2011年5月14日

しーちゃんのこと 03

お役目を終えてしーちゃんと二人、お部屋へ戻ると、みんなすでにお風呂に行ったみたいで誰もいませんでした。
「私たちもお風呂、行こ?」
「うん」
しーちゃんと連れ立って大浴場に向かいました。

しーちゃんは、今日は、バスタオルで隠すことはせず、淡々と裸になりました。
昨夜見られちゃったことで、もう平気になったみたいです。
シャンプーなどを入れたお風呂セットを片手に、一応、前にタオルを垂らして少し隠しつつ二人、浴室へ入っていきました。

「あっ!お疲れーっ!」
大きな声をかけてきたのは、湯船に浸かっていたあべちんでした。
あべちんのまわりには、他の3人が私たちに向かってそれぞれひらひら手を振っていました。
「けっこう時間かかったんだね?あたしたちそろそろ出るところなんだ」
と、愛ちゃん。
「うん。でも意外と面白かったよ。調理場の人もやさしかったし・・・」
答えながら、空いている鏡の前の場所を確保します。

今日は、昨日より人が少なくて、愛ちゃんたちの他に、別のクラスのグループが一組5人だけ。
私がまわりを見回したのに気づいたのか、曽根っちが湯船の中をしゃがんだまま私たちのほうに近づきながら、
「さっきまでかなり混んでいたんだけど、5分くらい前にみんな段々と出てったんだ。でも、あと20分くらいすると次のクラスの子たちの時間になってまた混み始めるから、しーちゃんたちもさっさと洗っちゃったほうがいいよ」
なんて教えてくれました。
「そうなんだ?」
私たちは、急いでからだを洗い始めました。

愛ちゃんたち4人は、私としーちゃんがからだを洗っている鏡のところに近い場所まで、みんなで湯船の中を移動してきて、浴槽の縁に頬づえをついて、私たちの裸の背中をジーッと鑑賞しているようです。
目の前の鏡の奥に、その様子がボンヤリと映っていて、時折、ヒソヒソ言ってクスクス笑ってるみたい。
お尻もバッチリ見られちゃってるよね、恥ずかしい・・・
私は、石鹸をいっぱい泡立てさせようとタオルにゴシゴシこすりつけ、そのタオルでからだをテキトーに撫ぜながら、モジモジしてしまいました。

「そんじゃあ、うちら先に戻るから。ほどほどにごゆっくり、ね?」
お風呂椅子に座ってからだを流していた私は、ふいにポンと軽く背中を叩かれました。
振り向きつつ顔を上げると、曽根っちの豊かなアンダーバストが頭上にありました。
「う、うんっ」
その、めったにお目にかかることのないアングルにドギマギして、声が上ずってしまいます。
「お先ー」
「お先にー」
私としーちゃんの背中をパンパン叩いてそう言いながら、愛ちゃんたち4人の裸のお尻が脱衣所へ消えていきました。

「しーちゃんは将来、美大とかに進むの?」
しーちゃんと二人、湯船の端のほうで、向き合って浸かりました。
広い湯船の向こうのほうには、別のクラスらしき5人が輪になってキャイキャイやっています。
大浴場には、湯船に私たち7人だけ、洗い場には誰もいなくて、ガランとしていました。

「うーん、わかんないけど・・・」
「しーちゃんもあの学校、受けるなんて知らなかった」
「あの学校はネー、お姉ちゃんが今、通ってるんだ。二年生。生徒会の副会長やってるんだヨ」
「へーっ!?」
「うちのおばあちゃん、パパのお母さんネ、も、あの学校出てるんだ。うちの家系の女の子は代々あの高校行ったんだって。だからワタシもできればなー、って」
「ふーん」
「それで、お姉ちゃんによるとあの学校、外から見ると、由緒正しくて規律が厳しいお嬢様学校、ってイメージがあるけれど、中に入ったらそうでもないんだって。服装とか細かいこともあんまりチェックしないし、先生も生徒もユニークな人が多いって」
「その代わり、勉強だけはかなり厳しい、って。ついていけなくて途中で転校する人も少なからずいるみたい」
「ワタシ、頭良くないからどうかなー、って思ったんだけど・・・でも、なおちゃんも行くんなら、ワタシも絶対入りたいなー」

