股下が空洞になっている卑猥な椅子に、思い切り恥ずかしい格好で戒められている私。
これからされることへの不安と期待で胸が張り裂けそう。
M字に広げられた両腿の向こうに、テーブルに群がったお三かたのキャピキャピはしゃぐお姿が見えています。
「うわー。何?このイボイボ」
「これってたぶん、吸いつくんだよね?」
「あ、これがお尻用じゃない?」
「こんなの入るのかしら?」
弾んだお声とは裏腹な、妄想を徒にかきたてる不穏なお言葉がどんどん聞こえてきて、ゾクゾク震えてしまいます。
からだは熱いのに鳥肌が立っているみたいに、全身の皮膚が戦慄いています。
やがてお三かたが私の傍らに戻っていらっしゃいました。
手に手にカラフルなラブトイズを嬉しそうに握って。
里美さまがキャスターの付いた、いかにも病院に置いてありそうなステンレスのワゴンを運んできて、私の傍らに据えました。
一番上段のトレイには真っ白なタオルが敷いてあります。
「あ、それを選んだんだ。なかなか良いセンスよ」
里美さまが、メグさまのお持ちになった赤色のバイブレーターらしきアイテムに目を遣り、愉快そうにおっしゃいました。
「それを試すのだったら、やっぱりみんな、これを身に着けておいたほうがいいかもね」
里美さまがワゴンの下段に積んであった箱から何か取り出されました。
「このマゾ子はね、感極まってイキまくると、だらしなく潮まで吹いちゃうらしいのよ」
「あなたたちの綺麗なお洋服が、こんな淫乱マゾ子の潮まみれでグショグショになっちゃうなんて嫌でしょう?」
「これ、使い捨てのエプロン。これも医療用なの。トイズはいったん、そのトレイの上に置いて着るといいわ」
里美さまがみなさまに手渡したのは、半透明な水色の薄いポリエチレン製らしきエプロンでした。
「介護現場とかで使われる本格的なものよ。これなら万が一マゾ子が潮噴射しても、みんなのお洋服を汚さずに済むはずよ」
おっしゃりながら私の足元にもシーツらしき布地を敷く里美さま。
「アタシ、誰かが潮吹くの見るなんて、初めてっ!愉しみっ」
「あ、これ、ちゃんと袖まである。それに袖口にゴムが入っているんだ。すごーい」
「こんなの着ちゃうと、ますますアブノーマルな人体実験ムードが高まってきちゃうよね」
「うん。本格的に、お医者さんごっこ、っていう感じがしてきた」
ポリエチレン地がガサガサいう音に混じって、お三かたの愉しそうなお声が聞こえてきます。
背中の紐をお互いに結びっこして、やがて再び私の周りに集まっていらっしゃいました。
背もたれを挟む形で後ろ手に、手錠拘束された両腕。
椅子の肘掛けを跨ぐ形で大きくM字に開かれたまま、鎖に繋がれた両脚。
ソックスと首輪以外全裸のからだを、菱縄縛りで締め付ける麻縄。
麻縄に絞られたおっぱいの先端二箇所にぶらさがる、無機質に光る舌鉗子。
そして絶望的広げられた股間を更に恥ずかしく粘膜の奥まで白日のもとに晒し上げている、ラビアに噛み付いた2本の舌鉗子。
そんな格好で身動きの出来ない私を、まじまじと見つめてくる好奇に満ち溢れた6つの瞳。
そのうちのいくつかはすでに、好奇から嗜虐へと輝きが妖しく変わっている気がしました。
私、これからこのかたたちに、自分が浅ましく喘ぎ悦ぶ痴態のすべてを視られてしまうんだ・・・
何をされてもあがらえない、こんな無様な姿のまま、みなさまが飽きるまで弄ばれ、嬲られ、辱められるんだ・・・
被虐が極まり過ぎて、もうその視線だけでイッてしまいそう・・・
その後ろには、里美さまの心底愉しそうなふたつの瞳が見えました。
「グッズで虐める前に、みんなの手だけでマゾ子をリラックスさせてあげよっか?だってほら、マゾ子ったら、あんなに怯えた目になっちゃてる」
里美さまが私の頭の横まで近寄ってこられ、おもむろに右手を伸ばしてきました。
「お医者さんごっこで言えば、さしずめ触診ね。ほら、こんなふうに」
「あうぅ!」
里美さまの右手が私の右おっぱいをむんずと掴み、乱暴にワシワシ揉みしだき始めました。
「うん。乳房にシコリはないようね。シコっているのは乳首だけ」
お芝居じみた里美さまのお声。
「あっ、あっ、あーっ」
里美さまが指のあいだに逃した舌鉗子の柄が、おっぱいに噛み付いたまブルンブルンと揺れて右乳首がちぎれそう。
痛みと陶酔の入り混じった甘美な快感に、たまらずからだが大きく跳ねたがります。
だけど、両腕両脚をガッチリ拘束されたからだは、うねうね身悶えるばかりで、全身に張り巡らされた麻縄が無駄に肌へ食い込むばかり。
「ほら、あなたたちも遠慮しないでやってみて。どこでも好きなところ診察しちゃって」
今度は左おっぱいを揉み始めた里美さまのお言葉に、お三かたが近づく気配。
すぐに、そっとお腹や太腿を触られる感覚がつづきました。
「肌がすっごく熱くなってるー」
「ロープもけっこう張りつめているんだね。皮膚に食い込んじゃって、なんか痛々しい」
「マゾ子のお肌スベスベー。でもこの手袋で触ると、なんかヘンな感じ」
「うん。何て言うか大胆になれるよね?うちらでイチャイチャしているときとは違って、相手は実験の被験体なんだから何してもいいんだ、っていう気になってくる」
最後に恐ろしいことをおっしゃったのはヨーコさまでしょう。
私のからだを8つの手のひら、40本の指が這い回っていました。
ラテックスグローブで撫ぜ回される感覚は、素手でされるよりも無機質ぽく、撫ぜている人の感情の情報量が少ない感じがしてかなり不気味。
目を閉じると胸を、お腹を、脇腹を、内腿を、無数の爬虫類がペタペタと這い回るような錯覚にとらわれました。
「はうっ!あっ、そこはっ!」
どなたかが下腹部の縄を引っ張ったのか、縄が腫れている肉芽を擦りました。
「うわ、いやらしい声」
すかさずどなたかの嘲るようなつぶやき。
撫ぜ回されているうちに全身の皮膚がどんどん敏感になり、切ない感情が湧いてきます。
ああ早く、もっと決定的なところを触ってください・・・
そこじゃなくて、もっと下、もっと弄られたがっている私の一番はしたない裂けめ・・・
そう思ったとき、ヌルっと襞を撫ぜられる感触がしました。
「はうっ!」
自分でもびっくりするくらい大きな声が出てしまい、それが合図だったかのように一斉に私の下半身への陵辱が始まりました。
ピチャピチャと恥ずかしい音が聞こえてきます。
「うわー。中まで熱いー」
舌鉗子で抉じ開けられた膣の中をグルグル陵辱する指。
膨らんだ肉芽をグリグリつまみ上げる指。
わしづかみで左右のおっぱいを揉みしだきつづける里美さまの両手とともに、みるみる昂ぶっていく私。
「あーーいいっ、いいっ、そこぉ、ああーっ・・・」
「んんーーっ、もっと、もっとぉー、んんーっ、んぐぅーー」
「うわっ、マゾ子、えげつない声」
「こんな格好でこんなことされて、恥ずかしくないのかしら?本当にヘンタイだね」
「全部の穴、おっ広げちゃって、本気汁ダラダラ垂らしちゃって」
歳下のかたたちからのお言葉責めが耳に心地いい・・・
快感に翻弄されながらも、一本だけ不穏な動きをしている指の存在にも気づいていました。
私の愛液をまぶしたのであろうヌルヌルした指先をお尻の穴にスリスリ撫でつけてくる指。
「あ、そこは・・・だめっ、だめぇーっ、いやぁーーーっ!」
菊門が抉じ開けられ指がヌルリと侵入してくるのがわかりました。
「うわー、スルッと入っちゃった。中でキュッキュと締め付けてくるー」
愉快そうなヨーコさまのお声が聞こえ、挿入した指を中でグルグル動かし始めました。
「だめぇー、動かしちゃだめーっ、いやーっ、ゆるしてくださいぃーーっ!!」
アヌスにズッポリ埋め込まれた指と膣内奥深く潜り込んだ二本の指で、からだの内側から掻き回されます。
そのあいだにも腫れ上がった肉芽は執拗に捏ね繰り回され、乱暴な手のひらに乳房をもてあそばれています。
「あっ、いやっ、だめっ、もうっ、もうーーーっ」
「どう?面白いでしょう?このままイカせちゃいましょうか?」
里美さまのお言葉にビクンとからだが震え、のけぞらせていた頭を少しだけ上げ、薄目を開けて自分のからだのほうを見ました。
舌鉗子が噛み付いた左右乳首を思い切り引っ張る、里美さまの愉しそうなお顔。
膣の中を掻き回しているのは童顔のメグさま。
クリトリスを潰していらっしゃるのは、火照ったお顔の倉島さま。
そして、アヌスに指を挿入してもてあそんでらっしゃるのが、お三かたの中で実は一番ドエスらしいヨーコさまのようです。
「ほら、マゾ子、イッちゃいなさい。虐めてくださるみなさんに感謝して、マゾらしく浅ましく、イッちゃいなさい」
里美さまの蔑みきったお声に、みなさまの指の動きがいっそう活発化しました。
「ああーーっ、いいっ、いいっ、ィきます、イッちゃいますぅ、あ、ありがとー、ありがとーござまーぁっ!!」
「誰か片手の空いている人、マゾ子のお尻を叩いてやって、そうすればこの子、もっと気持ち良く啼くはずだから」
「あ、はーい」
アヌス担当のヨーコさまが左手で私の尻たぶを平手打ちし始めます。
ピシャっ!
「あーーっ!」
ピシャっ!」
「いいーーっ!」
ピシャっ!
