2011年8月27日

氷の雫で濡らされて 10

「お疲れさま。どう?今日は楽しかった?」
「えーっ?!」

まさか、これでおしまい?
シーナさんもう帰っちゃうの?
まったく予期していなかったシーナさんの言葉に、私は心底がっかりしてしまいました。
こんな中途半端な欲求不満状態で放っぽりだされちゃうなんて・・・

「なーんてね。嘘よ」
シーナさんがイジワルくニヤニヤ笑って、私のワンピースの裾の中に手を入れてきました。
「ああんっ」
「直子さんて、本当にわかりやすいわね?そんなに悲しそうな顔しなくてもいいから。今日はまだまだずーっと、つきあってあげるわよ」
ニヤニヤ笑いのままシーナさんが私のアソコに入っているローターを、手探りでズルンと引き抜きました。
「んーっ!」
シーナさんの冷たい手が私の無毛な土手をスルッと撫ぜて、私のからだががビクンと震えます。
「ローター、ヌルヌル。これ、直子さんのバッグにでも入れておいて」
私が腰掛けているバスタオルの端っこでローターを適当に拭ってから、私に手渡してくれました。

「ところで直子さんのお部屋に、氷はある?」
「は・・・い?」
「氷よ。冷蔵庫の製氷器で作る、冷たーい、こ、お、り」
シーナさんが愛らしいお顔を少し傾けて、カワイラシク聞いてきます。
「ああ、はい。えっと確か・・・あったけかな?」
何日か前に飲み物を作るのに使ったのは憶えていましたが、その後、また作っておいたかどうか・・・
「あったと思うんですけど、ないかも・・・」
「ふーん。じゃあ、まあいいわ」

シーナさんが私の顔をじーっと見つめてきます。
その目がふっと細くなって、唇の両端を歪めるみたいにフフンって一回、笑いました。

「わたし、これから車置いてくるから。直子さんは、お部屋をうんと涼しくして待っていてちょうだい」
さっきまでとは打って変わった、良く言えば低めで落ち着いた、悪く言うと愛情の感じられない冷たいお声で言われました。
そのお声を聞いて、なぜだか私はキュンと感じてしまいます。
何て言ったらいいか、人に指図とか命令し慣れている口調。
私、これからこの人にいろいろ理不尽なご命令をされて苛められちゃうんだろうな、ってわかってしまう、そんな口調なんです。

「部屋に戻っても、着替えたりシャワー浴びちゃダメ。気持ち悪いかもしれないけれど、そのままの服装で待ってなさい」
「でも、そのお化粧だけは落としていいわ。その顔じゃあ直子さんの魅力、半減だものね?」
「あと、直子さんのオモチャ箱を出しておくこと」
オモチャ箱っていうのは、今までやよい先生からもらったり自分で集めたえっちな遊びに使うお道具を入れた、鍵のかかるアンティークな感じのトランクケースのことで、私がこっちへ引っ越してきたときにやよい先生がプレゼントしてくれたものでした。
シーナさん、何でも知っているんだなあ。

「車置いたら電話するから。直子さんのお部屋、4階だったわよね?」
「はい」
「わたしが行くまで、間違っても自分のからだ、まさぐったりしちゃダメよ。いくら欲求不満でも」
「はい。わかっています」
私はゾクゾクしながら従順にお返事しました。

自分のバッグとシーナさんに買っていただいたお洋服の包みだけ持って、車を降りました。
時刻は午後の3時半過ぎ。
これからシーナさんは、どんなことをしてくれるのだろう・・・
一度はあきらめかけた私のワクワクが、早々と乳首に顕れていました。
相変わらずギラギラ煌いているお日様がマンション入口のステンレスのアーチにキラキラ反射しています。

私が住んでいるマンションは、8階建てで1フロアにつき一世帯だけ入居しています。
なので、エレベーターは基本的にエントランスキーで指定された階にしか行かず、他の階で扉が開くことはありません。
つまり、4階の住人が乗ったら4階に直行、途中の3階や5階のボタンを押すことも降りることも出来ないんです。
それを解除出来るのは、各世帯に備え付けのスイッチだけ。
マンション住人への訪問者は、1階のエントランスで住人に連絡してキーを解除してもらわなくてはなりませんし、宅配便や郵便配達の人も1階の管理人室までしか立ち入り出来ないシステムで、外部からの不審な侵入者をシャットアウトしていました。

