2017年3月19日

三人のミストレス 01

 7月も半ばを過ぎた、とある週末。
 絵理奈さまの快気祝いパーティが開かれることになりました。

 絵理奈さまというのは、その前の月に行われたうちの社のファッションイベントのショーでモデルを務められるはずだった女性。
 だけど、ショーの前夜に急病になり、出演出来なくなってしまったのでした。

 絵理奈さまと体型がそっくりということで、その代役としてお姉さまから急遽モデル役に指名された私は、結果として自分のヘンタイ性癖の数々を社内関係者を含むイベント参加者全員に、文字通り赤裸々にお披露目する羽目になったのでした。

 その結果イベント以降、私の社内的立場は、みなさまの性的なおもちゃ=言いなりマゾペット状態。
 見せなさいと言われれば見せ、脱ぎなさいと言われれば脱ぎ、挿れなさいと言われれば挿れ、イキなさいと言われればイク淫乱セイドレイ。
 連日裸同然の格好で勤務することになってしまいました。

 その年は、7月になった途端に連日30度を超えるような猛暑の夏。
 当然みなさま薄着になりますが、元々薄着がちな私がもっと薄着になるなら・・・
 ということで、いつもオフィスにいて私にご命令をくださることの多いリンコさまとミサさまがご用意くださったのは、上も下も布面積が3センチにも満たない、ティアドロップ型スーパーマイクロビキニ。

 月曜日から金曜日まで色違いの極小ビキニ5着。
 文字通り、乳首ふたつとワレメのスジだけをやっとギリギリにしか隠せないヒモビキニに赤い首輪とパンプスだけで、お電話を取り、パソコンに向かい、会議の書記役を務め・・・
 少し大きく動いただけで乳首がポロリ、無毛のワレメがチラリ。
 お客様にお茶をお出しするときと、お外にお使いに行くときだけ、ざっくりシルエットな、かぶりのミニワンピースを上に纏うことが許されていました。

 絵理奈さまのパーティ当日は、お姉さまが丸一週間ぶりに出張からお戻りになる日でした。
 スタッフが久しぶりに全員揃う日でしたので、その日は午前中からお姉さまと雅部長さま以外はオフィスにおられました。
 せっかくスタッフが揃うのだから、ということで、その日は一日、新アイテムの開発会議に充てられることになっていました。

 出勤早々の朝のミーティングで、綾音部長さまから全裸になるように命じられました。
 すでにみなさま、私がオフィスで裸になることには慣れてしまわれたようで、冷やかしのお言葉も無く、ただニヤニヤ眺められるだけ。
 そのまま開発会議が始まり、それからずっと私は、開発中アイテムのフィッティングモデルと化しました。

 ミーティングルームのテーブルをどかして真ん中に立たされた私。
 ホワイトボードを背にした綾音部長さまが進行役で、その脇に私。
 取り囲むようにノートを手にしたリンコさま、ミサさま、ほのかさま、そしてネットショップご担当の里美さまが、全裸の私と品の良いサマーブラウス姿の綾音部長さまを見比べるように見つめています。

 その日のアイテム開発テーマが、エレガントボンデージ、なので、主にラテックスやレザー素材の衣装。
 他メーカーの市販のものや開発部作成の試作品を私が身に着けたのを肉眼で見て、デザインの改善点やアイデアを各自出し合うという主旨。
 
 メッシュだったりオープンバストだったりアソコ部分だけ穴が空いていたり、肌の露出度が高いものばかり。
 そんなボンデージスーツを、着ろと言われれば着て、脱げと言われれば脱ぎ、という状況でした。

 たとえばオープンバストのラテックスビスチェ。
 全裸で着るのですから、下半身は丸出しのままです。
 身に着けると綾音さまが、素材やデザインについていろいろご説明なされます。

 それから綾音さまのご命令でいろいろポーズを取らされます。
 後ろを向いたり、両腕を上げ下げしたり、おっぱいを突き出したり。
 それを見てみなさまがそれぞれ思いついた意見をおっしゃいます。

 もう少しバストを持ち上げるようなカットが良いのではないか、とか、ウェストに切れ込みを入れよう、とか。
 おっしゃりながら私のからだを躊躇なくベタベタ触ってくるみなさま。
 脇腹を撫ぜられたり、下乳を持ち上げられたり。
 かと言って私を弄ぶような雰囲気は無く、みなさま真剣な面持ちでのディスカッション。

 ほのかさまが、ウェットティッシュを一枚差し出してくださいます。
「感じちゃっているでしょ?ほら、もう雫が垂れちゃいそう」

 ほのかさまの視線の先に気づいて、あわてて自分の股間をティッシュで押さえます。
 イタズラっぽい笑みを投げてくださったほのかさまの視線は、すぐに真剣な瞳に戻ってホワイトボードへ。
 一番奥手に見えたほのかさままで、マゾな私への接し方を優雅に会得されていました。

 ひとしきり議論を尽くすと脱ぐように言われ、次のアイテムまで全裸で待機。
 脱いだ後に、そのアイテムに対する新しい提案がなされると、その検討が終わるまで全裸のまま放置。

 オフィス内に全裸の女性がいて、どなたもそれを気にも留めない空間。
 真剣な意見が飛び交う会議中に、ただひとり全裸でみなさまの前に立ち尽くすマネキンのような私。
 それが普通となっている非日常的な状況。

 もっと触って欲しい、もっと弄ってほしい・・・
 からだはゾクゾク疼いているのに、素知らぬお顔をされるみじめさ。
 私は今みなさまに、人間として見られていない・・・
 みなさまの真剣な議論をお聞きしながら、自然と両手が頭の後ろに回っていました。

 そんなふうにして、いくつかのアイテムを着ては脱ぎしているうちに午前中が過ぎました。
 お昼どき。
 突然ご来客を告げるチャイムが鳴りました。

「あ、ランチが来たようね。とりあえず一息入れましょう」
 綾音部長さまがおっしゃいました。
 あらかじめ綾音さまが頼まれていたのでしょう、ご昼食のケータリング業者様のようでした。

 こんなときにお出迎えに出なければいけない役目は、秘書という肩書で一番下っ端の私でした。
 でも私は、そのとき全裸。
 こんな場合に羽織ることを許されている白衣やワンピースも、社長室に置いたままでした。