「もっとぉー、もっとつよくぅ!!・・・」
もはや頭の中は真っ白でした。
それでもヨーコさまが私のお尻を叩くたびに、ほらっ、イけっ、イッちゃえっ、このいやらしいメス豚がっ!と小さくつぶやかれているのは、聞こえていました。
そして、乳首への疼痛も、クリットへの摩擦も、膣壁への圧迫も、アナルへの蹂躙も、尻たぶへの痛みも、からだが全部感じ分けていました。
それらの刺激がやがて快感という一本の太い激流となって、全身が溶け出してしまいそうなほどの恍惚感に包まれました。
「ああーっ、イキますぅ、イッちゃいますぅぅぅーっ、ううぅぅぅーーーっ!!!」
「うわーーっ、膣の粘膜がキューッと締まって蠢いたよ!?」
「アヌスもっ!すっごい締め付け・・・」
「下腹がヒクヒクしてる・・・これは完全にイッたね?すごいもん視ちゃった・・・」
みなさまが興奮されたお口ぶりでガヤガヤおっしゃるのを遠くお聞きしながら、すさまじい快感に酔い痴れていました。
全身の力はグッタリと抜けているのに、おっぱいと下腹部と両腿がそれぞれ別の生き物みたいに、上下したりヒクついたり。
里美さまがいつの間にか、ビデオカメラを私に向けていました。
「さあ、これだけ深くイッたマゾ子は、ここからはケダモノよ。何やってもいイきまくるはず。今度はトイズをどんどん使ってマゾ子を壊しちゃいましょう」
里美さまが近づいてきて、乳首の舌鉗子を外してくださいました。
まず右から。
「あーーっ!」
そして左。
「あーーーっ!」
血流が戻る激痛もイッたばかりの余韻の中では、次の欲情を呼ぶ前戯でした。
つづいてラビアを挟んでいた舌鉗子も外されました。
大陰唇がジンジンと痺れ、濁った愛液がドロリと滴ります。
「マゾ子のマンコ、鉗子を外されても半開きのままだね?」
メグさまが可笑しそうに指さしておっしゃいました。
「発情しちゃってるからだよ。何か咥え込みたくて仕方ないんだ、このメス豚の淫乱マンコ」
ヨーコさまも嘲るようにおっしゃいます。
お三かたがワゴンのトレイから、それぞれが選ばれたラブトイズをお手に取り、私に近づいてきました。
もはやこの場にいるかた全員が、冷酷なサディストの笑みを浮かべてらっしゃいました。
舌鉗子を外され菱縄縛りだけとなった私の裸体を、ニヤニヤ眺めるみなさま。
おねだりするように尖る乳首と肉芽。
敏感な箇所をどこも虐められていないことが、かえって疼きを掻き立ててきます。
「イボイボバイブとアナルバイブにクリットローターか。みんな自分で使ってみたいトイズを選んだのかな?」
里美さまがお三かたのお持ちになったトイズを見て、からかうみたいにおっしゃいました。
「まさかー。アタシ、アナルバイブなんて挿れたくないしー。マゾ子が好きそうなやつを選んでみたんですよ」
ヨーコさまが代表して、笑いながら否定されました。
「それじゃあいっぺんに装着して、しばらく放置して、マゾ子が壊れていくさまをじっくり見させてもらいましょうか」
含み笑い混じりのゾクゾクしちゃう里美さまの声音。
お三かたが私の下半身に群がりました。
どなたかの手で私のマゾマンコにバイブレーターがズブリと突き立てられました。
何の前触れもなく、あたかもそれが当然のことのように。
「ああーーっ!」
胴体にイボイボを纏った、あの赤いバイブレーターのようです。
かなり太い。
その一撃で膣内がパンパンに満たされました。
少し遅れて菊門に異物。
アナルパールに似た感触が直腸内に、さっきの指先よりも奥まで潜り込んでくる・・・
「ああん、いーやぁーーーっ!」
同時にクリトリスが何かに吸い付けられて引っ張られる感覚。
倉島さまの背中が私の股間に覆いかぶさっています。
「まだスイッチを入れては駄目よ。バイブやコントローラー類は、落ちないようにローブに挟んじゃえばいいわ」
里美さまのお声と同時に、あちこちで麻縄が食い込む感覚がしました。
「なるほどー。股縄していると便利ですねー」
ヨーコさまの感心したようなお声とともに、マゾマンコとアナルのバイブが縄に押され、より奥深く侵入してきました。
「あぁ、うぅぅ・・・」
「うわー。これが有名な二穴挿入ってやつですね?おまけにクリちゃんまでこんなに腫れ上がらせちゃって」
ヨーコさまの嬉しそうなお声。
「これでバイブ動かしたらマゾ子、本当におかしくなっちゃうんじゃない?」
メグさまが心配してくださっています。
「あたし、マゾ子さんのこと、ちょっと羨ましいような気にもなってきちゃった・・・」
マゾっ気を刺激されちゃったらしい倉島さま。
「いいわね?始めましょう。くれぐれも潮には注意してね?」
イタズラっぽくおっしゃった里美さまがビデオカメラを構え直されました。
「それでは一斉に、スイッチ、オンっ!」
里美さまの号令と共に、私の下半身が別の生き物になりました。
膣壁を、腸壁を、陰核を震わせる強烈な振動。
大量の虫の羽音のようなヴゥーンという低音に包まれた下半身がみるみる蕩けだしていきます。
「あーーっ、いいーっ、イクっ、イーークゥーっ、ああああーーーっ!!!」
数秒も保たずに第一波到達。
でも振動は止まること無くつづき、絶頂の余韻をかき消すように、第一波を凌駕する快感が襲いかかります。
「いいーーーっ、だめぇーっ、もう、もう、もう、イーーークーーーゥっ!!!」
「いやーっ、ゆるしてぇーっ、こわれちゃうぅーっ、いいっ、いいっ、イクゥゥゥっ!!!」
「あっ、またくるっ!きちゃうっ、イッちゃうっ!イッちゃうゥゥーーーっ!!!」
得も言われぬ甘美な痺れが下腹部から太腿にかけてたてつづけに炸裂しました。
「すごいねー。気持ち良さそー」
「マンコから愛液ダラダラだー。よだれもダラダラー」
「でも下半身は凄いけど、おっぱいがブルンブルン揺れているだけで、刺激が無くて寂しそうだね?」
最後にメグさまがポツンとおっしゃったお言葉に里美さまが応えました。
「あ、それだったらいいものがあるわ。あなた、ちょっとこれを引き継いでくれる?好きなところにレンズ向けていればいいから」
撮影されているビデオカメラをメグさまに預け、その場を離れる里美さま。
そのあいだも私は何度も、イキつづけています。
イクたびに快感は大きく深くなり、休む間もなく頭の中がスパークしていました。
「いやーっ!だめーっ、もう、もう、とめてーっ、あっ、あっ、いいっ!もっと、もっとぉぉぉっ!!!」
何度目かに達しようとしていたとき、乳首に新たな刺激を感じました。
いつの間にか里美さまがお戻りになり、私の右乳首に木製の洗濯バサミを噛ませていました。
「はうぅっ!」
久しぶりの刺激に乳首の感度が一段上がります。
里美さまは無造作に、いくつもの洗濯バサミを私の肌に噛ませていきます。
左右の乳首はもちろん、乳首を囲むようにおっぱいの皮膚をつまみ、左右の脇腹をつまみ、下腹部をつまみ。
私の上半身は洗濯バサミだらけになっていました。
それらの洗濯バサミはすべて一本の紐に繋がれていて、その紐の端をビデオカメラと引き換えにメグさまに握らせました。
「いい?マゾ子。次にイキそうなときは、自分でカウントダウンしなさい。そうね、5から0まででいいわ」
里美さまのご命令口調。
「あっ、はっ、はいぃっ・・・」
私はすでに、洗濯バサミの痛みで、イク寸前まで高まっていました。
「あなたはマゾ子がゼロって言った瞬間に、その紐を思い切り引っ張るの。マゾ子のこの上ない歓喜の悲鳴を聞けるはずよ」
愉快そうな里美さま。
「は、はいっ!面白そうっ!」
お声を弾ませるメグさま。
「あなたたちはマゾ子のお尻を思いっきりひっぱたくといいわ。それもマゾ子にはご褒美だから」
「はいっ!」
愉しそうな倉島さまとヨーコさまのユニゾン。
「マゾって凄いね。本当に痛さも快感になっちゃうんだ」
「あたしも自虐趣味あるけど、マゾ子さんに較べたらまだまだだな」
「ワタシ、この紐持たされた途端にゾクゾクして、濡れてきちゃったみたい」
「メグってロリのくせに意外と エスっ気あるもんねー」
キャッキャウフフとはしゃぐお三かた。
「さあ、始めましょう」
里美さまがススッと私の右腿の傍に移動されました。
「ここでちょっと、うちのオリジナルトイズの宣伝させてもらうわね」
「このバイブは振動だけじゃなくてピストンも出来るのよ、前後に」
「この動きはね、Gスポットを刺激して潮吹きを誘発しやすくなるの」
里美さまが私の右腿と縄のあいだに挟まったコントローラーに触れると、私のマゾマンコに埋まったバイブレーターが震えたまま、より奥へと侵入するようにピストン運動を始めました。
バイブレーターのイボイボが今までとは違う動きで膣壁を擦るのがわかりました。
「あっ、あーーっ、だめですぅ、もうだめですぅ、ィきます、イッちゃいますぅぅぅ」
「えっ、もうなの?」
ヨーコさまの慌てたようなお声が聞こえ、間髪を入れず左の尻たぶをピシャリとはたかれました。
「それなら早くカウントダウンしなさい」
里美さまがカメラのレンズを私の顔に向けてのご命令。
「あーっっ!ご、ごめんなさいぃ、イキますぅ、ご、ごぉ・・・」
ピシャン!ピシャン!
右と左の尻たぶが交互に、手拍手で私のオーガズムを煽るような音をたてています。
「よおんっ、んっ、あ、ありがとうござぃまぁ、さーんっ、んっ、だめ、でちゃうっ!でちゃいそうっ・・・」
「潮に気をつけてっ!」
里美さまの語気鋭いご注意が聞こえました。
「にぃーっ、あ、もうだめ、イッちゃうっ、出ちゃうっ、イッチャウぅぅ、いいいちっ!!」
からだがフワッと宙空高く舞い上がります。
「イクぅーーーーっ!ぜーろっ!!」
「あああぁーーーーーーっ!!!」
ビチャビチャビチャーっ!
「うわーーっ!」
上半身に夥しい鋭い痛みを連続で感じたと思ったら、すぐにそれらが極上の快感に姿を変えて全身へと広がりました。
筆舌に尽くせない絶頂感、開放感、爽快感。
それでも動きを止めないバイブたち。
いつまでもつづくかのようなイきっ放しの感覚に、喘ぎ、叫び、懇願し、黙り込んで我慢して、再び喘ぎ・・・
私の心にも脳にも、一欠片の理性も残っていませんでした。
たった今味わった凄まじい快感の余韻と新たに膨らみつつある快感を同時に貪る、ケダモノのように浅ましい淫らな肉塊と化していました。
*
*非日常の王国で 14へ
*
直子のブログへお越しいただきまして、ありがとうございます。ここには、私が今までに体験してきた性的なあれこれを、私が私自身の思い出のために、つたない文章で書きとめておいたノートから載せていくつもりです。
2017年1月29日
2017年1月8日
非日常の王国で 12
「あ、勢い良く回しすぎて1時間23分になっちゃった。ま、いいか」
里美さまがニヤニヤを私に投げかけつつ、タイマーのダイアルをポンと押しました。
「はい。これでこのあと約80分間、マゾ子ちゃんはみなさんにされるがままのモルモット。さっきどなたかがおっしゃったけど、まさに生贄状態ね」
里美さまの右手が私の下腹部に伸び、菱形を作る縄をつまんでグイッと引っ張りました。
「あうぅっ!」
大股開きの裂け目に食い込んだ縄が手前に動き、ラビアの中に埋もれていた結び目のコブが、テラテラに腫れ上がった肉芽をザラッと押し潰すように擦りました。
三つ折りソックス以外一糸まとわぬ裸身を菱形模様の麻縄で飾り、ほぼ180度に広げられたM字開脚で椅子に磔られた私。
中学生の頃、好奇心に駆られて図書館でこっそり見て後悔した生き物図鑑の、解剖される蛙さんの図版を思い出していました。
里美さまはとても嬉しそうに、つまんだ縄を引っ張っては緩め引っ張っては緩め、そのたびにコブが敏感過ぎる肉芽の上を猛々しく行ったり来たり。
屈辱と被虐で飽和寸前まで昂ぶっているからだに、里美さまがくりかえす股間の綱引きは、まるで拷問でした。
「あっ、あーんっ、ひっ、いやっ、だめっ、だめぇーっ・・・」
グングン積み上がる快感に、押し殺そうとしても喉奥から淫声が零れ出てしまいます。
