2010年6月27日

グノシエンヌなトルコ石 01

私が初めて、本格的な『レズビアンSM』 を体験したときのお話です。

お相手をしてくれたのは、私が中学一年のときから通っていたバレエ教室で、私のレッスン担当講師だった、百合草やよい先生。
他の生徒さんたちは、ほとんど『ゆり先生』 と呼んでいましたが、私はずっと『やよい先生』 と呼んでいたので、ここでもその名前で呼ばせてください。

やよい先生は、私が中二のときに遭遇したある出来事で男性恐怖症みたいなことになってしまったとき、親身になって相談相手になってくれました。
その出来事や、その後のあれこれについては、あらためて読んでいただこうと思っているので、ここでは、やよい先生のかんたんなプロフィールだけ。

年齢は、当時たぶん20代中頃か、ちょっと上?
ごめんなさい、聞いたことありませんでした。
身長は、普通。
たぶん160センチいかないくらい。
今の私と同じくらい。
髪は、耳が隠れるくらいのベリーショート。
目が大きくてぱっちりしていて睫も長め、口も大きめ。
ちょっと上向きでぽってりした上唇が肉感的。
エキゾチックな感じがする超美人さんです。
なんて言うか、美少女というより美少年、っていう顔立ちでした。

からだは、全体に細め。
でも、レオタード姿になると、出るところはバランスよく出ていました。
腕や脚の筋肉もゴツゴツしているんじゃなくて、しなやか。
つまり、プロポーションがすごく良くて、背は高くないのに、スラっとした印象。
とくに、踊り始めると、その動きの一つ一つが優雅でありながら迫力もあって、しなやかで、実際の背の何倍も大きく見えました。
私たち生徒にも、気さくに接してくれて、すごく頼りになるお姉さんという感じ。
私はいつも、尊敬と憧れの目で、やよい先生を見ていました。

そして、やよい先生は、真性のレズビアンでした。

そんなやよい先生が、バレエの講師の仕事をやめて、パートナーの人と一緒に東京でお酒を飲ませるお店をやることになりました。
やよい先生との最後のレッスン終了後に、私は一人で講師室を訪ね、特別にお願いして、この町を出て行く前に二人だけで逢う約束をもらいました。
その日付は、私が高校二年の夏休みに入ったばかりの、金曜日のことでした。

私は、やよい先生のお部屋に向かうために、電車に乗っています。
良く晴れた、とても蒸し暑い夏の真昼。
冷房は苦手なほうなのですが、効き過ぎな感じもある電車のクーラーが、今は気持ちいいです。
私は、お土産に、と母が用意してくれたアイスクリームの詰め合わせとドライアイスの入ったビニール袋を片手に、一応、着替えなど、お泊りセットを入れた小さなボストンバッグを、もう片方の手に持って、窓際に立っていました。
電車は空いていて、座ろうと思えば座れますが、なんか心臓がどきどきしているので、外の景色を眺めていようと思ったんです。

母もやよい先生には何度も会っているので、今日最後の思い出にお泊りに行く、と告げると、
「ご迷惑おかけしないようにね。バレエがじょーずに踊れるコツを、じっくり教えてもらいなさいね」
って、笑って送り出してくれました。

私が住んでいる家の最寄の駅から3つめの駅が、このあたりでは一番栄えているターミナル駅。
そこの駅前にバレエ教室があります。
その駅を通り越して、二つめの駅が、今私が通っている女子高。
そのまた二つ先の駅が、やよい先生の住んでいる町です。
駅の改札を出たところで、やよい先生と待ち合わせしています。

約束の時間の10分くらい早く着いて、改札を出ます。
照りつけるお日様を避けるために、駅の屋根がある日陰で文庫本を読んでいると、約束の5分前に、やよい先生が私をみつけてくれました。