ユラユラ揺れている半透明のお湯の向こうに、しーちゃんの白いからだがぼやけて見えています。
ひっくりかえしたお皿みたく少しだけ盛り上がっている胸と華奢な手足が、お湯の中で儚げに揺れています。
しーちゃん、カワイイなー・・・
知らず知らず水面を見つめてしまいます。

「だからなおちゃん、これからワタシに勉強、教えてくれる?」
うつむいている私の顔を覗き込むようにして、しーちゃんが小首をかしげています。
「う、うんっ!。もちろんっ!私も受かるかどうか自信ないんだけど・・・でも、受験まで二人で一緒にがんばろー!ね?」
お湯の中で二人、やんわり握手しました。

「しーちゃん、曽根っちのことは知ってたの?」
昨夜のことを思い出しながら聞いてみます。
「うん。夏休み中に曽根っちが報告に来たもん。進展があるたんびにすっごく嬉しそうに。だからあの告白、誰にも教えていないヒミツ、じゃないんだよネー、厳密に言うと」
しーちゃんがクスッと笑います。
「曽根っち、すっごく楽しそーにお話するから、聞いてるワタシも嬉しい気分になったヨ」
小さく笑ったしーちゃんは、言葉のわりには、あまり嬉しそうには見えませんでした。
「曽根っちとはおつきあい、長いんでしょ?」
「そう。小学生から。ママ同士が仲良かったからネー」
「曽根っちって、けっこう惚れっぽいんだヨー。あの人カッコイイよねー、とかよく言ってくる」
「今度のカレシは、しーちゃんも知ってる人なの?」
「ううん。でも写真見せてくれた。あの人に似てた・・・えーっと・・・」
しーちゃんは、テレビで人気のなんとかっていうアイドルグループのなんとかっていう男性タレントさんの名前を教えてくれましたが、バラエティ番組をあまり見ない私には、まったくわかりませんでした。

気がつくと、別のクラスのグループはあがってしまい、広い大浴場に私たちだけでした。
「しーちゃん、このお風呂、今は私たちの貸し切りみたい」
私は、中腰になって湯船の真ん中へんまで移動しました。
しーちゃんもついてきて、また二人でザブンと肩まで浸かります。
「気持ちいい~」
両脚を前に投げ出して全身をお湯の中で伸ばし、顔だけ上に上げます。
しーちゃんは、そんな私の行動をお湯に浸かったままジーッと見つめていました。

「なおちゃんの胸って、なんだかカッコイイ形だよネー」
しーちゃんがポツンと言いました。
「えっ?やだやだ、そんなことないよー」
じっと私の胸を見つめてくるしーちゃんの視線に、内心ドキンって胸を疼かせながらも、つとめて普通の感じに答えます。
「しーちゃんだって、全身キレイなまっ白いお肌で、お人形さんみたいだよー」
しーちゃんは、私の声なんか聞こえていないみたいに、ずーっと私のからだを見つめています。
「ねえ、なおちゃん?・・・」
「うん?」
「さわってみて、いい?胸・・・」
「えっ!?」

私の頭の中が高速でフル回転しています。
ここで必要以上に恥ずかしがるのもオカシイよね、しーちゃんとはお友達同士だし、お友達ならじゃれあってそんな遊びをしてもおかしくないし、しーちゃんはちょっとさわってみたいだけだろうし、でも感じてしまったらどうしよう、でもさわって欲しいし・・・