4階の自分のお部屋に戻った私は、まっすぐにリビングに入り、すぐさまクーラーを全開にしました。
ひょっとするとやよい先生がお家に来てくれるかも、っていう期待もあったので、お部屋はキレイに片付けてありました。
からだ中が汗でベトベトしていて、すぐさまシャワーを浴びたい気持ちでしたが、ダメってご命令されちゃったので出来ません。
洗面所に入り、お化粧をすっかり落としてから、また薄くメイクし直しました。

ベッドルームからオモチャ箱を引っ張り出してリビングのソファーの横に置き、飲み物でも用意しておこうか、ってダイニングに行きました。
冷蔵庫の製氷室には、しっかり氷が出来ていました。
ショパンのピアノ曲のCDを数枚エンドレスリピートにして、リビングのテーブルにグラスと飲み物とクッキーを置き、ソファーでしばしボーっとしていました。

お部屋に戻って25分後にシーナさんから電話がかかってきました。
ほどなくお家の玄関に現われたシーナさんは、コンビ二で何か買ってきたみたいで、コンビ二袋を手に提げ、大きめなカートを引っぱっていました。
「ふーっ。すっずしー。それじゃーおじゃまするわね」
白い半袖フリフリブラウスと黒のタイトスカート姿のシーナさんがヒールを脱ぎました。
「あ、そのお荷物、お持ちします」
シーナさんが引っぱっていたカートの取っ手をたたみ、私が持ちました。
意外と重い・・・何が入っているんだろう?
きっと車の中に積んであったのでしょう。
これから私を苛めてくれる、お道具なのかな?

「へー。ずいぶん綺麗に片付いてるのねー。それに、なかなかいいセンスだわ」
リビングに入ったシーナさんがお部屋をグルッと見渡して言いました。
私がインテリアのお手本にしたのは、高二のときに訪れたやよい先生の一人暮らしのお部屋でした。
調度品や内装の色の基本は黒と白と茶、それにゴールドとシルバー。
カーテンは森の木立のようなグリーン。

「ほとんど物が置いてなくて、なんだかホテルのお部屋みたい」
「玄関入ってすぐのお部屋をウォークインクロゼットにして、そこにお洋服とかこまごましたものは全部入れちゃってるんです」
「へー贅沢ねー。こういう生活感が希薄な部屋、わたし大好きよ」

シーナさんは、コンビニ袋をガサガサやって缶ビールを2本取り出しました。
私が、それなら飲める、ってお教えした銘柄でした。
「あと、これは冷蔵庫の冷凍室に入れておいて」
シーナさんからコンビ二袋ごと渡されたのは、ゴツゴツしたロックアイスの包みでした。
「あ、氷、ちゃんとあったんですけど・・・」
「そうなの?ま、いいわよ。入れといて」
私が冷蔵庫のところへ行っている間に、シーナさんが缶ビールを一缶開け、私が用意しておいたグラスについでおいてくれました。

「さてと。一応カンパイしましょう。直子さんとのデート第二部の幕開けだし」
ソファーに横並びに座って見つめあい、チンってグラスを鳴らしてからビールをゴクゴク飲みました。
美味しいーっ!
「とりあえずの一杯でやめておきましょ。酔っ払うのが目的じゃないから」
シーナさんは、ブラウスのボタンを胸元裾野まではずして、薄紫色ブラのレースを覗かせていました。

シーナさんがキョロキョロとお部屋を見回しています。
「直子さん?寝るときは別の部屋なの?」
テレビのモニターに向けてL字型に配置したソファーとクッション以外、リビングで寝転べるものは置いてありません。
「はい。隣のお部屋をベッドルームにしてるんで・・・」
リビングと横開きのドアで繋がっている10帖の洋間をベッドルームとして使っていました。
そちらには絨毯が敷いてあって、あるのはベッドとパソコンが乗った机とCDやDVDの詰まったラック、そしてエレクトリックピアノ。
「見せて」
シーナさんが立ち上がりました。

「なるほどー。これがゆりさまが言っていたベッドかー」
そのお部屋に設えてあるベッドは、私の母が学生時代にここに住んでいたときから使っていた、アンティークな雰囲気のある立派なベッドでした。
なんでも当時にノルウェーからわざわざ輸入したもので、すべて木製のがっしり、しっかりした造りでセミダブルくらいの広さ。
とっても寝心地のいいベッドです。