 どうしよう・・・
 マゾの服従ポーズのまま動揺していると、ほのかさまがササッとミーティングルーム内のインターフォンに駆け寄ってくださいました。

「はい?」
「あ、毎度ありがとうございます。ご注文いただいていましたお弁当をお持ちしましたー」
 愛想の良いお若そうな男性のお声が聞こえてきました。

「あ、はい、今ドアを開けますねー」
 ほのかさまも感じ良くお応えして、メインルームに出るドアのほうへと足を踏み出します。

 ホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、綾音部長さまがとんでもないことをおっしゃいました。
「八人分だとけっこう嵩張るわよね。いったんテーブルを定位置に戻して、ここまで運んで来てもらいましょう。どうせここで食べるのだから」

 えっ!?
 ここに運んでもらうって・・・
 さっきのお若そうなお声の男性がここまで来ちゃうってこと?
 キュンと感じてしまう股間とは裏腹に、服従ポーズのまま固まってしまう私のからだ。

 そうしているうちにもリンコさまと里美さまで、隅にどかしていたテーブルをミーティングルームの中央に戻し始めます。
 ほのかさまは、小走りに玄関ドアのほうへ。
 ミサさまがアイテム類をまとめてお部屋の隅へ移動して・・・

「あ、そう言えば直子、裸だったわね?」
 綾音部長さまが、さも今気がつかれたかのように私を見ておっしゃいました。
「見てもらう?ハダカ」
 からかうみたいにおっしゃる綾音さまに対し、首をブンブン左右に振る私。

「そうね。直子のいやらしい真っ裸をいきなり真正面からっていうのも、我が社の品位が下がっちゃいそうだし、ケンちゃんも一応若い男性だから、刺激が強すぎるかな・・・」
 ちょっと思案するようなご様子を見せた綾音さまが、すぐにニコッと笑っておっしゃいました。

「その隅っこに背中向けて立っていなさい。オブジェみたいに、マネキン人形に成りきって」
 ミーティングルームの入口ドアから一番距離がある窓際の片隅を指さされました。

「そこでマネキンのフリしてお尻を向けていれば、たぶん気づかれないと思うわ。うちがアパレルだってご存知だし」
 それから嬉しそうに唇の端を少し上げてつづけられました。
「もし気づかれても、ケンちゃんもさーこママもシャレのわかる人だから、気づかれちゃったら正面向いて、はしたなくてごめんなさい、って全部見せてあげなさい」

 オフィス内に入って来られたのであろうケータリングの人とほのかさまとの会話が、開け放たれたドアからかすかに聞こえてきていました。
 ただ、ご機嫌良くあれこれおっしゃっているお声は男性ではなく、聞き覚えのないご中年のおばさまっぽい女性声でした。
 さーこママ、っていうかたなのかな?

 でも今はそんなこと気にしているヒマはありません。
 何はともあれ急いで窓辺に駆け寄り、みなさまに背中を向けました。

「そんな棒立ちじゃ人形っぽくないよ。もっとマネキンらしいポーズしなきゃ」
 ご愉快そうなリンコさまのお声を背中に聞き、少し右手を曲げて、お先にどうぞ、みたいなポーズを取りました。

「指先までしっかり意識して固まっていないと、ちょっとでも動いたらマネキンじゃないな、生身の裸の女だな、ってバレちゃうからね?」
 里美さまがイジワル声と共に、曲げた私の右肘に、私が脱いだワンピースを掛けてくださいました。
「こんなふうにしておけば、よりマネキンって言うか、置き物ぽく見えるんじゃない?」

 そうしているあいだに、おばさまっぽいお声がすぐ近くに聞こえるようになっていました。
「さーこママ、わざわざ悪いわねー」
 親しげにご挨拶される綾音さまのお声。

「いいのよ。今夜はうちで盛大に飲み食いしてくれるんでしょ?今日はランチタイム早めに切り上げて、お店じゃ今せっせと仕込み中よ」
 おばさまの陽気なお声がすぐ後ろから響きます。

「そのテーブルの上に置いてくださる?」
 綾音さまのお声につづき、はいっ!という男性のお声が聞こえました。
「こちらがサンドイッチとサラダのランチセット8名様分。スープとお紅茶にお湯を注ぐのは・・・」
 そこで一瞬、お言葉が途切れました。

「えーっと、5名様分でよろしいですか?」
 自信なさげな男性のお声。
「あ、今ひとり席外していてすぐ戻ってくるから、6人分淹れておいてくれる?」
 少し笑いの含まれたようなお声で応えられた綾音さま。
 それからしばらく、お湯を注ぐ音が聞こえるだけの沈黙がつづきました。

 私の目の前にはガラス越しの真っ青なお空。
 剥き出しのおっぱいに刺すような夏の陽射しが降り注いでいました。

 今、私、お外に向けておっぱいもマゾマンコも丸出しなんだ・・・
 いくら地上二百数十メートルの位置にあるとは言え、頭の上から両腿の真ん中くらいまで窓枠の大きな素通しガラスの窓辺に外を向いて立ち尽くすというのは、とても恥ずかしいものでした。
 お外からこの窓を見上げれば、おそらく豆粒ほどの大きさでしょうが、裸の女が立っているということはわかっちゃうはずです。

 一方室内では、私からほんの5メートルも離れていない位置におられる見知らぬおばさまと若い男性に、剥き出しのお尻を晒していました。
 ぜんぜん会話が聞こえてこない分、みなさまの視線が全部、お尻に集まっているような気になってきます。
 
 ドクドクと音が聞こえそうなほどに全身を駆け巡るマゾの血。
 それでもマネキン人形のフリをして、微動だにせずに居なければならない被虐感。

「はい。以上となります。2名様分のスープとお紅茶はこのまま置いていきますので、お手数ですがお食べになるときにご自分で熱湯を注いでください」
 ハキハキした男性のお声とともにガタガタガサガサと何かを片付ける音。

「それでは今夜、よろしくお願いね」
 綾音部長さまのお声。
「まかせて。美味しいお料理たくさん用意して待ってるからねー。このランチのお会計も夜に一緒にねー」
 おばさまのご陽気なお声が徐々に遠ざかりました。
 どうやらバレずにすんだみたい。

「あれケンちゃん、絶対気づいていたよね?最初はチラチラだったけど、帰るときなんか直子のお尻、ガン見してたし」
 綾音部長さまとリンコさまに挟まれる形で、私ひとりだけ全裸で、ご昼食のテーブルを囲んでいます。
 リンコさまがプラスティックのフォークの先で、私の尖った乳首をチョンとつつきつつ、からかうようにおっしゃいました。
「ずいぶん感じちゃったみたいじゃない?乳首コリッコリ」