「今日は、あっついねーっ。相変わらず、なおちゃんは真面目だねえ。まだ5分前だよ」
やよい先生が、明るく声をかけてくれます。
「あっ、先生。今日はよろしくお願いします」
私は、あわてて頭を下げます。
「うん。まあね。それより暑すぎっ。さ、早く車に乗って」
そう言って、やよい先生は、たったったった、と駆け出しました。
私もあわてて後を追います。

迎えに来てくれたやよい先生の格好は、おへそが出てるカラフルな縞柄のピチピチタンクトップ、たぶんノーブラ、に、マラソンの選手が履くような薄手の短パンで、素足にぺったんこのサンダル。
長くて細い手足が軽快かつリズミカルに走っていきます。
少し日焼けしています。
すごくカッコイイです。

今日の私の格好は、濃いブルーのシンプルなデザインでウエストから下がざっくりとした膝丈のノースリーブワンピース。
そして白い綿のつばが広い日除け帽子。
ワンピースは、背中のジッパーを下ろして肩紐を両方はずせば、すぐパサっと下に落ちてしまうでしょう。
これは、脱ぎやすくて、すぐ裸になれるように、と選びました。
下着は、シンプルな白レースのブラとショーツ。
あと、素足にヒール低めな白いサンダル。

やよい先生の愛車は、駅の近くにエンジンをかけたまま路駐していました。
色は真っ赤、小さめで丸っこい、なんだか、かわいい感じの車でした。

クーラーの良く効いた車の中で、やよい先生は、お店を開くことが、いかに急に決まったか、それからお引越し先決めるまで、いかにあたふたしたか、を面白おかしく話してくれました。
私は、大笑いしながら、黙って聞いていました。
車の中ではずっと、レゲエっぽい、ゆったりしたリズムな外国の曲が低く流れていました。

車をマンション地下の駐車場に入れてから、エレベーターでやよい先生の部屋に向かいます。
エレベーターの中で、やよい先生が私に聞きました。

「なおちゃん、なんか無口ね。緊張してるの?」
「は、はい・・・少し・・・」
「怖いの?それとも楽しみで?」
「どっちも・・・です・・・」
「あは。だいじょうぶ。心配しないで。あたしがちゃんとやって、あ・げ・る・っ」

やよい先生の部屋は7階でした。
「このマンションでは一番上。この部屋の窓から見下ろすこの町の景色、すごくキレイで、せつなくて、あたし、かなり気に入ってたんだ」
やよい先生が、ドアに鍵を挿しながら、ぽつんと言いました。

「お掃除しといたから、裸足でどうぞ」
やよい先生のお部屋は、私が根拠もなく予想していた通り、シックな感じの色調でまとめられた、2LDK。
家具や調度品、壁の色、床のマットが、バランス良く純白とグレイと茶と黒、それにシルバーとゴールドでまとめられていて、いかにも大人の女の部屋、って感じです。
フローリングのリビングには、日当たりのいい大きな窓が2箇所あって、そこにかけられているカーテン、今は左右にタッセルでまとめられています、だけ、鮮やかだけれども落ち着いたグリーン、まるで快晴の日に見上げた森の木々の葉っぱの色。
やよい先生、センスいい。
部屋に香っている芳香剤も、ナチュラルな感じのネイチャー系。
リラックスできる香りが、そこはかとなく漂っています。

やよい先生は今月末には、ここを出て行くと聞いていましたから、お引越し準備の真っ最中で、部屋の中もごたごたかな?みたいな予想をしていました。
そんな中に、無理にお願いしてお泊まりにいくのは悪いかな、って思ってました。
そう正直に伝えると、やよい先生は、

「ほんと、なおちゃんはやさしいねえ。あたしも、何もなかったら、さっさと片付け始めるタイプだから、そう考えてたんだけどさ・・・」
「ご、ごめんなさい・・・」
やっぱり、と思い、私はうなだれます。
「そうじゃなくてね。ほんと、なおちゃんは素直だなあ・・・」