「ほら、いい声で啼くでしょう?みんなも遠慮しないで虐めちゃっていいのよ?」
里美さまがお誘いになっても、お三かたはじーっと、コブに嬲られる私の股間に見入るばかり。
ピーク寸前の兆候を見せている私のマゾマンコから、目が離せないのでしょう。
「内腿がヒクヒク痙攣してるね・・・」
「滲み出てくる愛液が白く濁ってきた。これってアレだよね?本気汁・・・」
「穴がパックリ口開けちゃって、別の生き物みたいにビラビラごとヒクついてる・・・」
「クリをこれだけ擦られて、痛くないのかな・・・」
「お腹までプルプルしてきた。もうすぐイッちゃうんじゃない?・・・」
頼んでもいない実況中継をしてくださるお三かた。
視られてる・・・私が一番淫らになる瞬間を待ち侘びて、みなさまが固唾を呑まれている・・・
里美さまの綱引きがスピードアップして、私はもはや限界でした。
「あっ、あーーっ、だめっ、いいっ、いーーっ、イキますぅ、イッちゃいますぅーーーっ」
「あぁーーーーーっ!!!」
背もたれに背中を押し付けるように頭をのけぞらせ、みなさまに喉仏を見せながら果てました。
真っ白になった頭の中を、パチパチとまだ小さな星たちが爆ぜているような、強烈なエクスタシーでした。
「あーあ。あっさりイッちゃった。まあ今のは、今日のレクチャーへのギャラ、ご褒美みたいなものと思ってね」
里美さまが私の顔にお顔を近づけ、笑顔でおっしゃいました。
「マゾ子って、一回イッた後からが凄いらしいじゃない?愉しみだわ」
私の呼び方から、ちゃん、が消え呼び捨てにした里美さまが、からかうようにおっしゃって、お三かたのほうをお向きにまりました。
「あなたたちも遠慮なさらないで、何でもしたいことしちゃっていいのよ?」
「あ、はい・・・」
と応えたものの、なんとなく及び腰ふうな倉島さまたち。
イッたばかりのテラテラな私のマゾマンコを、不安そうに眉根を寄せて、ただじっと見つめるばかり。
「あ、そっか。そうよね。わたしにデリカシーが足りなかったかも。ちょっと待ってて、ちょうどいいものがあるから」
何かしら思いつかれたらしい里美さまが、おひとりだけご納得のお顔で近くのキャビネットを開け、大きめなダンボール箱を取り出しました。
「考えてみれば今日会ったばかりの、どこの誰ともわからないマゾ子の汗まみれのからだを素手でいじくるのって、気持ち悪いわよね?」
サラッとショックなことをおっしゃった里美さま。
私って、気持ち悪いんだ・・・
「いえ、決してそんなことは・・・」
あわてて否定される倉島さまのお言葉を遮るように、
「ましてやマンコはイッたばかりで、白濁したヨダレをあんなに垂れ流しているんだもの、生々しすぎて年頃の女の子の腰が引けちゃうのも無理ない話よね」
私を薄笑いで眺めつつずいぶんイジワルくおっしゃって、ダンボール箱から何かを取り出されました。
「はい。これを着けるといいわ。医療用の使い捨てグローブよ。これすればマゾ子もあなたたちも、安心して触り触られ出来るでしょう?衛生的にもバッチリ」
半透明な白色の薄いラテックス製らしき手袋が、お三かたに配られました。
「うわ。すっごく薄い。コンちゃんくらい?」
「指にピッタリ密着するんだね。なんか感触が自分の手じゃないみたい」
「こんなのしちゃうと、よく映画とかで見る、悪の組織の非道な禁断の人体実験、ぽい雰囲気が漂ってこない?ワタシそういうシチュ、すんごく萌えるんだ」
愉しそうにはしゃがれるお三かた。
「うちのネットショップの次回の更新でね、ちょうど予定していた特集があるのよ。そのために今、アイテムをいろいろ集めているの。このグローブもそのひとつ」
里美さまもグローブをお着けになり、両手で、結んで開いて、をしながらおっしゃいます。
「テーマはね、オトナのお医者さんごっこ。それで医療プレイ用のアイテムを、海外を含めてあちこちから取り寄せているの。まだあまり届いていないのだけれど」
里美さまのグローブ越しの右手人差し指が、私の左内腿を膝の方へとスーッと撫ぜました。
「はうぅん・・・」
イッたばかりで敏感になり過ぎている肌への刺激に、思わず鼻が鳴ってしまいます。
「ドクターコートとかナース服みたいなコスプレ系はもちろん、聴診器、ピンセットや脱脂綿とか拘束用の包帯とかの小物でしょ」
「あとは、いろんな浣腸器とか、導尿カテーテルや肛門鏡とかも揃えて、かなり本格的に遊べる、医療プレイマニアには堪らない特集になると思うわ」
お三かたのご様子を窺うと、とくにヨーコさまが興味津々のワクワク顔をされています。
「たとえばこれ、わかる?ちょうど昨日届いたばかりなの」
里美さまがダンボール箱から引っ張り出されたのは、一見して事務用のハサミのような大きさ、形状の物体でした。
ステンレス製らしく全体が銀色で、ハサミであれば刃となっている箇所に刃は無く、代わりに重なり合う先端部分2箇所とも、あいだに何かを挟み込めるリング状になっていました。
「あっ!あたし、外国のボンデージ画像でそれ、見たことあります。それで乳首とか肌とか、挟むんですよね?」
倉島さまが身を乗り出しながらおっしゃいました。
「へー。よくご存知ね。その通り。これでね、マゾ子の勃起乳首を痛めつけちゃうわけ。ご褒美の後はお仕置き、SMの基本の飴と鞭ね」
先端のリング状に私の右乳首が挟まれ、ハサミを閉じる要領で指を絞る里美さま。
カリカリッと小さな音をたてて冷たい金属の輪に挟まれた乳首がひしゃげ、麻縄に絞られて尖立している右おっぱいの先端に、その用具がぶら下がりました。
「あうぅっ!」
強めの洗濯バサミほどの疼痛がジンジンと右おっぱいを苛みます。
さっきカリカリと音がしたところが、ハサミの閉じ具合を調節するストッパーらしく、一度噛み付いたらそのまま、バネ仕掛けの洗濯バサミのように緩むことは無いみたい。
そのもの自体にけっこう重さがあり、挟まれた乳首が下向きにうなだれて引力に引っ張られています。
「わたしずっと、それって何なんだろう?って思っていたんです。何か化学の実験用具なのかなと思って東急ハンズとかで探しても売っていないし」
倉島さま、とても嬉しそう。
「これはね、ぜつかんし、っていうの。ぜつは舌のこと。で、かんしは、手術とかで使う鉗子。れっきとした医療用具よ」
里美さまがもう一本お出しになりながらご説明してくださいます。
「本来は舌を挟んで引っ張り出すための鉗子。ほら、事故とかの緊急時に舌噛んじゃって喉に詰まったりするでしょ?そんなときに気道を確保するために、これで挟んで舌を引っ張り出して出しっ放しにするの」
「この先っちょがリング状のはコラン氏式とかマッチュー氏式って呼ばれるみたい。先っちょの形状がもっと面積広く挟めるように大きくUの字状になっているのがホッチ氏式。そっちは口腔手術に使うんだって」
おっしゃりながら倉島さまを手招きされる里美さま。
「ほら、これでマゾ子のもう片方のいやらしい乳首も、お仕置きしてあげて」
舌鉗子を渡された倉島さまがマジマジとそれを見つめています。
「なるほどー。こういう仕組みなんですね」
何度かカチカチいわせては開き、ご満悦なご様子。
里美さまに軽く肩を押され、倉島さまが私の上半身のほうへいらっしゃいました。
「し、失礼します・・・本当に挟んじゃっていいんですか?」
倉島さまが幾分おどおどされながら、私に尋ねてきました。
「ほら、マゾ子?お客様がわざわざお尋ねくださっているのよ?ちゃんとマゾらしくお願いしなさいっ!」
右乳首の舌鉗子をビューっと引っ張りながらの、里美さまのドSなお声。
「ああんっ、はい・・・どうぞ、私のからだをお好きなだけ、いたぶってやってください・・・」
もうひとつの乳首にも早く痛みが欲しくて、被虐まみれの科白がスラスラ出てしまいます。
「これって、どのくらい強く挟んでいいものなのですかね?」
倉島さまが里美さまに振り向きます。
「先っちょがちょこっと浮いてるぐらい締め付けちゃっていいわよ。この子はマゾだから、痛いほど悦ぶわ」
私に向けて嘲笑うようにお答えになる里美さま。
「このくらい、ですかね・・・」
倉島さまがお持ちになった舌鉗子の先が、背伸びしている左乳首の裾野にひんやり触れました。
「あふぅっ!」
期待と不安にいやらしい声が、思わず洩れてしまいます。
リングが肌にギュウっと押し付けられ、カチカチっと小さな金属音。
乳首の側面が両側から押し潰されて、切ない痛みが広がっていきます。
「あ、ああっ、あうぅぅっ・・・」
乳首がグンと引っ張られる感覚がしたのは、倉島さまの手が舌鉗子から離れたからで、舌鉗子は、そのまま左乳首にぶら下がりました。
「やっぱり医療用具っていいわね。洗濯バサミとかSM用のクリップとかいかにもなやつとは違って、インモラルなアート的気品があるわ」
里美さまがビデオカメラを向けながらおっしゃいました。
「確かにその舌鉗子?がぶら下がっただけで、ますます人体実験ぽい絵面になったっすよね?アタシこういうの、すっごく好きなんです」
ヨーコさまが、うっとりなお顔でおっしゃいました。
「あと2本あるから、下半身も飾ってあげるわね」
おっしゃった里美さまが、ツカツカと私の動かせない下半身に歩み寄りました。
マゾマンコに右手が伸びてきて裂け目上を走る2本の縄をつまみました。
その縄をクリット下の結び目から大陰唇の外側へと左右に分ける里美さまのグローブの指。
そうすることによって、だらしなく楕円形の半開きになったマゾマンコ穴とすぐ下のお尻の穴まで、みなさまの眼前で遮るものの無い、剥き出し状態となりました。
あらためて視線がソコに集まってきます。
「舌鉗子のいいところはね、さすがに医療用だけあって、どんなにヌルヌルしていてもしっかり噛み付いてくれるの。こんなにグショグショなマゾ子のラビアでもね」
里美さまの指が無造作に私の左側のラビアをつまみ上げ、舌鉗子のリングで挟みました。
ラテックス越しの指の感触は、生身の指よりも無機質な感じがして、粘膜が戸惑いにわななきました。
「うわ、マゾ子のマンコ、湯気が見えそうなほど熱くなっておねだりしてる。さすが色情淫乱マゾマンコね。ステンレスのひんやりが気持ちいいでしょう?」
どんどんお下品になっていく里美さまの口調。
「あ、いやんっ!」
舌鉗子に挟まれたラビアがグイッと外側に引っ張られました。
見る見る半円形に口を開ける私の粘膜。
「ダメダメ、いやっ、いやーっ」
大陰唇を太腿側に引っ張ったまま、舌鉗子の胴体ごと白い包帯で左太腿に巻き付けられ、粘膜開きっぱなしで固定されました。
挟まれたラビアにさほど痛みは感じませんが、グイーっと引っ張られて予想外に伸びだビラビラが恥ずかしすぎます。
「これが最後の1本ね」
心底嬉しそうな里美さまの手が右側のラビアをつまみ、舌鉗子を噛み付かせました。
「ああん、そんな、さ、里美さまぁ、恥ずかしいですうぅ、赦してくださいぃぃ」
私の懇願なぞどこ吹く風の里美さまが、手際良く右太腿にも包帯を巻きつけました。
M字大股開きで精一杯に開かれた私の股間。
それでも飽き足らず大陰唇に噛み付いた左右2本の舌鉗子に依って、中身を奥底まで覗けるように押し広げられた、粘膜丸見えな私のマゾマンコ。
正面から見れば、股間の中央にピンク色の穴がポッカリ大きく口を空けているはずです。
「うん。一段と恥ずかしい姿になった。これこそマゾ子のあるべき姿だわ」
ひとり悦に入る里美さまが、またもやビデオカメラを向けてきました。
「すごーい。奥まで全部見えちゃってる。オシッコの穴まで広がって・・・あたし、自分のも含めて誰かの女性器を、こんなに奥までまじまじ観察したことなかった・・・」
倉島さまが感に堪えないという面持ちでつぶやかれました。
「こんなことされてるのに、本当にマゾ子、悦んでるよね?ほら見て、ピンクの襞の奥からトロトロ溢れ出てくる・・・」
私より歳下のメグさまが、呼び捨てで呆れたように蔑んでくださいます。
