2015年7月26日

オートクチュールのはずなのに 13

 目が覚めたとき、傍らにお姉さまはいらっしゃいませんでした。
 おそらく私が寝入ってしまった後、寝室にお戻りになられたのでしょう。
 私のからだは、掛けた記憶の無いタオルケットにくるまれていました。

 昨日に比べるとお部屋の中がずいぶん暗い感じ。
 ひょっとして昨日より早起き出来たのかな?
 起き上がって窓辺へ行きカーテンを開けると、お外はどんより曇り空。
 時計を見たら9時5分でした。

 朝のルーティーンワークを済ませたら家政婦モードに突入です。
 まず、昨日出来なかったリビングルームのお掃除からすることにしました。

 お部屋の中央付近にそのままになっていた、昨日のお姉さまからの陵辱の残骸。
 すなわち、溶けた蝋と洗濯バサミが点々と散らばったビニールシートから片付け始めます。
 洗濯バサミを手に取ると、それがくれた痛みと共に、お姉さまからされたこと、を鮮明に思い出してしまい、みるみるからだに淫らな反応が顕われてしまいます。
 だめだめ、今はお仕事優先。

 ダスターで高い所の埃を払うので、窓を開けなくちゃ。
 窓辺に近づいてお外の風景が見えると、やっぱり少し、開けることをためらってしまいます。
 大丈夫、ここは誰にも覗かれないのだから。
 そろそろと開け始めたら、その隙間からねっとりとしたお外の空気が、全裸の素肌全体にまとわりついてきました。
 気温は裸でも寒くない程度、湿度がかなり高いみたいです。

 窓を開け放すにつれて、徐々にヴォリュームを上げて耳に飛び込んで来る、お外の世界の日常的な喧騒。
 ベランダに降り立ち、景色を見渡した後うつむいて、自分が全裸であることを意識したとき、マンション沿いの通りを歩いているっぽい若そうな男性たちの、あははは、という楽しげな笑い声が近くで聞こえ、途端にキュンと感じてしまいました。

 埃を払ってからお部屋の隅々まで満遍なく掃除機をかけ、最後は絞った雑巾で床を拭き掃除。
 なにしろ広いお部屋ですから、雑巾がけだけでも重労働。
 四つん這いになってお尻を高く突き上げ、おっぱいをプルプル揺らしてがんばりました。

 お掃除を終えたら、次はお洗濯。
 このお天気では乾かないかもしれないけれど、一応やっておくことにしました。
 お洗濯すべきものは数枚のタオルと、お姉さまが昨日お召しになっていたマキシワンピースだけですから。
 そう言えば昨日、私とお姉さまは一切下着類を着けていなかったのでした。

 ランドリールームに入ると、奥のバスルームから物音がしていました。
 お姉さまも起きられたんだ!
 今日はどんなことをされちゃうのだろう。
 ワクワクとドキドキがからだ中に漲りました。
 雨にならないうちにお洗濯ものを手早く干して、お食事の用意をしなくっちゃ。

 疼きが増したからだをなだめるために、エプロンは直子流で身に着けました。
 一度きちんと結んだエプロンの紐を、洗濯バサミに両乳首とクリットを布越しに噛ませてから解きました。
「はうんっ!」
 ヒラヒラなエプロンを、秘所三点止めが必死に噛み付いて支えてくれています。

 今朝のメニューはベーコンエッグとオニオングラタンスープ、そして昨日好評だったコールスロー。
 サンドウイッチも作っておいて、トーストとサンドウイッチ、お好きに選べるようにしました。
 お紅茶の用意もしようかと迷っていたら、お姉さまがお顔をお見せになりました。

「おはよう。朝っぱらからドエム全開なのね?」
 私のエプロン姿をご覧になってのご感想。
「あ、おはようございます!」
 今日のお姉さまは、渋いグレイのシンプルなTシャツワンピース姿。
 ボートネックから覗く鎖骨がセクシー。
 下着ラインがまったく見えないので、今日も素肌に直みたいです。

「なんだか今日は生憎の天気みたいね。さっきネットニュース見ていたら、午後には東京でゲリラ豪雨あるかもですって」
 窓際まで行かれたお姉さまがお空を見上げました。

「お食事どうします?ベランダにご用意しますか?」
「うーん。このお天気じゃねえ・・・直子はもちろん、外でしたいのでしょ?」
「えっ?いえ、私はお姉さまのご希望に従うだけですので」
「今にも降ってきそう。食べている最中に降ってきちゃってもメンドクサイし、残念だけれど中にしときましょう」
 お姉さまが戻ってこられ、ダイニングの椅子に腰掛けられました。

「ワインはどうします?お飲みになられますか?」
「うーん。昨夜少し飲みすぎちゃったからなー。あ、でもぐっすり寝たから体調はいいけれど」
「ではお紅茶で?」
「そうね」
 お答えを受けて、テーブルにお料理を並べていきました。

「心なんてお天気で変わる、っていう歌があったけれど、本当ね。曇り空だとやっぱり気持ちもアンニュイ。休日ラストだっていうのにがっかり」
 今朝のお姉さま、なんだか少しご機嫌ナナメなご様子。

「晴れていたら食事の後、裸の直子にベランダでバレエ踊ってもらおうと思っていたのになあ。ローター挿れて、音楽かけて、本格的に」
 スープを置くためにお姉さまへ近づいた私の胸にお姉さまの右腕が伸び、洗濯バサミがひとつ、無造作に外されました。
「あぅっ!」
 前掛け部分がペロンとめくれ、左のおっぱいだけ剥き出しになりました。
「相変わらず乳首勃てちゃって。直子ってブレないわよね?ん?あ、いい匂い」
 気だるい感じでおっしゃってから最後に付け加えたお言葉は、オニオングラタンスープへ向けられたものでしょう。
 その後はイタズラもされずお料理を並べ終わり、エプロンを自分で外しました。

 全裸に首輪の私とTシャツワンピ一枚のお姉さまとで差し向かい。
 お食事が始まると、お姉さまのご機嫌もだんだん落ち着いてきたようでした。
 美味しい美味しい、って何度も褒めてくださり、嬉しくなりました。
「このサンドウイッチの、ピリッと効いたマスタードの加減が絶妙よね」
 ニコニコ頬張るお姉さま。
 私の頬も自然と緩んでしまいます。

「そう言えば直子って、辛い食べ物大好きでしょう?」
「えっ?あ、いえ、あんまり得意なほうでは・・・」
「そうなの?絶対好きだと思ってた」
「学生の頃、お友だちと、凄く辛いけれど美味しいって有名なカレー屋さんに挑戦したことがあって、確かに美味しかったのですけれど、食べている最中の汗や鼻水がすごくて・・・」
「うん」
「それ以来、そういうのは敬遠気味です」

「ふーん。あのね、辛さっていうのはね、味覚ではないんだって」
「えっ?」
「取引先の人との雑談で聞いたのだけれどね、辛いっていう味覚は無くて、辛さを感じるのは痛覚なんだって」
「へー」
「つまり、辛い、っていうのは、痛い、と同じ。それで、痛い、がつづくと痛みを和らげようとしてベータエンドルフィンとかいう脳内麻薬みたいなのが分泌されるの。それで、気持ちいい、になるわけ」
「はぁ・・・」
「これって、何かに似ていない?」
「ああ」
「そう。直子みたいなマゾの苦痛が快楽に至るプロセスと同じなのよ。だから、檄辛好きはドエム、っていうのが、その人の結論だったの。直子なら檄辛好きになる素質、充分あるのじゃない?」

「うーん・・・辛いものが好きイコール痛いのが好き、というこですよね?確かにそうなのかもしれませんが、私は食欲と性欲を結びつけたことがないので、あまりピンときません・・・」
「私もたまに辛いものが食べたくなるときもありますけれど、そのときムラムラしているわけでもないですし、ムラムラは別の方法で解消しちゃいますから・・・」
「マゾへの責めのひとつとして、辛いカレーを無理矢理食べさせて、そのつらそうなだらしない顔を見て愉しむ、っていうのをされたら、私も目覚めちゃいそうな気もしますが・・・」

「なるほど、その責めは面白いかもね。だけど辛いものの摂り過ぎはからだにも悪いから、直子が好きでないのなら、したくないな」
 お姉さまからの、なんておやさしいお言葉。
「それに辛さ、って一口に言っても、いろいろあるじゃない?たとえばトウガラシならホットって形容されるし、ミントやワサビみたいな辛さならクールでしょ。だから、たぶんやっぱり辛さって、味でもあるし痛さでもあるのよ。エムだエスだっていうよりは、好みの問題よね」
 
 その話題はそこで終わり、お食事もあらかた終えて、お紅茶アンド食休みタイムになりました。
 お姉さまがテレビを点けると、レジャーを終えた車の都会へのUターンラッシュのニュースをやっていました。