「う、うん、いいよ・・・」
私は、なるべく、そんなことは何でもないこと、っていう余裕ある雰囲気が出るようにニコニコ笑いを浮かべて、お湯に肩まで浸かったまま、しーちゃんに一歩、近づきました。
でも内心はドッキドキ。
間違っても絶対、ヘンな声は出さないようにしなきゃ・・・

しーちゃんと私は、湯船に肩まで浸かってしゃがみ、向かい合っていました。
お湯の表面が揺らいで、しーちゃんの右手が私の左おっぱいに水圧と共に伸びてきます。
乳首の左脇の肌をやんわりとつかまれました。
「わーっ、やわらかーいっ!」
今度は、左腕を伸ばしてきて、右おっぱいの肌も同じようにつかまれます。
「こっちもやわらかーいっ!いいなあー」
しーちゃんは、手のひらを軽く握るように動かして、ゆっくりモミモミしながら笑っています。
私は、お湯越しにしーちゃんの手の動きを見つめながら、うつむいてじっとしていました。
しーちゃんは、いつまでもそのままの姿勢で私の胸をモミモミしてきます。

「ね、ねえ?・・・わ、私もしーちゃんの胸、さわっていい?」
なんだかだんだん気持ち良くなってきてしまっている私は、その感覚を振り払うためにしーちゃんに話しかけました。
「え?うん、いいけど、ワタシの胸なんて、さわっても全然面白くないヨー?」
しーちゃんが恥ずかしそうに言いますが、私はそれには答えずに、しーちゃんが伸ばしている両腕の内側に自分の両腕を伸ばし、左右の手のひらを広げたまま、しーちゃんの胸に押し付けました。
左手のひらにしーちゃんの右おっぱい、右手のひらに左おっぱい。
しーちゃんの胸は、わずかになだらかに隆起しているだけで、そのふくらみ具合は、ちょうど私が中一だった頃、私がオナニーを覚えたてな頃の懐かしい感触でした。
「ほらー、しーちゃんだってちゃんとふくらんでいるじゃない?カワイイー」
あまり刺激しないように、かすかに手を動かしてモミモミすると、しーちゃんが照れたように私を見てニッて笑いました。

私の左右の手のひらの真ん中にそれぞれ、しーちゃんの小さめな乳首の感触がありました。
そしてそれは、間違いなく硬くなっている気がしました。
しーちゃんも今の状況に、ちゃんと感じてるんだー・・・
そう思った瞬間、私の乳首が左右同時にフワッとつままれました。
「あ、やんっ!」
思わず小さく呻いてしまいます。
私の乳首は、この状況になってからどんどん尖ってきていました。
幸いしーちゃんは、おっぱいの肌のほうだけにふれて乳首をほっといてくれたので、バレずにすむと思ってたのですが・・・

「なおちゃんの乳首、かわいいネー。つまみやすくてコリッコリ、赤ちゃん喜びそー」
しーちゃんは、私の乳首が硬くなっているのに気づいているのかいないのか、そんなことを言いながらプニプニと私の乳首を弄んできます。
そ、そんなにされると、か、かなりマズイことに・・・
私はうつむいて、必死に声が出るのをがまんします。
自分の乳首に与えられている刺激から、意識をそらさなきゃ、って焦ります。
その分、しーちゃんの胸に置いた自分の両手の動きが知らず知らず早くなってしまい、いつのまにか、しーちゃんもうつむいちゃっていて、二人の両手だけがお湯の中で動いていました。

ボイラーなのか換気扇なのか、けっこう大きめなザーーーていう音以外は聞こえない二人きりの大浴場で、私たちの周囲のお湯だけがユラユラと揺らめいています。
このままだと・・・

