2016年9月25日

オートクチュールのはずなのに 59

 楽屋に戻ると、すぐにマントを脱がされ、つづいて乳首の輪っかを緩められました。
「あふうっ」
 尖りきった乳首をぞんざいにつままれた上に血流の戻る痛さも加わり、昂りきった淫声がふしだらに漏れました。
 ゴージャスなチョーカーも外されましたが、一番下のチェーンに繋がる部分は、首周りもシルバーのチェーンつづきになっていて、そこだけチョ-カーと別物になっているようで、クリットに繋がったまま残されました。

 あれよあれよという間に、突起付きCストリングとクリットチェーン、それにミュールだけの丸裸にされていました。
 リンコさまが脇腹に両手をあて、学校の体育の先生みたいな姿勢で私の前に立ちました。

「ほら、もたもたしてて5時近くなったら、他の会場のお客様たちがフロアに溢れて、小夜ちんが思いっきり恥ずかしい思いをすることになるよ?」
 背後から、ほのかさまでしょうか、ペラペラのビニールみたいなのが肩に掛けられました。

「袖通して、ボタン留めて、急いで!」
 リンコさまの叱責声に両腕をもぞもぞ動かしました。
 駅の売店で売っているような乳白色で薄っすら透けているようなビニールの使い捨てレインコート。
 着終わると絵理奈さまのゲーノー人サングラスを渡されて、右手を掴まれました。

「さあ、行くよ」
「行くって、どこへですか?」
「どこへって、小夜ちんはこれでお役ご免。お疲れさん。だからお家に帰るのよ」
「お家に・・・私だけ、ですか?」

「そう。きょうのエロ過ぎモデル、夕張小夜は、お客様たちにはマボロシにしときたいの。だからアヤ姉たちが足止めのためにトークで時間を稼いでいる今のうちに、さっさと消えるの。お客様とエレベーターで鉢合わせ、なんてイヤでしょ?」
「それに、うちのスタッフの森下直子は、今日は家庭の事情で欠勤、っていうことになっているんだから、この後の商談会でナオコが登場するのおかしいでしょ?」
「大丈夫よ。お家まで車で送ってあげるから。お家でゆっくり、ショーのこと思い出しながら、存分に思い出しオナニーでも何でもするといいわ」

 からかうような笑みを浮かべておっしゃるリンコさまのお言葉で、つい数分前のランウェイでの快感がよみがえりました。
 ステージに出てから楽屋へ戻るまでの断片的な記憶がフラッシュバックのように現れては消えていきます。

 一歩進むたびに張りつめてはたわむシルバーチェーン。
 張りつめたときにクイッと上へ引っ張られるクリトリスへのもどかしい刺激。
 そのもどかしさに呼応して膣壁を震わせてくるCストリングの突起。
 何度も真っ白になりかける頭の中。
 ちゃんと歩かなきゃ、と快楽に溺れることを律する、ほんのひとかけらの理性。

 食い入るように私の顔とからだを見つめてくるお客様がたの視線。
 満足そうに嗜虐的な笑みを浮かべられたお姉さま、シーナさま、アンジェラさまのお顔。
 両脚をダラダラと滑り落ちつづける淫らなおツユの感触。
 スクリーンにアップで映し出された両乳首を紐で絞られた剥き出しのおっぱい。
 おっぱいが揺れるたびにユラユラ綺麗な波を作るドレープドレス。

 ステージ上で、夕張小夜でした、と大きなお声で紹介してくださった綾音部長さま。
 お声につづいて、みなさまお立ち上がりになり沸き起こった嵐のような大拍手。
 その喝采で今までになく激しく振動を始める股間のローター。
 ついに頭の中が真っ白になり、崩れ落ちるところをリンコさまの腕で抱きとめられた私。

 すべてが夢の中の出来事のようでした。
 そしてまだ、その白昼夢から醒め切れていないみたい。
 全身が快感の余韻に酔い痴れていました。

「ほら、行くよ。さっきも言ったけど、今ならフロアに誰も居ないと思うから」
 リンコさまに強く手を引かれ、出口のドアまでつんのめりました。

「たまほの、あとは頼んだよ。商談会の最中には戻れると思うから」
「はい。お気をつけていってらっしゃい」
「うん」
 ドアを開けてフロアの廊下に出ました。

 フロアは、相変わらず眠たげなストリングスミュージックの低いBGMが流れている以外、しんと静まり返っていました。
 ドアの横に、私をここまで運んで来たダンボール箱と台車が折りたたまれ、壁に立てかけてありました。

「あっ、雨やんだみたい」
 独り言のようにおっしゃったリンコさまにつられて窓を見ると、大きな白い雲の合間に青空が覗いていました。
 まだお外はこんなに明るかったんだ。
 そうよね、5時前っておっしゃっていたし、夏至を過ぎたばっかりだものね。

 そんなことをのんきに考えながらもう一度窓を見て、ビクンッと焦りました。
 お外が見える窓ガラスにうっすら映った自分の姿に。

 素肌の上にペラペラのビニールレインコート一枚の私。
 乳白色のビニール地は曇ってはいるのですが、やっぱりうっすら透けていました。
 からだの中でとくに色の濃いところ、つまりふたつの乳首と股間のCストリングの赤は、それが何なのか職別出来るくらいには透けていました。
 更に、丈が腿の半分くらいまでは来ているのですが、最後のボタンが恥丘の上くらいのところなので、腿が裾を蹴ると前が割れて太腿が付け根まで丸見えになりそうでした。

 まさかこんな格好で、ショッピングモールやお外のスーパーマーケット前をまた、歩かされるのかしら・・・
 夢見心地な気分が急激にフェイドアウトしていくにつれ、代わりに日常に戻ったという現実感と片隅に追いやられていた理性が働き始めていました。
 恥ずかしい、と思う気持ちが膨らむほど、さっきまでのイベント会場での恥辱的なあれこれを、たまらなく愛おしく懐かしく感じ始めていました。

 そんな私の葛藤などおかまいなしに、リンコさまは私の右手を引いて無言でズンズン歩いていました。
 廊下を過ぎてフロアの中央付近まで出ても、お言葉通り人っ子一人見当たりませんでした。
 どの会場のドアもピッタリ閉じられたまま。
 私とリンコさまのヒールの音だけ、カツカツとやけに大きく響きました。

「ふー。計画通り、誰にも視られずに脱出できそう」
 あと少しでエレベーターホール、とういうところまで来てリンコさまが振り返り、お声をかけてきました。
「あ、そうですね」
「ひとりふたりは覚悟してたけど、今のナオコの格好だって、一般常識的にかなりエロい・・・」

 歩調を緩めずに歩いていたリンコさまがエレベーターホールへの角を曲がってすぐ、おしゃべりと足が同時にピタッと止まりました。

 振り向いて、私に向かって唇に人差し指を1本立て、シーッのポーズ。
 繋いでいた手を解き、ヒソヒソ声で、モデルウォーク、と耳元にささやかれました。

 それからカツカツとおひとりでエレベーターホールのほうへ歩き出されたリンコさま。
 私も少し間を置いて、モデルウォークで後につづきます。
 久々のチェーンがクリットを引っ張る刺激に顔が歪みそう。