「大型連休中の都心て、本当に人も車も激減して、ひっそりするのよね。とくにお正月なんてガラガラ。あ、もちろん遊び場所のある繁華街は別よ」
「そのぶん、こっちに残った人たちは静かでいいけれどね。今年の年始の連休中に用事があって官庁街のほうへ車で行ったらスイスイでさ、ビル街にまったく人影が無くて、まるでゾンビ映画のワンシーンみたいだった」
 小さく笑いながらそこまでおっしゃって、ふと何かを思いつかれたような表情になったお姉さま。
 カップを手にしたまま窓辺まで行き、しばらくお外を眺めていました。

「直子ってさ、今まで街中で、本当のオールヌードになったことはある?」
 テーブルの上を片付けようと立ち上がりかけた私の傍まで来たお姉さまが、覗き込むように尋ねてきました。
 その瞳が愉しげに輝いています。
「あの、えっと・・・」
「本当のオールヌード、っていうのはさ、つまり、上にコートとか上着とかを羽織っていない状態の全裸で、誰かが来てもすぐに隠せる状態じゃないことね。つまり正真正銘のスッポンポン。今みたいな状態。あ、もちろん首輪は別。こういうのって、マゾのシンボルみたいなものだから」
 再び座り直した私に背後から、覆いかぶさるように抱きついてきて、私のおっぱいをやんわりもてあそぶお姉さま。
 ああん、くすぐったいですぅ。

「あの、えっと・・・」
 おっぱいをやさしく愛撫されながら、一生懸命思い出しました。
「高校2年のとき、やよい、あ、いえ、百合草先生と遊んだとき、通っていた高校の裏門で写真を撮られたときは、ぜ、全裸でした・・・あんっ、雨がざんざん降りで、もうひとり、ユマさんと一緒で・・・あぅっ、ちょうど小さなトラックがやってきて・・・あんっ」
 私の言葉に合わせるように、両方のおっぱいを強く弱く揉みしだくお姉さま。

「ふーん。それだけ?シーナさんとは?」
「あとは、えっと、シーナさまとは、お外では・・・ああんっ、セレクトショップで、結果的に全裸にされたことは、ありました・・・知らないお客様が何人かいらっしゃって・・・」
「ああ。あの裸コートのときね。でもそれは、一応屋内か」
「は、はい・・・ああんっ」
 お姉さまの指のターゲットが私の乳首に移り、私はハァハァ興奮していました。

「その2回きりなの?」
「は、はい・・・他にもお外でえっちな格好をしたことは、な、何度かありましたけれど、全部脱いだりはしていません、たぶん・・・ああんっ・・・スケスケとか、ノーパンとか・・・あっ!・・・」
 そのとき、唐突に思い出したことがありました。
 私ったら、もう一回あるじゃない、お外で真っ裸になったこと・・・

「何?今の、あっ、は?」
 すかさずお姉さまからツッコまれ、乳首を捻り上げられました。
「ひーぃんっ!ごめんなさいぃ、もう一回だけありましたぁ・・・高三のとき、地元の小山みたいな森で・・・」
「あら、それは初耳ね。それも百合草女史と?」
「あの、いえ、それはひ、ひとりで、と言うか、成り行きで・・・」

 高三のとき、やよい先生が住んでいらっしゃった町に遠征して、ひとりノーパン遊びをしていてカズキくんと知り合ったことは、今まで誰にも、やよい先生にもシーナさまにもお姉さまにも、お話したことはありませんでした。
 その状況やお相手があまりにも特殊で、ある意味アブノーマル過ぎるし、自分自身に後ろめたい気持ちが少なからずあったので、誰にも言わず、出来れば死ぬまで隠匿しておくつもりだった、私だけのヒミツでした。

 お姉さまにおっぱいと乳首を執拗にもてあそばれて喘ぎながら、カズキくんとの一部始終を白状しました。
 カクレガのこと、お医者さんごっこのこと、生まれて初めて潮を吹いてしまったこと、ざんざん降りの森で全裸で抱き合ったこと、そしてミキちゃんとのことまで。
 今まで秘密にしていたことの罰として、お姉さまにたくさんお尻をぶたれました。

「直子ったら、オネショタのケまであったのね?本当に呆れたヘンタイお姉さんぶりだこと」
「そのくらいの子なら、勃たないものね。でもそれって限りなくハンザイに近いわよ」
「ずいぶん強烈なお医者さんごっこだこと。その子のその後の人格形成が心配になっちゃうわね」
「それってたぶん、ちっちゃな子のこぶしで、ボルチオ開発されちゃったのよ。それで直子、中イキまで覚えちゃったのね」
 お姉さまからのからかいと蔑みのお言葉を聞きながら、あの子たち、今頃どうしているかな、なんて考えていました。
 あれから早くも3年以上、経っていました。

「おーけー、わかったわ。ヘンタイ直子は今まで2回、外で素っ裸になったことがある、と。それもいずれも雨の日。つまり、3度目を経験するのに、今日なんかおあつらえむきな天気だと思わない?」
 ダイニングを離れ、床に四つん這いになっている私のお尻にバラ鞭を振るいながら、お姉さまがおっしゃいました。
 私はもうすでに2回、お姉さまの指と鞭でイかされていました。

「あうっ!えっと、それは・・・」
「だからつまり、今日はこれから出かけることにするの。車出してあげる。直子の露出マゾレベルの経験値を稼ぎに行くのよ」
「えっ!」
「前にも言ったでしょ?あたしは、百合草女史やシーナさんと直子との甘酸っぱい思い出をことごとく上書きして、直子の一番のお相手になりたいの」
「まあ、今聞いたカズキくんとの思い出は、さすがのあたしも太刀打ちする術が無いけれど」
 お姉さまの唇が近づいて、深ーいくちづけをくださいました。

「それにさっき教えてあげたじゃない、連休中の都心は人が少ないの。こんな天気だし、連休最終日だし、輪をかけて少ないだろうことは保証するわ」
「で、でも、どこに行くのですか?」
「そうね、官庁街なら絶対休みで人いないから、丸の内あたり行ってビルをバックに写真を撮ってきましょう。今日の目標は、直子が街中で素っ裸になること」
「・・・東京の街の中で私、全裸にならなくてはいけないのですね?」
「そうよ。ワクワクしちゃうでしょ?一昨日のスーパーのときも、直子、すっごく嬉しそうだったものね」
 おっしゃってから、お姉さまの瞳がキラッと妖しく輝きました。

「そうだった。直子の露出レベルは一昨日、ずいぶん上がっちゃったんだっけ」
 私のお尻をスリスリさするお姉さま。
「ごめんごめん。忘れていたわ。あのとき直子が一番興奮していたのって、直子が自分からレジの子に、裸のお尻を見せつけたときだったものね?」
 お姉さまの指がどんどん、私のお尻の穴のほうに寄ってきていました。

「もう裸になるぐらいじゃ、直子はぜんぜん興奮出来ないわよね?ちゃんと誰かに視てもらわなくちゃ」
「それならこうしましょう。今日の直子の目標は、街中で素っ裸になって、その姿を見知らぬ誰か三人以上に見せつけてくること」
「まず人通りの少なそうなところでウォーミングアップして、徐々に人混みに入っていく、っていうのはどう?」
「そ、そんなこと私・・・あうっ!」
 お姉さまの指が私の肛門にズブリと挿さりました。

「せっかくあたしがドライブデートに誘っているのに、なんだかあまり乗り気ではないみたいね?直子にノーっていう選択肢なんて無いこと、忘れちゃった?」
「あぅ!、いえ、あの、ごめんなさいぃ」
 お姉さまが挿し込んだ指をグリグリしながら、もう片方の手で尻たぶをバチバチ叩きます。

「どうせ明日は朝から羽田だし、あたしも今夜は池袋にいたほうが便利なのよ。それに、直子には部屋もすっかり奇麗にしてもらったから、家政婦直子へのお礼として、夕食はどこかのレストランで奮発してあげる」
「あうっ、はいぃ、あ、ありがとうございますぅぅ」
「連休最後に、ふたりで忘れられない思い出をつくりましょう!」
「はいぃぃ、お姉さまぁ・・・」

「そうと決まったら準備しなくちゃ。ほら、早くイっちゃいなさい!」
 お尻の穴をほじられながらクリットをつままれました。
「あぅぅ、いぃぃ、もっとぉぉ・・・」
「いやらしい声だこと。あたしも興奮しちゃっているから、ちゃんと鎮めて、少し冷静にならなくちゃ」
「ほら早くイって!次はあたしの番なのだから」
 お姉さまが片手でスルスルと、Tシャツワンピを脱ぎ始めました。


オートクチュールのはずなのに 14


2015年7月19日

オートクチュールのはずなのに 12

 立ったままぐんぐん昇りつめていく私のからだを、小刻みに震える両膝が支えきれなくなってきました。
 たまらず背後のお姉さまに、しなだれかかります。
 崩れ落ちたがる腰を、両足を踏ん張ってなんとか支えると、股間をこれみよがしに前へ突き出すような格好になりました。
 のけぞるようにお姉さまにからだを預け、後頭部にあった両手を後ろ手にしてお姉さまの背中に回し、ギュッとしがみつきます。