ベッドの四隅は、綺麗な植物、たぶん薔薇の彫刻を施した直径10センチくらいの頑丈な木製の柱で支えていて、高さは私の股下の少し下くらい。
その柱のてっぺん部分は先細りになり、丸みを帯びた直径5センチくらいの楕円形な頂がツヤツヤ黒光りしています。
その形状は、やよい先生がこのベッドを初めて見たときに、なんだか無性に挿れてみたくなる形ねー、ってえっちに笑いながら言っていた通り、なんとなく卑猥な形でもありました。
やよい先生がお泊りにきたときも、実はその柱で遊んでしまいました。
「なるほどー。これは使えるわねー」
シーナさんもなんだか感心したように、その柱の突起をしばらく撫ぜていました。

リビングに戻ったシーナさんは、ソファーの横に置いた私のオモチャ箱を開けました。
「うわー。いろいろたくさん入ってるわねー。直子さん、これ全部試したんだ?」
シーナさんが麻縄の束やアイストング、輪っかに洗濯バサミがぶら下がったやつなんかを手に取ってはしげしげと眺めて、冷やかしてきます。
「は、はい・・・」
私は、自分のえっちな秘密を見られた恥ずかしさに、ゾクゾク感じてしまいます。

「ふーん。いろいろ楽しめそうねー。あっ、変なものみっけ!」
シーナさんが長さ15センチくらいの赤くて細長い筒を手に取りました。
「あっ、それは・・・」
シーナさんが躊躇なくキャップをはずしてスイッチを押しました。
ブーーン・・・
低くかすかな震動音。
「これって電動ハブラシよね?でもここに入ってるってことは、歯を磨くために使っているんじゃなさそうねえ?」
「直子さん?これで毎晩、どこ磨いているの?」
シーナさんが軽蔑するように聞いてきます。
「そ、それは・・・」
「それに、何で3本もあるの?」

シーナさんとのプレイは、もう始まっているようでした。
シーナさんの低く、冷たく、蔑むようなお声は、私の被虐心をことごとく見事に煽りたて、ジンジン感じさせてくれます。
私とシーナさんって、サドとマゾの相性がいいみたい。

電動ハブラシのスイッチを止めてオモチャ箱に放り投げたシーナさんは、ご自分のカートを開けて何か棒状のものを取り出しました。
それは、やよい先生がくれたSMのDVDで見たことのあるものでした。
アンテナのような形状で、先に靴べらみたいな形の皮のベロが付いた棒。
乗馬用の鞭に違いありません。
シーナさんが座っている私の目の前にスクッと立ち、右手で持った乗馬鞭を私の目の前の空間に、手首のスナップを効かせて軽く振り下ろしました。
ヒュンッ!
鞭が空気を切り裂く音がきこえて、私のからだがゾクッと震えました。

「それじゃあ、そろそろ始めましょうか?直子さんが喜びそうな苛めかた、ゆりさまと一緒にいろいろ考えてきてあるから」
「あ、は、はい・・・」
「でも、最初に断っておくけど、わたしはゆりさまみたいにやさしいSではないからね?苛めるときは徹底的に苛めちゃうほうだから、痣の一つや二つは覚悟しときなさい」
「ゆりさまからも室内の調教に関しては、何のNGももらっていないから。好きなようにしていいって」
「ひょっとすると今日、直子さん、壊れちゃうかもしれないわね?」
ニヤリと笑って、鞭でヒュンって空気を切り裂くシーナさん。
私は、その音にまたビクッとしてうつむいたまま。
でも、アソコからはおシルがトロトロあふれ出して、ワンピのお尻とソファーを汚していました。

鞭のベロの部分がうつむいた私の顎に当てられました。
鞭に誘導されるように顎を上げる私。
見上げた目線がシーナさんの冷めた視線とぶつかりました。

「直子さん、わたしに苛められたかったのよね?」
「・・・」
「返事はっ?!」
「は、はいっ!」
乗馬鞭を持った途端、そのつぶらな目の色がまた変わって、いっそう冷酷そうなお顔に豹変したシーナさんの迫力に、私はブルブル震えてしまうばかり。
でも、それは期待からくるワクワクのブルブル。

「まず手始めに、直子さんにストリップをしてもらうわ。立ちなさい」
シーナさんが乗馬鞭のベロで私の右腋をつついて立たせ、リビングの中央に誘導されました。


氷の雫で濡らされて 11
**

2011年8月21日

氷の雫で濡らされて 09

ペットコーナーにシーナさんの姿はありませんでした。
おトイレにでも行ったのかしら?
私は、携帯電話をかけてみました。
お話中でした。
ここで少し待ってみよう、とベンチに座った矢先に電話がかかってきました。

「意外と早かったわね。わたし今3階にいるの。だからそーねー、さっき寄った化粧室のあたりまで来てちょうだい」
「あ、はい・・・」
「服は乾いた?」
「えっと、だいたいは・・・」
自分の胸元を見ると、まだ少し湿ってはいますが、普通の感じに戻っていました。
「そう。じゃあ待ってるわ」
プチッと電話が切れました。