 エレベータードアの前では、見るからにOLさんという感じなお揃いのグレイのベストの制服を着た女性おふたりがエレベーターを待っていらっしゃいました。
 リンコさまは、そのOLさんたちから5メートルくらい離れたところで立ち止まり、OLさんたちに一度会釈をして、澄ましたお顔でエレベーター待ちの状態に入られました。
 OLさんたちも会釈を返してくださったので、私も会釈して、リンコさまの脇に立ちました。

 OLさんたちがこちらをチラチラ窺い視ているのがわかります。
 おふたりとも20代半ばくらいの髪を濃い目の茶に染めた今どきOLさん風。
 おひとりはキレイ系、もうひとりは可愛い系で仲良さそう。
 可愛い系のかたが社名の入った大きなバインダーをお持ちになっているので、今このフロアの別の会場でイベントか会議をやってらっしゃる会社のかたなのかな。

 おふたりは好奇の瞳でこちらを盗み視つつ、ときどきヒソヒソお話されています。
 タレント?モデルさん?ファッションショー、エロい、といった単語が途切れ途切れに聞こえてきました。
 何をおしゃっているのかすっごく気になりながらの居心地悪い時間が流れ、やっとエレベーターがやって来ました。

 空のエレベーターにOLさんたちが先に乗り込み、階数パネルの脇に陣取って、開、のボタンを押してくださっています。
 リンコさまと私は会釈をしつつ奥へ。

「何階ですか?」
 可愛い系のOLさんが可愛らしいお声で尋ねてくださいました。
「あっ、恐れ入ります。地下3階をお願いします。ありがとうございます」
 
 リンコさまがバカ丁寧に答えると、OLさんは1FとB3のボタンを押しました。
 そっか、駐車場はこのビルの地下なんだ。
 この格好でショッピングモールやお外を歩くことは回避されたようで、ホッとするような、ちょっぴり残念なような。

 奥に乗り込んだ私は、OLさんたちに背中を向けるために、必然的に正面奥に貼られた大きな鏡と向き合う形になりました。
 綺麗に磨かれた鏡には、私の破廉恥な姿がクッキリと映し出されていました。

 乳白色のビニールの下にうっすらと透ける私のボディライン。
 バストの頂点二箇所で目立つ薄紅色の乳輪と突起。
 両脚の付根を逆三角形に狭く隠す赤いCストリング。
 首から股間へと一着線に走る不自然なシルバーチェーン。
 誰が視ても、レインコートの下にはそれしか身に着けていないことが明白でした。
 セミロングボブのウイッグとタレントサングラスで素顔が窺い知れないことがせめてもの慰め。
 さっき、この格好でお外を歩けないのがちょっぴり残念と思った気持ちを、全面的に取り消しました。

 OLさんたちは、私が背を向けているのをいいことに、薄いビニール一枚越しの私の剥き出しなお尻をジロジロ眺めているのが鏡越しにわかりました。
 ひょっとすると、お尻の穴にまで何か挿入されているのもわかっちゃうかも。
 時々する上を見上げる仕草で、鏡に映った私の正面を、天井隅の凸面鏡で盗み視ているのもわかりました。
 リンコさまは、ツンとお澄まし顔で階数パネルをじっと視ていらっしゃました。

 恥ずかしさにどんどんからだが熱くなってくる中、頭の片隅ではショーでの極まりすぎた羞恥がもたらしてくれた快感がぶり返していました。
 私はモデルだから、こんな格好でもぜんぜん恥ずかしくないの。
 さあ、視て、じっくり視て、私のからだ・・・
 この状況でそんなふうに思っている自分自身に驚きました。

 ポーンという音がして一階に着きました。
 ドアが開くと、そこには10人くらいの見知らぬ人たちが待ち構えていました。
 大半はスーツ姿の男性たち、それに着飾ったおばさまがたが少々。
 ああん、いやんっ。
 来るときも通った見慣れた景色とも相俟って、白昼夢気分が掻き消え、一気に現実に引き戻されました。

 OLさんたちが降りると、我先にと乗り込んできたひとりのおばさま。
「まだ下に行きますよ?」
 やんわりと追い出して、閉、を押すグッジョブなリンコさま。
 扉が閉まる寸前に、露出狂か?と誰かに問うような男性のお声が聞こえた気がしました。
 ふたりきりになって更に下降をつづけるエレベーター。

「危機一髪だったみたいね。そろそろ他の会場で入れ替え時間だから」
 リンコさまがやっと、愉快そうにお口を開かれました。

「もう一本遅れていたら、フロアに今のサラリーマンたちがごちゃごちゃいたはずだから、ナオコのからだは、さっきのOLさんたちとは全く質の違うオトコどもの好色な視線の餌食になってたはず」
「もっとも、さっきのOLさんたちだって、自分たちのオフィスで、さっきエレベーターにスケスケの露出狂女が乗ってた、って言いふらすでしょうけどね」
 ニヤニヤ笑いのからかい口調。

 エレベーターのドアが開くと、今度は誰もいませんでした。
 明るいエレベーターホールを抜けると、冷たそうに静まり返ったコンクリートの広い駐車場。
 その薄暗さが妙に心地よく、ホッと息をつきました。

 幸い駐車場内にも誰もいないようでシンと静まり返った中、カンカンカンとリンコさまと私がヒールの音を響かせて駐車場を進みます。
 壁際に見覚えのある青っぽい色の自動車。
 有名なサイダーのマークに似たエンブレムの、お姉さまの愛車でした。

「ナオコは後ろね。ナオコが朝、持ってきたバッグとかも全部、もう積んであるから。脱がされたスーツもね」
 お姉さまのお車の両端のライトが電子音とともにピカッと光り、リンコさまが右側の後部座席を開けてくださいました。
 私が乗り込むのを見届けて、自らは運転席にお座りになるリンコさま。

「リンコさまが送ってくださるのですか?」
「うん。送り届けたら速攻で戻って、商談会やパーティ。まだまだ仕事は終わらないよ」
「そうですか・・・」
「パーティ、出たかった?」
「うう・・・微妙です、ね」
「だろうね。あんな格好をお客様に披露しちゃった後だしね」
 愉快そうに笑うリンコさま。

「連絡事項ね。そのチェーンとCストは、ナオコのものだから、私物として使っていいって。ナオコの穴の間隔に合わせた、まさにオートクチュールだしね。ただし、どちらもオフィスに置いておくこと」
「あ、では今、外したほうがいいのですか?」
「ううん。今日はいいの。今外されたら車のシートがベトベトになってクサくなっちゃうでしょ?」
「月曜日にオフィスに持ってきて、それからは着けるのもオフィス限定、っていうこと」
 私、今後これをオフィスで着けるようなこと、あるんだ・・・