そう思ったとき、脱衣所のほうからガヤガヤとした音が聞こえてきました。
次のクラスの人たちが来たようです。
私としーちゃんは、同時に互いの胸から両手を離し、お湯の中しゃがんだまま、最初に二人がいた湯船の端のほうにゆっくりと移動しました。
「わー、今日はまだ空いてるよー」
ガラガラっと脱衣所からの扉が開いて、裸の女の子が4人、元気良く浴室に入ってきました。
「ほんとだー。早くからだ洗って温泉浸かろー」
「さんせー」
「りつ、泳ぐなよー?」
「きゃはははー」
3人、5人、また3人と知らないクラスの子たちが入ってきて、大浴場はまたたく間にワイワイガヤガヤ賑やかになっていきました。

「もう出よっか?」
しーちゃんに聞きます。
「そだネー」
しーちゃんが先にサバッとお湯の中で立ち上がり、背中を向けてゆっくりと湯船の縁に向かいました。
湯船から出るときに片脚を大きく上げたので、その白くて小さなお尻が割れて、ゆらめく湯気越しにしーちゃんのピンクな中身が一瞬チラっと見えたような気がしました。
ドキンッ!

洗い場に出たしーちゃんが私を振り返って微笑んでいます。
その視線に急かされるように、私も立ち上がりました。
しーちゃんは、お湯に濡れた私の全身を上から下まで、舐めるように見つめてくれました。


しーちゃんのこと 04

2011年5月7日

しーちゃんのこと 02

各自持ってきたお菓子とトランプの大貧民で盛り上がりながら、いろんなことをたくさんおしゃべりしました。

進路のお話もしました。
愛ちゃんとあべちんは、沿線近場にある公立高校、ユッコちゃんは、スポーツが盛んで水泳部が強い私立高校、曽根っちは、とある私立大学の付属高校に進学するつもりだそうです。
私は、なかなか決められずにいろいろ迷っていたのですが、夏休みの間によく考えて、沿線にある私立の女子高校に進むことに決めていました。
この高校は、この土地に古くからある歴史のある学校で、お勉強のレベルもけっこう上のほうな進学校。
私の学力だとギリギリのラインでしたが、他に良い候補がみつからないので、がんばって挑戦してみることにしました。

私がそれを告げると、
「あっ、ワタシもそこ、受ける予定」
しーちゃんが場に最後のカードを出して大富豪を維持しつつ、嬉しそうに言いました。
「でも、ワタシの頭じゃたぶん、受かんないだろうけどネー」
しーちゃんが私の顔を見て、はにかむように笑いました。
しーちゃんは、そこを含めて3つ、女子高ばかりを受験するそうです。

そんな感じでワイワイガヤガヤ楽しく時間が過ぎていきます。
「じゃあ、そろそろラスト三回勝負にしよっかー」
曽根っちが時計を見て場を仕切ります。
「最後の最後に大貧民だった人は、罰ゲームね。何にしよっかなー?」
「明日の自由行動のとき、みんなにアイスおごる」
「お風呂でみんなの背中を流す」
「くすぐりの刑とか」
みんな口々にいろんなことを好きに言い合っています。

「じゃあ、今現在大貧民のあべちんに決めてもらおう」
愛ちゃんの提案です。
「うーんとねえ・・・今まで誰にも教えていないヒミツを一つ、告白する、っていうのはどう?」
「いいね、いいねー」
「賛成!」
「わたし、なお姫のヒミツ、すっごく聞きたーいしぃ」
そういうことになりました。
って、私は何を告白したらいいのかな?・・・
一気にドキドキしてきてしまいました。

結局、私はなんとか平民を維持して、最後の最後に大貧民になってしまったのは曽根っちでした。
「こういうのって、たいてい言い出しっぺがなっちゃうんだよねー」
ユッコちゃんがニヤニヤしながら曽根っちの背中を軽くポンポンと叩きました。

トランプやお菓子を片付けて、並べて敷いたお布団の中央にみんなで顔を寄せてうつ伏せに寝そべりました。
「それではお待たせしました、ナカソネスミレさんの告白ターイムッ!」
言いながらあべちんが立ち上がり、お部屋の電気を薄暗くしました。