エスカレーターで下りていく間、手首に巻かれたショーツが気になって仕方ありませんでした。
明るいピンクでレースの飾りがチマチマ付いたそれは、確かに一見シュシュみたいには見えるのですが、よーく観察すれば布の重なり具合とかレースの配列がかなり不自然。
さっきの女の子にさえ見破られちゃったくらいですから、行き交う人の中には気がついている人がいるかもしれません。
あの娘、あんなところにこれみよがしに下着付けちゃって、きっとノーパンをアピールしたいのね・・・
とか思われているかもしれません。
それでも私はシーナさんに叱られるのが怖くてはずすことが出来ず、なるべく右腕を動かさないように、目立たないように緊張して3階に向かいました。

3階のフロアを南へ向かい、シーナさんと出会ったお化粧室の近くまでやって来ました。
突然、ポシェットの中のローターがヴーーンって低く唸り始めました。
「ひゃっ!」
思わずポシェットを右手で押さえていると、死角になっていた通路からシーナさんがツカツカと近づいてきました。

「あら、直子さん?ローター、挿れてないの?」
シーナさんが私の目の前で立ち止まりました。
「あ、は、はい・・・」
「なんだ、がっかりね。直子さんなら喜んで挿れてくると思ったのに」
「あ、あの、ま、迷ったんですけど・・・」
「ゆりさまの躾がまだ行き届いていないってことだわね。で、タンポンは?」
シーナさんは冷たいお顔になって、冷ややかに聞いてきます。

「あ、はい。挿れました」
「そう。だったら・・・」
シーナさんがそう言いながら、まわりを見渡しました。
婦人服売場はさっきよりも人がいて、おばさまやお姉さまたちが行き交い、そこそこ賑わっていました。
「ま、いいか。行きましょ」
シーナさんが私の右手を取り、グイッと引っぱって歩き始めました。

7、8人が乗ったエレベーターが動いている間、シーナさんは無言でした。
つないでいた手も離し、じーっと天井付近を眺めていました。
1階で降りて、そのままデパートの外に出ると、シーナさんがまた手をつないできました。

デパート前を行き交う人、人、人。
老若男女入り乱れて、みんな一様に暑さにまいっているご様子。
白昼堂々女性同士で手をつないで歩いている私たちの、そのつながれた右手首で揺れているピンクの布片が注目されているような気もしてきます。
「どちらへ行かれるんですか?」
黙ったままのシーナさんに話しかけても、シーナさんは振り向きもせずズンズン歩いていきます。

デパートから少し離れた駐車場ビルに入りました。
「それにしても今日は本当に暑いわねー。さっさと車に乗りましょう」
「えっ?車って?」
「あれ?言ってなかったっけ?わたし、今日、車で来たのよ」
シーナさんがエレベーターのボタンを押して、誰も乗っていないエレベーターに乗り込み、3階で降りました。

薄暗いスペースにたくさんの自動車が規則正しく並んでいました。
吹き抜けになった駐車場は風が通って、表の通りよりは涼しい感じです。
「確かここいらへんだったと思うけど・・・あ、あったあった」
シーナさんの愛車は、黄色くて四角張っている可愛らしい感じの車でした。
「人がいなければここでもちょっと遊ぶつもりだったんだけど、無理そうね。仕方ないからさっさと行きましょう」
10メートルくらい向こうで、家族連れらしき一家のチビちゃんがはしゃぎ声を上げていました。
新しく入って来たらしい車が、シーナさんの車の3台向こうに駐車しようとしていました。
そんな光景を眺めている間に、シーナさんはもう車に乗り込んでいました。

助手席のドアを開けると、シートの上に薄いグリーンのバスタオルが敷いてありました。
「座り方は、わかっているわよね?」
「はい・・・」
久しぶりの生尻じか座り。
ワンピースの裾を浮かせて、バスタオルの上に裸のお尻を直に置きます。
二年前の夏、やよい先生とドライブしたときを懐かしく思い出しました。

シーナさんがエンジンをかけると、エアコンから冷たい空気が吹き出し、ラヴェルのピアノ曲が流れ始めました。
私がシートベルトを締めようとすると、シーナさんが手を伸ばしてきて制しました。
「その前に胸元のボタン2、3個はずして、背中を向けて」
「あ、は、はい」
シーナさんに背中を向けてうつむき、ワンピースの胸元のボタンを2つはずしました。