「ママさんだってわかっていたんじゃない?直子の姿を上から下まで舐めるように見ていたもの」
 向かいにお座りになられたほのかさま、里美さま、ミサさまのうち、私の真正面におられる里美さまが私の上半身をニヤニヤ眺めながらおっしゃいました。

「さーこママは気づいていて絶対ツッコんでくると思ったのだけれど、ケンちゃんもいたからスルーしたのかしら」
 綾音さまが独り言のようにつぶやかれました。

 お弁当は、スモークサーモンとアボガドのサンドイッチとシーザーサラダにポタージュスープ。
 綾音さまがおっしゃるには、夜にパーティなので軽めにしたそうです。
 きっととても美味しいのでしょうけれど、みなさまの前で全裸で食べるという状況だけで胸が一杯になってしまい、あまり味わえませんでした。

 お食事中のみなさまのおしゃべりを総合すると、今日のパーティは先ほどいらっしゃったさーこママさまのお店で開かれるようです。
 営業部の雅部長さまがよく利用される欧風創作料理の個人経営レストランで、小じんまりとした隠れ家的お店。
 オフィスビルから歩いて3、4分位、住宅街の入口にある路面店で、今夜はうちの貸し切りだそうです。

 食べ終えると早速、会議が続行されました。
 午後のアイテムは、ラブトイズ寄りの淫靡なものばかり。
 バスト部分に乳首クリップが付属しているものとか、股間に突起物が付いているもの、バイブレーターを装着出来るホルダーが付いたものなどなど。

 私が身に着けると綾音部長さまが、なんの躊躇いもなくクリップで挟んだり突起物を挿入してきます。
 そのたびに、うっ!と感じてしまうのですが、会議の雰囲気がシリアスなので、あられもなく身悶えたり喘いだりしてしまうわけにいきません。
 結果、必死に我慢することで、却って被虐と恥辱が煽られる悪循環。

 乳首クリップのチェーンをもっと短くしたほうがいいのでは、とおっしゃってチェーンをグイグイ引っ張ってくるリンコさま。
 重りをぶら下げられる機能を付けるのはどうでしょう?と、チェーンをブラブラ揺らしてくるほのかさま。

 素材を透明にして女性器に埋め込まれた突起を見えるようにしたいと、突起付きボトムを何度も穿いて脱いでとくりかえさせる里美さま。
 アナルにも突起を付けるべき、とアナルブラグで肛門を抉じ開けてくるミサさま。

 私はずっと身悶え、小さく喘ぎつづけていましたが、そんなの眼中に無いかのような白熱したディスカッション。
 でもなんとなくですが、私の性感が高ぶっているのを承知の上で知らんぷりをすることで、みなさま一丸となって私への焦らしプレイを愉しんでいらっしゃるようにも思えました。

 乳首を挟むクリップはどんどんキツくなって、乳首をジンジンと潰していました。
 ハーネスが食い込んだ肌を撫ぜられると、鳥肌から羽毛が生えてきてしまいそうなほどゾクゾク感じました。
 マゾマンコから蜜が溢れビチャビチャになるたびに、ほのかさまがウェットティッシュでおやさしく拭ってくださいました。

 ただし、スジの先端でテラテラとピンク色に腫れ上がって飛び出している肉の芽には、決して触れてくださらないのです。
 私の両足のあいだには、大きめの粘っこそうな水溜りと、丸めたウェットティッシュの小山が出来ていました。

「あーっ、ずいぶん愉しそうなこと、やってるねぇ」
 突然、ミーティングルームのドアが開き、ひょっこりお顔を覗かせたのは、シャギーなセミロングのイケメンレディ。
 お会いするのは確か2週間ぶりくらいの雅部長さまでした。

 そのとき私が着せられていたのは、裸身を菱形模様で飾るボディハーネス。
 柔らかくて伸縮性があり、肌にぴったり吸いつくようなレザー製。
 トップとボトムがベルトで離脱出来るようになっていました。

 バスト上部のリングには左右それぞれ乳首を挟むクリップが短いチェーンで付いていて、それに乳首を挟むとおっぱい全体が乳首に引っ張られて持ち上げられる仕様。
 ボトムは、性器用の突起が付いたベルト状で、ちょうどアナル用の突起をどう付けるか議論中だったので、膝までずり下げられた状態でした。

 眼下に、さっきまで私の膣内に埋め込まれていた凶々しい形状の突起が、ぬめりのある白濁液にまみれてテラテラ光っています。
 雅部長さまは、それをしげしげと見つめた後、私の顔に視線を移し、とても嬉しそうにニッコリ微笑んでおっしゃいました。

「ナオちゃんてば、ずいぶんとえっちなお顔で出迎えてくれるんだねえ。そんなにワタシに会いたかったかい?」





2017年2月26日

非日常の王国で 15

 気がつくとあたりはすっかり暗くなり、ショールームには煌々と蛍光灯が灯っていました。

「・・・すっかり長居してしまいました・・・」
 耳の中にフェードインしてくるようなお声が聞こえるほうへ目を向けると、倉島さまたちがテーブルの傍らに集まっていらっしゃるのがボーッと見えました。

 その視線を下げて自分の姿に目を移すと、まだあの椅子に拘束されたまま。
 後ろ手錠でM字開脚、ずいぶんと緩んでしまった菱縄縛りのままでした。
 頭の中がボーッとしていて、なんだか事態が飲み込めません。

「あ、マゾ子、気がついたみたい」
 お声にもう一度テーブルのほうを見ると、メグさまが私を指さしています。
「まったくねー。気持ち良さそうにイキまくるだけイキまくって、コトンと寝ちゃうのだもの、いい気なものよね」
 里美さまがイジワルっぽくおっしゃいました。

「そう言えばマゾ子に、鍵を落としてしまったことについてのお仕置きを、まだしていなかったわね」
 里美さまが私に近づいてきます。
「今日はたくさんお買上げいただいたから、最後に特別サービスしちゃう」
 嬉しそうなお顔で私の顔を覗き込んでくる里美さま。

「記念写真を撮りましょう。本当はショールームでのお客様の店内撮影は上から固く禁じられているのだけれど、あなたたちは特別よ」
「マゾ子も倉島さんたちに服従を誓ったんだものね?」
「えっ?」
 里美さまのお言葉に不穏な感覚を覚え、思わず聞き返しました。