グノシエンヌなトルコ石 02

第二次性徴期と私 11

私が入ったレッスンコースには、同じ中学校の女の子が2人いて、そのうちの一人が私と同じクラスの子でした。
彼女は、川上愛子さんといって、クラスの女子の中でも目立っている人でした。
どちらかと言うと童顔で、いつもポニーテールなスポーツが得意そうなタイプ。

レッスンの初日に、終了後着替えているときに川上さんのほうから話しかけてくれました。
お話してみると、明るくて人好きのする性格で、お友達が集まってくるのもよくわかります。
好きな少女マンガがいくつも同じだったのでお話がはずみ、私もすぐ打ち解けました。
帰りの電車でもずっとおしゃべりしてました。

川上さんによると私は、
「クラスの女子がみんな知らない、って言うから、ちょっと話しかけずらかったのよね」
「いつも一人で本読んでるし、成績いいし、かと言って、陰気な感じではなかったから、ある意味、謎だった」
「あなたの近所に住んでいる子がいて、お家がすごく大きい、って言ったんで、ひょっとして、お嬢様?なんて噂して」
「一部の子たちは、あなたのこと面白がって『姫』って呼んでるわ」
だそうです。

川上さんとお友達になれたおかげで、学校のクラスでは川上さんのグループの子たちにまず紹介してもらえました。
姫がしゃべった、ってずいぶんからかわれました。
そうこうしているうちに、知ってる顔が一人もいなかったクラスにも、いつのまにか溶け込めていました。

そして、バレエのレッスンとやめられない妄想オナニーのおかげでしょうか。
私のからだは、中一の夏から中二にかけて、大きく成長していきました。
中一の夏休みが終わる頃までに、背が2センチくらい伸びて、胸もややふっくらとなり、最初のレオタードがさすがにきつくなってしまいました。
新しく買ってもらったレオタードも前と同じグリーンにしました。

そして、中学一年の二学期末頃には、普通に冬服を着ていてもよく目立つくらい、おっぱいがふくらんでいました。
走るとゆれて走りづらいくらい。
腰も張りが出てきて、その分ウエストのくびれも目立つようになります。
身長もさらに2センチくらい伸びました。
見る見る女性っぽいからだつきに成りつつありました。

「なんか最近、なお姫、すごく成長してね?」
お友達の女の子が、そんなことを言って軽くスクールカーディガンを着てる私の胸をもむイタズラをしてきます。

クリスマス間近の土曜日、母とターミナル駅までショッピングに出かけました。
新しいレオタードを買うためです。
今度はカップ付きのやつじゃなきゃダメです。
いつものスポーツ用品店で、なじみになった女性店員さんに試着室の中で、私のふくらんだ生おっぱいをしげしげと見られたときは、すごく恥ずかしいと同時に、少し感じてしまいました。
今回は、以前のより少しだけV字が鋭いデザインのレオタのグリーンと白の2着を買ってもらいました。

次に下着売場に行って、生まれて初めてソフトワイヤーが入ったブラジャーを買ってもらいました。
それまでは、小6の始め頃から、スポーツブラみたいな感じのかぶる式の下着、あれは正式にはなんて言うんだろう?
タンクトップの胸から下を切っちゃったような形の綿のやつ、私は『子供ブラジャー』 って呼んでました、を着けていました。
ふくらみが目立ち始めてからは、とりあえずソフトブラでごまかしていました。

その日は、母がサイズを選んでくれた、オーソドックスなデザインでレース付きの白とピンクと水色のプラとおそろいのショーツを買ってもらいました。
「本当は一週間分くらい買っちゃてもいいんだけど、なおちゃんのおっぱいは、まだまだ日々成長しそうだからね。着け心地みて、また買いに来ましょ」
「ちょっとでもキツくなったなと感じたら、すぐママに言いなさい。また測ってあげるから」
母は、コートの上から私の胸に軽くタッチして笑いました。