シーナさんの手が私のワンピ背中に差し込まれました。
「ああんっ」
シーナさんの手にワンピの背中の布が引っぱられ、肩脱ぎみたいな状態になり、両肩が完全に露出してしまいました。
「あの、ちょっと、シーナさん?」
私の胸元は、横8の字にかかったロープがモロ見え、両乳首ギリギリまで露になっていました。
この車のそばに人が来ませんように。
祈るようにフロントグラスを見つめていると、ちょうど目の前を一台の車がゆっくりと通り過ぎていきました。
「きゃっ!」
思わず両腕で胸をかばってしまいます。

「はい。ほどけたわ」
シーナさんの手が背中から抜かれ、縄ブラが緩んでいました。
「あとは自分ではずしてね。もう2時間以上縛ったまんまだったから、そろそろいったん、はずさないとね」

左右のおっぱいにじわじわと血流が戻る感覚。
ジーンとしびれていたおっぱいがジンジンジワジワしてきました。
横8の字に締め付けられていたおっぱいがやっと自由を取り戻し、そこだけ別の生き物みたいにウズウズ疼いています。
乳房全体が熱を持ち、ワンピの布地がちょっと擦れただけで、ビンビン感じてしまいました。
痛いような、痒いような不思議な快感。

この快感をしばらく味わっていたかったのですが、シーナさんが言ったことを思い出して襟ぐりから右手を差込み、ほどけたロープをワンピの外に引っ張り出しました。
「ああんっ!」
ロープのザラザラが左の乳首を不意に擦って、尖った乳首がピンッって弾かれて、その気持ちよさに思わず大きな声が出てしまいました。
「あらー。気持ち良さそうねー。この開放感もいい感じでしょ?それじゃあ前を向いて」
シーナさんも運転席で前に向き直りながら言いました。

「このロープは?・・・」
引き抜いたロープを束にまとめてからシーナさんに差し出しました。
「それは直子さんのバッグにでも入れておいて。また後で使うかもしれないから」
「あ、それとワンピのボタンはそのままよ。はめちゃダメ。そのワンピ、スタンドカラーだから合わせておけば見えやしないわよ。そのくらいの勇気は、あるでしょ?」
「あ、はい・・・」
「シートベルトして」
私は、肩脱ぎ状態だけを直し、胸元のボタンを4つまで開けた状態でシートベルトをしました。
シートベルトがたすき掛けになり、胸元を押さえてくれます。
ちょっと安心。

「シートベルトしたら、ワンピの裾をめくりなさい」
「えっ?」
「え、じゃないわよ。直子さんがちゃんとタンポン挿れているか確かめるの。早くしなさい!」
シーナさんの叱責に、私はあわてて裾をまくり上げました。
ツルツルな私の腿の付け根部分から、白い紐が一本、垂れ下がっています。
シーナさんが私のほうを向いて確認しました。
「じゃあ、それ、抜いちゃって、代わりにローター、突っ込みなさい」
シーナさんのお声が取りつく島もないほど冷たかったので、私は黙ってポシェットを開け、ローターを取り出しました。
「直子さんのおツユでグズグズに汚れたタンポンは、ポシェットの中のビニール袋に入れて、またポシェットに入れておきなさい」

私は、タンポンの紐を引っぱりタンポンを抜いて、言いつけ通りに処理した後、ローターをウエットティッシュで拭ってから自分のアソコに押し込みました。
すでにバスタオルに垂れるほどジュクジュクでしたから、ローターもツルンと難なくおさまりました。

「さてと、ようやくドライブ出発ね。その前に一つだけご忠告。これから駐車場を出て駅前の通りを抜けるまで、たぶんずっとノロノロ運転だと思うの。この車のまわりをひっきりなしに歩行者が行き交うことになると思うわ」
「だから、ずっと普通の顔をしていること。出来ればニコニコ笑っているのがいいわ。間違ってもいやらしいアへ顔とかしてわたしに恥をかかせないでちょうだいね」
そこまで言ったシーナさんがブォンと車を発進させ、同時に股間のローターが震え始めました。

「あーーんっ!」
いきなり最強です。
予期していたとは言え、火照ったからだに油を注ぐような強烈な刺激に、私は知らず知らず内股になってアソコの中のローターを締め付けてしまいます。
こんなんじゃ、すぐにイっちゃいそう・・・

車はゆっくりとスロープを下り、料金支払機の前で停車しました。
股間の震動は波紋のように、アソコから私の全身へと快感の波を送ってきます。
私は自分の胸の前で両腕を交差して、自分を抱きしめるみたいにうつむいて、快感に抵抗を試みます。