「あ。それから、そのウイッグはチーフがしほりんから買い取ったから、それもナオコの私物にしていいってさ。これは別にプライベートでもご自由に」
「はい」
「それ、ほんと似合うよね。アタシ今度、そういう髪型のアニメキャラのコスプレ、作ってあげる。これがナオコに超合いそうなんだ」
 久々に見る、普段のリンコさまのオタクっぽい笑顔。

「あと、7時位にケータリングが届くから。パーティに出れないナオコのために、ご馳走のお裾分け」
「だから7時までに一段落しときなさいよ?オナニー真っ最中だったとか、お店の人にうちらまで笑われちゃうから」
 あはは、って屈託ない笑い声。

「それで月曜は朝9時集合で、イベントの反省会議してから通常業務に戻るから。いつもより早いけど遅れずに来ること」
「はい」
 そこでお話が途切れ、しばし沈黙。

 それでもリンコさまは、お車を発進させません。
 誰か待っているのかしら?
 あ、ひょっとしたらお姉さまが・・・

 お尋ねしようと思ったとき、リンコさまがお声をあげました。
「ああ、来た来た」
 ルームミラーで後方を覗かれていたのでしょう、ドアのロックが外される音が微かにしました。
 私はあえて窓から覗かず、ドキドキ。

 カタッと軽い音がして左側の後部座席のドアが開きました。
「お待たせー」
 お声と共に乗り込んで来られたのはシーナさま。
 その意外なお顔にびっくりと一緒にちょっとがっかり。

「あ、今ナオコ、あからさまにがっかりしたー。チーフじゃないかって期待してた?」
 すかさずツッコんでくるリンコさま。
「あ、いえ、そんなことは・・・」
 図星を突かれてうろたえる私。
「あら、せっかくクリュッグロゼの誘惑を振り切って抜け出してきてあげたのに、ずいぶんなご挨拶ねえ」
 いつも通りなシーナさま。

「それにしても今日の直子さん、すごかったー。あ、そうか、直子さんじゃなくて、何だっけ?えっと帯広サトコさん?」
 シーナさまがズズっとお尻を滑らせて私に寄り添い、私を視つめて勢い込んでトンチンカンなことをおっしゃってきました。
「帯広じゃなくて夕張です。夕張小夜さん」
 すかさずリンコさまがツッコミました。

「そう。その夕張さんが出てきたとき、わたし、あれ?って思ったんだ。このからだには見覚えあるな、って」
「それで暗くなってヌードが見えたとき、確信したの。絶対直子さんだって」
「それで、直子さんだって思いながら視ていたら、どんどんワクワクしてきちゃって」
 シーナさまにしては珍しく、ちょっと興奮気味の口調でたたみかけてきました。

「直子さんたら、あんなにキワドイ衣装取っ換え引っ換え着せられちゃって、内心恥ずかしくて仕方ないクセに、一生懸命ツンと取り澄ました顔して歩いているんですもの」
「もうマゾオーラ全開。そっと忍び寄って、ウイッグひっぺがしてやろうか、って思うくらいムラムラしちゃった」
「最後のほうでは、完全に歩きながらイッちゃっているし、本当、ヘンタイマゾ女として一皮も二皮も剥けちゃった、っていう感じ」
 
 シーナさまの指がビニールレインコートの上から、私のまだ尖りつづけている左乳首をピンと弾きました。
「あうっ」

「やっぱり、今だにサカっているのね?わたしの見た感じではショーのあいだにお客さんの前で5、6回はイッてるように見えたけれど」
「楽屋でも2、3回、イッてましたよ」
 リンコさまがお口を挟みます。

「でしょ?なのにまだこんなにサカっちゃっているドヘンタイマゾ女。それでね、考えたんだって、このまま直子さんをひとりで家に帰したら危険だって。直子さんのお姉さまが」
 おっしゃってから、私の顔をじっと覗き込むように見つめてくるシーナさま。

「さすが直子さんのお姉さまね?性癖をよくご存知でいらっしゃること。それでエミリーに頼まれたのよ、明日まで直子の面倒を見てくれって」
「エミリーは社長さんだから、この後も商談会だ、パーティだってお客さんたちのご機嫌伺いで大変なのよ。地方から出てきたお得意さんたちに連れ回されて、おやすみなさいは明け方になるのじゃないかしら」
「わたしは、クリュッグロゼは飲みたかったし、アンジーたちとゆっくりおしゃべりもしたかったけれど、大人数のパーティは苦手でさ。直子さん虐めるの久しぶりだし、二つ返事で引き受けちゃった」

「エミリー、すごく心配していたわよ?直子をひとりにしておいてムラムラが極まって、あられもない格好で週末の夜の街をフラフラされたりしたら取り返しがつかないから、見張っていてくれって」
「その代わり、今夜は直子さんに何してもかまわないとまで、言ってくれたの。たぶん今の直子は、激しく虐められることを望んでいるはずだからって。そうなの?」
 私の顔を覗き込んでくるシーナさま。

 確かに今の私は、誰かにめちゃくちゃに虐めて欲しい気持ちでした。
 麻縄でギチギチに縛られて、身動きの出来ない格好でマゾマンコをぐちゃぐちゃに掻き回されたい・・・
 熱い蝋をおっぱいにダラダラ垂らされて、お浣腸を我慢して、お尻にバチバチ鞭打たれて・・・

 たくさんの人たちの前であんなに破廉恥な姿をさらけ出してしまったどうしようもないヘンタイマゾ女には、そのくらいのお仕置きは当然でした。
 もちろん、出来ればお姉さまの手で、それらをしていただきたいのですが・・・
 シーナさまに言葉でお返事する代わりに、コクリと一回うなずいて、すがるように見つめました。

「部下思いのいい上司じゃない?直子さんのお姉さまは。それにドレイ思いのいいご主人様でもあるし」
 シーナさまがしんみりとおっしゃいました。
「エミリーは、明日の夕方には直子さんのお家に駆けつけるそうよ。よかったわね直子さん、いいパートナーとめぐり逢えて」
「はい・・・」
 私もなんだかしんみりしてしまい、視界がちょっぴりぼやけそう。

「おーけー。それじゃあ直子、今夜はわたしがエミリーの代わりだから。帰ったらまず何して欲しい?」
「あ、はい、M字開脚で両手両足動かせないように縛られて床に転がされて、鞭でバシバシお尻を叩かれたいです」
「わかったわ。やってあげる、覚悟しなさい、小生意気な夕張さん?」
 おっしゃると同時に、私の首からたわんで垂れていたシルバーチェーンをグイッと上へ引っ張ったシーナさま。
「あうっぅー!!」
 クリトリスが千切れそうなほど引っ張られ、膣の中でローターが大暴れ。

「あははは」
 乾いたお声で愉快そうに笑われたリンコさまがブルンとエンジンを掛け、キュルキュルキュルとタイヤを鳴らして、3人を乗せたお姉さまの愛車が薄暗い駐車場をゆっくり滑り出しました。