「うん。お尻の穴までヒクヒク蠢いちゃって、クリトリスは今にも弾けそうなくらい腫れてるし・・・確かにこんなの見せられたら、どんどん虐めたくなっちゃうわー・・・」
ヨーコさまのメガネ越しの瞳にも、嗜虐の妖しい炎が灯ってきた気がします。
私は、泣き出したい気持ちになっていました。
それは、悲しいわけでも悔しいわけでもなく、どちらかと言えば感動の部類。
今の自分の惨め過ぎる姿を客観的に見ているもうひとりの自分が感じている、キュンと胸を締め付けるような切ない思いからくる感情でした。
「あの、マゾ子って、お尻の、えっと、アナルも虐めていいんですか?」
ヨーコさまが、我慢しきれなくなったかのように、媚びるような少し照れたご様子で里美さまにお尋ねになりました。
「ええ。マゾ子はベテランマゾだから、それはもちろんオーケーなのだけれど、なあに?あなたはアナルに興味があるの?」
里美さまが、ちょっとからかうような口調でヨーコさまにご質問返し。
「あ、はい。って言っても自分でするのはちょっとカンベンなんですけれど、ひとのを弄って、その反応を見てみたいっていうのは、すごくあって・・・でも、そんなこと、身近な人には頼めないし」
照れが消えたヨーコさまは、好奇心いっぱいのお顔。
「うちらって、たまにBLものも書くのですけれど、BLだと使える穴はこっちだけじゃないですか?こんなとこにツッコんで本当に気持ちいのかな、なんて懐疑的になりながら書いていたりして」
「まあ、うちらは男性器が達したときの気持ち良さだってわからないですから、ひっくるめて妄想で書くのも愉しいんですけど、でも、せっかくの機会だし、手袋もしてることだし・・・」
「いい作品を書くために研究熱心なのは、とても良いことよ」
学校の先生のような若干上から口調でおっしゃった里美さまが、私に目を向けてつづけました。
「マゾ子は、アナルでもちゃんとイケるのよね?」
なんてストレートなご質問。
「はいぃ・・・」
なんてはしたないお答え。
「今日はちゃんとキレイにしてきた?」
「あの、えっと一応、こちらへ伺う前にお浣腸は、してきました・・・」
ランチもバナナだけにして、オフィスを出る前に念の為にと思い、おトイレでぬるま湯のお浣腸を自分でしてきたのでした。
「ほらね。ちゃんとそのつもりだったみたいだから、思う存分、実験してみるといいわ」
里美さまが、なぜだか妙に誇らしげにヨーコさまにおっしゃいました。
「あ、でも浣腸の実演は勘弁してね。ここ一応お店だからさ、クサイものぶちまけられちゃうと後始末が大変だから。もちろん聖水プレイもだめよ」
ご冗談めかして笑う里美さま。
「それとローソクプレイもNGね。どんなに注意深くやっても床に垂れちゃうものだから。床にこびりついた蝋をキレイに剥がすのって一苦労なのよ」
「そうそう、ローソクプレイと言えば、セルフボンデージでひとりきりのときに拘束したままするのも、やめておいたほうがいいわよ。火がカーテンとかに燃え移って、拘束してるからうまく消せなくて、それで火事出しちゃった人もいるらしいから」
「浣腸とかローソクプレイをしてみたかったら、事前に言っておいてくれれば場所を用意するなりしてまた、マゾ子を貸し出すからさ」
完全に、レンタルセイドレイ=モノ扱いの私です。
「あのテーブルに、アナルビーズもバイブもディルドも、他にもいろいろ面白いオモチャを用意しておいたから、好きなだけ持ってきて、自縛の講義をしてくれたマゾ子先生の淫らなからだを存分に労ってあげて」
「はーいっ!」
里美さまがテーブルを指さすと、お三かたが我先にという勢いでテーブルに駆け寄られました。
*
*非日常の王国で 13へ
*
里美さまがニヤニヤを私に投げかけつつ、タイマーのダイアルをポンと押しました。
「はい。これでこのあと約80分間、マゾ子ちゃんはみなさんにされるがままのモルモット。さっきどなたかがおっしゃったけど、まさに生贄状態ね」
里美さまの右手が私の下腹部に伸び、菱形を作る縄をつまんでグイッと引っ張りました。
「あうぅっ!」
大股開きの裂け目に食い込んだ縄が手前に動き、ラビアの中に埋もれていた結び目のコブが、テラテラに腫れ上がった肉芽をザラッと押し潰すように擦りました。
三つ折りソックス以外一糸まとわぬ裸身を菱形模様の麻縄で飾り、ほぼ180度に広げられたM字開脚で椅子に磔られた私。
中学生の頃、好奇心に駆られて図書館でこっそり見て後悔した生き物図鑑の、解剖される蛙さんの図版を思い出していました。
里美さまはとても嬉しそうに、つまんだ縄を引っ張っては緩め引っ張っては緩め、そのたびにコブが敏感過ぎる肉芽の上を猛々しく行ったり来たり。
屈辱と被虐で飽和寸前まで昂ぶっているからだに、里美さまがくりかえす股間の綱引きは、まるで拷問でした。
「あっ、あーんっ、ひっ、いやっ、だめっ、だめぇーっ・・・」
グングン積み上がる快感に、押し殺そうとしても喉奥から淫声が零れ出てしまいます。
「ほら、いい声で啼くでしょう?みんなも遠慮しないで虐めちゃっていいのよ?」
里美さまがお誘いになっても、お三かたはじーっと、コブに嬲られる私の股間に見入るばかり。
ピーク寸前の兆候を見せている私のマゾマンコから、目が離せないのでしょう。
「内腿がヒクヒク痙攣してるね・・・」
「滲み出てくる愛液が白く濁ってきた。これってアレだよね?本気汁・・・」
「穴がパックリ口開けちゃって、別の生き物みたいにビラビラごとヒクついてる・・・」
「クリをこれだけ擦られて、痛くないのかな・・・」
「お腹までプルプルしてきた。もうすぐイッちゃうんじゃない?・・・」
頼んでもいない実況中継をしてくださるお三かた。
視られてる・・・私が一番淫らになる瞬間を待ち侘びて、みなさまが固唾を呑まれている・・・
里美さまの綱引きがスピードアップして、私はもはや限界でした。
「あっ、あーーっ、だめっ、いいっ、いーーっ、イキますぅ、イッちゃいますぅーーーっ」
「あぁーーーーーっ!!!」
背もたれに背中を押し付けるように頭をのけぞらせ、みなさまに喉仏を見せながら果てました。
真っ白になった頭の中を、パチパチとまだ小さな星たちが爆ぜているような、強烈なエクスタシーでした。
「あーあ。あっさりイッちゃった。まあ今のは、今日のレクチャーへのギャラ、ご褒美みたいなものと思ってね」
里美さまが私の顔にお顔を近づけ、笑顔でおっしゃいました。
「マゾ子って、一回イッた後からが凄いらしいじゃない?愉しみだわ」
私の呼び方から、ちゃん、が消え呼び捨てにした里美さまが、からかうようにおっしゃって、お三かたのほうをお向きにまりました。
「あなたたちも遠慮なさらないで、何でもしたいことしちゃっていいのよ?」
「あ、はい・・・」
と応えたものの、なんとなく及び腰ふうな倉島さまたち。
イッたばかりのテラテラな私のマゾマンコを、不安そうに眉根を寄せて、ただじっと見つめるばかり。
「あ、そっか。そうよね。わたしにデリカシーが足りなかったかも。ちょっと待ってて、ちょうどいいものがあるから」
何かしら思いつかれたらしい里美さまが、おひとりだけご納得のお顔で近くのキャビネットを開け、大きめなダンボール箱を取り出しました。
「考えてみれば今日会ったばかりの、どこの誰ともわからないマゾ子の汗まみれのからだを素手でいじくるのって、気持ち悪いわよね?」
サラッとショックなことをおっしゃった里美さま。
私って、気持ち悪いんだ・・・
「いえ、決してそんなことは・・・」
あわてて否定される倉島さまのお言葉を遮るように、
「ましてやマンコはイッたばかりで、白濁したヨダレをあんなに垂れ流しているんだもの、生々しすぎて年頃の女の子の腰が引けちゃうのも無理ない話よね」
私を薄笑いで眺めつつずいぶんイジワルくおっしゃって、ダンボール箱から何かを取り出されました。
「はい。これを着けるといいわ。医療用の使い捨てグローブよ。これすればマゾ子もあなたたちも、安心して触り触られ出来るでしょう?衛生的にもバッチリ」
半透明な白色の薄いラテックス製らしき手袋が、お三かたに配られました。
「うわ。すっごく薄い。コンちゃんくらい?」
「指にピッタリ密着するんだね。なんか感触が自分の手じゃないみたい」
「こんなのしちゃうと、よく映画とかで見る、悪の組織の非道な禁断の人体実験、ぽい雰囲気が漂ってこない?ワタシそういうシチュ、すんごく萌えるんだ」
愉しそうにはしゃがれるお三かた。
「うちのネットショップの次回の更新でね、ちょうど予定していた特集があるのよ。そのために今、アイテムをいろいろ集めているの。このグローブもそのひとつ」
里美さまもグローブをお着けになり、両手で、結んで開いて、をしながらおっしゃいます。
「テーマはね、オトナのお医者さんごっこ。それで医療プレイ用のアイテムを、海外を含めてあちこちから取り寄せているの。まだあまり届いていないのだけれど」
里美さまのグローブ越しの右手人差し指が、私の左内腿を膝の方へとスーッと撫ぜました。
「はうぅん・・・」
イッたばかりで敏感になり過ぎている肌への刺激に、思わず鼻が鳴ってしまいます。
「ドクターコートとかナース服みたいなコスプレ系はもちろん、聴診器、ピンセットや脱脂綿とか拘束用の包帯とかの小物でしょ」
「あとは、いろんな浣腸器とか、導尿カテーテルや肛門鏡とかも揃えて、かなり本格的に遊べる、医療プレイマニアには堪らない特集になると思うわ」
お三かたのご様子を窺うと、とくにヨーコさまが興味津々のワクワク顔をされています。
「たとえばこれ、わかる?ちょうど昨日届いたばかりなの」
里美さまがダンボール箱から引っ張り出されたのは、一見して事務用のハサミのような大きさ、形状の物体でした。
ステンレス製らしく全体が銀色で、ハサミであれば刃となっている箇所に刃は無く、代わりに重なり合う先端部分2箇所とも、あいだに何かを挟み込めるリング状になっていました。
「あっ!あたし、外国のボンデージ画像でそれ、見たことあります。それで乳首とか肌とか、挟むんですよね?」
倉島さまが身を乗り出しながらおっしゃいました。
「へー。よくご存知ね。その通り。これでね、マゾ子の勃起乳首を痛めつけちゃうわけ。ご褒美の後はお仕置き、SMの基本の飴と鞭ね」
先端のリング状に私の右乳首が挟まれ、ハサミを閉じる要領で指を絞る里美さま。
カリカリッと小さな音をたてて冷たい金属の輪に挟まれた乳首がひしゃげ、麻縄に絞られて尖立している右おっぱいの先端に、その用具がぶら下がりました。
「あうぅっ!」
強めの洗濯バサミほどの疼痛がジンジンと右おっぱいを苛みます。
さっきカリカリと音がしたところが、ハサミの閉じ具合を調節するストッパーらしく、一度噛み付いたらそのまま、バネ仕掛けの洗濯バサミのように緩むことは無いみたい。
そのもの自体にけっこう重さがあり、挟まれた乳首が下向きにうなだれて引力に引っ張られています。
「わたしずっと、それって何なんだろう?って思っていたんです。何か化学の実験用具なのかなと思って東急ハンズとかで探しても売っていないし」
倉島さま、とても嬉しそう。
「これはね、ぜつかんし、っていうの。ぜつは舌のこと。で、かんしは、手術とかで使う鉗子。れっきとした医療用具よ」
里美さまがもう一本お出しになりながらご説明してくださいます。
「本来は舌を挟んで引っ張り出すための鉗子。ほら、事故とかの緊急時に舌噛んじゃって喉に詰まったりするでしょ?そんなときに気道を確保するために、これで挟んで舌を引っ張り出して出しっ放しにするの」
「この先っちょがリング状のはコラン氏式とかマッチュー氏式って呼ばれるみたい。先っちょの形状がもっと面積広く挟めるように大きくUの字状になっているのがホッチ氏式。そっちは口腔手術に使うんだって」
おっしゃりながら倉島さまを手招きされる里美さま。
「ほら、これでマゾ子のもう片方のいやらしい乳首も、お仕置きしてあげて」