「あぅぅうぅ」
それでもあまりの気持ち良さに、意図しない声が喉の奥から洩れてしまいます。
「ほら、そろそろ通りに出るから、シャキッとしなさい!」
そんなことを言われても・・・
「んぐぅ・・・」
気持ちの良い波が何度も何度もからだに押し寄せるのを、私はうつむいて必死にがまんするしか出来ませんでした。

車が駐車場の出口に到着して、お外の通りへの信号待ちの間、制服を着たキレイなお姉さんに止められています。
上目遣いに見る目の前の舗道には、ひっきりなしの歩行者がガヤガヤと歩いています。
さすがに覗き込んでくるような人はいないみたいですが、みんな見るともなしに車の中を見ていくみたい。
そんなことを考えている間も、からだはどんどん昂ぶっています。
ビクンビクン波打つからだを制御できません。

もう、いいや!
せめてイキ顔をみなさんにお見せしないように、うつむいたままイっちゃおう。
「んぐぅーっ」
私がそう決心したときに、ローターの震動がピタリと止まり、車が駅前の大通りに滑り出しました。
「直子さん?あなた、イっちゃおう、って思ったでしょ?わたしは、普通にしてなさい、って言ったのに」
シーナさんの冷たいお声。
私は悲しくて仕方ありません、
あと少しでイけたのに・・・
自分を抱いたままうつむいています。

「まったくいやらしい子なんだから。人が大勢歩いてるっていうのに、おかまいなしでイキたいの?」
車は何度も信号に捕まり、ノロノロと進んでいました。
相変わらず窓の外を無数の人たちが行き交っています。
「あら?イけなくて拗ねちゃったの?子供みたいねえ」
車がようやく繁華街を抜け、スイスイと走り始めました。
「あんっ」
ローターのスイッチが入りました。
でもこれは弱。

シーナさん、怒っちゃったかな?
私は、シーナさんが今どんなお顔をしているのか見たいと思い、顔を上げました。
シーナさんは澄ましたお顔で運転していました。
でも、それより驚いたのは今走っている道。
見覚えのあるその通りは、私が毎日学校へ行くのに歩いている道でした。
「あ、あのシーナさん?これからどこへ行こうと・・・」

「はい。着いた」
私の言葉が終わらないうちに車が停まりました。
そこは、私が住んでいるマンションのまん前でした。


氷の雫で濡らされて 10
**

2011年8月20日

氷の雫で濡らされて 08

シーナさんが置いていった開いたままの日傘を拾いながら、屋上内を素早く見渡しました。
さすがにこんな暑さの中、わざわざ屋上で紫外線を浴びたいと考える人はあまりいないみたいで、パラソル群のところにチラホラ人がいるだけ。
私に注目している人もいないみたい。
私は、開いたままの日傘を肩に乗せ、またお外のほうを向きました。
目の前に雲ひとつ無い青空が広がっています。

視線を自分の胸元に落とすと、ワンピース胸元の濡れた布は、まだベッタリと私のおっぱいに貼りついていました。
尖った乳首の形までハッキリわかります。
でも、こうしてお外を向いていれば、この恥ずかしいトンガリ乳首を誰かに見られちゃう心配はありません。

このはしたない姿を誰かに見て欲しい・・・
でもやっぱり怖い・・・

早くここを乾かさなきゃ。
肩に提げているバッグからフェイスタオルを取り出し、胸元のボタンを4つまではずしました。
胸元の肌が大きく覗いて、おっぱいの裾野を通る麻縄まで見えるようになりました。
右手に握ったフェイスタオルをはずしたボタンの隙間から侵入させ、まずワンピの裏地をサワサワと拭きました。
おっぱいにへばりついていた布地を剥がすと、布と素肌の隙間にやんわりと吹いている風が入り込んで気持ちいい。

濡れたおっぱいも拭いておかなくちゃ。
そう言えば今日、敏感になっている自分のからだを自分でさわるのは、初めてかな?
なるべく乳首を刺激しないように柔らかく撫ぜ撫ぜするつもりでした。