 お姉さまはしっかりと私を支えてくださり、私を穢す両手の勢いも増しました。
 尖りきった乳首に爪を立てられ、今や何本なのかも分からなくなってしまった指たちがグイッと奥深くまで潜り込み、膣壁を圧迫してきます。
「んぐぅぅ・・むぅぅ・・・」
 背中からお尻にかけてピッタリ密着しているお姉さまの体温を感じながら、必死で歓喜の嗚咽を抑え込みます。

「イキなさい、ほら、こんな青空の下ではしたなく、お嬢様たちの演奏を聞きながら、立ったままイっちゃいなさい」
 耳元で、からかうようなささやき。
 同時に、乳首を虐めていた指が離れ、すーっとお腹を滑って剥き出しの肉芽にたどり着きました。
「んぐっぅえ!」
 躊躇なくギュッと捻り潰され、喉の奥からたまらず悲痛な悲鳴がせりあがり、まるで嘔吐いているみたいにお下品な喘ぎが漏れてしまいました。
 かまわずコリコリの肉芽をもてあそぶお姉さまの指先。
 もはや限界でした。
「んんんんんんーーーんーーぐぅっ!!!」

 グッタリと力が抜け切った私のからだを、お姉さまがまだ、支えてくださっていました。
「ずいぶん気持ち良さそうなイキっぷりだこと!」
 左耳をくすぐるお姉さまのお声が、なぜだか少し怒っているみたいに聞こえました。
「ちょっと足元を見てごらん?」
 そのお言葉に素直にうつむくと、コンクリートの床にずいぶん大きく、濡れた痕を示す黒いシミが出来ていました。

「イクときの唸り声がかなり大きかったから、ちょっとハラハラしちゃったじゃない?さあ、一度室内に戻るのよ」
 私の返事は待たず、私を背後から支えたまま、お姉さまが歩き始めました。
 後ろから押されるように私も歩き出します。
 お姉さまの右膝が私の右裏腿を蹴ると、私の右脚が一歩前へ。
 まるで、背後から抱きかかえられた等身大の操り人形みたいにおぼつかない足取りで、なんとかリビングまで戻りました。

 室内に入ると、お姉さまからの支えがなくなりました。
 途端にペタリと床にへたりこむ私。
 お姉さまは、窓を手早くすべて閉め、ソファーの周辺で何やら物色していました。
 お外の喧騒がすっかり聞こえなくなり、緊張感がゆっくり解けていきました

「青空の下での食事って、やっぱり気持ちいいものね。明日もベランダでしましょう」
 私の傍らに来たお姉さまの手には、私が自宅から持参した木製の洗濯バサミがいくつか握られていました。
「ほら、仰向けに寝そべりなさい。ここでだったらいくらでも喘ぎ声あげていいから」
 お部屋の中央付近を指さすお姉さまの瞳が、淫らに輝いているのがわかりました。
 ご命令通りに仰向けになると、間髪を入れずに視界が真っ暗に塞がれてしまいました。

 お姉さまが私の顔面に跨ったのでした。
 マキシワンピースの裾がバサリと広がり、私の顔全体を覆ってしまったのです。
 もちろんその下には何も着けてなくて、潤った泉が私の鼻先に圧しつけられています。
 真っ暗な空間に、お姉さまの甘酸っぱい臭いだけが充満していました。

「直子に舐めてもらうの、あたしとても気に入っちゃったの。とくにこうやって、無理矢理顔に圧しつけてやるのが好き・・・はぅぅ」
 事態を把握して私が舌を伸ばすと、お姉さまの色っぽいお声が聞こえてきました。
「直子がイクのを見た後って、なぜだか無性に虐めたくなっちゃうのよね。あっ、うん、そこ・・・」
「あんまり気持ち良さそうだから、イライラしちゃうのかもね。ペットのクセに、自分だけいい思いしてって・・・あぁんっ」
 お姉さまのお声がだんだん切なげになってきて、私のご奉仕にもどんどん熱が入ります。
「いいわ、そこぉ・・・もっと奥までベロをねじ込んでぇ・・・」

 お姉さまが前のめりになると、お尻の穴まで舌が届くようになりました。
 すかさず舌を伸ばし、ベロベロ舐めあげます。
「はぁんっ、いいわ、じょーずよ・・・ご褒美あげる」
「はぁうっ!」
 左乳首への激痛に思わず声があがります。
 洗濯バサミで挟まれた痛みです。
「あぅっーぅ!」
 右乳首にも。

「ほらほら、もっとご褒美欲しいでしょ?がんばってあたしを悦ばせなさいっ」
 両手を暗闇に潜り込ませた私は、お姉さまのお尻を抱え込むように撫ぜ回しながら、お姉さまの奥へと舌を伸ばしつづけました。
 お姉さまも次々にラビアやクリットへ洗濯バサミをくださり、それらをフルフル揺らして虐めてくださいます。
 最終的にはふたり、69の形でお互いの性器を愛し合い、幾度もエクスタシーの波に呑まれたのでした。

 ふたりの喘ぐ声が一際高くお部屋に響いてから、しばらくは肩で息する音だけがつづいていました。
 むせかえるようなお姉さまの臭いの中で、シアワセの余韻に浸っていたら、不意に視界が明るくなりました。
 お姉さまが立ち上がられたようでした。
「シャワーしてくる」
 その場でワンピースを脱ぎ捨て、オールヌードになられたお姉さま。
 その遠ざかる形の良いお尻を、私はまだ床に仰向けになったままで見送りました。

「ちょっと直子、この洗いっぱなしの洗濯物、どうするの?」
 開けっ放しのリビングのドアの向こうから、呆れたようなお声が聞こえてきました。
 あっ!いっけなーいっ!
 すっかり忘れていました。
 あわてて洗面所に駆けつけると、お姉さまの冷たい苦笑いに迎えられました。
 私のからだには、右脇腹と左側のラビアにひとつづつ、洗濯バサミがまだ噛みついていました。

「ご、ごめんなさい。すぐに干します」
 時計はすでに午後の二時を少し過ぎていました。
「忘れていたのでしょう?使用人がそんなことでは困るわねー」
 お姉さまがお芝居っぽく、なじってきます。
「でもまあ、この陽気なら2時間も干せば乾いちゃうでしょ。さっさと干しちゃいなさい」
 おっしゃりながら、お姉さまの右腕が伸び、私の右脇腹を噛んでいた洗濯バサミが外されました。

「はうんっ!」
 興奮しているときには気がつかない、長い時間噛んでいた洗濯バサミを外すとき特有の刺すような痛みが走り、思わず顔が歪みました。
「あら、えろい顔しちゃって、まだサカっているの?本当に底無しのドエムね。ちょっと待っていなさい。シャワー終わったら、まだまだたっぷり虐めてあげるから」

 ご自分の性的欲求が発散されて落ち着いて、余裕が戻ったお姉さま。
 こうなったときのお姉さまは、さらに強い興奮を得る為にイジワルさが増してエス度が格段に上がることに、これまでの経験で気がついていました。
「あうっ!」
 左ラビアの洗濯バサミも無造作に外されました。
 そして、それがさも当然のように、私の左右乳首にあらためてぶら下げられます。
「あっつぅぅぅ!」

「これはご褒美じゃなくて、一応罰だから。クリットにもうひとつ自分で挟んで、その姿でベランダに出て、洗濯物を干しなさい」
「まあ、どうせ誰にも視られることはないし、直子にとっては罰にはならないかもしれないけれど、あたしにとっては、素っ裸でそんなのぶら下げたまま外に出る女なんて、充分みっともなくて恥ずかしい存在だと思うわ」
 冷たく蔑むお言葉とともに、お姉さまが右乳首の洗濯バサミをパチンと弾きました。

「ああんっ、ごめんなさい・・・」
「それと、食器とクロスの後片付けもよろしくね。テーブルと椅子はそのままでいいわ。明日はもっと恥ずかしい姿でのお食事会にするつもりだから」
 それだけ告げたお姉さまは、私のお尻をパチンと叩き、スタスタとバスルームへ向かわれました。

 お洗濯ものを入れた籠を片手にリビングへ戻った私。
 お言いつけ通り、洗濯バサミをひとつ拾い、自分の股間へとあてがいました。
「いたぁいーっ!」
 少し大人しくなっていた肉芽がギュッと潰され、途端に血液が集まり始めました。
 激痛の後、鈍痛、そして疼痛。
 すでに疼痛と化している二箇所にもう一箇所の鈍痛が加わって交わり、ジンジンする痛みに全身が支配されます。
 その痛みたちは、なぜだか私の剥き出しマゾマンコの奥へと集結すると、いつの間にか心地良い刺激へと変化してしまうのです。

 ベランダに出ると、相変わらずの柔らかな陽射し。
 少しだけ風が強くなったようで、乳首にまっすぐに噛みついてぶら下がる洗濯バサミたちが、風が吹くたび微かに揺れました。
 タオル類を物干しに掛け、ワンピースはハンガーに、下着類はピンチハンガーに吊り下げていきます。
 からだを動かすたびに、三つの洗濯バサミたちが、その存在を痛みで私に誇示してきます。