舌鉗子を渡された倉島さまがマジマジとそれを見つめています。
「なるほどー。こういう仕組みなんですね」
何度かカチカチいわせては開き、ご満悦なご様子。
里美さまに軽く肩を押され、倉島さまが私の上半身のほうへいらっしゃいました。
「し、失礼します・・・本当に挟んじゃっていいんですか?」
倉島さまが幾分おどおどされながら、私に尋ねてきました。
「ほら、マゾ子?お客様がわざわざお尋ねくださっているのよ?ちゃんとマゾらしくお願いしなさいっ!」
右乳首の舌鉗子をビューっと引っ張りながらの、里美さまのドSなお声。
「ああんっ、はい・・・どうぞ、私のからだをお好きなだけ、いたぶってやってください・・・」
もうひとつの乳首にも早く痛みが欲しくて、被虐まみれの科白がスラスラ出てしまいます。
「これって、どのくらい強く挟んでいいものなのですかね?」
倉島さまが里美さまに振り向きます。
「先っちょがちょこっと浮いてるぐらい締め付けちゃっていいわよ。この子はマゾだから、痛いほど悦ぶわ」
私に向けて嘲笑うようにお答えになる里美さま。
「このくらい、ですかね・・・」
倉島さまがお持ちになった舌鉗子の先が、背伸びしている左乳首の裾野にひんやり触れました。
「あふぅっ!」
期待と不安にいやらしい声が、思わず洩れてしまいます。
リングが肌にギュウっと押し付けられ、カチカチっと小さな金属音。
乳首の側面が両側から押し潰されて、切ない痛みが広がっていきます。
「あ、ああっ、あうぅぅっ・・・」
乳首がグンと引っ張られる感覚がしたのは、倉島さまの手が舌鉗子から離れたからで、舌鉗子は、そのまま左乳首にぶら下がりました。
「やっぱり医療用具っていいわね。洗濯バサミとかSM用のクリップとかいかにもなやつとは違って、インモラルなアート的気品があるわ」
里美さまがビデオカメラを向けながらおっしゃいました。
「確かにその舌鉗子?がぶら下がっただけで、ますます人体実験ぽい絵面になったっすよね?アタシこういうの、すっごく好きなんです」
ヨーコさまが、うっとりなお顔でおっしゃいました。
「あと2本あるから、下半身も飾ってあげるわね」
おっしゃった里美さまが、ツカツカと私の動かせない下半身に歩み寄りました。
マゾマンコに右手が伸びてきて裂け目上を走る2本の縄をつまみました。
その縄をクリット下の結び目から大陰唇の外側へと左右に分ける里美さまのグローブの指。
そうすることによって、だらしなく楕円形の半開きになったマゾマンコ穴とすぐ下のお尻の穴まで、みなさまの眼前で遮るものの無い、剥き出し状態となりました。
あらためて視線がソコに集まってきます。
「舌鉗子のいいところはね、さすがに医療用だけあって、どんなにヌルヌルしていてもしっかり噛み付いてくれるの。こんなにグショグショなマゾ子のラビアでもね」
里美さまの指が無造作に私の左側のラビアをつまみ上げ、舌鉗子のリングで挟みました。
ラテックス越しの指の感触は、生身の指よりも無機質な感じがして、粘膜が戸惑いにわななきました。
「うわ、マゾ子のマンコ、湯気が見えそうなほど熱くなっておねだりしてる。さすが色情淫乱マゾマンコね。ステンレスのひんやりが気持ちいいでしょう?」
どんどんお下品になっていく里美さまの口調。
「あ、いやんっ!」
舌鉗子に挟まれたラビアがグイッと外側に引っ張られました。
見る見る半円形に口を開ける私の粘膜。
「ダメダメ、いやっ、いやーっ」
大陰唇を太腿側に引っ張ったまま、舌鉗子の胴体ごと白い包帯で左太腿に巻き付けられ、粘膜開きっぱなしで固定されました。
挟まれたラビアにさほど痛みは感じませんが、グイーっと引っ張られて予想外に伸びだビラビラが恥ずかしすぎます。
「これが最後の1本ね」
心底嬉しそうな里美さまの手が右側のラビアをつまみ、舌鉗子を噛み付かせました。
「ああん、そんな、さ、里美さまぁ、恥ずかしいですうぅ、赦してくださいぃぃ」
私の懇願なぞどこ吹く風の里美さまが、手際良く右太腿にも包帯を巻きつけました。
M字大股開きで精一杯に開かれた私の股間。
それでも飽き足らず大陰唇に噛み付いた左右2本の舌鉗子に依って、中身を奥底まで覗けるように押し広げられた、粘膜丸見えな私のマゾマンコ。
正面から見れば、股間の中央にピンク色の穴がポッカリ大きく口を空けているはずです。
「うん。一段と恥ずかしい姿になった。これこそマゾ子のあるべき姿だわ」
ひとり悦に入る里美さまが、またもやビデオカメラを向けてきました。
「すごーい。奥まで全部見えちゃってる。オシッコの穴まで広がって・・・あたし、自分のも含めて誰かの女性器を、こんなに奥までまじまじ観察したことなかった・・・」
倉島さまが感に堪えないという面持ちでつぶやかれました。
「こんなことされてるのに、本当にマゾ子、悦んでるよね?ほら見て、ピンクの襞の奥からトロトロ溢れ出てくる・・・」
私より歳下のメグさまが、呼び捨てで呆れたように蔑んでくださいます。
「うん。お尻の穴までヒクヒク蠢いちゃって、クリトリスは今にも弾けそうなくらい腫れてるし・・・確かにこんなの見せられたら、どんどん虐めたくなっちゃうわー・・・」
ヨーコさまのメガネ越しの瞳にも、嗜虐の妖しい炎が灯ってきた気がします。
私は、泣き出したい気持ちになっていました。
それは、悲しいわけでも悔しいわけでもなく、どちらかと言えば感動の部類。
今の自分の惨め過ぎる姿を客観的に見ているもうひとりの自分が感じている、キュンと胸を締め付けるような切ない思いからくる感情でした。
「あの、マゾ子って、お尻の、えっと、アナルも虐めていいんですか?」
ヨーコさまが、我慢しきれなくなったかのように、媚びるような少し照れたご様子で里美さまにお尋ねになりました。
「ええ。マゾ子はベテランマゾだから、それはもちろんオーケーなのだけれど、なあに?あなたはアナルに興味があるの?」
里美さまが、ちょっとからかうような口調でヨーコさまにご質問返し。
「あ、はい。って言っても自分でするのはちょっとカンベンなんですけれど、ひとのを弄って、その反応を見てみたいっていうのは、すごくあって・・・でも、そんなこと、身近な人には頼めないし」
照れが消えたヨーコさまは、好奇心いっぱいのお顔。
「うちらって、たまにBLものも書くのですけれど、BLだと使える穴はこっちだけじゃないですか?こんなとこにツッコんで本当に気持ちいのかな、なんて懐疑的になりながら書いていたりして」
「まあ、うちらは男性器が達したときの気持ち良さだってわからないですから、ひっくるめて妄想で書くのも愉しいんですけど、でも、せっかくの機会だし、手袋もしてることだし・・・」
「いい作品を書くために研究熱心なのは、とても良いことよ」
学校の先生のような若干上から口調でおっしゃった里美さまが、私に目を向けてつづけました。
「マゾ子は、アナルでもちゃんとイケるのよね?」
なんてストレートなご質問。
「はいぃ・・・」
なんてはしたないお答え。
「今日はちゃんとキレイにしてきた?」
「あの、えっと一応、こちらへ伺う前にお浣腸は、してきました・・・」
ランチもバナナだけにして、オフィスを出る前に念の為にと思い、おトイレでぬるま湯のお浣腸を自分でしてきたのでした。
「ほらね。ちゃんとそのつもりだったみたいだから、思う存分、実験してみるといいわ」
里美さまが、なぜだか妙に誇らしげにヨーコさまにおっしゃいました。
「あ、でも浣腸の実演は勘弁してね。ここ一応お店だからさ、クサイものぶちまけられちゃうと後始末が大変だから。もちろん聖水プレイもだめよ」
ご冗談めかして笑う里美さま。
「それとローソクプレイもNGね。どんなに注意深くやっても床に垂れちゃうものだから。床にこびりついた蝋をキレイに剥がすのって一苦労なのよ」
「そうそう、ローソクプレイと言えば、セルフボンデージでひとりきりのときに拘束したままするのも、やめておいたほうがいいわよ。火がカーテンとかに燃え移って、拘束してるからうまく消せなくて、それで火事出しちゃった人もいるらしいから」
「浣腸とかローソクプレイをしてみたかったら、事前に言っておいてくれれば場所を用意するなりしてまた、マゾ子を貸し出すからさ」
完全に、レンタルセイドレイ=モノ扱いの私です。
「あのテーブルに、アナルビーズもバイブもディルドも、他にもいろいろ面白いオモチャを用意しておいたから、好きなだけ持ってきて、自縛の講義をしてくれたマゾ子先生の淫らなからだを存分に労ってあげて」
「はーいっ!」
里美さまがテーブルを指さすと、お三かたが我先にという勢いでテーブルに駆け寄られました。
*
*非日常の王国で 13へ
*
2017年1月2日
非日常の王国で 11
里美さまの、あからさまに侮蔑的な私のヘンタイ性癖についてのご説明。
それを驚きと好奇が入り交じった表情で、真剣にお聞きになっているお三かた。
里美さまのご説明はすべて本当のことなので、どう反応していいのかわからず、ただうつむく私。
里美さまのお声が途切れたので上目遣いに窺うと、みなさまが黙ってジーっと私を見つめていました。
正確に言うと、6つの瞳と里美さまが向けるビデオカメラのレンズ。
お三かたの瞳が淫靡な期待に輝いているように見えました。
ビデオカメラが向けられたのは、自縛のレクチャーを始めろ、という里美さまの合図なのだろうと理解して、愛用の麻縄に手を伸ばしました。
「緊縛に用いるロープは基本的に、ふたつ折りにして使用します・・・」
ひとりだけ全裸の状態でみなさまに語りかける、という行為は、思っていたよりもずっと強い恥辱感がありました。
一般的に、着衣の中にひとりだけ全裸の同性がいたら、周囲の人は混乱や憐憫から、極力その人を視ないようにしてあげると思います。
それか、面白がってからかうか。
今の私の状況は、そのどちらとも違っていました。
遠慮会釈なしに私のからだを凝視してくるお三かたの視線がもたらす、身が焦げるような羞恥。
そんな不躾が許されるのは、私がお三かたに向かって語りかけているから。
言わば自分で、私を視てください、とアピールしているからなのです。
日常生活では見せてはいけないとされる恥部をすべて剥き出しにしている私を、ここぞとばかりに凝視してくるお三かたの刺すような視線。
まさに、視姦されている、という実感がありました。
そして更にこれから、私はそれらの秘められるべき箇所を、より扇情的に目立つように、自らの手で縛り上げていくのです。
体温がジワジワ上がってくるのがわかります。
早くロープをからだに巻きつけて、もっと淫らな私を視ていただきたい、という欲求が抑えられません。
視られている、という悦びに酔い痴れながらも極力冷静を装い、レクチャーをつづけました。
「こうしてロープの先端を合わせて、ふたつ折りにします」
右手に持ったロープを均等に折り返します。
「8メートルのロープですから、4メートルとなりますね。それで、こちらの輪になった部分を首にかけます」
ロープの折り返し部分を首にかけようと両手を挙げかけたとき、里美さまからお声がかかりました。
「そのチョーカー、外したほうがいいんじゃない?お姉さまからの大切なプレゼントなのでしょう?縄で押し潰されちゃったりしたら一大事じゃない?」
「あ、はい。そうですね」
別に気にはしていなかったのですが、それもそうだな、と思い、両手を首の後ろに回しました。
期せずして、マゾの服従ポーズ、のような姿勢。
両腋の下がガラ空きとなり、おっぱいを突き出すようにみなさまに向けていると、被虐感がグンと高まりました。
外したチョーカーは、里美さまが受け取ってくださいました。
「これは大事に預かっておくわね。帰るときに渡してあげる」
イタズラっぽい笑顔の里美さま。
「それで、この垂れ下がったロープを束ねて、からだの正面に順番に結び目を作っていきます。まず胸元・・・」