その前日に母とした会話は、今でもたまに思い出します。

ショッピングに出かける前の日の夜、お風呂に入った後、母に呼ばれてリビングに行きました。
その日は特別寒い日でしたが、リビングは暖房がよく効いていて快適です。
父はまだ帰っていません。
母は、ソファに座って、ぼんやりしていました。

「あら、なおちゃん。ごめんね。呼びつけちゃって。宿題は終わってる?」
「だいじょうぶ。なあにママ?」
母の隣に腰かけます。

「なおちゃん、最近だいぶ女性らしいからだつきになってきたでしょ?だから明日また、新しいレオタ、買いに行きましょう」
「嬉しい。ありがとう、ママ」
「それとね、ブラジャーもそろそろ、ちゃんとしたものを着けるようにしたほうが、いいと思うの」
「だから、それも明日買いましょう」

「それでね、あなたのサイズを測っておきたいの。ちょっと脱いでママに見せてくれる?」
私は、ちょっとどきどきしましたが、なんだか嬉しくて、急いでパジャマのボタンをはずしてはだけました。
言うまでもないですが、ノーブラです。
「へー、もうほとんど大人のおっぱいね。さわるよ、いい?」
私がうなずくと、ママの両手がやさしくわたしのおっぱいを包み込んで、少しだけ動かします。
「うん。いい感じに成長してる。なおちゃんキレイなおっぱいになるわよ」
「ちゃんと合うブラしてれば、カッコイイおっぱいになりそう」
「あんっ」
私は、少し声が出てしまいます。

やわらかくて暖かい手に包まれた私のおっぱいは、気持ち良くなってきて、どうしても乳首が疼きはじめます。
母の手にもそれは感じられているはずですが、何も言わず、しばらくそうしていました。

「はい。ありがとう。なおちゃんのサイズはわかったわ。もうしまっていいわよ」
突然手を離しながら、母はそう言いました。
「えっ?メジャーで測ったりしないの?」
私は、パジャマをはだけさせたまま、母に聞きました。
「ママにまかせて。ママが選んだブラをしていれば、なおちゃんもママみたいな美乳になれるわ」
母は嬉しそうにそう言って、私の頭を撫でました。

「ねえ、ママ・・・ママのおっぱいさわっていい?」
「あら、なおちゃん、さわりたいの?どうぞ」

私のほうに胸を突き出してくれます。
母は、ラベンダー色で七分袖のシルクのネグリジェを着ていました。
座っているし、ネグリジェもゆったりしているので、よくわからなかったのですが、胸を突き出したときに突起ができたので、ノーブラのようです。
ゆっくり両手を持っていき、シルクのつやつやとした感触とともに、母のおっぱいをゆるくつかみました。
私の手に余るほど豊かで、やわらかくて、弾力のあるおっぱいでした。
母は目を軽くつぶっています。
私にはうっとりしているように見えました。
私はそのまま自分の左頬を母の胸に押しつけました。
やわらかくて、シルクがすべすべして、いい気持ち。
母がいつもつけているコロンのいい香りがします。
人差し指で、突起を軽く撫ぜ撫ぜしてみました。
「あはん」
母が小さくため息を洩らしました。

「なおちゃん」
母はゆっくりと身を引いて、私を胸から離し、私の目を見て言いました。
「なおちゃんなら、もうわかると思うから、この機会に言っておくわね」
「なあに?」
「セックスのこと」

「なおちゃんは、これからどんどん女らしくなって、きれいな女性になるでしょう?」
「そうすると、男の人がいろいろ言ってくると思うの」
「なおちゃんもその男の人を好きになれれば、それはいいことなんだけど、なかなか世の中ってうまくいかないことが多いのね」
「男の人って、なおちゃんがかわいいっていうだけで、えっちなことしたがったりもするの。なおちゃんの気持ちなんか関係なくね」
「なおちゃんをどこかにさらって、無理矢理やっちゃおうとか、電車の中でからださわろうとか」
「だから、なおちゃんね。なおちゃんが本当に好きな人ができるまでは、あんまりセクシーな格好とか、お外でしないほうがいいと思うのね」
「好きな人のためにおしゃれするのは当然だけど、街を歩いてるすごく短いスカートの子たちとか、ママあんまり好きじゃないの。男の人に媚てるみたいで」
「なおちゃんには、エレガントでいてほしいの。どう?」