 全裸に首輪、そして女性なら誰もが隠したがる敏感な部分に洗濯バサミ。
 そんな姿でベランダに出ているヘンタイ女は、世界中で今、きっと私だけでしょう。
 喧騒に混じって遠く聞こえてくる誰かの微かな話し声の中に、ハダカとかマゾ、ヘンタイ、露出なんていう、私を蔑む単語が混ざっているような、空耳を感じてしまいます。
 
 喧騒の中で一際大きく、突然始まった吹奏楽部の練習曲は、フニクリフニクラに変わっていました。
 その、たどたどしくも勇ましい演奏を聞いていると、自分自身が高校時代から、ずいぶん遠くまで来てしまったような気持ちになり、自嘲的なせつなさを感じました。
 だけど、それとは裏腹に、ベランダの目隠しフェンスから身を乗り出して、自分の今の恥ずかしい格好を誰かに視てもらいたい、知って欲しいという自虐的な衝動にも駆られていました。

 私は再び、急激に発情していました。
 ベランダとは言え、こんな格好でまた、お外に出たせいでしょう。
 お姉さまがおっしゃるとおり、私の露出マゾレベルは、確実にワンステップ、上がってしまったみたいです。
 
 マゾマンコの奥がズキズキと疼き、罰を受けている三箇所が更なる責めを強烈に欲していました。
 洗濯物を干し終わり、ブランチの後片付けでベランダとキッチンを何度か往復するあいだ中ずっと、私はお姉さまからの次なる恥ずかしいご命令を心待ちにしていました。
 キッチンで食器を洗いながら、飛び散る水飛沫が肌に当たっただけで、クネクネ身悶えてしまうほど。
 食器を拭くタオルが肌を擦っただけで、いやらしい声が洩れてしまうほどに。

 お仕事すべてを終えてソファーのところに戻ると、ちょうどお姉さまが、バスタオルだけ巻きつけてリビングに戻ってこられました。
「仕事は終わった?」
「あ、はい。あとはここ、リビングのお掃除だけ、まだですが・・・」
「ここ?ここはもういいわよ。どうせこれからまた、直子のいろんなおツユで汚れちゃうのだから」
「明日、あたしが起きてくるまでに掃除しておいてくれたらいいわ。今日の直子の家政婦の仕事で残っているのは、夕食作ることだけよ」
 お姉さまがおやさしげにおっしゃってくださいました。

「このあと直子には、家政婦としてではなくて、あたしの加虐趣味を満たすセイドレイとして、がんばってもらうつもりだから」
「あたしにも日頃の鬱憤とかフラストレーションとかあるからね。もちろんそれは直子のせいではないのだけれど、そのハケ口として活用させていただくわ」
 お姉さまが愉しそうに笑って、巻いていたバスタオルを床に落としました。
 何てお美しい、お姉さまの裸。

 それからのお姉さまは、まさにエスな人そのものでした。
 その理知的な瞳に妖しい炎をユラユラさせて、私を虐め抜いてくださいました。

 首輪にはリードの冷たい鎖を付けられ、おっぱいを麻縄でギュッと絞られ、手錠で両手は後ろ手に括られ、棒枷で股を大きく割られた格好で、シートを敷いた床に転がされました。
 全身に洗濯バサミを噛まされ、ローソクを満遍なく垂らされては、バラ鞭で払い落とされました。
 キュウリもニンジンもバナナも、ゴーヤさえ突っ込まれました。
 イク寸前に焦らされるのはあたりまえ。
 何度も何度も涙目になって懇願しました。
 全裸のお姉さまが愉快そうに、そんな私の姿へハンディカメラを向け、熱心に撮影されていました。

 陽が傾いてきて洗濯物を取り込むときには、手錠と棒枷だけ外してくださいました。
 その代わり、果実の形をしたお浣腸をふたつ注入され、ふたつめのお薬の容器はお尻に挿したままベランダに出るよう、ご命令されました。
 お腹がグルグル痛むのを必死に堪えてお洗濯物を取り込んでいると、練習を終えた吹奏楽部の女学生さんたちでしょうか、ごきげんよう、またお休み開けにね、ってさわやかにご挨拶し合うお声が聞こえてきました。
 そっとフェンスから階下を覗き、彼女たちの可憐な制服姿を見て、今の自分の姿との対比に、またまたひどくせつなくなりました。

 だけど、そんな感傷に浸りきるには、お腹が切羽詰り過ぎていました。
 顔にダラダラ脂汗が浮かび、膝がガクガク震えています。
 取り込んだお洗濯物を放り出すように床に置くと、一目散におトイレに駆け込みました。
 もちろんお姉さまも後を追ってきて・・・
 とうとうお姉さまに私の排泄姿を目撃されてしまうと同時に、映像に記録までされてしまいました。

 うちひしがれるヒマも無くバスルームに連れ込まれ、今度はぬるま湯のお浣腸。
 シーナさまからいただいた大きなお浣腸器を、お姉さまは愉しそうに私の肛門に突き立てました。
 シャワーでお尻にお湯を当てられつつ我慢に我慢を強いられ、結局、何度もお尻から噴水を吹き上げました。
 おかげで首輪までぐっしょり。
 
 これもシーナさまからの就職祝い、ガーネットのアナルビーズを渡されて、お尻の穴だけでイクように命じられました。
 バスルームの鏡に自分のお尻を映し、自分で珠を押し込んでいきます。
 今ではすべて埋め込めるようになった私の肛門。
 埋め終わったら、お姉さまにお願いして抜いていただくのです。
「お姉さま、どうか直子の汚い肛門から、ビーズを抜いてやってください」
 お姉さまが私のお尻をパンパン平手打ちしながら、焦らすように抜いてくださいました。
 3回くりかえした後、自分で人差し指を肛門に挿入、グリグリ動かしているうちに、全身がビクビク痙攣してきました。
「ああ、イッちゃう、お姉さま・・・お尻の穴でイっちゃいますぅ・・・ううううぅぅ!!!」

「さあ、からだの内も外もキレイになったところで、お夕食の支度をしてちょうだい」
 さすがにお料理をするときは、危ないちょっかいはありませんでした。
 乾かしておいてあげる、と首輪は外され、おっぱいを締め付けていた麻縄も解かれました。
 ただし、例のエプロンを、お姉さま曰く、直子流、で着けるように命じられました。
 直子流、というのはつまり、エプロンの紐を結ばず、胸当ての乳首の位置に洗濯バサミをふたつ噛まして、エプロンが落ちないように留める方法です。
「それだけじゃちょっと頼りないわね」
 お姉さまの一言で、左右脇腹にひとつづつ、あと、もちろん股間にひとつ、追加されました。
 リビングでお姉さまがのんきにドライヤーで首輪を乾かしているあいだ、ちょっと動くと疼痛が走るお下劣裸エプロン姿で、スパゲティカルボナーラと野菜サラダを一生懸命作りました。

 今夜のディナータイムはふたりとも全裸。
 私は乾いた首輪を着け直しましたが。
 お食事のあいだ、お姉さまはご機嫌でした。
「これ、さっき直子のマゾマンコが咥え込んでいたキュウリよね?」
 なんておっしゃりながらパクパク食べていらっしゃいました。
 私も、やっぱりずいぶん体力をつかったのでしょう、ゆっくりペースで最後までたいらげました。
 お姉さまは、ワインもけっこうなペースで飲み干されていて、私もつられて4杯飲んじゃいました。

 食休みにソファーでくつろいでいると、どちらからともなく唇が重なり・・・
 その後は、自然に抱き合って何度も何度も愛し合いました。
 お互いに悦ばせるツボみたいなものがわかってきていたので、お互いの指と唇だけで飽きることなく幾度もイキ合いました。

 ちょっと疲れると、抱き合ったままシャワーを浴び、抱き合ったままバスタブで愛し合い、抱き合ったままからだを拭いて、抱き合ったままソファーに倒れ込み・・・
 結局、いつ眠りに落ちたのかわからないまま、翌朝を迎えました。


オートクチュールのはずなのに 13


2015年7月12日

オートクチュールのはずなのに 11

 自宅のベッド以外で目覚めると、決まっていつも軽いパニック状態に陥ります。
 あれ?ここはどこ?私は誰?なんで裸で寝ているの?
 だけど、首周りにまとわりつく異物感に右手が思わず伸びてそれに触れ、自分が置かれている状況を即座に思い出しました。
 見慣れないお部屋を見回しているうちに全身がワクワク感に包まれ、眠気があっさり吹き飛びました。

 枕元に置いた携帯電話の時計を見ると、午前9時10分。
 んーーっ、って大きく伸びをして、立ち上がりました。

 お姉さまは、お昼ごろまで起きないつもり、っておっしゃっていたっけ。
 それまでに家政婦として一仕事、やっつけてしまいましょう。
 その前に洗面所をお借りして、顔を洗って歯を磨いて。
 リビングルームのドアを開け、洗面所に向かいました。

 洗面所の大きな鏡に、赤い首輪を嵌めた裸の上半身が鮮やかに映し出されます。
 首輪を嵌められている、イコール、私はお姉さまの所有物、飼い主とペット・・・
 そんな連想をした途端に、鏡の中のふたつの乳首がみるみる背伸びを始めました。