「あら?忘れたとは言わせないわよ?さっき、もっともっとってイキまくりながら彼女たちに、セイドレイになります、何でもしますって喘ぎながら宣言したじゃない?」
「ヨーコさん、だっけ?のお部屋がここから徒歩10分くらいで、そこが耽美研の溜り場にもなっているから池袋でよく遊ぶ、っていう話から盛り上がって」
「マゾ子もウィークディは仕事でこのへんウロウロしているから偶然会っちゃうかもね、っていう話になって」

「もし街中でマゾ子をみつけたら、わたしに連絡さえくれれば、好きに拉致していいってことになったじゃない?ヨーコさんちや女子大に」
「マゾ子も、よろしくお願いしますぅ、って喘ぎながら嬉しそうだったわよ」

「そ、そうなんですか?」
 まったく覚えていませんでした。

「その代わりラブトイズ類は必ずうちのショップで買うってことで、うちと耽美研とのあいだで契約成立したのよ?今更反故には出来ないわ」
 
 里美さまがお店の中をあっち行ったりこっち行ったりしながら説明してくださいました。
 私もようやく頭が回り始め、ドキドキオロオロしてきました。

「でも今日のマゾ子は普段のOL姿とはぜんぜん違う髪型だから、みなさんには不公平かな、と思ったのよ。だから記念写真」
「写真を一枚渡しておけば、髪型違っていても幾分探しやすいでしょう?ただし、あなたたちが違う人に声かけて騒ぎになってもわたしは一切関知しないわよ?」
 お三かたにイタズラっぽく告げた里美さま。

「どなたかケータイ貸してくださる?カメラ機能の性能がいいやつがいいと思うわ」
 里美さまのお声にご相談されるお三かた。
 やがてメグさまが一台、おずおずと差し出してきました。

「あら、最新のスマホじゃない。さすがに今どきの女子大生はいいもの持っているのね」
 受け取った里美さまが使い方をメグさまにお聞きになっています。

 私、こんな姿で写真撮られちゃうんだ・・・
 それも、今日会ったばかりの歳下の女子大生さんのケータイで。
 この数時間で数え切れないほどイきまくったからだが、性懲りもなくまたムズムズしてきます。

「マゾ子にもアドバンテージあげる。すぐにみつかっちゃって、彼女たちがうちのショールームに遊びにこなくなったらつまらないしね」
 後ろ手に何かを隠した格好で、里美さまが近づいてきました。

「さっき声のことでヨーコさんが興味あるって言っていたご趣味を満たすグッズよ。口を開けなさい」
 里美さまのご命令で恐る恐る口を開けると、グイッと何かを押し込まれました。
 ところどころ穴の空いたピンポン玉のような赤い玉、ボールギャグでした。

「んぐっ!」
 両方のほっぺを通る細いベルトの金具を頭の後ろに留められて、みるみる口の中に唾液が湧いてきました。

「それと、これね」
 背後に立つ里美さまの手からぶら下がった2つの鈎状の金具に、私の鼻の穴がひとつづつ釣り上げられる感覚があり、そのままグイッと引き上げられました。
そのままベルトがおでこを通り、これも頭の後ろで固定されてしまいます。

「むぐっ!んぶぁーっ」
 ボールギャグを埋め込まれた口では、言葉にならない呻き声にしかなりません。

「ノーズフックは初めて?みっともない豚っ鼻になっちゃった。でも仕方ないわよね、これはお仕置きでもあるのだから」
 里美さまが私の目の前に、わざわざ手鏡をかざしてくださいました。

 鼻先が押し上げられ、ふたつの鼻の穴が正面を向いて豚さんそっくり。
 赤い玉を咥えて半開きの唇をよだれで濡らしたツインテール。
 屈辱と恥辱にまみれた女の顔が、そこにはありました。

「えーっ!?これじゃあかえって素顔がわからなくなっちゃったじゃないですかぁー」
 ヨーコさまがカン高いお声で抗議のお声をあげました。
 だけどお顔はニコニコでとても愉しそう。
 肘で里美さまの腕をつつくように里美さまに擦り寄っています。

「でも、マゾ子の顔をこうしてみたかったんでしょう?大丈夫よ。街で似た子みつけたら、ちょっと鼻の頭上げてもらっていいですか?って声をかけて、写真と見比べればいいじゃない」
 笑いながらご冗談で返す里美さま。
 お三かたと里美さま、今日一日でずいぶん仲良しさんになられたみたい。

「それで仕上げはこれね。やっぱりセイドレイ女の記念写真なんだから、大事なところをちゃんと中までお見せしなくちゃね」
 里美さまがケースから取り出した瞬間にヨーコさまがお声をあげられました。
「あっ、クスコ!」

「そう。正確にはクスコ式膣鏡。さっき言ったネットショップ次回アップデートの、オトナのお医者さんごっこ、特集のメインアイテムになる予定よ」
「膣鏡は英語でスペキュラムっていうのだけれど、クスコ式だけじゃなく、今回世界中からいろんな種類のスペキュラムを集めたの。スペキュラム大特集、ぜひ見てね」
 おっしゃりながら指で私のマゾマンコを無造作に押し開く里美さま。

「んぐぅ」
「ほら、挿れるから力抜きなさい」
 ステンレスらしき冷たい感触がラビアを擦ります。
 やがて左右の膣壁がステンレスに押され、じりじりと穴が広がっていくのがわかりました。

「んーーっ、んぶぁ-」
 いやー、と言いたいのにボールギャグのせいで滑稽な唸り声にしかなりません。

「このくらいでいいか」
 里美さまの指が離れ、膣の中まで外気に晒されて明らかにスースーしている感触がありました。

「さあ、みなさんマゾ子の周りに集まって。3人だからひとりはマゾ子の後ろに回るといいわ」
 しばらくガヤガヤした後、一番背の高い倉島さまが私の背後に、右側にヨーコさま、左側にメグさまと配置が決まりました。

「うん、いい感じ。倉島さんは後ろから手を伸ばしてマゾ子の勃起乳首を引っ張るっていうのはどう?」
「あ、はいっ!」

 弾かれたようなお返事と共に、倉島さまの両手が伸びてきて、左右の乳首を指先でつままれました。
「んむぅ」
 倉島さまはすでにグローブを脱がれていて、少し汗ばんだ素手の感触にゾクッ。