 そんなふうにして、降って沸いたような私のヘンタイ性癖お披露目イベントショーモデル体験は、幕を閉じたのでした。





2016年9月18日

オートクチュールのはずなのに 58

 リンコさまに肩を支えられ、引き摺られるように楽屋に戻りました。
「おつかれー。すごかったねー」
 しほりさまがバスタオルで、全身汗とよだれと恥ずかしい粘液まみれな私のからだを拭いてくださいます。
 陶酔の余韻で過敏になり過ぎている素肌を撫でられるだけで、貪欲な膣壁がヒクヒク蠢きます。

「モニターで観ていたけどエロかったー。イキ顔のアップになって照明がスーッと落ちていって、なんだか幻想的でさえあったよ」
 後ろ手錠のまま、うっとり立ち尽くす私の上半身から下半身へとタオルが移動していって・・・
「うわっ、凄い。白く濁って、これって本気汁ってやつじゃない。腿のところまでベットリ」

「ぁあんっ!」
 しほりさまのイジワルなご指摘にマゾマンコが大きくキュンと身悶えて、振動がブーン。
 右の内腿を拭いてくださっていたしほりさまの手をタオルごと、思わず両腿でギュッと挟んでしまいました。

「また疼いちゃったんだ?ほんと、底無しの淫乱どヘンタイさんなんだねぇ」
 苦笑い混じりにしほりさまがからかうお声を、乗馬鞭を手にされたリンコさまが引き継ぎました。

「アタシなんて、小夜ちんのお股と目と鼻の先の至近距離だったから、何とも言えない牝クサい、いやらしい臭いが漂ってきて、こっちまでおかしくなっちゃいそうだったよ」
「でしょうね、わかるわかる。わたしだって今、クサいもん。このタオル、どれだけ小夜さんのマン汁、吸っているんだか」

 おふたりにお言葉責めされているあいだも、夢の中にいるような心地良い快感の名残りに浸っていました。
 みなさまに注目されているピンスポットのステージ上でイッてしまったということが、もの凄く恥ずかしいクセに、もの凄く気持ち良かったのです。

「さあ。ついにフィナーレよ。最後は、来てくださったお客様に感謝を込めた素敵な露出狂ドレス」
 リンコさまが後ろ手の手枷を外してくださいました。

 テーブルの上にリンコさまが置かれたピンクの乗馬鞭に目を遣ると、私が咥えていた柄の真中辺りだけ真っ赤なルージュでベットリ汚れ、左右の糸切り歯の間隔にクッキリと凹みが出来ていました。
 そのテーブルの向こう側ではほのかさまが、何か思い詰めたような真剣なお顔で、私を凝視していました。

 リンコさまに首輪も外され、しゃがみ込んだしほりさまの手で足枷とチェーンも外されました。
 リンコさまの手がおっぱいに伸びてきます。

「ずいぶん長いあいだ挟みっ放しなのに、痛くないの?」
「あ、いえ、もちろん、痛いです・・・」
「ふーん。でもその痛いのが、イイんだよね?淫乱マゾは」
 おっしゃりながら右おっぱいに着けたパスティースのネジをリンコさまの指がつまみました。

 以前にもご説明しましたが、敏感なところを挟んで虐める洗濯バサミなどは、挟むときの激痛が去ると、付けているあいだは我慢出来るくらいの疼痛に変わります。
 揺らされたり弾かれたりすれば痛みもぶり返しますが、そのうちに感覚が失くなったような状態になってきます。
 そして一番辛く激しい痛みが襲うのは、実は外すときなのです。
 この痛みは、挟んでいた時間が長いほど激しくなります。

「あーうっ!」
 激痛を覚悟して身構えていた私に、リンコさまは、更に追い打ちをかけるイタズラを仕掛けてきました。
「ごめんごめん。こっちに回すと余計締まっちゃうんだ。逆に回すんだった」

 かなりキツメに乳首を挟み込んでいた金具が、更にギュウッと乳首にめり込んできたとき、予想していたのとは別の種類の激痛が全身を駆け巡りました。
 その単純な痛みに顔は歪み、膣内はキュンキュン跳ね回り、反応したローターが強モードでブルブル震えました。
 苦痛と快感の鬩ぎ合いに身悶えしているとき、今度は予想していた、じんわりした激痛がすぐに後追いで襲ってきました。
 リンコさまが今度はちゃんとネジを緩めてくださったようです。

「あーーっ、いぃぃっつぅぅーっ!」
 このCストリングの突起の、膣が蠢くたびに震え始めるという仕組みは、本当に残酷だと思いました。
 普通の人ならただ辛いだけの痛さという刺激に対し性的興奮を覚えてしまっているアブノーマルな自分の反応を、振動というハッキリした形に変えて思い知らせてくるのですから。
 その振動で更にもっと気持ち良くなってしまうという、ヘンタイマゾな私の出口の無い悪循環。

「いいぃーやーーっあっあっあーーーっ!!!」
 左乳首にも同じイタズラをされつつパスティースを外されるあいだ中、マゾマンコの中の突起は激しく振動しつづけていました。
 膝と腰がヒクヒク震え、内腿に本気汁が溢れ出し、激痛に他の液体も少し漏らしてしまったかもしれません。

「あーあ。またイッちゃったよ、この子」
「またマン汁垂らしちゃって。せっかく拭いてあげたのに」
「これってひょっとして、ボルチオイキっていうやつじゃないかな?一度それでイクとしばらくのあいだは、耳に息を吹きかけただけでも感じまくっちゃう、っていう」
「へー。そんなのあるんだ?」
「アタシもよくは知らないんだけれど、マンコのずっと奥の子宮の辺りに性感帯があって、そこでイッちゃうとスイッチが入っちゃうらしい」
「じゃあ今、小夜さん、超ド淫乱メス犬状態なんだ」

 私を視ながら嘲るようにあけすけなお言葉遣いで蔑んでくださるおふたりを、すがるように見ている私。
 からだが疼いて疼いて仕方ありませんでした。
 誰でもいいから私を視て、触って、虐めて、辱めて、この疼きを鎮めて・・・

 ふと視線を自分のからだに落とすと、まだジンジンと鈍痛を感じるふたつの尖った乳首の側面に、痛々しく潰された凹みが残っていました。
 自分のからだに刻まれた憐れな陵辱痕に被虐を感じて、性懲りもなくマゾマンコがヒクヒクブルブル。

「だったら予定外だけどさ、このCストは嵌めっ放しにしといてあげようか。どうせドレスの下半身は隠れちゃうし」
「最後だから、お客様に小夜さんの淫乱アヘ顔を堪能していただこうっていういうわけ?リンちゃんもドSだねえ。でも上の人に一応了解取ったほうがいいんじゃない?」
「だって、今これ抜いちゃったら、あの仕掛けもあることだし、きっとマン汁ダラダラ垂れ流しになるよ?それに、小夜ちんのアヌスにも挿さってた、こんなベトベトなの、アタシら弄りたくないじゃん」

 ひややかにおっしゃったリンコさまが、ちょっと考えてつづけました。
「でも、報告だけはしておいたほうが良さそうか、里美さん?聞いてみてくれる?」

「あ、はい」
 ずっとモニターに向かっている里美さまの背中が応え、インカムに向けておっしゃったお言葉がハッキリと聞こえました。

「夕張さんが例のCスト、ずいぶん気に入っちゃったようで、はい、次のアイテムでも着けたままでいいでしょうか、という大沢さんからのご提案なのですが・・・」
 数秒間の沈黙の後。
「はい、わかりました」
 里美さまが私たちのほうへと振り向かれ、主に私をじっと視ながらおっしゃいました。