「うん。わかってる。私もあんな格好はしたくない」
今パジャマの胸をはだけている私のくせに、真剣にそう思っています。

「これから、なおちゃんのまわりのお友達にも、誰かとえっちしたとか、そういう話題が増えてくると思うの。でもね、そういうのに振り回されないで、なおちゃんは、本当にしたい人とだけ、そういうことをしてほしいの」
「街を歩いているとね、モデルになりませんか、とかタレントになりませんか、なんて誘ってくる人たちもいるけど、あれは絶対ついてっちゃだめよ。お金騙し取られたり、えっちなことされちゃうらしいから」
「そういう悪い人たちもいっぱいいるっていうことを覚えておいてね。あと自分の身を守る方法も」

「やよい先生が、護身術教えてくれてるよ。やよい先生、空手と合気道もやってたんだって」
バレエレッスンの合間に、百合草先生が、悪い男から身を守るため、と言って、ときどき、痴漢されたときの腕のひねり方とか、後ろから襲われたときの避け方や反撃の仕方なんか教えてくれていました。
「あらー、そうなの。あの先生カッコイイわねえ」

「だからね、なおちゃん。自分を安売りしないでね。あなたがいいなと思った人にだけ、セクシーになりなさい。それが言いたかったの」
そう言って、私を抱き寄せて、自分の胸にぎゅっと押し付けてくれました。
「ありがとう、ママ」
私もママのウエストに両腕をまわして、負けないくらいぎゅっと抱きしめました。
「はい。それじゃあ、いくらきれいだからって、おっぱい見せびらかせていないで、パジャマのボタンして、おやすみなさい」
からだを離しながらママはそう言うと、私の右の乳首を指で軽くピンって弾いて笑いました。

次の年の春、中学二年に進級してクラス替えがありましたが、愛子ちゃんたちのグループの子たちみんなと同じクラスになれました。
愛子ちゃんたちとは、遊園地に行ったり、映画見に行ったり、プールで遊んだり、お泊り会したり、いつも仲良く遊んでいました。
入学式の頃の憂鬱が嘘のように楽しい毎日でした。

二年生でも私は図書委員になりました。
一年の最初の委員決めのときに、担任の先生の推薦でなってから、ずっとやっていました。
おそらく、小学校からの連絡票に、この子は読書好きって書いてあったのでしょう。

バレエ教室も一度も休まずに通っていました。
バーレッスンを一通り終えて、センターレッスンに移りました。
百合草先生からは、
「森下さんは、からだが柔らかいし飲み込みが早い」
と、よく褒めてもらっていました。

家では、相変わらず休日以外父の顔はほとんど見れませんでした。
母は、近所のお友達や大学の頃のお友達と旅行やパーティなどでそれなりに忙しそうです。
何か習い事も始めたみたいなんですが、うまくなったら教えあげる、と言って、まだ教えてくれません。

私は、一時ほど性欲が高まることは少なくなっていましたが、相変わらず妄想オナニーは楽しくて仕方ありませんでした。
そんな比較的まったりした日々を過ごしながら、中学二年生の夏休みが始まろうとしていました。


トラウマと私 01

第二次性徴期と私 10

もちろん、家でも学校でも、私がそんな行為をしてることが絶対バレないように気をつけていました。
汚した下着やタオルは、お風呂のときに一緒に持って入って軽く水洗いしてから、洗濯カゴに入れていました。

そしてもちろん、いつもえっちなこと考えて部屋でオナニーばっかりしていたわけではなく、ちゃんと勉強もしていました。
私はもともと勉強が苦にはならないタイプなので、新しい知識を得ることは普通に楽しみでした。
とくに、中学から始まった英語と、自然界の仕組みを理屈で説明する理科が好きでした。