「両隣のふたりはマゾ子のお尻をスパンキングね」
「あ、こんな感じですか?」
 パッチーンと大きな音をたててヨーコさまの素手が右の尻たぶに炸裂。

「んむぅー!」
「おお、キレイな手形がついた。いい感じよ」
 すかさずメグさまの素手もパチーン。
「むぅー!」

「それじゃあ撮るわよ。みんな笑顔でこっち見てねー」
 私も目線をカメラに向けます。
 倉島さまに両乳首を引っ張られ、ヨーコさまメグさまに尻たぶをバチンバチンひっぱたかれている合間に、カシャカシャと5、6回ほどシャッター音が聞こえました。

「おっけー。ちょっと待っててね」
 里美さまがスマホのディスプレイを凝視しつつ何やら操作されています。
「こっちかな、うーん、こっちか、やっぱこれかな・・・」
 数枚の内のベストショットを選んだのでしょう、やがてディスプレイをこちらに向けて近づいてきました。

「ほら、なかなか良いデキじゃない?」
 私もその写真を見ることが出来ました、

 横向けにしたディスプレイ画面長方形の中央に私。
 全裸に赤い首輪、だらしなく緩んだ亀甲縛りロープだけの全裸。
 口に赤いボールギャグ、ノーズフックの豚鼻、眉根にシワを寄せた悩ましくも醜いツインテールのマゾドレイ女が少し顎を上げ、虚ろに宙空を見ています。

 背後に立たれた倉島さまは、満面の笑顔で両手を前面に伸ばし、指先で私の左右の乳首をつまみ上げています。
 硬そうな乳首がグインと上向きに引っ張られて伸び切り、ふたつのおっぱいが下乳ごと不格好に持ち上がっています。

 左右に立たれたメグさま、ヨーコさまもカメラに向けて愉しそうな笑顔。
 右側のヨーコさまの右手と左側のメグさまの左手は、バックスイングの位置から振り下ろされるタイミングでブレていて、すごい躍動感。

 私の尻たぶは、左右ともに手の形に赤くなり、その中央にクスコで押し広げられたマゾマンコ。
 クスコの銀色がフラッシュの光で綺麗な星型の輝きを作り、クスコの穴の奥のピンク色も、そのすぐ下の菊の窄みも鮮明に写っていました。

「とてもマゾ子らしい写真が撮れた。はい。あなたからみんなにメールで送ってあげて」
 里美さまがメグさまにスマホをお返ししながらおっしゃいました。

「その写真、どう使っても結構よ。お友達に見せるもよし、印刷して部室に飾るとかね」
「うわー」
 一斉にピョンピョンはしゃがれるお三かた。

「あ、ネットにあげちゃうのもありですか?」
 ヨーコさまがお声を弾ませてお尋ねされました。
「うーん・・・ま、いいでしょう」
 里美さまが少し考えてからうなずかれました。

「その写真なら素顔のマゾ子を知っている人でもわからないくらいの変顔になってるし、位置情報とかも全部オフっといたから」
「んんぬーっ、むぅぐぬぅーーーっ!」
 そのお言葉をお聞きして、いてもたってもいられません。
 顔を左右にブンブン振り、言葉にならない唸り声をあげて精一杯抗議しました。

「あら、ずいぶん悦んでくれるのね?ネットで大勢の人にマゾ子の抉じ開けられたマゾマンコを見られちゃうのが、そんなに嬉しい?」
 イジワル度満点な里美さまの笑顔。

「心配しないで。ネットにあげるときは、ちゃんとモザイクかけるから。そうしないとあげたアタシらが捕まっちゃうでしょ?」
 ヨーコさまもニヤニヤ笑って愉快そう。
「アタシらだって、ネットに素顔なんて晒したくないから、ちゃんとボカスわよ。マゾ子の顔と裸以外はね」

 お三かたがお帰りの支度をされているあいだ、私はそのままの格好で放置されました。
 さっき撮られた写真での私の顔は無様に変形していて、普段私と接している人でも、被写体が私と分かる人はいないでしょう。
 でも、そんな破廉恥過ぎる姿がインターネット上に晒されてしまうかも、という不安と被虐が私を疼かせていました。

「それでは今日は、ありがとうございました。すごく勉強になりました。また近いうちに遊びにきますね」
 来られたときにはお持ちでなかった大きな紙袋を提げた倉島さまが、里美さまにペコリとお辞儀されています。

「はーい。こちらこそ今日はたくさんのお買上げ、ありがとうございました。また何か欲しいものあったらいつでも寄って」
 里美さまも満面の笑顔でご対応。
 それからヨーコさまのほうを向いてつづけました。

「池袋でマゾ子を探せ、ううん、最近の流行りで言うとマゾ子Goかな、まあ、なんでもいいけれど、がんばってね。あのオフィスビルのショッピングモールなんか要チェックな出現ポイントよ」
 するとメグさまが横からお口を挟んできました。

「ワタシ、自信あります。小さい頃から人の顔覚えるの、得意なんです」
 そうおっしゃって、じーっと私のほうを見つめてから里美さまに向き直りました。

「さっきの写真は確かに参考になりませんし、ヘアスタイルの変化もムズいんですが、パーツの中で特徴的なポイントを押さえておけばいいんです」
「とくにこうして実際に間近で見た人なら、背格好とか雰囲気も知っていますから、今度会ったら95パーセントくらいの確率でゲットする自信があります」
 私に向けてニコッと微笑まれるメグさま。

「そうなんだ。もしみつけたら拉致る前にわたしに必ず連絡ちょうだいね。一応、マゾ子のお姉さまの許可を取るから」
「はい、必ずそうします。それは別としても、必ず近いうちにまた、マゾ子にレクチャーしてもらいに来ます。今度はお医者さんごっこかな」
 ヨーコさまが私の股間を見ながらおっしゃいました。

「それじゃあ、もう暗いから、気をつけて帰ってね」
「はーい」
 ぞろぞろとショールームの出入り口ドアへと向かうみなさま。

 ショールームをお出になる前に、みなさまがもう一度私のほうを振り返り、お声をかけてくださいました。
「じゃーねー、またねー」
「マゾ子、また今度ねー」
「また遊ぼうねー、モリシタナオコさーん・・・」
 おっしゃってからクスクス笑いつつ、ドアのお外へと消えたお三かた。