「チーフからオーケー出ました。夕張さんへの伝言です。歩きながらマゾマンコをキュッキュと締め付けて、みなさんの前でイッちゃいなさい、ただし無表情で。とのことです」
「今のは、チーフがおっしゃった言葉通り、そのままお伝えしました。ちなみにわたしも、その姿をとても愉しみにしていることを、申し添えておきます」

 可愛らしいお顔で、事務的な口調で告げられました。
 ああん、またローターがプルプル震えてる・・・

「おーけー。それじゃあ。とっとと着せちゃおう」
 リンコさまのお言葉に、それまで無言でじーっと私たちの様子を眺めていらっしゃったほのかさまが、弾かれたようにハンガーラックへと駆け寄りました。

 リンコさまへと手渡されたのは、軽くて柔らかそうなカーテンみたいな黒っぽい布地で、全体的にクタッとしていました。
 色は黒のようですが、布そのものかなり薄いようなので、シースルーなことは間違い無さそうです。

「国産の最高級シルクを使っているの。アクセも含めて今日のアイテムの中じゃ一番お高い逸品ね」
 リンコさまがフワッと広げたその布地は、なんだかマントのような形状でした。
 だけど、ほのかさまが似たような布地をもうひとつお持ちになって、脇に控えていらっしゃいます。

「まず、これをこうして・・・」
 私の背後に回ったリンコさまが私の首に細い紐を絡めました。
 思った通り、それは紛うことなきマントでした。
 首の紐を正面で丁寧に結ばれると、裸の背中が足首の少し上くらいまで、緩くドレープのかかったシースルーの黒いシフォン地に覆われました。

 正面からの姿を鏡に映してみると、首元から逆V地に広がったマントが肩口から両腕を隠して、それ以外の真正面は丸出し。
 裸にマントだけの、マンガかアニメで見たことのあるヘンタイさん寄り女性ヒーローの姿そのものでした。
 でも、あの人のマントは赤で、お顔も仮面で隠していたんだっけ?

「それで、これ」
 ほのかさまから手渡されたもう一枚の布地を持って、私の前に回ってこられたリンコさま。
 ああ、やっぱり前も隠すんだ。
 ホッとして広げられた布地を見ると、なんだか形がヘン。
 どこがどう、と具体的な指摘は出来ないのですが、直感的に違和感を感じました。

「ちょっと失礼」
「ああんっ!」
 突然ギュッと右の乳首をリンコさまにつままれてビクン、ローターがブーン。

「うわー、まだコリッコリだねえ、デカ乳首。それに熱持って熱い」
 乳首をクイクイこねくりまわされ、私はあふんあふん喘いでしまいます。
 それから乳首の根本がギュウッと絞られた感覚がしました。
「ああんっ、だめぇ・・・」
 薄れつつあった乳首の疼痛が鮮烈に蘇りました。

 気がつくと私の右乳首から黒いシフォン生地が垂れ下がっていました。
 リンコさまは、私の淫ら声などにはもういちいいち反応せず、無造作に左乳首も弄んでシフォン生地がからだの全面を覆うようになりました。
 私の感じた違和感は、ドレスなのに袖と襟ぐりが無いなと思ったからなんだ、と気づいたときには、ウエスト付近で布に繋がっていた細い紐をエプロンのように背中側で結ばれていました。

 ふたつの乳首を起点として垂れ下がった薄い布地が足首の付け根くらいまでを隠していました。
 乳首には細い糸の輪が巻きついていて、輪の円周を調節出来るストッパーを絞ることで固定されていました。
 布地自体が凄く軽いので、乳首が下に引っ張られるような重さを感じることはありませんでしたが、リンコさまがかなりキツク乳首根本を絞り上げたので、両方の乳首がジンジン疼いていました。

 これって私がお家でひとりのときやお姉さまの前で時々している、マゾドレイの裸エプロンと同じだ。
 全裸にエプロンを着けて、布地の上から両方の乳首に洗濯バサミを挟んでエプロンが落ちないように留めてから、首の紐を解いちゃう、私のお気に入りのマゾ装束。
 そこにマントを加えてお尻を隠しても、布地が薄過ぎてほとんどスケスケ。
 ライトを浴びたらクッキリとボディラインが浮き上がることでしょう。

 ちょっと見はエレガントなシフォンドレープドレス姿なのですが、胸元が致命的でした。
 おっぱい丸出しの上、乳首で布地を支えているのです。
 鏡を見ると、黒いドレス姿の中で乳首まで丸出しなおっぱいのところだけ、逆ハート型にくっきり白く、嫌というほど目立ちまくっていました。
 布地越しに、膣と肛門を虐めているCストリングが嵌ったままなのもハッキリわかります。
 マゾマンコに埋まったローターがまた、ブルブル激しく震えました。

「仕上げはこれね」
 リンコさまが再び私の背後に回られ、首全体を覆うような幅の広いチョーカーが巻かれました。
 シルバーの地にキラキラしたパールとか白系の細かい宝石がびっしりと散りばめられた、どこかの王女様が召されるような見るからにゴージャスなチョーカー。

 そのチョーカー正面一番下の真ん中から細いシルバーチェーンが一本、首輪のリードのようにまっすぐに垂れ下がっていました。
 ちょうど私の恥丘のすぐ下くらいまでの長さで。
 その先端には、私の乳首を締め上げているのと同じ輪っかが付いていました。

「見てわかるでしょう?それは、アナタのお姉さまからの特別オプションプレゼント」
 私がシルバーチェーンの先端を見つめていることに気づかれたのでしょう、リンコさまが愉快そうにおっしゃいました。

「当初の企画通りだったら、ここで絵理奈さんのニップル初解禁、のはずだったんだ」
「最後だから、せっかくいらしたお客様にちょっとサービスしちゃえ、って感じでね。もちろん下は普通の黒いTバックショーツの予定だった」
「誰かさんのヘンタイ性癖のおかげで、誰かさんのお姉さままで悪ノリしちゃって、こんなアブノーマルなフィナーレになっちゃった」
 リンコさまのからかうようなお声がそこで途切れ、真面目なお顔に変わりました。

「本来なら、エレガントレディのちょっぴり大胆エクスポーズ大冒険。って感じで、エレガント寄りに締めて大団円っていう予定だったのに、アナタがヘンタイなおかげで、アブノーマルな方向に大暴走」
「そのドレスも、アナタみたいな人しか着てくれないんじゃないか、って思えてきちゃった。出来たときはユニークだから、けっこう気に入っていたのに、今じゃただのヘンタイドレスにしか見えなくなった」
「さしずめ、競りに出された囚われのセイドレイの貰われ先が決まって、精一杯おめかししたマゾペットデビュー披露パーティのドレス、っていう感じ」