みんなの視線が曽根っちに集中する中、曽根っちは、しばらくためらってるみたいに目を伏せていましたが、やがて覚悟を決めて小さく口を開きました。
「アタシねえ、この夏休みの間に、カレシができちゃったんだ・・・」
「ええーーーーーーーっ!」
つぶやくような曽根っちの声をかき消して、私たちの驚愕の声が大きくお部屋に響きました。
「うそうそ、うそーっ!」
「え、どこでどこでどこでみつけたの?」
「誰?誰?誰?」
「うちの学校の人?何才?何才?」
私も含めてみんな一斉にワイワイと、曽根っちにいろんな質問を投げつけていました。

「あなたたちっ!明日も早いんだから早く寝なさいよっ?!」
突然、お部屋の扉がガラッと開いて、他のクラスの担任な女性の先生に厳しい声で注意されました。
各お部屋を見回っているのでしょう。
「は、はーい」
「ごめんなさーい」
「おやすみなさーい」
先生が扉をピシャリと閉めて出て行くと、みんなで耳をすませ、廊下から立ち去った頃合を見計らって、またボソボソとおしゃべりを始めました。

曽根っちのお話をまとめると、
そのカレシは、曽根っちのお姉さんの高校の頃のお友達の弟さんで、現在高校一年生、演劇部に入っているそうです。
お姉さんがまだこっちにいた頃にも二、三度顔を合わせたことがあって、その頃から曽根っちはその人のことをカッコイイな、と少し思ってて、この夏休みにお姉さんが帰ってきていたとき、お姉さんたちの同窓地元グループ数名でサッカーの試合を観に行くのについていったら、その人も来ていて、向こうからアプローチされて意気投合したんだそうです。

「顔はまあまあイケメン。でもそれよりもとっても優しい感じなとこが気に入っちゃった」
曽根っちがテレテレになって惚気ています。
私、つい最近にもこんなお話、たっぷり聞かされたっけなー・・・
シアワセそうな曽根っちのお顔を見て、私はデジャブを感じていました。

「それで、アタシたち、もうキスもすませちゃったんだ・・・」
薄暗がりでもわかるほど真っ赤に頬を染めた曽根っちのバクダン発言。
「おおぉーーーーっ!」
声を殺した低いどよめきがお部屋に響きます。
「胸もさわれちゃったし・・・」
「うわぁーーーーっ!」
「どんな感じだった?」
「気持ち良かった?」
「まさか、もっと先まで?」
あべちんも愛ちゃんもユッコちゃんも、興味シンシンで矢継ぎ早に質問を投げつけていました。

私たちのグループが、こんなに具体的に男の子との恋愛に関してお話ししているのは、そのときが初めてでした。
私は、曖昧な笑顔を浮かべてみんなのおしゃべりを聞きつつも、ビミョーな居心地の悪さを感じていました。
こういうお話は早く終わって欲しい、みたいな・・・

シアワセ一杯な曽根っちのお顔から視線をそらすと、隣にはしーちゃんのお顔がありました。
しーちゃんは、ときどき、うんうん、ていうように小さくうなずきながら、ニコニコ顔で曽根っちのお惚気を聞いていました。
だけど、そんなしーちゃんのお顔が、なぜだか私にはちょっぴり寂しそうに見えました。

「お風呂で見た曽根っちの裸、立派にオトナだったもんねー」
曽根っちの驚きの告白が終わって、みんなそれぞれ自分のお布団に潜り込んでから、暗闇の中であべちんがポツンと言いました。
「やっぱり曽根っちが一番最初にオトナになりそうだねー」
「直子の胸もキレイだったじゃん、ピンクの乳首がツンとしててオトナみたいな色っぽさだった」
ユッコちゃんが言います。
「ううん、ユッコちゃんや愛ちゃんみたくスポーツで鍛えたしなやかなからだのほうが断然カッコイイよ」
私は、お布団の中で恥ずかしくなりながら、精一杯抗議します。
「なおちゃんだってバレエしてるし。なおちゃんにその気なくても男子がほっとかないって。曽根っちの次はなおちゃんかなー、カレシできるの」
愛ちゃんが悪気の無い声でニヤニヤ冷やかしてきます。
「わたしも高校生になったらカッコイイカレシ、作らなきゃなー」
あべちんの夢見るような声。