 最後のお声は、ヨーコさまだったでしょうか?
 なんで?なんで知っているの?
 一瞬、頭の中がパニックになりました。

「おつかれさまー」
 お三かたを送り出して戻ってこられた里美さまが、スタスタと私に近づいてこられました。
 私の背後に回りテキパキとノーズフックを外し、つづいてボールギャグも外されました。

「直子ちゃんががんばってくれたおかげで、今日は大助かり。三人で5~6万くらい使ってくれたのよ」
 マゾマンコのクスコを外しながら教えてくださいました。
「やっぱり私立の女子大生ってお金持っているのね。部費でタイマーボックスとウイップ一本キャッシュで買った以外はカード支払いだったけれど」

「なんで、なんであのかたたちが私の名前、知っているのですか?」
 ボールギャグが外されて自由になった唇で、息せききってお尋ねしました。
「やっぱり気づいてなかったんだ?でもそれって直子ちゃんのミスよ」
 足枷の鎖を外してくださるためにひざまづいていた里美さまが、上体をひねってテーブルのほうを指さされました。

「あそこの椅子の上に、直子ちゃんがロープを入れてきた巾着袋を置きっ放しにしたでしょう?それに小さくだけれどバッチリ書いてあったわよ、ローマ字で、NAOKO MORISHITA、って」
「あっ!」

 そうでした。
 母があの体操服袋を作ってくれたとき、袋の下の方に目立たない感じで小さく名前を刺繍してくれたのだっけ。
 流麗な筆記体がカッコよくて、すごく嬉しかったことを不意に思い出しました。
 ずっと何かを入れて膨らんでいることが多く、そこまで目が届かずにすっかり失念していました。

 そうしているあいだにもテキパキと足枷と手錠も外され、晴れて自由の身。
 放置されているとき、お三かたがお帰りになった後もまだこのままで、今度は里美さまだけでじっくり、いろいろ虐められちゃうのかな、とドキドキしていたので、なんだか拍子抜けでした。

「ロープは自分で解いて、お手入れをしたら、ここで干しておくといいわ。月曜日にでもわたしがオフィスに持っていってあげる。お姉さまや早乙女部長さんへの、今日のご報告も兼ねてね」
 すっかりビジネスのお顔に戻られた里美さまに急かさられるように、自分のからだを這う菱沼縛りを解き始める私。

「あの子たち、かなり直子ちゃんにアテられていたわよ?倉島さんなんて瞳が妖しく潤んじゃって」
「たぶんヨーコさんちに行って、それからくんずほぐれつね。ターゲットは倉島さん。あの子が一番エムっぽいし、他のふたりからよってたかってだと思うわ。バイブをいくつも買っていったし、麻縄もあるし」
 愉快そうにおっしゃった里美さまが、白いバスタオルを差し出してきました。

「あのドアの向こうでシャワー浴びれるから。トイレ共用のユニットバスだから狭いけれど、浴びないよりはマシでしょう?床ビショビショにしないように、ちゃんとシャワーカーテン掛けてね」
「直子ちゃんがシャワーしているあいだに、ここ片付けておくから、一息ついたらどこかに晩ご飯食べに行きましょう。直子ちゃんは今日の売上の功労者だから、わたしが奢っちゃう」

 おやさしくてお仕事のデキる、いつものクールな里美さま。
 お三かたとご一緒に、ついさっきまでドエス全開だったのに、その見事な豹変ぶりにドギマギしつつも、謎の部分が多い里美さまに俄然興味が湧いてしまいます。
 差し出されたバスタオルを手に全裸でオフィス部分に足を踏み入れ、シャワーをお借りしました。

 小さなバスタブの内側にシャワーカーテンを施し、シャワーのコックを捻りました。
 少しぬるめなシャワーの水滴が勢い良く肌を滑り、汗や色々なヌルヌル体液をキレイに流してくれます。

 二の腕やおっぱいの裾野にうっすらと縄の痕。
 まだ熱を持っているお尻と性器。
 そういったところを手で撫ぜていると、今日みなさまの前で行なった恥ずかし過ぎるあれこれがまざまざと脳裏によみがえってきました。

 お姉さまの会社に勤め始めてから、あきらかに私のマゾ度は上がりました。
 より自虐的に、より淫らに、より貪欲に。
 
 それまでは自分ひとりで自分のお部屋で、こっそりと行なっていた非日常的ヘンタイ行為。
 そんな行為をする場所が勤務中のオフィス、イベントショーのステージ、街中のカフェ、今日のように他人様のお店のショールームと、どんどん広がっていました。
 日常的だった場所が、どんどん非日常に侵食されているのです。

 そして、私がヘンタイ行為を、そういった開かれた場所でご披露するたびに、私を辱める権利を持つ人たちが増えていきます。
 今日も初めて出会った倉島さま、ヨーコさま、メグさまが、その権利を得ました。
 街で出会って何かご命令されたら、私は服従しなければなりません。
 私は、そういう人間、だとお三かたに認識されてしまったのですから。
 
 まるで王様ゲームで、ひとり負けつづけの罰ゲーム狙い撃ち状態。
 私の非日常的行為を目撃されたかたたちが次々に王様となり、私に恥辱たっぷりのご命令を下してくるのです。
 最愛のお姉さまが全体を統べる非日常な王様だらけの王国で、たったひとりだけドレイな私・・・

 激しいシャワーに肌を打たれながら、そんなイメージが湧き上がっていました。
 そしてその王国を私は、とても居心地良く感じていました。
 被虐が欲情となり、肌が上気してきます。
 今夜、この後お家に帰り着くまでこの身を委ねる王様に、想いを馳せます。

 里美さまは、どこへお食事に連れていってくれるのかな?
 普通にお食事するだけなのかな?
 お食事中に何か恥ずかしいご命令をくださるかな?
 あれほどイキまくって一時は眠ってしまったほどなのに、性懲りもなくマゾの血が滾り始めていました。

 もしも私が王様ゲームに勝って命令の権利を得たとしても、王様を辱めるような命令を下すことでしょう。


三人のミストレス 01

2017年2月19日

非日常の王国で 14

 椅子の背もたれに背中を押し付け、動かせないからだを小刻みに捩りつつ、果てたと思ったらまたすぐ昇りつめる、をくりかえします
 クネクネと身悶えるたびに、汗とよだれを吸った縄地が、濡れた素肌をヌルヌルと擦っています。
 
