「ただいまー。集めたサンプルや契約書類、間宮部長の分まで持ってきました。少しでも早いほうが良いかと思いまして」
ほのかさまがツカツカと綾音さまたちに近づいていかれました。
「おお、たまほのー、おつかれー、お帰りなさい」
ニコニコ手を振るリンコさまの横で、すごく嬉しそうなミサさま。
「ご苦労さま。今ちょうど、例のガールズバンドの衣装に取りかかったところだったから、ナイスタイミングよ。早速見せてくれる?」
綾音さまがデスクの上を片付けながら、おっしゃいました。
私は、おつかいを頼まれて買ってきた文房具類をお渡ししようと綾音さまに近づきました。
「ああ。ありがとう」
受取りながら私を見た綾音さまのお顔が、おやっ?という感じに曇りました。
「あなた、出るときは確か、ブラジャーしていたわよね?」
私の胸元を見つめつつの目ざといお尋ね。
「あ、はい・・・」
やっぱり一目見てわかっちゃうほど、乳首のポッチ、目立ってるんだ・・・
オフィスに戻るまでにすれ違った人たちの人数を考えて、ドキドキがぶり返してきます。
「わたしが命令してみたんです。お茶しているときに」
カートから布地の束を取り出しながら、ほのかさまがおっしゃいました。
「たまほのがあ?」
驚き顔のお三人を代表するみたいに、リンコさまがカン高いお声をあげました。
傍らのミサさまは、信じられない、という感じで大きな瞳をまん丸くされています。
「チョーカーを着けているときは虐めて欲しいとき、というお話でしたし、直子さん、悦んでくれるかな、と思って・・・いけなかったですか?」
不安げなお顔で、綾音さまたちのご様子を窺うほのかさま。
「ううん。ぜんぜんいけなくない、って言うか、むしろグッジョブ!」
リンコさまのお返事で、お三人が一斉にお顔をほころばせました。
「そっかー。たまほのもナオコのヘンタイ性癖に興味津々なんだね。これからもどんどん、ナオコを悦ばせてあげるといいよ」
リンコさまの明るいお言葉にほのかさまもホッと、笑顔が戻りました。
「その格好で、あのカフェからここまで戻ってきたんだ?」
リンコさまが私に視線を移して尋ねてきます。
「あ、はい・・・」
「ジロジロ視られたでしょう?」
「・・・と、思います・・・」
リンコさまの視線が私の下半身に移動しました。
「と、いうことは・・・」
私ににじり寄ってきたリンコさまが素早く私のワンピースの裾に手をかけました。
「それーっ」
掛け声とともにワンピの裾を盛大にずり上げられました。
「ああんっ」
為す術もなく露になる私の下半身。
腰にぴったりフィットしたタイトなニットですから、リンコさまが手を離しても元に戻りません。
おへその下から下腹部全部が丸出しになりました。
「やっぱりねー。カフェの席で脱がせたの?」
ほのかさまに振り向いたリンコさまのお声。
「あ、はい。先にショーツを脱いでもらって、写メを撮ったのですけれど、直子さん、まだつまらなそうだったから、ブラジャーも」
ほのかさまが嬉しそうに私の恥ずかしい写真をみなさまにお見せしています。
「グッジョブ!グッジョブだよ、たまほの。そういう虐め方、いいなあ。今度アタシもやってみようっと」
リンコさまのはしゃぎ声。
ミサさまは、愛おしそうにほのかさまを見つめています。
「たまほのはよくやったけれど、リンちゃんはだめよ。バッドジョブね。せっかく直子がエロティックな姿をしているのに、そんな雑なめくり方ではエレガントではないわ」
綾音さまからニヤニヤ笑いでクレームが入ります。
「あ、そうですね。失礼しました」
リンコさまが手を伸ばし、私のワンピの裾を綺麗に折りたたむ形でまくり直してくださいました。
ワンピースのスカート部分がおへそまで折りたたまれて固定されてしまいました。
お尻丸出し。
短かめなニットセーターだけを着ているような状態でした。
「お似合いよ直子。とてもエロティック。こういう普通の日常の場にひとりだけヌーディストがいるのって、西洋美術の名画みたいで、クリエイティヴなインスピレーションが湧いてくるわ」
綾音さまの視線が艶かしく私の肌を撫ぜます。
「今日はその格好でお仕事なさい」
決めつけるようにおっしゃいました。
今日はお姉さまがお戻りになる日だというのに・・・
みなさもそれはご存知のはずなのに・・・