「でも、高校進んでも、カレシが出来ても、社会人になっても、一年に何回かはみんなで集まって遊ぼうよ、ね?」
ユッコちゃんがお話をまとめるみたいに提案します。
「うん」
「もちろん」
「うん」
「あたしたちの友情は、何があってもずーっと変わらないから」
と、愛ちゃん。
「そのときまでに、みんなに自慢できる、超イケメンなカレシ捕まえるぞーっ!」
曽根っちのお話に一番影響を受けちゃったのは、あべちんのようでした。

翌日は、朝早くからさまざまな名所旧跡を観光しました。
前の夜のお話なんて無かったみたいに、みんなあえて何も蒸し返さず、ワイワイキャーキャーと無邪気に楽しくはしゃぎまわって、非日常な旅行気分を満喫しました。

あっ、一回だけ話題になってたっけ。
曽根っちが真剣にアクセサリーのお土産を選んでいたとき。
「あー、熱い、熱い」
って冷やかしていたのはあべちんでした。

夕方にホテルに戻り、大広間でまたお夕食。
食べ終わった後の後片付け当番に、出席番号の抽選で私としーちゃんが当たってしまいました。
「ありゃー。お気の毒さまー」
曽根っちが同情してくれます。
食べ終わったたくさんのお膳を仲居さんの指示で調理場まで運んでいくお仕事です。
「30分くらいはかかると思うから、みんな先に温泉、入っちゃってていいよ」
お部屋に戻る愛ちゃんたちにそう告げて、しーちゃんと二人、担当の先生のところに駆けつけました。

「あらあら、嬢ちゃんたち、わざわざありがとなぁー」
お膳を持って調理場に行くと、恰幅のいい中年のおばさまがニコニコしながら受け取ってくれて、西のアクセントでそんな言葉をかけてくれました。
そのはんなりした物言いに、ほっこり温かい気持ちになりました。


しーちゃんのこと 03

2011年5月5日

しーちゃんのこと 01

しーちゃんとは、中学校の三年間ずっと同じクラスでした。
最初に言葉を交わしたのは、私が愛ちゃん=川上愛子さんとバレエ教室でお友達になり、その流れでクラスの愛ちゃんたちのグループに紹介されたとき、中学一年の6月のことでした。

藤原しのぶちゃん、という名前で紹介されたその女の子の第一印象は、幼っぽくてすっごくカワイイ子だなー、でした。
しーちゃんは、前髪長めでふんわりカールな栗毛色のショートヘアーに、黒目がちでまん丸な大きな瞳が特徴的で、まるでヨーロッパのアンティークなお人形さんのようでした。
背は私より少し低くて、全体的にスレンダー。
初めて紹介されたときは、まだ胸もほとんど膨らんでなくて、中性的な美少年のような佇まいでした。

性格は、大人しめ、控えめな感じで、愛ちゃんたちのグループで集まると、背が高くて発育もいい曽根っちの傍らでいつも、私たちのおしゃべりを聞いてニコニコ笑っていました。
でも、打ち解けていくうちにかなりの物知りさんなことがわかりました。
私たちがおしゃべりしていて、何か思い出せないこととかで悩んでいると、それって・・・てポツンと核心を突く答えを出してくれたりします。
かと思うと、ときどき抜群のとんちんかんな天然っぷりを発揮することもあって、何ていうか、不思議な女の子でした。