そして、中学生になって二ヶ月過ぎた頃、もう一つ私の楽しみが増えました。
バレエ教室に通い始めたんです。
母がみつけてきてくれました。
私たちの住んでいる町から3駅先にある、この沿線では一番にぎやかなターミナル駅にお買い物に行ったとき、みつけて寄ってみたそうです。

「良さそうなお教室だったわよ。レッスンルームもキレイで、華やかで」
「なおちゃんくらいの年代の子が、きれいなプロポーションに成長できるように考えられたコースがあるんですって」
「なおちゃん、まだ部活入ってないんでしょ?体力使わないと体重増えちゃうわよ?」

母は、自分が習うみたいにウキウキして勧めてくれました。
私もまだ学校で親しい友人ができていなかったので、ヒマだしやってみようかな?
と思いました。
体力は、夜毎のオナニーでけっこう使ってるとは思うけど。
通うことになれば、毎週一人で電車に乗って繁華街に行ける、っていうのも魅力でした。

翌日の放課後、母と待ち合わせて二人で電車に乗って、そのバレエ教室を見学に行きました。
そのお教室は、駅前すぐの大きなビルの5階にありました。
受付で母が、見学の予約を入れた者です、と告げるとすぐ、レッスンルームに通されました。

大きな壁一面が鏡になっていて、その前のバーに片手を置いた6人の女の子たちが、真剣に膝の屈伸みたいなことをしています。
私は、そのレッスン風景を見てすぐ、やりたい、と思いました。
そのとき、踊っていたのは高校生からのコースの人たちでした。
彼女たちが身につけている色とりどりのレオタードに一目惚れしちゃったんです。
かわいくて、綺麗で、ちょっぴりえっちで・・・

一人、胸がかなり大きくてプロポーション抜群の女の人がいました。
私は、その人の姿ばかりを追いかけて、
私もあんなふうになれたらいいなあ・・・
と見蕩れていました。

私が希望している中学生の6月からのコースは、すでにレッスンが始まっていましたが、受付の人がなんとかしてくれる、と言うので、一週遅れで次の週の木曜日から毎週、バレエ教室に通うことになりました。

受付の人が教えてくれた、近くの駅ビルに入っているスポーツ用品店で、レオタードやタイツや練習用シューズなど、必要なもの一式を母に買ってもらいました。
お店の人は、
「このくらいの年齢の女の子は、日々成長していくから、少し大きめなくらいのレオタードを買ったほうがお得」
って教えてくれましたが、母は、
「きつくなったら、また買い直します。今この子にぴったり似合うレオタードにしてください」
と譲りませんでした。
色もいろいろありましたが、私は迷わずグリーンを選びました。
さっき見学したとき見た、胸の大きな女の人がグリーンのレオタードだったから。

こまかい調整をしてもらうために、母と一緒に試着室に入り、着てみました。
私の胸は、まだカップが必要なほどふくらんではいないので素肌の上から着ました。
下半身は、ショーツを履いたままです。
母が無言でじーっと、私が制服を脱いでレオタードに着替えるまでを見つめていて、恥ずかしかった。
着終わって、鏡を見てみます。
「なおちゃん、よく似合うわあ」
母はすごく嬉しそうです。

肩紐のところが若干ゆるくて、胸元が少し開いてしまっている以外、お腹や腰はピッタリでした。
学校で着ているスクール水着より両腿のVラインがやや鋭角ですから、今はショーツがはみ出してしまって恥ずかしくもカッコワルイですが、レッスンのときは、レオタード用のショーツやタイツを穿くので問題ありません。
母も同意見だったらしく、
「ちょっと両肩を詰めなきゃだめね」
と言いながら、両手でそこを持って上にクイッと上げました。
胸元が閉じると同時に、私の二つの乳首の突起が、グリーンの布地に浮き上がりました。
「やんっ」
思わず言ってしまいました。
母は気に留めもせず、試着室のカーテンを開けて顔を出し、
「よろしいかしら?」
と店内に大きな声をかけます。
男性の店員が近づいてきたらしく、
「あなたじゃダメ。女性の方、さっきの店員さんはいらっしゃらないの?」
こういうときの母は頼りになります。
でも、さっきからカーテン開けっ放しなので、私はどきどきでした。