 リンコさまの口調がエス度の増したひややかさに戻りました。
 でも、私を見る瞳には、怨嗟と言うか嫉妬と言うか、ひょっとしたら羨望みたいな、そういう類のフクザツな感情が混ざっているような気もしました。

「アナタなら、そのチェーンの先をどうすればいいか、言われなくてもわかるでしょ?」
「はい・・・」

 もはや名前さえ呼んでくださらなくなってしまったリンコさまに促され、チョーカーから垂れたチェーンをドレスと素肌のあいだに落としました。
 思っていた通り、チェーンの先端が恥丘の少し先まで届いていました。
 薄い布地からハッキリとチェーンの行末が見えていました。

 ドレスの脇から両手を差し込み、まず左手でターゲットを捕捉します。
 Cストリングの先端に隠れるか隠れないかのところで息吹いていた、その腫れ上がった肉の芽は、今まで放っておかれていたことに抗議するかのような敏感さで、自分の指でコソッと触れただけなのに強烈な快感を放電しました。

「ああんっ!!」
 思わずガクンと片膝が砕け、はしたない声がほとばしります。

 体勢を立て直してから、そっと指で根本を押さえ固定し、右手で輪っかを引っ掛けます。
 輪っかがおマメに触れたときにもビリっと電流が流れました。
「んんーっ!」

「ほら、悶えているヒマなんてないの。もうすぐスタンバイよ?」
「あ、はいぃ」
 肉の芽が輪っか内に完全に補足された感触がしたので、デタラメにストッパーを締め付けながら、前屈みになっていたからだを起こしました。
「あああーーーっ!!!」

 からだがまっすぐになると同時に、おマメがギューっと上へ引っ張られるのがわかりました。
 充血を更に絞り上げられ、胸の鼓動のドクンドクンと同じ速さのジンジンする痛みがマゾマンコ全体を痺れさせます。
 当然、膣内のローターは震えっ放しで、下半身全体がヒクヒクしっ放し。

 少し肩を落としていれば普通なのですが、胸を張って真っ直ぐに立つと、クリトリスも首から繋がるチェーンにグイッと引っ張り上げられる状態に。
 そしてもちろんショーモデルは、胸を張って姿勢良くランウェイを歩かなければなりません。
 首から剥き出しおっぱいの谷間を抜けてクリットへと、ギターの弦みたいにピンと張り詰めたシルバーチェーン。
 なんてイジワルな、絶妙なチェーンの長さ。

 こんな状態で私、ちゃんとみなさまの前を歩けるのだろうか・・・
 不安に思う一方で、早くお客様がたの前に出たい、淫らな私の格好を視姦していただきたいと思う欲求も沸々と滾っていました。
 根本から絞り込まれて今にも弾けそうに欲情している私の敏感な充血三銃士が、更なる刺激とあられもない恥辱を熱烈に欲していました。

「スタンバイお願いします」
 里美さまが振り向かれ、ニッコリ微笑みかけてきました。
「おーけー。それじゃあ、これ履いて」
 かなりヒール高めでエレガントな黒いミュールを足元に置かれました。
 ヒールが高いと、なおさら背筋を伸ばしていなければ格好がつきません。

 ほのかさまがひざまずいてミュールのベルトを留めてくださいます。
 しほりさまが最後のメイク直しを手早く施してくださいます。
 リンコさまに付き添われて、明るいステージの袖に立ちました。

「ランウェイの先端まで行ったら、肩脱ぎになって、剥き出しおっぱいさらけ出して帰ってきなさい」
 ステージ袖で、そうおっしゃって、ふっと微笑んだリンコさま。
 穏やかなお顔になって、つづけました。

「でもね、アタシこういうはっちゃけたの、嫌いじゃないよ。初めてで要領もよくわからないのに、ナオコはよくがんばった、上出来だわ」
「アタシ、これからナオコと一緒にオフィスで働くの、すっごく愉しみ。お望み通り、いろいろ虐めてあげるから、あ、もちろん性的な意味でね、だから覚悟しておきなさい」
 イタズラっぽい口調でおっしゃいました。

「最後に、ナオコはナオコらしく、ドヘンタイマゾらしく、乳首ツンツンおっ勃てた姿をみんなに視せびらかせてやりなさい。マン汁ダラfダラ垂らしながら、視られてイクところをお客様に魅せつけてきちゃいなさい」
 
 リンコさまに背中をやさしくトンと押されて私は、明るいステージの中央へと歩み出ました。


オートクチュールのはずなのに 59


2016年9月11日

オートクチュールのはずなのに 57

 なんとかこらえて歩きつづけます。

 何?
 何今の・・・

 突起を膣壁が締め付けると同時に、マゾマンコ内にぴったりフィットしたシリコンがローターのようにプルプル振動する感覚がありました。
 膣壁をくまなくゆさぶる予想外の振動が瞬く間に快感となって全身へ広がり、一気に天国一歩手前まで昇り詰めてしまったのです。

 まさか、突起にリモコンが仕込まれていて、どこかで誰かが操作しているとか・・・
 極力何食わぬ顔に努めながらも、心の中では疑心が暗鬼を生んでいました。
 
 だとしたら、またいつ、震えが襲って来るかわからない・・・
 もう一度来て欲しいような、もう絶対に来て欲しくないような・・・

 口に咥えた乗馬鞭の柄をギュッと噛み締めながら、歩幅の狭さがもどかしい鎖に繋がれた両足を懸命に動かし、またいつくるかわからない振動にビクビクしつつも、なんとかランウェイの端までたどりつきました。

 さあ、あとは戻るだけ。
 リモコンローターを仕込まれて街中にいるときと同じドキドキに支配されていました。
 早く戻ろう・・・
 両足のかかとを滑らせてターンしたときでした。

 真っ暗だった会場内がパッと明るくなりました。
 会場のすべての灯りが点けられたみたいで、デパートの食品売り場みたく眩しいほどの明るさになりました。
 でもBGMだけ依然として、ホラー映画のようにおどろおどろしいまま。

「おおっ!」
 お顔が見えるようになったお客様がたも、軽くどよめいていらっしゃいます。
 
 ああん、いやん・・・
 突然、赤裸々となった視界に一テンポ遅れて羞じらいがぶり返し、思わずビクンとからだが震えました。
 その途端にまた、突起がプルプルッと震え、すぐ止まりました。

「んっ!」
 油断していた膣への刺激で顎が上がり、鞭を咥えた唇がたまらず開きそうになり、あわてて歯を食いしばりました。
 同時に下半身にも力を込めると、突起がさっきより激しく振動し始めました。

 だめ、もうだめ・・・
 油断すると震え出す意地悪な突起の振動に翻弄される私は、立ち尽くしたままあきらめかけ、その快感に身を委ね始めていました。
 でも、下半身に込めた力が抜けていくに従って振動は弱くなり、やがて止まりました。

 なんとか膝から崩れ落ちるのを我慢出来た私は、気がつくとまだ、ランウェイの突端。
 中腰、がに股の不格好でうなだれていました。
 赤い首輪から垂れ下がったリードの鎖が、前屈みになった空間にブラブラ揺れています。
 口元からよだれがポタポタと赤いカーペットに滴り落ちるのも見えました。