 歯を磨きながら、午前中の段取りを考えます。
 リビングのお掃除、お洗濯、お姉さまが起きる頃を見計らってブランチの用意。
 とりあえず、そのくらいかな。
 時間があったら、バスルームとおトイレもお掃除しちゃおう。
 それで午後は、お姉さまとゆっくり過ごせたらいいな。

 リビングに戻って、ソファーを元通りに直しました。
 真っ白なカーテン越しにでもわかるくらい、降り注ぐ陽射しがお部屋中を明るく照らしています。
 今日はすごく良いお天気ぽい。
 そう思って無意識にカーテンを開こうとして、ふと気づきました。

 私は今、全裸。
 カーテンを開いて、もしもお向かいにも窓があって誰かいたら、裸を視られてしまいます。
 お姉さまのお部屋の窓から裸の女が見えた、なんてご近所のウワサになったら、私はいいとしても、ここに住んでいるお姉さまにご迷惑がかかってしまいます。
 そう言えば私、ここが何階で、周囲がどんな状況か、ぜんぜん知らないことに、今気がつきました。

 気を取り直して、カーテンの境目から恐る恐る顔だけ出して、お外を覗いてみました。
 窓のすぐ外は広くて奥行きの有るベランダ。
 そのフェンスの向こうは大部分が青空で、遥か遠くにここより高そうな建物が見えました。
 そして、大きな5枚のガラス窓は完全な素通しで、カーテンを開けたら横長のスクリーンのように、お外から室内全体が丸見えになる、ということがわかりました。

 けっこう高い階のお部屋みたいだな。
 顔を引っ込めてから考えました。
 今見た感じでは、窓は大きいけれど、近くの建物から覗かれちゃう心配は少なそう。
 だけど・・・

 もしも、このお部屋をお掃除するとなると、窓を開けて換気をしながら、ということになりそうです。
 昨夜は気がつきませんでしたが、昼間の明るい光の中で見ると、やっぱり家具の上やお部屋の隅にうっすら埃が積もっているので、ダスターをかけて埃を床に落としてから、のほうが効率的なので。
 となると、お姉さまにお伺いを立ててからのほうが良さそうです。
 カーテンはそのままにして、バスルームのお掃除から始めることにしました。
 せっかく裸なのだし。

 バスルームとおトイレを一時間くらいかけてピカピカにしてから、次はお洗濯。
 お洗濯ものはそんなにたくさんはなく、タオル類と私のワンピース、それにお姉さまと私の下着類くらい。
 置いてあった説明書を読みながら洗濯機にはタオル類とワンピースを任せ、下着類は手洗いしました。
 
 出張中に溜め込んだのであろう、色とりどりのお姉さまの下着を手洗いしながら、ふと気がつきました。
 これらのお洗濯物を干すとき、否が応でも私は、あのベランダに裸で出ることになることを。
 からだの奥がキュンと疼きました。

 洗い終えた洗濯物はとりあえず放置して、お料理に移ります。
 お姉さまからのリクエストはホットケーキ。
 油を使うので、昨夜お姉さまから唯一許された着衣として託されたエプロンを広げてみました。

 一見すると真っ白な可愛らしいフリルエプロンなのですが、お姉さまがおっしゃったとおり、お下劣な細工が施してありました。
 バスト部分と腰周りだけ、ビニールみたいな透明な素材で見事にシースルーなのです。
 自分のからだにあてがってみると、尖った乳首が滑らかなビニールにペタッと貼りつきます。

 いやん、えろい。
 お姉さまったら高校のとき、こんなのをアユミさんていうかたに着せて愉しんでいたんだ。
 お会いしたこともないアユミさんが羨ましくて、ちょっぴり嫉妬してしまいます。
 首と背中の紐を結ぶと、とくに視ていただきたい部分だけがスケスケの、いかにも露出狂そのものな裸エプロン姿になりました。

 コールスローを作り、ホットケーキミックスをかき混ぜます。
 腕を動かすたびに、乳首がツツツとひきつるようにビニール地を擦り、ますます硬くなってしまいます。
 その感触でアソコの、いえ、剥き出しマゾマンコの奥もウルウル。
 お姉さま、早く起きてこないかなー。
 
 ホットケーキを、あとは焼くだけ、の状態にして、食器類をダイニングテーブルに並べ始めた頃、リビングのドアが開きました。

「おはよう」
 ざっくりしたシルエットでゆるふわな濃紺のマキシワンピース姿のお姉さまが、近づいてきました。
「あ。おはようございます、お姉さま。お早いですね?まだ12時前ですよ。ゆっくりお休みになられましたか?」
「うん。いつもだったらまだまだ寝ているのだけれど、直子がいると思うとワクワクしちゃって、早めに起きちゃった。あ、でも、昨夜はぐっすり眠れたから問題なし、よ」
 お姉さまが歩くたびに、柔らかそうな生地にからだのラインが浮き上がります。
 たぶんお姉さま、素肌にそれしか着ていないみたい。

「すぐにお食事にされますか?ホットケーキは、もう焼くだけになっていますけれど・・・」
「うん、そうね。って、直子、そのエプロン、やっぱり似合うわね」
 目の前に来られたお姉さまが、私の透けているバスト部分をまじまじと覗き込みました。
「赤い首輪ともよくマッチしている。えっちビデオのタイトルっぽく言うと、ヘンタイ肉奴隷マゾメイド直子、って感じ」
 そのお下品なお見立てが、私のマゾ心をゾクゾク煽り立てます。

「直子のほうがアユミよりおっぱい大きいから、尚更卑猥な感じ。乳首がペッタリ貼りついて、ひしゃげちゃってる」
 布地越しに私の右乳首を無造作につまんでくるお姉さま。
「ああんっ」
「相変わらずコリコリね。朝っぱらからサカっちゃって、いやらしい子」
 
 不意に私の唇が、お姉さまの唇で塞がれました。
 でもすぐ離れて、お姉さまが、んーーって、伸びをひとつ。
 お姉さまからのモーニングキスは、微かに歯磨き粉の香りがしました。

「あら直子?どうしてカーテン開けないの?」
 ふと窓のほうに目を遣ったお姉さまが、訝しげに尋ねてきました。
「あ、それは・・・」
 私がご説明しようと言葉を探しているあいだに、お姉さまはスタスタと窓際に行かれ、ザザーッとカーテンを全開にされました。
「あーっ!」
 お姉さまを追っていた私は、お部屋の中間あたりで、それ以上進めなくなりました。
 素通しガラス5枚分の陽射しで、お部屋の中が一段と明るくなりました。

「うわー、いいお天気だこと!まさに五月晴れだねー」
 のんきにはしゃぐお姉さま。
「直子も来てごらん、空が真っ青だよ」
「あの、えっと、大丈夫ですか?」
「何が?」
「私、今、裸ですから、えっと、その、ご近所さんとか・・・」
「ああ、それを気にして開けなかったんだ。大丈夫。いいから来なさい」
 最後はご命令口調に変わっていましたから、行かないわけにはいきません。
 腕で胸を庇う格好でおどおど近づきました。

「ほら見て。この窓の向こうは学校で、今日はお休み。その奥はずっと神社の森。おまけにここは坂の途中で高台のほうだから、この窓を覗ける建物なんて周りにないのよ」
 お姉さまのお言葉に勇気を得て、思い切って窓際まで行き、お外を覗いてみました。
 
 おっしゃる通り眼下には、ここより低い建物と校庭らしき敷地、その奥には緑がつづいていました。
 そしてお空は抜けるようなライトブルー。
「ね、わかったでしょ?だからおっぱい、隠さなくていいの」
 いつの間にか背後に来ていたお姉さまに、胸を庇った左腕を無理矢理剥がされました。
 腕に弾かれた乳首がプルン。

「向かいの学校はね、けっこう有名な名門女子高なのよ。幼稚園から大学までのお嬢様学園。大学だけ別のところにあるらしいけれどね」
「あたしがここに来るのは、たいてい休日か夜中でしょ?たとえ窓を開け放しでも、いつもしんとしているの。平日の昼間がどのくらいかまびすしいのかは知らないけれど、あたしにとってここの印象は、とても居心地のいい閑静な住宅街なのよ」

「このお部屋は、何階なのですか?」
「えっ?覚えていないの?そう言えば直子、スーパー出てからは、ずーっとボーッとしていたものね、なんだかやり遂げちゃった感じで」
「ここは8階。このマンションの最上階。ここを覗こうと思ったら、たとえば、あのビルからだったら.・・・」
 遥か遠くのビルを指さしてつづけます。
「かなりの高倍率の双眼鏡が必要なはずよ」
 そこまでおっしゃって、お姉さまが何かに気づかれたようなお顔になりました。

