2015年4月5日

面接ごっこは窓際で 08

 お姉さまのおみあしを丁寧にお拭きした後、同じタオルで自分のからだを拭き始めました。
 テグスで絞られている敏感乳首がタオル地のザラッとした感触に擦れて性懲りも無く、いっそう硬く大きく、尖ってしまいます。

「拭き終わったらタオルちょうだい。持って帰って洗濯しておくから」
 お姉さまが窓辺のロールカーテンを降ろしながらおっしゃいました。
「あ、はい」
「もう11時過ぎていたのね。すっかり長居しちゃった。さくっと後片付けして帰りましょう」
 床やテーブルの上に視線を走らせるお姉さま。
 そこかしこに私のはしたない水溜りが残っていました。

「掃除用具を取ってこなくちゃ。ついてきて」
 お返ししたタオルを手にツカツカとお部屋の出口へ向かうお姉さまを、あわてて追いました。
 
 ドアを開けると、デスクやOA機器が整然と並ぶ明るく健全なオフィス。
 その日常的な光景を目にした途端、そんな場所で裸になっている自分の非常識さに、今更ながら立ち眩みしそうなほどの羞恥が襲い掛かってきました。

「あの、お姉さ、あ、いえ、チーフ・・・私、本当にこのまま、廊下に出なくてはいけないのですか?」
 水道やおトイレといった水周りは、オフィス外にある、というお話でした。
「最初に言ったじゃない?いくら汚してもいい代わりに、あなたが裸で用具を取ってくるのよ、って」
「はい。それはそうなのですけれど・・・でも、だいじょうぶ・・・なのですか?」

「種明かししちゃうと、ここのフロアって、うち以外どこも暇そうなの。平日でも人をあまり見かけないくらい」
「夕方の六時過ぎにはどこも電気が消えているし、土日祝日に誰か来ているの、見たことない。まるでお役所仕事」
「それでちゃんとお給料貰えるなら、羨ましい限りよね」
「だから100パーセント、今このフロアにはあたしたちしかいないって断言できるわ」
 お姉さまがなんだかフクザツそうに笑って、つづけました。

「まあ、リスクが無い分、スリルも無いけれどね。でも、このビルのフロアを真っ裸で歩くなんて、そうそう経験出来るものではないでしょう?」
「嬉しいのではなくて?露出狂ヘンタイマゾの森下直子さんにとっては」

 確かに今の種明かしを聞いて、やってみたい気持ちがグングン膨らんでいました。
 だけど、これだけお膳立てを整えていただいてもまだ一抹の不安を感じて、尻込みしてしまうのが私の臆病者たる所以です。

「でも、ひょっとしたら監視カメラとか、えっと防犯カメラかな、そんなようなのが廊下に設置されていたり・・・」
 オフィスの壁際に置かれたクロゼットみたいのを開けてゴソゴソやっていたお姉さまの動きが、ピタッと止まりました。

「それは一理あるわね。ここのセキュリティ、凄いから。一階に警備センターがあるのよ。監視モニターがずらっと並んだ」
 お姉さまが振り返りました。
「あそこに乳首からチェーンを垂らしただけの全裸の女が映ったりしたら、大騒ぎになりそうね」
 お姉さまったら、すっごく愉しそうなお顔。

「だけどやっぱり、めんどくさいことになったら困るから、一応何か一枚羽織って行くのが無難かな。何かあったかしら?」
 クロゼットに向き直ったお姉さまが、少しのあいだ中を物色されてから、扉を閉じました。

「ここには普通ぽい服しか入っていないわ。そんなのわざわざ着るのもつまんないし」
「それでしたら、あの、さっきまで着ていたニットワンピを・・・」
「あれはだめよ。持って帰って、直子専用にギリギリまで裾上げして、超ヘンタイエロワンピに魔改造するのだもの。もうあたしのバッグの中にしまっちゃったわ」
「えっ!?」
 そうなると私は、一体どんな姿でお家まで帰ることになるのでしょう・・・

「あ、なんだ。これでいいじゃない。とりあえずこれ巻いておきなさい」
 お姉さまが差し出してきたのは、さっきからだを拭いたキャラクター柄のバスタオルでした。
「これ、ですか?」
「そう。直子のいやらしいおツユがいっぱいしみ込んだバスタオル。あ。あたしのもついてるか」

 手渡された、全体にじっとり湿ったバスタオルを広げ、両腋の下から巻き付けました。
「お風呂上りみたいで、何かヘンじゃないですか?」
「ううん。ばっちりよ。監視カメラなんて、たいして画質良くないはずだし、きっとベアトップのワンピでも着ているみたいに見えるはずよ」
「夏場なら、うちにはもっとキワドいファッションでキメたモデルの子とか来ているからね。今までそれでビル管理側から何か言われたこともないわけだし」
「さ、行きましょう」
 数枚の新しいタオルをビニールの大きなショッパーに詰めて肩に提げたお姉さまが、私の右手を取りました。

 フロアの廊下にも煌々と電気が点いていました。
「ここって24時間、出入り出来るのですか?」
「それはそうよ、会社だもの。仕事したいときにオフィスに入れなかったら仕事にならないじゃない」
「電気代が大変ですね?」
「ああ、そういう意味ね。このフロア内にどこのオフィスの社員が残っているのか、ということは、さっきエレベーターでかざしたカードで警備センターに把握されているの。オフィスに入るときもかざしたでしょ」
「だから、その社員が帰ってオフィスが施錠されない限りは、周辺の通路にも電気が点いているっていうわけ」

 オフィスの出入り口からおトイレらしき一画までは、すぐでした。
 20歩も歩かないくらい。
 お風呂上りみたいなバスタオル一枚の裸足で、近代的なビルの明るく照らされたリノリュームをぺたぺた歩いていると、自分が何かとんでもない事件、たとえば誘拐とか人質とか、に巻き込まれて、犯人に無理矢理着衣を奪われ、従わされているような妄想が浮かび、ゾクゾクと興奮してしまいました。

「まずトイレ入って、もう一度かからだを拭いたほうがいいわね。タオル濡らして」
 お姉さまが女子トイレのドアを押しました。

「はい。このタオル濡らして拭いて。ブラシもあるから髪の毛もちゃんと直しなさい」
 ショッピングモールにあるのと同じくらい、いえ、それ以上に清潔でゴージャスな広いおトイレに唖然としている私を、洗面台と言うよりパウダールームと呼ぶべき大きな鏡の前に立たせたお姉さまは、当然のようにスルッと、私のバスタオルを剥ぎ取りました。
「ああん、いやんっ」

 大きなチャームをぶら下げて恥ずかしく尖りきった私の乳首を、曇りひとつ無いピカピカな鏡面が生々しく映し出しました。
「ここには絶対、監視カメラなんてあるはずないからね。もしあったら、それは別の意味で大問題だわ」
 ニヤニヤ笑いのお姉さまが、鏡の中の私をじっと見つめてきます。
「直子の裸って、本当にエロいわよね。またいたずらしたくなっちゃうけれど、そうやってると、いつまでたっても帰れないから、残念だけれど早く終わらせちゃいましょう。からだ拭いちゃって」