「慣れないうちは、首周りは大きめな輪にしておいたほうがやりやすいと思います・・・」
「そして同じように、みぞおちのへん、おへその下、股の付け根あたりにも結び目のコブを作っていきます」
ご説明しながら、首から垂れたロープを捌き、順番にコブを作っていきました。
眼前のみなさまが真剣なまなざしで、お手元のノートと私を交互に見ています。
「結び目は、完成したときには今より上に動きますから、思うよりも下気味にしておきます。何度か試すうちにわかってくると思います」
「股間のところにふたつコブを作ったのは、縄が食い込んだときに性器・・・えっと、クリトリスを擦って、刺激してくれるように、です・・・」
自分で口にした言葉のはしたなさに、ゾクゾクしちゃっています。
私の当該器官は、すでにジンジン痺れて腫れ上がっていました。
みなさま嬉しそうにニヤニヤ。
「結び目を作り終えたら、余ったロープを股のあいだにくぐらせて、背中へ持っていきます・・・」
みなさまに見えるようにと、からだを反転してお尻を向けました。
「首の後ろで輪になっているところに、束ねた二本のロープをくぐらせます・・・」
ロープを引っ張ると、コブが股の亀裂に食い込みました。
「んっ!えっと、ここからは、ロープを一本づつ左右に分けて、肌に縄を這わせていきます・・・」
この辺から私の中の理性は米粒ほどになって心中深く引きこもり、自縛に夢中になっていました。
「首の後ろからのロープを左右に分けて、それぞれ一本づつ腋の下から前へ回し、首からの輪に通します・・・」
みなさまに向き直り、おっぱいを突き出すように胸を張りました。
「輪に通したら折り返し、おっぱいの上の方に這わせて、また背中に回します。左右均等に力を入れるようにすると模様が綺麗に仕上がります」
「それぞれのロープを背中で交差させ、再び前に回します・・・」
縄がおっぱいの皮膚を這うたびに、淫らな声が出そうになって困りました。
乳首がこれ以上ないくらい猛りきって、みなさまのほうへと背伸びしています。
当然、みなさまの視線が刺すように、そこに集中しています。
「戻ってきたロープをふたつめの結び目とのあいだの輪に通し、今度は下乳持ち上げるような角度で背後に回します・・・」
「私は、おっぱいをギュッと絞られるような縛られ方が好きなので、胸元と次の結び目との間隔を狭くして、下乳を潰すように縄が這うようにしています・・・」
自分のヘンタイ嗜好が、正直にスラスラ口についてしまいます。
上下の縄でギューッと絞られたおっぱいの先端は、皮膚が引っ張られて引き攣り、ますます痛々しく尖りきっています。
「同じように背後に回したロープを今度は三番目の輪に通して、背後に回します・・・」
「このように、正面の縄の模様が菱形になるところから、菱縄縛りと呼ばれます・・・」
「この模様が亀さんのように六角形になると、亀甲縛りとなります。亀甲縛りにする場合は、縄をくぐらせる回数が増えるので、ロープを二組繋げて使うことになります・・・」
縄を肌にのめり込ませるようにギュウギュウ引っ張って、自分の裸身に菱縄模様を作っていきました。
股の裂け目を縄がヌルヌル滑り、どんどん気持ち良くなってしまいます。
「同じように下腹部の輪にも縄を通して腰に回し、最後に余った縄尻を背中に通る縄に結んで巻き付ければ完成です」
「私は、かなりキツメに絞りましたが、慣れないうちは手順を覚えることを優先して、緩めから始めるといいと思います」
「ご覧いただいておわかりになったと思いますが、正面の各結び目が最初のときより、けっこう上に来ています。この辺の加減は何度か試すうちにわかってくると思います・・・」
そのときの菱縄自縛は、我ながらとてもいい出来でした。
綺麗な菱形が素肌に均等に満遍なくピタッと吸い付き、股間のコブもしっかりクリトリスのすぐ下に来ていました。
裂け目を通るロープは、もうすでにグジュグジュ。
この状態だとローブのどこを引っ張られても、ワレメに食い込むロープが滑り、確実に腫れ上がったクリトリスを潰してくることでしょう。
事実、少し屈めていたからだを起こしただけで、コブがクリトリスを直撃しました。
「あんっ!、そ、それと、最初は、下半身は、下着を着けたままのほうが良いと思います。じ、直だと、刺激が強いので・・・汚れてもいい下着を着けで練習してください」
ビリビリッと全身をつらぬいた電流にクラクラしつつ、なんとか喘ぎを押し殺して告げました。
「全身が火照ってるね?気持ち良さそう」
「うん。マゾ子ちゃん、縛ってるうちにどんどんエロっぽくなってった」
「縛り自体は、意外と簡単そうじゃなかった?」
お三かたが小声で口々にご感想を言い合っています。
「それで、この菱縄縛り自体は、ご覧のように拘束というよりも、からだに縄が這っているという背徳感とかアブノーマルさを愉しむのがメインとなります」
「もちろんキツく縛れば、縄が肌に食い込む拘束感も愉しめますし、先ほどそちらのかたがおっしゃられたように、この上に何か着てお散歩するとか、そういう密やかな愉しみ方もいいと思います」
「とくに自縛の場合は、両手を最後まで拘束することが出来ないので、からだを自由に動かせない系の拘束感を愉しみたいのであれば、最後にもう一本ロープを用意して、後ろ手縛り、というのをするとよいです」
「ただし、自縛の場合、手や腕まで不自由にしてしまうと、抜け出すために前もってそれなりの準備が必要となります。ハサミとかナイフとか。ロープを切って解くことになりますから」
「自縛のときの両手の拘束は、私の場合、なるべくロープを切りたくないので、比較的ラクに外せる手錠とか手枷を使っています」
さっき里美さまにかけられた重い手錠の感触を思い出し、キュンとマゾマンコの奥が震えました。
「以上が菱縄縛りの自縛の仕方です。何かご質問は、ございますか?」
「あ、えっと、ちょっと後ろを向いてもらえますか?」
「あ、はい・・・」
みなさまに背中を向けるとき、自然と両手が頭の後ろに挙がっていました。
肩の動きと共にからだを這う縄全体が上向きに引っ張られ、またしてもコブが肉芽を直撃。
「あふっ!」
みなさまから見えないのをいいことに、眉根を寄せてはしたない声を小さく漏らす私。
「へー。後ろも綺麗にバッテンのシンメトリーなんだ」
「余った縄はあんなふうにグルグル巻きにしちゃうんだね」
「縄がお尻にかなり食い込んでるよね」
お三かたが思い思いのご感想をつぶやかれる中、里美さまの愉しそうなお声が聞こえました。
「あなたたち、今、マゾ子ちゃんがしているポーズの意味、知ってる?」
「うーん。よくわからないけれど、あれってアメリカ映画とかで警察が犯人に銃を構えて、フリーズ、ってさせたときの、犯人がする格好ですよね?」
倉島さまのお声。
「おお、よく知っているわね。マゾ子ちゃん?そのまま前向いて」
お言葉に従って回れ右をすると、ビデオカメラを構えられた里美さま。
「両手を頭の後ろに当てて、おっぱいも腋の下もおへそも、もちろん性器もまったく隠せないポーズ。これを、マゾの服従ポーズ、って呼ぶの」
「ほら、ワンちゃんやネコちゃんが、かまって欲しいときにゴロンと仰向けになってお腹見せちゃうじゃない?あれと同じよ。マゾっ子がしたら、それは、虐めて欲しい、っていうこと」
「わたしのからだを、どうぞご自由にしてください、っていう服従のアピールね」
自分でも、なぜ今このポーズをしたのかわかっていませんでした。
マゾモードに入った私にとっては、やり慣れたポーズですから自然と出てしまったのでしょう。
「今の実演で自縛ノウハウはだいたい頭に入ったでしょう?あなたたち、かなり真剣にノート取っていたし」
おっしゃりながら里美さまが立ち上がり、ツカツカと私に近づいてきました。
「お家に帰ってやってみて、何かわからないことがあったら、またいつでもマゾ子ちゃん呼んであげるからね」
「それにしても、わたしも初めて見たけれど、お見事なロープ捌きだったわ」
私の横に立たれた里美さまが、私の下腹部を走るロープをつまみ、クイッと引っ張りました。
「あっふぅ!」
コブがクリット直撃。
すがる目つきで里美さまを仰ぎ見ます。
もっとしてください、というお願いを込めて。
「そろそろ陽も傾いてきたし、自縛の講義はここまでということにして、このえっちに縛られたマゾ子ちゃんをみんなでちょっと虐めてみない?」
いつの間にご用意されていたのか、おっきなリングがぶら下がった真っ赤な首輪を首に巻かれました。
形といい太さといい、街で見かけるワンちゃんの首輪そのものでした。
「愛しのお姉さまのチョーカーの代わりに、わたしが首輪を着けてあげる。うちのショップオリジナルの、人間のマゾペット用の首輪よ」
「一般的にペットって、首輪を着けてあげた人が飼い主になるわよね?今のマゾ子ちゃんの飼い主は誰?」
先ほどまでとは雰囲気の変わった低めの冷たい声音で尋ねてくる里美さま。
あ、この人エスの役、やり慣れている、とすぐにわかるお声でした。
「あ、はい・・・目の前にいらっしゃる、愛川里美さまです・・・」
「飼い主の命令は、何でも聞けるわよね?」
「はい・・・」
信じられない、という面持ちで里美さまと私の顔を交互に見やるお三かた。
「あのテーブルの上のオモチャ、どれでも好きなのをいくつでも試してみていいわよ。マゾ子ちゃんのからだに」
里美さまのお顔には、ゾクゾクするほど嗜虐的な笑顔が浮かんでいました。
ああん、やっぱり、そうなるんだ・・・
「そ、それは面白そうですけれど・・・でも、その、えーっと、マ、マゾ子さんは、それでいいのですか?」
倉島さまが、戸惑いとワクワク半々みたいな困ったようなお顔でおっしゃいました。
「マゾ子ちゃんには、いいも悪いも無いの。そもそもこの子は、そういうことをされるために派遣された、今日ここでみんなに虐められるべき存在なのだから」
「ほら、こんないやらしい顔になっているのよ?火照っちゃって瞳なんかトロンとしちゃって、虐められたくて仕方ない、っていう感じでしょう?}
冷たく言い放つ里美さま。
確かにそうでした。
この自縛のレクチャーを頼まれたときから私は、そのお相手のお客様に弄ばれることを予想していましたし、期待してもいました。
自縛をご披露して、終わったらそのまま、お疲れさまー、で解放されるとは、まったく思っていませんでした。
菱縄自縛し終えた瞬間から、私の全身が新たな辱めを期待して疼き始めていました。
そんなふしだらな期待が、後ろを向いて、とおっしゃられたときに、自然と服従ポーズを取ってしまった理由なのでしょう。
「今日のことはちゃんとマゾ子ちゃんのお姉さまからの許可もらっているの。実は、わたしもマゾ子ちゃんをちゃんと虐めるのは今日が初めてなのよね」
「それに、あなたたちが来る前の打ち合わせでマゾ子ちゃんの口から、すべて従うつもりでここに来ました。何でもご命令ください、って宣言までもらったし、一切遠慮は要らないわ」
「あなたたちも耽美な小説を書いているなら、こんな責めをしてみたいとか、されてみたいとか、あるでしょう?いい機会だから、試してみるといいわよ。マゾ子ちゃんのからだで」
私の首輪をススッと指で撫でた里美さまが、私の右手を取りました。
「そこの椅子に座って」
私の荷物をどかして椅子を空けてくださいました。
あのヘンな形の椅子です。
一見すると、よくある形のゆったりめなラウンジチェア。
オレンジ色っぽい赤色で背もたれは短かめ、左右に肘掛けがあって座高高め。
一番ヘンなところは、お尻を乗せる座面でした。
普通は四角形の平面ですが、この椅子のは、内側に向けてUの字に抉れていました。
腰掛けてみると、お尻を乗せると言うよりも、左右の腿で座っている感じ。
洋式便器の楕円形の便座を思い出していただくと、わかりやすいかもしれません。
あれが半円形になっている感じ。
実際に座ると、お尻の真下が空間になるのがわかりました。
「なかなか座り心地のいい椅子でしょう?」