「そっか。そういう観点で見たことが無かったから気づかなかったけれど、ここって、直子の趣味にぴったりな部屋だったんだ!」
「まっ裸で窓辺に立とうが、ベランダに出ようが大丈夫っていう、裸になりたがりの露出狂にはうってつけの物件だったのね」
「それならさ、ブランチはベランダでしない?こんないいお天気だし、きっと気持ちいいから。確かガーデンテーブルが物置に入っていたはず」
 みるみるテンションが上がり、愉しそうなお声をあげたお姉さまが次々に窓枠のロックを外し、ススススーッと三面分開きました。
 お外の爽やかなそよ風がふわふわっとお部屋に侵入してきて、私の裸のお尻を優しく撫ぜました。

「あれ?直子はあんまり愉しそうじゃないのね?あ、そうか。誰も覗いてくれないって分かっているから、スリルが無くてつまらないのか」
「いえ!そんなことないです。視られないほうがいいですっ!」
 あわてて否定する私を、ニヤニヤ笑いが迎え撃ちます。
「あらあら、また嘘つき直子に戻っちゃったか。昨夜のスーパーでは、あんなに素直だったのにね?」
 お姉さまのからかうようなお声に、そのときの一連の恥辱が一気によみがえり、全身の体温が数度、カッと跳ね上がりました。

「ベランダのほうはあたしが用意しておくから、直子はパンケーキを焼き始めて」
 浮き浮き声のお姉さまの号令で、女子高の校庭を見下ろしての青空ブランチ開催が有無を言わさず決定しました。
 
 私がキッチンでパンケーキを焼いているあいだ、お姉さまは何度も、ベランダとリビングやキッチンのあいだを往復されていました。
 やがて、焼きあがったパンケーキをお皿に盛ってダイニングテーブルへとひとまず置いたときには、さっき私がテーブルに用意した食器類などはすべて消え失せていました。

 ホカホカのパンケーキを積み上げたお皿ふた皿とシロップ類をトレイに乗せ、しずしずとベランダに向かいます。
 だけど今の私は、赤い首輪におっぱいと下腹部だけスケスケの裸エプロン。
 いくら地上8階で周りから覗かれる心配の無いベランダとはいえ、そんな姿で青空の下に出るには、かなりの勇気を必要としました。
 フローリングから窓枠のレールを跨ぎ、ベランダのコンクリートへと片足を下ろす、その一歩に躊躇してしまいます。
「ほら、何しているの?早く早く」
 お姉さまからの非情な一言で、思い切ってコンクリートに足を着けました。

 横長長方形のベランダは、目隠しフェンスまでの奥行きが3メートルくらいと、かなり広め。
 空間の半分くらいが庇で覆われています。
 エアコンの室外機とフェンスのそばにお洗濯物用のパイプが通っている以外、他に装飾はありません。
 ベランダ中央付近に、大きくて真っ白な日除けパラソルが立っていました。
 その下に、キャンプで使うような木製のテーブルが置かれ、折りたたみの木製椅子が2脚。
 その片方にお姉さまが、優雅に腰掛けていらっしゃいました。

 テーブルには真っ白なクロスが掛けられ、私が作ったコールスローと、氷が詰まったワインクーラーに埋まった白ワイン一本。
 何枚かの取り皿とグラス、ナイフとフォークが奇麗に並べてありました。
 真ん中の空いているスペースにパンケーキのお皿を置きます。
「アーッ、気持ちいい。なんだかいいわよね?優雅な感じで。こんなことになるならもう少し、このベランダも飾っておけばよかった。観葉植物とかで」
 お姉さまがワインのコルク栓をグリグリしながらおっしゃいます。
「あ、でもあたし、めったに帰らないから世話できないか。それじゃ植物がかわいそうだわね」

「このアウトドアセットはね、確か一昨年、河原でみんなでバーベキューすることになって揃えたのよ」
「行きがかり上、保管はあたしに押し付けられて、邪魔って思っていたけれど、捨てなくてよかった」
「会社のみなさまとしたのですか?」
「そう。まだ、たまほのが入る前のことね」
「社員全員でご旅行とか、されるのですか?」
「うーん。とくに決まってはいないけれど、気が向けばね。去年は温泉に行ったな。全員が休めるようにスケジュールが取れればね」
「あ、でも今年は直子も入ったし、ぜひ行きたいわね、秋頃にでも」
 そうおっしゃって、なぜだかパチンとウインクをくださるお姉さま。
 そのときが、私のパイパンがみなさまにバレる日となるのでしょう。
 
 パンケーキを置き終わって、恐る恐る目隠しフェンスのそばまで行ってみました。
 高さは私の肩のちょっと下くらいで、茶色い金属の密なメッシュ状になっていました。
 これなら確かに、たとえ、ここと同じくらいの高さの建物が近くにあったとしても、フェンスの中は覗けなそう。
 唯一覗くことが出来るとしたら、ここより高い位置からだけ、という結論に達して見上げてみれば、近くにそんな建物はひとつもありません。
 ようやくずいぶんホッとして、テーブルのほうに戻りました。

「まだ向こうの部屋から持ってくるものある?無ければ早く席について」
「はい。もう大丈夫です。お待たせしました」
「休日って、昼間からお酒飲めるのも醍醐味よね。眠くなったら寝ちゃえばいいのだから」
 お姉さまがワイングラスにワインを注ぎ始め、私は向かい側に座ろうと椅子を引きました。
「だけど今日は寝るわけにはいかないのよね、直子をいっぱい虐めてあげなくちゃ。だからまあほどほどにしとく。そっちにお水とジュースも入っているから」
 私の足元に置かれたクーラーボックスを指さされました。

「それではカンパイということで」
「はい」
 腰を下ろしながらグラスを持ちました。
「あ、ちょっと待ちなさい」
 椅子にお尻が着く寸前、お姉さまからヒヤリと冷たいお声がかかりました。

「せっかくこうセレブの休日、っぽい雰囲気なのだから、あくまでも優雅にいきましょうよ。直子がエプロンしたままじゃ、ご主人様と使用人のブランチだわ。エレガントさに欠けるでしょう?」
 ドキン!
「えっと、つまり、エプロンを取れ、と・・・?」
「うん。だってそのエプロン、おっぱいが貼りついちゃって卑猥すぎるもの。優雅なブランチには似合わないわ」
 作ったご本人のお言葉とは思えません。
「わ、わかりました・・・」

 下ろしかけた腰を戻しグラスを置き、お姉さまの前で首の紐から解き始めました。
 胸当てがペロンと外れ、さらけ出されたおっぱいに五月の太陽が降り注ぎます。
 つづいて背中側。
 皮膚に触れていた布地一切が取り払われました。
 外したエプロンを折りたたんで置き場所に迷っていると、お姉さまの右手が伸びてきて取り上げられました。

 青空の下、丸裸。
 しかもこれで終わりではありません。
 これからゆっくり、お食事をしなければならないのです。
 全裸のままで、しかも優雅に。

 あんなにお下劣な薄っぺらエプロンでさえ、有ると無いとでは大違いでした。
 からだを覆う布が無くなった瞬間に、周囲からの音が大きくなっていました。
 遥か下を走る自動車の音、時折聞こえてくる誰かの小さな話し声や足音、鳥のさえずり、遠い木々のざわめき・・・
 そういった日常にありふれた喧騒のボリュームが格段に上がり、私の背徳感を煽ってきます。
 おまえはなんでこんなところで裸になっているんだ?と、喧騒たちが私を責め立てているように感じていました。

「うん。いい感じになった。それじゃあ、またひとつ、露出マゾレベルが上がった森下直子さんにカンパーイ!」
 イジワルイお言葉でたたみかけてくるお姉さまをニクタラシク思いながら、ワインのグラスをクゥーッと空けました。

「うん。美味しい。直子のパンケーキは絶品だね」
 本当に美味しそうに頬張りながら、合間合間に私のおっぱいをじーっと見つめてくるお姉さま。
 今の私には味なんてぜんぜんわかりません。
「コールスローも美味しい。これ、明日も作っておいて」
「今夜はパスタにしてね。カルボナーラ。あと夜食用にサンドウィッチも作っておいて欲しいな、チーズとハムのやつ」
 
 お食事のあいだはずっと、屈託の無いお姉さまの笑顔とおしゃべり。
 ご機嫌なご様子のお姉さまを見つめつつ、グラスワイン2杯のほろ酔いで、やがて私も少しづつ、リラックスしてきました。
 私もお腹は空いていたみたいで、パンケーキもけっこうな枚数、食べちゃいました。
 お皿が空になると、お姉さまはまだワイン、私はグレープフルーツジュース。

「西洋の名画とかでさ、ピクニックか何かなのか、着飾った貴族っぽい人たちが森で食事している絵画とかがあるじゃない?」
「ああ。はい・・・」
「ああいうのになぜだかひとりだけ、裸のご婦人とかが混ざっていることがあるけれど、それってつまり、その時代の直子みたいな趣味のご婦人なのかな?」
「そ、そんなの、知りません・・・わ、わかりません・・・」

「直子、今、どんな感じ?こんなところで全裸に首輪で」
「えっと、そ、それは、恥ずかしいです・・・すごく」
「でも、さっき言ったように、ここ、誰にも覗かれないよ?」
「で、でも、お外ですし・・・」
「気持ちいいんでしょ?乳首勃ってるよ?」
「・・・」
「濡れてる?」
「・・・はい・・・」
 もうっ!イジワルなお姉さまが戻ってきちゃった・・・

「あー美味しかった。ワイン3杯も飲んじゃった。ごちそうさまー」
 心底愉しそうなお姉さまがそうおっしゃったとき、下のほうから何か管楽器を合奏する音が小さく聞こえてきました。
 これはたぶん、コパカバーナかな?