 鏡に映った全裸にチェーンだけ垂らした私と、ブラウスにタイトスカート姿のお姉さま。
 水道からお水を流してタオルを濡らし、おのおの顔やからだを拭き始めました

「そっちの乾いたタオルも使っていいからね。使い終わったらそのショッパーに入れといて。持って帰って洗濯してくるから」
「あ、そんなの私がやります。私が持って帰りますから」
「そう?なら頼んじゃおうかな。直子の家のほうがここから近いしね」
 お顔を洗い、髪を直し、おみあしも拭き終わったお姉さまがそうおっしゃって、それから少し思案顔。

「ああ、やっぱりもう我慢出来ない!」
 お姉さまがイヤイヤするみたいにお顔を振りながら突然おっしゃいました。
「えっ?どうされたのですか?」
 ひょっとして、私へのいたずらが我慢出来なくなったのかも、なんてえっちな期待を込めてお尋ねしました。

「さっきからずっとモヤモヤしていたのよ。ほら、あたしのパンツ、濡れたままじゃない?」
 お姉さまが眉をしかめて、本当にイヤそうなご様子でおっしゃいました。
「歩くと内股にまとわりついちゃって、本当に気持ち悪いの。おまけに直子にクロッチの脇から手を入れられたおかげで伸びちゃってるみたいだし」
「いっそ脱いじゃったほうがスッキリしそう。ノーパンになっちゃうけれど、真っ裸の直子よりはマシよね」
 おっしゃるなり、タイトスカートの裾を少しズリ上げ、両手でスルスルッと黒いショーツを下ろされました。

「うわー、ベットベトのよれよれ。これもみんな直子のせいなんだからね」
 サイド部分を右手の指先でつままれ、私の目前にぶら下げられた黒くて小さな布片。
「もう捨てちゃうしかないかな?気に入ってたんだけどなあ」
 お姉さまが薄く笑いながら私の顔の前で、その黒い布片をぶらぶら揺らしました。

「だめです!もったいないです。私がお洗濯してきます」
 ねこさんが目の前でねこじゃらしを振られたみたいに、反射的に手が出て、その布片を掴んでいました。
 クロッチのところをもろに掴んだので、手のひらがべっとり濡れました。

「うふふ。そんなこと言って、家に帰ったらあたしのパンツをおかずにしてまたオナニーする気でしょう?」
 お姉さまのショーツをそそくさとショッパーに仕舞い込む私の背中に、お姉さまのからかうようなお声が突き刺さりました。
 私はみるみる全身がカァーッ。

「ほんと直子って面白い。いいわ。お洗濯、頼んだわよ。ビデで洗ってくる」
 お姉さまが個室に向かいます。
「あ、それなら私も」
「あら直子、オシッコ?」
「はい」
「だったら、し終わったらラビアクリップも着け直しなさい。やっぱり3本繋がっていたほうがエレガントだもの」
「・・・はい」

 お姉さまとお隣同士の個室に篭り、まずはオシッコ。
 垂れ下がっているチェーンにかからないように手で持っていると、強く引っぱりたい衝動に駆られますが、じっと我慢。
 終わったらビデで洗浄、温風で乾燥。
 テグスに絞られたクリットをも温風が激しく撫ぜて、いつまででも浴びていたいほど。

 それから、便座に腰掛けたまま両脚をより大きく広げました。
 お姉さまからのお言いつけを守らなければなりません。

 股間を覗き込むと、表面はすっかり乾いたスジが楕円形にパックリ割れていました。
 中は相変わらずヌルヌル潤って、爆ぜた石榴みたい。
 最初にお姉さまが着けてくださった箇所と同じビラビラを指でつまみ、イヤーカフのような形状のラビアクリップに噛ませました。
「はうっ!」
 忘れかけていた疼痛がよみがえり、思わず声が出てしまいました。

「こら直子!中でヘンなことしているんじゃないでしょうね?」
 一足早く個室からお出になっていたお姉さまのお声が、私の個室のドア越しに聞こえてきました。
「あ、いえ、今、ラビアクリップを・・・」
「ああ。そうだったの。あたし、給湯室行ってバケツとモップ取ってくるから、戻るまで待ってて。クリップ着けたら余計なことしてないで、早く出てくるのよ」
「はーい」
 足音が遠ざかり、やがてバタンという音が聞こえました。

 ラビアクリップを左右着け終えると、体温が数度、上がった気がしました。
 ムラムラが懲りもせず盛大に込み上げてきました。
 大開脚したまま温風を当ててみます。
「はうんっ!」
 勢いのある温風がラビアに噛み付いたクリップとチェーンを揺らし、剥き出しの粘膜の奥まで風に煽られます。
「んんーっ」
 風がやんだとき、開いた粘膜から一滴、粘性の雫が糸を引いて便器の水溜りに落下し、水面にピチョンと波紋を広げました。

 個室から出ても、お姉さまはまだ戻られていませんでした。
 鏡の前で手を洗い、自分のからだを映してみます。
 鏡から2メートルくらい離れると下半身まで映りました。

 両乳首にチャーム、アソコのスジの中へ消えていく3本のチェーン。
 身に着けているものはそれだけ。
 昨日まで来たことも無かったオフィスビルのトイレに、ひとりぼっちで全裸の私。

 このままお姉さまが戻って来られなかったらどうしよう・・・
 そんな不安がふと頭をよぎります。
 放置プレイ・・・
 鏡の中の自分をじっと見つめていたら、無意識のうちに両手が動き、頭の後ろに組んでいました。

「あら、また鏡に見惚れていたの?森下ナルシス直子さん」
 このままここに放置されて出るに出られず、夜が明けてたまたま出社した他の会社のお局OLさまに発見され、根掘り葉掘りねちっこく言葉責めされる妄想は、お姉さまのその呼びかけで途切れました。

「あ、いえ、そんなんじゃ・・・」
 ポーズは崩さずにお姉さまのほうへ向きました。
 お姉さまは、片手に青いバケツ、もう片方にモップを持っていらっしゃいました。

「うわ。直子、あなた、また発情しちゃってるでしょ?顔に大きくマゾって書いてある。さてはまた、何かいやらしいことしていたわね?」
「あの、いえ、ちょっと妄想が・・・」
「へー。どんな?」

「あの、私がここに放置されて、知らない女性にみつけられて虐められるっていう・・・」
「呆れた。直子、そういうふうにして欲しいの?お望みならばしてあげるよ?」
「いえ、あくまでも妄想ですから。現実になったら怖過ぎます・・・」
「それで、その妄想のお相手は誰だったの?あたしの知っている人?」
「いいえ。ご中年のおばさまで・・・」