 どれだけイッても、二穴一豆責めのバイブレーターたちは動きを止めてくれません。
「あっ、あーっ!いやっ、またっ、あっ、あんっ、あーーっ!!」

「マゾ子のいやらしいヨガリ声、ちょっとうるさくないですか?」
 私のお尻をバチンバチン叩きながら、ヨーコさまが里美さまに尋ねました。

「そう?わたしはとくに気にならないけれど・・・」
 ビデオカメラのレンズを私の股間に向けたまま、里美さまのお答え。

「こういう調教プレイだと、真っ先にボールギャグとかかませて言葉を奪っちゃうじゃないですか?とくに海外のボンデージものなんか」
 ヨーコさまが幾分不服そうにお言葉をつづけました。

「そういうのも支配欲ていうか隷属感が出ていいな、とも思うんですよね。でもテーブルの上に口枷とかマスクの類が見当たらなかったから・・・」

「ああ、声がうるさくないか?って聞いたのはそういう意味だったんだ」
 里美さまが構えたレンズをスーッと私の顔のほうへと上けつつ、おっしゃいました。

「それはね、マゾ子のお姉さまのご要望でもあるの、今日の様子を記録して後で見せるように言われているから」
「彼女はね、ボールギャグとか目隠しとかドレイの顔を弄るプレイは好みじゃないのよ。前頭マスクなんてもってのほか」

「普段取り澄ましている顔が、責められることによってどのくらい浅ましいスケベ顔になるのかを視て愉しむ、根っからの顔フェチなのよ」
「それに言葉で辱めて会話しながら弄ぶタイプでもあるから、めったに口は塞がないらしいわ。このマゾ子はそういうお姉さまに躾けられているの」
 
 あなたたちのことは何でも知っているのよ、とでもおっしゃりたげな、はっきり私に向けての里美さまのお言葉。

「そうなんですか・・・アタシは、そういう、ドレイをモノ扱いする、みたいなシチュも好物なんすけどね」
 ちょっぴり未練がましくおっしゃったヨーコさまが、気を取り直すようにつづけました。

「ただ、ボールギャグ云々以前に、マゾ子の喘ぎ声が大き過ぎてご近所、お隣とか上の部屋まで聞こえちゃわないか、っていう心配もあるんですが・・」
「ああ、その点は心配いらないわ」
 里美さまが間髪を入れずにお応えされました。

「ここはね、以前喫茶店だったのよ。夜営業でカラオケ入れていた時期もあったらしくて、防音はしっかりしているの」
「でなきゃわたしも、こんなに自由にマゾ子を喘ぎっ放しにはさせとかないわ。たちまちご近所から苦情が出ちゃう・・・」

 そこまでおっしゃって何かを思いついたらしく、考えを整理するような少しの間の後に、再び里美さまのお声が聞こえてきました。

「あなた、面白いことに気づかせてくれたわね。マゾ子のいやらしい声を黙らせる遊びを思いついちゃった。ボールギャグなんか使わなくても」
 お言葉の後にニヤリと唇を歪ませたお顔までが見えるような、里美さまの嗜虐的なお声。

「わたしがマゾ子と最初に出会ったのは、とあるファッションビルに入ったランジェリーショップだったのよ」
 里美さまがビデオカメラを私から逸らしたのは、おそらく録画を中断されたのでしょう。

「マゾ子と今のお姉さまが一緒にフィッティングルームに入って、ランジェのフィッティングにかまけて何やらイカガワシイ行為を愉しんだのね、他のお客様がひっきりなしに出入りする営業中に」

「わたしはそのときお店のレジにいて、確か一時間以上もふたりで篭ってた。ふたりが出てきた後、フィッティングルームの中に何とも言えないメスクサい、いやらしい臭いが充満していたわ」
 里美さまが私の顔を覗き込み、ニッと笑いました。

「それがマゾ子とお姉さまの幕開けだったのよ。後から聞いたら、薄っぺらな板で囲まれた狭いフィッティングルームの中で、マゾ子だけ全裸になってマンコ弄られてたみたい」

「売り場との境界も薄っぺらなカーテン一枚よ?その中で真っ裸。試しにお姉さまがカーテン閉めずに売り場に出て放置してみたら、マゾ子、ガタガタ震えながらも健気に表に裸晒したままお姉さまのお帰りを待っていたんだって。その頃から露出狂のドマゾだったのね」

 ヨーコさまに私の声を咎められたときから、私はなるべく悦びの声を我慢するように努めていました。
 もちろんそのあいだも下半身の三点責めバイブレーターは容赦なく私の秘部を蹂躙しつづけていました。
 
 その上、私の恥ずかし過ぎる過去を喜々としてみなさまにご披露しちゃう里美さま。
 物理的刺激に精神的恥辱が加わってオーガズムのインターバルが短かくなり、イッちゃだめ、と思うのにイッちゃうイキっぱ状態。

 それでもなんとか唇を噛み締めて声を押し殺し
「んーーー、んぐうぅ、んっ!!!、はぁはぁはぁ・・・」
 のくりかえし。

「あのときマゾ子は必死に声を我慢していたはずよ。あのとき出来たのだから、それを今もやればいいだけでしょ?」
 イジワルくおっしゃった里美さまが再びビデオカメラを構えられました。

「あっ、今気がついたのだけれど、タイマーボックス、とっくに解除になっていたみたい。もう6時をずいぶん過ぎちゃってる」
 確かにお部屋内がけっこう翳ってきていましたし、里美さまのビデオカメラにもいつからかライトが灯っていました。

「そういうことだから、最後にヨガリ声を押し殺したまま、マゾ子に盛大にイッてもらいましょう」
「ぁぅっ!」
 里美さまが片手のカメラを私に向けたまま、もう片方の手で器用に私の右乳首にさっきの舌鉗子を挟みました。

「どなたか手の空いている人、わたしが合図したらそこの窓を開けてくれる?」
 私の左乳首にも舌鉗子を噛ませた後、私の顔の右横にある窓を指差す里美さま。
 
 お向かいのビルの窓に明かりが灯っているのが見えました。
 その向こうにはいくつかの人影もあるような。
 
 えっ、あの窓を開けちゃうの・・・
 今にもその窓が開いて、ひょっこり誰かお顔を出しそうな気になってきます。
 そこから覗かれたら私の姿は何もかも丸見え・・・
 ああん、そんな・・・
 不安な心とは裏腹に、からだがグングン昂ってビクンビクン!!!