下半身丸出しノーブラニットの姿でお迎えすることになるんだ・・・
あらためて、自分がオフィスの慰み者になってしまったことを思い知り、被虐感が全身を駆け巡ります。
「脱いだ下着はどうしたの?」
リンコさまが私に尋ねました。
「あ、わたしが持っています」
ご自分のバッグから私のブラとショーツを取り出すほのかさま。
「へー。これがナオコの勝負下着なんだ」
ほのかさまから受け取って、みなさまに見えるように広げたリンコさま。
やっぱりみなさま、私がお姉さまと会えるワクワク感を、見透かしていたみたい。
「フリルレースで可愛いけれど、もう汚しちゃってるじゃない。本当にスケベな子」
イジワルくクロッチ部分を私に見せてくるリンコさま。
純白の中そこだけ変色したシミに、カッと頬が熱くなりました。
「安心して。アタシらがもっとナオコらしく改造しといてあげる」
何を安心すればいいのかわかりません。
その後は、社長室にひとりこもり、お仕事をつづけました。
もちろんご命令通り、下半身丸出しの姿で。
綾音さまたちは、メインルームで打ち合わせをつづけられているご様子。
途中1時過ぎに綾音さまがランチに行かれる、というご連絡があった以外、誰にも構われずに時間が過ぎて行きました。
お姉さまが戻られたのは、午後2時を少し過ぎた頃でした。
メインルームがざわつく気配を感じてわかったのですが、この姿でお出迎えに飛び出す勇気が出ませんでした。
数分間の逡巡の後、やっぱりお出迎えしなくちゃ、と立ち上がったとき、コンコンとドアがノックされ、間髪を入れずに開かれました。
「あっ!」
私の姿を一目見たときのお姉さまのお顔。
ドアを閉めるのも忘れ、あ、の形でお口をポカンと開き、数秒間固まっていらっしゃいました。
「あはははは」
つづいて弾ける哄笑。
ドアの外からもクスクスというつられ笑いが聞こえてきました。
私は、一瞬股間を隠しかけたのですが、お姉さまのとても嬉しそうなご様子と、久しぶりにお顔を見れた嬉しさに、自然と両手が後頭部へと上がっていました。
「あたしもさ、直子がすぐに出てこないから、すでに素っ裸にされていたりして、とか予想はしていたけれど、まさか、そんなに直子らしい姿で出迎えてくれるなんて」
目尻に涙を浮かべるほど笑い疲れたふうのお姉さまが、ご自分のデスクにバッグを置いて、背中を投げ出すように椅子にお座りになりました。
「まったく。こういうことに対してのうちのスタッフの順応性と団結力は大したものよね」
ドアを閉じてふたりきりになった後、お姉さまの出張中に他のみなさまからされたことを、ほのかさまにしたようにひとつひとつご説明しました。
もちろん、つい数時間前のほのかさまのご命令も追加して。
ご自分のバッグの中身を片付けながら聞いてくださっていたお姉さまが、聞き終えておっしゃったご感想が上のお言葉です。
「よかったじゃない?みんなで直子を虐めてくれて。直子がずっと思い描いていた理想のマゾ生活に今のこのオフィス、かなり近い状態じゃない?」
「それは、そうなのですけれど・・・でも、やっぱり恥ずかしいです・・・」
お姉さまに服従ポーズをじーっと視られながら、ムラムラがどんどん昂ぶってくるのがわかりました。
本当はワンピースなんか脱ぎ捨てて全裸になって、お姉さまに抱きしめて欲しい気持ちでいっぱいでした。
「あら?なんだか嫌々やっているような、うちのスタッフがガチ苛めしているような、可愛くないご感想ね?」
私の気持ちを知ってか知らずか、お姉さまはイジワルモードに入りつつあるようです。
「何言ってるの?あたしたちは直子に、ちゃんと選択肢を残してあげているじゃない。チョーカーをしていないときは何もしない、って」
お片付けが一段落されたらしいお姉さまは、椅子から私を非難するような険しい目つきで見上げておっしゃいました。
「それなのに直子は、ずっとチョーカーを着けて出社している。つまり全部、直子が望んだことでしょう?そうじゃない?」
おっしゃる通りでした。
イベント後ずっと朝起きると、今日は何をされちゃうのだろう、とドキドキしつつ、喜々として、どのチョーカーにしようかな、と選ぶのが日課となっていました。
チョーカーを着けないで出社する、などという考えは、爪の先ほども浮かんだことはありませんでした。