曽根っちとユッコちゃんとしーちゃんが同じ小学校からのお友達で、愛ちゃんとあべちんが別の小学校で一緒で、中学に入って愛ちゃんとユッコちゃんが体育の時間にお友達になったのを期に、今の愛ちゃんたちのグループが出来たそうです。

しーちゃんのお家でお泊り会をしたことも何度かありました。
初めて行ったとき、とても驚きました。
しーちゃんのお家は、昔から代々この土地で薬屋さんをしているそうで、今は駅前すぐのところに立派な4階建てのビルを建て、一階が店舗、二階全体がしーちゃんたちの住まい、三階と四階はマンションとして貸しているそうです。
二階のしーちゃんたちのお家は、普通のマンションみたく廊下に3つの扉があって、家族みんなのお家としーちゃんのお部屋、しーちゃんのお姉さんのお部屋がそれぞれ独立していました。
しーちゃんのお部屋は、12帖くらいのワンルームで、簡単なキッチンとユニットバスも付いていました。
壁際のラックや衣装ケースには、コミックス本とTVゲームとアニメのDVD、音楽CDがぎっしり。
コミックスは、有名な少女マンガはもちろん、少年マンガからちょっとえっちなのまで、すっごくたくさんありました。
お隣のお姉さんのお部屋にもまだまだあるそうです。
あとは、大きなテレビモニターとさまざまなゲーム機、シンプルなベッドとお勉強机とクロゼット。

「うちの家系はネー、コレクター体質らしいの。パパは趣味でおやじバンドやってるから、ギターを何本も買ってきちゃうし、ママは中学生の頃から今でもクイーンの大ファンで、ステージ衣装のレプリカとかまで買っちゃうんだヨ」
しーちゃんが苦笑いしながら教えてくれました。
「クイーンて、ウイ~アザチャ~ンピョ~ン、のクイーン?」
私が聞くと、
「そう。日本でデビューしたときからずっとなんだって。来日公演も全部行ったし、ファンレターの返事までもらったって」

そんなしーちゃんのお部屋は、遊ぶものには事欠かず、夜通しTVゲームやボードゲームしたり、飽きたらマンガ読んだりして、いつもすっごく楽しく過ごせました。
こういう独立したお部屋を持っていたら、家族に気兼ねなくいろんなことができるなあ、なんて羨ましくも思ったり。

しーちゃんは、絵を描くのも上手でした。
お勉強のノートを貸してもらうと、あちこちの片隅に可愛らしいマンガチックな動物や女の子のイラストが描いてありました。
お部屋には、油絵のキャンバスやイーゼルもさりげなく置いてありました。
何度目かの訪問のとき、描きかけの油絵の風景画を見せてもらったことがありました。
色彩の濃淡の加減とか、私は絵画とかぜんぜんわからないのですが、なんだか本格的で、スゴイ、と思いました。
小学校の6年間ずっと、近所の絵画教室に通っていたそうです。
しーちゃんのお部屋にいつもそこはかとなく香っていた油絵の具の匂いの記憶は鮮明で、今でも同じ香りがすると瞬間的にしーちゃんを思い出します。

しーちゃんと一対一で親しくお互いのお家を行き来するようになったのは、三年生のとき、9月中旬に行った修学旅行がきっかけでした。
それまでも、グループ単位でいつも一緒に遊んでいたし、しーちゃんも含めてグループのみんな対等に大好きだったのですが、私の一番の親友は愛ちゃんでしたし、しーちゃんは曽根っちと一緒にいることが多かったと思います。

修学旅行の行き先は、関西の古いお寺がたくさんある一帯でした。
お部屋割りとグループ行動の単位となる班分けは、幸い一班6人づつということになったので、私たちはいつものグループみんなで同じお部屋に泊まれることになりました。