「あの窓を開けたら、あなたのヨガリ声が表の通りに筒抜けになるのは、わかるわよね?」
 里美さまがレンズを向けたまま尋ねました。

「んんーーーっ!!!はぁ、はぁ、はいぃ・・・」
 小さく喘いででうなずく私。
 ちょうどイったタイミングなので息も絶え絶えです。

「今も必死に声を我慢しているみたいだけれど、もしもいやらしく大きな喘ぎ声出したら、通りからこのビルが注目されちゃうわよね?」
 大きく肩で息をしながらうなずく私。

「えっちな声って耳を引くから、誰かがこの部屋に踏み込んできたり、向かいのビルの窓が開いちゃうかもしれない」

「それでヘンな噂がたって、わたしのショップがこのビルから追い出されたりしたら、あなたのお姉さまはとても悲しむわよね?」
「んっ、んーーっ、は、はいぃぃ」
 性懲りもなくまたまた高まっていく私。

「だったらあなたがどうすべきか、わかるわね?」
 そうおっしゃって、タイマーボックスから手錠の鍵を取り出された里美さま。

「我慢なさい。何をされてもいやらしい声を出さず、ひたすら我慢しながら昇りつめなさい。あのランジェリーショップのときみたいに」
 水飲み鳥のお人形見たく、ひたすら頭をコクコク前後させてうなずく私。

「窓を開けたら、あなたの手にこの鍵を握らせてあげるから、自力で手錠を外しなさい。手錠が外れたら今日のお役目終了よ。外せなかったり鍵を落としてしまったら、別のお仕置きを考えるから」
 イジワルっぽくおっしゃって、私から少し離れました。

「さあ、あなたたちもラストスパートで遠慮せずに思い切り虐めちゃって。マゾ子が声を我慢出来ないくらいに」
「はーい!」
 嬉しそうなお声があがり、メグさまが早々と窓辺に駆け寄りました。

「おーけー。それじゃあ窓開けて。全開ね」
 里美さまのお声にザザーッというサッシを開ける音がつづき、街の雑踏がお部屋を満たします。
 
 6時過ぎと言えばオフィス街の退社時刻。
 このビルは地下鉄駅にほど近い通りに面していますから、聞こえてくる人々のおしゃべりや靴音、車のエンジン音やクラクションなど日常的な喧騒と、今の自分の破廉恥過ぎる状況とのギャップが、羞恥心や背徳心を大いに掻き立ててきます。

「はい、これが手錠の鍵ね」
 椅子の背もたれ越しに括られた右手に、小さな金属片が握らされました。
「マゾ子が脱出するまでに何回イカせられるかチャレンジー、はじまりー」
「んんーーーっ!」

 里美さまの号令とともに私のからだに群がる何本もの手。
 ラテックスの感触に乳房を揉みしだかれ、お尻を撫ぜられ。
 
 今までよりもずいぶん積極的に動き回るお三かたの愛撫で、みるみる昇りつめていく敏感過ぎる肉体。
 右手の鍵を握り締めたまま、しばらくは声を我慢することに必死でした。

 どなたかの手が膣のバイブを捏ね上げ、どなたかの手がアヌスのバイブを抜き挿し、どなたかの手が乳首の舌鉗子を引っ張り。
「んぐっ、ん、むぅ、ぬぅ、んんぅぅ、んっっ、んっ、ぐぅぅっ!!!」

 いくら口を真一文字につぐんでも喉の奥から歓喜のわななきが洩れてしまいます。
「んぬぅぅーーーっ!!!」
 早くも今日何度目なのかもはやわからない、ラストスパートでの最初のオーガズム。

 それから右手の鍵を闇雲に左手首の手錠の側面に擦りつけ始めました。
 どこかに鍵穴があって、そこに嵌りさえすれば手錠が外れるはず・・・
 だけど鍵の先端は虚しくスチールの上を滑るばかり。
 そうしているうちに高まりがあっさりピークに達します。

「んんーーっ、ぁ、ぅ、ぅぅぅ、んぁ、んあぁっーーーーー!!!」
 どなたかの指でクリトリスを思い切り引っ張られ、思わず大きな声が。
 その拍子に右手から鍵がポロッ!

「あっ、マゾ子、鍵落としちゃったみたいですよ?」
 どなたかのお声が聞こえて初めて、私もしてしまったことの重大さに気がつきました。

「はぁ、はぁ・・・はぁぅうーーんっ!」
 我慢しようとしても、喉の奥から嗚咽のような嘆息が漏れてしまいます。

「あーあ。これは窓開けておくとヤバそうね。この子もう、理性ゼロのケダモノぽい」
 里美さまの呆れきったお声が聞こえました。

「マゾ子はもう解放される術を自分から放棄しちゃったのだから、とことんイッて壊れてもらうしかないでしょうね」
 心底蔑んだお声とともに窓が閉じられ、街の喧騒がピタッと聞こえなくなりました。

「ほら、もう声我慢しなくていいよ。マゾ子のして欲しいこと、なんでも言ってごらん?」
 里美さまが私の顎を乱暴に掴んで真正面から見据え、頬を軽くパチンとぶたれました。

「あん、はいぃ、もっと、もっとください、もっと直子をめちゃくちゃにしてくださぃぃ・・・」
 鍵を落としてしまったのを知った途端、すっごく悲しい気持ちになっていました。
 涙がポロポロと落ちるのに、からだは疼いて疼いて仕方なく、更なる刺激と陵辱を求めていました。

「ごめんなさいぃ、もっと、もっとしてくださいぃ、やめないでぇ、いじめてくださいぃぃ・・・」
 唇が勝手に動いていました。
 して欲しいことがスラスラと口をついていました。
 ぶってください、つねってください、開いてください、噛んでください、突っ込んでください・・・
 
 それからはよく覚えていません。
 里美さまには、何度かビンタをされ、そのたびに激しいくちづけをくださった気がします。
 すべてのバイブが抜かれた後、そこからはみなさまの指であらゆるところを陵辱されたと思います。
 どなたかに鞭を振るわれ、ひどいお言葉をたくさん投げつけられ、みなさまに謝りながら何度も潮を撒き散らしたはずです。

「いい、そこそこ、もっと、奥まで、いやーっ、ああ、イッちゃう、イッちゃうぅぅぅ!!!」
 
 喉がカラカラに涸れるほど喘ぎまくり、イキまくりました。


非日常の王国で 15