 そのとき思い浮かべたのは、大学一年の秋、初めて裸コートをした勢いで調子に乗り、お浣腸のお薬を対面で買う、という課題を自分に課して訪れた薬局のお優しげなおばさまとやりとりしているとき、お客様として来られた水商売らしきおばさまでした。
 そのおばさまは、なんて言うか、何でも見透かしているふうで、そのときも、私が裸コートなことにたぶん気づかれてしまった、と思わされたのでした。
 その印象が強烈だったので、それ以降も、被虐的な妄想に耽るときの一番非情な女性、言わばラスボスとして、頻繁にご登場いただいていました。

「ふうん。裸コートの話は聞いていたけれど、その薬局での話は初耳だわ」
「そうだと思います。今まで誰にもお話したことないですから。シーナさまにも」
「そうなんだ?百合草女史にも?」
 私の白状を聞いて、シーナさまにもお教えしなかったお話と知って、お姉さまが俄然、興味を持たれたようでした。

「・・・はい」
「なんで?」
「あの、えっと、何て言うか、シーナさまにお話したら、すぐにもう一度その薬局さんに連れて行かれると思ったので・・・」
「あの人ならそうするでしょうね。だから言わなかったんだ?それなら今度、あたしと行こうか?」
「あ、えっと・・・」
「うふふ。冗談よ。直子って、そんな感じでまだまだ自分の胸だけにしまっている秘密がありそうね」
 お姉さま、なんだか愉しそう。

「それに、今の話を聞いて直子ってやっぱり、心の奥底でもっともっと絶望的な、破滅的な状況を欲しているみたいにも感じたわ。取り返しのつかない事態に陥りたい、滅茶苦茶になってみたい、みたいな」
 私の目をじーっと覗き込んでくるお姉さま。

「あの、えっと、それは・・・」
「まあ、とりあえずあたしは、直子が百合草女史やシーナさんからされたことの記憶を、あたしの手でひとつひとつ丹念に上書きすることが当面の目標なの」
「縛られたり、鞭打たれたり、浣腸されたり、人前で裸になったり、そういうときに真っ先に思い出すのがあたしの顔になるように、直子を変えていくつもり」
「そうしているうちに、やがて直子が心の奥底で望んでいるような状況にもたどりつくはずだから、直子は安心して、ずっとあたしのそばにくっついていなさい」

 それって、いつかお姉さまが私を滅茶苦茶にするおつもり、ということなのでしょうか・・・
 お姉さまが淡く微笑みながら右腕を伸ばし、5点留めチェーンをクイッと引っぱりました。
「ああんっ、お姉さまぁぁ!」

「ま、それはそれとして、早く掃除しちゃいましょう。直子は重いけれどそれを持って」
 床に置かれた、お水をなみなみとたたえた青いバケツを指さしました。
 もう少しチェーンで虐められることを期待していた私は、渋々ショッパーを覗き込み、バスタオルを引っ張り出そうとしました。

「ううん。バスタオルはいらないわ。そのままオフィスに戻るの」
「えっ?でも・・・」
「さっき給湯室に行きがてら、監視カメラがあるかどうか、フロアをじっくり見てきたのよ」
 お姉さまがショッパーに突っ込んだ私の手を取って戻し、つづけました。

「結論から言うと、カメラがあるのはエレベーターホールと避難階段入口の二箇所だけ。ここからオフィスまで戻るだけなら映らないの」
「だから直子は、その破廉恥な格好でフロアを歩き回ってもぜんぜん大丈夫だったのよ」
 ニコッと微笑むお姉さま。
 右手でモップの柄を掴み、左手に使用済みタオル類の詰まったショッパーを持ちました。

「バケツ持ってね。さあ行きましょうか、露出狂ヘンタイマゾの森下直子さん?」
 お姉さまがおトイレのドアを勢い良く開けました。


面接ごっこは窓際で 09


2015年3月29日

面接ごっこは窓際で 07

 テーブルの上で横座りにへたりこみ、はあはあと肩を上下させている私。
 焦らしに焦らされた見返りは、めくるめく強烈なエクスタシーでした。

 テグスで絞られて敏感になり過ぎた3箇所の突起は、少し触れただけでもその瞬間に快感が全身を駆け巡り、からだ中の細胞が溶けて流れ出してしまいそうなほどの恍惚感。
 だからこそ、より強く、より激しく、より痛く。
 どんなに嬲っても淫らな悲鳴しかあげない貪欲なからだを夢中で甚振りつづけ、つづけざまに何度も何度も甘美な絶頂を味わいました。

 早鐘のようだった鼓動がようやく収まり、伏せていた顔を上げてみました。
 乳首とクリトリスを繋いでいるチェーンは、はずれずにそのまま私のからだを飾っていました。
 充血が落ち着いたからでしょう、3箇所ともテグスの絞る力が弱まっている気がしました。
 ラビアを抉じ開けていたクリップは、いつのまにかふたつともはずれ、だらしなくぶら下がっていました。
 テーブル上の私が腰を着けていた一帯が、粘性の液体でヌルヌルに濡れていました。

「いい写真が撮れたわよ」
 傍らにいらしていたお姉さまが、私の鼻先に履歴書を突きつけてきました
「ほら、いい顔でしょ?これこそ本当の、あなたらしい表情よね?」
 履歴書の写真の欄、リクルートスーツで心細そうな顔をした自分の写真が貼ってある場所のその上に、本来の写真を覆い隠すように、一枚のチェキがペーパークリップで留めてありました。

 眉間に悩ましくシワを寄せ、顎が上がってのけぞり気味な私の顔のどアップ。
 両目とも大きく見開かれ、半開きになった唇の端からはよだれが一筋垂れています。
 汗ばんだ額や頬に髪がまばらにへばりつき、顔全体が興奮で紅潮しています。
 荒くしているであろう鼻息、喉の奥から洩れているはずの喘ぎ声まで今にも聞こえてきそうなほど、生々しい写真でした。
 自分がイッている、まさにその最中の顔だということが一目でわかりました。

「何度目かにあなたが、イっちゃぅー、って叫んだときのものよ。これがベストショットね」
「どう?この表情。えっちとかすけべなんて次元はとっくに通り越して、まさに淫乱、卑猥そのものって感じよね」
 愉快そうにおっしゃりながら、私の顔を覗き込んでくるお姉さま。

 お姉さまと視線を合わせると、お姉さまの.瞳が爛々と輝いているのがわかりました。
 その妖しい輝きの意味を、まだ数回だけのお姉さまとの逢瀬でしたが、私はすでに理解していました。
 お姉さまも発情されている。
 ご自分の昂ぶりを発散したがっていらっしゃる。
 あたしも気持ち良くしなさいとご命令されている。