ご冗談ぽく笑った里美さまが、一度テーブルのほうへ行き、すぐに戻られました。
「みなさんがマゾ子ちゃんにイタズラしやすいように、しばらくのあいだ、恥ずかしい格好で拘束させてもらうわね」
里美さまが座った私の背後に回り、椅子の背もたれの向こう側に私の両腕を束ね、先ほどの本格的な手錠をカチャンとかけました。
両腕と背中のあいだに背もたれを挟み込み、背もたれの金属支柱に手錠のチェーンが絡むように後ろ手で施錠されたので、上半身がほとんど動かせなくなりました。
「これでマゾ子ちゃんは、この手錠を外さない限り、この椅子から離れられないわね」
里美さまが、うふふ、とほくそ笑みました。
それから里美さまは私の足元に屈み込み、私の左右の足首にそれぞれレザーの足枷を巻いて南京錠で施錠されました。
足枷の色は首輪と同じ赤で、銀のリングに頑丈そうな短い鎖が繋がっています。
「ちょっと失礼」
里美さまが私の左足首を持ち、無造作にガバッと持ち上げました。
「ああん!いやんっ」
いきなり大股開きとなった私の左脚は、あれよという間に左側の肘掛けを左膝の裏側に挟むような形で持ち上げられ、足枷から伸びる鎖の端が、手際よく椅子の裏側に繋がれたようでした。
肘掛けを膝裏で挟んだ形の左脚は、どんなにがんばっても最早閉じることが出来ません。
「あっ、いやーっ、そんなぁ、里美さまぁーっ」
右足も持ち上げられる気配を感じて身を捩りましたが、上半身を背もたれに磔られている身ではどうしようもありません。
あっさりと右側の肘掛けも跨がされて固定され、文字通り、大股開き、の格好になりました。
間髪を入れず背もたれがゆっくりリクライニングし、上半身が沈んだ分だけ下半身が持ち上がります。
「いやーーーっ!」
みなさまに股縄の股間を180度近くまで開いて、見せつけていました。
濡れそぼった無毛の膣穴の中央に、2本の麻縄が吸い付いているはずです。
椅子のUの字に開いた空間から、ポタポタと淫汁がしたたり、床を汚してしまっているはずです。
お三かたも立ち上がり、無防備に晒されたその部分を覗き込むように凝視されています。
「エロ過ぎだよね、この格好。見事なM字」
「すごーい。ロープまでグショグショに濡れてる」
「この角度だと、ちょっとロープどけたら、お尻の穴まで丸見えじゃん。信じられなーい」
「確かに、こんな恥ずかしい姿にされたツインテの女の子を、現実に自分の目で見ているっていうことが信じられない。まさに生贄って感じ」
容赦のないお三かたのご感想に被虐感がグングン昂ります。
それを煽るように里美さまのビデオカメラのレンズが、動けない私に近づいたり遠のいたり、それこそ舐めるように隅々まで撮影されました。
「倉島さん、さっきのタイマーボックスをちょっとお借りするわね?」
いったんビデオカメラから目線を外された里美さまがおっしゃり、テーブルの上のタイマーボックスを持ってこられ、椅子の脇に立たれました。
「これが、マゾ子ちゃんにかけられた手錠と南京錠を開けられる鍵」
短いチェーンに繋がった小さな鍵を、私の鼻先でプラプラ揺らす里美さま。
「みなさんうちのお得意様だから大サービスで、最後はタイマー拘束プレイの参加型実演で締めましょう。マゾ子ちゃん、何時間くらい虐められたい?」
「えっ?あの、その、えっと・・・」
突然のご質問に、言葉が出ない私。
「あなたたち、今日これからのご予定は?」
「あ、いえ、これといって別に。今日はこのショールームに来ることだけを楽しみにしていましたから」
倉島さまが、里美さまと私を交互に見ながら嬉しそうにおっしゃいました。
「そっか。それなら別に帰りが遅くなってもかまわないんだ?2時間でも3時間でも」
「はいっ!」
お三かた、綺麗に揃ったユニゾンのお返事。
「でも、あんまり虐めすぎてマゾ子ちゃんが壊れちゃってもマズイし、まあ、1時間位にしておきましょうか」
タイマーボックスの蓋を開け、チャリンと鍵をボックスの中に落とした里美さま。
「実際、時間が来て鍵がリリースされたとしても、今のマゾ子ちゃんは、鍵を渡してもらわない限り、自分の力でこの拘束を解くことは出来ないのだけれどね」
イジワルくおっしゃった里美さまが、蓋に付いたタイマーのダイアルをグルリと回されました。
*
*非日常の王国で 12へ
*
それを驚きと好奇が入り交じった表情で、真剣にお聞きになっているお三かた。
里美さまのご説明はすべて本当のことなので、どう反応していいのかわからず、ただうつむく私。
里美さまのお声が途切れたので上目遣いに窺うと、みなさまが黙ってジーっと私を見つめていました。
正確に言うと、6つの瞳と里美さまが向けるビデオカメラのレンズ。
お三かたの瞳が淫靡な期待に輝いているように見えました。
ビデオカメラが向けられたのは、自縛のレクチャーを始めろ、という里美さまの合図なのだろうと理解して、愛用の麻縄に手を伸ばしました。
「緊縛に用いるロープは基本的に、ふたつ折りにして使用します・・・」
ひとりだけ全裸の状態でみなさまに語りかける、という行為は、思っていたよりもずっと強い恥辱感がありました。
一般的に、着衣の中にひとりだけ全裸の同性がいたら、周囲の人は混乱や憐憫から、極力その人を視ないようにしてあげると思います。
それか、面白がってからかうか。
今の私の状況は、そのどちらとも違っていました。
遠慮会釈なしに私のからだを凝視してくるお三かたの視線がもたらす、身が焦げるような羞恥。
そんな不躾が許されるのは、私がお三かたに向かって語りかけているから。
言わば自分で、私を視てください、とアピールしているからなのです。
日常生活では見せてはいけないとされる恥部をすべて剥き出しにしている私を、ここぞとばかりに凝視してくるお三かたの刺すような視線。
まさに、視姦されている、という実感がありました。
そして更にこれから、私はそれらの秘められるべき箇所を、より扇情的に目立つように、自らの手で縛り上げていくのです。
体温がジワジワ上がってくるのがわかります。
早くロープをからだに巻きつけて、もっと淫らな私を視ていただきたい、という欲求が抑えられません。
視られている、という悦びに酔い痴れながらも極力冷静を装い、レクチャーをつづけました。
「こうしてロープの先端を合わせて、ふたつ折りにします」
右手に持ったロープを均等に折り返します。
「8メートルのロープですから、4メートルとなりますね。それで、こちらの輪になった部分を首にかけます」
ロープの折り返し部分を首にかけようと両手を挙げかけたとき、里美さまからお声がかかりました。
「そのチョーカー、外したほうがいいんじゃない?お姉さまからの大切なプレゼントなのでしょう?縄で押し潰されちゃったりしたら一大事じゃない?」
「あ、はい。そうですね」
別に気にはしていなかったのですが、それもそうだな、と思い、両手を首の後ろに回しました。
期せずして、マゾの服従ポーズ、のような姿勢。
両腋の下がガラ空きとなり、おっぱいを突き出すようにみなさまに向けていると、被虐感がグンと高まりました。
外したチョーカーは、里美さまが受け取ってくださいました。
「これは大事に預かっておくわね。帰るときに渡してあげる」
イタズラっぽい笑顔の里美さま。
「それで、この垂れ下がったロープを束ねて、からだの正面に順番に結び目を作っていきます。まず胸元・・・」
「慣れないうちは、首周りは大きめな輪にしておいたほうがやりやすいと思います・・・」
「そして同じように、みぞおちのへん、おへその下、股の付け根あたりにも結び目のコブを作っていきます」
ご説明しながら、首から垂れたロープを捌き、順番にコブを作っていきました。
眼前のみなさまが真剣なまなざしで、お手元のノートと私を交互に見ています。
「結び目は、完成したときには今より上に動きますから、思うよりも下気味にしておきます。何度か試すうちにわかってくると思います」
「股間のところにふたつコブを作ったのは、縄が食い込んだときに性器・・・えっと、クリトリスを擦って、刺激してくれるように、です・・・」
自分で口にした言葉のはしたなさに、ゾクゾクしちゃっています。
私の当該器官は、すでにジンジン痺れて腫れ上がっていました。
みなさま嬉しそうにニヤニヤ。
「結び目を作り終えたら、余ったロープを股のあいだにくぐらせて、背中へ持っていきます・・・」
みなさまに見えるようにと、からだを反転してお尻を向けました。
「首の後ろで輪になっているところに、束ねた二本のロープをくぐらせます・・・」
ロープを引っ張ると、コブが股の亀裂に食い込みました。
「んっ!えっと、ここからは、ロープを一本づつ左右に分けて、肌に縄を這わせていきます・・・」
この辺から私の中の理性は米粒ほどになって心中深く引きこもり、自縛に夢中になっていました。
「首の後ろからのロープを左右に分けて、それぞれ一本づつ腋の下から前へ回し、首からの輪に通します・・・」
みなさまに向き直り、おっぱいを突き出すように胸を張りました。
「輪に通したら折り返し、おっぱいの上の方に這わせて、また背中に回します。左右均等に力を入れるようにすると模様が綺麗に仕上がります」
「それぞれのロープを背中で交差させ、再び前に回します・・・」
縄がおっぱいの皮膚を這うたびに、淫らな声が出そうになって困りました。
乳首がこれ以上ないくらい猛りきって、みなさまのほうへと背伸びしています。
当然、みなさまの視線が刺すように、そこに集中しています。
「戻ってきたロープをふたつめの結び目とのあいだの輪に通し、今度は下乳持ち上げるような角度で背後に回します・・・」
「私は、おっぱいをギュッと絞られるような縛られ方が好きなので、胸元と次の結び目との間隔を狭くして、下乳を潰すように縄が這うようにしています・・・」
自分のヘンタイ嗜好が、正直にスラスラ口についてしまいます。
上下の縄でギューッと絞られたおっぱいの先端は、皮膚が引っ張られて引き攣り、ますます痛々しく尖りきっています。
「同じように背後に回したロープを今度は三番目の輪に通して、背後に回します・・・」
「このように、正面の縄の模様が菱形になるところから、菱縄縛りと呼ばれます・・・」
「この模様が亀さんのように六角形になると、亀甲縛りとなります。亀甲縛りにする場合は、縄をくぐらせる回数が増えるので、ロープを二組繋げて使うことになります・・・」
縄を肌にのめり込ませるようにギュウギュウ引っ張って、自分の裸身に菱縄模様を作っていきました。
股の裂け目を縄がヌルヌル滑り、どんどん気持ち良くなってしまいます。
「同じように下腹部の輪にも縄を通して腰に回し、最後に余った縄尻を背中に通る縄に結んで巻き付ければ完成です」
「私は、かなりキツメに絞りましたが、慣れないうちは手順を覚えることを優先して、緩めから始めるといいと思います」
「ご覧いただいておわかりになったと思いますが、正面の各結び目が最初のときより、けっこう上に来ています。この辺の加減は何度か試すうちにわかってくると思います・・・」
そのときの菱縄自縛は、我ながらとてもいい出来でした。
綺麗な菱形が素肌に均等に満遍なくピタッと吸い付き、股間のコブもしっかりクリトリスのすぐ下に来ていました。
裂け目を通るロープは、もうすでにグジュグジュ。
この状態だとローブのどこを引っ張られても、ワレメに食い込むロープが滑り、確実に腫れ上がったクリトリスを潰してくることでしょう。
事実、少し屈めていたからだを起こしただけで、コブがクリトリスを直撃しました。
「あんっ!、そ、それと、最初は、下半身は、下着を着けたままのほうが良いと思います。じ、直だと、刺激が強いので・・・汚れてもいい下着を着けで練習してください」
ビリビリッと全身をつらぬいた電流にクラクラしつつ、なんとか喘ぎを押し殺して告げました。
「全身が火照ってるね?気持ち良さそう」