それくらい、今のオフィス生活にワクワクしているのは事実でした。
「言っておくけれど、あたしは直子とオフィスでは、シないわよ?」
お姉さまが真面目なお顔でおっしゃいました。
「直子を虐めたり辱めたりすることはあっても、直子にシてもらったりベタベタしたりはしない。スタッフがいるオフィスで喘ぎ声あげるなんて、そんなはしたない真似、死んでも出来ない」
ショックでした。
久しぶりにお逢いしたのですから、抱き合ってキスのひとつくらいいただけると予想していましたから。
ツンモードに入ったお姉さまが頑ななことは、経験上知っていました。
私の落胆がわかったのでしょう、お姉さまはイジワルく目を細め、こうつづけました。
「でも直子は、あたし以外の誰かに頼まれたらちゃんとシてあげなさい。直子は我が社の秘書兼ご奉仕マゾペットなのだから」
お姉さまの瞳は完全に、エス色に染まっていました。
「さあ、仕事をさっさと片付けちゃいましょう。さすがのあたしも今回の出張は疲れちゃった。幸い土日はゆっくり出来るから、早く帰って休みたいの」
それから夕方まで、みなさまが取ってきた契約書や見積書の確認に時間を費やしました。
お姉さまはスーツ姿、私は下半身丸出し姿で。
資材の発注をしたり、工房にスケジュールの確認をしたり、お取引先に御礼のお電話をしたり、えっちな気分が顔を出すヒマもなく働きました。
そのあいだずっと、お姉さまはこの週末をどう過ごされるおつもりなのだろう、と不安で仕方ありませんでした。
お疲れのようだから、おひとりでゆっくりお休みしたいのかな・・・
せっかく近くにいらっしゃるのに、私は放置プレイになっちゃうのかしら・・・
お仕事が終わってしまうのが怖いと感じていました。
午後5時前にお仕事がすべて終わり、お姉さまがんーーっと伸びをひとつ。
「ふぅー。これでやっと帰れるわね。お疲れさま」
私の肩を軽くポンと叩いてねぎらってくださいました。
「ところで、出張中にずいぶん洗濯物が溜まってしまって、帰ってもあたしにそんな元気もないし、どこかにいい全裸家政婦さんはいないものかしら?」
お姉さまがお芝居ぽくお道化た感じでおっしゃいました。
「はいっ!」
元気よく真っ直ぐに挙手する私。
お姉さまがデレモードに突入!
お仕事の疲れが吹き飛ぶほどの嬉しいご提案でした。
「あら、あなた出来るの?うちは厳しいわよ?」
「はい。何でもします。どんなご命令にも従います」
「帰ってくるなりそんなエロい格好を見せつけられて、あたしもムラっとしちゃっているの。あなたはあたしを満足させることが出来る?」
「はい。必ず出来ます。全身全霊をかけてご奉仕させていただきます」
「出来なかったらキツーイお仕置きよ?」
「大丈夫です。私はマゾなので、お仕置きも大好物ですから」
「そう。それなら行きましょうか」
お姉さまが私のまくり上げられたワンピースを直してくださり、そのまま、まだお仕事中の綾音さまやほのかさまに、良い週末をー、と冷やかされながら退社。
お姉さまのお車で飯田橋のマンションに拉致監禁されました。
それから丸二日間。
生憎の雨模様だったので、ほとんど外出はしませんでしたが、全裸もしくはそれに近い格好のまま、お姉さまの言いなりとなり淫らに過ごしました。
家事をして、虐められ、辱められ、晒されて、ご奉仕して、たっぷり愛し合いました。
5月の連休のときに勝るとも劣らないほどの濃密な全裸家政婦生活でした。
一週間分のお姉さま分を補給しても、私の旺盛な恥辱欲は衰えることを知らず、お姉さまが再び出張へと旅立たれた翌月曜日の朝からも、私は相変わらずチョーカーを着けて出勤しつづけました。
オフィスでは、下半身裸が私のトレードマークのようになっていました。
どんなに清楚な服装で出社したとしても、午後には少なくとも下半身はスッポンポンにされていました。
生理が来ても、マゾマンコからタンポンの紐をプラプラ覗かせながら勤務していました。
生理が去って私がレビューしたアダルティなラブトイズの数が二桁になった頃、綾音部長さまから私に、恥ずかし過ぎる業務命令が下されました。
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