「これで履歴書も完璧。今の面接で、あなたがどんな女性なのかも充分わかったし、おーけーよ。あなた、採用してあげる」
 高飛車におっしゃて、お部屋の入口ドア近くまでゆっくり歩いていかれました。
 そこに置かれている、パソコンの大きなモニターが設置された立派なデスクの上に私の履歴書を置き、再び私が横たわるテーブルの傍らへ優雅な足取りで戻ってこられたお姉さま。
 私を見下ろして、お言葉をつづけました。
「最後に、あたしへの絶対の忠誠心を示してくれる?あたしのため、そして会社のためなら何でもやります、っていう覚悟のほど、みたいなのをね」

 唇の端だけで微笑んだお姉さまは、それまで座っていた椅子をテーブルから離すように後方へ移動させてから、その椅子にストンと腰を下ろされました。
 それから右脚だけ軽く跳ね上げ、ベージュのストッキングを優雅に脱ぎ始めました。
 濃茶のタイトスカートが割れて、お姉さまの股間が覗けそう。
 テグスの締め付けもさほど感じられないくらい大人しくなっていた私の3箇所に血流が戻り、テグスが突起に食い込み始めるのがわかりました。

 右脚のストッキングだけ脱ぎ去ったお姉さまは、そのスラッとした生美脚をまっすぐ私に向けてきました。
 左脚は床に下ろしたまま右脚だけを伸ばしているので、タイトスカートの奥の黒っぽい下着までうっすら見えていました。

「舐めなさい」
 足先を私に向けたままでの、はっきりとしたご命令口調。
「そこから降りて、床にひざまづいて、あたしの足をあなたの舌でキレイにしなさい」
 抑えたような低い声音のご命令に、私のマゾ性がゾクゾクっと完全復活しました。

「は、はいっ!よろこんで、精一杯ご奉仕させていただきます」
 あわてて上体を起こすと、乳首からぶら下がったチャームふたつが大げさに揺れ、じれったい疼痛がぶり返してきます。
 テーブルの端まで裸のお尻を滑らせて、慎重に床に降り立ちました。

 正座するようにお姉さまの足元にひざまずくと、お姉さまは私の口元まで、足先を下げてくださいました。
 目の前に突き出されたお姉さまの右足の親指に、口を大きく開けてむしゃぶりつきました。

 最初は少し酸っぱいような味が口中に広がり、すぐにしょっぱく感じるようになって、やがて甘くなりました。
 お姉さまの右足首に軽く手を添えて、親指から小指まで一本一本丁寧に頬張ります。
じゅる、じゅる、じゅる。
 ひと通りしゃぶり終えてから、今度は足の裏、踵、爪、足の甲まで、よだれを滴らせては舌でベロベロと舐め上げました。

 ご奉仕しながら目線を上げると、お姉さまはうっとり、気持ち良さそうに目を閉じていらっしゃいました。
 最初はピンと一直線に伸ばしていらしたおみあしも、私に足首を取られて膝が大きく折れています。
 その結果、タイトスカートの裾が腰のほうへとせり上がり、スカートの奥がハッキリ見えていました。
 私はもちろんご奉仕の舌は止めずに舐めまわしながら、お姉さまのスカートの奥に目を凝らしました。
 一見して分かるほど、黒いショーツのシースルーっぽい薄い布地が、肌に貼り付くようにベッタリと濡れていました。

「そのくらいでいいわ」
 お姉さまのその部分に、今すぐにでも手を伸ばしたい欲求と必死に戦っていた私の頭上から、お声が降ってきました。
「一度やってみたかったのよね、ひざまづいて足をお舐め、って。気持ち良かった」
「最後にあたしの右脚、好きなだけ貸してあげるわ。今日の面接で頑張ったご褒美よ。そこにしゃがみなさい」
 お姉さまの右足がクイクイっと、手招きならぬ足招きをしました。

 正座を解き、両足裏を床に着けてしゃがみました。
「もう少し前に来なさい。そう。それと両膝は思い切り広げておきなさい。あなたのご自慢のパイパン性器を見せびらかすみたいにね」
 右脚をぶらぶらさせて、からかうようにおっしゃるお姉さま。

「あら、ラビアチェーンは両方ともはずれちゃったんだ」
「あ、着け直したほうがよいですか?」
 しゃがむと同時に両手を後頭部で組んでしまう、根っからマゾな私。
「ううん。そのままでいいわ」
 おっしゃりながら、しゃがんだ私の股間と床とのあいだの20センチくらいの空間に、お姉さまの右足が侵入してきました。

「はぁうっ!」
 不意にお姉さまの足の甲が、私の股間にペタンと押し付けられました。
「うわ、熱い。それにヌルヌル。あなた、さっきあれだけイったのに、もうこんなに復活していたんだ。呆れた」
 お姉さまが足の甲で私の股間を軽く蹴り上げるみたいに、グイグイと圧し着けてきます。
 爪先が私のアナルの辺り、そして足の甲から足首までで私の性器全体を包み込むみたいに密着させ、小刻みに擦り付けてきます。
「あんっ、あんっ、あんっ」
 気持ち良さに堪えきれなくなった私は、後頭部の両手を解いて床に後ろ手を突き、下半身をグッと突き出す形になりました。

「ああぁーーっ!」
 股間に密着していた足がいったん引き、今度は私の膣穴めがけて、爪先が進入して来ました。
「ほら、あたしの足であなたの性器を犯してあげる。直子がジュルジュルしゃぶってキレイにしてくれた、あたしの足の指でね」
 お姉さまの足の親指から中指くらいまでが、私のアソコにズブリと挿さっています。

「直子の淫乱マンコでも、さすがに足の指全部は咥え込めないみたいね」
 わざとイジワルくお下品におっしゃって、足先を乱暴にぎゅうぎゅう押し込んでくるお姉さま。
「あ、いいっ、もっと、もっとぉ」
「ヌルヌルのジュブジュブね。ほら、直子も自分で腰動かして、もっと気持ち良くなれるように工夫なさい」
「はいぃ、あんっ、そこそこそこぉ」

 お姉さまの足先をもっと深く迎え挿れようと、お尻を上下させながら喘ぎます。
 からだを揺らすと乳首のチャームも揺れて、突起がますます硬くなり、テグスが食い込んできます。
「中がすっごく熱くなっているわね。どう?イキそう?」
 お姉さまの足がますます乱暴に粘膜を蹂躙してきました。
「もうちょっと、ああ、もっと、もっとぉー」
 両手を後ろ手に突いているので、思うように自分のからだをまさぐれないもどかしさ。

「ねえ直子?あたし、脚上げているの疲れちゃった。あとは自分で持ってやってよ。太腿まで自由に使っていいから」
「あ、はいっ!」
 そのお言葉を待っていました。
 急いでからだを起こし、しゃがみ姿勢に戻りました。