 あ、いけない!
 ショーモデルにあるまじき、こんな不細工なポーズ。
 あわてて直立モデルポーズに戻った私は、会場中のすべての視線に注目されていました。

 明るすぎるほど明るくなった会場、すべての人たちのお顔がはっきり見えました。
 すべての視線が好奇と侮蔑と嗜虐のいずれかを湛え、私の人となりを吟味するかのように、私のからだのどこかしらを凝視していました。
 さっきまでの暗闇にスポットライトでお客様のご様子がわからないということが、どんなにありがたいことだったのかを思い知りました。

 鞭を咥えて半開きの口元から滴るよだれは、僅かに乳首だけ隠したおっぱいの谷をしとどに濡らしていました。
 赤いレザーでVの字に隠されただけの股間の周辺も両膝の辺りまで、お漏らしでもしたかのように粘液で濡れそぼリ、照明の光にテラテラ光っていました。
 そしてもちろん、そんな私の浅ましい姿が正面の大スクリーンに、大きく映し出されていました。

 もう、こんなのいやっ!
 自虐が極まって、いっそこのままこの場に這いつくばってからだをまさぐり、オナニーを始めちゃいたい気分でした。
 乗馬鞭のグリップをマゾマンコに突っ込んで、アナルの突起をグリグリ掻き回して・・・
 
 それでも今は、ステージまで戻らなければなりません。
 ポーカーフェイスで颯爽と。
 イベントを台無しにすることは、そのまま愛するお姉さまとのお別れを意味していました。
 立派にショーのモデルを務め上げることが、お姉さまとのお約束でありご命令なのですから。

 気を取り直してステージのほうへと歩き出したとき、スタンディングキャット社の男性の誰かが、私に立派なカメラを向けているのが見えました。
 
 いやっ、こんな姿、撮らないで・・・記録に残さないで・・・
 思った途端に突起がブルっと膣壁を震わせました。
 たてつづけにシャッターが押されるのがわかりました。

 カシャッ!だめっ!ビクン!
 カシャッ!いやっ!ビクン!
 カシャッ!撮らないで!ビクン!
 そのたびに突起がブルっと小さく震えました。

 あっ!
 感じると同時に気づきました。
 この突起の振動って、マゾマンコが疼いてキュッと膣をすぼませるたびに起きている・・・
 たぶん、突起を締め付けることで振動する仕組みなんだ。

 その考えが正しいのか試してみたくて仕方なくなりました。
 だけど、私の我慢もそろそろ限界に近くなっていました。
 次に粘膜を大きな刺激が襲ったら、本当にその場で崩れ落ちてしまいそう。

 大事なイベントの、こんな大勢のお客様に視つめられている中で、そんなふしだらなイキ姿をお見せするわけにはいきません。
 でも逆に、そんな姿までみなさまにご披露しちゃうことを、お姉さまはお望みなのかも・・・

 ごちゃごちゃ考えながらステージへ向かって一歩一歩進みます。
 アンジェラさまが、艶然とした笑みを私に向けてきます。
 その横で小野寺さまは、唖然とされたお顔で私の顔を見つめています。
 純さまと桜子さまは、こちらにお顔を向けたまま何やらヒソヒソお話されています。
 シーナさまは、ニヤニヤ笑いを浮かべて嬉しそう。

 ステージまであと十数歩のところまで来たとき、お姉さまのお姿をみつけました。
 どこかでお会いしたことあった気もするお綺麗な女性と並んで座り、私をじっと視つめていました。
 
 何か面白いオモチャをみつけた子供のような、次はどういたぶったら愉しいか企むような、ひややかなまなざし。
 私が一番良く知っている、嗜虐が極まったときにだけ見せていただけるドエスな視線。
 その視線とバッチリ目が合いました。

 その瞬間、お姉さまの唇が動きました。
 実際にお声に出してはいないのでしょうが、私には、その動きだけでお声が聞こえました。
 イッチャイナサイ・・・

 そのお言葉の意味を理解するなり、膣壁がキュウンと疼きました。
 同時に自分でも、漏れそうなオシッコを我慢するみたいに、、下半身にギュウッと力を込めました。

 ビビビビッ!
 今までにない振動が膣から狂おしく全身へとせり上がり、官能を震わせてきます。
「んぐぅぅ!・・・」

 眉間にシワが寄っているのがわかります。
 咥えた鞭の柄を噛み砕かんばかりに噛み締めていました。
 頭の中は真っ白。
 でも足だけは止めず、なんとか前へ前へと踏み出していました。

 イッチャイナサイ・・・
 イッチャイナサイ・・・
 イッチャイナサイ・・・
 
 お姉さまのご命令だけが脳内でエコーしていました。
 そのお言葉が嬉しくてたまりませんでした。

 行かなきゃ。
 お仕事をちゃんとやらなきゃ。
 たとえイッても、とにかくステージまで戻らなくちゃ。

 快感に震えながら、一歩一歩ステージへの階段を踏みしめました。
 もうとっくに自分で下半身に力を込めることはやめているのに、マゾマンコが勝手にビクンッビクンッとわななき、そのたびに弱い振動が起きています。
 左内腿には、見た目でわかるほど白濁した生々しいおツユが溢れ出て、左脚をトロトロ滑り落ちていました。

 ステージに戻り、客席と向き合う形で中央に立ちます。
 綾音部長さまの解説が入るので、すぐに楽屋にもどるな、というお言いつけです。
 リンコさまがタタタッと私の脇に駆けつけて並ばれました。

 試合中のドーム型野球場のように明るい会場内。
 大勢のお客様がたより数段高くなったステージ上で、半裸のマゾドレイそのものな姿を見せつけるみたいに立ち尽くす私。
 
 その姿は破廉恥で浅ましくて、みじめそのものなはずです。
 性的にノーマルな女性でしたら、たまらずに泣き伏してしまうことでしょう。
 だけど私は、そんな状況に強烈な羞恥を感じつつ、一方で愉悦に酔い痴れていました。
 
 全身を蝕む甘美な快感に今すぐにでも身を委ねたいのに、無理して無表情を装います。
 今だにヒクヒク蠢く下半身からビリビリと気持ち良い電流が放電しつづけていて、イッたのか、イキつづけているのか、それともまだイッていないのか、自分でもわからない状態でした。

 BGMのボリュームが下がり、綾音部長さまのお声が流れ始めました。

「只今ご覧頂いたアイテムの実物です。このような形状になっています」
 演壇の上に置いてあった、私が装着しているのと同じ形状のアイテムをお客様に向けてお見せになる綾音部長さま。

「パスティースは、この金具にニップルを挟み、ネジで締め付けることで固定されます」
 わざわざ内側の金具の仕組をお見せになりました。

「当然、若干の痛みを伴いますから、そういったことのお好きな、所謂マゾ傾向の強いかた向けと言えますね」
 ざわざわ広がるお客様がたの忍び笑い。
「ニップルに与える痛みはこのネジで自由に調節出来ますから、マゾ気質のご婦人なら、その度合いに合わせて、必ずや嬉しいご褒美となる装身具と思います」
 