「へー。休日でも部活の練習とかするんだ、あの学校も。あっ、そうか。午後一時開始だったのかな」
 お姉さまがふらりと立ち上がり、音のするほうに歩いていかれます。
 たどたどしい感じで曲が進み、ワンコーラスくらいで中断しました。
 音が消えて興味を失ったのか、すぐに戻ってきたお姉さまは、ご自分の席に着かず私の背後に立たれました。

「立って、直子」
「あ、はい」
 何をされるのか、ビクビクしながら立ち上がりました。
 間髪を入れず後ろから抱きつかれました。
 お姉さまの左手は私の胸元に、右手は股間へと。

「あふぅんっ!」
「うわっ、本当にグッショグッショ」
「あっ、あっ、あんっ!」
「だめよ!直子」
 私の右おっぱいを揉みしだき、マゾマンコをさすっていたお姉さまの両手がピタリと止まりました。

「ここは、覗かれはしないけれど声はだめ。前にも教えたでしょう?そういう声って意外と通るのよ?」
「下まで聞こえちゃうかもしれないし、すぐ両隣にだって住んでいる人がいるのよ?もし窓が開いていたら丸聞こえのはず」
「うちの左隣は、上品そうなイギリス人ご夫妻。右隣は知らないな。あたし、あんまり帰ってないから」
「今、お隣さんがいるかどうかわからないけれど、とにかく、あたしに恥をかかせないように、出来る限りがまんなさい」

 おっしゃりたいことだけを私に耳打ちしたお姉さまは、私の返事は待たずに、再び両手を動かし始めました。
 左手は右乳首をぎゅっと潰し、右手の二本の指がズブリと膣口に突き挿さりました。
「んんむぅーーっ!!」
 真一文字に口をつぐんで、必死に悦びの声を抑え込みます。
 私の両手はいつの間にか、後頭部にまわっていました。
 下のほうから再び、合奏の音が聞こえてきました。

「吹奏楽部の無垢なお嬢様たちには、自分たちが一生懸命練習している同じときに、まさかすぐ向かいのマンションのベランダで、素っ裸になった元お嬢様がマゾマンコからだらだらスケベ汁垂らして、いやらしい喘ぎ声を必死にがまんしているなんて、想像も出来ないでしょうね」
 
 とことんイジワルなお姉さまの残酷な囁きが、耳の奥深くに流し込まれます。
 クチュクチュクチュクチュ・・・
 お姉さまが動かす指が、コパカバーナのリズムに乗っています。

 どうか止めないでお姉さま・・・このままイかせてお姉さま・・・声は絶対がまんしますから・・・焦らして寸止めだけは勘弁してください・・・
 心の中でそうお願いしながら、お姉さまからの乱暴な陵辱に身を任せます。

「んっ、んゅ、んぐぅ、ぐぬぅー・・・」
 容赦なくどんどんどんどん高まってくる快感で、歓喜に震えそうになる声帯。
 下唇をギューッと噛みしめ、死に物狂いでそれを封じ込みながら、やがて私のからだは、五月の澄み切った青い空の高みへと、溶け込んでいきました。


オートクチュールのはずなのに 12


2015年7月6日

オートクチュールのはずなのに 10

 座ったまま、あらためてリビングルームを見回してみました。
 すっごく広い。
 確実に20帖以上ありそう。
 玄関からまっすぐ入って突き当たったドアが、リビングルームの横幅のちょうど真ん中あたりに位置して、その先に横長な長方形の空間が広がっています。

 お部屋の突き当たりは、横長な一面全体が白いカーテンで覆われているので、おそらく全面窓なのでしょう。
 だとしたらすごく陽当たり良さそう。
 窓を背にすると左側にダイニングテーブルセット。
 右側は、床にライトブラウンのふかふかそうなシャギーラグが敷かれたソファーコーナー。
 大きなモニターの壁掛けテレビが側面に掛かっていました。
 たとえば8帖のお部屋を横並びに三つ並べて、全部の仕切りを取り払った感じ。
 そのくらい広々とした空間でした。

 私は、そんなお部屋のほぼ中央、周りに何も無いフローリングの上に座っていました。
 私とお姉さまが転げまわったとおりに、床のあちこちに小さな水溜りが出来ていました。
 お姉さまと私の、欲情の落し物。
 大変!まずはお掃除しなくちゃ。
 立ち上がろうとしたとき、お姉さまが戻ってこられました。

「はい、これでとりあえず汗を拭くくらいで、しばらく我慢してね」
 ふかふかのバスタオルをくださいました。
「あと、お料理で油や熱湯を扱うときは、これだけは身に着けてもいいことにするわ」
 折りたたんだ真っ白い布を手渡されました。

「エプロンよ。飛沫が跳ねて、肌を火傷したりしちゃったら可哀相だからね」
 お姉さまが、そこまでおっしゃって、いたずらっぽくニッて微笑みました。
「もっとも、直子みたいな子なら、そういう痛ささえ愉しめるのかもしれないけれど」
「あの、いえ、お気遣い、ありがとうございます」
 まだ全裸のままのお姉さまの、形の良いバストに目が泳いで仕方ありません。

「さっき入ってきたドアを抜けて、左側の最初のドアが洗面所、その向かいのドアがトイレ。トイレ側にある別のドアはあたしの寝室だから開けちゃだめ」
「キッチンは、見れば分かると思うけれど、ダイニングの奥ね。掃除用具とかは洗面所に入ってすぐのロッカーにあるから」
「ということで、あたしはシャワーしてくるから、後はよろしくお願いね」
 左手にまだ何か持ったままの全裸なお姉さまが、今度は玄関のほうへつづくドアへとスタスタ歩いて行かれ、ドアの向こうへ消えました。

 いただいたタオルでざっとからを拭ってから、えいやっ、と家政婦モードに切り替えました。
 まずは、床に脱ぎ散らかしたお姉さまのお洋服一式を回収。
 お姉さまの残り香にアソコがキュン。
 玄関口に置きっ放しだったお買物のレジ袋やふたりの私物をリビングへと運び、片隅にひとまとめ。
 
 キッチンに移動して、お買い物の成果を所定の位置へ。
 キッチンも広々としていて使いやすそう。
 大きな冷蔵庫には、お姉さまがおっしゃった通り、数本の飲み物と調味料類しか入っていませんでした。

 教えていただいた洗面所へのドアを開けると、これまた広々。
 洗面所というより、パウダールームと呼びたいお洒落な内装でした。
 その奥がバスルームらしく、お姉さまがシャワーを使う音が微かに聞こえていました。

  ロッカーから拭き掃除のお道具一式をお借りし、玄関からずーっと廊下を雑巾がけ。
確かにあまりお掃除していなかったみたいで、バケツに汲んでいたお水がみるみる汚れていきました。
 リビングに戻って、広大なフローリングを四つん這いで這い回りました。

 今日初めて訪れたお宅の床を、なぜだか全裸で雑巾がけしている私。
 自宅でしていた、妄想ごっこ、ではなくて、正真正銘、ご主人さまにお仕えする全裸家政婦状態。
 念願が叶っちゃった、なんて考えたら、四つん這いで垂れ下がったおっぱいの先端へと、血液がぐんぐん集まってきました。

 床のお掃除を終えてキッチンへ。
 お姉さまは軽くとおっしゃっていたけれど、冷凍ピザだけではさみしいので、簡単な野菜サラダを作ることにしました。
 レタスやキュウリを洗い、使いそうな食器類も念のため丁寧に水洗いしました。

  食器棚のガラスやステンレスに、自分の赤い首輪だけの全裸姿が映っています。
使い慣れていないよそさまのシンクで、お腹の辺りの素肌を濡らしてくる水しぶきの飛沫に、ピクピク反応してしまいます。
 これから二日間、私はずっと裸のままお姉さまのお部屋で過ごすんだ・・・
 艶かしくも甘酸っぱい、エロティックな気分でレタスをちぎりました。

 ダイニングテーブルに食器やドレッシングを並べていたら、リビングのドアがバタンと開きました。
「ふぅー。いい気持ち。さっぱりしたぁー」
 頭にタオル、からだにバスタオルを巻きつけただけのお姉さま。
「サラダも作ったんだ、気が利くじゃん。洗面所で髪乾かしてくるから、もうピザ焼き始めていいわよ。あと、飲み物はビールね」
 それだけ言い残して、再びドアの向こうに消えました。

 ツヤツヤした布地、たぶんシルク、で薄いベージュ色のバスローブを羽織ったお姉さまがダイニングテーブルに着席するのと、二枚目のピザを入れたオーブンレンジがチーンと一声鳴いたのがほぼ同時でした。
 お風呂上りのほんのり上気した艶やかなお顔に、ついさっき、ふたりで貪り合ったときの、悩ましいお顔がオーバーラップします。