 お姉さまの足が私の性器から離れ、だらんと床に着地する寸前に、両手でそれを捕まえました。
「直子って、あたしの膝小僧、大好きよね?いつもオマンコ、グイグイ圧し付けてくるもの」
 ふたりで眠る前とか、普通にベッドで愛し合うときは、私が仰向けに寝そべり、お姉さまが覆いかぶさる形でからだを重ねていました。
 いつも最初にするのは、重なってキスをしながら、お姉さまの膝で私の両脚が割られ、私の性器をその膝頭でグイグイ虐めていただくことでした。

「それではお姉さま、おみあしを失礼させていただきます」
 お姉さまから私への呼びかけが、あなた、から、直子、に変わったことで、面接ごっこは終了し、プライベートタイムに入ったと判断した私は、思い切って、お姉さま、と呼びかけました。
 お姉さまからお咎めは無く、私を見つめて薄く笑っています。

 安心した私は、お姉さまの右足首を左手で持ち、ゆっくり立ち上がりました。
 お姉さまの右脚も上に上がって、大開脚状態になりました。
 お姉さまのタイトスカートは、すでにすっかり腰骨辺りまでせり上がり切り、白い内腿とその奥を隠す黒い布地全部が露になっています。
 それでもお姉さまは薄く笑っていらっしゃるだけ。
 これはもう、完全に誘っていらっしゃるのでしょう。

 脛に跨って股間に押し付けました。
「はうんっ」
 私が持っているお姉さまの足首は私の愛液でベトベト、お姉さまのスリムな脛はスベスベです。
 そのスベスベの脛に股間の唇を圧し付け、滑らせるように腰を前後に振り始めます。
「あん、あん、あーんっ」
 お姉さまの滑らかな脛に私のいやらしいラビアと粘膜をヌルヌル擦り付けます。
「あ、いいっ、あん、あん」
「いやらしいダンスだこと。腰をカクカクさせて、サカッたワンちゃんみたい」
 私をじっと見たまま、からかい口調のお姉さま。

 お姉さまの生脚に性器を擦りつけて感触を愉しみつつ、私はジリジリとお姉さまに近づいていきました。
 膝小僧まで進むと、その丸みが粘膜の奥まで圧迫してきて、その気持ち良さから離れ難く、少し長めに停泊してしまいました。
「あん、あん、あぁんっ」
 腰を前後するたびに、ラビアが摩擦されクリトリスが引っぱられ、どんどん昂ぶってきます。

 でも、ちゃんとお姉さまにも悦んでいただなくては。
 今度はお姉さまと一緒にイカなくちゃ。
 もうすぐ、もうすぐ手が届く。

 お姉さまの太腿に跨るような形になると、ふたりはもうくっついているといっても良いくらいの至近距離でした。
 お姉さまのお顔がすぐそこにあります。
 相変わらず私をまっすぐ見つめ、薄く微笑んでいらっしゃいます。
 私も見つめ返しながら、恐る恐る右手をお姉さまの股間に伸ばしていきました。

 もう触れる、というときに唇が塞がれました。
 もちろん、お姉さまの唇で。
「んふぅぅぅ」
 重ね合った唇の中で、お姉さまの一際熱い吐息を感じたのは、私の指がお姉さまの濡れたショーツに触れた瞬間でした。

 お姉さまのソコもグッショリでした。
 濡れた薄い布越しに、クリトリスが勃起しているのがわかりました。
 お姉さまの太腿の上で腰を小刻みに滑らせながら、しばらくは布の上から、お姉さまの性器を擦りました。
 指の腹でやさしく、慈しむように。
 お姉さまが両手を私の背中に回し、ぎゅっと抱きしめてきました。
 私も空いている左手を、お姉さまの背中に回します。
 唇はずっと重ねたまま。

「んんんーっ」
「んぐぅぅぅ」
 私がショーツのクロッチ脇から内部に指を侵入させると、お姉さまも右手をふたりのからだのあいだに潜り込ませて来ました。
「んぁうぅぅ」
「むむぅぅぅ」
 私の指が、濡れそぼったお姉さまの性器を直にまさぐって膣を割るのと、お姉さまの指が、私のテグスで絞られたクリットをつまむのとが、同時でした。
「あはぁぁーんっ」
「いいいぃぃぃ」
 さすがに互いに頭が後ろにのけぞって唇が離れ、思いがけないほど大きなふたりの喘ぎ声が室内に響きました。

「ああん、お姉さまぁ、もっと、もっとぉ」
「いい、直子、いいわ、そこ、そこよ」
「もっとぎゅっと、もっとぎゅーっとつぶしてぇ」
「あ、あ、いい、そこぉ、奥まで、奥までぇ」
 ふたりして、唇を離し何かを訴えては、すぐにまた相手の唇を求め、貪り合います。

「お姉さま、気持ちいいですか?、いいですか?」
「んんー、直子、かきまわして、もっともっと」
「あ、イキそうです、お姉さま、一緒に、一緒にぃ」
「いいわよ、一緒にイこぉ、一緒にぃ」

 ピチャピチャは上の唇、クチュクチュは下の唇。
 ブラウス越しに、お姉さまの体温がどんどん上がっていくのがわかります。
 それがすごくしあわせ。

「あっ、あっ、イクゥ、いくぅ、いっちゃうぅー・・・!!!」
「いい、いい、いい、の、いく、いくいくいくぅ・・・!!!」

「あーあ。やっぱり服を全部脱いでからすればよかったかな。ブラウスもスカートもよれよれのベトベト」
 抱き合ったまましばらくぐったり、昂ぶりの余韻がようやく引いた頃、お姉さまがお顔を上げて小さくつぶやきました。

 そのお声に、私があわててお姉さまの腿から降りると、お姉さまも立ち上がりました。
「あ、あの、ごめんなさい・・・」
 確かにお姉さまの純白のブラウスは、あちこちよだれに濡れて肌に貼り付いていました。
 濃茶のタイトスカートにも、飛び散ったふたりの愛液らしきシミがそこここに出来ています。
 申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

「直子が謝ることではないわ。自分の職場でえっちなことするために自ら裸になることに、なんだかワケの分からない罪悪感を感じてそうしなかった、全部あたしのせいだもの」
「直子にはわからないでしょうけれど、自分が普段働いている見慣れたオフィスで全裸になるのって、けっこう勇気がいることなのよ。背徳感って言うか」
 苦笑いしながら、お姉さまが左脚のストッキングもお脱ぎになりました。
「片方だけ穿いてるのって、おかしいものね」
 今度は愉快そうな笑顔のお姉さま。

「直子はいいわよね。真っ裸だからタオルで拭くだけでいいんだもの。はい」
 お姉さまから、海沿いのレジャーランドのキャラクターが描かれた可愛らしいバスタオルを差し出されました。
 お姉さまも同じような柄のタオルで、ご自分の右脚を拭き始めます。
「あ、だめです。私がやります」
 私は急いでお姉さまの足元にひざまずき、自分に渡されたタオルでお姉さまの右脚を拭き始めました。