「んふーっ」
フェイスタオルの繊維が尖った乳首に触れた瞬間、思わずえっちな吐息が小さく洩れてしまいました。
麻縄で絞られている乳房全体がピンク色に染まり、全体に少し痺れたようになっていて、今までにないくらい敏感になっていました。
一度さわったが最後、手のひらの動きが止められなくなり、いつの間にかフェイスタオルごと左おっぱいを鷲づかみにして、規則正しくモミモミしていました。
「んはーっ」
左のおっぱいは右手で、右のおっぱいは左手で。
青空の下、十数メートル後ろでは知らない人たちがウロウロしている、っていう危機感は頭の片隅にあるのですが、痺れおっぱいを揉みしだく快感が、それを退けていました。
「はぁんっ!」
青空に向かって身悶えます。
右の乳首をギュッっとつまんだとき、内腿の間がキューンと盛大に疼いてビクンとのけぞり、ハッと我に帰りました。

いっけない!
こんなことしている場合じゃありませんでした。
あわてて襟元から自分の手とフェイスタオルを抜き、ワンピのボタンを上の二つだけ残して留めました。
フェイスタオルに余計な水分を吸われた布地は、もはやおっぱいにベッタリ貼りつくことはなく、少しテレッとはしていますが、乳首が露骨には浮かなくなりました。
ただ、ポシェットの鎖に布地が押されているので、2箇所だけピンタックごと尖っているのはまだわかっちゃいます。

タンポンも挿れとかなくちゃ。
おっぱいをいじっちゃったおかげで、下半身がすっごくモヤモヤしてきていました。
このままだと、本当にしたたらせちゃいそう。
日傘を閉じて傍らに置き、右腰のところで揺れているシーナさんがくれたポシェットを開けてみました。

中には、シーナさんのお言葉通りタンポンが数個、あと、見覚えのある物体が入っていました。
卵を細長くしたような楕円形のピンク色の物体。
私のお家にあるのと同じ、リモコンローターのローター部分でした。
見えた瞬間、心臓がドキンと飛び跳ねました。

これも挿れろ、っていうことなのかしら?
でも、これを挿れて、さらにタンポンも挿れるなんて不可能です。
どちらか選べ、っていうことなのかな?
私は、真剣に悩み始めました。

ローターを挿れたい、っていう気持ちが勝っていました。
これを挿れたまま繁華街を歩く自分を想像してみます。
普通にお話しながら人ゴミを歩いているとき、シーナさんが突然、スイッチを入れます。
途端にビクンって立ち止まる私。
股間を襲う気持ちいい震動に耐え切れずに、しゃがみ込んでしまう私。
内腿をダラダラすべり落ちて路上にしたたるえっちなおツユ。
苦痛に耐えるように眉根を寄せた私の顔は、淫らそのもの。
突然しゃがみ込んだ女を怪訝そうに眺める見知らぬ人たちの目、目、目・・・

私は、そのローターの威力をすでに知っていました。
さっきまでしていたホタテ貝とは、比べ物にならないほどの破壊力。
三段階ある震動のうち一番強いのにセットされると、立っていられないほどの快感に襲われることを。

やってみたい・・・
でもやっぱり怖い・・・

結局、臆病な私は、タンポンを挿れることにしました。
もちろん、何も挿れない、っていう選択肢もあるのですが、たった今、自分が思い描いた妄想に私のアソコは、なおいっそう待った無しの洪水寸前状態になっていました。
人前で恥ずかしくしたたらせちゃう前に、ちゃんと挿れとかなくちゃ。
でも、こんな昼下がりのお外で、人目もあるのに裾をまくってアソコを開いて・・・
想像が妄想を呼び、妄想するたびに欲情がつのる悪循環。
乳首が痛いほど張っています。
もしここに鏡があったら、誰の目にも一目でわかるほど淫らに欲情しきったいやらしい女の姿を見ることが出来たでしょう。

もう一度まわりを見渡して近くに人がいないのを確かめてから、ポシェットの中のタンポンをつまみ出しました。
屋上フロアに背中を向け、お外を眺めている風を装いながら、取り組み前のお相撲さんみたいな形にゆっくりその場にしゃがみ込みました。
両膝をジリジリと開いていくと、ワンピースの裾がせり上がってきます。
隠すもののない亀裂がそよぐ空気に触れ、縁を濡らしたワレメが直射日光を浴びてキラキラ光り、私のアソコが白日の下にさらけ出されました。

左手の人差し指と中指をアソコの両縁にあてがい、チョキの形にして穴を広げます。
右手に持ったタンポンをソロソロと挿入していきます。
アソコを満たしていたえっちなおシルがタンポンの体積に押し出され、入り口のほうに集まってきて今にも零れそう。
私の両手は、あっという間にヌルヌルになってしまいます。
「はあ、はあ・・・」
タンポンがジリジリ奥へと侵入するたびに、荒い吐息が洩れてしまいます。
アプリケーターが付いていなかったので少し手間取りましたが、なんとか挿入し終えて立ち上がろうとしたとき、背中をポンと軽く叩かれました。