女性の店員さんと相談して、肩紐を少し詰めてぴったりにして、バストトップはその部分に裏からあて布して隠すことになりました。
母は、レオタードと同じ色のカチューシャと初心者用のバレエの基礎が図解されている教則本も買ってくれました。

その二日後、仕立て直したレオタードを、母がお買い物のついでに引き取ってくるのを、私はワクワクしながら待っていました。
母から手渡されるや否や急いで自分の部屋に戻り、服を脱いで、いったん全裸になってから、レオタード用のショーツをまず穿きます。
激しく動いてもはみださないように、V字が鋭角になっていてセクシー。
後ろはほとんどTバックです。
姿見に映してみます。
ショーツがベージュなので、一見全裸のように見えます。
我ながら、かなりセクシーです。
そして、おもむろにレオタードに脚を通しました。
胸の部分もうまく補修してあって、不自然さはありません。
「似合ってるじゃん」
私は、鏡に向かって声に出して言ってみました。
最後に髪をまとめて、頭にカチューシャをします。
バレエを習うと決めて、ウエストくらいまであった髪を肩くらいまで切りました。
少しウエーブもかけて、自分では大人っぽくなった、と思っているのですが、そう言ってくれる人はいませんでした。

そのまま、部屋の中で、この二日の間に教則本で覚えたバレエの基本ポーズのいくつかを、やってみます。
すごくウキウキしてきて、軽快な足取りで階下に降りました。

「じゃーんっ!」
自分でそう言いながら、母の前で教則本で知ったばかりの『アラベスク』のポーズの真似をします。
「あらあら、なおちゃん。ピッタリね。よく似合ってるわー」
母も嬉しそうに笑ってくれます。
確かに生地の伸縮性が良くて、どんなポーズをしてもからだにぴったり張り付いたまま、ついてきてくれます。
水泳のスクール水着は、水に入ってないときは少し窮屈ですが、このレオタードは、まるで着ていないみたい。
私は、すごく気に入ってしまいました。

「ねえねえママ、私お風呂に入るまで、この格好でいていい?」
「寒くないならいいわよ。慣れなきゃね。でも、こんなにセクシーなお嬢さんに家の中をそんな格好でうろうろされたら、ママ目のやり場に困って、どきどきしちゃう」
「えへへ」
「パパも早く帰って来ればいいのにね」
母は、少しさみしそうに、そう付け加えました。

次の週の木曜日、また母と二人でバレエ教室に向かいました。
一週分の遅れを埋めるために、レッスン開始時刻の30分前から、前回分のレッスン内容をマンツーマンでざっと教えてくれるとのことでした。
早めに行ったほうが良いだろうということで、更に20分余裕をもって到着しました。
お教室に入ると、前のレッスンの生徒さんたちが着替え終わり引き上げる頃のようで、小学3~4年くらいの女の子が数人、ロビーでキャイキャイしてました。
母が受付で名前を告げると、奥のほうから、スラっとしたボーイッシュな感じの若い女性が現れました。
「はじめまして。担当講師の百合草やよいです」

百合草先生には、本当に良くしてもらいました。

その約一年後に遭遇した、私にとっては重大なある出来事のとき、親身になって相談にのってくれて、アドバイスしてくれました。
百合草先生とのあれこれは、また別の機会に詳しくお話します。

そんなふうに、私のバレエレッスンは始まりました。
そして、もう一つ、バレエ教室に通うようになったことによる大きな変化がありました。


第二次性徴期と私 11