしなくて。なんなら潮だって吹いちゃっていいから。車内が直子臭くなるなら大歓迎」
「ああん、お姉さま、私、ショーツも脱ぎたいです。脱いでもいいですかぁ?」
 窓の外がずいぶん暗くなったこともあり、私もずいぶん大胆になっていました。
 おっぱい虐めで味わった、ほぼひと月ぶりのオーガズムに、理性のタガの2、3本は、とっくに外れていました。

「なあに?ここでスッポンポンになっちゃうんだ?さすが全裸家政婦を自認するだけあるわね。いいわよ。脱いじゃいなさい」
「あ、でも、紐を解かないで、ずり落としなさい。そのほうが後々ラクだから」
「はぁい。ありがとうございますぅ」

 元々ローライズなのがシートに擦れ、一本の細い紐のようになっていたショーツを、座った姿勢で一気に足首までずり下げました。
 股間のワレメとクロッチとのあいだに、何本もの透明な糸が引いては切れました。
 クロッチ部分は、プールから上がったときみたいにグッショグショ。
 ショーツを足先から抜くときに、履いていたミュールも一緒に脱いじゃいました。
 これで私は、赤い首輪以外、一糸纏わぬ全裸です。
 脱いだショーツはご命令される前に、助手席に献上しました。

 走行中の車の中で全裸になっているという事実に、私のマゾ性が歓喜していました。
 もしもお姉さまが、高速降りてもそのままでいいわね、なんておっしゃったら、私は、お姉さまのお部屋にたどり着くまでずっと、全裸でいなければなりません。
 高速を降りたら、歩行者も行き交う一般道。
 その道中も、駐車場からお姉さまのお部屋までも、首輪のみ全裸のままかもしれません。
 そう考えただけで、マゾの被虐心が下半身を激しく疼かせます。
 もちろんそんなこと、絶対に出来ないのですが、心のどこかで、そんな非情なご命令さえ、待ち望んでいました。

「それじゃあ今度は、下半身でイってもらおうかな。早く弄りたくて仕方ないのでしょう?」
「はいぃ」
「何だっけ?直子のその、普通は生えているべきヘアさえわざわざ抜き去っちゃった、いつもよだれを垂らしている淫乱な箇所の名前は?」
「あの、えっと、性器です・・・女性器・・・」
「ずいぶんお上品なこと。でも直子のは、そんなお上品なものではないでしょう?今だってよだれダラダラのくせに」
「あぁんっ、ごめんなさい。オ、オマンコです・・・直子のよだれダラダラ、淫乱オマンコですぅ」
 
 こんなになっても私は、その言葉を誰かに向けて口にするとき、恥ずかしくてたまりません。
 一方で、その恥ずかしさに興奮しちゃう、別な私もいるのですけれど。

「よくそんなお下品な名称を大きな声で口に出来るものね。だけど、直子のだったら、それでもまだ上品過ぎるわ。オなんか付けちゃって生意気よ。そもそも御って、丁寧語や尊敬語の接頭辞だもの」
「あたしが直子にピッタリのお下品な名前を付けてあげる。うーんとそうね・・・」
 お姉さまがしばし長考。
 私はそのあいだ、股間のローターの振動に意識を集中していました。

「よし決めた!直子のソコはね、今日から、剥き出しマゾマンコ、に決定ね。あたしに聞かれたら、いつもそう答えること。わかった?」
「あ、はいっ!」
「言ってごらんなさい、直子の剥き出しマゾマンコ!」
「あぁん、直子の、剥き出し、マゾマンコ・・・」

 一言一句、実際に声に出すごとに、ゾクゾクッと背筋が震え、私のソコの呼び名にはピッタリな感じがしました。
 淫乱で、貪欲で、救いの無い私の万年発情女性器。
 パイパンにしたのは、へアで隠さずじっくり視ていただきたいためだし、はしたないクリトリスはすぐ剥き出しになっちゃうし、ピッタリすぎ。
 頭の中で、その呼び名を反芻するだけでイっちゃいそう。

「ああん、お姉さま、ありがとうございます。直子は自分の性器を、これからずっと、直子の剥き出しマゾマンコって呼ぶことを誓います」
「あら?気に入っちゃったの?そんなの恥ずかしくて言えませーん、みたいなリアクションを期待していたのに」
「いえ、お姉さまがおっしゃる通り、直子のは、どうしようもないマゾマンコですから。今だって弄りたくて仕方ないんです。お姉さま、直子の剥き出しマゾマンコ、弄ってもいいですか?」
 理性が薄れた私は、お下品な言葉、恥ずかしい科白をワザと自虐的に口にする快感に酔っていました。

「仕方ないわね。そうなっちゃった直子は行き着くところまで行くしかないものね。今半分くらいまで来たから、高速はあと残り20分位かな?何回イケるか、がんばりなさい」
「そうだ!せっかく首輪しているのだから、シートベルト外して、シートに四つん這いになっちゃいなさいよ。全裸のお尻突き上げて、メス犬みたいにイキなさい」
「わかりました。きっとシートを汚してしまいますけれど・・・」
「だから、それはいいから。さっさとメス犬になりなさい」
「はい」

 シートベルトをはずし、後部座席に両膝を乗せ、四つん這いになりました。
 顔を助手席のほうに向けたので、今まで私の頭が見えていた窓から、今度は剥き出しのお尻が覗いていると思います。
 そのすぐ横を他の車が追い越して行っているはず。
 喩えようの無い甘美な恥辱感が、全身を覆いました。


オートクチュールのはずなのに 06