「うん。マゾ子ちゃん、縛ってるうちにどんどんエロっぽくなってった」
「縛り自体は、意外と簡単そうじゃなかった?」
お三かたが小声で口々にご感想を言い合っています。
「それで、この菱縄縛り自体は、ご覧のように拘束というよりも、からだに縄が這っているという背徳感とかアブノーマルさを愉しむのがメインとなります」
「もちろんキツく縛れば、縄が肌に食い込む拘束感も愉しめますし、先ほどそちらのかたがおっしゃられたように、この上に何か着てお散歩するとか、そういう密やかな愉しみ方もいいと思います」
「とくに自縛の場合は、両手を最後まで拘束することが出来ないので、からだを自由に動かせない系の拘束感を愉しみたいのであれば、最後にもう一本ロープを用意して、後ろ手縛り、というのをするとよいです」
「ただし、自縛の場合、手や腕まで不自由にしてしまうと、抜け出すために前もってそれなりの準備が必要となります。ハサミとかナイフとか。ロープを切って解くことになりますから」
「自縛のときの両手の拘束は、私の場合、なるべくロープを切りたくないので、比較的ラクに外せる手錠とか手枷を使っています」
さっき里美さまにかけられた重い手錠の感触を思い出し、キュンとマゾマンコの奥が震えました。
「以上が菱縄縛りの自縛の仕方です。何かご質問は、ございますか?」
「あ、えっと、ちょっと後ろを向いてもらえますか?」
熱心にペンを滑らせていたノートからお顔を上げたヨーコさまが、ペンをこちらへ向けておっしゃいました。
「あ、はい・・・」
みなさまに背中を向けるとき、自然と両手が頭の後ろに挙がっていました。
肩の動きと共にからだを這う縄全体が上向きに引っ張られ、またしてもコブが肉芽を直撃。
「あふっ!」
みなさまから見えないのをいいことに、眉根を寄せてはしたない声を小さく漏らす私。
「へー。後ろも綺麗にバッテンのシンメトリーなんだ」
「余った縄はあんなふうにグルグル巻きにしちゃうんだね」
「縄がお尻にかなり食い込んでるよね」
お三かたが思い思いのご感想をつぶやかれる中、里美さまの愉しそうなお声が聞こえました。
「あなたたち、今、マゾ子ちゃんがしているポーズの意味、知ってる?」
「うーん。よくわからないけれど、あれってアメリカ映画とかで警察が犯人に銃を構えて、フリーズ、ってさせたときの、犯人がする格好ですよね?」
倉島さまのお声。
「おお、よく知っているわね。マゾ子ちゃん?そのまま前向いて」
お言葉に従って回れ右をすると、ビデオカメラを構えられた里美さま。
「両手を頭の後ろに当てて、おっぱいも腋の下もおへそも、もちろん性器もまったく隠せないポーズ。これを、マゾの服従ポーズ、って呼ぶの」
「ほら、ワンちゃんやネコちゃんが、かまって欲しいときにゴロンと仰向けになってお腹見せちゃうじゃない?あれと同じよ。マゾっ子がしたら、それは、虐めて欲しい、っていうこと」
「わたしのからだを、どうぞご自由にしてください、っていう服従のアピールね」
自分でも、なぜ今このポーズをしたのかわかっていませんでした。
マゾモードに入った私にとっては、やり慣れたポーズですから自然と出てしまったのでしょう。
「今の実演で自縛ノウハウはだいたい頭に入ったでしょう?あなたたち、かなり真剣にノート取っていたし」
おっしゃりながら里美さまが立ち上がり、ツカツカと私に近づいてきました。
「お家に帰ってやってみて、何かわからないことがあったら、またいつでもマゾ子ちゃん呼んであげるからね」
「それにしても、わたしも初めて見たけれど、お見事なロープ捌きだったわ」
私の横に立たれた里美さまが、私の下腹部を走るロープをつまみ、クイッと引っ張りました。
「あっふぅ!」
コブがクリット直撃。
すがる目つきで里美さまを仰ぎ見ます。
もっとしてください、というお願いを込めて。
「そろそろ陽も傾いてきたし、自縛の講義はここまでということにして、このえっちに縛られたマゾ子ちゃんをみんなでちょっと虐めてみない?」
いつの間にご用意されていたのか、おっきなリングがぶら下がった真っ赤な首輪を首に巻かれました。
形といい太さといい、街で見かけるワンちゃんの首輪そのものでした。
「愛しのお姉さまのチョーカーの代わりに、わたしが首輪を着けてあげる。うちのショップオリジナルの、人間のマゾペット用の首輪よ」
「一般的にペットって、首輪を着けてあげた人が飼い主になるわよね?今のマゾ子ちゃんの飼い主は誰?」
先ほどまでとは雰囲気の変わった低めの冷たい声音で尋ねてくる里美さま。
あ、この人エスの役、やり慣れている、とすぐにわかるお声でした。
「あ、はい・・・目の前にいらっしゃる、愛川里美さまです・・・」
「飼い主の命令は、何でも聞けるわよね?」
「はい・・・」
信じられない、という面持ちで里美さまと私の顔を交互に見やるお三かた。
「あのテーブルの上のオモチャ、どれでも好きなのをいくつでも試してみていいわよ。マゾ子ちゃんのからだに」
里美さまのお顔には、ゾクゾクするほど嗜虐的な笑顔が浮かんでいました。
ああん、やっぱり、そうなるんだ・・・
「そ、それは面白そうですけれど・・・でも、その、えーっと、マ、マゾ子さんは、それでいいのですか?」
倉島さまが、戸惑いとワクワク半々みたいな困ったようなお顔でおっしゃいました。
「マゾ子ちゃんには、いいも悪いも無いの。そもそもこの子は、そういうことをされるために派遣された、今日ここでみんなに虐められるべき存在なのだから」
「ほら、こんないやらしい顔になっているのよ?火照っちゃって瞳なんかトロンとしちゃって、虐められたくて仕方ない、っていう感じでしょう?}
冷たく言い放つ里美さま。
確かにそうでした。
この自縛のレクチャーを頼まれたときから私は、そのお相手のお客様に弄ばれることを予想していましたし、期待してもいました。
自縛をご披露して、終わったらそのまま、お疲れさまー、で解放されるとは、まったく思っていませんでした。
菱縄自縛し終えた瞬間から、私の全身が新たな辱めを期待して疼き始めていました。
そんなふしだらな期待が、後ろを向いて、とおっしゃられたときに、自然と服従ポーズを取ってしまった理由なのでしょう。
「今日のことはちゃんとマゾ子ちゃんのお姉さまからの許可もらっているの。実は、わたしもマゾ子ちゃんをちゃんと虐めるのは今日が初めてなのよね」
「それに、あなたたちが来る前の打ち合わせでマゾ子ちゃんの口から、すべて従うつもりでここに来ました。何でもご命令ください、って宣言までもらったし、一切遠慮は要らないわ」
「あなたたちも耽美な小説を書いているなら、こんな責めをしてみたいとか、されてみたいとか、あるでしょう?いい機会だから、試してみるといいわよ。マゾ子ちゃんのからだで」
私の首輪をススッと指で撫でた里美さまが、私の右手を取りました。
「そこの椅子に座って」
私の荷物をどかして椅子を空けてくださいました。
あのヘンな形の椅子です。
一見すると、よくある形のゆったりめなラウンジチェア。
オレンジ色っぽい赤色で背もたれは短かめ、左右に肘掛けがあって座高高め。
一番ヘンなところは、お尻を乗せる座面でした。
普通は四角形の平面ですが、この椅子のは、内側に向けてUの字に抉れていました。
腰掛けてみると、お尻を乗せると言うよりも、左右の腿で座っている感じ。
洋式便器の楕円形の便座を思い出していただくと、わかりやすいかもしれません。
あれが半円形になっている感じ。
実際に座ると、お尻の真下が空間になるのがわかりました。
「なかなか座り心地のいい椅子でしょう?」
ご冗談ぽく笑った里美さまが、一度テーブルのほうへ行き、すぐに戻られました。
「みなさんがマゾ子ちゃんにイタズラしやすいように、しばらくのあいだ、恥ずかしい格好で拘束させてもらうわね」
里美さまが座った私の背後に回り、椅子の背もたれの向こう側に私の両腕を束ね、先ほどの本格的な手錠をカチャンとかけました。
両腕と背中のあいだに背もたれを挟み込み、背もたれの金属支柱に手錠のチェーンが絡むように後ろ手で施錠されたので、上半身がほとんど動かせなくなりました。
「これでマゾ子ちゃんは、この手錠を外さない限り、この椅子から離れられないわね」
里美さまが、うふふ、とほくそ笑みました。
それから里美さまは私の足元に屈み込み、私の左右の足首にそれぞれレザーの足枷を巻いて南京錠で施錠されました。
足枷の色は首輪と同じ赤で、銀のリングに頑丈そうな短い鎖が繋がっています。
「ちょっと失礼」
里美さまが私の左足首を持ち、無造作にガバッと持ち上げました。
「ああん!いやんっ」
いきなり大股開きとなった私の左脚は、あれよという間に左側の肘掛けを左膝の裏側に挟むような形で持ち上げられ、足枷から伸びる鎖の端が、手際よく椅子の裏側に繋がれたようでした。
肘掛けを膝裏で挟んだ形の左脚は、どんなにがんばっても最早閉じることが出来ません。
「あっ、いやーっ、そんなぁ、里美さまぁーっ」
右足も持ち上げられる気配を感じて身を捩りましたが、上半身を背もたれに磔られている身ではどうしようもありません。
あっさりと右側の肘掛けも跨がされて固定され、文字通り、大股開き、の格好になりました。
間髪を入れず背もたれがゆっくりリクライニングし、上半身が沈んだ分だけ下半身が持ち上がります。
「いやーーーっ!」
みなさまに股縄の股間を180度近くまで開いて、見せつけていました。
濡れそぼった無毛の膣穴の中央に、2本の麻縄が吸い付いているはずです。
椅子のUの字に開いた空間から、ポタポタと淫汁がしたたり、床を汚してしまっているはずです。
お三かたも立ち上がり、無防備に晒されたその部分を覗き込むように凝視されています。
「エロ過ぎだよね、この格好。見事なM字」
「すごーい。ロープまでグショグショに濡れてる」
「この角度だと、ちょっとロープどけたら、お尻の穴まで丸見えじゃん。信じられなーい」
「確かに、こんな恥ずかしい姿にされたツインテの女の子を、現実に自分の目で見ているっていうことが信じられない。まさに生贄って感じ」
容赦のないお三かたのご感想に被虐感がグングン昂ります。
それを煽るように里美さまのビデオカメラのレンズが、動けない私に近づいたり遠のいたり、それこそ舐めるように隅々まで撮影されました。
「倉島さん、さっきのタイマーボックスをちょっとお借りするわね?」
いったんビデオカメラから目線を外された里美さまがおっしゃり、テーブルの上のタイマーボックスを持ってこられ、椅子の脇に立たれました。
「これが、マゾ子ちゃんにかけられた手錠と南京錠を開けられる鍵」
短いチェーンに繋がった小さな鍵を、私の鼻先でプラプラ揺らす里美さま。
「みなさんうちのお得意様だから大サービスで、最後はタイマー拘束プレイの参加型実演で締めましょう。マゾ子ちゃん、何時間くらい虐められたい?」
「えっ?あの、その、えっと・・・」
突然のご質問に、言葉が出ない私。
「あなたたち、今日これからのご予定は?」
「あ、いえ、これといって別に。今日はこのショールームに来ることだけを楽しみにしていましたから」
倉島さまが、里美さまと私を交互に見ながら嬉しそうにおっしゃいました。
「そっか。それなら別に帰りが遅くなってもかまわないんだ?2時間でも3時間でも」
「はいっ!」
お三かた、綺麗に揃ったユニゾンのお返事。
「でも、あんまり虐めすぎてマゾ子ちゃんが壊れちゃってもマズイし、まあ、1時間位にしておきましょうか」
タイマーボックスの蓋を開け、チャリンと鍵をボックスの中に落とした里美さま。
「実際、時間が来て鍵がリリースされたとしても、今のマゾ子ちゃんは、鍵を渡してもらわない限り、自分の力でこの拘束を解くことは出来ないのだけれどね」
イジワルくおっしゃった里美さまが、蓋に付いたタイマーのダイアルをグルリと回されました。
*
*非日常の王国で 12へ
*
登録:
投稿 (Atom)