「ボトムはこちらです」
 弓なりのCストリングから飛び出ているふたつの卑猥な突起を、わかりやすいようにみなさまに向けてお見せになる、ご親切な綾音さま。

「おわかりとは思いますが、こちらをヴァジャイナに、こちらはアヌスに挿入する二点留めです」
「挿入することによって、従来のCストリングで懸念される脱落の危険がなくなり、更にA感覚の開発にもなるという、こちらもセックスへの好奇心旺盛なマゾ気質の淑女に最適なアイテムとなっています」
 おっしゃってから綾音さまは、思わせ振りの大きな仕草でステージ真ん中に立つ私のほうへとお顔を向けてきました。

 綾音さまのお顔の動きに吸い寄せられるように、お客様がたの注目が私に集まります。
 視線が放つ好奇の度合いが一段と強くなった気がしました。

 お客様がたの誰もが、今あのモデルの両乳首はネジで締め付けられていて、性器と肛門には卑猥な形をした突起が埋め込まれているのね、と再認識されたことでしょう。
 私はと言えば、そんな好奇と侮蔑の視線の中、上と下の口からよだれをタラタラ垂らしながら、鞭を咥えて後ろ手に括られたまま、澄ました顔をしていなくてはならないのです。

「さらに、このアイテムには、みなさまに内緒にしていた画期的な機能も付属されているのです」
 綾音さまのお芝居じみた口調に、お客様がたの視線が演壇へと戻りました。
「薄々感づいていらしゃるかたもいらっしゃると思いますが、ショーのあいだ、モデルの夕張さんが時折からだをビクンビクンとされていましたよね?」
 そう言えば、みたいな感じにザワザワとざわつく会場。

「実はこのアイテムの手前のほうの突起、ヴァジャイナ挿入部の突起は、ヴァジャイナトレーニングにも適した内容となっているのです」
「ヴァジャイナトレーニングとは、恥骨から尾骶骨に走る筋肉を鍛えることにより、率直に言えばヴァジャイナの締りを良くして、性感を高めるためのトレーニングということです」
 ここでもう一度、綾音さまがCストリングの突起をお客様のほうへ掲げました。

「よくご覧ください、この突起は、締め付けることによって振動する仕組みになっています」
 綾音さまが右手で突起を握り締めました。

「見ただけではわかりづらいですね」
 突起を握っている綾音さまの手に、雅部長さまがご自分のマイクを近づけられました。
 ンーンーンーッ・・・
 ローターが振動するような音が小さく、マイクを通して会場のスピーカーから聞こえてきました。

「強く握るほど、振動も強くなります」
 綾音さまが強く握ったのでしょう、振動音の音程が上がり、ブーンという音がよりはっきり響き渡りました。

「このように、装着したままヴァジャイナの筋肉を動かして突起を締め付けることで、トレーニングと快感の両方を得ること出来るのです」
「女性にありがちな、くしゃみをしたときの尿漏れなども、この筋肉トレーニングで克服することが出来ます」
 へー、なるほど、みたいな感じの場内のさざめき。

 さざめきが鎮まるのを待って、綾音さまが再び、私のほうへお顔を向けてきました。
「ここで実際身に着けてくださっているモデルの夕張さんに、その機能を実演していただこうと思います」
 お客様がたの視線も一斉に私へ戻ってきました。
 えっ!?えーーーーっ!

「わたくしが観ていましたところ、夕張さんはウォークの最中にコツを掴まれたようで、かなり性感も高まっていらっしゃるご様子とお見受けしました、きっと上手く実演してくださることでしょう」
 綾音さまの口調にイジワルさが混ざり始めていました。

「ただし、夕張さんはご覧の通りのクールビューティですから、あまりあからさまにエロティークな反応にはならないかもしれませんけれど」
 会場内にクスクスという忍び笑いと大きな拍手が沸きました。

「それでは夕張さん、お願いします。アヌスをキュッとすぼめるように力を入れてヴァジャイナ全体でコレを締め付けてください」
 
 お客様がたにCストリングの突起を指し示しながら促されました。
 お顔がイタズラっぽく愉快そうに微笑んでいました。
 綾音さままで、私がイク姿をみなさまにご披露することをご所望のようです。

 リンコさまが、お持ちになっていたマイクを私の股間に近づけてきました。
 振動の音を拾おうというのでしょう。
 リンコさまもワクワクなご様子。

 私は、客席にお姉さまのお顔を探しました。
 お姉さまは前から五番めのお席で、薄く微笑みながら私を視つめていらっしゃいました。

 目が合いました。
 お姉さまが一度小さく頷かれ、それからクイッと顎を上にしゃくられました。
 イッチャイナサイ・・・
 覚悟を決めました。

 お姉さま・・・
 お姉さまをまっすぐ見つめながら、マゾマンコに埋め込まれた突起に意識を集中し、下半身に力を入れます。
 お姉さま、私、みなさまの前で、イキます。
 
 弱く身震いを始めた突起が、生き物のように膣の奥へ奥へと、その先端で突いてきます。
 それでもひるまず、もっと奥へと誘いこむように膣壁に力を込めます。
「んぅっ!」
 振動が強くなりました。

 ブーーー-ンッ・・・
 リンコさまのマイクが振動音を拾って、会場に低く流れ始めます。
 私は自ら腰をヒクヒクと淫らに前後に揺らし、突起を締め付けつづけました。

 ブーン、ンンン、ブーン、ンンン・・・
 私が締め付けるリズム通りに、振動も弱くなったり強くなったり。
 それが・・・とても・・・気持ち・・・いいいぃぃ・・・
 鞭の柄を噛み締めながら、喘ぎたがる声を押し殺します。

 今までに着せられたアイテムがもたらした羞恥と被虐と恥辱で、ヘンタイドマゾな私の性的欲求はパンパンに膨れ上がっていました。
 その積み重ねの上にこんなに強烈な肉体的刺激が加わったら、もはや、快楽に抵抗する術など微塵もありませんでした。
 からだが溶けてなくなっちゃいそうなほどの快感の渦が、もうすぐそこまで来ていました。
 
 会場内の照明がフェードアウトするように徐々に暗くなっていきました。
 お姉さまのお顔が、だんだんと闇に溶けていきました。

「ぅあぁぁいぃぃぅあぁぁ、あっ、あっ、いぃぃぃっくぅぅ・・・」
 暗闇の中で私は、自分のからだを駆け巡る快感だけに埋没し、やがて果てました。
 
 会場が真っ暗になる前に二度、リンコさまのマイクが拾ったガタンという大きな音が、ローター音に混じって場内に鳴り響きました。

 一度目の音は、私が咥えていた乗馬鞭が床に落ちた音。
 二度目の音は、とうとうこらえきれずに崩れ落ちた私の両膝が床に激突した音でした。
 
 真っ暗になったステージ上で、盛大な拍手の音だけが聞こえていました。


オートクチュールのはずなのに 58