修学旅行自体は、もちろんワクワクで超楽しみなのだけれど、一つだけ、気にかかってることがありました。
たぶん、みんなでお風呂に入ることになるでしょう。
みんなの裸が見れるのは、すっごく嬉しいのですが、当然私も裸になることになります。
私は、こういう性癖なので、みんなに裸を見られると何か良からぬ余計な妄想をして、その場の空気をおかしくしてしまうかもしれません。
あんまり過剰に恥ずかしがったり、みんなの裸をジロジロ見たりは、よくないよね・・・
できるだけ平常心で、ごく普通に振舞わないと。
気まぐれに私に訪れるムラムラ期は、3日前にした渾身のオナニーで治まっていましたし、グループの5人に対してえっち系の感情はぜんぜん抱いていなかったので大丈夫とは思うけれど、やっぱり少しドキドキしていました。

旅行一日目の夜、お夕食の後でやっぱり、みんなでお風呂に入りに行こう、ということになりました。
泊まったホテルのお風呂は、広い湯船の大浴場で、一応温泉でした。
私たちの他にも、他のクラスの子たちや一般客のおばさまたちなど、十数名くらいがすでに入っていました。

私は、内心かなりドキドキしながらも過剰に隠すこと無く、たんたんと服を脱いで裸になり、タオルで前だけ押さえて他のお友達をうかがいました。
脱衣所で一番モジモジしていたのは、しーちゃんでした。
胸から下をバスタオルで厳重に隠して、モゾモゾと脱いでいました。
「そんな一生懸命隠したって、どうせ中に入ったら見られちゃうんだよん?」
曽根っちが笑いながらしーちゃんをからかっています。
「だってワタシ、子供みたいなからだなんだもん。アソコの毛もちょびっとだし・・・恥ずかしい・・・」
しーちゃんは真っ赤になって、バスタオルを素早くタオルにチェンジして股間を隠しました。
「いいんだよ、それでこそしーちゃんじゃん」
そう言う曽根っちは、タオルを首に掛けた丸裸で、豊かな胸をプルプル揺らしながらしーちゃんの手を取っていました。
なんだか年の離れた姉妹みたいでした。

洗い場の鏡の前に横一列に6人並んでからだを洗いました。
私の隣は愛ちゃんとあべちん。
「なお姫、本当、立派に育ったねー」
あべちんがわたしのおっぱいをしげしげと見ながら、言ってきます。
「あべちんだって、案外着やせするタイプなのねー」
私も負けじとおどけた感じでやり返します。

愛ちゃんとは、バレエのレッスンのときの着替えでお互い見慣れていました。
その他の4人のヌードは初見です。
おっぱいの大きさで言うと、大きい順に、曽根っち、私とあべちんが同じくらい、愛ちゃん、ユッコちゃん、しーちゃん。
アソコの毛もさまざまで、一番しっかり生えていたのは、やっぱり曽根っち。
あべちんと愛ちゃんとユッコちゃんが同じくらいで、やっぱり私は薄いほうみたいで、しーちゃんの順。
しーちゃんは、本当にまだスジの上にチョロチョロ、って感じでした。
何て言うか、5人それぞれ、その人らしい裸で、みんなそれぞれキレイでした。

曽根っちは、もう充分オトナのからだ、って言っていいほどのセクシーな存在感。
愛ちゃんは、腕と脚に筋肉がしなやかについたスポーティなからだ。
ユッコちゃんもしなやか筋肉質系、くっきりスクール水着通りな日焼けの白い部分が艶かしかった。
あべちんは、オトナと子供の端境期、発達途上まさしく女子学生っていう感じ。
しーちゃんは、ロリータなすべすべお肌のお人形さん。

愛ちゃんにやさしく背中を流してもらいながら、そんなことを考えていました。

無事、えっちな妄想を浮かべることもなく、でも5人の裸はしっかり脳裏に焼き付けて、お風呂から上がりました。
学校指定のパジャマ代わりな体操ジャージに着替えたら、これから寝るまでは、楽しいおしゃべりタイムです。


しーちゃんのこと 02