「あら、気が利くのね」
「いえ当然です。だって私はチーフのドレイ秘書ですから」
「今、この部屋って、すっごくいやらしいふたりの臭いが充満しているのでしょうね」
 お姉さまが久しぶりに、真夏の向日葵のようにニッコリ艶やかに微笑まれました。


面接ごっこは窓際で 08


2015年3月23日

面接ごっこは窓際で 06

 お姉さまのお姿が、見つめていた窓ガラスの端に映りました。
「持ってきたから、降りていいわよ」
 振り返るとお姉さまが、すぐそばまでいらっしゃっていました。

「あらら。ずいぶん垂らしちゃったのね。そんなに感じちゃったんだ?窓辺の裸マネキン」
 私の足元の水溜りに気がついて、苦笑いのお姉さま。
「これでそこ、軽く拭き取っておいて」
 ウェットティッシュが差し出されました。

 両脚をはしたなく開いて床に降りると、テーブルの上に藍色の大きめなビロードケースが置いてありました。
 可愛いハート型の、たぶんジュエリーケース。
 テーブルを挟んで立ったまま向かい合う形で、お姉さまがそのケースをパカッと開けられました。

「ほら、綺麗でしょ?」
 中には、ところどころに色とりどりの綺麗な宝石を散りばめた、ネックレスぽい太めシルバーチェーンがアバウトなハートの形状に横たわっていました。
 でも、ネックレスにしてはチェーンがかなり長すぎるような。

「何だかわかる?」
「えっと、アクセサリーですよね?だけど先ほど、お姉さ、あ、いえ、チーフが、使いようによっては痛かったり、とおっしゃったので・・・」
 私が思いついたそのものの名称を、正直に告げていいものか、一瞬迷いました。
「その答え方だと、もはや何なのかわかっているようね?言ってみなさい」
 お姉さまに促され、思い切ってお答えしました。
「ニップルチェーン・・・とか?」

「へー。そんな言葉まで、知っているんだ」
 感心したお声をあげたお姉さまでしたが、すぐに何か思いついたようで、お声のトーンがガクンと下がりました。
「ああ、シーナさんでしょう?着けたこともあるの?」
「あ、はい。以前シーナさまからチョーカーをいただいて、それに追加する形でニップルチェーンも・・・」
 
 エステに通い始めた年のシーナさま主催クリスマスパーティに、それを着けただけの裸サンタコートで出席させられ、恥ずかしいあれこれをみなさまの前でいろいろやらされたのでした。

「そっか・・・これもシーナさんの後追いになっちゃうのか。ちょっとがっかり」
 気落ちされたようなお姉さまに、私はあわてて言葉をつづけました。

「あ、でも、これはそれとも違うみたいです。挟むクリップが付いていないみたいだし、こっちのほうがデザインが断然綺麗でゴージャスぽいし、チェーンもキラキラ光っていて豪華だし」
「それに、シーナさまからいただいたものは、結局、外されたときシーナさまにまた取り上げられちゃったので、今は私の手元にはチョーカーしか無いですし・・・」
 目の前のアクセサリーを見て思った相違点を、そのまま一気にまくしたてました。

「うふふ。今の言いようだと、あなた、これを着ける気、満々みたいね?」
 お姉さまのご機嫌が少し戻ったみたいで、私もホッ。

「これはね、これからいろいろ微調整して、うちのラインナップに加えるつもりなの。今はまだ欧米の同じようなアイテムを真似た試作品段階だけれど」
「ピアスなら、日本でもそれなりに認知度があるみたいよね。でも、そういう場所にピアスって、やっぱり相当ハードル高いし」
「だから、あくまでもノンホールのお手軽ジュエリー。うちではこれをね、ヌーディティジュエリー、って呼んでいるの。アヤの造語だけれどね」
「着けてあげるから、こっちにいらっしゃい」
 手招きするお姉さま。

 お姉さまが手に取って吊り下げたヌーディティジュエリーというものは、ネックレスなんかよりもずっと長く下までチェーンが垂れ下がりました。
 これって、つまり・・・
 お姉さまが私の背後に回り、ネックレスを着ける要領でチェーンを私の胸元にあてがうと、途中からほぼ直線となったチェーンの束が、私の膝小僧近くまでぶら下がりました。

「まだ腕は下ろしていていいわ」
 私の首の後ろで、お姉さまが金具を留めました。
 シルバーチェーンのネックレスが私の胸元を飾ります。
 ペンダントトップにあたる部分にはハート型のピカピカ光った綺麗な赤い石が埋め込まれ、その下にもまだ、複数のチェーンと飾りのようなものがぶら下がっています。

「おーけー。こっちを向いて、いつものポーズになりなさい」
「はい」
 お姉さまと向き合って、両手を重ねて後頭部にあてがう私
 お姉さまのふたつの瞳が、私の尖った左乳首をじっと見つめて、爛々と輝いています。

「ちょっと触るわよ」
 お姉さまの右手が、ハート型の赤い石から垂れ下がっているチェーンを一本選んでつまみ、つづいて左手の指先で、私の左乳首をギュッとつまみました。
「はうっ!」
 左のおっぱいから全身へと、快感の波がジーンと伝わっていきます。

「あなたさっき、シーナさんのはクリップ、って言っていたわよね?それってたぶん洗濯バサミみたいに挟む形式だったのだろうけれど、うちのは違うの。これ」
 右手でつまんだチェーンを、私がよく見えるように顔のほうに掲げてくださいました。
「はうぅ、はいぃ」
 そのあいだもずっと、左の乳首はつままれたまま、ときどき指先でギュウギュウと捏ねられます。
 それが気持ち良くって・・・

 お姉さまが見せてくださったチェーンの先は、チェーンから繋がった太めのテグスが細長く丸まり、輪の形を作っていました。
 今は楕円形状の、人差し指の先くらいなら通りそうなそのテグスのリング根元には、直径5ミリくらいの小さな水晶珠が通してあります。
 その下にぶら下がっているのは、派手めなイヤリングチャームのように、細かい装飾を施したシルバーベースに大きくて赤い石を埋め込んだゴージャスなチャーム。

「もうわかったでしょ?」
 乳首虐めの指先が肌を離れ、代わってテグスの輪が、私の左乳首を緩く囲んでおっぱいに密着しました。
「うちのは挟むのではなくて、し、ぼ、る、のっ!」
 お姉さまの指先が、ご自分のお声のリズムに合わせて、テグス根元の水晶珠をスライドさせました。
 
 テグスのリングに乳首がギュッと絞られて、テグスが乳首側面に食い込んできました。
 乳首の下部に冷たい水晶珠が密着しているのもわかります。
「はうぅぅっ!」
 実家にいた頃、乳首をタコ糸でギュッと縛ったときに味わった感覚の再現。
 あれからしばらくやみつきになっちゃったっけ。