「だいじょうぶですか?」
一瞬、心臓が止まるかと思うくらい大げさにビクンとからだを震わせた私。
股間からツツーッと糸を引いた粘液が、コンクリートの床に直径3センチくらいの黒い痕を作りました。
しゃがみ込んだまま恐る恐る首だけ振り返ると、中学生か高校生くらいと思われる女の子が腰を屈めて、心配そうに私の背中を見下ろしていました。
「ご気分が悪いんでしたら、誰かデパートの人、呼びましょうか?」

「あ、いえ、あの、その・・・」
私はあわてて、弾かれたように立ち上がりました。
同時に足元のスケベな水溜りを右足で踏んで隠しました。
「気分が悪いっていうのじゃなくて、あの、ちょっと、その・・・」
私の弁解はしどろもどろ。
その女の子の顔をまっすぐ見ることができず、うつむいたまま。

「でもお顔が真っ赤ですよ。とにかく日陰に入ったほうがいいんじゃないですか?」
真剣に心配してくれている風のやさしい声に、思い切って顔を上げてみました。
その女の子は、胸元に赤いリボンの付いたフリフリの真っ白いノースリワンピを着て髪をツインテに結った、まだあどけない感じの可愛らしい子で、相変わらず心配そうな顔をしてくれています。

「あ、ありがとう。ちょっと気分が悪くなっただけで・・・」
「あたしたち、向こうで遠くの景色を眺めていたんですけど、ジュースを買ってきてくれたカレが、あの女の人、なんかヘンじゃない?って言うんで・・・」
彼女が指差した10数メートルくらい先の柵のほうを見ると、女の子と同じ年頃のジーンズ姿の男の子が柵にもたれてこちらを見ていました。
私に気がついたのか、ペコリとお辞儀してきます。
私も会釈を返しました。

「それで見ていたら、お姉さんがしゃがみ込んだまま動かなくなっちゃったんで、カレに、ちょっと見て来てあげれば、って言われて」
「あ、あなたたちデート中なのね?ごめんね。無駄な時間使わせちゃって」
「それはいいんです。で、カレに、俺も一緒に行こうか?って言われたんだけど、あたしなぜだか、なんとなくあたしだけのほうがいいんじゃないかな、って直感的に思っちゃって」
「でもそれ、正解だったみたいですね。ほら、女の子ってあるじゃないですか?突然の生理とか・・・」

ギクッ!
ひょっとしてこの子に、こんな場所で私がタンポン挿れているの、見られちゃった?
いつから私のことを見ていたんだろう?
いつから私のそばにいたんだろう?
甘美な絶望感が私の全身を駆け巡りました。

「あ、で、でももうだいじょうぶなの。私ももう屋内に戻るから。心配してくれて本当にありがとうね」
声が少し掠れてしまいました。
私は、一刻も早くこの場から逃げ出したくて、無理やりな愛想笑いをしつつ足元の日傘を拾いました。

「いえ、なんともないのならいいんです」
女の子がニッって笑って、私から一歩退きました。
「心配してくれてありがとう。あなたのカレ、やさしいのね。カレにもよろしくね」
「はい。それじゃあ」
女の子は小さく手を振り、カレシのほうへ駆け出そうとしてしてすぐ立ち止まり、もう一度私のほうへ振り向きました。

「その手首の飾り、カワイイですね」
私の右手に巻かれたピンクのショーツを指さし、ジーッと見つめてから、もう一度私の顔を見ます。
「そ、そう?ありがとう」
「それって、下着でしょ?」
「えっ?」
大いに動揺した私の絶句。

女の子は、その後何も言わず、まじまじと私の全身を見つめてきました。
上から下まで、舐めまわすように。
まだシットリ濡れているおっぱいの頂から、布一枚で遮られたノーパンの腰、汗ばんだ太腿。
その目に仄かな蔑みの感情が浮かんでいるように、私には見えました。
見つめられている間、私は身動きできず、突っ立ったままでした。
年下の女の子からの軽蔑の視線・・・
私の心臓はドキドキ高鳴り、タンポンを挟んだ股間がピクピク疼きました。

女の子の視線がようやくはずれ、思い出したようにペコリと一回私にお辞儀をして薄く笑うと、クルッと踵を返してカレシの元へ駆け出して行きました。
私も女の子のほうは見ないようにして、逃げるようにデパート屋内へ戻るドアへ駆け出しました。
縄ブラの胸がプルンプルン揺れるのもおかまいなしに。


氷の雫で濡らされて 09
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