「カンパーイッ!」
 チンッ、とガラスが触れ合う音が響いた後、黄金色の液体がなみなみと注がれたくびれグラスをゴクゴク一気に飲み干したお姉さま。
「あーーっ美味しいっ!やっと休日が来た、っていう気分になれたわ」
 ピザをつまみ、サラダをつつき、楽しいおしゃべりタイムの始まりです。

「すごくステキなお部屋ですね。あんまり広いのでビックリしちゃいました」
「うん。西洋型1LDKっていう触れ込みだったの。最初はあたしもただっ広くていいな、って思ってたのだけれど、最近は持て余し気味かな。なんだか逆に寒々しい感じしない?」
「そんなことないです。うらやましいです」
「住み始めの頃は、こんな家具を置いてとか、いろいろ夢膨らませていたのにね。帰ってくるヒマがないから、ぜんぜん弄れなくて。結局今でも、ほとんど引っ越してきたときのまんまなの」
「だからあまり物が置いていないのですね?」
「たまに帰って来ても、結局寝室に閉じ籠っちゃうからね」
「ああ・・・」
「ここは誰かに貸しちゃって、会社のそば、って言うか直子んちのそばにでも引っ越そうかなって、最近は考えたりしてる」
「えーっ!?そんなのもったいないです、こんなにステキなお部屋なのに。あ、でもお姉さまが近くに住まわれたら、すっごく嬉しいですけれど」

「ところで直子、あのエプロンは着けてみた?」
「あ、いいえ。まだ・・・」
「あら残念。あれはなかなかの傑作なのよ。直子なら絶対気に入ると思う。もともとはアユミ用に作ったんだけれど」
「アユミさん?て?」
「忘れちゃった?あたしの学生の頃の友達」
「ああ、服飾部で、なんて言うか、私と同じような感じのかたっていう・・・」
「そう。思い出した?彼女のために作ったお下劣衣装のうちのひとつ。ほとんど彼女が持っていったはずだったのだけれど、なぜだかあれだけ、あたしの手許に残っていたの。捨てなくてよかった」
「へー。ちょっと着けてみましょうか?」
 席を立ち上がろうとして、お姉さまに止められました。
「いいわよ、焦らなくても。明日ゆっくり見せてもらうから」

「直子は、あっちのソファー周辺を陣地にして。一応ゲストテリトリー。背もたれ倒せばベッドになるから。毛布と枕は持ってきてあげる」
「あ、はい」
「ほとんどの電気製品は、あっちのテーブルのリモコンでオンオフ出来るから、勝手に使って」
「わかりました」

「明日起きたら、この部屋に直子が裸でいるのよね?なんだか不思議な感じ。いつの間にかあたしがマゾのメス犬ペットを飼うはめになっているのだもの、って、そうか!直子はゲストじゃなくてペットっだった」
「はい・・・それにそれは、私がお願いしたことですから・・・」
「うん。あたしもかなり愉しみではあるの、直子のマゾっぷり。明日はめいっぱい虐めちゃうつもりだから、覚悟しておきなさい。持ってきたグッズ類は全部出しておいてね」
「はいっ!お姉さま」

「モップもあったのに、わざわざ雑巾がけしてくれたのね?」
 リビングの隅に置きっぱなしの、雑巾を掛けたバケツをご覧になっての一言。
「やっぱりメス犬だから、四つん這いになりたがるのかしら?」
 愉しそうに笑って、グラスを飲み干すお姉さま。
「直子がこの部屋にいるあいだ、身に着けていいのは、さっきのエプロンと、拘束用にロープとかチェーン。あ、手錠と足枷もおっけー。あとは、そうね、洗濯バサミならいくつでもいいわよ」
「明日起きたとき、全裸家政婦直子がどんな姿で迎えてくれるか、今からとっても愉しみ」

 パクパク食べてビールもグイグイ飲んで、いっぱいしゃべる絶好調なお姉さまも、やがてだんだん、なんだかトロンとおねむさんなお顔になってきていました。
「ふぁーっ。なんだか気持ち良く酔ってきた。グッスリ眠れそう」
「少しのあいだ仕事は忘れて、直子をたくさん虐めなきゃ・・・」
 テーブルの上のお料理も、あらかたなくなっていました。

「この感じが消えないうちに、今夜は休ませてもらうわね。あたしって、ホロ酔いが醒めちゃうと、一転して寝付けなくなっちゃうタチだから」
 お姉さまがユラリと立ち上がりました。

「明日は多分、お昼頃まで起きてこないと思って・・・ブランチはホットケーキがいいかな・・・バスルームにはあたしのシャンプーやらが置いてあるし、ドライヤーとかもご自由に」
「あたしが寝ているあいだは、何をしていてもいいから・・・寝室は防音してあるから掃除機でも洗濯機でも使って大丈夫・・・オナニーも許しちゃう・・・あ、もちろん疲れていたら寝ちゃってもいいけれど」
「直子、歯ブラシとか、お泊りセットは持っているわよね?・・・ああ、眠い・・・」
 心底眠たそうなお声で、ゆっくりゆっくり思い出すようにおっしゃるお姉さま。

「あと、あたしの下着とかタオルとかを、洗濯しておいてくれると嬉しいかな、明日でいいから・・・えっと、あたしの服は・・・」
「はい。あそこにまとめてあります」
 部屋の隅を指さす私。
「ああ。ありがとね・・・スーツはクリーニングに出さなきゃだめかな・・・洗濯機は洗面所の奥、洗剤もそのあたりにあるはず・・・ふわーぁ」
 ご自分のバッグと衣類を手にしたお姉さまがフラフラ、ドアの向こうへ消えていきました。

 テーブルを片付け食器類を洗っていると、ドアの開く音。
 あわててリビングに出ると、お姉さまが毛布類を抱えて、ドアの前に立っていらっしゃいました。
「あ。わざわざありがとうございます」
「うん・・・それじゃあ、おやすみー」
 お姉さまのからだが、ふうわりと私を包みました。
 シルクのなめらかな感触に包まれる、私の天使さまからのハグ。

「あー、直子、かなり臭うわよ・・・えっちな臭い・・・寝る前にこんなの嗅いだら、いやらしい夢見ちゃいそう・・・早くシャワーしなさい」
 からだを離したとき、お姉さまがからかうみたいにおっしゃって、ふわーっと大きな欠伸。
 いくら眠くても、イジワル口調を忘れないお姉さま、
「おやすみー」
「おやすみなさい、お姉さま。良い夢を」
「愛してるよ、直子」
「私もです」
 
 今にも崩れ落ちそうなくらい眠たげなご様子だったので、それ以上のわがままは言わず、ドア口でお姿が消えるまでお見送りしてから、キッチンに戻りました。

 洗い物を片付けてから、お姉さまのお言いつけ通りバスルームへ直行。
 赤い首輪は濡らさないように脱衣所で外し、今さっき嗅いだばかりの、お姉さまと同じ香りのローションやシャンプーをお借りして、全身を入念に洗いました。
 お姉さまの香りに包まれながら全身を撫ぜ回していると、自然と今日一日、お姉さまとお逢いしてからのあれこれを思い出してしまいます。

 ほのかさまもいる前でのリモコンローター責め。
 人前での首輪姿ご披露。
 後部座席での全裸オナニーと四つん這いお尻露出行為。
 スーパーでの前開きボタン外しと自発的露出。
 駐車場での下半身丸出し。
 
 どの行為でも、今まで感じたことの無いほどの強烈な羞恥と恥辱、喩えようもないほどの興奮と快感を感じていました。
 とくに、裾の一番下のボタンを外してから、レジカウンターのみなさまに向けての自発的なお尻露出、そして、そのままの格好で駐車場までの夜道を歩いていくときに味わった被虐と羞恥は、このまま世界が終わって欲しい、と思うほどの恥辱感とともに、私でもここまで出来るんだ、という、達成感を伴う淫靡な高揚感で気がヘンになりそうなほどでした。

 同時に思い出す、大好きなお姉さまの蠱惑的なお言葉とその口調、お顔や振る舞い、その愉しげな表情・・・
 そして最後にたどり着いた、ケダモノの交わり。
 私の両手は自然に敏感な場所へと伸び、そこを中心に泡まみれの全身を執拗に、いつまでもいつまでも責め立てつづけました。

 バスルームを出てリビングに戻り、横になったのは夜の11時過ぎ。
 いつもの私なら、まだ眠るには早い時間でした。
 精神的にはとても高揚していて、もう少し起きていたかったのですが、全身が心地良い疲労感でぐったりしきっていました。
 今夜は早く寝て、明日は早く起きて、お姉さまが起きてくるまで家政婦のお仕事をがんばろう!
 そう心に誓って、目をつぶりました。

 さっき脱衣所でからだを拭った後、ごく自然に、当然のように、お化粧台の上に置いておいた赤い首輪に手が伸びていました。 
 今は枕に押し付けられて首周りに当たるそのレザーの感触を、とても愛おしく感じ始めていました。


オートクチュールのはずなのに 11