 懐かしい快感に酔い痴れていると、お姉さまの手が私の肌から離れ、今度は乳首が下へと乱暴に引っ張られました。
「はうっ!」
 予期せぬ快感の連続に、はしたない声をあげてしまう私。

 私の乳首からゴージャスなチャームがぶら下がっていました。
 尖るといつもツンと上向きになる私の乳首が、少しうなだれ気味になってしまうくらいの重さがかかっているようです。
 そのぶん、テグスが乳首により食い込んできて、痛いけれど気持ちいい。
「はぁぅぅっー」

「この方式なら、乳首の大小も問わないでしょう?それに、すぐ緩められるし」
「でも今回、ちょっとチャームに使った石が大きすぎて、重すぎるみたいなの。これじゃあ普段使いのアクセとしては使えないから、これは失敗作」
「もちろん商品化するときは、変えるつもりだけれど、あなたにはこれくらいのほうが嬉しいのではなくて?」
 私の淫らに歪んでいるであろう顔をまじまじと見つめながら、嬉しそうにご説明してくださるお姉さま。

「次はこっち側ね」
 右の乳首をつままれました。
「ああぁっ・・・」
「本当、いちいち反応がいやらしい子だことっ!」
 きついお言葉とは裏腹に、お姉さまは嬉々として、私の右乳首もギュウギュウ絞ってくださいました。

 左右の乳首への飾り付けが終わっても、行き場の無いチェーンがまだ垂れ下がっていました。
 おっぱいの谷間からおへそあたりまでは1本のチェーン。
 おへその下くらいに大き目のリングがあって、そのリングからは3本のチェーンがぶら下がっています。
「この3本がどこに繋げられるのか、あなたならすぐにわかるわよね?」
 お姉さまが薄く笑いました。

 左右のチェーンの先には、イヤーカフのような形状のクリップ。
 真ん中の1本には、乳首のと同じようなテグスのリング。
「はい・・・」
 それらが自分のからだに繋げられることを想像して、ゾクッとからだが震えました。
「こっち用のは、着けたことあるの?」
「あの、いえ、ないです・・・」

 正確に言うと、着けようとしたことはありました。
 ニップルチェーンと同じとき、クリットチェーンにも一応挑戦しました。
 でも、そのときのチェーンに付いていたクリップの挟む力があまりにも強すぎ、調節も出来なかったため、噛まれた瞬間すぐイってしまい、それを着けっ放しで歩いたり、何かをするなんていうことは、絶対に出来ないような代物だったのです。
 直子のクリットが大きすぎるのね、ってシーナさまも渋々諦めてくださり、その日はニップルチェーンだけとなりました。

 でも、このリングで締める式のチェーンであれば、クリトリスの根元がテグスで絞られるだけ。
 それはきっと、タコ糸で縛ったときの快感と同じようなものであるはずです。
 こちらも実家にいた頃に体験済みでした

 テグスで根元を絞られ卑猥に腫れた自分のクリトリス。
 その表皮を少し引っ掻いただけでも・・・
 妄想しただけで、全身がウズウズムラムラ疼きまくりました。

「ずいぶん嬉しそうね、あなた、全身からドMオーラが陽炎みたいに立ち上っていてよ?」
 お姉さまの呆れたようなお声。
「このチェーンを全部繋いだら、あなたのオナニーもさぞかし捗ることでしょう。愉しみだわ」
「さあ、あたしが繋いであげるから、そのテーブルの上にあがりなさい」
 お姉さまがテーブルを指さしました。

「えっ?いいのですか?お仕事のご接客でお使いになるのであろう神聖なテーブルを、私のスケベなおツユで汚してしまって・・・」
「だって、あなたが立ったままじゃ、やりにくいじゃない。まさかあたしに、その股の下に潜り込んで着けろ、って言うの? おツユがダラダラ垂れてくるのに。冗談じゃないわ」
「あ、いえ、ごめんなさい」
 お姉さまのお声にイジワルさが増して、私もますますマゾ度アップ。

「ほら、さっさと上がってM字大開脚!」
「はい。それでは失礼します」
 テーブルに手を掛け、まずお尻を乗せて腰掛け、そのままテーブルの中央へとお尻を滑らせました。
「はうん」
 チェーンの端はお姉さまがお持ちになっていたので、からだが奥へ行くとチェーンが張って、繋がった両乳首が引っぱられました。

「上がったら後ろ手突いて腰を浮かせて、あたしが作業しやすいように性器をこっちに突き出しなさい。ほら、もっと脚広げてっ」
 テーブルを見下ろすお姉さまの目線めがけて、だらしなく開いた両腿の付け根部分を、ブリッジの要領でグイッと差し出しました。
 もちろんスジはパックリ割れて、おツユがたらたら内腿を滑っています。

「うわー、びしょびしょね。これじゃあ話にならないわ」
 お姉さまがバッグからウェットティッシュを取り出しました。

「これからあなたの性器をしばらくのあいだ弄るけれど、あなた、絶対イってはだめだからね」
「イキそうになったら必ず教えること。そしたらあたしも、弄るのいったん止めるから」
「もし黙ってイったりしたら、そのとき、あたしたちの関係はすべて終わり。スールも就職も全部解消。その瞬間にあたしはこのオフィスからあなたを裸で叩き出すから、あなたは素っ裸のまま家に帰ることになるの。いいわね?わかった?」
「・・・」
「返事はっ!?」
「はいーっ!」
 私にはぜんぜん、そう出来る自信がありません。

「はうんっ!」
 突然、その部分が冷たいもので覆われました。
「わっ!すっごく熱くなってる。それに後から後から湧き出るから、一枚や二枚じゃとてもじゃないけど拭き取れなさそう」
「んーっ!」
 ウエットティッシュ越しに、開いたアソコの粘膜をゆるゆると撫ぜられました。
 薄い紙越しの愛撫がクリトリスにあたり、ラビアを擦り、私はそのたびにふんふん悶えます。

「きりがないから、こんなものでいいか。うわー。クリットがさっきよりもピンクに膨れてテラテラてかってる」
 アソコを覆う感触が去り、粘膜が空気に曝される気配が戻りました。
 顔を上げると、お姉さまが私のソコをまじまじと覗き込んでいました。

「あなたの性器って、外面は地味なのに中を開くとすごく卑猥よね。大陰唇は肉厚で、小陰唇は結構派手で敏感で、膣壁の粘膜はウネウネうねって」
「だけど何て言っても一番あなたらしいのが、このクリット。いかにも弄って欲しそうに全力アピールしちゃってる」
 おっしゃりながら、ときどき指でラビアを引っぱったりクリトリスの表面をスッと撫ぜたりしてきます。
 私の性器に対するお姉さまのストレートで生々しいご感想に、私のマゾ性が全身震わせて大悦び。

「んーっ!」
 クリトリスに痛痒い甘美な刺激を感じて、思わず大きな声が出ました。
「あら、どうしたの?感じた?これがいいの?」
 ビンカンな表皮を爪でこそっと掻いてくるお姉さま。
「んっ」
 こそっ。
「んんー」
 こそっ。
「あはぁん」
 こそっ。
「だめぇ」

「どうしたの?イキそう?イキたい?」
「ああん。はいぃ、でもだめです。イキたくないですぅ」
「あらどうして?もっと弄ってあげようか?」
「だめですぅ。イキたいけれど、イっちゃいけないんですぅ」
「あら残念」
 こそっと攻撃が止まりました。

「は、早くクリットチェーンを着けてください、着けて私に早くオナニーをさせてくださいぃ」
「あら?あなた、あたしに命令する気?」
「ちがいますぅ、ごめんなさいー、でも、でもぉー」
 こそっ。
「ああーんっ」
 快感がどんどん蓄積されて爆発寸前。

 そのとき突然、クリトリスをギューッと強い力で締め付けられました。
「ああーーーーぁぁっ!だめだめだめぇーーっ!!」
 真っ白になりそうになる頭で必死にブレーキをかけました。
 自分では到底コントロールできない力で、腰がビクンと跳ねました。

「あ、イったわね?今イったでしょう?」
「ちがいますぅ!イってませーんっ。がまんしましたーっ、ぜったいイってませぇん、信じてくださいぃぃ」
「中の粘膜がヒクヒク蠢いているわよ?イったんでしょう?」
「イてってませんーーっ。ほんとうですぅ、ほんとうですぅ」
 半ば泣き声になって訴えました。
 クリトリスがズキズキして、痛いほど腫れているのであろうことが、見えなくても自分でわかりました。

 お姉さまは、イったのでしょう?をくり返しながら、ラビアのあちこちを引っぱってきます。
 幸いクリトリスのほうはそのあいだ、放ったらかしにされたので、こそっと攻撃、ほどではありませんでしたが、それでも愛撫の快感は容赦なく、私を高みへと押し上げていきます。
 私は、違いますぅ、イってませんーっ、と喘ぎ声でお答えしながら、必死で快感に抗い、がまんしつづけました。

「あなたがそこまで言い張るのだから、きっとイってなかったのでしょう。からだ起こしていいわよ。装着完了したから」
 愉快そうなおやさしいお声がして、お姉さまの手が私のアソコから離れても、ソコには異物感?みたいなものが居座りつづけていました。

 浮かせていた腰をテーブルに落とし、クラクラする頭を上げて上半身を起こし、自分の股間を覗き込みました。
 おへその辺りのリングから垂れた3本のチェーンが、それぞれ撓んだ曲線を描いて私のアソコの中に消えていました。

「テーブルの上に立ち上がって、ガラスに映して見てみるといいわ。今の自分のえっちな姿を」
 ご命令通りよろよろと立ち上がり、西北向きのガラス窓に映してみました。
 テーブルは先ほど上ったカウンターよりもさらに高いので、窓ガラスのさらに高い位置に自分の全裸姿が映りました。
 お姉さまが私の股間を、真下から見上げています。

 首からさげたシルバーチェーンのネックレスの、そのハート型のペンダントトップが胸の谷間の始まりあたりを飾り、そこから三方にチェーンが繋がっていました。
 左右に別れたチェーンはそれぞれ、右と左の乳首へと優雅な曲線を描いて繋がれて、それぞれの乳首の下に大きな赤い石の装飾を施したゴージャスなチャームをぶら下げていました。

 ペンダントトップから、そのまま真下へと繋がるチェーンは、おへそのすぐ下で直径2センチくらいのリングに繋がり、そこから再び3本のチェーンに分かれています。
 その3本のチェーンは、わずかなたるみのある曲線を作って、同じ方向へと進んでいました。
 休めの形に開いた、私の股間へと。
 真ん中の1本は私のクリトリスへと繋がれています。
 左右に別れたチェーンも股間へと収束し、繋がれている場所は、映しただけでは見えませんでした。
 股下の空間に、撓んだ3本のチェーンが数センチ、垂れ下がって覗いていました。

「ラビアチェーンのクリップは小陰唇に挟んでおいたわ。だからよく見ると、性器がいつもより開きっぱなしになって、収まりきらない小陰唇が外に露出しているはずよ。もちろんクリットもね」
 お姉さまの愉しそうなお声。

 確かに今、その5箇所がズキズキと疼いています。
 すなわち、左右の乳首と左右のラビア、そしてクリトリス。
 私の五大性感帯、責められたらすぐに屈してしまう五大弱点。
 からだ中の弱点をチェーンで繋がれてしまった、自分の淫ら過ぎる姿をこの目で確かめて、そのズキズキがどんどん大きくなってきました。

「さあ、もういくらでもイッていいのよ?あなたの趣味であり特技っていう、淫らではしたないマゾヒストオナニー姿をたっぷりと見せてちょうだい」
「もう一度テーブルに座って、こっちを向いて」
 お姉さまのご指示で、再度テーブルに腰を下ろしました。
 関節を動かすたびに乳首の飾りがブラブラ揺れて、股間のチェーンもカサカサ揺れて、五箇所がますます疼いてきます。

「M字になったらいいことしてあげる。なった?その真ん中のリングを借りるわよ」
 私の目前にいらっしゃったお姉さまが、左手を伸ばしてチェーンに繋がったリングに指を掛けました。
「あたしが引っぱってあげるから、あなたは自分の手でどこでも好きな場所をまさぐればいいわ。きっとすぐイっちゃうはずよ」
「あたしも手伝うけれど、ここからはあなたのオナニーだから、あなたはいつでも遠慮なくイっていいのよ。何度でも」
「そして、あたしはその光景を写真に撮るの」
 お姉さまの右手には、可愛らしい形のカメラがありました。

「チェキよ。撮ってすぐ紙焼き写真になるやつ。これであなたのアヘ顔を撮って、履歴書の写真も差し替えるの。だってあの写真、ちっともあなたらしくないもの」
 お姉さまがフッと笑われた、と思った瞬間、5箇所同時に激痛が襲いました。

「はうんっ!!」
 乳首とラビアがちぎれそうな、クリトリストがはじけちゃいそうな、強烈な快感でした。
「あああーーーっううううぅーっ!」
「はら、イキなさい!イっちゃいなさい」
「いいいいーーーーーーっ!!」

 お姉さまはチェーンを弛ませては張りをくりかえし、私は左手でおっぱい右手で股間を夢中でまさぐり。
「イクイクイきますぅーーー!!!」
「イキなさい!どんどんイっちゃいなさいっ!」
「いい、いい、いいいーーーーーーくぅっ!!!」

 私がケダモノのように何度も何度もイクあいだ、私の顔面には、眩しすぎるフラッシュライトが容赦な無く浴びせられていました。


面接ごっこは窓際で 07